JP2020053432A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルと内側コア部との間の隙間が小さくても、その隙間に樹脂が十分に充填されたリアクトルを提供する。【解決手段】巻線を巻回してなる巻回部22を有するコイル2と、巻回部22の内部に配置される内側コア部31と、巻回部22の外部に配置される外側コア部32とを有する磁性コア3と、巻回部22の内周面と内側コア部31の外周面との間に充填される内側樹脂部5と、を備えるリアクトル1であって、外側コア部32における内側コア部31に面する側を内方側とし、内方側との反対側を外方側とし、その内外方向と外側コア部内に励磁される磁束の方向の両方向に直交する方向を上下方向とするとき、外側コア部32は、上下方向に交差する分割面322を介して、上下方向に連結される複数のコア片321を有し、内側コア部31は、内外方向の一端側の面から他端側の面に向かって抜ける分割面を有さない。【選択図】図2

Description

本開示は、リアクトルに関する。
特許文献1のリアクトルは、コイルと磁性コアと内側樹脂部とを備える。コイルは、一対の巻回部を有する。磁性コアは、各巻回部の内部に配置される内側コア部と、巻回部の外部に配置される外側コア部とを有する。各コア部は、磁性粉末を含む圧粉成形体、又は樹脂中に軟磁性粉末が分散された複合材料で構成されている。内側樹脂部は、巻回部の内周面と内側コア部の外周面との間に充填される。
このリアクトルの製造は、コイルと磁性コアとを組み合わせた組合体に対して、外側コア部の外方側(内側コア部とは反対側)から巻回部と内側コア部との間に内側樹脂部の構成樹脂を充填することで行われている。外側コア部の外方側から巻回部と内側コア部との間に内側樹脂部の構成樹脂を充填し易くするために、外側コア部には、その内側コア部側(内方側)とその反対側(外方側)とに開口する貫通孔が形成されている。
特開2017−212346号公報
コイルと内側コア部との間の隙間を小さくすることが望まれている。内側コア部の大きさを一定とすれば、コイルの大きさを小さくできるので、リアクトルを小型化できるからである。或いは、コイルの大きさを一定とすれば、内側コア部の磁路面積を大きくできるので、磁気特性を向上できるからである。
上記隙間を小さくすれば、コイルと磁性コアとを組み合わせた組合体に対して、外側コア部の外方側から内側樹脂部の構成樹脂を巻回部と内側コア部との間に充填し難くなる。構成樹脂を充填し易くするためには、構成樹脂の充填圧力や保圧力を高める必要がある。外側コア部は、構成樹脂の充填経路の途中に配置される。そのため、構成樹脂の充填圧力や保圧力を高めれば、構成樹脂との接触による外側コア部への負荷が大きくなる。大きな負荷が外側コア部へ作用すると、外側コア部が割れるなど損傷する虞がある。
そこで、コイルと内側コア部との間の隙間が小さくても、その隙間に樹脂が十分に充填されたリアクトルを提供することを目的の一つとする。
本開示に係るリアクトルは、
巻線を巻回してなる巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内部に配置される内側コア部と、前記巻回部の外部に配置される外側コア部とを有する磁性コアと、
前記巻回部の内周面と前記内側コア部の外周面との間に充填される内側樹脂部と、を備えるリアクトルであって、
前記外側コア部における前記内側コア部に面する側を内方側とし、前記内方側との反対側を外方側とし、その内外方向と前記外側コア部内に励磁される磁束の方向の両方向に直交する方向を上下方向とするとき、
前記外側コア部は、前記上下方向に交差する分割面を介して、前記上下方向に連結される複数のコア片を有し、
前記内側コア部は、前記内外方向の一端側の面から他端側の面に向かって抜ける分割面を有さない。
上記リアクトルは、コイルと内側コア部との間の隙間が小さくても、その隙間に樹脂を十分に充填させられる。
実施形態1に係るリアクトルの概略を示す全体斜視図である。 図1の(II)−(II)切断線で切断したリアクトルの概略を示す断面図である。 実施形態1に係るリアクトルに備わる組合体の一部を示す部分分解斜視図である。 実施形態1に係るリアクトルに備わる組合体を外側コア部の外方側から見た概略を示す正面図である。 実施形態2に係るリアクトルに備わる組合体を外側コア部の外方側から見た概略を示す正面図である。 実施形態3に係るリアクトルに備わる組合体を外側コア部の外方側から見た概略を示す正面図である。 実施形態4に係るリアクトルに備わる組合体を外側コア部の外方側から見た概略を示す正面図である。 実施形態5に係るリアクトルに備わる外側コア部の分割形態の概略を示す斜視図である。 実施形態6に係るリアクトルに備わる外側コア部の分割形態の概略を示す斜視図である。
《本開示の実施形態の説明》
本発明者は、コイルと磁性コアとを組み合わせた組合体に対して、外側コア部の外方側から巻回部と内側コア部との間に内側樹脂部の構成樹脂を充填する際の充填圧力や保圧力を高くした。その結果、外側コア部は、上下方向に分割するように割れる(以下、単に外側コア部の割れということがある)場合があることが分かった。上下方向とは、外側コア部における内側コア部に面する側を内方側とし、内方側との反対側を外方側とし、その内外方向と外側コア部内に励磁される磁束の方向の両方向に直交する方向をいう。特に、特許文献1のように外側コア部に内側樹脂部の構成樹脂の充填経路となる貫通孔を設けた場合には、外側コア部が割れ易いことが分かった。外側コア部は、圧粉成形体や複合材料で構成される。これらの材質は、曲げ応力や引張応力に弱い。充填時の内側樹脂部の構成樹脂との接触によって外側コア部に大きな曲げ応力が作用したり、貫通孔内に充填された樹脂が貫通孔の内面を外側に押し広げることで外側コア部に大きな引張応力が作用したりするからだと考えられる。
本発明者は、上記充填圧力や上記保圧力を高くしても、外側コア部の割れを抑制することを鋭意検討した。その結果、外側コア部に上下方向に分断する分断面を形成して外側コア部を上下方向に分割することで、上記充填圧力や上記保圧力を高くしても外側コア部の割れを抑制できる、との知見を得た。
本開示は、これらの知見に基づくものである。最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(1)本開示の一形態に係るリアクトルは、
巻線を巻回してなる巻回部を有するコイルと、
前記巻回部の内部に配置される内側コア部と、前記巻回部の外部に配置される外側コア部とを有する磁性コアと、
前記巻回部の内周面と前記内側コア部の外周面との間に充填される内側樹脂部と、を備えるリアクトルであって、
前記外側コア部における前記内側コア部に面する側を内方側とし、前記内方側との反対側を外方側とし、その内外方向と前記外側コア部内に励磁される磁束の方向の両方向に直交する方向を上下方向とするとき、
前記外側コア部は、前記上下方向に交差する分割面を介して、前記上下方向に連結される複数のコア片を有し、
前記内側コア部は、前記内外方向の一端側から他端側に向かって抜ける分割面を有さない。
上記の構成によれば、コイルと内側コア部との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部の構成樹脂を十分に充填させられる。コイルと磁性コアとを組み合わせた組合体に対して、外側コア部の外方側から巻回部と内側コア部との間に内側樹脂部の構成樹脂を充填して内側樹脂部を形成する際、上記構成樹脂の充填圧力や保圧力を高められるからである。上記充填圧力や上記保圧力を高めても、外側コア部が上下方向に交差する分割面を有することで、各コア片が分割面を挟んで個別に挙動できる。そのため、充填時の内側樹脂部の構成樹脂との接触などにより外側コア部に作用する負荷を緩和させられる。よって、外側コア部が上下方向に分割するように割れることを抑制できる。
また、内側コア部が内外方向の一端側から他端側に向かって抜ける分割面を有さないことで、磁気特性の低下を抑制できる。内側コア部が上記分割面を有していれば、内側樹脂部の形成時、内側樹脂部の構成樹脂との接触に伴って内側コア部が上記内外方向へズレる虞がある。しかし、内側コア部が上記分割面を有さない。即ち、内側コア部は、上下方向、及び左右方向のいずれにも分割されていない。左右方向とは、内側コア部の上下方向と内側コア部内の磁束の方向(内外方向)との両方向に直交する方向をいう。そのため、内側樹脂部の形成時における内側コア部の上記内外方向へのズレの心配がないからである。
更に、コイルと内側コア部との間の隙間を小さくできる。上述のように、コイルと内側コア部との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部の構成樹脂を十分に充填させられるからである。そのため、内側コア部の大きさを一定とすれば、コイルの大きさを小さくできるので、リアクトルの小型化を図れる。或いは、コイルの大きさを一定とすれば、内側コア部の磁路面積を大きくできるので、磁気特性の向上を図れる。
(2)上記リアクトルの一形態として、
前記外側コア部の前記分割面は、前記内外方向に平行な面を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、分割面が外側コア部の上下方向に交差し、かつ外側コア部の内外方向に交差する面(非平行な面)を有する場合に比較して、コイルと内側コア部との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部の構成樹脂を十分に充填させ易い。分割面が樹脂の充填方向に平行であると、非平行である場合に比較して、コア片同士を互いに分離する方向に挙動させ易い。そのため、上記充填圧力や上記保圧力を高めても、充填時の内側樹脂部の構成樹脂との接触などにより外側コア部に作用する負荷を緩和し易いからである。即ち、外側コア部の割れを抑制し易いからである。
(3)上記リアクトルの一形態として、
前記外側コア部の前記分割面は、前記上下方向に直交する面を有することが挙げられる。
上記の構成によれば、分割面が外側コア部の上下方向に非直交に交差し、かつ内外方向に平行な面を有する場合に比較して、コイルと内側コア部との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部の構成樹脂を十分に充填させ易い。分割面が上下方向に直交であると、非直交に交差する場合に比較して、コア片同士を互いに分離する方向に挙動させ易い。そのため、上記充填圧力や上記保圧力を高めても、充填時の内側樹脂部の構成樹脂との接触などにより外側コア部に作用する負荷を緩和し易いからである。即ち、外側コア部の割れを抑制し易いからである。
(4)上記リアクトルの一形態として、
前記外側コア部は、前記内外方向に貫通する孔部を有し、
前記外側コア部の前記分割面は、前記孔部を前記上下方向に分断することが挙げられる。
上記の構成によれば、コイルと内側コア部との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部の構成樹脂を十分に充填させ易い。孔部を有していても上記充填圧力や上記保圧力を高められるからである。外側コア部の分割面が孔部を上下方向に分断することで、上記充填圧力や上記保圧力を高めても、孔部内に充填された内側樹脂部の構成樹脂が孔部の内面を外側に押し広げることで外側コア部に作用する引張応力を緩和し易い。即ち、孔部を有していても外側コア部の割れを抑制し易い。
(5)上記孔部を有する上記リアクトルの一形態として、
前記孔部内に充填される中間樹脂部と、
前記外側コア部の外側を覆う外側樹脂部とを有し、
前記内側樹脂部と前記外側樹脂部とが前記中間樹脂部を介して連結されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、中間樹脂部を備えることで、孔部を封止できる。そのため、孔部を通ってコイルと内側コア部との間への水滴などの侵入を防止し易い。また、外側樹脂部を備えることで、外側コア部を外部環境から保護し易い。更に、内側樹脂部と外側樹脂部とが孔部内の中間樹脂部を介して連結されていることで、リアクトル(磁性コア)の機械的強度を高められる。
また、上記の構成によれば、リアクトルの生産性に優れる。内側樹脂部と外側樹脂部とが孔部内の中間樹脂部を介して連結されている。この内側樹脂部と中間樹脂部と外側樹脂部とは、1回の成形によって形成できる。即ち、内側樹脂部に加えて中間樹脂部と外側樹脂部とを有するにも関わらず、1回の樹脂成形にて得ることができる。
(6)上記リアクトルの一形態として、
前記各コア片は、軟磁性粉末を含む圧粉成形体、又は樹脂中に軟磁性粉末が分散された複合材料のいずれか一方で構成されていることが挙げられる。
上記の構成によれば、上記充填圧力や上記保圧力が高いと割れ易い圧粉成形体や複合材料でコア片が構成されていても、外側コア部が分割面を備えることで外側コア部の割れを抑制し易い。
圧粉成形体は、複合材料に比較して、コア片に占める軟磁性粉末の割合を高くできる。そのため、磁気特性(比透磁率や飽和磁束密度)を高め易い。
複合材料は、樹脂中の軟磁性粉末の含有量を容易に調整できる。そのため、磁気特性(比透磁率や飽和磁束密度)を調整し易い。その上、圧粉成形体に比較して、複雑な形状でも形成し易い。
《本開示の実施形態の詳細》
本開示の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
《実施形態1》
〔リアクトル〕
図1〜図4を参照して、実施形態1に係るリアクトル1を説明する。リアクトル1は、コイル2と磁性コア3とを組み合わせた組合体10と内側樹脂部5とを備える。コイル2は、巻線211,221を巻回してなる巻回部21,22を有する。磁性コア3は、内側コア部31と外側コア部32とを有する。内側コア部31は、巻回部21,22の内部に配置される。外側コア部32は、巻回部21,22の外部に配置される。内側樹脂部5は、巻回部21,22の内周面と内側コア部31の外周面との間に充填される。リアクトル1の特徴の一つは、内側コア部31が特定の分割面を有さない点と、外側コア部32が特定の分割面322を介して特定の方向に連結される複数のコア片321を有する点と、にある。以下、リアクトル1の主たる特徴部分、特徴部分に関連する部分の構成、及び主要な効果を順に説明する。その後、各構成を詳細に説明する。最後に、リアクトル1の製造方法を説明する。図3では、説明の便宜上、組合体10の一部の構成(図1の巻回部21など)を省略している。
[主たる特徴部分及び関連する部分の構成]
(コイル)
コイル2は、一対の巻回部21,22を備える(図1)。各巻回部21,22は、別々の巻線211,221を螺旋状に巻回してなる。本例の各巻回部21,22における隣り合うターン同士は、接触している。なお、巻回部21,22における隣り合うターン同士は、後述する内側樹脂部5が隣り合うターン同士の間から漏れ出ない程度に隣り合うターン同士の間が狭ければ、接触していなくてもよい。一対の巻回部21,22は、互いに電気的に接続されている。巻線211,221の詳細と電気的な接続の仕方とは後述する。各巻回部21,22は、中空の筒状体である。本例の各巻回部21,22の形状は角筒状である。角筒状とは、各巻回部21,22の端面形状が矩形状(正方形状を含む)の角を丸めた形状を言う。各巻回部21,22の大きさは、互いに同一である。各巻回部21,22の巻数は互いに同一数である。各巻回部21,22の巻回方向は、同一方向である。なお、各巻回部21,22の巻線211,221の断面積や巻数が互いに異なっていてもよい。各巻回部21,22の配置は、各軸方向が平行するように横並び(並列)した状態としている。
(磁性コア)
磁性コア3は、一対の内側コア部31と、一対の外側コア部32とを備える。各内側コア部31は、各巻回部21,22の内部に配置される。内側コア部31とは、磁性コア3のうち、巻回部21,22の軸方向に沿った部分を意味する。本例では、磁性コア3のうち、巻回部21,22の軸方向に沿った部分の両端部が巻回部21,22の外側に突出しているが、その突出する部分も内側コア部31の一部である。外側コア部32は、各巻回部21,22の外部に配置される。即ち、外側コア部32は、コイル2が配置されず、コイル2から突出(露出)される。磁性コア3は、離間して配置される内側コア部31を挟むように外側コア部32が配置され、内側コア部31の端面と外側コア部32の内端面とを接触させて環状に形成される。これら内側コア部31及び外側コア部32により、コイル2を励磁したとき、閉磁路を形成する。
〈外側コア部〉
外側コア部32の形状は、本例では略ドーム形状の上面と下面を有する柱状体である(図1,図3)。なお、外側コア部32の形状は、直方体状などでもよい。外側コア部32における内側コア部31に面する側を内方側とし、内方側との反対側を外方側とする。外側コア部32の内外方向と外側コア部32内の磁束の方向との両方向に直交する方向を上下方向(高さ方向)とする。外側コア部32内の磁束の方向とは、一対の巻回部21,22の並列方向に沿った方向(図4紙面左右方向)とする。外側コア部32の高さは、内側コア部31よりも大きい(図2)。外側コア部32の上面は、内側コア部31の上面と略面一である。外側コア部32の下面は、コイル2の下面と略面一である。なお、外側コア部32の高さは、内側コア部31と同じ高さでもよい。
・分割面
各外側コア部32は、複数の柱状のコア片321を有する(図3,図4)。複数のコア片321は、上下方向に交差する分割面322を介して連結される。即ち、分割面322は、外側コア部32を上下方向に分割する。複数のコア片321同士の連結は、本例では後述する外側樹脂部7により行われる。この分割面322は、外側コア部32における外方側から内方側に向かって抜ける面である。図1〜図4では、説明の便宜上、分割面322を誇張して示している。コア片321同士は、実質的に隙間なく直接接触していることが好ましい。但し、磁気特性にあまり影響を与えない程度であれば、後述する内側樹脂部5の一部がコア片321同士の間に介在されることを許容する。これらの点は、後述する図5から図7でも同様である。コア片321は、圧粉成形体、又は複合材料で構成される。コア片321の材質は後述する。
外側コア部32が分割面322を有することで、巻回部21,22と内側コア部31との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部5の構成樹脂を十分に充填させられる。組合体10に対して、外側コア部32の外方側から巻回部21,22と内側コア部31との間に内側樹脂部5の構成樹脂を充填して内側樹脂部5を形成する際、内側樹脂部5の構成樹脂の充填圧力や保圧力を高められるからである。上記充填圧力や上記保圧力を高めても、外側コア部32が分割面322を有することで、充填時の内側樹脂部5の構成樹脂との接触などにより外側コア部32に作用する負荷を緩和させられる。各コア片321が独立して挙動できるからである。そのため、外側コア部32が上下方向に分割するように割れる(以下、単に外側コア部32の割れということがある)ことを抑制できる。
各外側コア部32の分割面の数、及びコア片321の数は、適宜選択できる。本例の分割面322の数は、一つである。即ち、本例のコア片321の数は、二つである。なお、分割面322の数は、二つ以上とすることもできる。即ち、コア片321の数は、三つ以上とすることもできる。
外側コア部32の上下方向に交差して複数のコア片321を上下方向に分割する分割面322としては、以下の(1)又は(2)の形態が挙げられる。
(1)外側コア部32の内外方向に交差する面(非平行な面)を有する。即ち、分割面322は、外側コア部32の上下方向に交差し、かつ外側コア部32の内外方向に交差する面(非平行な面)を有する。
(2)外側コア部32の内外方向に平行な面を有する。即ち、分割面322は、外側コア部32の上下方向に交差し、かつ外側コア部32の内外方向に平行な面を有する。
上記(1)の形態とする場合、分割面322の横断面形状は、折れ線形状、湾曲状、傾斜状、などが挙げられる。折れ線形状としては、V字状、N字状、W字状などが挙げられる。湾曲状としては、円弧状、S字状、正弦波状などが挙げられる。分割面322の横断面形状とは、外側コア部32内の磁束の方向(一対の巻回部21,22の並列方向)に直交する面を切断面としたとき、切断面に分割面322の縁で表される線の形状を言う。中でも、分割面322の横断面形状がV字状、N字状、W字状、湾曲状であれば、上下方向のコア片321同士を分割面322の凹凸で嵌め合わせることができる。そのため、コア片321同士の位置決めを行い易い。外側コア部32の上記切断面において、分割面322の各端部は、外側コア部32の左右の各辺に交差している。
分割面322は、上記(2)の形態を満たすことが好ましい。分割面322が上記(1)の形態を満たす場合に比較して、巻回部21,22と内側コア部31との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部5の構成樹脂を十分に充填させ易いからである。内側樹脂部5の形成時の上記充填圧力や上記保圧力を高めても、分割面322が上記(1)の形態を満たす場合に比較して、充填時の内側樹脂部5の構成樹脂との接触などにより外側コア部32に作用する負荷を緩和し易い。分割面322が樹脂の充填方向に平行であると、非平行である場合に比較して、コア片321同士を互いに分離する方向に挙動させ易いからである。即ち、外側コア部32の割れを抑制し易い。
上記(2)の形態としては、以下の(2−1)〜(2−3)のいずれかの形態が挙げられる。
(2−1)外側コア部32の上下方向に非直交に交差する面を有する。即ち、分割面322は、外側コア部32の上下方向に非直交に交差し、かつ外側コア部32の内外方向に平行な面を有する。この分割面322は、外側コア部32内の磁束に交差する面である。
(2−2)外側コア部32の上下方向に直交する面を有する。この直交する面は、外側コア部32の内外方向に平行な面である。即ち、分割面322は、外側コア部32内の磁束に平行な面である。
(2−3)外側コア部32の上下方向に非直交に交差する面と、外側コア部32の上下方向に直交する面とを有する。即ち、外側コア部32の上下方向に非直交に交差し、かつ外側コア部32の内外方向に平行な面と、外側コア部32の上下方向に直交する面とを有する。
分割面322は、上記(2−2)の形態を満たすことが好ましい。分割面322が上記(2−1)、(2−3)の形態を満たす場合に比較して、巻回部21,22と内側コア部31との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部5の構成樹脂を十分に充填させ易いからである。内側樹脂部5の形成時の上記充填圧力や上記保圧力を高めても、分割面322が上記(2−1)、(2−3)の形態を満たす場合に比較して、充填時の内側樹脂部5の構成樹脂との接触などにより外側コア部32に作用する負荷を緩和し易い。即ち、外側コア部の割れを抑制し易い。
上記(2−1)の形態とする場合、分割面322の縦断面形状は、折れ線形状、湾曲状、傾斜状などが挙げられる。折れ線形状としては、V字状、N字状、W字状などが挙げられる。湾曲状としては、円弧状、S字状、正弦波状などが挙げられる。分割面322の縦断面形状とは、外側コア部32の上下方向及び外側コア部32内の磁束の方向(一対の巻回部21,22の並列方向)との両方向に平行な面を切断面としたとき、切断面に分割面322の縁で表される線の形状を言う。中でも、分割面322の縦断面形状がV字状、N字状、W字状、湾曲状であれば、上下方向のコア片321同士を分割面322の凹凸で嵌め合わせることができる。そのため、コア片321同士の位置決めを行い易い。外側コア部32の上記切断面において、分割面322の各端部は、外側コア部32の左右の各辺に交差していてもよいし、外側コア部32の上辺、下辺、上側の角部、及び下側の角部のいずれかに交差していてもよい。
上記(2−2)の形態とする場合、分割面322の縦断面形状は、平面状が挙げられる。この場合、分割面322が磁路に交差せず平行であるため、磁気特性に優れる。
上記(2−3)の形態とする場合、分割面322は、例えば、次の組み合わせが挙げられる。外側コア部32を磁路の方向に三分割して、分割面322を中央の分割面323と、左側の分割面324と、右側の分割面325とする。中央の分割面323は、外側コア部32の上下方向に非直交に交差し、かつ外側コア部32の内外方向に平行な面、例えばV字状の面で構成する。左側の分割面324と右側の分割面325とは、外側コア部32の上下方向に直交する面で構成する。或いは、左側の分割面324と右側の分割面325とは、外側コア部32の上下方向に非直交に交差し、かつ外側コア部32の内外方向に平行な面、例えば傾斜状の面で構成する。中央の分割面323は、外側コア部32の上下方向に直交する面で構成する。
本例の分割面322は、上記(2−2)の形態としている。即ち、外側コア部32の上下方向に直交する面で構成されている。分割面322の縦断面形状は、平面状である。
分割面322の上下方向の形成位置は、外側コア部32が本例のように後述する孔部35を有する場合、孔部35を分断する位置が好ましい。孔部35に充填された樹脂が孔部35の内周面を外側に押し広げることで、外側コア部32に大きな引張応力が作用する。しかし、分割面322が孔部35を分断することで、各コア片321が個別に挙動できるため、孔部35の内周面を押し広げる力を緩和させられる。即ち、外側コア部32に作用する引張応力を低減できる。よって、内側樹脂部5の形成時の構成樹脂の充填に伴う外側コア部32の損傷を抑制し易い。分割面322の上下方向の形成位置は、本例では、孔部35の上下方向の中心を分断する位置としている。
分割面322は、孔部35同士の間に設けられる中央の分割面323と、孔部35よりも外側に設けられる左側の分割面324と右側の分割面325とを有する。本例では、中央の分割面323と左側の分割面324と右側の分割面325とが、同一平面上に位置する。なお、後述する実施形態2に説明するが、中央の分割面323と左側の分割面324と右側の分割面325の少なくとも一つの分割面が他の分割面と異なる平面上に位置してもよい。
・孔部
外側コア部32は、外側コア部32の内外方向に貫通する孔部35を有する。即ち、孔部35の開口部は、外側コア部32の外方側の面と内方側の面とに形成されている。孔部35は、内側樹脂部5の形成時、内側樹脂部5の構成樹脂を巻回部21,22の内部に充填する充填経路となる。孔部35の数は、適宜選択でき、単数でもよいし複数でもよい。本例の孔部35の数は、二つとしている。
各孔部35の内方側の開口部は、巻回部21,22の内周面と内側コア部31の外周面との間の隙間h1に臨む位置に開口している。この隙間h1は、各巻回部21,22の内周面と各内側コア部31の外周面との間の筒状の空間のうち、各巻回部21、22における並列方向の中央部寄りの内周面と、各巻回部21,22の内部に配置される内側コア部31との間の隙間である。各孔部35の内方側の開口部が隙間h1に開口することで、内側樹脂部5の形成時、巻回部21,22の内部に確実に内側樹脂部5の構成樹脂を充填できる。
各孔部35の大きさは、外側コア部32の磁路を狭め過ぎない程度に適宜選択できる。例えば、外側コア部32の上下方向に沿った各孔部35の長さは、外側コア部32の上下方向の長さ(高さ)の10%以上50%以下の長さが好ましい。各孔部35の上記長さが外側コア部32の高さの10%以上であれば、内側樹脂部5の構成樹脂の充填経路にし易い。各孔部35の上記長さが外側コア部32の高さの50%以下であれば、外側コア部32の磁路を狭め過ぎない。各孔部35の上記長さの下限値は、外側コア部32の高さの20%以上とすることができ、更には25%以上とすることができる。各孔部35の上記長さの上限値は、外側コア部32の高さの40%以下とすることができ、更には30%以下とすることができる。一方、各孔部35の磁路方向に沿った長さ(幅)の長短は、外側コア部32の磁気特性及び強度に影響を与える。そのため、各孔部35の上記長さ(幅)は、外側コア部32の磁気特性及び強度が低下しない程度に適宜選択できる。
各孔部35の外方側の開口部の縁部は、面取りされていることが好ましい。上記縁部を面取りすることで、外側コア部32の外方側から両孔部35を介して巻回部21,22の内部に樹脂を充填するとき、両孔部35に樹脂が流入し易くなる。面取りとしては、R面取りやC面取りが挙げられる。
〈内側コア部〉
各内側コア部31の形状は、巻回部21,22の内周形状に合わせた形状とすることが好ましい。ここでは、内側コア部31の形状は、直方体状である。この内側コア部31の角部は、巻回部21,22の内周面に沿うように丸めている。
各内側コア部31は複数の柱状のコア片311を有する(図2)。内側コア部31における外側コア部32の上下方向に沿った方向を上下方向とする。内側コア部31の上下方向と内側コア部31内の磁束の方向との両方向に直交する方向を左右方向とする。内側コア部31内の磁束の方向は、巻回部21,22の軸方向に沿った方向とする。複数のコア片311は、内側コア部31内の磁束の方向に交差する分割面であって、内側コア部31の上面から下面(左側面から右側面)に抜ける分割面を介して連結される。即ち、分割面は、内側コア部31を磁束の方向に分割する。
各内側コア部31におけるコア片311の数は、適宜選択できる。本例のコア片311の数は、三つである。上記分割面の数は、二つである。本例の各分割面は、内側コア部31内の磁束に直交している。即ち、各コア片311の形状は、互いに同一の角柱状である。
隣り合うコア片311同士は、直接連結されておらず、ギャップ312を介して連結されている。また、コア片311と外側コア部32とは、直接連結されておらず、ギャップ313を介して連結されている。即ち、各内側コア部31は、コア片311とギャップ312、313とがコイル2の軸方向(内側コア部31内の磁束方向)に沿って積層配置された積層体で構成している。コア片311は、圧粉成形体、又は複合材料で構成される。コア片311とギャップ312,313の材質は後述する。
各内側コア部31は、内側コア部31内の磁束に沿った方向の一端側の面から他端側の面に抜ける分割面を有さない。内側コア部31内の磁束に沿った方向の一端側の面と他端側の面とは、本例では磁束に直交する面である。即ち、この分割面は、内側コア部31を上下方向、又は左右方向に分割する面である。この分割面を有さないとは、内側コア部31は、上下方向、及び左右方向のいずれにも分割されていない。即ち、内側コア部31は、上下方向、及び左右方向に分割された複数のコア片を有していない。内側コア部31が上記分割面を有さないことで、磁気特性の低下を抑制できる。内側樹脂部5の形成時、内側樹脂部5の構成樹脂との接触に伴って内側コア部31が上記内外方向へズレないからである。
なお、各内側コア部31は、いずれの分割面も有さない一つの柱状のコア片で構成してもよい。このコア片は、ギャップを介さず、巻回部21,22の軸方向の略全長の長さを有する。
(内側樹脂部)
内側樹脂部5は、図2に示すように、巻回部22の内周面と内側コア部31(コア片311)の外周面とを接合する。図示は省略しているが、巻回部21(図1)側でも同様である。内側樹脂部5は、各巻回部21,22の内周面と各内側コア部31の外周面との間の筒状の空間に介在される。この筒状の空間の略全域に亘って内側樹脂部5が形成されている。
本例の内側樹脂部5は、各巻回部21,22の内部に留まり、ターン同士の間から各巻回部21,22の外周に溢れ出ていない。本例のように各巻回部21,22における隣り合うターン同士が接触している場合や隣り合うターン同士が接触せず隣り合うターン同士の間が十分に狭い場合、各巻回部21,22が後述する一体化樹脂を有する場合には、内側樹脂部5の一部がターン同士の間から各巻回部21,22の外周に溢れ難くできる。本例の内側樹脂部5の一部は、内側コア部31におけるコア片311同士の間と、コア片311と外側コア部32との間とに入り込み、ギャップ312,313を形成している。
内側樹脂部5の内部には、大きな空隙が殆ど形成されておらず、更には小さな空隙も殆ど形成されていない。上述したように、外側コア部32が分割面322を備えることで、内側樹脂部5の形成時の上記充填圧力や上記保圧力を高められるからである。そのため、巻回部21,22の内部には十分な樹脂を充填できる。よって、巻回部21,22の内部に形成される内側樹脂部5に大きな空隙ができ難い。空隙が少ない内側樹脂部5は強度に優れる。そのため、リアクトル1の使用時の振動などによって内側樹脂部5が損傷し難い。よって、リアクトル1の動作が安定する。
内側樹脂部5の材質には、例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が利用できる。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン9Tなど)、液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらの樹脂には、セラミックスフィラーを含有させてもよい。セラミックスフィラーは、アルミナやシリカなどが挙げられる。セラミックスフィラーを含有すれば、内側樹脂部5の放熱性を向上させられる。
[リアクトルの主たる特徴部分における作用効果]
実施形態1に係るリアクトル1は、以下の効果を奏することができる。
(1)各巻回部21,22と各内側コア部31との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部5の構成樹脂を十分に充填させられる。内側樹脂部5の形成時の上記充填圧力や上記保圧力を高められるからである。上記充填圧力や上記保圧力を高めても、外側コア部32が上下方向に直交する分割面322を有することで、充填時の内側樹脂部5の構成樹脂との接触などにより外側コア部32に作用する負荷を緩和させられる。特に、分割面322が孔部35を上下方向に分断することで、孔部35内に充填された内側樹脂部5の構成樹脂が孔部35の内面を外側に押し広げることで外側コア部32に作用する引張応力を緩和し易い。そのため、外側コア部32が上下方向に分割するように割れることを抑制できる。
(2)巻回部21,22と内側コア部31との間の隙間を小さくできる。上記(1)のように、巻回部21,22と内側コア部31との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部5の構成樹脂を十分に充填させられるからである。そのため、内側コア部31の大きさを一定とすれば、コイル2の大きさを小さくできるので、リアクトル1の小型化を図れる。或いは、コイル2の大きさを一定とすれば、内側コア部31の磁路面積を大きくできるので、磁気特性の向上を図れる。
[その他の特徴部分を含む各構成の説明]
(コイル)
コイル2の各巻回部21,22を構成する巻線211,221は、導体線の外周に絶縁被覆を備える被覆線を利用できる。導体線の材質は、銅やアルミニウム、マグネシウム、或いはその合金が挙げられる。導体線の種類は、平角線や丸線が挙げられる。絶縁被覆は、エナメル(代表的にはポリアミドイミド)などが挙げられる。本例の各巻線211,221には、導体線が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメル(代表的にはポリアミドイミド)からなる被覆平角線を用いている。この被覆平角線をエッジワイズ巻きしたエッジワイズコイルで各巻回部21,22を構成している。
各巻線211,221の両端部215,225は、コイル2の軸方向の両端で上方へ引き伸ばされている。各巻線211,221の両端部215,225は、絶縁被覆が剥がされて導体が露出している。コイル2の軸方向の一端側(図1紙面右側)における端部215,225の導体同士は、直接接続されている。具体的には、巻回部22の巻線221の端部225側を曲げて、巻回部21の巻線211の端部215側に引き伸ばして接続している。なお、この導体同士の接続は、一対の巻回部21,22とは独立する接続部材を介して行ってもよい。連結部材は、例えば、巻線211,221と同一部材で構成する。この接続は、溶接や圧接で行える。一方、コイル2の軸方向の他端側(図1紙面左側)における端部215,225の導体は、端子部材(図示略)が接続される。コイル2は、この端子部材を介してコイル2に電力供給を行なう電源などの外部装置(図示略)が接続される。
各巻回部21,22は、一体化樹脂(図示略)によって個別に一体化されていてもよい。一体化樹脂は、各巻回部21,22の外周面、内周面、及び端面を覆うと共に、隣り合うターン同士を接合する。一体化樹脂は、巻線211、221の外周(絶縁被覆のさらに外周)に形成される熱融着樹脂の被覆層を有するものを利用し、巻線211,221を巻回した後、加熱して被覆層を溶融することで形成できる。熱融着樹脂の種類は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂が挙げられる。
なお、コイル2に備わる一対の巻回部21,22は、一本の巻線で形成することもできる。巻回部21,22の形状は円筒状でもよい。円筒状とは、各巻回部21,22の端面形状が楕円形状や真円形状、レーストラック形状などをいう。
(磁性コア)
〈材質〉
内側コア部31のコア片311、及び外側コア部32のコア片321は、圧粉成形体、又は複合材料で構成される。圧粉成形体は、軟磁性粉末を圧縮成形してなる。圧粉成形体は、複合材料に比較して、コア片に占める軟磁性粉末の割合を高くできる。そのため、磁気特性(比透磁率や飽和磁束密度)を高め易い。複合材料は、樹脂中に軟磁性粉末が分散されてなる。複合材料は、未固化の樹脂中に軟磁性粉末を分散した流動性の素材を金型に充填し、樹脂を硬化させることで得られる。複合材料は、樹脂中の軟磁性粉末の含有量を容易に調整できる。そのため、磁気特性(比透磁率や飽和磁束密度)を調整し易い。その上、圧粉成形体に比較して、複雑な形状でも形成し易い。なお、コア片311,321は、圧粉成形体の外周が複合材料で覆われたハイブリッドコアとすることもできる。
軟磁性粉末を構成する粒子は、軟磁性金属の粒子や、軟磁性金属の粒子の外周に絶縁被覆を備える被覆粒子、軟磁性非金属の粒子などが挙げられる。軟磁性金属は、純鉄や鉄基合金(Fe−Si合金、Fe−Ni合金など)などが挙げられる。絶縁被覆は、リン酸塩などが挙げられる。軟磁性非金属は、フェライトなどが挙げられる。複合材料の樹脂は、例えば、上述の内側樹脂部5と同様の樹脂が挙げられる。ギャップ312,313は、コア片311よりも比透磁率が小さい材料からなる。本例のギャップ312,313は、内側樹脂部5で構成されている。
(中間樹脂部)
リアクトル1は、中間樹脂部6を有していてもよい(図2)。中間樹脂部6は、外側コア部32の孔部35の内部に充填される。中間樹脂部6は、孔部35内を封止できる。そのため、孔部35を通ってコイル2と内側コア部31との間への水滴などの侵入を防止し易い。中間樹脂部6は、内側樹脂部5と連結されている。この中間樹脂部6は、内側樹脂部5の形成時、孔部35を内側樹脂部5の充填経路として利用した際に内側樹脂部5の一部が孔部35に充填されることで形成される。即ち、中間樹脂部6と内側樹脂部5とは、同じ樹脂で一度に形成されたものである。
(外側樹脂部)
リアクトル1は、外側樹脂部7を有していてもよい。外側樹脂部7は、外側コア部32を外部環境から保護する(図1,図2)。外側樹脂部7は、本例では各外側コア部32の外周面のうち、内側コア部31との連結面を除く領域を覆う。
なお、外側コア部32の下面は、外側樹脂部7から露出していても構わない。その場合、外側コア部32の下面を、コイル2の下面よりも下方に突出させる、或いはリアクトル1が後述する端面部材41を備える場合には、端面部材41の下面と略面一となるように突出させることが好ましい。リアクトル1の設置対象面に外側コア部32の下面を直接接触させる、或いは外側コア部32の下面とリアクトル1の設置対象面との間に接着剤や放熱シートを介在させることで、外側コア部32を含む磁性コア3の放熱性を高められる。本例のように、後述する端面部材41を備える場合、外側樹脂部7は、各外側コア部32を端面部材41に固定できる。
外側樹脂部7は、図2に示すように、外側コア部32の孔部35の中間樹脂部6を介して内側樹脂部5に連結されている。この外側樹脂部7は、内側樹脂部5の形成時に内側樹脂部5の構成樹脂で外側コア部32の外周を合わせて覆うことで形成できる。その場合、外側樹脂部7と中間樹脂部6と内側樹脂部5とは同じ樹脂で一度に形成されたものである。なお、外側樹脂部7は、内側樹脂部5と別個に形成することもできる。
その他、外側樹脂部7には、固定部71が形成されていてもよい(図1)。固定部71は、リアクトル1を設置対象面(例えば、ケースの底面など)に固定する。この固定部71は、外側樹脂部7の構成材料で外側樹脂部7と一体に形成されている。固定部71の形成箇所は、リアクトル1の設置対象における取付箇所の位置に合わせて適宜選択できる。本例の固定部71は、外側樹脂部7の外端面からコイル2の並列方向に張り出すようにフランジ状に設けられている。この固定部71は、高剛性の金属や樹脂で構成されるカラーが埋設されている。このカラーにより、リアクトル1を設置対象面に固定する締付部材(例えば、ボルト)によるクリープ変形を抑制し易い。このカラーには、締付け部材の挿通孔が形成されている。
(介在部材)
組合体10は、介在部材4を備えていてもよい(図1〜図4)。介在部材4は、コイル2と磁性コア3との間の絶縁を確保する。本例の介在部材4は、一対の端面部材41と、内側コア部31の数に応じた数の内側部材42とを有する。
〈端面部材〉
端面部材41は、コイル2の各端面と各外側コア部32との間の絶縁を確保する。各端面部材41の形状は、同一形状である。各端面部材41は、二つの貫通孔410が巻回部21,22の並列方向に沿って設けられた枠状の板材である。各貫通孔410には、内側コア部31(コア片311)と内側部材42との組物が嵌め込まれる。
外側コア部32を端面部材41の凹部412(後述)に嵌め込んだ組物を外側コア部32の外方側から見たとき(図4)、各貫通孔410の上方側と外方側とには、外側コア部32から露出する隙間h3が形成されている(図2を併せて参照)。この隙間h3は、後述する端部片43における連結部432の内周面と内側コア部31(コア片311)の外周面との間に形成される隙間h2に連通している(図2)。即ち、この隙間h3は、巻回部21,22の内周面と内側コア部31(コア片311)の外周面との間の空間に連通している。この隙間h3は、内側樹脂部5の充填経路に利用できる。
各端面部材41におけるコイル2側の面には、巻回部21,22の端面を収納する二つの凹部411が形成されている(図3紙面右側参照)。コイル2側の各凹部411は、巻回部21,22の端面全体を端面部材41に面接触させる。各凹部411は、貫通孔410の周囲を囲むように矩形環状に形成されている。各凹部411における右辺部分は、端面部材41の上端にまで達していて、巻回部21,22の端部215,225を上方に引き出せるようになっている。各端面部材41における外側コア部32側の面には、外側コア部32を嵌め込むための一つの凹部412が形成されている(図3紙面左側参照)。
〈内側部材〉
内側部材42は、各内側コア部31の外周面と巻回部21,22の内周面との間の絶縁を確保する(図3)。各内側部材42は、同一の構成を備える。本例の各内側部材42は、各内側コア部31ごとに一対ずつの端部片43と、各内側コア部31ごとに複数(本例では二つずつ)の中間片44とを備える。
端部片43は、各外側コア部32と各コア片311との間に介在される。各端部片43は、矩形枠状の部材である。各端部片43は、当て止め部431と連結部432とを有する。当て止め部431は、コア片311を当て止めし、コア片311と外側コア部32との間に所定長の離隔部を形成する。当て止め部431は端部片43の四隅に設けられる。内側コア部31の軸方向における当て止め部431の幅は、連結部432の幅よりも広い。連結部432は、当て止め部431同士を連結する。連結部432の外周面は、巻回部21,22の内周面に接触する。連結部432の内周面は、コア片311の外周面と接触せず、コア片311との間に隙間h1、h2を形成する(図2、図4)。この隙間h1、h2は、内側樹脂部5の充填経路となる。
中間片44は、隣り合うコア片311同士の間に介在される。各中間片44は、概略U字状の部材である。各中間片44には、コア片311を当て止めする当て止め部441(図2参照)が設けられている。当て止め部441は、隣り合うコア片311同士の間に所定長の離隔部を形成する。
これら離隔部には、内側樹脂部5が入り込む。離隔部に入り込んだ内側樹脂部5が、ギャップ312,313(図2参照)を形成している。
〈材質〉
介在部材4(端面部材41および内側部材42)の材質は、各種の樹脂等の絶縁材料が挙げられる。樹脂としては、例えば、上述した内側樹脂部5と同様の樹脂が挙げられる。その他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂などが挙げられる。その他の熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。特に、介在部材4の材質は、内側樹脂部5と同じ材質とすることが好ましい。介在部材4と内側樹脂部5の線膨張係数を同じにすることができ、熱膨張・収縮に伴う各部材の損傷を抑制できるからである。
[使用態様]
リアクトル1は、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった電動車両に搭載される双方向DC−DCコンバータなどの電力変換装置の構成部材に利用することができる。
本例のリアクトル1は、液体冷媒に浸漬された状態で使用することができる。液体冷媒の種類は、特に限定されないが、ハイブリッド自動車でリアクトル1を利用する場合、ATF(Automatic Transmission Fluid)などが挙げられる。その他、液体冷媒には、フッ素系不活性液体、フロン系冷媒、アルコール系冷媒、ケトン系冷媒などが利用できる。フッ素系不活性液体は、フロリナート(登録商標)などが挙げられる。フロン系冷媒は、HCFC−123やHFC−134aなどが挙げられる。アルコール系冷媒は、メタノールやアルコールなどが挙げられる。ケトン系冷媒は、アセトンなどが挙げられる。本例のリアクトル1では、巻回部21,22が外部に露出している。そのため、リアクトル1を液体冷媒等の冷却媒体で冷却する場合には、巻回部21,22を冷却媒体に直接接触させられる。よって、本例のリアクトル1は放熱性に優れる。
〔リアクトルの製造方法〕
リアクトル1は、コイル2とコア片311,321と介在部材4とを組み合わせた組合体10を用意し、巻回部21,22とコア片311との間に樹脂を充填して硬化することで製造できる。
本例では、組物を成形金型(図示略)内に配置し、成形金型内に樹脂を注入する射出成形を行う。樹脂の注入は、成形金型の二つの注入孔から行なう。各注入孔は、各外側コア部32の両孔部35に対応する位置に設けられている。即ち、樹脂の注入は、各外側コア部32の外方側(コイル2の反対側)から充填する両側充填で行う。成形金型内に充填された樹脂は、外側コア部32の外周を覆うと共に、外側コア部32の孔部35を介して巻回部21,22の内部に流入する。また、樹脂は、外側コア部32の外周面を回り込んで、端面部材41の隙間h3(充填経路)を介しても巻回部21,22の内部に流入する。
巻回部21,22の内部に充填された樹脂は、巻回部21,22の内周面とコア片311の外周面との間に入り込むだけでなく、隣り合うコア片311同士の間、及びコア片311と外側コア部32との間にも入り込み、ギャップ312,313を形成する。射出成形によって圧力をかけて巻回部21,22内に充填された樹脂は、巻回部21,22と内側コア部31との狭い隙間に十分に行き渡る。但し、樹脂は、巻回部21,22の外部に漏れることは殆どない。各巻回部21,22における隣り合うターン同士が接触しているからである。
巻回部21,22の内部に樹脂が充填されたら、熱処理などで樹脂を硬化させる。硬化した樹脂のうち、巻回部21,22の内部の樹脂は図2に示すように内側樹脂部5となり、外側コア部32の孔部35内の樹脂は、中間樹脂部6となり、外側コア部32を覆う樹脂は、外側樹脂部7となる。
《実施形態2》
〔リアクトル〕
図5を参照して、実施形態2に係るリアクトルを説明する。実施形態2に係るリアクトルは、外側コア部32の分割面322のうち、中央の分割面323と左側の分割面324と右側の分割面325の少なくとも一つの分割面が他の分割面と異なる平面上に位置する点が相違する。以下、相違点を中心に説明し、同様の構成については説明を省略する。この点は、後述する実施形態3〜実施形態6でも同様である。
本例では、中央の分割面323と左側の分割面324と右側の分割面325はいずれも、外側コア部32の上下方向に直交する面で構成されている。中央の分割面323と左側の分割面324と右側の分割面325の上下方向の形成位置は、孔部35を外側コア部32の上下方向に分断する位置にある。中央の分割面323は、左側の分割面324及び右側の分割面325と異なる平面上に位置する。左側の分割面324と右側の分割面325とは、同一平面上に位置する。中央の分割面323が、左側の分割面324及び右側の分割面325よりも上方に位置する。具体的には、中央の分割面323が、孔部35の上下方向の中央よりも上方側に形成されている。左側の分割面324及び右側の分割面325が、孔部35の上下方向の中央よりも下方側に形成されている。なお、中央の分割面323が、左側の分割面324及び右側の分割面325よりも下方に位置していてもよい。中央の分割面323と左側の分割面324と右側の分割面325のいずれもが異なる平面上に位置していてもよい。
〔作用効果〕
実施形態2に係るリアクトルは、実施形態1と同様、各巻回部21,22と各内側コア部31との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部5の構成樹脂を十分に充填させられる。その上、リアクトルの製造性に優れる。左側の分割面324及び右側の分割面325と中央の分割面323とが異なる平面上に位置するため、上下のコア片321を分割面322の凹凸で嵌め合わせ易い。そのため、外側コア部32の上下のコア片321同士の位置決めを行い易いからである。
《実施形態3》
〔リアクトル〕
図6を参照して、実施形態3に係るリアクトルを説明する。実施形態3に係るリアクトルは、外側コア部32が孔部35(図1など参照)を有さない点が、実施形態1と相違する。
外側コア部32の分割面322は、実施形態1と同様、上下方向に直交する面のみで構成されている。分割面322の縦断面形状は、平面状である。分割面322は、同一平面上に位置する。本例のように外側コア部32が孔部35を有さない場合、分割面322の上下方向の形成位置は、例えば、外側コア部32の上下方向の中心から下方に外側コア部32の上下方向の長さの20%までの領域と、同中心から上方に同長さの20%までの領域とが挙げられる。即ち、外側コア部32の上下方向において外側コア部32の上下方向の中心を含む40%の領域が挙げられる。本例では、この領域内に、分割面322のすべてが含まれている。
〔作用効果〕
実施形態3のリアクトルは、実施形態1と同様、巻回部21,22と内側コア部31との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部5の構成樹脂を十分に充填させられる。外側コア部32が孔部35を有さなくても、内側樹脂部5の形成時に、外側コア部32が割れる虞がある。内側樹脂部5の構成樹脂との接触により外側コア部32に大きな曲げ応力が作用することがあるからである。しかし、外側コア部32が分割面322を有することで、内側樹脂部5の形成時に外側コア部32に作用する負荷を緩和させられる。そのため、内側樹脂部5の形成時の上記充填圧力や上記保圧力を高められる。
《実施形態4》
〔リアクトル〕
図7を参照して、実施形態4に係るリアクトルを説明する。実施形態4に係るリアクトルは、外側コア部32が孔部35(図1〜図4)を有さない点と、外側コア部32の分割面322の縦断面形状と、が実施形態1と相違する。即ち、実施形態4に係るリアクトルは、外側コア部32の分割面322の縦断面形状が、実施形態3のリアクトルと相違する。
外側コア部32の分割面322は、実施形態1とは異なり、外側コア部32の上下方向に非直交に交差し、かつ外側コア部32の内外方向に平行な面のみで構成されている。具体的には、外側コア部32の上下方向と外側コア部32内の磁束の方向(一対の巻回部21,22の並列方向)との両方向に平行な切断面において、分割面322の縦断面形状は、V字状である。外側コア部32の上記切断面において、V字状の分割面322の各端部は、外側コア部32の左右の各辺に交差する。分割面322の上下方向の形成位置は、上述の実施形態3と同様、外側コア部32の上下方向の中心から、外側コア部32の上下方向の長さの±20%までの領域を言う。本例では、この領域内に、分割面322のすべてが含まれている。
〔作用効果〕
実施形態4に係るリアクトルは、実施形態1と同様、巻回部21,22と内側コア部31との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部5の構成樹脂を十分に充填させられる。その上、リアクトルの製造性に優れる。分割面322の縦断面形状はV字状であるため、上下方向のコア片321同士を分割面322の凹凸で嵌め合わせることができる。そのため、外側コア部32の上下のコア片321同士の位置決めを行い易いからである。
《実施形態5》
〔リアクトル〕
図8を参照して、実施形態5に係るリアクトルを説明する。実施形態5に係るリアクトルは、外側コア部32が孔部35(図1〜図4)を有さない点と、外側コア部32の分割面322の形態と、が実施形態1と相違する。図8では、図1などとは違って、内側コア部31と内側コア部32の形状を簡略化して示している。この点は、後述する図9でも同様である。
外側コア部32の分割面322は、外側コア部32の上下方向に交差し、かつ外側コア部32の内外方向に交差する面(非平行な面)を有する。外側コア部32内の磁束の方向(一対の内側コア部31の並列方向)に直交する切断面において、分割面322の横断面形状は、V字状である。外側コア部32の上記切断面において、V字状の分割面322の各端部は、外側コア部32の左右(内外方向)の各辺に交差する。分割面322の上下方向の形成位置は、上述の実施形態3、4と同様、外側コア部32の上下方向の中心から、外側コア部32の上下方向の長さの±20%までの領域を言う。本例では、この領域内に、分割面322のすべてが含まれている。V字状の分割面322は、本例では外側コア部32の上方向に凸となるように形成されているが、下方向に凸となるように形成されていてもよい。
〔作用効果〕
実施形態5に係るリアクトルは、実施形態1と同様、巻回部21,22と内側コア部31との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部5の構成樹脂を十分に充填させられる。その上、分割面322により、充填時の内側樹脂部5の構成樹脂との接触などにより外側コア部32に作用する負荷を緩和し易いため、外側コア部32の割れを抑制し易い。そして、実施形態4と同様、リアクトルの製造性に優れる。
《実施形態6》
〔リアクトル〕
図9を参照して、実施形態6に係るリアクトルを説明する。実施形態6に係るリアクトルは、外側コア部32が孔部35(図1〜図4)を有さない点と、外側コア部32の分割面322の形態と、が実施形態1と相違する。この実施形態6に係るリアクトルは、外側コア部32の分割面322の横断面形状が、実施形態5のリアクトルと相違する。
外側コア部32内の磁束の方向(一対の内側コア部31の並列方向)に直交する切断面において、外側コア部32の分割面322の横断面形状は、傾斜状である。外側コア部32の上記切断面において、傾斜状の分割面322の各端部は、外側コア部32の左右(内外方向)の各辺に交差する。分割面322の上下方向の形成位置は、上述の実施形態3〜5と同様、外側コア部32の上下方向の中心から、外側コア部32の上下方向の長さの±20%までの領域を言う。本例では、この領域内に、分割面322のすべてが含まれている。傾斜状の分割面322は、本例では外側コア部32の外方側から内方側に向かって高さが低くなるように形成されているが、外側コア部32の外方側から内方側に向かって高さが高くなるように形成されていてもよい。
〔作用効果〕
実施形態6に係るリアクトルは、実施形態1と同様、巻回部21,22と内側コア部31との間の隙間が小さくても、その隙間に内側樹脂部5の構成樹脂を十分に充填させられる。その上、分割面322により、充填時の内側樹脂部5の構成樹脂との接触などにより外側コア部32に作用する負荷を緩和し易いため、外側コア部32の割れを抑制し易い。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、実施形態4〜実施形態6に係るリアクトルにおいて、外側コア部32には孔部35(図1〜図4を参照)が形成されていてもよい。その場合、実施形態1と同様、孔部35を上下方向に分断する位置に分割面322を形成することが挙げられる。
1 リアクトル
10 組合体
2 コイル
21,22 巻回部
211,221 巻線
215,225 端部
3 磁性コア
31 内側コア部
311 コア片
312、313 ギャップ
32 外側コア部
321 コア片
322 分割面
323 中央の分割面
324 左側の分割面
325 右側の分割面
35 孔部
4 介在部材
41 端面部材
410 貫通孔
411,412 凹部
42 内側部材
43 端部片
431 当て止め部
432 連結部
44 中間片
441 当て止め部
5 内側樹脂部
6 中間樹脂部
7 外側樹脂部
71 固定部
h1,h2,h3 隙間

Claims (6)

  1. 巻線を巻回してなる巻回部を有するコイルと、
    前記巻回部の内部に配置される内側コア部と、前記巻回部の外部に配置される外側コア部とを有する磁性コアと、
    前記巻回部の内周面と前記内側コア部の外周面との間に充填される内側樹脂部と、を備えるリアクトルであって、
    前記外側コア部における前記内側コア部に面する側を内方側とし、前記内方側との反対側を外方側とし、その内外方向と前記外側コア部内に励磁される磁束の方向の両方向に直交する方向を上下方向とするとき、
    前記外側コア部は、前記上下方向に交差する分割面を介して、前記上下方向に連結される複数のコア片を有し、
    前記内側コア部は、前記内外方向の一端側の面から他端側の面に向かって抜ける分割面を有さないリアクトル。
  2. 前記外側コア部の前記分割面は、前記内外方向に平行な面を有する請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記外側コア部の前記分割面は、前記上下方向に直交する面を有する請求項1又は請求項2に記載のリアクトル。
  4. 前記外側コア部は、前記内外方向に貫通する孔部を有し、
    前記外側コア部の前記分割面は、前記孔部を前記上下方向に分断する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記孔部内に充填される中間樹脂部と、
    前記外側コア部の外側を覆う外側樹脂部とを有し、
    前記内側樹脂部と前記外側樹脂部とが前記中間樹脂部を介して連結されている請求項4に記載のリアクトル。
  6. 前記各コア片は、軟磁性粉末を含む圧粉成形体、又は樹脂中に軟磁性粉末が分散された複合材料のいずれか一方で構成されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のリアクトル。
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