JP2020053272A - 荷電粒子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】照射される電子線の収差や焦点ずれを補正するともに、静電レンズの電場の変動が偏向器に与える影響を抑制することを目的とする。【解決手段】試料に照射される荷電粒子線を偏向する偏向器と、前記荷電粒子線を前記試料の上で集束させる対物レンズと、を備える荷電粒子線装置であって、前記対物レンズの一部を含み、前記荷電粒子線の収差や焦点ずれを補正するための電圧が印加される静電レンズと、前記偏向器と前記静電レンズとの間に設けられ、前記静電レンズに印加される電圧と同符号であって一定の電圧が印加される電場固定電極と、をさらに備えることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は荷電粒子線装置に係り、特に試料に照射される電子線の収差又は焦点ずれを補正する技術に関する。
荷電粒子線装置は、電子線のような荷電粒子線を試料に照射し、試料を観察したり、加工したりする装置である。荷電粒子線装置の一つである走査電子顕微鏡は、偏向器によって電子線で試料を走査しながら、試料から放出される二次電子や反射電子等を検出することにより、観察用の画像を生成する。走査電子顕微鏡によって生成される画像の空間分解能は、照射される電子線の試料上でのサイズが小さいほど向上し、電子線の収差や焦点ずれによって低下する。すなわち、画像の空間分解能を向上させるには、電子線の収差や焦点ずれを補正する必要がある。
特許文献1には、磁場レンズである対物レンズと試料との間に、対物レンズの磁路を構成する静電レンズが設けられ、複数に分割された静電レンズの各電極に印加される電圧を調整することにより収差や焦点ずれを補正することが開示されている。
特開2008−181786号公報
しかしながら特許文献1では、静電レンズによって形成される電場の変動が偏向器に与える影響について言及されていない。静電レンズが形成する電場が偏向器による電子線の走査に干渉する領域にあると、電場の変動により電子線の照射位置がずれ、生成される画像に乱れが生じる。なお偏向器への干渉を避けるために、静電レンズが形成する電場の領域を狭くし過ぎると、対物レンズでの収差が顕在化する。
そこで本発明は、照射される電子線の収差や焦点ずれを補正するともに、静電レンズの電場の変動が偏向器に与える影響を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、試料に照射される荷電粒子線を偏向する偏向器と、前記荷電粒子線を前記試料の上で集束させる対物レンズと、を備える荷電粒子線装置であって、前記対物レンズの一部を含み、前記荷電粒子線の収差や焦点ずれを補正するための電圧が印加される静電レンズと、前記偏向器と前記静電レンズとの間に設けられ、前記静電レンズに印加される電圧と同符号であって一定の電圧が印加される電場固定電極と、をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、照射される電子線の収差や焦点ずれを補正するともに、静電レンズの電場の変動が偏向器に与える影響を抑制することができる。
実施例1に係る荷電粒子線装置の一例である走査電子顕微鏡の概略図である。 実施例1の偏向器を調整するためのテーブルの一例を示す図である。 実施例1の光軸上の電場や磁場の関係を示す模式図である。 比較例の光軸上の電場や磁場の関係を示す模式図である。 実施例1の変形例の光軸上の電場や磁場の関係を示す模式図である。 実施例2に係る荷電粒子線装置の一例である走査電子顕微鏡の概略図である。 実施例2の光軸上の電場や磁場の関係を示す模式図である。 実施例3の電場固定電極の構造を示す模式図である。 実施例4に係る荷電粒子線装置の一例である走査電子顕微鏡の概略図である。 実施例4の光軸上の電場や磁場の関係を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の荷電粒子線装置の実施例について説明する。荷電粒子線装置は、荷電粒子線を試料に照射し、試料を観察したり加工したりする装置であり、電子線で試料を走査することにより試料を観察するための画像を生成する走査電子顕微鏡などの様々な装置がある。以下では、荷電粒子線装置の一例として、走査電子顕微鏡について説明する。
図1を用いて本実施例の走査電子顕微鏡の全体構成について説明する。走査電子顕微鏡は、電子光学系鏡筒1、電源ユニット2、及び制御ユニット3から構成される。なお図1中の鉛直方向をZ方向、水平方向をX方向及びY方向とする。
電子光学系鏡筒1は、電子源101、試料ステージ103、検出器106、対物レンズ111、第一のコンデンサレンズ121、第二のコンデンサレンズ122、偏向器140、電場固定電極151を備える。観察対象となる試料104は、試料ステージ103に搭載される。対物レンズ111はコイル112、下磁路113、上磁路114を含む。偏向器140は第一の偏向器141と第二の偏向器142を含む。対物レンズ111、第一のコンデンサレンズ121、第二のコンデンサレンズ122および電場固定電極151は光軸10を回転軸とした連続的な回転体構造を有し、第一の偏向器141および第二の偏向器142は光軸10を回転軸とした4回対称の回転体構造を有する。
電源ユニット2は、電子光学系鏡筒1の各構成部品に電力を供給する。電源ユニット2は、電子光学系鏡筒1の各構成部品に接続される制御電源201〜210を含む。制御電源201、203、205、210はそれぞれ、電子源101、試料104、上磁路114、電場固定電極151に印加する電圧を制御する。制御電源202は試料ステージ103のXY面での移動を制御する。制御電源204、206、207、208、209はそれぞれ、コイル112、第一のコンデンサレンズ121、第二のコンデンサレンズ122、第一の偏向器141、第二の偏向器142を励磁する電流を制御する。
制御ユニット3は、走査電子顕微鏡全体を制御する。制御ユニット3は、演算装置301、記憶装置302、及び入出力装置303を含む。演算装置301は、記憶装置302に格納されるプログラムにしたがって、所定の演算処理を実行する。演算装置301は、例えば、CPU(Central Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等である。記憶装置302は、演算装置301が実行するプログラムや当該プログラムが使用するデータ、および演算装置301で処理されたデータを格納する。記憶装置302は、プログラムが使用するワークエリア等の一時記憶領域を含む。記憶装置302は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の主記録装置やHDD(Hard Disk Drive)及びSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置である。入出力装置303は、データの入力及びデータの出力を行う装置であり、キーボード、マウス、タッチパネル、ディスプレイ等を含む。
電子光学系鏡筒1内では、電子源101から一次電子線11が放射される。一次電子線11は、第一のコンデンサレンズ121、第二のコンデンサレンズ122、対物レンズ111が形成する磁場を順に受けて試料104上に集束される。すなわち、3つのレンズによって一次電子線11のフォーカスが調整される。このとき、電流制限絞り102を通過する一次電子線11のプローブ電流が第一のコンデンサレンズ121で制御され、試料104上での一次電子線11の開き角が第二のコンデンサレンズで制御される。さらに一次電子線11の軌道上には、対物レンズ111によって形成される磁場に加えて、それぞれ独立に電圧が印加される上磁路114、試料104、電場固定電極151によって電場が形成される。
また偏向器140は一次電子線11を偏向して試料104を二次元に走査する走査偏向器、および試料104を二次元に走査する範囲を任意に設定できる視野設定偏向器として使用される。なお、走査偏向器用の偏向器と視野設定偏向器用の偏向器とを独立に配置しても良い。制御電源208と制御電源209は、試料104上での一次電子線11の偏向量の指示値に応じて演算装置301によって算出される電流を第一の偏向器141と第二の偏向器142のそれぞれに印加する。なお一次電子線11の偏向量の指示値は、記憶装置302に予め格納され、制御条件に応じて読み出されても良いし、入出力装置303から入力されても良い。演算装置301は、記憶装置302に予め格納された調整データの数値に基づいた動作比率となるように各電流を算出する。
図2に調整データの一例を示す。図2の調整データは、X方向に作用する偏向器とY方向に作用する偏向器を用いて任意の方向に偏向する構成において、各方向の比率であるX比率とY比率が一次電子線11の加速電圧毎に格納される例である。偏向器に係る調整データが加速電圧毎に格納されることにより、一次電子線11の偏向に係る制御が容易になる。
一次電子線11で試料104を走査している間に試料104から放出される二次電子又は反射電子等の信号電子12は、反射板105に衝突した後、反射板から発生した三次電子や反射電子として検出器106によって検出される。ここで、反射板105に衝突する信号電子12を増加させるために、信号電子12のみを偏向して一次電子線11には作用しないExB偏向器を信号電子12の進行方向の上流側に設置してもよい。また、信号電子12を検出器106に直接検出させるために、ExB偏向器で信号電子12をさらに偏向させてもよい。演算装置301は、検出器106によって検出された信号電子12の強度を一次電子線11の照射位置毎に対応付けた二次元情報としてマッピングすることにより、試料104を観察するための画像を生成する。生成された画像は、入出力装置303に表示されるともに、記憶装置302に格納される。
試料104を搭載した試料ステージ103は光軸10に垂直な平面であるXY面を二次元に移動できる。すなわち、試料ステージ103によって試料104上での一次電子線11の照射位置を移動させて観察位置を変更することができる。このとき、試料104の観察位置と対物レンズ111との距離(以下、試料104の高さ)が試料ステージ103もしくは試料104の形状に起因して変化することがある。具体的には、試料ステージ103と試料104との接触面がXY面に対して傾きを持つ場合や、試料104の自重や試料104内に発生する応力によって試料104の表面にたわみが生じる場合、試料104の高さが変化する。試料ステージ103の移動により試料104の高さが変化すると、観察位置の変更前に調整された集束条件では一次電子線11は試料104上に集束されずに焦点ずれが生じ、生成される画像が不鮮明になる。そこで本実施例では、上磁路114に印加される電圧を変動させて上磁路114を静電レンズとして機能させることにより、焦点ずれを補正する。なお、静電レンズとなる上磁路114と偏向器140との間には電場固定電極151が配置されるので、上磁路114が形成する電場の変動は電場固定電極151によって遮蔽され、偏向器140に及ばない。また電場固定電極151には、上磁路114に印加される電圧の変動によらず、一定の電圧が印加される。
図3を用いて、偏向器140によって形成される偏向場 401と、上磁路114すなわち静電レンズによって形成される電場411と、対物レンズ111によって形成される磁場421との光軸10上での関係について説明する。なお偏向場401は磁場でも電場でも良く、本実施例では磁場である。また図3には、試料104に負の電圧が印加されて形成される電場と、電場固定電極151に正の電圧が印加されて形成される電場と、電場411とを合成した合成電場412を点線で示した。さらに、対物レンズ111、試料104、電場固定電極151、偏向器140の配置も、電場及び磁場との対比のために図3に示した。なお図3との比較例として、電場固定電極151が取り除かれた構成を図4に示し、図3と図4を比較しながら以降で説明する。
図4では、静電レンズによる電場411aの一部が偏向場401の存在領域に重なるので、焦点ずれを補正するために電場411aを変動させると、偏向場401に重なる電場411aの変動により一次電子線11の照射位置がずれ、生成される画像に乱れが生じる。これに対して図3では、電場固定電極151が静電レンズと偏向器140の間に配置されているため、静電レンズによる電場411は偏向場401の存在領域に重ならず、電場411を変動させても一次電子線11の照射位置はずれないので、画像は乱れない。また電場411が対物レンズ111による磁場421の存在領域を包含しているため、電場411のわずかな変動により焦点ずれを補正でき、収差の観点において有利である。
なお静電レンズによる電場411の領域が狭くなると対物レンズ111での収差が顕在化するので、静電レンズに印加される電圧と同符号であって一定の電圧を電場固定電極151に印加することにより、偏向場401の存在領域に合成電場412の一部を重ねさせる。電場固定電極151に印加される電圧が一定であるので、偏向場401に重なる領域では合成電場412は変動せず、画像に乱れは生じない。
また電場固定電極151に印加される電圧は、電場固定電極151がないときの静電レンズによる電場411aの形状に合成電場412の形状が近い状態になるように設定されることが好ましい。合成電場412の形状が電場411aの形状に近い状態であると、電場固定電極151がないときに設定された各種光学条件、例えば図2に示されるような偏向器に係る調整データを、電場固定電極151が配置されたときにも使用することができる。すなわち電場固定電極151に印加される電圧は、加速電圧等の光学条件毎に設定されても良いが、焦点ずれ等を補正する際には一定の値のままである。
図5を用いて、電場固定電極151の変形例について説明する。図5の電場固定電極151は、静電レンズである上磁路114の形状に沿うように形成され、より望ましくは上磁路114と平行に電場固定電極151が配置される。このような構成により、試料104による電場と、電場固定電極151による電場と、静電レンズによる電場411とを合成した合成電場413の形状は、電場固定電極151がないときの静電レンズによる電場411aの形状により近い状態となる。すなわち、電場固定電極151がないときに設定された各種光学条件を、電場固定電極151が配置されたときにも使用することがより容易になる。
以上説明にしたように本実施例では、静電レンズとして機能する上磁路114と偏向器140との間に電場固定電極151が配置されることにより、一次電子線11の焦点ずれを補正するとともに、静電レンズの電場の変動が偏向器140に与える影響を抑制できる。その結果、明瞭で乱れのない観察用の画像が取得できる。また、試料104による電場と、電場固定電極151による電場と、静電レンズによる電場411を合成した合成電場の形状を電場411aの形状に近づけることにより、電場固定電極151がないときに設定された各種光学条件を再設定せずに済むようになる。
実施例1では、静電レンズとして機能する上磁路114と偏向器140との間に一つの電場固定電極151を配置し、電場固定電極151に一定の電圧を印加することについて説明した。本実施例では、静電レンズとして機能する上磁路114と偏向器140との間に配置される電場固定電極を一次電子線11の照射方向に分割し、分割された各電極には独立に電圧を印加することについて説明する。
図6を用いて、本実施例の走査電子顕微鏡の構成について説明する。なお、実施例1と同じ構成には同じ符号を付与して説明を省略する。本実施例の走査電子顕微鏡は、実施例1の電場固定電極151の代わりに三つの電場固定電極152、153、154を備え、実施例1の制御電源210の代わりに制御電源211、212、213を備える。電場固定電極152、153、154は同じ内径と外径を有し、静電レンズとして機能する上磁路114と偏向器140との間に光軸10に沿って配置される。制御電源211、212、213は電場固定電極152、153、154のそれぞれに接続され、各電極に印加される電圧を制御する制御電源である。制御電源211、212、213により、電場固定電極152、153、154にはそれぞれ独立な電圧を印加することができる。
図7を用いて、偏向器140による偏向場 401と、上磁路114すなわち静電レンズによる電場411と、対物レンズ111による磁場421との光軸10上での関係について説明する。なお図7には、試料104に負の電圧が印加されて形成される電場と、電場固定電極152、153、154に正の電圧が印加されて形成される電場と、電場411とを合成した合成電場414を点線で示した。以下、図7と図4を比較しながら説明する。
実施例1と同様に、電場固定電極152、153、154が静電レンズと偏向器140の間に配置されているため、静電レンズによる電場411は偏向場401の存在領域に重ならない。そのため、焦点ずれを補正するために電場411を変動させても一次電子線11の照射位置はずれないので、生成される画像に乱れは生じない。また実施例1と同様に、電場411が対物レンズ111による磁場421の存在領域を包含しているので、電場411のわずかな変動により焦点ずれを補正できる。
また本実施例では、電場固定電極152、153、154の各々に異なる電圧を印加できるので、合成電場414の形状の制御が容易になる。例えば、電場固定電極152、153、154の順に絶対値が大きくなる正の電圧を印加した場合、すなわち試料104に近づくにつれて高い電圧を印加した場合、合成電場414の形状は図7に示されるような階段状になり、図4の電場411aの形状に近づけられる。その結果、電場固定電極152、153、154がないときに設定された各種光学条件を、電場固定電極152、153、154が配置されたときにも使用することが容易になる。
以上説明にしたように本実施例では、静電レンズとして機能する上磁路114と偏向器140との間に電場固定電極152、153、154が配置されるので、実施例1と同様に、焦点ずれを補正でき、静電レンズの電場の変動による偏向器140への干渉を防止できる。その結果、明瞭で乱れのない観察用の画像が取得できる。また、合成電場414の形状を電場411aの形状に近づけやすくなるので、電場固定電極151がないときに設定された各種光学条件を再設定せずに済むようになる。なお、電場固定電極の分割数は、本実施例で説明した三つに限定されず、二つ以上であれば本実施例と同様の効果を得ることができる。
実施例2では、静電レンズとして機能する上磁路114と偏向器140との間に配置される電場固定電極を一次電子線11の照射方向に分割することについて説明した。本実施例では、静電レンズとして機能する上磁路114と偏向器140との間に配置される電場固定電極を光軸10の周方向に分割し、分割された各電極には独立に電圧を印加することについて説明する。なお、実施例1と同じ構成には同じ符号を付与して説明を省略する。
図8を用いて、本実施例の電場固定電極161、162、163、164について説明する。電場固定電極161、162、163、164は、上磁路114の電子源101の側に配置され、四回対称の四極子構造を有する。電場固定電極161、162、163、164のそれぞれには制御電源214、215、216、217が接続され、独立に電圧が印加される。
電場固定電極161、162、163、164と上磁路114の組み立て精度によっては、電場固定電極161、162、163、164の回転対称軸171と上磁路114の回転対称軸172がずれる場合がある。回転対称軸171と回転対称軸172がずれると、電場固定電極161、162、163、164による電場等の合成電場と対物レンズ111とのレンズ中心もずれ、対物レンズ111等を通過する一次電子線11の軸外収差が増大するので、生成される画像が不明瞭になる。
そこで本実施例では、合成電場のレンズ中心が上磁路114の回転対称軸172に合うように、電場固定電極161、162、163、164の各々に印加される電圧を制御電源214、215、216、217によって調整する。合成電場のレンズ中心が回転対称軸172に合わせられることにより、レンズの軸ずれを補正するとともに、試料104に照射される一次電子線11の収差を補正することができる。なお電場固定電極161、162、163、164に印加される電圧は、焦点ずれ等を補正する際には一定の値のままである。
なお本実施例では電場固定電極161、162、163、164が四極子である場合について説明したが、四極以上の極子であれば本実施例と同様の効果を得ることが可能である。また、実施例2で説明した電場固定電極152、153、154のそれぞれを四極以上の多極子構造にしても良い。
以上説明したように本実施例によれば、試料104上に偏向して集束された一次電子線11に発生する収差を増大させることなく静電レンズとして機能する上磁路114を用いて焦点ずれを補正することができる。また上磁路114と偏向器140との間に電場固定電極161、162、163、164が配置されるので、実施例1と同様に、静電レンズの電場の変動による偏向器140への干渉を防止できる。
実施例1では、試料104を光軸10の方向に移動させない場合について説明した。観察目的によっては試料104を光軸10と平行に移動させることがあり、試料104と対物レンズ111との距離が変わると、一次電子線11の集束条件を再設定するのに加えて、試料104周辺の電場の変化にともなって歪収差が生じる場合がある。本実施例では、光軸10の方向への試料ステージ103の移動にともなって生じる歪収差を低減することについて説明する。
図9を用いて、本実施例の走査電子顕微鏡の構成について説明する。なお、実施例1と同じ構成には同じ符号を付与して説明を省略する。本実施例の走査電子顕微鏡は、実施例1の構成とともに、距離変更部107と、試料側電極115と、制御電源218、219を備える。
距離変更部107は、試料104を搭載し、試料104を光軸10と平行に移動させる装置であり、試料ステージ103に搭載される。制御電源219は距離変更部107の動作を制御する。制御電源219が距離変更部107の動作を制御するにより、試料104と対物レンズ111との距離が調整される。
試料側電極115は、試料104と対物レンズ111との間に配置され、上磁路114、試料104、電場固定電極151とは独立に電圧が印加される。制御電源218は試料側電極115に接続され、試料側電極115に印加される電圧を制御する。制御電源218は、試料104と対物レンズ111との距離に応じて、試料側電極115に印加される電圧を制御しても良い。
図9では、試料104を移動させる前の位置である第一の試料位置108を破線で示しており、ミリメートルのオーダーで移動させた位置に試料104が配置される。距離変更部107の動作による光軸10の方向への試料104の移動による比較的大きな焦点ずれは、対物レンズ111の磁場を調整することにより補正される。また、試料ステージ103のXY面での移動による比較的小さな焦点ずれは、上磁路114の電場を調整することにより補正される。
図10を用いて、本実施例の光軸10上での電場や磁場の関係を説明する。図10には、電場固定電極151及び試料側電極115に正の電圧が印加されて形成される電場と、試料104に負の電圧が印加されて形成される電場と、上磁路114によって形成される電場411とを合成した合成電場415を点線で示した。また図10には電場及び磁場との対比のために、第一の試料位置108、第二の試料位置109、試料側電極115、対物レンズ111、電場固定電極151、偏向器140の配置も示した。偏向器140による偏向場401と対物レンズ111による磁場421は実施例1と同様である。
ここで、試料側電極115が配置されていないときの試料104の周辺の電場について説明する。上磁路114が光軸10上に形成する試料側の電場は、試料104が第一の試料位置108のときには破線416となり、第二の試料位置109のときには破線417となる。すなわち、距離変更部107によって試料104と対物レンズ111との距離が調整されると上磁路114による試料側の電場が変化する。試料側の電場の変化は、歪収差を生じさせる場合がある。
そこで本実施例では、試料側電極115を配置することにより、上磁路114により形成される電場411を電場固定電極151と試料側電極115の間に閉じ込める。すなわち、距離変更部107によって試料104と対物レンズ111との距離が調整される場合であっても、試料側電極115が配置されることにより、上磁路114により形成される電場411の試料104側の形状がほぼ一定に保持される。なお電場411の試料104側の形状をより一定に保持するために、試料側電極115に印加される電圧が調整されても良い。例えば、試料104と対物レンズ111との距離に応じて、試料側電極115に印加される電圧が制御されても良い。電場411の試料104側の形状が一定に保持されることにより、歪収差を低減することができる。
また、試料側電極115に印加される電圧は負の電圧であっても良い。静電レンズである上磁路114に印加される電圧と異なる符号の電圧が試料側電極115に印加されることにより、上磁路114により形成される電場411を電場固定電極151と試料側電極115の間により閉じ込めやすくなる。
以上説明したように本実施例によれば、光軸10の方向への試料ステージ103の移動にともなって試料104と対物レンズ111との距離が変わる場合であっても、試料104周辺の電場の形状が一定に保持されるので、歪収差を低減することができる。また上磁路114と偏向器140との間に電場固定電極151が配置されるので、実施例1と同様に、静電レンズの電場の変動による偏向器140への干渉を防止できる。
なお、本発明は上記の実施例1乃至4に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…電子光学系鏡筒、2…電源ユニット、3…制御ユニット、10…光軸、11…一次電子線、12…信号電子、101…電子源、102…電流制限絞り、103…試料ステージ、104…試料、105…反射板、106…検出器、107…距離変更部、108…第一の試料位置、109…第二の試料位置、111…対物レンズ、112…コイル、113…下磁路、114…上磁路(静電レンズ)、115…試料側電極、121…第一のコンデンサレンズ、122…第二のコンデンサレンズ、140…偏向器、141…第一の偏向器、142…第二の偏向器、151…電場固定電極、152〜154…電場固定電極、161〜164…電場固定電極、171…電場固定電極の回転対称軸、172…静電レンズの回転対称軸、201〜219…制御電源、301…演算装置、302…記憶装置、303…入出力装置、401…偏向場、411…静電レンズによる電場、412〜415…合成電場、416…試料側電極がなく第一の試料位置のときの電場、417…試料側電極がなく第二の試料位置のときの電場、421…対物レンズによる磁場

Claims (7)

  1. 試料に照射される荷電粒子線を偏向する偏向器と、前記荷電粒子線を前記試料の上で集束させる対物レンズと、を備える荷電粒子線装置であって、
    前記対物レンズの一部を含み、前記荷電粒子線の収差や焦点ずれを補正するための電圧が印加される静電レンズと、
    前記偏向器と前記静電レンズとの間に設けられ、前記静電レンズに印加される電圧と同符号であって一定の電圧が印加される電場固定電極と、をさらに備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記電場固定電極が前記静電レンズの形状に沿うように配置されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記電場固定電極は前記荷電粒子線の照射方向に分割され、分割された各電極には独立に電圧が印加されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項3に記載の荷電粒子線装置であって、
    分割された各電極は同じ内径を有し、前記試料に近づくにつれて高い電圧が印加されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記電場固定電極は前記荷電粒子線の照射方向を軸とする周方向に分割され、分割された各電極には独立に電圧が印加されることを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項1に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記試料と前記対物レンズとの距離を変更する距離変更部と、
    前記試料と前記対物レンズとの間に設けられる試料側電極と、をさらに備えることを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項6に記載の荷電粒子線装置であって、
    前記試料側電極に印加される電圧は、前記距離に応じて調整されることを特徴とする荷電粒子線装置。
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