JP3400285B2 - 走査型荷電粒子ビーム装置 - Google Patents

走査型荷電粒子ビーム装置

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JP3400285B2
JP3400285B2 JP04805897A JP4805897A JP3400285B2 JP 3400285 B2 JP3400285 B2 JP 3400285B2 JP 04805897 A JP04805897 A JP 04805897A JP 4805897 A JP4805897 A JP 4805897A JP 3400285 B2 JP3400285 B2 JP 3400285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁視野移動装置を備
えた走査電子顕微鏡等の走査型荷電粒子ビーム装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】走査電子顕微鏡や電子プローブマイクロ
アナライザー、走査型オージェ分光装置、集束イオンビ
ーム装置などの走査型荷電粒子ビーム装置には、電磁視
野移動装置が組み込まれている。例えば、走査電子顕微
鏡において、電磁視野移動装置は対物レンズに入射する
電子ビームを対物レンズの上流に設けた偏向器で光軸に
対して傾けてやることで、走査の中心点(すなわち視野
中心)を光軸から任意の距離に移動するものである。
【0003】図1に一般的な2段偏向による視野移動装
置を示す。図中1は光源であり、光源1からの電子ビー
ムEBは絞り2を通過する。この電子ビームの光軸に沿
って上段の視野移動偏向器3、上段の走査偏向器4、下
段の視野移動偏向器5、下段の走査偏向器6、対物レン
ズ7が配置され、対物レンズ7の下部に試料8が設けら
れる。
【0004】このような構成で、上段の視野移動偏向器
3と下段の視野移動偏向器5に適宜な偏向信号を供給す
ることより、例えば、試料8上の視野S1 は視野S2
に移動させられる。また、上段の走査偏向器4と下段
の走査偏向器6に適宜な走査信号を供給することによ
り、電子ビームは視野中心を中心として2次元的に走査
される。
【0005】上記した電磁視野移動は、試料ステージを
移動させて機械的に視野を移動させる場合に比べて、動
きがスムーズであること、視野移動のスピードが早いこ
と、移動誤差が少ないことなどの利点を有している。こ
のような利点により、ステージの機械的な移動に比べ
て、特に高倍率において走査電子顕微鏡の操作性が著し
く向上する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1か
らも明瞭なように、電磁視野移動を行うと、対物レンズ
7を電子ビームEBが斜めに通過するので、レンズの軸
外収差によって、試料に照射される電子ビームのスポッ
ト径が増大し、最終的に得られる走査電子顕微鏡像など
の分解能の劣化を生じる。この現象により、電磁視野移
動が可能な距離は著しく狭く制限されており、また、最
高分解能を得ようとするときには、視野移動偏向器3,
5に供給する信号を0にする必要があった。
【0007】近年、半導体ウェハの検査に走査電子顕微
鏡が多用されるようになった。周知のように、ウェハは
4インチ、6インチ、8インチと年々大形化している。
ウェハの直径をDとすると、ウェハ全面を検査するため
には、検査装置(走査電子顕微鏡)のステージ移動量は
D必要となる。検査のスループットを上げるためには、
検査装置のステージの移動スピードを上げなければなら
ない。パルスモータを用いてステージの駆動を行う場合
を考えると、1パルス当たりの移動量を増し、かつ、パ
ルス周波数を上げれば、移動スピードを増すことができ
る。
【0008】しかしながら、パルスモータの最高周波数
は30kHz程度が上限であり、それ以上の周波数で
は、駆動トルクが急激に減少する。一方、検査対象の半
導体素子のサイズは年ごとに小さくなっているため、ス
テージの移動分解能もそれに合わせて小さくしなければ
ならない。したがって、高速化と高分解能化は、相反す
る要求となっている。
【0009】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、その目的は、移動された視野の中心を照射する
荷電粒子ビームに対して、軸外収差を補正することによ
って、電気視野移動範囲を従来より少なくとも2倍以上
に拡大し、最高分解能を得る場合にも、電気視野移動を
オフにする必要がない、走査型荷電粒子ビーム装置を実
現するにある。
【0010】本発明の他の目的は、大きな移動量を有す
る試料ステージの微動装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に基づく
走査型荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビームを対物レ
ンズで試料上に細く集束すると共に、対物レンズの上段
の走査器で荷電粒子ビームを2次元的に走査し、更に、
対物レンズの上段に2段の偏向器を設け、2段の偏向器
により試料上の荷電粒子ビームの走査領域を移動させる
ようにした走査型荷電粒子ビーム装置において、走査領
域の中心を(Xi,Yi)の点に移動するとき、(X
i,Yi)の関数として与えられる対物レンズの軸外収
差のうちのコマ収差を自動的に除去するように、2段の
偏向器の偏向角(β1x,β1y),(β2x,β2
y)、次の関数で制御するようにしたことを特徴とし
ている。
【数51】 i :レンズ面と像面間距離、l 0 :物面とレンズ面間距
離、 p:上段偏向器と下段偏向器間距離、q:下段偏向器と
レンズ面間距離、 Ks:球面収差係数、Kr,Ki:コマ収差係数の実数
成分,虚数成分
【0012】請求項1の発明では、対物レンズの上段に
2段の偏向器により試料上の荷電粒子ビームの走査領域
を移動させるようにし、走査領域の中心を(Xi,Y
i)の点に移動するとき、(Xi,Yi)の関数として
与えられる対物レンズの軸外収差のうちのコマ収差を自
動的に除去するように、2段の偏向器の偏向角(β1
x,β1y),(β2x,β2y)、次の関数で制御
する。
【数52】 i :レンズ面と像面間距離、l 0 :物面とレンズ面間距
離、 p:上段偏向器と下段偏向器間距離、q:下段偏向器と
レンズ面間距離、 Ks:球面収差係数、Kr,Ki:コマ収差係数の実数
成分,虚数成分
【0013】 請求項の発明では、対物レンズの軸外収
差のうち、コマ収差と非点収差を自動的に除去し、他の
軸外収差を手動で補正するようにした。
【0014】請求項の発明では、対物レンズの軸外収
差のうち、コマ収差,非点収差および像面湾曲収差を自
動的に除去するようにした。
【0015】請求項の発明では、試料をステッピング
モータによって駆動される試料ステージ上に載せ、試料
ステージの1パルス当たりの移動量を2μmから100
μmとした。
【0016】ここで、本発明の実施の形態を説明する前
に、その設計原理をなす軸外収差補正の理論について概
説する。走査型荷電粒子ビーム装置において、軸外収差
を補正する方法については、第9回SEMシンポジウム
プロシーディング P37〜「A Theoretical Analys
is of Third-Order Aberration Correctin in the SEM
and STEM」によって公知である。
【0017】ただし、この文献においては、走査される
電子ビームが各瞬間ごとに軸外収差補正される点、およ
び、これを実現するために2段の走査用偏向器を用いる
点で本発明と異なっている。すなわち、後に詳細に説明
するように、本発明では、移動した視野の中心ビームに
対して軸外収差の補正を行う。また、これを実現するた
めに、走査用偏向器とは別の2段の視野移動用偏向器を
用いる。
【0018】そして、前者がダイナミック補正であるの
に対して、本発明の補正システムは、スタティックな補
正である。これにより、高速の補正信号を作成する問
題、コイル等を高速で駆動する問題が回避でき、実用上
の価値が高いシステムが提供される。
【0019】さて、3次収差理論によれば、物面を(W
O ,WO ´)で出射する1本の電子ビームが、像面で持
つ収差ΔWiは、レンズ倍率をmとして次のように書く
ことができる。なお、次式は回転座標系で表現されてい
る。
【0020】
【数1】
【0021】上記(1)式でKS とKF は実数、他のK
は複素数である。(1)式を主光線とその回りの開き角
を有する”ビーム”に対する収差式に書き直すと、次の
(2)式となる。
【0022】
【数2】
【0023】上記(2)式の右辺の第1項は球面収差、
第2項はコマ収差、第3項は像面歪曲,非点収差、第4
項は歪収差である。ここで、新たに導入した変数、
αO 、φ、lO 、θO 、sと、WO ,WO ´との関係を
図2に示す。なお、複素変数WO、Wn 、Wr 、Wi
ΔWi は位置ベクトルであり、複素変数α、s、θO
O ´は角ベクトルである。この図から明らかなよう
に、次の関係が導かれる。
【0024】
【数3】
【0025】なお、Wn は主光線とレンズ面の交点の位
置、Wr は主光線から図った主光線の回りの粒子線の位
置、lO は物点位置である。上記(2)式を用いると、
主光線がレンズの中心を斜めに通過しているときの収差
(図1のように従来方式の電磁視野移動を行ったとき、
視野中心を照らすビームの収差)を求めることができ
る。(2)式において、Wn =0、すなわち、
【0026】
【数4】
【0027】図3はごく一般的な走査電子顕微鏡におい
て、Ks ,Kn ………等の収差係数を計算し、(4)式
に基づいてその収差図形を図示したものである。なお、
観察面はガウス像面から(3/4)Cs αi 2 上方に設
定してある。したがって、デフォーカス量ΔZは次のよ
うになっている。
【0028】ΔZ=−(3/4)Cs αi 2 更に、この収差図形の大きさは、Cs αi 3 で規格化し
た。また、格子間隔は、3li αi にとった。なお、C
s は像面側の球面収差係数であり、上記Ks とはCs
4 s の関係がある。また、αi は試料入射ビームの
最大開き角であり、上記αOmaxと、αi =(1/m)α
Omaxの関係がある。ここで、各変数の変化範囲を次のよ
うにしてある。
【0029】αO =(0.2,0.4,0.6,0.
8,1)×αOmax φ=0〜2π θOX=(3αOmax)×mx (mx =0〜3) θOY=(3αOmax)×my (my =0〜3) なお、αOmaxは光源から出射するビームの最大開き角で
ある。図3における格子は、上記θOX,θOYに対応す
る。mx=my=0の時は、球面収差のみで決まる軸対
称な小スポットが得られるが、mxあるいはmyを1と
すると、大きいα O に対応するリング状のビームは、中
心ビームに対して位置がずれてくる。mx,myを更に
大きくすると、このずれが更に大きくなると共に、楕円
形に歪んでくる。また、αO の小さいビームの位置も格
子点から離れていく。これらの現象は、(4)式の各項
の影響である。
【0030】次に、(2)式における球面収差以外の軸
外収差(コマ,非点,像面湾曲)の補正を考える。最初
にコマ収差補正であるが、コマ収差=0の条件を求める
と、次の(5)式となる。
【0031】
【数5】
【0032】よって、(5)式の2つの式は、互いに複
素共役な式となり、一方が成り立てば他方も成り立つ。
したがって、コマフリーの条件として知られる関係は、
次の(6)式となる。
【0033】
【数6】
【0034】(3)式におけるs,θO の定義より次の
(7)式が得られ、この(7)式から(6)式は(8)
式のように書くことができる。
【0035】
【数7】
【0036】
【数8】
【0037】なお、上記式におけるWiは電磁視野移動
距離である。(8)式はWiを与えたとき、主光線をレ
ンズ面上でWiに比例させてずらしてやれば、コマ収差
が除去されることを示している。ただし、比例定数は複
素数であるから、Wiとは少し違った方向にずらさなけ
ればならない。
【0038】(6)式または(8)式の関係は、2段の
アライメント用偏向器を用いて実現することができる。
図4において、光軸からWiの位置に視野の中心を移動
するとき、対物レンズに入射する主光線の傾きが(6)
式で表されるコマフリー条件を満たしているとする。移
動すべき距離Wiを与えたとき、各段偏向器の偏向角β
1 ,β2 を求める。
【0039】図4より次の幾何学的関係が成り立つこと
が判る。
【0040】
【数9】
【0041】ここで、β1 ,β2 はコマフリー条件を満
たしてWiの視野移動をさせるのに必要な各段の偏向
角、β10,β20は従来方式、すなわち、レンズ中心を通
してWiの視野移動をさせるのに必要な各段の偏向角、
Δβ1 ,Δβ2 は上記2つの偏向角の差である。この
(7)式と(9)式を用いて次の関係式を導くことがで
きる。
【0042】
【数10】
【0043】ここで、2種類の上下段偏向比τ1 =Δβ
2 /Δβ1 、τ2 =β20/β10を次のように定義する。
【0044】
【数11】
【0045】τ1 、τ2 はいずれも装置定数である。ま
た、
【0046】
【数12】
【0047】とおいて、(10)式をマトリックス形に
書き直すと、次の通りとなる。
【0048】
【数13】
【0049】η=π/6、τ1 =τ2 =−2、K=1、
p=qの場合、(10)式の諸角度ベクトルの関係を図
示すると、図5のようになる。次に非点収差と像面湾曲
収差について述べる。コマフリー条件を満たしたとき、
残存収差は(2)式に(6)式を代入して次のように書
き表すことができる。
【0050】
【数14】
【0051】上式の右辺の第1項は球面収差、第2項は
像面湾曲,非点収差、第3項は歪収差である。ただし、
新たに導入した収差係数は元の収差係数と次の関係があ
る。
【0052】
【数15】
【0053】図6は図3と同じレンズに対して、各格子
点で(6)式を満たすように、レンズへの入射光線の位
置を制御したときの収差図形を示す。コマ収差が除去さ
れたことにより、中心ビームと外側ビームの相互のずれ
は解消されていることがわかる。また、残存する非点収
差によって、外側のリング状ビームが楕円に歪んでいる
こともわかる。
【0054】図7は図6と同様に(6)式を満たすよう
にレンズへの入射電子ビームの位置を制御し、更に像面
をΔZ=−mKs (αOmax3 だけずらした時の収差図
形を示す。非点収差の影響は残っているものの、mx
y =3の近辺で、ビームが最もコンパクトにまとまっ
ていることがわかる。このことは、非点収差と像面湾曲
収差を補正することによって、電磁視野移動が可能な範
囲を著しく拡大できることを示している。
【0055】(14)式の非点収差項は、装置に付属す
る非点収差補正装置を視野移動の都度、手動で調整する
ことによって0にすることができる。また、像面湾曲収
差も、レンズ強度を手動で調整することによって0にす
ることができる。しかし、これらの収差は、コマ収差同
様、視野移動距離(Xi,Yi)と(7)式で表される
一定の関数関係があるので、非点収差補正装置に流す電
流、レンズフォーカス電流をXi,Yiの関数として作
り出すことによって自動的に補正がなされるようにすれ
ば、より操作性の良い電磁視野移動装置となる。
【0056】非点補正装置は、図8(a)に示すよう
に、8極の磁極M1 〜M8 、あるいは、図8(b)に示
すように、8極の電極E1 〜E8 の90°をなす4極の
ペア2組にそれぞれ(I1 ,I2 )または、(V1 ,V
2 )を印加し、I1 とI2 またはV1 と12 の大きさを
調整することによって非点収差を補正する。
【0057】ここで、図8(a)に示す磁界型非点補正
装置を例として、(14)式の第3項を補正するのに必
要なI1 ,I2 を求める。図8(a)において。I1
2の電流が点P(r,φ,z)に作る磁気ポテンシャ
ルは、次の(16)式のように表される。
【0058】
【数16】
【0059】上式で、aは軸と磁極間の距離、nは励磁
コイルの巻数(各磁極共通)、Φz(z)は単位電流を
流したときの4極子場の軸上分布関数である。(16)
式は、次の(17)式のように書ける。
【0060】
【数17】
【0061】この(17)式から、I1 とI2 の比を変
えることにより、Φを空間的に回転できること、√(I
2 2 +I2 2 )を変えることにより、Φの大きさを変え
ることができることがわかる。(16)式または(1
7)式で表される磁気ポテンシャルは像に非点を作る。
これをΔWsと書くと、このΔWsは次のように表され
る。
【0062】
【数18】
【0063】ここで、mはレンズの倍率、θ(z)はレ
ンズによる軌道の回転角、
【0064】
【数19】
【0065】h(z)は物面をh(zO )=0,h´
(zO )=1の初期条件で出射する粒子線の軌道で近軸
軌道方程式を満たすものである。(18)式の[]内は
複雑な形をしているが、一つの装置定数である(複素
数)。これをCと書くと、
【0066】
【数20】
【0067】となる。したがって、非点補正装置が像面
で作る非点の表式は、
【0068】
【数21】
【0069】となる。電磁視野移動装置用偏向器より上
流に、この非点補正装置を設ければ、
【0070】
【数22】
【0071】と簡単化される。これが(14)式の非点
項を打ち消すようにI1 ,I2 を定める。
【0072】
【数23】
【0073】とおくと、
【0074】
【数24】
【0075】となる。なお、上記では、図9を参考にし
て式を変更している。この結果、I1,I2 は次のよう
に書き表される。
【0076】
【数25】
【0077】ここで、像面湾曲収差は、対物レンズの焦
点距離を制御することで補正できる。この様子を図10
に示す。湾曲収差をΔWF とすると、(7)式から、次
の関係が導かれる。
【0078】
【数26】
【0079】したがって、Wiの点の像面湾曲を補正す
るには、次の演算により求められた+ΔZだけ焦点距離
を長くしてやれば良いことがわかる。
【0080】
【数27】
【0081】なお、次の関係が導かれる。
【0082】
【数28】
【0083】一方、IOLをΔIOLだけ変化させると、レ
ンズの倍率色収差および回転色収差により、像点が移動
する。この移動量ΔWcは、回転座標系で次のように表
される。なお、CM は倍率色収差係数、CR は回転色収
差係数である。
【0084】
【数29】
【0085】上式においては、(28)式が代入されて
いる。ΔWcの
【0086】
【数30】
【0087】の依存性は、歪収差と同じである。したが
って、これを一つにまとめて、
【0088】
【数31】
【0089】とおく。
【0090】
【数32】
【0091】は、像面湾曲収差補正後の歪収差の全体を
表す。次に歪収差補正について説明する。コマ収差補正
と非点収差と像面湾曲収差の補正が完了した後では、歪
収差が残る。歪収差はスポット系を増大させずスポット
位置のずれをもたらすのみであるので、像観察の目的に
は特に補正する必要はないのであるが、特殊目的、例え
ば、試料ステージの微動を電磁視野移動で肩代わりして
自動測定を行うときなど、位置精度が要求されるので補
正が必要となる。歪収差をΔWD とすると、(31)式
から次の関係が導かれる。
【0092】
【数33】
【0093】このΔXD ,ΔYD は、電磁視野移動装置
を用いて予め−ΔXD ,−ΔYD だけ余分に偏向してお
くことにより、補正することができる。すなわち、試料
上で(−ΔXD ,−ΔYD )動かすには、上下段の偏向
器に次の角度を追加すれば良い。
【0094】
【数34】
【0095】
【実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形
態を詳細に説明する。図11は、本発明に基づく走査電
子顕微鏡の要部を示しているが、図1と同一ないしは類
似の構成要素には同一番号を付しその詳細な説明は省略
する。
【0096】図中1は光源であり、光源1からの電子ビ
ームEBは絞り2を通過する。この電子ビームの光軸に
沿って上段の視野移動偏向器3、上段の走査偏向器4、
下段の視野移動偏向器5、下段の走査偏向器6、対物レ
ンズ7が配置され、対物レンズ7の下部に試料8が設け
られる。なお、絞り2と上段の視野移動偏向器3との間
には、8極子の非点補正装置9が配置されている。
【0097】上段の偏向器4、下段の走査偏向器6に
は、走査信号発生器10からの走査信号が、倍率切換器
11、増幅器12を介して供給される。13は視野の移
動距離データ発生器であり、この発生器13は、トラッ
カーボール14、アップ/ダウン弁別器15、1/m分
周器16、アップ/ダウンカウンタ17より構成されて
いる。
【0098】視野の移動距離データ発生器13からの移
動距離データは、演算器18に供給される。演算器18
では、移動距離データと光学系制御装置19からのバイ
アスデータに基づいて必要な演算を行い、各光学要素の
データを出力する。
【0099】各光学要素のデータのうち、非点補正用の
データは、非点補正装置9の制御回路20,21に供給
される。また、上段の視野移動偏向器3用のデータは、
制御回路22,23に供給される。また、下段の視野移
動偏向器5用のデータは、制御回路24,25に供給さ
れる。また、対物レンズ7用のデータは、制御回路26
に供給される。なお、各制御回路20〜26は、それぞ
れDA変換器と増幅器から構成されている。このような
構成の動作を次に説明する。
【0100】まずトラッカーボール14を用いて視野移
動の所望の距離を設定する。すなわち、、x方向に
θx 、y方向にθy 回転させると、θx ,θy に比例し
たNx,Ny個のパルスがトラッカーボール14から出
力され、アップ/ダウン弁別器15に供給される。各パ
ルスは、0位相パルス列(a)と90°位相パルス列
(b)より成る。
【0101】図12はアップ/ダウン弁別器15の構成
を示しており、弁別器15はワンショットトリガー素子
27,28とANDゲート回路29,30より構成され
ている。図13はこの弁別器15の動作波形を示してお
り、図13(a)はトラッカーボール14を右回転させ
た時の動作波形、図13(b)はトラッカーボール14
を左回転させたときの動作波形を示している。また、
a,bはトラッカーボール14の出力、cはワンショッ
トトリガー素子27の出力、dはワンショットトリガー
素子28の出力、eはANDゲート回路29の出力、f
はANDゲート回路30の出力を示している。
【0102】トラッカーボール14を右回転させた時、
ワンショットトリガー素子27の出力にNx(またはN
y)個のパルス列が発生し、トラッカーボール14を左
回転させた時、ワンショットトリガー素子28の出力に
Nx(またはNy)個のパルス列が発生する。ワンショ
ットトリガー素子27の出力パルスは、後段のアップ/
ダウンカウンタ17の内容を増加させ、ワンショットト
リガー素子28の出力パルスは、後段のアップ/ダウン
カウンタ17の内容を減少させる。
【0103】1/m分周器16は、倍率切換器11から
の観察倍率に比例した数値mを受け取り、入力パルス数
を1/mして出力する。これは、トラッカーボール14
を一定量回転させたとき、観察倍率にかかわらず、画面
上で一定距離像が動くようにするためである。
【0104】アップダウンカウンタ17は、カウンタの
現在値に新たに入力されたパルス数を加算あるいは減算
してラッチする。この数値を(nx ,ny )とすると、
このデータは、移動すべき距離(Xi ,Yi )に比例し
ている。
【0105】演算器18は、電磁視野移動する距離(X
i ,Yi )に比例する数値の組(n x ,ny )をアップ
/ダウンカウンタ17から受け取り、更に、光学系制御
装置19からアライメントのデータ(nTX,nTY),
(nSX,nSY)、軸上非点のデータ(na1,na2)、フ
ォーカスデータnOL等のバイアスデータを受け取り、視
野移動装置の制御対象である8極子の非点補正装置9、
電磁視野移動用の2段偏向器3,5、対物レンズ7に対
するDA変換データを生成する。このときの演算式は、
上記した(13)式、(25)式、(28)式、(3
3)式、(34)式に基づいており、下記のごとくな
る。
【0106】まず、2段の視野移動用偏向器3,5に対
するDA変換データ、すなわち、制御回路22,23、
24,25に供給されるデータは、次の通りとなる。
【0107】
【数35】
【0108】上式で、右辺の第1項はコマ補正付き視野
移動の成分であり、第2項は歪補正、第3項はアライメ
ントティルト、第4項はアライメントシフト成分であ
る。コマ補正付き視野移動の成分は次のように定義され
る。
【0109】
【数36】
【0110】
【数37】
【0111】歪補正成分は次のようになる。
【0112】
【数38】
【0113】アライメントティルト成分は次のようにな
る。
【0114】
【数39】
【0115】上記した式は、図14に示す関係を参考に
している。なお、(tO max は、補正すべき最大ビー
ム傾斜角である。また、アライメントシフト成分は次の
ようになる。
【0116】
【数40】
【0117】上記した式は、図15に示す関係を参考に
している。なお、(SO max は、補正すべき最大シフ
トである。ここで、Mβ1 ,2, ……等は、後段のDA変
換器の最大値Nを(β1 , 2 max ……等で比例配分し
た数値である。この関係を図16に示す。この図でNは
DA変換器の最大値、Mαは各機能に割り当てられた最
大値である。
【0118】次に、8極子の非点補正装置9に対するD
A変換データの演算は、次の式に基づいて行われる。
【0119】
【数41】
【0120】上記式の右辺の第1項は軸外非点補正成分
であり、第2項は軸上非点補正成分である。ここで、次
の関係が存在する。なお、(ΔZ)maxは、補正すべ
き最大軸上非点隔差である。
【0121】
【数42】
【0122】したがって、(41)式の右辺の第2項は
次のように書くことができる。
【0123】
【数43】
【0124】次に、軸上非点について説明する。軸上に
存在する磁気ポテンシャルをΦ(r,φ,z)とする
と、次の式が導かれる。 Φ2 =Φ2 (z)・r2 cos(2φ−δ) このポテンシャルが像面で作る非点収差ΔWa は、次の
ように表される。
【0125】
【数44】
【0126】像面をΔZずらすと、
【0127】
【数45】
【0128】となる。ΔWa (Z+ΔZ)は、ΔZ=±
2 |Ca |で直交する2本の線分になる。この線間距
離ΔZa(=2m2 |Ca |)は、軸上非点隔差であ
る。これを補正するために必要な8極子の非点補正装置
9に流す電流I1a,I2aは、 ΔWs +ΔWa =0 に(21)式を代入して次のように求めることができ
る。
【0129】
【数46】
【0130】なお、ηa は空間的に任意の角度に分布す
るので、I1a,I2aの最大値は、A´・ΔZa となる。
ここで、Ma ,Ma ´は、DA変換器の最大値Nを(I
1a)max ,(I2amax に比例配分した値である。
【0131】対物レンズ7のDA変換器データの演算
は、次の式によって行われる。
【0132】
【数47】
【0133】上式は、図17を参考にして次のようにし
て導かれる。
【0134】
【数48】
【0135】上記した各演算式によりDA変換器データ
が演算器18によって求められ、演算された各データ
は、制御回路20〜26に供給される。ここで、各制御
回路20〜26内のDA変換器は、乗算形のDA変換器
であり、加速電圧をVaとすると、√(Va)に比例す
る共通の電圧Vrefが印加されている。したがって、
各DA変換器の出力電圧は、DA変換器の入力データと
√(Va)に比例したものとなる。制御対象の光学素子
は、全て磁界型と仮定すると、ビームへの作用は、加速
電圧にかかわらず一定となり、DA変換器入力データの
みで決まることになる。
【0136】演算器18からのデータNX1は制御回路2
2に供給され、データNY1は制御回路23に供給され、
データNX2は制御回路24に供給され、データNY2は制
御回路25に供給される。各制御回路にはDA変換器と
増幅器が設けられており、供給されたデータはDA変換
器によってアナログ信号に変換された後に増幅され、D
A変換器出力電圧に比例した電流が2段の視野移動偏向
器3,5に供給される。
【0137】偏向器に供給される電流は、アライメント
(シフトとティルト)成分を含んでいるので、対物レン
ズ7からlO の距離にある光源が、光軸からsO だけ離
れ、光軸とtO だけ傾いた方向に射出されたビームは、
対物レンズ7の中心を光軸に平行に入射するように補正
される。
【0138】また、偏向器に供給される電流には、電磁
視野移動成分を含んでいるので、上記アライメントされ
たビームが、試料8上で(Xi ,Yi )点に移動され
る。更に、コマ収差補正成分により、対物レンズへの入
射点が、コマ収差がなくなるように移動される。更にま
た、歪収差補正成分により、歪収差による入射点の誤差
が補正されて、(nx ,ny )に正確に比例した点に照
射点が移動する。
【0139】演算器18からのデータNa1は制御回路2
0に供給され、データNa2は制御回路21に供給され
る。制御回路20,21内では、データはDA変換器に
よってアナログ信号に変換された後、増幅器によって増
幅され、増幅された信号は8極子の非点補正装置9に供
給されて非点補正装置を励起する。
【0140】この非点補正装置9に供給される電流に
は、対物レンズ7の非対称性によって生じる軸上非点収
差を補正する成分が含まれているので、Xi =Yi =0
のときのスポットは真円になる。また、Xi ≠Yi ≠0
のときは、軸外非点補正電流が生成され、軸外収差が補
正される。
【0141】演算器18からのデータNOLは制御回路2
6に供給され、制御回路26内では、データはDA変換
器によってアナログ信号に変換された後、増幅器によっ
て増幅され、増幅された信号は対物レンズ7に供給され
て対物レンズを励起する。この対物レンズ7に供給され
る電流は、Xi =Yi =0のとき、試料8面にちょうど
ビームをフォーカスする成分と、Xi ≠Yi ≠0のと
き、像面湾曲収差によって生じたデフォーカス量を補正
する成分を含んでいる。
【0142】このように、点(Xi ,Yi )を照射する
ビームは、全ての軸外収差が補正され、Xi =Yi =0
のときと同じ直径の真円となる。点(Xi ,Yi )が非
常に大きくなると、ここでは考慮しなかった色収差、偏
向器の収差、および、補正の誤差などにより、ビームは
再び真円ではなくなり、その位置も(Xi ,Yi )から
ずれはじめる。
【0143】実験した結果、上記した方法では、何も補
正を加えない場合に比べて、少なくとも、5倍の電磁視
野移動距離が得られた。図18には、走査系にラスター
回転装置を用いたとき、電磁視野移動の方向をラスター
の方向に合わせるための構成を示す。この図において、
図11と同じ構成要素には同一番号が付されている。走
査信号発生回路10からの走査信号は、ラスター回転装
置30を介して倍率切換装置11に供給される。ラスタ
ー回転装置30の中では、像表示装置上で像をΘだけ時
計方向に回転させたいとき、走査信号H,Vを元にし
て、次の新たな走査信号を作りだす。
【0144】H´=HcosΘ−VsinΘ V´=HsinΘ+VcosΘ この新たな走査信号は、走査偏向器4,6のX,Yコイ
ルに供給され、ビームのラスターを角度Θだけ反時計方
向に回転する。ここで作られるsinΘ,cosΘの値
を演算器18に供給し、NX ,NY の値をNX ´,NY
´とする。なお、NX ,NY とNX ´,NY ´との間に
は次の関係がある。
【0145】NX ´=NX cosΘ−NY sinΘ NY ´=NX sinΘ+NY cosΘ この(NX ´,NY ´)を前述した補正計算に用いた
(NX ,NY )の代わりに用いれば、視野移動の方向は
Θだけ反時計方向に回転するので、像表示装置上では、
水平、垂直方向に動くことになる。
【0146】図19に本発明の他の実施の形態を示す。
この実施の形態における拡大された移動距離を持つ電磁
視野移動装置は、大型で高速ではあるが、位置分解能の
悪い試料ステージ31の微動装置として用いられる。こ
の試料ステージ31の位置分解能の範囲は、例えば、2
μm〜100μm/パルスの範囲である。
【0147】試料ステージ31は、ステッピングモータ
を含む駆動機構32によってx,y方向に移動させられ
る。また、移動機構32は、ステージ制御装置33によ
って制御される。
【0148】ステージ制御装置33に、図示していない
装置全体の制御装置から、次の観察点の座標値(X,
Y)が入力されると、ステージ制御装置33は、現在の
座標値O(mxo,myo)から次の演算を行う。
【0149】
【数49】
【0150】ここで、上記式で用いたdはステッピング
モータの1パルス当たりのステージ移動量、K´は1デ
ィジット当たりの電磁視野移動距離、mx ´,mxo,n
x ´,my ´,myo,ny ´は整数、[]は整数化演算
を表す。なお、図20にステージ31の現在の座標値O
とステージ停止座標値Pと目標の座標値Qとの関係を示
す。
【0151】上記(49)式から、(mx ´d,my ´
d)はQ点に最も近いステージ停止位置座標である。
(49)式の(mx ,my )を駆動機構32のステッピ
ングモータに加えると、P点が光軸下に移動する。(n
x ´,ny ´)をスイッチ34を切り換えて図11と同
じ機能を有する演算器18の(nx ,ny )の代わりに
入力すると、視野の中心がQ点に一致する。歪収差が補
正されるので、精度はK´以内となる。
【0152】以上本発明の実施の形態を説明したが、本
発明はこれらの実施の形態に限定されない。例えば、電
磁視野移動は電磁偏向コイルで行っても良く、また、静
電偏向器で行っても良い。また、本発明は走査電子顕微
鏡や電子ビーム描画装置等の電子ビーム装置以外に、走
査型のイオンビーム装置にも適用することができる。
【0153】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、対物レンズの上段に2段の偏向器により試料上の荷
電粒子ビームの走査領域を移動させるようにし、走査領
域の中心を(Xi,Yi)の点に移動するとき、(X
i,Yi)の関数として与えられる対物レンズの軸外収
差のうちのコマ収差を自動的に除去するように、2段の
偏向器の偏向角(β1x,β1y),(β2x,β2
y)、次の関数で制御するように構成した。
【数53】 i :レンズ面と像面間距離、l 0 :物面とレンズ面間距
離、 p:上段偏向器と下段偏向器間距離、q:下段偏向器と
レンズ面間距離、 Ks:球面収差係数、Kr,Ki:コマ収差係数の実数
成分,虚数成分
【0154】この結果、電気的に視野を移動させると
き、自動的に対物レンズの軸外収差が補正されるので、
少なくとも、従来の5倍の広い範囲で電気的な視野移動
が可能となり、試料ステージの微動の代わりに電磁視野
移動を用いることができ、ステージ精度を粗くしても良
く、コストダウンが可能となる。また、視野の選択がス
ムーズ、正確、かつ迅速化され、操作性が大幅に改良さ
れる。更に、収差の補正と準静的に行うことができるの
で、演算器、DA変換器、増幅器等の高速性を必要とせ
ず、安価で効果の大きい電磁視野移動装置が得られる。
【0155】
【0156】請求項の発明では、対物レンズの軸外収
差のうち、コマ収差と非点収差を自動的に除去し、他の
軸外収差を手動で補正するようにしたので、請求項1の
発明と同様な効果が得られる。
【0157】請求項の発明では、対物レンズの軸外収
差のうち、コマ収差,非点収差および像面湾曲収差を自
動的に除去するようにしたので、請求項1の発明と同様
な効果が得られる。
【0158】
【0159】請求項の発明では、試料をステッピング
モータによって駆動される試料ステージ上に載せ、試料
ステージの1パルス当たりの移動量を2μmから100
μmとしたので、ステッピングモータで駆動するステー
ジの場合、1パルス当たりの移動量を大きく設定でき、
ステージの高速駆動が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2段偏向による視野移動装置を組み込んだ電子
ビーム装置を示す図である。
【図2】各複素変数等の関係を示す図である。
【図3】従来方式で電磁視野移動を行ったときの視野中
心スポットの収差図形を示す図である。
【図4】各変数等の関係を示す図である。
【図5】諸角度ベクトルの関係を示す図である。
【図6】各格子点でコマ収差を除去したときの収差図形
を示す図である。
【図7】図4の関係でデフォーカス量をΔZ=−Cs
i 2 としたときの収差図形を示す図である。
【図8】非点補正装置を示す図である。
【図9】ベクトルri を示す図である。
【図10】湾曲収差を説明するための図である。
【図11】本発明に基づく電子ビーム装置の一例を示す
図である。
【図12】図11の装置中のアップ/ダウンカウンタの
一例を示す図である。
【図13】図12のカウンタの動作波形を示す図であ
る。
【図14】ビーム傾斜角を説明するための図である。
【図15】シフト量を説明するための図である。
【図16】DA変換器出力の比例配分の様子を示す図で
ある。
【図17】対物レンズDA変換器データの演算の様子を
示す図である。
【図18】ラスター回転装置を用いたときの構成を示す
図である。
【図19】ステージ移動誤差の補正を行う例を示す図で
ある。
【図20】ステージ移動誤差の補正の様子を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 光源 2 絞り 3,5 視野移動用偏向器 4,6 走査用偏向器 7 対物レンズ 8 試料 10 走査信号発生器 11 倍率切換器 12 増幅器 13 移動距離データ発生器 14 トラッカーボール 15 アップ/ダウン弁別器 16 分周器 17 アップ/ダウンカウンタ 18 演算器 19 光学系制御装置 20〜26 制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−152151(JP,A) 特開 平4−262353(JP,A) 特開 平3−257750(JP,A) 特開 平1−213948(JP,A) 特開 平7−335531(JP,A) 特開 平5−135727(JP,A) 特開 平6−310070(JP,A) 特開 昭61−4146(JP,A) 特開 昭59−83336(JP,A) 特開 昭54−114170(JP,A) 特開 昭53−128280(JP,A) 特開 昭51−90558(JP,A) 特開 昭58−5955(JP,A) 特開 昭55−151759(JP,A) 特開 昭50−31770(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/153 H01J 37/147

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子ビームを対物レンズで試料上に
    細く集束すると共に、対物レンズの上段の走査器で荷電
    粒子ビームを2次元的に走査し、更に、対物レンズの上
    段に2段の偏向器を設け、2段の偏向器により試料上の
    荷電粒子ビームの走査領域を移動させるようにした走査
    型荷電粒子ビーム装置において、走査領域の中心を(X
    i,Yi)の点に移動するとき、(Xi,Yi)の関数
    として与えられる対物レンズの軸外収差のうちのコマ収
    を自動的に除去するように、2段の偏向器の偏向角
    (β1x,β1y),(β2x,β2y)、次の関数
    で制御するようにした走査型荷電粒子ビーム装置。【数50】 i :レンズ面と像面間距離、l 0 :物面とレンズ面間距
    離、 p:上段偏向器と下段偏向器間距離、q:下段偏向器と
    レンズ面間距離、 Ks:球面収差係数、Kr,Ki:コマ収差係数の実数
    成分,虚数成分
  2. 【請求項2】 対物レンズの軸外収差のうち、コマ収差
    と非点収差を自動的に除去し、他の軸外収差を手動で補
    正するようにした請求項1記載の走査型荷電粒子ビーム
    装置。
  3. 【請求項3】 対物レンズの軸外収差のうち、コマ収
    差,非点収差および像 面湾曲収差を自動的に除去するよ
    うにした請求項1記載の走査型荷電粒子ビーム装置。
  4. 【請求項4】 試料をステッピングモータによって駆動
    される試料ステージ上に載せ、試料ステージの1パルス
    当たりの移動量を2μmから100μmとした請求項1
    記載の走査型荷電粒子ビーム装置。
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