JP3195708B2 - 透過電子顕微鏡用非点補正装置 - Google Patents

透過電子顕微鏡用非点補正装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、観察者や操作者が非点
補正を行うための透過顕微鏡用非点補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】試料に電子線を照射し、その透過した電
子線をレンズ系で拡大して蛍光スクリーン上に投影する
透過電子顕微鏡においては、拡大レンズ系の非点はその
分解能に大きな影響を与える。そのため、透過電子顕微
鏡を設計するにあたっては非点が生じないように多大の
努力が傾注されるが、それでも非点を皆無にすることは
ほとんど不可能に近いことである。このため、透過電子
顕微鏡においては、このような非点を補正するための装
置が備えられているのが一般的である。
【0003】ここで、図4に非点の発生状況を示す。図
4において、光軸(Z軸)に沿って試料面内の試料(図
示せず)に電子線を照射すると、その透過電子線が対物
レンズ(図示せず)によって一旦焦点を結ぶが、その
際、X方向とY方向の焦点位置が同図に示すZ0 のよう
にZ方向にずれてしまうことがある。このような状態が
非点の発生である。非点を補正するということは、この
Z方向のずれZ0 を0にして、X方向およびY方向の焦
点を一致させることに他ならない。
【0004】このような非点の補正を行うためには、ま
ず、非点の発生を確認することが必要であり、通常フレ
ネルフリンジ法を用いてその確認が行われる。この方法
の原理は次のようである。まず、非常に薄い高分子膜に
微細な穴をあけた検査用試料を透過電子顕微鏡本体にセ
ットし、電子線を照射して当該膜穴部分の透過電子像を
蛍光スクリーン上に結像させると、その膜穴の像の回り
に電子回析現象によってフレネルフリンジを観察するこ
とができる。その際、拡大レンズ系に非点がなければあ
らゆる方向でフレネルフリンジの幅は均一になっている
が、非点が発生している場合には方向によってフレネル
フリンジ幅に差が生ずるのである。したがって、このよ
うなフレネルフリンジの差を検知し、その画像を見なが
らその差がなくなって均一なフレネルフリンジが得られ
るように非点補正装置を制御すれば、非点を補正するこ
とができるのである。
【0005】しかしながら、このフレネルフリンジの幅
の差を観察者が肉眼で検知し、それが均一になるように
非点補正装置を操作することは非常に困難なことであ
り、したがって、このフレネルフリンジ法で非点の補正
を行うことは熟練者でもたいへんな労力を要するもので
あった。
【0006】これに対し、同じような検査用試料を用い
ながら、非点の発生に伴う膜穴の像の像ずれ(ボケ)を
際立たせ、それによってもっと容易に非点の確認および
その補正操作を行うことが可能な非点補正装置が提案さ
れている。このような非点補正装置の構成およびその動
作を、図5乃至図8を用いて説明する。
【0007】図5は、従来提案されている非点補正装置
の主要部の構成を示しており、図中、51は電子銃、5
2は収束レンズ、53は偏向レンズ、54は試料、55
は対物レンズ、56はX側非点補正コイル、57はY側
非点補正コイル、58は中間レンズ、59は投影レン
ズ、60は蛍光スクリーンである。
【0008】電子銃51から放射された電子線は収束レ
ンズ52により収束されるとともに、偏向レンズ53に
よって偏向されて試料54に照射される。その試料54
を透過した電子線は、対物レンズ55、中間レンズ5
8、投影レンズ59によって順次拡大されて蛍光スクリ
ーン60上に結像される。拡大倍率の大きい対物レンズ
55の次段には、非点補正用のX側コイル56とY側コ
イル57とが設けられており、非点の発生状況に応じて
励磁状態が制御され、非点補正が行われる。
【0009】このような装置において、非点の発生確認
と非点補正とは、次のようにして行われる。まず、図6
(a)に示すように、電子線を光軸(Z軸)に対してα
だけ傾けて試料に照射した場合について考えてみる。こ
のとき、試料の透過電子像は、球面収差、デフォーカ
ス、および非点収差の影響によって像ずれを起こすが、
その像ずれの大きさΔtは次式で表される。 Δt=Cs ・α3 −Δf・α−Ca ・α ここで、α:光軸に対する電子線の傾斜角 Cs :球面収差係数 Δf:デフォーカス係数 Ca :非点収差係数 Cs ・α3 :球面収差による像ずれ量 Δf・α:デフォーカスによる像ずれ量 Ca ・α:非点収差による像ずれ量 ここで、球面収差による像ずれ量[Cs ・α3 ]とデフ
ォーカスによる像ずれ量[Δf・α]は、いずれも光軸
に対して軸対称なものであるから、デフォーカスの調整
によってお互いに打ち消し合わせることにより、その値
を0にすることができる。すなわち、電子線を光軸に対
してαだけ傾けて試料に照射した後、次に対称的に−α
だけ傾けて照射することを繰り返せば、得られる像の上
ではこれら球面収差およびデフォーカスによる像ずれ量
を相殺して0にすることができるのである。
【0010】ところが、非点収差による像ずれに関して
は、非点収差係数Ca は軸対称ではないので、その値が
0でない限りは像ずれが増大されて残る。ここで、図6
(b)に示すように試料面上で電子線が入射してくる方
位角をθとすると、非点収差係数Ca はθの関数(=f
(θ))として表される。したがって、電子線をどの方
位角θで入射させるかによって像ずれが発生したり発生
しなかったりする。
【0011】このような原理に基づき、図5に示したよ
うな装置において偏向コイル53の励磁電流を操作し、
図6(a)に示すように電子線を光軸を中心として対称
的(αと−α)に繰り返し傾斜させながら、図6(b)
に示すようにその方位角θを順次変化させて試料に照射
していくと、非点の発生している方位角とその大きさと
だけに依存して像ずれが発生する。このような像ずれを
起こした膜穴の像の例を図7(a)乃至(c)に示す。
同図において、円で示した部分は膜穴の像を示し、その
縁の太くなっている部分が、非点の発生方向およびその
大きさを表すものである。なお、図6(b)において方
位角θを順次変化させていく際には、連続的に変化させ
ていってもよいし、また例えば10゜間隔等でステップ
状に変化させていってもよい。
【0012】図8は、非点補正用のX側コイル56およ
びY側コイル57の平面的な構成を示す図である。図8
(a)で明らかなとおり、X側非点補正用コイル56と
Y側非点補正用コイル57とは互いに45゜の角度で交
差しており、それぞれ励磁されることによって図8
(b)および図8(c)に示すような磁界を発生するも
のである。そして、図7(a)乃至(c)に示したよう
な膜穴の像ずれの方向を観察しながら、観察者がX側非
点補正用コイル56とY側非点補正用コイル57の励磁
制御を行うことにより、非点補正が行われるようになっ
ている。
【0013】
【発明の解決しようとする課題】ところで、従来は、こ
のようなX側非点補正用コイル56の励磁状況とY側非
点補正用コイル57の励磁状況の操作は、観察者が画像
を見ながらX側とY側とに別々に設けられたツマミを調
節することによって行っていた。したがって、熟練者に
とっても非点補正操作は容易なものではなかった。
【0014】このような問題を解決するために、最近、
試料の像ずれを表示した画面上にカーソルを表示し、当
該カーソルをマウスなどの2極エンコーダを用いて移動
させることによって、X側およびY側の非点補正用コイ
ルの操作信号を入力することが提案されている。このよ
うな装置における非点補正の操作を図9(a)乃至
(c)を用いて説明する。
【0015】図9(a)において、5はマウス等の2極
エンコーダを示している。また図9(b)は像ずれを起
こした膜穴を表示した画像を示しており、図中、Cは2
極エンコーダ5によって操作されるカーソルを示してい
る。図9(c)は、2極エンコーダ5の操作によってカ
ーソルCを移動させた際に形成されるベクトルBとその
X方向、Y方向に分解したベクトルを示している。
【0016】まず、図9(b)に示すように像ずれを起
こした膜穴が画面上に表示されると、観察者はその画像
を見ながら2極エンコーダ5を移動操作し、像ずれを補
正したいと思う方向に画面上のカーソルCを移動させ
る。いま、2極エンコーダ5の操作によってカーソルC
をP1からP2まで移動させたとすると、図9(c)に
示すように、このP1を始点としP2を終点とするベク
トルBが得られる。このベクトルBをX方向ベクトルB
xとY方向ベクトルByとに分解し、それぞれを図8
(a)に示したX側非点補正用コイル56とY側非点補
正用コイル57との制御入力信号とするのである。この
ようにして非点補正用コイル56と57の励磁電流が制
御されると、それに応じて画面上の像ずれの状況も変化
し、像ずれが補正されたりあるいは増大したりするた
め、その状況を観察しながら2極エンコーダ5を操作し
て最終的に非点をなくすようにしている。
【0017】ところが、2極エンコーダ5によって作成
されるベクトルBはX軸とY軸とが90゜に交差した通
常の直行座標系にあるが、X側非点補正用コイル56と
Y側非点補正用コイル57とは図8(a)に示すように
互いに45゜の角度で交差しているため、1対1に対応
せず、2極エンコーダ5の操作は非常に複雑なものとな
る。この点について詳述すると次のようである。
【0018】いま、図9(b)に示した像ずれの画像に
おいて、説明をわかりやすくするために像ずれの方位角
が45゜である場合について考えてみる。この状態は図
7(b)に示したものと同様であるが、この図7(b)
と、非点補正用コイル56および57の配置を示した図
8(a)とを重ねてみると理解されるように、像ずれの
方位角が45゜である場合にはY側の補正コイル57の
励磁電流の操作のみで非点が補正されるものである。
【0019】一方、このような方位角45゜の像ずれが
画面に表示された場合に観察者が行う非点補正の操作に
ついて考えてみると、図9(b)に示すように、観察者
としてはカーソルCをこの像ずれの起きている方向に沿
って移動させるのがもっともわかりやすい方法である。
しかしながら、このように単純に像ずれの方向に沿って
カーソルCを移動させてしまうと、図9(c)に示すよ
うなθ=45゜のベクトルBが得られ、これはX方向成
分Bxを含んだものであるから、本来はY側の補正コイ
ル57のみの制御でよいものが、X側の補正コイル56
までも制御されてしまい、像ずれは補正されずに新たに
別の方位角に現れることとなる。
【0020】もっと端的な例で示せば、図7(a)に示
すように像ずれの方位角が90゜の場合には、図8
(a)を参照してわかるようにX側非点補正コイル56
のみによって補正がなされるケースであるが、観察者が
このような像ずれの画像を見てその像ずれの方向すなわ
ちY軸方向にカーソルを移動させてしまうと、X側では
なくY側非点補正コイル57が制御され、非点は補正さ
れない。このような本来制御されるべきX側、Y側の非
点補正用コイルと、2極エンコーダからの制御入力との
間の不整合関係は、図7(c)に示したように像ずれの
方位角が0゜の場合以外は、すべての方位角について発
生するものである。
【0021】このような問題が生ずるのは、前述したよ
うに、非点補正用コイル56と57とが、X側あるいは
Y側と称されてはいるものの互いに45゜で交差してい
るのに対し、2極エンコーダ5の入力はX軸とY軸とが
90゜に交差する直行座標系でなされることに起因する
ものである。この点は、別の見方をすれば、像ずれはX
軸に対して対称であるからその方位角は本来0〜180
゜の情報でしかないのに対し、その像ずれを参照しなが
ら補正信号を入力する2極エンコーダは0〜360゜の
方位角で信号を作成してしまうためと考えることもでき
る。いずれにしても、上述したように、2極エンコーダ
5を利用した場合であっても、非点補正操作には熟練が
必要であり、多くの試行錯誤を繰り返さなければならな
いという問題があった。
【0022】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、熟練者でなくても容易に非点補正が行える透過電
子顕微鏡用非点補正装置を提供することを目的とするも
のである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の透過電子顕微鏡用非点補正装置は、非点
の方向とその大きさとを検出する非点検出手段と、当該
非点検出手段によって検出された非点の方向と大きさに
関する画像を画面に表示する表示手段と、当該表示手段
の画面上で位置を指示することにより非点補正指令を入
力する2極エンコーダとを備えた透過電子顕微鏡用非点
補正装置において、前記2極エンコーダによって入力さ
れた位置に対応する方位角を2倍し、その2倍の方位角
と前記指示された位置に対応する大きさとを有する2次
元ベクトルをX、Y方向成分に分解して非点補正用信号
を形成する演算手段を備えたことを特徴とする。
【0024】また、請求項2記載の透過電子顕微鏡用非
点補正装置は、請求項1記載の透過電子顕微鏡用非点補
正装置において、前記非点検出手段は、電子線を光軸を
中心として対称的に繰り返し傾斜させながらその方位角
を順次変化させて試料に照射する手段を備えることを特
徴とする。
【0025】
【作用及び発明の効果】本発明の透過電子顕微鏡用非点
補正装置では、上記したように、マウス等の2極エンコ
ーダによって入力されたカーソルの移動方位角を2倍に
して新たな2次元ベクトルを作成する。このようにすれ
ば、例えば上述した図9(b)に示したような場合(像
ずれの方位角が45゜の場合)に、観察者がカーソルC
を単純に像ずれの方向に沿って移動させれば、新たに作
成される2次元ベクトルの方位角θ’はθ’=45゜×
2=90゜となって、Y軸方向の成分のみを有するもの
となる。この新しい2次元ベクトルをX方向成分、Y方
向成分に分解すれば当然ながらY方向成分のみとなり、
Y側非点補正用コイルのみが励磁制御されて非点補正が
正しく実行できる。
【0026】同様に、図7(a)に示したように像ずれ
の方位角が90゜のときに、観察者がY軸方向にカーソ
ルCを移動させれば、新しい2次元ベクトルの方位角
θ’はθ’=90゜×2=180゜となり、X方向成分
のみを有する2次元ベクトルとなるから、最終的にX側
非点補正用コイルのみが励磁制御されて、正しく非点補
正が行われる。このように、あらゆる像ずれの方位角に
ついて、カーソルCの移動方向を像ずれの方向に単純に
合わせるだけで、X側、Y側の非点補正用コイルへの制
御入力を正しく整合させることができる。
【0027】したがって、熟練者でなくても、あるいは
試行錯誤を繰り返さなくても、容易に観察者が非点補正
操作を行うことが可能となる。
【0028】また、請求項2記載の透過電子顕微鏡用非
点補正装置においては、電子線を光軸を中心として対称
的に繰り返し傾斜させながらその方位角を順次変化させ
て試料に照射する。
【0029】従って、熟練者でなくても、どちらの方向
に非点が生じているかを容易に判断することが可能であ
る。
【0030】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例につ
いて説明する。図1は本発明に係る透過電子顕微鏡用非
点補正装置の一実施例の構成を示す図であり、図中、1
は透過電子顕微鏡本体、2は撮像装置、3は表示手段と
しての表示装置、4は演算手段としての計算機、5はマ
ウス等の2極エンコーダである。
【0031】図1における透過電子顕微鏡本体1内部の
主要部構成は図5に示したものと同様であり、その非点
補正操作の手順は次のようである。まず、透過電子顕微
鏡本体1内の試料54として微小な膜穴を有する高分子
薄膜試料をセットし、電子銃51から電子線を照射す
る。その際、偏向コイル53を操作して、電子線を光軸
を中心として対称的に繰り返し傾斜させながらその方位
角を順次変化させて試料54に照射し、図7に示すよう
な非点に関する情報を有する膜穴の透過電子顕微鏡像を
蛍光スクリーン60上に結像させる。
【0032】この蛍光スクリーン60上の投影像を撮像
装置2によって撮像し、表示装置3の画面に表示する。
その画面内には2極エンコーダ5のカーソルが同時に表
示されている。そして、この2極エンコーダ5を操作し
て画面内のカーソルを移動させることにより非点補正用
の指令を入力し、その指令に基づいて、計算機4によっ
てX側非点補正用コイル56およびY側非点補正用コイ
ル57への制御信号を形成するようにしている。
【0033】次に、図2および図3を用いて、本実施例
におけるX側非点補正用コイル56およびY側非点補正
用コイル57への制御信号の形成手順について説明す
る。図2は表示装置3の画面を表しており、撮像装置2
によって撮像された像ずれを有する膜穴の透過電子顕微
鏡像が写し出されている。図中、Cは2極エンコーダに
よって操作されるカーソルである。また、図3は2次元
ベクトル作成の手順を説明するための図である。
【0034】観察者が図2の画面を見ながら2極エンコ
ーダ5を操作し、カーソルCを像ずれの方向に沿って始
点P1 から終点P2 まで動かす。このときのカーソル移
動の方位角をθとすると、このカーソル移動によって、
X軸からの角度をθとしP1からP2 までのカーソル移
動量に対応する大きさを有する2次元ベクトルBが作成
される。この2次元ベクトルBを図3(a)に示す。
【0035】次に、図3(b)に示すように、計算機4
によって、実空間にある2次元ベクトルBを角度2倍空
間内の2次元ベクトルB’に変換する。この新しい2次
元ベクトルB’は、2次元ベクトルBと大きさが等しい
かあるいは比例し、方位角が2倍(2θ)のベクトルで
ある。この新しい2次元ベクトルB’を、図3(c)に
示すようにX方向成分B’xとY方向成分B’yとに分
解する。そして、これらX方向成分B’xに応じてX側
非点補正用コイル56の励磁制御信号を作成するととも
に、Y方向成分B’yに応じてY側非点補正用コイル5
7の励磁制御用信号を作成するようにしている。
【0036】なお、透過電子顕微鏡像の回転角と非点補
正用コイルの取り付けの回転角とを考慮する必要がある
場合には、図3(a)に示す2次元ベクトルBを作成す
る際に、方位角θに上記回転角による補正角θ’を加え
るようにすればよい。
【0037】また、以上の説明で明らかなように、X側
非点補正用コイル56とY側非点補正用コイル57の励
磁制御信号の大きさは、カーソルCの移動始点P1 から
移動終点P2 までの移動距離に対応することが理解され
る。ただし、どれだけ移動させれば完全に非点を補正す
ることができるかはケースバイケースで決まることであ
り、像ずれの方向に沿ってカーソルを少しずつ移動させ
て画面上の像ずれの変化の状況を観察しながら、移動量
を最終的に決めるようにすればよい。
【0038】以上、本発明のいくつかの実施例について
説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、種々の変形が可能であることは当業者に明らかで
ある。
【0039】例えば、上述した実施例では、X側及びY
側非点補正コイルに供給する電流量を指示するために、
画面上に表示されたカーソルを移動させる型の2極エン
コーダを用いたが、ライトペン等の2極エンコーダを用
いてもよいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示す図である。
【図2】 本発明の一実施例における表示手段の画面表
示の一例を示す図である。
【図3】 本発明の一実施例における2次元ベクトル作
成の手順を説明するための図である。
【図4】 非点の発生を説明するための図である。
【図5】 非点補正手段を備えた透過電子顕微鏡本体内
の主要部構成を示す図である。
【図6】 非点補正を行う際の動作原理を説明するため
の図である。
【図7】 非点の発生状態の例を示す図である。
【図8】 非点補正用コイルの配列を示す図である。
【図9】 従来の非点補正操作を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1…透過電子顕微鏡本体、2…撮像装置、3…表示装
置、4…計算機、5…2極エンコーダ、51…電子銃、
52…収束コイル、53…偏向コイル、54…試料、5
5…対物レンズ、56…X側非点補正用コイル、57…
Y側非点補正用コイル、58…中間レンズ、59…投影
レンズ、60…蛍光スクリーン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/153

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非点の方向とその大きさとを検出する非点
    検出手段と、 当該非点検出手段によって検出された非点の方向と大き
    さに関する画像を画面に表示する表示手段と、 当該表示手段の画面上で位置を指示することにより非点
    補正指令を入力する2極エンコーダとを備えた透過電子
    顕微鏡用非点補正装置において、 前記2極エンコーダによって入力された位置に対応する
    方位角を2倍し、その2倍の方位角と前記指示された位
    置に対応する大きさとを有する2次元ベクトルをX、Y
    方向成分に分解して非点補正用信号を形成する演算手段
    を備えたことを特徴とする透過電子顕微鏡用非点補正装
    置。
  2. 【請求項2】前記非点検出手段は、電子線を光軸を中心
    として対称的に繰り返し傾斜させながらその方位角を順
    次変化させて試料に照射する手段を備えることを特徴と
    する請求項1記載の透過電子顕微鏡用非点補正装置。
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