JP2020052944A - 光学フィルム、積層フィルム、タッチパネル - Google Patents

光学フィルム、積層フィルム、タッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】易接着層上に配置される層の密着性に優れ、かつ、表示装置に適用した際に良好な黒締まり感を付与できるフィルムを形成でき、さらに、滑り性に優れる、易接着層を含む光学フィルム、積層フィルム、および、タッチパネルを提供。【解決手段】基材フィルムと、基材フィルムの少なくとも片面上に配置された易接着層とを有し、基材フィルムが、2軸延伸ポリエステルフィルムであり、易接着層が、樹脂、シリカ粒子、および、シリカ粒子以外の金属酸化物粒子を含み、易接着層の屈折率が1.56〜1.60であり、易接着層の基材フィルムとは反対側の表面の凹み面積率が5〜10%であり、易接着層の基材フィルムとは反対側の表面の最大高低差が80〜150nmである、光学フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム、積層フィルム、および、タッチパネルに関する。
2軸延伸ポリエステルフィルムは、機械的性質、電気的性質、寸法安定性、透明性、および、耐薬品性に優れた性質を有するため、種々の用途に広く使用されている。特に、導電性フィルムの基材として、2軸延伸ポリエステルフィルムを用いられている。
特許文献1においては、2軸延伸ポリエステルフィルムおよび易接着層を有する光学フィルム(光学フィルム)の易接着層上に導電層を形成する態様が開示されている。なお、特許文献1においては、製造された導電性フィルムをタッチパネルに適用できる旨が開示されている。
特開2016−187929号公報
一方、近年、導電性フィルムを含むタッチパネルを表示装置に適用した際に、表示装置が非点灯時に、観察者に白っぽくみえるという問題があった。言い換えれば、画面の黒締まり感が不十分である問題があった。以後、フィルム(例えば、導電性フィルム)を適用した表示装置を黒表示した際に、白っぽさが抑制され、黒味が強いことを、黒締まり感が良好であるという。
本発明者らは、特許文献1に記載の2軸延伸ポリエステルフィルムおよび易接着層を含む光学フィルムを用いて、フィルム(例えば、導電性フィルム)を作製して表示装置上に配置して、その特性について検討したところ、黒締まり感が不十分であることを知見した。
また、易接着層を含む光学フィルムにおいては、易接着層上に配置される層の密着性が優れることも求められる。
さらに、易接着層を含む光学フィルムに関しては、シワなどの発生を抑制する点から、滑り性が良好であることも求められる。
本発明は、上記実情に鑑みて、表示装置に適用した際に良好な黒締まり感を付与できるフィルムを形成でき、易接着層上に配置される層の密着性に優れ、さらに、滑り性に優れる、易接着層を含む光学フィルムを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記光学フィルムを含む、積層フィルム、および、タッチパネルを提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、以下の構成により上記目的を達成できることを見出した。
(1) 基材フィルムと、基材フィルムの少なくとも片面上に配置された易接着層とを有し、
基材フィルムが、2軸延伸ポリエステルフィルムであり、
易接着層が、樹脂、シリカ粒子、および、シリカ粒子以外の金属酸化物粒子を含み、
易接着層の屈折率が1.56〜1.60であり、
後述する方法1により算出される易接着層の基材フィルムとは反対側の表面の凹み面積率が5〜10%であり、
後述する方法2により算出される易接着層の基材フィルムとは反対側の表面の最大高低差が80〜150nmである、光学フィルム。
(2) 凹み面積率が5〜9%である、(1)に記載の光学フィルム。
(3) 易接着層の平均厚みが80nm超120nm未満である、(1)または(2)に記載の光学フィルム。
(4) 金属酸化物粒子の含有量が、易接着層全体積に対して、3.0〜6.0体積%である、(1)〜(3)のいずれかに記載の光学フィルム。
(5) 金属酸化物粒子に含まれる金属原子が、ジルコニウムおよびチタンからなる群から選択される1種である、(1)〜(4)のいずれかに記載の光学フィルム。
(6) 金属酸化物粒子が、表面処理が施されていない、(1)〜(5)のいずれかに記載の光学フィルム。
(7) シリカ粒子の平均粒径が、50〜120nmである、(1)〜(6)のいずれかに記載の光学フィルム。
(8) シリカ粒子に対する、金属酸化物粒子の質量比が、8.5〜11.0である、(1)〜(7)のいずれかに記載の光学フィルム。
(9) 易接着層が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、および、ポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、(1)〜(8)のいずれかに記載の光学フィルム。
(10) (1)〜(9)のいずれかに記載の光学フィルムと、光学フィルム中の易接着層上に配置された樹脂層とを有する、積層フィルム。
(11) 樹脂層が、アクリル樹脂またはメタクリル樹脂を含む、(10)に記載の積層フィルム。
(12) 樹脂層が、金属成分を含む、(10)または(11)に記載の積層フィルム。
(13) 金属成分が金属細線を構成する、(10)〜(12)のいずれかに記載の積層フィルム。
(14) (10)〜(13)のいずれかに記載の積層フィルムを有するタッチパネル。
本発明によれば、表示装置に適用した際に良好な黒締まり感を付与できるフィルムを形成でき、易接着層上に配置される層の密着性に優れ、さらに、滑り性に優れる、易接着層を含む光学フィルムを提供できる。
また、本発明によれば、上記光学フィルムを含む、積層フィルム、および、タッチパネルを提供できる。
金属成分の配置位置の一形態を示す一部平面図である。
以下に、本発明の好適態様について説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の光学フィルムの特徴点としては、易接着層の屈折率、後述する易接着層の表面の凹み面積率、および、後述する易接着層の表面の最大高低差を所定の範囲にすることにより、易接着層上に配置される層(例えば、導電層)の密着性(以後、単に「密着性」ともいう)、黒締まり感、および、滑り性を鼎立できることを見出したことが挙げられる。より具体的には、易接着層の屈折率を所定の範囲に調整することにより、基材フィルムである2軸延伸ポリエステルフィルムとの屈折率の関係によって、黒締まり感が良好となる。また、凹部面積率を所定の範囲に調整することにより、密着性および黒締まり感が良好となる。より具体的には、凹み面積率が所定値以上である場合に密着性が良好となり、凹み面積率が所定値以下である場合にヘイズが低下して、結果として黒締まりが良好となる。さらに、最大高低差を所定の範囲に調整することにより、滑り性および黒締まり感が良好となる。より具体的には、最大高低差が所定値以上である場合に滑り性が良好となり、最大高低差が所定値以下である場合にヘイズが低下して、結果として黒締まりが良好となる。
また、本発明の光学フィルムの易接着層上に導電層(例えば、金属成分を含む樹脂層)が配置される場合、層中の導電部間におけるマイグレーションが進行しにくいという特徴点も有する。なお、上記マイグレーションが進行しにくいことを、耐マイグレーション性に優れるという。
本発明の光学フィルムは、基材フィルムと、基材フィルムの少なくとも片面上に配置された易接着層とを有する。
以下、光学フィルムに含まれる各部材について詳述する。
<基材フィルム>
光学フィルムには、基材フィルムとして、2軸延伸ポリエステルフィルムが含まれる。
2軸延伸ポリエステルフィルムとは、2方向(縦方向および横方向)に延伸されたポリエステルフィルムである。延伸処理が施されるポリエステルフィルム(未延伸ポリエステルフィルム)としては、例えば、押出口金から溶融押し出しされる、いわゆる押出法により、押し出されたポリエステルフィルムが挙げられる。より具体的には、未延伸ポリエステルフィルムとしては、原料であるポリエステルを公知の溶融押出し機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加などの方式によりキャスティングドラムに密着、冷却固化して得られるポリエステルフィルムが挙げられる。
2軸延伸ポリエステルフィルムに含まれるポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるポリエステルが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、および、2,6−ナフタレンジカルボン酸が挙げられる。
脂肪族グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、および、1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、および、ポリブチレンテレフタレートが挙げられる。
基材フィルムの厚みは特に制限されず、20〜100μmが好ましく、20〜80μmがより好ましく、30〜50μmがさらに好ましい。
基材フィルムの屈折率としては、1.61以上が好ましく、1.64以上がより好ましい。屈折率の上限は、1.69以下が好ましく、1.68以下がより好ましい。
基材フィルムには、必要に応じて、ポリエステル以外の他の成分(例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、易滑剤、帯電防止剤)が含まれていてもよい。
また、基材フィルムに対して各層を強固に接着させる目的で、予め、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、および、オゾン酸処理などの表面活性処理を施してもよい。
<易接着層>
易接着層は、上述した基材フィルムの少なくとも片面上に配置される層である。易接着層は、基材フィルムの両面に配置されていてもよい。また、易接着層は、基材フィルムと隣接して配置されることが好ましい。
なお、後述するように、易接着層の基材フィルム側とは反対側の表面上には導電層が配置されることが好ましい。
以下では、まず、易接着層に含まれる各成分について詳述する。
(樹脂)
易接着層には、樹脂が含まれる。
樹脂の種類は特に制限されず、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、および、ポリオレフィン樹脂が挙げられる。なかでも、黒締まり感、密着性、および、滑り性の少なくとも1つがより良好となる点(以後、「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)で、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、または、ポリエステル樹脂が好ましい。
易接着層には、1種の樹脂のみが含まれていてもよいし、複数種の樹脂が含まれていてもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、易接着層には複数種の樹脂が含まれることが好ましく、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂の少なくとも一方、並びに、ポリエステル樹脂が含まれることが好ましい。
易接着層中にアクリル樹脂およびメタクリル樹脂の少なくとも一方、並びに、ポリエステル樹脂が含まれる場合、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、および、ポリエステル樹脂の合計質量に対するポリエステル樹脂の質量の割合{(ポリエステル樹脂の質量/アクリル樹脂、メタクリル樹脂およびポリエステル樹脂の合計質量)×100}は、30〜60%が好ましく、40〜55%がより好ましい。
なお、例えば、易接着層中にアクリル樹脂およびポリエステル樹脂が含まれ、メタクリル樹脂が含まれない場合は、上記割合の計算においてはメタクリル樹脂の質量は0と考えて、{(ポリエステル樹脂の質量/アクリル樹脂およびポリエステル樹脂の合計質量)×100}によって上記割合を算出する。
易接着層中における樹脂の含有量は特に制限されないが、易接着層の密着性がより優れる点で、易接着層全質量に対して、50〜100質量%が好ましく、60〜99質量%がより好ましい。
(シリカ粒子)
易接着層には、シリカ粒子が含まれる。
シリカ粒子の平均粒径は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、30〜130nmが好ましく、50〜120nmがより好ましい。
シリカ粒子の平均粒径の測定方法としては、顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡)を用いて撮影された画像から任意に選択した100個のシリカ粒子の粒径(円相当径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、円相当径とは、観察時の粒子の投影面積と同じ投影面積をもつ真円を想定したときの円の直径である。
易接着層中におけるシリカ粒子の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、易接着層全質量に対して、0.1〜5質量%が好ましく、1〜3質量%がより好ましい。
(シリカ粒子以外の金属酸化物粒子)
易接着層には、シリカ粒子以外の金属酸化物粒子(以後、単に「特定粒子」ともいう。)が含まれる。
特定粒子に含まれる金属原子の種類はケイ素原子以外であればよく、例えば、ジルコニウム、チタン、バナジウム、ハフニウム、および、アルミニウムが挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、ジルコニウムまたはチタンが好ましい。
特定粒子は、その表面が表面処理されていてもよいし、されていなくてもよい。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、特定粒子は、表面処理が施されていない特定粒子であることが好ましい。
上記表面処理としては、例えば、シランカップリング剤による表面処理、および、分散剤による表面処理が挙げられる。
特定粒子の平均粒径は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、1〜50nmが好ましく、2〜10nmがより好ましい。
特定粒子の平均粒径の測定方法としては、顕微鏡(例えば、透過型電子顕微鏡)を用いて撮影された画像から任意に選択した100個の特定粒子の粒径(円相当径)を測定し、それらを算術平均して求める。なお、円相当径とは、観察時の粒子の投影面積と同じ投影面積をもつ真円を想定したときの円の直径である。
易接着層中における特定粒子の含有量(質量%)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点、および、耐マイグレーション性により優れる導電性フィルムが得られる点で、易接着層全質量に対して、10.0〜30.0質量%が好ましく、15.0〜20.0質量%がより好ましい。
また、易接着層中における特定粒子の含有量(体積%)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点、および、耐マイグレーション性により優れる導電性フィルムが得られる点で、易接着層全体積に対して、1.0〜10.0体積%が好ましく、2.0〜6.0体積%がより好ましく、3.0〜6.0体積%がさらに好ましい。
シリカ粒子に対する、特定粒子の質量比(特定粒子の質量/シリカ粒子)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、8.5〜11.0が好ましく、耐マイグレーション性により優れる導電性フィルムが得られる点で、9.0〜11.0がより好ましい。
易接着層には、上記成分以外の他の成分が含まれていてもよい。
例えば、易接着層には、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤が使用されることにより、易接着層が基材フィルム上に均一に配置されやすくなる。
易接着層中に含まれる界面活性剤の含有量は、易接着層全質量に対して、0.01〜5.0質量%が好ましい。
なお、界面活性剤としては、1種のみを使用してもよいし、2種以上を使用してもよい。
界面活性剤の種類は特に制限されず、公知の界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、イオン性界面活性剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および、両性界面活性剤)、および、非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、および、フッ素系界面活性剤)が挙げられ、易接着層の表面性状がより優れる点で、イオン性界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましい。
また、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤を併用してもよい。
なお、易接着層には、必要に応じて、造膜助剤、滑り剤、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤、および、帯電防止剤などの他の成分が含まれていてもよい。
(易接着層の特徴)
易接着層の平均厚みは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、50〜140nmが好ましく、80〜120nmがより好ましく、80nm超120nm未満がさらに好ましく、90〜110nmが特に好ましい。
なお、上記平均厚みは、易接着層の任意の5箇所以上の位置での厚みを測定し、それらを算術平均したものである。
易接着層の屈折率は、1.56〜1.60である。なかでも、黒締まりがより良好となる点で、1.57〜1.59がより好ましい。
なお、上記屈折率は、波長589nmにおける値である。
屈折率の測定方法としては、以下の通りである。
ナトリウムランプ(Na−D線)を光源として、マウント液はヨウ化メチレンを用い、23℃、相対湿度65%下で、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製NAR―4T)を用いて、直交する2つの方向(例えば、長手方向と幅方向)の屈折率を測定し、それらの値を算術平均して、上記屈折率とする。
易接着層の凹み面積率は、5〜10%である。なかでも、黒締まりおよび密着性がより良好となる点で、5〜9%が好ましい。
凹み面積率は、以下の方法1によって算出される。
方法1:原子間力顕微鏡を用いて、易接着層の基材フィルム側とは反対側の表面の異なる5箇所で測定を行い、得られる各データ中の基準面より低い領域を2値化処理して抽出して基準面より低い領域の面積率を5箇所でそれぞれ算出して、5箇所のそれぞれの面積率を算術平均して、凹み面積率を算出する。
以下、方法1のより具体的な手順を説明する。
まず、易接着層の基材フィルム側とは反対側の表面を原子間力顕微鏡(Bruker製DIMENSION ICON with ScanAsyst)を用いて、タッピングモードで測定して、データ(3次元データ)を取得する。なお、測定条件は以下の通りである。
Scan Size:5μm×5μm
Aspect Ratio:1
Scan Rate:0.5 Hz
Sample/Line:256
使用カンチレバー:NANOSENCERS社製NCH―10T
次に、Plane Fit処理によって画像全体のゆがみを補正して、特定データを得る。なお、データ処理はDimension Icon付属のデータ処理ソフトウエアを用いて行う。
次に、得られた特定データを用いて、測定範囲内で基準面(0nm)より高度が低い領域を2値化処理にて抽出し、全体(測定範囲)に占めるその領域(凹み部)の面積率を算出する。なお、上記基準面は、上記データ処理ソフトウエアによって求められる面であり、測定された高さを平均して算出される。
上記測定を各サンプル中の易接着層の異なる位置の5箇所(各箇所での測定範囲は、5μm×5μm)において行い、それぞれの位置での凹み部の面積率を算出して、それらを算術平均した値を上記凹み面積率とする。
易接着層の基材フィルムとは反対側の表面の最大高低差は、80〜150nmである。なかでも、滑り性および黒締まりがより良好となる点で、100〜130nmが好ましい。
最大高低差は、以下の方法2によって算出される。
方法2:原子間力顕微鏡を用いて、易接着層の基材フィルム側とは反対側の表面の異なる5箇所で測定を行い、得られる各データ中の最低高度と最大高度との差を5箇所でそれぞれ算出して、5箇所のそれぞれの差を算術平均して、最大高低差を算出する。
以下、方法2のより具体的な手順を説明する。
上述した、凹み面積率の測定方法で説明した方法と同様の手順に従って、特定データを得る。
次に、得られた特定データを用いて、測定範囲内での最低高度と最大高度との差(最大高度−最低高度)を算出する。
上記測定を各サンプル中の易接着層の異なる位置の5箇所(各箇所での測定範囲は、5μm×5μm)において行い、それぞれの位置での差を算出して、それらを算術平均した値を上記最大高低差とする。
<光学フィルムの製造方法>
光学フィルムの製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。
例えば、搬送方向(MD方向)および搬送方向と直交する方向(TD方向)の一方の方向に延伸されたポリエステルフィルム上に易接着層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜付きフィルムをMD方向およびTD方向の他方の方向に延伸して、光学フィルムを得る方法(以下、「方法1」ともいう)、未延伸ポリエステルフィルム上に易接着層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜付きフィルムを2軸延伸して、光学フィルムを得る方法(以下、「方法2」ともいう)、2軸延伸ポリエステルフィルム上に易接着層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜に対して各種表面処理(例えば、エンボス加工処理、レーザー加工処理、および、エッチング処理など)を施して、光学フィルムを得る方法、および、2軸延伸ポリエステルフィルム上に所定の表面張力調整剤を含む易接着層形成用組成物を塗布して塗膜を形成して、所定の易接着層を形成する方法が挙げられる。なかでも、製造が容易な点から、方法1または方法2が好ましく、方法1がより好ましく、MD方向に延伸されたポリエステルフィルム上に易接着層形成用組成物を塗布する方法1がさらに好ましい。
以下、MD方向に延伸されたポリエステルフィルム上に易接着層形成用組成物を塗布する方法1について詳述する。
方法1で用いられる易接着層形成用組成物の好適態様の一つとしては、上述した樹脂、シリカ粒子、および、特定粒子を含む易接着層形成用組成物が挙げられる。易接着層形成用組成物には、さらに、上述した易接着層に含まれていてもよい他の成分が含まれていてもよい。
また、易接着層形成用組成物には、溶媒が含まれていてもよい。溶媒としては、水、おおよび、有機溶媒が挙げられ、両者を混合して使用してもよい。有機溶媒としては、例えば、メタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸エチルなどのエステル類、および、エーテル類が挙げられる。
また、易接着層形成用組成物には、架橋剤が含まれていてもよい。架橋剤は、上記樹脂同士を架橋する役割を果たす。架橋剤が使用される場合、形成される易接着層が架橋剤(例えば、後述するカルボジイミド系架橋剤またはオキサゾリジン系架橋剤)由来の架橋構造を有する。
架橋剤としては、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、または、メラミン系架橋剤(C366)が好ましく、カルボジイミド系架橋剤、または、オキサゾリン系架橋剤がより好ましい。
易接着層形成用組成物が塗布される搬送方向に延伸されたポリエステルフィルムとは、未延伸フィルムを搬送方向に延伸して得られるポリエステルフィルムである。
搬送方向に延伸されたポリエステルフィルム上に易接着層形成用組成物を塗布する方法は特に制限されず、グラビアコーター、および、バーコーターなどの公知の塗布方法が挙げられる。
易接着層形成用組成物の塗布量は特に制限されず、例えば、上述した厚みの易接着層が得られるように適宜調整される。
塗布後に得られた塗膜に対しては、必要に応じて、塗膜中から溶媒を除去するために乾燥処理を実施してもよい。乾燥処理の方法としては、加熱処理、および、風乾処理が挙げられる。
次に、塗膜が塗布されたフィルム(塗膜付きフィルム)をTD方向に延伸して、光学フィルムを得る。
なお、易接着層形成用組成物に架橋剤が含まれる場合には、上記延伸処理の後に、必要に応じて、延伸された塗膜に対して硬化処理を施してもよい。硬化処理の方法は特に制限されないが、加熱処理が好ましい。加熱処理の条件は特に限定されないが、加熱温度は80〜300℃が好ましく、加熱時間は3秒間〜5分間が好ましい。
上記方法1は、いわゆるロール・トゥ・ロール方式によって実施してもよい。
上述したように、特定粒子としては、表面処理が施されていない特定粒子(以下、「未処理粒子」ともいう)を用いてもよい。未処理粒子を用いた場合、塗膜中で未処理粒子同士が凝集しやすい。このような未処理粒子の凝集物を含む塗膜を延伸すると、凝集物の部分は延伸されず、凝集物がない領域は延伸されるため、形成される易接着層の表面に凹み部が形成されやすく、結果として、上述した特徴を有する易接着層を容易に製造できる。
なお、上記方法1および2においては、延伸倍率の調整、および、各種乾燥処理の条件の調整によって、凹み面積率および最大高低差を調整できる。
<用途>
上記光学フィルムは各種用途に使用でき、例えば、易接着層上に樹脂層を配置して積層フィルムとして使用する態様が挙げられる。
樹脂層に含まれる樹脂は特に制限されず、公知の樹脂が挙げられる。樹脂としては、疎水性樹脂が挙げられ、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリジエン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース重合体、および、キトサン重合体からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体が挙げられる。なかでも、易接着層との密着性がより優れる点で、アクリル樹脂またはメタクリル樹脂が好ましい。
樹脂層の屈折率は特に制限されず、本発明の効果がより優れる点で、1.48〜1.52が好ましい。なお、上記屈折率は、波長589nmにおける値である。
屈折率の測定方法としては、上述した易接着層の屈折率の測定方法と同じである。
樹脂層は、さらに、金属成分を含んでいてもよい。樹脂層が金属成分を含むことにより、導電性を示す層となり、導電層として機能する。
金属成分としては、金属原子を含んでいる成分が挙げられ、例えば、金、銀、プラチナ、銅、ニッケル、パラジウム、および、これらの合金が挙げられる。なかでも、低抵抗の点から、銀が好ましい。
積層性フィルムは、上述した光学フィルムと、光学フィルム中の易接着層上に配置された樹脂層とを有する。上述したように、樹脂層が導電層として機能する場合は、積層フィルムは導電性フィルムとして使用できる。導電層としては、透明性が高いほうが好ましい。つまり、透明導電層であることが好ましい。
樹脂層中における金属成分の配置位置は特に制限されず、樹脂層全体に含まれていてもよいし、パターン状に配置されていてもよい。
金属成分の配置パターンは特に制限されず、正三角形、二等辺三角形および直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形および台形などの四角形、(正)六角形および(正)八角形などの(正)n角形、円、楕円、並びに、星形などを組み合わせた幾何学図形であることが好ましく、メッシュ状であることがより好ましい。つまり、樹脂層中の金属成分は、金属細線(導電性細線)を構成して、その金属細線がメッシュ状に配置されることが好ましい。
メッシュ状とは、図1に示すように、交差する金属細線10により構成される複数の正方形状の格子12を含んでいる形状を意図する。
金属細線10の線幅は特に制限されず、30μm以下が好ましく、15μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、9μm以下が特に好ましく、7μm以下が最も好ましく、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましい。上記範囲であれば、低抵抗の電極を比較的容易に形成できる。
格子12の一辺の長さPaは特に制限されず、1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μm以下がさらに好ましく、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上がさらに好ましい。開口部の辺の長さが上記範囲である場合には、さらに透明性も良好に保つことが可能であり、積層フィルムを導電性フィルムとして表示装置の前面にとりつけた際に、違和感なく表示を視認できる。
可視光透過率の点から、金属細線より形成される導電部の開口率は85%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上が更に好ましい。開口率とは、金属細線がある領域を除いた易接着層上の領域が全体に占める割合に相当する。
金属成分を含む樹脂層の厚みは、易接着層上に均一に積層する点で、0.1〜100.0μmが好ましく、0.3〜10.0μmがより好ましく、0.5〜2.0μmがさらに好ましい。
金属成分を含む樹脂層の形成方法は特に制限されず、例えば、ハロゲン化銀を使用した方法が挙げられる。具体的には、特開2014−209332号公報の段落0056〜0114に記載の方法が挙げられる。
本発明の光学フィルムおよび積層フィルム(導電性フィルム)は、タッチパネルに好適に用いることができる。
本発明の光学フィルムまたは積層フィルムを有するタッチパネルの種類は特に制限されず、目的に応じて適宜選択でき、例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投影型静電容量方式タッチパネル、および、抵抗膜式タッチパネルが挙げられる。なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサおよびタッチパッドを含むものとする。
上記タッチパネルは、各種表示装置(液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置など)に適用される。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例5>
(易接着層形成用組成物5の調製)
以下の表1に記載の各成分を混合し、易接着層形成用組成物5を調製した。
具体的には、ステンレス鋼缶内に蒸留水を投入後、島崎エンジニアリング社製ロータリー式撹拌機アジターを用いて、液を100rpm(revolutions per minute)にて撹拌しながら、各成分を投入した。各成分を投入する際には、5分間間隔をあけて投入し、成分を全て投入した後に、60分間撹拌した。
なお、表1中の「企業名」欄は、各製品の販売企業を表す。
また、「製品固形分濃度[wt%]」欄は、各製品中の固形分濃度(質量%)を表す。
さらに、「各成分濃度[wt%]」欄は、易接着層形成用組成物5全質量に対する、各素材(例えば、アクリル樹脂)の濃度(質量%)を表す。
(光学フィルムの作製)
PET原料をヒータ温度280〜300℃に設定した押出機に供給し、押出機内で溶融混練した。次に、溶融樹脂をダイから静電印加された冷却ロール上に吐出し、未延伸ポリエステルフィルムを得た。
得られたポリエステルフィルムを、フィルムの搬送方向に延伸(縦延伸)した。
その後、延伸したポリエステルフィルム上にバーにより、上記易接着層形成用組成物5を両面塗布した。その後、易接着層形成用組成物5が塗布されたポリエステルフィルムに対して、170℃で5秒間熱を印加して、水を乾燥させ、温度140℃下にてフィルムの搬送方向と直行する方向に延伸し、さらに、その後、240℃で8秒間熱を印加して熱固定を行い、2軸延伸ポリエステルフィルムと易接着層とが隣接して積層された光学フィルム5を得た。延伸倍率(TD方向)は4.8倍であり、延伸後の支持体厚は38μmであった。2軸延伸後のポリエステルフィルム基材の屈折率は1.65であった。
(積層フィルムの作製)
38℃、pH4.5に保たれた下記1液に、下記の2液および3液の各々90%に相当する量を、1液を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて、得られた溶液に下記4液および5液を8分間にわたって加え、さらに、下記の2液および3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、核粒子を0.21μmまで成長させた。さらに、得られた溶液にヨウ化カリウム0.15gを加え、5分間熟成し、粒子形成を終了した。
1液:
水 750ml
ゼラチン 8.6g
塩化ナトリウム 3g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
2液:
水 300ml
硝酸銀 150g
3液:
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム
(0.005%KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム
(0.001%NaCl 20%水溶液) 7ml
4液:
水 100ml
硝酸銀 50g
5液:
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法に従ってフロキュレーション法によって水洗した。具体的には、上記で得られた溶液の温度を35℃に下げ、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた(pH3.6±0.2の範囲であった)。次に、得られた溶液から上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。次に、上澄み液を除去した溶液に、3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度、得られた溶液から上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返して(第三水洗)、水洗および脱塩工程を終了した。水洗および脱塩後の乳剤をpH6.4、pAg7.5に調整し、ゼラチン2.5g、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgおよび塩化金酸10mgを加え、55℃にて最適感度を得るように化学増感を施した。その後、さらに、得られた乳剤に、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、および、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に得られた乳剤は、沃化銀を0.08モル%含み、塩臭化銀の比率を塩化銀70モル%、臭化銀30モル%とする、平均粒径0.20μm、変動係数9%の塩臭化銀立方体粒子乳剤であった。
上記乳剤に1,3,3a,7−テトラアザインデン(1.2×10-4モル/モルAg)、ハイドロキノン(1.2×10-2モル/モルAg)、クエン酸(3.0×10-4モル/モルAg)、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩(0.90g/モルAg)、および、微量の硬膜剤を添加し、組成物を得た。次に、クエン酸を用いて組成物のpHを5.6に調整した。
上記組成物に、下記(P−1)で表される高分子(以下、「高分子1」ともいう。)とジアルキルフェニルPEO(PEOはポリエチレンオキシドの略号である。)硫酸エステルからなる分散剤と水とを含有するポリマーラテックス(高分子1の質量に対する分散剤の質量の比(分散剤の質量/高分子1の質量、単位はg/g)が0.02であって、固形分含有量が22質量%である。)を、組成物中のゼラチンの合計質量に対する、高分子1の質量の比(高分子1の質量/ゼラチンの質量、単位g/g)が0.25/1となるように添加して、ポリマーラテックス含有組成物を得た。ここで、ポリマーラテックス含有組成物において、ハロゲン化銀由来の銀の質量に対するゼラチンの質量の比(ゼラチンの質量/ハロゲン化銀由来の銀の質量、単位はg/gである。)は0.11であった。
さらに、架橋剤としてEPOXY RESIN DY 022(商品名:ナガセケムテックス社製)を添加した。なお、架橋剤の添加量は、後述するハロゲン化銀含有感光性層中における架橋剤の量が0.09g/m2となるように調整した。
以上のようにして感光性層形成用組成物を調製した。
なお、高分子1は、特許第3305459号公報および特許第3754745号公報を参照して合成した。
上記で作製した光学フィルム5の両面に配置された易接着層上に上記ポリマーラテックスを塗布して、厚み0.05μmの下塗り層を設けた。この処理はロール・トゥ・ロールで行い、以下の各処理(工程)もこれと同様にロール・トゥ・ロールで行った。
次に、下塗り層上に、上記ポリマーラテックスとゼラチンとを混合したハロゲン化銀不含有層形成用組成物を塗布して、厚み1.0μmのハロゲン化銀不含有層を設けた。なお、高分子1とゼラチンとの混合質量比(高分子1/ゼラチン)は2/1であり、高分子1の含有量は0.65g/m2であった。
次に、ハロゲン化銀不含有層上に、上記感光性層形成用組成物を塗布し、厚み2.5μmのハロゲン化銀含有感光性層を設けた。なお、ハロゲン化銀含有感光性層中の高分子1とゼラチンとの混合質量比(高分子1/ゼラチン)は0.25/1であり、高分子1の含有量は0.19g/m2であった。
次に、ハロゲン化銀含有感光性層上に、上記ポリマーラテックスとゼラチンとを混合した保護層形成用組成物を塗布して、厚み0.15μmの保護層を設けた。なお、高分子1とゼラチンとの混合質量比(高分子1/ゼラチン)は0.1/1であり、高分子1の含有量は0.015g/m2であった。
上記で作製した感光性層に、格子状のフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。フォトマスクとしては図1のパターン形成用のマスクを用いており、格子を形成する単位正方格子の線幅は3.7μm、格子(開口部)の一辺の長さPaは300μmになるようにした。
露光後、得られたサンプルに対して、後述する現像液で現像し、さらに定着液(商品名:CN16X用N3X−R:富士フイルム社製)を用いて現像処理を行った後、25℃の純水でリンスし、その後乾燥して、金属銀がメッシュパターン状に形成された銀含有層を有するサンプルAを得た。
(現像液の組成)
現像液1リットル(L)中に、以下の化合物が含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
上記で得られたサンプルAを、50℃の温水中に180秒間浸漬させた。この後、エアシャワーで水を切り、自然乾燥させた。
サンプルAを、110℃の過熱水蒸気処理槽に搬入し、30秒間静置して、過熱水蒸気処理を行った。なお、このときの蒸気流量は100kg/hであった。
過熱水蒸気処理がなされたサンプルAを、タンパク質分解酵素水溶液(40℃)に120秒間浸漬した。サンプルAをタンパク質分解酵素水溶液から取り出し、サンプルAを温水(液温:50℃)に120秒間浸漬して、洗浄した。この後、エアシャワーで水を切り、自然乾燥させた。
なお、使用したタンパク質分解酵素水溶液は、以下の手順に従って調製した。
タンパク質分解酵素(ナガセケムテックス社製ビオプラーゼ30L)の水溶液(タンパク質分解酵素の濃度:0.5質量%)に、トリエタノールアミン、硫酸を加えてpHを8.5に調製した。
上記で得られたサンプルに対して、金属ローラと樹脂製のローラとの組み合わせによるカレンダー装置を使用して、30kNの圧力でカレンダー処理した。カレンダー処理は室温で行った。
カレンダー処理が施されたサンプルに対して、110℃の過熱水蒸気処理槽に搬入し、30秒間静置して、過熱水蒸気処理を行い、両面に樹脂層を有する積層フィルムを得た。得られた積層フィルム中の樹脂層中の金属成分は、図1に示すような、金属細線を構成して、メッシュ状に配置されていた。金属細線の線幅は3.7μmであり、開口率は97.2%であった。
<実施例1〜4、6〜11、比較例1〜5>
易接着層形成用組成物中の各種成分を表2に示すように変更し、得られる易接着層の各種特性を表1に示すように調整した以外は、実施例5と同様の手順に従って、光学フィルムおよび積層フィルムを得た。
なお、比較例5で用いた表面処理がなされた金属酸化物粒子としては、ジルコニア粒子(100質量)に対して、BYK社製 DISPERBYK 2015を2.5質量添加し、ホモジナイザーを用いて5000rpmにて1時間撹拌して得られる粒子を用いた。
<比較例6>
特許文献1の実施例1と同様の手順に従って光学フィルムを作製して、得られた光学フィルムを光学フィルム5の代わりに用いた以外は、実施例5と同様の手順に従って、積層フィルムを得た。
<比較例7>
特許5864760の参考例7と同様の手順に従って光学フィルムを作製して、得られた光学フィルムを光学フィルム5の代わりに用いた以外は、実施例5と同様の手順に従って、積層フィルムを得た。
なお、各実施例および比較例にて得られた光学フィルム中の易接着層の凹み面積率および最大高低差は、上述した方法により測定した。
<評価>
各実施例および比較例にて得られた光学フィルムおよび積層フィルムを用いて、以下の各種測定を実施した。
(滑り性)
実施例および比較例にて作製した光学フィルムを用いて、以下の手順に従って、滑り性を評価した。
JIS K7125(1999)に準じた方法に従って、株式会社イマダ製の静摩擦係数測定機デジタルフォースゲージMH2−500Nを使用し、平面圧子(200g、63mm×63mm)に評価サンプルである光学フィルムを固定し、速度100mm/minで静摩擦係数を測定した。測定環境は23℃、50%RHとした。なお、この静摩擦係数は、表面が平滑な平板上のステンレス鋼板(SUS304)表面に対する静摩擦係数である。光学フィルムとステンレス鋼板とを1分間接触させてから試験を実施した。上記試験においては、光学フィルム中の易接着層とステンレス鋼板とを接触させた。なお、結果は以下の基準に従って、評価した。結果を表1に示す。
「3」:静摩擦係数が0.25未満
「2」:静摩擦係数が0.25以上0.30未満
「1」:静摩擦係数が0.30以上
(密着性)
実施例および比較例にて作製した積層フィルム中の樹脂層にNTカッターを用いて1mm間隔で縦横それぞれ11本ずつの傷をつけ、100マスのマス目を形成した。この上にセロハン粘着テープ(セロテープ(登録商標)No.405、24mm幅、ニチバン(株)製)を貼って、垂直(90°)方向にすばやく引っ張って剥離した。このとき、以下の評価基準のように、剥離したマス目の数によって、密着性を評価した。なお、試験は23℃、50%RH環境下で実施した。
「3」:剥離したマス目なし
「2」:剥離したマス目が1マス以上50マス以下であった。
「1」:剥離したマス目が51マス以上であった。
(黒締まり)
実施例および比較例にて作製した積層フィルムを用いて、黒色ポリエチレンテレフタレート基材(パナック株式会社社製GPH100E82A04)、偏光板(株式会社サンリッツ社製HLC2−5618RE)、粘着剤層(3M社8146−2)、偏光板(株式会社サンリッツ社製HLC2−5618RE)、粘着剤層(3M社8146−2)、上記積層フィルム、粘着剤層(3M社8146−4)、および、ガラス基板(株式会社アイジーシー社製イーグルガラス、厚み1.1mm、52mm×75mm)がこの順で積層された積層体を作製した。
照度400ルックス下、得られた積層体のガラス基板側から視野角45°にてデジタルカメラで積層体を撮影して、取得した画像をグレースケール処理して、以下の基準に従って、255階調(255:白、1:黒)で評価した。
「4」:120未満
「3」:120以上130未満
「2」:130以上140未満
「1」:140以上
(耐マイグレーション性)
実施例および比較例にて作製した積層フィルムを用いて、85℃、85%RH下にて直流電圧16Vを24時間印加する駆動耐久性試験を実施した。試験後の樹脂層の抵抗値を測定して、以下の基準に従って評価した。
「3」:抵抗値が1MΩ以上
「2」:抵抗値が1kΩ以上1MΩ未満
「1」:抵抗値が1kΩ未満
表1中において、「質量割合(%)(PE樹脂/(PE樹脂+AC樹脂))」欄は、易接着層形成用組成物中のアクリル樹脂、メタクリル樹脂およびポリエステル樹脂の合計質量に対する、ポリエステル樹脂の質量割合(%)を表す。
「表面改質の有無」欄は、金属酸化物粒子に表面処理が施されているか否かを示し、表面処理が施されている場合を「有り」、表面処理が施されていない場合を「無し」とする。
「比率(vol%)」欄は、易接着層全体積に対する、金属酸化物粒子の含有量(体積%)を表す。
「質量比(金属酸化物粒子/シリカ粒子)」欄は、易接着層形成用組成物中のシリカ粒子の質量に対する、金属酸化物粒子の質量の質量比を表す。
また、表中の「評価」欄の「−」は、測定を実施していないことを表す。
表1に示すように、本発明の光学フィルムを用いると、所望の効果が得られることが確認された。
なお、実施例1および2と他の実施例との比較より、金属酸化物粒子の比率が3.0〜6.0体積%である場合(または、質量比(金属酸化物粒子/シリカ粒子)が9.0〜11.0である場合)、密着性および耐マイグレーション性がより優れることが確認された。
また、実施例3および4と他の実施例との比較より、凹み面積率が5.0〜9.0%である場合、黒締り性がより優れることが確認された。
また、実施例5、6および9と他の実施例との比較より、平均厚みが80nm超120nm未満の場合、黒締り性がより優れることが確認された。
10 金属細線
12 格子

Claims (14)

  1. 基材フィルムと、前記基材フィルムの少なくとも片面上に配置された易接着層とを有し、
    前記基材フィルムが、2軸延伸ポリエステルフィルムであり、
    前記易接着層が、樹脂、シリカ粒子、および、前記シリカ粒子以外の金属酸化物粒子を含み、
    前記易接着層の屈折率が1.56〜1.60であり、
    以下の方法1により算出される前記易接着層の前記基材フィルムとは反対側の表面の凹み面積率が5〜10%であり、
    以下の方法2により算出される前記易接着層の前記基材フィルムとは反対側の表面の最大高低差が80〜150nmである、光学フィルム。
    方法1:原子間力顕微鏡を用いて、前記易接着層の前記基材フィルム側とは反対側の表面の異なる5箇所で測定を行い、得られる各データ中の基準面より低い領域を2値化処理して抽出して前記基準面より低い領域の面積率を前記5箇所でそれぞれ算出して、前記5箇所のそれぞれの面積率を算術平均して、前記凹み面積率を算出する。
    方法2:原子間力顕微鏡を用いて、前記易接着層の基材フィルム側とは反対側の表面の異なる5箇所で測定を行い、得られる各データ中の最低高度と最大高度との差を前記5箇所でそれぞれ算出して、前記5箇所のそれぞれの前記差を算術平均して、前記最大高低差を算出する。
  2. 前記凹み面積率が5〜9%である、請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 前記易接着層の平均厚みが80nm超120nm未満である、請求項1または2に記載の光学フィルム。
  4. 前記金属酸化物粒子の含有量が、前記易接着層全体積に対して、3.0〜6.0体積%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  5. 前記金属酸化物粒子に含まれる金属原子が、ジルコニウムおよびチタンからなる群から選択される1種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 前記金属酸化物粒子が、表面処理が施されていない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  7. 前記シリカ粒子の平均粒径が、50〜120nmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  8. 前記シリカ粒子に対する、前記金属酸化物粒子の質量比が、8.5〜11.0である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  9. 前記易接着層が、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、および、ポリエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルムと、前記光学フィルム中の前記易接着層上に配置された樹脂層とを有する、積層フィルム。
  11. 前記樹脂層が、アクリル樹脂またはメタクリル樹脂を含む、請求項10に記載の積層フィルム。
  12. 前記樹脂層が、金属成分を含む、請求項10または11に記載の積層フィルム。
  13. 前記金属成分が金属細線を構成する、請求項10〜12のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  14. 請求項10〜13のいずれか1項に記載の積層フィルムを有するタッチパネル。
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