JP2008288419A - 透明性導電膜形成用感光材料、それを用いた透明性導電膜、その製造方法及び電磁波遮蔽材料 - Google Patents

透明性導電膜形成用感光材料、それを用いた透明性導電膜、その製造方法及び電磁波遮蔽材料 Download PDF

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Abstract

【課題】高い導電性と光透過性を有し、かつ、干渉ムラとモアレを低減した透明導電膜とその製造方法、該透明導電膜を用いた電磁波遮蔽材料及び該透明導電膜の製造に用いられる密着性が良好な透明導電膜形成用感光材料、透明導電膜及びその製造方法並びに電磁波遮蔽材料を提供する。
【解決手段】支持体上に、少なくともハロゲン化銀及びバインダーからなる乳剤層を有し、露光後、現像処理することでメッシュ状に金属銀部を形成させることにより透明性導電膜を製造可能な透明性導電膜形成用感光材料であって、該乳剤層の膨潤率が100%より大きく145%以下であることを特徴とする透明性導電膜形成用感光材料、透明導電膜及びその製造方法、電磁波遮蔽材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、本発明は、携帯電話、電子レンジ、CRT、及びフラットパネルディスプレイ等の電子機器から発生する電磁波を遮断でき、かつ透明性を必要とする導電性材料を形成するための透明導電膜形成用感光材料、透明導電膜及びその製造方法並びに電磁波遮蔽材料に関する。
近年、各種の電気設備や電子応用設備の利用の増加に伴い、電磁波障害(Electro−Magnetic Interference:EMI)が急増し、電子電気機器では、電磁波放出の強さを規格または規制内に抑えることが要求されている。
電磁波をシールドするには金属の電磁波を貫通させない性質を利用すればよい。例えば、筐体を金属体または高導電体にする方法や、回路基板間に金属板を挿入する、ケーブルを金属箔で覆う方法等である。しかし、CRT、PDP等では観察者が画面に表示される文字等を認識する必要があり、透明性(透光性)が要求される。
特に、プラズマディスプレイパネル(PDP)は、CRT等と比較すると多量の電磁波を発生し、強い電磁波シールド能が求められるため、PDP用の透光性電磁波シールド材料では極めて高い導電性が要求されている。
また、透明性に関する要求レベルとしても70%以上、PDP用としては80%以上という高い透明性が望まれている。
例えば、導電性メッシュパターンの電磁波シールド性と透明性とを両立させる材料、方法については、上記の問題を解決するために、これまでにも、種々の材料・方法が提案されており、例えば、無電解メッキ触媒を印刷法で格子状パターンに印刷、次いで無電解メッキを行う方法(例えば、特許文献1、2参照)が、また、例えば、無電解メッキ触媒を含有するフォトレジストを塗布して露光と現像を行うことにより無電解メッキ触媒のパターンを形成した後、無電解メッキする方法(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
さらに、金属薄膜のフォトリソグラフィー法を利用したエッチング加工により、透明基体上に金属薄膜のメッシュを形成する方法も提案されて(例えば、特許文献4〜7参照)いる。
しかし、印刷による無電解メッキ加工においては、線幅が太く、緻密なパターンがむずかしいこと、また、無電解メッキとフォトレジストの組み合わせは、微細加工が可能で高開口率のメッシュが作製でき電磁波遮蔽にも優れるものの、透明性が不十分であること、さらには、高価なパラジウムを用いる必要があり、また工程が煩雑かつ複雑で、生産コストが高い等の問題があることが知られている。
また、これらとは別に、銀塩感光材料により容易に金属銀(導電性)パターンを形成できることを利用し、銀塩拡散転写法によって金属銀の薄膜パターンを形成する方法が知られている。また、銀塩含有層を露光し、現像処理し、金属銀部と光透過性部とを形成した後、物理現像及び/またはメッキ処理することにより金属銀部に導電性金属粒子を担持させ、高い導電性と透光性を同時に満たす電磁波シールド膜を得ることが開示されて(例えば、特許文献8参照)いる。
印刷法、銀塩法は生産コストの点でエッチング法に替わる方式として注目されているが、メッシュパターンがアディティブ型(基材上にメッシュパターンを作製する)であるために、メッシュパターンと基材との密着性に課題があった。例えばPDP用の場合、透光性電磁波シールド材料は保護フィルムと貼り合わせて流通し、最終的に反射防止フィルム、近赤外線吸収フィルムと貼合され、光学フィルターとして複合化されて使用される。複合化するために保護フィルムを剥がして貼合する際、密着性が悪いとメッシュパターンが基材から剥れてしまい、電磁波シールド材料として機能しなくなるために問題となる。
特開平11−170420号公報 特開平5−283889号公報 特開平11−170421号公報 特開2003−46293号公報 特開2003−23290号公報 特開平5−16281号公報 特開平10−338848号公報 特開2004−221564号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高い導電性と光透過性を有し、かつ、干渉ムラとモアレを低減した透明導電膜とその製造方法、該透明導電膜を用いた電磁波遮蔽材料及び該透明導電膜の製造に用いられる密着性が良好な透明導電膜形成用感光材料、透明導電膜及びその製造方法並びに電磁波遮蔽材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.支持体上に、少なくともハロゲン化銀及びバインダーからなる乳剤層を有し、露光後、現像処理することでメッシュ状に金属銀部を形成させることにより透明性導電膜を製造可能な透明性導電膜形成用感光材料であって、該乳剤層の膨潤率が100%より大きく145%以下であることを特徴とする透明性導電膜形成用感光材料。
2.前記バインダーがゼラチンを主体とする親水性ポリマーであり、ゼラチン中の多価金属イオン量が0〜500ppmであることを特徴とする前記1に記載の透明性導電膜形成用感光材料。
3.前記ハロゲン化銀の塗布銀量が0.1〜1g/m2、且つ前記メッシュ状に金属銀部を形成させた透明導電膜の非メッシュ部(光透過性部)の該乳剤層の厚みが0.05〜0.2μmであることを特徴とする前記1又は2に記載の透明性導電膜形成用感光材料。
4.前記乳剤層が同一面側に存在する全バインダー1g当り150〜500mgの硬膜剤で硬膜されていることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の透明性導電膜形成用感光材料。
5.前記乳剤層に含有される硬膜剤が少なくとも1種のトリアジン誘導体であることを特徴とする前記4に記載の透明性導電膜形成用感光材料。
6.前記支持体が少なくとも1層の易接着層を隣接して塗設した支持体であり、該支持体の屈折率が該易接着層より大きく、且つ該支持体と該易接着層の屈折率差0.1以内であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の透明性導電膜形成用感光材料。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の透明性導電膜形成用感光材料を露光後、現像処理し、更に補力処理をすることでメッシュ状に金属銀部を形成することを特徴とする透明性導電膜の製造方法。
8.前記7に記載の製造方法により得られることを特徴とする透明性導電膜。
9.前記8に記載の透明導電膜を用いることを特徴とする電磁波遮蔽材料。
本発明によれば、高い導電性と光透過性を有し、かつ、干渉ムラとモアレを低減した透明導電膜とその製造方法、該透明導電膜を用いた電磁波遮蔽材料及び該透明導電膜の製造に用いられる密着性が良好な透明導電膜形成用感光材料、透明導電膜及びその製造方法並びに電磁波遮蔽材料を提供する。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、高い導電性と光透過性を有し、かつ、モアレを低減した透明導電膜を得るには、これに用いられる感光材料の乳剤層(現像処理後、透明導電膜となる)の膜厚を極めて薄くすることで、非メッシュ部(光透過部)の光透過性を向上し、メッシュ部の高さが低くモアレを低減できることが分かった。導電性に関しては、現像銀の電気抵抗値を低減する必要があり、乳剤層からゼラチンなどのバインダーを減らし、ハロゲン化銀粒子の密度を上げることが有効である。しかしながら、この方法では形成されるメッシュラインの保持性は劣化し、結果として密着性が悪くなる。本発明者らは、さらに検討を行った結果、乳剤層の膨潤率を145%以下とすることで、密着性と導電性を両立できることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明を詳細に説明する。
《支持体》
本発明の透明導電膜形成用感光材料(以下単に感光材料ともいう)は、支持体としてプラスチックフィルム、プラスチック板、ガラス等を用いることができる。プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
透明性、耐熱性、取り扱いやすさ及び価格の点から、上記プラスチックフィルムはPET、PEN、TACであることが好ましい。
ディスプレイ用の電磁波遮蔽材では透明性が要求されるため、支持体の透明性は高いことが望ましい。この場合におけるプラスチックフィルムまたはプラスチック板の全可視光透過率は好ましくは70〜100%であり、より好ましくは80〜100%であり、さらに好ましくは90〜100%である。また、本発明では、色気調節剤として前記プラスチックフィルム及びプラスチック板を本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。
《乳剤層》
本発明の感光材料は、光センサーとしてハロゲン化銀を含有する乳剤層が支持体上に設けられる。乳剤層は、ハロゲン化銀のほか、バインダー、溶媒等を含有することができる。
〈ハロゲン化銀〉
本発明に用いられるハロゲン化銀は、従来から種々のハロゲン化銀写真感光材料において従来使用されている技術が、本発明においてもそのまま用いることができる。
ハロゲン化銀粒子に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素及びヨウ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、さらにAgClを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。
ここで、「AgClを主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める塩化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。このAgClを主体としたハロゲン化銀粒子は、塩化物イオンのほかに沃化物イオン、臭化物イオンを含有していてもよい。
ハロゲン化銀粒子については、露光、現像処理後に形成されるパターン状金属銀層の画像品質の観点からは、平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜1000nm(1μm)であることが好ましく、0.1〜100nmであることがより好ましく、1〜50nmであることがさらに好ましい。なお、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(六角平板状、三角形平板状、四角形平板状等)、八面体状、十四面体状等様々な形状であることができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、さらに他の元素を含有していてもよい。例えば、ハロゲン化銀粒子写真乳剤において、硬調な階調を得るために用いられる金属イオンをドープすることも有用である。特にロジウムイオンやイリジウムイオン等の遷移金属イオンは、金属銀像の生成の際に露光部と未露光部の差が明確に生じやすくなるため好ましく用いられる。ロジウムイオン、イリジウムイオンに代表される遷移金属イオンは、各種の配位子を有する化合物であることもできる。そのような配位子としては、例えば、シアン化物イオンやハロゲンイオン、チオシアナートイオン、ニトロシルイオン、水、水酸化物イオン等を挙げることができる。具体的な化合物の例としては、K3Rh2Br9及びK2IrCl6等が挙げられる。
本発明において、ハロゲン化銀に含有されるロジウム化合物及び/またはイリジウム化合物の含有率は、ハロゲン化銀の銀のモル数に対して、10-10〜10-2モル/モルAgであることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
本発明では、さらに光センサーとしての感度を向上させるため、ハロゲン化銀粒子写真乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感としては、例えば、金増感、パラジウム等の貴金属増感、イオウ、セレン、テルル等のカルコゲン増感、還元増感等を利用することができる。
本発明で使用できる乳剤としては、例えば、特開平11−305396号公報、特開2000−321698号公報、特開平13−281815号公報、特開2002−72429号公報の実施例に記載されたカラーネガフィルム用乳剤、特開2002−214731号公報に記載されたカラーリバーサルフィルム用乳剤、特開2002−107865号公報に記載されたカラー印画紙用乳剤等を好適に用いることができる。
〈バインダー〉
本発明に係る銀塩含有層においてバインダー(樹脂)は、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ銀塩含有層と支持体との密着を補助する目的で用いることができる。本発明に用いるバインダーとしては、ゼラチンが最も好ましい。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチン、また、フタル化ゼラチンあるいはフェニルカルバモイル化ゼラチン等、各種修飾ゼラチンも含むものである。
ゼラチンは一般にFe、Mn、Cu、Zn、Mg、Caの如き2価以上の多価金属イオンを不純物として1000ppmを遥かに超えて含んでいる。本発明でハロゲン化銀乳剤層を調製するに用いられるゼラチンはこれらの多価金属イオンを500ppm以下になるように精製するのが望ましい。理由は定かではないが、多価金属イオン濃度を低下させることで、補力処理、特にメッキ工程で生じるメッキムラを低減でき、均一性が向上する。結果として導電性が向上すると共に、非メッシュ部(光透過性部)の汚れが防止できる。このようなゼラチンはイオン交換等による脱イオンによって得ることができる。例えば、ゼラチン水溶液を加温し、攪拌下にイオン交換樹脂と接触させることによって前記金属イオンの含有量を低下させることができる。ゼラチン中の金属元素は通常陽イオンとなっていることが多いので、これらはH+ 型陽イオン交換樹脂の利用により除去することができるが、金属元素の中には陰性の錯塩を形成している場合もあるので、このような場合にはOH-型陰イオン交換樹脂を利用して除去することができる。これらの方法については、日本化学会編「実験化学講座2、基礎技術II」丸善(1956)、151〜202頁、日本化学会編「新実験化学講座1、基本操作1」丸善(1975)、463〜497頁等に詳しく記載されている。イオン交換処理後のゼラチン中のカルシウムイオン等の多価金属イオン含量の定量はゼラチン試験法合同審議会制定の写真用ゼラチン試験法(略称バギイ法)、第6版に記載の方法に従って行えばよい。
本発明に係る銀塩含有層中に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。銀塩含有層中のバインダーの含有量は、Ag:バインダー体積比で1:5〜5:1であることが好ましく、1:3〜3:1であることがより好ましく、1:2〜2:1であることがさらに好ましい。銀塩含有層中にバインダーをAg:バインダー体積比で1/4以上含有すれば、物理現像及び/またはメッキ処理工程において金属粒子同士が互いに接触しやすく、高い導電性を得ることが可能であるため好ましい。Ag:バインダー体積比で銀が5倍以上では、バインダー不足によりハロゲン化銀粒子の凝集の発生、塗布性の著しい劣化、乾燥後のひび割れ発生などの問題がり、好ましくない。
〈硬膜剤〉
本発明に係わる透明性導電膜形成用感光材料の乳剤層は硬膜剤によって硬膜されることが好ましい。硬膜剤としては公知の剤が使用でき、特開昭61−249045号、同61−245153号公報記載のビニルスルホン型硬膜剤やトリアジン型硬膜剤等を単独または組み合わせて使用することができるが、本発明においては少なくとも1種のトリアジン型硬膜剤により硬膜されていることが特に好ましい。
本発明で用いられるトリアジン系硬膜剤として、特に制限はないが、下記一般式〔H−I〕または〔H−II〕で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2008288419
上記一般式〔H−I〕において、R1は塩素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、−OM(Mは1価の金属原子を表す)、−NR′R″又は−NHCOR″′(R′,R″,R″′はそれぞれ水素原子、アルキル基又はアリール基を表す)の各基を表し、R2は塩素原子を除くR1と同義である。
一般式〔H−I〕におけるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等であり、これらは更に置換基を有していてもよい。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等であり、これらは更に置換基を有していてもよい。Mは、例えば、ナトリウム原子あるいはカリウム原子等である。
Figure 2008288419
上記一般式〔H−II〕において、R3及びR4はそれぞれ塩素原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルコキシ基又は−OM(Mは1価の金属原子を表す)を表し、−Q−及び−Q′−は、−O−、−S−又は−NH−の連結基を表し、Lはアルキレン基またはアリーレン基を表し、m1及びn1はそれぞれ0または1を表す。
一般式〔H−II〕におけるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等であり、これらは更に置換基を有していてもよい。アルキレン基としては、好ましくは炭素数1〜8のものであり、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ヘキサメチレン基等であり、アリーレン基としては、好ましくは、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、1,4−ナフタレン基、等である。
以下、トリアジン系硬膜剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008288419
Figure 2008288419
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硬膜剤量の添加量は乳剤層を含む透明性導電膜形成用感光材料の同一面側の全バインダー量に依存し、下記に説明する膨潤率が100%より大きく145%以下になるように添加することが好ましい。本発明の透明性導電膜形成用感光材料に含有する好ましい硬膜剤添加量は、同一面側の全バインダー1g当り150mg以上が好ましく、より好ましくは200mg以上500mm以下である。
〔膨潤率〕
本発明の透明性導電膜形成用感光材料においては、硬膜剤により硬膜された乳剤層の膨潤率が100%より大きく145%以下であることを特徴とする。膨潤率はAg:バインダー体積比に依存するため、本発明の最も好ましいAg:バインダー体積比の範囲である1:2〜2:1の場合には、好ましくは130%以下、より好ましくは120%以下である。硬膜剤により硬膜された乳剤層の膨潤率を本発明で規定する膨潤度とすることにより、特に、乳剤層が湿潤した状態となる現像、補力工程後の基材との密着性が改良されるとともに、乳剤層面側が接触する搬送ローラー等に対し、高い擦り傷耐性を実現することができる。
本発明でいう乳剤層の膨潤率(%)とは、下記の方法に準じて測定して求めた値と定義する。
膜厚膨潤率(%)={(蒸留水浸漬時の層の膜厚−浸漬前の層の膜厚)/(浸漬前の層の膜厚)}×100
蒸留水浸漬時の層の膜厚とは、透明性導電膜形成用感光材料ハロゲン化銀写真感光材を25℃の蒸留水に3分間浸漬させた時の層の膜厚を意味する。本発明において、層の膜厚の測定についてはクライオSEM法にて定義される。本発明において、蒸留水に対する膨潤率を145%以下にすることによって、基材と乳剤層の密着性、及び基材とメッシュパターン部分との密着性を改良する事が出来る。本発明において、膨潤率をコントロールする方法としては、ゼラチン硬膜剤の量及び種類を変化させることにより当業界でよく知られた方法を用いることが出来る。
〈溶媒〉
本発明に係る乳剤層の塗布液等の調製において用いることができる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。写真用ハロゲン化銀ゼラチン乳剤が用いられることから水を主体とする溶媒が好ましい。
本発明においては、前述のように、膜厚を薄くすることで、非メッシュ部(光透過部)の光透過性を向上し、メッシュ部の高さが低くモアレを低減するため、ハロゲン化銀の塗布銀量は1g/m2以下、かつメッシュ状に金属銀部を形成することにより得られた透明導電膜の、非メッシュ部(光透過部)の乳剤層の厚みは0.1μm以下であることが好ましい。
《易接着層》
本発明においては、支持体は乳剤層側に易接着層を有し、該易接着層の屈折率が該支持体の屈折率より小さく、かつ該易接着層と該支持体との屈折率差が0.1以内であることが好ましい。
これは、表面の面方向の屈折率が1.66前後と高いポリエステル支持体(支持体としてはポリエステルが最も好ましい)と、主たるバインダーが屈折率1.52程度のゼラチンである乳剤層(透明導電膜)との間に、屈折率がこの中間の易接着層を設けることにより、ポリエステル支持体とそれに隣接する易接着層との界面の屈折率差、及び透明導電膜と易接着層との界面の屈折率差を小さくして界面反射を抑え、透明導電膜としての干渉光を低減するためである。
本発明に用いられる易接着層は、接着性を達成するための樹脂(バインダー)と所望の屈折率を得るための材料(屈折率調整剤)を少なくとも含有する。
(樹脂)
樹脂としては、支持体の易接着層として用いられる公知の材料を使用でき、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂を使用することができる。
アクリル系樹脂としては、アクリル系モノマー単独で、あるいは、複数の種類のアクリル系モノマーを共重合して得ることができる。さらには、他のモノマーを用いて(コモノマーとする)製造することもできる。
アクリル系のモノマーとしては、例えば、アクリル酸;メタクリル酸;アクリル酸エステル、例えば、アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルエチルアクリレート等)、ヒドロキシ含有アルキルアクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等);メタクリル酸エステル、例えば、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルエチルメタクリレート等)、ヒドロキシ含有アルキルメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等);アクリルアミド;置換アクリルアミド(例えば、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド等);メタクリルアミド;置換メタクリルアミド(例えば、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド等);アミノ基置換アルキルアクリレート(例えば、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート);アミノ基置換アルキルメタクリレート(例えば、N,N−ジエチルアミノメタクリレート);エポキシ基含有アクリレート(例えば、グリシジルアクリレート);エポキシ基含有メタクリレート(例えば、グリシジルメタクリレート);アクリル酸の塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩);メタクリル酸の塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩)が挙げられる。上述のモノマーは1種もしくは2種以上を併用することができる。
コモノマーとしては、例えば、スチレン及びその誘導体;不飽和ジカルボン酸(例えば、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸);不飽和ジカルボン酸のエステル(例えば、イタコン酸メチル、イタコン酸ジメチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチル、フマール酸メチル、フマール酸ジメチル);不飽和ジカルボン酸の塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩);スルホン酸基またはその塩を含有するモノマー(例えば、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩));無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物;ビニルイソシアネート;アリルイソシアネート;ビニルメチルエーテル;ビニルエチルエーテル;酢酸ビニルが挙げられる。上述のモノマーは1種もしくは2種以上を併用することができる。
ポリエステル樹脂としては、例えば混合ジカルボン酸成分とグリコール成分との縮重合反応により得られる水性ポリエステルが挙げられる。
上記ジカルボン酸成分とは、スルホン酸塩を有するジカルボン酸成分(スルホン酸塩を有するジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体)を水溶性ポリエステル共重合体中の全ジカルボン酸成分に対して5〜15モル%含有するジカルボン酸成分である。
本発明に用いられるスルホン酸塩を有するジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体としては、スルホン酸アルカリ金属塩の基を有するものが特に好ましく、例えば4−スルホイソフタル酸、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5−[4−スルホフェノキシ]イソフタル酸等のアルカリ金属塩またはそのエステル形成性誘導体が用いられるが、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩またはそのエステル形成性誘導体が特に好ましい。これらのスルホン酸塩を有するジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体は、水溶性及び耐水性の点から全ジカルボン酸成分に対し6〜10モル%で用いられることが特に好ましい。
その他のジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸成分(芳香族ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体)、脂環族ジカルボン酸成分(脂環族ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体)、脂肪族ジカルボン酸成分(脂肪族ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体)等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸成分としては、主としてテレフタル酸成分(テレフタル酸及び/またはそのエステル形成性誘導体)、イソフタル酸成分(イソフタル酸及び/またはそのエステル形成性誘導体)等が挙げられる。
具体的な芳香族ジカルボン酸成分としては例えばフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、4,4′−ビシクロヘキシルジカルボン酸等、またはこれらのエステル形成性誘導体が用いられる。
また、本発明においては直鎖状脂肪族ジカルボン酸及び/またはそのエステル形成性誘導体を全ジカルボン酸成分の15モル%以下の範囲内で用いてもよい。このようなジカルボン酸成分としては例えばアジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体が挙げられる。
本発明においては、ポリエステル共重合体の機械的性質及びポリエステルフィルムとの接着性の点からエチレングリコールを全グリコール成分に対して50モル%以上使用することが好ましい。本発明に用いられるグリコール成分としてはエチレングリコール以外に1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等を併用してもよい。
ポリウレタン系樹脂としては、以下に示す市販の水性ポリウレタンを用いることができる。
市販の水性ポリウレタンの例としては、三井化学ポリウレタン社製のタケラックシリーズのW−7004、W−6010、W−605、W−512、W−511、W−405、バイエル社のインプラニル(impranil)DLH及びインプラニルDLN、第一工業製薬社製のスーパーフレックス100、スーパーフレックス200、スーパーフレックス300、ハイドランHW−140、ハイドランHW−111、ハイドランHW−100、ハイドランHW−101、ハイドランHW−312、ハイドランHW−311、ハイドランHW−310、ハイドランLW−513、ハイドランHC−200、ハイドランHC−400M、ボンディック1010C、ボンディック1050、ボンディック1070、ボンディック1310B、ボンディック1310F、ボンディック1310NS、ボンディック1340、ボンディック1510、ボンディック1610NS、ボンディック1630、ボンディック1640、ボンディック1670(N)、ボンディック1670−40等を挙げることができる。これら市販品の水性ポリウレタンのうち特に好ましい商品としてはW−7004、W−605、インプラニルDLH、インプラニルDLN、スーパーフレックス100、スーパーフレックス200、ハイドランHW−312、ハイドランHW−140、ハイドランHW−310、ハイドランHW−311等を挙げることができる。
(屈折率調整剤)
易接着層に用いられる屈折率調整剤としては、所望の屈折率を達成できれば特に限定されないが、バインダー樹脂の屈折率は一般に1.5前後と比較的低屈折率のものが多いことから、屈折率が1.7を超えるような比較的高屈折率の剤であることが好ましい。そうした高屈折率の材料としては、酸化スズ、酸化セリウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム等の金属酸化物を挙げることができる。ただし、こうした金属酸化物は粒子径が100nmを超えるとフィルムのヘイズが上昇することから、一次粒子径が1〜100nmであることが好ましく、1〜50nmであることがより好ましい。こうした粒子径を達成する剤として、前述の金属酸化物のゾルを好ましく用いることができる。中でも酸化スズゾル、酸化セリウムゾルが好ましい。
金属酸化物ゾルは公知の方法で製造できるが、例えば、酸化スズゾルについては特公昭35−6616号公報に記載された方法を用いることができる。
また、前述の金属酸化物ゾルについては、例えば、多木化学社より市販されており、こうした材料を使用することができる。
本発明に係る易接着層は、一般によく知られている塗布方法を用いてプラスチックフィルム上に塗布乾燥することにより形成することができる。
用いることができる塗布方法としては、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビヤコート法、あるいは米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法等が挙げられる。また、必要に応じて、米国特許第2,761,791号明細書、同3,508,947号明細書、同2,941,898号明細書及び同3,526,528号明細書、原崎勇次著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉書店発行)等に記載された2層以上の層を同時に塗布する方法も用いることができる。乾燥条件は、一般的に100〜200℃で、10秒〜10分程度である。
易接着層の塗布液を支持体上に塗布するにあたり、支持体に前処理を施すことができる。前処理としては、薬品処理、アルカリ処理、混酸処理、機械的疎面化処理、コロナ放電処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、オゾン処理等の表面活性化処理を挙げることができる。
支持体上に易接着層を設ける場合、支持体フィルムの製膜中、延伸前あるいは延伸後に設けることができるが、易接着層の延伸性を考慮しなくてよい、延伸後に設ける方法が容易である。
塗布液には、必要に応じて、界面活性剤、膨潤剤、マット剤、アンチハレーション染料、顔料、カブリ防止剤、防腐剤等を加えてもよい。
また、必要に応じて、易接着層上に第二の易接着層を設けてもよい。この時、第二の易接着層はその屈折率が支持体に隣接する第一の易接着層の屈折率と同じか、小さいことが好ましく、電磁波遮蔽層のバインダーの屈折率と同じか、大きいことが好ましい。特に、透明導電膜の接着性、干渉ムラ低減の観点から、第二の易接着層はゼラチンを主たるバインダーとすることが好ましい。
《透明導電膜とその製造方法》
本発明の透明導電膜の製造方法は、前記透明導電膜形成用感光材料を露光後、現像処理してメッシュ状に金属銀部を形成する、または前記透明導電膜形成用感光材料を露光後、現像処理し、さらに補力処理してメッシュ状に金属銀部を形成するものである。
(露光)
本発明の透明導電膜の製造方法では、支持体上に設けられた乳剤層にパターン状の露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
乳剤層をパターン状に露光する方法は、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。
(現像)
本発明の透明導電膜の製造方法では、乳剤層を露光した後、現像(以下、物理現像と区別するため化学現像ともいう)する。化学現像は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の化学現像を主体とする現像処理の技術を用いることができる。現像液については化学現像を主体とする現像液であれば、特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、また、D−85等のリス現像液を用いることができる。
ここで、「化学現像」とは、潜像銀を触媒として現像されてできる画像の金属銀が、個々のハロゲン化銀粒子を構成する銀イオンが還元されて形成される現像過程をいう。
(定着)
本発明では、未露光部分の銀塩(ハロゲン化銀粒子)を除去して安定化させる定着が行われる。本発明における定着は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着の技術を用いることができる。
本発明に使用する定着液は、定着剤としてチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム等を使用することができる。定着時の硬膜剤として硫酸アルミウム、硫酸クロミウム等を使用することができる。定着剤の保恒剤としては、現像組成物で述べた亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸等を使用することができ、その他にクエン酸、蓚酸等を使用することができる。
(補力処理)
本発明の透明導電膜の製造方法の一つでは、前記透明導電膜形成用感光材料を露光後、現像処理し、さらに導電性を向上するため、補力処理してメッシュ状に金属銀部を形成する。補力処理としては、物理現像処理及び/またはメッキ処理が挙げられる。
本発明では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部に導電性を付与する目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/またはメッキ処理を行う。
本発明において、物理現像とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオン等の金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフィルム、インスタントスライドフィルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。
また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
本発明において、メッキ処理は、無電解メッキ(化学還元メッキや置換メッキ)、電解メッキ、または無電解メッキと電解メッキの両方を用いることができる。本発明における無電解メッキは、公知の無電解メッキ技術を用いることができ、例えば、プリント配線板等で用いられている無電解メッキ技術を用いることができ、無電解メッキは無電解銅メッキであることが好ましい。
無電解銅メッキ液に含まれる化学種としては、硫酸銅や塩化銅、還元剤としてホルマリンやグリオキシル酸、銅の配位子としてEDTAやトリエタノールアミン等、その他、浴の安定化やメッキ皮膜の平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジン等が挙げられる。電解銅メッキ浴としては、硫酸銅浴やピロリン酸銅浴が挙げられる。
本発明におけるメッキ処理時のメッキ速度は、緩やかな条件で行うことができ、さらに5μm/hr以上の高速メッキも可能である。メッキ処理において、メッキ液の安定性を高める観点からは、例えば、EDTA等の配位子等種々の添加剤を用いることができる。
(電磁波遮蔽材料)
本発明の透明導電膜の製造方法により得られた本発明の透明導電膜は、高い導電性と光透過性を有し、かつ、干渉ムラとモアレが低減され、電磁波遮蔽材料として用いられる。
(導電性金属部)
本発明では、導電性金属部からなる電磁波遮蔽性のバターンは、前述した露光及び現像処理により形成された金属銀部からなるパターンを物理現像、またはメッキ処理することにより前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させることにより形成されることが好ましい。
金属銀は、本発明においては、透明性を高めるために露光部に形成させることが好ましい。
前記金属銀部に、物理現像及び/またはメッキ処理により担持させる導電性金属粒子としては、上述した銀のほか、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、コバルト、スズ、ステンレス、タングステン、クロム、チタン、パラジウム、白金、マンガン、亜鉛、ロジウム等の金属、またはこれらを組み合わせた合金の粒子を挙げることができる。導電性、価格等から、銅、アルミニウムまたはニッケルの粒子が好ましい。また、磁場シールド性を付与する場合、常磁性金属粒子を用いることが好ましい。
上記導電性金属部において、コントラストを高め、かつ導電性金属部が経時的に酸化され退色するのを防止する観点から、導電性金属部に含まれる導電性金属粒子は銅粒子であることが好ましく、その表面が黒化処理されたものであることがさらに好ましい。黒化処理は、プリント配線板分野で行われている方法を用いて行うことができる。例えば、亜塩素酸ナトリウム(31g/l)、水酸化ナトリウム(15g/l)、リン酸三ナトリウム(12g/l)の水溶液中で、95℃で2分間処理することにより黒化処理を行うことができる。
上記導電性金属部は、該導電性金属部に含まれる金属の全質量に対して、銀を50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがさらに好ましい。銀を50質量%以上含有すれば、物理現像及び/またはメッキ処理に要する時間を短縮し、生産性を向上させ、かつ低コストとすることができる。
さらに、導電性金属部を形成する導電性金属粒子として銅及びパラジウムが用いられる場合、銀、銅及びパラジウムの合計の質量が導電性金属部に含まれる金属の全質量に対して80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明における導電性金属部は、導電性金属粒子を担持するため良好な導電性が得られる。このため、本発明の透光性電磁波シールド膜(導電性金属部)の表面抵抗率は、10Ω/□以下であることが好ましく、1Ω/□以下であることがより好ましく、0.5Ω/□以下であることが最も好ましい。
透光性電磁波遮蔽材料の用途において、上記導電性金属部の線幅は20μm以下、線間隔は50μm以上であることが好ましい。また、導電性金属部は、アース接続等の目的においては、線幅は20μmより広い部分を有していてもよい。また画像を目立たせなくする観点からは、導電性金属部の線幅は18μm未満であることが好ましく、15μm未満であることがより好ましく、14μm未満であることがさらに好ましく、10μm未満であることがさらにより好ましく、7μm未満であることが最も好ましい。
〔光透過率〕
本発明において、可視光域の平均透過率とは、400〜700nmまでの可視光領域の透過率を、少なくとも5nm毎に測定して求めた可視光域の各透過率を積算し、その平均値として求めたものと定義する。
測定においては、測定アパチャーを、前述のメッシュパターンより十分大きくとっておく必要があり、少なくともメッシュの格子面積よ100倍以上大きな面積で測定して求める。
本発明においては、可視光域による平均透過率が、80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。
(電磁波遮蔽以外の機能性材料)
本発明の透明導電膜は、必要に応じて、別途、機能性を有する機能層を設けていてもよい。この機能層は、用途ごとに種々の仕様とすることができる。例えば、ディスプレイ用電磁波遮蔽材料用途としては、屈折率や膜厚を調整した反射防止機能を付与した反射防止層や、ノングレアー層またはアンチグレアー層(共にぎらつき防止機能を有する)、近赤外線を吸収する化合物や金属からなる近赤外線吸収層、特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層、指紋等の汚れを除去しやすい機能を有した防汚層、傷のつき難いハードコート層、衝撃吸収機能を有する層、ガラス破損時のガラス飛散防止機能を有する層等を設けることができる。これらの機能層は、ハロゲン化銀粒子含有層と支持体とを挟んで反対側の面に設けてもよく、さらに同一面側に設けてもよい。
これらの機能性膜はPDPに直接貼合してもよく、プラズマディスプレイ用パネル本体とは別に、ガラス板やアクリル樹脂板等の透明基板に貼合してもよい。これらの機能性膜を光学フィルター(または単にフィルター)と呼び、プラズマディスプレイ用であれば、プラズマディスプレイ用フィルターと呼びぶ。
反射防止機能を付与した反射防止層は、外光の反射を抑えてコントラストの低下を抑えるために、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等で単層あるいは多層に積層させる方法、アクリル樹脂、フッ素樹脂等の屈折率の異なる樹脂を単層あるいは多層に積層させる方法等がある。また、反射防止処理を施したフィルムを該フィルター上に張り付けることもできる。また、必要であればノングレアー層またはアンチグレアー層を設けることもできる。ノングレアー層やアンチグレアー層は、シリカ、メラミン、アクリル等の微粉体をインキ化して、表面にコーティングする方法等を用いることができる。インキの硬化は熱硬化あるいは光硬化等を用いることができる。また、ノングレア処理またはアンチグレア処理をしたフィルムを該フィルター上に張り付けることもできる。更に必要で有ればハードコート層を設けることもできる。
近赤外線吸収層は、金属錯体化合物等の近赤外線吸収色素を含有する層、または、銀スパッタ層等である。ここで銀スパッタ層とは、誘電体層と金属層を基材上に交互にスパッタリング等で積層させることで、近赤外線、遠赤外線から電磁波まで1000nm以上の光をカットすることもできる。誘電体層としては酸化インジウム、酸化亜鉛等の透明な金属酸化物等であり、金属層としては銀あるいは銀−パラジウム合金が一般的であり、通常、誘電体層よりはじまり3層、5層、7層あるいは11層程度積層する。
特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層は、PDPが青色を発光する蛍光体が青色以外に僅かであるが赤色を発光する特性を有しているため、青色に表示されるべき部分が紫がかった色で表示されるという問題があり、この対策として発色光の補正を行う層であり、595nm付近の光を吸収する色素を含有する。
本発明の透明導電膜は、良好な電磁波遮蔽性及び透過性を有するため、電磁波遮蔽材料として用いることができ。特に本発明の電磁波遮蔽材料は、CRT(陰極線管)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、液晶、EL(エレクトロルミネッセンス)等のディスプレイ前面、電子レンジ、電子機器、プリント配線板等、特にプラズマディスプレイパネルで用いられる透光性の電磁波遮蔽材料として好適に用いることができる。さらに、回路配線等の各種の導電性配線材料として用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
(ポリエステル支持体の作製)
固有粘度0.65dl/gのポリエチレンテレフタレートペレットを150℃で6時間乾燥した後、押し出し成形用ダイとして、コートハンガー式Tダイを用いて290℃で溶融押出し、静電印加させ、約30℃の冷却ドラム上で急冷して、厚さ1.1mmの未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムを下記条件で縦・横逐次二軸延伸し、熱固定した跡、両耳をスリットして厚さ100μmの二軸延伸ポリエステル支持体を得た。
縦延伸:ロール周速差による延伸予熱ロール温度:78℃
赤外線ヒータ加熱延伸時フィルム温度:95℃
延伸倍率:3.3倍
横延伸:ステンター方式による延伸
ゾーン温度:100℃
延伸倍率:3.3倍
熱固定温度:220℃
(易接着層付きポリエステル支持体)
得られた100μmのポリエステル支持体の両面に12W・min/m2のコロナ放電処理を施し、それぞれの面に易接着塗布液B1を乾燥膜厚0.1μmになるように塗布し、さらに、その上に12W・min/m2のコロナ放電処理を施し、易接着塗布液B2を乾燥膜厚0.06μmになるように塗布した。その後、120℃で1.5分熱処理を実施し、易接着層付きポリエステル支持体を得た。
〈易接着塗布液B1〉
易接着層樹脂P−1 50g
屈折率調整剤Z−1 (添加量は表1に記載)
化合物(UL−1) 0.2g
水で1000mlに仕上げる
〈易接着塗布液B2〉
ゼラチン 10g
化合物(UL−1) 0.2g
化合物(UL−2) 0.2g
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
硬膜剤(UL−3) 1g
水で1000mlに仕上げる
Figure 2008288419
(易接着層樹脂)
P−1;スチレン20質量部、グリシジルメタクリレート40質量部、ブチルアクリレート40質量部の共重合体ラテックス液(固形分質量30%)
(屈折率調整剤)
Z−1;酸化スズゾル
(酸化スズゾルの合成)
SnCl4・5H2O 65gを蒸留水2000mlに溶解して均一溶液とし、次いでこれを煮沸し沈澱物を得た。生成した沈澱物をデカンテーションにより取り出し、蒸留水にて何度も水洗する。沈澱を水洗した蒸留水中に硝酸銀を滴下し、塩素イオンの反応がないことを確認後、洗浄した沈澱物に蒸留水を添加し全量を2000mlとする。これに30%アンモニア水40mlを加え加温することにより、均一なゾルを得た。さらに、アンモニア水を添加しながらSnO2の固型分濃度が8.3質量%になるまで加熱濃縮し、酸化スズゾルを得た。
〔透明性導電膜形成用感光材料の作製〕
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
反応容器内で下記溶液Aを34℃に保ち、特開昭62−160128号公報記載の混合撹拌装置を用いて高速に撹拌しながら、硝酸(濃度6%)を用いてpHを2.95に調整した。引き続き、ダブルジェット法を用いて下記溶液Bと下記溶液Cを一定の流量で8分6秒間かけて添加した。添加終了後に、炭酸ナトリウム(濃度5%)を用いてpHを5.90に調整し、続いて下記溶液Dと溶液Eを添加した。
(溶液A)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 18.7g
塩化ナトリウム 0.31g
下記溶液I 1.59ml
純水 1246ml
(溶液B)
硝酸銀 169.9g
硝酸(濃度6%) 5.89ml
純水にて317.1mlに仕上げる
(溶液C)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 5.66g
塩化ナトリウム 58.8g
臭化カリウム 13.3g
下記溶液I 0.85ml
下記溶液II 2.72ml
純水にて317.1mlに仕上げる。
(溶液D)
2−メチル−4ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラアザインデン 0.56g
純水 112.1ml
(溶液E)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 3.96g
下記溶液I 0.40ml
純水 128.5ml
(溶液I)
界面活性剤:ポリイソプロピレンポリエチレンオキシジコハク酸エステルナトリウム塩の10%メタノール溶液
(溶液II)
六塩化ロジウム錯体の10%水溶液
上記操作終了後に、常法に従い40℃にてフロキュレーション法を用いて脱塩及び水洗処理を施し、溶液Fと防バイ剤を加えて60℃でよく分散し、40℃にてpHを5.90に調整して、最終的に臭化銀を10モル%含む平均粒子径0.09μm、変動係数10%の塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。
(溶液F)
アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 16.5g
純水 139.8ml
上記ハロゲン化銀乳剤に対し、チオ硫酸ナトリウムをハロゲン化銀1モル当たり20mg用い、60℃にて50分間化学増感を行い、化学増感終了後に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI)をハロゲン化銀1モル当たり500mg、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールをハロゲン化銀1モル当たり150mg添加して、ハロゲン化銀乳剤EM−1を得た。このハロゲン化銀乳剤EM−1のハロゲン化銀粒子とゼラチンの体積比(ハロゲン化銀粒子/ゼラチン)は0.625であった。さらに塗布助剤(S−1)を2.5mg/m2、染料(F−1)を30mg/m2、硬膜剤は表1となるようにして添加して乳剤層塗布液を作製した。なお、硬膜剤の添加量は表1の乳剤層膨潤率になるように決めた。
こうして得られた塗布液を表1記載の乳剤層乾燥膜厚、非メッシュ部膜厚、銀量、界面活性剤の有無又は種類となるように上記易接着ポリエステルフィルム支持体の片方の面上に塗布した後、50℃、24時間のエージング処理を実施して透明性導電膜形成用感光材料を作製した。
Figure 2008288419
〔露光〕
得られた感光材料をA4サイズに断裁し、メッシュ状のフォトマスク(ピッチ/線幅=300μm/5μm)を介してUV露光器で露光した。
〔化学現像〕
露光した感光材料を、下記現像液(DEV−1)を用いて25℃で60秒間現像処理を行った後、下記定着液(FIX−1)を用いて25℃で120秒間の定着処理を行った。
(DEV−1)
純水 500ml
メトール 2g
無水亜硫酸ナトリウム 80g
ハイドロキノン 4g
ホウ砂 4g
チオ硫酸ナトリウム 10g
臭化カリウム 0.5g
水を加えて全量を1リットルとする
(FIX−1)
純水 750ml
チオ硫酸ナトリウム 250g
無水亜硫酸ナトリウム 15g
氷酢酸 15ml
カリミョウバン 15g
水を加えて全量を1リットルとする
〔物理現像〕
次に、下記物理現像液(PDEV−1)を用いて25℃で10分間物理現像を行った後、水洗、乾燥処理を行った。
(PDEV−1)
下記A液、B液を処理の直前に混合する
(A液)
純水 400ml
クエン酸 10g
リン酸水素2ナトリウム 1g
アンモニア水(28%水溶液) 1.2ml
ハイドロキノン 3g
(B液)
純水 10ml
硝酸銀 0.4g
(水洗処理及び乾燥処理)
水洗処理は、水道水で10分間洗い流した。また乾燥処理は、乾燥風(50℃)を用いてドライ状態になるまで乾燥した。
〔電解銅メッキ〕
さらに、引き続き、下記メッキ液(PL−1)を用いて6A、25℃で2分間電解メッキを施して、導電性金属部が現像銀及び銅からなる透明性導電膜101〜110を作製した。
(PL−1)
純水 1000ml
硫酸銅 200g
硫酸 50g
得られた、透明性導電膜の導電性金属部は露光パターンに応じたメッシュパターンを呈しており、いずれの試料においても線幅10μm、ピッチ幅290μmであった。また光透過部の開口率は約93%であった。
〔測定及び評価〕
支持体及び易接着層の屈折率の測定、下記方法で乳剤層(透明性導電膜形成用感光材料)の膨潤率、メッキ均一性、透明導電膜の透過率、表面抵抗、干渉ムラ及びモアレを評価した。
(膨潤率)
浸漬前の層の膜厚測定
ミクロトームで面出し後、Pt−Pdを1nmコーティングした前処理サンプルの断面を日立製作所製S−800を使用し、加速電圧10kVでSEM観察し、ドライ膜厚を計測した。
蒸留水浸漬時の層の膜厚測定
25℃蒸留水の3分間浸漬した後、液体窒素に入れ膨潤状態を保存し、その後クライオSEMシステムでフィルムを割断した。−70℃まで温度を上げて割断面についた氷を除去し、日立製作所製S−800と日立クライオSEMシステムを使用し、加速電圧10kV、5kVでSEM観察し、膨潤膜厚を計測した。求められた計測値使い、膨潤率を下式で算出した。
膜厚膨潤率(%)={(蒸留水浸漬時の層の膜厚−浸漬前の層の膜厚)/(浸漬前の層の膜厚)}×100
(メッキ均一性)
メッキ処理後の試料についてムラの有無を目視で調べ、下記基準で評価した。
○:ムラが殆ど認められない
△:ムラが若干認められるが、許容範囲(全面積の25%程度)
×:ムラがかなり認められる(全面積の50%程度)
××:ムラが非常に多い(全面積の80%以上)。
(密着性)
JIS−K5400のクロスカット密着試験方法に従って行った。メッキ処理後の試料についてクロス状のカット線を引き、日東電工(株)製のセロハンテープNo.29を貼り付けて、テープをはがし、膜の剥離状態を調べた。膜残存率をFとし、クロスカットしたマス目の数をn,テープ剥離後に膜がまだ付着しているマス目の数をn1としたとき、F=n1/n×100(%)で評価した。
(透過率)
上記のようにして得られた導電性金属部と光透過性部を有する試料の、支持体の光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における全透過率を測定し、導電性金属部の線幅を測定して得られる開口率から算出した理論透過率との比を下記基準で評価した。
◎:全透過率/理論透過率が90%以上
○:全透過率/理論透過率が80%〜90%未満
△:全透過率/理論透過率が70%〜80%未満
×:全透過率/理論透過率が70%未満。
(表面抵抗)
透明導電膜の導電性金属部の表面抵抗測定はダイアインスツルメンツ社製抵抗率計ロレスタGP直列4探針プローブを用いて行い、20箇所を測定し平均を求めた。
(干渉ムラ)
試料の乳剤層を上にしてブラックボードの上に置き、27Wの三波長蛍光灯を上から照らして、干渉ムラの濃淡の有無を目視で調べ、下記基準で評価した。
○:ムラが認められない
△:ムラが若干認められる
×:ムラがかなり認められる。
(モアレ)
日立製PDPテレビ及び松下電器製PDPテレビの前面に、モアレが最小のバイアス角度で試料を設置し、目視による官能評価を行った。テレビ画面に正対して観察すると共に、テレビ画面に対して観察位置を例えば斜め等様々な位置に変えて画像表示面の観察を行い、下記基準で評価した。
○:モアレが認められない
△:モアレが若干認められる
×:モアレがかなり認められる
測定及び評価の結果を表1に示す。
Figure 2008288419
表1から明らかなように、本発明の乳剤層の膨潤率を145%以下にした透明導電膜形成用感光材料の密着性は良好であり、メッシュラインと基材との密着性が十分の場合にはメッキ均一性も良好であることがわかる。密着性が不十分の場合には、メッキ処理中の膜剥がれが生じ、所望の表面抵抗値まで処理できず、結果として抵抗値は高くなる。更にハロゲン化銀の塗布銀量が1g/m2以下、かつメッシュ状に金属銀部を形成することにより得られた透明導電膜の非メッシュ部(光透過部)の乳剤層の厚みが0.1μm以下で作製された本発明の透明導電膜は、高い透過率と高い導電性を同時に満たし、モアレが低減されていることが分かる。また、易接着層の屈折率が支持体の屈折率より小さく、かつ易接着層と支持体の屈折率差が0.1以内とすることで、干渉ムラが低減することが分かる。
実施例2
実施例1の試料105のゼラチンEを表2に示すゼラチンA〜Dにそれぞれ置き換えた以外は試料105と同様にして試料201〜204を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 2008288419
表2に記載のゼラチン中の2価以上の多価金属イオン含有量はゼラチン製造工程におけるイオン交換処理の程度を調節することにより決定された。
表2から明らかな様に、本発明のゼラチン中の2価以上の多価金属イオン含有量が500ppm以下にした透明導電膜形成用感光材料はメッキムラがなく、より高い効果を示すことがわかる。

Claims (9)

  1. 支持体上に、少なくともハロゲン化銀及びバインダーからなる乳剤層を有し、露光後、現像処理することでメッシュ状に金属銀部を形成させることにより透明性導電膜を製造可能な透明性導電膜形成用感光材料であって、該乳剤層の膨潤率が100%より大きく145%以下であることを特徴とする透明性導電膜形成用感光材料。
  2. 前記バインダーがゼラチンを主体とする親水性ポリマーであり、ゼラチン中の多価金属イオン量が0〜500ppmであることを特徴とする請求項1に記載の透明性導電膜形成用感光材料。
  3. 前記ハロゲン化銀の塗布銀量が0.1〜1g/m2、且つ前記メッシュ状に金属銀部を形成させた透明導電膜の非メッシュ部(光透過性部)の該乳剤層の厚みが0.05〜0.2μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明性導電膜形成用感光材料。
  4. 前記乳剤層が同一面側に存在する全バインダー1g当り150〜500mgの硬膜剤で硬膜されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明性導電膜形成用感光材料。
  5. 前記乳剤層に含有される硬膜剤が少なくとも1種のトリアジン誘導体であることを特徴とする請求項4に記載の透明性導電膜形成用感光材料。
  6. 前記支持体が少なくとも1層の易接着層を隣接して塗設した支持体であり、該支持体の屈折率が該易接着層より大きく、且つ該支持体と該易接着層の屈折率差0.1以内であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明性導電膜形成用感光材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明性導電膜形成用感光材料を露光後、現像処理し、更に補力処理をすることでメッシュ状に金属銀部を形成することを特徴とする透明性導電膜の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法により得られることを特徴とする透明性導電膜。
  9. 請求項8に記載の透明導電膜を用いることを特徴とする電磁波遮蔽材料。
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