JP2007200872A - 導電性膜、その製造方法、電磁波シールド膜、その製造方法及びプラズマディスプレイパネル - Google Patents

導電性膜、その製造方法、電磁波シールド膜、その製造方法及びプラズマディスプレイパネル Download PDF

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Abstract

【課題】ハロゲン化銀写真感光材料にパターン露光、現像、さらに電解めっきする際に電解めっき工程で生じるメッキムラ及び感材汚れを低減できる方法を提供すること。それによって、均一で高い導電性と高い透光性とを同時に有する導電性膜、とくに電磁波シールド膜、を提供すること、並びにそれらを装備した画像表示装置を提供すること。
【解決手段】表面抵抗が1〜1000Ω/□のフィルムの表面に硬膜溶液を反応させる硬膜工程を有することを特徴とする導電性膜の製造方法、該方法により得られた導電性膜、電磁波シールド膜及びそれらを装備した画像表示装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性膜及びその製造方法に関する。さらに詳しく説明すると均質で高い導電性と優れた透光性を併せ有する導電性膜の製造方法に関する。また、得られた導電性膜を利用した透明性電磁波シールド膜及び透明電極に関する。さらに該電磁波シールド膜や透明電極を装備したCRT(陰極線管)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、液晶、EL(エレクトロルミネッセンス)、FED(フィールドエミッションディスプレイ)などのディスプレイ、電子レンジ、電子機器などにも関する。
また、本発明によって得られる導電性膜はこれらの画像表示素子のほかに撮像用半導体素子やプリント配線板などにも用いられる。
近年、各種の電気設備や電子応用設備の利用の増加に伴い、電磁波障害(Electro−Magnetic Interference:EMI)が急増している。EMIは、電子、電気機器の誤動作、障害の原因になるほか、これらの装置のオペレーターにも健康障害を与えることが指摘されている。このため、電子・電気機器の電磁波放出の強さを規格又は規制内に抑えることが要求されている。
上記EMIの対策のために電磁波をシールドする方法が種々提案され、用いられているが、CRT、PDPなどに適用する場合には、電磁波シールド能に加えて画面に表示される画像や文字等を視認する必要があるため、透明性も要求される。
特に、PDPは、CRT等と比較すると多量の電磁波を発生するため、より強い電磁波シールド能が求められており、CRT用の透光性電磁波シールド材料に必要な表面抵抗値は凡そ300Ω/sq以下であるのに対し、PDP用の透光性電磁波シールド材料では、2.5Ω/sq以下であることが好ましく、PDPを用いた民生用プラズマテレビにおいては、1.5Ω/sq以下とすることが求められ、より望ましくは0.1Ω/sq以下という極めて高い導電性が要求されている。
透明性に関しても、CRT用として凡そ70%以上の透過率が要求されているのに対して、PDP用として80%以上の透過率が望まれている。
上記の問題を解決するための開口部を有する金属メッシュを利用して電磁波シールド性と透明性とを両立させる材料・方法として、例えば導電性繊維をメッシュにしたシールド材、無電解めっき触媒を印刷法で格子状パターンとして印刷してそのパターンに無電解めっきを行う方法、無電解めっき触媒含有フォトレジストをメッシュ状にパターン形成させてその上に無電解めっきする方法、フォトリソグラフィー法でエッチング加工して金属薄膜のメッシュを形成する方法、など多様な方法がこれまで提案されている。しかしながら、これらの方法は、製造工程は煩雑かつ複雑で生産コストが高価になる、格子模様の交点部等で線幅が不均一になる、モアレが生じる、あるいは透光性と導電性の一方又は両方が不足する、などの問題がある。
その改善手段として、銀塩感光材料を用いた導電性金属銀パターンを形成する方法が提案されている。
銀塩感光材料は、カラーネガフィルム、黒白ネガフィルム、映画用フィルム、カラーリバーサルフィルム等の写真フィルム、カラーペーパー、黒白印画紙などの写真用印画紙等として従来から広く用いられているが、この材料を利用すればパターン露光と現像による写真的方法によって簡易なプロセスでパターン状の金属銀を得ることができ、この金属銀は、感光材料の構成や現像方法次第では導電性を利用することが可能である。1960年代に物理現像核に銀を沈着させる銀塩拡散転写法によって導電性金属銀薄膜パターンを形成する方法が、特許文献1に開示されている。また同様の銀塩拡散転写法を利用して得た光透過性のない均一な銀薄膜がマイクロ波減衰機能を有することが特許文献2に開示されている。この原理をインスタント黒白スライドフィルムに適用して簡便に露光・現像を行って導電性パターンを形成する方法が、非特許文献1及び特許文献3に記載されている。また、銀塩拡散転写法の原理によって、プラズマディスプレイ用の表示電極に利用可能な導電性の銀膜を形成する方法が特許文献4に記載されている。
しかしながら、このような方法で得た導電性金属銀膜は、画像表示や画像形成素子用としては透光性が不十分であり、またCRTやPDPなどのディスプレイの画像表示面から放射される電磁波を、画像表示を妨害せずに、遮蔽する能力も不十分であった。
また、高い導電性を得ることも困難で、導電性を高めるために厚い銀膜を得ようとすると、透明性が損なわれる問題があった。したがって、上記銀塩拡散転写法や物理現像法をそのまま用いても、電子ディスプレイ機器の画像表示面からの電磁波をシールドするのに好適な、光透過性と導電性の優れた透光性電磁波シールド材料は得ることができなかった。
また、銀塩拡散転写法や物理現像法を用いないで、通常の市販のネガフィルムとネガ型現像処理を利用したのでは、導電性と透明性を両立させる点において一層不利であり、CRTやPDPの透光性電磁波シールド材料として利用するには不十分なものであった。
このようなことから、特許文献5には、銀塩感光材料を用いて現像によりパターン形成した後、現像銀にさらにめっき又は物理現像処理を加える透光性電磁波シールド材料の製造方法が提案されるに至った。この方法は、上記問題に対して改善効果は見られるが、現像銀が高抵抗性であるためか給電ローラーから現像済み感光材料への給電が必ずしも円滑でなく、メッキむら(電解むら)が起こり易い。とくにめっきの初期課程で、また現像済みフィルムを連続搬送しながらめっきする連続処理方式において、現像銀上への金属の沈積速度の局部的変動によって導電性や透光性の均一性が損われることが判った。さらなる透明性と導電性の両立させる手段が求められている。
特公昭42−23746号公報 特公昭43−12862号公報 国際公開第01/51276号パンフレット 特開2000−149773号公報 特開2004−221564号公報 アナリティカル・ケミストリー(Analytical Chemistry)、2000年発刊、第72巻、645項
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、ハロゲン化銀写真感光材料をパターン露光と現像を行って得たパターン状現像銀上にさらに電解めっきする導電性膜形成方法において電解めっき工程で生じるメッキムラを低減することである。また、メッキムラを解決して、高い導電性を有する導電性膜、とりわけ高い導電性と高い透光性とを同時に有する透光性導電性膜、中でも高い電磁波シールド性と高い透明性とを同時に有する電磁波シールド膜を提供すること、並びにそれらの膜の安価で大量生産可能で、かつ大量製造しても電磁波シールド能が劣化しない製造方法を提供することである。さらに、PDPをはじめとするディスプレイ装置などに装備させる高透光性と高導電性を具備する電磁波シールド膜を提供することである。
本発明者らは、微細な現像銀表面への電着過程を詳細に検討した結果、電着ムラは、メッキ過程の初期に顕著に生じること、めっき浴の疲労が進むと電着量の割に透光性の低下が増大することが判った。さらに現像済み感光材料のメッキ液への浸漬に先行して該感光材料を硬膜溶液で前浴処理すると電着ムラは抑止されることも判明した。これらの知見に基づいて導電性と透光性が確保される現像・めっき前浴・電解めっきを含む一連の処理工程を案出して本発明を完成するに至った。
本発明は以下のとおりである。
(1)
支持体上に、導電性金属部及び光透過性部を含む導電性機能層とを有し、前記光透過性部の膨潤率が180%以下であることを特徴とする導電性膜。
(2)
前記導電性膜の表面抵抗が2.5Ω/sq以下であり、かつ/又は前記光透過性部の透過率が95%以上であることを特徴とする(1)に記載の導電性膜。
(3)
前記光透過性部の乾燥膜厚が2.0μm以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の導電性膜。
(4)
前記光透過性部が実質的に水溶性ポリマーからなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の導電性膜。
(5)
表面抵抗が1〜1000Ω/□のフィルムの表面に硬膜溶液を反応させる硬膜工程を有することを特徴とする導電性膜の製造方法。
(6)
前記フィルムが支持体上にハロゲン化銀乳剤層を含む少なくとも1層の親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料であることを特徴とする(5)に記載の導電性膜の製造方法。
(7)
前記硬膜溶液が、硬膜剤を含有し、該硬膜剤がゼラチンを硬膜する作用を有する化合物であることを特徴とする(5)または(6)に記載の導電性膜の製造方法。
(8)
前記硬膜剤が、ホルムアルデヒド、ピバリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、琥珀アルデヒド、カリ明ばん、クロム明ばん、および硫酸アルミニウムから選択される化合物であることを特徴とする(7)に記載の導電性膜の製造方法。
(9)
(5)〜(8)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法によって得られたことを特徴とする導電性膜。
(10)
(5)〜(8)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法によって製造されたことを特徴とする電磁波シールド膜。
(11)
(5)〜(8)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法によって製造された電磁波シールド膜の表面抵抗が2.5Ω/sq以下であることを特徴とする電磁波シールド膜。
(12)
表面抵抗が1.5Ω/sq以下であることを特徴とする(11)に記載の電磁波シールド膜。
(13)
支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀フィルムを露光して現像し、金属銀部を形成する現像工程と、
前記金属銀部が形成されたフィルムの表面に、硬膜剤を含有する硬膜溶液を反応させる硬膜工程と、
前記硬膜工程が施されたフィルムの金属銀部に対し、電解めっき処理を施す電解めっき処理工程と、
を有する導電性膜の製造方法。
本発明の製造方法では、フィルム表面を硬膜溶液で前浴処理することで、電解めっき処理工程における電着ムラが抑止され、得られる導電性膜の表面抵抗が十分に低減できる。このように得られる導電性膜の表面抵抗が十分に低減できる理由は定かではないが、本発明者らはこの理由を以下のように推定する。上記ハロゲン化銀乳剤層は、ハロゲン化銀乳剤層の硬膜剤の含有量が少ないため、その膜質が弱く電解めっき処理の際に傷が発生し易く、電着ムラの原因になる。しかし、本発明では、硬膜工程により銀塩含有層の膜質を架橋などにより強化でき、電解めっき処理が施されても傷の発生を抑制でき、電解めっき処理における電着ムラを防止することができる。
(14)
前記ハロゲン化銀乳剤層がハロゲン化銀及びバインダーを含有することを特徴とする(13)に記載の導電性膜の製造方法。
(15)
前記ハロゲン化銀乳剤層における銀(Ag)及びバインダー(B)の含有質量比が下記式(1)の範囲にあることを特徴とする(14)に記載の導電性膜の製造方法。
Ag/B=3〜15 (1)
(16)
Ag/バインダー体積比が1/4以上の銀塩含有層を用いることを特徴とする(14)または(15)に記載の導電性膜の製造方法。
(17)
前記バインダーがゼラチンであることを特徴とする(14)〜(16)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
(18)
前記硬膜剤がゼラチンを硬膜する作用を有する化合物であることを特徴とする(13)〜(17)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
(19)
前記硬膜剤が、ホルムアルデヒド、ピバリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、琥珀アルデヒド、カリ明ばん、クロム明ばん、および硫酸アルミニウムから選択される化合物であることを特徴とする(13)〜(18)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
(20)
前記硬膜剤がグルタルアルデヒド又は硫酸アルミニウムであることを特徴とする(13)〜(19)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
(21)
前記硬膜溶液が硬膜剤を0.005〜1.000mol/L含有することを特徴とする(13)〜(20)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
(22)
前記硬膜溶液がさらに膨潤抑制作用のある化合物を含有することを特徴とする(13)〜(21)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
(23)
露光部に前記金属銀部を形成し、未露光部に光透過性部を形成することを特徴とする(13)〜(22)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
(24)
前記光透過性部が実質的に物理現像核を有しないことを特徴とする(13)〜(23)のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
(25)
(13)〜(24)のいずれかに記載の製造方法により得られることを特徴とする、導電性金属部及び光透過性部を有するプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド膜。
(26)
(11)又は(12)に記載の電磁波シールド膜を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
(27)
(13)〜(24)のいずれかに記載の製造方法により得られた電磁波シールド膜を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
(28)
(26)又は(27)に記載の光学フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
(29)
(13)〜(24)のいずれかに記載の製造方法により得られた電磁波シールド膜を有することを特徴とするプラズマテレビ。
(30)
表面抵抗が1〜1000Ω/□のフィルム表面に連続して硬膜溶液による前処理を施したのち電解めっきを施すことを特徴とする導電性膜の製造方法。
(31)
支持体上にハロゲン化銀乳剤層を含む少なくとも1層の親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料に連続して現像処理と該現像処理によって形成された金属銀部への電解めっき処理を施す導電性膜の製造方法において、現像処理済みハロゲン化銀感光材料に電解めっき処理を施す直前に硬膜溶液による前処理を施すことを特徴とするの導電性膜の製造方法。
(32)
前記硬膜溶液中の硬膜剤がゼラチンを硬膜する作用を有する化合物であることを特徴とする上記(30)または(31)に記載の導電性膜の製造方法。
(33)
支持体上にハロゲン化銀乳剤層を含む少なくとも1層の親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料に現像処理を施して金属銀部を形成し、該金属銀部に硬膜溶液処理と電解めっき処理を順次施すことを特徴とする電磁波シールド膜の製造方法。
現像済み感光材料のメッキ液への浸漬に先行して該感光材料を硬膜溶液で前浴処理することを特徴とする本発明の導電性膜の製造方法によれば、電解めっき工程で生じるメッキムラを低減することができる。したがって、均質かつ高い導電性と高い透光性とを同時に有する導電性膜を形成することが可能であり、EMIシールド性に優れた細線のパターンの電磁波シールド膜も得られる。
上記導電性膜は、ディスプレイ機器の画像素子ユニットや画像記録素子の撮像用半導体素子用の透明電極として、電磁波シールド膜は、上記画像素子ユニットの電磁波障害防止用部材として用いられる。特に被処理感光材料を連続的に電解めっきする本発明の製造方法では、めっきムラの抑止効果、メッキ液の疲労が少なく、電磁波シールド能を劣化させることなく透光性部の現像汚れ防止効果が顕著に向上し、膜を安価に大量生産できる。
以下に、本発明の導電性膜の製造方法および透光性導電膜の中でも特に電磁波シールド膜について詳細に説明するが、半導体素子などの透明電極に用いる現像銀由来の導電性膜もこれに準拠して製造することができる。
なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味として使用される。
<本発明の特徴>
本発明の導電性膜の製造方法は、表面抵抗が1〜1000Ω/□のフィルムの表面に硬膜溶液を反応させる硬膜工程を有する。より具体的には、支持体上に感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層を有する感光材料を露光し、連続的に、現像処理と好ましくは定着処理を施すことによって露光部および未露光部に、それぞれ金属銀部および光透過性部を形成し、次いでこの現像済み感光材料を硬膜溶液で前浴処理してから電解めっき処理を施す導電性膜の製造方法、装置、及び上記導電性膜の適用の発明である。本発明では、現像銀の電解メッキ液への浸漬の直前に、硬膜溶液による前浴処理(硬膜工程)を行うことが好ましい。
この硬膜溶液による前浴処理によって現像銀への金属電析が均一に行われて電着ムラが抑止され、また透光性部への現像汚れの付着も低減されて、本発明の目的とする課題が達成される。
なお、念のために付言するなら、上記において、「連続的」とは、被処理感光材料が連続搬送される(つまり工程の流れが連続している)ことを指しており、必ずしも現像、めっき処理などの工程が中断されることなく、連続していることを指すものではない。また、「現像銀の電解メッキ液への浸漬の直前」とは硬膜溶液で処理したのち、他の工程を差し挟むことなくそのままめっき液処理の工程に入ることを意味しており、時間的な間隔をさすものではない。パターン露光したハロゲン化銀写真感光材料を単に現像処理することによって生じたメッシュ状の銀は細いフィラメント状銀(又は超微粒子で離散的な球状銀)であって導電性が極めて乏しい(通常表面抵抗が1〜1000Ω/□)。本発明者は、導電性を増大させるには金属をパターン状現像銀上に電解メッキによって電析させることが効果的であることを見出したが、しかしながら、このようにして得た金属膜は沈積の不均一性に由来する電解ムラがあって導電性膜の均一性に欠ける。電解時間を長くしたり、電解条件を強化すると導電性の増加は認められるが、感材汚れも発生して透光性が損なわれる。本発明では、現像銀を担持した感光材料をメッキ液に浸漬させる前に硬膜溶液を感光材料に適用する手段を採用すると電着の不均一が低減され、感材汚れも減少して、その結果透光性を維持したまま導電性が増加して、上記の欠点を解決できることに基いている。
感光材料の前硬膜処理の形態は、前浴槽による硬膜溶液への浸浴処理、あるいは塗布装置による塗りつけ処理が好ましいが、そのほか硬膜溶液が感材表面に接触する任意の手段を用いることができる。本発明に用いる硬膜溶液中の硬膜剤は、ゼラチンを硬膜する作用を有する化合物であることが好ましいが、その詳細は後述する。硬膜溶液中の濃度は、目的の効果が発現する限り、如何なる濃度でもよいが、0.005〜1.0mol/Lであることが好ましい。表面張力は、水より低い場合が好ましく、さらには60mN/m以下であると効果が増加する。硬膜溶液の更なる詳細は、後述する。
現像処理と好ましくは定着処理に続く電解めっき処理は、公知の電解めっき処理を用いることができ、これによってバインダーに覆われて通常不均一形状と不均一太さのために導電性が不十分なフィラメント状銀の導電性が強化され、さらに現像済み試料のメッキ液への浸入の前に硬膜溶液で前処理することによって未露光部の透光性と露光部の導電性とがともに優れた導電性膜を形成することができる。
以下、本発明を構成する要素について順次詳細に説明する。
《導電性膜》
本発明における光透過性部の「透過率」とは、支持体の光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率を指し、(透光性電磁波シールド材料の透過率)/(支持体の透過率)×100(%)で表される。光透過性部の透過率は90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、97%以上であることがさらに好ましく、98%以上であることがさらにより好ましく、99%以上であることが最も好ましい。
<バインダー>
本発明の導電性膜を担持する目的でバインダーを用いることができる。本発明において上記バインダーとしては、非水溶性ポリマーおよび水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
上記バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロースおよびその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
バインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。本発明において、Ag/バインダー質量比率が3以上であることが好ましく、4.5以上12以下であることがより好ましく、6以上10以下であることが最も好ましい。また、バインダーの種類としてはゼラチンが最も好ましい。
<膨潤率>
本発明の導電性膜は、光透過性部の膨潤率が180%以下であることを特徴とする。本発明において、膨潤率は以下のように定義する。すなわち、乾燥時の層膜厚(a)および、25℃の蒸留水に1分間浸漬した後の層膜厚(b)を測定し、
膨潤率(%)=100×((b)-(a))/(a)
とする。ここで乳剤層膜厚の測定は、試料の断面を走査型電子顕微鏡で観察することによって測定する。膨潤後の膜厚は、膨潤した試料を液体窒素により凍結乾燥した後の試料断面を走査型電子顕微鏡で観察することにより測定する。本発明において、光透過性部層の膨潤率は150%以下が好ましく、130%以下がより好ましい。本発明において膨潤率に下限は無いが、めっき処理における膜中の液の取り込み量の低下抑制、めっき速度の低下抑制等の観点から、膨潤率は50%以上であることが好ましい。本発明において、膨潤率の制御は硬膜処理における硬膜剤の種類、添加量、pHによって制御可能である。
なお、本発明で規定している膨潤率は電磁波シールド膜としての最終形態での規定である。すなわち、本発明で規定している膨潤率は電解めっき処理工程後の値である。後述する処理前の感光材料の膨潤率に関しては如何なる値でも構わない。
《導電性膜とその製造法》
本発明の導電性膜の製造方法は、支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀フィルムを露光して現像し、金属銀部を形成する現像工程と、前記金属銀が形成されたフィルムの表面に、硬膜剤を含有する硬膜溶液を反応させる硬膜工程と、前記硬膜工程が施されたフィルムの金属銀部に対し、電解めっき処理を施す電解めっき処理工程と、を有する導電性膜の製造方法である。
本発明の製造方法では、フィルム表面を硬膜溶液で前浴処理することで、電解めっき処理工程における電着ムラが抑止され、得られる導電性膜の表面抵抗が十分に低減できる。このように得られる導電性膜の表面抵抗が十分に低減できる理由は定かではないが、本発明者らはこの理由を以下のように推定する。上記ハロゲン化銀乳剤層は、ハロゲン化銀乳剤層の硬膜剤の含有量が少ないため、その膜質が弱く電解めっき処理の際に傷が発生し易く、電着ムラの原因になる。しかし、本発明では、硬膜工程により銀塩含有層の膜質を架橋などにより強化でき、電解めっき処理が施されても傷の発生を抑制でき、電解めっき処理における電着ムラを防止することができる。
上記ハロゲン化銀乳剤層はハロゲン化銀及びバインダー(好ましくはゼラチン)を含有することが好ましい。また本発明にかかる導電性膜では、その表面抵抗を十分にて低減するために、ハロゲン化銀乳剤層における銀(Ag)及びバインダー(B)の含有質量比が下記式(1)の範囲にあることが好ましい。
Ag/B=3〜15 (1)
またハロゲン化銀乳剤層は、その表面抵抗を十分にて低減するために、Ag/バインダー体積比が1/4以上とすることが好ましい。
本発明の製造方法では、硬膜処理で十分な効果を得るために、硬膜剤がゼラチンを硬膜する作用を有する化合物であることが好ましく、例えば、ホルムアルデヒド、ピバリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、琥珀アルデヒド、カリ明ばん、クロム明ばん、および硫酸アルミニウムから選択される化合物であることが好ましく、グルタルアルデヒド又は硫酸アルミニウムであることが特に好ましい。このような化合物を硬膜剤として使用することで、ハロゲン化銀乳剤層の表面のゼラチンの架橋密度をさらに向上させることができ、ハロゲン化銀乳剤層の硬膜化に特に有効である。
なお、硬膜溶液は、硬膜剤を0.005〜1.000mol/L含有することが好ましく、さらに膨潤抑制作用のある化合物を含有することが好ましい。
[感光材料(ハロゲン化銀フィルム)]
<支持体>
本発明の製造方法に用いられる感光材料の支持体としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、およびガラス板などを用いることができる。
上記プラスチックフィルムおよびプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
本発明においては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさおよび価格の点から、上記プラスチックフィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム及び/又はトリアセチルセルロース(TAC)であることが好ましい。
ディスプレイ用の電磁波シールド材では透明性が要求されるため、支持体の透明性は高いことが望ましい。この場合におけるプラスチックフィルムまたはプラスチック板の全可視光透過率は70〜100%が好ましく、さらに好ましくは85〜100%であり、特に好ましくは90〜100%である。また、本発明では、前記プラスチックフィルムおよびプラスチック板として本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。
本発明におけるプラスチックフィルムおよびプラスチック板は、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。
本発明における支持体としてガラス板を用いる場合、その種類は特に限定されないが、ディスプレイ用電磁波シールド膜の用途として用いる場合、表面に強化層を設けた強化ガラスを用いることが好ましい。強化ガラスは、強化処理していないガラスに比べて破損を防止できる可能性が高い。さらに、風冷法により得られる強化ガラスは、万一破損してもその破砕破片が小さく、かつ端面も鋭利になることはないため、安全上好ましい。
<保護層>
本発明に用いられる感光材料は、後述する乳剤層上に保護層を設けても良い。本発明において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する乳剤層に形成される。上記保護層はめっき処理する上では設けない方が好ましく、設けるとしても薄い方が好ましい。その厚みは0.2μm以下が好ましい。
上記保護層の塗布方法の形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法を適宜選択することができる。
尚、本発明の製造方法に用いられる感光材料は、染色等の目的で乳剤層に公知の染料を含んでいてもよい。
<乳剤層>
本発明の製造方法に用いられる感光材料は、支持体上に、光センサーとして銀塩を含む乳剤層(銀塩含有層)を有するのが好ましい。本発明における乳剤層には、銀塩のほか、必要に応じて、染料、バインダー、溶媒等を含有することができる。
<染料>
感光材料には、少なくとも乳剤層に染料が含まれてもよい。染料は、フィルター染料として若しくはイラジエーション防止その他種々の目的で乳剤層に含まれる。上記染料としては、固体分散染料を含有してよい。本発明に好ましく用いられる染料としては、特開平9−179243号公報記載の一般式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般式(FA3)で表される染料が挙げられ、具体的には同公報記載の化合物F1〜F34が好ましい。また、特開平7−152112号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−152112号公報記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−152112号公報記載の(IV−2)〜(IV−7)等も好ましく用いられる。
このほか、本発明に使用することができる染料としては、現像または定着の処理時に脱色させる固体微粒子分散状の染料としては、特開平3−138640号公報記載のシアニン染料、ピリリウム染料およびアミニウム染料が挙げられる。また、処理時に脱色しない染料として、特開平9−96891号公報記載のカルボキシル基を有するシアニン染料、特開平8−245902号公報記載の酸性基を含まないシアニン染料および同8−333519号公報記載のレーキ型シアニン染料、特開平1−266536号公報記載のシアニン染料、特開平3−136038号公報記載のホロポーラ型シアニン染料、特開昭62−299959号公報記載のピリリウム染料、特開平7−253639号公報記載のポリマー型シアニン染料、特開平2−282244号公報記載のオキソノール染料の固体微粒子分散物、特開昭63−131135号公報記載の光散乱粒子、特開平9−5913号公報記載のYb3+化合物および特開平7−113072号公報記載のITO粉末等が挙げられる。また、特開平9−179243号公報記載の一般式(F1)、一般式(F2)で表される染料で、具体的には同公報記載の化合物F35〜F112も用いることができる。
また、上記染料としては、水溶性染料を含有することができる。このような水溶性染料としては、オキソノール染料、ベンジリデン染料、メロシアニン染料、シアニン染料およびアゾ染料が挙げられる。中でも本発明においては、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料およびベンジリデン染料が有用である。本発明に用い得る水溶性染料の具体例としては、英国特許584,609号明細書、同1,177,429号明細書、特開昭48−85130号公報、同49−99620号公報、同49−114420号公報、同52−20822号公報、同59−154439号公報、同59−208548号公報、米国特許2,274,782号明細書、同2,533,472号明細書、同2,956,879号明細書、同3,148,187号明細書、同3,177,078号明細書、同3,247,127号明細書、同3,540,887号明細書、同3,575,704号明細書、同3,653,905号明細書、同3,718,427号明細書に記載されたものが挙げられる。
上記乳剤層中における染料の含有量は、イラジエーション防止などの効果と、添加量増加による感度低下の観点から、全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
<銀塩>
本発明で用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀などの無機銀塩が挙げられる。本発明においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いられるハロゲン化銀について説明する。
本発明では、光センサーとして機能させるためにハロゲン化銀を使用することが好ましく、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においても用いることができる。
上記ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、さらにAgBrやAgClを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。より好ましくは、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀であり、最も好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀が用いられる。
尚、ここで、「AgBr(臭化銀)を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。このAgBrを主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン、塩化物イオンを含有していてもよい。
ハロゲン化銀は固体粒子状であり、露光、現像処理後に形成されるパターン状金属銀層の画像品質の観点からは、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜1000nm(1μm)であることが好ましく、0.1〜100nmであることがより好ましく、1〜50nmであることがさらに好ましい。
尚、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができ、立方体、14面体が好ましい。
ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均一な相からなっていても異なっていてもよい。また粒子内部或いは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有していてもよい。
本発明に用いられる乳剤層用塗布液であるハロゲン化銀乳剤は、P.Glafkides著 Chimie etPhysique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Dufin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Forcal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著 Making and Coating Photographic Emulsion(The ForcalPress刊、1964年)などに記載された方法を用いて調製することができる。
すなわち、上記ハロゲン化銀乳剤の調製方法としては、酸性法、中性法等のいずれでもよく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩とを反応させる方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組み合わせなどのいずれを用いてもよい。
また、銀粒子の形成方法としては、粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。さらに、同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
またアンモニア、チオエーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して粒子形成させることも好ましい。係る方法としてより好ましくは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号、同55−77737号各公報に記載されている。好ましいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチオンが挙げられる。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化銀1モルあたり10-5〜10-2モルが好ましい。
上記コントロールド・ダブルジェット法およびハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作るのが容易であり、本発明に好ましく用いることができる。
また、粒子サイズを均一にするためには、英国特許第1,535,016号明細書、特公昭48−36890号広報、同52−16364号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特開昭55−158124号公報に記載されているように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を越えない範囲において早く銀を成長させることが好ましい。本発明における乳剤層の形成に用いられるハロゲン化銀乳剤は単分散乳剤が好ましく、{(粒子サイズの標準偏差)/(平均粒子サイズ)}×100で表される変動係数が20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下であることが好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、粒子サイズの異なる複数種類のハロゲン化銀乳剤を混合してもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、VIII族、VIIB族に属する金属を含有してもよい。特に、高コントラストおよび低カブリを達成するために、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物、鉄化合物、オスミウム化合物、レニウム化合物などを含有することが好ましい。これら化合物は、各種の配位子を有する化合物であってよく、配位子として例えば、シアン化物イオンやハロゲンイオン、チオシアナートイオン、ニトロシルイオン、水、水酸化物イオンなどや、こうした擬ハロゲン、アンモニアのほか、アミン類(メチルアミン、エチレンジアミン等)、ヘテロ環化合物(イミダゾール、チアゾール、5−メチルチアゾール、メルカプトイミダゾールなど)、尿素、チオ尿素等の、有機分子を挙げることができる。
また、高感度化のためにはK4〔Fe(CN)6〕やK4〔Ru(CN)6〕、K3〔Cr(CN)6〕のごとき六シアノ化金属錯体のドープが有利に行われる。
上記ロジウム化合物としては、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。水溶性ロジウム化合物としては、例えば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、ヘキサクロロロジウム(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム錯塩、テトラクロロジアコロジウム錯塩、ヘキサブロモロジウム(III)錯塩、ヘキサアミンロジウム(III)錯塩、トリオキザラトロジウム(III)錯塩、K3Rh2Br9等が挙げられる。
上記イリジウム化合物としては、K2IrCl6、K3IrCl6等のヘキサクロロイリジウム錯塩、ヘキサブロモイリジウム錯塩、ヘキサアンミンイリジウム錯塩、ペンタクロロニトロシルイリジウム錯塩等が挙げられる。
上記ルテニウム化合物としては、ヘキサクロロルテニウム、ペンタクロロニトロシルルテニウム、K4〔Ru(CN)6〕等が挙げられる。
上記鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、チオシアン酸第一鉄が挙げられる。
上記ルテニウム化合物、オスミニウム化合物は特開昭63−2042号公報、特開平1−285941号公報、同2−20852号公報、同2−20855号公報等に記載された水溶性錯塩が挙げられる。
これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1モル当り10-10〜10-2モル/モルAgであることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
その他、本発明では、Pd(II)イオンおよび/またはPd金属を含有するハロゲン化銀も好ましく用いることができる。Pdはハロゲン化銀粒子内に均一に分布していてもよいが、ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有させることが好ましい。ここで、Pdが「ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有する」とは、ハロゲン化銀粒子の表面から深さ方向に50nm以内において、他層よりもパラジウムの含有率が高い層を有することを意味する。
このようなハロゲン化銀粒子は、ハロゲン化銀粒子を形成する途中でPdを添加することにより作製することができ、銀イオンとハロゲンイオンとをそれぞれ総添加量の50%以上添加した後に、Pdを添加することが好ましい。またPd(II)イオンを後熟時に添加するなどの方法でハロゲン化銀表層に存在させることも好ましい。
このPd含有ハロゲン化銀粒子は、物理現像や無電解めっきの速度を速め、所望の電磁波シールド材の生産効率を上げ、生産コストの低減に寄与する。Pdは、無電解めっき触媒としてよく知られて用いられているが、本発明では、ハロゲン化銀粒子の表層にPdを偏在させることが可能なため、極めて高価なPdを節約することが可能である。
本発明において、ハロゲン化銀に含まれるPdイオンおよび/またはPd金属の含有率は、ハロゲン化銀の、銀のモル数に対して10-4〜0.5モル/モルAgであることが好ましく、0.01〜0.3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
使用するPd化合物の例としては、PdCl4や、Na2PdCl4等が挙げられる。
本発明では、さらに光センサーとしての感度を向上させるため、写真乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感の方法としては、硫黄増感、セレン増感、テルル増感等カルコゲン増感、金増感などの貴金属増感、還元増感等を用いることができる。これらは、単独または組み合わせて用いられる。上記化学増感の方法を組み合わせて使用する場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法などの組み合わせが好ましい。
上記硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。上記硫黄増感剤としては公知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの種々の条件の下で変化し、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-2モルが好ましく、より好ましくは10-5〜10-3モルである。
上記セレン増感に用いられるセレン増感剤としては、公知のセレン化合物を用いることができる。上記不安定型セレン化合物としては特公昭44−15748号公報、同43−13489号公報、特開平4−109240号公報、同4−324855号公報等に記載の化合物を用いることができる。
上記テルル増感剤に用いられるテルル増感剤は、ハロゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定されるテルル化銀を生成せしめる化合物である。具体的には、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)635(1980)、ibid 1102(1979)、ibid 645(1979)などに記載の化合物を用いることができる。特に特開平5−313284号公報中の一般式(II)、(III)、(IV)で示される化合物が好ましい。
本発明で用いることのできるセレン増感剤およびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度を用いる。本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。
また、上記貴金属増感剤としては、金、白金、パラジウム、イリジウム等が挙げられ、特に金増感が好ましい。金増感に用いられる金増感剤としては、具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、チオグルコース金(I)、チオマンノース金(I)などが挙げられ、ハロゲン化銀1モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いることができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させてもよい。
また、本発明においては、還元増感を用いることができる。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いることができる。上記ハロゲン化銀乳剤は、欧州公開特許(EP)293917に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。本発明に用いられる感光材料の作製に用いられるハロゲン化銀乳剤は、1種だけでもよいし、2種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの、感度の異なるもの)の併用であってもよい。中でも高コントラストを得るためには、特開平6−324426号公報に記載されているように、支持体に近いほど高感度な乳剤を塗布することが好ましい。
[露光]
本発明では、支持体上に設けられた銀塩含有層の露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線などの光、X線などの放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
上記光源としては、例えば、陰極線(CRT)を用いた走査露光を挙げることができる。陰極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば、赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種又は2種以上が混合されて用いられる。スペクトル領域は、上記の赤色、緑色及び青色に限定されず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。また、紫外線ランプも好ましく、水銀ランプのg線、水銀ランプのi線等も利用される。
また本発明では、露光は種々のレーザービームを用いて行うことができる。例えば、本発明における露光は、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザー又は半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発光光源(SHG)等の単色高密度光を用いた走査露光方式を好ましく用いることができ、さらにKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2レーザー等も用いることができる。システムをコンパクトで、安価なものにするために、露光は、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)を用いて行うことが好ましい。特にコンパクトで、安価、さらに寿命が長く、安定性が高い装置を設計するためには、露光は半導体レーザーを用いて行うことが好ましい。
レーザー光源としては、具体的には、波長430〜460nmの青色半導体レーザー(2001年3月の第48回応用物理学関係連合講演会で日亜化学発表)、半導体レーザー(発振波長約1060nm)を導波路状の反転ドメイン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変換して取り出した約530nmの緑色レーザー、波長約685nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6738MG)、波長約650nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6501MG)などが好ましく用いられる。
銀塩含有層をパターン状に露光する方法は、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた屈折式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、コンタクト露光、プロキシミティー露光、縮小投影露光、反射投影露光などの露光方式を用いることができる。
[現像処理]
本発明では、銀塩含有層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョン塗層等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。
現像処理は、ネガ型現像処理および反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる。また、化学現像、物理現像(本発明の態様では正確には溶解物理現像)のいずれで行ってもよい。
ここでいう化学現像及び溶解物理現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes,4th ed.」373−377頁(Mcmillan社、1977刊行)に解説されている。
化学現像液については現像銀が得られる限り、黒白現像液であってもカラー現像液(発色しなくてもよい)であってもよく、特に限定はしないが、黒白現像液が好ましく、黒白現像液としてはPQ現像液、MQ現像液、MAA現像液(メトール・アスコルビン酸現像液)等を用いることもでき、例えば、富士フィルム社指定処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社指定処方のC−41、E−6、RA−4、D−72などの現像液、又はそのキットに含まれる現像液、また、D−19、D−85、D−8などの処方名で知られるリス現像液や硬調ポジ現像液を用いることもできる。溶解物理現像の態様においては、上記の各現像液にハロゲン化銀溶解剤としてチオ硫酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩など)やチオシアン酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩など)を添加すればよく、D−19、D−85、D−8、D−72などの高活性型現像液に添加することが好ましい。
本発明では、上記の露光及び現像処理を行うことにより金属銀部、好ましくはパターン状金属銀部が形成されると共に、後述する光透過性部が形成される。
<現像液組成及び現像処理工程>
本発明においては、前記した現像液のいずれをも用いることができるが、好ましくは黒白現像液である。現像主薬としてはカラー現像主薬や黒白系現像主薬が好ましく、とくに好ましくはアスコルビン酸系現像主薬やジヒドロキシベンゼン系現像主薬を用いることができる。アスコルビン酸系現像主薬としてはアスコルビン酸、イソアスコルビン酸やエリソルビン酸やその塩(Na塩等)などがあげられるがコストの点からエリソルビン酸Naが好ましい。ジヒドロキシベンゼン系現像主薬としてはハイドロキノン、クロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホン酸塩などが挙げられるが、特にハイドロキノンが好ましい。アスコルビン酸系現像主薬やジヒドロキシベンゼン系現像主薬は特に超加成性を示す補助現像主薬と併用してもよいがしなくても良い。上記アスコルビン酸系現像主薬やジヒドロキシベンゼン系現像主薬と超加成性を示す補助現像主薬としては、1−フェニル−3−ピラゾリドン類やp−アミノフェノール類が挙げられる。
補助現像主薬として用いられる1−フェニル−3−ピラゾリドンまたはその誘導体としては、具体的に、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがある。
上記p−アミノフェノール系補助現像主薬としては、N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン等があるが、なかでもN−メチル−p−アミノフェノールが好ましい。
ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は、通常0.05〜0.8モル/リットルの量で用いられるのが好ましいが、本発明においては、0.23モル/リットル以上で使用するのが特に好ましい。さらに好ましくは、0.23〜0.6モル/リットルの範囲である。またジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類若しくはp−アミノフェノール類との組合せを用いる場合には、前者を0.23〜0.6モル/リットル、さらに好ましくは0.23〜0.5モル/リットル、後者を0.06モル/リットル以下、さらに好ましくは0.03モル/リットル〜0.003モル/リットルの量で用いるのが好ましい。
現像液の浸浴電位すなわち酸化還元電位は、現像液の構成成分の酸化還元性の総合されたものであるが、主として現像主薬とpHによって定まる。好ましい酸化還元電位は、290mVvsSCEよりも卑であり、より好ましくはー320mVvsSCEよりも卑であり、さらに好ましくは、ー340mVvsSCEよりも卑である。
現像液の酸化還元電位を本発明に好ましい290mVvsSCEよりも卑とするには、上記の好ましい現像主薬として挙げた主薬を用い、選択した現像主薬の種類に応じてpHを調整することによって行われる。好ましいpH値は現像主薬のpK値よりも0〜2、好ましくは0.5〜1.5高い側であり、現像主薬の種類に応じて適宜選択される。
本発明においては、現像開始液(すなわち現像槽に新液として充填される母液)および現像補充液の双方が、それぞれ液1リットルに0.1モルの水酸化ナトリウムを加えたときのpH上昇が0.5以下であるpH緩衝能を有することが好ましい。使用する現像開始液ないし現像補充液(以下両者を併せて現像液と呼ぶこともある)がこのpH緩衝能を有することを確かめる方法としては、試験対象の現像開始液ないし現像補充液のpHを10.5に合わせ、ついでこの液1リットルに水酸化ナトリウムを0.1モル添加し、この際の液のpH値を測定し、pH値の上昇が0.5以下であれば上記に規定したpH緩衝能を有すると判定する。本発明の製造方法では、特に、上記試験を行った時のpH値の上昇が0.4以下である現像開始液および現像補充液を用いることが好ましい。
現像開始液および現像補充液に上記の性質を与える方法としては、緩衝剤を使用することが好ましい。上記緩衝剤としては、炭酸塩、特開昭62−186259号公報に記載のホウ酸、特開昭60−93433号公報に記載の糖類(例えばサッカロース)、オキシム類(例えばアセトオキシム)、フェノール類(例えば5−スルホサリチル酸)、第3リン酸塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩)などを用いることができ、好ましくは炭酸塩、ホウ酸が用いられる。上記緩衝剤(特に炭酸塩)の使用量は、好ましくは、0.25モル/リットル以上であり、0.25〜1.5モル/リットルが特に好ましい。
本発明においては、上記現像開始液のpHが9.0〜11.0であることが好ましく、9.5〜10.7の範囲であることが特に好ましい。上記現像補充液のpHおよび連続処理時の現像タンク内の現像液のpHもこの範囲である。pH設定のために用いるアルカリ剤には通常の水溶性無機アルカリ金属塩(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)を用いることができる。
本発明の光透過性導電膜や電磁波シールド膜の製造方法において、感光材料1平方メートルを処理する際に、現像液中の現像補充液の添加量(補充量)は645ミリリットル以下、好ましくは30〜484ミリリットル、特に100〜484ミリリットルである。現像補充液は、現像開始液と同一の組成を有していてもよいが、現像で消費される成分について消費量を補償するに見合う量だけ開始液よりも高い濃度を有していることが好ましい。
本発明で感光材料を現像処理する際の現像液(以下、現像開始液および現像補充液の双方をまとめて単に「現像液」という場合がある)には、通常用いられる添加剤(例えば、保恒剤、キレート剤)を含有することができる。上記保恒剤としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩が挙げられる。該亜硫酸塩は、0.20モル/リットル以上用いられることが好ましく、さらに好ましくは0.3モル/リットル以上用いられるが、多量添加すると現像液中の銀汚れの原因になることがあるので、その上限は1.2モル/リットルとするのが望ましい。特に好ましくは、0.35〜0.7モル/リットルである。また、ジヒドロキシベンゼン系現像主薬の保恒剤として、亜硫酸塩と併用してアスコルビン酸誘導体を少量使用してもよい。ここでアスコルビン酸誘導体とは、前記した現像主薬としてのアスコルビン酸と同じであり、アスコルビン酸、および、その立体異性体であるエリソルビン酸やそのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム塩)などを包含する。上記アスコルビン酸誘導体としては、エリソルビン酸ナトリウムを用いることが素材コストの点で好ましい。上記アスコルビン酸誘導体の添加量はジヒドロキシベンゼン系現像主薬に対して、モル比で0.03〜0.12の範囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.10の範囲である。上記保恒剤としてアスコルビン酸誘導体を使用する場合には現像液中にホウ素化合物を含まないことが好ましい。
上記以外に現像剤に用いることのできる添加剤としては、臭化ナトリウム、臭化カリウムの如き現像抑制剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミドの如き有機溶剤;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、イミダゾールまたはその誘導体等の現像促進剤や、メルカプト系化合物、インダゾール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物をカブリ防止剤または黒ポツ(black pepper)防止剤として含んでもよい。上記ベンゾイミダゾール系化合物としては、具体的に、5−ニトロインダゾール、5−p−ニトロベンゾイルアミノインダゾール、1−メチル−5−ニトロインダゾール、6−ニトロインダゾール、3−メチル−5−ニトロインダゾール、5−ニトロベンズイミダゾール、2−イソプロピル−5−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロベンズトリアゾール、4−〔(2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)チオ〕ブタンスルホン酸ナトリウム、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。これらベンゾイミダゾール系化合物の含有量は、通常、現像液1リットル当り0.01〜10mmolであり、より好ましくは、0.1〜2mmolである。
さらに上記現像液中には、各種の有機・無機のキレート剤を併用することができる。上記無機キレート剤としては、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等を用いることができる。一方、上記有機キレート剤としては、主に有機カルボン酸、アミノポリカルボン酸、有機ホスホン酸、アミノホスホン酸および有機ホスホノカルボン酸を用いることができる。
上記有機カルボン酸としては、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
上記アミノポリカルボン酸としては、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、エチレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、その他特開昭52−25632号、同55−67747号、同57−102624号の各公報、および特公昭53−40900号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
これらキレート剤の添加量としては、現像液1リットル当り好ましくは、1×10-4〜1×10-1モル、より好ましくは1×10-3〜1×10-2モルである。
さらに、現像液中に溶解助剤として特開昭61−267759号公報記載の化合物を用いることができる。さらに現像液には、必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤等を含んでもよい。現像処理温度および時間は相互に関係し、全処理時間との関係において決定されるが、一般に現像温度は約20℃〜約50℃が好ましく、25〜45℃がさらに好ましい。また、現像時間は5秒〜2分が好ましく、7秒〜1分30秒がさらに好ましい。
現像液の搬送コスト節減、包装材料コスト節減、省スペース等の目的から、現像液を濃縮化し、使用時に希釈して用いるようにする態様、すなわち液体濃縮現像剤として供給する態様も好ましい。現像液の濃縮化のためには、現像液に含まれる塩成分をカリウム塩化することが有効である。なお、ここでいう「現像液の濃縮化」とは当業界の慣用表現であって、「濃厚化」を意味するものであって、減圧蒸発などによる「濃縮」を意味するものではない。
[定着処理]
現像処理に続いて好ましくは未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で定着処理が行われるが、本発明においては定着処理を省略することもできる。とくに現像処理が溶解物理現像によって行われる場合には、未露光部のハロゲン化銀は現像過程でかなり溶解され、消滅しているのが一般的である。しかしながら、現像が化学現像型の現像処方で行われる場合には、定着処理によって未露光部すなわち透光性部の透明度を増大させることが好ましい。
定着処理は、必ずしも現像処理に続いて行う必要はなく、後述する電解メッキ工程の後に行ってもよい。
本発明における定着処理は、カラー写真用や黒白銀塩写真フィルム、印画紙、印刷製版用フィルム、X線写真フイルム用、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の定着処理の技術を用いることができる。
上記定着工程で使用する定着液の好ましい成分としては、以下が挙げられる。
すなわち、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオシアン酸カリウムなどの定着剤、必要により酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸、イミノジ酢酸、5−スルホサリチル酸、グルコヘプタン酸、タイロン及びこれらの塩などのpH緩衝剤や保恒剤、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸及びこれらの塩などの硬水軟化剤等を含むことが好ましい。ただし、近年の環境保護の観点からは、ホウ酸は含まれない方が好ましい。本発明に用いられる定着液の定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどが挙げられ、定着速度の点からはチオ硫酸アンモニウムが好ましいが、近年の自然環境保全の観点から全窒素量の水質規制に鑑みてチオ硫酸ナトリウムが使われてもよい。これら既知の定着剤の使用量は適宜変えることができ、一般には約0.1〜約2モル/リットルである。特に好ましくは、0.2〜1.5モル/リットルである。定着液には所望により、硬膜剤(例えば水溶性アルミニウム化合物)、保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸)、pH調整剤(例えば、アンモニア、硫酸)、キレート剤、界面活性剤、湿潤剤、定着促進剤を含むことができる。
上記界面活性剤としては、例えば硫酸化物、スルホン化物などのアニオン界面活性剤、ポリエチレン系界面活性剤、特開昭57−6740号公報記載の両性界面活性剤などが挙げられる。また、上記定着液には、公知の消泡剤を添加してもよい。
上記湿潤剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルキレングリコールなどが挙げられる。また、上記定着促進剤としては、例えば特公昭45−35754号、同58−122535号、同58−122536号の各公報に記載のチオ尿素誘導体;分子内に3重結合を持つアルコール;米国特許US第4126459号明細書記載のチオエーテル化合物;特開平4−229860号公報記載のメソイオン化合物などが挙げられ、特開平2−44355号公報記載の化合物を用いてもよい。また、上記pH緩衝剤としては、例えば酢酸、リンゴ酸、こはく酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、アジピン酸などの有機酸や、ホウ酸、リン酸塩、亜硫酸塩などの無機緩衝剤が使用できる。上記pH緩衝剤として好ましくは、酢酸、酒石酸、亜硫酸塩が用いられる。ここでpH緩衝剤は、現像液の持ち込みによる定着剤のpH上昇を防ぐ目的で使用され、好ましくは0.01〜1.0モル/リットル、より好ましくは0.02〜0.6モル/リットル程度用いる。定着液のpHは4.0〜8.0が好ましく、特に好ましくは4.5〜7.5の範囲である。
本発明では、迅速定着が可能なように定着液を高活性にするために水溶性ハライドを添加することが好ましい。好ましい水溶性ハライドは、アルカリ金属の臭化物及びよう化物ならびに臭化アンモニウム及びよう化アンモニウムであり、好ましいアルカリ金属塩は、ナトリウム塩及びカリウム塩である。水溶性ハライドの全添加量は、0.035〜0.5モル/Lであり、より好ましくは0.05〜0.4モル/Lである。水溶性ハライドの中には、よう化カリウム、よう化ナトリウム、よう化アンモニウムなどの水溶性よう化物が含まれていることが特に好ましく、その場合の水溶性よう化物の添加量は0.005〜0.05モル/Lである。
水溶性ハライドは、pAgを高く調整することに加えて定着工程に続くめっき工程において金属析出速度を高める作用を有しており、特によう素イオンの効果が大きい。
本発明の定着液中の硬膜剤としては、水溶性アルミニウム塩、クロム塩が挙げられる。上記硬膜剤として好ましい化合物は、水溶性アルミニウム塩であり、例えば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明バンなどが挙げられる。上記硬膜剤の好ましい添加量は0.01モル〜0.2モル/リットルであり、さらに好ましくは0.03〜0.08モル/リットルである。
上記定着工程における定着処理温度および時間は、相互に関係し、全処理時間との関係において決定されるが、本発明の高活性の迅速定着液では、30〜60℃で5〜40秒で未露光部のハロゲン化銀粒子の定着を完了させる活性を有する。好ましい定着温度は30℃〜60℃であり、35〜55℃がさらに好ましい。また、定着時間は5秒〜40秒が好ましく、7秒〜30秒がさらに好ましい。
定着液の補充量は、感光材料の処理量に対して1600ml/m2以下が好ましく、700ml/m2以下がさらに好ましい。補充液の濃度は、定められた補充量のもとで処理中の消費を補償するに見合う濃度に設定される。
[水洗処理、安定化処理など]
現像、定着処理を施した感光材料は、続いて、又は次に述べるめっき処理の後に、あるいは、現像、定着処理後とめっき処理後の両方で、水洗処理や安定化処理(水洗代替安定化処理とも言う)を施されるのが好ましい。上記水洗処理または安定化処理においては、水洗水量(又は安定化液補充量)は通常感光材料1m2当り、20リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。このため、節水処理が可能となるのみならず、自動現像機設置の配管を不要とすることができる。水洗水の補充量を少なくする方法としては、古くから多段向流方式(例えば2段、3段など)が知られている。この多段向流方式を本発明の製造方法に適用した場合、定着後の感光材料は徐々に正常な方向、即ち定着液で汚れていない処理液の方向に順次接触して処理されていくので、さらに効率のよい水洗がなされる。また、水洗を少量の水で行う場合は、特開昭63−18350号、同62−287252号各公報などに記載のスクイズローラー、クロスオーバーローラーの洗浄槽を設けることがより好ましい。また、少量水洗時に問題となる廃水汚濁に係る環境負荷低減のためには、種々の酸化剤添加やフィルター濾過を組み合わせてもよい。さらに、上記方法においては、水洗浴または安定化浴に防黴手段を施した水を、処理に応じて補充することによって生じた水洗浴または安定化浴からのオーバーフロー液の一部または全部を、特開昭60−235133号公報に記載されているようにその前の処理工程である定着能を有する処理液に利用することもできる。また、少量水洗時に発生し易い水泡ムラ防止および/またはスクイズローラーに付着する処理剤成分が処理されたフィルムに転写することを防止するために、水溶性界面活性剤や消泡剤を添加してもよい。
また、上記水洗処理または安定化処理においては、感光材料から溶出した染料による汚染防止に、特開昭63−163456号公報に記載の色素吸着剤を水洗槽に設置してもよい。また、水洗処理に続いて安定化処理においては、特開平2−201357号、同2−132435号、同1−102553号、特開昭46−44446号の各公報に記載の化合物を含有した浴を、感光材料の最終浴として使用してもよい。この際、必要に応じてアンモニウム化合物、Bi、Alなどの金属化合物、蛍光増白剤、各種キレート剤、膜pH調節剤、硬膜剤、殺菌剤、防かび剤、アルカノールアミンや界面活性剤を加えることもできる。水洗工程または安定化工程に用いられる水としては水道水のほか脱イオン処理した水やハロゲン、紫外線殺菌灯や各種酸化剤(オゾン、過酸化水素、塩素酸塩など)等によって殺菌された水を使用することが好ましい。また、特開平4−39652号、特開平5−241309号公報記載の化合物を含む水洗水を使用してもよい。水洗処理または安定化温度における浴温度および時間は0〜50℃、5秒〜2分であることが好ましい。
本発明に用いられる現像液や定着液等の処理液の保存には、特開昭61−73147号公報に記載された酸素透過性の低い包材で保存することが好ましい。また、補充量を低減する場合には処理槽の空気との接触面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸化を防止することが好ましい。ローラー搬送型の自動現像機については米国特許US第3025779号明細書、同第3545971号明細書などに記載されているものも用いることができる。また、ローラー搬送型プロセッサーは現像、定着、水洗および乾燥の四工程からなることが好ましく、本発明においても、他の工程(例えば、停止工程)を除外しないが、この四工程を踏襲するのが最も好ましい。また、水洗工程の代わりに安定化工程による四工程でも構わない。
本発明に適用される前記ハロゲン化銀感光材料である限り、現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
本発明における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透明性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープが挙げられる。
本発明における現像処理剤および定着処理剤は固形剤にしても液剤同様の結果が得られる。保存安定性等の観点からは、固形処理剤が好ましい。以下に固形処理剤に関する記述を行う。
本発明における固形剤は、公知の形態(粉状、粒状、顆粒状、塊状、錠剤、コンパクター、ブリケット、板状、棒状、ペースト状など)が使用できる。これらの固形剤は、接触して互いに反応する成分を分離するために、水溶性のコーティング剤やフィルムで被覆してもよいし、複数の層構成にして互いに反応する成分を分離してもよく、これらを併用してもよい。
被覆剤、造粒助剤には公知のものが使用できるが、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリスチレンスルホン酸、ビニル系化合物が好ましい。この他、特開平5−45805号公報第2欄の48行〜第3欄の13行目が参考にできる。
複数の層構成にする場合は、接触しても反応しない成分を互いに反応する成分の間にはさんだ構成にして錠剤やブリケット等に加工してもよいし、公知の形態の成分を同様の層構成にして包装してもよい。これらの方法は、たとえば特開昭61−259921号公報、同4−16841号公報、同4−78848号公報、同5−93991号公報等に示されている。
固形処理剤の嵩密度は、0.5〜6.0g/cm3が好ましく、特に錠剤は1.0〜5.0g/cm3が好ましく、顆粒は0.5〜1.5g/cm3が好ましい。
本発明に用いることができる固形処理剤の製法は、公知のいずれの方法を用いることができる。たとえば、特開昭61−259921号公報、特開平4−15641号公報、特開平4−16841号公報、同4−32837号公報、同4−78848号公報、同5−93991号公報、特開平4−85533号公報、同4−85534号公報、同4−85535号公報、同5−134362号公報、同5−197070号公報、同5−204098号公報、同5−224361号公報、同6−138604号公報、同6−138605号公報、同8−286329号公報等を参考にすることができる。
より具体的には転動造粒法、押し出し造粒法、圧縮造粒法、解砕造粒法、撹拌造粒法、スプレードライ法、溶解凝固法、ブリケッティング法、ローラーコンパクティング法等を用いることができる。
本発明における固形剤は、表面状態(平滑、多孔質等)や部分的に厚みを変えたり、中空状のドーナツ型にしたりして溶解性を調節することもできる。さらに、複数の造粒物に異なった溶解性を与えたり、溶解性の異なる素材の溶解度を合わせるために、複数の形状をとることも可能である。また、表面と内部で組成の異なる多層の造粒物でもよい。
固形剤の包材は、酸素および水分透過性の低い材質が好ましく、包材の形状は袋状、筒状、箱状などの公知のものが使用できる。また、特開平6−242585号公報〜同6−242588号公報、同6−247432号公報、同6−247448号公報、同6−301189号公報、同7−5664号公報、同7−5666号公報〜同7−5669号公報に開示されているような折り畳み可能な形状にすることも、廃包材の保管スペース削減のためには好ましい。これらの包材は、処理剤の取り出し口にスクリューキャップや、プルトップ、アルミシールをつけたり、包材をヒートシールしてもよいが、このほかの公知のものを使用してもよく、特に限定はしない。さらに環境保全上、廃包材をリサイクルまたはリユースすることが好ましい。
本発明の固形処理剤の溶解および補充の方法としては特に限定はなく、公知の方法を使用することができる。これらの方法としてはたとえば、撹拌機能を有する溶解装置で一定量を溶解し補充する方法、特開平9−80718号公報に記載されているような溶解部分と完成液をストックする部分とを有する溶解装置で溶解し、ストック部から補充する方法、特開平5−119454号公報、同6−19102号公報、同7−261357号公報に記載されているような自動現像機の循環系に処理剤を投入して溶解・補充する方法、溶解槽を内蔵する自動現像機で感光材料の処理に応じて処理剤を投入し溶解する方法などがあるが、このほかの公知のいずれの方法を用いることもできる。また処理剤の投入は、人手で行ってもよいし、特開平9−138495号公報に記載されているような開封機構を有する溶解装置や自動現像機で自動開封、自動投入してもよく、作業環境の点からは後者が好ましい。具体的には取り出し口を突き破る方法、はがす方法、切り取る方法、押し切る方法や、特開平6−19102号公報、同6−95331号公報に記載の方法などがある。
[硬膜溶液による前処理]
本発明の導電性膜の製造方法は、フィルムの表面に硬膜溶液を反応させる硬膜工程を有することを特徴とする。また、電解めっきに先立って硬膜溶液による処理を行うことができ、この硬膜溶液処理を行うことにより、その後のメッキの均一性向上と感材汚れの抑止の効果が得られる。
本発明において硬膜溶液に含まれる硬膜剤は、水性溶媒中でゼラチン膜硬化性を増加させる任意の化合物であるのが好ましく、ホルムアルデヒド、ピバリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、琥珀アルデヒド、カリ明ばん、クロム明ばん、ムコクロル酸、グリオキザール、1,2−ジヒドロキシピリジン類、ジグリコールアルデヒド、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなどのヒドロキシ−s−トリアジン類、クロトンアルデヒド、ホウ酸、ぼう硝、パラホルムアルデヒド、硫酸アルミニウムなどが挙げられ、中でも好ましくはホルムアルデヒド、ピバリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、琥珀アルデヒド、カリ明ばん、クロム明ばん、硫酸アルミニウムから選択される化合物であることが好ましい。硬膜剤はより好ましくは、グルタルアルデヒドまたは硫酸アルミニウムである。
硬膜剤の濃度は、0.005〜1.0mol/Lであることが好ましく、より好ましくは0.01〜1.0mol/Lであり、0.05〜0.8mol/Lであることが最も好ましい。
硬膜溶液の溶媒は、水を主体とする水性溶媒であり、水または電解質水溶液であることが好ましい。
また、硬膜溶液には膨潤抑制作用のある化合物を添加することが好ましい。具体的には、NaCl,NaBr,KI,KCl,LiCl,NaClO4,Na2SO4,CH3CO2Na,CH3CO2K,CH3CO2NH4,(NH42SO4の塩、などが挙げられる。水溶性塩のカチオン部としてテトラエチルアンモニウムかテトラブチルアンモニウム,アニオン部としてハライドイオン,過塩素イオン,トシラートイオン,テトラフルオロホウ酸イオン,ヘキサフルオロリン酸イオン等を組み合わせた第四級アンモニウム塩、などを添加してもよい。膨潤抑制剤としてとくに好ましいのはNa2SO4である。
本発明の硬膜溶液への浸漬時間は、好ましくは2秒〜10分であり、より好ましくは5秒〜5分である。
本発明の硬膜溶液の温度は、好ましくは15℃〜60℃であり、より好ましくは25℃〜55℃である。
[電解めっき処理]
本発明では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部に導電性を付与する目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための電解めっき処理を行う。
本発明において、電解めっき処理は、現像処理に続いて、又は現像処理後定着処理を行ったのち、あるいは現像処理後又は現像処理後の水洗や水洗代替リンスの後に行われる。いずれの段階で電解めっきを行うかは適宜選択できる。ただし、硬膜処理はめっき処理に先立って行われることが好ましい。
(電解めっき)
本発明において電解めっきは、未露光部に金属沈積が生じない緩やかな電解液条件(安定性が高い)で行うことができる点で無電解めっきよりも好ましく、さらに5μm/hr以上の高速めっきも可能である。めっき処理において、めっき液の安定性を高める観点からは、例えば、EDTAなどの配位子など種々の添加剤を用いることができる。
電解めっきに用いられてめっきされる金属種は、無電解めっきの項で述べた金属種と同じであり、好ましい金属種も同じである。特に銅及び銀めっきが好ましい。
電解液は、めっきされる金属の金属化合物を必要濃度に溶解できて、電解に適した十分に低い液抵抗(電極である現像銀との接触抵抗、電解液の通電抵抗の合計)が確保できる限り、いずれでも用いることができる。したがって、用いられる金属化合物に応じて適宜選択されるが、一般にめっき対象金属が銅、銀などであるので、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸の水溶液が好ましい。また、銀、銅がアンミン錯体やヒドロキシアミノ錯体を形成し易いことから水酸化アンモニウム(アンモニア水)、アルカノールアミン水溶液、好ましくはエタノールアミン、ジェエタノールアミンあるいはトリエタノールアミン水溶液も好ましい。
これらの電解液の酸、水酸化アンモニウム、アルカノールアミン類の使用濃度は、0.1モル/L〜10モル/L、好ましくは0.2モル/L〜8モル/L〜、特に好ましくは0.25モル/L〜5モル/Lである。また、めっき金属の金属化合物0.05モル/L〜10モル/L、好ましくは0.07モル/L〜5モル/L、特に好ましくは0.1モル/L〜3モル/Lである。
電解めっきにおけるめっき液の温度は10℃〜60℃が好ましく、20℃〜50℃がより好ましく、25℃〜45℃であるのが特に好ましい。電荷時間は、目的の金属被覆厚みが得られるように適宜調節できるが、10秒〜600秒、好ましくは20秒〜450秒、特に好ましくは30秒〜300秒となるように印加電圧(許容範囲内で)、液組成や温度を調整する。
好ましい金属化合物とめっき液組成の例としては、例えば銅めっきの場合は、硫酸銅五水塩を30〜300g/L、硫酸を30〜300g/Lを含むものを用いることができる。銀めっきの場合は、硝酸銀を30〜300g/L含む中性乃至酸性水溶液やアンモニア性アルカリ水溶液を用いることができる。なお、ニッケルめっきの場合は、硫酸ニッケル、塩酸ニッケル、銀めっきの場合はシアン化銀などを含むものを用いることができる。また、めっき液には、界面活性剤、硫黄化合物、窒素化合物等の添加剤を添加しても良い。
本発明における電解めっきの態様の典型例を以下によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係るめっき処理を好適に実施するためのめっき装置は、公知の装置と同様に、フィルムが巻き付けられた繰り出し用リール(図示せず)から順次繰り出されたフィルムを電解めっき槽に送り込み、めっき後のフィルムを巻取り用リール(図示せず)に順次巻き取る構成となっていることが好ましい。
図1に本発明に係るめっき処理に好適に用いられる電解めっき槽の一例を示す。この図1に示す電解めっき装置10は、長尺のフィルム16に連続してめっき処理を施すことができるものである。矢印はフィルム16の搬送方向を示している。電解めっき装置10は、めっき液15を貯留する電解槽11を備えている。電解槽11内には、一対のアノード板13が平行に配設され、アノード板13の内側には、一対のガイドローラ14がアノード板13と平行に回動可能に配設されている。ガイドローラ14は垂直方向に移動可能で、これによりフィルム16のめっき処理時間を調整できる。
電解槽11の上方には、フィルム16を電解槽11に案内するとともにフィルム16に電流を供給する給電ローラ(カソード)12a,12bがそれぞれ一対回転自在に配設されている。また、電解槽11の上方には、出口側の給電ローラ12bの下方に液切りローラ17が回動可能に配設されている。
アノード板13は、電線(図示せず)を介して電源装置(図示せず)のプラス端子に接続され、給電ローラ12a,12bは、電源装置(図示せず)のマイナス端子に接続されている。
フィルム16を繰り出しリール(図示せず)に巻かれた状態でセットして、フィルム16のめっきを形成すべき側の面が給電ローラ12a,12bと接触するように、フィルム16を搬送ローラ(図示せず)に巻き掛ける。
アノード板13および給電ローラ12a,12bに電圧を印加し、フィルム16を給電ローラ12a,12bに接触させながら搬送する。フィルム16を電解槽11に導入し、めっき液15に浸せきして銅めっきを形成する。液切りローラ17間を通過する際に、フィルム16に付着しためっき液15拭い取り、電解槽11に回収する。これを複数の電解めっき槽で繰り返し、最後に水洗した後、巻取りリール(図示せず)に巻き取る。
フィルム16の搬送速度は、1〜30m/分の範囲で設定される。フィルム16の搬送速度は、好ましくは、1〜10m/分の範囲であり、より好ましくは、2〜5m/分の範囲である。
電解めっき槽の数は、特に限定されないが、2〜10槽が好ましく、3〜6槽がより好ましい。
印加電圧は、0.5〜100Vの範囲であることが好ましく、1〜60Vの範囲であることがより好ましい。
給電ローラ12a,12bはフィルム全面(接触している面積のうちの実質的に電気的に接触している部分が80%以上)と接触していることが好ましい。
上記めっき処理によりめっきされる導電性金属部の厚さは、ディスプレイの電磁波シールド材の用途としては、薄いほどディスプレイの視野角が広がるため好ましい。さらに、導電性配線材料の用途としては、高密度化の要請から薄膜化が要求される。このような観点から、めっきされた導電性金属からなる層の厚さは、9μm未満であることが好ましく、0.1μm以上5μm未満であることがより好ましく、0.1μm以上3μm未満であることがさらに好ましい。
図2に本発明の導電性膜の一例を示す。図2に示す導電性膜21は支持体23上に導電性機能層22を有する。導電性機能層22はハロゲン化銀乳剤層28を含有している。例えば、露光部24に露光・現像処理等を行うことにより、金属銀部を形成することができ、さらに導電性を高めるため、電解めっきを施すことにより導電性金属部を形成することができる。なお、一例として、電解めっき処理部26にCuを電解めっきし、電解めっき処理部27にNiを電解めっきする態様などがある。未露光部25は光透過性部(一例としては、ゼラチンからなるもの)となる。
[酸化処理]
本発明では、現像処理後の金属銀部、並びにめっき処理後に形成される導電性金属部には、好ましくは酸化処理が行われる。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
酸化処理としては、例えば、Fe(III)イオン処理など、種々の酸化剤を用いた公知の方法が挙げられる。酸化処理は、銀塩含有層の露光及び現像処理後、あるいはめっき処
理後に行うことができ、さらに現像処理後とめっき処理後のそれぞれで行ってもよい。
本発明では、さらに露光及び現像処理後の金属銀部を、Pdを含有する溶液で処理することもできる。Pdは、2価のパラジウムイオンであっても金属パラジウムであってもよい。この処理により無電解めっき速度を促進させることができる。
[導電性金属部]
次に、本発明における導電性金属部について説明する。
本発明では、導電性金属部は、前述した露光及び現像処理により形成された金属銀部をめっき処理することにより前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させることにより形成される。
金属銀は、露光部に形成させる場合と、感光材料としてオートポジ材料を用いたり、現像処理に反転現像を用いるなどによって未露光部に形成させると場合がある。本発明においては、透明性を高めるために露光部に金属銀を形成させることが好ましい。
前記金属部に担持させる導電性金属としては、上述した銀、銅のほか、アルミニウム、ニッケル、鉄、金、コバルト、スズ、ステンレス、タングステン、クロム、チタン、パラジウム、白金、マンガン、亜鉛、ロジウムなどの金属、又はこれらを組み合わせた合金の粒子を挙げることができる。導電性、価格等の観点から導電性金属は、銅、アルミニウム又はニッケルの粒子であることが好ましい。また、磁場シールド性を付与する場合、導電性金属として常磁性金属を用いることが好ましい。
上記導電性金属部において、コントラストを高くし、かつ導電性金属部が経時的に酸化され退色されるのを防止する観点からは、導電性金属部に含まれる導電性金属は銅であることが好ましく、少なくともその表面が黒化処理されたものであることがさらに好ましい。黒化処理は、プリント配線板分野で行われている方法を用いて行うことができる。例えば、亜塩素酸ナトリウム(31g/l)、水酸化ナトリウム(15g/l)、リン酸三ナトリウム(12g/l)の水溶液中で、95℃で2分間処理することにより黒化処理を行うことができる。
上記導電性金属部は、該導電性金属部に含まれる金属の全質量に対して、銀を50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがさらに好ましい。銀を50質量%以上含有すれば、めっき処理に要する時間を短縮し、生産性を向上させ、かつ低コストとすることができる。
さらに、導電性金属部を形成する導電性金属粒子として銅及びパラジウムが用いられる場合、銀、銅及びパラジウムの合計の質量が導電性金属部に含まれる金属の全質量に対して80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明における導電性金属部は、導電性金属粒子を担持するため良好な導電性が得られる。このため、本発明の電磁波シールド膜(導電性金属部)の表面抵抗値は、103Ω/sq以下であることが好ましく、2.5Ω/sq以下であることがより好ましく、1.5Ω/sq以下であることがさらに好ましい。
本発明の導電性金属部は、透光性電磁波シールド材料としての用途である場合、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形などの(正)n角形、円、楕円、星形などを組み合わせた幾何学図形であることが好ましく、これらの幾何学図形からなるメッシュ状であることがさらに好ましい。EMIシールド性の観点からは三角形の形状が最も有効であるが、可視光透過性の観点からは同一のライン幅なら(正)n角形のn数が大きいほど開口率が上がり可視光透過性が大きくなるので有利である。
なお、導電性配線材料の用途である場合、前記導電性金属部の形状は特に限定されず、目的に応じて任意の形状を適宜決定することができる。
透光性電磁波シールド材料の用途において、上記導電性金属部の線幅は40μm以下、線間隔は50μm以上であることが好ましい。また、導電性金属部は、アース接続などの目的においては、線幅は20μmより広い部分を有していてもよい。また画像を目立たせなくする観点からは、導電性金属部の線幅は40μm未満であることが好ましく、35μm未満であることがより好ましく、30μm未満であることがさらに好ましく、25μm未満であることが最も好ましい。
本発明における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、メッシュをなす細線のない部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅10μm、ピッチ200μmの正方形の格子状メッシュの開口率は、90%である。
[光透過性部]
本発明における「光透過性部」とは、電磁波シールド膜のうち導電性金属部以外の透明性を有する部分を意味する。光透過性部における透過率は、前述のとおり、支持体の光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
光透過性部は、透過性を向上させる観点から実質的に物理現像核を有しないことが好ましい。本発明は、従来の銀錯塩拡散転写法とは異なり、未露光のハロゲン化銀を溶解し、可溶性銀錯化合物に変換させた後、拡散させる必要がないため、光透過性部には物理現像核を実質的に有しないことが好ましい。
ここに、「実質的に物理現像核を有しない」とは、光透過性部における物理現像核の存在率が0〜5%の範囲であることをいう。
本発明における光透過性部は、前記銀塩含有層を露光及び現像処理することにより、金属銀部と共に形成される。光透過性部は、透過性を向上させる観点から、前記現像処理後、さらには物理処理又はめっき処理後に酸化処理を行うことが好ましい。
光透過性部の乾燥膜厚は2.0μm以下であることが好ましい。また、光透過性部は水溶性ポリマーからなることが好ましい。
[電磁波シールド膜の層構成]
本発明の電磁波シールド膜における支持体の厚さは、5〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。5〜200μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、かつ取り扱いも容易である。
めっき処理前の支持体上に設けられる金属銀部の厚さは、支持体上に塗布される銀塩含有層用塗料の塗布厚みに応じて適宜決定することができる。金属銀部の厚さは、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、0.01〜9μmであることがさらに好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。また、金属銀部はパターン状であることが好ましい。
導電性金属部の厚さは、ディスプレイの電磁波シールド材の用途としては、薄いほどディスプレイの視野角が広がるため好ましい。さらに、導電性配線材料の用途としては、高密度化の要請から薄膜化が要求される。このような観点から、導電性金属部に担持された導電性金属からなる層の厚さは、9μm未満であることが好ましく、0.1μm以上5μm未満であることがより好ましく、0.1μm以上3μm未満であることがさらに好ましい。
本発明では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの金属銀部を形成し、さらにめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する電磁波シールド膜であっても容易に形成することができる。
なお、従来のエッチングを用いた方法では、金属薄膜の大部分をエッチングで除去、廃棄する必要があったが、本発明では必要な量だけの導電性金属を含むパターンを支持体上に設けることができるため、必要最低限の金属量だけを用いればよく、製造コストの削減及び金属廃棄物の量の削減という両面から利点がある。
[電磁波シールド膜以外の機能性膜]
本発明の電磁波シールド膜は、必要に応じて、別途、機能性を有する機能層と組合わせて用いられる。この機能層は、用途ごとに種々の仕様とすることができる。例えば、ディスプレイ用電磁波シールド材用途としては、屈折率や膜厚を調整した反射防止機能を付与した反射防止層や、ノングレアー層またはアンチグレアー層(共にぎらつき防止機能を有する)、近赤外線を吸収する化合物や金属からなる近赤外線吸収層、特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層、指紋などの汚れを除去しやすい機能を有した防汚層、傷のつき難いハードコート層、衝撃吸収機能を有する層、ガラス破損時のガラス飛散防止機能を有する層などを設けることができる。これらの機能層は、銀塩含有層と支持体とを挟んで反対側の面に設けてもよく、さらに同一面側に設けてもよい。
これらの機能性膜はPDPに直接貼合してもよく、プラズマディスプレイパネル本体とは別に、ガラス板やアクリル樹脂板などの透明基板に貼合してもよい。これらの機能性膜を光学フィルター(または単にフィルター)と呼ぶ。
反射防止機能を付与した反射防止層は、外光の反射を抑えてコントラストの低下を抑えるために、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、硫化物等の無機物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法等で単層あるいは多層に積層させる方法、アクリル樹脂、フッ素樹脂等の屈折率の異なる樹脂を単層あるいは多層に積層させる方法等がある。また、反射防止処理を施したフィルムを該フィルター上に張り付けることもできる。また必要であればノングレアー層またはアンチグレアー層を設けることもできる。ノングレアー層やアンチグレアー層は、シリカ、メラミン、アクリル等の微粉体をインキ化して、表面にコーティングする方法等を用いることができる。インキの硬化は熱硬化あるいは光硬化等を用いることができる。また、ノングレア処理またはアンチグレア処理をしたフィルムを該フィルター上に張り付けることもできる。更に必要で有ればハードコート層を設けることもできる。
近赤外線吸収層は、金属錯体化合物等の近赤外線吸収色素を含有する層、または、銀スパッタ層等である。ここで銀スパッタ層とは、誘電体層と金属層を基材上に交互にスパッタリング等で積層させることで、近赤外線、遠赤外線から電磁波まで1000nm以上の光をカットすることもできる。誘電体層としては酸化インジウム、酸化亜鉛等の透明な金属酸化物等であり、金属層としては銀あるいは銀−パラジウム合金が一般的であり、通常、誘電体層よりはじまり3層、5層、7層あるいは11層程度積層する。
特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層は、PDPが青色を発光する蛍光体が青色以外に僅かであるが赤色を発光する特性を有しているため、青色に表示されるべき部分が紫がかった色で表示されるという問題があり、この対策として発色光の補正を行う層であり、595nm付近の光を吸収する色素を含有する。
本発明の製造方法で得られる電磁波シールド膜は、良好な電磁波シールド性及び透過性を有するため、透過性電磁波シールド材料として用いることができる。さらに、回路配線などの各種の導電性配線材料として用いることができる。特に本発明の電磁波シールド膜は、CRT(陰極線管)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、液晶、EL(エレクトロルミネッセンス)などのディスプレイ前面、電子レンジ、電子機器、プリント配線板など、特にプラズマディスプレイパネルで用いられる電磁波シールド膜として好適に用いることができる。
[その他の導電性膜の構成要素]
電磁波シールド膜や導電性膜で代表される本発明の導電性膜について、さらに上記した以外の付帯構成要素について述べる。
(1)接着剤層
電磁波シールド膜や導電性膜(例えば透明電極)が、光学フィルターや、液晶表示板、プラズマディスプレーパネル、その他の画像表示グラットパネル、あるいはCCDに代表される撮像用半導体集積回路などに組み込まれる際には、接着層を介して接合される。
本発明で用いる接着剤の屈折率は1.40〜1.70のものを使用することが好ましい。これは本発明で使用するプラスチックフィルム等の透明基材と接着剤の屈折率との関係で、その差を小さくして、可視光透過率が低下するのを防ぐためであり、屈折率が1.40〜1.70であると可視光透過率の低下が少なく良好である。
本発明で用いられる接着剤は、また、加熱または加圧により流動する接着剤であることが好ましく、特に、200℃以下の加熱または1Kgf/cm2以上の加圧により流動性を示す接着剤であることが好ましい。このような接着剤を用いることにより、この接着剤の層に導電層が埋設されている本発明おける電磁波シールド性接着フィルムを被着体であるディスプレイやプラスチック板に接着剤層を流動させて接着することができる。流動できるので電磁波シールド性接着フィルムを被着体にラミネートや加圧成形、特に加圧成形により、また曲面、複雑形状を有する被着体にも容易に接着することができる。このためには、接着剤の軟化温度が200℃以下であると好ましい。電磁波シールド性接着フィルムの用途から、使用される環境が通常80℃未満であるので接着剤層の軟化温度は、80℃以上が好ましく、加工性から80〜120℃が最も好ましい。軟化温度は、粘度が1012ポイズ以下(1013Pa・s以下)になる温度のことで、通常その温度では1〜10秒程度の時間のうちに流動が認められる。
上記のような加熱または加圧により流動する接着剤としては、主に以下に示す熱可塑性樹脂が代表的なものとしてあげられる。たとえば天然ゴム(屈折率n=1.52)、ポリイソプレン(n=1.521)、ポリ−1,2−ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.505〜1.51)、ポリブテン(n=1.513)、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン(n=1.50)、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジエン(n=1.506)、ポリ−1,3−ブタジエン(n=1.515)などの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン(n=1.456)、ポリオキシプロピレン(n=1.450)、ポリビニルエチルエーテル(n=1.454)、ポリビニルヘキシルエーテル(n=1.459)、ポリビニルブチルエーテル(n=1.456)などのポリエーテル類、ポリビニルアセテート(n=1.467)、ポリビニルプロピオネート(n=1.467)などのポリエステル類、ポリウレタン(n=1.5〜1.6)、エチルセルロース(n=1.479)、ポリ塩化ビニル(n=1.54〜1.55)、ポリアクリロニトリル(n=1.52)、ポリメタクリロニトリル(n=1.52)、ポリスルホン(n=1.633)、ポリスルフィド(n=1.6)、フェノキシ樹脂(n=1.5〜1.6)、ポリエチルアクリレート(n=1.469)、ポリブチルアクリレート(n=1.466)、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート(n=1.463)、ポリ−t−ブチルアクリレート(n=1.464)、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート(n=1.465)、ポリオキシカルボニルテトラメチレン(n=1.465)、ホ゜リメチルアクリレート(n=1.472〜1.480)、ポリイソプロピルメタクリレート(n=1.473)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.474)、ポリテトラデシルメタクリレート(n=1.475)、ポリ−n−プロピルメタクリレート(n=1.484)、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.484)、ポリエチルメタクリレート(n=1.485)、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート(n=1.487)、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート(n=1.489)、ポリメチルメタクリレート(n=1.489)などのポリ(メタ)アクリル酸エステルが使用可能である。これらのアクリルポリマーは必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使用することも可能である。
さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共重合樹脂としてはエポキシアクリレート(n=1.48〜1.60)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテルアクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレート(n=1.48〜1.54)なども使うこともできる。特に接着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマーは接着性向上に有効である。これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。これらの接着剤となるポリマーの軟化温度は、取扱い性から200℃以下が好適で、150℃以下がさらに好ましい。電磁波シールド性接着フィルムの用途から、使用される環境が通常80℃以下であるので接着剤層の軟化温度は、加工性から80〜120℃が最も好ましい。一方、ポリマーの質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したもの、以下同様)は、500以上のものを使用することが好ましい。分子量が500以下では接着剤組成物の凝集力が低すぎるために被着体への密着性が低下するおそれがある。本発明で使用する接着剤には必要に応じて、希釈剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤や粘着付与剤などの添加剤を配合してもよい。接着剤の層の厚さは、 10〜80μmであることが好ましく、導電層の厚さ以上で20〜50μmとすることが特に好ましい。
また、幾何学図形を被覆する接着剤は、透明プラスチック基材との屈折率の差が0.14以下とされる。また透明プラスチック基材が接着層を介して導電性材料と積層されている場合においては、接着層と幾何学図形を被覆する接着剤との屈折率の差が0.14以下とされる。これは、透明プラスチック基材と接着剤の屈折率、または接着剤と接着層の屈折率が異なると可視光透過率が低下するためであり、屈折率の差が0.14以下であると可視光透過率の低下が少なく良好となる。そのような要件を満たす接着剤の材料としては、透明プラスチック基材がポリエチレンテレフタレート(n=1.575;屈折率)の場合、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリアルコール・ポリグリコール型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂、脂環式やハロゲン化ビスフェノールなどのエポキシ樹脂(いずれも屈折率が1.55〜1.60)を使うことができる。エポキシ樹脂以外では天然ゴム(n=1.52)、ポリイソプレン(n=1.521)、ポリ1,2−ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.505〜1.51)、ポリブテン(n=1.5125)、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン(n=1.50)、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジエン(n=1.506)、ポリ−1,3−ブタジエン(n=1.515)などの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン(n=1.4563)、ポリオキシプロピレン(n=1.4495)、ポリビニルエチルエーテル(n=1.454)、ポリビニルヘキシルエーテル(n=1.4591)、ポリビニルブチルエーテル(n=1.4563)などのポリエーテル類、ポリビニルアセテート(n=1.4665)、ポリビニルプロピオネート(n=1.4665)などのポリエステル類、ポリウレタン(n=1.5〜1.6)、エチルセルロース(n=1.479)、ポリ塩化ビニル(n=1.54〜1.55)、ポリアクリロニトリル(n=1.52)、ポリメタクリロニトリル(n=1.52)、ポリスルホン(n=1.633)、ポリスルフィド(n=1.6)、フェノキシ樹脂(n=1.5〜1.6)などを挙げることができる。これらは、好適な可視光透過率を発現する。
一方、透明プラスチック基材がアクリル樹脂の場合、上記の樹脂以外に、ポリエチルアクリレート(n=1.4685)、ポリブチルアクリレート(n=1.466)、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート(n=1.463)、ポリ−t-ブチルアクリレート(n=1.4638)、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート(n=1.465)、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート(n=1.465)、ポリメチルアクリレート(n=1.472〜1.480)、ポリイソプロピルメタクリレート(n=1.4728)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.474)、ポリテトラデシルメタクリレート(n=1.4746)、ポリ−n−プロピルメタクリレート(n=1.484)、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.484)、ポリエチルメタクリレート(n=1.485)、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート(n=1.4868)、ポリテトラカルバニルメタクリレート(n=1.4889)、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート(n=1.4889)、ポリメチルメタクリレート(n=1.4893)などのポリ(メタ)アクリル酸エステルが使用可能である。これらのアクリルポリマーは必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使うこともできる。
さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共重合樹脂としてはエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレートなども使うこともできる。特に接着性の点から、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートは分子内に水酸基を有するため接着性向上に有効であり、これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。接着剤の主成分となるポリマーの質量平均分子量は、1,000以上のものが使われる。分子量が1,000以下だと組成物の凝集力が低すぎるために被着体への密着性が低下する。
接着剤の硬化剤としてはトリエチレンテトラミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどのアミン類、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ドデシルコハク酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの酸無水物、ジアミノジフェニルスルホン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド、エチルメチルイミダゾールなどを使うことができる。 これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。これらの架橋剤の添加量は上記ポリマー100質量部に対して0.1〜50質量部、好ましくは1〜30質量部の範囲で選択するのがよい。この添加量が、0.1質量部未満であると硬化が不十分となり、50質量部を越えると過剰架橋となり、接着性に悪影響を与える場合がある。本発明で使用する接着剤の樹脂組成物には必要に応じて、希釈剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤や粘着付与剤などの添加剤を配合してもよい。そして、この接着剤の樹脂組成物は、透明プラスチック基材の表面に導電性材料で描かれた幾何学図形を設けた構成材料の基材の一部または全面を被覆するために、塗布され、溶媒乾燥、加熱硬化工程をへたのち、本発明に係る接着フィルムにする。上記で得られた電磁波シ−ルド性と透明性を有する接着フィルムは、該接着フィルムの接着剤によりCRT、PDP、液晶、ELなどのディスプレイに直接貼り付け使用したり、アクリル板、ガラス板等の板やシートに貼り付けてディスプレイに使用する。また、この接着フィルムは、電磁波を発生する測定装置、測定機器や製造装置の内部をのぞくための窓や筐体に上記と同様にして使用する。さらに、電波塔や高圧線等により電磁波障害を受ける恐れのある建造物の窓や自動車の窓等に設ける。そして、導電性材料で描かれた幾何学図形にはアース線を設けることが好ましい。
透明プラスチック基材上の透光性部は密着性向上のために意図的に凹凸を有していたり、導電性材料の背面形状を転写したりするためにその表面で光が散乱され、透明性が損なわれるが、その凹凸面に透明プラスチック基材と屈折率が近い樹脂が平滑に塗布されると乱反射が最小限に押さえられ、透明性が発現するようになる。さらに透明プラスチック基材上の導電性材料で描写された幾何学図形は、ライン幅が非常に小さいため肉眼で視認されない。またピッチも十分に大きいため見掛け上透明性を発現すると考えられる。一方、遮蔽すべき電磁波の波長に比べて、幾何学図形のピッチは十分に小さいため、優れたシールド性を発現すると考えられる。
特開2003−188576号公報に示すように、本発明の電磁波シールド膜と他の基材とを貼り合わせるときは、透明基材フィルムとして、熱融着性の高いエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、もしくはアイオノマー樹脂等の熱融着性樹脂のフィルムを単独、または他の樹脂フィルムと積層して使用するときは、接着剤層を設けずに行なうことも可能であるが、通常は、接着剤層を用いたドライラミネート法等によって積層を行なう。接着剤層を構成する接着剤としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、もしくはエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の接着剤を挙げることができ、これらの他、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等)を用いることもできる。
なお、上記公報の電磁波遮蔽用シートとは、本発明において「電磁波シールド膜」と記述している機能層を指す。
一般的には、ディスプレイの表面はガラス製であるので、粘着剤を用いて貼り合わせるのは透明プラスチックフィルムとガラス板となり、その接着面に気泡が生じたり剥離が生じたりすると画像が歪む、表示色がディスプレイ本来のものと異なって見える等の問題が発生する。また、気泡および剥離の問題はいずれの場合でも粘着剤がプラスチックフィルムまたはガラス板より剥離することにより発生する。この現象は、プラスチックフィルム側、ガラス板側ともに発生する可能性が有り、より密着力の弱い側で剥離が発生する。従って、高温での粘着剤とプラスチックフィルム、ガラス板との密着力が高いことが必要となる。具体的には、透明プラスチックフィルム及びガラス板と粘着剤層との密着力は80℃において10g/cm以上であることが好ましい。30g/cm以上であることが更に好ましい。ただし、2000g/cmを超えるような粘着剤は貼り合わせ作業が困難と成るために好ましくない場合がある。ただし、かかる問題点が発生しない場合は問題なく使用できる。さらに、この粘着剤の透明プラスチックフィルムと面していない部分に不必要に他の部分に接触しないように合い紙(セパレーター)を設けることも可能である。
粘着剤は透明であるものが好ましい。具体的には全光線透過率が70%以上が好ましく、80%以上が更に好ましく、85〜92%が最も好ましい。さらに、ヘイズが低いことが好ましい。具体的には、0〜3%が好ましく、0〜1.5%が更に好ましい。本発明で用いる粘着剤は、ディスプレイ本来の表示色を変化させないために無色であることが好ましい。ただし、樹脂自体が有色であっても粘着剤の厚みが薄い場合には実質的には無色とみなすことが可能である。また、後述のように意図的に着色を行なう場合も同様にこの範囲ではない。
上記の特性を有する粘着剤としては例えば、アクリル系樹脂、α−オレフィン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル共重合物系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エチレン−ビニルアセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの内、アクリル系樹脂が好ましい。同じ樹脂を用いる場合でも、粘着剤を重合法により合成する際に架橋剤の添加量を下げる、粘着性付与材を加える、分子の末端基を変化させるなどの方法によって、粘着性を向上させることも可能である。また、同じ粘着剤を用いても、粘着剤を貼り合わせる面、すなわち、透明プラスチックフィルムまたはガラス板の表面改質を行なうことにより密着性を向上させることも可能である。このような表面の改質方法としては、コロナ放電処理、プラズマグロー処理等の物理的手法、密着性を向上させるための下地層を形成するなどの方法が挙げられる。
透明性、無色性、ハンドリング性の観点から、粘着剤層の厚みは、5〜50μm程度であることが好ましい。粘着剤層を接着剤で形成する場合は、その厚みは上記範囲内で薄くするとよい。具体的には1〜20μm程度である。ただし、上記のようにディスプレイ自体の表示色を変化させず、透明性も上記の範囲に入っている場合には、厚みが上記範囲を超えてもよい。
(2)剥離可能な保護フィルム
本発明に係る光学フィルターには、剥離可能な保護フィルムを設けることができる。
保護フィルムは、光学フィルターの片側に有していても、両側に有していてもよい。
一般的に光学フィルターは、積層したものの表裏に、さらに、最表面の強化、反射防止性の付与、防汚性の付与等の効果を有するシートを積層して使うものであるので、上記の保護フィルムは、このようなさらなる積層の際には剥離する必要があり、このため、保護フィルムの積層は、いわゆる剥離可能に行なうことが望ましい。
保護フィルムは導電性金属部上に積層した際の剥離強度は5mN/25mm幅〜5N/25mm幅であることが好ましく、より好ましくは10mN/25mm幅〜100mN/25mm幅である。下限未満では、剥離が容易過ぎ、取扱い中や不用意な接触により保護フィルムが剥離する恐れがあり、好ましくなく、また上限を超えると、剥離のために大きな力を要する上、剥離の際に、メッシュ状の導電性金属部が透明基材フィルム(もしくは接着剤層から)剥離する恐れがあり、やはり好ましくない。
透明基材フィルム側に積層する保護フィルムは、エッチング条件に耐える、例えば、50℃程度のエッチング液、特にそのアルカリ成分によって数分間の浸漬中、侵食されないものであることが好ましく、あるいは、ドライエッチングの場合には100℃程度の温度条件に耐えるものであることが望ましい。また、感光性樹脂層を積層する際に、積層体をディップコーティング(浸漬コーティング)するときは、コーティング液が積層体の反対面にも付着するので、エッチング等の工程の際に、感光性樹脂が剥離してエッチング液の中を漂うことがないよう、感光性樹脂の密着力が得られるものであることが好ましいし、エッチング液を用いるときは、塩化鉄や塩化銅等を含むエッチング液による汚染に耐える耐久性、もしくは、アルカリ液等のレジスト除去液による侵食もしくは汚染等に耐える耐久性を有するものであることが好ましい。
上記の各点を満足させるために、保護フィルムを構成するフィルムとしては、ポリオレフィン系樹脂であるポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、もしくはアクリル樹脂等の樹脂フィルムを用いることが好ましく、また、上記した観点により、少なくとも、保護フィルムの、積層体に適用した際に最表面となる側の面にコロナ放電処理を施しておくか、易接着層を積層しておくことが好ましい。
また、保護フィルムを構成する粘着剤としては、アクリル酸エステル系、ゴム系、もしくはシリコーン系のものを使用することができる。
上記した保護フィルム用のフィルムの素材、および粘着剤の素材は、導電性金属部側に適用する保護フィルムについても、そのまま適用できるので、両保護フィルムとしては、異なるものを使用してもよいが、同じ物を、両保護フィルムとすることができる。
(3)黒化処理
本発明に係る電磁波シールド膜は、黒化処理を施したものであってもよい。
黒化処理については、例えば特開2003−188576号公報に開示されている。黒化処理により形成された黒化層は、防錆効果に加え、反射防止性を付与することができる。黒化層は、例えば、Co−Cu合金めっきによって形成され得るものであり、導電性金属部上に黒化層を設けることにより、その表面の反射を防止することができる。さらにその上に防錆処理としてクロメート処理をしてもよい。クロメート処理は、クロム酸もしくは重クロム酸塩を主成分とする溶液中に浸漬し、乾燥させて防錆被膜を形成するもので、必要に応じ、導電性金属部の片面もしくは両面に行なうことができるが、市販のクロメート処理された銅箔等を利用してもよい。
また、黒化層を含む構成の別の例としては、特開平11−266095号公報に示した構成であってもよい。すなわち、導電性金属部上に第1の黒化層を設け、この第1の黒化層上に上記の電解めっきを施した後、さらにこのめっき上に第2の黒化層を有する構成である。第1の黒化層上に電解めっきを行うには、少なくとも第1の黒化層が導電性である必要がある。上記の導電性黒化層は、一般に、導電性金属化合物、例えば、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)等の化合物を使用して形成することができ、あるいは、電着性イオン性高分子材料、例えば、電着塗装材料等を使用して形成することができる。
黒化層を設ける方法は公知である(例えば、特開平11−266095号公報の図5参照)。例えば、黒化材料を含有する電解液中に、導電性金属部を形成した透明支持体を浸漬し、電気化学的なめっき法でめっきすればよい。なお、本発明において、上記の黒化材料を含有する電解液の浴(黒色めっき浴)は、硫酸ニッケル塩を主成分とする黒色めっき浴を使用することができ、更に、市販の黒色めっき浴も同様に使用することができ、具体的には、例えば、株式会社シミズ製の黒色めっき浴(商品名、ノ−ブロイSNC、Sn−Ni合金系)、日本化学産業株式会社製の黒色めっき浴(商品名、ニッカブラック、Sn−Ni合金系)、株式会社金属化学工業製の黒色めっき浴(商品名、エボニ−クロム85シリ−ズ、Cr系)等を使用することができる。また、本発明においては、上記の黒色めっき浴としては、Zn系、Cu系、その他等の種々の黒色めっき浴を使用することができる。次に、前記の導電性めっきを施し、導電性メッシュパターンを形成した後、この上に第2の黒化層を形成する。例えば、電界めっきの金属がCuの場合、硫化水素(H2 S)液処理して、Cuの表面を硫化銅(CuS)として黒化し、第2の黒化層が形成される。なお、本発明において、第2の黒化層のための黒化処理剤としては、硫化物系化合物を用いて容易に製造でき、更にまた、市販品も多種類の処理剤があり、例えば、商品名・コパ−ブラックCuO、同CuS、セレン系のコパ−ブラックNo.65等(アイソレ−ト化学研究所製)、商品名・エボノ−ルCスペシャル(メルテックス株式会社製)等を使用することができる。
・複合機能層
次に機能性フィルムの機能について説明する。
ディスプレイは、照明器具等の映り込みによって表示画面が見づらくなってしまうので、機能性フィルム(C)は、外光反射を抑制するための反射防止(AR:アンチリフレクション)性、または、鏡像の映り込みを防止する防眩(AG:アンチグレア)性、またはその両特性を備えた反射防止防眩(ARAG)性のいずれかの機能を有していることが必要である。ディスプレイ用フィルタ表面の可視光線反射率が低いと、映り込み防止だけではなく、コントラスト等を向上させることができる。
反射防止性を有する機能性フィルムは、反射防止膜を有し、具体的には、可視域において屈折率が1.5以下、好適には1.4以下と低い、フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を例えば1/4波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、窒化物、硫化物等の無機化合物またはシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を2層以上多層積層したものがあるが、これらに限定されるものではない。反射防止性を有する機能性フィルム(C)の表面の可視光線反射率は2%以下、好ましくは1.3%以下、さらに好ましくは0.8%以下である。
防眩性を有する機能性フィルムは、0.1μm〜10μm程度の微少な凹凸の表面状態を有する可視光線に対して透明な防眩膜を有している。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂に、シリカ、有機珪素化合物、メラミン、アクリル等の無機化合物または有機化合物の粒子を分散させインキ化したものを、基体上に塗布、硬化させる。粒子の平均粒径は、1〜40μmである。または、上記の熱硬化型または光硬化型樹脂を基体に塗布し、所望のグロス値または表面状態を有する型を押しつけ硬化することによっても防眩性を得ることができるが、必ずしもこれら方法に限定されるものではない。防眩性を有する機能性フィルムのヘイズは0.5%以上20%以下であり、好ましくは1%以上10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩性が不十分であり、ヘイズが大きすぎると透過像鮮明度が低くなる傾向がある。
ディスプレイ用フィルタに耐擦傷性を付加させるために、機能性フィルムがハードコート性を有していることも好適である。ハードコート膜としてはアクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形成方法も特に限定されない。これら膜の厚さは、1〜50μm程度である。ハードコート性を有する機能性フィルムの表面硬度は、JIS(K―5400)に従った鉛筆硬度が少なくともH、好ましくは2H、さらに好ましくは3H以上である。ハードコート膜上に反射防止膜および/または防眩膜を形成すると、耐擦傷性・反射防止性および/または防眩性を有する機能性フィルムが得られ好適である。
ディスプレイ用フィルタには、静電気帯電によりホコリが付着しやすく、また、人体が接触したときに放電して電気ショックを受けることがあるため、帯電防止処理が必要とされる場合がある。従って、静電気防止能を付与するために、機能性フィルムが導電性を有していても良い。この場合に必要とされる導電性は面抵抗で1011Ω/□程度以下であれば良い。導電性を付与する方法としてはフィルムに帯電防止剤を含有させる方法や導電層(帯電防止層)を形成する方法が挙げられる。帯電防止剤として具体的には、商品名ペレスタット(三洋化成社製)、商品名エレクトロスリッパー(花王社製)等が挙げられる。導電層としてはITOをはじめとする公知の透明導電膜やITO超微粒子や酸化スズ超微粒子をはじめとする導電性超微粒子を分散させた導電膜が挙げられる。ハードコート膜や反射防止膜、防眩膜が、導電膜を有していたり導電性微粒子を含有していると好適である。
機能性フィルム(C)表面が防汚性を有していると、指紋等の汚れ防止や汚れが付いたときに簡単に取り除くことができるので好適である。防汚性を有するものとしては、水および/または油脂に対して非濡性を有するものであって、例えばフッ素化合物やケイ素化合物が挙げられる。フッ素系防汚剤として具体的には商品名オプツール(ダイキン社製)等が挙げられ、ケイ素化合物としては、商品名タカタクォンタム(日本油脂社製)等が挙げられる。反射防止膜に、これら防汚性のある層を用いると、防汚性を有する反射防止膜が得られて好適である。
機能性フィルムは、後述する色素や高分子フィルムの劣化等を防ぐ目的で紫外線カット性を有していることが好ましい。紫外線カット性を有する機能性フィルムは、後述する上記の高分子フィルムに紫外線吸収剤を含有させることや紫外線吸収膜を付与する方法が挙げられる。
ディスプレイ用フィルタは、常温常湿よりも高い温度・湿度環境化で使用されると、フィルムを透過した水分により後述する色素が劣化したり、貼り合せに用いる粘着材中や貼り合せ界面に水分が凝集して曇ったり、水分による影響で粘着材中の粘着付与剤等が相分離して析出して曇ったりすることがあるので、機能性フィルムがガスバリア性を有していると好ましい。このような色素劣化や曇りを防ぐ為には、色素を含有する層や粘着材層への水分の侵入を防ぐことが肝要であり、機能性フィルムの水蒸気透過度が10g/m・day以下、好ましくは5g/m・day以下であることが好適である。
高分子フィルム、導電メッシュ層、機能性フィルムおよび必要に応じて後述する透明成型物は、可視光線に対して透明な任意の粘着材または接着剤を介して貼り合わされる。粘着材または接着剤として具体的にはアクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等が挙げられ、実用上の接着強度があればシート状のものでも液状のものでもよい。粘着材は感圧型接着剤でシート状のものが好適に使用できる。シート状粘着材貼り付け後または接着材塗布後に各部材をラミネートすることによって貼り合わせを行う。液状のものは塗布、貼り合わせ後に室温放置または加熱により硬化する接着剤である。塗布方法としては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法等が挙げられるが、接着剤の種類、粘度、塗布量等から考慮、選定される。層の厚みは、特に限定されるものではないが、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜30μmである。粘着材層を形成される面、貼り合わせられる面は、予め易接着コートまたはコロナ放電処理などの易接着処理により濡れ性を向上させておくことが好適である。本発明においては、前述の可視光線に対して透明な粘着材または接着剤を透光性粘着材と呼ぶ。
本発明においては、導電性メッシュ層上に機能性フィルムを貼り合わせる際、特に透光性粘着材層を用いる。透光性粘着材層に用いる透光性粘着材の具体例としては前記と同じだが、その厚さが導電性メッシュ層の凹部を十分埋め込むことができることが肝要である。導電性メッシュ層の厚さより薄すぎると、埋め込み不十分で間隙が出来て凹部に気泡を噛み込み、濁りのある、透光性の不足したディスプレイ用フィルタとなってしまう。又、厚すぎると粘着材を作製するコストがアップしたり部材のハンドリングが悪くなる等の問題が生じる。導電性メッシュ層の厚さがdμmの時、透光性粘着材の厚さは(d−2)〜(d+30)μmであることが好ましい。
ディスプレイ用フィルタの可視光線透過率は、30〜85%が好ましい。更に好ましくは35〜70%である。30%未満であると輝度が下がりすぎ視認性が悪くなる。また、ディスプレイ用フィルタの可視光線透過率が高すぎると、ディスプレイのコントラストを改善できない。尚、本発明における可視光線透過率は、可視光線領域における透過率の波長依存性からJIS(R−3106)に従って計算されるものである。
また、機能性フィルムを透光性粘着材層を介して導電性メッシュ層上に貼り合せると、凹部に気泡を噛み込み、濁って透光性が不十分になることがあるが、この場合、例えば加圧処理すると、貼り合わせ時に部材間に入り込んだ気体を脱泡または、粘着材に固溶させ、濁りを無くして透光性を向上させることができる。加圧処理は、上記の構成の状態で行っても、本発明のディスプレイ用フィルタの状態で行っても良い。
加圧方法としては、平板間に積層体を挟み込みプレスする方法、ニップロール間を加圧しながら通す方法、加圧容器内に入れて加圧する方法が挙げられるが、特に限定はされない。加圧容器内で加圧する方法は、積層体全体に一様に圧力がかかり加圧のムラが無く、また、一度に複数枚の積層体を処理できるので好適である。加圧容器としてはオートクレーブ装置を用いることが出来る。
加圧条件としては、圧力が高い程、噛み込んだ気泡を無くすことが出来、且つ、処理時間を短くすることが出来るが、積層体の耐圧性、加圧方法の装置上の制限から、0.2MPa〜2MPa程度、好ましくは0.4〜1.3MPaである。また、加圧時間は、加圧条件によって変わり特に限定されないが、長くなりすぎると処理時間がかかりコストアップとなるので、適当な加圧条件において保持時間が6時間以下であることが好ましい。特に加圧容器の場合は、設定圧力に到達後、10分〜3時間程度保持することが好適である。
また、加圧時に同時に加温すると好ましい場合がある。加温することによって、透光性粘着材の流動性が一時的に上がり噛み込んだ気泡を脱泡しやすくなったり、気泡が粘着材中に固溶しやすくなる。加温条件としてはディスプレイ用フィルタを構成する各部材の耐熱性により、室温以上80℃以下程度であるが、特に限定を受けない。
さらにまた、加圧処理、または、加圧加温処理は、ディスプレイ用フィルタを構成する各部材間の貼り合わせ後の密着力を向上させることが出来、好適である。
本発明のディスプレイ用フィルタは、高分子フィルムの導電性メッシュ層が形成されていない他方の主面に透光性粘着材層を設ける。透光性粘着材層に用いる透光性粘着材の具体例は前述の通りであり、特に限定はされない。厚みも、特に限定されるものではないが、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜30μmである。透光性粘着材層を形成される面、貼り合わせられる面は、予め易接着コートまたはコロナ放電処理などの易接着処理により濡れ性を向上させておくことが好適である。
透光性粘着材層上に離型フィルムが形成されていても良い。すなわち、少なくとも機能性フィルム/透光性粘着材層/導電性メッシュ層/高分子フィルム/透光性粘着材層)/離型フィルムである。離型フィルムは、粘着材層と接する高分子フィルムの主面上にシリコーン等をコーティングしたものである。本発明のディスプレイ用フィルタを後述の透明成形物の主面に貼り合せる際、または、ディスプレイ表面、例えばプラズマディスプレイパネルの前面ガラス上に貼り合せる際には、離型フィルムを剥離して透光性粘着材層を露出せしめた後に貼り合わせる。
本発明のディスプレイ用フィルタは、主として各種ディスプレイから発生する電磁波を遮断する目的で用いられる。好ましい例として、プラズマディスプレイ用フィルターが挙げられる。
前述した様にプラズマディスプレイは強度の近赤外線を発生する為、本発明のディスプレイ用フィルタは、実用上問題無いレベルまで電磁波だけでなく近赤外線もカットする必要がある。波長領域800〜1000nmにおける透過率を25%以下、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下とすることが必要である。また、プラズマディスプレイに用いるディスプレイ用フィルタはその透過色がニュートラルグレーまたはブルーグレーであることが要求される。これは、プラズマディスプレイの発光特性およびコントラストを維持または向上させる必要があったり、標準白色より若干高めの色温度の白色が好まれる場合があるからである。さらにまた、カラープラズマディスプレイはその色再現性が不十分と言われており、その原因である蛍光体または放電ガスからの不要発光を選択的に低減することが好ましい。特に赤色表示の発光スペクトルは、波長580nmから700nm程度までにわたる数本の発光ピークを示しており、比較的強い短波長側の発光ピークにより赤色発光がオレンジに近い色純度の良くないものとなってしまう問題がある。これら光学特性は、色素を用いることによって制御できる。つまり、近赤外線カットには近赤外線吸収剤を用い、また、不要発光の低減には不要発光を選択的に吸収する色素を用いて、所望の光学特性とすることが出来、また、ディスプレイ用フィルタの色調も可視領域に適当な吸収のある色素を用いて好適なものとすることができる。
色素を含有させる方法としては、(1)色素を少なくとも1種類以上、透明な樹脂に混錬させた高分子フィルムまたは樹脂板、(2)色素を少なくとも1種類以上、樹脂または樹脂モノマー/有機系溶媒の樹脂濃厚液に分散・溶解させ、キャスティング法により作製した高分子フィルムまたは樹脂板、(3)色素を少なくとも1種類以上を、樹脂バインダーと有機系溶媒に加え、塗料とし、高分子フィルムまたは樹脂板上にコーティングしたもの、(4)色素を少なくとも1種類以上を含有する透明な粘着材、のいずれか一つ以上選択できるが、これらに限定されない。本発明でいう含有とは、基材または塗膜等の層または粘着材の内部に含有されることは勿論、基材または層の表面に塗布した状態を意味する。
上記の色素は可視領域に所望の吸収波長を有する一般の染料または顔料、または、近赤外線吸収剤であって、その種類は特に限定されるものではないが、例えばアントラキノン系、フタロシアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン系、イモニウム系、アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン系、ジベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ローダミン系、キサンテン系、ピロメテン系、ジチオール系化合物、ジイミニウム系化合物等の一般に市販もされている有機色素があげられる。その種類・濃度は、色素の吸収波長・吸収係数、ディスプレイ用フィルタに要求される透過特性・透過率、そして分散させる媒体または塗膜の種類・厚さから決まり、特に限定されるものではない。
プラズマディスプレイパネルはパネル表面の温度が高く、環境の温度が高いときは特にディスプレイ用フィルタの温度も上がるため、色素は、例えば80℃で分解等によって顕著に劣化しない耐熱性を有していることが好適である。また、耐熱性に加えて色素によっては耐光性に乏しいものもある。プラズマディスプレイの発光や外光の紫外線・可視光線による劣化が問題になる場合は、紫外線吸収剤を含む部材や紫外線を透過しない部材を用いることによって、色素の紫外線による劣化を低減すること、紫外線や可視光線による顕著な劣化がない色素を用いることが肝要である。熱、光に加えて、湿度や、これらの複合した環境においても同様である。劣化するとディスプレイ用フィルタの透過特性が変わってしまい、色調が変化したり近赤外線カット能が低下してしまう。さらには、媒体または塗膜中に分散させるために、適宜の溶媒への溶解性や分散性も重要である。また、本発明においては異なる吸収波長を有する色素2種類以上を一つの媒体または塗膜に含有させても良いし、色素を含有する媒体、塗膜を2つ以上有していても良い。
上記の色素を含有する方法(1)〜(4)は、本発明においては、色素を含有する高分子フィルム(A)、色素を含有する機能性フィルム(C)、色素を含有する透光性粘着材(D1)、透光性粘着材(D2)、その他貼り合わせに用いられる色素を含有する透光性の粘着材または接着剤のいずれか1つ以上の形態をもって、本発明のディスプレイ用フィルタに使用できる。
一般に色素は紫外線で劣化しやすい。ディスプレイ用フィルタが通常使用条件下で受ける紫外線は、太陽光等の外光に含まれるものである。従って、色素の紫外線による劣化を防止する為には、色素を含有する層自身および該層より外光を受ける人側の層から選ばれる少なくとも1層に、紫外線カット能を有する層を有していることが好適である。例えば、高分子フィルム(A)が色素を含有する場合、透光性粘着材層および/または機能性フィルムが、紫外線吸収剤を含有したり、紫外線カット能を有する機能膜を有していれば、外光が含む紫外線から、色素を保護できる。色素を保護するのに必要な紫外線カット能としては、波長380nmより短い紫外線領域の透過率が、20%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。紫外線カット能を有する機能膜は、紫外線吸収剤を含有する塗膜であっても、紫外線を反射または吸収する無機膜であっても良い。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等、従来公知のものを使用でき、その種類・濃度は、分散または溶解させる媒体への分散性・溶解性、吸収波長・吸収係数、媒体の厚さ等から決まり、特に限定されるものではない。尚、紫外線カット能を有する層またはフィルムは、可視光線領域の吸収が少なく、著しく可視光線透過率が低下したり黄色等の色を呈することがないことが好ましい。色素を含有する機能性フィルムにおいては、色素を含有する層が形成されている場合はその層よりも人側のフィルムまたは機能膜が紫外線カット能を有すれば良く、高分子フィルムが色素を含有する場合はフィルムより人側に紫外線カット能を有する機能膜や機能層を有していれば良い。
色素は、金属との接触によっても劣化する場合がある。このような色素を用いる場合、色素は導電メッシュ層と出来るだけ接触しない様に配置することが更に好ましい。具体的には色素含有層が機能性フィルム、高分子フィルム、透光性粘着材層であることが好ましく、特には透光性粘着材層であることが好ましい。
本発明のディスプレイ用フィルタは、高分子フィルム(A)、導電性メッシュ層(B)、機能性フィルム(C)、透光性粘着材(D1)および透光性粘着材(D2)が、(C)/(D1)/(B)/(A)/(D2)の順に構成され、好ましくは導電性メッシュ層(B)と高分子フィルム(A)とからなる導電性メッシュフィルムと機能性フィルムとが透光性粘着剤(D1)で貼合され、高分子フィルム(A)の導電性メッシュ層(B)とは反対側の主面に透光性粘着剤(D2)が付されている。
本発明のディスプレイ用フィルタをディスプレイに装着する際には機能性フィルム(C)を人側に、透光性粘着剤(D2)がディスプレイ側となるように装着する。
本発明のディスプレイ用フィルタを、ディスプレイの前面に設けて使用する方法としては、後述の透明成形物(E)を支持体とした前面フィルタ板として使用する方法、ディスプレイ表面に透光性粘着材(D2)を介して貼り合せて使用する方法がある。前者の場合、ディスプレイ用フィルタの設置が比較的容易であり、支持体により機械的強度が向上し、ディスプレイの保護に適している。後者の場合は、支持体が無くなることにより軽量化・薄化が可能であり、また、ディスプレイ表面の反射を防止することが出来、好適である。
透明成形物としては、ガラス板、透光性のプラスチック板があげられる。機械的強度や、軽さ、割れにくさからは、プラスチック板が好ましいが、熱による変形等の少ない熱的安定性からガラス板も好適に使用できる。プラスチック板の具体例を挙げると、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をはじめとするアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、透明ABS樹脂等が使用できるが、これらの樹脂に限定されるものではない。特にPMMAはその広い波長領域での高透明性と機械的強度の高さから好適に使用できる。プラスチック板の厚みは十分な機械的強度と、たわまずに平面性を維持する剛性が得られればよく、特に限定されるものではないが、通常1mm〜10mm程度である。ガラスは、機械的強度を付加するために化学強化加工または風冷強化加工を行った半強化ガラス板または強化ガラス板が好ましい。質量を考慮すると、その厚みは1〜4mm程度である事が好ましいが、特に限定されない。透明成形物はフィルムを貼り合せる前に必要な各種公知の前処理を行うことが出来るし、ディスプレイ用フィルタ周縁部となる部分に黒色等の有色の額縁印刷を施しても良い。
透明成形物を用いる場合のディスプレイ用フィルタの構成は、少なくとも機能性フィルム(C)/透光性粘着材(D1)/導電性メッシュ層(B)/高分子フィルム(A)/透光性粘着材(D2)/透明成形物(E)である。また、透明成形物(E)の透光性粘着材(D2)と貼り合せられる面とは反対の主面に、機能性フィルム(C)が透光性粘着材層を介して設けられても良い。この場合、人側に設けられる機能性フィルム(C)と同じ機能・構成を有する必要は無く、例えば、反射防止能を有している場合は、支持体を有するディスプレイ用フィルタの裏面反射を低減することができる。同じく、透明成形物(E)の透光性粘着材(D2)と貼り合せられる面とは反対の主面に、反射防止膜等の機能膜(C2)を形成しても良い。この場合は、機能性膜(C2)を人側にしてディスプレイに設置することもできるが、前述の通り、紫外線カット能を有する層を色素含有層および色素含有層より人側の層に設けることが好ましい。
電磁波シールドを必要とする機器には、機器のケース内部に金属層を設けたり、ケースに導電性材料を使用して電磁波を遮断する必要があるが、ディスプレイの如く表示部に透明性が必要である場合には、本発明のディスプレイ用フィルタの如く透光性の導電層を有した窓状の電磁波シールドフィルタを設置する。ここで、電磁波は導電層において吸収されたのち電荷を誘起するため、アースをとることによって電荷を逃がさないと、再びディスプレイ用フィルタがアンテナとなって電磁波を発振し電磁波シールド能が低下する。従って、ディスプレイ用フィルタとディスプレイ本体のアース部が電気的に接触している必要がある。そのため、前述の透光性粘着材(D1)および機能性フィルム(C)は、外部から導通を取ることが出来る導通部を残して導電性メッシュ層(B)上に形成されている必要がある。導通部の形状は特に限定しないが、ディスプレイ用フィルタとディスプレイ本体の間に、電磁波の漏洩する隙間が存在しないことが肝要である。従って、導通部は、導電性メッシュ層(B)の周縁部且つ連続的に設けられている事が好適である。すなわち、ディスプレイの表示部である中心部分を除いて、枠状に、導通部が設けられている事が好ましい。
導通部はメッシュパターン層であっても、パターニングされていない、例えば金属箔ベタの層であっても良いが、ディスプレイ本体のアース部との電気的接触を良好とする為には、金属箔ベタ層のようにパターニングされていない導通部であることが好ましい。
導通部が、例えば金属箔ベタのようにパターニングされていない場合、および/または、導通部の機械的強度が十分強い場合は、導通部そのままを電極として使用できて好適である。
導通部の保護のため、および/または、導通部がメッシュパターン層である場合にアース部との電気的接触を良好とするために、導通部に電極を形成することが好ましい場合がある。電極形状は特に限定しないが、導通部をすべて覆うように形成されている事が好適である。
電極に用いる材料は、導電性、耐触性および透明導電膜との密着性等の点から、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カーボン等の単体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹脂とこれら単体または合金の混合物、もしくは、ホウケイ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物からなるペーストを使用できる。ペーストの印刷、塗工には従来公知の方法を採用できる。また市販の導電性テープも好適に使用できる。導電性テープは両面ともに導電性を有するものであって、カーボン分散の導電性接着剤を用いた片面接着タイプ、両面接着タイプが好適に使用できる。電極の厚さは、これもまた特に限定されるものではないが、数μm〜数mm程度である。
本発明によれば、プラズマディスプレイの輝度を著しく損なわずに、その画質を維持または向上させることができる、光学特性に優れたディスプレイ用フィルタを得ることが出来る。また、プラズマディスプレイから発生する健康に害をなす可能性があることを指摘されている電磁波を遮断する電磁波シールド能に優れ、さらに、プラズマディスプレイから放射される800〜1000nm付近の近赤外線を効率よくカットするため、周辺電子機器のリモコン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を与えず、それらの誤動作を防ぐことができるディスプレイ用フィルタを得ることができる。さらにまた、耐候性にも優れたディスプレイ用フィルタを低コストで提供することが出来る。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
<支持体の作成>
二軸延伸したポリエチレンテレフタレート支持体(厚み100μm)の両面に下記組成の下塗層第1層及び第2層を塗布した。
<下塗層第1層>
コア−シェル型塩化ビニリデン共重合体(1) 15g
2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 0.25g
ポリスチレン微粒子(平均粒径3μ) 0.05g
化合物(Cpd-20) 0.20g
コロイダルシリカ(スノーテックスZL:粒径70〜100μm 日産化学(株)製)
0.12g
水を加えて 100g
さらに、10質量%のKOHを加え、pH=6に調整した塗布液を乾燥温度180℃2分間で、乾燥膜厚が0.9μmになるように塗布した。
<下塗層第2層>
ゼラチン 1g
メチルセルロース 0.05g
化合物(Cpd-21) 0.02g
C12H25O(CH2CH2O)10H 0.03g
プロキセル 3.5×10-3
酢酸 0.2g
水を加えて 100g
この塗布液を乾燥温度170℃2分間で、乾燥膜厚が0.1μmになるように塗布した。
Figure 2007200872
1.ハロゲン化銀写真感光材料試料の作成
<試料の作成>
(乳剤Aの調製)
・1液
水 750ml
ゼラチン 20g
塩化ナトリウム 1.6g
1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20mg
ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 10mg
クエン酸 0.7g
・2液
水 300ml
硝酸銀 150g
・3液
水 300ml
塩化ナトリウム 38g
臭化カリウム 32g
ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム(0.005% KCl 20%水溶液) 5ml
ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001% NaCl 20%水溶液) 7ml
3液に用いるヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム(0.005% KCl 20%水溶液)およびヘキサクロロロジウム酸アンモニウム(0.001% NaCl20% 水溶液)は、粉末をそれぞれKCl 20%水溶液、NaCl20%水溶液に溶解し、40℃で120分間加熱して調製した。
38℃、pH4.5に保たれた1液に、2液と3液の各々90%に相当する量を攪拌しながら同時に20分間にわたって加え、0.15μmの核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を8分間にわたって加え、さらに、2液と3液の残りの10%の量を2分間にわたって加え、0.18μmまで粒子を成長させた。さらに、ヨウ化カリウム0.15gを加え5分間熟成し粒子形成を終了した。
・4液
水 100ml
硝酸銀 50g
・5液
水 100ml
塩化ナトリウム 13g
臭化カリウム 11g
黄血塩 5mg
その後、常法にしたがってフロキュレーション法によって水洗した。具体的には、温度を35℃に下げ、下記に示すアニオン性沈降剤−1を3g加え、硫酸を用いてハロゲン化銀が沈降するまでpHを下げた。(pH3.2±0.2の範囲であった)次に上澄み液を約3リットル除去した(第一水洗)。さらに3リットルの蒸留水を加えてから、ハロゲン化銀が沈降するまで硫酸を加えた。再度上澄み液を3リットル除去した(第二水洗)。第二水洗と同じ操作をさらに1回繰り返し(第三水洗)て水洗・脱塩行程を終了した。水洗・脱塩後の乳剤にゼラチン8gを加え、pH5.6、pAg7.5に調整し、ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム10mg、ベンゼンチオスルフィン酸ナトリウム3mg、チオ硫酸ナトリウム15mgと塩化金酸10mgを加え55℃にて最適感度を得るように化学増感を施し、安定剤として1,3,3a,7−テトラアザインデン100mg、防腐剤としてプロキセル(商品名、ICI Co.,Ltd.製)100mgを加えた。最終的に塩化銀を70モル%、沃化銀を0.08モル%含む平均粒子径0.18μm、変動係数9%のヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。(最終的に乳剤として、pH=5.7、pAg=7.5、電導度=60μS/m、密度=1.28×103kg/m3、粘度=60mPa・sとなった。)
Figure 2007200872
<乳剤層>
乳剤Aに増感色素(SD-1)5.7×10-4モル/モルAgを加えて分光増感を施した。さらにKBr3.4×10-4モル/モルAg、化合物(Cpd-3)8.0×10-4モル/モルAgを加え、よく混合した。
次いで1,3,3a,7-テトラアザインデン1.2×10-4モル/モルAg、ハイドロキノン1.2×10-2モル/モルAg、クエン酸3.0×10-4モル/モルAg、界面活性剤(Sa-1)、(Sa-2)、(Sa-3)を各々塗布量が60mg/m2、40mg/m2、2mg/m2になるように添加し、クエン酸を用いて塗布液pHを5.6に調整した。このようにして調製した乳剤層塗布液を上記支持体上にAg7.6g/m2、ゼラチン1.1g/m2になるように塗布した。
<UL層>
ゼラチン 0.23g/m2
化合物(Cpd-7) 40mg/m2
化合物(Cpd-14) 10mg/m2
防腐剤(プロキセル) 1.5mg/m2
なお、各層の塗布液は、下記構造(Z)で表される増粘剤を加え、粘度調整した。
Figure 2007200872
また、本発明で使用したサンプルは下記組成のバック層および帯電防止層を形成した。
<バック層>
ゼラチン 3.3g/m2
化合物(Cpd-15) 40mg/m2
化合物(Cpd-16) 20mg/m2
化合物(Cpd-17) 90mg/m2
化合物(Cpd-18) 40mg/m2
化合物(Cpd-19) 26mg/m2
1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 60mg/m2
ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径6.5μm ) 30mg/m2
流動パラフィン 78mg/m2
化合物(Cpd-7) 120mg/m2
硝酸カルシウム 20mg/m2
防腐剤(プロキセル) 12mg/m2
<帯電防止層>
ゼラチン 0.1g/m2
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2
SnO2/Sb(9/1質量比、平均粒子径0.25μ) 200mg/m2
防腐剤(プロキセル) 0.3mg/m2
Figure 2007200872
Figure 2007200872
Figure 2007200872

<塗布方法>
上記下塗層を施した支持体上に、まず乳剤面側として支持体に近い側よりUL層、乳剤層の順に2層を、35℃に保ちながらスライドビードコーター方式により同時重層塗布し、冷風セットゾーン(5℃)を通過させた。ここで、硬膜剤であるCpd-7は塗布直前にUL層へ前述の量添加し、UL層から拡散させることにより乳剤層へ含有させた。そして、乳剤面とは反対側には、支持体に近い側より、帯電防止層、バック層の順に、カーテンコーター方式により硬膜剤液を加えながら同時重層塗布し、冷風セットゾーン(5℃)を通過させた。各々のセットゾーンを通過した時点では、塗布液は充分なセット性を示した。引き続き乾燥ゾーンにて両面を同時に乾燥した。このようにして、試料(1−1)を作成した。
得られた試料(1−1)は、塗布銀量が7.6g/m2、乳剤層のAg/ゼラチン質量比が6.9、膨潤率が209%、Ag/ゼラチン質量比と膨潤率の積が13.2である乳剤層を、最上層に有する感光材料であった。ここで乳剤層の膨潤率は以下のように求めた。すなわち、乾燥時の試料の切片を走査型電子顕微鏡で観察することにより乾燥時の乳剤層の膜厚(a)を求め、25℃の蒸留水に1分間浸漬した後液体窒素により凍結乾燥した試料の切片を走査型電子顕微鏡で観察することにより膨潤時の乳剤層の膜厚(b)を求め、膨潤率を次式で算出した。
膨潤率(%)=100×((b)−(a))/(a)
得られた試料1−1の表面抵抗は、三菱ケミカル製、ロレスタ−GP MCP−T600/ASPプローブを用いて測定した結果、30Ω/□であった。
2.試料への露光及び処理条件
乾燥させた試料(1−1)の乳剤層塗布膜にライン/スペース=10μm/290μmの現像銀像を与えうる格子状のフォトマスク(ライン/スペース=290μm/10μm(ピッチ300μm)の、スペースが格子状であるフォトマスク)を介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光を施し、露光されたハロゲン化銀フィルムを得た。
以下に示す処理工程及び処理液でランニング処理(現像液の累積補充量が、そのタンク容量の3倍になるまで)を行った。
露光されたハロゲン化銀フィルムに対し、黒白現像処理(温度30℃、時間40秒)、定着処理(温度30℃、時間40秒)、硬膜処理(温度30℃、時間40秒)を順次行った。
さらに、硬膜処理まで行われたハロゲン化銀フィルムに対し、電解めっき処理を15回に分けて行った。最後に、防錆処理を行い、導電膜を得た。
各処理液の組成は以下の通りである。
〔黒白現像液 1L処方〕
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール4000 0.5 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
〔定着液 1L処方〕
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
エチレンジミン・四酢酸 0.5 g
ヨウ化カリウム 2 g
pH 5.8に調整
〔硬膜処理(めっき前硬膜処理)液 1L処方〕
添加剤(表1に記載) 50 g
pH 5.1に調整
純水を加えて 1 L
なお、添加剤は、本発明ではグルタルアルデヒドを使用して硬膜処理を行った。また比較例としてグルタルアルデヒドを添加せずに何も添加剤を添加しなかったもの、グルタルアルデヒドを含有させずに硫酸を使用したものも行った。
〔電解めっき液1〜14 1L処方〕
硫酸銅五水塩 200 g
硫酸 60 g
Cu−Brite 20 mL
(荏原ユージライト(株)製)
純水を加えて 1 L
〔電解めっき液15 1L処方〕
硫酸ニッケル6水塩 100 g
硫酸アンモニウム 15 g
硫酸亜鉛7水塩 25 g
チオシアン酸ナトリウム 15 g
pH 4.5に調整
〔防錆液 1L処方〕
スルカップ AT−21 20 mL
(上村工業(株)製)
[膨潤率の測定]
得られた導電性膜の膨潤率は以下のように求めた。すなわち、乾燥時の光透過性部の切片を走査型電子顕微鏡で観察することにより乾燥時の光透過性部層の膜厚(a)を求め、25℃の蒸留水に1分間浸漬した後液体窒素により凍結乾燥した試料の切片を走査型電子顕微鏡で観察することにより膨潤時の光透過性部層の膜厚(b)を求め、膨潤率を次式で算出した。
膨潤率(%)=100×((b)−(a))/(a)
(めっきによるタテスジムラの評価方法)
ランニング処理後の上記サンプルを、以下の4段階による目視評価を行った。
××・・・タテスジムラが非常に多く、全く許容できない。
×・・・タテスジムラが多く許容できない。
△・・・タテスジムラがあるが、かろうじて許容できる。
○・・・タテスジムラが目視では確認できず、許容できる。
結果を表1に示す。
(めっき品質の評価方法)
ランニング処理後の上記サンプルを、ランダムに100視野の格子部を光顕(×500)で観察し、以下5段階による評価を行った。
5・・・100視野の全てでメッキが均一に付いており、許容できる。
4・・・不均一なメッキが、100視野中5視野未満で観察されるが、かろうじて許容できる。
3・・・不均一なメッキが、100視野中5〜10視野で観察され、許容できない。
2・・・不均一なメッキが、100視野中11〜50視野で観察され、許容できない。
1・・・不均一なメッキが、100視野中51視野以上で観察され、許容できない。
結果を表1に示す。
Figure 2007200872
(めっき進行性の評価方法)
電解めっき1,3,5,7,9,11,13,15の処理前に、実施例1及び比較例1および2の感光材料をサンプリングした。サンプリングした実施例1及び比較例1および2の感光材料を35mm×45mmにカットし、表面抵抗を測定した。表面抵抗は、三菱ケミカル製、ロレスタ−GP MCP−T600/ASPプローブを用いた。
実施例1及び比較例1および2の感光材料の表面抵抗の測定結果を表2に示す。
Figure 2007200872
表2に示した結果からわかるように、実施例1の感光材料では電解めっき処理後の表面抵抗が比較例1および2のものよりも十分に低減されていることが確認された。
表1に示すように、硬膜剤としてグルタルアルデヒドを加えた実施例1では、スジムラが抑制され、めっき均一性も向上したことが分かる。
(実施例2)
前記の実施例1のめっき前処理を次の処方に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。結果、実施例1と同様、良好な結果であった。
〔めっき前硬膜処理液 1L処方〕
酢酸50% 15 mL
硫酸ナトリウム 130 g
無水酢酸ナトリウム 12 g
硫酸アルミニウム 5 g
硫酸 0.5 g
pH 4.0に調整
純水を加えて 1 L
(実施例3)
実施例1の試料(1−1)に対し、硬膜剤(Cpd−7)の添加量とゼラチン塗布量を調整し、試料(3−1)〜(3−4)を得た。これらの試料を用いて、硬膜処理の条件を変更した以外は、実施例1と同様の評価を実施した。得られた結果を表3に示す。
得られた光透過性部の乾燥膜厚は、乾燥時の光透過性部の切片を走査型電子顕微鏡で観察することにより乾燥時の光透過性部層の膜厚(a)を求めた。
Figure 2007200872
本発明に好適に用いられる電解めっき槽の一例を示す模式図である。 本発明の導電性膜の一例を示す模式図である。
符号の説明
10 電解めっき装置
11 電解槽
12a,12b 給電ローラ
13 アノード板
14 ガイドローラ
16 フィルム
17 液きりローラ
21 導電性膜
22 導電性機能層
23 支持体
24 露光部(金属銀部)
25 未露光部
26 電解めっき処理部
27 電解めっき処理部
28 ハロゲン化銀乳剤層

Claims (29)

  1. 支持体上に、導電性金属部及び光透過性部を含む導電性機能層を有し、前記光透過性部の膨潤率が180%以下であることを特徴とする導電性膜。
  2. 前記導電性膜の表面抵抗が2.5Ω/sq以下であり、かつ/又は前記光透過性部の透過率が95%以上であることを特徴とする請求項1に記載の導電性膜。
  3. 前記光透過性部の乾燥膜厚が2.0μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電性膜。
  4. 前記光透過性部が実質的に水溶性ポリマーからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性膜。
  5. 表面抵抗が1〜1000Ω/□のフィルムの表面に硬膜溶液を反応させる硬膜工程を有することを特徴とする導電性膜の製造方法。
  6. 前記フィルムが支持体上にハロゲン化銀乳剤層を含む少なくとも1層の親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料であることを特徴とする請求項5に記載の導電性膜の製造方法。
  7. 前記硬膜溶液が、硬膜剤を含有し、該硬膜剤がゼラチンを硬膜する作用を有する化合物であることを特徴とする請求項5または6に記載の導電性膜の製造方法。
  8. 前記硬膜剤が、ホルムアルデヒド、ピバリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、琥珀アルデヒド、カリ明ばん、クロム明ばん、および硫酸アルミニウムから選択される化合物であることを特徴とする請求項7に記載の導電性膜の製造方法。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載の導電性膜の製造方法によって得られたことを特徴とする導電性膜。
  10. 請求項5〜8のいずれかに記載の導電性膜の製造方法によって製造されたことを特徴とする電磁波シールド膜。
  11. 請求項5〜8のいずれかに記載の導電性膜の製造方法によって製造された電磁波シールド膜の表面抵抗が2.5Ω/sq以下であることを特徴とする電磁波シールド膜。
  12. 表面抵抗が1.5Ω/sq以下であることを特徴とする請求項11に記載の電磁波シールド膜。
  13. 支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀フィルムを露光して現像し、金属銀部を形成する現像工程と、
    前記金属銀部が形成されたフィルムの表面に、硬膜剤を含有する硬膜溶液を反応させる硬膜工程と、
    前記硬膜工程が施されたフィルムの金属銀部に対し、電解めっき処理を施す電解めっき処理工程と、
    を有する導電性膜の製造方法。
  14. 前記ハロゲン化銀乳剤層がハロゲン化銀及びバインダーを含有することを特徴とする請求項13に記載の導電性膜の製造方法。
  15. 前記ハロゲン化銀乳剤層における銀(Ag)及びバインダー(B)の含有質量比が下記式(1)の範囲にあることを特徴とする請求項14に記載の導電性膜の製造方法。
    Ag/B=3〜15 (1)
  16. Ag/バインダー体積比が1/4以上の銀塩含有層を用いることを特徴とする請求項14または15に記載の導電性膜の製造方法。
  17. 前記バインダーがゼラチンであることを特徴とする請求項14〜16のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
  18. 前記硬膜剤がゼラチンを硬膜する作用を有する化合物であることを特徴とする請求項13〜17のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
  19. 前記硬膜剤が、ホルムアルデヒド、ピバリルアルデヒド、グルタルアルデヒド、琥珀アルデヒド、カリ明ばん、クロム明ばん、および硫酸アルミニウムから選択される化合物であることを特徴とする請求項13〜18のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
  20. 前記硬膜剤がグルタルアルデヒド又は硫酸アルミニウムであることを特徴とする請求項13〜19のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
  21. 前記硬膜溶液が硬膜剤を0.005〜1.000mol/L含有することを特徴とする請求項13〜20のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
  22. 前記硬膜溶液がさらに膨潤抑制作用のある化合物を含有することを特徴とする請求項13〜21のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
  23. 露光部に前記金属銀部を形成し、未露光部に光透過性部を形成することを特徴とする請求項13〜22のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
  24. 前記光透過性部が実質的に物理現像核を有しないことを特徴とする請求項13〜23のいずれかに記載の導電性膜の製造方法。
  25. 請求項13〜24のいずれかに記載の製造方法により得られることを特徴とする、導電性金属部及び光透過性部を有するプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド膜。
  26. 請求項11又は12に記載の電磁波シールド膜を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
  27. 請求項13〜24のいずれかに記載の製造方法により得られた電磁波シールド膜を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル用光学フィルター。
  28. 請求項26又は27に記載の光学フィルターを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  29. 請求項13〜24のいずれかに記載の製造方法により得られた電磁波シールド膜を有することを特徴とするプラズマテレビ。
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