JP2007149760A - ロール状光学フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁波シールド膜と機能性フィルムからなるロール状光学フィルムの製造方法において、材料のロスが少なく生産性を向上させ、安価に大量に製造する方法を提供すること。
【解決手段】透明支持体上に設けられた感光性銀塩含有層を露光し、続いて現像処理することにより導電性金属部及び光透過性部を形成した後、該導電性金属部に電解めっきを施して導電性を高めて得られる、ロール長手方向に3m以上連続する導電性メッシュパターンを有する電磁波シールド膜に、接着剤層を設けた後、反射防止性、防眩性、ハードコート性、防汚性、帯電防止能、色調補正能、近赤外カット性、紫外線カット性の少なくとも1つの機能を有し、ロール長手方向に3m以上連続した機能性フィルムを貼合してなるロール状光学フィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、透光性導電性膜および透光性導電性膜製造方法に関する。
近年、各種の電気設備や電子応用設備の利用の増加に伴い、電磁波障害(Electro−Magnetic Interference:EMI)が急増している。EMIは、電子、電気機器の誤動作やノイズ、障害の原因になるほか、これらの装置のオペレーターにも健康障害を与えることも指摘されている。このため、電子・電気機器の電磁波放出の強さを規格又は規制内に抑えることが要求されている。
上記EMIの対策のために電磁波をシールドする方法が種々提案され、用いられているが、CRT、PDPなどに適用する場合には、電磁波シールド能に加えて画面に表示される画像や文字等を視認する必要があるため、透明性も要求される。
特に、PDPは、CRT等と比較すると多量の電磁波を発生するため、より強い電磁波シールド能が求められており、CRT用の透光性電磁波シールド材料に必要な表面抵抗値は凡そ300Ω/sq以下であるのに対し、PDP用の透光性電磁波シールド材料では、2.5Ω/sq以下であることが必要で、PDPを用いた民生用プラズマテレビにおいては、1.5Ω/sq以下とすることが求められ、より望ましくは0.1Ω/sq以下という極めて高い導電性が要求されている。
透明性に関しても、CRT用として凡そ70%以上の透過率が要求されているのに対して、PDP用として80%以上の透過率が望まれている。
上記の要求を満たすための開口部を有する金属メッシュを利用して電磁波シールド性と透明性とを両立させる材料・方法として、例えば導電性繊維をメッシュにしたシールド材、無電解めっき触媒を印刷法で格子状パターンとして印刷してそのパターンに無電解めっきを行う方法、無電解めっき触媒含有フォトレジストをメッシュ状にパターン形成させてその上に無電解めっきする方法、フォトリソグラフィー法でエッチング加工して金属薄膜のメッシュを形成する方法、など多様な方法がこれまで提案されている。(例えば特許文献1〜3)しかしながら、これらの方法は、製造工程が煩雑かつ複雑で生産コストが高価になる、格子模様の交点部等で線幅が不均一になる、モアレが生じる、あるいは透光性と導電性の一方又は両方が不足する、などの問題がある。
その改善手段として、銀塩感光材料を用いた導電性金属銀パターンを形成する方法が提案されている。
銀塩感光材料は、カラーネガフィルム、黒白ネガフィルム、映画用フィルム、カラーリバーサルフィルム等の写真フィルム、カラーペーパー、黒白印画紙などの写真用印画紙等として従来から広く用いられているが、この材料を利用すればパターン露光と現像による写真的方法によって簡易なプロセスでパターン状の金属銀を得ることができ、この金属銀は、感光材料の構成や現像方法次第では導電性を利用することが可能である。1960年代に物理現像核に銀を沈着させる銀塩拡散転写法によって導電性金属銀薄膜パターンを形成する方法が、特許文献4に開示されている。
しかしながら、このような方法で得た導電性金属銀膜は、画像表示や画像形成素子用としては透光性が不十分であり、またCRTやPDPなどのディスプレイの画像表示面から放射される電磁波を、画像表示を妨害せずに、遮蔽する能力も不十分であった。
また、高い導電性を得ることも困難で、導電性を高めるために厚い銀膜を得ようとすると、透明性が損なわれる問題があった。したがって、上記銀塩拡散転写法をそのまま用いても、電子ディスプレイ機器の画像表示面からの電磁波をシールドするのに好適な、光透過性と導電性の優れた透光性電磁波シールド材料は得ることができなかった。
また、銀塩拡散転写法を用いないで、通常の市販のネガフィルムとネガ型現像処理を利用したのでは、導電性と透明性を両立させる点において一層不利であり、CRTやPDPの透光性電磁波シールド材料として利用するには不十分なものであった。
このようなことから、特許文献5には、銀塩感光材料を用いて現像によりパターン形成した後、現像銀にさらにめっき又は物理現像処理を加える透光性導電性電磁波シールド材料の製造方法が提案されるに至った。
更には、上記のような電磁波シールド膜をPDP用光学フィルムとして利用するには、視認性向上の点から反射防止性、防眩性、PDPでの利用状況からハードコート性、帯電防止能、防汚性、PDPの発光原理による不要な輻射を防止する点から色調補正能、近赤外カット性、紫外線カット性などの複合機能を有することが必要とされている。
これらの複合機能を付与することは、該機能層を電磁波シールド膜と貼り合わせる方法が考えられるが、電磁波シールドフィルムが上記の様に断続的なものであって多量のロスを生じながら光学フィルムが製造される限り、機能性フィルムもまた、断続的にしか利用されない欠点を抱えている。
特開平5−327274号公報 特開平11−170420号公報 特開2003−46293号公報 特公昭42−23745号公報 特開2004−221564号公報
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、電磁波シールド膜と機能性フィルムからなるロール状光学フィルムの製造方法において、材料のロスが少なく生産性を向上させ、安価に大量に製造する方法を提供することにある。
本発明は、以下のとおりである。
(1)
透明支持体上に設けられた感光性銀塩含有層を露光し、続いて現像処理することにより導電性金属部及び光透過性部を形成した後、該導電性金属部に電解めっきを施して導電性を高めて得られる、ロール長手方向に3m以上連続する導電性メッシュパターンを有する電磁波シールド膜に、接着剤層を設けた後、反射防止性、防眩性、ハードコート性、防汚性、帯電防止能、色調補正能、近赤外カット性、紫外線カット性の少なくとも1つの機能を有し、ロール長手方向に3m以上連続した機能性フィルムを貼合してなるロール状光学フィルムの製造方法。
(2)
前記電磁波シールド膜の導電性金属部が線幅1〜40μmの細線からなるメッシュ形状であり、表面抵抗が1Ω/sq以下であることを特徴とする(1)に記載のロール状光学フィルムの製造方法。
(3)
前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターン上に接着剤層を設け、前記接着剤層を介して前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターン側と前記機能性フィルムをと貼合することを特徴とする(1)または(2)に記載のロール状光学フィルムの製造方法。
(4)
前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンの反対側に接着剤層を設け、前記接着剤層を介して前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンの反対側と前記機能性フィルムを貼合することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のロール状光学フィルムの製造方法。
本発明によれば、高い透明性および導電性を両立するとともに様々な機能を有するロール状光学フィルムを、材料のロスが少なく、安価に大量に、高い生産性でもって提供することができる。
とくに本発明によれば、電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンが長手方向に3m以上連続していることから、電磁波シールド膜一枚ごとにサイズを調整しながら機能性フィルムをカットし、位置合わせをして貼合する必要がなく、生産性に優れる。さらに、本発明のロール状光学フィルムは、前記のように電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンが長手方向に連続しているので、例えばこれをPDP前面板に貼合する際にも厳密な位置合わせが不要となり、生産速度を高めることができる。さらにまた、電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンが連続しているため、1ロールあたりから作成できる光学フィルム枚数を増加でき(ロスが少ないため)、生産効率を高めることができる。
本発明のロール状光学フィルムの製造方法は、透明支持体上に設けられた感光性銀塩含有層を露光し、続いて現像処理することにより導電性金属部及び光透過性部を形成した後、該導電性金属部に電解めっきを施して導電性を高めて得られる、ロール長手方向に3m以上連続する導電性メッシュパターンを有する電磁波シールド膜に、接着剤層を設けた後、反射防止性、防眩性、ハードコート性、防汚性、帯電防止能、色調補正能、近赤外カット性、紫外線カット性の少なくとも1つの機能を有し、ロール長手方向に3m以上連続した機能性フィルムを貼合する工程を含む。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
[感光材料]
<乳剤層>
本発明の感光性銀塩含有層に用いられる感光材料は、透明支持体上に、光センサーとして銀塩を含む乳剤層(銀塩含有層)を有するのが好ましい。本発明における乳剤層には、銀塩のほか、必要に応じて、染料、バインダー、溶媒等を含有することができる。
<染料>
感光材料には、少なくとも乳剤層に染料が含まれてもよい。染料は、フィルム染料として若しくはイラジエーション防止その他種々の目的で乳剤層に含まれる。上記染料としては、固体分散染料を含有してよい。本発明に好ましく用いられる染料としては、特開平9−179243号公報記載の一般式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般式(FA3)で表される染料が挙げられ、具体的には同公報記載の化合物F1〜F34が好ましい。また、特開平7−152112号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−152112号公報記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−152112号公報記載の(IV−2)〜(IV−7)等も好ましく用いられる。
このほか、本発明に使用することができる染料としては、現像または定着の処理時に脱色させる固体微粒子分散状の染料としては、特開平3−138640号公報記載のシアニン染料、ピリリウム染料およびアミニウム染料が挙げられる。また、処理時に脱色しない染料として、特開平9−96891号公報記載のカルボキシル基を有するシアニン染料、特開平8−245902号公報記載の酸性基を含まないシアニン染料および同8−333519号公報記載のレーキ型シアニン染料、特開平1−266536号公報記載のシアニン染料、特開平3−136038号公報記載のホロポーラ型シアニン染料、特開昭62−299959号公報記載のピリリウム染料、特開平7−253639号公報記載のポリマー型シアニン染料、特開平2−282244号公報記載のオキソノール染料の固体微粒子分散物、特開昭63−131135号公報記載の光散乱粒子、特開平9−5913号公報記載のYb3+化合物および特開平7−113072号公報記載のITO粉末等が挙げられる。また、特開平9−179243号公報記載の一般式(F1)、一般式(F2)で表される染料で、具体的には同公報記載の化合物F35〜F112も用いることができる。
また、上記染料としては、水溶性染料を含有することができる。このような水溶性染料としては、オキソノール染料、ベンジリデン染料、メロシアニン染料、シアニン染料およびアゾ染料が挙げられる。中でも本発明においては、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料およびベンジリデン染料が有用である。本発明に用い得る水溶性染料の具体例としては、英国特許584,609号明細書、同1,177,429号明細書、特開昭48−85130号公報、同49−99620号公報、同49−114420号公報、同52−20822号公報、同59−154439号公報、同59−208548号公報、米国特許2,274,782号明細書、同2,533,472号明細書、同2,956,879号明細書、同3,148,187号明細書、同3,177,078号明細書、同3,247,127号明細書、同3,540,887号明細書、同3,575,704号明細書、同3,653,905号明細書、同3,718,427号明細書に記載されたものが挙げられる。
上記乳剤層中における染料の含有量は、イラジエーション防止などの効果と、添加量増加による感度低下の観点から、全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
<銀塩>
本発明で用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀などの無機銀塩が挙げられる。本発明においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いられるハロゲン化銀について説明する。
本発明では、光センサーとして機能させるためにハロゲン化銀を使用することが好ましく、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においても用いることができる。
上記ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素およびフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、さらにAgBrやAgClを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。より好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀が用いられる。
尚、ここで、「AgBr(臭化銀)を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。このAgBrを主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン、塩化物イオンを含有していてもよい。
ハロゲン化銀は固体粒子状であり、露光、現像処理後に形成されるパターン状金属銀層の画像品質の観点からは、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜5000nm(5μm)であることが好ましい。
尚、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができ、立方体、14面体が好ましい。
ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均一な相からなっていても異なっていてもよい。また粒子内部或いは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有していてもよい。
本発明に用いられる乳剤層用塗布液であるハロゲン化銀乳剤は、P.Glafkides著 Chimie etPhysique Photographique(Paul Montel社刊、1967年)、G.F.Dufin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Forcal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著 Making and Coating Photographic Emulsion(The ForcalPress刊、1964年)などに記載された方法を用いて調製することができる。
すなわち、上記ハロゲン化銀乳剤の調製方法としては、酸性法、中性法等のいずれでもよく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩とを反応させる方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組み合わせなどのいずれを用いてもよい。
また、銀粒子の形成方法としては、粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。さらに、同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
またアンモニア、チオエーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して粒子形成させることも好ましい。係る方法としてより好ましくは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号、同55−77737号各公報に記載されている。好ましいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチオンが挙げられる。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化銀1モルあたり10-5〜10-2モルが好ましい。
上記コントロールド・ダブルジェット法およびハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型が規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作るのが容易であり、本発明に好ましく用いることができる。
また、粒子サイズを均一にするためには、英国特許第1,535,016号明細書、特公昭48−36890号広報、同52−16364号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特開昭55−158124号公報に記載されているように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を越えない範囲において早く銀を成長させることが好ましい。本発明における乳剤層の形成に用いられるハロゲン化銀乳剤は単分散乳剤が好ましく、{(粒子サイズの標準偏差)/(平均粒子サイズ)}×100で表される変動係数が20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下であることが好ましい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、粒子サイズの異なる複数種類のハロゲン化銀乳剤を混合してもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、VIII族、VIIB族に属する金属を含有してもよい。特に、高コントラストおよび低カブリを達成するために、ロジウム化合物、イリジウム化合物、ルテニウム化合物、鉄化合物、オスミウム化合物、レニウム化合物などを含有することが好ましい。これら化合物は、各種の配位子を有する化合物であってよく、配位子として例えば、シアン化物イオンやハロゲンイオン、チオシアナートイオン、ニトロシルイオン、水、水酸化物イオンなどや、こうした擬ハロゲン、アンモニアのほか、アミン類(メチルアミン、エチレンジアミン等)、ヘテロ環化合物(イミダゾール、チアゾール、5−メチルチアゾール、メルカプトイミダゾールなど)、尿素、チオ尿素等の、有機分子を挙げることができる。
また、高感度化のためにはK4〔Fe(CN)6〕やK4〔Ru(CN)6〕、K3〔Cr(CN)6〕のごとき六シアノ化金属錯体のドープが有利に行われる。
上記ロジウム化合物としては、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。水溶性ロジウム化合物としては、例えば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、ヘキサクロロロジウム(III)錯塩、ペンタクロロアコロジウム錯塩、テトラクロロジアコロジウム錯塩、ヘキサブロモロジウム(III)錯塩、ヘキサアミンロジウム(III)錯塩、トリオキザラトロジウム(III)錯塩、K3Rh2Br9等が挙げられる。
これらのロジウム化合物は、水或いは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、或いはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
上記イリジウム化合物としては、K2IrCl6、K3IrCl6等のヘキサクロロイリジウム錯塩、ヘキサブロモイリジウム錯塩、ヘキサアンミンイリジウム錯塩、ペンタクロロニトロシルイリジウム錯塩等が挙げられる。
上記ルテニウム化合物としては、ヘキサクロロルテニウム、ペンタクロロニトロシルル
テニウム、K4〔Ru(CN)6〕等が挙げられる。
上記鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、チオシアン酸第一鉄が挙
げられる。
上記ルテニウム化合物、オスミニウム化合物は特開昭63−2042号公報、特開平1−285941号公報、同2−20852号公報、同2−20855号公報等に記載された水溶性錯塩の形で添加され、特に好ましいものとして、以下の式で示される六配位錯体が挙げられる。
〔ML6-n
(ここで、MはRuまたはOsを表し、nは0、1、2、3または4を表す。)
この場合、対イオンは重要性を持たず、例えば、アンモニウム若しくはアルカリ金属イオンが用いられる。また好ましい配位子としてはハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔RuCl6-3、〔RuCl4(H2O)2-1、〔RuCl5(NO)〕-2、〔RuBr5(NS)〕-2、〔Ru(CO)3Cl3-2、〔Ru(CO)Cl5-2、〔Ru(CO)Br5-2、〔OsCl6-3、〔OsCl5(NO)〕-2、〔Os(NO)(CN)5-2、〔Os(NS)Br5-2、〔Os(CN)6-4、〔Os(O)2(CN)5-4
これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1モル当り10-10〜10-2モル/モルAgであることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
その他、本発明では、Pd(II)イオンおよび/またはPd金属を含有するハロゲン化銀も好ましく用いることができる。Pdはハロゲン化銀粒子内に均一に分布していてもよいが、ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有させることが好ましい。ここで、Pdが「ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有する」とは、ハロゲン化銀粒子の表面から深さ方向に50nm以内において、他層よりもパラジウムの含有率が高い層を有することを意味する。このようなハロゲン化銀粒子は、ハロゲン化銀粒子を形成する途中でPdを添加することにより作製することができ、銀イオンとハロゲンイオンとをそれぞれ総添加量の50%以上添加した後に、Pdを添加することが好ましい。またPd(II)イオンを後熟時に添加するなどの方法でハロゲン化銀表層に存在させることも好ましい。
このPd含有ハロゲン化銀粒子は、処理における金属析出速度を速め、所望の電磁波シールド材の生産効率を上げ、生産コストの低減に寄与する。Pdは、金属析出触媒としてよく知られて用いられているが、本発明では、ハロゲン化銀粒子の表層にPdを偏在させることが可能なため、極めて高価なPdを節約することが可能である。
本発明において、ハロゲン化銀に含まれるPdイオンおよび/またはPd金属の含有率は、ハロゲン化銀の、銀のモル数に対して10-4〜0.5モル/モルAgであることが好ましく、0.01〜0.3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
使用するPd化合物の例としては、PdCl4や、Na2PdCl4等が挙げられる。
本発明では、さらに光センサーとしての感度を向上させるため、写真乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感の方法としては、硫黄増感、セレン増感、テルル増感等カルコゲン増感、金増感などの貴金属増感、還元増感等を用いることができる。これらは、単独または組み合わせて用いられる。上記化学増感の方法を組み合わせて使用する場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法などの組み合わせが好ましい。
上記硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。上記硫黄増感剤としては公知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの種々の条件の下で変化し、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-2モルが好ましく、より好ましくは10-5〜10-3モルである。
上記セレン増感に用いられるセレン増感剤としては、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわち、上記セレン増感は、通常、不安定型および/または非不安定型セレン化合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。上記不安定型セレン化合物としては特公昭44−15748号公報、同43−13489号公報、特開平4−109240号公報、同4−324855号公報等に記載の化合物を用いることができる。特に特開平4−324855号公報中の一般式(VIII)および(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。
上記テルル増感剤に用いられるテルル増感剤は、ハロゲン化銀粒子表面または内部に、増感核になると推定されるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−313284号公報に記載の方法で試験することができる。具体的には、米国特許US第1,623,499号明細書、同第3,320,069号明細書、同第3,772,031号明細書、英国特許第235,211号明細書、同第1,121,496号明細書、同第1,295,462号明細書、同第1,396,696号明細書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4−204640号公報、同4−271341号公報、同4−333043号公報、同5−303157号公報、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)635(1980)、ibid 1102(1979)、ibid 645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキン・トランザクション(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.)1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai)編、ザ・ケミストリー・オブ・オーガニック・セレニウム・アンド・テルリウム・カンパウンズ(The Chemistry of Organic Selenium and Tellunium Compounds)、Vol 1(1986)、同 Vol 2(1987)に記載の化合物を用いることができる。特に特開平5−313284号公報中の一般式(II)、(III)、(IV)で示される化合物が好ましい。
本発明で用いることのできるセレン増感剤およびテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度を用いる。本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。
また、上記貴金属増感剤としては、金、白金、パラジウム、イリジウム等が挙げられ、特に金増感が好ましい。金増感に用いられる金増感剤としては、具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、チオグルコース金(I)、チオマンノース金(I)などが挙げられ、ハロゲン化銀1モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いることができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程においてカドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩などを共存させてもよい。
また、本発明においては、還元増感を用いることができる。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物などを用いることができる。上記ハロゲン化銀乳剤は、欧州公開特許(EP)293917に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。本発明に用いられる感光材料の作製に用いられるハロゲン化銀乳剤は、1種だけでもよいし、2種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの、感度の異なるもの)の併用であってもよい。中でも高コントラストを得るためには、特開平6−324426号公報に記載されているように、支持体に近いほど高感度な乳剤を塗布することが好ましい。
<バインダー>
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ銀塩含有層と透明支持体との密着を補助する目的でバインダーを用いることができる。本発明において上記バインダーとしては、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
乳剤層に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。
<溶媒>
本発明の銀塩含有層で用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸エチルなどのエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本発明の銀塩含有層に用いられる溶媒の含有量は、前記銀含有層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であることが好ましく、50〜80質量%の範囲であることがより好ましい。
[露光]
本発明では、透明支持体上に設けられた銀塩含有層の露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線などの光線、X線などの放射線等を用いることができる。露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
上記光源としては、例えば、陰極線(CRT)を用いた走査露光を挙げることができる。陰極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管には、必要に応じて特定のスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば、赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種又は2種以上が混合されて用いられる。螢光体のスペクトル領域は、上記の赤色、緑色及び青色に限定されず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。また、紫外線ランプも好ましく、水銀ランプのg線、水銀ランプのi線等も利用される。
また本発明では、露光は種々のレーザービームを用いて行うことができる。例えば、本発明における露光は、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザー又は半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発光光源(SHG)等の単色高密度光を用いた走査露光方式を好ましく用いることができ、さらにKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2レーザー等も用いることができる。システムをコンパクトで、安価なものにするために、露光は、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)を用いて行うことが好ましい。特にコンパクトで、安価、さらに寿命が長く、安定性が高い装置を設計するためには、露光は半導体レーザーを用いて行うことが好ましい。
レーザー光源としては、具体的には、波長430〜460nmの青色半導体レーザー(2001年3月の第48回応用物理学関係連合講演会で日亜化学発表)、半導体レーザー(発振波長約1060nm)を導波路状の反転ドメイン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変換して取り出した約530nmの緑色レーザー、波長約685nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6738MG)、波長約650nmの赤色半導体レーザー(日立タイプNo.HL6501MG)などが好ましく用いられる。
銀塩乳剤層をパターン状に露光する方法は、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた屈折式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、コンタクト露光、プロキシミティー露光、縮小投影露光、反射投影露光などの露光方式を用いることができる。
[現像処理]
乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。以下、本発明に係る現像処理方法について説明する。一般の現像処理工程は白黒写真現像では、現像液、停止液、定着液、水洗液の順に連続的に処理を行う。連続的なこれらの浸溶処理の後に乾燥を行うが、この乾燥工程のほかに、本発明においては現像液への浸漬後、定着液への浸漬工程までの間にフィルムの乾燥を行うこともできる。この工程により、定着処理終了後の定常処理(中間乾燥を行わない処理)した銀のメッシュ状パターン(銀メッシュ)に比べて、表面抵抗が低い銀メッシュを得ることができる。また現像処理は米国特許第3025779号明細書、同第3545971号明細書などに記載のローラ搬送型の自動現像機と同様の搬送形式を用いてもよい。本明細書においてはローラ搬送型プロセッサーと言及する。本発明において、このローラ搬送型プロセッサーは現像、乾燥、定着、水洗および乾燥の五工程からなる。この五工程だけに限らず、他の工程(例えば、停止工程、乾燥前の乾燥促進工程など)の追加も可能であるが、少なくともこの五工程を含むことが好ましい。また水洗工程の代わりに安定工程を用いても構わない。
<乾燥工程>
本発明において乾燥工程は加温および/または水切りを伴うことが好ましい。乾燥は、単純な自然乾燥や室温送風乾燥であってもよいが、加温による乾燥、水切りに続けて行う室温乾燥、水切りと加温乾燥の組み合わせのいずれでも良く限定はないが、水切りと加温乾燥を組み合わせた態様が好ましい。
水切り方法は、ゴムローラーや樹脂ローラを用いたスクイズローラーの圧力により、感材と接触して水を絞り切る方法、空気を吹き付けるエアースクイズなどを用いた風圧による非接触で水を切る方法、いずれも用いることができる。
加温方法は公知のいずれの方法も用いることができ特に限定はないが、温風乾燥や、特開平4−15534、同5−2256、同5−289294に開示されているようなヒートローラー乾燥、高周波乾燥、遠赤外線による乾燥などがあり、複数の方法を併用してもよい。また温度を高くすることや吹きつけノズルの形状を変更し乾燥風を強くすることなどで乾燥を早めることが可能である。更に、特開平3−157650号公報に記載されているように、乾燥風の感光材料への送風角度の調整や、排出風の除去方法によっても乾燥を早めることができる。乾燥温度は約0℃〜約90℃が好ましく、25〜60℃がさらに好ましい。乾燥時間は特開平3−174156に準じて行うことができ、周囲の状態および感光材料の親水性バインダー含有量により、適宜調節される。
本発明の定着前の乾燥工程において、少なくともハロゲン化銀感光層の含水率が、90%以下であることが好ましく、特に50%以下とすることが好ましい。なお、この含水率に特に下限値はないが、一般に5%程度である。本明細書において、含水率は次のように規定した。処理前の感光材料の質量を第1質量とし、現像後乾燥の終了した感光材料の質量を第2質量とする。これら測定質量を用い次の式により、定着直前におけるハロゲン化銀感光層の含水率を求めてこれを百分率で表示する。
含水率=(第2質量−第1質量)/(第1質量−支持体質量)
上記式において、(第2質量−第1質量)で、ハロゲン化銀感光層に含まれる定着前の溶液質量が分かり、(第1質量−支持体質量)で、ハロゲン化銀感光層自体の質量が分かる。
<現像液>
現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フィルム社製のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社製のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72などの現像液、またはそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。リス現像液としては、KODAK社製のD85などを用いることができる。本発明では、上記の露光および現像処理を行うことにより露光部に金属銀部、好ましくはパターン状金属銀部が形成されると共に、未露光部に後述する光透過性部が形成される。
本発明においては、上記現像液としてジヒドロキシベンゼン系現像主薬を用いることができる。ジヒドロキシベンゼン系現像主薬としてはハイドロキノン、クロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホン酸塩などが挙げられるが、特にハイドロキノンが好ましい。上記ジヒドロキシベンゼン系現像主薬と超加成性を示す補助現像主薬としては、1−フェニル−3−ピラゾリドン類やp−アミノフェノール類が挙げられる。本発明において用いる現像液としては、ジヒドロキシベンゼン系現像主薬と1−フェニル−3−ピラゾリドン類との組合せ、またはジヒドロキシベンゼン系現像主薬とp−アミノフェノール類との組合せが好ましく用いられる。
補助現像主薬として用いられる1−フェニル−3−ピラゾリドンまたはその誘導体と組み合わせられる現像主薬としては、具体的に、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがある。
上記p−アミノフェノール系補助現像主薬としては、N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン等があるが、なかでもN−メチル−p−アミノフェノールが好ましい。ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は、通常0.05〜0.8モル/リットルの量で用いられるのが好ましいが、本発明においては、0.23モル/リットル以上で使用するのが特に好ましい。さらに好ましくは、0.23〜0.6モル/リットルの範囲である。またジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類若しくはp−アミノフェノール類との組合せを用いる場合には、前者を0.23〜0.6モル/リットル、さらに好ましくは0.23〜0.5モル/リットル、後者を0.06モル/リットル以下、さらに好ましくは0.03モル/リットル〜0.003モル/リットルの量で用いるのが好ましい。
本発明においては、現像開始液および現像補充液の双方が、「該液1リットルに0.1モルの水酸化ナトリウムを加えたときのpH上昇が0.5以下」である性質を有することが好ましい。使用する現像開始液ないし現像補充液がこの緩衝能を有することを確かめる方法としては、試験対象の現像開始液ないし現像補充液のpHを10.5に合わせ、ついでこの液1リットルに水酸化ナトリウムを0.1モル添加し、この際の液のpH値を測定し、pH値の上昇が0.5以下であれば上記に規定した性質を有すると判定する。本発明の製造方法では、特に、上記試験を行った時のpH値の上昇が0.4以下である現像開始液および現像補充液を用いることが好ましい。
現像開始液および現像補充液に緩衝能を与える方法としては、緩衝剤を使用した方法によることが好ましい。上記緩衝剤としては、炭酸塩、特開昭62−186259号公報に記載のホウ酸、特開昭60−93433号公報に記載の糖類(例えばサッカロース)、オキシム類(例えばアセトオキシム)、フェノール類(例えば5−スルホサリチル酸)、第3リン酸塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩)などを用いることができ、好ましくは炭酸塩、ホウ酸が用いられる。上記緩衝剤(特に炭酸塩)の使用量は、好ましくは、0.25モル/リットル以上であり、0.25〜1.5モル/リットルが特に好ましい。
本発明においては、現像開始液のpHが9.0〜11.0であることが好ましく、9.5〜10.7の範囲であることが特に好ましい。上記現像補充液のpHおよび連続処理時の現像タンク内の現像液のpHもこの範囲であることが好ましい。pH設定のために用いるアルカリ剤には通常の水溶性無機アルカリ金属塩(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム)を用いることができる。
本発明において、感光材料1平方メートルを処理する際に、現像液中の現像補充液の含有量は323ミリリットル以下、好ましくは30〜323ミリリットル、特に50〜225ミリリットルである。現像補充液は、現像開始液と同一の組成を有していてもよいし、現像で消費される成分について開始液よりも高い濃度を有していてもよい。
本発明で感光材料を現像処理する際の現像液(以下、現像開始液および現像補充液の双方をまとめて単に「現像液」という場合がある)には、通常用いられる添加剤(例えば、保恒剤、キレート剤)を含有することができる。上記保恒剤としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどの亜硫酸塩が挙げられる。該亜硫酸塩は、0.20モル/リットル以上用いられることが好ましく、さらに好ましくは0.3モル/リットル以上用いられるが、余りに多量添加すると現像液中の銀汚れの原因になるので、上限は1.2モル/リットルとするのが望ましい。特に好ましくは、0.35〜0.7モル/リットルである。また、ジヒドロキシベンゼン系現像主薬の保恒剤として、亜硫酸塩と併用してアスコルビン酸誘導体を少量使用してもよい。ここでアスコルビン酸誘導体とは、アスコルビン酸、および、その立体異性体であるエリソルビン酸やそのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム塩)などを包含する。上記アスコルビン酸誘導体としては、エリソルビン酸ナトリウムを用いることが素材コストの点で好ましい。上記アスコルビン酸誘導体の添加量はジヒドロキシベンゼン系現像主薬に対して、モル比で0.03〜0.12の範囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.10の範囲である。上記保恒剤としてアスコルビン酸誘導体を使用する場合には現像液中にホウ素化合物を含まないことが好ましい。
上記以外に現像液に用いることのできる添加剤としては、臭化ナトリウム、臭化カリウムの如き現像抑制剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミドの如き有機溶剤;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、イミダゾールまたはその誘導体等の現像促進剤や、メルカプト系化合物、インダゾール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物をカブリ防止剤または黒ポツ(black pepper)防止剤として含んでもよい。上記ベンゾイミダゾール系化合物としては、具体的に、5−ニトロインダゾール、5−p−ニトロベンゾイルアミノインダゾール、1−メチル−5−ニトロインダゾール、6−ニトロインダゾール、3−メチル−5−ニトロインダゾール、5−ニトロベンズイミダゾール、2−イソプロピル−5−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロベンズトリアゾール、4−〔(2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)チオ〕ブタンスルホン酸ナトリウム、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、メチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。これらベンゾイミダゾール系化合物の含有量は、通常、現像液1リットル当り0.01〜10mmolであり、より好ましくは、0.1〜2mmolである。
さらに上記現像液中には、各種の有機・無機のキレート剤を併用することができる。上記無機キレート剤としては、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等を用いることができる。一方、上記有機キレート剤としては、主に有機カルボン酸、アミノポリカルボン酸、有機ホスホン酸、アミノホスホン酸および有機ホスホノカルボン酸を用いることができる。
上記有機カルボン酸としては、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コハク酸、アシエライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
上記アミノポリカルボン酸としては、イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、エチレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテル四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、その他特開昭52−25632号、同55−67747号、同57−102624号の各公報、および特公昭53−40900号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
上記有機ホスホン酸としては、米国特許US第3214454号、同3794591号の各明細書、および西独特許公開2227639号公報等に記載のヒドロキシアルキリデン−ジホスホン酸やリサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)第181巻、Item 18170(1979年5月号)等に記載の化合物が挙げられる。
上記アミノホスホン酸としては、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられるが、その他上記リサーチ・ディスクロージャー18170号、特開昭57−208554号、同54−61125号、同55−29883号の各公報および同56−97347号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
上記有機ホスホノカルボン酸としては、特開昭52−102726号、同53−42730号、同54−121127号、同55−4024号、同55−4025号、同55−126241号、同55−65955号、同55−65956号等の各公報、および前述のリサーチ・ディスクロージャー18170号等に記載の化合物を挙げることができる。これらのキレート剤はアルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で使用してもよい。
これらキレート剤の添加量としては、現像液1リットル当り好ましくは、1×10-4〜1×10-1モル、より好ましくは1×10-3〜1×10-2モルである。
さらに、現像液中に銀汚れ防止剤として、特開昭56−24347号、特公昭56−46585号、特公昭62−2849号、特開平4−362942号の各公報記載の化合物を用いることができる。また、溶解助剤として特開昭61−267759号公報記載の化合物を用いることができる。さらに現像液には、必要に応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬膜剤等を含んでもよい。
現像処理温度および時間は相互に関係し、全処理時間との関係において決定されるが、一般に現像温度は約20℃〜約50℃が好ましく、25〜45℃がさらに好ましい。また、現像時間は5秒〜2分が好ましく、7秒〜1分30秒がさらに好ましい。
現像液の搬送コスト、包装材料コスト、省スペース等の目的から、現像液を濃縮化し、使用時に希釈して用いるようにする態様も好ましい。現像液の濃縮化のためには、現像液に含まれる塩成分をカリウム塩化することが有効である。
<定着液>
定着工程で使用する定着液の好ましい成分としては、以下が挙げられる。
すなわち、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、必要により酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸、イミノジ酢酸、5−スルホサリチル酸、グルコヘプタン酸、タイロン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸これらの塩等を含むことが好ましい。近年の環境保護の観点からは、ホウ酸は含まれない方が好ましい。本発明に用いられる定着液の定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどが挙げられ、定着速度の点からはチオ硫酸アンモニウムが好ましいが、近年の環境保護の観点からチオ硫酸ナトリウムが使われてもよい。これら既知の定着剤の使用量は適宜変えることができ、一般には約0.1〜約2モル/リットルである。特に好ましくは、0.2〜1.5モル/リットルである。定着液には所望により、硬膜剤(例えば水溶性アルミニウム化合物)、保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸)、pH調整剤(例えば、アンモニア、硫酸)、キレート剤、界面活性剤、湿潤剤、定着促進剤を含むことができる。
上記界面活性剤としては、例えば硫酸化物、スルホン化物などのアニオン界面活性剤、ポリエチレン系界面活性剤、特開昭57−6740号公報記載の両性界面活性剤などが挙げられる。また、上記定着液には、公知の消泡剤を添加してもよい。
上記湿潤剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルキレングリコールなどが挙げられる。また、上記定着促進剤としては、例えば特公昭45−35754号、同58−122535号、同58−122536号の各公報に記載のチオ尿素誘導体;分子内に3重結合を持つアルコール;米国特許US第4126459号明細書記載のチオエーテル化合物;特開平4−229860号公報記載のメソイオン化合物などが挙げられ、特開平2−44355号公報記載の化合物を用いてもよい。また、上記pH緩衝剤としては、例えば酢酸、リンゴ酸、こはく酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、アジピン酸などの有機酸や、ホウ酸、リン酸塩、亜硫酸塩などの無機緩衝剤が使用できる。上記pH緩衝剤として好ましくは、酢酸、酒石酸、亜硫酸塩が用いられる。ここでpH緩衝剤は、現像液の持ち込みによる定着剤のpH上昇を防ぐ目的で使用され、好ましくは0.01〜1.0モル/リットル、より好ましくは0.02〜0.6モル/リットル程度用いる。定着液のpHは4.0〜6.5が好ましく、特に好ましくは4.5〜6.0の範囲である。また、上記色素溶出促進剤として、特開昭64−4739号公報記載の化合物を用いることもできる。
本発明の定着液中の硬膜剤としては、水溶性アルミニウム塩、クロム塩が挙げられる。上記硬膜剤として好ましい化合物は、水溶性アルミニウム塩であり、例えば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明バンなどが挙げられる。上記硬膜剤の好ましい添加量は0.01モル〜0.2モル/リットルであり、さらに好ましくは0.03〜0.08モル/リットルである。
定着処理温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、さらに好ましくは25〜45℃である。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、さらに好ましくは7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料の処理量に対して600ml/m2以下が好ましく、500ml/m2以下がさらに好ましく、300ml/m2以下が特に好ましい。
<水洗処理・安定化処理>
現像、定着処理を施した感光材料は、水洗処理や安定化処理を施されるのが好ましい。上記水洗処理または安定化処理においては、水洗水量は通常感光材料1m2当り、20リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。このため、節水処理が可能となるのみならず、自現機設置の配管を不要とすることができる。水洗水の補充量を少なくする方法としては、古くから多段向流方式(例えば2段、3段など)が知られている。この多段向流方式を本発明の製造方法に適用した場合、定着後の感光材料は徐々に正常な方向、即ち定着液で汚れていない処理液の方向に順次接触して処理されていくので、さらに効率のよい水洗がなされる。また、水洗を少量の水で行う場合は、特開昭63−18350号、同62−287252号各公報などに記載のスクイズローラー、クロスオーバーローラーの洗浄槽を設けることがより好ましい。また、少量水洗時に問題となる公害負荷低減のためには、種々の酸化剤添加やフィルム濾過を組み合わせてもよい。さらに、上記方法においては、水洗浴または安定化浴に防黴手段を施した水を、処理に応じて補充することによって生じた水洗浴または安定化浴からのオーバーフロー液の一部または全部を、特開昭60−235133号公報に記載されているようにその前の処理工程である定着能を有する処理液に利用することもできる。また、少量水洗時に発生し易い水泡ムラ防止および/またはスクイズローラーに付着する処理剤成分が処理されたフィルムに転写することを防止するために、水溶性界面活性剤や消泡剤を添加してもよい。
また、上記水洗処理または安定化処理においては、感光材料から溶出した染料による汚染防止に、特開昭63−163456号公報に記載の色素吸着剤を水洗槽に設置してもよい。また、水洗処理に続いて安定化処理においては、特開平2−201357号、同2−132435号、同1−102553号、特開昭46−44446号の各公報に記載の化合物を含有した浴を、感光材料の最終浴として使用してもよい。この際、必要に応じてアンモニウム化合物、Bi、Alなどの金属化合物、蛍光増白剤、各種キレート剤、膜pH調節剤、硬膜剤、殺菌剤、防かび剤、アルカノールアミンや界面活性剤を加えることもできる。水洗工程または安定化工程に用いられる水としては水道水のほか脱イオン処理した水やハロゲン、紫外線殺菌灯や各種酸化剤(オゾン、過酸化水素、塩素酸塩など)等によって殺菌された水を使用することが好ましい。また、特開平4−39652号、特開平5−241309号公報記載の化合物を含む水洗水を使用してもよい。水洗処理または安定化温度における浴温度および時間は0〜50℃、5秒〜2分であることが好ましい。
上記各工程においては、現像液や定着液の組成から水を除いた成分を固形にして供給し、使用に当たって所定量の水で溶解して現像液や定着液として使用してもよい。このような形態の処理剤は固形処理剤と呼ばれる。固形処理剤は、粉末、錠剤、顆粒、粉末、塊状またはペースト状のものが用いられる。上記処理剤の、好ましい形態は、特開昭61−259921号公報記載の形態或いは錠剤である。該錠剤の製造方法は、例えば特開昭51−61837号、同54−155038号、同52−88025号の各公報、英国特許1,213,808号明細書等に記載される一般的な方法で製造できる。さらに顆粒の処理剤は、例えば特開平2−109042号、同2−109043号、同3−39735号各公報および同3−39739号公報等に記載される一般的な方法で製造できる。また、粉末の処理剤は、例えば特開昭54−133332号公報、英国特許725,892号、同729,862号各明細書およびドイツ特許3,733,861号明細書等に記載される一般的な方法で製造できる。
上記固形処理剤の嵩密度は、その溶解性の観点と、0.5〜6.0g/cm3のものが好ましく、特に1.0〜5.0g/cm3のものが好ましい。
上記固形処理剤を調製するに当たっては、処理剤を構成する物質の中の、少なくとも2種の相互に反応性の粒状物質を、反応性物質に対して不活性な物質による少なくとも一つの介在分離層によって分離された層になるように層状に反応性物質を置き、真空包装可能な袋を包材とし、袋内から排気しシールする方法を採用してもよい。ここにおいて、「不活性」とは、物質が互いに物理的に接触されたときにパッケージ内の通常の状態下で反応しないこと若しくは何らかの反応があっても著しくないことを意味する。不活性物質は、二つの相互に反応性の物質に対して不活性であることは別にして、二つの反応性の物質が意図される使用において不活発であればよい。さらに不活性物質は二つの反応性物質と同時に用いられる物質である。例えば、現像液においてハイドロキノンと水酸化ナトリウムは直接接触すると反応してしまうので、真空包装においてハイドロキノンと水酸化ナトリウムの間に分別層として亜硫酸ナトリウム等を使うことで、長期間パッケージ中に保存できる。また、ハイドロキノン等をブリケット化して水酸化ナトリウムとの接触面積を減らすことにより保存性が向上して両者を混合して用いることもできる。これらの真空包装材料の包材として用いられるのは不活性なプラスチックフィルム、プラスチック物質と金属箔のラミネートから作られたバッグである。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
本発明における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透明性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープを行った感光材料を用いることもできる。
〔めっき〕
本発明では、現像と定着の両工程(又は現像工程のみ)を経て得られた導電性現像銀パターン(導電性金属部)に金属(銀、又は銀と銅など)を沈積・付加させるために、めっきを施す。めっき処理は、めっき液の安定性を維持しながら金属沈積活性を高めることができて未露光部への金属沈積を抑止できる電解めっきである。めっきされる金属は、めっき浴の組成において現像銀よりもイオン化傾向が貴である金属であればいずれでもよいが、銅、銀、金、パラジウムが好ましく、中でも銅、銀が好ましい。基体金属(すなわち現像銀)に対して沈積金属が貴になるように現像銀表面に予めパラジウム化合物による活性化処理をほどこすことが好ましい。なお、めっきされる金属の種類によっては、本発明の電解めっきによって下記で説明する黒化処理を兼ねることも可能である。
以下、本発明に係る電解めっき処理の実施形態について図面を参照して説明する。本発明に係る電解めっき処理を好適に実施するためのめっき装置は、公知の装置と同様に、フィルムが巻き付けられた繰り出し用リール(図示せず)から順次繰り出されたフィルムを電解めっき槽に送り込み、めっき後のフィルムを巻取り用リール(図示せず)に順次巻き取る構成となっている。
図1に本発明に係る電解めっき処理に好適に用いられる電解めっき槽の一例を示す。この図1に示す電解めっき槽10は、長尺のフィルム16に連続してめっき処理を施すことができるものである。矢印はフィルム16の搬送方向を示している。電解めっき槽10は、めっき液15を貯留するめっき浴11を備えている。めっき浴11内には、一対のアノード板13が平行に配設され、アノード板13の内側には、一対のガイドローラ14がアノード板13と平行に回動可能に配設されている。ガイドローラ14は垂直方向に移動可能で、フィルム16のめっき処理時間を調整できる。
めっき浴11の上方には、フィルム16を案内するとともにフィルムに電流を供給する給電ローラ(カソード)12a,12bがそれぞれ回転自在に配設されている。また、めっき浴11の上方には、出口側の給電ローラ12bの下方に各一対の液切りローラ17が回動可能に配設されており、この液切りローラ17と出口側の給電ローラ12bとの間には、フィルムからめっき液を除去するための水洗用スプレー(図示せず)が設置されている。
アノード板13は、電線(図示せず)を介して電源装置(図示せず)のプラス端子に接続され、給電ローラ12a,12bは、電源装置(図示せず)のマイナス端子に接続されている。
上記のように、陰極は給電ローラの形態であることが好ましい。給電ローラは全面給電でも部分給電でもよいが、電流密度の不均一を生じにくく、めっきムラが発生しにくいことから、全面給電であることが好ましい。
上記の電解めっき槽10において、通常の電解めっき槽のサイズ(例えば10cm×10cm×10cm〜100cm×200cm×300cm)の場合、入り口側の給電ローラ12aとフィルム16とが接している面の最下部とめっき液面との距離(図1に示す距離La)は、0.5cm〜15cmとすることが好ましく、1cm〜10cmとすることがより好ましく、1cm〜7cmとすることがさらに好ましい。また、出口側の給電ローラ12bとフィルム16とが接している面の最下部とめっき液面との距離(図1に示す距離Lb)は、0.5cm〜15cmとすることが好ましい。
次に、上記電解めっき槽10を備えためっき装置を使用して、フィルムのメッシュパターン銅めっきを形成する方法を説明する。
まずめっき浴11にめっき液15を貯留する。めっき液としては、銅めっきの場合は、硫酸銅五水塩を30〜300g/L、硫酸を30g/L〜300g/Lを含むものを用いることができる。なお、ニッケルめっきの場合は、硫酸ニッケル、塩酸ニッケル等、鉄銀めっきの場合は、シアン化銀等を含むものを用いることができる。また、めっき液には、界面活性剤、硫黄化合物、窒素化合物等の添加剤を添加してもよい。
フィルム16を繰り出しリール(図示せず)に巻かれた状態でセットして、フィルム16のめっきを形成すべき側の面が給電ローラ12a,12bと接触するように、フィルム16を搬送ローラ(図示せず)に巻き掛ける。
アノード板13および給電ローラ12a,12bに電圧を印加し、フィルム16を給電ローラ12a,12bに接触させながら搬送する。フィルム16をめっき浴11に導入し、めっき液15に浸せきして銅めっきを形成する。液切りローラ17間を通過する際に、フィルム16に付着しためっき液15拭い取り、めっき浴11に回収する。これを複数の電解めっき槽で繰り返し、最後に水洗した後、巻取りリール(図示せず)に巻き取る。
フィルム16の搬送速度は、1m/分〜30m/分の範囲で設定されることが好ましい。フィルム16の搬送速度は、より好ましくは、1m/分〜10m/分の範囲であり、さらに好ましくは、2m/分〜5m/分の範囲である。
電解めっき槽の数は、特に限定されないが、2槽〜10槽が好ましく、3槽〜6槽がより好ましい。
印加電圧は、1V〜100Vの範囲であることが好ましく、2V〜60Vの範囲であることがより好ましい。電解めっき槽が複数設置されている場合は、徐々に印加電圧を下げることが好ましい。また、第1槽目の入り口側の電流量としては、1A〜30Aが好ましく、2A〜10Aがより好ましい。
給電ローラ12a,12bはフィルム全面(接触している面積のうちの実質的に電気的
に接触している部分が80%以上)と接触していることが好ましい。
なお、給電ローラ12a,12bおよび給電ローラ12a,12bとめっき液15の液面との間のフィルムの近傍にシャワー等を設けて、給電ローラ12a,12bおよびフィルム16を冷却することが好ましい。
なお、上記電解めっき槽においてめっき処理を行う前に、水洗および酸洗浄を行うことが好ましい。酸洗浄の際に用いる処理液には、硫酸等が含まれるものを用いることができる。
また、本発明のめっき処理においては上記の電解めっき処理を行う前に無電解めっき処理を行ってもよい。無電解めっき処理を行う場合は、電解めっき前の表面抵抗値が1Ω/sq〜1000Ω/sqとなっていることが必須である。
無電解めっき処理は、公知の無電解めっき技術を用いることができ、例えば、プリント配線板などで用いられている無電解めっき技術を用いることができ、無電解めっきは無電解銅めっきであることが好ましい。
無電解銅めっき液に含まれる化学種としては、硫酸銅や塩化銅、還元剤として、ホルマリンやグリオキシル酸、銅の配位子として、EDTA,トリエタノールアミン等、その他、浴の安定化やめっき皮膜の平滑性向上の為の添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジン、チオ尿素等が挙げられる。
本発明の電解めっき処理に適用できるフィルムは、表面抵抗が1Ω/sq〜1000Ω/sqのフィルム面を有するものであれば、いずれのフィルムにも適用することができる。表面抵抗の好ましい範囲は5Ω/sq〜500Ω/sqであり、より好ましい範囲は10Ω/sq〜100Ω/sqである。
また、フィルム上の導電性パターンは連続している(電気的に途切れていない)ことが必要である。一部でも繋がっていればよく、導電性パターンが途切れると第1槽目の電解めっき槽でめっきがつかない部分ができたり、ムラになったりするおそれがある。
[黒化処理]
本発明のロール状光学フィルムは、黒化処理を施したものであってもよい。
黒化処理については、例えば特開2003−188576号公報に開示されている。黒化処理により形成さえた黒化層は、防錆効果に加え、反射防止性を付与することができる。黒化層は、例えば、Co−Cu合金めっきによって形成され得るものであり、導電性メッシュパターン上に黒化層を設けることにより、その表面の反射を防止することができる。さらにその上に防錆処理としてクロメート処理をしてもよい。クロメート処理は、クロム酸もしくは重クロム酸塩を主成分とする溶液中に浸漬し、乾燥させて防錆被膜を形成するもので、必要に応じ、導電性メッシュパターンの片面もしくは両面に行なうことができるが、市販のクロメート処理された銅箔等を利用してもよい。
また、黒化層を含む構成の別の例としては、特開平11−266095号公報に示した構成であってもよい。すなわち、導電性金属部上に第1の黒化層を設け、この第1の黒化層上に上記の電解めっきを施した後、さらにこのめっき上に第2の黒化層を有する構成である。第1の黒化層上に電解めっきを行うには、少なくとも第1の黒化層が導電性である必要がある。上記の導電性黒化層は、一般に、導電性金属化合物、例えば、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)等の化合物を使用して形成することができ、あるいは、電着性イオン性高分子材料、例えば、電着塗装材料等を使用して形成することができる。
黒化層を設ける方法は公知である(例えば、特開平11−266095号公報の図5参照)。例えば、黒化材料を含有する電解液中に、導電性金属部を形成した透明支持体を浸漬し、電気化学的なめっき法でめっきすればよい。なお、本発明において、上記の黒化材料を含有する電解液の浴(黒色めっき浴)は、硫酸ニッケル塩を主成分とする黒色めっき浴を使用することができ、更に、市販の黒色めっき浴も同様に使用することができ、具体的には、例えば、株式会社シミズ製の黒色めっき浴(商品名、ノ−ブロイSNC、Sn−Ni合金系)、日本化学産業株式会社製の黒色めっき浴(商品名、ニッカブラック、Sn−Ni合金系)、株式会社金属化学工業製の黒色めっき浴(商品名、エボニ−クロム85シリ−ズ、Cr系)等を使用することができる。また、本発明においては、上記の黒色めっき浴としては、Zn系、Cu系、その他等の種々の黒色めっき浴を使用することができる。次に、前記の導電性めっきを施し、導電性メッシュパターンを形成した後、この上に第2の黒化層を形成する。例えば、電界めっきの金属がCuの場合、硫化水素(H2 S)液処理して、Cuの表面を硫化銅(CuS)として黒化し、第2の黒化層が形成される。なお、本発明において、第2の黒化層のための黒化処理剤としては、硫化物系化合物を用いて容易に製造でき、更にまた、市販品も多種類の処理剤があり、例えば、商品名・コパ−ブラックCuO、同CuS、セレン系のコパ−ブラックNo.65等(アイソレ−ト化学研究所製)、商品名・エボノ−ルCスペシャル(メルテックス株式会社製)等を使用することができる。
[導電性金属部]
本発明の導電性金属部は、線幅が1μmから40μmの細線からなるメッシュ形状であることが好ましい。このメッシュパターン部は、透光性電磁波シールド材料としての用途である場合、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形などの(正)n角形、円、楕円、星形などを組み合わせた幾何学図形であることが好ましく、これらの幾何学図形からなるメッシュ状であることがさらに好ましい。EMIシールド性の観点からは三角形の形状が最も有効であるが、可視光透過性の観点からは同一のライン幅なら(正)n角形のn数が大きいほど開口率が上がり可視光透過性が大きくなるので有利である。モアレを生じにくくする観点ではこれらの幾何学模様をランダムに配置したり、ライン幅を周期性なしに変化させることも好ましい。また、実質的に平行である直線状細線の交差するパターンからなることが好ましい。
なお、導電性配線材料の用途である場合、メッシュパターン部の形状は特に限定されず、目的に応じて任意の形状を適宜決定することができる。
透光性電磁波シールド材料の用途において、メッシュパターン部の線幅は例えば1μm以上40μm以下であり、好ましくは1μm以上30μm以下、最も好ましくは10μm以上25μm以下である。線間隔は50μm以上500μm以下であることが好ましく、更に好ましくは200μm以上400μm以下、最も好ましくは250μm以上350μm以下である。
本発明にかかる電磁波シールド膜の導電性金属部の表面抵抗は、好ましくは1Ω/sq以下である。
本発明における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、メッシュをなす細線のない部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅15μm、ピッチ300μmの正方形の格子状メッシュの開口率は、90%である。
導電性金属部の厚さは、透明支持体上に塗布される感光性銀塩含有層用塗料の塗布厚みに応じて適宜決定することができる。
導電性金属部の厚さは、ディスプレイの電磁波シールド材の用途としては、薄いほどディスプレイの視野角が広がるため好ましい。さらに、導電性配線材料の用途としては、高密度化の要請から薄膜化が要求される。このような観点から、導電性金属部に担持された導電性金属からなる層の厚さは、該用途の場合、9μm未満であることが好ましく、0.1μm以上5μm未満であることがより好ましく、0.1μm以上3μm未満であることがさらに好ましい。
本発明では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの導電性金属部を形成し、さらにめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する透光性電磁波シールド膜であっても容易に形成することができる。
なお、エッチングを用いたフォトリソグラフィー方法では、金属薄膜の大部分をエッチングで除去、廃棄する必要があったが、本発明では必要な量だけの導電性金属を含むパターンを支持体上に設けることができるため、必要最低限の金属量だけを用いればよく、製造コストの削減及び金属廃棄物の量の削減という両面から利点がある。
[光透過性部]
本発明における「光透過性部」とは、電磁波シールド膜のうち導電性金属部以外の透明性を有する部分を意味する。可視光透過性部における透過率は、支持体の光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
本発明のロール状光学フィルムは、ロール長手方向に3m以上連続する導電性メッシュパターンを有する。導電性メッシュパターンの連続長が長いほど、前記光学フィルムを生産する場合のロスが低減できるためより好ましい態様であるといえる。一方、連続長が長すぎるとロール状にした場合にロール径が大きくなる、ロールの質量が重くなる、ロールの中心部の圧力が強くなり接着や変形などの問題を生じ易くなる場合がある。これらの理由で導電性メッシュパターンの連続長は2000m以下であることが好ましい。好ましくは100m以上1000m以下、更に好ましくは200m以上800m以下、最も好ましくは300m以上500m以下である。
同様の理由により透明支持体の厚みは200μm以下が好ましく、更に好ましくは20μm以上180μm以下、最も好ましくは50μm以上120μm以下である。
[機能性フィルム]
本発明に係る光学フィルムは、高分子フィルム(A)、導電メッシュ層(B)からなる電磁波シールド膜と、機能性フィルム(C)は、可視光線に対して透明な任意の接着剤層(D)を介して貼り合わされる。ただし、本発明において、接着剤層には、接着剤層のみならず、引き剥がし可能に接着する、いわゆる粘着剤層をも含めて説明することもある。
<反射防止能、防眩性>
ディスプレイは、照明器具等の映り込みによって表示画面が見づらくなってしまうので、機能性フィルム(C)は、外光反射を抑制するための反射防止(AR:アンチリフレクション)性、または、鏡像の映り込みを防止する防眩(AG:アンチグレア)性、またはその両特性を備えた反射防止防眩(ARAG)性のいずれかの機能を有していることが好ましい。光学フィルム表面の可視光線反射率が低いと、映り込み防止だけではなく、コントラスト等を向上させることができる。
反射防止性を有する機能性フィルム(C)は、反射防止膜を有し、具体的には、可視域において屈折率が1.5以下、好適には1.4以下と低い、フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を例えば1/4波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、窒化物、硫化物等の無機化合物またはシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を2層以上多層積層したものがあるが、これらに限定されるものではない。反射防止性を有する機能性フィルム(C)の表面の可視光線反射率は2%以下、好ましくは1.3%以下、さらに好ましくは0.8%以下である。
防眩性を有する機能性フィルム(C)は、0.1μm〜10μm程度の微少な凹凸の表面状態を有する可視光線に対して透明な防眩膜を有している。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂に、シリカ、有機珪素化合物、メラミン、アクリル等の無機化合物または有機化合物の粒子を分散させインキ化したものを、基体上に塗布、硬化させる。粒子の平均粒径は、1μm〜40μmである。または、上記の熱硬化型または光硬化型樹脂を基体に塗布し、所望のグロス値または表面状態を有する型を押しつけ硬化することによっても防眩性を得ることができるが、必ずしもこれら方法に限定されるものではない。防眩性を有する機能性フィルム(C)のヘイズは0.5%以上20%以下であり、好ましくは1%以上10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩性が不十分であり、ヘイズが大きすぎると透過像鮮明度が低くなる傾向がある。
<ハードコート性>
光学フィルムに耐擦傷性を付加させるために、機能性フィルム(C)がハードコート性を有していることも好適である。ハードコート膜としてはアクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形成方法も特に限定されない。これら膜の厚さは、1μm〜50μm程度である。ハードコート性を有する機能性フィルム(C)の表面硬度は、JIS(K―5400)に従った鉛筆硬度が少なくともH、好ましくは2H、さらに好ましくは3H以上である。ハードコート膜上に反射防止膜および/または防眩膜を形成すると、耐擦傷性・反射防止性および/または防眩性を有する機能性フィルム(C)が得られ好適である。
<帯電防止能>
光学フィルムには、静電気帯電によりホコリが付着しやすく、また、人体が接触したときに放電して電気ショックを受けることがあるため、帯電防止処理が必要とされる場合がある。従って、静電気防止能を付与するために、機能性フィルム(C)が導電性を有していても良い。この場合に必要とされる導電性は面抵抗で1011Ω/□程度以下であれば良い。導電性を付与する方法としてはフィルムに帯電防止剤を含有させる方法や導電層を形成する方法が挙げられる。帯電防止剤として具体的には、商品名ペレスタット(三洋化成社製)、商品名エレクトロスリッパー(花王社製)等が挙げられる。導電層としてはITOをはじめとする公知の透明導電膜やITO超微粒子や酸化スズ超微粒子をはじめとする導電性超微粒子を分散させた導電膜が挙げられる。ハードコート膜や反射防止膜、防眩膜が、導電膜を有していたり導電性微粒子を含有していると好適である。
<防汚性>
機能性フィルム(C)表面が防汚性を有していると、指紋等の汚れ防止や汚れが付いたときに簡単に取り除くことができるので好適である。防汚性を有するものとしては、水および/または油脂に対して非濡性を有するものであって、例えばフッ素化合物やケイ素化合物が挙げられる。フッ素系防汚剤として具体的には商品名オプツール(ダイキン社製)等が挙げられ、ケイ素化合物としては、商品名タカタクォンタム(日本油脂社製)等が挙げられる。反射防止膜に、これら防汚性のある層を用いると、防汚性を有する反射防止膜が得られて好適である。
<色調補正能、近赤外カット性>
プラズマディスプレイは強度の近赤外線を発生する為、本発明にかかる光学フィルムをディスプレイ用フィルムとして用いる場合は、実用上問題無いレベルまで電磁波だけでなく近赤外線もカットする必要がある。波長領域800nm〜1000nmにおける透過率を25%以下、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下とすることが必要である。また、プラズマディスプレイに用いる光学フィルムはその透過色がニュートラルグレーまたはブルーグレーであることが要求される。これは、プラズマディスプレイの発光特性およびコントラストを維持または向上させる必要があったり、標準白色より若干高めの色温度の白色が好まれる場合があるからである。さらにまた、カラープラズマディスプレイはその色再現性が不十分と言われており、その原因である蛍光体または放電ガスからの不要発光を選択的に低減することが好ましい。特に赤色表示の発光スペクトルは、波長580nmから700nm程度までにわたる数本の発光ピークを示しており、比較的強い短波長側の発光ピークにより赤色発光がオレンジに近い色純度の良くないものとなってしまう問題がある。これら光学特性は、色素を用いることによって制御できる。つまり、近赤外線カットには近赤外線吸収剤を用い、また、不要発光の低減には不要発光を選択的に吸収する色素を用いて、所望の光学特性とすることが出来、また、光学フィルムの色調も可視領域に適当な吸収のある色素を用いて好適なものとすることができる。
色素を含有させる方法としては、(1)色素を少なくとも1種類以上、透明な樹脂に混錬させた高分子フィルムまたは樹脂板、(2)色素を少なくとも1種類以上、樹脂または樹脂モノマー/有機系溶媒の樹脂濃厚液に分散・溶解させ、キャスティング法により作製した高分子フィルムまたは樹脂板、(3)色素を少なくとも1種類以上を、樹脂バインダーと有機系溶媒に加え、塗料とし、高分子フィルムまたは樹脂板上にコーティングしたもの、(4)色素を少なくとも1種類以上を含有する透明な接着剤、のいずれか一つ以上選択できるが、これらに限定されない。本発明でいう含有とは、基材または塗膜等の層または接着剤の内部に含有されることは勿論、基材または層の表面に塗布した状態を意味する。
上記の色素は可視領域に所望の吸収波長を有する一般の染料または顔料、または、近赤外線吸収剤であって、その種類は特に限定されるものではないが、例えばアントラキノン系、フタロシアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン系、イモニウム系、アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン系、ジベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ローダミン系、キサンテン系、ピロメテン系、ジチオール系化合物、ジイミニウム系化合物等の一般に市販もされている有機色素があげられる。その種類・濃度は、色素の吸収波長・吸収係数、光学フィルムに要求される透過特性・透過率、そして分散させる媒体または塗膜の種類・厚さから決まり、特に限定されるものではない。
プラズマディスプレイパネルはパネル表面の温度が高く、環境の温度が高いときは特に光学フィルムの温度も上がるため、色素は、例えば80℃で分解等によって顕著に劣化しない耐熱性を有していることが好適である。また、耐熱性に加えて色素によっては耐光性に乏しいものもある。プラズマディスプレイの発光や外光の紫外線・可視光線による劣化が問題になる場合は、紫外線吸収剤を含む部材や紫外線を透過しない部材を用いることによって、色素の紫外線による劣化を低減すること、紫外線や可視光線による顕著な劣化がない色素を用いることが肝要である。熱、光に加えて、湿度や、これらの複合した環境においても同様である。劣化すると光学フィルムの透過特性が変わってしまい、色調が変化したり近赤外線カット能が低下してしまう。さらには、媒体または塗膜中に分散させるために、適宜の溶媒への溶解性や分散性も重要である。また、本発明においては異なる吸収波長を有する色素2種類以上を一つの媒体または塗膜に含有させても良いし、色素を含有する媒体、塗膜を2つ以上有していても良い。
上記の色素を含有する方法(1)〜(4)は、本発明においては、色素を含有する高分子フィルム(A)、色素を含有する機能性フィルム(C)、色素を含有する透光性接着剤(D)、その他貼り合わせに用いられる色素を含有する透光性の粘着材または接着剤のいずれか1つ以上の形態をもって、本発明の光学フィルムに使用できる。
<紫外線カット性>
一般に色素は紫外線で劣化しやすい。光学フィルムが通常使用条件下で受ける紫外線は、太陽光等の外光に含まれるものである。従って、色素の紫外線による劣化を防止する為には、色素を含有する層自身および該層より外光を受ける人側の層から選ばれる少なくとも1層に、紫外線カット能を有する層を有していることが好適である。例えば、高分子フィルム(A)が色素を含有する場合、透光性接着剤層(D)および/または機能性フィルム(C)が、紫外線吸収剤を含有したり、紫外線カット能を有する機能膜を有していれば、外光が含む紫外線から、色素を保護できる。色素を保護するのに必要な紫外線カット能としては、波長380nmより短い紫外線領域の透過率が、20%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。紫外線カット能を有する機能膜は、紫外線吸収剤を含有する塗膜であっても、紫外線を反射または吸収する無機膜であっても良い。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等、従来公知のものを使用でき、その種類・濃度は、分散または溶解させる媒体への分散性・溶解性、吸収波長・吸収係数、媒体の厚さ等から決まり、特に限定されるものではない。尚、紫外線カット能を有する層またはフィルムは、可視光線領域の吸収が少なく、著しく可視光線透過率が低下したり黄色等の色を呈することがないことが好ましい。色素を含有する機能性フィルム(C)においては、色素を含有する層が形成されている場合はその層よりも人側のフィルムまたは機能膜が紫外線カット能を有すれば良く、高分子フィルムが色素を含有する場合はフィルムより人側に紫外線カット能を有する機能膜や機能層を有していれば良い。
[透明接着剤層]
本発明に係る製造方法は電磁波シールド膜に透明接着剤層を形成した後に、上記、複合機能を有する機能性フィルムが貼合される。
<接着剤層>
接着剤層における接着剤の屈折率は1.40〜1.70のものを使用することが好ましい。これは使用するプラスチックフィルム等の透明基材と接着剤の屈折率との関係で、その差を小さくして、可視光透過率が低下するのを防ぐためであり、屈折率が1.40〜1.70であると可視光透過率の低下が少なく良好である。
具体的にはアクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等が挙げられ、実用上の接着強度があればシート状のものでも液状のものでもよい。接着剤は感圧型接着剤でシート状のものが好適に使用できる。シート状接着剤貼り付け後または接着剤塗布後に各部材をラミネートすることによって貼り合わせを行う。液状のものは塗布、貼り合わせ後に室温放置または加熱により硬化する接着剤である。塗布方法としては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法等が挙げられるが、接着剤の種類、粘度、塗布量等から考慮、選定される。層の厚みは、特に限定されるものではないが、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜30μmである。接着剤層を形成される面、貼り合わせられる面は、予め易接着コートまたはコロナ放電処理などの易接着処理により濡れ性を向上させておくことが好適である。また接着剤は透明支持体の両面に接着性を有する両面テープの形状でもよい。透明支持体は波長400〜800nmの可視光線の透過率が90%以上であるものであれば、特に限定されないが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリサルホン樹脂、もしくはポリ塩化ビニル樹脂等のフィルムを用いることができる。通常は、貼合する電磁波シールド膜と機能性フィルムと同等の柔軟性を有するものが好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂のフィルムを好ましく用いる。透明基材フィルムの厚みは、特に限定されないが、機械的強度があり、取り扱いの観点から、10μm〜100μm程度であることが好ましい。透明基材フィルムの両面にはコロナ放電処理等により濡れ性を向上させておき、両面に液状の接着剤を塗布、乾燥して、両面テープ形状の接着剤を得ることができる。貼り合わせはシート状接着剤と同様、貼り付け後ラミネートすることによって行う。
本発明においては、前述の可視光線に対して透明な粘着剤または接着剤を透光性接着剤と呼ぶ。
<貼合方法>
電磁波シールド膜への接着剤層の形成は(1)電磁波シールド膜の導電性メッシュ面、(2)電磁波シールド膜の導電性メッシュ面の裏面、(3)電磁波シールド膜の導電性メッシュ面および裏面の両面、のいずれかを選択できる。
導電性メッシュ面に透光性接着剤を用いる場合、接着剤層の厚さが導電性メッシュの凹部を十分埋め込むことができることが肝要である。導電性メッシュの金属部厚さより薄すぎると、埋め込み不十分で間隙が出来て凹部に気泡を噛み込み、濁りのある、透光性の不足してしまう。又、厚すぎると透光性接着剤を作製するコストがアップしたり部材のハンドリングが悪くなる等の問題が生じる。導電性メッシュの金属厚さがdμmの時、接着剤層の厚さは(d−2)μm〜(d+30)μmであることが好ましい。
導電性メッシュ面の裏面に透光性接着剤を用いる場合、接着剤層の厚みは導電性メッシュの金属厚みに影響されないが、製造適性から1〜30μmであることが好ましい。
貼合は加圧処理によって行うことが好ましい。加圧処理すると、貼り合わせ時に部材間に入り込んだ気体を脱泡または、接着剤に固溶させ、濁りを無くして透光性を向上させることができる。加圧方法としては、平板間に積層体を挟み込みプレスする方法、ニップロール間を加圧しながら通す方法、加圧容器内に入れて加圧する方法が挙げられるが、特に限定はされない。加圧容器内で加圧する方法は、積層体全体に一様に圧力がかかり加圧のムラが無く、また、一度に複数枚の積層体を処理できるので好適である。加圧容器としてはオートクレーブ装置を用いることが出来る。特にコンプレッサーなどによる圧縮空気、窒素などの不活性気体または不活性液体などの流体加圧方式であることが好ましい。このような流体加圧処理は積層体に圧力が均一に加えられるため、内部歪みが生じにくく、処理後の反りなどを防止でき、また気泡及び異物の残存を極めて小さくできる。
流体加圧処理は、圧力が高い程、噛み込んだ気泡を無くすことが出来、且つ、処理時間を短くすることが出来るが、積層体の耐圧性、加圧方法の装置上の制限から、0.2〜2MPa程度、好ましくは0.3〜1.3MPaである。また、加圧時間は、加圧条件によって変わり特に限定されないが、長くなりすぎると処理時間がかかりコストアップとなるので、適当な加圧条件において保持時間が6時間以下であることが好ましい。特に加圧容器の場合は、設定圧力に到達後、10〜120分程度保持することが好適である。
また、加圧時に同時に加温すると好ましい場合がある。加温することによって、透光性接着剤の流動性が一時的に上がり噛み込んだ気泡を脱泡しやすくなったり、気泡が接着剤中に固溶しやすくなる。加温条件としては光学フィルムを構成する各部材の耐熱性により、室温以上80℃以下程度であるが、特に限定を受けない。
電磁波シールド膜と機能性フィルムの性能および生産効率を考慮に入れると、好ましい条件は温度20〜80℃、圧力0.3〜1.3MPa、処理時間は10〜120分間、特に好ましくは温度40〜70℃、圧力0.4〜0.7MPa、処理時間は30〜90分間である。
さらに、加圧流体処理前に減圧処理することで、機能性フィルムと電磁波シールド膜の導電性メッシュ側を貼合する際、導電性メッシュの凸部近傍の微小気泡を完全に除くことができる。減圧処理は、流体加圧処理する前に直接減圧する方法、または減圧容器を用意し、その中で流体加圧処理をする方法が挙げられる。減圧条件は−0.05〜−0.1MPaが好ましい。
[光学フィルム]
本発明の光学フィルムを、ディスプレイの前面に設けて使用する方法としては、後述の透明成形物(E)を支持体とした前面フィルム板として使用する方法、ディスプレイ表面に透光性接着剤層(D)を介して、直接貼合して使用する方法がある。前者の場合、光学フィルムの設置が比較的容易であり、支持体により機械的強度が向上し、ディスプレイの保護に適している。後者の場合は、支持体が無くなることにより軽量化・薄化が可能であり、また、ディスプレイ表面の反射を防止することが出来、好適である。なお、本発明において、透光性接着剤層(D)はシート状、液状、両面テープ形状のいずれかの接着剤層を示す。
透明成形物(E)としては、ガラス板、透光性のプラスチック板があげられる。機械的強度や、軽さ、割れにくさからは、プラスチック板が好ましいが、熱による変形等の少ない熱的安定性からガラス板も好適に使用できる。プラスチック板の具体例を挙げると、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をはじめとするアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、透明ABS樹脂等が使用できるが、これらの樹脂に限定されるものではない。特にPMMAはその広い波長領域での高透明性と機械的強度の高さから好適に使用できる。プラスチック板の厚みは十分な機械的強度と、たわまずに平面性を維持する剛性が得られればよく、特に限定されるものではないが、通常1mm〜10mm程度である。ガラスは、機械的強度を付加するために化学強化加工または風冷強化加工を行った半強化ガラス板または強化ガラス板が好ましい。質量を考慮すると、その厚みは1mm〜4mm程度である事が好ましいが、特に限定されない。透明成形物(E)はフィルムを貼り合せる前に必要な各種公知の前処理を行うことが出来るし、光学フィルム周縁部となる部分に黒色等の有色の額縁印刷を施しても良い。
透明成形物(E)を用いる場合の光学フィルムの構成は、少なくとも機能性フィルム(C)/透光性接着剤層(D1)/導電性メッシュ層(B)/高分子フィルム(A)/透光性接着剤層(D2)/透明成形物(E)もしくは、機能性フィルム(C)/透光性接着剤層(D1)/高分子フィルム(A)/導電性メッシュ層(B)/透光性接着剤層(D2)/透明成形物(E)である。また、透明成形物(E)の透光性接着剤層(D)と貼り合せられる面とは反対の主面に、機能性フィルム(C)が透光性接着剤層を介して設けられても良い。この場合、観察者側に設けられる機能性フィルム(C)と同じ機能・構成を有する必要は無く、例えば、反射防止能を有している場合は、支持体を有する光学フィルムの裏面反射を低減することができる。同じく、透明成形物(E)の透光性接着剤層(D)と貼り合せられる面とは反対の主面に、反射防止膜等の機能膜(C)を形成しても良い。この場合は、機能性膜(C’)を観察者側にしてディスプレイに設置することもできるが、前述の通り、紫外線カット能を有する層を色素含有層および色素含有層より観察者側の層に設けることが好ましい。
電磁波シールドを必要とする機器には、機器のケース内部に金属層を設けたり、ケースに導電性材料を使用して電磁波を遮断する必要があるが、ディスプレイの如く表示部に透明性が必要である場合には、本発明の光学フィルムの如く透光性の導電層を有した窓状の電磁波シールドフィルムを設置する。ここで、電磁波は導電層において吸収されたのち電荷を誘起するため、アースをとることによって電荷を逃がさないと、再び光学フィルムがアンテナとなって電磁波を発振し電磁波シールド能が低下する。従って、光学フィルムとディスプレイ本体のアース部が電気的に接触している必要がある。そのため、導電性メッシュ層(B)は、貼合の際、外部から導通を取ることが出来る導通部を残している必要がある。導通部の形状は特に限定しないが、光学フィルムとディスプレイ本体の間に、電磁波の漏洩する隙間が存在しないことが肝要である。
導通部の保護のため、および/または、導通部がメッシュパターン層である場合にアース部との電気的接触を良好とするために、導通部に電極を形成することが好ましい場合がある。電極形状は特に限定しないが、導通部をすべて覆うように形成されている事が好適である。
電極に用いる材料は、導電性、耐触性および透明導電膜との密着性等の点から、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カーボン等の単体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹脂とこれら単体または合金の混合物、もしくは、ホウケイ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物からなるペーストを使用できる。ペーストの印刷、塗工には従来公知の方法を採用できる。また市販の導電性テープも好適に使用できる。導電性テープは両面ともに導電性を有するものであって、カーボン分散の導電性接着剤を用いた片面接着タイプ、両面接着タイプが好適に使用できる。電極の厚さは、これもまた特に限定されるものではないが、数μm〜数mm程度である。
本発明によれば、プラズマディスプレイの輝度を著しく損なわずに、その画質を維持または向上させることができる、光学特性に優れた光学フィルムを得ることが出来る。また、プラズマディスプレイから発生する健康に害をなす可能性があることを指摘されている電磁波を遮断する電磁波シールド能に優れ、さらに、プラズマディスプレイから放射される800nm〜1000nm付近の近赤外線線を効率よくカットするため、周辺電子機器のリモコン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を与えず、それらの誤動作を防ぐことができる光学フィルムを得ることができる。さらにまた、耐候性にも優れた光学フィルムを低コストで提供することが出来る。
<透明接着剤層(D)>
接着剤層における接着剤の屈折率は1.40〜1.70のものを使用することが好ましい。これは本発明で使用するプラスチックフィルム等の透明基材と接着剤の屈折率との関係で、その差を小さくして、可視光透過率が低下するのを防ぐためであり、屈折率が1.40〜1.70であると可視光透過率の低下が少なく良好である。
また、接着剤は、加熱または加圧により流動する接着剤であることが好ましく、特に、200℃以下の加熱または1Kgf/cm2以上の加圧により流動性を示す接着剤である
ことが好ましい。このような接着剤を用いることにより、この接着剤層に導電層が埋設されている本発明おける光学フィルムを被着体であるディスプレイやプラスチック板に接着剤層を流動させて接着することができる。流動できるので光学フィルムを被着体にラミネートや加圧成形、特に加圧成形により、また曲面、複雑形状を有する被着体にも容易に接着することができる。このためには、接着剤の軟化温度が200℃以下であると好ましい。光学フィルムの用途から、使用される環境が通常80℃未満であるので接着剤層の軟化温度は、80℃以上が好ましく、加工性から80〜120℃が最も好ましい。軟化温度は、粘度が1012ポイズ(1013Pa・s以下)以下になる温度のことで、通常その温度では1〜10秒程度の時間のうちに流動が認められる。
上記のような加熱または加圧により流動する接着剤としては、主に以下に示す熱可塑性樹脂が代表的なものとしてあげられる。たとえば天然ゴム(屈折率n=1.52)、ポリイソプ
レン(n=1.521)、ポリ−1,2−ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.505〜1.51)、ポリブテン(n=1.513)、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン(n=1.50)、ポリ−2−
t−ブチル−1,3−ブタジエン(n=1.506)、ポリ−1,3−ブタジエン(n=1.515)などの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン(n=1.456)、ポリオキシプロピレン(n=1.450)、ポリビニルエチルエーテル(n=1.454)、ポリビニルヘキシルエーテル(n=1.459)、ポリビニルブチルエーテル(n=1.456)などのポリエーテル類、ポリビニルアセテート(n=1.467)、ポリビニルプロピオネート(n=1.467)などのポリエステル類、ポリウレタン(n=1.5〜1.6)、エチル
セルロース(n=1.479)、ポリ塩化ビニル(n=1.54〜1.55)、ポリアクリロニトリル(n=1.52)
、ポリメタクリロニトリル(n=1.52)、ポリスルホン(n=1.633)、ポリスルフィド(n=1.6)、フェノキシ樹脂(n=1.5〜1.6)、ポリエチルアクリレート(n=1.469)、ポリブチルアクリレ
ート(n=1.466)、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート(n=1.463)、ポリ−t−ブチルアクリレート(n=1.464)、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート(n=1.465)、ポリオキシカルボニルテトラメチレン(n=1.465)、ポリメチルアクリレート(n=1.472〜1.480)、ポリ
イソプロピルメタクリレート(n=1.473)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.474)、ポリテトラデシルメタクリレート(n=1.475)、ポリ−n−プロピルメタクリレート(n=1.484)、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.484)、ポリエチルメタ
クリレート(n=1.485)、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート(n=1.487)、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート(n=1.489)、ポリメチルメタクリレート(n=1.489)などのポリ(メタ)アクリル酸エステルが使用可能である。これらのアクリルポリマーは必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使用することも可能である。
さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共重合樹脂としてはエポキシアクリレート(n=1.48〜1.60)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテルアクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレート(n=1.48〜1.54)なども使うこともできる。特に接着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマーは接着性向上に有効である。これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。これらの接着剤となるポリマーの軟化温度は、取扱い性から200℃以下が好適で、150℃以下がさらに好ましい。透光性電磁波シールド膜の用途から、使用される環境が通常80℃以下であるので接着剤層の軟化温度は、加工性から80〜120℃が最も好ましい。一方、ポリマーの質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したもの、以下同様)は、500以上のものを使用することが好ましい。分子量が500以下では接着剤組成物の凝集力が低すぎるために被着体への密着性が低下するおそれがある。本発明で使用する接着剤には必要に応じて、希釈剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤や粘着付与剤などの添加剤を配合してもよい。接着剤の層の厚さは、 10〜80μmであることが好ましく、導電層の厚さ以上で20〜50μmとすることが特に好ましい。
また、透明プラスチック基材が接着層を介して導電性材料と積層されている場合においては、接着層と幾何学図形を被覆する接着剤との屈折率の差が0.14以下とされる。これは、透明プラスチック基材と接着剤の屈折率、または接着剤と接着層の屈折率が異なると可視光透過率が低下するためであり、屈折率の差が0.14以下であると可視光透過率の低下が少なく良好となる。そのような要件を満たす接着剤の材料としては、透明プラスチック基材がポリエチレンテレフタレート(n=1.575;屈折率)の場合、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、ポリアルコール・ポリグリコール型エポキシ樹脂、ポリオレフィン型エポキシ樹脂、脂環式やハロゲン化ビスフェノールなどのエポキシ樹脂(いずれも屈折率が1.55〜1.60)を使うことができる。エポキシ樹脂以外では天然ゴム(n=1.52)、ポリイソプレン(n=1.521)、ポリ1
,2−ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.505〜1.51)、ポリブテン(n=1.5125)、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン(n=1.50)、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジエン(n=1.506)、ポリ−1,3−ブタジエン(n=1.515)などの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン(n=1.4563)、ポリオキシプロピレン(n=1.4495)、ポリビニルエチルエーテル(n=1.454)、ポリビニルヘキシルエーテル(n=1.4591)、ポリビニルブチルエーテル(n=1.4563)などのポリエーテル類、ポリビニルアセテート(n=1.4665)、ポリビニルプロピオネート(n=1.4665)などのポリエステル類、ポリウレタン(n=1.5〜1.6)、エチルセルロース(n=1.479)、ポリ塩化ビニル(n=1.54〜1.55)、ポリアクリロニトリル(n=1.52)、ポリメタクリロニトリル(n=1.52)、ポリスルホン(n=1.633)、ポリスルフィド(n=1.6)、フェノキシ樹脂(n=1.5〜1.6)などを挙げることができる。これらは、好適な可視光透過率を発現する。
一方、透明プラスチック基材がアクリル樹脂の場合、上記の樹脂以外に、ポリエチルアクリレート(n=1.4685)、ポリブチルアクリレート(n=1.466)、ポリ−2−エチルヘ
キシルアクリレート(n=1.463)、ポリ−t-ブチルアクリレート(n=1.4638)、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート(n=1.465)、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート(n=1.465)、ポリメチルアクリレート(n=1.472〜1.480)、ポリイソプロピル
メタクリレート(n=1.4728)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.474)、ポリテトラ
デシルメタクリレート(n=1.4746)、ポリ−n−プロピルメタクリレート(n=1.484)
、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.484)、ポリエチルメタクリレート(n=1.485)、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート(n=1.4868)、ポリテトラカルバニルメタクリレート(n=1.4889)、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート(n=1.4889)、ポリメチルメタクリレート(n=1.4893)などのポリ(メタ)アクリル酸エステルが使用可能である。これらのアクリルポリマーは必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使うこともできる。
さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共重合樹脂としてはエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレートなども使うこともできる。特に接着性の点から、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートは分子内に水酸基を有するため接着性向上に有効であり、これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。接着剤の主成分となるポリマーの質量平均分子量は、1,000以上のものが使われる。分子量が1,000以下だと組成物の凝集力が低すぎるために被着体への密着性が低下する。
接着剤には硬化剤(架橋剤)を用いても良く、架橋剤としては、トリエチレンテトラミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどのアミン類、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ドデシルコハク酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの酸無水物、ジアミノジフェニルスルホン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド、エチルメチルイミダゾールなどを使うことができる。 これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。これらの架橋剤の添加量は上記ポリマー100質量部に対して0.1〜50質量部、好ましくは1〜30質量部の範囲で選択するのがよい。この添加量が、0.1質量部未満であると硬化が不十分となり、50質量部を越えると過剰架橋となり、接着性に悪影響を与える場合がある。本発明で使用する接着剤の樹脂組成物には必要に応じて、希釈剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤や粘着付与剤などの添加剤を配合してもよい。そして、この接着剤の樹脂組成物は、透明プラスチック基材の表面に導電性材料で描かれた幾何学図形を設けた構成材料の基材の一部または全面を被覆するために、塗布され、溶媒乾燥、加熱硬化工程をへたのち、本発明に係る接着フィルムにする。上記で得られた電磁波シ−ルド性と透明性を有する接着フィルムは、該接着フィルムの接着剤によりCRT、PDP、液晶、ELなどのディスプレイに直接貼り付け使用したり、アクリル板、ガラス板等の板やシートに貼り付けてディスプレイに使用する。
透明プラスチック基材上の凹凸面に透明プラスチック基材と屈折率が近い樹脂が平滑に塗布されると乱反射が最小限に押さえられ、透明性が発現するようになる。さらに透明プラスチック基材上の導電性材料で描写された幾何学図形は、ライン幅が非常に小さいため肉眼で視認されない。またピッチも十分に大きいため見掛け上透明性を発現すると考えられる。一方、遮蔽すべき電磁波の波長に比べて、幾何学図形のピッチは十分に小さいため、優れたシールド性を発現すると考えられる。
特開2003−188576号公報に示すように、透明基材フィルムと導電性金属部との積層は、透明基材フィルムとして、熱融着性の高いエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、もしくはアイオノマー樹脂等の熱融着性樹脂のフィルムを単独、または他の樹脂フィルムと積層して使用するときは、接着剤層を設けずに行なうことも可能であるが、通常は、接着剤層を用いたドライラミネート法等によって積層を行なう。接着剤層を構成する接着剤としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、もしくはエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の接着剤を挙げることができ、これらの他、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂(紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等)を用いることもできる。
一般的には、ディスプレイの表面はガラス製であるので、接着剤を用いて貼り合わせるのは透明プラスチックフィルムとガラス板となり、その接着面に気泡が生じたり剥離が生じたりすると画像が歪む、表示色がディスプレイ本来のものと異なって見える等の問題が発生する。また、気泡および剥離の問題はいずれの場合でも接着剤がプラスチックフィルムまたはガラス板より剥離することにより発生する。この現象は、プラスチックフィルム側、ガラス板側ともに発生する可能性が有り、より密着力の弱い側で剥離が発生する。従って、高温での接着剤とプラスチックフィルム、ガラス板との密着力が高いことが必要となる。具体的には、透明プラスチックフィルム及びガラス板と接着剤層との密着力は80℃において10g/cm以上であることが好ましい。30g/cm以上であることが更に好ましい。ただし、2000g/cmを超えるような粘着剤は貼り合わせ作業が困難と成るために好ましくない場合がある。ただし、かかる問題点が発生しない場合は問題なく使用できる。さらに、この接着剤の透明プラスチックフィルムと面していない部分に不必要に他の部分に接触しないように合い紙(セパレーター)を設けることも可能である。
接着剤は透明であるものが好ましい。具体的には全光線透過率70%以上が好ましく、80%以上が更に好ましく、85〜92%が最も好ましい。さらに、霞度が低いことが好ましい。具体的には、0〜3%が好ましく、0〜1.5%が更に好ましい。本発明で用いる接着剤は、ディスプレイ本来の表示色を変化させないために無色であることが好ましい。ただし、樹脂自体が有色であっても接着剤の厚みが薄い場合には実質的には無色とみなすことが可能である。また、後述のように意図的に着色を行なう場合も同様にこの範囲ではない。
上記の特性を有する接着剤としては例えば、アクリル系樹脂、α−オレフィン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル共重合物系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エチレン−ビニルアセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの内、アクリル系樹脂が好ましい。同じ樹脂を用いる場合でも、接着剤を重合法により合成する際に架橋剤の添加量を下げる、粘着性付与材を加える、分子の末端基を変化させるなどの方法によって、粘着性を向上させることも可能である。また、同じ接着剤を用いても、接着剤を貼り合わせる面、すなわち、透明プラスチックフィルムまたはガラス板の表面改質を行なうことにより密着性を向上させることも可能である。このような表面の改質方法としては、コロナ放電処理、プラズマグロー処理等の物理的手法、密着性を向上させるための下地層を形成するなどの方法が挙げられる。
透明性、無色性、ハンドリング性の観点から、接着剤層の厚みは、5〜50μm程度であることが好ましい。接着剤層を接着剤で形成する場合は、その厚みは上記範囲内で薄くするとよい。具体的には1〜20μm程度である。ただし、上記のようにディスプレイ自体の表示色を変化させず、透明性も上記の範囲に入っている場合には、厚みが上記範囲を超えてもよい。
<剥離可能な保護フィルム>
本発明に係る光学フィルムには、剥離可能な保護フィルムを設けることができる。
保護フィルムは、必ずしも、光学フィルムの両面に有していなくてもよく、電磁波シールド側もしくは機能性フィルム側に有するだけでもよい。
積層体の製造プロセスについて説明する。電磁波シールド膜、機能性フィルムの透明基材フィルムとしては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリサルホン樹脂、もしくはポリ塩化ビニル樹脂等のフィルムを用いることができる。通常は、機械的強度が優れ、透明性が高いポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂のフィルムを好ましく用いる。透明基材フィルムの厚みは、特に限定されないが、機械的強度があり、折り曲げに対する抵抗性を大きくする点から、50μm〜200μm程度であることが好ましい。必要に応じ、透明基材フィルムの片面もしくは両面にコロナ放電処理を施したり、あるいは易接着層を設けるとよい。
電磁波シールド膜、機能性フィルムからなる光学フィルムは、積層したものの表裏に、さらに、最表面の強化、反射防止性の付与、防汚性の付与等の効果を有するシートを積層して使うものであるので、上記の保護フィルムは、このようなさらなる積層の際には剥離する必要があり、このため、保護フィルムの導電性金属部側への積層は、いわゆる剥離可能に行なうことが望ましい。
保護フィルムは導電性金属部上に積層した際の剥離強度は5mN/25mm幅〜5N/25mm幅であることが好ましく、より好ましくは10mN/25mm幅〜100mN/25mm幅である。下限未満では、剥離が容易過ぎ、取扱い中や不用意な接触により保護フィルムが剥離する恐れがあり、好ましくなく、また上限を超えると、剥離のために大きな力を要する上、剥離の際に、電磁波シールド膜の導電性メッシュ側に保護フィルムを接着した際、メッシュ状の導電性金属部が透明基材フィルム(もしくは粘着剤層から)剥離する恐れがあり、やはり好ましくない。
上記の点を満足させるために、保護フィルムを構成するフィルムとしては、ポリオレフィン系樹脂であるポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、もしくはアクリル樹脂等の樹脂フィルムを用いることが好ましく、また、上記した観点により、少なくとも、保護フィルムの、積層体に適用した際に最表面となる側の面にコロナ放電処理を施しておくか、易接着層を積層しておくことが好ましい。
また、保護フィルムを構成する粘着剤としては、アクリル酸エステル系、ゴム系、もしくはシリコーン系のものを使用することができる。
上記した保護フィルム用のフィルムの素材、および粘着剤の素材は、電磁波シールド側、機能性フィルム側に適用する保護フィルムのどちらについても、そのまま適用できるので、両保護フィルムとしては、異なるものを使用してもよいが、同じ物を、両保護フィルムとすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明の範囲を限定するものではなく、具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[電磁波シールド膜]
まず電磁波シールド膜を作成した。この電磁波シールド膜は実施例1,2及び比較例1,2に共通に用いた。
(ハロゲン化銀感光材料)
水媒体中のAg67gに対してゼラチン12.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=30モル%)を含有する乳剤を調製した。
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10-7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、更に塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が1g/m2となるようにポリエチレンテレフタレート(PET)上に塗布した。この際、Ag/ゼラチン体積比は1/1とした。
幅70cmのPET支持体に68cmの幅で200m分塗布を行い、塗布の中央部65cmを残すように両端を2.5cmずつ切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料を得た。
<露光>
特開2004−1244号公報の実施形態に記載のDMD(デジタル・ミラー・デバイス)を用いた露光ヘッドを65cm幅になるようにならべた半導体レーザーを用い、感光材料の感光層上にレーザー光が結像するように露光ヘッドおよび露光ステージを湾曲させて配置し、感材送り出し機構及び巻き取り機構を取り付けた上、露光面のテンション制御及び送り出し、巻き取り機構の速度変動が露光部分の速度に影響しないようにバッファー作用を有する撓みを設けた連続露光装置にて行った。露光の波長は400nm、ビーム形は12μmの略正方形、及びレーザー光源の出力は100μJであった。
露光のパターンは12μm画素が45度の格子状に、ピッチが300μm間隔で幅65cm長さ20m連続するように行った。後述するめっき処理後の銅のパターンが12μm線幅300ミクロンピッチであることが確認された。
<現像処理>
[現像液1L組成]
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
[定着液1L処方]
チオ硫酸アンモニウム(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・一水塩 25 g
1,3-ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
<電解めっき処理>
得られた導電性銀メッシュに対して、図1に示す電解めっき槽10を備えた電解めっき装置を用いてめっき処理を行った。なお、上記感光材料をその銀メッシュ面が下向きとなるように(銀メッシュ面が給電ローラと接するように)、電解めっき装置にとり付けた。
図1の給電ローラ12a,12bとして、鏡面仕上げしたステンレス製ローラ(10cmφ、長さ80cm)の表面に0.1mm厚の電気銅めっきを施したものを使用し、ガイドローラ14およびその他の搬送ローラとしては、銅めっきしていない5cmφ、長さ80cmのローラを使用した。また、ガイドローラ14の高さを調製することで、ライン速度が違っても一定の液中処理時間が確保されるようにした。
また入り口側の給電ローラ12aとフィルムの銀メッシュ面とが接している面の最下部とめっき液面との距離(図1に示す距離La)を、10cmとした。出口側の給電ローラと感光材料の銀メッシュ部分が接している面の最下部とめっき液面との距離(図1に示す距離Lb)を、20cmとした。また、ライン搬送速度を2m/分とした。
めっき処理におけるめっき処理液の組成、各浴の浸漬処理時間(液中時間)および各めっき浴の印加電圧は以下のとおりである。なお、処理液や水洗の温度は全て25℃であった。
・電解銅めっき液組成(補充液も同組成)
硫酸銅五水塩 78g
硫酸 185g
塩酸(35%) 0.06mL
カパーグリームPCM 7mL
(ローム・アンド・ハース電子材料(株)製)
純水を加えて 1L
・めっき浴の処理時間および印加電圧
酸洗浄 30秒
水洗 1分
めっき1 45秒 電圧 57V
めっき2 45秒 電圧 16V
めっき3 45秒 電圧 10V
めっき4 45秒 電圧 5V
水洗 1分
防錆 30秒
水洗 1分
フィルム試料は20mずつ処理し、めっき後の表面抵抗はいずれも0.3Ω/□以下であり、実用的に十分低い値であった。
<黒化処理・防錆処理>
下記の処理剤を用い、温度53℃で10分間電解メッキを行った。この時の電流値は、1.2A/dm2であり、ライン搬送速度は2m/分で行った。
黒化処理に連続して、防錆処理を行った。
・黒色部用処理剤
硫酸ニッケル 60g/L pH4.8
硫酸ニッケルアンモニウム 35g/L 温度53℃
硫酸亜鉛 20g/L
チオシアン酸ナトリウム 18g/L
・防錆液
硝酸ナトリウム 0.2モル/L水溶液
[機能性フィルム]
以下の製法により、紫外線カット性、ハードコート性、帯電防止性、反射防止性を有する機能性フィルムを得た。この機能性フィルムは実施例1,2及び比較例1,2に共通に用いた。
<紫外線カット性>
紫外線カット性を有する機能性フィルムを以下のように作成した。ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂99質量部に対し、紫外線吸収剤である2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン)1質量部を混合、ペレットを作成した後、押出ニ軸延伸により厚さ100μmに製膜して、紫外線カット性を有するPET支持体を幅70cm、長さ200mの大きさで作成した。
<ハードコート性、帯電防止性、反射防止性>
ハードコート塗料99.5質量部に対し、ITO微粒子(粒径10μm)0.5質量部を分散させた塗布液を、上記紫外線カット性を有するPET支持体に塗布して帯電防止性のあるハードコート膜(厚み3μm)を作成した。
γ−グリシドプロピルメチルジエトキシシラン部分加水分解物4.7質量部、メタノールシリカゾル(粒径13m)0.3質量部、メタノール30質量部、エタノール30質量部、イソプロパノール35質量部からなる塗布液を上記ハードコート膜上に塗布し、反射防止性を付与した。
以上より、紫外線カット性、ハードコート性、帯電防止性、反射防止性を有する機能性フィルムを得た。
[色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤]
電磁波シールド膜に塗布する透明接着剤に色調補正能及び近赤外カット性をもたせた。この透明接着剤は実施例1,2及び比較例1,2に共通に用いた。
近赤外吸収剤であるN,N,N’,N’−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモニウム)2質量部、調色色素(三井化学製 PS−Red−G、PS−Violet−RC)各2質量部をアクリル酸エステル重合体による透明接着剤94質量部に含有させて、色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤を得た。
(実施例1)
上記により得られたロール形状の電磁波シールド膜を20mに裁断し、導電性メッシュ側に上記、色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤を厚み3μmで塗布した。幅65cm、長さ20mにカットした機能性フィルムの機能膜の裏面を電磁波シールド膜の接着剤と貼合し、60℃、0.5MPaで40分間、加熱加圧して幅65cm、長さ20mのロール状光学フィルムを得た。さらにこれを長さ116cm幅65cmに裁断した後、同サイズのガラス板に貼合した。
(実施例2)
上記により得られたロール形状の電磁波シールド膜を20mに裁断し、導電性メッシュ側の裏面に上記、色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤を厚み3μmで塗布した。幅65cm、長さ20mにカットした機能性フィルムの機能膜の裏面を電磁波シールド膜の接着剤と貼合し、60℃、0.5MPaで40分間、加熱加圧して幅65cm、長さ20mのロール状光学フィルムを得た。さらにこれを長さ116cm幅65cmに裁断した後、同サイズのガラス板に貼合した。
(比較例1)
ロール形状の電磁波シールド膜の導電性メッシュ側に厚さ10μmの色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤を塗布した後、長さ116cm、65cmに裁断した。これを長さ116cm、幅65cmに裁断した機能性フィルムの機能膜の裏面と位置合わせをして貼合し、60℃、0.5MPaで40分間、加熱加圧して長さ116cm、幅65cmの光学フィルムを得た。さらにこれを同サイズのガラス板に貼合した。
(比較例2)
電磁波シールド膜を次のようなパターンで作成した。露光パターンを長さ100cm、幅58cmの導電性メッシュと幅3cmの導電性枠の形状に変更して、前記と同様の処理により電磁波シールド膜を作成し、長さ116cm、幅65cmに裁断した。そして導電性メッシュ側に厚さ10μmの色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤を塗布した。
ロール形状の機能性フィルムも長さ116cm、65cmに裁断し、電磁波シールド膜の導電性メッシュ面と位置合わせをして貼合し、60℃、0.5MPaで40分間、加熱加圧して長さ116cm、幅65cmの光学フィルムを得た。さらにこれを同サイズのガラス板に貼合した。
上記のようにして得られた実施例1,2および比較例1,2における全体の工程時間の比較および作成できた光学フィルム枚数と加工途中の廃棄面積(近赤外線吸収フィルムおよび電磁波シールド膜に使用した支持体のうち不要となる面積の合計)を表1に示す。
Figure 2007149760
表1から明らかなようにロール形状で作成した光学フィルムは機能性フィルムと電磁波シールド膜の貼合、およびガラス板への貼合の際、位置合わせの時間を縮小できるため、製造コストを削減できる。またロール形状で貼合するため、1ロールあたりからできる光学フィルムの枚数が増加し、廃棄面積を削減、製造コストを削減できる。さらに連続メッシュであることにより、位置合わせのための裁断が不要となるので工程時間および廃棄量が削減できる。
本発明のめっき処理方法に好適に用いられる電解めっき槽の一例を示す模式図である。
符号の説明
10 電解めっき装置
11 電解槽
12a,12b 給電ローラ
13 アノード板
14 ガイドローラ
15 めっき液
16 フィルム 17 液切りローラ

Claims (4)

  1. 透明支持体上に設けられた感光性銀塩含有層を露光し、続いて現像処理することにより導電性金属部及び光透過性部を形成した後、該導電性金属部に電解めっきを施して導電性を高めて得られる、ロール長手方向に3m以上連続する導電性メッシュパターンを有する電磁波シールド膜に、接着剤層を設けた後、反射防止性、防眩性、ハードコート性、防汚性、帯電防止能、色調補正能、近赤外カット性、紫外線カット性の少なくとも1つの機能を有し、ロール長手方向に3m以上連続した機能性フィルムを貼合してなるロール状光学フィルムの製造方法。
  2. 前記電磁波シールド膜の導電性金属部が線幅1〜40μmの細線からなるメッシュ形状であり、表面抵抗が1Ω/sq以下であることを特徴とする請求項1に記載のロール状光学フィルムの製造方法。
  3. 前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターン上に接着剤層を設け、前記接着剤層を介して前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターン側と前記機能性フィルムとを貼合することを特徴とする請求項1または2に記載のロール状光学フィルムの製造方法。
  4. 前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンの反対側に接着剤層を設け、前記接着剤層を介して前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンの反対側と前記機能性フィルムとを貼合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のロール状光学フィルムの製造方法。
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