JP2007149760A - ロール状光学フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明支持体上に設けられた感光性銀塩含有層を露光し、続いて現像処理することにより導電性金属部及び光透過性部を形成した後、該導電性金属部に電解めっきを施して導電性を高めて得られる、ロール長手方向に3m以上連続する導電性メッシュパターンを有する電磁波シールド膜に、接着剤層を設けた後、反射防止性、防眩性、ハードコート性、防汚性、帯電防止能、色調補正能、近赤外カット性、紫外線カット性の少なくとも1つの機能を有し、ロール長手方向に3m以上連続した機能性フィルムを貼合してなるロール状光学フィルムの製造方法。
【選択図】なし
Description
透明性に関しても、CRT用として凡そ70%以上の透過率が要求されているのに対して、PDP用として80%以上の透過率が望まれている。
銀塩感光材料は、カラーネガフィルム、黒白ネガフィルム、映画用フィルム、カラーリバーサルフィルム等の写真フィルム、カラーペーパー、黒白印画紙などの写真用印画紙等として従来から広く用いられているが、この材料を利用すればパターン露光と現像による写真的方法によって簡易なプロセスでパターン状の金属銀を得ることができ、この金属銀は、感光材料の構成や現像方法次第では導電性を利用することが可能である。1960年代に物理現像核に銀を沈着させる銀塩拡散転写法によって導電性金属銀薄膜パターンを形成する方法が、特許文献4に開示されている。
また、高い導電性を得ることも困難で、導電性を高めるために厚い銀膜を得ようとすると、透明性が損なわれる問題があった。したがって、上記銀塩拡散転写法をそのまま用いても、電子ディスプレイ機器の画像表示面からの電磁波をシールドするのに好適な、光透過性と導電性の優れた透光性電磁波シールド材料は得ることができなかった。
また、銀塩拡散転写法を用いないで、通常の市販のネガフィルムとネガ型現像処理を利用したのでは、導電性と透明性を両立させる点において一層不利であり、CRTやPDPの透光性電磁波シールド材料として利用するには不十分なものであった。
更には、上記のような電磁波シールド膜をPDP用光学フィルムとして利用するには、視認性向上の点から反射防止性、防眩性、PDPでの利用状況からハードコート性、帯電防止能、防汚性、PDPの発光原理による不要な輻射を防止する点から色調補正能、近赤外カット性、紫外線カット性などの複合機能を有することが必要とされている。
これらの複合機能を付与することは、該機能層を電磁波シールド膜と貼り合わせる方法が考えられるが、電磁波シールドフィルムが上記の様に断続的なものであって多量のロスを生じながら光学フィルムが製造される限り、機能性フィルムもまた、断続的にしか利用されない欠点を抱えている。
(1)
透明支持体上に設けられた感光性銀塩含有層を露光し、続いて現像処理することにより導電性金属部及び光透過性部を形成した後、該導電性金属部に電解めっきを施して導電性を高めて得られる、ロール長手方向に3m以上連続する導電性メッシュパターンを有する電磁波シールド膜に、接着剤層を設けた後、反射防止性、防眩性、ハードコート性、防汚性、帯電防止能、色調補正能、近赤外カット性、紫外線カット性の少なくとも1つの機能を有し、ロール長手方向に3m以上連続した機能性フィルムを貼合してなるロール状光学フィルムの製造方法。
(2)
前記電磁波シールド膜の導電性金属部が線幅1〜40μmの細線からなるメッシュ形状であり、表面抵抗が1Ω/sq以下であることを特徴とする(1)に記載のロール状光学フィルムの製造方法。
(3)
前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターン上に接着剤層を設け、前記接着剤層を介して前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターン側と前記機能性フィルムをと貼合することを特徴とする(1)または(2)に記載のロール状光学フィルムの製造方法。
(4)
前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンの反対側に接着剤層を設け、前記接着剤層を介して前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンの反対側と前記機能性フィルムを貼合することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のロール状光学フィルムの製造方法。
とくに本発明によれば、電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンが長手方向に3m以上連続していることから、電磁波シールド膜一枚ごとにサイズを調整しながら機能性フィルムをカットし、位置合わせをして貼合する必要がなく、生産性に優れる。さらに、本発明のロール状光学フィルムは、前記のように電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンが長手方向に連続しているので、例えばこれをPDP前面板に貼合する際にも厳密な位置合わせが不要となり、生産速度を高めることができる。さらにまた、電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンが連続しているため、1ロールあたりから作成できる光学フィルム枚数を増加でき(ロスが少ないため)、生産効率を高めることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
[感光材料]
<乳剤層>
本発明の感光性銀塩含有層に用いられる感光材料は、透明支持体上に、光センサーとして銀塩を含む乳剤層(銀塩含有層)を有するのが好ましい。本発明における乳剤層には、銀塩のほか、必要に応じて、染料、バインダー、溶媒等を含有することができる。
<染料>
感光材料には、少なくとも乳剤層に染料が含まれてもよい。染料は、フィルム染料として若しくはイラジエーション防止その他種々の目的で乳剤層に含まれる。上記染料としては、固体分散染料を含有してよい。本発明に好ましく用いられる染料としては、特開平9−179243号公報記載の一般式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般式(FA3)で表される染料が挙げられ、具体的には同公報記載の化合物F1〜F34が好ましい。また、特開平7−152112号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−152112号公報記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−152112号公報記載の(IV−2)〜(IV−7)等も好ましく用いられる。
本発明で用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀などの無機銀塩が挙げられる。本発明においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
本発明では、光センサーとして機能させるためにハロゲン化銀を使用することが好ましく、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においても用いることができる。
尚、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均一な相からなっていても異なっていてもよい。また粒子内部或いは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有していてもよい。
また、銀粒子の形成方法としては、粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。さらに、同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち、いわゆるコントロールド・ダブルジェット法を用いることもできる。
またアンモニア、チオエーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して粒子形成させることも好ましい。係る方法としてより好ましくは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号、同55−77737号各公報に記載されている。好ましいチオ尿素化合物はテトラメチルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチオンが挙げられる。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化銀1モルあたり10-5〜10-2モルが好ましい。
また、粒子サイズを均一にするためには、英国特許第1,535,016号明細書、特公昭48−36890号広報、同52−16364号公報に記載されているように、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特開昭55−158124号公報に記載されているように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を越えない範囲において早く銀を成長させることが好ましい。本発明における乳剤層の形成に用いられるハロゲン化銀乳剤は単分散乳剤が好ましく、{(粒子サイズの標準偏差)/(平均粒子サイズ)}×100で表される変動係数が20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下であることが好ましい。
また、高感度化のためにはK4〔Fe(CN)6〕やK4〔Ru(CN)6〕、K3〔Cr(CN)6〕のごとき六シアノ化金属錯体のドープが有利に行われる。
これらのロジウム化合物は、水或いは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、或いはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、あらかじめロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。
上記ルテニウム化合物としては、ヘキサクロロルテニウム、ペンタクロロニトロシルル
テニウム、K4〔Ru(CN)6〕等が挙げられる。
上記鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム、チオシアン酸第一鉄が挙
げられる。
〔ML6〕-n
(ここで、MはRuまたはOsを表し、nは0、1、2、3または4を表す。)
この場合、対イオンは重要性を持たず、例えば、アンモニウム若しくはアルカリ金属イオンが用いられる。また好ましい配位子としてはハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシル配位子、チオニトロシル配位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
このPd含有ハロゲン化銀粒子は、処理における金属析出速度を速め、所望の電磁波シールド材の生産効率を上げ、生産コストの低減に寄与する。Pdは、金属析出触媒としてよく知られて用いられているが、本発明では、ハロゲン化銀粒子の表層にPdを偏在させることが可能なため、極めて高価なPdを節約することが可能である。
使用するPd化合物の例としては、PdCl4や、Na2PdCl4等が挙げられる。
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ銀塩含有層と透明支持体との密着を補助する目的でバインダーを用いることができる。本発明において上記バインダーとしては、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
本発明の銀塩含有層で用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸エチルなどのエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本発明の銀塩含有層に用いられる溶媒の含有量は、前記銀含有層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であることが好ましく、50〜80質量%の範囲であることがより好ましい。
本発明では、透明支持体上に設けられた銀塩含有層の露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線などの光線、X線などの放射線等を用いることができる。露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。以下、本発明に係る現像処理方法について説明する。一般の現像処理工程は白黒写真現像では、現像液、停止液、定着液、水洗液の順に連続的に処理を行う。連続的なこれらの浸溶処理の後に乾燥を行うが、この乾燥工程のほかに、本発明においては現像液への浸漬後、定着液への浸漬工程までの間にフィルムの乾燥を行うこともできる。この工程により、定着処理終了後の定常処理(中間乾燥を行わない処理)した銀のメッシュ状パターン(銀メッシュ)に比べて、表面抵抗が低い銀メッシュを得ることができる。また現像処理は米国特許第3025779号明細書、同第3545971号明細書などに記載のローラ搬送型の自動現像機と同様の搬送形式を用いてもよい。本明細書においてはローラ搬送型プロセッサーと言及する。本発明において、このローラ搬送型プロセッサーは現像、乾燥、定着、水洗および乾燥の五工程からなる。この五工程だけに限らず、他の工程(例えば、停止工程、乾燥前の乾燥促進工程など)の追加も可能であるが、少なくともこの五工程を含むことが好ましい。また水洗工程の代わりに安定工程を用いても構わない。
本発明において乾燥工程は加温および/または水切りを伴うことが好ましい。乾燥は、単純な自然乾燥や室温送風乾燥であってもよいが、加温による乾燥、水切りに続けて行う室温乾燥、水切りと加温乾燥の組み合わせのいずれでも良く限定はないが、水切りと加温乾燥を組み合わせた態様が好ましい。
水切り方法は、ゴムローラーや樹脂ローラを用いたスクイズローラーの圧力により、感材と接触して水を絞り切る方法、空気を吹き付けるエアースクイズなどを用いた風圧による非接触で水を切る方法、いずれも用いることができる。
加温方法は公知のいずれの方法も用いることができ特に限定はないが、温風乾燥や、特開平4−15534、同5−2256、同5−289294に開示されているようなヒートローラー乾燥、高周波乾燥、遠赤外線による乾燥などがあり、複数の方法を併用してもよい。また温度を高くすることや吹きつけノズルの形状を変更し乾燥風を強くすることなどで乾燥を早めることが可能である。更に、特開平3−157650号公報に記載されているように、乾燥風の感光材料への送風角度の調整や、排出風の除去方法によっても乾燥を早めることができる。乾燥温度は約0℃〜約90℃が好ましく、25〜60℃がさらに好ましい。乾燥時間は特開平3−174156に準じて行うことができ、周囲の状態および感光材料の親水性バインダー含有量により、適宜調節される。
本発明の定着前の乾燥工程において、少なくともハロゲン化銀感光層の含水率が、90%以下であることが好ましく、特に50%以下とすることが好ましい。なお、この含水率に特に下限値はないが、一般に5%程度である。本明細書において、含水率は次のように規定した。処理前の感光材料の質量を第1質量とし、現像後乾燥の終了した感光材料の質量を第2質量とする。これら測定質量を用い次の式により、定着直前におけるハロゲン化銀感光層の含水率を求めてこれを百分率で表示する。
含水率=(第2質量−第1質量)/(第1質量−支持体質量)
上記式において、(第2質量−第1質量)で、ハロゲン化銀感光層に含まれる定着前の溶液質量が分かり、(第1質量−支持体質量)で、ハロゲン化銀感光層自体の質量が分かる。
現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フィルム社製のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社製のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72などの現像液、またはそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。リス現像液としては、KODAK社製のD85などを用いることができる。本発明では、上記の露光および現像処理を行うことにより露光部に金属銀部、好ましくはパターン状金属銀部が形成されると共に、未露光部に後述する光透過性部が形成される。
上記p−アミノフェノール系補助現像主薬としては、N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン等があるが、なかでもN−メチル−p−アミノフェノールが好ましい。ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は、通常0.05〜0.8モル/リットルの量で用いられるのが好ましいが、本発明においては、0.23モル/リットル以上で使用するのが特に好ましい。さらに好ましくは、0.23〜0.6モル/リットルの範囲である。またジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類若しくはp−アミノフェノール類との組合せを用いる場合には、前者を0.23〜0.6モル/リットル、さらに好ましくは0.23〜0.5モル/リットル、後者を0.06モル/リットル以下、さらに好ましくは0.03モル/リットル〜0.003モル/リットルの量で用いるのが好ましい。
上記有機カルボン酸としては、アクリル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、コハク酸、アシエライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
上記アミノホスホン酸としては、アミノトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられるが、その他上記リサーチ・ディスクロージャー18170号、特開昭57−208554号、同54−61125号、同55−29883号の各公報および同56−97347号公報等に記載の化合物を挙げることができる。
現像処理温度および時間は相互に関係し、全処理時間との関係において決定されるが、一般に現像温度は約20℃〜約50℃が好ましく、25〜45℃がさらに好ましい。また、現像時間は5秒〜2分が好ましく、7秒〜1分30秒がさらに好ましい。
定着工程で使用する定着液の好ましい成分としては、以下が挙げられる。
すなわち、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、必要により酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸、イミノジ酢酸、5−スルホサリチル酸、グルコヘプタン酸、タイロン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸これらの塩等を含むことが好ましい。近年の環境保護の観点からは、ホウ酸は含まれない方が好ましい。本発明に用いられる定着液の定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどが挙げられ、定着速度の点からはチオ硫酸アンモニウムが好ましいが、近年の環境保護の観点からチオ硫酸ナトリウムが使われてもよい。これら既知の定着剤の使用量は適宜変えることができ、一般には約0.1〜約2モル/リットルである。特に好ましくは、0.2〜1.5モル/リットルである。定着液には所望により、硬膜剤(例えば水溶性アルミニウム化合物)、保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸)、pH調整剤(例えば、アンモニア、硫酸)、キレート剤、界面活性剤、湿潤剤、定着促進剤を含むことができる。
上記湿潤剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルキレングリコールなどが挙げられる。また、上記定着促進剤としては、例えば特公昭45−35754号、同58−122535号、同58−122536号の各公報に記載のチオ尿素誘導体;分子内に3重結合を持つアルコール;米国特許US第4126459号明細書記載のチオエーテル化合物;特開平4−229860号公報記載のメソイオン化合物などが挙げられ、特開平2−44355号公報記載の化合物を用いてもよい。また、上記pH緩衝剤としては、例えば酢酸、リンゴ酸、こはく酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、アジピン酸などの有機酸や、ホウ酸、リン酸塩、亜硫酸塩などの無機緩衝剤が使用できる。上記pH緩衝剤として好ましくは、酢酸、酒石酸、亜硫酸塩が用いられる。ここでpH緩衝剤は、現像液の持ち込みによる定着剤のpH上昇を防ぐ目的で使用され、好ましくは0.01〜1.0モル/リットル、より好ましくは0.02〜0.6モル/リットル程度用いる。定着液のpHは4.0〜6.5が好ましく、特に好ましくは4.5〜6.0の範囲である。また、上記色素溶出促進剤として、特開昭64−4739号公報記載の化合物を用いることもできる。
現像、定着処理を施した感光材料は、水洗処理や安定化処理を施されるのが好ましい。上記水洗処理または安定化処理においては、水洗水量は通常感光材料1m2当り、20リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。このため、節水処理が可能となるのみならず、自現機設置の配管を不要とすることができる。水洗水の補充量を少なくする方法としては、古くから多段向流方式(例えば2段、3段など)が知られている。この多段向流方式を本発明の製造方法に適用した場合、定着後の感光材料は徐々に正常な方向、即ち定着液で汚れていない処理液の方向に順次接触して処理されていくので、さらに効率のよい水洗がなされる。また、水洗を少量の水で行う場合は、特開昭63−18350号、同62−287252号各公報などに記載のスクイズローラー、クロスオーバーローラーの洗浄槽を設けることがより好ましい。また、少量水洗時に問題となる公害負荷低減のためには、種々の酸化剤添加やフィルム濾過を組み合わせてもよい。さらに、上記方法においては、水洗浴または安定化浴に防黴手段を施した水を、処理に応じて補充することによって生じた水洗浴または安定化浴からのオーバーフロー液の一部または全部を、特開昭60−235133号公報に記載されているようにその前の処理工程である定着能を有する処理液に利用することもできる。また、少量水洗時に発生し易い水泡ムラ防止および/またはスクイズローラーに付着する処理剤成分が処理されたフィルムに転写することを防止するために、水溶性界面活性剤や消泡剤を添加してもよい。
本発明では、現像と定着の両工程(又は現像工程のみ)を経て得られた導電性現像銀パターン(導電性金属部)に金属(銀、又は銀と銅など)を沈積・付加させるために、めっきを施す。めっき処理は、めっき液の安定性を維持しながら金属沈積活性を高めることができて未露光部への金属沈積を抑止できる電解めっきである。めっきされる金属は、めっき浴の組成において現像銀よりもイオン化傾向が貴である金属であればいずれでもよいが、銅、銀、金、パラジウムが好ましく、中でも銅、銀が好ましい。基体金属(すなわち現像銀)に対して沈積金属が貴になるように現像銀表面に予めパラジウム化合物による活性化処理をほどこすことが好ましい。なお、めっきされる金属の種類によっては、本発明の電解めっきによって下記で説明する黒化処理を兼ねることも可能である。
アノード板13は、電線(図示せず)を介して電源装置(図示せず)のプラス端子に接続され、給電ローラ12a,12bは、電源装置(図示せず)のマイナス端子に接続されている。
上記のように、陰極は給電ローラの形態であることが好ましい。給電ローラは全面給電でも部分給電でもよいが、電流密度の不均一を生じにくく、めっきムラが発生しにくいことから、全面給電であることが好ましい。
まずめっき浴11にめっき液15を貯留する。めっき液としては、銅めっきの場合は、硫酸銅五水塩を30〜300g/L、硫酸を30g/L〜300g/Lを含むものを用いることができる。なお、ニッケルめっきの場合は、硫酸ニッケル、塩酸ニッケル等、鉄銀めっきの場合は、シアン化銀等を含むものを用いることができる。また、めっき液には、界面活性剤、硫黄化合物、窒素化合物等の添加剤を添加してもよい。
アノード板13および給電ローラ12a,12bに電圧を印加し、フィルム16を給電ローラ12a,12bに接触させながら搬送する。フィルム16をめっき浴11に導入し、めっき液15に浸せきして銅めっきを形成する。液切りローラ17間を通過する際に、フィルム16に付着しためっき液15拭い取り、めっき浴11に回収する。これを複数の電解めっき槽で繰り返し、最後に水洗した後、巻取りリール(図示せず)に巻き取る。
印加電圧は、1V〜100Vの範囲であることが好ましく、2V〜60Vの範囲であることがより好ましい。電解めっき槽が複数設置されている場合は、徐々に印加電圧を下げることが好ましい。また、第1槽目の入り口側の電流量としては、1A〜30Aが好ましく、2A〜10Aがより好ましい。
給電ローラ12a,12bはフィルム全面(接触している面積のうちの実質的に電気的
に接触している部分が80%以上)と接触していることが好ましい。
無電解めっき処理は、公知の無電解めっき技術を用いることができ、例えば、プリント配線板などで用いられている無電解めっき技術を用いることができ、無電解めっきは無電解銅めっきであることが好ましい。
無電解銅めっき液に含まれる化学種としては、硫酸銅や塩化銅、還元剤として、ホルマリンやグリオキシル酸、銅の配位子として、EDTA,トリエタノールアミン等、その他、浴の安定化やめっき皮膜の平滑性向上の為の添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジン、チオ尿素等が挙げられる。
本発明のロール状光学フィルムは、黒化処理を施したものであってもよい。
黒化処理については、例えば特開2003−188576号公報に開示されている。黒化処理により形成さえた黒化層は、防錆効果に加え、反射防止性を付与することができる。黒化層は、例えば、Co−Cu合金めっきによって形成され得るものであり、導電性メッシュパターン上に黒化層を設けることにより、その表面の反射を防止することができる。さらにその上に防錆処理としてクロメート処理をしてもよい。クロメート処理は、クロム酸もしくは重クロム酸塩を主成分とする溶液中に浸漬し、乾燥させて防錆被膜を形成するもので、必要に応じ、導電性メッシュパターンの片面もしくは両面に行なうことができるが、市販のクロメート処理された銅箔等を利用してもよい。
本発明の導電性金属部は、線幅が1μmから40μmの細線からなるメッシュ形状であることが好ましい。このメッシュパターン部は、透光性電磁波シールド材料としての用途である場合、正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形などの(正)n角形、円、楕円、星形などを組み合わせた幾何学図形であることが好ましく、これらの幾何学図形からなるメッシュ状であることがさらに好ましい。EMIシールド性の観点からは三角形の形状が最も有効であるが、可視光透過性の観点からは同一のライン幅なら(正)n角形のn数が大きいほど開口率が上がり可視光透過性が大きくなるので有利である。モアレを生じにくくする観点ではこれらの幾何学模様をランダムに配置したり、ライン幅を周期性なしに変化させることも好ましい。また、実質的に平行である直線状細線の交差するパターンからなることが好ましい。
なお、導電性配線材料の用途である場合、メッシュパターン部の形状は特に限定されず、目的に応じて任意の形状を適宜決定することができる。
導電性金属部の厚さは、ディスプレイの電磁波シールド材の用途としては、薄いほどディスプレイの視野角が広がるため好ましい。さらに、導電性配線材料の用途としては、高密度化の要請から薄膜化が要求される。このような観点から、導電性金属部に担持された導電性金属からなる層の厚さは、該用途の場合、9μm未満であることが好ましく、0.1μm以上5μm未満であることがより好ましく、0.1μm以上3μm未満であることがさらに好ましい。
本発明では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの導電性金属部を形成し、さらにめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する透光性電磁波シールド膜であっても容易に形成することができる。
なお、エッチングを用いたフォトリソグラフィー方法では、金属薄膜の大部分をエッチングで除去、廃棄する必要があったが、本発明では必要な量だけの導電性金属を含むパターンを支持体上に設けることができるため、必要最低限の金属量だけを用いればよく、製造コストの削減及び金属廃棄物の量の削減という両面から利点がある。
本発明における「光透過性部」とは、電磁波シールド膜のうち導電性金属部以外の透明性を有する部分を意味する。可視光透過性部における透過率は、支持体の光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
同様の理由により透明支持体の厚みは200μm以下が好ましく、更に好ましくは20μm以上180μm以下、最も好ましくは50μm以上120μm以下である。
本発明に係る光学フィルムは、高分子フィルム(A)、導電メッシュ層(B)からなる電磁波シールド膜と、機能性フィルム(C)は、可視光線に対して透明な任意の接着剤層(D)を介して貼り合わされる。ただし、本発明において、接着剤層には、接着剤層のみならず、引き剥がし可能に接着する、いわゆる粘着剤層をも含めて説明することもある。
ディスプレイは、照明器具等の映り込みによって表示画面が見づらくなってしまうので、機能性フィルム(C)は、外光反射を抑制するための反射防止(AR:アンチリフレクション)性、または、鏡像の映り込みを防止する防眩(AG:アンチグレア)性、またはその両特性を備えた反射防止防眩(ARAG)性のいずれかの機能を有していることが好ましい。光学フィルム表面の可視光線反射率が低いと、映り込み防止だけではなく、コントラスト等を向上させることができる。
光学フィルムに耐擦傷性を付加させるために、機能性フィルム(C)がハードコート性を有していることも好適である。ハードコート膜としてはアクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形成方法も特に限定されない。これら膜の厚さは、1μm〜50μm程度である。ハードコート性を有する機能性フィルム(C)の表面硬度は、JIS(K―5400)に従った鉛筆硬度が少なくともH、好ましくは2H、さらに好ましくは3H以上である。ハードコート膜上に反射防止膜および/または防眩膜を形成すると、耐擦傷性・反射防止性および/または防眩性を有する機能性フィルム(C)が得られ好適である。
光学フィルムには、静電気帯電によりホコリが付着しやすく、また、人体が接触したときに放電して電気ショックを受けることがあるため、帯電防止処理が必要とされる場合がある。従って、静電気防止能を付与するために、機能性フィルム(C)が導電性を有していても良い。この場合に必要とされる導電性は面抵抗で1011Ω/□程度以下であれば良い。導電性を付与する方法としてはフィルムに帯電防止剤を含有させる方法や導電層を形成する方法が挙げられる。帯電防止剤として具体的には、商品名ペレスタット(三洋化成社製)、商品名エレクトロスリッパー(花王社製)等が挙げられる。導電層としてはITOをはじめとする公知の透明導電膜やITO超微粒子や酸化スズ超微粒子をはじめとする導電性超微粒子を分散させた導電膜が挙げられる。ハードコート膜や反射防止膜、防眩膜が、導電膜を有していたり導電性微粒子を含有していると好適である。
機能性フィルム(C)表面が防汚性を有していると、指紋等の汚れ防止や汚れが付いたときに簡単に取り除くことができるので好適である。防汚性を有するものとしては、水および/または油脂に対して非濡性を有するものであって、例えばフッ素化合物やケイ素化合物が挙げられる。フッ素系防汚剤として具体的には商品名オプツール(ダイキン社製)等が挙げられ、ケイ素化合物としては、商品名タカタクォンタム(日本油脂社製)等が挙げられる。反射防止膜に、これら防汚性のある層を用いると、防汚性を有する反射防止膜が得られて好適である。
プラズマディスプレイは強度の近赤外線を発生する為、本発明にかかる光学フィルムをディスプレイ用フィルムとして用いる場合は、実用上問題無いレベルまで電磁波だけでなく近赤外線もカットする必要がある。波長領域800nm〜1000nmにおける透過率を25%以下、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下とすることが必要である。また、プラズマディスプレイに用いる光学フィルムはその透過色がニュートラルグレーまたはブルーグレーであることが要求される。これは、プラズマディスプレイの発光特性およびコントラストを維持または向上させる必要があったり、標準白色より若干高めの色温度の白色が好まれる場合があるからである。さらにまた、カラープラズマディスプレイはその色再現性が不十分と言われており、その原因である蛍光体または放電ガスからの不要発光を選択的に低減することが好ましい。特に赤色表示の発光スペクトルは、波長580nmから700nm程度までにわたる数本の発光ピークを示しており、比較的強い短波長側の発光ピークにより赤色発光がオレンジに近い色純度の良くないものとなってしまう問題がある。これら光学特性は、色素を用いることによって制御できる。つまり、近赤外線カットには近赤外線吸収剤を用い、また、不要発光の低減には不要発光を選択的に吸収する色素を用いて、所望の光学特性とすることが出来、また、光学フィルムの色調も可視領域に適当な吸収のある色素を用いて好適なものとすることができる。
一般に色素は紫外線で劣化しやすい。光学フィルムが通常使用条件下で受ける紫外線は、太陽光等の外光に含まれるものである。従って、色素の紫外線による劣化を防止する為には、色素を含有する層自身および該層より外光を受ける人側の層から選ばれる少なくとも1層に、紫外線カット能を有する層を有していることが好適である。例えば、高分子フィルム(A)が色素を含有する場合、透光性接着剤層(D)および/または機能性フィルム(C)が、紫外線吸収剤を含有したり、紫外線カット能を有する機能膜を有していれば、外光が含む紫外線から、色素を保護できる。色素を保護するのに必要な紫外線カット能としては、波長380nmより短い紫外線領域の透過率が、20%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。紫外線カット能を有する機能膜は、紫外線吸収剤を含有する塗膜であっても、紫外線を反射または吸収する無機膜であっても良い。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等、従来公知のものを使用でき、その種類・濃度は、分散または溶解させる媒体への分散性・溶解性、吸収波長・吸収係数、媒体の厚さ等から決まり、特に限定されるものではない。尚、紫外線カット能を有する層またはフィルムは、可視光線領域の吸収が少なく、著しく可視光線透過率が低下したり黄色等の色を呈することがないことが好ましい。色素を含有する機能性フィルム(C)においては、色素を含有する層が形成されている場合はその層よりも人側のフィルムまたは機能膜が紫外線カット能を有すれば良く、高分子フィルムが色素を含有する場合はフィルムより人側に紫外線カット能を有する機能膜や機能層を有していれば良い。
本発明に係る製造方法は電磁波シールド膜に透明接着剤層を形成した後に、上記、複合機能を有する機能性フィルムが貼合される。
接着剤層における接着剤の屈折率は1.40〜1.70のものを使用することが好ましい。これは使用するプラスチックフィルム等の透明基材と接着剤の屈折率との関係で、その差を小さくして、可視光透過率が低下するのを防ぐためであり、屈折率が1.40〜1.70であると可視光透過率の低下が少なく良好である。
具体的にはアクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等が挙げられ、実用上の接着強度があればシート状のものでも液状のものでもよい。接着剤は感圧型接着剤でシート状のものが好適に使用できる。シート状接着剤貼り付け後または接着剤塗布後に各部材をラミネートすることによって貼り合わせを行う。液状のものは塗布、貼り合わせ後に室温放置または加熱により硬化する接着剤である。塗布方法としては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法等が挙げられるが、接着剤の種類、粘度、塗布量等から考慮、選定される。層の厚みは、特に限定されるものではないが、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜30μmである。接着剤層を形成される面、貼り合わせられる面は、予め易接着コートまたはコロナ放電処理などの易接着処理により濡れ性を向上させておくことが好適である。また接着剤は透明支持体の両面に接着性を有する両面テープの形状でもよい。透明支持体は波長400〜800nmの可視光線の透過率が90%以上であるものであれば、特に限定されないが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリサルホン樹脂、もしくはポリ塩化ビニル樹脂等のフィルムを用いることができる。通常は、貼合する電磁波シールド膜と機能性フィルムと同等の柔軟性を有するものが好ましく、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂のフィルムを好ましく用いる。透明基材フィルムの厚みは、特に限定されないが、機械的強度があり、取り扱いの観点から、10μm〜100μm程度であることが好ましい。透明基材フィルムの両面にはコロナ放電処理等により濡れ性を向上させておき、両面に液状の接着剤を塗布、乾燥して、両面テープ形状の接着剤を得ることができる。貼り合わせはシート状接着剤と同様、貼り付け後ラミネートすることによって行う。
本発明においては、前述の可視光線に対して透明な粘着剤または接着剤を透光性接着剤と呼ぶ。
電磁波シールド膜への接着剤層の形成は(1)電磁波シールド膜の導電性メッシュ面、(2)電磁波シールド膜の導電性メッシュ面の裏面、(3)電磁波シールド膜の導電性メッシュ面および裏面の両面、のいずれかを選択できる。
導電性メッシュ面に透光性接着剤を用いる場合、接着剤層の厚さが導電性メッシュの凹部を十分埋め込むことができることが肝要である。導電性メッシュの金属部厚さより薄すぎると、埋め込み不十分で間隙が出来て凹部に気泡を噛み込み、濁りのある、透光性の不足してしまう。又、厚すぎると透光性接着剤を作製するコストがアップしたり部材のハンドリングが悪くなる等の問題が生じる。導電性メッシュの金属厚さがdμmの時、接着剤層の厚さは(d−2)μm〜(d+30)μmであることが好ましい。
導電性メッシュ面の裏面に透光性接着剤を用いる場合、接着剤層の厚みは導電性メッシュの金属厚みに影響されないが、製造適性から1〜30μmであることが好ましい。
流体加圧処理は、圧力が高い程、噛み込んだ気泡を無くすことが出来、且つ、処理時間を短くすることが出来るが、積層体の耐圧性、加圧方法の装置上の制限から、0.2〜2MPa程度、好ましくは0.3〜1.3MPaである。また、加圧時間は、加圧条件によって変わり特に限定されないが、長くなりすぎると処理時間がかかりコストアップとなるので、適当な加圧条件において保持時間が6時間以下であることが好ましい。特に加圧容器の場合は、設定圧力に到達後、10〜120分程度保持することが好適である。
また、加圧時に同時に加温すると好ましい場合がある。加温することによって、透光性接着剤の流動性が一時的に上がり噛み込んだ気泡を脱泡しやすくなったり、気泡が接着剤中に固溶しやすくなる。加温条件としては光学フィルムを構成する各部材の耐熱性により、室温以上80℃以下程度であるが、特に限定を受けない。
電磁波シールド膜と機能性フィルムの性能および生産効率を考慮に入れると、好ましい条件は温度20〜80℃、圧力0.3〜1.3MPa、処理時間は10〜120分間、特に好ましくは温度40〜70℃、圧力0.4〜0.7MPa、処理時間は30〜90分間である。
さらに、加圧流体処理前に減圧処理することで、機能性フィルムと電磁波シールド膜の導電性メッシュ側を貼合する際、導電性メッシュの凸部近傍の微小気泡を完全に除くことができる。減圧処理は、流体加圧処理する前に直接減圧する方法、または減圧容器を用意し、その中で流体加圧処理をする方法が挙げられる。減圧条件は−0.05〜−0.1MPaが好ましい。
本発明の光学フィルムを、ディスプレイの前面に設けて使用する方法としては、後述の透明成形物(E)を支持体とした前面フィルム板として使用する方法、ディスプレイ表面に透光性接着剤層(D)を介して、直接貼合して使用する方法がある。前者の場合、光学フィルムの設置が比較的容易であり、支持体により機械的強度が向上し、ディスプレイの保護に適している。後者の場合は、支持体が無くなることにより軽量化・薄化が可能であり、また、ディスプレイ表面の反射を防止することが出来、好適である。なお、本発明において、透光性接着剤層(D)はシート状、液状、両面テープ形状のいずれかの接着剤層を示す。
透明成形物(E)としては、ガラス板、透光性のプラスチック板があげられる。機械的強度や、軽さ、割れにくさからは、プラスチック板が好ましいが、熱による変形等の少ない熱的安定性からガラス板も好適に使用できる。プラスチック板の具体例を挙げると、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をはじめとするアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、透明ABS樹脂等が使用できるが、これらの樹脂に限定されるものではない。特にPMMAはその広い波長領域での高透明性と機械的強度の高さから好適に使用できる。プラスチック板の厚みは十分な機械的強度と、たわまずに平面性を維持する剛性が得られればよく、特に限定されるものではないが、通常1mm〜10mm程度である。ガラスは、機械的強度を付加するために化学強化加工または風冷強化加工を行った半強化ガラス板または強化ガラス板が好ましい。質量を考慮すると、その厚みは1mm〜4mm程度である事が好ましいが、特に限定されない。透明成形物(E)はフィルムを貼り合せる前に必要な各種公知の前処理を行うことが出来るし、光学フィルム周縁部となる部分に黒色等の有色の額縁印刷を施しても良い。
導通部の保護のため、および/または、導通部がメッシュパターン層である場合にアース部との電気的接触を良好とするために、導通部に電極を形成することが好ましい場合がある。電極形状は特に限定しないが、導通部をすべて覆うように形成されている事が好適である。
電極に用いる材料は、導電性、耐触性および透明導電膜との密着性等の点から、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カーボン等の単体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹脂とこれら単体または合金の混合物、もしくは、ホウケイ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物からなるペーストを使用できる。ペーストの印刷、塗工には従来公知の方法を採用できる。また市販の導電性テープも好適に使用できる。導電性テープは両面ともに導電性を有するものであって、カーボン分散の導電性接着剤を用いた片面接着タイプ、両面接着タイプが好適に使用できる。電極の厚さは、これもまた特に限定されるものではないが、数μm〜数mm程度である。
接着剤層における接着剤の屈折率は1.40〜1.70のものを使用することが好ましい。これは本発明で使用するプラスチックフィルム等の透明基材と接着剤の屈折率との関係で、その差を小さくして、可視光透過率が低下するのを防ぐためであり、屈折率が1.40〜1.70であると可視光透過率の低下が少なく良好である。
また、接着剤は、加熱または加圧により流動する接着剤であることが好ましく、特に、200℃以下の加熱または1Kgf/cm2以上の加圧により流動性を示す接着剤である
ことが好ましい。このような接着剤を用いることにより、この接着剤層に導電層が埋設されている本発明おける光学フィルムを被着体であるディスプレイやプラスチック板に接着剤層を流動させて接着することができる。流動できるので光学フィルムを被着体にラミネートや加圧成形、特に加圧成形により、また曲面、複雑形状を有する被着体にも容易に接着することができる。このためには、接着剤の軟化温度が200℃以下であると好ましい。光学フィルムの用途から、使用される環境が通常80℃未満であるので接着剤層の軟化温度は、80℃以上が好ましく、加工性から80〜120℃が最も好ましい。軟化温度は、粘度が1012ポイズ(1013Pa・s以下)以下になる温度のことで、通常その温度では1〜10秒程度の時間のうちに流動が認められる。
レン(n=1.521)、ポリ−1,2−ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.505〜1.51)、ポリブテン(n=1.513)、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン(n=1.50)、ポリ−2−
t−ブチル−1,3−ブタジエン(n=1.506)、ポリ−1,3−ブタジエン(n=1.515)などの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン(n=1.456)、ポリオキシプロピレン(n=1.450)、ポリビニルエチルエーテル(n=1.454)、ポリビニルヘキシルエーテル(n=1.459)、ポリビニルブチルエーテル(n=1.456)などのポリエーテル類、ポリビニルアセテート(n=1.467)、ポリビニルプロピオネート(n=1.467)などのポリエステル類、ポリウレタン(n=1.5〜1.6)、エチル
セルロース(n=1.479)、ポリ塩化ビニル(n=1.54〜1.55)、ポリアクリロニトリル(n=1.52)
、ポリメタクリロニトリル(n=1.52)、ポリスルホン(n=1.633)、ポリスルフィド(n=1.6)、フェノキシ樹脂(n=1.5〜1.6)、ポリエチルアクリレート(n=1.469)、ポリブチルアクリレ
ート(n=1.466)、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート(n=1.463)、ポリ−t−ブチルアクリレート(n=1.464)、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート(n=1.465)、ポリオキシカルボニルテトラメチレン(n=1.465)、ポリメチルアクリレート(n=1.472〜1.480)、ポリ
イソプロピルメタクリレート(n=1.473)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.474)、ポリテトラデシルメタクリレート(n=1.475)、ポリ−n−プロピルメタクリレート(n=1.484)、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.484)、ポリエチルメタ
クリレート(n=1.485)、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート(n=1.487)、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート(n=1.489)、ポリメチルメタクリレート(n=1.489)などのポリ(メタ)アクリル酸エステルが使用可能である。これらのアクリルポリマーは必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使用することも可能である。
さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共重合樹脂としてはエポキシアクリレート(n=1.48〜1.60)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテルアクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレート(n=1.48〜1.54)なども使うこともできる。特に接着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマーは接着性向上に有効である。これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。これらの接着剤となるポリマーの軟化温度は、取扱い性から200℃以下が好適で、150℃以下がさらに好ましい。透光性電磁波シールド膜の用途から、使用される環境が通常80℃以下であるので接着剤層の軟化温度は、加工性から80〜120℃が最も好ましい。一方、ポリマーの質量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したもの、以下同様)は、500以上のものを使用することが好ましい。分子量が500以下では接着剤組成物の凝集力が低すぎるために被着体への密着性が低下するおそれがある。本発明で使用する接着剤には必要に応じて、希釈剤、可塑剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤や粘着付与剤などの添加剤を配合してもよい。接着剤の層の厚さは、 10〜80μmであることが好ましく、導電層の厚さ以上で20〜50μmとすることが特に好ましい。
,2−ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.505〜1.51)、ポリブテン(n=1.5125)、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン(n=1.50)、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジエン(n=1.506)、ポリ−1,3−ブタジエン(n=1.515)などの(ジ)エン類、ポリオキシエチレン(n=1.4563)、ポリオキシプロピレン(n=1.4495)、ポリビニルエチルエーテル(n=1.454)、ポリビニルヘキシルエーテル(n=1.4591)、ポリビニルブチルエーテル(n=1.4563)などのポリエーテル類、ポリビニルアセテート(n=1.4665)、ポリビニルプロピオネート(n=1.4665)などのポリエステル類、ポリウレタン(n=1.5〜1.6)、エチルセルロース(n=1.479)、ポリ塩化ビニル(n=1.54〜1.55)、ポリアクリロニトリル(n=1.52)、ポリメタクリロニトリル(n=1.52)、ポリスルホン(n=1.633)、ポリスルフィド(n=1.6)、フェノキシ樹脂(n=1.5〜1.6)などを挙げることができる。これらは、好適な可視光透過率を発現する。
キシルアクリレート(n=1.463)、ポリ−t-ブチルアクリレート(n=1.4638)、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート(n=1.465)、ポリオキシカルボニルテトラメタクリレート(n=1.465)、ポリメチルアクリレート(n=1.472〜1.480)、ポリイソプロピル
メタクリレート(n=1.4728)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.474)、ポリテトラ
デシルメタクリレート(n=1.4746)、ポリ−n−プロピルメタクリレート(n=1.484)
、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.484)、ポリエチルメタクリレート(n=1.485)、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート(n=1.4868)、ポリテトラカルバニルメタクリレート(n=1.4889)、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート(n=1.4889)、ポリメチルメタクリレート(n=1.4893)などのポリ(メタ)アクリル酸エステルが使用可能である。これらのアクリルポリマーは必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使うこともできる。
さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共重合樹脂としてはエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレートなども使うこともできる。特に接着性の点から、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートは分子内に水酸基を有するため接着性向上に有効であり、これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。接着剤の主成分となるポリマーの質量平均分子量は、1,000以上のものが使われる。分子量が1,000以下だと組成物の凝集力が低すぎるために被着体への密着性が低下する。
本発明に係る光学フィルムには、剥離可能な保護フィルムを設けることができる。
保護フィルムは、必ずしも、光学フィルムの両面に有していなくてもよく、電磁波シールド側もしくは機能性フィルム側に有するだけでもよい。
上記の点を満足させるために、保護フィルムを構成するフィルムとしては、ポリオレフィン系樹脂であるポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、もしくはアクリル樹脂等の樹脂フィルムを用いることが好ましく、また、上記した観点により、少なくとも、保護フィルムの、積層体に適用した際に最表面となる側の面にコロナ放電処理を施しておくか、易接着層を積層しておくことが好ましい。
また、保護フィルムを構成する粘着剤としては、アクリル酸エステル系、ゴム系、もしくはシリコーン系のものを使用することができる。
上記した保護フィルム用のフィルムの素材、および粘着剤の素材は、電磁波シールド側、機能性フィルム側に適用する保護フィルムのどちらについても、そのまま適用できるので、両保護フィルムとしては、異なるものを使用してもよいが、同じ物を、両保護フィルムとすることができる。
まず電磁波シールド膜を作成した。この電磁波シールド膜は実施例1,2及び比較例1,2に共通に用いた。
(ハロゲン化銀感光材料)
水媒体中のAg67gに対してゼラチン12.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=30モル%)を含有する乳剤を調製した。
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10-7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、更に塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が1g/m2となるようにポリエチレンテレフタレート(PET)上に塗布した。この際、Ag/ゼラチン体積比は1/1とした。
幅70cmのPET支持体に68cmの幅で200m分塗布を行い、塗布の中央部65cmを残すように両端を2.5cmずつ切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料を得た。
特開2004−1244号公報の実施形態に記載のDMD(デジタル・ミラー・デバイス)を用いた露光ヘッドを65cm幅になるようにならべた半導体レーザーを用い、感光材料の感光層上にレーザー光が結像するように露光ヘッドおよび露光ステージを湾曲させて配置し、感材送り出し機構及び巻き取り機構を取り付けた上、露光面のテンション制御及び送り出し、巻き取り機構の速度変動が露光部分の速度に影響しないようにバッファー作用を有する撓みを設けた連続露光装置にて行った。露光の波長は400nm、ビーム形は12μmの略正方形、及びレーザー光源の出力は100μJであった。
露光のパターンは12μm画素が45度の格子状に、ピッチが300μm間隔で幅65cm長さ20m連続するように行った。後述するめっき処理後の銅のパターンが12μm線幅300ミクロンピッチであることが確認された。
[現像液1L組成]
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
チオ硫酸アンモニウム(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・一水塩 25 g
1,3-ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
得られた導電性銀メッシュに対して、図1に示す電解めっき槽10を備えた電解めっき装置を用いてめっき処理を行った。なお、上記感光材料をその銀メッシュ面が下向きとなるように(銀メッシュ面が給電ローラと接するように)、電解めっき装置にとり付けた。
図1の給電ローラ12a,12bとして、鏡面仕上げしたステンレス製ローラ(10cmφ、長さ80cm)の表面に0.1mm厚の電気銅めっきを施したものを使用し、ガイドローラ14およびその他の搬送ローラとしては、銅めっきしていない5cmφ、長さ80cmのローラを使用した。また、ガイドローラ14の高さを調製することで、ライン速度が違っても一定の液中処理時間が確保されるようにした。
また入り口側の給電ローラ12aとフィルムの銀メッシュ面とが接している面の最下部とめっき液面との距離(図1に示す距離La)を、10cmとした。出口側の給電ローラと感光材料の銀メッシュ部分が接している面の最下部とめっき液面との距離(図1に示す距離Lb)を、20cmとした。また、ライン搬送速度を2m/分とした。
・電解銅めっき液組成(補充液も同組成)
硫酸銅五水塩 78g
硫酸 185g
塩酸(35%) 0.06mL
カパーグリームPCM 7mL
(ローム・アンド・ハース電子材料(株)製)
純水を加えて 1L
酸洗浄 30秒
水洗 1分
めっき1 45秒 電圧 57V
めっき2 45秒 電圧 16V
めっき3 45秒 電圧 10V
めっき4 45秒 電圧 5V
水洗 1分
防錆 30秒
水洗 1分
フィルム試料は20mずつ処理し、めっき後の表面抵抗はいずれも0.3Ω/□以下であり、実用的に十分低い値であった。
下記の処理剤を用い、温度53℃で10分間電解メッキを行った。この時の電流値は、1.2A/dm2であり、ライン搬送速度は2m/分で行った。
黒化処理に連続して、防錆処理を行った。
・黒色部用処理剤
硫酸ニッケル 60g/L pH4.8
硫酸ニッケルアンモニウム 35g/L 温度53℃
硫酸亜鉛 20g/L
チオシアン酸ナトリウム 18g/L
硝酸ナトリウム 0.2モル/L水溶液
以下の製法により、紫外線カット性、ハードコート性、帯電防止性、反射防止性を有する機能性フィルムを得た。この機能性フィルムは実施例1,2及び比較例1,2に共通に用いた。
紫外線カット性を有する機能性フィルムを以下のように作成した。ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂99質量部に対し、紫外線吸収剤である2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジン−4−オン)1質量部を混合、ペレットを作成した後、押出ニ軸延伸により厚さ100μmに製膜して、紫外線カット性を有するPET支持体を幅70cm、長さ200mの大きさで作成した。
ハードコート塗料99.5質量部に対し、ITO微粒子(粒径10μm)0.5質量部を分散させた塗布液を、上記紫外線カット性を有するPET支持体に塗布して帯電防止性のあるハードコート膜(厚み3μm)を作成した。
γ−グリシドプロピルメチルジエトキシシラン部分加水分解物4.7質量部、メタノールシリカゾル(粒径13m)0.3質量部、メタノール30質量部、エタノール30質量部、イソプロパノール35質量部からなる塗布液を上記ハードコート膜上に塗布し、反射防止性を付与した。
以上より、紫外線カット性、ハードコート性、帯電防止性、反射防止性を有する機能性フィルムを得た。
電磁波シールド膜に塗布する透明接着剤に色調補正能及び近赤外カット性をもたせた。この透明接着剤は実施例1,2及び比較例1,2に共通に用いた。
近赤外吸収剤であるN,N,N’,N’−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモニウム)2質量部、調色色素(三井化学製 PS−Red−G、PS−Violet−RC)各2質量部をアクリル酸エステル重合体による透明接着剤94質量部に含有させて、色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤を得た。
上記により得られたロール形状の電磁波シールド膜を20mに裁断し、導電性メッシュ側に上記、色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤を厚み3μmで塗布した。幅65cm、長さ20mにカットした機能性フィルムの機能膜の裏面を電磁波シールド膜の接着剤と貼合し、60℃、0.5MPaで40分間、加熱加圧して幅65cm、長さ20mのロール状光学フィルムを得た。さらにこれを長さ116cm幅65cmに裁断した後、同サイズのガラス板に貼合した。
上記により得られたロール形状の電磁波シールド膜を20mに裁断し、導電性メッシュ側の裏面に上記、色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤を厚み3μmで塗布した。幅65cm、長さ20mにカットした機能性フィルムの機能膜の裏面を電磁波シールド膜の接着剤と貼合し、60℃、0.5MPaで40分間、加熱加圧して幅65cm、長さ20mのロール状光学フィルムを得た。さらにこれを長さ116cm幅65cmに裁断した後、同サイズのガラス板に貼合した。
ロール形状の電磁波シールド膜の導電性メッシュ側に厚さ10μmの色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤を塗布した後、長さ116cm、65cmに裁断した。これを長さ116cm、幅65cmに裁断した機能性フィルムの機能膜の裏面と位置合わせをして貼合し、60℃、0.5MPaで40分間、加熱加圧して長さ116cm、幅65cmの光学フィルムを得た。さらにこれを同サイズのガラス板に貼合した。
電磁波シールド膜を次のようなパターンで作成した。露光パターンを長さ100cm、幅58cmの導電性メッシュと幅3cmの導電性枠の形状に変更して、前記と同様の処理により電磁波シールド膜を作成し、長さ116cm、幅65cmに裁断した。そして導電性メッシュ側に厚さ10μmの色調補正能及び近赤外線カット性を有する透明接着剤を塗布した。
ロール形状の機能性フィルムも長さ116cm、65cmに裁断し、電磁波シールド膜の導電性メッシュ面と位置合わせをして貼合し、60℃、0.5MPaで40分間、加熱加圧して長さ116cm、幅65cmの光学フィルムを得た。さらにこれを同サイズのガラス板に貼合した。
上記のようにして得られた実施例1,2および比較例1,2における全体の工程時間の比較および作成できた光学フィルム枚数と加工途中の廃棄面積(近赤外線吸収フィルムおよび電磁波シールド膜に使用した支持体のうち不要となる面積の合計)を表1に示す。
11 電解槽
12a,12b 給電ローラ
13 アノード板
14 ガイドローラ
15 めっき液
16 フィルム 17 液切りローラ
Claims (4)
- 透明支持体上に設けられた感光性銀塩含有層を露光し、続いて現像処理することにより導電性金属部及び光透過性部を形成した後、該導電性金属部に電解めっきを施して導電性を高めて得られる、ロール長手方向に3m以上連続する導電性メッシュパターンを有する電磁波シールド膜に、接着剤層を設けた後、反射防止性、防眩性、ハードコート性、防汚性、帯電防止能、色調補正能、近赤外カット性、紫外線カット性の少なくとも1つの機能を有し、ロール長手方向に3m以上連続した機能性フィルムを貼合してなるロール状光学フィルムの製造方法。
- 前記電磁波シールド膜の導電性金属部が線幅1〜40μmの細線からなるメッシュ形状であり、表面抵抗が1Ω/sq以下であることを特徴とする請求項1に記載のロール状光学フィルムの製造方法。
- 前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターン上に接着剤層を設け、前記接着剤層を介して前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターン側と前記機能性フィルムとを貼合することを特徴とする請求項1または2に記載のロール状光学フィルムの製造方法。
- 前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンの反対側に接着剤層を設け、前記接着剤層を介して前記電磁波シールド膜の導電性メッシュパターンの反対側と前記機能性フィルムとを貼合することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のロール状光学フィルムの製造方法。
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