JP2020051958A - 余剰水の処理方法及び余剰水の処理システム - Google Patents

余剰水の処理方法及び余剰水の処理システム Download PDF

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貴司 中野
雄太 中土
Yuta Nakatsuchi
雄太 中土
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Satsuki Kai
さつき 甲斐
智美 吉永
Tomomi Yoshinaga
智美 吉永
博徳 鬼塚
Hironori Onizuka
博徳 鬼塚
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亮 永田
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Abstract

【課題】余剰水中に含まれるシュウ酸を速やかに除去する。【解決手段】余剰水の処理方法S100は、原子力プラントの系統の化学除染時に、前記系統中の機器に純水を供給することにより生じるシュウ酸を含む余剰水の処理方法である。余剰水の処理方法余剰水の処理方法は、は、前記余剰水が貯留されたタンクにpH調整剤を添加し、前記余剰水のpHを6.0以下に調整するpH調整工程S210と、pH調整工程S210後の前記余剰水に過マンガン酸カリウムを添加して前記余剰水中のシュウ酸を分解するシュウ酸分解工程S220と、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、余剰水の処理方法及び余剰水の処理システムに関する。
原子力プラントでは、運用中のメンテナンス作業や、廃炉時の解体作業に際して、機器や配管等に付着した放射性核種を除去する除染作業が行われる。特に、原子力プラントの系統を構成する配管部材(主としてステンレス鋼及びインコネルを含む)は、運用中に高温高圧の環境下に曝されることから、表面に酸化被膜が形成され、被膜中に放射性核種が取り込まれる。この酸化被膜を除去し、部材を除染する方法として、化学除染と呼ばれる方法が知られている。
化学除染方法では、まず、部材を過マンガン酸等の酸化剤が添加された水溶液中に接触させて、部材の表面に付着した酸化被膜に含まれるクロム系酸化物中のクロムを酸化溶出させる。次に、シュウ酸等の有機酸を水溶液に添加して、酸化被膜の主要成分である鉄系酸化物中の鉄やニッケルを溶出させる。このとき、コバルト等の放射性核種も同時に溶出される。そして、化学除染方法では、放射性核種が溶出された水溶液をイオン交換樹脂に接触させて、酸化皮膜とともに放射性物質を除去している。
このような化学除染方法として、例えば、特許文献1には、過マンガン酸を沈殿させる還元剤を処理水に添加することで、過マンガン酸を沈殿物として除去する除染廃液処理方法が記載されている。この除染廃液処理方法では、処理水中のマンガンを減少させることで、イオン交換樹脂の使用量を低減させている。
また、化学除染方法によって原子力プラント内を除染する系統除染では、化学溶液である処理水が、一次冷却水のように原子力プラント内を循環される。処理水を循環させるために、一次冷却水を圧送するために設けられた一次冷却材ポンプが使用される。この際、処理水中に含まれる様々な微粒子が一次冷却材ポンプのシール部分に流入すると、一次冷却材ポンプの破損の原因となる。そのため、純水を一次冷却材ポンプに供給することで、一次冷却材ポンプを保護しながら、系統除染は行われる。純水を供給することで、系統内を流れる処理水の流量が増加してしまい、不要な余剰水が発生する。
このような余剰水は、処理水と同様に、過マンガン酸イオンが含まれているために別途処理する必要がある。具体的な処理方法として、余剰水は、原子力プラント内から回収されてタンク内に溜められる。その後、亜硫酸水素ナトリウムが添加されることで、余剰水中の過マンガン酸イオンが分解除去されている。過マンガン酸イオンが除去された余剰水は、最終的にエバポレータによって濃縮された後に廃棄される。
特開2014−92442号公報
ところで、このような余剰水は、処理水にシュウ酸を添加した後にも生じる。そのため、余剰水中にシュウ酸が含まれている場合がある。余剰水は、濃縮された後にアスファルト固化されて廃棄されるが、シュウ酸が含有されているとアスファルト固化時に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、余剰水中に含まれるシュウ酸を速やかに除去することが望まれている。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、余剰水中に含まれるシュウ酸を速やかに除去することが可能な余剰水の処理方法及び余剰水の処理システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係る余剰水の処理方法は、原子力プラントの系統の化学除染時に、前記系統中の機器に純水を供給することにより生じるシュウ酸を含む余剰水の処理方法であって、前記余剰水が貯留されたタンクにpH調整剤を添加し、前記余剰水のpHを6.0以下に調整するpH調整工程と、前記pH調整工程後の前記余剰水に過マンガン酸カリウムを添加して前記余剰水中のシュウ酸を分解するシュウ酸分解工程と、を含む。
このような構成によれば、pH調整工程で事前に余剰水のpHが6.0以下とされていることで、過マンガン酸カリウムを添加した際のシュウ酸の分解反応が促進される。
また、本発明の第二態様に係る余剰水の処理方法では、第一態様において、前記pH調整工程では、前記余剰水のpHが3.0以上6.0以下に調整されてもよい。
このような構成とすることで、シュウ酸を効率的に分解することができ、シュウ酸を速やかに除去することができる。
また、本発明の第三態様に係る余剰水の処理方法では、第一態様において、前記pH調整工程では、前記余剰水のpHが4.0以上5.0以下に調整されてもよい。
このような構成とすることで、シュウ酸をより一層効率的に分解することができ、シュウ酸を速やかに除去することができる。
また、本発明の第四態様に係る余剰水の処理方法では、第一から第三態様のいずれか一つにおいて、前記余剰水に亜硫酸水素ナトリウムを添加して前記余剰水中の過マンガン酸イオンを分解する過マンガン酸イオン分解工程と、前記過マンガン酸イオン分解工程後に、前記余剰水にアルカリ金属の水酸化物の添加する水酸化物添加工程と、前記水酸化物添加工程後に、前記余剰水を濃縮する濃縮工程と、を含み、前記pH調整工程は、前記濃縮工程後に実施されてもよい。
このような構成とすることで、濃縮工程で濃縮された後の余剰水のpHが調整され、過マンガン酸カリウムが添加されている。そのため、シュウ酸がまとめて分解され、効率的に処理することができる。
また、本発明の第五態様に係る余剰水の処理方法では、第四態様において、還元剤が添加された前記余剰水を第一余剰水として取水する第一余剰水取得工程と、酸化剤が添加された前記余剰水を第二余剰水として取水する第二余剰水取得工程と、を含み、前記濃縮工程では、前記第一余剰水及び前記第二余剰水とをまとめた余剰水が濃縮されてもよい。
また、本発明の第六態様に係る余剰水の処理方法では、第一から第三態様のいずれか一つにおいて、還元剤が添加された前記余剰水を第一余剰水として取水する第一余剰水取得工程と、酸化剤が添加された前記余剰水を第二余剰水として取水する第二余剰水取得工程と、前記余剰水に亜硫酸水素ナトリウムを添加して前記余剰水中の過マンガン酸イオンを分解する過マンガン酸イオン分解工程と、前記過マンガン酸イオン分解工程後に、前記余剰水にアルカリ金属の水酸化物の添加する水酸化物添加工程と、前記水酸化物添加工程後に、前記余剰水を濃縮する濃縮工程と、を含み、前記pH調整工程は、前記濃縮工程前に、前記第一余剰水に対して実施してもよい。
また、本発明の第七態様に係る余剰水の処理方法では、第五又は第六態様において、前記水酸化物添加工程は、前記第一余剰水に前記水酸化物の添加する第一水酸化物添加工程と、前記第二余剰水に前記水酸化物の添加する第二水酸化物添加工程と、を含んでいてもよい。
また、本発明の第八態様に係る余剰水の処理システムは、原子力プラントの系統の化学除染時に、前記系統中の機器に純水を供給することにより生じるシュウ酸を含む余剰水の処理システムであって、前記余剰水が貯留されたタンクと、前記タンクにpH調整剤を添加し、前記余剰水のpHを6.0以下に調整するpH調整部と、前記pH調整部でpHが調整された前記余剰水に過マンガン酸カリウムを添加して前記余剰水中のシュウ酸を分解するシュウ酸分解部と、を備える。
また、本発明の第九態様に係る余剰水の処理システムでは、第八態様において、前記余剰水に亜硫酸水素ナトリウムを添加して前記余剰水中の過マンガン酸イオンを分解する過マンガン酸イオン分解部と、前記過マンガン酸イオン分解部で前記亜硫酸水素ナトリウムが添加された前記余剰水にアルカリ金属の水酸化物の添加する水酸化物添加部と、前記水酸化物添加部で前記水酸化物が添加された前記余剰水を濃縮する濃縮と、を備え、前記pH調整部には、前記濃縮部で濃縮された前記余剰水が供給されてもよい。
本発明によれば、余剰水中に含まれるシュウ酸を速やかに除去することができる。
化学除染方法の対象となる除染対象物の例を示す図である。 化学除染方法のフロー図である。 第一実施形態における余剰水の処理方法のフロー図である。 第一実施形態における余剰水の処理システムの模式図である。 第二実施形態における余剰水の処理方法のフロー図である。 第二実施形態における余剰水の処理システムの模式図である。
《第一実施形態》
以下、本発明に係る実施形態について図1から図4を参照して説明する。
まず、化学除染方法S1の対象となる除染対象物Zについて説明する。化学除染の対象となる除染対象物Zは、原子力プラントの系統を構成する配管、容器、各種機器等の部品であって、炉水が接触する部品である。
ここで、原子力プラントとしては、例えば、図1に示すように、加圧水型原子炉50を備える原子力発電プラントPがある。この原子力発電プラントPは、燃料棒51等が収納される加圧水型原子炉50と、加圧水型原子炉50内の一次冷却水(軽水)の沸騰を抑えるために一次冷却水を加圧する加圧器52と、一次冷却水の熱により二次冷却水を蒸気にする蒸気発生器53と、蒸気発生器53からの一次冷却水を加圧水型原子炉50に戻す一次冷却材ポンプ54と、蒸気発生器53で発生した蒸気で駆動する蒸気タービン56と、蒸気タービン56の駆動で発電する発電機57と、蒸気タービン56からの蒸気を水に戻す復水器58と、復水器58からの水を蒸気発生器53に戻す給水ポンプ59と、を備えている。
この加圧水型原子炉50と蒸気発生器53とは一次冷却水配管55a及び55bで接続されている。蒸気発生器53と蒸気タービン56とは蒸気配管55cで接続されている。復水器58と蒸気タービン56とは給水配管55dで接続されている。
このように構成された原子力発電プラントPにおいて、炉水、即ち一次冷却水に接する部材である一次冷却系部材が除染対象物Zである。除染対象物Zとしては、加圧水型原子炉50、加圧器52、蒸気発生器53、一次冷却材ポンプ54、これらを接続する一次冷却水配管55a及び55b、この一次冷却水配管55a及び55b等に設けられている各種弁等がある。これら除染対象物Zは、鉄を主成分としてクロムやニッケルを含むステンレス鋼やニッケル基合金であるインコネル等で形成されている。
この除染対象物Zを構成する金属元素は、わずかに炉水に溶出して、一部が加圧水型原子炉50内の燃料棒51表面に付着する。燃料棒51の表面に付着した金属元素は、燃料から中性子線が照射させることにより、原子核反応を起こして、クロム、鉄、ニッケル、コバルト等の放射性核種となる。これら放射性核種は、大部分が酸化物の形態で燃料棒51表面に付着したままであるが、その一部が炉水中に溶出されたり、不溶性固体として放出されたりする。炉水中に溶出又は放出された放射性核種は、除染対象物Zの炉水接触面に付着する。このため、除染対象物Z近傍で作業する作業員は、部品に形成された酸化皮膜中の放射性核種からの放射線に晒されることになる。
化学除染方法S1は、上記で説明した原子力発電プラントPを廃止する際等に行われる系統除染に関するものである。化学除染方法S1では、除染対象物Zである配管等の内部で化学溶液である処理水を循環させる。これにより、除染対象物Zの内表面に付着している放射性核種を含んだ酸化被膜を除去して廃棄している。化学除染方法S1は、図2に示すように、酸化工程S2と、還元工程S3と、除染工程S4と、分解工程S5と、浄化工程S6とを含んでいる。
酸化工程S2は、除染対象物Z内部に酸化剤を添加した処理水を供給し循環させる。具体的には、酸化剤として過マンガン酸を添加する。酸化工程S2では、除染対象物Z内部に過マンガン酸を添加した処理水を循環させることで、ステンレス鋼やニッケル基合金を含む除染対象物Zに付着した酸化被膜中のクロムがCr として酸化溶出する。その結果、酸化工程S2では、この放射性核種であるクロムを含有する処理水である一次処理水が生成される。
還元工程S3は、酸化工程S2後に実施される。還元工程S3では、一次処理水に、還元剤として、微量のシュウ酸が添加される。還元工程S3では、過マンガン酸を添加したことで、一次処理水に含まれている過マンガン酸イオンや、沈殿している二酸化マンガンがシュウ酸によって分解される。つまり、還元工程S3では、一次処理水に含まれた過マンガン酸イオンや、沈殿している二酸化マンガンが分解可能な量のシュウ酸が添加される。また、微量のシュウ酸が添加されることで、除染対象物Zからニッケルが一次処理水中に溶出される。
除染工程S4は、還元工程S3後に実施される。除染工程S4では、一次処理水に有機酸として、還元工程S3よりも多量のシュウ酸が添加される。また、本実施形態の除染工程S4では、イオン交換樹脂等の吸着材へ多量のシュウ酸が添加された一次処理水である二次処理水を通水させることで、溶出した金属が除去される。具体的には、二次処理水は循環され、除染対象物Zの内部に何度も供給される。二次処理水が除染対象物Zの内部に供給されることで、除染対象物Zから鉄、ニッケル、及びコバルトが処理水中に溶出される。さらに、除染対象物Zから二次処理水中に溶出されたらクロム、鉄、ニッケル、及びコバルトが吸着材を用いて除去される。
分解工程S5は、除染工程S4後に実施される。分解工程S5では、二次処理水中のシュウ酸が分解される。分解工程S5では、例えば、二次処理水に紫外線を照射することで、二次処理水中のシュウ酸が水と二酸化炭素に分解される。なお、分解工程S5では、シュウ酸が他の方法で分解されてもよい。これにより、二次処理水からシュウ酸が分解除去された三次処理水が生成される。
浄化工程S6は、分解工程S5後に実施される。本実施形態の浄化工程S6では、除染工程S4で除去しきれなかったクロム、鉄、ニッケル、及びコバルトが除去される。具体的には、浄化工程S6では、例えば、イオン交換樹脂等の吸着材を用いて、処理水中に含まれるクロム、鉄、ニッケル、及びコバルト等の放射性核種や、これら放射性核種で汚染された残留成分(シュウ酸等のイオン)を除去することで除染が行われる。その後、除染対象物Zの線量を測定し、十分に線量が低下している場合には、化学除染方法S1が終了される。また、除染対象物Zの線量が未だ高い場合には、必要に応じて酸化工程S2から浄化工程S6が繰り返し実施される。除染された処理水は、次サイクル以降で再び利用することができる。
ここで、原子力プラントの系統の化学除染時に、系統中の機器に純水を供給することにより生じる余剰水の処理方法について説明する。上述した化学除染方法S1では、一次冷却材ポンプ54を保護するために、一次冷却材ポンプ54に純水が供給されながら、酸化工程S2、還元工程S3、及び除染工程S4が実施される。酸化工程S2、還元工程S3、及び除染工程S4では、純水が供給されることで、除染対象物Z内を循環する処理水の量が増加する。そのため、処理水の一部(供給された純水の量と同量の処理水)が、余剰水として、除染対象物Z内部から回収されてタンク(不図示)に溜められる。本実施形態の余剰水の処理方法S100では、還元工程S3及び除染工程S4で回収された余剰水であって、シュウ酸が含有された余剰水に対して各種処理が行われる。具体的には、余剰水の処理方法S100は、第一余剰水取得工程S200と、pH調整工程S210と、第一シュウ酸分解工程(シュウ酸分解工程)S220と、第一過マンガン酸イオン分解工程(過マンガン酸イオン分解工程)S230と、第一水酸化物添加工程(水酸化物添加工程)S240と、第二余剰水取得工程S300と、第二シュウ酸分解工程(シュウ酸分解工程)S310と、第二過マンガン酸イオン分解工程(過マンガン酸イオン分解工程)S320と、第二水酸化物添加工程(水酸化物添加工程)S330と、濃縮工程S400と、廃棄工程S500とを含んでいる。
また、余剰水の処理方法S100は、図4に示すような余剰水の処理システム100によって実施される。余剰水の処理システム100は、第一ホールドアップタンク(タンク)111と、第一薬剤供給部145と、第二ホールドアップタンク(タンク)112と、第二薬剤供給部147と、ウェストホールドアップタンク150と、廃液エバポレータ160とを備えている。
図3及び図4に示すように、第一余剰水取得工程S200では、シュウ酸が添加された後の余剰水が第一余剰水として複数の第一ホールドアップタンク111に取水される。本実施形態では、還元工程S3で生じた余剰水が第一ホールドアップタンク111に回収される。還元工程S3で生じる余剰水のpHは、6.0〜7.0程度となっている。
pH調整工程S210は、第一余剰水取得工程S200後に実施される。pH調整工程S210では、第一余剰水取得工程S200で回収された余剰水が貯留された第一ホールドアップタンク111にpH調整剤として硫酸が添加される。pH調整工程S210では、第一薬剤供給部145によって硫酸が添加される。したがって、pH調整工程S210では、第一ホールドアップタンク111及び第一薬剤供給部145が、pH調整部となる。
第一薬剤供給部145は、途中に弁が設けられた第一薬注ライン141を介して第一ホールドアップタンク111に接続されている。第一薬剤供給部145では、余剰水に供給する各種薬剤が準備され、必要な量を第一ホールドアップタンク111に供給している。pH調整工程S210では、第一薬剤供給部145には、硫酸が準備されている。第一薬剤供給部145は、硫酸を第一薬注ライン141を介して第一ホールドアップタンク111に供給する。第一薬剤供給部145は、第一ホールドアップタンク111に硫酸を供給した後に、フラッシングされる。
pH調整工程S210では、余剰水のpHが6.0以下になるまで硫酸が添加される。この際、余剰水のpHは、3.0以上6.0以下に調整されることが好ましく、4.0以上5.0以下に調整されることがより好ましい。また、pH調整工程S210では、余剰水のpHを一定時間経過ごとに測定して確認しながら、硫酸が添加される。
第一シュウ酸分解工程S220は、pH調整工程S210後に実施される。第一シュウ酸分解工程S220では、第一ホールドアップタンク111内の余剰水に過マンガン酸カリウムが第一薬剤供給部145によって添加される。即ち、第一シュウ酸分解工程S220では、第一薬剤供給部145には、過マンガン酸カリウムが準備されている。第一薬剤供給部145は、過マンガン酸カリウムを第一薬注ライン141を介して第一ホールドアップタンク111に供給する。これにより、pHが調整された余剰水中に含まれるシュウ酸が分解される。したがって、第一シュウ酸分解工程S220では、第一ホールドアップタンク111及び第一薬剤供給部145が、第一シュウ酸分解部となる。第一薬剤供給部145は、第一ホールドアップタンク111に過マンガン酸カリウムを供給した後に、フラッシングされる。
第一過マンガン酸イオン分解工程S230は、第一シュウ酸分解工程S220後に実施される。第一過マンガン酸イオン分解工程S230では、第一ホールドアップタンク111内の余剰水に亜硫酸水素ナトリウムが第一薬剤供給部145によって添加される。即ち、第一過マンガン酸イオン分解工程S230では、第一薬剤供給部145には、亜硫酸水素ナトリウムが準備されている。第一薬剤供給部145は、亜硫酸水素ナトリウムを第一薬注ライン141を介して第一ホールドアップタンク111に供給する。これにより、シュウ酸が分解された後の余剰水中に含まれる過マンガン酸イオンが分解される。したがって、第一過マンガン酸イオン分解工程S230では、第一ホールドアップタンク111及び第一薬剤供給部145が、第一過マンガン酸イオン分解部となる。第一薬剤供給部145は、第一ホールドアップタンク111に亜硫酸水素ナトリウムを供給した後に、フラッシングされる。
第一水酸化物添加工程S240は、第一過マンガン酸イオン分解工程S230後に実施される。第一水酸化物添加工程S240では、第一薬剤供給部145によって、水酸化ナトリウムが第一ホールドアップタンク111内の余剰水に添加される。即ち、第一水酸化物添加工程S240では、第一薬剤供給部145には、水酸化ナトリウムが準備されている。第一薬剤供給部145は、水酸化ナトリウムを第一薬注ライン141を介して第一ホールドアップタンク111に供給する。これにより、過マンガン酸イオンが分解された後の余剰水が弱アルカリ性とされる。したがって、第一水酸化物添加工程S240では、第一ホールドアップタンク111及び第一薬剤供給部145が、第一水酸化物添加部となる。
水酸化ナトリウムを添加した後に、第一ホールドアップタンク111内の余剰水のpHが測定される。測定した余剰水のpHが8.0〜10.5の範囲に収まっており、弱アルカリ性となっていれば濃縮工程S400に進む。余剰水のpHが8.0〜10.5の範囲に収まっていなければ、再び余剰水に水酸化ナトリウムが添加される。第一薬剤供給部145は、第一ホールドアップタンク111への水酸化ナトリウムの供給が完了した後に、フラッシングされる。
第二余剰水取得工程S300では、シュウ酸が添加された後の余剰水が、第一余剰水取得工程S200で取得した余剰水が溜められている第一ホールドアップタンク111とは異なる複数の第二ホールドアップタンク112に、第二余剰水として取水される。本実施形態では、第二余剰水取得工程S300は、除染工程S4で生じた余剰水が第二ホールドアップタンク112に回収される。除染工程S4で生じる余剰水のpHは、2.0〜3.0程度となっている。
第二シュウ酸分解工程S310は、第二余剰水取得工程S300後に実施される。第二シュウ酸分解工程S310では、第二ホールドアップタンク112内の余剰水に過マンガン酸カリウムが第二薬剤供給部147によって添加される。
第二薬剤供給部147は、途中に弁が設けられた第二薬注ライン142を介して第二ホールドアップタンク112に接続されている。第二薬剤供給部147では、余剰水に供給する各種薬剤が準備され、必要な量を第二ホールドアップタンク112に供給している。第二シュウ酸分解工程S310では、第二薬剤供給部147には、過マンガン酸カリウムが準備されている。第二薬剤供給部147は、過マンガン酸カリウムを第二薬注ライン142を介して第二ホールドアップタンク112に供給する。これにより、第二余剰水取得工程S300で回収された余剰水中に含まれるシュウ酸が分解される。したがって、第二シュウ酸分解工程S310では、第二ホールドアップタンク112及び第二薬剤供給部147が、第二シュウ酸分解部となる。第二薬剤供給部147は、第二ホールドアップタンク112に過マンガン酸カリウムを供給した後に、フラッシングされる。
第二過マンガン酸イオン分解工程S320は、第二シュウ酸分解工程S310後に実施される。第二過マンガン酸イオン分解工程S320では、第二ホールドアップタンク112内の余剰水に亜硫酸水素ナトリウムが第二薬剤供給部147によって添加される。即ち、第二過マンガン酸イオン分解工程S320では、第二薬剤供給部147には、亜硫酸水素ナトリウムが準備されている。第二薬剤供給部147は、亜硫酸水素ナトリウムを第二薬注ライン142を介して第二ホールドアップタンク112に供給する。これにより、シュウ酸が分解された後の余剰水中に含まれる過マンガン酸イオンが分解される。したがって、第二過マンガン酸イオン分解工程S320では、第二ホールドアップタンク112及び第二薬剤供給部147が、第二過マンガン酸イオン分解部となる。第二薬剤供給部147は、第二ホールドアップタンク112に亜硫酸水素ナトリウムを供給した後に、フラッシングされる。
第二水酸化物添加工程S330は、第二過マンガン酸イオン分解工程S320後に実施される。第二水酸化物添加工程S330では、第二薬剤供給部147によって、水酸化ナトリウムが第二ホールドアップタンク112内の余剰水に添加される。即ち、第二水酸化物添加工程S330では、第二薬剤供給部147には、水酸化ナトリウムが準備されている。第二薬剤供給部147は、水酸化ナトリウムを第二薬注ライン142を介して第二ホールドアップタンク112に供給する。これにより、過マンガン酸イオンが分解された後の余剰水が弱アルカリ性とされる。したがって、第二水酸化物添加工程S330では、第二ホールドアップタンク112及び第二薬剤供給部147が、第一水酸化物添加部となる。
水酸化ナトリウムを添加した後に、第二ホールドアップタンク112内の余剰水のpHが測定される。測定した余剰水のpHが8.0〜10.5の範囲に収まって弱アルカリ性となっていれば濃縮工程S400に進む。余剰水のpHが8.0〜10.5の範囲に収まっていなければ、再び余剰水に水酸化ナトリウムが添加される。第二薬剤供給部147は、第二ホールドアップタンク112への水酸化ナトリウムの供給が完了した後に、フラッシングされる。
濃縮工程S400は、第一水酸化物添加工程S240及び第二水酸化物添加工程S330後に実施される。濃縮工程S400では、第一水酸化物添加工程S240で水酸化ナトリウムが添加された第一ホールドアップタンク111内の余剰水と、第二水酸化物添加工程S330で水酸化ナトリウムが添加された第二ホールドアップタンク112内の余剰水とがまとめて処理される。具体的には、第一ホールドアップタンク111及び第二ホールドアップタンク112内の余剰水は、ウェストホールドアップタンク150を介して廃液エバポレータ160に送られる。
ウェストホールドアップタンク150は、途中にポンプ及び弁の設けられた移送ライン151を介して第一ホールドアップタンク111に接続されている。また、移送ライン151には、ポンプ及び弁の間で分岐して第二ホールドアップタンク112に接続される分岐ライン152が繋がっている。分岐ライン152には、途中に弁の設けられている。廃液エバポレータ160は、途中にポンプの設けられた廃液ライン161を介してウェストホールドアップタンク150に接続されている。
濃縮工程S400では、廃液エバポレータ160に送られた余剰水は、エバポレータによって蒸発させられて、数十倍に濃縮される。したがって、濃縮工程S400では、廃液エバポレータ160が、濃縮部となる。これにより、余剰水は、残留物が濃縮された濃縮水と、残留物がほとんど含まれていない蒸留水とに分離される。
廃棄工程S500では、濃縮工程S400で生じた濃縮水がアスファルト固化され、廃棄される。
上記のような余剰水の処理方法S100によれば、pH調整工程S210によって第一シュウ酸分解工程S220の前に還元工程S3で回収された余剰水のpHが調整される。シュウ酸が含まれた余剰水のpHが6.0以上である場合には、過マンガン酸カリウムを添加してもシュウ酸の分解がほとんど進まないことが発明者らの研究により見出されている。ところが、pH調整工程S210で余剰水のpHが6.0以下とされていることで、第一シュウ酸分解工程S220で過マンガン酸カリウムを添加した際のシュウ酸の分解反応が促進される。これにより、余剰水中に含まれるシュウ酸を速やかに除去することができる。
また、余剰水のpHが3.0以下になると、ニッケルとの反応が促進されてシュウ酸ニッケルの沈殿物の形成が進んだり、六価クロムと反応が促進されてシュウ酸クロムの形成が進んだりしてしまう。その結果、シュウ酸の分解が抑制されてしまうことが発明者らの研究により見出されている。そのため、余剰水のpHを3.0以上6.0以下に調整した後に過マンガン酸カリウムを添加することで、ニッケルや六価クロムとの反応を抑えてシュウ酸を効率的に分解することができ、シュウ酸を速やかに除去することができる。
特に、余剰水のpHが4.0以上5.0以下になると、シュウ酸の分解速度は大きく向上することが発明者らの研究により見出されている。したがって、余剰水のpHを4.0以上5.0以下に調整した後に過マンガン酸カリウムを添加することで、シュウ酸をより一層効率的に分解することができ、シュウ酸を速やかに除去することができる。
《第二実施形態》
次に、本発明の余剰水の処理方法の第二実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。第二実施形態で示す余剰水の処理方法は、pH調整工程が濃縮工程後に実施される点が第一実施形態と異なっている。したがって、第二実施形態の説明においては、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに重複説明を省略する。
図5に示すように、第二実施形態の余剰水の処理方法S101は、第一余剰水取得工程S200と、第一水酸化物添加工程S241と、第二余剰水取得工程S300と、第二シュウ酸分解工程S310と、第二過マンガン酸イオン分解工程(過マンガン酸イオン分解工程)S320と、第二水酸化物添加工程S330と、濃縮工程S400と、pH調整工程S290と、シュウ酸再分解工程(シュウ酸分解工程)S600と、過マンガン酸イオン再分解工程S610と、水酸化物再添加工程S620と、再濃縮工程S630と、廃棄工程S501とを含んでいる。
第二実施形態の余剰水の処理システム方法101は、第一実施形態の余剰水の処理システム100と異なり、第三薬剤供給部149及び戻しライン162をさらに備えている。
第二実施形態の第一水酸化物添加工程S241は、第一余剰水取得工程S200後に直接実施される。即ち、第一水酸化物添加工程S241では、余剰水中に硫酸や、過マンガン酸カリウムや、亜硫酸水素ナトリウム等の薬品は添加されていない。第一水酸化物添加工程S241では、水酸化ナトリウムが第一ホールドアップタンク111内の余剰水に添加される。これにより、余剰水が弱アルカリ性とされる。水酸化ナトリウムを添加した後に、第一ホールドアップタンク111内の余剰水のpHが測定される。測定した余剰水のpHが8.0〜10.5の範囲に収まっており、弱アルカリ性となっていれば濃縮工程S400に進む。余剰水のpHが8.0〜10.5の範囲に収まっていなければ、再び余剰水に水酸化ナトリウムが添加される。
第二実施形態のpH調整工程S290は、濃縮工程S400後に実施される。したがって、pH調整工程S290では、濃縮工程S400での余剰水であって、第一水酸化物添加工程S241を経た余剰水及び第二水酸化物添加工程S330を経た余剰水がまとめて濃縮された後の濃縮水のpHが調整される。具体的には、pH調整工程S290では、第一ホールドアップタンク111及び第二ホールドアップタンク112内の余剰水は、ウェストホールドアップタンク150を介して廃液エバポレータ160に送られる。その後、廃液エバポレータ160で生じた濃縮水は、再びウェストホールドアップタンク150に戻される。ウェストホールドアップタンク150及び廃液エバポレータ160は、廃液ライン161とは別に、濃縮水を送ることが可能な戻しライン162が設けられている。ウェストホールドアップタンク150内に戻された濃縮水に対して第三薬剤供給部149を介して硫酸が添加される。したがって、pH調整工程S290では、ウェストホールドアップタンク150及び第三薬剤供給部149が、pH調整部となる。
第三薬剤供給部149は、途中に弁が設けられた第三薬注ライン143を介してウェストホールドアップタンク150に接続されている第三薬剤供給部149では、余剰水に供給する各種薬剤が準備され、必要な量をウェストホールドアップタンク150に供給している。pH調整工程S290では、第三薬剤供給部149には、硫酸が準備されている。第三薬剤供給部149は、硫酸を第三薬注ライン143を介してウェストホールドアップタンク150に供給する。
pH調整工程S290では、濃縮水のpHが4.0以上6.0以下に調整されることが特に好ましい。また、pH調整工程S290では、濃縮水のpHを一定時間経過ごとに測定して確認しながら、硫酸が添加される。第三薬剤供給部149は、ウェストホールドアップタンク150に硫酸を供給した後に、フラッシングされる。
シュウ酸再分解工程S600は、pH調整工程S290後に実施される。シュウ酸再分解工程S600では、ウェストホールドアップタンク150内の濃縮水に過マンガン酸カリウムが第三薬剤供給部149によって添加される。即ち、シュウ酸再分解工程S600では、第三薬剤供給部149には、過マンガン酸カリウムが準備されている。第三薬剤供給部149は、過マンガン酸カリウムを第三薬注ライン143を介してウェストホールドアップタンク150に供給する。これにより、pHが調整された濃縮水中に含まれるシュウ酸が分解される。
過マンガン酸イオン再分解工程S610は、シュウ酸再分解工程S600後に実施される。過マンガン酸イオン再分解工程S610では、ウェストホールドアップタンク150内の濃縮水に亜硫酸水素ナトリウムが第三薬剤供給部149によって添加される。即ち、過マンガン酸イオン再分解工程S610では第三薬剤供給部149には、亜硫酸水素ナトリウムが準備されている。第三薬剤供給部149は、亜硫酸水素ナトリウムを第三薬注ライン143を介してウェストホールドアップタンク150に供給する。これにより、シュウ酸が分解された濃縮水中に含まれる過マンガン酸イオンが分解される。したがって、過マンガン酸イオン再分解工程S610では、ウェストホールドアップタンク150及び第三薬剤供給部149が、過マンガン酸イオン再分解部となる。第三薬剤供給部149は、ウェストホールドアップタンク150に亜硫酸水素ナトリウムを供給した後に、フラッシングされる。
水酸化物再添加工程S620は、過マンガン酸イオン再分解工程S610後に実施される。水酸化物再添加工程S620では、第三薬剤供給部149によって水酸化ナトリウムがウェストホールドアップタンク150内の濃縮水に添加される。即ち、水酸化物再添加工程S620では、第三薬剤供給部149には、水酸化ナトリウムが準備されている。第三薬剤供給部149は、水酸化ナトリウムを第三薬注ライン143を介してウェストホールドアップタンク150に供給する。これにより、過マンガン酸イオンが分解された後の濃縮水が弱アルカリ性とされる。したがって、水酸化物再添加工程S620では、ウェストホールドアップタンク150及び第三薬剤供給部149が、水酸化物再添加部となる。
水酸化ナトリウムを添加した後に、ウェストホールドアップタンク150内の濃縮水のpHが測定される。測定した濃縮水のpHが8.0〜10.5の範囲に収まっており、弱アルカリ性となっていれば再濃縮工程S630に進む。濃縮水のpHが8.0〜10.5の範囲に収まっていなければ、再び濃縮水に水酸化ナトリウムが添加される。第三薬剤供給部149は、ウェストホールドアップタンク150への水酸化ナトリウムの供給が完了した後に、フラッシングされる。
再濃縮工程S630は、水酸化物再添加工程S620後に実施される。再濃縮工程S630では、水酸化物再添加工程S620で水酸化ナトリウムが添加されたウェストホールドアップタンク150内の濃縮水を濃縮する。濃縮水は、ウェストホールドアップタンク150から廃液エバポレータ160に送られ、廃液エバポレータ160によって蒸発させられて、再び数倍に濃縮される。したがって、再濃縮工程S630では、廃液エバポレータ160が、再濃縮部となる。
廃棄工程S501では、再濃縮工程S630で濃縮された濃縮水の残渣がアスファルト固化され、廃棄される。
第二実施形態の余剰水の処理方法S101によれば、濃縮工程S400で濃縮された後の余剰水である濃縮水のpHが調整され、過マンガン酸カリウムが添加されている。そのため、シュウ酸がまとめて分解され、効率的に処理することができる。
また、本実施形態では、還元工程S3で回収された余剰水と除染工程S4で回収された余剰水とをまとめた後に、シュウ酸を分解している。したがって、系統除染を行う際に様々な工程で生じる余剰水をまとめて処理することができる。
(実施形態の他の変形例)
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
なお、pH調整工程S210,S290は、第一実施形態や第二実施形態のようなタイミングで実施されることに限られるものではなく、余剰水に過マンガン酸カリウムが添加される前に実施されればよい。したがって、pH調整工程S210,S290は、第二余剰水取得工程S300後であって第二シュウ酸分解工程S310前に実施されてもよい。
また、余剰水の処理方法S100,S101において、還元工程S3で生じた余剰水と、除染工程S4で生じた余剰水とは、第一実施形態及び第二実施形態の濃縮工程S400のように最終的にまとめて濃縮されて処理されることに限定されるものではない。つまり、還元工程S3で生じた余剰水と、除染工程S4で生じた余剰水とは、別々に濃縮されて廃棄されてもよい。
また、第一水酸化物添加工程S240,S241や、第二水酸化物添加工程S330で添加される薬品は、水酸化ナトリウムであることに限定されるものではない。第一水酸化物添加工程S240,S241や、第二水酸化物添加工程S330で添加される薬品は、余剰水をアルカリ性にすることが可能なアルカリ金属の水酸化物であればよく、例えば水酸化カリウムであってもよい。
また、余剰水が貯留されるタンクとして、第一ホールドアップタンク111及び第二ホールドアップタンク112を用いたが、タンクはこの二つに限定されるものではなく三つ以上設けられていもよい。
また、各種薬剤を供給するために第一ホールドアップタンク111に対して第一薬剤供給部145、第二ホールドアップタンク112に対して第二薬剤供給部147をそれぞれ設け、供給する薬剤を変更する後にフラッシングして使用したがこのような構成に限定されるものではない。各タンクに対して、供給する薬剤ごとに別の薬剤供給部を設けてもよい。
Z 除染対象物
P 原子力発電プラント
51 燃料棒
50 加圧水型原子炉
52 加圧器
53 蒸気発生器
54 一次冷却材ポンプ
56 蒸気タービン
57 発電機
58 復水器
59 給水ポンプ
55a 一次冷却水配管
55b 一次冷却水配管
55c 蒸気配管
55d 給水配管
100、110 余剰水の処理システム
111 第一ホールドアップタンク
112 第二ホールドアップタンク
141 第一薬注ライン
142 第二薬注ライン
143 第三薬注ライン
145 第一薬剤供給部
147 第二薬剤供給部
149 第三薬剤供給部
150 ウェストホールドアップタンク
151 移送ライン
160 廃液エバポレータ
161 廃液ライン
162 戻しライン
S1 化学除染方法
S2 酸化工程
S3 還元工程
S4 除染工程
S5 分解工程
S6 浄化工程
S100,S101 余剰水の処理方法
S200 第一余剰水取得工程
S210,S290 pH調整工程
S220 第一シュウ酸分解工程
S230 第一過マンガン酸イオン分解工程
S240,S241 第一水酸化物添加工程
S300 第二余剰水取得工程
S310 第二シュウ酸分解工程
S320 第二過マンガン酸イオン分解工程
S330 第二水酸化物添加工程
S400 濃縮工程
S500,S501 廃棄工程
S600 シュウ酸再分解工程
S610 過マンガン酸イオン再分解工程
S620 水酸化物再添加工程
S630 再濃縮工程

Claims (9)

  1. 原子力プラントの系統の化学除染時に、前記系統中の機器に純水を供給することにより生じるシュウ酸を含む余剰水の処理方法であって、
    前記余剰水が貯留されたタンクにpH調整剤を添加し、前記余剰水のpHを6.0以下に調整するpH調整工程と、
    前記pH調整工程後の前記余剰水に過マンガン酸カリウムを添加して前記余剰水中のシュウ酸を分解するシュウ酸分解工程と、を含む余剰水の処理方法。
  2. 前記pH調整工程では、前記余剰水のpHが3.0以上6.0以下に調整される請求項1に記載の余剰水の処理方法。
  3. 前記pH調整工程では、前記余剰水のpHが4.0以上5.0以下に調整される請求項1に記載の余剰水の処理方法。
  4. 前記余剰水に亜硫酸水素ナトリウムを添加して前記余剰水中の過マンガン酸イオンを分解する過マンガン酸イオン分解工程と、
    前記過マンガン酸イオン分解工程後に、前記余剰水にアルカリ金属の水酸化物の添加する水酸化物添加工程と、
    前記水酸化物添加工程後に、前記余剰水を濃縮する濃縮工程と、を含み、
    前記pH調整工程は、前記濃縮工程後に実施される請求項1から請求項3の何れか一項に記載の余剰水の処理方法。
  5. 還元剤が添加された前記余剰水を第一余剰水として取水する第一余剰水取得工程と、
    酸化剤が添加された前記余剰水を第二余剰水として取水する第二余剰水取得工程と、を含み、
    前記濃縮工程では、前記第一余剰水及び前記第二余剰水とをまとめた余剰水が濃縮される請求項4に記載の余剰水の処理方法。
  6. 還元剤が添加された前記余剰水を第一余剰水として取水する第一余剰水取得工程と、
    酸化剤が添加された前記余剰水を第二余剰水として取水する第二余剰水取得工程と、
    前記余剰水に亜硫酸水素ナトリウムを添加して前記余剰水中の過マンガン酸イオンを分解する過マンガン酸イオン分解工程と、
    前記過マンガン酸イオン分解工程後に、前記余剰水にアルカリ金属の水酸化物の添加する水酸化物添加工程と、
    前記水酸化物添加工程後に、前記余剰水を濃縮する濃縮工程と、を含み、
    前記pH調整工程は、前記濃縮工程前に、前記第一余剰水に対して実施される請求項1から請求項3の何れか一項に記載の余剰水の処理方法。
  7. 前記水酸化物添加工程は、
    前記第一余剰水に前記水酸化物の添加する第一水酸化物添加工程と、
    前記第二余剰水に前記水酸化物の添加する第二水酸化物添加工程と、を含む請求項5又は請求項6に記載の余剰水の処理方法。
  8. 原子力プラントの系統の化学除染時に、前記系統中の機器に純水を供給することにより生じるシュウ酸を含む余剰水の処理システムであって、
    前記余剰水が貯留されたタンクと、
    前記タンクにpH調整剤を添加し、前記余剰水のpHを6.0以下に調整するpH調整部と、
    前記pH調整部でpHが調整された前記余剰水に過マンガン酸カリウムを添加して前記余剰水中のシュウ酸を分解するシュウ酸分解部と、を備える余剰水の処理システム。
  9. 前記余剰水に亜硫酸水素ナトリウムを添加して前記余剰水中の過マンガン酸イオンを分解する過マンガン酸イオン分解部と、
    前記過マンガン酸イオン分解部で前記亜硫酸水素ナトリウムが添加された前記余剰水にアルカリ金属の水酸化物の添加する水酸化物添加部と、
    前記水酸化物添加部で前記水酸化物が添加された前記余剰水を濃縮する濃縮部と、を備え、
    前記pH調整部には、前記濃縮部で濃縮された前記余剰水が供給される請求項8に記載の余剰水の処理システム。
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