JP2020051900A - X線分析用信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】微分波を台形波に波形変換するデジタルフィルタを有するX線分析用信号処理装置において、微分波の密度に依存した台形波の波高値のシフトを抑制する。【解決手段】X線分析用信号処理装置は、X線検出器12で検出された階段波を微分波に変換する微分回路16と、微分波を台形波または三角波に変換するデジタルフィルタ46と、台形波または三角波におけるピークの波高値を計数するピーク検出器52と、微分回路16およびデジタルフィルタ46の間に配置され、微分回路16から与えられる真正の微分波に対して擬似微分波を挿入するように構成された擬似微分波挿入部42とを備える。【選択図】図1

Description

この発明は、X線分析用信号処理装置に関する。
蛍光X線分析装置は、固体、粉体または液体の試料に励起X線(一次X線)を照射し、照射した一次X線により励起されて放出される蛍光X線を分光器で検出することによって、その試料に含まれる元素の定性または定量分析を行なうものである。このような蛍光X線分析装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置と、エネルギ分散型蛍光X線分析装置とがある。
波長分散型蛍光X線分析装置は、分光結晶とスリットとを組み合わせたX線分光器により特定波長の蛍光X線を選別した上で検出器により検出する構成を有する。一方、エネルギ分散型蛍光X線分析装置は、こうした波長選別を行なわずに蛍光X線を直接半導体検出器等で検出し、その後の出力信号を波長λ(つまりX線エネルギE)ごとに分離する処理を行なうように構成される。したがって、蛍光X線スペクトルを作成する場合、波長分散型蛍光X線分析装置では波長走査を行なう必要があるのに対し、エネルギ分散型蛍光X線分析装置では多数の波長の情報が同時に得られるため、短時間で蛍光X線スペクトルを取得できるという特徴を有する。
特開2015−21957号公報(特許文献1)は、エネルギ分散型蛍光X線分析装置を開示する。エネルギ分散型蛍光X線分析装置は、X線分析用信号処理装置を備える。X線分析用信号処理装置は、X線検出器で検出された階段波を微分波に変換する微分回路と、微分波を台形波または三角波に変換するデジタルフィルタと、台形波または三角波におけるピークの波高値を弁別して計数するピーク検出器とを有する。
特開2015−21957号公報
特許文献1に記載されるX線分析用信号処理装置によれば、階段波を微分波に変換することで、ダイナミックレンジが広くとれるため、分解能を高めることができる。そして、デジタルフィルタによって微分波を台形波または三角波に変換することで、ピーク検出器においてピークの波高値を正確に算出することができる。
しかしながら、デジタルフィルタは、微分回路の時定数および微分波の波形歪みに対して非常に敏感に反応する性質を有するため、アナログ回路であるアンプの微小なオフセット変動および、周波数の広帯域部分がカットされることによる微分波のわずかな波形歪みの影響を受けて、台形波の波高値が変動してしまうことがある。
特に、デジタルフィルタに入力される微分波の密度によって、台形波の波高値が変動しやすい傾向がある。この微分波の密度はX線検出器のデッドタイム率によっても変化する。デッドタイム率とは、測定時間に対するデッドタイム(不感時間)の総和の割合である(=デッドタイムの総和/測定時間)。デッドタイム率が大きいときには微分波の密度が高くなる一方、デッドタイム率が小さいときには微分波の密度が低くなる。微分波の密度が高いとき、すなわちデッドタイム率が大きいときには、微分波の密度が低いとき、すなわちデッドタイム率が小さいときに比べて、台形波の波高値がシフトすることがある。そのため、波高値の計数値に基づいて波高分布図を作成した場合、シフト量に対応して、ピークの出現位置もシフトしているように見えてしまう。このように、同じ蛍光X線エネルギEであるにもかかわらず、微分波の密度(デッドタイム率)によってピークの出現位置がシフトしてしまうことで、エネルギー分解能が低下することが懸念される。
この発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、微分波を台形波に波形変換するデジタルフィルタを有するX線分析用信号処理装置において、微分波の密度に依存した台形波の波高値のシフトを抑制することである。
この発明のある局面によれば、X線分析用信号処理装置は、X線検出器で検出された階段波を微分波に変換する微分回路と、微分波を台形波または三角波に変換するデジタルフィルタと、台形波または三角波におけるピークの波高値を計数するピーク検出器と、微分回路およびデジタルフィルタの間に配置され、微分回路から与えられる真正の微分波に対して擬似微分波を挿入するように構成された擬似微分波挿入部とを備える。
上記X線分析用信号処理装置によれば、微分波の密度が高い状態(デッドタイム率が大きい状態)を擬似的に作り出すことで、デジタルフィルタに入力される微分波を、常に密度が高い状態に加工することができる。これによると、真正の微分波を変換した台形波または三角波の波高値をシフトした状態で揃えることができる。したがって、同じ蛍光X線エネルギであれば台形波または三角波の波高値が同じとすることができるため、真正の微分波の密度に依存して台形波または三角波の波高値がばらつくことを抑制することができる。この結果、エネルギ分解能を高めることができる。
上記X線分析用信号処理装置において好ましくは、擬似微分波挿入部は、真正の微分波の立上りを検出して検出信号を出力する立上り検出部と、真正の微分波を第1の時間遅延させる第1の遅延部と、検出信号を第1の時間よりも短い第2の時間遅延させる第2の遅延部と、擬似微分波を発生する擬似微分波生成部とを含む。擬似微分波生成部は、第2の時間内に立上り検出部にて次の真正の微分波の立上りが検出されない場合には、第2の遅延部から出力される検出信号をトリガとして擬似微分波を発生するように構成される。擬似微分波挿入部はさらに、第1の遅延部にて遅延させた真正の微分波に、擬似微分波を加算する加算部を含む。
このようにすると、真正の微分波の時間波形において微分波の密度が低い状態(デッドタイム率が小さい状態)のときに、微分波の直前に擬似微分波を挿入することができるため、微分波の密度が高い状態(デッドタイム率が大きい状態)を擬似的に作り出すことができる。したがって、真正の微分波の密度(デッドタイム率)に依存することなく、デジタルフィルタに入力される微分波を、常に密度が高い状態(デッドタイム率が大きい状態)に加工することができる。
上記X線分析用信号処理装置において好ましくは、擬似微分波挿入部は、第2の遅延部から出力される検出信号をトリガとしてワンショットのパルス信号を発生するように構成される。ピーク検出器は、パルス信号が入力されるタイミングでは、台形波または三角波におけるピークの波高値を計数しない。
このようにすると、擬似微分波の挿入による計数値のずれを解消することができる。
上記X線分析用信号処理装置において好ましくは、デジタルフィルタおよびピーク検出器の間に配置され、デジタルフィルタから与えられる台形波または三角波の波高値を校正するための調整部をさらに備える。
台形波または三角波の波高値がシフトした状態で波高分布図を作成すると、波高値のシフト量に起因してピークの出現位置が本来の出現位置からずれてしまうため、デジタルフィルタよりも後段においてシフト量を相殺するための校正を行なうことで、波高分布図におけるピークの出現位置のずれの発生を抑制することができる。
上記X線分析用信号処理装置において好ましくは、第1の時間は、1つの台形波が形成される時間を含むように設定される。第2の時間は、第1の時間との時間差が、1つの台形波が形成される時間よりも短くなるように設定される。
このようにすると、真正の微分波の時間波形において微分波の密度が低い状態(デッドタイム率が小さい状態)のときに、微分波の直前に擬似微分波を挿入することができる。
上記X線分析用信号処理装置において好ましくは、擬似微分波生成部は、加算部に対して互いに並列に接続された複数の擬似微分波生成器を有する。
このようにすると、擬似微分波生成部は、パルス信号に応答して、漏れなく擬似微分波を出力することができる。
この発明によれば、微分波を台形波に波形変換するデジタルフィルタを有するX線分析用信号処理装置において、微分波の密度に依存した台形波の波高値のシフトを抑制することができる。
本実施の形態に係るエネルギ分散型蛍光X線分析装置の概略構成図である。 図1に示した擬似微分波挿入部の構成例を示す図である。 図2に示した微分波コア部の構成例を示す図である。 擬似微分波挿入部の動作を説明するための波形図である。 擬似微分波挿入部から出力される真正の微分波および擬似微分波の合成波と、この合成波を波形変換して生成される台形波とを模式的に示す波形図である。 真正の微分波と擬似微分波との合成波および台形波の波形図および、擬似微分波挿入部で生成されるパルス信号の波形図である。 検証条件を示す図である。 オフセット補正値が適正値であるときの検証結果を示す図である。 オフセット補正値が過剰値であるときの検証結果を示す図である。 オフセット補正値が過剰値であるときの検証結果を示す図である。 従来のエネルギ分散型蛍光X線分析装置の概略構成図である。 波形変換デジタルフィルタの動作を説明する図である。 台形波の波高値の変動と微分波の密度(デッドタイム率)との関係を模式的に示す図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則的に繰返さないものとつする。
[従来のエネルギ分散型蛍光X線分析装置]
最初に、従来の一般的なエネルギ分散型蛍光X線分析装置の構成およびその課題について説明する。
図11は、従来のエネルギ分散型蛍光X線分析装置の概略構成図である。
図11を参照して、従来のエネルギ分散型蛍光X線分析装置は、X線管球10と、エネルギ分散型分光器(以下、検出器とも称する)12と、プリアンプ14と、微分回路16と、アンプ18と、A/D変換器(以下、ADCとも称する)20と、CPU30と、X線分析用信号処理装置(以下、信号処理装置とも称する)40Aとを備える。
X線管球10は、1次X線を試料Sに出射する。X線管球10は、例えば、陽極であるターゲットと、陰極であるフィラメントと、ターゲットおよびフィラメントを収容する筐体とを有する。ターゲットに高電圧を印加するとともに、フィラメントに低電圧を印加すると、フィラメントから放射された熱電子がターゲットの端面に衝突し、当該端面にて1次X線を発生させる。ターゲットの端面で発生した1次X線は試料Sに出射される。1次X線が試料Sに照射されると、1次X線により励起された蛍光X線が試料Sから放出され、検出器12に入射される。
検出器12は、予め定められた波長域の蛍光X線の強度を検出する。検出器12は、筐体内部に配置され、上記波長域の蛍光X線の強度を検出する検出素子を有する。検出素子は、例えば、リチウムドリフト型Si半導体素子である。
検出器12の出力信号はプリアンプ14で増幅される。プリアンプ14により出力信号は階段波状の信号となる。階段波状の信号の各段が蛍光X線を検出していることを示している。各段の高さが波長λ、すなわちX線エネルギEを表している。
プリアンプ14で増幅された出力信号は、微分回路16に送られる。微分回路16は、コンデンサCおよび抵抗Rからなり、階段波を次式(1)で表す微分波に変換する。階段波を微分波に変換することで、ダイナミックレンジを広くとることができ、結果的に高分解能を得ることができる。微分波はアンプ18で増幅され、ADC20に送られる。
Figure 2020051900
ただし、τはRC時定数、Tはサンプリング周期、nはサンプル数、aは時定数(exp(−T/τ))である。
ADC20は、アナログ信号である微分波を所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル信号に変換する。微分波デジタル信号は、信号処理装置40Aに入力される。
信号処理装置40Aは、微分波デジタル信号の各ピークの波高値(ピークトップ値)に応じて各微分波を弁別した後にそれぞれ計数する。信号処理装置40Aは、一般的に、FPGA(Field-programmable gate array)をはじめとするロジックデバイスで構成される。具体的には、信号処理装置40Aは、オフセット補正部44と、波形変換デジタルフィルタ46と、ベースライン補正部48と、ゲイン/オフセット調整部50と、ピーク検出器52と、ヒストグラムメモリ54とを含む。
オフセット補正部44は、ADC20から与えられる微分波デジタル信号のオフセット補正を行ない、補正後の微分波デジタル信号を波形変換デジタルフィルタ46に出力する。波形変換デジタルフィルタ46は、図12に示すように、微分波を台形波に変換するように構成される。台形波は次式(2)で与えられる。
Figure 2020051900
ただし、Mは台形波トップ(台形の上底に相当)時間、Nは台形波立上り時間/立下り時間である。
波形変換デジタルフィルタ46によって生成された台形波は、ベースライン補正部48およびゲイン/オフセット調整部50によってベースラインおよびゲインが調整された後、ピーク検出器52に入力される。
ピーク検出器52は、台形波におけるピークを検出して各ピークの波高値(ピークトップ値)を取得する。微分波を台形波に変換することで、ピークの波高値(ピークトップ値)を正確に算出することができる。ピーク検出器52は、ピーク毎にピークトップ値に応じたX線エネルギEの計数値をインクリメントして、ヒストグラムメモリ54に格納する。
CPU30は、ヒストグラムメモリ54に格納された計数値に基づいて、波高分布図(エネルギスペクトルヒストグラム)を作成する。波高分布図は横軸に蛍光X線エネルギEを示し、縦軸に元素の含有量(強度)を示す。波高分布図では、試料S中に含まれる元素から放出される蛍光X線のエネルギEに対応する位置に各元素固有のピークが現れる。CPU30は、このピークの出現位置およびそのX線強度値などに基づいて、含有元素の定性および定量を行なう。
ここで、式(2)に示されるように、波形変換デジタルフィルタ46の伝達関数には微分回路16の時定数aが含まれている。そのため、波形変換デジタルフィルタ46は、微分回路16の時定数aおよび微分波の波形歪みに対して非常に敏感に反応する性質を有する。その結果、アナログ回路であるアンプ18の微小なオフセット変動および、周波数の広帯域部分がカットされることによる微分波のわずかな波形歪みの影響を受けて、台形波の波高値が変動してしまうことがある。
特に、波形変換デジタルフィルタ46に入力される微分波の密度によって、台形波の波高値が変動しやすい傾向がみられる。微分波の密度とは、単位時間当たりの微分波の時間波形に含まれる微分波の個数に相当し、微分波の時間波形において隣り合う微分波同士が重なり合う確率に影響する。具体的には、微分波の密度が高いときには隣り合う微分波が重なり合う確率が高くなり、微分波の密度が低いときには隣り合う微分波が重なり合う確率が低くなる。
微分波の密度は検出器12のデッドタイム率によっても変化する。デッドタイム(不感時間)とは、検出器12が1つのX線を受け取ってから次のX線を受け取れるようになるまでの回復に要する時間である。デッドタイム率は、測定時間に対するデッドタイムの総和の割合である(=デッドタイムの総和/測定時間)。通常、計数率(1秒間に検出器12に入射するX線の数)が高くなると、デッドタイム率は大きくなる。デッドタイム率が大きいときには、微分波の密度が高くなる。一方、デッドタイム率が小さいときには、微分波の密度が低くなる。なお、X線管球10に印加する管電流を大きくするに従って、デッドタイム率が大きくなる。
図13は、台形波の波高値の変動と微分波の密度(デッドタイム率)との関係を模式的に示す図である。図13の上段には微分波の時間波形が示され、図13の下段には上段の微分波から変換された台形波の時間波形が示される。
図13を参照して、微分波の時間波形の前半(紙面左側)には微分波が重なり合っていない、微分波の密度が低い状態(すなわち、デッドタイム率が小さい状態)が示される。微分波の時間波形の後半(紙面右側)には微分波が重なり合っており、微分波の密度が高い状態(デッドタイム率が高い状態)が示される。
図13に示すように、微分波の密度が低いとき、すなわちデッドタイム率が小さいときの台形波の波高値を100とする。微分波の密度が高いとき、すなわちデッドタイム率が大きいときには、重なり合う複数の微分波のうち、最初の微分波に対応する台形波の波高値が100であるのに対して、後ろ側の微分波に対応する台形波の波高値が100+aにシフトしている。なお、図13の例ではシフト量aが正の値となっているが、シフト量aが負の値であって、波高値が100よりも小さい側にシフトする場合もある。
これによると、微分波の密度が高いとき、すなわちデッドタイム率が大きいときには、微分波の密度が低いとき、すなわちデッドタイム率が小さいときに比べて、台形波の波高値がシフト量aだけシフトする。そのため、波高値の計数値に基づいて波高分布図を作成した場合、シフト量aに対応して、ピークの出現位置もシフトしているように見えてしまう。このように、同じ蛍光X線エネルギEであるにもかかわらず、微分波の密度(デッドタイム率)によってピークの出現位置がシフトしてしまうことで、エネルギ分解能が低下することが懸念される。
そこで、本実施の形態では、微分波の密度(デッドタイム率)によらず、同じ蛍光X線エネルギであれば台形波の波高値が同じになるように、信号処理装置の内部において、波形変換デジタルフィルタ46に入力される微分波に加工を施す構成とする。
[本実施の形態に係るエネルギ分散型蛍光X線分析装置]
図1は、本実施の形態に係るエネルギ分散型蛍光X線分析装置の概略構成図である。
図1を参照して、本実施の形態に係るエネルギ分散型蛍光X線分析装置は、図11に示す従来のエネルギ分散型蛍光X線分析装置と比較して、信号処理装置40Aが信号処理装置40に置き換えられている点が異なる。
信号処理装置40は、信号処理装置40Aと比較して、擬似微分波挿入部42をさらに有する。なお、信号処理装置40は、信号処理装置40Aと同様、FPGAをはじめとするロジックデバイスで実現することができる。
擬似微分波挿入部42は、ADC20と波形変換デジタルフィルタ46との間に設けられ、ADC20から与えられる微分波に対して、擬似微分波を挿入するように構成される。本願明細書において、擬似微分波とは、ADC20から与えられる真正の微分波に擬似させて生成した微分波であって、真正の微分波と同じ時定数を有している。擬似微分波挿入部42は、ADC20から与えられる真正の微分波に擬似微分波を挿入することで、微分波の密度が高い状態(デッドタイム率が高い状態)を擬似的に作り出すことができる。これにより、真正の微分波の密度に依存せず、常に密度が高い状態で微分波を波形変換デジタルフィルタ46に入力することができる。
図2は、図1に示した擬似微分波挿入部42の構成例を示す図である。
図2を参照して、擬似微分波挿入部42は、8サンプル遅延部60と、256サンプル遅延部62と、立上り検出部64と、(256−N)サンプル遅延部66と、微分波無期間計測部68と、論理積回路70と、微分波コア部72と、加算器74とを含む。
8サンプル遅延部60には、ADC20から微分波が入力されるとともに、ピーク検出器52のリセットタイミングを指定するためのリセット信号が入力される。8サンプル遅延部60は、ADC20から与えられる微分波およびリセット信号を8サンプリング時間分遅延させる。この8サンプリング時間は、微分波の立上り時間に相当する。8サンプル遅延部60の遅延時間は、8サンプリング時間に限定されるものではなく、微分波の立上り時間に応じて任意に設定することができる。8サンプル遅延部60は、遅延させた微分がおよびリセット信号を256サンプル遅延部62へ出力する。8サンプル遅延部60は、さらに、遅延させた微分波を立上り検出部64へ出力する。
256サンプル遅延部62は、8サンプル遅延部60から与えられる微分波およびリセット信号を、さらに、256サンプリング時間分遅延させる。256サンプル遅延部62は、RAMまたはフリップフロップを用いて構成することができる。256遅延部62は、単に微分波を遅延させるだけなので、FPGAのロジックセル領域のルックアップテーブルで実現することができ、小面積で効率的に実装することができる。
256サンプリング時間は、後述するように、台形波立上り時間の2倍と台形波トップ時間との和に相当する時間以上となるように設定される。なお、256サンプル遅延部62の遅延時間は、1つの台形波が形成される時間を含むものであればよく、256サンプリング時間に限定されるものではない。256サンプル遅延部62は「第1の遅延部」の一実施例に対応し、256サンプリング時間は「第1の時間」の一実施例に対応する。
立上り検出部64は、ADC20から遅延前の微分波が入力されるとともに、8サンプル遅延部60から遅延後の微分波が入力される。立上り検出部64は、入力された2つの微分波の大小を比較することにより、遅延前の微分波の立上りを検出する。すなわち、立上り検出部64は、微分波の到来を検出する。
具体的には、遅延前の微分波が立上がると、遅延前の微分波が遅延後の微分波よりも大きくなる。そして、この時点から8サンプリング時間遅れて遅延後の微分波が立上がると、遅延後の微分波が遅延前の微分波よりも大きくなる。立上り検出部64は、この2つの微分波の大小関係の変化を捉えることで、微分波の立上り(すなわち、微分波の到来)を検出することができる。立上り検出部64は、微分波の立上りを検出すると、所定のパルス幅を有するワンショットのパルス信号(以下、立上り検出信号とも称する)を生成し、生成した立上り検出信号を(256−N)サンプル遅延部66へ出力する。
(256−N)サンプル遅延部66は、立上り検出部64から与えられる立上り検出信号を(256−N)サンプリング時間分遅延させる。なお、Nは256より小さい正の整数であり、台形波立上り時間と台形波トップ時間との和に相当する時間から、台形波立上り時間の2倍と台形波トップ時間との和に相当する時間までの間に収まるように設定される。(256−N)サンプル遅延部66は、256サンプル遅延部62と同様に、RAMまたはフリップフロップを用いて構成することができる。(256−N)遅延部66は、FPGAのロジックセル領域のルックアップテーブルで実現することができ、小面積で効率的に実装することができる。(256−N)サンプル遅延部66は、遅延させた立上り検出信号を論理積回路70の第1の入力端子に入力するとともに、微分波無期間計測部68に入力する。(256−N)サンプル遅延部66は「第2の遅延部」の一実施例に対応し、(256−N)サンプリング時間は「第2の時間」の一実施例に対応する。
微分波無期間計測部68は、(256−N)サンプル遅延部66から入力される立上り検出信号に基づいて、微分波の時間波形において微分波が存在しない期間を計測する。具体的には、微分波無期間計測部68は、立上り検出信号が入力された時点から遡って(256−N)サンプリング時間内に別の立上り検出信号が入力されたか否かを判定する。(256−N)サンプリング時間内に別の立上り検出信号が入力されていれば、1つの微分波の立上りが検出された時点から(256−N)サンプリング時間が経過する時点までの時間に、次の微分波の立上りが検出されたことになる。一方、(256−N)サンプリング時間内に別の立上り検出信号が入力されなければ、1つの微分波の立上りが検出された時点から(256−N)サンプリング時間が経過する時点までの時間に、次の微分波の立上りが検出されないことになる。
例えば、1つの微分波の立上り(微分波の到来)が検出された時点から(256−N)サンプリング時間が経過するまでの期間に次の微分波の立上り(次の微分波の到来)が検出された場合、微分波無期間計測部68は、1つの微分波が存在している間に、次の微分波が到来したものと判定し、判定結果としてL(論理ロー)レベルの信号を出力する。
これに対して、1つの微分波の立上り(微分波の到来)が検出された時点から(256−N)サンプリング時間が経過するまでの時間に次の微分波の立上り(次の微分波の到来)が検出されない場合、微分波無期間計測部68は、1つの微分波が存在している間に、次の微分波が到来していないものと判定し、判定結果としてワンショットのパルス信号を出力する。微分波無期間計測部68の出力信号は、論理積回路70の第2の入力端子に入力される。
論理積回路70は、(256−N)サンプル遅延部66の出力信号と微分波無期間計測部68の出力信号との論理積を演算することにより、信号DMY_PLSを生成する。(256−N)サンプル遅延部66から立上り検出信号が出力され、かつ、微分波無期間計測部68からパルス信号が出力されている場合、論理積回路70は、ワンショットのパルス信号DMY_PLSを出力する。すなわち、微分波の立上り(微分波の到来)が検出されてからこの微分波が存在している間に次の微分波が到来していない場合、論理積回路70は、パルス信号DMY_PLSを出力する。
これに対して、(256−N)サンプル遅延部66から立上り検出信号が出力されているが、微分波無期間計測部68からパルス信号が出力されていない場合、あるいは、(256−N)サンプル遅延部66から立上り検出信号が出力されていない場合、論理積回路70は、パルス信号DMY_PLSを出力しない。すなわち、微分波の立上り(微分波の到来)が検出されてからこの微分波が存在している間に次の微分波が到来した場合、または、微分波の立上りが検出されていない場合、論理積回路70は、パルス信号DMY_PLSを出力しない。
論理積回路70にて生成されたパルス信号DMY_PLSは、微分波コア部72に与えられるとともに、ピーク検出器52およびヒストグラムメモリ54(図1参照)に与えられる。
微分波コア部72は、擬似微分波を生成するための部位である。微分波コア部72は、論理積回路70からパルス信号DMY_PLSを受けると、生成した擬似微分波を加算器74に出力する。
図3は、図2に示した微分波コア部72の構成例を示す図である。
図3を参照して、微分波コア部72は、複数の微分波コア720を有する。図3の例では微分波コア720の個数を8個とするが、微分波コア720の個数は複数であれば、特に限定されない。複数の微分波コア720は、加算器74に対して互いに並列に接続されている。微分波コア720は、擬似微分波生成ROMテーブルを有する。擬似微分波生成ROMテーブルは、真正の微分波と同じ時定数を有する理想波を生成するために、予め作成されたものである。なお、擬似微分波生成ROMテーブルは、真正の微分波の時定数ごとに作成されている。微分波コア部72では、基本的に、パルス信号DMY_PLSを受けると、複数の微分波コア720のうちの1つが擬似微分波を加算器74に出力する。ただし、この1つの微分波コア720が擬似微分波を出力している期間に、次のパルス信号DMY_PLSを受けた場合には、残りの微分波コア720のうちの1つが次のパルス信号DMY_PLSに応答して擬似微分波を出力する。複数の微分波コア720を備えておくことで、パルス信号DMY_PLSに応答して、漏れなく擬似微分波を出力することができる。
図2に戻って、加算器74は、256サンプル遅延部62から与えられる微分波に、微分波コア部72によって生成された擬似微分波を加算する。加算器74は、微分波と擬似微分波との合成波をオフセット補正部44(図1参照)へ出力する。
図4は、擬似微分波挿入部42の動作を説明するための波形図である。図4には、ADC20から擬似微分波挿入部42に与えられる真正の微分波の時間波形と、この真正の微分波に基づいて擬似微分波挿入部42の内部で生成される信号、擬似微分波および合成波の時間波形とが示されている。
詳細には、ADC20から与えられる真正の微分波と、この微分波を8サンプリング時間分遅延させた微分波とを比較することによって、真正の微分波の立上りが検出される。微分波の立上りが検出されると、ワンショットのパルス信号である立上り検出信号が立上り検出部64から出力される。
この立上り検出信号は、(256−N)サンプル遅延部66によって(256−N)サンプリング時間分遅延される。この(256−N)サンプリング時間内に、次の微分波の立上りが検出されない場合には、論理積回路70によってパルス信号DMY_PLSが生成される。
微分波コア部72は、論理積回路70により生成されたパルス信号DMY_PLSを受けると、擬似微分波を加算器74へ出力する。図7に示すように、パルス信号DMY_PLSは、真正の微分波から8サンプリング時間および(256−N)サンプリング時間の和だけ遅延したタイミングで生成されるため、擬似微分波もこのタイミングで加算器74に入力される。
加算器74には、さらに、真正の微分波を256サンプリング時間分遅延させた微分波が入力される。すなわち、擬似微分波からNサンプリング時間分遅延したタイミングで真正の微分波が加算器74に入力される。加算器74は、遅延後の真正の微分波と擬似微分波とを加算することにより、真正の微分波と擬似微分波との合成波を生成する。
ここで、擬似微分波挿入部42において、(256−N)サンプル遅延部62における「N」は、図4に示すように、合成波において、擬似微分波と真正の微分波とが部分的に重なり合うように設定される。これによると、真正の微分波の時間波形において微分波の密度が低い状態(デッドタイム率が小さい状態)のときに、微分波の直前に擬似微分波を挿入することができるため、微分波の密度が高い状態(デッドタイム率が大きい状態)を擬似的に作り出すことができる。したがって、真正の微分波の密度(デッドタイム率)に依存することなく、波形変換デジタルフィルタ46に入力される微分波を、常に密度が高い状態(デッドタイム率が大きい状態)に加工することができる。
図5は、擬似微分波挿入部42から出力される真正の微分波および擬似微分波の合成波と、この合成波を波形変換して生成される台形波とを模式的に示す波形図である。図5の上段に示す微分波の時間波形において、実線は真正の微分波の時間波形を示し、破線は擬似微分波の時間波形を示す。図5の下段に示す台形波の時間波形において、実線は真正の微分波に対応する台形波の時間波形を示し、破線は擬似微分波に対応する台形波の時間波形を示す。
図5と図13とを比較すると、図5においては、微分波の密度が高い状態(デッドタイム率が大きい状態)を擬似的に作り出すことで、真正の微分波を変換した台形波の波高値が100+aにシフトしている。その結果、図5では、真正の微分波に対応する台形波の波高値がすべて100+aに揃っている。これによると、真正の微分波の密度に依存して台形波の波高値がばらつくことを抑制することができる。
ただし、台形波の波高値がシフトした状態で波高分布図を作成すると、波高値のシフト量に起因してピークの出現位置が本来の出現位置からずれてしまう。そこで、信号処理装置40では、波形変換デジタルフィルタ46よりも後段のゲイン/オフセット調整部50において、シフト量aを相殺するための校正を行なうことで、波高分布図におけるピークの出現位置のずれの発生を抑制する。
また、擬似微分波に対応する台形波のピークを含めた状態で波高分布図を作成すると、X線エネルギEの計数値が本来の計数値よりも大きくなってしまう。そこで、信号処理装置40では、擬似微分波が挿入されるタイミングに対応してパルス信号DMY_PLSを発生させ、このパルス信号DMY_PLSをピーク検出器52に出力する。ピーク検出器52は、パルス信号DMY_PLSが入力されるタイミングでは、台形波におけるピークを検出しないこととする。これにより、擬似微分波の挿入による計数値のずれを解消することができる。
また、ヒストグラムメモリ54では、デッドタイムを計測するが、パルス信号DMY_PLSが入力されるタイミングでは、デッドタイムを計数しないこととする。
図6は、真正の微分波と擬似微分波との合成波および台形波の波形図および、擬似微分波挿入部で生成されるパルス信号DMY_PLSの波形図である。
図6において、真正の微分波に対応する台形波は実線で囲まれ、擬似微分波に対応する台形波は破線で囲まれている。擬似微分波が挿入されるタイミングに対応して、パルス信号DMY_PLSが発生している。なお、図中の信号/U_TOP/VALIDは、真正の微分波のタイミングに対応して発生する信号である。信号/U_TOP/BUSYは、デッドタイムを示す信号である。いずれの信号も擬似微分波が挿入されるタイミングでは発生していない。
次に、上述した擬似微分波挿入部42の有効性について検証を行なった結果について説明する。
擬似微分波挿入部42の有効性がよく分かるように、波形変換デジタルフィルタ46の前段のオフセット補正部44におけるオフセット補正値を過剰に設定した。ADC20から出力される微分波のベースラインがセンター値となっているが、オフセット補正部44は、0値がベースラインとなるように、微分波を減算するように構成される。波形変換デジタルフィルタ46は、初期値が0値であることを前提としているため、0値付近をベースラインとしないと、正しく動作しないためである。また、波形変換デジタルフィルタ46は、符号無値を入力としているため、オフセット補正値を過剰に設定して(余分に減算して)ベースラインをマイナス値とする。なお、マイナス値は0に丸められる。
このようにすると、擬似微分波挿入部42を持たない従来のエネルギ分散型蛍光X線分析装置(図11参照)では、微分波の密度が低い状態(デッドタイム率が小さい状態)のときには、波高分布図において、真正の微分波の正規の波高値と、正規の波高値よりも小さい波高値との2箇所にスペクトルのピークが立つことが予想される。これに対して、擬似微分波挿入部42を有する本実施の形態に従うエネルギ分散型蛍光X線分析装置(図1参照)では、波高分布図におけるスペクトルのピークが1箇所となるはずである。
検証は、図示しないテスト波形発生部において、デッドタイム率が6%の微分波と、デッドタイム率が22%の微分波とを生成した。また、オフセット補正部44におけるオフセット補正値を適正値(例えば14ビットでセンター値の2000h)とする条件と、オフセット補正値を過剰値(例えば14ビットで2040h)とする条件とを設定した。図7に検証条件を示す。検証では、擬似微分波挿入部42を持たない信号処理装置40Aを用いて10秒間スペクトルを取得するとともに、擬似微分波挿入部42を有する信号処理装置40を用いて10秒間スペクトルを取得した。
図8は、オフセット補正値が適正値(2000h)であるときの検証結果を示す図である。図8を参照して、デッドタイム率が6%のとき、およびデッドタイム率が22%のときのいずれにおいても、擬似微分波挿入部42が無い場合と擬似微分波挿入部42が有る場合とで、略同じ結果が得られた。これは、擬似微分波挿入部42が結果に影響を与えていないことを意味する。
図9および図10は、オフセット補正値が過剰値(2040h)であるときの検証結果を示す図である。図9および図10は、デッドタイム率が6%のときの波高分布図である。図9は波高値が100ch付近のスペクトルであり、図9(a)は擬似微分波挿入部42が無い場合のスペクトルを示し、図9(b)は擬似微分波挿入部42が有る場合のスペクトルを示す。図9は波高値が1916ch付近のスペクトルであり、図10(a)は擬似微分波挿入部42が無い場合のスペクトルを示し、図10(b)は擬似微分波挿入部42が有る場合のスペクトルを示す。なお、各スペクトルは横軸を波高値(蛍光X線エネルギE)とし、縦軸を元素の含有量(強度)とする。
図9(a)に示されるように、擬似微分波挿入部42が無い場合には、波高値が92ch付近および100ch付近の2箇所にピークが立っている。擬似微分波挿入部42を設けることで、図9(b)に示されるように、ピークは波高値が100ch付近の1箇所に集約される。
図10(a)においても同様に、擬似微分波挿入部42が無い場合には、波高値が1909ch付近および1916ch付近の2箇所にピークが立っている。擬似微分波挿入部42を設けることで、図10(b)に示されるように、ピークは波高値が1916ch付近の1箇所に集約される。
以上説明したように、本発明の実施の形態に従うX線分析用信号処理装置によれば、同じ蛍光X線エネルギであるにもかかわらず、微分波の密度(デッドタイム率)によってピークの出現位置がシフトしてしまうことを抑制することができる。この結果、エネルギ分解能を高めることができる。
なお、上述した実施の形態に従うエネルギ分散型蛍光X線分析装置では、波形変換デジタルフィルタ46は、入力された微分波デジタル信号を台形波デジタル信号に変換する構成を例示したが、入力された微分波デジタル信号を三角波デジタル信号に変換するような構成としてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 X線管球、12 エネルギ分散型分光器(検出器)、14 プリアンプ、16 微分回路、18 アンプ、20 ADC、30 CPU、40,40A X線分析用信号処理装置(信号処理装置)、42 擬似微分波挿入部、44 オフセット補正部、46 波形変換デジタルフィルタ、48 ベースライン補正部、50 ゲイン/オフセット調整部、52 ピーク検出器、54 ヒストグラムメモリ、60 8サンプル遅延部、62 256サンプル遅延部、64 立上り検出部、66 (256−N)サンプル遅延部、68 微分波無期間計測部、70 論理積回路、72 微分波コア部、74 加算器。

Claims (6)

  1. X線検出器で検出された階段波を微分波に変換する微分回路と、
    前記微分波を台形波または三角波に変換するデジタルフィルタと、
    前記台形波または三角波におけるピークの波高値を計数するピーク検出器と、
    前記微分回路および前記デジタルフィルタの間に配置され、前記微分回路から与えられる真正の微分波に対して擬似微分波を挿入するように構成された擬似微分波挿入部とを備える、X線分析用信号処理装置。
  2. 前記擬似微分波挿入部は、
    前記真正の微分波の立上りを検出して検出信号を出力する立上り検出部と、
    前記真正の微分波を第1の時間遅延させる第1の遅延部と、
    前記検出信号を前記第1の時間よりも短い第2の時間遅延させる第2の遅延部と、
    前記擬似微分波を発生する擬似微分波生成部とを含み、
    前記擬似微分波生成部は、前記第2の時間内に前記立上り検出部にて次の真正の微分波の立上りが検出されない場合には、前記第2の遅延部から出力される前記検出信号をトリガとして前記擬似微分波を発生するように構成され、
    前記擬似微分波挿入部はさらに、前記第1の遅延部にて遅延させた前記真正の微分波に、前記擬似微分波を加算する加算部を含む、請求項1に記載のX線分析用信号処理装置。
  3. 前記擬似微分波挿入部は、前記第2の遅延部から出力される前記検出信号をトリガとしてワンショットのパルス信号を発生するように構成され、
    前記ピーク検出器は、前記パルス信号が入力されるタイミングでは、前記台形波または三角波におけるピークの波高値を計数しない、請求項2に記載のX線分析用信号処理装置。
  4. 前記デジタルフィルタおよび前記ピーク検出器の間に配置され、前記デジタルフィルタから与えられる前記台形波または三角波の波高値を校正するための調整部をさらに備える、請求項2または3に記載のX線分析用信号処理装置。
  5. 前記第1の時間は、1つの前記台形波が形成される時間を含むように設定され、
    前記第2の時間は、前記第1の時間との時間差が、1つの前記台形波が形成される時間よりも短くなるように設定される、請求項2から4のいずれか1項に記載のX線分析用信号処理装置。
  6. 前記擬似微分波生成部は、前記加算部に対して互いに並列に接続された複数の擬似微分波生成器を有する、請求項2から5のいずれか1項に記載のX線分析用信号処理装置。
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