JP2015021957A - X線分析用信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 少ない回路量で簡単に精度よく時定数設定値を選定することができるX線分析用信号処理装置を提供する。【解決手段】 X線検出器で検出された階段波を微分波に変換する微分回路42と、時定数設定値を用いて微分波を台形波又は三角波に変換するデジタルフィルタ61と、台形波又は三角波におけるピークの波高値を弁別して計数するピーク検出部62とを備えるX線分析用信号処理装置60であって、デジタルフィルタ61によって複数の時定数仮設定値が用いられて微分波がそれぞれ変換された台形波又は三角波を格納する格納部71と、ピークの前側平坦部と後側平坦部とをそれぞれ求める平坦部算出部72と、ピークの前側平坦部と後側平坦部との差分値を算出する差分値算出部73と、差分値に基づいて複数の時定数仮設定値のうちから少なくとも1個の時定数仮設定値を選択し、選択した時定数仮設定値を用いて時定数設定値を選定する選定部74とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、一般にマルチチャンネルアナライザと呼ばれるX線分析用信号処理装置に関し、微分波を波形変換する波形変換デジタルフィルタを有するX線分析用信号処理装置に関する。
蛍光X線分析装置は、固体試料や粉体試料や液体試料に励起X線(一次X線)を照射し、照射した一次X線により励起されて放出される蛍光X線を分光器で検出することによって、その試料に含まれる元素の定性や定量分析を行うものである。このような蛍光X線分析装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置とエネルギ分散型蛍光X線分析装置とがある。
波長分散型蛍光X線分析装置は、分光結晶とスリットとを組み合わせたX線分光器により特定波長の蛍光X線を選別した上で検出器により検出する構成を有する。一方、エネルギ分散型蛍光X線分析装置は、こうした波長選別を行わずに蛍光X線を直接半導体検出器等で検出し、その後に出力信号を波長λ(つまりX線エネルギE)毎に分離する処理を行う構成を有する(例えば、特許文献1参照)。よって、蛍光X線スペクトルを作成する場合、波長分散型蛍光X線分析装置では波長走査を行う必要があるのに対し、エネルギ分散型蛍光X線分析装置では多数の波長の情報が同時に得られるため、短時間で蛍光X線スペクトルを取得できるという特徴を有する。
図5は、従来の一般的なエネルギ分散型蛍光X線分析装置の構成を示す概略構成図である。エネルギ分散型蛍光X線分析装置101は、一次X線を試料Sに出射するX線管球10と、波長λ1以上波長λ2以下の蛍光X線強度Iλ1〜λ2を検出するエネルギ分散型分光器(検出器)30と、プリアンプ(前置増幅器)41と、コンデンサCや抵抗Rからなる微分回路42と、A/D変換器(ADC)43と、波形変換デジタルフィルタ61とピーク検出部62とヒストグラムメモリ63とからなるFPGA(X線分析用信号処理装置)160と、X線管球10やエネルギ分散型分光器30やFPGA160等を制御するCPU150とを備える。
X線管球10は、例えば、筐体の内部に陽極であるターゲットと陰極であるフィラメントとが配置されている。これにより、ターゲットに高電圧を印加するとともに、フィラメントに低電圧を印加することで、フィラメントから放射された熱電子をターゲットの端面に衝突させることで、ターゲットの端面で発生した一次X線を出射するようになっている。
エネルギ分散型分光器30は、例えば、筐体の内部に蛍光X線強度Iλ1〜λ2を検出する検出素子(リチウムドリフト型Si半導体検出器)が配置されている。そして、エネルギ分散型分光器30からの出力信号は、プリアンプ41で増幅される。この出力信号は、階段波状となり、階段波状の各1段が蛍光X線をそれぞれ検出していることを示し、各段の高さが波長λ、すなわちX線エネルギEを表している。
プリアンプ41で増幅された出力信号は、微分回路42に送られ、微分回路42は、階段波を、下記式(1)で示す微分波に変換する。このように階段波から微分波にすることで、ダイナミックレンジが広くとれ、高分解能を達成している。
y=exp(−nT/τ)=a^n ・・・(1)
ただし、τはRC時定数、Tはサンプリング周期、nはサンプル数、aは時定数(exp(−T/τ))である。
A/D変換器43は、アナログ信号である微分波をデジタル化していく。
波形変換デジタルフィルタ61は、入力された微分波デジタル信号を、図6に示すように、下記式(2)で示す台形波デジタル信号に変換する。なお、図7は、微分波デジタル信号と台形波デジタル信号とを表したグラフであって、上段が微分波デジタル信号を示し、下段が台形波デジタル信号を示している。このように微分波デジタル信号から台形波デジタル信号にすることで、ピークの波高値(ピークトップ値)を正確に算出するようにしている。
ただし、上記の式において、Mは台形波トップ時間FL(例えば0.4us)、Nは台形波立ち上がり/立ち下り時間PK(例えば1.8us)である。
ピーク検出部62は、入力された台形波デジタル信号におけるピークを検出して各ピークの波高値(ピークトップ値)を取得し、1つのピーク毎にピークトップ値に応じたX線エネルギEの計数値をインクリメントして、ヒストグラムメモリ63に格納する。
そして、CPU150にデータを送出し、その結果、CPU150は、横軸に蛍光X線エネルギE、縦軸に元素の含有量(強度)となる波高分布図(エネルギスペクトルヒストグラム)を作成している。
特開2007−327902号公報
ところで、上述したようなエネルギ分散型蛍光X線分析装置101では、微分回路42によって階段波を微分波に変換しているが、微分回路42の時定数aは微分波を生成しているコンデンサCや抵抗Rの個体差に大きく左右されるため、波形変換デジタルフィルタ61の時定数設定値Aを正確(時定数aと同一)に設定しないと、図7に示すような微分波デジタル信号と台形波デジタル信号とならない。図8(a)は、時定数設定値Aを時定数aより小さく設定しすぎたときの図であり、図8(b)は、時定数設定値Aを時定数aより大きく設定しすぎたときの図である。図8(a)や(b)では、微分波デジタル信号が歪んでしまい、かつ、ピークの波高値も変わってしまっている。すなわち、蛍光X線スペクトルのエネルギ分解能が悪化するという問題点がある。
ここで、一般的な微分回路42の例として、抵抗R=330Ω、コンデンサC=1uF、サンプリング周期T=50nsであるものについて説明する。抵抗RとコンデンサCとのばらつきは合わせて±3%とし、その他の要因や経年変化を±1%とする。よって、ばらつきの最大範囲を±4%とする。また、時定数aは16bitで表す。
RC時定数τ=R×C=330×1e−6=33usより、
時定数a=2^16×exp(−T/τ)=2^16×exp(−50ns/33us)=65437となる。
そして、抵抗RとコンデンサCとが、ばらつきの最小側(−4%)にばらついたとき、τ=33×0.96=31.68usよりamin=65432となり、65437より5小さくなる。また、抵抗RとコンデンサCとが、ばらつきの最大側(+4%)にばらついたとき、τ=33×1.04=34.32usよりamax=65441となり、65437より4大きくなる。したがって、コンデンサCや抵抗Rの性能によって、微分回路42の時定数aは、amin(65432)からamax(65441)までの間で変化することになる。
なお、数eV/bit程度の分解能でA/D変換器43が使用されたエネルギ分散型蛍光X線分析装置101の場合には、時定数設定値Aは最適値(時定数a)の±2以内に収まっていれば、蛍光X線スペクトルのエネルギ分解能はほとんど悪化しないことが分かっている。
よって、製造業者等は、時定数設定値Aを微調整しなくてもいいように精度の高い(ばらつきのない)コンデンサCや抵抗R等の部品を使用したり、生産時等にエネルギ分散型蛍光X線分析装置101毎に時定数設定値Aを微調整したりしている。
ここで、生産時等において時定数設定値Aを微調整する際に、時定数設定値Aを求めようとすると、上述したように微分波を伝達関数y=a^nとしたときには、a=x^{(logy)/n}の演算を行えばよいことになる(ただし、xは0以外の任意の数であり、例えば10等である)。このとき、このような演算を複数の微分波の複数のポイントで算出して平均化することで時定数aを求めることになる。しかし、このような演算は考え方が分かりやすい反面、微分波に含まれるノイズや歪みで平均化の手間が大きくなったり、演算量や回路量が増大して処理に時間がかかるといった欠点がある。
本件発明者らは、上記課題を解決するために、FPGA(X線分析用信号処理装置)について検討を行った。そこで、微分波y=a^nではなく、台形波h(z)を用いて時定数設定値Aを求めた方が、構成が簡易となって回路量も減らすことができると考えた。図8(a)に示すように、時定数設定値Aが時定数aより小さいときには、台形波におけるピークが正側にテールを引きずる。一方、時定数設定値Aが時定数aより大きいときには、図8(b)に示すように台形波におけるピークが負側にテールを引きずる。これらの点に着目して、数〜数十の値(複数の時定数設定値A)をスキャン(算出)していき、各時定数設定値Aの台形波におけるピークの前側平坦部(図6に示す1個目のNより前の部分)と後側平坦部(図6に示す2個目のNより後の部分)との差分値ΔHを参照して、差分値ΔHが閾値ΔHth以下となった時定数設定値Aを求め、その時定数設定値Aを用いて選定することを見出した。
すなわち、本発明のX線分析用信号処理装置は、X線検出器で検出された階段波を微分波に変換する微分回路と、時定数設定値を用いて前記微分波を台形波又は三角波に変換するデジタルフィルタと、前記台形波又は三角波におけるピークの波高値を弁別して計数するピーク検出部とを備えるX線分析用信号処理装置であって、前記デジタルフィルタによって複数の時定数仮設定値が用いられて前記微分波がそれぞれ変換された台形波又は三角波を格納する格納部と、前記ピークの前側平坦部と後側平坦部とをそれぞれ求める平坦部算出部と、前記ピークの前側平坦部と後側平坦部との差分値を算出する差分値算出部と、前記差分値に基づいて複数の時定数仮設定値のうちから少なくとも1個の時定数仮設定値を選択し、選択した時定数仮設定値を用いて前記時定数設定値を選定する選定部とを備えるようにしている。
ここで、「複数の時定数仮設定値A」とは、最適値(時定数a)が含まれると予想される任意の範囲の数値であり、例えば、入力装置等を用いて入力された数値A48の±48(96点)の1ずつずれた数値(A〜A96)等となる。
本発明のX線分析用信号処理装置によれば、例えば、まず、デジタルフィルタは、第1の時定数仮設定値Aを用いて、微分波を第1の台形波に変換して格納させる。次に、平坦部算出部は、第1の台形波のピークにおける前側平坦部と後側平坦部とをそれぞれ求める。次に、差分値算出部は、前側平坦部と後側平坦部との差分値ΔHを算出する。
次に同様に、デジタルフィルタは、第2の時定数仮設定値Aを用いて、微分波を第2の台形波に変換して格納させ、平坦部算出部は、第2の台形波のピークにおける前側平坦部と後側平坦部とをそれぞれ求め、差分値算出部は、前側平坦部と後側平坦部との差分値ΔHを算出する。このようにして、例えば96個の時定数仮設定値A〜A96を用いて96個の差分値ΔH〜ΔH96を算出する。
次に、選定部は、例えば、差分値ΔHが閾値ΔHth以下になった時定数仮設定値Aを求め、その時定数仮設定値Aを用いて時定数設定値Aを選定する。例えば、差分値ΔH50〜ΔH60が閾値ΔHth以下になったときには、時定数仮設定値A50〜A60を用いて時定数設定値Aを選定する。つまり、台形波におけるピークが正側や負側にテールを引きずっていないと判定した時定数仮設定値A50〜A60から時定数設定値Aを選定する。
以上のように、本発明のX線分析用信号処理装置によれば、少ない回路量で簡単に精度よく時定数設定値Aを選定することができるようになる。よって、コストアップを最小限に抑えることができるとともに、生産時や運用時のキャリブレーションも容易になる。さらに、使用する抵抗RやコンデンサC等の部品は、ばらつきが小さい高価なものではなく安価な標準部品を用いることができる。また、どの装置も同程度の分解能を得ることができるので、装置の信頼性も向上する。
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、上記の発明において、前記平坦部算出部は、前記ピークの前側の複数のポイントを用いて前側平坦部を求めるとともに、前記ピークの後側の複数のポイントを用いて後側平坦部を求めるようにしてもよい。
また、上記の発明において、前記差分値算出部は、複数のピークの前側平坦部及び後側平坦部を用いて差分値を算出するようにしてもよい。
さらに、上記の発明において、前記選定部は、前記差分値が閾値以下になった複数の時定数仮設定値の中央値を前記時定数設定値として選定するようにしてもよい。
また、「閾値ΔHth」とは、ピークが正側にも負側にもテールが引きずっていないと判断される任意の数値であり、例えば、16等となる。
本発明のエネルギ分散型蛍光X線分析装置の一例を示す概略構成図。 図1の装置を用いた選定方法について説明するフローチャート。 図1の装置を用いた選定結果についての説明図。 本発明のエネルギ分散型蛍光X線分析装置の検証条件を説明する図。 従来の一般的なエネルギ分散型蛍光X線分析装置を示す概略構成図。 微分波を台形波に変換することについての説明図。 微分波デジタル信号と台形波デジタル信号とを示すグラフ。 時定数設定値Aを時定数aより過小又は過大設定したときのグラフ表示を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
図1は、本発明の実施形態に係るエネルギ分散型蛍光X線分析装置の一例を示す概略構成図である。なお、上述した従来のエネルギ分散型蛍光X線分析装置101と同様のものについては、同じ符号を付している。
エネルギ分散型蛍光X線分析装置1は、一次X線を試料Sに出射するX線管球10と、波長λ1以上波長λ2以下の蛍光X線強度Iλ1〜λ2を検出するエネルギ分散型分光器(検出器)30と、プリアンプ(前置増幅器)41と、コンデンサCや抵抗Rからなる微分回路42と、A/D変換器(ADC)43と、波形変換デジタルフィルタ61とピーク検出部62とヒストグラムメモリ63とA設定値算出部70とからなるFPGA(X線分析用信号処理装置)60と、X線管球10やエネルギ分散型分光器30やFPGA60等を制御するCPU50とを備える。
本発明の実施形態に係るA設定値算出部70は、台形波格納部71と平坦部算出部72と差分値算出部73と選定部74と初期設定メモリ75とを備える。
初期設定メモリ75には、入力装置等によって「算出モード」が入力された際に用いられるプログラムとして、入力装置等によって入力された「時定数初期設定値A48の±48となる96個(A値設定スキャン数x)の時定数仮設定値A〜A96」を用いて波形変換デジタルフィルタ61が台形波に変換するためのプログラムや、台形波におけるピークの前側の「32個(平坦部サンプリング数l)」のポイントを用いて前側平坦部を求めるとともにピークの後側の「32個(平坦部サンプリング数l)」のポイントを用いて後側平坦部を求めるためのプログラムや、「16個(平均回数m)」のピークを用いて差分値ΔHを算出するためのプログラムや、差分値ΔHが16(閾値ΔHth)以下となった時定数仮設定値Aの中央値を時定数設定値Aとして選定するためのプログラム等が予め記憶されている。
なお、「A値設定スキャン数x=96」や「平坦部サンプリング数l=32」や「平坦部サンプリング数lの取得時間(図6に示すNの前後の部分)」や「平均回数m=16」や「閾値ΔHth=16」等は「各種設定」として予め記憶されており、一方、「時定数初期設定値A48」は、入力装置等によって「算出モード」が入力された後に、「A値初期設定」として入力装置等によって任意の数値(例えばA48=65437)が入力されるようになっている。
台形波格納部71は、入力装置等によって「算出モード」が入力された際には、波形変換デジタルフィルタ61により第xの時定数仮設定値Aを用いて微分波から変換された第xの台形波を格納するために、波形変換デジタルフィルタ61に第xの時定数仮設定値Aを順次出力する。これにより、例えば、波形変換デジタルフィルタ61によって第1の時定数仮設定値A=65389を用いて微分波から変換された第1の台形波を格納し、その後、波形変換デジタルフィルタ61によって第2の時定数仮設定値A=65390を用いて微分波から変換された第2の台形波を格納するよう、96個の時定数仮設定値A〜A96をそれぞれ用いて微分波から変換された96個の台形波を順次格納する。なお、時定数仮設定値Aは、xが1大きくなると、1大きくなるようになっている。
平坦部算出部72は、台形波格納部71で格納された第xの台形波における第mのピークの前側の「32個(平坦部サンプリング数l)」のポイントを用いて第mの前側平坦部を求めるとともに、第mのピークの後側の「32個(平坦部サンプリング数l)」のポイントを用いて第mの後側平坦部を求める。例えば、時定数仮設定値Aが用いられた第1の台形波において、第1のピークの前側(図6に示す1個目のNより前)の32個のポイント(指定時間)を順次合算して第1の前側平坦部を求めるとともに、第1のピークの後側(図6に示す2個目のNより後)の32個のポイント(指定時間)を順次合算して第1の後側平坦部を求め、第2のピークの前側の32個のポイントを順次合算して第2の前側平坦部を求めるとともに、第2のピークの後側の32個のポイントを順次合算して第2の後側平坦部を求めるよう、16個のピークの前側平坦部と後側平坦部とを求める。これと同様に、時定数仮設定値A〜A96が用いられた95個の台形波についても16個のピークの前側平坦部と後側平坦部とを求める。
差分値算出部73は、第xの台形波における第1から第mまでのピークの合計前側ベースライン値と第1から第mまでのピークの合計後側ベースライン値との差分値ΔHを算出する。例えば、時定数仮設定値Aが用いられた第1の台形波において、第1のピークの前側平坦部から第16のピークの前側平坦部までを加算して、第1の合計前側ベースライン値を求める。また、時定数仮設定値Aが用いられた第1の台形波において、第1のピークの後側平坦部から第16のピークの後側平坦部までを加算して、第1の合計後側ベースライン値を求める。そして、第1の合計前側ベースライン値と第1の合計後側ベースライン値とを差分して、第1の差分値ΔHを算出する。次に同様に、時定数仮設定値Aが用いられた第2の台形波において、第1のピークの前側平坦部から第16のピークの前側平坦部までを加算して、第2の合計前側ベースライン値を求める。また、時定数仮設定値Aが用いられた第2の台形波において、第1のピークの後側平坦部から第16のピークの後側平坦部までを加算して、第2の合計後側ベースライン値を求める。そして、第2の合計前側ベースライン値と第2の合計後側ベースライン値とを差分して、第2の差分値ΔHを算出する。このようにして、時定数仮設定値A〜A96が用いられた96個の台形波について、96個の差分値ΔH〜ΔH96を算出する。
選定部74は、差分値ΔH〜ΔH96が閾値ΔHth以下になった時定数仮設定値Aを求めて、時定数仮設定値Aの中央値を時定数設定値Aとして選定してモニタに表示するとともに、波形変換デジタルフィルタ61に出力する。例えば、差分値ΔH〜ΔH40が閾値ΔHthを超え、差分値ΔH41〜ΔH50が閾値ΔHth以下となり、差分値ΔH51〜ΔH96が閾値ΔHthを超えたときには、差分値ΔH41〜ΔH50の中央値である差分値ΔH45に対応する時定数仮設定値A45=65434を時定数設定値Aとして選定してモニタに表示する。そして、波形変換デジタルフィルタ61に時定数設定値A(65434)を出力する。これにより、波形変換デジタルフィルタ61は、測定試料Sが配置されると、入力された微分波デジタル信号を時定数設定値A(65434)を用いて台形波デジタル信号に変換していくことになる。
ここで、エネルギ分散型蛍光X線分析装置1を用いて、時定数設定値Aを選定する選定方法の一例について説明する。図2は、選定方法について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、入力装置等から「算出モード」が入力されたか否かを判定する。つまり、製造業者等が信号を入力するまで、ステップS101の処理は繰り返される。よって、製造業者等は、生産時や運用時のキャリブレーション時等に、或る試料Sを配置し、入力装置等を用いて信号を入力し、さらに「時定数初期設定値A48」を入力することになる。
次に、ステップS102の処理において、「時定数初期設定値A48」より48個前となる1番目の時定数仮設定値A=Aを波形変換デジタルフィルタ61に設定し、ピーク数m=1とする。
次に、ステップS103の処理において、波形変換デジタルフィルタ61は、入力されてくる微分波を、時定数仮設定値Aを用いて第xの台形波に変換していく。
次に、ステップS104の処理において、台形波格納部71は、第xの台形波を格納していく。このとき、台形波格納部71は、前後にVALIDがなくパイルアップもないような波形(第mのピーク)をラッチする。また、第mのピークの前後の平坦部が充分確保できる(前後の直近にピークがない)と、格納を中止して、平坦部フラグを平坦部算出部72に出力する。
次に、ステップS105の処理において、平坦部算出部72は、第xの台形波における第mのピークの前側の32個のポイントを順次合算して第mのピークの前側平坦部を求めるとともに、第mのピークの後側の32個のポイントを順次合算して第mのピークの後側平坦部を求める。
次に、ステップS106の処理において、平坦部算出部72は、第mのピークの前側平坦部を、第1から第(m−1)までのピークの前側平坦部に加算して合計前側ベースライン値を求めるとともに、第mのピークの後側平坦部を、第1から第(m−1)までのピークの後側平坦部に加算して合計後側ベースライン値を求める。
次に、ステップS107の処理において、m=16か否かを判定する。m=16でない場合には、ステップS108の処理において、m=m+1として、ステップS103の処理に戻る。
一方、m=16である場合には、ステップS109の処理において、差分値算出部73は、第xの台形波における合計前側ベースライン値と合計後側ベースライン値との差分値ΔHを算出する。
次に、ステップS110の処理において、選定部74は、差分値ΔHが閾値ΔHth以下になったと判定したときには、「OK」と判定し、差分値ΔHが閾値ΔHthを超えたと判定したときには、「NG」と判定する。
次に、ステップS111の処理において、選定部74は、時定数初期設定値A48より48個後となる96番目の時定数仮設定値A=A96か否かを判定する。A=A96でないと判定したときには、ステップS112の処理において、A=Ax+1を波形変換デジタルフィルタ61に設定し、ピーク数m=1として、ステップS103の処理に戻る。
一方、A=A96であると判定したときには、ステップS113の処理において、選定部74は、「OK」となった時定数仮設定値Aの中央値を時定数設定値Aとして選定してモニタに表示する。このとき、時定数仮設定値AのOK/NGの判定結果を順番に並べ、OKが連続しているものの間で時定数仮設定値Aの中央値を選択することになる。
以上のように、本発明のエネルギ分散型蛍光X線分析装置1によれば、少ない回路量で簡単に精度よく時定数設定値Aを選定することができる。よって、コストアップを最小限に抑えることができるとともに、生産時や運用時のキャリブレーションも容易になる。さらに、使用する抵抗RやコンデンサC等の部品は、ばらつきが小さい高価なものではなく安価な標準部品を用いることができる。また、どの装置も同程度の分解能を得ることができるので、装置の精度がよくなって信頼性も向上する。
<他の実施形態>
(1)上述したエネルギ分散型蛍光X線分析装置1では、波形変換デジタルフィルタ61は、入力された微分波デジタル信号を台形波デジタル信号に変換する構成を示したが、入力された微分波デジタル信号を三角波デジタル信号に変換するような構成としてもよい。
(2)上述したエネルギ分散型蛍光X線分析装置1では、図2に示す選定方法を用いる構成を示したが、図2に示す選定方法を繰り返し実行して、得られた時定数設定値Aを平均化するような構成としてもよい。また、得られた時定数設定値Aのうち、最大の時定数設定値Aと最小の時定数設定値Aとを棄却して、中央の時定数設定値Aを平均化するような構成としてもよい。これにより、さらに信頼性が向上する。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
エネルギ分散型蛍光X線分析装置1に、時定数初期設定値A48として「65437」を入力して、時定数設定値Aを10回選定させた。そして、10個の時定数設定値Aのうち、最大の時定数設定値Aと最小の時定数設定値Aとを棄却して、8個の時定数設定値Aを求めた。また、8個の時定数設定値Aを求めた際に、選定部74が「OK」と判定した時定数仮設定値Aの数を求めた。なお、検証条件を図4に示し、その結果を図3(a)に示す。
時定数初期設定値A48として「65421」と入力したこと以外は実施例1と同様にして、8個の時定数設定値Aと、「OK」と判定した時定数仮設定値Aの数とを求めた。その結果を図3(b)に示す。
時定数初期設定値A48として「65453」と入力したこと以外は実施例1と同様にして、8個の時定数設定値Aと、「OK」と判定した時定数仮設定値Aの数とを求めた。その結果を図3(c)に示す。
以上のように、時定数初期設定値A48として「65437」や「65421」や「65453」が入力されても、A設定値算出部70が時定数設定値Aを「65437」と選定し、この「65437」は入力微分波と一致する。さらに、各回のばらつき具合についても標準偏差1.5以下という良好な結果が得られた。
本発明は、試料中に含まれる元素の情報を取得する蛍光X線分析装置等に利用することができる。
42 微分回路
60 FPGA(X線分析用信号処理装置)
61 波形変換デジタルフィルタ
62 ピーク検出部
71 台形波格納部
72 平坦部算出部
73 差分値算出部
74 選定部

Claims (4)

  1. X線検出器で検出された階段波を微分波に変換する微分回路と、
    時定数設定値を用いて前記微分波を台形波又は三角波に変換するデジタルフィルタと、
    前記台形波又は三角波におけるピークの波高値を弁別して計数するピーク検出部とを備えるX線分析用信号処理装置であって、
    前記デジタルフィルタによって複数の時定数仮設定値が用いられて前記微分波がそれぞれ変換された台形波又は三角波を格納する格納部と、
    前記ピークの前側平坦部と後側平坦部とをそれぞれ求める平坦部算出部と、
    前記ピークの前側平坦部と後側平坦部との差分値を算出する差分値算出部と、
    前記差分値に基づいて複数の時定数仮設定値のうちから少なくとも1個の時定数仮設定値を選択し、選択した時定数仮設定値を用いて前記時定数設定値を選定する選定部とを備えることを特徴とするX線分析用信号処理装置。
  2. 前記平坦部算出部は、前記ピークの前側の複数のポイントを用いて前側平坦部を求めるとともに、前記ピークの後側の複数のポイントを用いて後側平坦部を求めることを特徴とする請求項1に記載のX線分析用信号処理装置。
  3. 前記差分値算出部は、複数のピークの前側平坦部及び後側平坦部を用いて差分値を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のX線分析用信号処理装置。
  4. 前記選定部は、前記差分値が閾値以下になった複数の時定数仮設定値の中央値を前記時定数設定値として選定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のX線分析用信号処理装置。
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