JP2020051589A - 継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】被接続管の外周面に密着されるシール部材の保護が可能でありながらも、差込負荷を軽減し得る継手を提供する。【解決手段】継手1は、軸方向第1端側に被接続管8の端部9が差し込まれる差込口21が設けられた継手本体2と、該継手本体の内周側に設けられたシール部材4と、該シール部材を覆う保護位置から該シール部材を露出させて前記被接続管の外周面8aに密着可能とする露出位置に向けて前記継手本体に対して軸方向に移動可能とされた保護部材10と、を備えており、前記保護部材は、軸方向第2端側に設けられ前記露出位置に向けて前記被接続管の端部に押される被押当部15と、該被押当部の軸方向第1端側に設けられ前記シール部材を覆う筒状部11と、を備え、該筒状部の内径が前記被接続管の外径よりも大とされ、該筒状部における前記シール部材を覆う部位を含む軸方向第1端側部位の外径が前記継手本体における当該筒状部が軸方向に移動する部位24の内径よりも小とされている。【選択図】図1

Description

本発明は、配管を接続する継手に関する。
従来より、配管(被接続管)を接続するために使用される継手が知られている。このような継手の内周面には、差し込まれた被接続管の外周面に密着されるシール部材(パッキン)が設けられている。このようなシール部材は、継手に被接続管を差し込む際に、被接続管の先端のエッジによって傷ついたり、被接続管が斜めに差し込まれたりすることで捩れたりする懸念があった。
例えば、下記特許文献1には、シールリングを保持するシールリング保持筒部と接続管の端部が差し込まれる接続管端部受け筒部とを有する傷付き防止スリーブを継手本体内に設けた管継手が開示されている。また、この傷付き防止スリーブは、シールリング保持筒部と接続管端部受け筒部との間に接続管の末端が当接する段部を形成し、接続管端部受け筒部の後端部を、後方へ漸次拡径するラッパ状に形成した構成とされている。この管継手においては、継手本体に接続管を差し込み、その末端を傷付き防止スリーブの段部に当接させて更に深く差し込めば、傷付き防止スリーブがシールリングよりも継手本体内に押し込まれ、シールリングが接続管の外周面に密着する構成とされている。
特開2009−2456号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された管継手では、段部よりも前方に位置するシールリングに対して、後方へ漸次拡径するラッパ状とされた接続管端部受け筒部を移動させて接続管の外周面にシールリングが密着される構成とされている。そのため、ラッパ状の接続管端部受け筒部と継手本体との間においてシールリングが押し潰されることとなるので、接続管を差し込む際における負荷が比較的に大きくなる傾向があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、被接続管の外周面に密着されるシール部材の保護が可能でありながらも、差込負荷を軽減し得る継手を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る継手は、軸方向第1端側に被接続管の端部が差し込まれる差込口が設けられた継手本体と、該継手本体の内周側に設けられたシール部材と、該シール部材を覆う保護位置から該シール部材を露出させて前記被接続管の外周面に密着可能とする露出位置に向けて前記継手本体に対して軸方向に移動可能とされた保護部材と、を備えており、前記保護部材は、軸方向第2端側に設けられ前記露出位置に向けて前記被接続管の端部に押される被押当部と、該被押当部の軸方向第1端側に設けられ前記シール部材を覆う筒状部と、を備え、該筒状部の内径が前記被接続管の外径よりも大とされ、該筒状部における前記シール部材を覆う部位を含む軸方向第1端側部位の外径が前記継手本体における当該筒状部が軸方向に移動する部位の内径よりも小とされていることを特徴とする。
本発明に係る継手は、上述のような構成としたことで、被接続管の外周面に密着されるシール部材の保護が可能でありながらも、差込負荷を軽減することができる。
(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る継手の一例を模式的に示す概略斜視図である。 同継手の概略分解斜視図である。 同継手の概略分解斜視図である。 (a)は、同継手の概略背面図、(b)は、同継手が備える作動部材を構成する外筒部材の一例を模式的に示す概略背面図、(c)は、同継手が備える継手本体を構成する内筒部材及び保護部材(報知部材)の一例を模式的に示す概略背面図である。 (a)は、同継手の概略側面図、(b)は、図4(a)におけるX1−X1線矢視に対応させた概略縦断面図である。 (a)、(b)は、図5(b)に対応させた概略縦断面図である。 (a)は、同継手の概略側面図、(b)は、(a)におけるX2−X2線矢視に対応させた概略縦断面図である。 (a)は、同継手の概略側面図、(b)は、(a)におけるX3−X3線矢視に対応させた概略縦断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
図1〜図8は、本実施形態に係る継手の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る継手1は、図1及び図5に示すように、軸方向第1端側に被接続管8の端部9が差し込まれる差込口21が設けられた継手本体2を構成する内筒部材20を備えている。
この継手1に接続される被接続管8としては、被接続管8内を通過させる流体の種類等に応じて、適宜の材料から形成されたものでもよい。例えば、被接続管8としては、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂系材料を主材とする樹脂管でもよく、ステンレス鋼等の金属系材料から形成された金属管でもよい。また、被接続管8は、水等の液体やガス等の気体が通過する配管として用いられるものでもよく、例えば、比較的に大径状とされた排水管を構成するものでもよい。
また、この継手1の軸方向第2端側には、適宜の管状部材が固定的に設けられるものでもよい。また、本実施形態に係る2つの継手1,1の軸方向第2端部同士が適宜の管状部材によって連結される構成としてもよい。例えば、2つの継手1,1の軸方向第2端部同士がエルボ状やフレキシブル状の管状部材によって連結される構成としてもよい。
また、継手1は、内筒部材20に対して軸方向に移動可能とされた保護部材10を備えている。この保護部材10は、軸方向第1端側の初期位置と軸方向第2端側の接続完了位置との間を内筒部材20に対して軸方向に移動可能とされ、内筒部材20に差し込まれた被接続管8に押されて接続完了位置に至れば接続完了状態を報知する報知部材を構成する。このような構成とすれば、被接続管8が所定位置まで差し込まれて接続完了状態となったことを作業者に認識させることができる。
また、継手1は、本実施形態では、内筒部材20に対して軸回りに回転可能とされ、内筒部材20に対する一方向への相対的な回転に伴って保護部材10を接続完了位置から初期位置に向けて移動させる作動部材を構成する外筒部材30を備えている。このような構成とすれば、外筒部材30を内筒部材20に対して相対的に回転させることで、接続完了位置とされた保護部材10を初期位置に容易に復帰させることができる。これにより、被接続管8を継手1に再接続する際に、分解等して保護部材10を初期位置に復帰させる必要があるようなものと比べて、作業性を向上させることができる。
また、継手1は、内筒部材20の内周側に設けられたシール部材(周面シール部材)4を備えている。
保護部材10は、周面シール部材4を覆う保護位置から周面シール部材4を露出させて被接続管8の外周面8aに密着可能とする露出位置に向けて移動可能とされている。また、保護部材10は、軸方向第2端側に設けられ露出位置に向けて被接続管8の端部9に押される被押当部15と、この被押当部15の軸方向第1端側に設けられ周面シール部材4を覆う筒状部11と、を備えている。このような構成とすれば、被接続管8を差し込む際に、保護位置とされた保護部材10によって周面シール部材4が覆われているので、被接続管8の先端を周面シール部材4に対して非接触状態で差し込むことができ、周面シール部材4の損傷や捩れ等を防止することができる。本実施形態では、この保護部材10の保護位置を軸方向第1端側の初期位置とし、保護部材10の露出位置を軸方向第2端側の接続完了位置としている。つまり、周面シール部材4が保護部材10によって保護された状態が初期位置とされ、周面シール部材4が露出されて被接続管8の外周面8aに密着可能とされた状態が接続完了位置とされている。このような構成とすれば、報知部材を構成する保護部材10が接続完了位置(露出位置)に至れば報知がなされるので、適正に密封状態となったことを作業者に認識させることができる。
また、筒状部11の内径を被接続管8の外径よりも大とし、筒状部11における周面シール部材4を覆う部位を含む軸方向第1端側部位の外径を内筒部材20における当該筒状部11が軸方向に移動する部位としての後記する凹段部24の内径よりも小としている。このような構成とすれば、周面シール部材4を保護する保護部材10の筒状部11に被接続管8を容易に差し込むことができる。また、この被接続管8とともに保護部材10を内筒部材20に対して容易に移動させることができ、被接続管8を差し込む際に要する負荷(差込負荷)を軽減することができる。
この保護部材10の筒状部11は、図2及び図3に示すように、軸方向に貫通する略円筒状とされている。この筒状部11の内径は、当該筒状部11の最小径部分の内径を指すが、本実施形態では、図5(b)に示すように、筒状部11の内径を、軸方向の略全体に亘って同径状としている。このような構成とすれば、筒状部11の内周側の軸方向途中部位に突段部や凹段部、屈曲部等があるようなものと比べて、被接続管8を差し込む際に引っ掛かるようなことがなく、筒状部11に対する被接続管8の差込性をより向上させることができる。この筒状部11の内径は、被接続管8の外径よりも僅かに大としてもよい。
なお、この筒状部11は、被接続管8の差込側となる軸方向第1端部の内周側縁部に面取状の傾斜面が形成されていて軸方向第1端部の内周側縁部の内径が軸方向第2端側の内径よりも大とされたものでもよい。つまり、筒状部11は、軸方向第1端部に軸方向第2端側の内径よりも大とされた部位が設けられたものでもよい。この場合、軸方向第1端部の内周側縁部の傾斜面の軸方向に沿う寸法を、筒状部11の軸方向に沿う寸法の1/4以下としてもよい。軸方向の略全体に亘って筒状部11の内径が同径状とは、このような傾斜面を設けた場合を含んでもよい。また、このように筒状部11の内径を、軸方向の略全体に亘って同径状とした態様に代えて、軸方向第2端部から軸方向第1端部に向かうに従い僅かに拡開状とした態様としてもよい。
また、この筒状部11における周面シール部材4を覆う部位を含む軸方向第1端側部位の外径は、当該部位の最大径部分の外径を指すが、本実施形態では、筒状部11の軸方向第1端側部位の外径を、軸方向第1端側部位の軸方向の略全体に亘って同径状としている。このような構成とすれば、筒状部11の軸方向第1端側部位の外周側の軸方向途中部位に周面シール部材4を押し潰す突段部や凹段部、屈曲部等があるようなものと比べて、周面シール部材4に対して筒状部11を軸方向に円滑に移動させることができる。また、周面シール部材4の捩れ等をより効果的に抑制することもできる。この筒状部11の第1端側部位の外径は、内筒部材20の凹段部24が形成された部位の内径よりも僅かに小としてもよい。
また、図例では、筒状部11の軸方向第1端部の外周側縁部に面取状の傾斜面を設け、軸方向第1端部の外周側縁部の外径を軸方向第2端側の外径よりも小とした例を示している。このような構成とすれば、後記するように保護部材10を露出位置から保護位置に移動させる際に、筒状部11の軸方向第1端部を周面シール部材4に引っ掛かり難くすることができる。つまり、筒状部11は、軸方向第1端部に軸方向第2端側の外径よりも小とされた部位が設けられたものでもよい。この場合、軸方向第1端部の外周側縁部の傾斜面の軸方向に沿う寸法を、筒状部11の軸方向に沿う寸法の1/4以下としてもよい。筒状部11の軸方向第1端側部位の軸方向の略全体に亘って軸方向第1端側部位の外径が同径状とは、このような傾斜面を設けた場合を含んでもよい。なお、このような傾斜面を筒状部11の軸方向第1端部の外周側縁部に設けていない構成としてもよい。
保護部材10の被押当部15は、筒状部11の軸方向第2端部から軸心側に向けて突出するように筒状部11に一連状に設けられている。本実施形態では、被押当部15を、筒状部11の軸方向第2端部の周縁の全周に亘って環状に設けた構成としている(図4(a)も参照)。なお、このような態様に代えて、被押当部15を筒状部11の軸方向第2端部の周縁の一部のみに設けた構成としてもよい。
この被押当部15の軸方向第1端側に向く面に、被接続管8の端部9の端面が当接され、被接続管8の差し込みを伴って保護部材10が軸方向第2端側、つまり、露出位置(接続完了位置)に向けて移動される。
また、この被押当部15によって区画される開口は、図6(b)に示すように、被接続管8を接続した状態で、被接続管8と当該継手1の軸方向第2端側とを連通させる構成とされている。また、被押当部15によって区画される開口の内径を、被接続管8及び当該継手1の軸方向第2端側部位の内径と略同径状としている。なお、被押当部15によって区画される開口の内径、被接続管8の内径及び当該継手1の軸方向第2端側部位の内径は、略同径状とされたものに限られず、異なる径とされたものでもよい。
また、本実施形態では、保護部材10及び内筒部材20に、保護部材10が周面シール部材4を露出させる露出位置となった際にクリック感を付与するクリック機構を構成する係合部13及び被係合部28を設けた構成としている。このような構成とすれば、保護部材10が露出位置となり、被接続管8の外周面8aに周面シール部材4が密着した状態を作業者に感覚的(触覚的)に認識させることができる。これにより、差込不足やシール不足が生じることを抑制することができ、また、差し込む前に被接続管8にマーカー等によって目印を付与する必要性を不要とすることができる。
また、本実施形態では、保護部材10が接続完了位置に至れば、この係合部13が内筒部材20の被係合部28に係合してクリック感を付与することで接続完了状態の報知がなされる構成としている。このような構成とすれば、接続完了状態を視覚や聴覚によって作業者が認識可能としたものと比べて、接続現場が暗い箇所や騒音があるような箇所であっても、感覚的(触感的)に作業者に接続完了状態を認識させることができる。つまり、係合部13及び被係合部28は、保護部材10が露出位置及び接続完了位置となった状態で、クリック感を付与するクリック機構を構成する。
係合部13は、図2及び図5(b)に示すように、筒状部11の軸方向第2端部の外周縁部に設けられている。この係合部13は、周方向に見て径方向外側に向かうに従い先細状の略三角形状(略山形状)とされている。内筒部材20の被係合部28は、内筒部材20の軸方向第2端部から軸方向第2端側に向けて延びるように設けられた突片部27の先端部に設けられている。突片部27は、径方向に厚さ方向を沿わせた板状とされている。被係合部28は、この突片部27の先端部から軸心側に向けて突出するように設けられ、周方向に見て軸心側に向かうに従い先細状の略三角形状(略山形状)とされている。
図6(a)、(b)に示すように、この被係合部28を、露出位置(接続完了位置)に向けて移動する保護部材10の係合部13が突片部27の弾性変形を伴って乗り越えるようにして移動する際にクリック感が付与される。また、保護部材10が保護位置(初期位置)に向けて移動する際も同様、突片部27の弾性変形を伴って係合部13が被係合部28を乗り越え、保護部材10が保護位置(初期位置)とされる。突片部27の径方向外側には、突片部27の径方向外側への弾性変形を許容する空間が設けられている。
また、保護部材10に、露出位置(接続完了位置)とされた状態で、被係合部28を受け入れる凹部12を設けた構成としている。この凹部12は、係合部13の軸方向第1端側に隣接するように、かつ筒状部11の外周面において径方向外側に向けて開口するように設けられている。図例では、この凹部12を、筒状部11を厚さ方向(径方向)に貫通する孔部とした例を示している。
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、保護部材10の係合部13及び凹部12並びに内筒部材20の突片部27及び被係合部28を、周方向に間隔を空けて複数箇所(図例では3か所)に設けた構成としている。なお、このような態様に代えて、保護部材10の係合部13及び凹部12並びに内筒部材20の突片部27及び被係合部28をそれぞれ一つのみ設けた構成としてもよい。
また、保護部材10には、図2及び図3に示すように、内筒部材20に対する当該保護部材10の相対的な軸回りの回転を抑止する回転抑止部14が設けられている。本実施形態では、回転抑止部14を、各突片部27の周方向両側に沿うように配される突条とした例を示している。つまり、突片部27の周方向両側の回転抑止部14,14によって内筒部材20に対する当該保護部材10の相対的な軸回りの回転を抑止する構成としている。
これら両側の回転抑止部14,14は、筒状部11の軸方向第2端側部位の外周面において径方向外側に向けて突出するように、かつ各凹部12の両側縁部に沿って軸方向に延びるように設けられている。また、図例では、各突片部27の基端部に、保護位置とされた保護部材10の回転抑止部14の一部を受け入れる凹部を設けた例を示している。なお、内筒部材20に対する当該保護部材10の回転を抑止する回転抑止部14としては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の構成とされたものでもよい。
内筒部材20は、図2、図3及び図5(b)に示すように、保護部材10を内装するように保護部材10と同心状の軸方向に貫通する略円筒状とされている。この内筒部材20の軸方向第1端側の開口が当該継手1(継手本体2)の差込口21を構成する。
本実施形態では、内筒部材20の軸方向第2端側に、軸方向第1端側よりも内径が大となるように段下状に形成され、保護部材10の筒状部11を受け入れる凹段部24を設けた構成としている。このような構成とすれば、差込口21側となる軸方向第1端側から差し込んだ被接続管8の先端が筒状部11に引っ掛かり難くなり、筒状部11に対する被接続管8の差込性をより向上させることができる。また、このような凹段部24を設けずに、筒状部11を内筒部材20の内周側に配置したものと比べて、筒状部11を内筒部材20に対して安定的に移動させることができる。
この内筒部材20の軸方向第1端側部位の内径は、被接続管8の外径に応じた径とされている。この内筒部材20の軸方向第1端側部位の内径は、被接続管8の外径よりも僅かに大としてもよい。この内筒部材20の軸方向第1端側部位の内径は、軸方向の略全体に亘って同径状とされている。なお、差込口21の開口周縁部に適宜の面取状の傾斜面等を設けた構成としてもよい。
この内筒部材20の凹段部24が設けられた軸方向第2端側部位の内径は、筒状部11の受け入れが可能なように、筒状部11の外径(回転抑止部14を除いた部位の外径)よりも大とされている。また、この内筒部材20の凹段部24が設けられた軸方向第2端側部位の内径は、軸方向の略全体に亘って同径状とされている。本実施形態では、筒状部11の内周面と内筒部材20の軸方向第1端側部位の内周面とが略同一曲面状となるように、凹段部24の径方向に沿う段差寸法を、筒状部11の厚さ寸法と概ね同寸法とした例を示している。また、図5(b)に示すように、この凹段部24の軸方向第2端側に向く段壁面に、保護位置とされた保護部材10の筒状部11の軸方向第1端側に向く端面が当接または近接対面される。
また、本実施形態では、内筒部材20に、周面シール部材4を受け入れる凹溝25を全周に亘って設けた構成としている。このような構成とすれば、周面シール部材4に対して筒状部11を移動させる際における周面シール部材4の移動や捩れ等を抑制することができる。また、筒状部11の軸方向第1端側部位の外径を軸方向の略全体に亘って同径状としているので、ラッパ状とされたものと比べて、露出位置から保護位置に向けて保護部材10を移動させる際に、筒状部11が凹溝25に収容された周面シール部材4に引っ掛かり難くなる。これにより、保護部材10を円滑に保護位置に向けて移動させることができる。
この凹溝25は、内筒部材20の軸方向第2端側部位の内周面を構成する凹段部24の軸心側に向く段底面において軸心側に向けて開口するように設けられている。図例では、この凹溝25を、周方向に見て略方形溝状とした例を示している。
この凹溝25は、図5(b)に示すように、保護位置とされた保護部材10の筒状部11によって軸心側の開口が全周に亘って覆われる構成とされている。つまり、保護部材10が保護位置では、周面シール部材4の内周側に筒状部11が全周に亘って位置し、周面シール部材4が筒状部11に覆い隠された状態となる。
この凹溝25に収容される周面シール部材4は、環状とされ、図6(b)に示すように、保護部材10が露出位置では、弾性復元を伴って凹溝25の開口から軸心側に向けて突出し、被接続管8の外周面8aに密着する構成とされている。この周面シール部材4の形状は、被接続管8の外周面8aに密着してシール性の確保が可能なように、また、保護位置に向けて移動する保護部材10の筒状部11に引っ掛かり難くなるように、適宜の形状とされたものでもよい。図例では、周面シール部材4を、周方向に見て軸方向第1端側に向けて開口する略U字状とした例を示している。また、この周面シール部材4としては、被接続管8内を通過させる流体の種類等に応じて、適宜の材料から形成されたものでもよい。この周面シール部材4は、軟質合成樹脂系材料やゴム、各種エラストマー材料等から形成されたものでもよい。
また、本実施形態では、内筒部材20に、差し込まれた被接続管8の抜取方向(軸方向第1端側)への移動を抑制する抜止部材5を設けている。この抜止部材5は、内筒部材20の軸方向第1端側部位の内周面から軸心側に向けて突出するように設けられた先端部6を備えている。この先端部6が被接続管8の外周面8aに食い込むように当接し、被接続管8の抜取方向への移動が抑制される。また、抜止部材5は、概ね軸方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされている。また、図例では、抜止部材5の軸心側及び径方向外側のそれぞれにおいて開口するように、切込状の凹所を軸心側と径方向外側とに周方向に交互に設けた例を示している。また、抜止部材5は、被接続管8の抜取方向への移動を抑制可能としながらも、被接続管8を差し込む際に差し込み易いように、軸心側に向かうに従い軸方向第2端側に向けて傾斜するように設けられている。
本実施形態では、この抜止部材5の先端部6を内周面において露出させるように抜止部材5を収容する収容凹所23を内筒部材20に設けた構成としている。また、この収容凹所23を、内筒部材20を径方向(厚さ方向)に貫通し、周方向に延びるスリット状としている。また、この収容凹所23を、軸心側に向かうに従い軸方向第2端側に向けて傾斜する傾斜状に設けた構成としている。
また、この収容凹所23は、被接続管8を差し込む際に、抜止部材5の先端側部位の軸方向第2端側への弾性変形を許容するように設けられている。また、収容凹所23は、抜止部材5の径方向外側への移動を許容する構成とされている。
また、この収容凹所23の内周側には、内筒部材20の内周面において先端部6を僅かに突出させた状態で抜止部材5の軸心側への移動を抑制するように保持部が設けられている。図例では、抜止部材5の径方向外側部位の周方向両側に、周方向に突出する被保持部7,7を設けた例を示している。収容凹所23の周方向両側内縁には、抜止部材5の被保持部7,7を保持する突段部状の保持部が設けられている。また、これら収容凹所23及び抜止部材5に、抜止部材5の周方向途中部位の軸心側への移動を抑制する保持部及び被保持部を設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、図2、図3及び図4(a)、(c)に示すように、これら抜止部材5及び収容凹所23を、内筒部材20の周方向に間隔を空けて複数箇所(図例では3か所)に設けた構成としている。なお、このような態様に代えて、抜止部材5及び収容凹所23をそれぞれ一つのみ設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、内筒部材20に、当該内筒部材20を外筒部材30に対して相対的に回転させる際に指掛部となる突部22を設けた構成としている。この突部22は、内筒部材20の軸方向第1端部の外周側から径方向外側に向けて突出するように設けられている。また、この突部22は、指掛可能なように外筒部材30の外周面よりも径方向外側に向けて突出している。また、内筒部材20に、周方向に間隔を空けて複数(図例では、3つ)の突部22を設けた構成としている。なお、このような態様に代えて、突部22を一つのみ設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、継手1に、内筒部材20と外筒部材30との間を密封する筒間シール部材3を設けた構成としている。本実施形態では、内筒部材20の軸方向第2端部に、筒間シール部材3を収容する凹溝26を全周に亘って設けた構成としている。
この凹溝26は、内筒部材20の突片部27の基端部近傍の軸方向第2端面において軸方向第2端側に向けて開口するように設けられている。図例では、この凹溝26を、周方向に見て略方形溝状とした例を示している。
この凹溝26に収容される筒間シール部材3は、環状とされ、図5(b)に示すように、外筒部材30の軸方向第1端側に向くように環状に設けられた段壁面36に密着する構成とされている。この筒間シール部材3の形状は、上記同様、シール性の確保が可能なように適宜の形状とされたものでもよい。図例では、筒間シール部材3を、周方向に見て略円形状とされたOリング状とした例を示している。また、この筒間シール部材3としては、上記同様、被接続管8内を通過させる流体の種類等に応じて、軟質合成樹脂系材料やゴム、各種エラストマー材料等、適宜の材料から形成されたものでもよい。
この筒間シール部材3及び周面シール部材4によって被接続管8内及び継手1内が継手1外から密封状態とされる。
外筒部材30は、本実施形態では、保護位置(初期位置)とされた保護部材10の露出位置(接続完了位置)側への移動を抑止する第1位置と保護部材10の露出位置側への移動を許容する第2位置とに内筒部材20に対して相対的に回転可能とされている。また、当該継手1の外周側に、図7(a)及び図8(a)に示すように、内筒部材20に対する外筒部材30の第1位置及び第2位置を表示する表示部29を設けた構成としている。このような構成とすれば、内筒部材20に対して相対的に外筒部材30を回転させて保護部材10を保護位置とする際に、保護部材10が保護位置となる、外筒部材30が第1位置となったことを表示部29によって作業者に認識させることができる。また、このように第1位置とした後に、内筒部材20に対して相対的に外筒部材30を回転させて保護部材10を露出位置側に移動可能とする際に、保護部材10が露出位置側に移動可能となる、外筒部材30が第2位置となったことを表示部29によって作業者に認識させることができる。本実施形態では、表示部29を内筒部材20に設けた構成としている。なお、表示部29の具体的構成については後述する。
この外筒部材30は、図2、図3及び図5(b)に示すように、内筒部材20を内装するように内筒部材20と同心状の軸方向に貫通する略円筒状とされている。また、この外筒部材30は、内筒部材20を収容する軸方向第1端側部位の内筒受入部37と、継手1の軸方向第2端側部位を構成する第2端筒状部31と、これら第2端筒状部31と内筒受入部37との間に設けられた中間筒状部35と、を備えている。上記した筒間シール部材3が密着される段壁面36は、中間筒状部35と内筒受入部37との内周側の段差部を構成する。
第2端筒状部31は、中間筒状部35よりも外径及び内径が小径状とされている。この第2端筒状部31の内径は、図6(b)に示すように、本実施形態では、被接続管8の内径と略同径状とされている。この第2端筒状部31と中間筒状部35との内周側の段差部を構成する軸方向第1端側に向く環状の段壁面32に、上記した露出位置(接続完了位置)とされた保護部材10の被押当部15の軸方向第2端側に向く面が当接または近接対面される。被接続管8が差し込まれた状態では、互いに内径が略同径状とされた第2端筒状部31、被押当部15及び被接続管8の内周面が概ね同一曲面状に連なるように配される。このような構成とすれば、被接続管8内を流通する流体の継手1部位における圧力損失を低減することができる。
また、本実施形態では、図7(b)及び図8(b)に示すように、外筒部材30に、当該外筒部材30が内筒部材20に対して一方向に相対的に回転される際に、保護部材10の被当接部(傾斜被ガイド面17)に当接される傾斜ガイド面34を設けた構成としている。この傾斜ガイド面34は、当該外筒部材30が内筒部材20に対して一方向に相対的に回転される際に、保護部材10の被当接部(傾斜被ガイド面17)に当接されて保護部材10を接続完了位置から初期位置に向けて移動させる構成とされている。このような構成とすれば、傾斜ガイド面34のガイド作用によって保護部材10を初期位置に向けて円滑に移動させることができる。
また、本実施形態では、保護部材10の被当接部を、外筒部材30の傾斜ガイド面34と平行状に設けられた傾斜被ガイド面17としている。このような構成とすれば、傾斜ガイド面34と傾斜被ガイド面17との互いのガイド作用によって保護部材10を初期位置に向けてより円滑に移動させることができる。ここに、傾斜ガイド面34と傾斜被ガイド面17とは、完全に平行である必要はなく、内筒部材20に対する外筒部材30の回転を伴って互いのガイド作用によって保護部材10が初期位置に向けて移動可能であればよい。例えば、互いの傾斜角度が20度程度異なっていてもよい。
また、本実施形態では、外筒部材30の傾斜ガイド面34及び保護部材10の傾斜被ガイド面17を、周方向に間隔を空けて複数箇所(図例では、3か所)に設けた構成としている。このような構成とすれば、周方向の複数箇所に設けられた傾斜ガイド面34と傾斜被ガイド面17との互いのガイド作用によって保護部材10を初期位置に向けてより円滑に移動させることができる。なお、これら複数の傾斜ガイド面34及び傾斜被ガイド面17は、互いに同様の構成であるので、以下では、それぞれの一つを例にとって説明する。
保護部材10の傾斜被ガイド面17は、図2、図3及び図8(b)に示すように、保護部材10の被押当部15の軸方向第2端側に向く面から軸方向第2端側に向けて突出するように設けられた被ガイド突片部16の突出方向先端面とされている。この被ガイド突片部16は、径方向に厚さ方向を沿わせた構成とされている。なお、この被ガイド突片部16は、軸方向に見て当該保護部材10と略同心状の略円弧状とされたものでもよい。
傾斜被ガイド面17は、被ガイド突片部16の周方向一方側縁部から周方向他方側縁部に向かうに従い軸方向第1端側に向けて傾斜するように設けられている。
外筒部材30の傾斜ガイド面34は、保護部材10の被ガイド突片部16を受け入れるように段壁面32において開口するガイド凹所33の軸方向第1端側に向く底面とされている。
このガイド凹所33は、図7(b)及び図8(b)に示すように、第2端筒状部31の軸方向第2端側部位よりも外径が大とされて厚さが大とされた軸方向第1端側部位に設けられている。また、このガイド凹所33は、図4(b)に示すように、周方向に延びるように設けられている。図例では、このガイド凹所33を、軸方向に見て略四半円弧状とした例を示している。
このガイド凹所33の底面を構成する傾斜ガイド面34は、周方向一方側の最深部34aから周方向他方側に向かうに従い軸方向第1端側に向けて傾斜するように設けられ、周方向他方側縁部が段壁面32との境界縁部34bとされている。つまり、ガイド凹所33は、周方向一方側の最深部34aから周方向他方側の境界縁部34bに向かうに従い軸方向に沿う深さ寸法が小となるように形成されている。このガイド凹所33の最深部34aから境界縁部34bまでの軸方向に沿う寸法は、露出位置から保護位置に移動される保護部材10の軸方向に沿う移動寸法に応じた寸法とされている。なお、外筒部材30の傾斜ガイド面34及び保護部材10の傾斜被ガイド面17を複数箇所に設けた態様に代えて、これらをそれぞれ一つのみ設けた構成としてもよい。また、外筒部材30の傾斜ガイド面34に当接される被当接部としては、傾斜被ガイド面17に限られず、突湾曲面状とされた面でもよく、その他、種々の変形が可能である。
中間筒状部35は、上記した内筒部材20の突片部27を受け入れるように設けられている。この中間筒状部35の内径は、上記した突片部27の径方向外側への弾性変形を許容する空間が形成されるように適宜の径とされている。
内筒受入部37は、内筒部材20の受け入れが可能なように、その内径が内筒部材20の外径に応じた径とされている。この内筒受入部37の内径は、内筒部材20の外径よりも僅かに大とされたものでもよい。
また、本実施形態では、内筒受入部37に対して内筒部材20を軸方向第1端側に向けて移動させた位置(抜取可能位置)で、抜止部材5の径方向外側への移動を許容する空間を形成する凹段部38を内筒受入部37に設けている。この凹段部38は、内筒受入部37の軸方向第1端部の内周側に、軸方向第2端側部位よりも内径が大となるように段下状に設けられている。
また、内筒受入部37には、外筒部材30に対して相対的に移動される内筒部材20の表示部29をガイドするように規制し、かつ露出させるガイド開口39が設けられている。内筒部材20の表示部29は、内筒部材20の外周面から径方向外側に向けて突出する突起状とされている。図例では、この表示部29を、突出方向(径方向)に見て略円柱状とした例を示している。
内筒受入部37のガイド開口39は、内筒受入部37を径方向(厚さ方向)に貫通し、周方向に延びるスリット状とされている。このガイド開口39の周方向一端部には、図5(a)及び図7(a)に示すように、内筒受入部37に対する表示部29の軸方向第1端側への移動を抑止する第2位置保持部39aが設けられている。この第2位置保持部39aは、ガイド開口39の周方向他方側部位よりも軸方向第2端側に位置するように、軸方向第2端側に向けて屈曲するように形成されている。また、この第2位置保持部39aには、ガイド開口39に対する表示部29の周方向他方側への移動を規制する規制部が設けられている。
表示部29がガイド開口39の第2位置保持部39aに位置した状態が、保護部材10の露出位置側への移動を許容する第2位置とされる。この状態では、内筒受入部37に対する表示部29の軸方向第1端側への移動、つまり、抜取可能位置への移動も抑止される。また、この状態では、抜止部材5は、内筒受入部37の内周面に規制されて径方向外側への移動が抑制された状態となる。また、この状態では、図5(b)、図6及び図7(b)に示すように、保護部材10の被ガイド突片部16の傾斜被ガイド面17が外筒部材30の傾斜ガイド面34の最深部34aに対面された状態となり、保護位置の保護部材10が露出位置側に移動可能な状態となる。
また、第2位置保持部39aの規制部による規制を解除するように表示部29を内筒受入部37に対して相対的に周方向他方側に向けて移動させ、屈曲部に位置させれば、表示部29が内筒受入部37に対して相対的に軸方向第1端側に向けて移動可能となる。この状態で、表示部29、つまり、内筒部材20を内筒受入部37に対して相対的に軸方向第1端側に向けて移動させれば、図8(b)に示すように、抜止部材5の径方向外側に内筒受入部37の凹段部38が位置し、抜止部材5の径方向外側への移動が可能となる。つまり、抜取可能位置となり、この状態では、抜止部材5の径方向外側への移動を伴って被接続管8の継手1からの抜き取りが可能となる。
ガイド開口39の周方向他方側部位は、周方向に延びるガイド部39bとされている。このガイド部39bに沿って表示部29が相対的に移動し、図8(a)に示すように、ガイド開口39の周方向他端部に位置した状態が、保護位置とされた保護部材10の露出位置側への移動を抑止する第1位置とされる。また、この状態では、図8(b)に示すように、保護部材10の被ガイド突片部16の傾斜被ガイド面17が外筒部材30の傾斜ガイド面34の境界縁部34bに対面された状態となり、保護部材10が露出位置側に移動不能な状態で、かつ保護位置となる。また、このガイド開口39の周方向他端部には、外筒部材30に対して内筒部材20を組み付ける際に表示部29の受け入れを可能とする凹部が設けられている(図2参照)。なお、ガイド開口39の周方向に沿う寸法は、露出位置とされた保護部材10を保護位置に向けて移動させる際に内筒部材20に対して相対的に回転される外筒部材30の回転角度(図例では、90度程度)に応じて適宜の寸法とすればよい。
また、本実施形態では、これらガイド開口39及び表示部29を、周方向に間隔を空けて複数箇所(図例では、3か所)に設けた構成としている。なお、このような態様に代えて、これらガイド開口39及び表示部29を一つのみ設けた構成としてもよい。また、上記した継手1を構成する抜止部材5、保護部材10、内筒部材20及び外筒部材30は、適宜、硬質の合成樹脂系材料や金属系材料等から形成されたものでもよい。
上記構成とされた継手1においては、図5に示すように、内筒部材20に対して外筒部材30を第2位置とし、保護部材10が露出位置に向けて移動可能に、かつ保護位置とされた状態で、差込口21を介して被接続管8を差し込む。図6(a)に示すように、被接続管8の端部9の端面を保護部材10の被押当部15に押し当て、保護部材10を内筒部材20に対して軸方向に移動させれば、上記のように保護部材10の係合部13が内筒部材20の被係合部28に当接する。そして、図6(b)に示すように、被接続管8を更に押し込めば、保護部材10の係合部13が内筒部材20の被係合部28を乗り越えてクリック感が付与され、保護部材10が露出位置となり、周面シール部材4が露出し、被接続管8の外周面8aに密着される。この状態では、保護部材10の被ガイド突片部16の傾斜被ガイド面17が外筒部材30の傾斜ガイド面34の最深部34aに当接または近接対面された状態となる。
上記のように継手1に接続された被接続管8を抜き取る際には、図8に示すように、第2位置において規制された表示部29を外筒部材30に対して軸回りに移動させ、かつ軸方向第1端側に移動させるように内筒部材20を外筒部材30に対して相対的に移動させる。つまり、抜取可能位置とする。これにより、上述のように、抜止部材5の径方向外側への移動が可能となり、被接続管8の抜き取りが可能となる。この状態では、保護部材10が露出位置であるので(図7(b)参照)、被接続管8を抜き取った後、被接続管8を接続する際には、保護部材10を保護位置とすることが望まれる。つまり、図7(b)及び図8(b)に示すように、外筒部材30に対して内筒部材20(保護部材10)を相対的に軸回りに第1位置側に向けて回転させる。これにより、外筒部材30の傾斜ガイド面34のガイド作用によって保護部材10の被ガイド突片部16の傾斜被ガイド面17が軸方向第1端側に向けて移動し、保護部材10が保護位置となり、外筒部材30が第1位置となる。この状態では、保護部材10の露出位置側への移動が外筒部材30の傾斜ガイド面34の境界縁部34bによって抑止された状態となる。そのため、上記とは逆に、外筒部材30に対して内筒部材20(保護部材10)を相対的に軸回りに第2位置側に向けて回転させ、かつ軸方向第2端側に移動させて表示部29を第2位置保持部39aに位置させる。これにより、保護位置の保護部材10が露出位置に向けて移動可能となり、かつ抜止部材5の径方向外側への移動が不能となる。
なお、本実施形態では、継手1の外周側に内筒部材20に対する外筒部材30の第1位置及び第2位置を表示する表示部29を設けた例を示しているが、このような表示部29及びこれを露出させるガイド開口39を設けていない構成としてもよい。この場合は、内筒部材20に対して外筒部材30を相対的に軸回りに回転させる際に軸方向への移動を規制する規制ガイドや被ガイド部を内筒部材20及び外筒部材30に設けた構成としてもよい。
また、本実施形態では、保護部材10及び内筒部材20に、保護部材10が露出位置となった際にクリック感を付与するクリック機構を構成する係合部13及び被係合部28を設けた例を示しているが、このようなクリック機構を設けていない構成としてもよい。この場合は、保護部材10が露出位置(接続完了位置)となったことを報知可能な表示窓を報知部として設けたり、音を生じさせて報知する態様としたりしてもよい。更には、このような保護部材10が露出位置(接続完了位置)となったことを報知する報知機能を備えていない構成としてもよい。
また、本実施形態では、外筒部材30を、内筒部材20に対する一方向への相対的な回転に伴って保護部材10を露出位置から保護位置に向けて移動させる構成とした例を示しているがこのような態様に限られない。継手1の外周側から保護部材10を保護位置に向けて移動させ得る適宜の操作部を設けた構成や、保護部材10を保護位置とするために内筒部材20に対して脱離させて再度の組み付けが必要な構成とされたものでもよい。
また、本実施形態では、保護部材10を、露出位置から保護位置に向けて内筒部材20に対して移動可能な構成とした例を示しているが、移動不能とされたものでもよい。つまりは、保護位置とされた保護部材10を、露出位置に向けて移動させた後は、保護位置に向けて移動不能とされたものでもよい。
また、本実施形態では、内筒部材20に、周面シール部材4を受け入れる凹溝25を設けた例を示しているが、このような凹溝25を設けた態様に代えて、周面シール部材4の軸方向第2端側への移動を抑止する段壁部等を設けた構成等としてもよい。また、本実施形態では、内筒部材20に、保護部材10の筒状部11を受け入れる凹段部24を設けた例を示しているが、このような凹段部24を設けていない構成としてもよい。
また、本実施形態では、内筒部材20に対して軸回りに相対的に回転される外筒部材30を設けた例を示しているが、このような構成に限られない。外筒部材30を設けずに、内筒部材20のみを継手本体2としてもよい。この場合は、内筒部材20の形状を適宜、変形するようにすればよい。例えば、内筒部材20に、抜止部材5の径方向外側への移動を抑止する部位を設けたり、突部22や筒間シール部材3、凹溝26等を設けていない構成としてもよい。また、内筒部材20の軸方向第2端側部位に、他の管状部材が固定される適宜の筒状部を設けた構成等としてもよい。本実施形態に係る継手1の上記した各部材及び各部の構成は、一例に過ぎず、その他、種々の変形が可能である。
1 継手
2 継手本体
4 周面シール部材(シール部材)
10 保護部材
11 筒状部
13 係合部(クリック機構)
15 被押当部
20 内筒部材(継手本体)
21 差込口
24 凹段部(筒状部が軸方向に移動する部位)
25 凹溝
28 被係合部(クリック機構)
8 被接続管
8a 外周面
9 端部

Claims (6)

  1. 軸方向第1端側に被接続管の端部が差し込まれる差込口が設けられた継手本体と、該継手本体の内周側に設けられたシール部材と、該シール部材を覆う保護位置から該シール部材を露出させて前記被接続管の外周面に密着可能とする露出位置に向けて前記継手本体に対して軸方向に移動可能とされた保護部材と、を備えており、
    前記保護部材は、軸方向第2端側に設けられ前記露出位置に向けて前記被接続管の端部に押される被押当部と、該被押当部の軸方向第1端側に設けられ前記シール部材を覆う筒状部と、を備え、該筒状部の内径が前記被接続管の外径よりも大とされ、該筒状部における前記シール部材を覆う部位を含む軸方向第1端側部位の外径が前記継手本体における当該筒状部が軸方向に移動する部位の内径よりも小とされていることを特徴とする継手。
  2. 請求項1において、
    前記筒状部の内径は、軸方向の略全体に亘って同径状とされていることを特徴とする継手。
  3. 請求項1または2において、
    前記継手本体の軸方向第2端側には、軸方向第1端側よりも内径が大となるように段下状に形成され、前記筒状部を受け入れる凹段部が設けられていることを特徴とする継手。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記筒状部における前記シール部材を覆う部位を含む軸方向第1端側部位の外径は、軸方向の略全体に亘って同径状とされていることを特徴とする継手。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記保護部材は、前記露出位置から前記保護位置に向けて前記継手本体に対して軸方向に移動可能とされており、
    前記継手本体には、前記シール部材を受け入れる凹溝が全周に亘って設けられていることを特徴とする継手。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、
    前記継手本体及び前記保護部材には、該保護部材が前記露出位置となった際にクリック感を付与するクリック機構が設けられていることを特徴とする継手。
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