JP5663757B2 - 配管継手 - Google Patents
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Description
特に配管が樹脂の配管である場合にこうしたことが生じ易い。
この場合、施工現場の状況に応じて長い配管を切断して配管接続することができ、施工現場の状況に応じた適正な長さで配管を構成でき且つ良好な状態に配管接続を行うことができる。
図8において200は内筒部で、202は外周面に形成された無端環状且つ外周側が開放された形状の保持溝であり、そこに弾性を有するシールリング(ここではOリング)204が嵌め込まれ、保持されている。
206は樹脂製の配管で、208は斜めに切断された先端面である。
詳述すると、配管206を内筒部200に軸方向に外挿して図中下端部がシールリング204の下部に嵌ると、シールリング204の下部が縮径方向に強制的に弾性変形させられる。
一方シールリング204の上部は未だ配管206にて拘束されていないため、下部において強制的に縮径方向に弾性変形させられたシールリング204が、あたかも下側から上側に向って絞り上げられるようにして、その上部が保持溝202から浮き上って(突出して)しまう(図8(I)参照)。
この特許文献1に開示のものは、継手本体にコイルばね(浮上り防止ばね)を備えて、そのコイルばねの作用でシールリングの浮上りを防ぐようになしたもので、図9にその具体例が示してある。
従ってこの図9に示す配管継手の場合、通常の場合には、配管206の挿込時にシールリング204が保持溝202から浮上りを生じることはない。
この場合、シールリング204が異常な状態となっていることに気付かないため、そのまま放置しておくと例えば半年後とか1年後等長期間経た後に、ウォーターハンマの発生その他の原因によってシールリング204によるシール機能が突然失われ、そこで漏水を起すといったことが危惧される。
この場合漏水を生じていることになかなか気付かないため、このことが多量の漏水に繋がる恐れがある。
ここで溝は保持溝に対し、シールリングの周方向の一部が軸方向に弾性伸び変形したときに軸方向の到達可能な近接位置に配置しておくこととなる。
このように保持溝に近い位置に溝を配置しておくことで、シールリングの周方向の一部がはみ出しを生じたときにこれを溝に径方向に重ならせ、はみ出し部と内筒部の外周面との間に隙間形成することができる。
溝の溝幅をシールリングの幅よりも大きくしておくと、場合によってシールリングの保持溝からのはみ出し部が、溝の内部に嵌り込んで溝の内面に密着してしまったり、或いはその隙間を小さくしてしまう恐れが生ずるが、この請求項3によればシールリングのはみ出し部が溝の内部に嵌り込んでしまうのを防止でき、溝の部分においてシールリングのはみ出し部と内筒部の外周面との間に確実に隙間形成することができる。
このようにすることで、シールリングのはみ出し部が溝の内部に嵌り込み、溝の内部をそのはみ出し部が埋め、シールしてしまうのをより確実に防ぐことができる。
開口側のコーナ部(縁部)がエッジ形状をなしていると、シールリングのはみ出し部がそのエッジ部で傷付き損傷してしまう恐れがある。
この意味において、溝の開口側のコーナ部は面取り形状となしておくことが望ましい。
この断面4角形状の溝の場合、溝の加工形成と同時にコーナ部を面取り加工することが容易であり、而してこのようにコーナ部を面取り形状とすることで、シールリングが保持溝からのはみ出しを生じたときに、そのはみ出し部が溝のコーナ部によって損傷するのを防ぐことができる。
また配管継手はロックリングを備え、そのロックリングの爪を配管(配管の外周面又は内周面)に食い込ませることによって配管を抜止めするものとなしておくことができる。
また本発明の配管継手は、内筒部への配管の挿込前において上記シールリングを内筒部の外周面から半径方向外向きに所定寸法突出させておき、配管を内筒部に挿し込むだけでシールリングを配管の内周面と内筒部の外周面、詳しくは保持溝の溝底面とで径方向に圧縮し、シール作用させるものとなしておくことができる。
この場合において、シールリングを径方向外側から覆う状態にコイルばね(シールリングの浮上り防止ばね)を内筒部の外周側に装着しておき、配管の内筒部への挿込時に配管によってシールリングの周方向の一部が保持溝から径方向外方に浮き上るのを、そのコイルばねのシールリングに対する径方向内向きの当接作用によって防止するものとなしておくことができる。
ここでシールリングの径方向外方への突き出し寸法は0.3mm以上となしておくのが好適である。
上記配管継手は、外筒部を有し、内筒部との間に環状をなす配管の挿入空間を形成するものとなしておくことができる。
図1〜図3において、10は樹脂製の配管用の配管継手、12は金属製の継手本体でフランジ状の大径の工具掛部14を有しており、その工具掛部14の図中右側の外周面に、後述の配管20を接続すべき相手側の配管との接続部としての雄ねじ部16を有している。
また雄ねじ部16とは反対側の図中左側に、円筒形状の内筒部18を一体に備えている。
そしてこの内筒部18に対して樹脂製の配管20が軸方向に外挿され、内筒部18を配管20内部に内嵌させる状態に接続されるようになっている。
ここで内筒部18の外周面には軸方向に間隔を隔てて、内筒部18の外周面に沿って無端環状をなす一対の保持溝22-1,22-2が形成されており、そこに弾性を有するシールリングとしてのOリング24-1,24-2が嵌め込まれ、保持されている。
ここで保持溝22-1,22-2は断面4角形状に形成されている。
ここで内スリーブ30は透光性を有する樹脂製の部材から成っており、一方外スリーブ28には開口窓33が設けられており、この開口窓33から内スリーブ30を通して、挿入空間32への配管20の挿入深さが確認できるようになっている。
この外スリーブ28には、段付形状の第1挟持部38が形成されていて、この第1挟持部38が、内スリーブ30の端部にて構成される第2挟持部39とともに、金属製の皿ばね状のロックリング40のリング基部42(図3参照)を、ワッシャ41を介して軸方向に挟持し保持している。
このロックリング40は、図3に示すように周方向に連続した円環状をなすフラットなリング基部42、及びリング基部42から配管20の挿入方向に向けて径方向内方に斜めに突出する形態で、リング基部42に沿って周方向に並んで形成された複数の爪44を有しており、図2に示しているように挿入空間32に挿入された配管20の外面に爪44を食い込ませて、配管20を抜止状態にロックする。
このコイルばね46は、図3に示しているように隣接する円形の線材48と48との間に隙間を生ぜしめないで密着巻きして成る密巻部50と、線材48と48との間に隙間を形成する状態で疎に巻いて成る疎巻部52とを有しており、その密巻部50を挿入前の配管20の先端面20A(図1参照)の側に、また疎巻部52を反対側に位置させる状態で、Oリング24-1,24-2の外周側に嵌装されている。
詳しくは、配管20の挿入時に密巻部50にてOリング24-1,24-2を外周側から被った状態として、Oリング24-1,24-2の周方向の一部が保持溝22-1,22-2から浮き上ろうとしたとき、密巻部50をその浮き上ろうとする部分に対し径方向内方に当接させて、Oリング24-1,24-2の周方向の一部が保持溝22-1,22-2から浮き上るのを防止する。
コイルばね46は、このように構成された結果、配管継手10に嵌装された状態で、大径部60が内スリーブ30の段付部58に当ることによって、かかる配管継手10から脱落防止される。
尚、コイルばね46は図1に示しているように、大径をなす図中右端において、継手本体12の嵌合突部65に外嵌状態に嵌合されている。
このロック解除部64は軸方向、詳しくは図中右方向の前進移動によってロックリング40の爪44を拡開させ、配管20の外面に対する爪44の食込みを解除する働きをなす。即ち配管20に対するロックリング40によるロックを解除する働きをなす。
このロック解除部64は、外スリーブ28の内周面に環状に形成されたストッパ部66によって軸方向に抜け防止されている。
尤もOリング24-1は、Oリング24-2よりも検知溝70に対して軸方向に離れており、Oリング24-1のはみ出し部72が検知溝70に到達せず、これに重ならない場合も、保持溝22-1と検知溝70との距離によっては生じ得る。
但しその場合であっても、Oリング24-1のはみ出し部72が通常はその隣の保持溝22-2に重なって、そこで隙間を生じるため、その隙間によってOリング24-1によるシール性が失われ、そこで漏水を生じる。
従って本発明では、複数の保持溝22,Oリング24が互いに隣接して配置されている場合において、最も後側位置の保持溝22に対し更にその後側即ち図中右側に、検知溝70を設けておくのが効果的である。
但し複数の保持溝22,Oリング24を内筒部18に設ける場合において、それらを軸方向に一定以上の間隔を隔てて設け、各保持溝22にそれぞれ対応して、複数の検知溝70を各保持溝22の後ろ側の位置に設けておくこともできる。
より具体的には、ここでは図4に示すようにOリング24-2の幅寸法(断面の直径d1=1.8mmに対してd2=1.0mm離れた近接位置に配置されている。
尚この実施形態において、保持溝22-1,22-2は同形状,同寸法で形成してあり、またOリング24-1,24-2も同じく同形状且つ同寸法で形成してある。
Oリング24-2(Oリング24-1も同様)は、配管20が内筒部18に外挿された段階で、配管20の内周面と保持溝22-2の底部とによって径方向に圧縮され、円筒部18の外周面と配管20の内周面との間を水密にシールする。
尚この実施形態において、保持溝22-2の溝深さh1=1.35mmである。
ここでは検知溝70は溝幅d3=1.6mmとされており、また溝深さh3=0.34mmとされている。
更にコーナ部74は、半径R=0.2mmの円弧形状の面取り形状となしてある。
ここでコーナ部74の円弧形状(R形状)は、半径0.1mm以上の円弧形状となしておくことが望ましい。
従ってその状態で配管20及び配管継手10内に通水を行って通水検査をしたとき、配管20内の水が検知溝70を通じて外部に漏出する。
そしてそのことによって、Oリング24-2の一部がはみ出しを生じていることを直ちに知ることができる。
この例は、検知溝70を断面V字形状の溝となした例である。
この図6の実施形態においても、検知溝70の溝幅はOリング24-2の幅よりも狭くしてある。
尚、この実施形態では検知溝70のコーナ部は特に面取り形状とはなしていない。
図6に示す実施形態においても、Oリング24-2のはみ出し部72が検知溝70の内部に嵌り込み、溝の内部をはみ出し部72が埋め、シールしてしまうのを防ぐことができる。
各解除操作部材76-1,76-2,76-3は、全体として概略円形状をなし、周方向の一部が切り欠かれた形態をなしている。図中81はその切欠部を表している。
これら解除操作部材76-1,76-2,76-3は、図7(C)に示すように、それぞれ押圧部82にてロック解除部64を図中右向きに押すことによって、ロック解除部64によりロックリング40の爪44を拡開させ、ロックリング40による配管20のロックを解除させる。
従って、3種類の解除操作部材76-1,76-2,76-3の何れかを配管継手10に弾性的に嵌着しておくことによって、解除操作部材ユニット80を、施工現場においてそこに保管しておくことができる。
そのために配管継手10には、解除操作部材76-1,76-2,76-3の嵌着用の溝86(図1参照)が設けてある。
例えば配管継手10に備えた上記ロックリング40はあくまで一例であって、本発明は他の様々なロックリングを用いた配管継手に適用することが可能である。
更にそのロックリングは、配管の外周面に爪を食い込ませて配管20を抜止めするものであっても良いし、或いは内周面に爪を食い込ませることによって配管20を抜止めするものであっても良い。
また上例では検知溝70を1個所だけに設けているが、各Oリングに対応して、それぞれの後側に検知溝を設けておくといったことも可能である。
更に本発明は上例以外の他の様々な形態の配管継手に対して適用することが可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
12 継手本体
18 内筒部
20 配管
22-1,22-2 保持溝
24-1,24-2 Oリング
70 検知溝(溝)
74 コーナ部
Claims (5)
- 配管を軸方向に外挿させて、該配管に対して内嵌状態に嵌合する内筒部を継手本体に備え、
該内筒部の外周面には、該外周面に沿って無端環状をなす保持溝に弾性体から成るシールリングが嵌込状態に保持させてあり、該配管の内周面と該内筒部の外周面との間を該シールリングにて水密にシールするようになした配管継手において、
前記配管の挿込方向の前記保持溝の後側位置であって、該保持溝に保持させた前記シールリングの周方向の一部が該保持溝から外れ、前記内筒部の外周面に沿って該挿込方向にはみ出したとき、はみ出し部と重なる近接位置に、前記内筒部の外周面に沿って無端環状をなし、前記シールリングと略平行な検知溝を、前記内筒部の外周面における前記保持溝と前記検知溝とのうち、最も前記後側に位置する溝が該検知溝であるように設けてあることを特徴とする配管継手。 - 請求項1において、前記検知溝は、前記保持溝から前記シールリングの幅よりも小さい距離を隔てて該保持溝に近接した位置に設けてあることを特徴とする配管継手。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記検知溝は、前記シールリングの幅よりも溝幅が狭くしてあることを特徴とする配管継手。
- 請求項3において、前記検知溝は、断面V字形状の溝となしてあることを特徴とする配管継手。
- 請求項3において、前記検知溝は、断面4角形状で設けてあり且つ開口側のコーナ部が面取り形状となしてあることを特徴とする配管継手。
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