JP2020048944A - 脈波センサ - Google Patents
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Abstract
Description
この種の脈波センサは、脈波の測定方法に応じていくつかのタイプに大別されるが、例えばトノメトリ法を利用した脈波センサが知られている。
トノメトリ法は、動脈に偏平部分ができる程度に該動脈を平坦に圧迫した状態で、動脈の内圧変化を測定する方法である。従って、トノメトリ法によれば、例えば血管壁の硬さや張力等の影響を受け難い状態で測定を行うことができ、動脈の内圧変化を精度良く測定することが可能とされている。しかしながら、トノメトリ法では動脈を圧迫した状態で測定する必要があるので、長時間の測定には不向きである。
上記従来の脈波センサでは、血管の脈動に起因した皮膚の変動に対応してダイヤフラム部を変位させる必要がある。そのため、脈波の測定精度は、開口部の内側に位置して密閉室内に露出している皮膚の変動に左右され易い。
そのため、密閉室内に露出している皮膚を、血管の脈動に起因して反応良く変動させ難くなってしまい、ダイヤフラム部を適切に変位させることが難しくなってしまう。その結果、例えば測定する脈波の絶対値の減少や脈波の反転等が生じる可能性があり、測定精度の低下を招く、或いは測定自体を行うことができない等の不都合が生じ易かった。
特に、アタッチメント部の開口部が平面視で非真円形に形成されているので、例えば脈波の測定中に、測定対象血管が延在する方向に対して交差する方向に脈波センサ自体が位置ずれしてしまったとしても、従来のような真円形に開口部が形成される場合に比べて、センサ室内に投影される測定対象血管の投影面積が減少することを抑制することができる。従って、アタッチメント部の開口部を通じてセンサ室内に露出する生体表面のうち、測定対象血管の直上に位置する部分の割合が減少することを抑制することができる。そのため、例えば体動等により脈波センサが位置ずれしたとしても、生体の脈動に対応してセンサ室の内圧を反応良く変化させることができる。その結果、測定精度を向上することができる。
特に、第1壁面の曲率中心と第2壁面の曲率中心とが第1方向に離れているので、第1曲率半径及び第2曲率半径のうちの少なくとも一方の曲率半径を、例えば開口部を真円形で形成する場合の曲率半径よりも、大きな曲率半径とすることが可能である。従って、体動等によって脈波センサが第2方向に血管幅分だけ位置ずれしたとしても、開口部が真円形に形成される場合に比べて、センサ室内に投影される測定対象血管の投影面積が減少することを抑制することができる。
特に、基板に片持ち状態で接続されたカンチレバーを利用するので、センサ室の内圧変化が微小であったとしても、内圧変化にカンチレバーを反応良く追従させて撓み変形させることができるので、脈波を感度良く測定することができる。
以下、本発明に係る脈波センサの第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態の脈波センサ1は、使用者の手首(本発明に係る生体)Sに装着されて使用され、心臓の拍動に伴って伝わる橈骨動脈(本発明に係る測定対象血管)Rの圧力波を脈波として測定するセンサとされている。具体的には、脈波センサ1は主に手首Sの裏側(手の平側)に装着される。
なお、橈骨動脈Rは人体の腕部の長さ方向に沿って延びる動脈であり、血管幅RHは一般的に2mm〜4mmの範囲内とされている。本実施形態では、橈骨動脈Rが延びる方向を走行方向(本発明に係る第1方向)M1といい、手首Sの裏側の平面視で走行方向M1に対して直交するように交差する方向を交差方向(本発明に係る第2方向)M2という。
なお、本実施形態では、手首表面S1(本発明に係る生体表面)からセンサ筐体2に向かう方向を上方といい、その反対方向を下方という。
第1固定ベルト25及び第2固定ベルト26は、センサ筐体2を間に挟むようにセンサ筐体2の両側に配置され、基端部が例えば裏蓋21に対して回動可能にそれぞれ連結されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、第1固定ベルト25及び第2固定ベルト26の基端部は本体ケース20に対して連結されていても構わない。
なお、センサ基板10の平面視で、互いに直交する2方向のうちの一方の方向を前後方向L1といい、他方向を左右方向L2という。センサ基板10は、前後方向L1に沿った長さが左右方向L2に沿った長さよりも長い平面視長方形状に形成されている。ただし、センサ基板10の形状はこの場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
メモリには、CPU30に各種の演算処理を実行させるためのプログラム或いはテーブルが予め格納されている。メモリは、例えばセンサ基板10上に実装されている。
表示部31は、脈波検出部14によって検出された脈波を少なくとも表示可能とされ、例えば本体ケース20の上面に露出するように配置されている。ただし、表示部31に、その他の各種の情報、例えば時刻、日付或いは曜日等に関する情報を表示させても構わない。
電源部は、例えばボタン電池等の交換可能な一次電池、或いは充放電可能な二次電池等とされている。
さらに、本体ケース20には、図示しない入力ボタン等の入力部が設けられ、入力部による入力操作によって、例えば脈波センサ1の電源のオンオフ操作やCPU30を介した各構成部品の制御操作を行うことが可能とされている。
アタッチメント部12は、センサ基板10側に配置され、下方に向けて開口したアタッチメント本体40と、アタッチメント本体40よりも下方に配置されると共に、手首表面S1側に開口した弾性体41と、を備え、全体として中心軸線Oを中心とした筒状に形成されている。そして、アタッチメント部12の内側に位置する内部空間がセンサ室11とされている。従って、アタッチメント本体40の内側及び弾性体41の内側は、いずれもセンサ室11の一部として機能する。
なお、アタッチメント部12の中心軸線O方向から見た平面視で中心軸線Oに交差する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
なお、アタッチメント本体40の開口部の形状は、弾性体41の開口部42の形状と同形状とされている。ただし、この場合に限定されるものではなく、アタッチメント本体40の開口部の形状は、弾性体41の開口部42の形状と異なる形状であっても構わない。
なお、弾性体41をアタッチメント本体40の下端部に対して一体的に固定する場合、その固定方法としては、特定の方法に限定されるものではないが、例えば接着や溶着等によって固定しても構わない。さらには、二色成形或いはインサート成形等によって、アタッチメント本体40と弾性体41とを一体的に固定しても構わない。
このように形成された弾性体41は、厚み方向(上下方向)に潰れるように弾性変形可能とされているうえ、アタッチメント本体40の下端部との接続部分を基点として径方向に湾曲するように弾性変形可能とされている。
弾性体41の開口部42の形状については、後に詳細に説明する。
カンチレバー50は、センサ基板10の上面に対して重なった状態で接合された半導体基板によって形成されている。本実施形態では、半導体基板として、シリコン支持層61、シリコン酸化膜等の絶縁層62及びシリコン活性層63を、下方からこの順番で熱的に張り合わせたSOI基板(本発明に係る基板)60を例に挙げて説明している。従って、カンチレバー50は、SOI基板60によって形成されている。
連通孔64は、貫通孔32を通じてセンサ室11内に連通していると共に、後述する第1ギャップ66を通じてカンチレバー50の上方に位置する上部空間65に連通している。これにより、第1ギャップ66、連通孔64及び貫通孔32を通じて、センサ室11内と上部空間65内とは互いに連通している。
具体的にはカンチレバー50は、先端部が自由端とされたレバー本体51と、レバー本体51とシリコン活性層63とを一体的に接続すると共に、レバー本体51を片持ち状態で支持する2つのレバー支持部52とを備え、連通孔64を上方から覆うように配置されている。これにより、カンチレバー50は、レバー本体51の先端部側が自由端とされた片持ち梁構造とされ、レバー支持部52を中心としてセンサ室11の内圧変化に応じて撓み変形する。
なお、本実施形態では、前後方向L1に沿ってレバー支持部52からレバー本体51に向かう方向を前方といい、その反対方向を後方という。
2つのレバー支持部52は、第2ギャップ67を間に挟んで左右方向L2に並ぶように配置されている。これにより、先に述べたように、カンチレバー50はレバー支持部52を中心として撓み変形し易い構造とされている。
なお、第2直線ギャップ67bは、第1直線ギャップ67aよりも後方に向かって長く形成されており、後述する第2溝部74に接続されている。
なお、ピエゾ抵抗層70及び外部電極72の上面に、図示しない絶縁膜を保護膜として被膜することで、外部との電気的な接触を防止することも可能である。
第1溝部73は、シリコン活性層63のうち第1ギャップ66よりも前方側に位置する領域に形成されていると共に、前後方向L1に沿って直線状に延びるように形成されている。第1溝部73は、前端部がSOI基板60の前方側の側面に達し、且つ後端部が第1ギャップ66に連通するように形成されている。これにより、ピエゾ抵抗層70及び外部電極72のうち、第1ギャップ66よりも前方側に位置する部分は、第1溝部73によって左右方向L2に分断されている。
なお、第2溝部74は、第2直線ギャップ67bに接続される場合に限定されるものではない。例えば、第1直線ギャップ67aを第2直線ギャップ67bよりも後方に向かって長く形成し、第2溝部74と第1直線ギャップ67aとを接続させても構わない。
ホイートストンブリッジ回路80は、変位検出抵抗71及び第1固定抵抗84が直列接続された枝辺と、第2固定抵抗85及び第3固定抵抗86が直列接続された枝辺と、が基準電圧発生回路82に対して並列に接続されている。
図3及び図4に示すように、センサ基板10の上面には、SOI基板60を上方から覆うように有頂筒状に形成され、センサ基板10に対して例えば密に接触した蓋部材55が組み合わされている。よって、蓋部材55の内側が上部空間65として機能する。ただし、蓋部材55は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
先に述べたように、本実施形態のアタッチメント部12は、図3に示すように、アタッチメント本体40及び弾性体41で構成されている。そのため、弾性体41の開口部42が、アタッチメント部12としての開口部に相当する。従って、弾性体41の開口部42について詳細に説明する。
また、加工誤差等の影響によって結果的に非真円形に至ってしまった等の意図しない非真円形は、本発明における非真円形に含まれるものではない。本願発明では、明確な意図をもって、あえて弾性体41の開口部42(すなわちアタッチメント部12の開口部)の形状を非真円形としている。
より詳細には、弾性体41の開口部42は、橈骨動脈Rが延在する走行方向M1に向かい合う第1壁面90及び第2壁面91と、交差方向M2に向かい合う第3壁面92及び第4壁面93とによって形成されている。
なお、第1壁面90及び第2壁面91の壁面長さは、橈骨動脈Rの血管幅RHの3倍以上の長さとされている。ただし、第1壁面90及び第2壁面91の壁面長さは、この場合に限定されるものではなく、例えば3mm〜20mmの範囲内であっても構わない。
そして、脈波センサ1が第1位置に位置している場合、弾性体41の開口部42を通じてセンサ室11内に投影される橈骨動脈Rの投影面積は最大投影面積となる。また、第1位置から脈波センサ1が交差方向M2に血管幅RH分移動した位置が第2位置とされている。
なお、これらの図示の仕方は、他の図面においても同様である。
次に、上述のように構成された脈波センサ1を利用して、心臓の拍動に伴って伝わる橈骨動脈Rの脈波を測定する場合について説明する。
さらに、弾性体41が手首表面S1の弾性よりも低い弾性の弾性材料で形成されているので、大きな押し当て力を必要とせずに、弾性体41を弾性変形させながら、手首表面S1に対して弾性体41を密着させることができる。従って、ユーザに対してさらに不快感を与え難い。
従って、センサ室11内に投影される橈骨動脈Rの投影面積が最大となる位置、すなわち第1位置でアタッチメント部12を手首表面S1に対して押し当てることで、脈波の測定中に、体動等によって脈波センサ1が交差方向M2に血管幅RH分だけ位置ずれしたとしても、最大投影面積の80%以上の投影面積をセンサ室11内に投影させることができる。
つまり、体動等によって脈波センサ1が交差方向M2に血管幅RH分だけ位置ずれしたとしても、そのことによってセンサ室11内に投影される橈骨動脈Rの投影面積が20%以上減少することを防止することができる。
上述した第1実施形態では、アタッチメント部12をアタッチメント本体40と弾性体41とで構成した場合を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではなく、例えば硬質材料で形成されたアタッチメント本体40だけでアタッチメント部12を構成しても構わないし、弾性体41だけでアタッチメント部12を構成しても構わない。
このようなことから、アタッチメント部12をアタッチメント本体40と弾性体41とで構成することが好ましい。
この場合には、アタッチメント本体40に対して弾性体41を付け替えることが可能であるので、例えば開口部42の形状が異なる弾性体41を複数用意し、状況に応じて弾性体41を付け替えるといった使い方を行うこともできる。
なお、弾性体41の肉厚としては、少なくとも1mm以上の肉厚が確保されていることが好ましい。
例えば、図13に示すように、第3壁面92及び第4壁面93が平面視で径方向の外側に向かって凸に膨らむ円弧状の曲面とされた弾性体41としても構わない。なお、弾性体41のうち、第3壁面92及び第4壁面93よりも径方向の外側に位置する部分の肉厚は、少なくとも1mm以上の肉厚が確保されている。このように構成された弾性体41であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
この場合の弾性体41では、第1壁面90及び第2壁面91の交差方向M2に沿った壁面長さは、第3壁面92及び第4壁面93の走行方向M1に沿った壁面長さと同一とされ、橈骨動脈Rの血管幅RHの略3倍とされている。このように構成された弾性体41であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
次に、本発明に係る脈波センサの第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
詳細には、弾性体41の開口部42は、橈骨動脈Rが延在する走行方向M1に向かい合う第1壁面101及び第2壁面102と、交差方向M2に向かい合う第3壁面92及び第4壁面93とによって形成されている。
第3壁面92及び第4壁面93は、第1実施形態と同様に、走行方向M1に沿って延びる平坦面とされている。
従って、本実施形態の場合であっても、第1壁面101と第2壁面102との間の走行方向M1に沿った間隔H2は、第1位置から第2位置までの範囲内において、第1位置での最大間隔の80%以上の間隔である100%を維持するように形成されている。
つまり、脈波の測定中に、体動等によって脈波センサ100が交差方向M2に血管幅RH分だけ位置ずれしたとしても、最大投影面積の80%以上の投影面積をセンサ室11内に投影させることができ、センサ室11内に投影される橈骨動脈Rの投影面積が減少することを効果的に抑制することができる。従って、脈波を安定して測定することができ、測定結果の信頼性を向上することができる。
次に、本発明に係る脈波センサの第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2壁面112は、所定の曲率半径で走行方向M1に湾曲した円弧状の曲面とされ、第1壁面111に対して一体に連設されている。これにより、弾性体41の開口部42は、平面視で半円状に形成されている。
そのため、第2壁面112の曲率中心Pを、中心軸線Oよりも第1壁面111側に寄った位置に配置することができ、第2壁面112の曲率半径を、例えば開口部42を真円形で形成する場合の曲率半径よりも大きな曲率半径とすることができる。
従って、本実施形態の弾性体41であっても、第1壁面111と第2壁面112との間の走行方向M1に沿った間隔は、第1位置から第2位置までの範囲内において、第1位置での最大間隔の80%以上の間隔を維持するように形成されている。そのため、第1壁面111及び第2壁面112は、センサ室11内に投影される橈骨動脈Rの投影面積が最大となる第1位置から、交差方向M2に向けて少なくとも橈骨動脈Rの血管幅RH分移動した第2位置までの範囲内において、第1位置での最大投影面積の80%以上の投影面積を維持するように形成されている。
つまり、脈波の測定中に、体動等によって脈波センサ110が交差方向M2に血管幅RH分だけ位置ずれしたとしても、最大投影面積の80%以上の投影面積をセンサ室11内に投影させることができ、センサ室11内に投影される橈骨動脈Rの投影面積が減少することを効果的に抑制することができる。従って、脈波を安定して測定することができ、測定結果の信頼性を向上することができる。
次に、本発明に係る脈波センサの第4実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第4実施形態においては、第3実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
これらのことにより、弾性体41の開口部42は、平面視で楕円形に形成されている。なお、開口部42の交差方向M2の長軸長さは、橈骨動脈Rの血管幅RHの3倍以上の長さとされている。
従って、本実施形態の弾性体41であっても、第1壁面121と第2壁面122との間の走行方向M1に沿った間隔は、第1位置から第2位置までの範囲内において、第1位置での最大間隔の80%以上の間隔を維持するように形成されている。そのため、第1壁面121及び第2壁面122は、センサ室11内に投影される橈骨動脈Rの投影面積が最大となる第1位置から、交差方向M2に向けて少なくとも橈骨動脈Rの血管幅RH分移動した第2位置までの範囲内において、第1位置での最大投影面積の80%以上の投影面積を維持するように形成されている。
次に、本発明に係る脈波センサの第5実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第5実施形態においては、第4実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
なお、開口部42の交差方向M2への長さは、橈骨動脈Rの血管幅RHの3倍以上の長さとされている。さらに、第1曲率半径と第2曲率半径とは、同一の曲率半径でも構わないし、異なる曲率半径でも構わない。
従って、本実施形態の弾性体41であっても、第1壁面131と第2壁面132との間の走行方向M1に沿った間隔は、第1位置から第2位置までの範囲内において、第1位置での最大間隔の80%以上の間隔を維持するように形成されている。そのため、第1壁面131及び第2壁面132は、センサ室11内に投影される橈骨動脈Rの投影面積が最大となる第1位置から、交差方向M2に向けて少なくとも橈骨動脈Rの血管幅RH分移動した第2位置までの範囲内において、第1位置での最大投影面積の80%以上の投影面積を維持するように形成されている。
次に、本発明に係る脈波センサの第6実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第6実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
詳細には、第1壁面90及び第2壁面91が、橈骨動脈Rが延在する走行方向M1に対して傾斜するように交差する傾斜方向(本発明に係る第2方向)M3に沿って延びている。これにより、弾性体41の開口部42は、平面視で平行四辺形に形成されている。
次に、本発明に係る脈波センサの第7実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第7実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
詳細には、アタッチメント部12を構成する弾性体41の外周面にノッチ部151が形成されている。ノッチ部151は、径方向の内側に向かって平面視半円状に窪んだ切欠部であって、上下に開口するように縦長に形成されている。特に、ノッチ部151は、弾性体41の外周面のうち、第1壁面90及び第2壁面91の径方向外側に位置する部分にそれぞれ位置するように2つ形成されている。そして、2つのノッチ部151は、中心軸線Oを間に挟んで走行方向M1に並ぶように形成されている。
このように構成された本実施形態の脈波センサ150によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができることに加え、さらに以下の作用効果を奏功することができる。
すなわち、ノッチ部151を利用して、橈骨動脈Rに対するアタッチメント部12の相対位置を確認できるので、手首表面S1に対して常に位置合わせしながらアタッチメント部12を押し当てることができる。そのため、脈波センサ150を毎回同じ装着状態で装着することができ、脈波をより安定して測定することが可能である。
次に、本発明に係る脈波センサの第8実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第8実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
このように構成された本実施形態の脈波センサ160によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができることに加え、さらに以下の作用効果を奏功することができる。
すなわち、位置決め凹部161内に長掌筋の腱S2を収容するように脈波センサ160を装着することで、橈骨動脈Rに対するアタッチメント部12の相対位置を位置決めすることができる。従って、脈波センサ160を毎回同じ装着状態で装着することができ、脈波をより安定して測定することが可能である。
従って、この場合であっても、位置決め凹部162内に尺骨の茎状突起S3を収容するように脈波センサ160を装着することで、橈骨動脈Rに対してアタッチメント部12の相対位置を位置決めすることが可能となる。
なお、遊革28を利用する場合に限定されるものではなく、例えば位置決め凹部162が形成された専用の位置決め部材を具備する固定ベルト3としても構わない。
また、これらの比較例として、図9に示すように真円形の開口部42を形成した弾性体41を比較例1としている。
さらには、人体の脚部の巻回するように固定ベルトを取り付けることで、脚部に装着する脈波センサとしても構わない。この場合、測定対象血管としては、例えば大腿動脈であって構わない。さらには、本発明に係る脈波センサを、例えば家畜等の飼育動物或いは実験動物等に装着することも可能である。
例えば、センサ室の内圧変化に応じて変位する薄膜のダイヤフラムを有する圧力センサを採用しても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏功することができる。ただし、カンチレバーを利用する場合には、センサ室の微小な内圧変化であってもカンチレバーを反応良く追従させながら変形させることができるので、脈波をより精度良く、且つ感度良く検出でき、好ましい。
S…手首(生体)
S1…手首表面(生体表面)
M1…走行方向(第1方向)
M2…交差方向(第2方向)
M3…傾斜方向(第2方向)
1、100、110、120、130、140、150、160…脈波センサ
3…固定ベルト(固定部材)
11…センサ室
12…アタッチメント部
13…圧力センサ
14…脈波検出部
40…アタッチメント本体
41…弾性体
42…弾性体の開口部(アタッチメント部の開口部)
50…カンチレバー
60…SOI基板(基板)
64…連通孔
66…第1ギャップ(ギャップ)
71…変位検出抵抗
80…ホイートストンブリッジ回路(抵抗値変化検出回路)
90、101、111、121、131…第1壁面
91、102、112、122、132…第2壁面
151…ノッチ部(指標部)
161、162…位置決め凹部(位置決め部)
Claims (14)
- 生体表面に押し当てられる平面視で非真円形の開口部、及び内部にセンサ室を有するアタッチメント部と、
前記アタッチメント部が前記生体表面に押し当てられた際に、生体の脈動に対応して変化する前記センサ室の内圧変化に応じて変位する圧力センサと、
前記圧力センサの変位に基づいて脈波を検出する脈波検出部と、を備えることを特徴とする脈波センサ。 - 請求項1に記載の脈波センサにおいて、
前記アタッチメント部の前記開口部は、測定対象血管が延在する第1方向に向かい合う第1壁面及び第2壁面によって少なくとも形成され、
前記第1壁面及び前記第2壁面は、前記センサ室内に投影される前記測定対象血管の投影面積が、該投影面積が最大となる第1位置から、前記第1方向に交差する第2方向に向けて、少なくとも前記測定対象血管の血管幅分移動した第2位置までの範囲内において、前記第1位置での最大投影面積の80%以上の投影面積を維持するように形成されている、脈波センサ。 - 請求項2に記載の脈波センサにおいて、
前記第1壁面と前記第2壁面との間の前記第1方向に沿った間隔は、少なくとも前記第1位置から前記第2位置までの範囲内において、前記第1位置での最大間隔の80%以上の間隔を維持するように形成されている、脈波センサ。 - 請求項3に記載の脈波センサにおいて、
前記第1壁面及び前記第2壁面は、前記第2方向に沿って延びる平坦面とされている、脈波センサ。 - 請求項4に記載の脈波センサにおいて、
前記第1方向と前記第2方向とは互いに直交し合う関係とされ、
前記第1壁面及び前記第2壁面は、前記第1方向に対して直交する方向に沿って延びている、脈波センサ。 - 請求項2に記載の脈波センサにおいて、
前記第1壁面は、前記第2方向に沿って延びる平坦面とされている、脈波センサ。 - 請求項2に記載の脈波センサにおいて、
前記第1壁面は、第1曲率半径で前記第1方向に湾曲した円弧状の曲面とされ、
前記第2壁面は、第2曲率半径で前記第1方向に湾曲すると共に、前記第1壁面に連設された円弧状の曲面とされ、
前記第1壁面の曲率中心と前記第2壁面の曲率中心とは、前記第1方向に互いに離れて配置されている、脈波センサ。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
前記アタッチメント部は、
アタッチメント本体と、
前記アタッチメント本体よりも前記生体表面側に配置されると共に、前記生体表面側に開口した弾性体と、を備え、
前記弾性体は、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て時に弾性変形可能とされ、
前記弾性体の開口部が、平面視で非真円形とされ、前記アタッチメント部の開口部として機能する、脈波センサ。 - 請求項8に記載の脈波センサにおいて、
前記弾性体は、前記生体表面の弾性よりも低い弾性の弾性材料で形成されている、脈波センサ。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
前記アタッチメント部には、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の相対位置を示す指標部が形成されている、脈波センサ。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
前記アタッチメント部を前記生体に対して取り外し可能に固定する固定部材を備えている、脈波センサ。 - 請求項11に記載の脈波センサにおいて、
前記固定部材及び前記アタッチメント部のうちの少なくともいずれか一方には、前記生体表面に対して前記アタッチメント部の相対位置を位置決めする位置決め部が形成されている、脈波センサ。 - 請求項1から12のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
前記圧力センサは、
前記センサ室内に連通する連通孔が形成された基板と、
前記連通孔を覆うように前記基板に片持ち状態で接続され、前記連通孔を通じた前記センサ室内の内圧変化に応じて撓み変形するカンチレバーと、を備え、
前記カンチレバーは、前記基板の平面視で、所定のギャップをあけた状態で前記連通孔の内側に配置されることで、前記連通孔を部分的に覆うように形成され、
前記脈波検出部は、前記カンチレバーの撓み変形に応じて抵抗値が変化する変位検出抵抗を含む抵抗値変化検出回路を有し、前記変位検出抵抗の抵抗値変化に対応した前記抵抗値変化検出回路からの出力信号に基づいて前記脈波を検出する、脈波センサ。 - 請求項1から13のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
前記センサ室は、血管幅が2mm〜4mmの範囲内の動脈に起因する前記生体表面の変動に対応して内圧が変化する、脈波センサ。
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