JP6783416B1 - 計測対象物の内部圧力又は剛性を測定する測定装置 - Google Patents

計測対象物の内部圧力又は剛性を測定する測定装置 Download PDF

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Abstract

計測対象物の内部圧力を測定する測定装置であって、誰もが、簡単に使用できる、非常に小型の測定装置及び測定方法を提案する。押圧部と、計測部とを備えていて計測対象物の内部圧力を測定する測定装置。押圧部は、前記計測対象物の表面に当接する当接面を先端に備えている。計測部は、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の前記計測対象物からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段を備えている。更に、計測部は、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の前記押圧部が前記計測対象物方向へ移動する移動速度、前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度、前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離の中のいずれか一つを連続的に検知する第二の検知手段を備えている。

Description

この発明は計測対象物の内部圧力を測定する測定装置及び測定方法に関する。
計測あるいは測定用の器具を計測対象物に当接させ、押圧したときの変形量と荷重量に基づいて、計測対象物の内部圧力の計測、測定を行うことが従来から種々提案されている。
例えば、眼圧の測定では、角膜にプローブを接触させる圧平眼圧計や圧入眼圧計が古くから使用されており、眼圧測定に関連して種々の提案が行われている。
特許文献1〜特許文献7では、眼瞼を通した眼圧測定に関連して種々の提案が行われている。
特許文献2には、加圧体と、駆動手段と、荷重センサと、演算手段とを備えている眼圧計が提案されている。加圧体は、被検眼の眼瞼を通して被検眼を押圧する。駆動手段は、加圧体の押圧力を発生させる。荷重センサは、加圧体に加えられた荷重量を検出する。演算手段は、加圧体の押圧により発生する眼球の変位量に対する前記荷重センサから検出された荷重量に基づき、被検眼の眼圧を求める。前記加圧体を等速度で移動させることにより押圧を行い、その際、前記演算手段が前記荷重センサから検出される荷重量の経時変化に基づき眼圧を測定するとしている。
特許文献3、4には、閉瞼状態で眼瞼を通して眼圧を測定する方法及び装置が提案されている。
特許文献8〜12では、密封されている構造体もしくは弱い通気のある構造体の内側に圧力センサを設置し内圧を測定することにより、外部から構造体にかかる力を測定する方法が提案されている。特許文献13〜15では加速度センサを用いて、心肺蘇生のときに行う胸骨圧迫の深さを測定する方法が提案されている。
特開平6−38930号公報 特開平6−105811号公報 特開平8−280630号公報 特表2002−501801号公報 米国特許出願公開公報2004/0267108A1 米国特許出願公開公報2010/0152565A1 米国特許第6440070号公報 米国特許出願公開公報 US20180284936A1 US20110007023A1 US20090174687A1号公報 米国特許出願公開公報20100103137A1 米国特許出願公開公報20140069212A1 米国特許第6306107号公報 米国特許第7220235号公報 日本特許第4689979号公報
この発明は、計測対象物の内部圧力を測定する測定装置であって、誰もが、簡単に使用できる、非常に小型の測定装置及び測定方法を提案することを目的にしている。
[1]
押圧部と、計測部とを備えていて計測対象物の内部圧力を測定する測定装置であって、
前記押圧部は、前記計測対象物の表面に当接する当接面を先端に備えていて、
前記計測部は、
前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の
前記計測対象物からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段と、
前記押圧部が前記計測対象物方向へ移動する移動速度、
前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度、
前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離
の中のいずれか一つを連続的に検知する第二の検知手段と
を備えている測定装置。
[2]
前記第一の検知手段は、前記押圧部が、前記先端から前記先端に対向する押圧部後端に向かう方向で前記第一の検知手段に当接することで前記反発力を連続的に検知する[1]の測定装置。
[3]
前記計測部は内側に内部中空部を備えている中空構造体からなり、
前記押圧部は前記押圧部後端側が前記中空構造体の一つの壁面の外側に支持されており、
前記第一の検知手段は、
前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けてたわむ量を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する、又は、
前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けてたわむことで生じる前記内部中空部の内圧の変化を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する[1]の測定装置。
[4]
前記中空構造体は、
密封構造体、前記内部中空部と外部空間との間を連通する孔を備えている中空構造体、前記内部中空部と外部空間との間に通気性のある膜が配備されている中空構造体の中のいずれかである[3]の測定装置。
[5]
前記計測部は内側に内部中空部を備えている中空構造体からなり、
前記押圧部は前記先端から前記先端に対向する側である押圧部後端側に向かう方向に移動できるように前記中空構造体に移動自在に支持されている、あるいは、前記押圧部は前記押圧部後端側が前記中空構造体の一つの壁面の外側に支持されており、
前記第一の検知手段は、
前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記押圧部が前記内部中空部に向けて移動する量を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する、又は、
前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記押圧部が前記内部中空部に向けて移動することで生じる前記内部中空部の内圧の変化を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する、又は、
前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けて移動する量を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する、又は、
前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けて移動することで生じる前記内部中空部の内圧の変化を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する[1]の測定装置。
[6]
前記中空構造体は、
密封構造体、前記内部中空部と外部空間との間を連通する孔を備えている中空構造体、前記内部中空部と外部空間との間に通気性のある膜が配備されている中空構造体の中のいずれかである[5]の測定装置。
[7]
前記中空構造体が密封構造体で、
前記中空構造体を密封する密封部材が弾性を有し、前記押圧部が前記先端から前記押圧部後端側に向かう方向に移動することで生じる前記内部中空部の体積変化を前記密封部材が可能にする[5]の測定装置。
[8]
前記押圧部と前記計測部とは別体で、前記押圧部の前記先端に対向する側である押圧部後端側が前記計測部に対して取り付け、取り外し可能になっている[1]の測定装置。
[9]
前記計測部が、前記第一の検知手段と、前記第二の検知手段とを備えている電子・電気機器である[8]の測定装置。
[10]
前記第二の検知手段が速度センサで、積分によって前記移動距離が求められる[1]の測定装置。
[11]
前記第二の検知手段が加速度センサで、二重積分によって前記移動距離が求められる[1]の測定装置。
[12]
重力の向きの補正に用いられる第三の検知手段を更に備えている[11]の測定装置。
[13]
前記計測対象物の前記内部圧力が眼圧であって、前記押圧部の前記当接面が眼球又は眼瞼に当接される[1]の測定装置。
[14]
前記当接面を前記眼球又は前記眼瞼に当接させて前記押圧部が前記眼球又は前記眼瞼の側に向けて押圧される押圧力が人間の手による押圧操作によって与えられる[13]の測定装置。
[15]
計測対象物の内部圧力を測定する方法であって、
前記計測対象物の表面に当接する当接面を先端に備えている押圧部と、
前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の
前記計測対象物からの反発力Fを連続的に検知する第一の検知手段と、
前記押圧部が前記計測対象物方向へ移動する移動速度、
前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度、
前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離
の中のいずれか一つを連続的に検知する第二の検知手段と
を備えている測定装置を用い、
前記第一の検知手段による検知情報と、前記第二の検知手段による検知情報とを用いて前記計測対象物の内部圧力を測定する方法。
[16]
前記第二の検知手段による検知情報が前記移動距離Dであって、
前記連続的な検知の間における瞬間的なΔF/ΔDの関係を求めることで
前記計測対象物の内部圧力を測定する[15]の方法。
[17]
前記押圧部の前記当接面が眼球又は眼瞼に当接され、前記計測対象物の前記内部圧力が眼圧である[15]又は[16]の計測対象物の内部圧力を測定する方法。
この発明によれば、計測対象物の内部圧力を測定する測定装置であって、誰もが、簡単に使用できる、非常に小型の測定装置及び測定方法を提供することができる。
この発明の一実施形態に係る測定装置の一例を表す一部を省略した断面図。 この発明の一実施形態に係る測定装置の他の例を説明する図であって、(a)は一部を省略し、一部を断面して表した図、(b)は平面図、(c)は側面図。 この発明の一実施形態に係る測定装置の他の例における一部を省略し、一部を断面して表した図。 この発明の一実施形態に係る測定装置の他の例における一部を省略し、一部を断面して表した図。 この発明の一実施形態に係る測定装置の他の例における一部を省略し、一部を断面して表した図。 この発明の一実施形態に係る測定装置の他の例における一部を省略し、一部を断面して表した図。 この発明の一実施形態に係る測定装置の他の例における一部を省略し、一部を断面して表した図。 この発明の一実施形態に係る測定装置の他の例を表す一部を省略した断面図。 この発明の一実施形態に係る測定装置の測定原理を説明するグラフであって、(a)は測定開始時からの時間経過(横軸)と、測定装置に備えられている第二の検知手段からの出力(加速度)(縦軸)との関係、(b)は測定開始時からの時間経過(横軸)と、測定装置の押圧部の移動速度(縦軸)との関係、(c)は測定開始時からの時間経過(横軸)と、測定装置の計測対象物方向に向けた移動距離(縦軸)との関係、(d)は測定開始時からの時間経過(横軸)と、反発力Fとの関係を表すグラフ。 この発明の一実施形態に係る測定装置の測定原理を説明するグラフであって、(a)は、測定装置の押圧部が計測対象物方向に移動した距離をD、押圧部による押圧に対する計測対象物からの反発力の強さをFとして、Dと、Fとの関係の一例を表すグラフである。図中、上側の実線で表した曲線と、その下の破線で表されている曲線はグラフ右側の安定時のバネ定数(ΔF/ΔD)が同一の場合であり、その下の実線で表されている曲線は異なるバネ定数の場合である。(b)はDと、ΔF/ΔDとの関係の一例を表すグラフである。図中、上側の実線で表した曲線と、その下の破線で表されている曲線はグラフ右側の安定時のバネ定数(ΔF/ΔD)が同一の場合であり、その下の実線で表されている曲線は異なるバネ定数の場合である。 この発明の一実施形態に係る測定装置の測定原理を説明するグラフであって、(a)は、この発明の一実施形態に係る測定装置で得た瞬間的なバネ定数ΔF/ΔDと、従来公知の装置・方法での眼圧測定結果との関係を表すグラフ。複数の被測定者から得られたデータをプロットし、変換曲線を得る方法を説明したグラフ。(b)および(c)は、一人の被測定者からのデータを用いて、検量線によるキャリブレーションをする方法を説明するグラフである。 この発明の一実施形態に係る測定装置の測定原理を説明するグラフであって、測定装置の押圧部に対する計測対象物からの反発力の強さFと、第一の検知手段の出力との関係の一例を表すグラフ。 (a)、(b)は、この発明の一実施形態に係る測定装置の他の例を表す一部を省略した断面図。 は、この発明の一実施形態に係る測定装置の他の例を表す一部を省略した断面図。
この実施形態の測定装置は、計測対象物の内部圧力を測定するものである。
この実施形態の測定装置は、押圧部と、計測部とを備えている。
押圧部は、計測対象物の表面に当接する当接面を先端に備えている。
計測部は、第一の検知手段と、第二の検知手段とを備えている。
前記押圧部と前記計測部とは、前記押圧部が、前記先端から前記先端に対向する側である押圧部後端側に向かって移動できるように、前記押圧部が前記計測部に移動自在に支持されている形態にすることができる。
また、前記押圧部の押圧部後端側が、前記計測部によって支持されている形態にすることができる。押圧部の前記押圧部後端側が前記計測部によって支持されている形態としては種々の形態を例示できるが、例えば、次のような形態を例示できる。(1)押圧部と計測部とが組み合わされている構造。例えば、押圧部がその押圧部後端側で計測部に固定されていて押圧部が計測部の上に立設されている構造。(2)押圧部と計測部とは別体で、押圧部の押圧部後端側が計測部に対して取り付け、取り外し可能になっている構造。
第一の検知手段は、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の前記計測対象物からの反発力を連続的に検知するものである。
第二の検知手段は、上述したように、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の
前記押圧部が前記計測対象物方向へ移動する移動速度、
前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度、
前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離
の中のいずれか一つを連続的に検知するものである。
この実施形態の測定装置による測定は、例えば、次のようにして行われる。
上述した測定装置を用いて、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部を前記計測対象物の側に向けて押圧した時の前記押圧部が前記計測対象物方向へ移動する移動速度、前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度、前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離の中のいずれか一つと、前記計測対象物からの反発力Fとを連続的に検知する。
以下では、第二の検知手段によって、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離Dが連続的に検知された場合で説明する。
第一の検知手段および第二の検知手段にデジタル値を出力するセンサを使用してもよい。その場合は離散的な検知となるが、後述するように出力データ周期を適切に選ぶことにより連続的な検知とみなすことができる。そこで、この発明における第一の検知手段、第二の検知手段、等の検知手段における連続的な検知は、前記検知手段がデジタル値を出力するセンサによる検知である場合をも含む概念である。
以下、本明細書、図面において、反発力Fと移動距離Dの微小時間(Δt)における変化分をそれぞれΔF、ΔDと定義して説明する。
前記押圧部で押圧することにより前記計測対象物が変形したときの反発力(F)は、前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離(D)が増えるほど大きくなる。計測対象物の内部圧力を外部から測定するとき、従来から、所定量の変形を与えたときの反発力をもとに測定する方法が用いられてきた。
この実施形態では、計測対象物は表面の膜と内容物とによって構成されるものとみなして説明する。内容物が気体など圧縮されやすい物質の場合、内部圧力の変化が膜へかかる圧力を変化させる。内容物が水など圧縮されにくい物質の場合、内容物の体積の変化は、膜へかかる圧力を変化させるため、内容物の体積の変化を内部圧力の変化とみなすことができる。内部から膜へかかる圧力が変化すると、膜の剛性が変化する。そこで、内部圧力と膜の剛性との関係をあらかじめ得ておけば、膜の剛性を測定することにより、内部圧力を測定することができる。内容物から受ける圧力とは独立に計測対象物の表面の膜が持つ剛性は、後述するように検量線を作成すれば除外するようにキャリブレーションすることができる。
上述したように、表面の膜と内容物とによって構成される計測対象物、例えば、眼球などをバネとして考えて内部圧力の測定を行うことにした。前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離Dが少ない範囲においては、前記計測対象物を線形バネとして考えることができる。内部圧力の測定のために必要な前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離Dは少なくてよい。フックの法則:反発力F=バネ定数×移動距離D(=押圧部の計測対象物方向への移動距離D)を前記押圧部の瞬間的な移動距離に適用すると、ΔF=瞬間的なバネ定数×ΔDとなる。すると、前記連続的な検知の間における瞬間的なばね定数(ΔF/ΔD)が各時刻について求まる。内部圧力が大きいほど、瞬間的なばね定数(ΔF/ΔD)は大きくなる。
ΔFおよびΔDを求めるときの微小時間(Δt)は、その間にバネ定数が安定しているならΔtは長くてもよい。実際の微小時間Δtは、実施の形態によって調整するべきである。第一の検知手段、第二の検知手段に採用するセンサがデジタル出力の場合は、出力データ周期(離散データの間隔)によって採用可能な最小のΔtが決定されるが、出力データ周期より長い時間をΔtとしてもよい。アナログ出力の場合は、後段のADコンバータのサンプリング周期によって採用可能な最小のΔtが決定されるが、サンプリング周期より長い時間をΔtとしてもよい。
従来公知の方法により求めておいた前記計測対象物の実際の内部圧力と、前記測定装置により求めたバネ定数(ΔF/ΔD)との関係式をあらかじめ得ておけば、前記測定装置により前記計測対象物の内部圧力が測定できる。これを、図10、図11を用いて説明する。
図10(a)は、当接面を計測対象物の表面に当接させて押圧部を計測対象物の側に向けて押圧した時の計測対象物からの反発力Fと、押圧部の計測対象物方向への移動距離Dとの関係の一例を表すものである。
第一の検知手段、第二の検知手段によってそれぞれ連続的に検知されている反発力Fと移動距離Dは、図10(a)および図10(b)に示すように、ある程度押圧すると、連続的な検知の間における瞬間的なバネ定数(ΔF/ΔD)が安定し、内部圧力との相関が高くなる。
上述した、内容物から受ける圧力とは独立に計測対象物の表面の膜が持つ剛性と、内容物の表面の膜をさらに外側から覆っている最表面の層が持つ硬さおよび厚みとを区別する。前記測定装置により眼瞼を通して眼圧を測定する場合は、後者は、眼瞼の皮膚側の層に関連がある。この層は、バネ定数が小さく、かつ、短いバネであるため押圧すると非常に弱い反発力のまま圧縮限界に達するため、剛性が無視できるほど小さいものとする。以降、この層を「剛性が無視できるほど小さい最表面の層」と表現する。この層は、押圧開始時点(時刻t=0、D=0)での、基準点となる反発力Fに影響する。しかし、前記測定装置により測定される膜の剛性は、瞬間的なバネ定数ΔF/ΔDとして測定されるため、この層は膜の剛性には影響しない。
前記測定装置により眼瞼を通して眼圧を測定する場合、膜の剛性は以下の二つが合わさったものとして、瞬間的なバネ定数ΔF/ΔDとして測定される。
(1)眼圧とは独立に眼瞼の眼球側の層および眼球壁が持つ剛性。
(2)眼圧に応じて変化する眼球壁の剛性。
(1)は、一般的には、上述した、内容物から受ける圧力とは独立に計測対象物の表面の膜が持つ剛性に相当する。後述するように検量線を作成すれば(1)と(2)とを区別できる。ここで求めたいのは(2)である。
連続的な検知の間におけるΔF/ΔDが安定したとみなす条件には種々の方法があるが、どのような方法を使用してもよい。例えば、押圧開始から押圧深さが最大になるまでの区間のうち、前後の連続した複数個のΔF/ΔDの値のばらつきが最小になる時刻におけるΔF/ΔDを採用してもよい。
図10(a)および図10(b)において、押圧開始時点(時刻t=0、D=0)の付近で瞬間的なバネ定数ΔF/ΔDが不安定である理由は、以下の三つが考えられる
(1)剛性が無視できるほど小さい最表面の層(眼瞼の皮膚側の層)からの反発力FおよびΔFは非常に小さいはずだが、押圧開始時はΔDも非常に小さい。そこで、ΔF/ΔDの値は不安定となる
(2)押圧開始直後では、微小時間ΔtにおけるΔFおよびΔDが非常に小さく、第一の検知手段および第二の検知手段に使用するセンサのS/N比(signal to noise ratio)が低い
(3)静止状態から押圧することが理想だが、完全に静止できていない場合、押圧開始時直後のΔFおよびΔDは押圧を反映したものではない。
図10(a)および図10(b)に示すように、上記3つの要因が無視できるほど小さくなるまで押圧すると、連続的な検知の間における瞬間的なバネ定数ΔF/ΔDは安定し、計測対象物の内部圧力と相関が高くなる。以降、「瞬間的なバネ定数ΔF/ΔDが安定した値」を単純に「バネ定数ΔF/ΔD」と表現する。
図11(a)〜(c)を用いて、前記測定装置により眼圧を測定する場合において、前述したように、バネ定数ΔF/ΔDを求めた後、計測対象物の内部圧力である眼圧が導き出されることを説明する。図11(a)において縦軸は眼圧、横軸がバネ定数(ΔF/ΔD)である。臨床研究で、従来公知の眼圧測定装置で測定した眼圧と、この実施形態の前記測定装置を用いて測定したバネ定数ΔF/ΔDとの関係をプロットし、統計的手法により両者の関係を表す近似式を得る。従来公知の眼圧測定装置は、角膜にプローブを直接当てる形式が主流である。
図11(a)のプロットは、複数の被測定者から得られる値である。すべての被測定者の結果が平均的に良くなるような近似曲線を統計的手法により求め、その関数にバネ定数(ΔF/ΔD)を代入する。この近似曲線では、眼瞼の眼球側の層および眼球壁が眼圧とは独立に持つ剛性の影響は、すべての被測定者にとって平均的に良くなるように補正される。近似曲線は曲線でなく直線でもよい。
図11(b)は、一人の被測定者について、複数の眼圧の状態での測定値から検量線を作成するものである。横軸には図11(a)での変換を適用した後の値を使用し、縦軸には従来公知の眼圧測定装置で測定される値を使用する。こうして、眼瞼の眼球側の層および眼球壁が眼圧とは独立に持つ剛性の個体ばらつきが補正される。なお、3点以上プロットすれば非線形性も補正される。
図11(c)は、図11(a)のにおける変換を行わず、バネ定数ΔF/ΔDが安定した値と、従来公知の眼圧測定装置で求めた眼圧の関係から検量線を作成し、直接キャリブレーションする例である。他は図11(b)と同様である。
例えば、この実施形態の測定装置を個人が所有して、眼圧を自己測定する用途に使用する場合、計測対象物は毎回同じだが眼圧が変動するため、図11(b)又は図11(c)によるキャリブレーションが有効である。
図11(a)から図11(c)の変換を行わずに、バネ定数(ΔF/ΔD)を最終的な出力としても眼圧の相対的な変化を知ることができる。
これらのデータを用いて必要な情報処理を行うことで前記測定装置により眼圧を測定することができる。
すなわち、上述した第一の検知手段、第二の検知手段によって検知された情報に基づき、所定の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)で、上述した図10、図11を用いて説明した情報処理が行われ、前記測定装置により眼圧を測定することができる。上述した図10、図11を用いて説明した情報処理に必要なアルゴリズム、変換式、およびパラメータは、記憶部(例えば、マイクロコントローラ内蔵の不揮発性メモリ)に格納されていて参照される。
以上では、第二の検知手段によって、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離Dが連続的に検知された場合で説明した。
第二の検知手段によって、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部を前記計測対象物の側に向けて押圧した時の前記押圧部が前記計測対象物方向へ移動する移動速度が検知される場合、検知した移動速度を積分することで移動距離Dを求めることができる。
また、第二の検知手段によって、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部を前記計測対象物の側に向けて押圧した時の前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度が検知される場合、検知した加速度を二重積分することで移動距離Dを求めることができる。
上述した実施形態の測定装置において、前記第一の検知手段は、前記押圧部が、前記先端から前記先端に対向する押圧部後端に向かう方向で前記第一の検知手段に当接することで前記反発力を連続的に検知するものにすることができる。
当接面を計測対象物の表面に当接させて押圧部が計測対象物の側に向けて押圧された時の計測対象物からの反発力を、押圧部の後端に当接していることで連続的に検知できるものであれば、種々のものを第一の検知手段として採用することができる。例えば、フォースセンサ、感圧センサ、静電容量センサ、ロードセル(ひずみゲージ式、静電容量式など)の形式で入手できる電子部品、又はひずみゲージなどを第一の検知手段として採用することができる。
また、上述した実施形態の測定装置において、前記計測部は、内側に内部中空部を備えている中空構造体にすることができる。内側に前記内部中空部を備えている前記中空構造体としては、例えば、密封構造体、前記内部中空部と外部空間との間を連通する孔を備えている中空構造体、前記内部中空部と外部空間との間に通気性のある膜が配備されている中空構造体などを例示することができる。
前記内部中空部と外部空間との間を連通する孔を備えている中空構造体としては、前記内部中空部と外部空間との間を連通する孔、例えば、微小な孔(スルーホール)を備えている中空構造体を例示することができる。前記内部中空部と外部空間との間に通気性のある膜が配備されている中空構造体としては、例えば、前述の内部中空部と外部空間との間を連通する微小な孔(スルーホール)を備えている中空構造体で、当該微小な孔(スルーホール)を覆うように防水・防塵性能を与えるための通気性のある膜(ベントフィルタ)が貼り付けられている構造を例示することができる。
前記計測部が、内側に前記内部中空部を備えている前記中空構造体である場合、前記押圧部の前記先端に対向する側である押圧部後端側が前記計測部によって支持されている構造としては、前記計測部を構成する前記中空構造体の一つの壁面の外側に前記押圧部後端側が支持されている構造を採用することができる。具体的には、(1)押圧部がその押圧部後端側で前記中空構造体の一つの壁面の外側に立設されている構造。(2)押圧部後端側が前記中空構造体の一つの壁面の外側に対して取り付け、取り外し可能になっている構造などを採用することができる。
また、このように、前記計測部が、内側に前記内部中空部を備えている前記中空構造体である場合、前記第一の検知手段は、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けてたわむ量を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知するものにすることができる。
また、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けてたわむことで生じる前記内部中空部の内圧の変化を連続的に検知して前記反発力を連続的に検知するものを前記第一の検知手段にすることもできる。
前記中空構造体を構成し、押圧部を支持する前記一つの壁面が前記押圧によって前記内部中空部に向けてたわむような部材である場合には、上述した形態の第一の検知手段を採用することができる。
更に、前記計測部が、内側に前記内部中空部を備えている前記中空構造体である場合、前記第一の検知手段は、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けて移動する量を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知するものにすることもできる。
また、前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けて移動することで生じる前記内部中空部の内圧の変化を連続的に検知して前記反発力を連続的に検知するものを前記第一の検知手段にすることもできる。
前記中空構造体を構成し、押圧部を支持する前記一つの壁面が前記押圧によって前記内部中空部に向けてたわむことのない剛性を有する部材である場合には、上述した形態の第一の検知手段を採用することができる。
例えば、第一の検知手段として、前記一つの壁面に設置して前記一つの壁面のたわみ量に応じて抵抗が変化する可変抵抗を採用してたわみ量を連続的に検知することができる。可変抵抗の一例としては抵抗を連続的に測定するひずみゲージを挙げることができる。可変抵抗を設置する位置としては、前記一つの壁面の前記内部中空部に面する内壁面が考えられる。可変抵抗を押圧部と前記一つの壁面との間に挟む構造にしてもよい。
また、前記一つの壁面が前記内部中空部に向けてたわむことで前記一つの壁面の前記内部中空部に面する一方の内壁面と、これに対向する前記内部中空部の他方の内壁面との間の距離に変動が生じることを連続的に検知する検知手段を用いて前記反発力を連続的に検知するものにすることもできる。例えば、一方の内壁面と、他方の内壁面との間の距離に応じて電気的特性が変化する素子を第一の検知手段として採用することができる。一例としては、前記一つの壁面の前記内部中空部に面する一方の内壁面に一方の電極を、当該内壁面に対向する前記内部中空部の他方の内壁面に他方の電極を設置してなる静電容量センサである。前記一つの壁面が前記内部中空部に向けてたわむことで前記一方の電極と他方の電極との間の静電容量が変化する。これを連続的に検知することで反発力を連続的に検知することができる。
図12図示のように、第一の検知手段として採用するセンサの出力と、反発力Fとの関係をあらかじめ得ておく。図12の横軸は、第一の検知手段の出力が押圧動作前を基準として変化した量を表す。そして、あらかじめ得ておいた所定の関係、情報に基づき、引き続いて、所定の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)で、上述した図10、11を用いて説明した情報処理が行われ、前記測定装置により眼圧を測定することができる。上述した図10、11、12を用いて説明した情報処理に必要なアルゴリズム、変換式、およびパラメータは、記憶部(例えば、マイクロコントローラ内蔵の不揮発性メモリ)に格納されていて参照される。
前記中空構造体として密封構造体や、微小孔やベントフィルタを備えている中空構造体が採用される場合、前記第一の検知手段としては、当接面を計測対象物の表面に当接させて押圧部が計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けてたわむことで生じる前記内部中空部の内圧の変化を連続的に検知するものにすることができる。
この場合、第一の検知手段で測定する物理量は密封構造体や、上述した微小孔やベントフィルタを備えている中空構造体の内部の圧力Pである。そこで、図12図示のように、第一の検知手段(例えば、圧力センサ)の出力と、反発力Fとの関係をあらかじめ得ておく。この関係は密封構造体等の形状と部材によって異なる。そして、図12図示の関係、情報に基づき、引き続いて、所定の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)で、上述した図10、11を用いて説明した情報処理が行われ、前記測定装置により眼圧を測定することができる。上述した図10、11、12を用いて説明した情報処理に必要なアルゴリズム、変換式、およびパラメータは、記憶部(例えば、マイクロコントローラ内蔵の不揮発性メモリ)に格納されていて参照される。
密封構造体や、上述した微小孔やベントフィルタを備えている中空構造体の内部中空部の圧力Pを連続的に検知する場合、圧力センサを密封構造体等の内側に配備した構造を第一の検知手段として採用することができる。
第一の検知手段の出力を反発力Fに変換する図12において、広い区間では非線形だとしても狭い区間では線形である。前記一つの壁面のたわみ量が非常に小さくても反発力を測定できると、図12の線形領域を使用することができ、望ましい。詳細は後述する実施例にて述べる。
上述したように、計測部が内部中空部を備えている構造体であるときに内部中空部の圧力を変化させる方法は、前記一つの壁面がたわむ方法に限定されない。後述する図13、図14を用いて説明する実施例のように、密封するための構造に弾性を持たせ、密封構造と弾性体とを兼用することもできる。例えば、密封方法として用いるOリング、ガスケット、バネ、蛇腹構造、などの弾性体が押圧時に圧縮されることで内部中空部の圧力が変動するものである。
前記中空構造体を構成し、前記押圧部を支持する前記一つの壁面が前記押圧によって前記内部中空部に向けてたわむような部材である場合、押圧部の押圧部後端側を支持する計測部の壁面の曲げ剛性、支持面積などを、食品や、身体の各部など、計測対象物のおおよその固さに応じて、選択することで測定レンジや精度をより好ましいものにすることができる。
また、前記中空構造体を構成し、押圧部を支持する前記一つの壁面が前記押圧によって前記内部中空部に向けてたわむことのない剛性を有する部材である場合、押圧時に圧縮される上述したOリング、ガスケット、バネ、蛇腹構造、などの弾性体等の圧縮剛性などを食品や、身体の各部など、計測対象物のおおよその固さに応じて、選択することで測定レンジや精度をより好ましいものにすることができる。
上述した構成からなる測定装置により、当接面を計測対象物の表面に当接させて押圧部が計測対象物の側に向けて押圧された時の押圧部の計測対象物方向への移動距離と、当接面を計測対象物の表面に当接させて押圧部が計測対象物の側に向けて押圧された時の計測対象物からの反発力とを連続的に検知することができる。
これによって、移動距離に対する反発力を把握することが可能になり、この関係から、測定装置の押圧部の当接面が、その表面に当接している計測対象物の剛性にあたる計測対象物の内部圧力を把握することができる。
そこで、剛性を把握したいと考えている計測対象物の表面に測定装置の押圧部の当接面を当接させ、計測対象物の方向に押圧することで計測対象物の剛性にあたる計測対象物の内部圧力を測定できる。
このように、計測対象物がバネとして近似できるものであれば、内部圧力だけでなく、剛性そのものの測定や単位移動距離あたりの反発力そのものの測定にも応用できる。連続的な検知の間におけるバネ定数(ΔF/ΔD)が安定した時刻でのバネ定数を結果に用いることで、内容物の表面の膜をさらに外側から覆っている最表面の層の硬さおよび厚み(剛性が無視できるほど小さい最表面の層)の影響を小さくできる。
例えば、果実などの熟し具合の測定することに採用可能である。
また、当接面を大きくすることで、例えばスキーなどの板の反発力、ラケットの反発力、ベッドのスプリングの反発力の測定に使用することも考えられる。
タイヤの空気圧を簡易的に把握することもできる。
更に、人間の身体の目的とする測定箇所の剛性に相当する内部圧力を測定することができる。例えば、眼圧を測定したり、従来自己計測が困難であった腹腔内臓器の硬度、筋肉・骨軟部組織などを低侵襲的に簡便に把握することに用いることができる。
眼圧を測定する場合には、眼圧を、眼球の内部圧力として把握することになる。
眼圧測定に使用する場合、押圧部が当接面を眼球又は眼瞼に当接させて眼球又は眼瞼の側に向けて押圧される。これによって、押圧部の眼球又は眼瞼の方向への移動距離と、押圧部が押圧された時の眼球からの反発力とを連続的に検知し、眼球の内部圧力としての眼圧を測定することができる。
この測定装置を用いた測定では、上述したように、連続的な検知の間における瞬間的なΔF/ΔDの安定した値を把握し、これを参照して計測対象物の内部圧力を測定している。
そのため、押圧開始時には眼瞼の皮膚側の層(剛性が無視できるほど小さい最表面の層)が瞬間的なバネ定数に影響するが、押圧途中の安定した瞬間的なバネ定数を眼圧の計算に用いることで、その層が測定に与える影響を少なくできる。
このように、眼瞼を通して眼圧を測定できるため、薬剤などを投与する等の行為を伴うことなく眼圧測定を行うことのできる、非侵襲型の眼圧測定装置を提供することができる。
また、第一の検知手段、第二の検知手段としてICチップ化されているものを用いることで、誰もが簡単に使用でき、携帯性に優れた、非常に小型の測定装置を提供することができる。そこで、被測定者が自ら使用して眼圧測定を行うことも可能になる。
前記のように測定装置は小型であるため、指にベルトや粘着テープで固定したり、指サックのような構造からなる保持手段と組み合わせることができる。眼圧測定装置を用いて眼圧測定を行う者が、指サック状の保持手段に指を挿入して眼圧測定装置を保持し、触診のような動作で測定できる測定装置を提供することができる。
図1は、眼圧測定装置として使用される本発明の測定装置の一例を説明するものである。
図1図示の測定装置1は、押圧部10と計測部2とを備えている。図示の実施形態では、計測部2は、第一の検知手段7と、第二の検知手段8とを備えている。
押圧部10は計測対象物である眼瞼に当接する当接面10aを先端(図1の上側端)に備えている。
計測部2は、図示の実施形態では、内側に内部中空部3を備えている中空構造体になっている。ここでは密封構造体になっている中空構造体にしている。
内部中空部3と計測部2の外部空間との間を連通する孔、例えば、微小な孔(スルーホール)を備えている中空構造体や、内部中空部3と計測部2の外部空間との間に通気性を有する膜が配備されている中空構造体にすることも可能であり、これらについては後述する。
当接面10aが備えられている押圧部10の先端に対向する側である押圧部後端側10bは、図1図示の実施形態では、密封構造である計測部2の一つの壁面の外側に立設されている。
押圧部10と計測部2との構造に関しては前記以外に種々の形態を採用可能である。例えば、押圧部10が、当接面10aが備えられている先端から押圧部後端側10bに向かって移動できるように計測部2に移動自在に支持されている構造や、その一実施形態としての、押圧部10の先端から押圧部10の後端に向かう方向に押圧部10が移動できるように押圧部後端側10bが計測部2によって摺動自在に支持されている構造が採用可能である。また、押圧部10と計測部2とが別体で、押圧部10の押圧部後端側10bが計測部2に対して取り付け、取り外し可能な構造を採用することも可能である。これらについては後述する。
押圧部後端側10bが外側に立設されている計測部2の一つの壁面は、図1図示の実施形態では、半径方向における中心側6bが、半径方向における外周側部分6aよりも、図1において下側に窪んでいる階段状構造になっている。以下、半径方向における外周側部分6a、半径方向における中心側6bからなる計測部2の一つの壁面全体を「壁面6」として表すことがある。
内部中空部3内には、電池31、基板30上に搭載されている第一の検知手段7、第二の検知手段8が配備されている。
第一の検知手段7は、当接面10aを眼球又は眼瞼に当接させて押圧部10が眼球又は眼瞼の側に向けて押圧された時の眼球からの反発力Fを連続的に検知する検知手段である。
なお、当接面10aを眼瞼に当接させて押圧部10が押圧されるとき、眼瞼は閉瞼状態でもよい。
図示の実施例では、当接面10aを眼球又は眼瞼に当接させて押圧部10が眼球又は眼瞼の側に向けて矢印21で示す方向に押圧される。これによって、壁面6が、矢印22で示す方向である、内部中空部3に向けてたわむ。これにより内部中空部3の内圧が変化する。この内圧の変化を連続的に検知する検知手段を第一の検知手段7として採用することができる。例えば、第一の検知手段7として圧力センサを採用することができる。
第二の検知手段8は、当接面10aを眼球又は眼瞼に当接させて押圧部10が眼球又は眼瞼の側に向けて押圧された時の押圧部10の眼瞼方向への移動距離Dを連続的に検知する検知手段である。
例えば、加速度センサを第二の検知手段8として採用することができる。
圧力センサからなる第一の検知手段7、加速度センサからなる第二の検知手段8として、ICチップ化された部品を使用し、基板30の上に配置することができる。
測定装置1を用いた眼圧測定は次のようにして行われる。
押圧部10の当接面10aを眼球又は眼瞼に当接させて測定装置1を眼球又は眼瞼の側に向けて押圧する。
例えば、図1における密封構造の計測部2の底面に人間の指を挿脱可能な保持部を取り付けておき、ここに指を挿入して測定装置1を保持しつつ、測定装置1を眼瞼の側に向けて矢印21で示すように押圧する。
あるいは、別途、押圧装置を準備し、この押圧装置によって測定装置1を保持しつつ、測定装置1を眼瞼の側に向けて矢印21で示すように押圧する。例えば、内部に測定装置1が摺動自在に支持されている不図示の押圧装置を人間の左手で被測定者の目の上下、等の目の周囲に固定する。そして、当接面10aが被測定者の眼球又は眼瞼に当接している押圧部10を押圧装置による押圧動作によって眼球又は眼瞼方向に押圧する。
前記の押圧動作は、押圧装置を被測定者の目の周囲に固定している測定者が、右手で行うようにすることもできる。また、被測定者が自分自身の左手で押圧装置をその目の周囲に固定し、その右手で押圧動作を行うようにすることもできる。
当接面10aを当接させる箇所は、眼球の法線方向と当接面10aが垂直になる位置であれば任意の部位でよい。
押圧部10が眼球又は眼瞼の側に向けて押圧されることで壁面6の半径方向における中心側6bが内部中空部3に向けてたわむ。これによって生じる内部中空部3の内圧の変化を第一の検知手段7が連続的に検知する。
同時に、押圧部10が眼球又は眼瞼の側に向けて押圧された時の押圧部10の眼瞼方向への移動距離Dが第二の検知手段8によって連続的に検知される。
第一の検知手段7、第二の検知手段8によって検知された情報は不図示の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)に送られ、そこで、所定の情報処理が行われる。
第一の検知手段7によって検知された内部中空部3の内圧Pの変化から、押圧部10の当接面10aが当接している眼球からの反発力Fが連続的に算出される。これは、不図示の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)が、不図示の不揮発性メモリに格納されている、図12図示の予め把握していた変換式とパラメータを参照して行われる。
加速度センサからなる第二の検知手段8で把握された加速度から押圧部10の眼瞼方向への移動距離Dが連続的に算出される。
押圧開始時に測定装置1を静止させ、そのとき重力加速度が加速度センサのXYZ各軸にかかる加速度を基準値として設定し、押圧開始後は加速度基準値からの差分を各軸について連続的に記録することにより、重力成分を除外して押圧により発生した加速度のみを考慮して押圧部の計測対象物方向への移動距離Dを算出することができる。
図9(a)はX軸を時間、Y軸を測定装置1に備えられている第二の検知手段8を構成する加速度センサの出力:aとしたものである。圧力センサの出力に一定値以上の変動が生じた時点をt=0としている。
当接面10aが、眼球を変形させない程度の強さで眼瞼または眼球に当接した状態を押圧開始点として押圧することが、剛性を線形バネとして扱うために、好ましい。
図9(a)図示の関係を積分することで、図9(b)図示のX軸を時間、Y軸を測定装置1の移動速度:vとする関係が求まる。
更に、図9(b)図示の関係を積分する、すなわち 図9(a)図示の関係を二重積分することで、図9(c)図示のX軸を時間、Y軸を測定装置1の移動距離:Dとする関係が求まる。
この計算も、不図示の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)にて行われる。
引き続き、不図示の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)では、このようにして連続的に把握している眼球からの反発力Fと、測定装置1の眼瞼方向への移動距離Dから、連続的な検知の間における瞬間的なΔF/ΔDの安定した値、すなわち、眼瞼の皮膚側の層(剛性が無視できるほど小さい最表面の層)の影響が少なくなり計測対象物の内部圧力を表すΔF/ΔDの値を把握する。この様子を図10に示した。
そして、図11を参照して上述の実施の形態で説明したように、臨床研究で従来公知の眼圧測定装置で測定していた眼圧と、連続的な検知の間における瞬間的なΔF/ΔDの安定した値との関係から眼圧が導き出される。
この情報処理も、不図示の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)が、不図示の不揮発性メモリに格納されている、図11図示の予め把握していた変換式とパラメータを参照して行われる。
こうして、不図示の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)で情報処理して導き出された眼圧は、例えば、不図示の、測定装置1に配備されている表示手段によって表示させることができる。
また、無線通信手段を測定装置1に配備しておき、情報処理手段で情報処理して導き出された眼圧を、測定装置1を使用して眼圧測定を行っている者が所持している表示端末で表示させることもできる。
結果の出力方法には不図示の、測定装置1に配備されるスピーカやブザーなどの音響部品を用いてもよい。音声フィードバックにより、押圧操作成功・失敗の判定結果、押圧操作失敗の原因、または、測定結果を測定者に知らせることができる。前記表示端末から音声フィードバックしてもよい。
また、密封構造の計測部2の密封を図りながら、シーリングを施した配線(不図示)を計測部2から伸ばして、計測部2の外部の機器で眼圧を表示、出力させることもできる。
上述した第一の検知手段7、第二の検知手段8、不図示の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)、不図示の無線通信手段などを駆動する電力は電池31から供給される。また、電池不使用で外部から無線給電しながら駆動する構成にしてもよい。
上述した情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)、無線通信手段、電池などは、計測部2の外部に配備することもできる。押圧部10の内側を中空構造にして、押圧部10の内側に電池を配備することもできる。また、押圧部10の内側の中空部が内部中空部3と連結するようにし、連結部に電池を配備することもできる。このように、測定装置1がより薄型になるような場所に電池を配備すると、押圧動作の操作性が向上し、加速度センサを使用して押圧部10の計測対象物方向への移動距離Dを求めるときの精度が向上する。計測部2の内部中空部3に電池を配備する形態にしてもよい。
管状体、筒状体、円筒形状体などがICパッケージに付いている圧力センサを使用してもよい。内部中空部3の圧力を圧力センサまで伝える管状の経路を配備できれば、圧力センサを内部中空部3の外側に配置してもよい。
計測部2の内部中空部3内に部品を配備する場合であっても、ICチップ化された部品を使用することで極めて小型な測定装置1にすることができる。
加速度の二重積分により距離を計算する際は、以下の状況が好ましい
(1)加速度のS/N比が大きいこと
(2)加速度のDC(直流)成分が少ないこと
(3)積分時間が短時間であること。
測定装置1を小型にすると、操作性が上がり、かつ、測定者の指による押圧さえも可能となる。測定装置1が小型であると、測定者は自由自在な押圧操作を行えるため、上記の好ましい条件を満たすことができる。
押圧開始から押圧部が矢印21の方向に最も深く移動するまでの時間を300ミリ秒以内、好ましくは200ミリ秒位内の短時間に制限することで、加速度を二重積分して距離を測定する際の、加速度のノイズ(主に直流成分)を積分してしまうことによる距離測定の誤差を小さくすることができる。
測定装置1は小型であるため、指サックのような構造と組み合わせることができ、被測定者が自ら、触診のような感覚で使用でき、操作性に優れるため、加速度の二重積分による距離測定に有利な、上述した300ミリ秒以内、好ましくは200ミリ秒位内の短時間での押圧が可能となる。
さらに、積分開始のタイミングを第一の検知手段7の出力に一定値以上の変動があった時点にすることで、積分時間を最短にし、距離測定の誤差を小さくすることができる。
眼瞼を通した眼圧測定の場合は、眼瞼に当接面10aが触れた状態を押圧部10の押圧開始位置として、押圧部10の移動距離D(押圧の深さ)が最大になるまで、移動距離Dを連続的に検知する。眼圧測定においては、眼球を侵襲しない程度に短い距離で測定できることが好ましい。
眼圧測定装置としてこの発明を実施する場合、1mm程度の移動距離を加速度センサ出力の二重積分により測定することができる。測定される移動距離の絶対値に誤差があっても、以下の理由で問題は改善される。
(1)すべての測定者にとって押圧部10の計測対象物方向への移動距離Dが実際より大きくまたは小さく検知されても、一定の傾向は図11(a)による変換で補正される。また、最終的に計算される眼圧値の日常における相対的な変化を知ることにも価値があり、それには絶対精度は必要ない。
(2)ある測定者の操作の癖により押圧部10の計測対象物方向への移動距離Dの誤差に一定の傾向がある場合、図11(b)もしくは図11(c)における変換により補正される。
第二の検知手段8に使用される加速度センサが3次元の加速度を出力すると、以下の理由により好ましい
(1)加速度センサのXYZ軸と測定装置1のXYZ軸がずれても、加速度センサ出力の複数の軸から成る合成ベクトルで押圧の方向である当接面10aの垂直方向を表現できる
(2)後述するように押圧時に押圧方向のずれ、または測定装置1に回転が生じても補正または押圧操作失敗判定が可能
(3)前述した押圧装置を使用する場合、次に述べるように押圧の方向を合わせやすくなる。
静止時に加速度センサが出力する加速度は、重力加速度だけである。第二の検知手段8に使用される加速度センサにより3次元の加速度を検知すると、押圧前の測定装置1の3次元空間における姿勢を知ることができる。被測定者の姿勢が既知であれば、その姿勢に合うように測定装置1の姿勢を向けることができ、正しい方向への押圧を行いやすくなる。
図1のように基板30に対して加速度センサが水平に実装され、かつ、すべての軸がオフセットを持たない場合、一般的には、加速度センサのZ軸が当接面10aの垂直方向に相当する。以降、当接面10aの垂直方向が加速度センサ出力のZ軸であるものとして説明する。
当接面10aを適切な箇所に適切な角度で当接し、適切な方向へ押圧することが望ましいが、これらが理想でない場合は、当接面10aが斜め方向に並進運動することになり、加速度のX軸とY軸に無視できない大きさの出力が現れる。状況には以下の2種類がある。ここでは、回転成分は無視して考える。回転補正については後述する
(1)当接面10aの当接角度がずれているが、押圧方向は眼球の法線方向である場合
(2)当接面10aの当接角度は適切な状態だが、押圧方向が眼球の法線方向からずれる場合。
壁面6をたわませる反発力のベクトルは、当接面10aの垂直方向の成分である。これが、圧力センサからなる第一の検知手段7が検知する反発力である。当接面10aの垂直方向と加速度センサのZ軸の方向が同一であれば、(1)、(2)両方の場合において、押圧方向のずれがない場合と同様に、加速度センサのZ軸の出力だけを考慮して得られる押圧部10の計測対象物方向への移動距離Dと、圧力センサからなる第一の検知手段7により得られる反発力Fとの関係から、バネ定数ΔF/ΔDを求めればよい。(2)の場合、眼球の法線方向からの反発力はすべて当接面10aの垂直方向にかかるため、(1)と同様の計算を適用できる。(1)、(2)両方の場合において、ずれの角度が大きい場合は、押圧操作失敗とみなしてもよい。このような押圧操作が行われたことを知るために、例えば加速度センサのX軸またはY軸方向への移動距離が一定の閾値より大きいかどうかを判定基準にしてもよい。
当接面10aがどこにも当接していない状態から叩くような押圧を行った場合を押圧失敗として判定するために、加速度の高周波成分に着目して判定してもよい。このような場合、当接面10aが眼瞼に当たる瞬間に衝撃のような高周波の加速度が観測される。当接面10aが眼瞼に当接している状態で押圧部10が眼瞼の方向に押圧されれば、眼瞼および眼球がクッション(機械的なローパスフィルタ)として機能するため、また、通常の押圧操作から出力される加速度の最大値には限度があるため、加速度の出力の高周波側には限度がある。好ましくない押圧操作を押圧失敗として判定するためには、高周波成分も把握する必要があるため、高いデータレートおよび広い周波数帯域の方がよい。その他の好ましくない押圧操作や押圧部10の動きも、検知される加速度波形、圧力波形、または後述する第三の検知手段により得られる押圧時の回転運動から判別できる。そのような押圧操作は失敗とみなし、再測定すればよい。
なお、図示していないが、当接面10aが眼瞼に当接している状態で押圧部10が眼瞼の方向に押圧された際に生じる回転運動を検知するジャイロセンサ等からなる第三の検知手段が更に計測部2に配備されている形態にすることができる。
押圧部10の当接面10aを眼瞼に当接させ、矢印21の方向に押圧する際、押す直前や、押している最中に回転が生じると加速度センサからなる第二の検知手段8に対する重力の向きが変わり、距離測定の誤差要因となる。ジャイロセンサ等からなる第三の検知手段からの出力を不図示の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)での情報処理に利用することで、このような回転が生じてもそれを補正することができる。
回転を補正するためには、第二の検知手段8が3次元の出力を持つ加速度センサであり、かつ、第三の検知手段が3次元の出力を持つジャイロセンサであると、3次元のあらゆる方向の回転が補正できるため好ましい。3次元を構成するために1つのセンサが3軸を持つものを使用してもよいし、複数のセンサにより3軸を構成してもよい。以下では、XYZ3軸を出力する加速度センサおよびジャイロセンサを使用した場合について、測定装置1にかかる重力の向きが回転により変化することに起因する距離測定の誤差を補正する方法を例示する。
押圧部10の押圧時の動きを並進運動と回転運動に分けて考える。まず、押圧開始直前(時刻t)に測定装置1が静止している状態で、測定装置1の3次元空間での姿勢を加速度センサにより把握し、この値をgtとする。静止状態では、加速度センサは重力加速度のみを出力するため、加速度センサの出力から測定装置1の3次元の姿勢を把握できる。
第三の検知手段として使用するジャイロセンサのXYZ各軸の出力を、押圧中は連続的に記録していく。次に、押圧開始時の時刻をtとし、tからtまでの微小時間Δtにおいて、測定装置1が回転した3次元空間における軸と角度をジャイロセンサの出力のみから計算する。この情報と、求めておいた時刻tの測定装置1の姿勢とから、測定装置1の時刻tでの姿勢が求まる。更新された姿勢を基準に前記計算を繰り返す。少なくともバネ定数ΔF/ΔDが安定する時刻(t)まで計算を続け、記録する。各時刻における姿勢がジャイロセンサの出力のみから求まれば、各時刻において加速度センサが各軸に出力する量のうち、重力加速度による成分が求まる。各軸の重力加速度による成分を押圧時の各軸の加速度から引き算すれば、回転および重力の影響を除外した各軸の加速度、つまり押圧部10の計測対象物方向への移動距離Dに寄与する加速度が得られる。なお、3次元空間の剛体の回転は微小時間において考えればXYZ合成ベクトルで表現できる一つの軸への回転として扱えるという考えは、剛体回転に関するオイラーの定理(Euler’s rotation theorem)に基づく。回転角度が大きい場合は、押圧操作失敗とみなし、再び押圧してもよい。
なお、現状では、XYZ3軸の加速度センサと3軸のジャイロセンサとが1つのICパッケージになっているものが市販されている。このようなものを第二の検知手段8および第三の検知手段として採用することもできる。すると、小型に測定装置1を構成することができる。
第一の検知手段7、第二の検知手段8、第三の検知手段のうちいずれか一つ、または複数を用いて、測定装置1の操作を行うためのユーザーインターフェースを構成できる。例えば、測定装置1を二回叩いたとき(加速度センサ使用)に電源オン、Z軸まわりに45度回転して戻すことを二回繰り返したとき(ジャイロセンサ使用)に表示端末との無線通信、押圧部10を眼圧測定よりも短い時間間隔で3回押圧したとき(圧力センサを使用)に過去の測定データを表示する等、一般的なプッシュボタンや静電容量センサによる入力方法の代替となる機能を搭載することができる。
図示していないが、当接面10aは、眼瞼に当接するので、眼瞼の凸湾形状に対応した凹湾形状にすることができる。また、測定装置1によって内部圧力を測定する計測対象物の表面の形状・形態に対応し、もっともよい当接状態になる形状・形態の当接面10aにすることが望ましい。
図1の実施形態では、計測部2、押圧部10は、図1の上側から下側に向かって見たときにいずれも円形形状で、測定装置1の全体は、円筒状体である。計測部2を外径10mm〜20mm、高さ方向の大きさ2mm〜10mmにすることができる。
押圧部10の厚み及び、押圧部後端側10bの高さ(上下方向の大きさ)は、これらのサイズによって、当接面10aを眼瞼に当接させて測定装置1を矢印21方向に押圧した際、半径方向における外周側部分6aが眼瞼の周囲に接触しない程度になる高さにしておくことが望ましい。
図1図示の実施形態では、半径方向における中心側6bが、半径方向における外周側部分6aよりも、図1において下側に窪んでいる階段状構造になっている。そして、半径方向における中心側6bの外側に押圧部後端側10bが立設されている。そこで、上下方向の高さ、厚みを抑えた構造の測定装置になっている。
計測部2、押圧部10は、図1の上側から下側に向かって見たときの形状は円形でなくてもよい。
計測部2の全体は、例えば、合成樹脂製にすることができる。上述したように、押圧部10が立設されている半径方向における中心側6bは、当接面10aが、測定装置1によって眼圧測定が行われる眼瞼に当接している状態で押圧部10が矢印21で示すように押圧された際に眼球からの反発力に応じて、矢印22で示す、内部中空部3の側に向かってたわむ構造になっている。
そこで、壁面6の半径方向における中心側6bについては、このたわみが可能なように厚みが少ない薄板状のものにすることが望ましい。
壁面6をたわみやすくするために、図1、図3、図4のように、押圧部後端側10bの面積を当接面10aの面積より小さくし、押圧部10が壁面6に接する面積を小さくしてもよい。
図1図示の実施形態では、半径方向における中心側6bの部分の肉厚を、半径方向における外周側部分6aの部分の肉厚より小さくしている。
壁面6の全体を半径方向における中心側6bの部分の肉厚と同じ肉厚にすることもできる。
ただし、壁面6の矢印22で示す内部中空部3の側に向かっての変形が大きいと、これが、第二の検知手段8による、押圧部10の眼瞼方向への移動距離Dの検知に影響を与えることになる。
第二の検知手段8によって検知される計測部2の押圧時の計測対象物方向へ移動距離と、壁面6が内部中空部3に向けてたわむ距離との差が、押圧部10の押圧時の計測対象物方向へ移動距離となる。
そこで、ICチップ化されている第一の検知手段7、第二の検知手段8を使用することで、内部中空部3を極めて小さくできるため、壁面6の変形量が微小であっても、反発力Fの変化の検知に必要な内部中空部3の内圧の変化を発生させることができる。
さらに、壁面6のたわみ量を微小にできるため、第二の検知手段8を押圧部10ではなく基板30に配置することができる。
壁面6のたわみ量が微小でも反発力Fの変化を検知できるため、反発力Fの精度を上げるために深い押圧をする必要はない。よって、測定装置1を眼圧測定装置として使用する場合には非侵襲であることに貢献する。
壁面6のたわみ量を微小にできることにはもう一つの利点がある。図12は原点付近は線形であるが、押圧が深くなるほど非線形となる。非線形の要因には壁面6の部材の特性によるものと、押圧動作中に上昇した内部中空部3の圧力が壁面6を押し戻す力とが考えられる。いずれも図12の変換により対応できるが、この実施例では、内部中空部3が小型であるため、壁面6のたわみ量が微小でも第一の検知手段7で検知するために十分な大きさの内部中空部3の内圧の変化が発生する。たわみ量が微小であれば、図12の非線形性の一つの要因である壁面6の部材の特性の影響を小さくできる。押圧動作中に上昇した内部中空部3の内圧が壁面6を押し戻す力の影響を抑えて、図12の原点付近の線形領域を使用するためには、なるべく小さい内圧の変化により反発力を検知できるとよい。そのために第一の検知手段7は低ノイズであることが望ましい。押圧開始から押圧深さが最大になる押圧終了までの区間で図12の原点付近の線形領域を使うことができれば、図12を用いた変換が単純になる。壁面6のたわみは、壁面6の部材または厚さにより選択することができる。
この実施例のように、押圧部10の矢印21方向への移動に伴う眼球からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段7が、内部中空部3に配備されている圧力センサの場合、圧力センサからなる第一の検知手段7による圧力変動の検出をより正確、確実に行う上で、壁面6以外の構造部分(底面、筒状壁面4)は剛構造にしておくことが望ましい。例えば、底面、筒状壁面4は、半径方向における外周側部分6aよりも肉厚にしておくことができる。
上述した剛構造を採用していると、図11および図12における変換が単純になるので有利である。
また、図1において測定装置1の下側に指サックのような保持手段を配備し、これに測定装置1を使用して、被測定者が自らの指を当該指サック状の保持手段に挿入して測定装置1を自ら眼球又は眼瞼の側に向けて押圧するような場合にも上述した剛構造を採用していると有利である。
この場合、指と指サック状の保持手段の当接面との間、壁面6と眼球又は眼瞼との間で押圧部10を介して力のやり取りが発生する。このときに、上述した剛構造を採用していると指と指サック状の保持手段の当接面との間での力のやり取りを完全に無視し、密封構造体の複数の壁面のうち、壁面6のたわみ量だけが内部中空部3の圧力変化に影響するとみなすことができる。
壁面6は、例えば、合成樹脂製にすることができる。
なお、壁面6の曲げ剛性は、温度や、内部中空部3と外部との圧力差の影響を受ける。
そこで、圧力センサからなる第一の検知手段7での検出結果から不図示の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)によって反発力Fを算出する際の精度を向上させる目的で、温度や、押圧前の内部中空部3と外部との圧力差が考慮されるように、眼圧測定前に、不図示の温度センサや不図示の外部圧力を測定する圧力センサの出力をメモリに保存しておき、これらが参照されて補正計算を含めた情報処理が行われるようにすることができる。
壁面6の曲げ剛性が温度依存性を持つ場合、温度補正をすることが好ましい。壁面6の表面温度を測る代わりに、基板30に温度センサ(不図示)を実装し測定するか、第一の検知手段7または第二の検知手段8に内蔵される温度センサ(内蔵される場合)の出力を読み取り、補正に使用してもよい。
他に壁面6の曲げ剛性に影響を与える要因として、内部中空部3が密封構造体であり、かつ、製造場所と使用場所の標高が大きく異なる場合や天候により大気圧が大きく変動する場合などに、押圧前に既に発生している内部中空部3と外部との圧力差などが考えられる。常に内部中空部3と外部との圧力差を把握し、補正計算をするために、大気圧との差圧を出力するセンサ(ゲージ圧センサ)を第一の検知手段7に使用してもよい。ゲージ圧センサを使用する場合はセンサを内部中空部と外部との両方に露出する必要があるが、内部中空部3の外部に大気圧を測定するための絶対圧センサを別途配備する必要がなくなる。
また、測定時の内部中空部3と外部との圧力差が大きい場合に、圧力差を無視できるほど小さくするために、穴と栓を計測部2に設置してもよい。
栓を計測部2に装着した状態で計測部2が密封構造となるように、栓はゴム素材にしてもよい。測定前に栓を穴から抜いて、戻せば、反発力の計算において内部中空部3と大気圧との圧力差が壁面6の曲げ剛性に与える影響を無視できる程度まで小さくできる。
密封構造の計測部2に微小な穴(スルーホール)により通気を確保することにより、測定装置1の使用前には内部中空部3と外部との圧力が平衡し、押圧動作前の内部中空部3と大気圧との圧力差が壁面6の曲げ剛性に与える影響を考慮する必要がなくなる。
防水・防塵性能を与えるための膜(ベントフィルタ)を前記スルーホールを覆うように貼り付けてもよい。すると、押圧動作前の内部中空部3と大気圧との圧力差が壁面6の曲げ剛性に与える影響を考慮する必要がなくなり、さらに、測定装置1に防水・防塵性能を持たせることができる。
スルーホールだけの場合、さらにベントフィルタを追加する場合、いずれの場合も、計測部2は、完全密封構造ではなくなり通気性能を持つ。この通気により、図9(d)の圧力上昇波形に対して機械的なハイパスフィルタがかかり、点線の波形になる。押圧開始から押圧深さが最大になる押圧終了までの時間を短くすることにより、内部中空部の気体が漏れる前に内圧が変化し、連続的な反発力の測定への通気の影響が低減される。通気が原因で、図12の変換に誤差が発生しても、その誤差には傾向があるため、図11における変換でその誤差は補正される。
密封構造の計測部2に通気性能を持たせる場合、第一の検知手段7として絶対圧を出力する圧力センサを採用し、内部中空部3の内側に配備してもよい。真空(0hPa)を基準とした圧力を出力するものを絶対圧センサとして定義する。第一の検知手段7としての絶対圧センサ、第一の検知手段8としての加速度センサ、第三の検知手段としてのジャイロセンサに、MEMSとしてICパッケージで提供されるものを使用すると、小型かつ低コストに測定装置1を構成することができる。
第一、第二、第三の検知手段ともに、複数のセンサを使用して各センサの出力の平均値を用いてノイズを低減してもよい。
密封構造の計測部2に通気性能を与える場合、通気量の選択方法は、スルーホールの大きさの選択によるものでもよいし、ベントフィルタの種類の選択によるものでもよい。
密封構造体の通気部分以外の密封方法は、接着剤、溶接、Oリング、またはガスケットなど、種々の方法を利用してよい。
この実施例のように加速度センサと絶対圧センサを採用する場合、高さ方向の移動も測定できる活動量計を付加機能として眼圧測定装置に搭載することができる。眼圧の日常における変動を知るために測定装置1を利用する場合、測定装置1の使用者は外出時に測定装置1を携帯することになるため、携帯性に優れた非常に小型の眼圧測定装置と活動量計とは相性が良い。
測定装置1をケースに入れずに直接ポケットの中に収納して移動する状況では、内部中空部3の変形により圧力センサ出力が意図せず変化し、活動量として高さ方向の移動を測定する目的にとっては誤差となるため、計測部2に設置する穴やベントフィルタの通気量は多い方がよい。通気量が多いと、内圧と外圧が平衡するまでの時間が短い。
ところが、計測対象物からの反発力の検知のためには、通気量は少ない方がよい。通気量が少ないと、9(d)図示の圧力波形のS/N比が向上し、圧力波形における低周波数側の帯域が広がり、反発力の検知が正確になる。トレードオフを考慮し適切な通気量を選択するべきである。
図2〜図5は、図1を用いて説明した測定装置1の他の実施形態を説明するものである。図1を用いて説明した構造と共通する部分には同一の符号をつけてその説明を省略する。
図2図示の測定装置1は、計測部2における底面5の外側(図2における下側)に保持手段11を備えているものである。
図示の保持手段11は、図2(c)図示のように、人間の手の指の先端が挿入される筒状の中空部12を備えている。測定装置1を使用する者が筒状の中空部12に指を挿入した状態で測定装置1を保持し、押圧部10の当接面10aを眼瞼に当接させ、矢印21で示すように測定装置1を押圧することができるので取り扱いが容易になる。
人間の手の指の先端が挿入される筒状の中空部を備えている保持手段11の形態としては、例えば、紙の枚数を数える際に指の先端に装着する指サックのような構造のものやベルトで縛って指に装着する構造のものを例示できる。指サック状の保持手段11の指が挿入される部分は伸縮性のある素材にできる。ベルトの素材に伸縮性を持たせてもよい。
保持手段11の筒状の中空部における指が当接する箇所を指の形状に対応した凹湾形状にすることで安定して保持できるようになる。
なお、図2(a)では、矢印22で示す内部中空部3方向へのたわみ変形を考慮して、底面5、筒状壁面4より壁面6の肉厚を薄くしている。
図3、図4では、図1と同様に、径の細い押圧部後端側10bを介して押圧部10が壁面6の上に立設されている。
細径の押圧部後端側10bを介して押圧部10が壁面6上に立設されていることで、押圧部10の当接面10aを眼瞼に当接させ、矢印21で示す方向に測定装置1を押圧した際、矢印22方向への壁面6の変形が生じやすくなる。
図3では図1、図2と同様に、第二の検知手段8は、電池31、基板30上に搭載されている。これに替えて、破線で示したように、壁面6の上に押圧部10が立設されている位置における壁面6の内側面に第二の検知手段8が配備されている構造にすることもできる。
底面5側の基板30の上に配置されている第一の検知手段7は、図1、図2図示の実施形態で説明したものと同じく、壁面6が、内部中空部3に向けてたわむことにより変化する内部中空部3の内圧を連続的に検知する検知手段である。また、この場合の第二の検知手段8は、図1、図2図示の実施形態で説明したものと同じく、当接面10aを眼球又は眼瞼に当接させて押圧部10が眼球又は眼瞼の側に向けて押圧された時の押圧部10の眼瞼方向への移動距離Dを連続的に検知する検知手段である。
図1図示の実施形態では、第二の検知手段8は計測部2全体の移動距離を検知することになる。
上述したように、反発力Fによって、壁面6が矢印22で示す内部中空部3方向に変形、たわむ大きさは、極めて小さなものでよい。
第二の検知手段8が、計測部2全体の移動距離を検知している図1図示の実施形態では、極めて小さいとはいえ、壁面6(半径方向における中心側6b)が矢印22で示す内部中空部3方向に変形、たわむことを考慮して、押圧部10の眼瞼方向への移動距離を検知してもよい。
壁面6の上に押圧部10が立設されている位置における壁面6の内側面に加速度センサからなる第二の検知手段8が配備されている構造にすると、押圧部10の眼瞼方向への移動距離を検知する上で有利になる。
この場合、第二の検知手段8をフレキシブルプリント基板(FPC)に実装してもよい。
図4、図5図示の構造は、図1図示の構造と同じく、測定装置1の上下方向の高さを抑えることのできる構造になる。
図3、図4、図5でも、矢印22で示す内部中空部3方向への変形、たわみを考慮して、底面5、筒状壁面4より壁面6の肉厚を薄くしている。
また、図4、図5のように、壁面6を図1図示の実施形態のように半径方向における中心側部分と、半径方向における外周側部分との階段状構造にする場合、図1図示の実施形態で説明したように、たわみ変形を考慮してそれぞれの部分における厚みを調整することができる。
以上の図1〜図5図示の実施形態では、押圧部10の押圧部後端側10bが計測部2の一つの壁面の外側に立設されている構造で説明している。これに替えて、後述する実施例5で説明するように、図1〜図5図示の実施形態において押圧部10と計測部2とを別体にすることもできる。
この実施例について、測定装置1の小型化がもたらす効果の好循環をまとめる。測定装置1を小型に構成するほど、押圧時の操作性が向上し、上述した、加速度の二重積分により距離を計算する際に好ましい状況が得られるため、加速度センサを使用して移動距離Dを検知することができる。その加速度センサには小型のものが入手可能であり、測定装置1のさらなる小型化に貢献する。また、操作性が良いと、押圧時の回転が少ないため、回転による重力の向きが加速度センサの出力に与える影響が少ない。さらに、操作性が良いと非侵襲であることに貢献するため、被測定者が自ら眼圧を測定する用途に測定装置1は適している。測定装置1を小型化して内部中空部3を小さくするほど、壁面6のたわみ量が少なくても大きなの圧力変化が発生し、圧力センサ出力のS/N比が向上する。圧力センサが低ノイズのものであれば、より少ないたわみ量で反発力を検知できるうえ、図12の線形領域が使える。その圧力センサには小型のものが入手可能であり、測定装置1のさらなる小型化に貢献する。
図6、図7は、図1、2図示の測定装置1の他の実施例を説明するものである。図1、図2図示の実施例と共通する部分には共通する符号を付してその説明を省略する。
図6、図7図示の測定装置1の計測部2は、密封構造ではなく、単に、内側に内部中空部3を備えているだけの中空構造体になっている。
図6において、押圧部10は、図1の実施形態が備えていた押圧部後端側10bを介さずに、直接、壁面6の上に立設されている。押圧部10の押圧部後端側が、中空構造体の一つの壁面6の外側に立設されている構造である。
図6図示の実施形態では壁面6の内側面に第一の検知手段7aが配備されている。
第一の検知手段7aは、壁面6の外側面に配備してもよい。
第一の検知手段7aは、当接面10aを眼球又は眼瞼に当接させて押圧部10が眼球又は眼瞼の側に向けて押圧されることで壁面6が内部中空部3に向けてたわむ量を連続的に検知することで上述した反発力Fを連続的に検知するものである。
例えば、第一の検知手段7aは、壁面6に設置して壁面6のたわみ量に応じて抵抗が変化する可変抵抗を採用してたわみ量を連続的に検知する検知手段である。可変抵抗の一例としては抵抗を連続的に測定するひずみゲージを挙げることができる。
図7は、図6図示の実施形態とは異なる形式の第一の検知手段が採用されている場合を説明するものである。
壁面6が内部中空部3に向けてたわむことで壁面6の内部中空部3に面する内壁面と、これに対向する底面5の内壁面との間の距離に変動が生じることを連続的に検知する検知手段を採用している。例えば、壁面6の内壁面と、底面5の内壁面との間の距離に応じて電気的特性が変化する素子である。
図7では、壁面6の内壁面に電極7dが、これに対向する底面5の内壁面に電極7eがそれぞれ配備されている。壁面6が内部中空部3に向けてたわむことで両電極の間の静電容量が変化することを連続的に検知して、上述した反発力Fを連続的に検知することができる。
この実施例でも、図12図示のように、第一の検知手段で測定する壁面6が内部中空部3に向けてたわむたわみ量に応じたひずみゲージの出力や静電容量変化量などと、反発力Fとの関係をあらかじめ得ておく。この関係は中空構造体の形状と部材によって異なる。そして、あらかじめ得ておいた所定の関係、情報に基づき、引き続いて、所定の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)で、上述した図10、11を用いて説明した情報処理を行い、前記測定装置により眼圧を測定することができる。上述した図10、11、12を用いて説明した情報処理及び、第一の検知手段で測定する壁面6が内部中空部3に向けてたわむたわみ量に応じたひずみゲージの出力や、静電容量変化量と反発力Fとの関係から反発力Fを求める情報処理に必要なアルゴリズム、変換式、およびパラメータは、記憶部(例えば、マイクロコントローラ内蔵の不揮発性メモリ)に格納されていて参照される。
図6、図7では、矢印22で示す内部中空部3方向へのたわみ変形を考慮して、底面5、筒状壁面4より壁面6、壁面6bの肉厚を薄くしている。
なお、この実施例においても、壁面6、壁面6bのたわみ量は押圧部10の眼球又は眼瞼方向への移動距離に比べて無視できるほど小さくできる。そこで、第二の検知手段8を押圧部10ではなく基板30に配置することができる。
その他の動作、機能については実施例1で説明したものと同一であるので説明を省略する。
なお、図6、7図示の実施形態では、押圧部10は計測部2に固定されているが、これに替えて、後述する実施例5で説明するように、図6、図7図示の実施形態において押圧部10と計測部2とを別体にすることもできる。
図8は、眼圧測定装置として使用される本発明の測定装置の他の例を説明するものである。
図1を用いて説明した構造と共通する部分には同一の符号をつけてその説明を省略する。
図8図示の眼圧測定装置では壁面6の中央に透孔が設けられている。この透孔には、押圧部後端側10bが摺動自在に装入されている。これによって、押圧部10の押圧部後端側10aは、計測部2によって摺動自在に支持されている。
計測部2の内部で基板30上に形成されている第一の検知手段32は、押圧部10の後端に当接する構造になっている。
第一の検知手段32としては、フォースセンサ、感圧センサ、ロードセル、容量センサなど、当接面10aを眼瞼に当接させて押圧部10が矢印21で示す方向に押圧された時の眼球からの矢印22方向への反発力Fを連続的に検知できるものであれば、種々のものを採用することができる。
この実施例でも、図12図示のように、第一の検知手段32を構成する上述の各種センサからの出力と、反発力Fとの関係をあらかじめ得ておく。
実施例1では、第一の検知手段7によって検知された内部中空部3の内圧の変化から、図12図示の関係に基づき、眼球からの反発力Fが算出された。実施例2では、第一の検知手段によって検知された壁面6のたわみ量に応じたひずみゲージの出力や静電容量変化から、図12図示の関係に基づき、眼球からの反発力Fが算出された。実施例3では、第一の検知手段32で検知した出力から、図12図示の関係に基づき、眼球からの反発力Fが算出される。
すなわち、この実施例でも、図12図示の関係、情報に基づき、引き続いて、所定の情報処理手段(例えば、マイクロコントローラ)で、上述した図10、11を用いて説明した情報処理が行われ、前記測定装置により眼圧を測定することができる。上述した図10、11、12を用いて説明した情報処理に必要なアルゴリズム、変換式、およびパラメータは、記憶部(例えば、マイクロコントローラ内蔵の不揮発性メモリ)に格納されていて参照される。
この実施形態では当接面10aを眼球又は眼瞼に当接させて押圧部10が眼球又は眼瞼の側に向けて押圧されることで壁面6が内部中空部に向けてたわむ量を検知する必要はない。そこで、実施例1、2のようにたわみ変形を考慮して壁面6の部材を選択する必要はなくなる。
押圧部10を眼球又は眼瞼方向へ押圧した際に、眼球からの反発力Fによって押圧部10が図8中の下向きに移動する距離は、押圧部10の眼球又は眼瞼方向への移動距離に比べて無視できるほど小さい。そこで、第二の検知手段8を押圧部10ではなく基板30に配置することができる。
その他の動作、機能については実施例1で説明したものと同一であるので説明を省略する。
図13は、眼圧測定装置として使用される本発明の測定装置の他の例を説明するものである。図13(a)、(b)図示の実施形態は、押圧部の先端から押圧部の後端に向かう方向に押圧部が移動できるように押圧部が計測部によって移動自在に支持されている構造の一実施形態ということができる。
図2を用いて説明した構造と共通する部分には同一の符号をつけてその説明を省略する。図13(a)および図13(b)図示の眼圧測定装置では壁面6は、たわまない。
図13(a)、(b)図示の実施形態が図1〜図7図示の実施形態と異なる点は、内部中空部3の体積を変化させるのが壁面6のたわみではないところである。また、後述するように、計測部2を構成する一つの壁面6が、実施例1〜3における押圧部10の役割を果たすものになっている点が図1〜図7図示の実施形態と異なっている。
図13(a)、(b)図示の実施形態では計測部2を構成する一つの壁面6は矢印22方向に向かう押圧力を受けてもたわむことのない剛性を有する部材から構成されている。
図13(a)、(b)図示の実施形態では、計測部2の筒状壁面4の内側に筒状支持部4aが配備されていて、筒状支持部4aによってOリング33が支持されている。Oリング33の上側に配置されている壁面6は、図面中、筒状壁面4内を上下方向に移動可能になっている。内部中空部3がOリング33によって密封されている構造である。
図13(a)において測定装置1が矢印21で示すように計測対象物(眼球又は眼瞼)の方向に押圧されると、壁面6も矢印21で示すように計測対象物(眼球又は眼瞼)の方向に向かって押圧される。これに伴って、壁面6は、矢印22で示すように、内部中空部3方向に移動する(沈み込む)。これによる内部中空部3の体積の変化、内圧の変化から、第一の検知手段7によって計測対象物からの反発力が連続的に検知される点は上述した実施例1の場合と同様である。
図13(b)において押圧部材に相当する壁面6が内部中空部3方向に移動する(沈み込む)ことによる内部中空部3方向へ移動する距離が第一の検知手段7によって連続的に検知される点は上述した実施例2の場合と同様である。
図13(a)、(b)において第二の検知手段8による検知動作は実施例1〜3の場合と同様である。そこで、これらの説明を省略する。
前記では、密封するための構造に弾性を持たせ、密封構造と弾性体とを兼用する密封部材としてOリング33を用いて内部中空部3を密封構造にしていた。Oリングに替えて、ガスケットなどの弾性体、または筒状支持部4aによって支持され筒状壁面4の内周に沿って配備されるバネを用いることもできる。なお、バネを使用する場合は側面を伸縮性のある素材や構造にして密封することができる。また、スピーカーコーンや楽器のアコーディオンの伸び縮みする部分のような蛇腹構造体を用いることもできる。いずれも、壁面6が、矢印22で示すように、内部中空部3方向に移動する(沈み込む)ときの内部中空部3の体積変化を可能にし、なおかつ内部中空部3の密封を図れるものである。
図13(b)が図13(a)と異なる点は、図7のように電極7dと電極7eとで第一の検知手段を構成している点である。図13(b)では電極7eは支持台7fに支持されている。支持台7fの厚みを調整することで電極7dと電極7eとの間の間隔を狭くし、大きい静電容量を得ることができる。
図13(a)、(b)の実施形態では、実施例1〜実施例3で説明したような、押圧部後端側10bが計測部2によって支持される押圧部10は図示されていない。これは、計測部2を構成する一つの壁面6が、実施例1〜3における押圧部10の役割を果たすものになっているからである。
図13(a)、(b)図示の実施形態の場合、押圧部に相当する壁面6の図面中の左右方向のサイズを10mm程度にすることができる。人間の指の腹に計測部2の下側を載せて眼圧測定することが可能である。
その他の動作、機能については実施例1〜実施例3で説明したものと同一であるので説明を省略する。
図14は、実施例4(図13(a)、(b))のように、計測部2を構成する一つの壁面6を、図面中で矢印22方向に向かう押圧力を受けてもたわむことのない剛性を有する部材から構成すると共に、押圧部10も備えている構成にしたものである。
押圧部10と、計測部2とが別体になっている実施形態でもある。
図14中、符号2で示されている計測部を上述している第一の検知手段7、第二の検知手段8の機能を有している計測部としている。また、不図示の取り付け、取り外し手段によって、押圧部10の押圧部後端側10bを、計測部2の壁面6の外側に対して取り付け、取り外し可能にしている。
その他、図2、図13(a)、(b)を用いて説明した構造と共通する部分には同一の符号をつけてその説明を省略する。
押圧部10と、計測部2とを別体にし、押圧部10の押圧部後端側10bが計測部2に対して取り付け、取り外し可能な構造になっている構造としては、押圧部10の押圧部後端側10bが計測部2に支持される形態として、押圧部後端側10bを壁面6の外側に装着する構造を採用できる。
例えば、粘着テープ、吸着シート、計測部2と押圧部10の間の磁力、押圧部10の底面に配備する吸盤など、種々のものを使用することができる。押圧部10を壁面6の中央に装着するために、装着位置の目印をあらかじめ壁面6に記しておくことができる。
第一の検知手段7、第二の検知手段8の機能を有している計測部2としてはこのような機能を有している電子・電気機器を例示することができる。この場合の電子・電子機器としては、例えば、圧力センサや加速度センサを配備したスマートウォッチやスマートフォンを例示することができる。そして、この場合、壁面6は当該電子・電気機器のディスプレイ画面になる。装着位置を表示することができるので有利である。第一の検知手段の実現方法は圧力センサに限らず、実施例1から実施例3に挙げた種々のものを使用することができる。
図14の実施形態では、図14における左右方向のサイズをスマートウォッチのサイズである数cm程度とし、先端が眼球又は眼瞼に当接される押圧部10のサイズを直径10mm程度にすることができる。
その他の動作、機能については実施例1〜4で説明したものと同一であるので説明を省略する。
なお、この実施例5で説明したように、押圧部10と、計測部2とを別体の構成にすることは実施例1、実施例2の実施形態においても採用可能である。すなわち、壁面6のたわみによって内部中空部3の体積を変化させる実施例1の実施形態(内部中空部3の内圧変化を利用)、実施例2の実施形態(たわみ量を静電容量変化などに反映させる)においても、押圧部10と、計測部2とを別体にすることが可能である。そこで、この実施例5で説明したように、スマートウォッチやスマートフォンのディスプレイ画面に押圧部10を取り付け取り外し可能にし、実施例1、2の実施形式で眼圧などの測定を行うことが可能である。
以上、本発明の実施形態及び、添付図面を参照した実施例の説明を行ったが、本発明は上述した実施の形態及び実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々に変更可能である。

Claims (24)

  1. 押圧部と、計測部とを備えていて計測対象物の内部圧力又は剛性を測定する測定装置であって、
    前記押圧部は、前記計測対象物の表面に当接する当接面を先端に備えていて、
    前記計測部は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の
    前記計測対象物からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段と、
    前記押圧部が前記計測対象物方向へ移動する移動速度、
    前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度、
    前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離
    の中のいずれか一つを連続的に検知する第二の検知手段と
    前記第一の検知手段で検知した前記反発力Fと、前記第二の検知手段で検知した前記移動速度、前記加速度、前記移動距離の中の何れかから把握した前記移動距離Dとの微小時間(Δt)における変化分ΔF/ΔDから前記内部圧力又は剛性を測定する測定部と
    を備えており、
    前記計測部は内側に内部中空部を備えている中空構造体からなり、
    前記押圧部は前記押圧部の前記先端に対向する側である押圧部後端側が前記中空構造体の一つの壁面の外側に支持されており、
    前記第一の検知手段は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けてたわむ量を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する、又は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けてたわむことで生じる前記内部中空部の内圧の変化を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する
    測定装置。
  2. 前記中空構造体は、
    密封構造体、前記内部中空部と外部空間との間を連通する孔を備えている中空構造体、前記内部中空部と外部空間との間に通気性のある膜が配備されている中空構造体の中のいずれかである
    請求項1記載の測定装置。
  3. 前記押圧部と前記計測部とは別体で、前記押圧部の前記押圧部後端側が前記計測部に対して取り付け、取り外し可能になっている
    請求項1又は2記載の測定装置。
  4. 押圧部と、計測部とを備えていて計測対象物の内部圧力又は剛性を測定する測定装置であって、
    前記押圧部は、前記計測対象物の表面に当接する当接面を先端に備えていて、
    前記計測部は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の
    前記計測対象物からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段と、
    前記押圧部が前記計測対象物方向へ移動する移動速度、
    前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度、
    前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離
    の中のいずれか一つを連続的に検知する第二の検知手段と
    前記第一の検知手段で検知した前記反発力Fと、前記第二の検知手段で検知した前記移動速度、前記加速度、前記移動距離の中の何れかから把握した前記移動距離Dとの微小時間(Δt)における変化分ΔF/ΔDから前記内部圧力又は剛性を測定する測定部と
    を備えており、
    前記計測部は内側に内部中空部を備えている中空構造体からなり、
    前記押圧部は前記内部中空部の側に向けて移動できるように前記中空構造体に移動自在に支持されていて、
    前記第一の検知手段は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記押圧部が前記内部中空部に向けて移動する量を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する
    測定装置。
  5. 前記第一の検知手段は、前記押圧部の前記先端に対向する側である押圧部後端側が前記内部中空部の側に向かう方向で前記第一の検知手段に当接することで前記反発力を連続的に検知する
    請求項4記載の測定装置。
  6. 押圧部と、計測部とを備えていて計測対象物の内部圧力又は剛性を測定する測定装置であって、
    前記押圧部は、前記計測対象物の表面に当接する当接面を先端に備えていて、
    前記計測部は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の
    前記計測対象物からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段と、
    前記押圧部が前記計測対象物方向へ移動する移動速度、
    前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度、
    前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離
    の中のいずれか一つを連続的に検知する第二の検知手段と
    前記第一の検知手段で検知した前記反発力Fと、前記第二の検知手段で検知した前記移動速度、前記加速度、前記移動距離の中の何れかから把握した前記移動距離Dとの微小時間(Δt)における変化分ΔF/ΔDから前記内部圧力又は剛性を測定する測定部と
    を備えており、
    前記計測部は内側に内部中空部を備えている中空構造体からなり、
    前記押圧部は前記先端に対向する側である押圧部後端側が前記中空構造体の一つの壁面の外側に支持されていて、
    前記第一の検知手段は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記押圧部が前記内部中空部に向けて移動することで生じる前記内部中空部の内圧の変化を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する、又は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けて移動する量を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する、又は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けて移動することで生じる前記内部中空部の内圧の変化を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する
    測定装置。
  7. 前記一つの壁面は前記内部中空部の側に向けて移動できるように前記中空構造体に移動自在に支持されていている
    請求項6記載の測定装置。
  8. 前記押圧部と前記計測部とは別体で、前記押圧部の前記押圧部後端側が前記計測部に対して取り付け、取り外し可能になっている
    請求項6記載の測定装置。
  9. 計測部を備えていて計測対象物の内部圧力又は剛性を測定する測定装置であって、
    前記計測部は、
    内側に内部中空部を備えている中空構造体からなり、前記中空構造体を形成している複数の壁面の中の一つの壁面は前記中空部内に向けて移動できるように前記中空構造体に移動自在に支持されていて、当該一つの壁面の内側面が前記内部中空部に面し、外側面が前記計測対象物の表面に当接する当接面を形成していて、
    前記外側面からなる当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記一つの壁面が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の
    前記計測対象物からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段と、
    前記一つの壁面が前記計測対象物方向へ移動する移動速度、
    前記一つの壁面の前記計測対象物方向への移動における加速度、
    前記一つの壁面の前記計測対象物方向への移動距離
    の中のいずれか一つを連続的に検知する第二の検知手段と
    前記第一の検知手段で検知した前記反発力Fと、前記第二の検知手段で検知した前記移動速度、前記加速度、前記移動距離の中の何れかから把握した前記移動距離Dとの微小時間(Δt)における変化分ΔF/ΔDから前記内部圧力又は剛性を測定する測定部と
    を備えており、
    前記第一の検知手段は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記一つの壁面が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けて移動することで生じる前記内部中空部の内圧の変化を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する、又は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記一つの壁面が前記計測対象物の側に向けて押圧されることで前記一つの壁面が前記内部中空部に向けて移動する量を連続的に検知することで前記反発力を連続的に検知する
    測定装置。
  10. 前記中空構造体は、
    密封構造体、前記内部中空部と外部空間との間を連通する孔を備えている中空構造体、前記内部中空部と外部空間との間に通気性のある膜が配備されている中空構造体の中のいずれかである
    請求項6又は9記載の測定装置。
  11. 前記中空構造体が密封構造体で、
    前記中空構造体を密封する密封部材が弾性を有し、前記押圧部が前記内部中空部の側に向かう方向に移動することで生じる前記内部中空部の体積変化を前記密封部材が可能にする
    請求項6記載の測定装置。
  12. 前記中空構造体が密封構造体で、
    前記中空構造体を密封する密封部材が弾性を有し、前記一つの壁面が前記内部中空部の側に向かう方向に移動することで生じる前記内部中空部の体積変化を前記密封部材が可能にする
    請求項9記載の測定装置。
  13. 前記計測部が、前記第一の検知手段と、前記第二の検知手段とを備えている電子・電気機器である請求項1、4、6、9のいずれか一項に記載の測定装置。
  14. 前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時に前記押圧部に生じる回転運動を連続的に検知する第三の検知手段を更に備えている請求項1、4、6のいずれか一項に記載の測定装置。
  15. 前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記一つの壁面が前記計測対象物の側に向けて押圧された時に前記一つの壁面に生じる回転運動を連続的に検知する第三の検知手段を更に備えている請求項9記載の測定装置。
  16. 第二の検知手段に対する重力の向きの変化を連続的に検知する第三の検知手段を更に備えている請求項1、4、6、9のいずれか一項に記載の測定装置。
  17. 押圧部と、計測部を備えていて計測対象物の内部圧力又は剛性を測定する測定装置であって、
    前記押圧部は、前記計測対象物の表面に当接する当接面を先端に備えていて、
    前記計測部は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の前記計測対象物からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段と、
    前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度を連続的に検知する第二の検知手段と、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時に前記押圧部に生じる回転運動を連続的に検知する第三の検知手段と、
    前記第一の検知手段で検知した前記反発力Fと、前記第二の検知手段で検知した前記加速度から把握した前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離Dとの微小時間(Δt)における変化分ΔF/ΔDから前記内部圧力又は剛性を測定する測定部
    を備えている測定装置。
  18. 押圧部と、計測部を備えていて計測対象物の内部圧力又は剛性を測定する測定装置であって、
    前記押圧部は、前記計測対象物の表面に当接する当接面を先端に備えていて、
    前記計測部は、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記押圧部が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の前記計測対象物からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段と、
    前記押圧部の前記計測対象物方向への移動における加速度を連続的に検知する第二の検知手段と、
    第二の検知手段に対する重力の向きの変化を連続的に検知する第三の検知手段と、
    前記第一の検知手段で検知した前記反発力Fと、前記第二の検知手段で検知した前記加速度から把握した前記押圧部の前記計測対象物方向への移動距離Dとの微小時間(Δt)における変化分ΔF/ΔDから前記内部圧力又は剛性を測定する測定部
    を備えている測定装置。
  19. 計測部を備えていて計測対象物の内部圧力又は剛性を測定する測定装置であって、
    前記計測部は、
    内側に内部中空部を備えている中空構造体からなり、前記中空構造体を形成している複数の壁面の中の一つの壁面は前記中空部内に向けて移動できるように前記中空構造体に移動自在に支持されていて当該一つの壁面の内側面が前記内部中空部に面し、外側面が前記計測対象物の表面に当接する当接面を形成し、
    前記外側面からなる当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記一つの壁面が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の前記計測対象物からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段と、
    前記一つの壁面の前記計測対象物方向への移動における加速度を連続的に検知する第二の検知手段と、
    前記当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記一つの壁面が前記計測対象物の側に向けて押圧された時に前記一つの壁面に生じる回転運動を連続的に検知する第三の検知手段と、
    前記第一の検知手段で検知した前記反発力Fと、前記第二の検知手段で検知した前記加速度から把握した前記一つの壁面の前記計測対象物方向への移動距離Dとの微小時間(Δt)における変化分ΔF/ΔDから前記内部圧力又は剛性を測定する測定部と
    を備えている測定装置。
  20. 計測部を備えていて計測対象物の内部圧力又は剛性を測定する測定装置であって、
    前記計測部は、
    内側に内部中空部を備えている中空構造体からなり、前記中空構造体を形成している複数の壁面の中の一つの壁面は前記中空部内に向けて移動できるように前記中空構造体に移動自在に支持されていて当該一つの壁面の内側面が前記内部中空部に面し、外側面が前記計測対象物の表面に当接する当接面を形成し、
    前記外側面からなる当接面を前記計測対象物の前記表面に当接させて前記一つの壁面が前記計測対象物の側に向けて押圧された時の前記計測対象物からの反発力を連続的に検知する第一の検知手段と、
    前記一つの壁面の前記計測対象物方向への移動における加速度を連続的に検知する第二の検知手段と、
    第二の検知手段に対する重力の向きの変化を連続的に検知する第三の検知手段と、
    前記第一の検知手段で検知した前記反発力Fと、前記第二の検知手段で検知した前記加速度から把握した前記一つの壁面の前記計測対象物方向への移動距離Dとの微小時間(Δt)における変化分ΔF/ΔDから前記内部圧力又は剛性を測定する測定部と
    を備えている測定装置。
  21. 前記計測対象物の前記内部圧力が眼圧であって、前記当接面が眼球又は眼瞼に当接される請求項1、4、6、17、18のいずれか一項に記載の測定装置。
  22. 前記当接面を前記眼球又は前記眼瞼に当接させて前記押圧部が前記眼球又は前記眼瞼の側に向けて押圧される押圧力が人間の手による押圧操作によって与えられる請求項21記載の測定装置。
  23. 前記計測対象物の前記内部圧力が眼圧であって、前記当接面が眼球又は眼瞼に当接される請求項9、19、20のいずれか一項に記載の測定装置。
  24. 前記当接面を前記眼球又は前記眼瞼に当接させて前記一つの壁面が前記眼球又は前記眼瞼の側に向けて押圧される押圧力が人間の手による押圧操作によって与えられる請求項23記載の測定装置。
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