JP2020047630A - 熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法 - Google Patents

熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電極部と接続される配線の劣化を抑制することができる熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法を提供する。【解決手段】第1主面11afを有する第1基板11aと、第1主面11afと対向する第2主面11bfを有する第2基板11bと、第2基板11bと離間する第1電極部12aと第1電極部12aとは異なる仕事関数を有する第2電極部12bと、第1主面11af及び第2主面11bfと接する支持部13と、第1電極部12aと、第2電極部12bとの間に設けられ、ナノ粒子を含む中間部14と、第1基板11aを第1方向Zに貫通する第1貫通孔15aと、第1基板11aにおける第1主面11afに対向する面上に設けられた第1配線層16aと、第1貫通孔15aを介して、第1電極部12a及び第1配線層16aと電気的に接続される第1接続配線17aと、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法に関する。
近年、熱エネルギーを利用して電気エネルギーを生成する熱電素子の開発が盛んに行われている。特許文献1には、仕事関数差を有する電極間に発生する、絶対温度による電子放出現象を利用した熱電素子が開示されている。このような熱電素子は、電極間の温度差(ゼーベック効果)を利用した熱電素子に比較して、電極間の温度差が小さい場合であっても発電可能である。このため、より様々な用途への利用が期待されている。
特許文献1には、エミッタ電極層と、コレクタ電極層と、エミッタ電極層及びコレクタ電極層の表面に分散して配置され、エミッタ電極層とコレクタ電極層とをサブミクロン間隔で離間する電気絶縁性の球状ナノビーズとを備え、エミッタ電極層の仕事関数はコレクタ電極層の仕事関数よりも小さく、球状ナノビーズの粒子径は100nm以下である熱電素子が開示されている。
特許第6147901号公報
ここで、異なる仕事関数を有する一対の電極部を用いた熱電素子において、電極部と接続する配線の劣化が課題として挙げられている。特に、電極部と配線とを熱電素子の表面(外部側)で接続させる場合、外部環境の影響により接続箇所が破断する場合がある。この点、特許文献1の開示技術では、熱電素子の側面に各電極層をつなぐ端子電極が設けられる構成等を前提としており、上述した配線の劣化を抑制することが難しい。
そこで本発明は、上述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、電極部と接続される配線の劣化を抑制することができる熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法を提供することにある。
第1発明に係る熱電素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、第1主面を有する第1基板と、前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられ、前記第1主面及び前記第2主面と接する支持部と、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、ナノ粒子を含む中間部と、前記第1基板を前記第1方向に貫通する第1貫通孔と、前記第1基板における前記第1主面に対向する面上に設けられた第1配線層と、前記第1貫通孔を介して、前記第1電極部及び前記第1配線層と電気的に接続される第1接続配線と、を備えることを特徴とする。
第2発明に係る熱電素子は、第1発明において、前記第2基板を前記第1方向に貫通する第2貫通孔と、前記第2基板における前記第2主面に対向する面上に設けられた第2配線層と、前記第2貫通孔を介して、前記第2電極部及び前記第2配線層と電気的に接続される第2接続配線と、をさらに備えることを特徴とする。
第3発明に係る熱電素子は、第1発明又は第2発明において、前記支持部は、金属を含み、前記第1電極部及び前記第2電極部は、前記支持部と離間することを特徴とする。
第4発明に係る熱電素子は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記第1電極部と、前記第2電極部との間の電極間ギャップは、10μm以下であり、前記ナノ粒子の直径は、前記電極間ギャップの1/10以下であることを特徴とする。
第5発明に係る熱電素子は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記ナノ粒子は、表面に設けられた絶縁膜を有し、前記絶縁膜の厚さは、20nm以下であることを特徴とする。
第6発明に係る熱電素子は、第1発明〜第5発明の何れかにおいて、前記中間部は、60℃以上の沸点を有する溶媒を含むことを特徴とする。
第7発明に係る熱電素子は、第1発明〜第5発明の何れかにおいて、前記中間部は、前記ナノ粒子のみが充填された状態を示すことを特徴とする。
第8発明に係る発電装置は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子を備えた発電装置であって、前記熱電素子は、第1主面を有する第1基板と、前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられ、前記第1主面及び前記第2主面と接する支持部と、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、ナノ粒子を含む中間部と、前記第1基板を前記第1方向に貫通する第1貫通孔と、前記第1基板における前記第1主面に対向する面上に設けられた第1配線層と、前記第1貫通孔を介して、前記第1電極部及び前記第1配線層と電気的に接続される第1接続配線と、を備えることを特徴とする。
第9発明に係る電子機器は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子と、前記熱電素子を電源に用いて駆動されることが可能な電子部品と、を含む電子機器であって、前記熱電素子は、第1主面を有する第1基板と、前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられ、前記第1主面及び前記第2主面と接する支持部と、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、ナノ粒子を含む中間部と、前記第1基板を前記第1方向に貫通する第1貫通孔と、前記第1基板における前記第1主面に対向する面上に設けられた第1配線層と、前記第1貫通孔を介して、前記第1電極部及び前記第1配線層と電気的に接続される第1接続配線と、を備えることを特徴とする。
第10発明に係る熱電素子の製造方法は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の製造方法であって、第1基板の第1主面上に第1支持部を形成し、第2基板の第2主面上に第2支持部を形成する支持部形成工程と、前記第1主面上に第1電極部を形成し、前記第2主面上に前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部を形成する電極部形成工程と、前記第1基板における前記第1主面に対向する面上に第1配線層を形成する配線層形成工程と、前記第1基板を第1方向に貫通する第1貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記第1貫通孔を介して、前記第1電極部及び前記第1配線層と電気的に接続される第1接続配線を形成する接続配線形成工程と、前記第1電極部と、前記第2電極部とを前記第1方向に離間して対向するように、前記第1支持部と、前記第2支持部とを接合する接合工程と、前記第1貫通孔を介して、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に、ナノ粒子を含む中間部を形成する中間部形成工程と、を備えることを特徴とする。
第11発明に係る熱電素子の製造方法は、第10発明において、前記配線層形成工程は、前記第1配線層を形成すると同時に、前記第2基板における前記第2主面に対向する面上に第2配線層を形成し、前記貫通孔形成工程は、前記第1貫通孔を形成すると同時に、前記第2基板を前記第1方向に貫通する第2貫通孔を形成し、前記接続配線形成工程は、前記第1接続配線を形成すると同時に、前記第2貫通孔を介して、前記第2電極部及び前記第2配線層と電気的に接続される第2接続配線を形成することを特徴とする。
第12発明に係る熱電素子の製造方法は、第10発明又は第11発明において、前記配線層形成工程の後、前記第1電極部及び前記第2電極部を覆う保護膜を形成する保護膜形成工程をさらに備えることを特徴とする。
第1発明〜第9発明によれば、第1接続配線は、第1貫通孔を介して、第1電極部及び第1配線層と電気的に接続される。このため、第1接続配線は、熱電素子の内部側で第1電極部と接続させることができる。これにより、第1電極部と接続される第1接続配線の劣化を抑制することが可能となる。
また、第1発明〜第9発明によれば、第1貫通孔は、第1基板を第1方向に貫通する。このため、第1貫通孔を介して中間部の充填が容易に実施できる。これにより、製造工程の簡易化を図ることが可能となる。また、熱電素子の使用に伴い中間部を交換する必要が発生した場合、容易に中間部の交換を実施することが可能となる。
特に、第2発明によれば、第2接続配線は、第2貫通孔を介して、第2電極部及び第2配線層と電気的に接続される。このため、第2接続配線は、熱電素子の内部側で第2電極部と接続させることができる。これにより、各電極部と接続される各接続配線の劣化を抑制することが可能となる。また、第2接続配線は、第1接続配線と同様の構造で形成することができるため、製造工程の簡略化が可能となる。
特に、第3発明によれば、支持部は、金属を含む。このため、第1方向に沿った支持部の高さバラつきを抑制することができる。これにより、電極間ギャップを高精度に形成することができ、電気エネルギーの発生量の安定化を実現することが可能となる。また、支持部は、第1電極部及び第2電極部と離間して設けられる。このため、支持部の形成に伴う各電極部の対向する面積の減少を防ぐことができる。これにより、支持部の形状に関わらず、電気エネルギーの発生量の向上を図ることが可能となる。
特に、第4発明によれば、ナノ粒子の直径は、電極間ギャップの1/10以下である。このため、第1電極部と、第2電極部との間に、ナノ粒子を含む中間部を容易に形成することができる。これにより、熱電素子を製造するとき、作業性の向上を図ることが可能となる。
特に、第5発明によれば、ナノ粒子は、表面に設けられた絶縁膜を有する。このため、第1電極部から生成した電子は、例えばトンネル効果等によりナノ粒子間を容易に移動することができる。これにより、電気エネルギーの発生量を増加させることが可能となる。
特に、第6発明によれば、中間部は、60℃以上の沸点を有する溶媒を含む。このため、室温以上の環境下に熱電素子が用いられた場合においても、溶媒の気化を抑制することができる。これにより、溶媒の気化に伴う熱電素子の劣化を抑制することが可能となる。
特に、第7発明によれば、中間部は、ナノ粒子のみが充填された状態を示す。このため、高温の環境下に熱電素子が用いられた場合においても、溶媒等の気化を考慮する必要が無い。これにより、高温の環境下における熱電素子の劣化を抑制することが可能となる。
第10発明〜第12発明によれば、接続配線形成工程は、第1貫通孔を介して、第1電極部及び第1配線層と電気的に接続される第1接続配線を形成する。このため、第1接続配線は、熱電素子の内部側で第1電極部と接続させることができる。これにより、第1電極部と接続される第1接続配線の劣化を抑制することが可能となる。
また、第10発明〜第12発明によれば、貫通孔形成工程は、第1基板を第1方向に貫通する第1貫通孔を形成する。このため、第1貫通孔を介して中間部の充填が容易に実施できる。これにより、製造工程の簡易化を図ることが可能となる。また、熱電素子の使用に伴い中間部を交換する必要が発生した場合、容易に中間部の交換を実施することが可能となる。
特に、第11発明によれば、接続配線形成工程は、第2貫通孔を介して、第2電極部及び第2配線層と電気的に接続される第2接続配線を形成する。このため、第2接続配線は、熱電素子の内部側で第2電極部と接続させることができる。これにより、各電極部と接続される各接続配線の劣化を抑制することが可能となる。また、第2接続配線は、第1接続配線と同様の構造で形成することができるため、製造工程の簡略化が可能となる。
特に、第12発明によれば、保護膜形成工程は、第1電極部及び第2電極部を覆う保護膜を形成する。このため、後の工程において各電極部の表面を保護することができる。これにより、各電極部の仕事関数の変化を防ぐことができ、電気エネルギーの発生量のバラつきを抑制することが可能となる。
図1(a)は、第1実施形態に係る発電装置及び熱電素子の一例を示す模式断面図であり、図1(b)は、図1(a)における1B−1B線に沿った模式平面図である。 図2(a)は中間部の一例を示す模式断面図であり、図2(b)は中間部の他の例を示す模式断面図である。 図3は、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図4(a)〜図4(d)は、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示す模式断面図である。 図5(a)〜図5(d)は、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示す模式断面図である。 図6(a)は、第2実施形態に係る発電装置及び熱電素子の一例を示す模式断面図であり、図6(b)は、図6(a)における6B−6B線に沿った模式平面図である。 図7(a)〜図7(d)は、熱電素子を備えた電子機器の例を示す模式ブロック図であり、図7(e)〜図7(h)は、熱電素子を含む発電装置を備えた電子機器の例を示す模式ブロック図である。
以下、本発明の実施形態における熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法それぞれの一例について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、各電極部が積層される高さ方向を第1方向Zとし、第1方向Zと交差、例えば直交する1つの平面方向を第2方向Xとし、第1方向Z及び第2方向Xのそれぞれと交差、例えば直交する別の平面方向を第3方向Yとする。
(第1実施形態)
<発電装置100>
図1は、第1実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式図である。図1(a)は、第1実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式断面図であり、図1(b)は、図1(a)における1B−1B線に沿った模式平面図である。
図1に示すように、発電装置100は、熱電素子1と、第1配線101と、第2配線102とを含む。熱電素子1は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。このような熱電素子1を備えた発電装置100は、例えば、図示せぬ熱源に搭載又は設置され、熱源の熱エネルギーを元として、熱電素子1が発生させた電気エネルギーを、第1配線101及び第2配線102を介して負荷Rへ出力する。負荷Rの一端は第1配線101と電気的に接続され、他端は第2配線102と電気的に接続される。負荷Rは、例えば電気的な機器を示している。負荷Rは、発電装置100を主電源又は補助電源に用いて駆動される。
熱電素子1の熱源としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子デバイス又は電子部品、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子、自動車等のエンジン、及び工場の生産設備、人体、太陽光、及び環境温度等を利用することができる。例えば、電子デバイス、電子部品、発光素子、エンジン、及び生産設備等は人工熱源である。人体、太陽光、及び環境温度等は自然熱源である。熱電素子1を備えた発電装置100は、例えばIoT(Internet of Things)デバイス及びウェアラブル機器等のモバイル機器や自立型センサ端末の内部に設けることができ、電池の代替又は補助として用いることができる。さらに、発電装置100は、太陽光発電等のような、より大型の発電装置への応用も可能である。
<熱電素子1>
熱電素子1は、例えば、上記人工熱源が発した熱エネルギー、又は上記自然熱源が持つ熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、電流を生成する。熱電素子1は、発電装置100内に設けるだけでなく、熱電素子1自体を、上記モバイル機器や上記自立型センサ端末等の内部に設けることもできる。この場合、熱電素子1自体が、上記モバイル機器又は上記自立型センサ端末等の、電池の代替部品又は補助部品となる。
熱電素子1は、基板11と、第1電極部12aと、第2電極部12bと、支持部13と、中間部14と、貫通孔15と、配線層16と、接続配線17とを備え、例えば封止部18を備えてもよい。
基板11は、第1基板11aと、第2基板11bとを有する。第1基板11aは、第1方向Zと交わる第1主面11afを有する。第2基板11bは、第1主面11afと第1方向Zに離間して設けられる。第2基板11bは、第1主面11afと対向し、第1方向Zと交わる第2主面11bfを有する。
第1電極部12aは、第1主面11af上に接して設けられる。第1電極部12aは、第2基板11bと離間する。第2電極部12bは、第2主面11bf上に接して設けられる。第2電極部12bは、第1基板11a及び第1電極部12aと離間して対向する。第2電極部12bは、第1電極部12aとは異なる仕事関数を有する。
支持部13は、第1基板11aと、第2基板11bとの間に設けられる。支持部13は、第1主面11af及び第2主面11bfと連接する。
中間部14は、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に設けられる。中間部14は、ナノ粒子を含み、例えばナノ粒子が分散された溶媒を含んでもよい。
貫通孔15は、基板11を第1方向Zに貫通する。貫通孔15は、例えば第1電極部12a及び第2電極部12bの少なくとも何れかを、第1方向Zに貫通してもよい。
配線層16は、熱電素子1の外部側(表面)に設けられる。配線層16は、基板11における各電極部12a、12bが設けられる主面に対向する主面上に設けられる。
接続配線17は、貫通孔15を介して、各電極部12a、12b及び配線層16と電気的に接続される。接続配線17は、例えば貫通孔15の側面に設けられ、中間部14と接する。
封止部18は、貫通孔15の外部側を覆い、貫通された基板11上に設けられる。封止部18は、例えば少なくとも一部を貫通孔15内に設けられてもよい。
熱電素子1は、ギャップ部14aを含む。ギャップ部14aは、例えば外界から隔離された空間を含む。ギャップ部14aは、例えば第1電極部12a、第2電極部12b、及び支持部13のそれぞれによって区画されている。中間部14は、ギャップ部14a内に設けられる。中間部14は、ギャップ部14a内において、例えば第1電極部12a、第2電極部12b、及び支持部13のそれぞれと接し、例えば貫通孔15を介して接続配線17及び封止部18と接する。なお、熱電素子1の内部側とは、ギャップ部14aを含む部分を示し、熱電素子1の外部側とは、ギャップ部14aから離間した部分を示す。
以下、第1実施形態に係る熱電素子1及び発電装置100の構成を、さらに詳細に説明する。
<<第1基板11a、第2基板11b>>
第1基板11a及び第2基板11bのそれぞれの第1方向Zに沿った厚さは、例えば10μm以上2mm以下である。第1基板11a及び第2基板11bのそれぞれの材料としては、絶縁性を有する板状の材料を選ぶことができる。絶縁性の材料の例としては、シリコン、石英、パイレックス(登録商標)等のガラス、及び絶縁性樹脂等を挙げることができる。
第1基板11a及び第2基板11bは、薄板状であるほか、例えばフレキシブルなフィルム状でもよい。例えば、第1基板11a又は第2基板11bを、フレキシブルなフィルム状とする場合には、例えばPET(polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、及びポリイミド等を用いることができる。
第1基板11aと第2基板11bとの間(熱電素子1の内部側)には、第1電極部12a、第2電極部12b、支持部13、及び中間部14が挟まれる。このため、第1基板11a及び第2基板11bを備えることで、第1電極部12a、第2電極部12b、支持部13、及び中間部14のそれぞれの、外力や環境変化に伴った劣化や変形を抑制することもできる。したがって、熱電素子1の耐久性を高めることが可能である。
<<第1電極部12a、第2電極部12b>>
第1電極部12a及び第2電極部12bは、例えば図1(b)に示すように、第1方向Zから見て、貫通孔15の形成位置を除いた四角形に形成される。第1電極部12aは、例えば第1端子111等を介して第1配線101と電気的に接続される。第2電極部12bは、例えば第2端子112等を介して第2配線102と電気的に接続される。なお、第1端子111及び第2端子112は、省略してもよい。
第1電極部12aは、例えば白金(仕事関数:約5.65eV)を含み、第2電極部12bは、例えばタングステン(仕事関数:約4.55eV)を含む。仕事関数が大きい電極部はアノード(コレクタ電極)として機能し、仕事関数が小さい電極部はカソード(エミッタ電極)として機能する。本実施形態に係る熱電素子1では、第1電極部12aがアノードであり、第2電極部12bがカソードとして説明する。なお、第1電極部12aをカソードとし、第2電極部12bをアノードとしてもよい。
熱電素子1では、仕事関数差を有する第1電極部12aと第2電極部12bとの間に発生する、絶対温度による電子放出現象が利用できる。このため、熱電素子1は、第1電極部12aと第2電極部12bとの温度差が小さい場合であっても、熱エネルギーを電気エネルギーに変換できる。さらに、熱電素子1は、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に温度差がない場合、又は単一の熱源を用いる場合であっても、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
第1電極部12a及び第2電極部12bそれぞれの第1方向Zに沿った厚さは、例えば1nm以上1mm以下でもよく、好ましくは1nm以上1μm以下、より好ましくは、1nm以上50nm以下である。第1電極部12aと第2電極部12bとの間の第1方向Zに沿った距離(電極間ギャップ)は、例えば、10μm以下の有限値である。より好ましくは、10nm以上100nm以下である。電極間ギャップは、第1方向Zにおける支持部13の厚さに依存する。
第1電極部12a及び第2電極部12bそれぞれの第1方向Zに沿った厚さ、並びに電極間ギャップのそれぞれを、上記範囲内に設定することにより、例えば、熱電素子1の第1方向Zに沿った厚さを薄くできる。これは、例えば、複数の熱電素子1を、第1方向Zに沿ってスタックさせる場合に有効である。また、各電極部12a、12bの平面バラつきを抑えることができ、電気エネルギーの発生量の安定性を向上させることができる。上記に加え、電極間ギャップを、上記範囲内に設定することにより、電子を効率良く放出させることが可能になるとともに、電子を第2電極部12b(カソード)から第1電極部12a(アノード)へ、効率よく移動させることも可能となる。
第1電極部12aの材料、及び第2電極部12bの材料は、例えば、以下に示す金属から選ぶことができる。
白金(Pt)
タングステン(W)
アルミニウム(Al)
チタン(Ti)
ニオブ(Nb)
モリブデン(Mo)
タンタル(Ta)
レニウム(Re)
熱電素子1では、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に仕事関数差が生じればよい。したがって、第1電極部12a及び第2電極部12bの材料には、上記以外の金属を選ぶことが可能である。第1電極部12a及び第2電極部12bの材料として、金属のほか、合金、金属間化合物、及び金属化合物を選ぶことも可能である。金属化合物は、金属元素と非金属元素とが化合したものである。このような金属化合物の例としては、例えば六ホウ化ランタン(LaB6)を挙げることができる。
第1電極部12a及び第2電極部12bの材料として、非金属導電物を選ぶことも可能である。非金属導電物の例としては、シリコン(Si:例えばp型Si、あるいはn型Si)、及びグラフェン等のカーボン系材料等を挙げることができる。
第1電極部12a又は第2電極部12bの材料として、高融点金属(refractory metal)以外の材料を選ぶと、以下に説明される利点を、さらに得ることができる。本明細書において、高融点金属は、例えば、W、Nb、Mo、Ta、及びReとする。第1電極部12a(アノード)に、例えばPtを用いた場合、第2電極部12b(カソード)には、Al、Si、Ti、及びLaB6の少なくとも1つを用いることが好ましい。
Al及びTiの融点は、上記高融点金属の融点より低い。したがって、Al及びTiからは、上記高融点金属に比較して、加工しやすい、という利点を得ることができる。
Siは、上記高融点金属に比較して、その形成が、さらに容易である。したがって、Siからは、上記加工のしやすさに加え、熱電素子1の生産性がより向上する、という利点を、さらに得ることができる。
LaB6の融点は、Nbの融点より高い。しかし、LaB6の融点は、W、Mo、Ta、及びReの融点より低い。LaB6は、W、Mo、Ta、及びReに比較して加工しやすい。しかも、LaB6の仕事関数は、約2.5〜2.7eVである。LaB6は、上記高融点金属に比較して電子を放出させやすい。したがって、LaB6からは、熱電素子1の発電効率の更なる向上が可能、という利点を、さらに得ることができる。
なお、第1電極部12a及び第2電極部12bのそれぞれの構造は、上記材料を含む単層構造の他、上記材料を含む積層構造とされてもよい。
<<支持部13>>
支持部13は、第1支持部13aと、第2支持部13bとを有する。第1支持部13a及び第2支持部13bは、例えば図1(b)に示すように、第1方向Zから見て、中空の四角形状に形成され、各電極部12a、12b及び中間部14を囲む。第1支持部13a及び第2支持部13bは、互いに接して設けられる。第1支持部13aは、第1主面11afと接し、第2主面11bfと離間する。第2支持部13bは、第2主面11bfと接し、第1主面11afと離間する。
第1支持部13aは、第2支持部13bと等しい形状を有するほか、例えば第2支持部13bとは異なる形状を有してもよい。ここで、「異なる形状」とは、第1方向Zにおける厚さ、第2方向Xにおける幅、及び第3方向Yにおける長さの少なくとも何れかが異なることを示す。第1支持部13aは、第2方向Xと交わる側面、又は第3方向Yと交わる端面において、第2支持部13bの側面又は端面と同一平面上に設けられるほか、例えば同一平面上に設けられなくてもよい。このため、各支持部13a、13bの形状を任意に設定することができ、電極間ギャップの設計等における自由度を高めることが可能となる。
第1実施形態に係る第1支持部13a及び第2支持部13bは、絶縁性を有する。第1支持部13a及び第2支持部13bとして、例えばシリコン酸化膜のほか、ポリイミド、PMMA(Polymethyl methacrylate)、又はポリスチレン等のポリマーが用いられる。このため、各支持部13a、13bは、例えば各電極部12a、12bと接して設けられてもよい。
<<中間部14>>
中間部14は、例えば図2に示すように、第2電極部12b(カソード)から放出された電子を、第1電極部12a(アノード)へと移動させる部分である。図2(a)は、中間部14の一例を示す模式断面図である。図2(a)に示すように、中間部14は、例えば複数のナノ粒子141と、溶媒142とを含む。複数のナノ粒子141は、溶媒142内に分散される。中間部14は、例えば、ナノ粒子141が分散された溶媒142を、ギャップ部14a内に充填することで得られる。
ナノ粒子141は、例えば導電物を含む。ナノ粒子141の仕事関数の値は、例えば、第1電極部12aの仕事関数の値と、第2電極部12bの仕事関数の値との間にある。例えば、複数のナノ粒子141は、3.0eV以上5.5eV以下の範囲内の仕事関数を含む。これにより、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に放出された電子eを、ナノ粒子141を介して、例えば、第2電極部12b(カソード)から第1電極部12a(アノード)へと移動させることができる。これにより、中間部14内にナノ粒子141がない場合に比較して、電気エネルギーの発生量を増加させることが可能となる。
ナノ粒子141の材料の例としては、金及び銀の少なくとも1つを選ぶことができる。なお、中間部14は、第1電極部12aの仕事関数と、第2電極部12bの仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子141を少なくとも一部含んでいればよい。したがって、ナノ粒子141の材料には、金及び銀以外の導電性材料を選ぶことも可能である。
ナノ粒子141の粒子径は、例えば、電極間ギャップの1/10以下の有限値とされる。具体的には、ナノ粒子141の粒子径は、2nm以上10nm以下である。また、ナノ粒子141は、例えば、平均粒径(例えばD50)3nm以上8nm以下の粒子径を有してもよい。平均粒径は、例えば粒度分布計測器を用いることで、測定することができる。粒度分布計測器としては、例えば、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布計測器(例えばMicrotracBEL製Nanotrac WaveII-EX150等)を用いればよい。ナノ粒子141の粒子径を、例えば、電極間ギャップの1/10以下とすると、ギャップ部14a内にナノ粒子141を含む中間部14を形成し易くなる。これにより、熱電素子1の製造工程において、作業性を向上させることもできる。
ナノ粒子141は、その表面に、例えば絶縁膜141aを有する。絶縁膜141aの材料の例としては、絶縁性金属化合物及び絶縁性有機化合物の少なくとも1つを選ぶことができる。絶縁性金属化合物の例としては、例えば、シリコン酸化物及びアルミナ等を挙げることができる。絶縁性有機化合物の例としては、アルカンチオール(例えばドデカンチオール)等を挙げることができる。絶縁膜141aの厚さは、例えば20nm以下の有限値である。このような絶縁膜141aをナノ粒子141の表面に設けておくと、電子eは、例えば、第2電極部12b(カソード)とナノ粒子141との間、及びナノ粒子141と第1電極部12a(アノード)との間を、トンネル効果を利用して移動できる。このため、例えば、熱電素子1の発電効率の向上が期待できる。
溶媒142には、例えば、沸点が60℃以上の液体を用いることができる。このため、室温(例えば15℃〜35℃)以上の環境下において、熱電素子1を用いた場合であっても、溶媒142の気化を抑制することができる。これにより、溶媒142の気化に伴う熱電素子1の劣化を抑制することができる。液体の例としては、有機溶媒及び水の少なくとも1つを選ぶことができる。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、トルエン、キシレン、テトラデカン、及びアルカンチオール等を挙げることができる。溶媒142は、電気的抵抗値が高く、絶縁性である液体がよい。
図2(b)は、中間部14の他の例を示す模式断面図である。図2(b)に示すように、中間部14は、溶媒142を含まず、ナノ粒子141のみを含むようにしてもよい。
中間部14が、ナノ粒子141のみを含むことで、例えば、熱電素子1を、高温の環境下に用いる場合であっても、溶媒142の気化を考慮する必要が無い。これにより、高温の環境下における熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
<<貫通孔15>>
貫通孔15は、例えば第1貫通孔15a及び第2貫通孔15bの少なくとも何れかを有し、1つ以上設けられる。第1貫通孔15aは、第1基板11aを第1方向Zに貫通し、例えば第1電極部12aを貫通する。第2貫通孔15bは、第2基板11bを第1方向Zに貫通し、例えば第2電極部12bを貫通する。
貫通孔15は、例えば図1(b)に示すように、第1方向Zから見て、円状に形成されるほか、例えば楕円状又は溝状に形成されてもよい。貫通孔15は、熱電素子1の外部側から内部側に向かって狭まるテーパ状に形成されるほか、例えば逆テーパ状、ボーイング状、又はストレート状に形成されてもよい。
<<配線層16>>
配線層16は、例えば第1配線層16a及び第2配線層16bの少なくとも何れかを有する。第1配線層16aは、第1基板11aにおける第1主面11afに対向する面上に設けられる。すなわち、第1基板11aは、第1配線層16aと第1電極部12aとの間に挟まれる。第2配線層16bは、第2基板11bにおける第2主面11bfに対向する面上に設けられる。すなわち、第2基板11bは、第2配線層16bと第2電極部12bとの間に挟まれる。
配線層16の第1方向Zに沿った厚さは、例えば100nm以上10μm以下である。配線層16の材料として、導電性材料が用いられ、例えば金が用いられるほか、金及びクロムの積層体、又は金及びニッケルの積層体が用いられる。
<<接続配線17>>
接続配線17は、例えば第1接続配線17a及び第2接続配線17bの少なくとも何れかを有する。第1接続配線17aは、第1貫通孔15aを介して、第1電極部12a及び第1配線層16aと電気的に接続される。このため、第1接続配線17aと第1電極部12aとの接続箇所は、熱電素子1の内部側に設けられる。第2接続配線17bは、第2貫通孔15bを介して、第2電極部12b及び第2配線層16bと電気的に接続される。このため、第2接続配線17bと第2電極部12bとの接続箇所は、熱電素子1の内部側に設けられる。上記接続箇所は、各接続配線17a、17bのうち特に劣化し易い部分であり、接続箇所を熱電素子1の内部側に設けることで、熱電素子1の耐久性を高めることが可能となる。
接続配線17は、例えば貫通孔15の側面に、100nm以上10μm以下の厚さで形成される。接続配線17の材料として、導電性材料が用いられ、例えば金が用いられる。
<<封止部18>>
封止部18は、第1封止部18a及び第2封止部18bの少なくとも何れかを有する。第1封止部18aは、第1貫通孔15a、第1接続配線17a、及び第1配線層16aの少なくとも一部を覆う。このため、第1配線層16aと、第1接続配線17aとの接続箇所を、第1封止部18aにより覆うことができる。第2封止部18bは、第2貫通孔15b、第2接続配線17b、及び第2配線層16bの少なくとも一部を覆う。このため、第2配線層16bと、第2接続配線17bとの接続箇所を、第2封止部18bにより覆うことができる。上記接続箇所は、各接続配線17a、17bのうち特に劣化し易い部分であり、且つ、熱電素子1の外部側に設けられるため、接続箇所を各封止部18a、18bにより覆うことで、熱電素子1の耐久性を高めることが可能となる。
封止部18の材料として、例えば絶縁性樹脂が用いられ、絶縁性樹脂の例としては、フッ素系絶縁性樹脂を挙げることができる。
<<第1配線101及び第2配線102>>
第1配線101は、端子111、第1配線層16a、及び第1接続配線17aを介して第1電極部12aと電気的に接続される。第2配線102は、端子112、第2配線層16b、及び第2接続配線17bを介して第2電極部12bと電気的に接続される。
第1配線101及び第2配線102のそれぞれには、導電性を有する材料が用いられる。第1配線101及び第2配線102のそれぞれの材料の例としては、ニッケル、銅、銀、金、タングステン、及びチタンを挙げることができる。第1配線101及び第2配線102のそれぞれの構造は、熱電素子1において生成された電流を負荷Rへ供給できる構造であれば、任意に設計することができる。
<熱電素子1の動作>
熱エネルギーが熱電素子1に与えられると、例えば、第2電極部12b(カソード)から中間部14に向けて電子eが放出される。放出された電子eは、中間部14から第1電極部12a(アノード)へと移動する(図2参照)。この場合電流は、第1電極部12aから第2電極部12bに向かって流れる。このようにして、熱エネルギーが電気エネルギーに変換される。
放出される電子eの量は、熱エネルギーに依存するほか、第1電極部12a(アノード)の仕事関数と、第2電極部12b(カソード)の仕事関数との差に依存する。また、放出される電子eの量は、第2電極部12bの仕事関数が小さい材料ほど、増加する傾向がある。
移動する電子eの量は、例えば、第1電極部12aと第2電極部12bとの仕事関数差を大きくすること、又は電極間ギャップを小さくすることで増やすことができる。例えば、熱電素子1が発生させる電気エネルギーの量は、上記仕事関数差を大きくすること、及び上記電極間ギャップを小さくすること、の少なくとも何れか1つを考慮することで増加させることができる。
<熱電素子1の製造方法>
次に、熱電素子1の製造方法の一例を、説明する。図3は、本実施形態に係る熱電素子1の製造方法の一例を示すフローチャートである。図4(a)〜図5(d)は、本実施形態に係る熱電素子1の製造方法の一例を示す模式断面図である。
<<支持部形成工程S110>>
先ず、例えば図4(a)に示すように、第1基板11aの第1主面11af上に第1支持部13aを形成し、第2基板11bの第2主面11bf上に第2支持部13bを形成する(支持部形成工程S110)。各支持部13a、13bは、例えば第1方向Zから見て、中空の四角形状に形成される(図1(b)参照)。
支持部形成工程S110では、例えばサイトップ(登録商標)を各支持部13a、13bの材料として用いる場合、スピンコート法を用いて、各支持部13a、13bの材料を各主面11af、11bf上に形成する。その後、フォトリソグラフィー法を用いて、形成された材料の一部を除去し、各主面11af、11bf上に各支持部13a、13bが形成される。
上記のほか、例えばスパッタリング法又は蒸着法等を用いた真空環境下で各支持部13a、13bを形成するほか、例えばスクリーン印刷法、インクジェット法、スプレイ印刷法等を用いた常圧環境下で各支持部13a、13bを形成してもよい。各支持部13a、13bとして、例えばシリコン酸化膜やシリコン窒化膜等が用いられる。
<<電極部形成工程S120>>
次に、例えば図4(b)に示すように、第1主面11af上に第1電極部12aを形成し、第2主面11bf上に第2電極部12bを形成する(電極部形成工程S120)。各電極部12a、12bは、例えば第1方向Zから見て、支持部13に囲まれて四角形状に形成されるほか、例えば後述する貫通孔15を形成する部分を除いた形状に形成されてもよい。各電極部12a、12bは、各支持部13a、13bよりも薄く形成される。
電極部形成工程S120では、例えばスパッタリング法又は蒸着法を用いて、各電極部12a、12bを形成するほか、例えばスクリーン印刷法、インクジェット法、及びスプレイ印刷法等を用いて形成してもよい。例えば、第1電極部12aとして白金が用いられ、第2電極部12bとしてアルミニウムが用いられるほか、それぞれ上述した材料が用いられてもよい。
<<配線層形成工程S130>>
次に、第1基板11aにおける第1主面11afに対向する面に、第1配線層16aを形成する(配線層形成工程S130)。配線層形成工程S130では、例えば図4(c)に示すように、第1配線層16aを形成すると同時、又は形成前後に、第2主面11bfに対向する面上に第2配線層16bを形成してもよい。各配線層16a、16bは、例えば第1方向Zから見て、四角形状に形成されるほか、例えば後述する貫通孔15を形成する部分を除いた形状に形成されてもよい。
配線層形成工程S130では、例えばスパッタリング法又は蒸着法を用いて、各配線層16a、16bを形成するほか、例えばスクリーン印刷法、インクジェット法、及びスプレイ印刷法等を用いて形成してもよい。
<<保護膜形成工程S140>>
次に、例えば図4(d)に示すように、第1電極部12a及び第2電極部12bを覆う保護膜9を形成してもよい(保護膜形成工程S140)。保護膜9は、例えば後述する各電極部12a、12bの対向する面を少なくとも覆い、後述する接続配線17と接続する箇所を露出した状態で形成されてもよい。なお、保護膜9は、各支持部13a、13bを覆うように形成されてもよい。保護膜9を形成することで、後の工程において各電極部12a、12bの表面を保護することができる。これにより、各電極部12a、12bの仕事関数の変化を防ぐことができる。
保護膜形成工程S140では、例えばフォトリソグラフィー法を用いて、保護膜9をパターン状に形成する。保護膜9として、例えば公知のフォトレジストが用いられる。
<<貫通孔形成工程S150>>
次に、第1基板11aを第1方向Zに貫通する第1貫通孔15aを形成する(貫通孔形成工程S150)。貫通孔形成工程S150では、例えば図5(a)に示すように、第1貫通孔15aを形成すると同時、又は形成前後に、第2基板11bを第1方向Zに貫通する第2貫通孔15bを形成してもよい。各貫通孔15a、15bは、例えば各基板11a、11bのうち、各電極部12a、12b及び各配線層16a、16bが形成されていない位置に形成される。なお、貫通孔形成工程S150において、各電極部12a、12b及び配線層16a、16bの少なくとも何れかの一部を除去し、各貫通孔15a、15bを形成してもよい。
貫通孔形成工程S150では、例えばサンドブラスト法を用いて各貫通孔15a、15bを形成するほか、例えば異方性エッチング法等を用いて形成してもよい。なお、各貫通孔15a、15bの形成される位置及び数は、任意である。
<<接続配線形成工程S160>>
次に、第1貫通孔15aを介して、第1電極部12a及び第1配線層16aと電気的に接続される第1接続配線17aを形成する(接続配線形成工程S160)。接続配線形成工程S160では、例えば第1貫通孔15aが複数形成されている場合、少なくとも1つの第1貫通孔15aの側面に、第1接続配線17aを形成する。接続配線形成工程S160では、例えば図5(b)に示すように、第1接続配線17aを形成すると同時、又は形成前後に、第2貫通孔15bを介して、第2電極部12b及び第2配線層16bと電気的に接続される第2接続配線17bを形成してもよい。
接続配線形成工程S160では、例えばスパッタリング法を用いて各接続配線17a、17bを形成する。各接続配線17a、17bとして、例えば金が用いられる。
なお、保護膜形成工程S140により保護膜9を形成した場合、例えば図5(c)に示すように、接続配線形成工程S160のあとに保護膜9を除去する。また、単一の基板11を用いて複数の各電極部12a、12b等を形成した場合、接続配線形成工程S160のあとに適宜分割する。
<<接合工程S170>>
次に、例えば図5(d)に示すように、第1電極部12aと、第2電極部12bとを第1方向Zに離間して対向するように、第1支持部13aと第2支持部13bとを接合する(接合工程S170)。接合工程S170では、第1支持部13aの上面と、第2支持部13bの上面とを接合する。このとき、各支持部13a、13b、及び各電極部12a、12bは、各基板11a、11bに挟まれ、ギャップ部14aが形成される。
接合工程S170では、例えば各支持部13a、13bの上面同士を当接させて加熱することで、各支持部13a、13bを接合する。この場合、各電極部12a、12bにおける電極間ギャップは、各支持部13a、13bの厚さに依存する。
<<中間部形成工程S180>>
次に、第1貫通孔15aを介して、第1電極部12aと、第2電極部12bとの間に、中間部14を形成する(中間部形成工程S180)。中間部形成工程S180では、貫通孔15を介してナノ粒子等を充填すればよく、第1貫通孔15aの代わりに第2貫通孔15bを介してナノ粒子等を充填してもよい。
その後、例えば図1(a)に示した封止部18等を形成し、本実施形態に係る熱電素子1が形成される。なお、形成された熱電素子1に各端子111、112、各配線101、102等を接続することで、本実施形態に係る発電装置100を形成することができる。なお、例えば支持部形成工程S110を実施する前に、電極部形成工程S120又は配線層形成工程S130を実施してもよい。また、中間部形成工程S180を実施する前に、一部の貫通孔15を覆う封止部18を形成してもよい。
本実施形態によれば、第1接続配線17aは、第1貫通孔15aを介して、第1電極部12a及び第1配線層16aと電気的に接続される。このため、第1接続配線17aは、熱電素子1の内部側で第1電極部12aと接続させることができる。これにより、第1電極部12aと接続される第1接続配線17aの劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1貫通孔15aは、第1基板11aを第1方向Zに貫通する。このため、第1貫通孔15aを介して中間部14の充填が容易に実施できる。これにより、製造工程の簡易化を図ることが可能となる。また、熱電素子1の使用に伴い中間部14を交換する必要が発生した場合、容易に中間部14の交換を実施することが可能となる。
また、本実施形態によれば、第2接続配線17bは、第2貫通孔15bを介して、第2電極部12b及び第2配線層16bと電気的に接続される。このため、第2接続配線17bは、熱電素子1の内部側で第2電極部12bと接続させることができる。これにより、各電極部12a、12bと接続される各接続配線17a、17bの劣化を抑制することが可能となる。また、第2接続配線17bは、第1接続配線17aと同様の構造で形成することができるため、製造工程の簡略化が可能となる。
また、本実施形態によれば、ナノ粒子141の直径は、電極間ギャップの1/10以下である。このため、第1電極部12aと、第2電極部12bとの間に、ナノ粒子141を含む中間部14を容易に形成することができる。これにより、熱電素子1を製造するとき、作業性の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、ナノ粒子141は、表面に設けられた絶縁膜141aを有する。このため、第1電極部12aから生成した電子eは、例えばトンネル効果等によりナノ粒子141間を容易に移動することができる。これにより、電気エネルギーの発生量を増加させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、中間部14は、60℃以上の沸点を有する溶媒142を含む。このため、室温以上の環境下に熱電素子1が用いられた場合においても、溶媒142の気化を抑制することができる。これにより、溶媒142の気化に伴う熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、中間部14は、ナノ粒子141のみが充填された状態を示す。このため、高温の環境下に熱電素子1が用いられた場合においても、溶媒142等の気化を考慮する必要が無い。これにより、高温の環境下における熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、接続配線形成工程S160は、第1貫通孔15aを介して、第1電極部12a及び第1配線層16aと電気的に接続される第1接続配線17aを形成する。このため、第1接続配線17aは、熱電素子1の内部側で第1電極部12aと接続させることができる。これにより、第1電極部12aと接続される第1接続配線17aの劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、貫通孔形成工程S150は、第1基板11aを第1方向Zに貫通する第1貫通孔15aを形成する。このため、第1貫通孔15aを介して中間部14の充填が容易に実施できる。これにより、製造工程の簡易化を図ることが可能となる。また、熱電素子1の使用に伴い中間部14を交換する必要が発生した場合、容易に中間部14の交換を実施することが可能となる。
また、本実施形態によれば、接続配線形成工程S160は、第2貫通孔15bを介して、第2電極部12b及び第2配線層16bと電気的に接続される第2接続配線17bを形成する。このため、第2接続配線17bは、熱電素子1の内部側で第2電極部12bと接続させることができる。これにより、各電極部12a、12bと接続される各接続配線17a、17bの劣化を抑制することが可能となる。また、第2接続配線17bは、第1接続配線17aと同様の構造で形成することができるため、製造工程の簡略化が可能となる。
また、本実施形態によれば、保護膜形成工程S140は、第1電極部12a及び第2電極部12bを覆う保護膜9を形成する。このため、後の工程において各電極部12a、12bの表面を保護することができる。これにより、各電極部12a、12bの仕事関数の変化を防ぐことができ、電気エネルギーの発生量のバラつきを抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1について説明する。図6は、第2実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式図である。図6(a)は、第2実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式断面図であり、図6(b)は、図6(a)における6B−6B線に沿った模式平面図である。
上述した実施形態と、第2実施形態との違いは、支持部13に金属が用いられる点である。なお、上述した実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図6に示すように、支持部13は、各電極部12a、12bと離間して設けられる。例えば第1支持部13aと、第1電極部12aとの間の距離、及び第2支持部13bと、第2電極部12bとの間の距離は、電極間ギャップよりも大きい。
支持部13の材料として、金属が用いられ、例えば金、ニッケル、タングステン、タンタル、モリブデン、鉛、白金、銀、又はスズが用いられるほか、金及びクロムの積層体、又は金及びニッケルの積層体が用いられる。各支持部13a、13bが金属を含むことで、例えば上述した支持部形成工程S110において、各支持部13a、13bを形成する際の厚さを容易に制御できるほか、例えば上述した接合工程S170において、各基板11a、11bからの押圧による変形が抑制され、各支持部13a、13bにおける厚さの変動を防ぐことができる。特に、各支持部13a、13bの表面に金を用いる場合、各支持部13a、13bの表面に露出した金同士を、例えば熱圧着接合法を用いて容易に接合することができる。これにより、電極間ギャップを高精度に形成することができる。
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、第1接続配線17aは、第1貫通孔15aを介して、第1電極部12a及び第1配線層16aと電気的に接続される。このため、第1接続配線17aは、熱電素子1の内部側で第1電極部12aと接続させることができる。これにより、第1電極部12aと接続される第1接続配線17aの劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、第1貫通孔15aは、第1基板11aを第1方向Zに貫通する。このため、第1貫通孔15aを介して中間部14の充填が容易に実施できる。これにより、製造工程の簡易化を図ることが可能となる。また、熱電素子1の使用に伴い中間部14を交換する必要が発生した場合、容易に中間部14の交換を実施することが可能となる。
また、本実施形態によれば、支持部13は、金属を含む。このため、第1方向Zに沿った支持部13の高さバラつきを抑制することができる。これにより、電極間ギャップを高精度に形成することができ、電気エネルギーの発生量の安定化を実現することが可能となる。また、支持部13は、第1電極部12a及び第2電極部12bと離間して設けられる。このため、支持部13の形成に伴う各電極部12a、12bの対向する面積の減少を防ぐことができる。これにより、支持部13の形状に関わらず、電気エネルギーの発生量の向上を図ることが可能となる。
(第3実施形態)
<電子機器>
上述した熱電素子1及び発電装置100は、例えば電子機器に搭載することが可能である。以下、電子機器の実施形態のいくつかを説明する。
図7(a)〜図7(d)は、熱電素子1を備えた電子機器500の例を示す模式ブロック図である。図7(e)〜図7(h)は、熱電素子1を含む発電装置100を備えた電子機器500の例を示す模式ブロック図である。
図7(a)に示すように、電子機器500(エレクトリックプロダクト)は、電子部品501(エレクトロニックコンポーネント)と、主電源502と、補助電源503と、を備えている。電子機器500及び電子部品501のそれぞれは、電気的な機器(エレクトリカルデバイス)である。
電子部品501は、主電源502を電源に用いて駆動される。電子部品501の例としては、例えば、CPU、モーター、センサ端末、及び照明等を挙げることができる。電子部品501が、例えばCPUである場合、電子機器500には、内蔵されたマスター(CPU)によって制御可能な電子機器が含まれる。電子部品501が、例えば、モーター、センサ端末、及び照明等の少なくとも1つを含む場合、電子機器500には、外部にあるマスター、あるいは人によって制御可能な電子機器が含まれる。
主電源502は、例えば電池である。電池には、充電可能な電池も含まれる。主電源502のプラス端子(+)は、電子部品501のVcc端子(Vcc)と電気的に接続される。主電源502のマイナス端子(−)は、電子部品501のGND端子(GND)と電気的に接続される。
補助電源503は、熱電素子である。熱電素子は、実施形態のそれぞれにおいて説明した熱電素子1の少なくとも1つを含む。熱電素子1のアノード(例えば第1電極部12a)は、電子部品501のGND端子(GND)、又は主電源502のマイナス端子(−)、又はGND端子(GND)とマイナス端子(−)とを接続する配線と、電気的に接続される。熱電素子1のカソード(例えば第2電極部12b)は、電子部品501のVcc端子(Vcc)、又は主電源502のプラス端子(+)、又はVcc端子(Vcc)とプラス端子(+)とを接続する配線と、電気的に接続される。電子機器500において、補助電源503は、例えば主電源502と併用され、主電源502をアシストするための電源や、主電源502の容量が切れた場合、主電源502をバックアップするための電源として使うことができる。主電源502が充電可能な電池である場合には、補助電源503は、さらに、電池を充電するための電源としても使うことができる。
図7(b)に示すように、主電源502は、熱電素子1とされてもよい。熱電素子1のアノードは、電子部品501のGND端子(GND)と電気的に接続される。熱電素子1のカソードは、電子部品501のVcc端子(Vcc)と電気的に接続される。図7(b)に示す電子機器500は、主電源502として使用される熱電素子1と、熱電素子1を用いて駆動されることが可能な電子部品501と、を備えている。熱電素子1は、独立した電源(例えばオフグリッド電源)である。このため、電子機器500は、例えば自立型(スタンドアローン型)にできる。しかも、熱電素子1は、環境発電型(エナジーハーベスト型)である。図7(b)に示す電子機器500は、電池の交換が不要である。
図7(c)に示すように、電子部品501が熱電素子1を備えていてもよい。熱電素子1のアノードは、例えば、回路基板(図示は省略する)のGND配線と電気的に接続される。熱電素子1のカソードは、例えば、回路基板(図示は省略する)のVcc配線と電気的に接続される。この場合、熱電素子1は、電子部品501の、例えば補助電源503として使うことができる。
図7(d)に示すように、電子部品501が熱電素子1を備えている場合、熱電素子1は、電子部品501の、例えば主電源502として使うことができる。
図7(e)〜図7(h)のそれぞれに示すように、電子機器500は、発電装置100を備えていてもよい。発電装置100は、電気エネルギーの源として熱電素子1を含む。
図7(d)に示した実施形態は、電子部品501が主電源502として使用される熱電素子1を備えている。同様に、図7(h)に示した実施形態は、電子部品501が主電源として使用される発電装置100を備えている。これらの実施形態では、電子部品501が、独立した電源を持つ。このため、電子部品501を、例えば自立型とすることができる。自立型の電子部品501は、例えば、複数の電子部品を含み、かつ、少なくとも1つの電子部品が別の電子部品と離れているような電子機器に有効に用いることができる。そのような電子機器500の例は、センサである。センサは、センサ端末(スレーブ)と、センサ端末から離れたコントローラ(マスター)と、を備えている。センサ端末及びコントローラのそれぞれは、電子部品501である。センサ端末が、熱電素子1又は発電装置100を備えていれば、自立型のセンサ端末となり、有線での電力供給の必要がない。熱電素子1又は発電装置100は環境発電型であるので、電池の交換も不要である。センサ端末は、電子機器500の1つと見なすこともできる。電子機器500と見なされるセンサ端末には、センサのセンサ端末に加えて、例えば、IoTワイヤレスタグ等が、さらに含まれる。
図7(a)〜図7(h)のそれぞれに示した実施形態において共通することは、電子機器500は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子1と、熱電素子1を電源に用いて駆動されることが可能な電子部品501と、を含むことである。
電子機器500は、独立した電源を備えた自律型(オートノマス型)であってもよい。自律型の電子機器の例は、例えばロボット等を挙げることができる。さらに、熱電素子1又は発電装置100を備えた電子部品501は、独立した電源を備えた自律型であってもよい。自律型の電子部品の例は、例えば可動センサ端末等を挙げることができる。
以上、この発明の実施形態のいくつかを説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、これらの実施形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。また、この発明は、上記いくつかの実施形態の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記いくつかの実施形態のそれぞれは、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
1 :熱電素子
11 :基板
11a :第1基板
11af :第1主面
11b :第2基板
11bf :第2主面
12a :第1電極部
12b :第2電極部
13 :支持部
13a :第1支持部
13b :第2支持部
14 :中間部
14a :ギャップ部
141 :ナノ粒子
141a :絶縁膜
142 :溶媒
15 :貫通孔
15a :第1貫通孔
15b :第2貫通孔
16 :配線層
16a :第1配線層
16b :第2配線層
17 :接続配線
17a :第1接続配線
17b :第2接続配線
18 :封止部
18a :第1封止部
18b :第2封止部
100 :発電装置
101 :第1配線
102 :第2配線
111 :第1端子
112 :第2端子
500 :電子機器
501 :電子部品
502 :主電源
503 :補助電源
9 :保護膜
R :負荷
S110 :支持部形成工程
S120 :電極部形成工程
S130 :配線層形成工程
S140 :保護膜形成工程
S150 :貫通孔形成工程
S160 :接続配線形成工程
S170 :接合工程
S180 :中間部形成工程
Z :第1方向
X :第2方向
Y :第3方向
e :電子

Claims (12)

  1. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、
    第1主面を有する第1基板と、
    前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、
    前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、
    前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられ、前記第1主面及び前記第2主面と接する支持部と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、ナノ粒子を含む中間部と、
    前記第1基板を前記第1方向に貫通する第1貫通孔と、
    前記第1基板における前記第1主面に対向する面上に設けられた第1配線層と、
    前記第1貫通孔を介して、前記第1電極部及び前記第1配線層と電気的に接続される第1接続配線と、
    を備えること
    を特徴とする熱電素子。
  2. 前記第2基板を前記第1方向に貫通する第2貫通孔と、
    前記第2基板における前記第2主面に対向する面上に設けられた第2配線層と、
    前記第2貫通孔を介して、前記第2電極部及び前記第2配線層と電気的に接続される第2接続配線と、
    をさらに備えること
    を特徴とする請求項1記載の熱電素子。
  3. 前記支持部は、金属を含み、
    前記第1電極部及び前記第2電極部は、前記支持部と離間すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の熱電素子。
  4. 前記第1電極部と、前記第2電極部との間の電極間ギャップは、10μm以下であり、
    前記ナノ粒子の直径は、前記電極間ギャップの1/10以下であること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の熱電素子。
  5. 前記ナノ粒子は、表面に設けられた絶縁膜を有し、
    前記絶縁膜の厚さは、20nm以下であること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の熱電素子。
  6. 前記中間部は、60℃以上の沸点を有する溶媒を含むこと
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の熱電素子。
  7. 前記中間部は、前記ナノ粒子のみが充填された状態を示すこと
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の熱電素子。
  8. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子を備えた発電装置であって、
    前記熱電素子は、
    第1主面を有する第1基板と、
    前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、
    前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、
    前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられ、前記第1主面及び前記第2主面と接する支持部と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、ナノ粒子を含む中間部と、
    前記第1基板を前記第1方向に貫通する第1貫通孔と、
    前記第1基板における前記第1主面に対向する面上に設けられた第1配線層と、
    前記第1貫通孔を介して、前記第1電極部及び前記第1配線層と電気的に接続される第1接続配線と、
    を備えること
    を特徴とする発電装置。
  9. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子と、前記熱電素子を電源に用いて駆動されることが可能な電子部品と、を含む電子機器であって、
    前記熱電素子は、
    第1主面を有する第1基板と、
    前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、
    前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、
    前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられ、前記第1主面及び前記第2主面と接する支持部と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、ナノ粒子を含む中間部と、
    前記第1基板を前記第1方向に貫通する第1貫通孔と、
    前記第1基板における前記第1主面に対向する面上に設けられた第1配線層と、
    前記第1貫通孔を介して、前記第1電極部及び前記第1配線層と電気的に接続される第1接続配線と、
    を備えること
    を特徴とする電子機器。
  10. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の製造方法であって、
    第1基板の第1主面上に第1支持部を形成し、第2基板の第2主面上に第2支持部を形成する支持部形成工程と、
    前記第1主面上に第1電極部を形成し、前記第2主面上に前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部を形成する電極部形成工程と、
    前記第1基板における前記第1主面に対向する面上に第1配線層を形成する配線層形成工程と、
    前記第1基板を第1方向に貫通する第1貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    前記第1貫通孔を介して、前記第1電極部及び前記第1配線層と電気的に接続される第1接続配線を形成する接続配線形成工程と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部とを前記第1方向に離間して対向するように、前記第1支持部と、前記第2支持部とを接合する接合工程と、
    前記第1貫通孔を介して、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に、ナノ粒子を含む中間部を形成する中間部形成工程と、
    を備えることを特徴とする熱電素子の製造方法。
  11. 前記配線層形成工程は、前記第1配線層を形成すると同時に、前記第2基板における前記第2主面に対向する面上に第2配線層を形成し、
    前記貫通孔形成工程は、前記第1貫通孔を形成すると同時に、前記第2基板を前記第1方向に貫通する第2貫通孔を形成し、
    前記接続配線形成工程は、前記第1接続配線を形成すると同時に、前記第2貫通孔を介して、前記第2電極部及び前記第2配線層と電気的に接続される第2接続配線を形成すること
    を特徴とする請求項10記載の熱電素子の製造方法。
  12. 前記配線層形成工程の後、前記第1電極部及び前記第2電極部を覆う保護膜を形成する保護膜形成工程をさらに備えること
    を特徴とする請求項10又は11記載の熱電素子の製造方法。
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