JP6521401B1 - 熱電素子、発電装置、及び熱電素子の製造方法 - Google Patents

熱電素子、発電装置、及び熱電素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気エネルギーの発生量の増加を実現できる熱電素子、発電装置、及び熱電素子の製造方法を提供する。【解決手段】熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子1であって、絶縁性を有する基材21と、前記基材21の上に積層され、絶縁性を有する引出基材21nと、前記基材21内に設けられ、ナノ粒子31を含む中間部25と、前記中間部25を挟み、それぞれ異なる仕事関数を有する第1電極層23及び第2電極層24と、を備え、前記第1電極層23は、前記引出基材21nと接し、前記第2電極層24は、前記基材21内に設けられることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子、発電装置、及び熱電素子の製造方法に関する。
近年、熱エネルギー(絶対温度)を利用して電気エネルギーを生成する熱電素子の開発が盛んに行われている。特に、電極の有する仕事関数の差分を利用した電気エネルギーの生成に関し、例えば特許文献1に開示された熱電素子等が提案されている。このような熱電素子は、電極に与える温度差を利用して電気エネルギーを生成する構成に比べて、様々な用途への利用が期待されている。
特許文献1では、エミッタ電極層と、コレクタ電極層と、前記エミッタ電極層及び前記コレクタ電極層の表面に分散して配置され、前記エミッタ電極層及び前記コレクタ電極層をサブミクロン間隔で離間する電気絶縁性の球状ナノビーズとを備え、前記エミッタ電極層の仕事関数は前記コレクタ電極層の仕事関数よりも小さく、前記球状ナノビーズの粒子径は100nm以下である、熱電素子が開示されている。
特許第6147901号公報
ここで、電極の有する仕事関数の差分を用いる熱電素子において、電気エネルギーの発生量には、各電極の間隔(電極間ギャップ)が影響する。特に、電極間ギャップのバラつきが大きくなるにつれて、電気エネルギーの発生量が低下する傾向にある。この点、特許文献1の開示技術では、球状ナノビーズを用いて各電極層を離間させている。このため、球状ビーズ径のバラつきに起因する電極間ギャップのバラつきの増加を考慮しておらず、電気エネルギーの発生量が低下する。上述した事情により、電気エネルギーの発生量の増加が望まれている。
そこで本発明は、上述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、電気エネルギーの発生量の増加を実現できる熱電素子、発電装置、及び熱電素子の製造方法を提供することにある。
第1発明に係る熱電素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、絶縁性を有する基材と、前記基材の上に積層され、絶縁性を有する引出基材と、前記基材内に設けられ、ナノ粒子と、前記ナノ粒子を分散した溶媒とを含む中間部と、前記中間部を挟み、それぞれ異なる仕事関数を有する第1電極層及び第2電極層と、を備え、前記第1電極層は、前記引出基材及び前記基材の主面と接し、前記第2電極層は、前記基材内に設けられ、前記ナノ粒子は、前記第1電極層の仕事関数と、前記第2電極層の仕事関数との間の仕事関数を有し、前記基材の前記主面に平行となる第1方向に沿って、前記第1電極層の幅は、前記第2電極層の幅よりも大きいことを特徴とする。
発明に係る熱電素子は、第1発明において、前記第1電極層と、前記第2電極層との間の第1距離は、10μm以下であり、前記ナノ粒子の直径は、前記第1距離の1/10以下であることを特徴とする。
発明に係る熱電素子は、第1発明又は明において、前記ナノ粒子は、表面に設けられた絶縁膜を有し、前記絶縁膜の厚さは、0.2nm以上5.0nm以下であることを特徴とする。
発明に係る熱電素子は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記溶媒は、60℃以上の沸点を有することを特徴とする。
発明に係る熱電素子は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記引出基材の主面において前記第1電極層と接し、前記引出基材を貫通する引出配線と、前記基材内において前記第2電極層と接し、前記基材を貫通する配線をさらに備えることを特徴とする。
発明に係る熱電素子は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記第1電極層、前記第2電極層、及び前記中間部は、前記第1方向にそれぞれ離間して複数配置され、前記第1方向と交わり前記基材の前記主面に平行となる第2方向に延在することを特徴とする。
発明に係る発電装置は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置であって、絶縁性を有する基材と、前記基材の上に積層され、絶縁性を有する引出基材と、前記基材内に設けられ、ナノ粒子と、前記ナノ粒子を分散した溶媒とを含む中間部と、前記中間部を挟み、それぞれ異なる仕事関数を有する第1電極層及び第2電極層と、前記第1電極層及び前記第2電極層と電気的に接続された第1配線及び第2配線と、を備え、前記第1電極層は、前記引出基材及び前記基材の主面と接し、前記第2電極層は、前記基材内に設けられ、前記ナノ粒子は、前記第1電極層の仕事関数と、前記第2電極層の仕事関数との間の仕事関数を有し、前記基材の前記主面に平行となる第1方向に沿って、前記第1電極層の幅は、前記第2電極層の幅よりも大きいことを特徴とする。
発明に係る熱電素子の製造方法は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の製造方法であって、絶縁性を有する基材に凹部を形成する基材工程と、絶縁性を有する引出基材の主面上に、第1電極層を形成する第1工程と、前記凹部内に、前記第1電極層とは異なる仕事関数を有する第2電極層を形成する第2工程と、前記凹部と、前記第1電極層とを重ねる位置、且つ、前記第1電極層を前記基材の主面と接する位置において、前記基材の上に前記引出基材を積層する積層工程と、前記凹部内に、ナノ粒子と、前記ナノ粒子を分散した溶媒とを含む中間部を形成する中間工程と、を備え、前記ナノ粒子は、前記第1電極層の仕事関数と、前記第2電極層の仕事関数との間の仕事関数を有し、前記基材の前記主面に平行となる第1方向に沿って、前記第1電極層の幅は、前記第2電極層の幅よりも大きいことを特徴とする。
発明に係る熱電素子の製造方法は、第発明において、前記中間工程は、前記積層工程の後に行われることを特徴とする。
第1発明に係る熱電素子の製造方法は、第発明において、前記中間工程は、前記積層工程の前に行われることを特徴とする。
第1発明に係る熱電素子の製造方法は、第発明〜第1発明の何れかにおいて、前記基材工程、前記第1工程、前記第2工程は、前記基材及び前記引出基材が繋がった状態で行われ、前記基材と、前記引出基材とを分割する分割工程をさらに備えることを特徴とする。
第1発明〜第発明によれば、第2電極層は基材内に設けられ、引出基材は、基材の上に積層され、第1電極層と接する。このため、各電極層を高精度で配置することができ、電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の増加を実現することが可能となる。また、ナノ粒子は、第1電極層の仕事関数と、第2電極層の仕事関数との間の仕事関数を有する。このため、第1電極層から生成した熱電子は、ナノ粒子を介して容易に第2電極層に伝搬することができる。これにより、電気エネルギーの発生量をさらに増加させることが可能となる。
特に、第発明によれば、ナノ粒子の直径は、第1距離の1/10以下である。このため、第1電極層と、第2電極層との間に、ナノ粒子を含む中間部を容易に形成することができる。これにより、熱電素子を製造するとき、作業性の向上を図ることが可能となる。
特に、第発明によれば、ナノ粒子は、表面に設けられた絶縁膜を有する。このため、第1電極層から生成した電子(熱電子)は、トンネル効果によりナノ粒子間を容易に移動することができる。これにより、電気エネルギーの発生量をさらに増加させることが可能となる。
特に、第発明によれば、溶媒は、60℃以上の沸点を有する。このため、室温以上の環境下に熱電素子が用いられた場合においても、溶媒の気化を抑制することができる。これにより、溶媒の気化に伴う熱電素子の劣化を抑制することが可能となる。
特に、第発明によれば、配線は基材内に設けられ、引出配線は引出基材内に設けられる。このため、熱電素子を用いた発電装置の製造工程において、配線の劣化を抑制できる。これにより、安定した特性を得ることが可能となる。
特に、第発明によれば、中間部等は、第1方向に離間して複数配置される。このため、単一の基材内に複数の独立した中間部等を形成することができる。これにより、熱電素子の小型化を図ることが可能となる。
発明〜第1発明によれば、積層工程は、凹部と、第1電極層とを重ねる位置において、基材の上に引出基材を積層する。このため、各電極層を高精度で配置することができ、電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の増加を実現することが可能となる。また、ナノ粒子は、第1電極層の仕事関数と、第2電極層の仕事関数との間の仕事関数を有する。このため、第1電極層から生成した熱電子は、ナノ粒子を介して容易に第2電極層に伝搬することができる。これにより、電気エネルギーの発生量をさらに増加させることが可能となる。
特に、第発明によれば、中間工程は、積層工程の後に行われる。このため、電極間ギャップを固定した状態で、中間部を形成することができる。これにより、電極間ギャップのバラつきをさらに抑制することが可能となる。
特に第1発明によれは、中間工程は、積層工程の前に行われる。このため、中間部を形成する時間を短縮することができる。これにより、製造工程における時間の短縮を図ることが可能となる。
特に、第1発明によれば、基材工程、第1工程、第2工程は、基材及び引出基材が繋がった状態で行われる。このため、ロール・トゥ・ロール等の連続生産プロセスへの対応ができる。これにより、製造工程における時間の短縮を図ることが可能となる。
図1は、本実施形態における発電装置及び熱電素子の構成の一例を示す模式断面図である。 図2(a)は、中間部の一例を示す模式断面図であり、図2(b)は、中間部の他の例を示す模式断面図である。 図3(a)は、本実施形態における発電装置及び熱電素子の構成の一例における第1電極層の第1変形例を示す模式断面図であり、図3(b)は、積層部の一例を示す模式平面図である。 図4は、本実施形態における発電装置及び熱電素子の構成の一例における第1電極層の第2変形例を示す模式断面図である。 図5は、本実施形態における熱電素子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図6(a)は、基材内に形成された凹部を示す模式断面図であり、図6(b)は、基材内に形成された配線を示す模式断面図であり、図6(c)は、第2主面上に形成された第1電極層を示す模式断面図であり、図6(d)は、凹部内に形成された第2電極層を示す模式断面図である。 図7(a)は、分割された基材を示す模式断面図であり、図7(b)は、積層された基材を示す模式断面図である。 図8(a)〜図8(d)は、本実施形態における熱電素子の製造方法の第1変形例〜第4変形例を示すフローチャートである。 図9は、本実施形態における発電装置及び熱電素子の構成の第1変形例を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施形態における熱電素子及び発電装置の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において第1電極層23から第2電極層24に向かう方向を高さ方向Zとし、高さ方向Zと交わる方向をそれぞれ第1方向X及び第2方向Yとする。
(発電装置100、熱電素子1の構成)
図1を参照して、本実施形態における発電装置100及び熱電素子1の構成の一例について説明する。図1(a)は、本実施形態における発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式断面図であり、図1(b)は、積層部20の一例を示す模式平面図である。
図1に示すように、発電装置100は、熱電素子1と、第1配線101と、第2配線102とを備える。発電装置100は、熱電素子1において生成された電流を、第1配線101及び第2配線102に接続された負荷Rへ供給する。発電装置100は、例えば太陽光発電への応用のほか、例えばIoT(Internet of Things)デバイス、ウェアラブル機器等のモバイル機器又は自立型センサ端末内に設けられ、電池の代替又は補助として用いることができる。
熱電素子1は、例えば電子デバイスのCPU(Central Processing Unit)、自動車のエンジン、工場の生産設備等を熱源として発生した熱エネルギーを、電気エネルギーに変換し、電流を生成することができる。熱電素子1は、積層部20を備える。熱電素子1は、例えば積層部20の上に積層された積層部20(引出部20n)を備えてもよい。
<積層部20、引出部20n>
積層部20は、基材21と、配線22と、第1電極層23と、第2電極層24と、中間部25とを有する。積層部20は、例えば1つの基材21に対して、1つの第1電極層23、第2電極層24、及び中間部25を有する。引出部20nは、引出基材21nと、引出配線22nとを有し、例えば上層引出電極層26を有してもよい。引出部20nは、中間部25を有しない。
<基材21>
基材21は、第1方向X及び第2方向Yに平行となる第1主面21aと、第1主面21aと対向する第2主面21bとを有する。高さ方向Zにおいて、基材21の厚さは、例えば10μm以上2mm以下である。基材21の厚さは、第1方向Xにおける基材21の幅よりも小さく、第2方向Yにおける基材21の長さよりも小さい。
基材21は、絶縁性を有するほか、例えば平滑性、耐熱性、又は低熱膨張性等に優れた特性を有することが好ましい。基材21は、例えば薄板状のシリコンやガラス、又は樹脂等の材料を用いたフィルム状であり、材料としてPET(polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、又はポリイミドが用いられるほか、例えば単結晶シリコンやガラスが用いられてもよい。
<配線22>
配線22は、基材21内に設けられる。配線22は、高さ方向Zに沿って基材21を貫通する。例えば配線22は、第2主面21bから露出し、配線22の露出面は、第2主面21bと同一平面上に形成される。高さ方向Zにおいて、配線22の厚さは、例えば基材21の厚さとほぼ同等である。
配線22は、導電性を有するほか、例えば埋め込み性、耐熱性、又は低熱膨張性等に優れた特性を有することが好ましい。配線22として、例えばニッケル、銅、銀、金、タングステン、又はチタンを用いることができる。
<第1電極層23、第2電極層24>
第1電極層23は、引出部20nと接して設けられる。第1電極層23は、例えば基材21の第1主面21aと接する。第1電極層23は、高さ方向Zに沿って、基材21内に設けられた配線22と離間して設けられる。
第2電極層24は、基材21内に設けられる。第2電極層24は、基材21内において配線22と接し、第1電極層23と配線22との間に設けられる。第2電極層24は、第1電極層23と離間する。
第1方向Xに沿って、第1電極層23の幅は、第2電極層24の幅よりも大きい。高さ方向Zにおいて、第1電極層23及び第2電極層24の厚さは、例えば1nm以上50nm以下である。第1電極層23と、第2電極層24との間の第1距離(電極間ギャップ)は、例えば10μm以下であり、好ましくは10nm以上100nm以下である。
第1電極層23は、例えば高融点金属(Refractory Metal)以外の1層から構成される。ここで、高融点金属とは、ニオブ、モリブデン、タンタル、タングステン、レニウムを示す。第1電極層23として、例えばアルミニウム、ケイ素、六ほう化ランタン(LaB6)、又はグラフェン等のカーボン系材料の何れかが用いられる。特に、アルミニウムは加工性に優れ、ケイ素は生産性に優れ、六ほう化ランタンは仕事関数が小さいため、用途に応じて材料を選択することができる。また、上述した材料は、何れも高温下にて用いることができる。
第1電極層23は、第2電極層24の仕事関数とは異なる仕事関数を有する。本実施形態では、第1電極層23の仕事関数は、第2電極層24の仕事関数よりも小さい。なお、本実施形態において第1電極層23を陰極(カソード)、及び第2電極層24を陽極(アノード)として説明するが、第1電極層23を陽極、及び第2電極層24を陰極としてもよい。この場合、第1電極層23の仕事関数は、第2電極層24の仕事関数よりも大きい。
例えば、第1電極層23として六ほう化ランタン(仕事関数:2.50eV)が用いられるとき、第2電極層24として白金(仕事関数:5.65eV)が用いられる。例えば、第2電極層24として、アルミニウム、チタン等のほか、多層膜が用いられてもよく、仕事関数に応じて用いる材料を任意に選択してもよい。なお、第1電極層23及び第2電極層24の形成は、金属材料の蒸着、スパッタリング、又はインク化した金属材料をスクリーン印刷やインクジェット塗布等の方法で行うことで実現できる。
<中間部25>
中間部25は、基材21内に設けられ、基材21に囲まれる。中間部25は、第1電極層23と第2電極層24との間に接して設けられる。このため、中間部25は、熱電素子1の表面に露出しない。
中間部25は、図2(a)に示すように、例えばナノ粒子31と、溶媒32とを含む。中間部25は、例えばナノ粒子31を分散した溶媒32が充填された状態を示す。中間部25は、例えば図2(b)に示すように、溶媒32を含まなくてもよく、ナノ粒子31のみが充填された状態を示してもよい。
<ナノ粒子31>
ナノ粒子31は、第1電極層23の仕事関数と、第2電極層24の仕事関数との間の仕事関数を有し、例えば3.0eV以上5.5eV以下の仕事関数を有する。ナノ粒子31として、例えば金及び銀の少なくとも何れかが用いられるほか、例えば上記の仕事関数の範囲を満たす材料が用いられてもよい。
ナノ粒子31として、例えば第1距離の1/10以下である粒子径が用いられ、具体的には2nm以上10nm以下の粒子径が用いられるほか、例えば平均粒径(D50)3nm以上8nm以下の粒子径が用いられてもよい。なお、平均粒径は、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布計測器(例えばMicrotracBEL製Nanotrac WaveII-EX150等)により測定することができる。
<絶縁膜31a>
ナノ粒子31は、例えば表面に設けられた絶縁膜31aを有する。絶縁膜31aとして、例えばシリコン酸化物又はアルミナ等の金属酸化物が用いられるほか、例えばアルカンチオール等の有機化合物や、シリコン等の半導体が用いられてもよい。絶縁膜31aの厚さは、例えば0.2nm以上5.0nm以下である。
<溶媒32>
溶媒32として、沸点が60℃以上の液体が用いられ、例えば有機溶媒及び水の少なくとも何れかが用いられる。有機溶媒として、例えばメタノール、エタノール、トルエン、キシレン、アルカンチオール等が用いられる。
本実施形態によれば、熱電素子1に熱エネルギーが与えられると、第1電極層23及び第2電極層24から、中間部25に向けて熱電子eが放出される。放出された熱電子eは、中間部25内に分散されたナノ粒子31を介して、第1電極層23又は第2電極層24に伝搬される。
ここで、放出される熱電子eの量は、各電極層23、24の仕事関数に依存し、仕事関数が小さい材料ほど多く放出される傾向を示す。すなわち、第2電極層24よりも仕事関数の小さい第1電極層23から、熱電子eが多く放出される。このため、中間部25に放出された全熱電子eのうち、第2電極層24から第1電極層23へ移動する熱電子eの量に比べて、第1電極層23から第2電極層24へ移動する熱電子eの量が多い傾向を示す。これにより、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、第2電極層24から第1電極層23に向かう電流が生成される。
第1電極層23から放出される熱電子eの度合いは、主に、熱エネルギーに依存するほか、第1電極層23の仕事関数及び第2電極層24の仕事関数、並びに電極間ギャップに依存する。このため、第1電極層23と第2電極層24との間の距離を短くすることにより、電気エネルギーの発生量を増加させることが可能となる。
特に、熱電子eが第1電極層23から第2電極層24まで移動する際、トンネル効果あるいはナノホッピング効果を利用することで、電気エネルギーの発生量が増加することを、発明者らは見出した。トンネル効果等を用いることで、各電極層23、24及びナノ粒子31の有する仕事関数に応じたエネルギーを、熱電子eが有しない場合においても、容易に第1電極層23から第2電極層24まで移動することができる。
<引出基材21n>
引出基材21nは、第1方向X及び第2方向Yに平行となる主面を有する。引出基材21nは、基材21の上に積層される。引出基材21nの主面は、第1電極層23と接する。引出基材21nは、例えば第1電極層23を介して基材21と離間する。引出基材21nの厚さや材料等の構成は、基材21と同等である。
<引出配線22n>
引出配線22nは、引出基材21n内に設けられ、積層部20の有する配線22と電気的に接続される。引出配線22nは、引出基材21nの主面において第1電極層23と接し、高さ方向Zに沿って引出基材21nを貫通する。引出配線22nの厚さや材料等の構成は、配線22と同等である。例えば、引出配線22nは、配線22よりも厚く設けられてもよい。
<上層引出電極層26>
上層引出電極層26は、引出配線22nと接し、例えば第1配線101と接する。上層引出電極層26は、第1電極層23と接する引出基材21nの主面と対向する主面上に設けられるほか、引出基材21n内に設けられてもよい。上層引出電極層26の厚さや材料等の構成は、各電極層23、24の何れかと同等である。例えば上層引出電極層26は、各電極層23、24よりも厚く設けられてもよい。
<下層引出電極層27>
積層部20は、例えば基材21の第2主面21b上に設けられた下層引出電極層27を有する。下層引出電極層27は、配線22と接し、例えば第2配線102と接する。下層引出電極層27の厚さや材料の構成は、各電極層23、24の何れかと同様である。
本実施形態によれば、第2電極層24は基材21内に設けられ、引出基材21nは、基材21の上に積層され、第1電極層23と接する。このため、各電極層23、24を高精度で配置することができ、電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の増加を実現することが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1電極層23は、基材21内に設けられる。このため、各電極層23、24の配置精度をさらに高めることができる。これにより、電極間ギャップのバラつきをさらに抑制することが可能となる。また、第1電極層23、第2電極層24、及び中間部25が、基材21内に設けられるため、外部環境の影響に伴う劣化や、発電装置100等の製造工程に伴う劣化を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ナノ粒子31の直径は、第1距離の1/10以下である。このため、第1電極層23と、第2電極層24との間に、ナノ粒子31を含む中間部25を容易に形成することができる。これにより、熱電素子1を製造するとき、作業性の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、ナノ粒子31は、表面に設けられた絶縁膜31aを有する。このため、第1電極層23から生成した電子(熱電子e)は、トンネル効果によりナノ粒子31間を容易に移動することができる。これにより、電気エネルギーの発生量をさらに増加させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、ナノ粒子31は、第1電極層23の仕事関数と、第2電極層24の仕事関数との間の仕事関数を有する。このため、第1電極層23から生成した熱電子eは、ナノ粒子31を介して容易に第2電極層24に伝搬することができる。これにより、電気エネルギーの発生量をさらに増加させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、中間部25は、60℃以上の沸点を有する溶媒32を含む。このため、室温以上の環境下に熱電素子1が用いられた場合においても、溶媒32の気化を抑制することができる。これにより、溶媒32の気化に伴う熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、中間部25は、ナノ粒子31のみが充填された状態を示す。このため、高温の環境下に熱電素子1が用いられた場合においても、溶媒32等の気化を考慮する必要が無い。これにより、高温の環境下における熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、配線22は基材21内に設けられ、引出配線22nは引出基材21n内に設けられる。このため、熱電素子1を用いた発電装置100の製造工程において、配線22及び引出配線22nの劣化を抑制できる。これにより、安定した特性を得ることが可能となる。
なお、例えば図3に示すように、基材21は、引出基材21nと接してもよい。この場合、第1電極層23は、基材21内に設けられる。第1電極層23の側面は、基材21に接するほか、例えば図4に示すように、基材21と離間して中間部25と接してもよい。このような構成においても、電気エネルギーの発生量の増加を実現することが可能となる。
また、図3及び図4に示す構成では、第1電極層23、第2電極層24、及び中間部25は、例えば1つの基材21に対して、1つ配置されるほか、複数配置されてもよい。この場合、第1電極層23、第2電極層24、及び中間部25は、例えば第2方向Yに延在し、第1方向Xにそれぞれ離間して複数配置できる。これにより、熱電素子1の小型化を図ることが可能となる。また、複数の独立した中間部25を挟む各電極層23、24を並列接続することができる。これにより、電流増大、つまり高出力化が可能となる。
上記のほか、例えば積層部20を複数積層した上に、引出部20nを積層してもよい。この場合、複数の中間部25を挟む各電極層23、24を直列接続することができる。これにより、熱電素子1から得られる電圧の向上を実現することが可能となる。
(熱電素子1の製造方法)
次に、図5〜図7を参照して、本実施形態における熱電素子1の製造方法の一例について説明する。図5は、本実施形態における熱電素子1の製造方法の一例を示すフローチャートである。図6及び図7は、本実施形態における熱電素子1の製造方法の一例を示す模式断面図である。
本実施形態における熱電素子1の製造方法は、前工程S110と、後工程S120とを備える。前工程S110は、基材21を加工して、配線22等を形成する。例えば加工前の基材21がフィルム状の場合、基材21及び引出基材21nが繋がった状態で配線22等を形成してもよい。下記では基材21がフィルム状の場合について説明し、基材21及び引出基材21nが繋がった状態では、1つの基材21として説明する。前工程S110は、例えば基材工程S111と、配線工程S112と、第1工程S113と、第2工程S114とを有する。
後工程S120は、基材21の上に引出基材21nを積層する。後工程S120は、例えば分割工程S121と、積層工程S122と、中間工程S123とを有する。
<凹部21cを形成:基材工程S111>
前工程S110では、図6(a)に示すように、基材21の第1主面21aに、凹部21cを形成する(基材工程S111)。凹部21cは、第1方向Xに離間して複数形成され、第2方向Yに延在する。このとき、例えば引出配線22nを形成する部分(図6(a)の左側)には、凹部21cを形成しない。
凹部21cは、例えば金属金型を用いた熱転写プロセスにより形成される。高さ方向Zにおいて、凹部21cの深さは、例えば50nm以上500nm以下で形成され、第1方向Xにおける幅は、深さの10倍以上1000倍以下であることが望ましい。例えば、凹部21cの深さが100nm程度の場合、幅が1μm以上100μm以下であることが望ましい。
<配線22を形成:配線工程S112>
次に、図6(b)に示すように、凹部21cの底面から第2主面21bまで貫通する配線22を形成する(配線工程S112)。配線22は、各凹部21cの底面に形成され、第2方向Yに延在する。配線22は、例えば第2方向Yに離間して複数形成されてもよい。なお、配線22と同時に引出配線22nを形成してもよい。この場合、例えば第1方向Xに沿って、配線22と離間した位置に引出配線22nが形成される。引出配線22nは、引出基材21nとして形成される部分の基材21を貫通して形成される。
配線22は、例えば凹部21cの底面をレーザー加工により貫通孔を形成したあと、メッキ法により金属を埋め込むことにより形成される。このとき、凹部21cが埋まらない程度に金属を埋め込む。
<第1電極層23を形成:第1工程S113>
次に、図6(c)に示すように、基材21の第2主面21b上に、配線22及び引出配線22nと接する第1電極層23を形成する(第1工程S113)。第1電極層23は、それぞれ第1方向Xに離間した状態で各配線22に接して形成される。例えば高さ方向Zから見て、第1電極層23は、凹部21cと重なるように形成される。なお、基材21と引出基材21nとが予め離間している場合、例えば第1電極層23は、引出基材21nの主面のみに形成されてもよい。
第1電極層23として、例えば高融点金属以外の材料が用いられる。この場合、高融点金属に比べて容易に加工することができ、面内精度及び厚みの精度を飛躍的に高めることができる。また、第1電極層23は、1層から構成される。このため、多層から構成される場合に比べて、層間の接触抵抗に起因する電気エネルギーの発生量の低下を抑制することができる。
第1電極層23は、例えばスプレイ印刷法の他、蒸着法又はインクジェット法により形成される。第1方向Xにおける第1電極層23の幅は、配線22の幅よりも広く、凹部21cの幅と等しい。
<第2電極層24を形成:第2工程S114>
次に、第1電極層23と離間し、第1電極層23よりも大きい仕事関数を有する第2電極層24を形成する(第2工程S114)。図6(d)に示すように、凹部21c内に、配線22と接する第2電極層24を形成する。第2電極層24は、各主面21a、21bとは離間して形成される。なお、第1電極層23を形成するまえに、第2電極層24を形成してもよい。また、第2電極層24と同時に上層引出電極層26を形成してもよい。この場合、上層引出電極層26は、引出配線22nと接する。
第2電極層24は、例えばスプレイ印刷法の他、蒸着法又はインクジェット法により形成される。第1方向Xにおける第2電極層24の幅は、第1電極層23の幅と等しい。
<基材21を分割:分割工程S121>
次に、後工程S120では、例えば図7(a)に示すように、基材21を分割してもよい(分割工程S121)。基材21は、第1方向Xにおいて複数の基材21に分割される。基材21は、配線22、第1電極層23、及び第2電極層24と離間した位置で分割される。これにより基材21は、引出基材21nと離間する。
<引出基材21nを積層:積層工程S122>
次に、基材21を積層する(積層工程S122)。例えば図7(b)に示すように、基材21の上に引出基材21nを積層する。引出基材21nは、凹部21cと、第1電極層23とを重ねる位置において、基材21の上に積層される。このとき、凹部21c内には、第1電極層23が配置されるほか、例えば図1に示したように、第1主面21a上に第1電極層23が配置されてもよい。第1電極層23は、第2電極層24と離間して配置され、凹部21cには未充填部が残される。なお、基材21と引出基材21nとの間には、任意の数の基材21を積層してもよい。また、基材21の第2主面21b上に形成された第1電極層23は、下層引出電極層27として用いられる。
基材21及び引出基材21nは、例えば各主面21a、21bをプラズマ洗浄やUV洗浄により活性化処理した後、基材21の第1主面21aと、引出基材21nの第2主面21bとを貼合することで、積層される。
<中間部25を形成:中間工程S123>
次に、凹部21c内に、ナノ粒子31及び溶媒32を含む中間部25を形成する(中間工程S123)。中間部25は、第1電極層23と、第2電極層24との間における凹部21cの未充填部に充填される。
例えば基材21を中間部25の原液に浸すことで、毛細管現象によって凹部21cに中間部25を充填することができる。中間部25は、基材21の第2方向Yにおける側面から、凹部21cに充填される。その後、例えば基材21の側面を絶縁材料等で覆うことで、中間部25の充填不良等を抑制することができる。
上述した工程を経て、本実施形態における熱電素子1が形成される。なお、形成された上層引出電極層26に接続する第1配線101、及び下層引出電極層27に接続する第2配線102を形成し、第1配線101及び第2配線102に負荷Rを接続することで、本実施形態における発電装置100を形成することができる。
本実施形態によれば、積層工程S122は、凹部21cと、第1電極層23とを重ねる位置において、基材21の上に引出基材21nを積層する。このため、各電極層23、24を高精度で配置することができ、電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の増加を実現することが可能となる。
また、本実施形態によれば、基材21内に配線22及び中間部25が形成される。このため、熱電素子1を用いた発電装置100の製造工程において、配線22の劣化を抑制することができる。これにより、安定した特性を得ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、中間工程S123は、積層工程S122の後に行われる。このため、電極間ギャップを固定した状態で、中間部25を形成することができる。これにより、電極間ギャップのバラつきをさらに抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、積層工程S122のまえに、分割工程S121が行われる。このため、基材21の上に引出基材21nを積層する積層位置を精度良く設定することができる。これにより、さらに安定した特性を得ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、例えば凹部21cを形成する方法として、エッチング法を用いる必要がない。このため、熱電素子1の製造に伴う設備投資の抑制、製造コストの削減、及びタスクの向上を実現することが可能となる。
また、本実施形態によれば、基材工程S111、第1工程S113、第2工程S114は、基材21及び引出基材21nが繋がった状態で行われる。このため、ロール・トゥ・ロール等の連続生産プロセスへの対応ができる。これにより、製造工程における時間の短縮を図ることが可能となる。
特に、基材21として樹脂フィルムを用いた場合、金型を用いた微細転写法により凹部21cを形成することができる。このため、真空プロセスを用いる必要なく、加工面積を容易に拡大することができる。
また、基材21として樹脂フィルムを用いることで、基材21同士を容易に貼合することができ、中間部25を充填するスペースを容易に制御することができる。このため、熱電素子1の生産性向上、製造コスト低減に加え、熱電素子1の特性バラつきを抑制することが可能となる。
(熱電素子1の製造方法の変形例)
次に、図8を参照して、本実施形態における熱電素子1の製造方法の変形例について説明する。図8は、本変形例における熱電素子1の製造方法の第1〜第4変形例を示すフローチャートである。
例えば図8(a)及び図8(b)に示すように、後工程S120は、中間工程S123を行ったあと、積層工程S122を行ってもよい。この場合、例えばロール・トゥ・ロール等の連続塗布方法を用いて中間部25を形成することができる。このため、中間部25を形成する時間を短縮することができる。これにより、製造工程における時間の短縮を図ることが可能となる。
また、基材21の上に引出基材21nを積層する前に、中間部25を形成するため、溶媒32を用いずにナノ粒子31を充填するだけで中間部25を形成することができる。これにより、溶媒32の気化等に伴う熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
例えば図8(c)及び図8(d)に示すように、後工程S120は、積層工程S122を行ったあと、分割工程S121を行ってもよい。このため、基材21の上に引出基材21nを積層した状態で、一度に基材21及び引出基材21nを分割することができる。これにより、製造工程における時間の短縮を図ることが可能となる。
(熱電素子1の変形例)
次に、図9を参照して、本実施形態における熱電素子1の変形例について説明する。図9は、本実施形態における熱電素子1の変形例を示す模式断面図である。
上述した実施形態と、変形例との違いは、積層部20が配線22を有しない点である。上述した構成と同様の構成については、説明を省略する。
図9に示すように、第2主面21bにおいて、第2電極層24は第2主面21bから露出し、第2電極層24の露出面は、第2主面21bと同一平面上に形成される。第2電極層24は、例えば第2配線102と接する。
本変形例によれば、上述した構成と同様に、第2電極層24は基材21内に設けられ、引出基材21nは、基材21の上に積層され、第1電極層23と接する。このため、各電極層23、24を高精度で配置することができ、電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の増加を実現することが可能となる。
また、本変形例によれば、積層部20が配線22を有しない。このため、配線22と第2電極層24との間における接触抵抗に起因する電気エネルギーの発生量の増加を抑制することができる。
本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 :熱電素子
20 :積層部
20n :引出部
21 :基材
21a :第1主面
21b :第2主面
21c :凹部
21n :引出基材
22 :配線
22n :引出配線
23 :第1電極層
24 :第2電極層
25 :中間部
26 :上層引出電極層
27 :下層引出電極層
31 :ナノ粒子
31a :絶縁膜
32 :溶媒
100 :発電装置
101 :第1配線
102 :第2配線
R :負荷
S110 :前工程
S120 :後工程
X :第1方向
Y :第2方向
Z :高さ方向
e :熱電子

Claims (11)

  1. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、
    絶縁性を有する基材と、
    前記基材の上に積層され、絶縁性を有する引出基材と、
    前記基材内に設けられ、ナノ粒子と、前記ナノ粒子を分散した溶媒とを含む中間部と、
    前記中間部を挟み、それぞれ異なる仕事関数を有する第1電極層及び第2電極層と、
    を備え、
    前記第1電極層は、前記引出基材及び前記基材の主面と接し、
    前記第2電極層は、前記基材内に設けられ、
    前記ナノ粒子は、前記第1電極層の仕事関数と、前記第2電極層の仕事関数との間の仕事関数を有し、
    前記基材の前記主面に平行となる第1方向に沿って、前記第1電極層の幅は、前記第2電極層の幅よりも大きいこと
    を特徴とする熱電素子。
  2. 前記第1電極層と、前記第2電極層との間の第1距離は、10μm以下であり、
    前記ナノ粒子の直径は、前記第1距離の1/10以下であること
    を特徴とする請求項1記載の熱電素子。
  3. 前記ナノ粒子は、表面に設けられた絶縁膜を有し、
    前記絶縁膜の厚さは、0.2nm以上5.0nm以下であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の熱電素子。
  4. 前記溶媒は、60℃以上の沸点を有すること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の熱電素子。
  5. 前記引出基材の主面において前記第1電極層と接し、前記引出基材を貫通する引出配線と、
    前記基材内において前記第2電極層と接し、前記基材を貫通する配線と、
    をさらに備えること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の熱電素子。
  6. 前記第1電極層、前記第2電極層、及び前記中間部は、前記第1方向にそれぞれ離間して複数配置され、前記第1方向と交わり前記基材の前記主面に平行となる第2方向に延在すること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の熱電素子。
  7. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置であって、
    絶縁性を有する基材と、
    前記基材の上に積層され、絶縁性を有する引出基材と、
    前記基材内に設けられ、ナノ粒子と、前記ナノ粒子を分散した溶媒とを含む中間部と、
    前記中間部を挟み、それぞれ異なる仕事関数を有する第1電極層及び第2電極層と、
    前記第1電極層及び前記第2電極層と電気的に接続された第1配線及び第2配線と、
    を備え、
    前記第1電極層は、前記引出基材及び前記基材の主面と接し、
    前記第2電極層は、前記基材内に設けられ、
    前記ナノ粒子は、前記第1電極層の仕事関数と、前記第2電極層の仕事関数との間の仕事関数を有し、
    前記基材の前記主面に平行となる第1方向に沿って、前記第1電極層の幅は、前記第2電極層の幅よりも大きいこと
    を特徴とする発電装置。
  8. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の製造方法であって、
    絶縁性を有する基材に凹部を形成する基材工程と、
    絶縁性を有する引出基材の主面上に、第1電極層を形成する第1工程と、
    前記凹部内に、前記第1電極層とは異なる仕事関数を有する第2電極層を形成する第2工程と、
    前記凹部と、前記第1電極層とを重ねる位置、且つ、前記第1電極層を前記基材の主面と接する位置において、前記基材の上に前記引出基材を積層する積層工程と、
    前記凹部内に、ナノ粒子と、前記ナノ粒子を分散した溶媒とを含む中間部を形成する中間工程と、
    を備え、
    前記ナノ粒子は、前記第1電極層の仕事関数と、前記第2電極層の仕事関数との間の仕事関数を有し、
    前記基材の前記主面に平行となる第1方向に沿って、前記第1電極層の幅は、前記第2電極層の幅よりも大きいこと
    を特徴とする熱電素子の製造方法。
  9. 前記中間工程は、前記積層工程の後に行われること
    を特徴とする請求項記載の熱電素子の製造方法。
  10. 前記中間工程は、前記積層工程の前に行われること
    を特徴とする請求項記載の熱電素子の製造方法。
  11. 前記基材工程、前記第1工程、前記第2工程は、前記基材及び前記引出基材が繋がった状態で行われ、
    前記基材と、前記引出基材とを分割する分割工程をさらに備えること
    を特徴とする請求項〜1の何れか1項記載の熱電素子の製造方法。
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