JP7197857B2 - 熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法 - Google Patents

熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法に関する。
近年、熱エネルギーを利用して電気エネルギーを生成する熱電素子の開発が盛んに行われている。特許文献1には、仕事関数差を有する電極間に発生する、絶対温度による電子放出現象を利用した熱電素子が開示されている。このような熱電素子は、電極間の温度差(ゼーベック効果)を利用した熱電素子に比較して、電極間の温度差が小さい場合であっても発電可能である。このため、より様々な用途への利用が期待されている。
特許文献1には、エミッタ電極層と、コレクタ電極層と、エミッタ電極層及びコレクタ電極層の表面に分散して配置され、エミッタ電極層とコレクタ電極層とをサブミクロン間隔で離間する電気絶縁性の球状ナノビーズとを備え、エミッタ電極層の仕事関数はコレクタ電極層の仕事関数よりも小さく、球状ナノビーズの粒子径は100nm以下である熱電素子が開示されている。
特許第6147901号公報
ここで、異なる仕事関数を有する一対の電極部を用いた熱電素子において、電極部と接続する配線の劣化が課題として挙げられている。特に、電極部と配線とを熱電素子の表面(外部側)で接続させる場合、外部環境の影響により接続箇所が破断する場合がある。この点、特許文献1の開示技術では、熱電素子の側面に各電極層をつなぐ端子電極が設けられる構成等を前提としており、上述した配線の劣化を抑制することが難しい。
そこで本発明は、上述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、電極部と接続される配線の劣化を抑制することができる熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法を提供することにある。
第1発明に係る熱電素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、第1主面を有する第1基板と、前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられる支持部と、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1電極部と接する第1接続配線と、前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1接続配線と離間し、前記第2電極部と接する第2接続配線と、を備え、前記第1基板の前記第1主面の面積は、前記第2基板の前記第2主面の面積よりも大きく、前記第1接続配線及び前記第2接続配線は、前記支持部よりも外部側における前記第1主面に接することを特徴とする。
第2発明に係る熱電素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、第1主面を有する第1基板と、前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられる支持部と、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1電極部と接する第1接続配線と、前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1接続配線と離間し、前記第2電極部と接する第2接続配線と、を備、前記支持部は、前記第1接続配線と接する第1支持部と、前記第2接続配線と接し、前記第1接続配線及び前記第1支持部と離間する第2支持部と、を有することを特徴とする。
第3発明に係る熱電素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、第1主面を有する第1基板と、前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられる支持部と、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1電極部と接する第1接続配線と、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも何れかを前記第1方向に貫通する貫通孔と、を備えることを特徴とする。
第4発明に係る熱電素子は、第明において、前記支持部は、前記第1接続配線と接する第1支持部と、前記第2接続配線と接し、前記第1接続配線及び前記第1支持部と離間する第2支持部と、を有することを特徴とする。
第5発明に係る熱電素子は、第2発明又は第4発明において、前記第1支持部及び前記第2支持部は、導電性を有することを特徴とする。
第6発明に係る熱電素子は、第2発明又は第4発明において、前記第1支持部及び前記第2支持部は、前記第1基板及び前記第2基板の何れかと一体に設けられることを特徴とする。
第7発明に係る熱電素子は、第1発明又は明において、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも何れかを前記第1方向に貫通する貫通孔をさらに備えることを特徴とする。
第8発明に係る熱電素子は、第1発明~第7発明の何れかにおいて、前記第1電極部と、前記第2電極部との間の電極間ギャップは、10μm以下であり、前記ナノ粒子の直径は、前記電極間ギャップの1/10以下であることを特徴とする。
第9発明に係る熱電素子は、第1発明~第8発明の何れかにおいて、前記ナノ粒子は、表面に設けられた絶縁膜を有し、前記絶縁膜の厚さは、20nm以下であることを特徴とする。
第10発明に係る熱電素子は、第1発明~第9発明の何れかにおいて、前記中間部は、60℃以上の沸点を有する溶媒を含むことを特徴とする。
第11発明に係る熱電素子は、第1発明~第9発明の何れかにおいて、前記中間部は、前記ナノ粒子のみが充填された状態を示すことを特徴とする。
第12発明に係る発電装置は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子を備えた発電装置であって、前記熱電素子は、第1主面を有する第1基板と、前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられる支持部と、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1電極部と接する第1接続配線と、前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1接続配線と離間し、前記第2電極部と接する第2接続配線と、を備え、前記第1基板の前記第1主面の面積は、前記第2基板の前記第2主面の面積よりも大きく、前記第1接続配線及び前記第2接続配線は、前記支持部よりも外部側における前記第1主面に接することを特徴とする。
第13発明に係る電子機器は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子と、前記熱電素子を電源に用いて駆動されることが可能な電子部品と、を含む電子機器であって、前記熱電素子は、第1主面を有する第1基板と、前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられる支持部と、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1電極部と接する第1接続配線と、前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1接続配線と離間し、前記第2電極部と接する第2接続配線と、を備え、前記第1基板の前記第1主面の面積は、前記第2基板の前記第2主面の面積よりも大きく、前記第1接続配線及び前記第2接続配線は、前記支持部よりも外部側における前記第1主面に接することを特徴とする。
第14発明に係る熱電素子の製造方法は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の製造方法であって、第1基板の第1主面上、及び第2基板の第2主面上の少なくとも何れかに、支持部を形成する支持部形成工程と、前記第1主面上に第1電極部を形成し、前記第2主面上に前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部を形成する電極部形成工程と、前記支持部上、及び前記第1電極部上に第1接続配線を形成する接続配線形成工程と、前記第1電極部と、前記第2電極部とを第1方向に離間して対向するように、前記支持部及び前記第1接続配線を介して、前記第1基板上に前記第2基板を積層する積層工程と、前記第1電極部と、前記第2電極部との間に、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部を形成する中間部形成工程と、を備えることを特徴とする。
第15発明に係る熱電素子の製造方法は、第14発明において、前記接続配線形成工程は、前記支持部上、及び前記第2電極部上に、前記第1接続配線と離間する第2接続配線を形成することを含むことを特徴とする。
第16発明に係る熱電素子の製造方法は、第15発明において、前記支持部は、前記第1接続配線と接する第1支持部と、前記第2接続配線と接し、前記第1接続配線及び前記第1支持部と離間する第2支持部と、を有し、前記接続配線形成工程は、前記第1主面上における前記第1接続配線と離間した位置に、前記第1接続配線と同じ材料の第2接続部を形成し、前記第2主面上における前記第2接続配線と離間した位置に、前記第2接続配線と同じ材料の第1接続部を形成することを含み、前記積層工程は、前記第1支持部上に形成された前記第1接続配線と、前記第1接続部とを接合し、前記第2支持部上に形成された前記第2接続配線と、前記第2接続部とを接合することを含むことを特徴とする。
第17発明に係る熱電素子の製造方法は、第14発明~第16発明の何れかにおいて、前記支持部形成工程は、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも何れかの一部を除去して前記支持部を形成することを含むことを特徴とする。
第1発明~第13発明によれば、第1接続配線は、第1基板と支持部との間、又は、第2基板と支持部との間に挟まれ、第1電極部と接する。このため、第1接続配線は、熱電素子の内部側で第1電極部と接続させることができる。これにより、第1電極部と接続される第1接続配線の劣化を抑制することが可能となる。
また、第1発明~第13発明によれば、第1接続配線は、第1基板と支持部との間、又は、第2基板と支持部との間に挟まれる。このとき、第1接続配線の厚さを均一にした状態で、支持部と各基板の何れかとの間に挟ませることができる。このため、各電極部の間における電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の安定化を図ることが可能となる。
特に、第1発明、第2発明、第12発明、及び第13発明によれば、第2接続配線は、第1接続配線と離間し、第2電極部と接する。このため、第2接続配線は、熱電素子の内部側で第2電極部と接続させることができる。これにより、各電極部と接続される各接続配線の劣化を抑制することが可能となる。また、第2接続配線は、第1接続配線と同様の構造で形成することができるため、製造工程の簡略化が可能となる。
特に、第発明、第12発明、及び第13発明によれば、第1接続配線及び第2接続配線は、支持部よりも外部側における第1主面に接する。このため、各接続配線の接続部を、同一面上に設けることができる。これにより、各接続配線と外部配線との電気的接続や、熱電素子の検査等を容易化することが可能となる。
特に、第2発明及び第4発明によれば、支持部は、互いに離間する第1支持部及び第2支持部を有する。このため、各支持部と、各基板との間に挟まれる各接続配線の面積を大きくすることができる。これにより、電極間ギャップのバラつきをさらに抑制することが可能となる。
特に、第5発明によれば、第1支持部及び第2支持部は、導電性を有する。このため、各電極部と電気的に接続させる部分として、各支持部を用いることができる。これにより、各電極部と外部配線との電気的接続や、熱電素子の検査等を実施する際の接続部分を増やすことができ、さらに容易化することが可能となる。
特に、第6発明によれば、第1支持部及び第2支持部は、第1基板及び第2基板の何れかと一体に設けられる。このため、各支持部と、各基板との接合不良の発生を抑えることができる。これにより、熱電素子の劣化を抑制することが可能となる。
特に、第3発明及び第7発明によれば、貫通孔は、第1基板及び第2基板の少なくとも何れかを第1方向に貫通する。このため、貫通孔を介して中間部の充填が容易に実施できる。これにより、製造工程の簡易化を図ることが可能となる。また、熱電素子の使用に伴い中間部を交換する必要が発生した場合、容易に中間部の交換を実施することが可能となる。
特に、第8発明によれば、ナノ粒子の直径は、電極間ギャップの1/10以下である。このため、第1電極部と、第2電極部との間に、ナノ粒子を含む中間部を容易に形成することができる。これにより、熱電素子を製造するとき、作業性の向上を図ることが可能となる。
特に、第9発明によれば、ナノ粒子は、表面に設けられた絶縁膜を有する。このため、第1電極部から生成した電子は、例えばトンネル効果等によりナノ粒子間を容易に移動することができる。これにより、電気エネルギーの発生量を増加させることが可能となる。
特に、第10発明によれば、中間部は、60℃以上の沸点を有する溶媒を含む。このため、室温以上の環境下に熱電素子が用いられた場合においても、溶媒の気化を抑制することができる。これにより、溶媒の気化に伴う熱電素子の劣化を抑制することが可能となる。
特に、第11発明によれば、中間部は、ナノ粒子のみが充填された状態を示す。このため、高温の環境下に熱電素子が用いられた場合においても、溶媒等の気化を考慮する必要が無い。これにより、高温の環境下における熱電素子の劣化を抑制することが可能となる。
第14発明~第17発明によれば、接続配線形成工程は、支持部上、及び第1電極部上に第1接続配線を形成する。また、積層工程は、支持部及び第1接続配線を介して、第1基板上に第2基板を積層する。このため、第1接続配線は、熱電素子の内部側で第1電極部と接続させることができる。これにより、第1電極部と接続される第1接続配線の劣化を抑制することが可能となる。
また、第14発明~第17発明によれば、積層工程は、支持部及び第1接続配線を介して、第1基板上に第2基板を積層する。このとき、第1接続配線の厚さを均一にした状態で、支持部と各基板の何れかとの間に挟ませることができる。このため、各電極部の間における電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の安定化を図ることが可能となる。
特に、第15発明によれば、接続配線形成工程は、支持部上、及び第2電極部上に、第1接続配線と離間する第2接続配線を形成する。このため、第2接続配線は、熱電素子の内部側で第2電極部と接続させることができる。これにより、各電極部と接続される各接続配線の劣化を抑制することが可能となる。また、第2接続配線は、第1接続配線と同様の構造で形成することができるため、製造工程の簡略化が可能となる。
特に、第16発明によれば、積層工程は、第1接続配線と、第1接続部とを接合し、第2接続配線と、第2接続部とを接合する。このため、積層工程により形成される電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の安定化を容易に図ることが可能となる。
特に、第17発明によれば、支持部形成工程は、第1基板及び第2基板の少なくとも何れかの一部を除去して支持部を形成する。このため、各支持部と、各基板との接合不良の発生を抑えることができる。これにより、熱電素子の劣化を抑制することが可能となる。
図1(a)は、第1実施形態に係る発電装置及び熱電素子の一例を示す模式断面図であり、図1(b)は、図1(a)における1B-1B線に沿った模式平面図である。 図2は、第1実施形態に係る熱電素子の他の例を示す模式平面図である。 図3(a)は、中間部の一例を示す模式断面図であり、図3(b)は、中間部の他の例を示す模式断面図である。 図4は、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図5(a)~図5(c)は、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示す模式図である。 図6(a)及び図6(b)は、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示す模式断面図である。 図7(a)は、第2実施形態に係る発電装置及び熱電素子の一例を示す模式断面図であり、図7(b)は、図7(a)における7B-7B線に沿った模式平面図である。 図8(a)は、第2実施形態に係る発電装置及び熱電素子の他の例を示す模式断面図であり、図8(b)は、図8(a)における8B-8B線に沿った模式平面図である。 図9(a)及び図9(b)は、第2実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示す模式断面図である。 図10(a)は、第3実施形態に係る発電装置及び熱電素子の一例を示す模式断面図であり、図10(b)は、図10(a)における10B-10B線に沿った模式平面図である。 図11(a)は、第4実施形態に係る発電装置及び熱電素子の一例を示す模式断面図であり、図11(b)は、図11(a)における11B-11B線に沿った模式平面図である。 図12(a)~図12(d)は、熱電素子を備えた電子機器の例を示す模式ブロック図であり、図12(e)~図12(h)は、熱電素子を含む発電装置を備えた電子機器の例を示す模式ブロック図である。
以下、本発明の実施形態における熱電素子、発電装置、電子機器、及び熱電素子の製造方法それぞれの一例について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、各電極部が積層される高さ方向を第1方向Zとし、第1方向Zと交差、例えば直交する1つの平面方向を第2方向Xとし、第1方向Z及び第2方向Xのそれぞれと交差、例えば直交する別の平面方向を第3方向Yとする。
(第1実施形態)
<発電装置100>
図1は、第1実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式図である。図1(a)は、第1実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式断面図であり、図1(b)は、図1(a)における1B-1B線に沿った模式平面図である。
図1に示すように、発電装置100は、熱電素子1と、第1配線101と、第2配線102とを含む。熱電素子1は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。このような熱電素子1を備えた発電装置100は、例えば、図示せぬ熱源に搭載又は設置され、熱源の熱エネルギーを元として、熱電素子1が発生させた電気エネルギーを、第1配線101及び第2配線102を介して負荷Rへ出力する。負荷Rの一端は第1配線101と電気的に接続され、他端は第2配線102と電気的に接続される。負荷Rは、例えば電気的な機器を示している。負荷Rは、発電装置100を主電源又は補助電源に用いて駆動される。
熱電素子1の熱源としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子デバイス又は電子部品、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子、自動車等のエンジン、及び工場の生産設備、人体、太陽光、及び環境温度等を利用することができる。例えば、電子デバイス、電子部品、発光素子、エンジン、及び生産設備等は人工熱源である。人体、太陽光、及び環境温度等は自然熱源である。熱電素子1を備えた発電装置100は、例えばIoT(Internet of Things)デバイス及びウェアラブル機器等のモバイル機器や自立型センサ端末の内部に設けることができ、電池の代替又は補助として用いることができる。さらに、発電装置100は、太陽光発電等のような、より大型の発電装置への応用も可能である。
<熱電素子1>
熱電素子1は、例えば、上記人工熱源が発した熱エネルギー、又は上記自然熱源が持つ熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、電流を生成する。熱電素子1は、発電装置100内に設けるだけでなく、熱電素子1自体を、上記モバイル機器や上記自立型センサ端末等の内部に設けることもできる。この場合、熱電素子1自体が、上記モバイル機器又は上記自立型センサ端末等の、電池の代替部品又は補助部品となる。
熱電素子1は、基板11と、第1電極部12aと、第2電極部12bと、支持部13と、中間部14と、接続配線15とを備える。
基板11は、第1基板11aと、第2基板11bとを有する。第1基板11aは、第1方向Zと交わる第1主面11afを有する。第2基板11bは、第1主面11afと第1方向Zに離間して設けられる。第2基板11bは、第1主面11afと対向し、第1方向Zと交わる第2主面11bfを有する。
第1電極部12aは、第1主面11af上に接して設けられる。第1電極部12aは、第2基板11bと離間する。第2電極部12bは、第2主面11bf上に接して設けられる。第2電極部12bは、第1基板11a及び第1電極部12aと離間して対向する。第2電極部12bは、第1電極部12aとは異なる仕事関数を有する。
支持部13は、第1基板11aと、第2基板11bとの間に設けられる。支持部13は、第1主面11af及び第2主面11bfと連接する。支持部13は、第1電極部12a及び第2電極部12bと離間する。
中間部14は、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に設けられる。中間部14は、ナノ粒子を含み、例えばナノ粒子が分散された溶媒を含んでもよい。
接続配線15は、第2基板11bと支持部13との間に挟まれるほか、例えば第1基板11aと支持部13との間に挟まれてもよい。接続配線15は、第1電極部12aと接する。
熱電素子1は、ギャップ部14aを含む。ギャップ部14aは、例えば外界から隔離された空間を含む。ギャップ部14aは、例えば第1電極部12a、第2電極部12b、及び支持部13のそれぞれによって区画されている。中間部14は、ギャップ部14a内に設けられる。中間部14は、ギャップ部14a内において、例えば第1電極部12a、第2電極部12b、及び支持部13のそれぞれと接する。なお、熱電素子1の内部側とは、ギャップ部14aを含む部分を示し、熱電素子1の外部側とは、ギャップ部14aから離間した部分を示す。
以下、第1実施形態に係る熱電素子1及び発電装置100の構成を、さらに詳細に説明する。
<<第1基板11a、第2基板11b>>
第1基板11a及び第2基板11bのそれぞれの第1方向Zに沿った厚さは、例えば10μm以上2mm以下である。第1基板11a及び第2基板11bのそれぞれの材料としては、絶縁性を有する板状の材料を選ぶことができる。絶縁性の材料の例としては、シリコン、石英、パイレックス(登録商標)等のガラス、及び絶縁性樹脂等を挙げることができる。
第1基板11a及び第2基板11bは、薄板状であるほか、例えばフレキシブルなフィルム状でもよい。例えば、第1基板11a又は第2基板11bを、フレキシブルなフィルム状とする場合には、例えばPET(polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、及びポリイミド等を用いることができる。
第1基板11aと第2基板11bとの間(熱電素子1の内部側)には、第1電極部12a、第2電極部12b、支持部13、中間部14、及び接続配線15の少なくとも一部が挟まれる。このため、第1基板11a及び第2基板11bを備えることで、第1電極部12a、第2電極部12b、支持部13、中間部14、及び接続配線15のそれぞれの、外力や環境変化に伴った劣化や変形を抑制することもできる。したがって、熱電素子1の耐久性を高めることが可能である。
<<第1電極部12a、第2電極部12b>>
第1電極部12a及び第2電極部12bは、例えば図1(b)に示すように、第1方向Zから見て、四角形に形成される。第1電極部12aは、接続配線15、及び第1端子111を介して第1配線101と電気的に接続される。第2電極部12bは、例えば図示しない第2基板11bに挿通された配線、及び第2端子112を介して第2配線102と電気的に接続される。なお、第1端子111及び第2端子112は、省略してもよい。また、図示しない配線の配置箇所等は、任意である。
第1電極部12aは、例えば白金(仕事関数:約5.65eV)を含み、第2電極部12bは、例えばタングステン(仕事関数:約4.55eV)を含む。仕事関数が大きい電極部はアノード(コレクタ電極)として機能し、仕事関数が小さい電極部はカソード(エミッタ電極)として機能する。本実施形態に係る熱電素子1では、第1電極部12aがアノードであり、第2電極部12bがカソードとして説明する。なお、第1電極部12aをカソードとし、第2電極部12bをアノードとしてもよい。
熱電素子1では、仕事関数差を有する第1電極部12aと第2電極部12bとの間に発生する、絶対温度による電子放出現象が利用できる。このため、熱電素子1は、第1電極部12aと第2電極部12bとの温度差が小さい場合であっても、熱エネルギーを電気エネルギーに変換できる。さらに、熱電素子1は、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に温度差がない場合、又は単一の熱源を用いる場合であっても、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる。
第1電極部12a及び第2電極部12bそれぞれの第1方向Zに沿った厚さは、例えば1nm以上1mm以下でもよく、好ましくは1nm以上1μm以下、より好ましくは、1nm以上50nm以下である。第1電極部12aと第2電極部12bとの間の第1方向Zに沿った距離(電極間ギャップ)は、例えば、10μm以下の有限値である。より好ましくは、10nm以上100nm以下である。
第1電極部12a及び第2電極部12bそれぞれの第1方向Zに沿った厚さ、並びに電極間ギャップのそれぞれを、上記範囲内に設定することにより、例えば、熱電素子1の第1方向Zに沿った厚さを薄くできる。これは、例えば、複数の熱電素子1を、第1方向Zに沿ってスタックさせる場合に有効である。また、各電極部12a、12bの平面バラつきを抑えることができ、電気エネルギーの発生量の安定性を向上させることができる。上記に加え、電極間ギャップを、上記範囲内に設定することにより、電子を効率良く放出させることが可能になるとともに、電子を第2電極部12b(カソード)から第1電極部12a(アノード)へ、効率よく移動させることも可能となる。
第1電極部12aの材料、及び第2電極部12bの材料は、例えば、以下に示す金属から選ぶことができる。
白金(Pt)
タングステン(W)
アルミニウム(Al)
チタン(Ti)
ニオブ(Nb)
モリブデン(Mo)
タンタル(Ta)
レニウム(Re)
熱電素子1では、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に仕事関数差が生じればよい。したがって、第1電極部12a及び第2電極部12bの材料には、上記以外の金属を選ぶことが可能である。第1電極部12a及び第2電極部12bの材料として、金属のほか、合金、金属間化合物、及び金属化合物を選ぶことも可能である。合金は、2種類以上の金属を混合したものである。このような合金の例としては、例えばアルミニウムとシリコン(Si)との混合物や、アルミニウムとシリコンと銅(Cu)との混合物を挙げることができる。金属化合物は、金属元素と非金属元素とが化合したものである。このような金属化合物の例としては、例えば六ホウ化ランタン(LaB6)を挙げることができる。
第1電極部12a及び第2電極部12bの材料として、非金属導電物を選ぶことも可能である。非金属導電物の例としては、シリコン(Si:例えばp型Si、あるいはn型Si)、及びグラフェン等のカーボン系材料等を挙げることができる。
第1電極部12a又は第2電極部12bの材料として、高融点金属(refractory metal)以外の材料を選ぶと、以下に説明される利点を、さらに得ることができる。本明細書において、高融点金属は、例えば、W、Nb、Mo、Ta、及びReとする。第1電極部12a(アノード)に、例えばPtを用いた場合、第2電極部12b(カソード)には、Al、Si、Ti、及びLaB6の少なくとも1つを用いることが好ましい。
Al及びTiの融点は、上記高融点金属の融点より低い。したがって、Al及びTiからは、上記高融点金属に比較して、加工しやすい、という利点を得ることができる。
Siは、上記高融点金属に比較して、その形成が、さらに容易である。したがって、Siからは、上記加工のしやすさに加え、熱電素子1の生産性がより向上する、という利点を、さらに得ることができる。
LaB6の融点は、Nbの融点より高い。しかし、LaB6の融点は、W、Mo、Ta、及びReの融点より低い。LaB6は、W、Mo、Ta、及びReに比較して加工しやすい。しかも、LaB6の仕事関数は、約2.5~2.7eVである。LaB6は、上記高融点金属に比較して電子を放出させやすい。したがって、LaB6からは、熱電素子1の発電効率の更なる向上が可能、という利点を、さらに得ることができる。
なお、第1電極部12a及び第2電極部12bのそれぞれの構造は、上記材料を含む単層構造の他、上記材料を含む積層構造とされてもよい。
<<支持部13>>
支持部13は、第1支持部13aと、第2支持部13bとを有する。第1支持部13a及び第2支持部13bは、例えば図1(b)に示すように、第1方向Zから見て、第2方向X及び第3方向Yに延在するL字状に設けられ、互いに離間する。第1支持部13a及び第2支持部13bは、例えば図2に示すように、第3方向Yに延在するI字状に設けられてもよい。
第1支持部13aと第2支持部13bとの間は、例えば絶縁体で形成された一対の封止部21により塞がれる。第1支持部13a、第2支持部13b、及び一対の封止部21は、各電極部12a、12b及び中間部14を囲む。なお、一対の封止部21は、一体に形成されてもよい。
第1支持部13aは、第1主面11afと接し、例えば各基板11a、11bの何れかと一体に形成される。第1支持部13aは、接続配線15又は第2主面11bfと接する。第1支持部13aは、例えば各電極部12a、12bと接してもよい。第2支持部13bは、第2主面11bfと接し、例えば各基板11a、11bの何れかと一体に形成される。第2支持部13bは、接続配線15又は第1主面11afと接する。第2支持部13bは、例えば各電極部12a、12bと接してもよい。
第1実施形態に係る第1支持部13a及び第2支持部13bは、絶縁性を有する。第1支持部13a及び第2支持部13bとして、例えばシリコン酸化膜のほか、ポリイミド、PMMA(Polymethyl methacrylate)、又はポリスチレン等のポリマーが用いられる。
例えば、各支持部13a、13bが各基板11a、11bの何れかと一体に形成される場合、各支持部13a、13bのそれぞれの材料としては、各基板11a、11bと同様に絶縁性を有する材料を選ぶことができる。絶縁性の材料の例としては、シリコン、石英、パイレックス(登録商標)等のガラス、及び絶縁性樹脂等を挙げることができる。上記のほか、各支持部13a、13bは、例えばフレキシブルなフィルム状でもよく、PET(polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、及びポリイミド等を用いることができる。
<<中間部14>>
中間部14は、例えば図3に示すように、第2電極部12b(カソード)から放出された電子を、第1電極部12a(アノード)へと移動させる部分である。図3(a)は、中間部14の一例を示す模式断面図である。図3(a)に示すように、中間部14は、例えば複数のナノ粒子141と、溶媒142とを含む。複数のナノ粒子141は、溶媒142内に分散される。中間部14は、例えば、ナノ粒子141が分散された溶媒142を、ギャップ部14a内に充填することで得られる。
ナノ粒子141は、例えば導電物を含む。ナノ粒子141の仕事関数の値は、例えば、第1電極部12aの仕事関数の値と、第2電極部12bの仕事関数の値との間にある。例えば、複数のナノ粒子141は、3.0eV以上5.5eV以下の範囲内の仕事関数を含む。これにより、第1電極部12aと第2電極部12bとの間に放出された電子eを、ナノ粒子141を介して、例えば、第2電極部12b(カソード)から第1電極部12a(アノード)へと移動させることができる。これにより、中間部14内にナノ粒子141がない場合に比較して、電気エネルギーの発生量を増加させることが可能となる。
ナノ粒子141の材料の例としては、金及び銀の少なくとも1つを選ぶことができる。なお、中間部14は、第1電極部12aの仕事関数と、第2電極部12bの仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子141を少なくとも一部含んでいればよい。したがって、ナノ粒子141の材料には、金及び銀以外の導電性材料を選ぶことも可能である。
ナノ粒子141の粒子径は、例えば、電極間ギャップの1/10以下の有限値とされる。具体的には、ナノ粒子141の粒子径は、2nm以上10nm以下である。また、ナノ粒子141は、例えば、平均粒径(例えばD50)3nm以上8nm以下の粒子径を有してもよい。平均粒径は、例えば粒度分布計測器を用いることで、測定することができる。粒度分布計測器としては、例えば、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布計測器(例えばMicrotracBEL製Nanotrac WaveII-EX150等)を用いればよい。ナノ粒子141の粒子径を、例えば、電極間ギャップの1/10以下とすると、ギャップ部14a内にナノ粒子141を含む中間部14を形成し易くなる。これにより、熱電素子1の製造工程において、作業性を向上させることもできる。
ナノ粒子141は、その表面に、例えば絶縁膜141aを有する。絶縁膜141aの材料の例としては、絶縁性金属化合物及び絶縁性有機化合物の少なくとも1つを選ぶことができる。絶縁性金属化合物の例としては、例えば、シリコン酸化物及びアルミナ等を挙げることができる。絶縁性有機化合物の例としては、アルカンチオール(例えばドデカンチオール)等を挙げることができる。絶縁膜141aの厚さは、例えば20nm以下の有限値である。このような絶縁膜141aをナノ粒子141の表面に設けておくと、電子eは、例えば、第2電極部12b(カソード)とナノ粒子141との間、及びナノ粒子141と第1電極部12a(アノード)との間を、トンネル効果を利用して移動できる。このため、例えば、熱電素子1の発電効率の向上が期待できる。
溶媒142には、例えば、沸点が60℃以上の液体を用いることができる。このため、室温(例えば15℃~35℃)以上の環境下において、熱電素子1を用いた場合であっても、溶媒142の気化を抑制することができる。これにより、溶媒142の気化に伴う熱電素子1の劣化を抑制することができる。液体の例としては、有機溶媒及び水の少なくとも1つを選ぶことができる。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、トルエン、キシレン、テトラデカン、及びアルカンチオール等を挙げることができる。溶媒142は、電気的抵抗値が高く、絶縁性である液体がよい。
図3(b)は、中間部14の他の例を示す模式断面図である。図3(b)に示すように、中間部14は、溶媒142を含まず、ナノ粒子141のみを含むようにしてもよい。
中間部14が、ナノ粒子141のみを含むことで、例えば、熱電素子1を、高温の環境下に用いる場合であっても、溶媒142の気化を考慮する必要が無い。これにより、高温の環境下における熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
<<接続配線15>>
接続配線15は、第1支持部13a、第2基板11b、及び第1電極部12aと接する。接続配線15は、例えば第1支持部13a及び第2基板11bの代わりに、第1支持部13a及び第1基板11a、第2支持部13b及び第1基板11a、又は第2支持部13b及び第2基板11bと接してもよい。接続配線15は、第2電極部12bと離間する。接続配線15として、導電性を有する材料が用いられ、例えば金が用いられる。
接続配線15は、第1電極部12aと接する位置から熱電素子1の外部側まで延在し、例えば支持部13における中間部14と離間する側面まで延在する。このため、接続配線15の一端部は、熱電素子1の内部側で第1電極部12aと接続でき、接続配線15の他端部は、熱電素子1の外部側で第1端子111等と接続できる。
なお、例えば第1基板11aにおける第2方向Xの幅を、第2基板11bにおける第2方向Xの幅よりも大きく設ける場合、接続配線15の他端部は、外部側の第1主面11af上に設けられてもよい。これにより、接続配線15の他端部と接する第1端子111等を容易に設けることが可能となる。
<<第1配線101及び第2配線102>>
第1配線101は、端子111及び接続配線15を介して、第1電極部12aと電気的に接続される。第2配線102は、端子112及び図示しない第2基板11bに挿通された配線を介して、第2電極部12bと電気的に接続される。
第1配線101及び第2配線102のそれぞれには、導電性を有する材料が用いられる。第1配線101及び第2配線102のそれぞれの材料の例としては、ニッケル、銅、銀、金、タングステン、及びチタンを挙げることができる。第1配線101及び第2配線102のそれぞれの構造は、熱電素子1において生成された電流を負荷Rへ供給できる構造であれば、任意に設計することができる。
<熱電素子1の動作>
熱エネルギーが熱電素子1に与えられると、例えば、第2電極部12b(カソード)から中間部14に向けて電子eが放出される。放出された電子eは、中間部14から第1電極部12a(アノード)へと移動する(図2参照)。この場合電流は、第1電極部12aから第2電極部12bに向かって流れる。このようにして、熱エネルギーが電気エネルギーに変換される。
放出される電子eの量は、熱エネルギーに依存するほか、第1電極部12a(アノード)の仕事関数と、第2電極部12b(カソード)の仕事関数との差に依存する。また、放出される電子eの量は、第2電極部12bの仕事関数が小さい材料ほど、増加する傾向がある。
移動する電子eの量は、例えば、第1電極部12aと第2電極部12bとの仕事関数差を大きくすること、又は電極間ギャップを小さくすることで増やすことができる。例えば、熱電素子1が発生させる電気エネルギーの量は、上記仕事関数差を大きくすること、及び上記電極間ギャップを小さくすること、の少なくとも何れか1つを考慮することで増加させることができる。
<第1実施形態:熱電素子1の製造方法>
次に、熱電素子1の製造方法の一例を、説明する。図4は、本実施形態に係る熱電素子1の製造方法の一例を示すフローチャートである。図5(a)~図6(b)は、本実施形態に係る熱電素子1の製造方法の一例を示す模式図である。
<<支持部形成工程S110>>
先ず、第1基板11aの第1主面11af上、及び第2基板11bの第2主面11bf上の少なくとも何れかに、支持部13を形成する(支持部形成工程S110)。支持部形成工程S110では、例えば図5(a)に示すように、第1基板11aの第1主面11af上に第1支持部13aを形成し、第2基板11bの第2主面11bf上に第2支持部13bを形成する。支持部形成工程S110では、例えば第1主面11af上及び第2主面11bf上の何れかに、第1支持部13a及び第2支持部13bをそれぞれ離間して形成してもよい。
各支持部13a、13bは、例えば図5(c)に示すように、第1方向Zから見て、L字状に形成されるほか、例えば図2に示したI字状に形成されてもよい。
支持部形成工程S110では、例えばエッチング法を用いて、各基板11a、11bの一部を除去して各支持部13a、13bを形成する。このとき、各支持部13a、13bは、各基板11a、11bの何れかと一体に形成される。
支持部形成工程S110では、例えばスパッタリング法又は蒸着法等を用いた真空環境下で各支持部13a、13bを形成するほか、例えばスクリーン印刷法、インクジェット法、スプレイ印刷法等を用いた常圧環境下で各支持部13a、13bを形成してもよい。
<<電極部形成工程S120>>
次に、例えば図5(b)に示すように、第1主面11af上に第1電極部12aを形成し、第2主面11bf上に第2電極部12bを形成する(電極部形成工程S120)。各電極部12a、12bは、例えば図5(c)に示すように、第1方向Zから見て四角形状に形成される。各電極部12a、12bは、各支持部13a、13bの何れかに比べて、第2方向Xの幅及び第3方向Yの長さが短く形成される。各電極部12a、12bは、各支持部13a、13bと離間して形成されるほか、接して形成されてもよい。各電極部12a、12bは、各支持部13a、13bよりも薄く形成される。
電極部形成工程S120では、例えばスパッタリング法又は蒸着法を用いて、各電極部12a、12bを形成するほか、例えばスクリーン印刷法、インクジェット法、及びスプレイ印刷法等を用いて形成してもよい。例えば、第1電極部12aとして白金が用いられ、第2電極部12bとしてアルミニウムが用いられるほか、それぞれ上述した材料が用いられてもよい。
<<接続配線形成工程S130>>
次に、図6(a)に示すように、支持部13上、及び第1電極部12a上に、接続配線15を形成する(接続配線形成工程S130)。接続配線形成工程S130では、例えば第1電極部12aから第1支持部13aの上面を介して第1主面11af上まで延在する接続配線15を形成する。接続配線15は、例えば第2方向X及び第3方向Yに延在する第1支持部13aの上面に沿って形成されてもよい。この場合、後述する積層工程S140により形成された電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。
接続配線形成工程S130は、例えば図示しないレジストを用いたリフトオフ法により、接続配線15を形成する。すなわち、レジストを第1電極部12a上に形成し、レジスト上、第1電極部12aの一部、及び第1基板11a上に接続配線15の材料を積層したあと、レジストを除去する。このため、第1電極部12aの表面をレジストで守ることができ、第1電極部12aの仕事関数の変動を防ぐことができる。
接続配線形成工程S130では、例えばスパッタリング法又は蒸着法を用いて、接続配線15を形成するほか、例えばスクリーン印刷法、インクジェット法、及びスプレイ印刷法等を用いて形成してもよい。接続配線15として、例えば金が用いられる。
なお、図6(a)では第1支持部13a上に接続配線15が形成されているが、例えば後述する積層工程S140において、第2支持部13bと接する位置に接続配線15の少なくとも一部が形成されてもよい。
<<積層工程S140>>
次に、第1電極部12aと、第2電極部12bとを第1方向Zに離間して対向するように、支持部13及び接続配線15を介して、第1基板11a上に第2基板11bを積層する(積層工程S140)。積層工程S140では、例えば図6(b)に示すように、第1支持部13a上の接続配線15と、第2基板11bとを連接させ、第2支持部13bの上面と、第1基板11aとを連接させる。このとき、各電極部12a、12b、各支持部13a、13b、及び接続配線15の一部は、各基板11a、11bに挟まれ、ギャップ部14aが形成される。
積層工程S140では、例えば圧着接合法を用いて、第1基板11a上に第2基板11bを積層する。この場合、第2基板11b上における接続配線15と連接する位置、並びに、第1基板11a上及び第2支持部13b上面の互いに連接する位置に、図示しない金等の金属を含む接続層を形成し、第2基板11bと接続配線15、及び、第1基板11aと第2支持部13bとを、接続層を介して連接させる。その後、加熱することで、各連接部を接合させる。これにより、電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。
<<中間部形成工程S150>>
次に、例えば図1(a)に示した中間部14を形成する(中間部形成工程S150)。中間部形成工程S150では、例えば各支持部13a、13bの間を介してギャップ部14aに中間部14を形成する。
中間部形成工程S150では、例えばインクジェット法を用いて、ギャップ部14aに中間部14を形成する。中間部形成工程S150では、例えば積層された各基板11a、11bを中間部14の原液に浸し、毛細管現象によってギャップ部14aに中間部14を形成してもよい。中間部14を形成した後、例えば各基板11a、11bの側面側に封止部21を形成することで、ギャップ部14aが閉塞される。なお、中間部14として、例えば予めナノ粒子141を分散させた溶媒142が用いられる。
上述した工程を経て、本実施形態における熱電素子1が形成される。なお、形成された熱電素子1に、図1(a)に示す第1端子111、第2端子112、第1配線101、及び第2配線102等を接続することで、本実施形態における発電装置100を形成することができる。なお、例えば支持部形成工程S110を実施する前に、電極部形成工程S120を実施してもよい。
本実施形態によれば、接続配線15は、第1基板11aと支持部13との間、又は、第2基板11bと支持部13との間に挟まれ、第1電極部12aと接する。このため、接続配線15は、熱電素子1の内部側で第1電極部12aと接続させることができる。これにより、第1電極部12aと接続される接続配線15の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、接続配線15は、第1基板11aと支持部13との間、又は、第2基板11bと支持部13との間に挟まれる。このとき、接続配線15の厚さを均一にした状態で、支持部13と各基板11a、11bの何れかとの間に挟ませることができる。このため、各電極部12a、12bの間における電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の安定化を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、ナノ粒子141の直径は、電極間ギャップの1/10以下である。このため、第1電極部12aと、第2電極部12bとの間に、ナノ粒子141を含む中間部14を容易に形成することができる。これにより、熱電素子1を製造するとき、作業性の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、ナノ粒子141は、表面に設けられた絶縁膜141aを有する。このため、第1電極部12aから生成した電子eは、例えばトンネル効果等によりナノ粒子141間を容易に移動することができる。これにより、電気エネルギーの発生量を増加させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、中間部14は、60℃以上の沸点を有する溶媒142を含む。このため、室温以上の環境下に熱電素子1が用いられた場合においても、溶媒142の気化を抑制することができる。これにより、溶媒142の気化に伴う熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、中間部14は、ナノ粒子141のみが充填された状態を示す。このため、高温の環境下に熱電素子1が用いられた場合においても、溶媒142等の気化を考慮する必要が無い。これにより、高温の環境下における熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1支持部13a及び第2支持部13bは、第1基板11a及び第2基板11bの何れかと一体に設けられる。このため、各支持部13a、13bと、各基板11a、11bとの接合不良の発生を抑えることができる。これにより、熱電素子の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、接続配線形成工程S130は、支持部13上、及び第1電極部12a上に接続配線15を形成する。また、積層工程S140は、支持部13及び接続配線15を介して、第1基板11a上に第2基板11bを積層する。このため、接続配線15は、熱電素子1の内部側で第1電極部12aと接続させることができる。これにより、第1電極部12aと接続される接続配線15の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、積層工程S140は、支持部13及び接続配線15を介して、第1基板11a上に第2基板11bを積層する。このとき、接続配線15の厚さを均一にした状態で、支持部13と各基板11a、11bの何れかとの間に挟ませることができる。このため、各電極部12a、12bの間における電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の安定化を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、支持部形成工程S110は、第1基板11a及び第2基板11bの少なくとも何れかの一部を除去して支持部13を形成する。このため、支持部13と、各基板11a、11bとの接合不良の発生を抑えることができる。これにより、熱電素子1の劣化を抑制することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1について説明する。図7は、第2実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式図である。図7(a)は、第2実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式断面図であり、図7(b)は、図7(a)における7B-7B線に沿った模式平面図である。
上述した実施形態と、第2実施形態との違いは、第1電極部12aに接続された接続配線15(第1接続配線15a)に加えて、第2電極部12bに接続された第2接続配線15bを有する点である。なお、上述した実施形態と同様の構成については、説明を省略する。
図7に示すように、接続配線15は、第1接続配線15aと、第2接続配線15bとを有する。第1接続配線15aは、第1電極部12aと接し、上述した実施形態と同様である。第2接続配線15bは、第1接続配線15aと離間し、第2電極部12bと接する。
第2接続配線15bは、第1基板11aと第2支持部13bとの間(例えば図7(a))、又は、第2基板11bと第2支持部13bとの間(例えば図8(a))に挟まれる。第2接続配線15bは、第2支持部13b、及び第2電極部12bと接し、第2基板11bと接してもよい。第2接続配線15bは、第1電極部12aと離間する。
第2接続配線15bは、第2電極部12bと接する位置から熱電素子1の外部側まで延在し、例えば第2支持部13bにおける中間部14と離間する側面まで延在する。このため、第2接続配線15bの一端部は、熱電素子1の内部側で第2電極部12bと接続でき、第2接続配線15bの他端側は、熱電素子1の外部側で第2端子112等と接続できる。
なお、例えば第1基板11aにおける第2方向Xの幅を、第2基板11bにおける第2方向Xの幅よりも大きく設ける場合、第2接続配線15bの他端部は、外部側の第1主面11af上に設けられてもよい。これにより、第2接続配線15bの他端部と接する第2端子112等を容易に設けることが可能となる。また、各接続配線15a、15bの他端部を、同一平面上に設けることができる。これにより、各接続配線15a、15bと外部配線との電気的接続や、熱電素子1の検査等を容易に実施することが可能となる。
第1接続配線15a及び第2接続配線15bは、例えば図7(b)に示すように、第1方向Zから見て、支持部13の延在する位置に重なって設けられる。このため、第2方向X及び第3方向Yにおける電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。
なお、例えば図7(a)に示すように、第1接続配線15aが第1支持部13aと第2基板11bとの間、及び、第2接続配線15bが第2支持部13bと第1基板11aとの間に、それぞれ挟まれるほか、例えば図8(a)に示すように、第1接続配線15aが第1支持部13aと第2基板11bとの間、及び、第2接続配線15bが第2支持部13bと第2基板11bとの間に、それぞれ挟まれてもよい。また、例えば第1接続配線15aが第1支持部13aと第1基板11aとの間、及び、第2接続配線15bが第2支持部13bと第1基板11aとの間に、それぞれ挟まれてもよい。これらの場合、例えば各支持部13a、13bは、各基板11a、11bの何れかと一体に設けられてもよい。
<第2実施形態:熱電素子1の製造方法>
次に、熱電素子1の製造方法の一例を、説明する。図9は、本実施形態に係る熱電素子1の製造方法の一例を示す模式図である。
先ず、上述した支持部形成工程S110、電極部形成工程S120を実施する。その後、接続配線形成工程S130では、第1支持部13a上、及び第1電極部12a上に第1接続配線15aを形成すると同時、又は前後に、第2支持部13b上、及び第2電極部12b上に第2接続配線15bを形成する。
接続配線形成工程S130では、例えば図9に示すように、第2主面11bf上における第2接続配線15bと離間した位置に、第1接続部15aaを形成する。また、接続配線形成工程S130では、第1主面11af上における第1接続配線15aと離間した位置に、第2接続部15baを形成する。なお、第1接続部15aaは、第2接続配線15bと同時に形成してもよく、第2接続部15baは、第1接続配線15aと同時に形成してもよい。
各接続配線15a、15b、及び各接続部15aa、15baは、上述した接続配線形成工程S130と同様に、リフトオフ法等を用いて形成される。各接続部15aa、15baとして、それぞれ各接続配線15a、15bと同じ材料が用いられる。各接続部15aa、15ba、及び各接続配線15a、15bの第1方向Zに沿ったそれぞれの厚さは、例えば100nm以上10μm以下である。
接続配線形成工程S130では、例えば積層工程S140において、第2基板11b上における第1接続配線15aと連接する位置に、第1接続部15aaを形成し、第1基板11a上における第2接続配線15bと連接する位置に、第2接続部15baを形成する。
次に、積層工程S140では、第1支持部13a上に形成された第1接続配線15aと、第1接続部15aaとを接合する。これにより、第1接続配線15a及び第1接続部15aaを介して、第2基板11bと第1支持部13aとが連接される。また、積層工程S140では、第2支持部13b上に形成された第2接続配線15bと、第2接続部baとを接合する。これにより、第2接続配線15b及び第2接続部15baを介して、第1基板11aと第2支持部13bとが連接される。
その後、加熱することで、第1接続配線15aと第1接続部15aaとを接合させるとともに、第2接続配線15bと第2接続部15baとを接合させる。これにより、第2方向X及び第3方向Yにおける電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。
その後、上述した実施形態と同様に、中間部形成工程S150を実施し、本実施形態における熱電素子1が軽視絵される。なお、形成された熱電素子1に、図7(a)に示す第1端子111、第2端子112、第1配線101、及び第2配線102等を接続することで、本実施形態における発電装置100を形成することができる。
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、接続配線15は、第1基板11aと支持部13との間、又は、第2基板11bと支持部13との間に挟まれ、第1電極部12aと接する。このため、接続配線15は、熱電素子1の内部側で第1電極部12aと接続させることができる。これにより、第1電極部12aと接続される接続配線15の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、接続配線15は、第1基板11aと支持部13との間、又は、第2基板11bと支持部13との間に挟まれる。このとき、接続配線15の厚さを均一にした状態で、支持部13と各基板11a、11bの何れかとの間に挟ませることができる。このため、各電極部12a、12bの間における電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の安定化を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、第2接続配線15bは、第1接続配線15aと離間し、第2電極部12bと接する。このため、第2接続配線15bは、熱電素子1の内部側で第2電極部12bと接続させることができる。これにより、各電極部12a、12bと接続される各接続配線15a、15bの劣化を抑制することが可能となる。また、第2接続配線15bは、第1接続配線15aと同様の構造で形成することができるため、製造工程の簡略化が可能となる。
また、本実施形態によれば、第1接続配線15a及び第2接続配線15bは、支持部13よりも外部側における第1主面11afに接する。このため、各接続配線15a、15bの接続部(他端部)を、同一面上に設けることができる。これにより、各接続配線15a、15bと外部配線との電気的接続や、熱電素子の検査等を容易化することが可能となる。
また、本実施形態によれば、支持部13は、互いに離間する第1支持部13a及び第2支持部13bを有する。このため、各支持部13a、13bと、各基板11a、11bとの間に挟まれる各接続配線15a、15bの面積を大きくすることができる。これにより、電極間ギャップのバラつきをさらに抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、接続配線形成工程S130は、支持部13上、及び第1電極部12a上に接続配線15を形成する。また、積層工程S140は、支持部13及び接続配線15を介して、第1基板11a上に第2基板11bを積層する。このため、接続配線15は、熱電素子1の内部側で第1電極部12aと接続させることができる。これにより、第1電極部12aと接続される接続配線15の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、積層工程S140は、支持部13及び接続配線15を介して、第1基板11a上に第2基板11bを積層する。このとき、接続配線15の厚さを均一にした状態で、支持部13と各基板11a、11bの何れかとの間に挟ませることができる。このため、各電極部12a、12bの間における電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の安定化を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、接続配線形成工程S130は、支持部13(例えば第2支持部13b)上、及び第2電極部12b上に、第1接続配線15aと離間する第2接続配線15bを形成する。このため、第2接続配線15bは、熱電素子1の内部側で第2電極部12bと接続させることができる。これにより、各電極部12a、12bと接続される各接続配線15a、15bの劣化を抑制することが可能となる。また、第2接続配線15bは、第1接続配線15aと同様の構造で形成することができるため、製造工程の簡略化が可能となる。
また、本実施形態によれば、積層工程S140は、第1接続配線15aと、第1接続部15aaとを接合し、第2接続配線15bと、第2接続部15baとを接合する。このため、積層工程S140により形成される電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の安定化を容易に図ることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1について説明する。図10は、第3実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式図である。図10(a)は、第3実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式断面図であり、図10(b)は、図10(a)における10B-10B線に沿った模式平面図である。
上述した実施形態と、第3実施形態との主な違いは、貫通孔16と、封止部17とを有する点である。上述した構成と同様の構成については、説明を省略する。
<<貫通孔16>>
貫通孔16は、例えば図10(a)に示すように、第1基板11aを第1方向Zに貫通するほか、例えば第2基板11bを第1方向Zに貫通してもよい。貫通孔16は、例えば第1電極部12a及び第2電極部12bの少なくとも何れかを、第1方向Zに貫通してもよい。貫通孔16は、1つ以上設けられ、設けられる場所は任意である。
貫通孔16は、例えば図10(b)に示すように、第1方向Zから見て、円状に形成されるほか、例えば楕円状又は溝状に形成されてもよい。貫通孔16は、熱電素子1の外部側から内部側に向かって狭まるテーパ状に形成されるほか、例えば逆テーパ状、ボーイング状、又はストレート状に形成されてもよい。
<<封止部17>>
封止部17は、貫通孔16の外部側を覆い、貫通された基板11上に設けられる。封止部17は、例えば少なくとも一部を貫通孔16内に設けられてもよい。封止部17は、貫通孔16の数に応じて設けられる。
封止部17の材料として、例えば絶縁性樹脂が用いられ、絶縁性樹脂の例としては、フッ素系絶縁性樹脂を挙げることができる。
貫通孔16及び封止部17を有することで、例えば上述した熱電素子1の製造方法において、中間部形成工程S150を容易に行うことができる。すなわち、積層工程S140の後、少なくとも1つの貫通孔16から中間部14を充填し、例えば他の貫通孔16から吸引(真空引き)を行う。その後、封止部17を形成して、貫通孔16を塞ぐ。これにより、ギャップ部14aに対して中間部14を容易に形成することができ、例えば製造工程の簡略化が可能となる。
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、接続配線15は、第1基板11aと支持部13との間、又は、第2基板11bと支持部13との間に挟まれ、第1電極部12aと接する。このため、接続配線15は、熱電素子1の内部側で第1電極部12aと接続させることができる。これにより、第1電極部12aと接続される接続配線15の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、接続配線15は、第1基板11aと支持部13との間、又は、第2基板11bと支持部13との間に挟まれる。このとき、接続配線15の厚さを均一にした状態で、支持部13と各基板11a、11bの何れかとの間に挟ませることができる。このため、各電極部12a、12bの間における電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の安定化を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、貫通孔16は、第1基板11a及び第2基板11bの少なくとも何れかを第1方向Zに貫通する。このため、貫通孔16を介して中間部14の充填が容易に実施できる。これにより、製造工程の簡易化を図ることが可能となる。また、熱電素子1の使用に伴い中間部14を交換する必要が発生した場合、容易に中間部14の交換を実施することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1について説明する。図11は、第4実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式図である。図11(a)は、第4実施形態に係る発電装置100及び熱電素子1の一例を示す模式断面図であり、図11(b)は、図11(a)における11B-11B線に沿った模式平面図である。
上述した実施形態と、第4実施形態との主な違いは、支持部13が導電性を有する点である。上述した構成と同様の構成については、説明を省略する。
第1支持部13a及び第2支持部13bは、導電性を有する。第1支持部13a及び第2支持部13bの材料として、金属が用いられ、例えば金、ニッケル、タングステン、タンタル、モリブデン、鉛、白金、銀、又はスズが用いられるほか、金及びクロムの積層体、又は金及びニッケルの積層体が用いられてもよい。各支持部13a、13bが金属を含むことで、各支持部13a、13bを形成する際の厚さを容易に制御できるほか、例えば各基板11a、11bからの押圧による変形が抑制され、各支持部13a、13bにおける厚さの変動を防ぐことができる。特に、各支持部13a、13bの表面に金を用いる場合、各支持部13a、13bの表面に露出した金同士を、例えば熱圧着接合法を用いて容易に接合することができる。これにより、電極間ギャップを高精度に形成することができる。
図11に示すように、第1支持部13a及び第2支持部13bは、各基板11a、11bの少なくとも何れかに接して設けられる。第1支持部13aは、例えば第1端子111と接してもよく、この場合、第1配線101は、第1支持部13a、及び第1接続配線15aを介して、第1電極部12aと電気的に接続される。第2支持部13bは、例えば第2端子112と接してもよく、この場合、第2配線102は、第2支持部13b、及び第2接続配線15bを介して、第2電極部12bと電気的に接続される。これらにより、各電極部12a、12bと外部配線との電気的接続を容易に実施することが可能となる。
なお、例えば第1基板11aにおける第2方向Xの幅を、第2基板11bにおける第2方向Xの幅よりも大きく設けることで、各支持部13a、13bと接する各端子111、112等を容易に設けることが可能となる。これにより、各電極部12a、12bと外部配線との電気的接続や、熱電素子1の検査等を容易に実施することが可能となる。
本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、接続配線15は、第1基板11aと支持部13との間、又は、第2基板11bと支持部13との間に挟まれ、第1電極部12aと接する。このため、接続配線15は、熱電素子1の内部側で第1電極部12aと接続させることができる。これにより、第1電極部12aと接続される接続配線15の劣化を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、上述した実施形態と同様に、接続配線15は、第1基板11aと支持部13との間、又は、第2基板11bと支持部13との間に挟まれる。このとき、接続配線15の厚さを均一にした状態で、支持部13と各基板11a、11bの何れかとの間に挟ませることができる。このため、各電極部12a、12bの間における電極間ギャップのバラつきを抑制することができる。これにより、電気エネルギーの発生量の安定化を図ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1支持部13a及び第2支持部13bは、導電性を有する。このため、各電極部12a、12bと電気的に接続させる部分として、各支持部13a、13bを用いることができる。これにより、各電極部12a、12bと外部配線との電気的接続や、熱電素子1の検査等を実施する際の接続部分を増やすことができ、さらに容易化することが可能となる。
(第6実施形態)
<電子機器>
上述した熱電素子1及び発電装置100は、例えば電子機器に搭載することが可能である。以下、電子機器の実施形態のいくつかを説明する。
図12(a)~図12(d)は、熱電素子1を備えた電子機器500の例を示す模式ブロック図である。図12(e)~図12(h)は、熱電素子1を含む発電装置100を備えた電子機器500の例を示す模式ブロック図である。
図12(a)に示すように、電子機器500(エレクトリックプロダクト)は、電子部品501(エレクトロニックコンポーネント)と、主電源502と、補助電源503と、を備えている。電子機器500及び電子部品501のそれぞれは、電気的な機器(エレクトリカルデバイス)である。
電子部品501は、主電源502を電源に用いて駆動される。電子部品501の例としては、例えば、CPU、モーター、センサ端末、及び照明等を挙げることができる。電子部品501が、例えばCPUである場合、電子機器500には、内蔵されたマスター(CPU)によって制御可能な電子機器が含まれる。電子部品501が、例えば、モーター、センサ端末、及び照明等の少なくとも1つを含む場合、電子機器500には、外部にあるマスター、あるいは人によって制御可能な電子機器が含まれる。
主電源502は、例えば電池である。電池には、充電可能な電池も含まれる。主電源502のプラス端子(+)は、電子部品501のVcc端子(Vcc)と電気的に接続される。主電源502のマイナス端子(-)は、電子部品501のGND端子(GND)と電気的に接続される。
補助電源503は、熱電素子である。熱電素子は、実施形態のそれぞれにおいて説明した熱電素子1の少なくとも1つを含む。熱電素子1のアノード(例えば第1電極部12a)は、電子部品501のGND端子(GND)、又は主電源502のマイナス端子(-)、又はGND端子(GND)とマイナス端子(-)とを接続する配線と、電気的に接続される。熱電素子1のカソード(例えば第2電極部12b)は、電子部品501のVcc端子(Vcc)、又は主電源502のプラス端子(+)、又はVcc端子(Vcc)とプラス端子(+)とを接続する配線と、電気的に接続される。電子機器500において、補助電源503は、例えば主電源502と併用され、主電源502をアシストするための電源や、主電源502の容量が切れた場合、主電源502をバックアップするための電源として使うことができる。主電源502が充電可能な電池である場合には、補助電源503は、さらに、電池を充電するための電源としても使うことができる。
図12(b)に示すように、主電源502は、熱電素子1とされてもよい。熱電素子1のアノードは、電子部品501のGND端子(GND)と電気的に接続される。熱電素子1のカソードは、電子部品501のVcc端子(Vcc)と電気的に接続される。図12(b)に示す電子機器500は、主電源502として使用される熱電素子1と、熱電素子1を用いて駆動されることが可能な電子部品501と、を備えている。熱電素子1は、独立した電源(例えばオフグリッド電源)である。このため、電子機器500は、例えば自立型(スタンドアローン型)にできる。しかも、熱電素子1は、環境発電型(エナジーハーベスト型)である。図12(b)に示す電子機器500は、電池の交換が不要である。
図12(c)に示すように、電子部品501が熱電素子1を備えていてもよい。熱電素子1のアノードは、例えば、回路基板(図示は省略する)のGND配線と電気的に接続される。熱電素子1のカソードは、例えば、回路基板(図示は省略する)のVcc配線と電気的に接続される。この場合、熱電素子1は、電子部品501の、例えば補助電源503として使うことができる。
図12(d)に示すように、電子部品501が熱電素子1を備えている場合、熱電素子1は、電子部品501の、例えば主電源502として使うことができる。
図12(e)~図12(h)のそれぞれに示すように、電子機器500は、発電装置100を備えていてもよい。発電装置100は、電気エネルギーの源として熱電素子1を含む。
図12(d)に示した実施形態は、電子部品501が主電源502として使用される熱電素子1を備えている。同様に、図12(h)に示した実施形態は、電子部品501が主電源として使用される発電装置100を備えている。これらの実施形態では、電子部品501が、独立した電源を持つ。このため、電子部品501を、例えば自立型とすることができる。自立型の電子部品501は、例えば、複数の電子部品を含み、かつ、少なくとも1つの電子部品が別の電子部品と離れているような電子機器に有効に用いることができる。そのような電子機器500の例は、センサである。センサは、センサ端末(スレーブ)と、センサ端末から離れたコントローラ(マスター)と、を備えている。センサ端末及びコントローラのそれぞれは、電子部品501である。センサ端末が、熱電素子1又は発電装置100を備えていれば、自立型のセンサ端末となり、有線での電力供給の必要がない。熱電素子1又は発電装置100は環境発電型であるので、電池の交換も不要である。センサ端末は、電子機器500の1つと見なすこともできる。電子機器500と見なされるセンサ端末には、センサのセンサ端末に加えて、例えば、IoTワイヤレスタグ等が、さらに含まれる。
図12(a)~図12(h)のそれぞれに示した実施形態において共通することは、電子機器500は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子1と、熱電素子1を電源に用いて駆動されることが可能な電子部品501と、を含むことである。
電子機器500は、独立した電源を備えた自律型(オートノマス型)であってもよい。自律型の電子機器の例は、例えばロボット等を挙げることができる。さらに、熱電素子1又は発電装置100を備えた電子部品501は、独立した電源を備えた自律型であってもよい。自律型の電子部品の例は、例えば可動センサ端末等を挙げることができる。
以上、この発明の実施形態のいくつかを説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、これらの実施形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。また、この発明は、上記いくつかの実施形態の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記いくつかの実施形態のそれぞれは、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
1 :熱電素子
11 :基板
11a :第1基板
11af :第1主面
11b :第2基板
11bf :第2主面
12a :第1電極部
12b :第2電極部
13 :支持部
13a :第1支持部
13b :第2支持部
14 :中間部
14a :ギャップ部
15 :接続配線
15a :第1接続配線
15aa :第1接続部
15b :第2接続配線
15ba :第2接続部
16 :貫通孔
17 :封止部
21 :封止部
100 :発電装置
101 :第1配線
102 :第2配線
111 :第1端子
112 :第2端子
141 :ナノ粒子
141a :絶縁膜
142 :溶媒
500 :電子機器
501 :電子部品
502 :主電源
503 :補助電源
R :負荷
S110 :支持部形成工程
S120 :電極部形成工程
S130 :接続配線形成工程
S140 :積層工程
S150 :中間部形成工程
Z :第1方向
X :第2方向
Y :第3方向
e :電子

Claims (17)

  1. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、
    第1主面を有する第1基板と、
    前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、
    前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、
    前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられる支持部と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、
    前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1電極部と接する第1接続配線と、
    前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1接続配線と離間し、前記第2電極部と接する第2接続配線と、
    を備え
    前記第1基板の前記第1主面の面積は、前記第2基板の前記第2主面の面積よりも大きく、
    前記第1接続配線及び前記第2接続配線は、前記支持部よりも外部側における前記第1主面に接すること
    を特徴とする熱電素子。
  2. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、
    第1主面を有する第1基板と、
    前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、
    前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、
    前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられる支持部と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、
    前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1電極部と接する第1接続配線と、
    前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1接続配線と離間し、前記第2電極部と接する第2接続配線と、
    を備え
    前記支持部は、
    前記第1接続配線と接する第1支持部と、
    前記第2接続配線と接し、前記第1接続配線及び前記第1支持部と離間する第2支持部と、
    を有すること
    を特徴とする熱電素子。
  3. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、
    第1主面を有する第1基板と、
    前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、
    前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、
    前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられる支持部と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、
    前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1電極部と接する第1接続配線と、
    前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも何れかを前記第1方向に貫通する貫通孔と、
    を備えること
    を特徴とする熱電素子。
  4. 前記支持部は、
    前記第1接続配線と接する第1支持部と、
    前記第2接続配線と接し、前記第1接続配線及び前記第1支持部と離間する第2支持部と、
    を有すること
    を特徴とする請求項記載の熱電素子。
  5. 前記第1支持部及び前記第2支持部は、導電性を有すること
    を特徴とする請求項2又は4記載の熱電素子。
  6. 前記第1支持部及び前記第2支持部は、前記第1基板及び前記第2基板の何れかと一体に設けられること
    を特徴とする請求項2又は4記載の熱電素子。
  7. 前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも何れかを前記第1方向に貫通する貫通孔をさらに備えること
    を特徴とする請求項1又は2記載の熱電素子。
  8. 前記第1電極部と、前記第2電極部との間の電極間ギャップは、10μm以下であり、
    前記ナノ粒子の直径は、前記電極間ギャップの1/10以下であること
    を特徴とする請求項1~7の何れか1項記載の熱電素子。
  9. 前記ナノ粒子は、表面に設けられた絶縁膜を有し、
    前記絶縁膜の厚さは、20nm以下であること
    を特徴とする請求項1~8の何れか1項記載の熱電素子。
  10. 前記中間部は、60℃以上の沸点を有する溶媒を含むこと
    を特徴とする請求項1~9の何れか1項記載の熱電素子。
  11. 前記中間部は、前記ナノ粒子のみが充填された状態を示すこと
    を特徴とする請求項1~9の何れか1項記載の熱電素子。
  12. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子を備えた発電装置であって、
    前記熱電素子は、
    第1主面を有する第1基板と、
    前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、
    前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、
    前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられる支持部と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、
    前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1電極部と接する第1接続配線と、
    前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1接続配線と離間し、前記第2電極部と接する第2接続配線と、
    を備え
    前記第1基板の前記第1主面の面積は、前記第2基板の前記第2主面の面積よりも大きく、
    前記第1接続配線及び前記第2接続配線は、前記支持部よりも外部側における前記第1主面に接すること
    を特徴とする発電装置。
  13. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子と、前記熱電素子を電源に用いて駆動されることが可能な電子部品と、を含む電子機器であって、
    前記熱電素子は、
    第1主面を有する第1基板と、
    前記第1主面と第1方向に離間して設けられ、前記第1主面と対向する第2主面を有する第2基板と、
    前記第1主面上に設けられ、前記第2基板と離間する第1電極部と、
    前記第2主面上に設けられ、前記第1基板及び前記第1電極部と離間し、前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1基板と、前記第2基板との間に設けられる支持部と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部との間に設けられ、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、
    前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1電極部と接する第1接続配線と、
    前記第1基板と前記支持部との間、又は、前記第2基板と前記支持部との間に挟まれ、前記第1接続配線と離間し、前記第2電極部と接する第2接続配線と、
    を備え
    前記第1基板の前記第1主面の面積は、前記第2基板の前記第2主面の面積よりも大きく、
    前記第1接続配線及び前記第2接続配線は、前記支持部よりも外部側における前記第1主面に接すること
    を特徴とする電子機器。
  14. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の製造方法であって、
    第1基板の第1主面上、及び第2基板の第2主面上の少なくとも何れかに、支持部を形成する支持部形成工程と、
    前記第1主面上に第1電極部を形成し、前記第2主面上に前記第1電極部とは異なる仕事関数を有する第2電極部を形成する電極部形成工程と、
    前記支持部上、及び前記第1電極部上に第1接続配線を形成する接続配線形成工程と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部とを第1方向に離間して対向するように、前記支持部及び前記第1接続配線を介して、前記第1基板上に前記第2基板を積層する積層工程と、
    前記第1電極部と、前記第2電極部との間に、前記第1電極部の仕事関数と、前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部を形成する中間部形成工程と、
    を備えること
    を特徴とする熱電素子の製造方法。
  15. 前記接続配線形成工程は、前記支持部上、及び前記第2電極部上に、前記第1接続配線と離間する第2接続配線を形成することを含むこと
    を特徴とする請求項14記載の熱電素子の製造方法。
  16. 前記支持部は、
    前記第1接続配線と接する第1支持部と、
    前記第2接続配線と接し、前記第1接続配線及び前記第1支持部と離間する第2支持部と、
    を有し、
    前記接続配線形成工程は、
    前記第1主面上における前記第1接続配線と離間した位置に、前記第1接続配線と同じ材料の第2接続部を形成し、
    前記第2主面上における前記第2接続配線と離間した位置に、前記第2接続配線と同じ材料の第1接続部を形成すること
    を含み、
    前記積層工程は、
    前記第1支持部上に形成された前記第1接続配線と、前記第1接続部とを接合し、
    前記第2支持部上に形成された前記第2接続配線と、前記第2接続部とを接合すること
    を含むこと
    を特徴とする請求項15記載の熱電素子の製造方法。
  17. 前記支持部形成工程は、前記第1基板及び前記第2基板の少なくとも何れかの一部を除去して前記支持部を形成することを含むこと
    を特徴とする請求項14~16の何れか1項記載の熱電素子の製造方法。
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