JP2020145302A - 熱電素子の製造方法、熱電素子、発電装置、及び電子機器 - Google Patents

熱電素子の製造方法、熱電素子、発電装置、及び電子機器 Download PDF

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Hiroshi Goto
博史 後藤
坂田 稔
Minoru Sakata
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Abstract

【課題】発電効率の熱電素子間ばらつきを抑制することが可能な熱電素子の製造方法を提供すること。【解決手段】結晶性表面を有する第1基板21上に、第1電極部11a及び11bを形成する工程と、結晶性表面上に、結晶性バルクを有する第1Y方向支持部、及び結晶性バルクを有する第2Y方向支持部のそれぞれを選択成長させる工程と、第1電極部11a及び11bと第1方向Zに離間して対向し、第1電極部11a及び11bとは異なった仕事関数を有する第2電極部12を形成する工程と第1電極部11a及び11bと第2電極部12との間に、第1電極部11a及び11bの仕事関数と第2電極部12の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部14a及び14bを形成する工程と、を備える。【選択図】図4

Description

この発明は、熱電素子の製造方法、熱電素子、発電装置、及び電子機器に関する。
近年、熱エネルギーを利用して電気エネルギーを生成する熱電素子の開発が盛んに行われている。特許文献1には、仕事関数差を有する電極間に発生する、絶対温度による電子放出現象を利用した熱電素子が開示されている。このような熱電素子は、電極間の温度差(ゼーベック効果)を利用した熱電素子に比較して、電極間の温度差が小さい場合であっても発電可能である。このため、より様々な用途への利用が期待されている。
特許文献1には、エミッタ電極層と、コレクタ電極層と、エミッタ電極層及びコレクタ電極層の表面に分散して配置され、エミッタ電極層とコレクタ電極層とをサブミクロン間隔で離間する電気絶縁性の球状ナノビーズとを備え、エミッタ電極層の仕事関数はコレクタ電極層の仕事関数よりも小さく、球状ナノビーズの粒子径は100nm以下である熱電素子が開示されている。
特許第6147901号公報
特許文献1では、電気絶縁性の球状ナノビーズによって、エミッタ電極層とコレクタ電極層とをサブミクロン間隔で離間する。
しかし、球状ナノビーズは複数あり、それぞれのサイズには、ばらつきがある。このため、エミッタ電極とコレクタ電極との間の電極間ギャップが、熱電素子間でばらつきやすい。電極間ギャップが熱電素子間でばらつくと、発電効率の熱電素子間ばらつきを縮小させることが困難化する、という事情がある。
この発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、その目的は、発電効率の熱電素子間ばらつきを抑制することが可能な熱電素子の製造方法、そのような製造方法の適用が可能な熱電素子、そのような熱電素子を備えた発電装置、及びそのような熱電素子を含む電子機器を提供することにある。
第1発明に係る熱電素子の製造方法は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の製造方法であって、結晶性表面を有する基板上に、第1電極部を形成する工程と、前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に、結晶性バルクを有する第1Y方向支持部、及び前記第1電極部を間に挟んで前記第1Y方向支持部と第1方向と交差する第2方向に離間して対向する結晶性バルクを有する第2Y方向支持部のそれぞれを選択成長させる工程と、前記第1Y方向支持部上から前記第2Y方向支持部上にかけて、前記第1電極部と前記第1方向に離間して対向し、前記第1電極部とは異なった仕事関数を有する第2電極部を形成する工程と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に、前記第1電極部の仕事関数と前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
第2発明に係る熱電素子の製造方法は、第1発明において、前記第1Y方向支持部の材料、及び前記第2Y方向支持部の材料それぞれは、シリコン、ゲルマニウム、炭素、シリコン化合物、ゲルマニウム化合物、及び炭素化合物からなる群より選ばれることを特徴とする。
第3発明に係る熱電素子は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、結晶性表面を有する基板と、前記結晶性表面上に設けられた第1電極部と、前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に設けられた、第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第1Y方向支持部と、前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に設けられ、前記第1電極部を間に挟んで前記第1Y方向支持部と前記第1方向と交差する第2方向に離間して対向し、前記第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第2Y方向支持部と、前記第1Y方向支持部上から前記第2Y方向支持部上にかけて設けられた、前記第1電極部と前記第1方向に離間して対向し、前記第1電極部とは異なった仕事関数を有する第2電極部と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、前記第1電極部の仕事関数と前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、を備えることを特徴とする。
第4発明に係る発電装置は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子を備えた発電装置であって、前記熱電素子は、結晶性表面を有する基板と、前記結晶性表面上に設けられた第1電極部と、前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に設けられた、第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第1Y方向支持部と、前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に、前記第1電極部を間に挟んで設けられた、前記第1Y方向支持部と前記第1方向と交差する第2方向に離間して対向し、前記第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第2Y方向支持部と、前記第1Y方向支持部上から前記第2Y方向支持部上にかけて設けられた、前記第1電極部と前記第1方向に離間して対向し、前記第1電極部とは異なった仕事関数を有する第2電極部と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、前記第1電極部の仕事関数と前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、を備えることを特徴とする。
第5発明に係る電子機器は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子と、前記熱電素子を電源に用いて駆動されることが可能な電子部品と、を含む電子機器であって、前記熱電素子は、結晶性表面を有する基板と、前記結晶性表面上に設けられた第1電極部と、前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に設けられた、第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第1Y方向支持部と、前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に、前記第1電極部を間に挟んで設けられた、前記第1Y方向支持部と前記第1方向と交差する方向に離間して対向し、前記第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第2Y方向支持部と、前記第1Y方向支持部上から前記第2Y方向支持部上にかけて設けられた、前記第1電極部と第1方向に離間して対向し、前記第1電極部とは異なった仕事関数を有する第2電極部と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、前記第1電極部の仕事関数と前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、を備えることを特徴とする。
第1発明によれば、第1電極部の形成箇所を除く結晶性表面上に、結晶性バルクを有する第1Y方向支持部、及び結晶性バルクを有する第2Y方向支持部のそれぞれを選択成長させるので、第1電極部と第2電極部との間の電極間ギャップが、製造される熱電素子間で、ばらつきにくくなる。したがって、発電効率の熱電素子間ばらつきを抑制することが可能な熱電素子の製造方法を得ることができる。また、中間部を、例えば、毛細管現象を利用して形成することもできる。
第2発明によれば、選択成長させることが可能な材料が、具現化される。
第3発明によれば、結晶性表面を有する基板と、第1電極部の形成箇所を除く結晶性表面上に設けられた結晶性バルクを有する第1Y方向支持部と、第1電極部の形成箇所を除く結晶性表面上に、第1電極部を間に挟んで設けられた結晶性バルクを有する第2Y方向支持部と、を含む。このため、第1発明に係る熱電素子の製造方法の適用が可能な熱電素子を提供できる。このような熱電素子によれば、例えば、第1Y方向支持部及び第2Y方向支持部のそれぞれが結晶性バルクを有していない熱電素子と比較して、発電効率の熱電素子間ばらつきを、さらに抑制することが可能である。
第4発明によれば、第1発明に係る熱電素子の製造方法の適用が可能であり、発電効率の熱電素子間ばらつきを、さらに抑制することが可能な熱電素子を備えた発電装置を提供できる。
第5発明によれば、第1発明に係る熱電素子の製造方法の適用が可能であり、発電効率の熱電素子間ばらつきを、さらに抑制することが可能な熱電素子を備えた熱電素子を含む電子機器を提供できる。
図1(a)は、第1実施形態に係る熱電素子を備えた発電装置の一例を示す模式断面図である。図1(b)は、第1実施形態に係る熱電素子の一例を示す模式断面図である。 図2(a)は、中間部の一例を示す模式断面図である。図2(b)は、中間部の他の例を示す模式断面図である。 図3は、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示す流れ図である。 図4(a)〜図4(f)は、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示す模式断面図である。 図5(a)〜図5(c)は、中間部の形成方法の第1例を示す模式断面図である。 図6(a)〜図6(d)は、中間部の形成方法の第2例を示す模式断面図である。 図7(a)〜図7(e)は、支持部の変形例を示す模式断面図である。 図8(a)〜図8(d)は、熱電素子を備えた電子機器の例を示す模式ブロック図である。図8(e)〜図8(h)は、熱電素子を含む発電装置を備えた電子機器の例を示す模式ブロック図である。
以下、この発明の実施形態のいくつかを、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、高さ方向を第1方向Zとし、第1方向Zと交差、例えば直交する1つの平面方向を第2方向Xとし、第1方向Z及び第2方向Xのそれぞれと交差、例えば直交する別の平面方向を第3方向Yとする。また、各図において、共通する部分については、共通する参照符号を付し、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
<発電装置100>
図1(a)は、第1実施形態に係る熱電素子を備えた発電装置の一例を示す模式断面図である。
図1(a)に示すように、発電装置100は、第1実施形態に係る熱電素子1と、第1外部端子101と、第2外部端子102と、を含む。熱電素子1は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。熱電素子1を備えた発電装置100は、例えば、図示せぬ熱源に搭載又は設置され、熱源の熱エネルギーを元として、熱電素子1が発生させた電気エネルギーを、第1外部端子101及び第2外部端子102を介して負荷Rへ出力する。負荷Rの一端は第1外部配線111を介して第1外部端子101と電気的に接続され、他端は第2外部配線112を介して第2外部端子102と電気的に接続される。負荷Rは、例えば電気的な機器を示している。負荷Rは、発電装置100を主電源又は補助電源に用いて駆動される。
熱電素子1の熱源としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子デバイス又は電子部品、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子、自動車等のエンジン、工場の生産設備、人体、太陽光、及び環境温度等を利用することができる。例えば、電子デバイス、電子部品、発光素子、エンジン、及び生産設備等は人工熱源である。人体、太陽光、及び環境温度等は自然熱源である。熱電素子1を備えた発電装置100は、例えばIoT(Internet of Things)デバイス及びウェアラブル機器等のモバイル機器や自立型センサ端末の内部に設けることができ、電池の代替又は補助として用いることができる。さらに、発電装置100は、太陽光発電等のような、より大型の発電装置への応用も可能である。
熱電素子1は、例えば、上記人工熱源が発した熱エネルギー、又は上記自然熱源が持つ熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、電流を生成する。熱電素子1は、発電装置100内に設けるだけでなく、熱電素子1自体を、上記モバイル機器や上記自立型センサ端末等の内部に設けることもできる。この場合、熱電素子1自体が、上記モバイル機器又は上記自立型センサ端末等の、電池の代替部品又は補助部品となる。
<熱電素子1>
図1(b)は、第1実施形態に係る熱電素子の一例を示す模式断面図である。図1(b)に示す模式断面は、図1(a)中のIB−IB線に沿う。また、図1(a)に示した模式断面は、図1(b)中のIA−IA線に沿う。図2(a)は、中間部の一例を示す模式断面図である。図2(b)は、中間部の他の例を示す模式断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、熱電素子1は、第1基板21と、第1電極部11a及び11bと、第1Y方向支持部13aと、第2Y方向支持部13bと、第3Y方向支持部13cと、第2電極部12と、中間部14a及び中間部14bと、第2基板22と、を含む。
なお、本実施形態においては、第3Y方向支持部13cが、第1電極部を、参照符号11aによって示される部分と、参照符号11bによって示される部分とに分割する。このような第3Y方向支持部13cを含む熱電素子1を開示している関係上、本実施形態では、第1電極部は、第3Y方向支持部13cによって2つの部分に分割される。第3Y方向支持部13cが無い場合には、第1電極部は、参照符号11aによって示される部分と、参照符号11bによって示される部分とに分割されない。第1電極部は1つでよい。同様に、中間部についても、第3Y方向支持部13cが無い場合には、参照符号11aによって示される部分と、参照符号11bによって示される部分とに分割されない。中間部は1つでよい。
第1基板21は、結晶性表面を有する。結晶性表面では、ミラー指数は、例えば、(100)面のように1つのミラー指数で揃っている。第1基板21は、例えば、単結晶であってもよいし、多結晶又はアモルファスを単結晶化したものでもよい。また、第1基板21は、多結晶又はアモルファスなベース体の表面上に、単結晶の薄膜を設けたものであってもよい。これにより、第1基板21の表面は、結晶性表面となる。
第1電極部11a及び11bのそれぞれは、第1基板21の結晶性表面上に設けられている。第1電極部11a及び11bのそれぞれは、例えば、白金(仕事関数:約5.65eV)を含む。
第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれは、第3方向Yに沿って延びる。第2Y方向支持部13bは、第1Y方向支持部13aと、第1電極部11a及び11bを間に挟んで第2方向Xに離間して対向する。第3Y方向支持部13cは、第1Y方向支持部13aと第2Y方向支持部13bとの間にある。
第1Y方向支持部13aは、第1基板21の、第1電極部11a及び11b、第2、第3Y方向支持部13b及び13cの形成箇所を除く結晶性表面上に設けられている。第1Y方向支持部13aは、第1方向Zに沿った厚さが第1電極部11a及び11bの第1方向Zに沿った厚さよりも厚い。
第2Y方向支持部13bは、第1基板21の、第1電極部11a及び11b、第1、第3Y方向支持部13a及び13cの形成箇所を除く結晶性表面上に設けられている。第2Y方向支持部13bは、第1Y方向支持部13aと、第1電極部11a及び11bを間に挟んで第2方向Xに離間して対向する。第2Y方向支持部13bの第1方向Zに沿った厚さは、第1Y方向支持部13aの第1方向Zに沿った厚さと、実質的に等しい。
第3Y方向支持部13cは、第1基板21の、第1電極部11a及び11b、第1、Y2方向支持部13a及び13bの形成箇所を除く結晶性表面上に設けられている。第3Y方向支持部13cは、第1Y方向支持部13aと第2Y方向支持部13bとの間にある。第2Y方向支持部13bの第1方向Zに沿った厚さは、第1Y方向支持部13aの第1方向Zに沿った厚さと、実質的に等しい。
第2電極部12は、第1〜第3Y方向支持部13a〜13c上にかけて設けられている。第2電極部12は、例えば、第2基板22上に設けられている。第2電極部12は、第1電極部11a及び11bと第1方向Zに離間して対向する。第2電極部12は、第1電極部11a及び11bとは異なった仕事関数を有する。第2電極部12は、例えばタングステン(仕事関数:約4.55eV)を含む。熱電素子1では、仕事関数が大きい電極部はアノード電極A(コレクタ電極)として機能し、仕事関数が小さい電極部はカソード電極K(エミッタ電極)として機能する。熱電素子1では、第1電極部11a及び11bがアノード電極Aとなり、第2電極部12がカソード電極Kとなる。第1電極部11a及び11bは、第1配線15を介して第1外部端子101と電気的に接続される。第2電極部12は、第2配線16を介して第2外部端子102と電気的に接続される。
なお、第1電極部11a及び11bをカソード電極Kとし、第2電極部12をアノード電極Aとしてもよい。
中間部14a及び14bは、第1電極部11a及び11bと第2電極部12との間に設けられている。中間部14aは、例えば、第2電極部(カソード電極K)12から放出された電子を、第1電極部(アノード電極A)11aへと移動させ、中間部14bは、第2電極部(カソード電極K)12から放出された電子を、第1電極部(アノード電極A)11bへと移動させる部分である。
中間部14a及び14bは、図3(a)に示すように、ナノ粒子141を含む。ナノ粒子141は、例えば、導電物を含む。ナノ粒子141の仕事関数の値は、第1電極部11a及び11bの仕事関数の値と第2電極部12の仕事関数の値との間にある。ナノ粒子141は、例えば、溶媒142内に分散されている。なお、図3(b)に示すように、溶媒142はなくてもよい。
第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれは、例えば、結晶性バルクを有する。結晶性バルクを有する第1〜第3Y方向支持部13a〜13cの例は、単結晶である。また、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cの格子定数は、第1基板21の結晶性表面の格子定数と、例えば、ほぼ等しい。
また、第1基板21の結晶性表面と、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cとの間に、例えば、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cの表面ラフネスを改善させたり、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cの選択成長を促進させたりするシード層が設けられていてもよい。
また、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cの格子定数が、第1基板21の結晶性表面の格子定数と大きく異なる場合には、第1基板21の結晶性表面と、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cとの間に、バッファ層が設けられてもよい。バッファ層の格子定数は、第1基板21の結晶性表面の格子定数と、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cの格子定数との間にある。
熱電素子1は、第1封止部材31と、第2封止部材32と、を、さらに含む。
第1封止部材31は、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれの第3方向Yと交差した一端と、第1電極部11a及び11b、並びに第2電極部12のそれぞれの第3方向Yと交差した一端と、第1基板21及び第2基板22のそれぞれの第3方向Yと交差した一端と接している。
第2封止部材32は、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれの第3方向Yと交差した他端と、第1電極部11a及び11b、並びに第2電極部12のそれぞれの第3方向Yと交差した他端と、第1基板21及び第2基板22のそれぞれの第3方向Yと交差した他端と接している。
第1封止部材31及び第2封止部材32のそれぞれは、例えば絶縁性樹脂を含む。絶縁性樹脂の例としては、フッ素系絶縁性樹脂を挙げることができる。
熱電素子1では、第1中間部14a及び14bのそれぞれは、第3方向Yにおいて、第1電極部11a及び11bと第2電極部12aとの間に、第1封止部材31及び第2封止部材32に挟まれて設けられている。
<熱電素子1の製造方法>
次に、熱電素子1の製造方法の一例を、説明する。
図3は、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示す流れ図である。図4(a)〜図4(f)は、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の一例を示す模式断面図である。図4(a)〜図4(f)に示す断面は、図1(a)に示した模式断面に対応する。
<<第1電極部形成工程:ST.1>>
図3中のステップST.1に示すように、結晶性表面を有する第1基板(結晶性基板)上に、第1電極部を形成する。
ステップST.1では、例えば、図4(a)に示すように、結晶性表面を有する第1基板21が用意される。第1基板21の一例は、例えば、アンドープの単結晶シリコンである。次いで、結晶性表面上に、第1電極部11a及び11bとなる薄膜状の第1電極部11を形成する。薄膜状の第1電極部11は、例えば、導電物を、スパッタリング法又は蒸着法等を用いて、結晶性表面上に堆積させることで形成される。スパッタリング法の一例は、例えば、PVD(Physical Vapor Deposition)法を挙げることができる。蒸着法の例としては、CVD(Chemical Vapor Deposition)、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、及びCat−CVD(Catalytic Chemical Vapor Deposition)等を挙げることができる。薄膜状の第1電極部11の一例は、白金である。
次いで、図4(b)に示すように、薄膜状の第1電極部11をパターニングすることで、第1基板21上に、第1電極部11a及び11bが形成される。なお、本例では、第1電極部として、参照符号11aにより示される部分と、参照符号11bにより示される部分とを有する第1電極部を示しているが、第1電極部は、1つであってもよい。例えば、第1電極部11bは形成しなくてもよい。
薄膜状の第1電極部11をパターニングすることで、第1基板21上には、結晶性表面が露出した第1〜第3露出面18a〜18cが得られる。第1露出面18aの平面パターンは、第1Y方向支持部13aの平面パターンに対応する。第2露出面18bの平面パターンは、第2Y方向支持部13bの平面パターンに対応する。第3露出面18cの平面パターンは、第3Y方向支持部13cの平面パターンに対応する。
第1電極部11a及び11bは、印刷法等を用いて、第1基板21上に直接形成することもできる。印刷法等を用いると、薄膜状の第1電極部11のパターニング工程を省略できる。パターニング工程を省略できれば、熱電素子1のスループットの向上、及び熱電素子1の製造コストの低減を、さらに期待できる。印刷法等を用いる場合、第1電極部11a及び11bのそれぞれの平面パターンは、結晶性表面上に、第1〜第3露出面18a〜18cが得られるように設定される。
<<支持部選択成長工程:ST.2>>
次に、図3中のステップST.2に示すように、結晶性表面を有する第1基板(結晶性基板)上に、支持部を選択成長させる。
ステップST.2では、例えば、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cの原料となる物質を含む原料流体が用いられる。ステップST.2で用いられる原料流体には、第1基板21上における成膜レートが、第1電極部11a及び11b上における成膜レートよりも速い物質を含む原料流体が選ばれる。これにより、図4(c)に示すように、第1電極部11a及び11bの形成箇所を除く第1基板21上、即ち、第1〜第3露出面18a〜18c上に、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cを選択成長させることができる。原料流体は、選択成長可能な物質を含む。選択成長可能な物質を含む原料流体としては、シリコンを含む流体、ゲルマニウムを含む流体、炭素を含む流体、シリコン化合物を含む流体、ゲルマニウム化合物を含む流体、及び炭素化合物を含む流体等を挙げることができる。これらの流体の他、選択成長可能な物質を含んでいれば、ステップST.2における原料流体として用いることができる。原料流体は、気体、及び液体のいずれであってもよい。原料流体が気体の場合、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cは、第1〜第3露出面18a〜18c上に、気相成長によって選択成長する。原料流体が液体の場合、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cは、第1〜第3露出面18a〜18c上に、液相成長によって選択成長する。
本例では、第1基板21は、アンドープの単結晶シリコンである。第1電極部11a及び11bは、白金である。原料流体に、例えば、シリコン化合物を含むガス、例えば、シランを用い、第1基板21上にシリコンを、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって堆積させる。第1基板21上において、第1電極部11a及び11bは、シリコンの成長を抑制するマスク部材となる。シリコンの、第1基板21上における成膜レートは、シリコンの、第1電極部11a及び11b上における成膜レートよりも速い。これにより、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cが、それぞれ、第1〜第3露出面18a〜18c上に、第1電極部11a及び11bのそれぞれと自己整合して選択成長する。原料流体は、例えば、シリコンを半導体化させるドナーやアクセプタは含まない。この場合、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれは、例えば、アンドープシリコンの非晶質性バルク(例えば、低温成長時)、又はアンドープシリコンの結晶性バルク(例えば、高温成長時)を含むものとなる。第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれが、アンドープシリコンの結晶性バルクを含む場合、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cの格子定数は、第1基板21の結晶性表面の格子定数と、ほぼ等しくなる。
<<第2電極部形成工程:ST.3>>
次に、図3中のステップST.3に示すように、支持部上に、第1電極部と対向する第2電極部を形成する。
ステップST.3では、図4(d)及び図4(e)に示すように、まず、第2電極部12を、例えば、第2基板22上に形成される。第2電極部12は、例えば、スパッタリング法又は蒸着法等を用いて、Pt等の導電物を第2基板22上に堆積することで形成される。次いで、第2電極部12を、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれと相対させて、第2電極部12が形成された第2基板22を、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれに接合する。これにより、製造途中の熱電素子1には、第1電極部11a及び11b、第2電極部12、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれによって囲まれたギャップ部140が得られる。
<<中間部形成工程:ST.4>>
次に、図3中のステップST.4に示すように、ギャップ部内に、ナノ粒子を含む中間部を形成する。
図5(a)〜図5(c)は、中間部の形成方法の第1例を示す模式断面図である。図5(a)〜図5(c)に示す模式断面は、図1(b)に示した模式断面に対応する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、熱電素子1には、製造途中において、開放された部分を持つ第1側面41と、開放された部分を持つ第2側面42とが生じる。中間部14a及び14bは、例えば、ナノ粒子が分散された溶媒142を、第1側面41及び第2側面42の少なくとも1つから、第1Y方向支持部13aと第3Y方向支持部13cとの間、第2Y方向支持部13bと第3Y方向支持部13cとの間へ注入することで形成できる。溶媒142は、例えば、毛細管現象(毛細管力)によって、第1Y方向支持部13aと第3Y方向支持部13cとの間、第2Y方向支持部13bと第3Y方向支持部13cとの間へ吸い上げられる。
次に、図5(c)に示すように、第1封止部材31を第1側面41上に形成し、第2封止部材32を第2側面42上に形成する。これにより、溶媒142が封止され、中間部14a及び14bが形成される。
図6(a)〜図6(d)は、中間部の形成方法の第2例を示す模式断面図である。図6(a)に示す模式断面は、図1(b)に示した模式断面に対応する。図6(b)〜図6(d)に示す断面は、図1(a)に示した模式断面に対応する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、第2基板22の一部をエッチングし、充填孔71a及び71bを形成し、さらに、第2電極部12の一部をエッチングし、貫通孔61a及び61b(貫通孔61bは図示せず)を形成する。また、本例のように、第3Y方向支持部13cがある場合には、第3Y方向支持部13cに対してもエッチングを続行する。これにより、第3Y方向支持部13cには、貫通部51a及び51bが形成される。ギャップ部140は、貫通部51a及び51bを通じて一体化される。
次に、図6(c)及び図6(d)に示すように、ナノ粒子141(図示せず)が分散された溶媒142を、充填孔71a及び貫通孔61aを介して、ギャップ部140内に注入する。このとき、もう1つの充填孔71b及び貫通孔61b(図示せず)は、例えば、ギャップ部140内のエアを抜く孔として使用される。ギャップ部140内が、溶媒142によって充填されることによって、ギャップ部140内には、中間部14a及び14bが形成される(図4(f))。
次に、図6(e)に示すように、第3封止部材33a及び33b(第3封止部材33bは図示せず)を、第2基板22上に形成し、充填孔71a及び71bのそれぞれを塞ぐ。
第1実施形態に係る熱電素子1は、例えば、このような製造方法によって製造することができる。
このような熱電素子1によれば、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cを、結晶性を有する第1基板21上に選択成長させることにより形成するので、例えば、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cを選択成長させないで形成する場合と比較して、第1電極部11a及び11bと、第2電極部12との間の電極間ギャップG(図2(b))が、熱電素子1間でばらつき難くなる。電極間ギャップGが、熱電素子1間でばらつき難くできることで、発電効率の熱電素子1間の発電効率のばらつきを縮小させることが可能となる。
したがって、第1実施形態に係る熱電素子1によれば、発電効率の熱電素子間ばらつきを抑制することが可能な熱電素子の製造方法、そのような製造方法の適用が可能な熱電素子、そのような熱電素子を備えた発電装置、及びそのような熱電素子を含む電子機器を提供できる。
また、第1実施形態に係る熱電素子1によれば、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれが結晶性バルクを有する。結晶性バルクとは、本明細書では、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれが、1つの方向に向く結晶であることを意味する。第1〜第3Y方向支持部13a〜13cが、例えば、多結晶であったとする。多結晶は、様々な方向に向く複数の結晶を含むため、表面ラフネスが大きくなる。このため、電極間ギャップGがばらついてしまう。このような場合と比較して、第1〜第3Y方向支持部13a〜13cのそれぞれが、1つの方向に向く結晶であれば、表面ラフネスは小さくなる。したがって、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法の適用が可能であるととも、第1Y方向支持部及び第2Y方向支持部のそれぞれが結晶性バルクを有していない熱電素子と比較して、発電効率の熱電素子間ばらつきを、さらに抑制することが可能である。
以下、第1実施形態に係る熱電素子1の構成を、さらに詳細に説明する。
<<第1電極部11a、11b、第2電極部12a>>
第1電極部11a及び11b、第2電極部12aのそれぞれの第1方向Zに沿った厚さは、例えば1nm以上1μm以下である。より好ましくは、1nm以上50nm以下である。
第1電極部11a及び11b、及び第2電極部12のそれぞれの材料は、例えば、以下に示す金属から選ぶことができる。
白金(Pt)
タングステン(W)
アルミニウム(Al)
チタン(Ti)
ニオブ(Nb)
モリブデン(Mo)
タンタル(Ta)
レニウム(Re)
熱電素子1では、第1電極部11a及び11bと第2電極部12との間に仕事関数差が生じればよい。したがって、第1電極部11a及び11b、第2電極部12の材料には、上記以外の金属を選ぶことが可能である。また、第1電極部11a及び11b、第2電極部12の材料には、上記金属の他、合金、金属間化合物、及び金属化合物を選ぶことも可能である。金属化合物は、金属元素と非金属元素とが化合したものである。金属化合物の例としては、例えば六ホウ化ランタン(LaB6)を挙げることができる。
第1電極部11a及び11b、第2電極部12の材料として、非金属導電物を選ぶことも可能である。非金属導電物の例としては、シリコン(Si:例えばp型Si、あるいはn型Si)、及びグラフェン等のカーボン系材料等を挙げることができる。
第1電極部11a及び11b、第2電極部12の材料として、高融点金属(refractory metal)以外の材料を選ぶと、以下に説明される利点を、さらに得ることができる。本明細書において、高融点金属は、例えば、W、Nb、Mo、Ta、及びReとする。第1電極部(アノード電極A)11a及び11bに、例えばPtを用いた場合、第2電極部(カソード電極K)12には、Al、Si、Ti、及びLaB6の少なくとも1つを用いることが好ましい。
例えば、Al及びTiの融点は、上記高融点金属より低い。したがって、Al及びTiのそれぞれからは、上記高融点金属に比較して、加工しやすい、という利点を得ることができる。
例えば、Siは、上記高融点金属に比較して、その形成が、さらに容易である。したがって、Siからは、上記加工のしやすさに加え、熱電素子1の生産性がより向上する、という利点を、さらに得ることができる。
例えば、LaB6の融点は、Ti及びNbより高い。しかし、LaB6の融点は、W、Mo、Ta、及びReより低い。LaB6は、W、Mo、Ta、及びReに比較して加工しやすい。しかも、LaB6の仕事関数は、約2.5〜2.7eVである。LaB6は、上記高融点金属に比較して電子を放出させやすい。したがって、LaB6からは、熱電素子1の発電効率の更なる向上が可能、という利点を、さらに得ることができる。
なお、第1電極部11a及び11b、第2電極部12のそれぞれの構造は、上記材料を含む単層構造の他、上記材料を含む積層構造とされてもよい。
<<第1中間部14a及び第2中間部14b>>
ナノ粒子141の材料の例としては、金及び銀の少なくとも1つを選ぶことができる。なお、ナノ粒子141の仕事関数の値は、第1電極部11a及び11bの仕事関数の値と、第2電極部12の仕事関数の値との間にあればよい。したがって、ナノ粒子141の材料には、金及び銀以外の導電性材料を選ぶことも可能である。
ナノ粒子141の粒子径は、例えば、電極間ギャップGの1/10以下の有限値とされる。具体的には、ナノ粒子141の粒子径は、2nm以上10nm以下である。また、ナノ粒子141は、例えば、平均粒径(例えばD50)3nm以上8nm以下の粒子径を有してもよい。平均粒径は、例えば粒度分布計測器を用いることで、測定することができる。粒度分布計測器としては、例えば、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布計測器(例えばMicrotracBEL製Nanotrac WaveII-EX150等)を用いればよい。
ナノ粒子141は、その表面に、例えば絶縁膜141aを有する。絶縁膜141aの材料の例としては、絶縁性金属化合物及び絶縁性有機化合物の少なくとも1つを選ぶことができる。絶縁性金属化合物の例としては、例えば、シリコン酸化物及びアルミナ等を挙げることができる。絶縁性有機化合物の例としては、アルカンチオール(例えばドデカンチオール)等を挙げることができる。絶縁膜141aの厚さは、例えば20nm以下の有限値である。このような絶縁膜141aをナノ粒子141の表面に設けておくと、電子eは、例えば、第2電極部(カソード電極K)12とナノ粒子141との間、並びにナノ粒子141と第1電極部(アノード電極A)11a及び11bとの間を、トンネル効果を利用して移動できる。このため、例えば、熱電素子1の発電効率の向上が期待できる。
溶媒142には、例えば、沸点が60℃以上の液体を用いることができる。このため、室温(例えば15℃〜35℃)以上の環境下において、熱電素子1を用いた場合であっても、溶媒142の気化を抑制することができる。これにより、溶媒142の気化に伴う熱電素子1の劣化を抑制することができる。液体の例としては、有機溶媒及び水の少なくとも1つを選ぶことができる。有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、トルエン、キシレン、テトラデカン、及びアルカンチオール等を挙げることができる。なお、溶媒142は、電気的抵抗値が高く、絶縁性である液体がよい。
<<第1Y方向支持部13a〜第3Y方向支持部13c>>
第1Y方向支持部13a〜第3Y方向支持部13cの材料は、例えば、シリコン、ゲルマニウム、炭素、シリコン化合物、ゲルマニウム化合物、炭素化合物、及びからなる群より選ばれる。これらの材料であれば、第1Y方向支持部13a〜第3Y方向支持部13cを、第1基板21上に選択成長させることができる。
<<第1基板21及び第2基板22>>
第1基板21及び第2基板22のそれぞれの第1方向Zに沿った厚さは、例えば10μm以上2mm以下である。第1基板21及び第2基板22のそれぞれの材料としては、絶縁性の材料を選ぶことができる。絶縁性の材料の例としては、シリコン、石英、ガラス、及び絶縁性樹脂等を挙げることができる。なお、第1基板21については、その表面を結晶性表面とすることがよい。これにより、第1Y方向支持部13a〜第3Y方向支持部13cを、第1基板21上に選択成長させやすくなる。
第1基板21及び第2基板22のそれぞれは、薄板状であっても、フレキシブルなフィルム状であってもよい。例えば、第1基板21又は第2基板22を、フレキシブルなフィルム状とする場合には、例えばPET(polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、及びポリイミド等を用いることができる。
第1基板21と第2基板22との間には、第1電極部11a及び11b、第1Y方向支持部13a〜第3Y方向支持部13c、中間部14a及び14bのそれぞれが挟まれる。このように、第1基板21及び第2基板22を備えることで、上記各部材の、外力や環境変化に伴った劣化や変形が抑制される。したがって、熱電素子1の耐久性を高めるためには、第1基板21及び第2基板22がないよりは、第1基板21及び第2基板22を備えている方が有利である。
第1、第2基板21及び22のそれぞれを構成する基板は、絶縁性でなくてもよい。また、半導体基板や金属基板の表面を、例えば、絶縁膜によって被覆してもよい。ただし、第1基板21の表面は、結晶性表面とされることがよいので、第1基板21を構成する基板の表面には、結晶性を有する絶縁膜によって被覆することがよい。結晶性を有する絶縁膜としては、例えば、アンドープシリコンを挙げることができる。
<<第1外部配線111及び第2外部配線112>>
第1外部配線111及び第2外部配線112のそれぞれには、導電性を有する材料が用いられる。第1外部配線111及び第2外部配線112のそれぞれの材料の例としては、ニッケル、銅、銀、金、タングステン、及びチタンを挙げることができる。第1外部配線111及び第2外部配線112のそれぞれの構造は、熱電素子1において生成された電流を負荷Rへ供給できる構造であれば、任意に設計することができる。
<熱電素子1の動作>
熱エネルギーが熱電素子1に与えられると、例えば、第2電極部(カソード電極K)12から中間部14a及び14bに向けて電子eが放出される。放出された電子eは、中間部14a及び中間部14bから第1電極部(アノード電極A)11a及び11bへと移動する。電流は、第1電極部11a及び11bから第2電極部12に向かって流れる。このようにして、熱エネルギーが電気エネルギーに変換される。
放出される電子eの量は、熱エネルギーに依存する他、第1電極部11a及び11bのそれぞれの仕事関数と、第2電極部12の仕事関数との差に依存する。また、放出される電子eの量は、第2電極部(カソード電極K)12aの仕事関数が小さい材料ほど、多くなる傾向がある。
移動する電子eの量は、例えば、アノード電極Aとカソード電極Kとの仕事関数差を大きくすること、及び電極間ギャップGを狭くすることで、増やすことができる。したがって、例えば、熱電素子1が発生させる電気エネルギーの量は、仕事関数差を大きくすること、及び電極間ギャップGを狭くすること、の少なくともいずれか1つを考慮することで増加させることができる。
<支持部の変形例>
次に、支持部の変形例について説明する。
図7(a)〜図7(e)は、支持部の変形例を示す模式断面図である。図7(a)〜図7(e)に示す模式断面は、図1(b)に示した模式断面に対応する。
<<第1変形例>>
図7(a)に示すように、第1変形例は、第3Y方向支持部13cが無い例である。このように、熱電素子1においては、第3Y方向支持部13cが無く、第1、第2Y方向支持部13a及び13bのみを設けるようにしてもよい。なお、第3Y方向支持部13cが無い場合、第1電極部の数は、第1電極部11の1つとなる。
<<第2変形例>>
図7(b)に示すように、第2変形例は、第3Y方向支持部13cを、第3Y方向支持部13caと、第3Y方向支持部13cbとの2つに分割した例である。第2変形例では、第3Y方向支持部13ca及び13cbを備えているので、第1電極部の数は、第1電極部11a〜11cの3つとなる。
このように、熱電素子1においては、第3Y方向支持部13cは、1つに限られることはなく、第3Y方向支持部13cを、2つ以上を設けるようにしてもよい。
<<第3変形例>>
図7(c)に示すように、第3変形例は、第1変形例に対して、第2方向Xに沿って延びる第1X方向支持部131及び第2X方向支持部132をそれぞれを、さらに備えた例である。第3変形例では、支持部が、第1、第2Y方向支持部13a及び13b、並びに第1、第2X方向支持部131及び132を含む。そして、これらの4つの支持部は、フレーム型支持部を構成する。第1、第2X方向支持部131及び132は、第1、第2Y方向支持部13a及び13bと同時に選択成長により形成される。したがって、第3変形例では、第1電極部の数は、第1電極部11の1つとなる。
このようなフレーム型支持部を備えた熱電素子1によれば、例えば、第2電極部12が変形し難くなるので、電極間ギャップGの距離の変動を抑制できる。これにより、熱電素子1の発電効率の変動を抑制することができる。
<<第4変形例>>
図7(d)に示すように、第4変形例は、第3変形例に対して、第3Y方向支持部13cを、さらに備えた例である。第4変形例では、支持部が、第1〜第3Y方向支持部13a〜13c、並びに第1、第2X方向支持部131及び132を含む。これらの5つの支持部は、ラダーフレーム型支持部を構成する。第4変形例では、第1電極部の数は、第1電極部11a及び11bの2つとなる。
このようなラダーフレーム型支持部を備えた熱電素子1によれば、例えば、フレーム型支持部を備えた熱電素子1と比較して、第2電極部12を、さらに変形し難くできる。これにより、熱電素子1の発電効率の変動を、さらに抑制することができる。
<<第5変形例>>
図7(e)に示すように、第5変形例は、第4変形例に対して、第2方向Xに沿って延びる第3X方向支持部13ac及び13bcを、さらに備えた例である。第5変形例では、第3X方向支持部13acは、第1Y方向支持部13aと第3Y方向支持部13cとの間にある。第3X方向支持部13bcは、第2Y方向支持部13bと第3Y方向支持部13cとの間にある。これら7つの支持部は、メッシュフレーム型支持部を構成する。第3X方向支持部13ac及び13bcは、第1、第2Y方向支持部13a及び13b、並びに第1、第2X方向支持部131及び132と同時に選択成長により形成される。したがって、第5変形例では、第1電極部の数は、第1電極部11a〜11dの4つとなる。
このようなメッシュフレーム型支持部を備えた熱電素子1によれば、例えば、フレーム型支持部、又はラダーフレーム型支持部を備えた熱電素子1と比較して、第2電極部12を、さらに変形し難くできる。これにより、熱電素子1の発電効率の変動を、さらに抑制することができる。
また、第1実施形態に係る熱電素子の製造方法によれば、例えば、第1実施形態に係る熱電素子1、並びに第1〜第5変形例に示したような様々なパターンの支持部を、1つの選択成長工程で形成できる、という利点についても得ることができる。
(第2実施形態)
<電子機器>
第1実施形態において説明した熱電素子及び発電装置は、例えば電子機器に搭載することが可能である。以下、電子機器の実施形態のいくつかを説明する。
図8(a)〜図8(d)は、熱電素子を備えた電子機器の例を示す模式ブロック図である。図8(e)〜図8(h)は、熱電素子を含む発電装置を備えた電子機器の例を示す模式ブロック図である。
図8(a)に示すように、電子機器(エレクトリックプロダクト)500は、電子部品(エレクトロニックコンポーネント)501と、主電源502と、補助電源503と、を備えている。電子機器500及び電子部品501のそれぞれは、電気的な機器(エレクトリカルデバイス)である。
電子部品501は、主電源502を電源に用いて駆動される。電子部品501の例としては、例えば、CPU、モーター、センサ端末、及び照明等を挙げることができる。電子部品501が、例えばCPUである場合、電子機器500には、内蔵されたマスター(CPU)によって制御可能な電子機器が含まれる。電子部品501が、例えば、モーター、センサ端末、及び照明等の少なくとも1つを含む場合、電子機器500には、外部にあるマスター、あるいは人によって制御可能な電子機器が含まれる。
主電源502は、例えば電池である。電池には、充電可能な電池も含まれる。主電源502のプラス端子(+)は、電子部品501のVcc端子(Vcc)と電気的に接続される。主電源502のマイナス端子(−)は、電子部品501のGND端子(GND)と電気的に接続される。
補助電源503は、熱電素子である。熱電素子は、実施形態のそれぞれにおいて説明した熱電素子1〜1dの少なくとも1つを含む。以下、熱電素子1〜1dを総称して、熱電素子1という。熱電素子1のアノード(例えば第1電極部11)は、電子部品501のGND端子(GND)、又は主電源502のマイナス端子(−)、又はGND端子(GND)とマイナス端子(−)とを接続する配線と、電気的に接続される。熱電素子1のカソード(例えば第2電極部12)は、電子部品501のVcc端子(Vcc)、又は主電源502のプラス端子(+)、又はVcc端子(Vcc)とプラス端子(+)とを接続する配線と、電気的に接続される。電子機器500において、補助電源503は、例えば主電源502と併用され、主電源502をアシストするための電源や、主電源502の容量が切れた場合、主電源502をバックアップするための電源として使うことができる。主電源502が充電可能な電池である場合には、補助電源503は、さらに、電池を充電するための電源としても使うことができる。
図8(b)に示すように、主電源502は、熱電素子1とされてもよい。熱電素子1のアノードは、電子部品501のGND端子(GND)と電気的に接続される。熱電素子1のカソードは、電子部品501のVcc端子(Vcc)と電気的に接続される。図18(b)に示す電子機器500は、主電源502として使用される熱電素子1と、熱電素子1を用いて駆動されることが可能な電子部品501と、を備えている。熱電素子1は、独立した電源(例えばオフグリッド電源)である。このため、電子機器500は、例えば自立型(スタンドアローン型)にできる。しかも、熱電素子1は、環境発電型(エナジーハーベスト型)である。図8(b)に示す電子機器500は、電池の交換が不要である。
図8(c)に示すように、電子部品501が熱電素子1を備えていてもよい。熱電素子1のアノードは、例えば、回路基板(図示は省略する)のGND配線と電気的に接続される。熱電素子1のカソードは、例えば、回路基板(図示は省略する)のVcc配線と電気的に接続される。この場合、熱電素子1は、電子部品501の、例えば補助電源503として使うことができる。
図8(d)に示すように、電子部品501が熱電素子1を備えている場合、熱電素子1は、電子部品501の、例えば主電源502として使うことができる。
図8(e)〜図8(h)のそれぞれに示すように、電子機器500は、発電装置100を備えていてもよい。発電装置100は、電気エネルギーの源として熱電素子1を含む。
図8(d)に示した実施形態は、電子部品501が主電源502として使用される熱電素子1を備えている。同様に、図8(h)に示した実施形態は、電子部品501が主電源として使用される発電装置100を備えている。これらの実施形態では、電子部品501が、独立した電源を持つ。このため、電子部品501を、例えば自立型とすることができる。自立型の電子部品501は、例えば、複数の電子部品を含み、かつ、少なくとも1つの電子部品が別の電子部品と離れているような電子機器に有効に用いることができる。そのような電子機器500の例は、センサである。センサは、センサ端末(スレーブ)と、センサ端末から離れたコントローラ(マスター)と、を備えている。センサ端末及びコントローラのそれぞれは、電子部品501である。センサ端末が、熱電素子1又は発電装置100を備えていれば、自立型のセンサ端末となり、有線での電力供給の必要がない。熱電素子1又は発電装置100は環境発電型であるので、電池の交換も不要である。センサ端末は、電子機器500の1つと見なすこともできる。電子機器500と見なされるセンサ端末には、センサのセンサ端末に加えて、例えば、IoTワイヤレスタグ等が、さらに含まれる。
図8(a)〜図8(h)のそれぞれに示した実施形態において共通することは、電子機器500は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子1と、熱電素子1を電源に用いて駆動されることが可能な電子部品501と、を含むことである。
電子機器500は、独立した電源を備えた自律型(オートノマス型)であってもよい。自律型の電子機器の例は、例えばロボット等を挙げることができる。さらに、熱電素子1又は発電装置100を備えた電子部品501は、独立した電源を備えた自律型であってもよい。自律型の電子部品の例は、例えば可動センサ端末等を挙げることができる。
以上、この発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、この発明の実施形態は、上記実施形態が唯一のものでもない。例えば、この発明は、上記実施形態の他、様々な新規な形態で実施することができる。したがって、上記実施形態のそれぞれは、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更が可能である。このような新規な形態や変形は、この発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明、及び特許請求の範囲に記載された発明の均等物の範囲に含まれる。
1 :熱電素子
11、11a、11b、11c、11d:第1電極部
12 :第2電極部
13a :第1Y方向支持部
13b :第2Y方向支持部
13c、13ca、13cb:第3Y方向支持部
131 :第1X方向支持部
132 :第2X方向支持部
13ac、13bc:第3X方向支持部
14a、14b:中間部
140 :ギャップ部
141 :ナノ粒子
141a :絶縁膜
142 :溶媒
15a :第1配線
15b :第2配線
18a :第1露出面
18b :第2露出面
18c :第3露出面
21 :第1基板
22 :第2基板
31 :第1封止部材
32 :第2封止部材
33a、33b :第3封止部材
51a、51b :貫通部
61a、61b :充填孔
71a、71b :貫通孔
100 :発電装置
101 :第1外部端子
102 :第2外部端子
111 :第1外部配線
112 :第2外部配線
R :負荷
X :第2方向
Y :第3方向
Z :第1方向
A :アノード電極
K :カソード電極
G :電極間ギャップ
e :電子
100 :発電装置、
500 :電子機器
501 :電子部品
502 :主電源
503 :補助電源
Vcc :Vcc端子
GND :GND端子
+ :プラス端子
− :マイナス端子

Claims (5)

  1. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子の製造方法であって、
    結晶性表面を有する基板上に、第1電極部を形成する工程と、
    前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に、
    結晶性バルクを有する第1Y方向支持部、及び
    前記第1電極部を間に挟んで前記第1Y方向支持部と第1方向と交差する第2方向に離間して対向する結晶性バルクを有する第2Y方向支持部のそれぞれを選択成長させる工程と、
    前記第1Y方向支持部上から前記第2Y方向支持部上にかけて、前記第1電極部と前記第1方向に離間して対向し、前記第1電極部とは異なった仕事関数を有する第2電極部を形成する工程と、
    前記第1電極部と前記第2電極部との間に、前記第1電極部の仕事関数と前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部を形成する工程と、
    を備えること
    を特徴とする熱電素子の製造方法。
  2. 前記第1Y方向支持部の材料、及び前記第2Y方向支持部の材料それぞれは、シリコン、ゲルマニウム、炭素、シリコン化合物、ゲルマニウム化合物、及び炭素化合物からなる群より選ばれること
    を特徴とする請求項1に記載の熱電素子の製造方法。
  3. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子であって、
    結晶性表面を有する基板と、
    前記結晶性表面上に設けられた第1電極部と、
    前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に設けられた、第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第1Y方向支持部と、
    前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に設けられ、前記第1電極部を間に挟んで前記第1Y方向支持部と前記第1方向と交差する第2方向に離間して対向し、前記第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第2Y方向支持部と、
    前記第1Y方向支持部上から前記第2Y方向支持部上にかけて設けられた、前記第1電極部と前記第1方向に離間して対向し、前記第1電極部とは異なった仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、前記第1電極部の仕事関数と前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、
    を備えること
    を特徴とする熱電素子。
  4. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子を備えた発電装置であって、
    前記熱電素子は、
    結晶性表面を有する基板と、
    前記結晶性表面上に設けられた第1電極部と、
    前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に設けられた、第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第1Y方向支持部と、
    前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に、前記第1電極部を間に挟んで設けられた、前記第1Y方向支持部と前記第1方向と交差する第2方向に離間して対向し、前記第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第2Y方向支持部と、
    前記第1Y方向支持部上から前記第2Y方向支持部上にかけて設けられた、前記第1電極部と前記第1方向に離間して対向し、前記第1電極部とは異なった仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、前記第1電極部の仕事関数と前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、
    を備えること
    を特徴とする発電装置。
  5. 熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子と、前記熱電素子を電源に用いて駆動されることが可能な電子部品と、を含む電子機器であって、
    前記熱電素子は、
    結晶性表面を有する基板と、
    前記結晶性表面上に設けられた第1電極部と、
    前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に設けられた、第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第1Y方向支持部と、
    前記第1電極部の形成箇所を除く前記結晶性表面上に、前記第1電極部を間に挟んで設けられた、前記第1Y方向支持部と前記第1方向と交差する方向に離間して対向し、前記第1方向に沿った厚さが前記第1電極部の前記第1方向に沿った厚さよりも厚い結晶性バルクを有する第2Y方向支持部と、
    前記第1Y方向支持部上から前記第2Y方向支持部上にかけて設けられた、前記第1電極部と第1方向に離間して対向し、前記第1電極部とは異なった仕事関数を有する第2電極部と、
    前記第1電極部と前記第2電極部との間に設けられた、前記第1電極部の仕事関数と前記第2電極部の仕事関数との間の仕事関数を有するナノ粒子を含む中間部と、
    を備えること
    を特徴とする電子機器。
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