JP2003273413A - 熱電素子およびその製造方法 - Google Patents

熱電素子およびその製造方法

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JP2003273413A
JP2003273413A JP2002075637A JP2002075637A JP2003273413A JP 2003273413 A JP2003273413 A JP 2003273413A JP 2002075637 A JP2002075637 A JP 2002075637A JP 2002075637 A JP2002075637 A JP 2002075637A JP 2003273413 A JP2003273413 A JP 2003273413A
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JP
Japan
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thermoelectric
metal wiring
type
thin film
thermoelectric element
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JP2002075637A
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Tetsuhiro Nakamura
中村  哲浩
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放熱板上に形成した金属配線と表面に導電材
を設けた熱電半導体とをハンダや導電接着剤を用いて電
気的に接続しているため、基板と熱電素子の熱膨張係数
差により、導電材と熱電半導体の間で剥離が発生する。
また、電気的接続の断線は温度サイクル試験で顕著に現
れ、信頼性の面でも十分な性能を得られていない。ま
た、放熱板の厚みが熱電素子全体の厚みを増加させてし
まうことになり、熱電素子を小型化する際の大きな問題
点となっている。 【解決手段】 本発明の熱電素子は、p型とn型の熱電
半導体を絶縁物を介して交互に配列し、p型とn型の各
熱電半導体が金属部材および金属配線によって電気的に
接続しており、金属配線表面を絶縁性薄膜によって保護
した構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱電素子の構造およ
びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、p
型とn型の少なくとも2つの熱電半導体を絶縁物を介し
て所定の間隔で交互に配列し、その各熱電半導体が金属
配線によって電気的に直列に接続してなる熱電素子とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、図面を用いて従来技術の一例を説
明する。図12は従来例の熱電素子の構造を示す断面図
である。図12に示すようにp型とn型の熱電半導体1
を交互に配置し、熱電半導体1の両端部に導電材9を設
けた熱電半導体1と、放熱板10上に形成した銅や金な
どからなる金属配線4とを、ハンダ8を用いて電気的に
接続している。p型とn型の熱電半導体1の間には絶縁
物2を設けてあり、熱電半導体1間の絶縁を保ってい
る。
【0003】この図12に示す熱電素子は、上下面で温
度差がある場合には発電素子として使用することがで
き、熱電素子に電流を流すと上下面の一方が発熱し、一
方が吸熱するため、冷却用または加熱用素子として使用
することができる。
【0004】熱電半導体としては、一般的に用いられる
ビスマス−テルル系、アンチモン−テルル系、ビスマス
−テルル−アンチモン系、ビスマス−テルル−セレン系
の他に、鉛−ゲルマニウム系、シリコン−ゲルマニウム
系など材料が用いられる。
【0005】次に従来例における熱電素子の製造方法を
図2から図4と図12を用いて説明する。まず、p型の
熱電半導体1のそれぞれを図2に示すように、櫛歯状に
ダイシングソーで加工する。それと同じ構成で、図には
示さないn型熱電半導体を加工する。
【0006】次にp型とn型の熱電半導体1を図3に示
すように組み合わせ、p型、n型の熱電半導体1の隙間
に、絶縁物2として熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を
流し込み、熱処理によりエポキシ樹脂を硬化させる。そ
の後、不要な上下部分を研削により除去し、図4に示す
ような構造の熱電素子ブロックを得る。
【0007】次に図12に示すように、熱電半導体1が
露出している上下部分に電解メッキにより導電材9を形
成する。その導電材9は、熱電半導体1と金属配線4を
電気的に接続させる接続材料としてハンダ8を用いた場
合のハンダ中のスズ成分が熱電半導体1内に拡散して性
能を劣化させるのを防止する目的と、ハンダの濡れ性を
確保する目的で、金属配線4と接続する熱電半導体1の
面に形成している。前記導電材9としては、熱電半導体
1への金属拡散防止効果の高いニッケルが主に用いられ
る。
【0008】次に放熱板10上に形成した金属配線4と
熱電半導体1上に形成した導電材9とをハンダ8を用い
て電気的に接続し、図12に示すような熱電素子を得る
ことができる。放熱板10してはシリコン、アルミナな
どの熱伝導の良い材料を用いる。金属配線4としては、
メッキ法、スパッタリング法、真空蒸着法などにより形
成された皮膜をエッチングなどによりパターン化したも
のを使用している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した熱電素子には
以下に記載するような問題点がある。
【0010】従来の熱電素子の構造では、放熱板10上
に形成した金属配線4と端面に導電材9を設けた熱電半
導体1とをハンダ8を用いて電気的に接続しているが、
熱電素子が熱膨張または熱収縮することにより、導電材
9と熱電半導体1の間で剥離が発生し、p型とn型の熱
電半導体1の電気的接続が断線してしまう。電気的接続
の断線は加熱と冷却を交互に繰り返す温度サイクル試験
で顕著に現れ、信頼性の面でも十分な性能が得られてい
ない。
【0011】また、放熱板10として厚さが0.5mm
程度のアルミナを使用しているが、放熱板10の厚みが
熱電素子全体の厚みを増加させてしまうことになり、熱
電素子を小型化する際の大きな問題点となっている。
【0012】本発明の目的は、上記課題を解決して、小
型でかつ信頼性の高い熱電素子およびその製造方法を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、基本的に下記に記載されたような技術
構成を採用するものである。
【0014】すなはち、本発明において上記課題を解決
するための第1の手段は、p型とn型の少なくとも2つ
の熱電半導体を絶縁物を介して所定の間隔で交互に配列
し、その各熱電半導体が金属配線によって電気的に直列
に接続してなる熱電素子において、前記金属配線の表面
が絶縁性薄膜によって被覆されてなる構成とすることで
ある。
【0015】また、第2の手段は、p型とn型の少なく
とも2つの熱電半導体を空気層を介して所定の間隔で交
互に配列し、その各熱電半導体が金属配線によって電気
的に直列に接続してなる熱電素子において、前記熱電半
導体と前記金属配線の表面が絶縁性薄膜によって被覆さ
れてなる構成とすることであり、第3の手段は、本発明
の熱電素子は、前記絶縁性薄膜上に放熱板として機能す
る金属層を配する構成とすることである。
【0016】さらに、第4の手段としての本発明の熱電
素子の製造方法は、絶縁物を介して所定の間隔で配列し
た少なくとも2つの熱電半導体の上下面でその熱電半導
体表面が露出するように構成された熱電半導体ブロック
を用意する工程と、前記絶縁物を介して隣り合う二つの
熱電半導体の端部との両方をまたぐように直列に接続さ
れる金属配線を形成する工程と、前記金属配線表面に電
着塗装により絶縁性薄膜を形成する工程と、絶縁性薄膜
を硬化させる工程とを有する工程とすることであり、さ
らに、第5の手段は、絶縁性薄膜を硬化する工程の後
に、絶縁性薄膜上に放熱板として機能する金属層を形成
する工程を有する工程としたことであり、金属配線を形
成する工程と絶縁性薄膜を形成する工程の間に熱電半導
体間に設けられた絶縁物を除去する工程を有する工程と
したことである。
【0017】[作用]本発明の熱電素子は、p型とn型
の複数の熱電半導体1を絶縁物2を介して交互に配列
し、各熱電半導体1が金属部材3および金属配線4によ
って電気的に接続しており、金属配線4表面を絶縁性薄
膜5によって保護している。
【0018】このように複数の熱電半導体1を電気的に
接続している金属配線4表面に絶縁性薄膜5を形成する
ことにより、金属配線4を絶縁、保護すると共に、金属
配線4の剥離を防止する補強効果が得られる。
【0019】これにより、従来の熱電素子で使用してい
た放熱板10を用いずに熱電素子を形成することがで
き、かつ絶縁性薄膜5により金属配線4が絶縁、保護、
補強されているため、小型で信頼性の高い熱電素子を得
ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の最適な
実施形態における熱電素子について説明する。図1に第
1の実施形態における熱電素子の断面図を示す。図1に
示すように、p型とn型の熱電半導体1を絶縁物2を介
して交互に配列し、p型とn型の各熱電半導体1が金属
部材3および金属配線4によって電気的に接続してお
り、金属配線4表面を絶縁性薄膜5によって保護してい
る構造となっている。
【0021】金属部材3はp型とn型の熱電半導体1が
電気的に直列接続する部分に配置しており、熱電半導体
1上と熱電半導体1間の絶縁物2上をまたぐように形成
している。これにより金属配線4を電解メッキまたは無
電解メッキにより金属部材3上および熱電半導体1上に
形成すると同時に、p型とn型の熱電半導体1を電気的
に直列接続することができる。
【0022】また、p型とn型の熱電半導体1を電気的
に接続している金属配線4を被覆するように絶縁性薄膜
5を形成することで、金属配線4を絶縁し保護すると共
に、金属配線4の剥離を防止する補強効果が得られる。
【0023】これにより、図12における従来の熱電素
子で使用していた放熱板10を用いずに熱電素子を形成
することができ、かつ絶縁性薄膜5により金属配線4が
絶縁保護し、さらに補強することができ、小型で信頼性
の高い熱電素子を得ることができる。
【0024】次に、第1の実施形態における熱電素子の
製造方法について図1から図7を用いて説明する。ま
ず、50mm×50mm×5mmの大きさのp型とn型
の熱電半導体1のそれぞれを図2に示すように、櫛歯状
になるようにダイシングソーで幅0.6mmの溝を1.
1mmピッチで加工する。その後、溝に絶縁物2として
スリーボンド(株)のエポキシ樹脂2280C(商品
名)を60℃に加熱しながら流し込み、図3に示すよう
に櫛歯状のp型とn型の熱電半導体1を組み合わせ、1
30℃で1時間加熱することによりエポキシ樹脂を硬化
させる。その後、不要な部分を研削により除去し、図4
に示すような構造の熱電素子ブロックを得た。
【0025】熱電半導体1としては、一般的に用いられ
るビスマス−テルル系、アンチモン−テルル系、ビスマ
ス−テルル−アンチモン系、ビスマス−テルル−セレン
系などを用いることができるが、鉛−ゲルマニウム系、
シリコン−ゲルマニウム系などの熱電半導体を用いるこ
とができる。
【0026】次にp型とn型の熱電半導体1を接続する
金属部材3を形成する。金属部材3の形成方法は、まず
p型とn型の複数の熱電半導体1を絶縁物2を介して交
互に配列した熱電半導体ブロックに開口部を設けたメタ
ルマスクを熱電半導体1と絶縁物2との表面に配置し、
真空蒸着法やスパッタリング法で金属被膜を形成し、メ
タルマスクを除去することによりメタルマスクの開口部
にのみ金属部材3が形成される。金属部材3を形成する
位置はp型とn型の熱電半導体1が電気的に直列に接続
する部分であり、熱電半導体1上と熱電半導体1間の絶
縁物2上をまたぐように形成した。
【0027】金属部材3は金属配線4を無電解メッキで
形成する場合には、無電解メッキを開始させる触媒とし
ての役割と、熱電半導体1間の絶縁物2上に無電解メッ
キを行うための土台としての役割を果たしている。その
ため金属部材3としては周期表第VIII属の金属のい
ずれかを形成する。また、金属配線4を電解メッキで形
成する場合には、熱電半導体1間の絶縁物2上に電解メ
ッキを行うための土台の役割のみを果たすので、金属の
種類については特に制限されない。本実施形態では熱電
半導体1への金属拡散防止効果の高いニッケルを厚さ
0.1μmで形成した。
【0028】その後、無電解ニッケルメッキ液に浸漬し
するか、電解ニッケルメッキを行い金属部材3上と熱電
半導体1上に図6に示すように金属配線4を形成する。
本実施形態では奥野製薬工業(株)の無電解ニッケルメ
ッキ液トップケミアロイB−1(商品名)を用いて、液
温60℃で10分間無電解ニッケルメッキを行い、ニッ
ケルを1μmの厚みで金属配線4を形成した。
【0029】金属配線4の抵抗を低減させるためにニッ
ケルからなる金属配線4上に電解メッキにより銅を厚さ
20μmで形成し、さらに銅表面の酸化防止を目的とし
て金を厚さ1μmで形成した。電解銅メッキについては
日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株)
の電解銅メッキ液ミクロファブCu200(商品名)を
用い液温25℃で電流密度3A/dm2で15分電解銅
メッキを行い、金メッキについてはNEケムキャットの
電解金メッキ液NCF−500(商品名)を用い液温2
5℃で電流密度0.8A/dm2で2分間、電解金メッ
キを行った。
【0030】次に、金属配線4表面だけに選択的に絶縁
性薄膜5を形成する。本実施形態ではアクリル樹脂イオ
ンが水に分散されている電着塗料を用いて、電解を掛け
ることにより陽極にアクリル樹脂が析出する電着塗装に
より絶縁性薄膜5を形成した。電着塗装に用いる電着塗
料はシミズ(株)のエレコートAMG(商品名)を使用
し液温25℃、熱電素子の金属配線4を陽極として電着
塗料に浸漬し、印加電圧20Vで2分間電着塗装を行
い、厚さ5μmの絶縁性薄膜5を図1に示すように金属
配線4の露出面のみに形成することができた。このとき
形成された絶縁性薄膜5は未硬化の状態であり、粘着性
を有しているが、熱処理を行うことでその絶縁性薄膜5
を硬化させることができる。電着塗装により形成した絶
縁性薄膜5の硬化条件は、前乾燥として80℃で15分
間行い、続いて本硬化として150℃で30分間行っ
た。
【0031】以上の工程により形成した熱電素子は、p
型とn型の複数の熱電半導体1を絶縁物2を介して交互
に配列し、各熱電半導体1が金属部材3および金属配線
4によって電気的に接続しており、金属配線4表面を絶
縁性薄膜5によって保護している構造となっており、絶
縁性薄膜5が金属配線4間のショートを防止すると共
に、金属配線4の剥離を防止する補強の役割を果たして
いる。
【0032】前述の電着塗装により金属配線4上のみに
選択的に絶縁性薄膜5を形成することができ、均一で薄
い絶縁性薄膜5を得ることができる。さらに絶縁性薄膜
5を薄く形成することにより熱電素子の発熱や吸熱の損
失を最小限とすることができる。
【0033】上記に記載したように電着塗装により形成
した絶縁性薄膜5は、熱処理を行う前では未硬化で粘着
性のある状態で、図7に示すように被冷却物7を熱電素
子に直に搭載し、熱処理を行うことでその被冷却物7を
強固に固着することができる。これにより、従来の熱電
素子で使用されていた放熱板10を用いる必要が無く、
熱電素子を小型化することができる。
【0034】また、図8に示すように絶縁性薄膜5を熱
処理により硬化した後に真空蒸着法またはスパッタリン
グ法により絶縁性薄膜5上に金属層6を形成し、図9に
示すように被冷却物7をハンダ8を用いて接合しても良
い。
【0035】絶縁性薄膜5上に形成する金属層6はハン
ダとの接合性が良好な金属であれば特に限定されるもの
ではなく、複数の金属を多層形成しても良い。本実施形
態ではスパッタリング法により絶縁性薄膜5上に金を
0.3μmの厚さで形成した。
【0036】これにより、従来の熱電素子で使用されて
いた放熱板を用いる必要が無く、小型の熱電素子として
使用することができ、さらに被冷却物7をハンダ8を用
いて熱電素子に直に固着することが可能な熱電素子を得
ることができる。
【0037】次に第2の実施形態について説明する。図
11に第2の実施形態における熱電素子の断面図を示
す。図11に示すようにp型とn型の熱電半導体1が交
互に配列し、p型とn型の熱電半導体1が金属部材3お
よび金属配線4によって電気的に接続しており、熱電半
導体1と金属配線4と金属部材3との露出表面を絶縁性
薄膜5によって保護している構造となっている。
【0038】本構成は、第1の実施の形態の効果に加
え、p型とn型の熱電半導体1間の絶縁物2を除去し、
絶縁物2の熱膨張や熱収縮による応力が発生しない構造
となっているので、より信頼性の高い熱電素子を得るこ
とができる。
【0039】次に、第2の実施形態における熱電素子の
製造方法について図6および図10から図11を用いて
説明する。まず、第1の実施の形態と同様な手法を用
い、図6に示す構造体を形成し、p型とn型の熱電半導
体1の間に設けられた絶縁物2を溶解させて除去する。
本実施形態では濃硫酸を70℃に加熱し、上記熱電素子
を1時間浸漬することによりp型とn型の熱電半導体1
の間に設けられた絶縁物2を図10に示すように除去し
た。
【0040】次に、熱電半導体1と金属配線4と金属部
材3の表面に絶縁性薄膜5を形成する。本実施形態では
アクリル樹脂イオンが水に分散されている電着塗料を用
いて、電解を掛けることにより陽極にアクリル樹脂が析
出する電着塗装により絶縁性薄膜5を形成した。電着塗
装に用いる電着塗料はシミズ(株)のエレコートAMG
(商品名)を使用し液温25℃、熱電素子の熱電半導体
1と金属配線4と金属部材3とを陽極として電着塗料に
浸漬し、印加電圧20Vで2分間電着塗装を行い、厚さ
5μmの絶縁性薄膜5を図11に示すように形成するこ
とができた。このとき形成された絶縁性薄膜5は未硬化
の状態であり、粘着性を有しているが、熱処理を行うこ
とで硬化させることができる。電着塗装により形成した
絶縁性薄膜5の硬化条件は、前乾燥として80℃で15
分間行い、続いて本硬化として150℃で30分間行っ
た。
【0041】以上の工程により形成した熱電素子は、熱
電半導体1と金属配線4と金属部材3の露出表面を絶縁
性薄膜5によって被覆することにより熱電半導体1と金
属配線4と金属部材3との表面を絶縁保護すると共に、
金属配線4および金属部材3と熱電半導体1とを補強
し、金属配線4または金属部材3が熱電半導体1から剥
離することを防止している。
【0042】さらに、p型とn型の熱電半導体1間の絶
縁物2を除去し、絶縁物2の熱膨張や熱収縮による応力
が発生しない構造となっているので、より信頼性のの高
い熱電素子を得ることができる。
【0043】この様に、本発明の熱電素子は、従来の熱
電素子で使用していた放熱板10を用いずに熱電素子を
形成することができ、小型で信頼性の高い熱電素子を得
ることができる。
【0044】なお、第1の実施の形態と同様に、前記絶
縁性薄膜5を覆って放熱板として機能する金属層を配し
ても構わない。
【0045】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明で
は、p型とn型の複数の熱電半導体を絶縁物を介して交
互に配列し、各熱電半導体が金属部材および金属配線に
よって電気的に接続しており、金属配線表面が絶縁性薄
膜によって保護されている構造となっている。このた
め、絶縁性薄膜が金属配線を絶縁し保護すると共に、金
属配線の剥離を防止する補強の役割を果たし、信頼性の
高い熱電素子を得ることができる。
【0046】また、電着塗装により形成した前記絶縁性
薄膜は、熱処理を行う前では未硬化で粘着性のあるもの
なので、被冷却物や配線基板に直に熱電素子を搭載し、
熱処理を行うことで強固に固着することができる。これ
により、従来の熱電素子で使用されていた放熱板を用い
る必要が無く、熱電素子を小型化することができる。
【0047】さらに、p型とn型の複数の熱電半導体を
絶縁物を介して交互に配列し、各熱電半導体が金属部材
および金属配線によって電気的に直列に接続しており、
金属配線表面に形成した絶縁性薄膜によって保護し、更
に絶縁性薄膜上に金属層を配した構造としている。この
ことで、絶縁性薄膜が金属配線を絶縁、保護し、金属配
線の剥離を防止する補強の役割を果たすと共に、絶縁性
薄膜表面に金属層が形成してあることにより、被冷却物
や配線基板をハンダを用いて直に熱電素子に接合するこ
とができ、小型化に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における熱電素子の構
成を示す構造断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における熱電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における熱電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における熱電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における熱電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の第1および第2の実施形態における熱
電素子の製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における熱電素子の構
成を示す構造断面図である。
【図8】本発明の第1の別の実施形態における熱電素子
を示す構造断面図である。
【図9】本発明の第1の更に別の実施形態における熱電
素子を示す断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態における熱電素子の
製造方法を示す断面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における熱電素子の
構成を示す構造断面図である。
【図12】従来例における熱電素子の構成を示す構造断
面図である。
【符号の説明】
1 熱電半導体 2 絶縁物 3 金属部材 4 金属配線 5 絶縁性薄膜 6 金属層 7 被冷却物 8 ハンダ 9 導電材 10 放熱板
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 35/34 H01L 35/34 H02N 11/00 H02N 11/00 A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型とn型の少なくとも2つの熱電半導
    体を絶縁物を介して所定の間隔で交互に配列し、その各
    熱電半導体が金属配線によって電気的に直列に接続して
    なる熱電素子において、前記金属配線の表面が絶縁性薄
    膜によって被覆されてなることを特徴とする熱電素子。
  2. 【請求項2】 p型とn型の少なくとも2つの熱電半導
    体を空気層を介して所定の間隔で交互に配列し、その各
    熱電半導体が金属配線によって電気的に直列に接続して
    なる熱電素子において、前記熱電半導体と前記金属配線
    の表面が絶縁性薄膜によって被覆されてなることを特徴
    とする熱電素子。
  3. 【請求項3】 前記絶縁性薄膜上に放熱板として機能す
    る金属層を配することを特徴とする請求項1または2に
    記載の熱電素子。
  4. 【請求項4】 絶縁物を介して所定の間隔で配列した少
    なくとも2つの熱電半導体の上下面でその熱電半導体表
    面が露出するように構成された熱電半導体ブロックを用
    意する工程と、前記絶縁物を介して隣り合う二つの熱電
    半導体の端部との両方をまたぐように直列に接続される
    金属配線を形成する工程と、前記金属配線表面に電着塗
    装により絶縁性薄膜を形成する工程と、絶縁性薄膜を硬
    化させる工程とを有する熱電素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 絶縁性薄膜を硬化する工程の後に、絶縁
    性薄膜上に放熱板として機能する金属層を形成する工程
    を有することを特徴とする請求項4に記載の熱電素子の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 金属配線を形成する工程と絶縁性薄膜を
    形成する工程の間に熱電半導体間に設けられた絶縁物を
    除去する工程を有することを特徴とする請求項4または
    5に記載の熱電素子の製造方法。
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