JP4136453B2 - 熱電素子とその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は温度差発電や冷却に用いる熱電素子の構造と製造方法に関するものであり、特に熱電素子に応力が加わったときの断線破壊に対する信頼性を向上させるための構造とそれを実現する製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱電対はその両端に温度差を与えることにより電極間に電圧を発生し、反対に電極から電流を流すと温度差を生じる性質を持ち、この熱・電気変換特性を利用して作られているのが熱電素子である。
【0003】
たとえば熱電素子は熱を電気エネルギーに変換できる方法として発電素子に、あるいは電気エネルギーで対象物を冷やしたりする冷却素子に応用される。ここで従来の熱電素子の構造を図9に示す。
【0004】
BiTe合金などの熱電半導体からなるn型棒状素子11とp型棒状素子12は交互に配置され、その端面にはハンダ接合用にNiなどのバリヤー膜21が施されている。そして、アルミナなどの基板50a、50bには基板電極40が設けられ、ハンダからなる接合部材30を介して、バリヤー膜21と基板電極40が接合されている。n型棒状素子11とp型棒状素子12はその両端において、交互に隣の素子と接続がなされ、すべての柱が直列に接続されることになる。
【0005】
この熱電素子にリード線70を介して直流電流を投入すると、それぞれの柱にはペルチェ効果により電流の方向に従って上下に温度差が生じる。p型とn型の熱電半導体はそれぞれ電流方向に対する温度差の生じる極性が反対になっているため、図9の様な接続による熱電素子は冷却側と加熱側がそろい、たとえば上側の基板50bが冷やされ、下側基板50aが加熱されるといった機能を発揮する。
【0006】
このような性質を利用した熱電素子は特にペルチェ素子と言われ、冷却側に接触する物の熱を加熱側に移動することが出来、冷蔵庫などの冷却素子として多く使われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように熱電素子をペルチェ素子として用いる場合、素子の上下に温度差が加わるが、その温度差は最大で70〜80℃にも達する。すると、冷却側の基板は収縮し加熱側の基板は膨張する。これにより素子は大きく歪もうとし、接合部付近に大きな応力が加わってくる。
【0008】
接合部近辺の金属構成は一般にバリヤー膜21がNiなど、接合部材30がハンダ、基板電極40が銅などであるため、最も脆いのはハンダであり、一般的に熱応力が加わった場合、ハンダ部にクラックが入り断線してしまうと言う問題がある。
【0009】
熱電素子は前述したようにすべての熱電半導体は直列に接続されているため、このようなクラックが一カ所でも入ると電流は流れなくなり、素子としての機能は全く失われてしまう。
【0010】
そこで本発明の目的は上記の問題を解決し、熱応力に強くさらに断線の危険性が非常に小さい、信頼性の高い熱電素子とその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の熱電素子の構造および製造方法においては下記に記載する手段を採用する。
【0012】
すなわち本発明の熱電素子は、n型熱電半導体からなる複数のn型棒状素子とp型熱電半導体からなる複数のp型棒状素子と、隣り合った前記n型棒状素子と前記p型棒状素子の端面に直接接触させて前記n型棒状素子と前記p型棒状素子とを電気的に接続する配線電極と、基板電極を設けた基板とを有し、前記配線電極と前記基板電極とが前記配線電極の金属部材前記基板電極の金属部材とに比べ引っ張り強度が低い接合部材を介して接合されていることを特徴とする。
【0013】
さらに望ましくは接合部材が金属材料であることを特徴とする。
また、接合部材ハンダ材料であることを特徴とする。
また、接合部材が導電性接着剤であることを特徴とする。
また、n型棒状素子とp型棒状素子との間隙には絶縁層を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の熱電素子の製造方法は、n型熱電半導体からなる複数のn型棒状素子とp型熱電半導体からなる複数のp型棒状素子とを絶縁層を介して固定し、隣り合った前記n型棒状素子と前記p型棒状素子の端面に直接接触させて前記n型棒状素子と前記p型棒状素子とを電気的に接続する配線電極を形成する工程と、基板に基板電極を形成する工程と、前記配線電極と前記基板電極とを所定の位置で対向させ、前記配線電極の金属部材と前記基板電極の金属部材に比べて引っ張り強度が低い接合部材を用いて接合させる工程とを有することを特徴とする。
【0015】
さらに望ましくは、配線電極を形成する工程に引き続き前記配線電極の上に接合部材を形成する工程とを有することを特徴とする。
また基板に基板電極を形成する工程に引き続き、基板電極の上に接合部材を形成する工程とを有することを特徴とする。
また配線電極と基板電極とを所定の位置で対向させ、接合部材を用いて接合させる工程に引き続き、絶縁層を溶解除去する工程とを有することを特徴とする。
【0016】
〔作用〕
本発明の熱電素子は2本の棒状素子をつなぐ大きさの配線電極とほぼ同じ大きさの基板電極とを接合部材で接合しているため、従来の素子に比べ接合部材の面積が大きくでき、応力に対する強度が高められる。
【0017】
また、本発明の熱電素子は2本の棒状素子に接している配線電極で電気的な接続はすでに行われている。これは接合部材が電気接続を仲介していないことであり、一部の接合部材にクラックが入っても電気的な性質は失われず、信頼性が非常に高くなる。
【0018】
さらに、本発明の熱電素子は棒状素子の間隙に絶縁層を有することで、素子全体の歪みが小さくなり接合部に与える応力も低減することから、さらに破壊に対する信頼性が高まる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の熱電素子の構造および製造方法おける最適な実施形態を説明する。
【0020】
まず図1を用いてその構造を説明するが、基本的な構成要素としてはn型棒状素子11、p型棒状素子12、配線電極20、接合部材30、基板電極40、および基板50a、50bからなっている。また必要に応じて導電材60とリード線70を設ける。
【0021】
n型熱電半導体を加工して柱状にしたn型棒状素子11と、p型熱電半導体を加工して柱状にしたp型棒状素子12は規則的に配置している。ここではn型熱電半導体にBiSeTe合金を、p型熱電半導体にはBiSbTe合金をそれぞれ用いている。
【0022】
n型棒状素子11とp型棒状素子12の端面には金属膜からなる配線電極20を設けている。配線電極20は隣り合ったn型棒状素子11とp型棒状素子12とを柱の端面において接続しており、かつ上下の配線電極20は接続するn型棒状素子11とp型棒状素子12の柱が一本ずつずれた配置をとっており、これによって多数のn型棒状素子11とp型棒状素子12とが交互に直列化する構造となっている。
【0023】
ここでは配線電極20の材料にニッケル(Ni)/銅(Cu)/ニッケル(Ni)の多層膜を用いている。棒状素子に直接接触するNi膜は密着を取るためとCuの素子への拡散を防ぐバリヤー層として用いている。そのためこのNi膜は棒状素子の端面全体を覆っていれば、となりの棒状素子に繋がっていなくても良い。またCu膜は本来の電気を導通させるための導線としての役割を果たしている。また、その上のNiは後述するハンダとの接合を保つために用いている。
【0024】
基板50a,50bは熱伝導が良好で絶縁性であることが好ましいことから、アルミナを用いている。基板50a,50bには基板電極40が設けられており、その平面的パターンは配線電極20とほぼ同じであり、向かい合わせることによりそれぞれが対向した位置に来るようになっている。基板電極40はクロム(Cr)/Ni/Cu/Auの多層膜からなっている。
【0025】
そして前記配線電極20と基板電極40とは対向した位置に配置され、両者を接合するために接合部材30が設けられている。接合部材30にはハンダ材料をもちいている。
【0026】
熱電素子として上記の構成で成り立っているのであるが、素子を実際に使うときは連続したn型棒状素子11あるいはp型棒状素子12の両端に接している基板電極40にハンダなどの導電材60を用いて、リード線70を接続してもちいる。
【0027】
以上の構成から、本発明の熱電素子は少なくとも柱2本分の断面積で、n型棒状素子11とp型棒状素子12が基板50a,50bと接合していることから、変形による応力に対する強度が従来よりも増すことが分かる。
【0028】
さらに応力は伸びあるいは縮みで発生することから、各金属部材の引っ張り強度を理科年表の数値で比較すると、ハンダが0.55〜0.75N/m2 であるのに対し、Ni、Cu、Auなどはすべて1N/m2 以上である。このことはもしも非常に大きな応力が加わったとしてもクラックを生ずるのはまずハンダの部分であり、一部のハンダの破壊で応力は緩和される。
【0029】
しかし本構造では電気的接続は配線電極20によってなされていることから、ハンダ、つまり接合部材30の部分的クラックではほとんど性能には関係しないことから、非常に信頼性が高いと言える。
【0030】
さらに後の製造方法において詳しく説明するが、上記のn型棒状素子11とp型棒状素子12の間隙にエポキシ樹脂等を充填することも可能である。これによりさらに機械的強度は高められる。
【0031】
続いて本発明の熱電素子の製造方法について説明する。はじめに、図2に示すようにn型熱電半導体とp型熱電半導体とに縦溝1を形成し、縦隔壁2を残してn型櫛歯素子3とp型櫛歯素子4を作製する。この時、n型櫛歯素子3とp型櫛歯素子4とで、縦溝1のピッチを同一にし、かつ一方のブロックの縦溝1幅が他方のブロックの縦隔壁2幅よりも大きくなるようにする。ここではn型熱電半導体としてBiSeTe合金の焼結体、p型熱電半導体としてBiSbTe合金の焼結体を用いた。
【0032】
この縦溝1の幅への制限は、後述の工程でn型櫛歯素子3とp型櫛歯素子4を溝同士で嵌め合わせるために設定してある。この縦溝1幅と縦隔壁2幅の差が後工程で絶縁樹脂層の幅を決定するため、確実に絶縁をとることと、嵌め合わせの工程での作業性を考慮すると、縦溝1幅と縦隔壁2幅との差は20μm以上あることが好ましい。
【0033】
なお、縦溝1の加工はワイヤーソーによる研磨加工あるいはダイシングソーによる研削加工により行う。
【0034】
つづいてn型櫛歯素子3とp型櫛歯素子4を、互いに縦溝1に相手の縦隔壁2を挿入し合って組み合わせて一体化する。両者を組み合わせた図を図3に示す。組み合わせた2つの櫛歯素子は嵌合部に絶縁層13を設けて固着することで一体化する。ここで絶縁層13に用いる接着剤としては低粘度のアクリル系の接着剤を用いることとする。
【0035】
このように組み合わせた櫛歯素子は次に図4に示すように、再度の溝加工を行い、一体化櫛歯素子5にする。横溝6は、この後組み合わせる必用がなく、残った横隔壁7を素子として利用することになるため、出来るだけ狭い方が望ましい。すなわちワイヤーソーによる研磨加工により横溝6を形成する。なお、本工程での横溝6は縦溝1に交差した方向に形成するもので、一般的には図4に示したとおり縦溝1と直交させるのが最適である。
【0036】
横溝6は図4のようにn型櫛歯素子3の面から形成しても、これとは逆にp型櫛歯素子4側の面から形成してもよい。この時切り込む側のn型櫛歯素子3あるいはp型櫛歯素子4の溝が形成されていない基台部分は除去した後に溝加工を行った方が良い。基台部を除去するのは、初めに加工した縦溝1が観察できることから、横溝6との直交性がとりやすいためである。また、基台部がない方が、加工深さが小さくなるため深さ方向での柱曲がりが低減できる効果もある。
【0037】
続いて、横溝6にアクリル系の絶縁性樹脂を充填し硬化して絶縁層13を形成する。この時の樹脂も櫛歯素子を組合せ固着したときと同じものを用いるのが望ましい。
【0038】
絶縁層13で固めた一体化櫛歯素子5はその上下面を研削で除去し平坦化し、図5の様なn型熱電半導体とp型熱電半導体が柱状に規則的に並んだ状態に作り上げる。n型熱電半導体のそれぞれの柱がn型棒状素子11であり、p型熱電半導体のそれぞれの柱がp型棒状素子12となっている。
【0039】
さらにn型棒状素子11とp型棒状素子12との配線を行い、図6の様な熱電ブロック10を完成させる。まずニッケル製の金属板に開口部を設け、開口部とn型棒状素子11とp型棒状素子12との端面が重なるように位置合わせを行い密着して固定する。真空蒸着装置に設置し、Niあるいはパラジウム(Pd)を0.1μm蒸着する。この方法は一般にマスク蒸着法と呼ばれるものである。
【0040】
蒸着工程につづいて無電解Niメッキ液に浸漬し、Niの皮膜を形成する。Ni皮膜は蒸着によって形成したNi膜あるいはPd膜を反応の核として成長することから、蒸着膜の上にまず形成される。また、蒸着膜はn型棒状素子11とp型棒状素子12にも形成されているため、棒状素子の露出している端面にもNi皮膜は形成される。Niメッキの厚みは数μmである。
【0041】
さらにNiメッキにつづいてCuメッキを行う。Cuメッキは無電解メッキが難しいことから、電解メッキを利用する。Cuメッキは必要に応じて数μmから数10μmの厚みで形成する。そしてCuメッキにつづいてやはり電解メッキ法を用いてNiを1μmほど形成する。
【0042】
またさらにその上にハンダメッキを行う。ハンダにはSnPbハンダを用い、これも電解メッキ法により10〜20μmほど形成する。このハンダは後に行う接合のために必用な接合部材30となるものである。
【0043】
熱電ブロック10の製造と同時に、図7および図8のように下側基板50aと上側基板50b用のアルミナの板を用意する。基板50a、50bには基板電極40があるが、その形状と平面的位置は配線電極20とほぼ同じである。ただし、下側の基板50aにはリード線70取り付け用の引出電極41が備えられている。またn型棒状素子11とp型棒状素子12の間隔が近くなった場合は基板電極40は若干配線電極20よりも外形を小さくした方がよい。これは後に説明する熱電ブロック10と基板50a,50bの接合時に接合部材30のハンダが圧力により伸び、隣の電極とショートする可能性を低減するためである。
【0044】
アルミナ板にはスパッタリング法によりCr膜を約0.1μm形成しその上にNi膜を0.2μm形成する。ここに基板電極40のネガパターンをフォトレジストを用いたフォトリソグラフィー法で形成する。その後電解メッキを用いてCu膜をさらに10μmおよび金膜を0.5μm形成する。最後にフォトレジストを専用の剥離液にて溶解し、スパッタリングにより形成したNiとCrをエッチングすることで基板電極40とする。
【0045】
以上の工程で作成した熱電ブロック10と基板50a,50bとは配線電極20と基板電極40を同じパターンが対向する様位置あわせを行い密着させ、所定の圧力をかけながら加熱することで、ハンダを溶解させて接合する。この時、熱電ブロック10側あるいは基板50a,50b側にハンダ接合用のフラックスを塗布しておいた方が良い。
【0046】
最後にn型棒状素子11とp型棒状素子12の間隙に存在する絶縁層13を溶解除去する。絶縁層13はアクリル樹脂により作られているため、ジクロルメタンなどの有機溶媒に浸漬し超音波を加えることで溶解することが出来る。
【0047】
ただし、絶縁層30は必ずしも除去する必用もない。n型棒状素子11とp型棒状素子12の間隙が大きい場合は絶縁層13の熱伝導が無視できないため溶解するが、間隙を小さくすることで絶縁層13の熱伝導効果は小さくなるため残しておいても問題ない。反対に絶縁層13を残した方が歪みに対する強度は大きくなるため、信頼性としては高めることが出来る。そして残す場合は、絶縁層13の強度を考慮して、アクリル系樹脂よりはエポキシ系樹脂の方が好ましい。
【0048】
以上の工程によって本発明の熱電素子は完成しているが、熱電素子を冷却あるいは発電に使う場合に簡単に外部接続をするには、さらに基板電極40にハンダ等の導電材60を用いてリード線70を接続する。
【0049】
以上の本発明の熱電素子およびその製造方法では基板50にはアルミナ板を用いているが、窒化アルミなどの他のセラミックスや、シリコンウエハー、あるいは銅、アルミ、鉄などの金属板を用いることも可能である。電気伝導性の金属板を用いるときは、アルミナや酸化シリコンなどの絶縁被膜をあらかじめ形成しておく。
【0050】
配線電極20は密着性、電気伝導性、半田付け性を満たしていれば、他の金属膜構成でも良く、また基板電極40も密着性と半田付け性を満たしていれば、他の構成も可能である。たとえば配線電極20は、Ni/AuあるいはNi/Cu/Auなども考えられる。また基板電極40はCr/Ni、Niのみ、Ni/Cu/Ni、Ni/Auなど様々考えられる。
【0051】
さらに接合部材30はハンダを用いて配線電極20の上に形成しているが、基板電極40の上に同じようにメッキ法で形成することもできる。また、配線電極20と基板電極40の両方に形成しておくと、接合工程が安定するのでなお良い。
【0052】
さらに接合部材30はハンダを用いているが、SnPbハンダ以外にも、SnBi、SnSb、SbAgなどや、さらにCuなどを添加した3元系など、他のハンダも利用可能である。さらには、ハンダ以外に銀などの導電フィラーをエポキシ樹脂などの接着剤に混練した、導電性接着剤などを用いることも可能である。ただし、導電性接着剤を用いるときは形成はスクリーン印刷を用いる。
【0053】
また実施の形態の図面内で示しているn型棒状素子11とp型棒状素子12との配置は便宜上表したもので、両者を入れ替えたとしても交互に配置されていれば熱電素子としての特性には問題ない。
【0054】
【発明の効果】
以上のように本発明の熱電素子は2本のp型棒状素子とn型棒状素子をつなぐ配線電極とほぼ同じ大きさの基板電極とを接合部材で接合しているため、従来の素子に比べ接合部材の面積が少なくとも約2倍大きくできることから、応力に対する強度が高められ、素子の上下にかかる温度差による歪みに対し耐久性が向上し壊れにくくなる。
【0055】
また、本発明の熱電素子は隣り合ったp型棒状素子とn型棒状素子の電気的な接続は配線電極ですでに行われており、配線電極より基板側に近い接合部材が電気接続には仲介していない。これからもし仮に非常に大きな応力が加わり、一部の接合部材にクラックが入っても電気的な性質は失われないことから、信頼性が非常に高くなる。
【0056】
さらに、本発明の熱電素子は棒状素子の間隙に絶縁層を有することで、素子全体の歪みが小さくなり接合部に与える応力も低減することから、さらに破壊に対する信頼性が高まる。
【0057】
以上のように本発明では、従来の熱電素子に比べて温度差から生じる歪みに対する強度を増すとともに、非常に壊れにくく信頼性の高い素子を提供するものである。本発明で得られる熱電素子は冷蔵庫の冷却や、OA機器、通信機器などの放熱などに利用することで、各種電子機器の長寿命化へ寄与することが出来る。さらには、温度差発電などに用いることで、大きな温度差をかけても壊れない、高い信頼性の発電器を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における熱電素子の構造を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である
【図3】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である
【図4】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である
【図5】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である
【図6】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である
【図7】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である
【図8】本発明の実施の形態における熱電素子の製造工程を示す斜視図である。
【図9】従来の熱電素子の構造を示す側面図である。
【符号の説明】
1 縦溝
2 縦隔壁
3 n型櫛歯素子
4 p型櫛歯素子
5 一体化櫛歯素子
6 横溝
7 横隔壁
10 熱電ブロック
11 n型棒状素子
12 p型棒状素子
13 絶縁層
20 配線電極
30 接合部材
40 基板電極
41 引出電極
50a 基板
50b 基板
60 導電材
70 リード線

Claims (9)

  1. n型熱電半導体からなる複数のn型棒状素子とp型熱電半導体からなる複数のp型棒状素子と、隣り合った前記n型棒状素子と前記p型棒状素子の端面に直接接触させて前記n型棒状素子と前記p型棒状素子とを電気的に接続する配線電極と、基板電極を設けた基板とを有し、前記配線電極と前記基板電極とが前記配線電極の金属部材前記基板電極の金属部材とに比べ引っ張り強度が低い接合部材を介して接合されていることを特徴とする熱電素子。
  2. 前記接合部材が金属材料であることを特徴とする請求項1に記載の熱電素子。
  3. 前記接合部材がハンダ材料であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱電素子。
  4. 前記接合部材が導電性接着剤であることを特徴とする請求項1に記載の熱電素子。
  5. 前記n型棒状素子と前記p型棒状素子との間隙には絶縁層を有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の熱電素子。
  6. n型熱電半導体からなる複数のn型棒状素子とp型熱電半導体からなる複数のp型棒状素子とを絶縁層を介して固定し、隣り合った前記n型棒状素子と前記p型棒状素子の端面に直接接触させて前記n型棒状素子と前記p型棒状素子とを電気的に接続する配線電極を形成する工程と、基板に基板電極を形成する工程と、前記配線電極と前記基板電極とを所定の位置で対向させ、前記配線電極の金属部材と前記基板電極の金属部材に比べて引っ張り強度が低い接合部材を用いて接合させる工程とを有する熱電素子の製造方法。
  7. 前記配線電極を形成する工程に引き続き前記配線電極の上に接合部材を形成する工程とを有することを特徴とする請求項に記載の熱電素子の製造方法。
  8. 前記基板に基板電極を形成する工程に引き続き、前記基板電極の上に接合部材を形成する工程とを有することを特徴とする請求項または請求項に記載の熱電素子の製造方法。
  9. 前記配線電極と前記基板電極とを所定の位置で対向させ、前記接合部材を用いて接合させる工程に引き続き、前記絶縁層を溶解除去する工程を有することを特徴とする請求項、請求項または請求項に記載の熱電素子の製造方法。
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