JP2020046682A - アクチュエータ - Google Patents

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健二郎 藤本
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健二郎 藤本
山村 雄一
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Abstract

【課題】トーションバーの破壊を防止又は抑止しながら、可動部が遥動する周波数を大きくする。【解決手段】アクチュエータ(1)は、可動部(120)と、可動部を支持する支持部(110、210)と、(i)夫々が、長手方向に沿った回転軸を中心として可動部が揺動可能なように、長手方向に沿って可動部と支持部とを接続すると共に、(ii)短手方向に沿って配列される複数のトーションバー(230)とを備えており、複数のトーションバーの夫々のバネ定数は、夫々のトーションバーが回転軸から遠くなればなるほど小さくなる。【選択図】図2

Description

本発明は、例えばミラー等が設けられた可動部を駆動するMEMSスキャナ等のアクチュエータの技術分野に関する。
例えば、ディスプレイ、プリンティング装置、精密測定、精密加工、情報記録再生などの多様な技術分野において、半導体プロセス技術によって製造されるMEMS(Micro Electro Mechanical System)デバイスについての研究が活発に進められている。このようなMEMSデバイスとして、レーザ光のスキャニングに用いられるMEMSスキャナが知られている。このようなMEMSスキャナは、可動板と、可動板を取り囲む枠状の支持枠と、可動板を支持枠に対して揺動可能に軸支するトーションバーとを備えている。
このようなMEMSスキャナを開示する先行技術として、特許文献1から特許文献3が一例としてあげられる。
特表2001−525972号公報 特表2002−524271号公報 特開2004−177543号公報
このようなMEMSスキャナの活用法として、例えば、映像を投影するためのヘッドアップディスプレイ等の映像表示装置に用いられることが想定されている。ここで、MEMSスキャナをヘッドアップディスプレイ等の映像表示装置に用いる場合には、高解像度の映像を投影するために、可動板の遥動の周波数(例えば、可動板の質量及び当該可動板を軸支するトーションバーのバネ定数によって定まる共振周波数)を大きくすることが好ましい。
可動板の遥動の周波数を大きくするための一つの対策として、トーションバーを太くする又は短くすることでトーションバーを硬くする(言い換えれば、トーションバーのバネ定数を大きくする)対策が考えられる。しかしながら、トーションバーを単純に太くするだけでは、トーションバーを太くした分だけ、可動板の遥動に伴ってトーションバーに加わる応力が増加してしまうという技術的な問題点が生じてしまう。同様に、トーションバーを単純に短くするだけでは、トーションバーを短くした分だけ、可動板の遥動に伴ってトーションバーに加わる応力が増加してしまうという技術的な問題点が生ずる。その結果、このような応力の増加がトーションバーの破壊を引き起こしかねないという技術的な問題点が生ずる。
本発明は、例えば前述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えばトーションバーの破壊を防止又は抑止しながら、可動部が遥動する周波数を大きくすることが可能なアクチュエータを提供することを課題とする。
アクチュエータは、上記課題を解決するために、可動部と、当該可動部を支持する支持部と、(i)夫々が、長手方向に沿った回転軸を中心として前記可動部が揺動可能なように、前記長手方向に沿って前記可動部と前記支持部とを接続すると共に、(ii)短手方向に沿って配列される複数のトーションバーとを備えており、前記複数のトーションバーの夫々のバネ定数は、前記夫々のトーションバーが前記回転軸から遠くなればなるほど小さくなる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
第1実施例のアクチュエータの構成の一例を示す平面図である。 第1実施例のアクチュエータが備える複数の一対のトーションバーの形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。 回転軸上に位置するただ一つのトーションバーを用いて可動部を回転させる比較例のアクチュエータの構成の一例を示す拡大平面図である。 第2実施例のアクチュエータが備える複数の一対のトーションバーの形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。 第3実施例のアクチュエータが備える複数の一対のトーションバーの形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。 第4実施例のアクチュエータが備える複数の一対のトーションバーの形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。 第5実施例のアクチュエータが備える複数の一対のトーションバーの形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。 第6実施例のアクチュエータが備える複数の一対のトーションバーの形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。 第7実施例のアクチュエータが備える複数の一対のトーションバーの形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。 第8実施例のアクチュエータが備える複数の一対のトーションバーの形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。 第9実施例のアクチュエータの構成の一例を示す平面図である。 第10実施例のアクチュエータの構成の一例を示す平面図である。
以下、アクチュエータの実施形態について順に説明する。
本実施形態のアクチュエータは、可動部と、当該可動部を支持する支持部と、(i)夫々が、長手方向に沿った回転軸を中心として前記可動部が揺動可能なように、前記長手方向に沿って前記可動部と前記支持部とを接続すると共に、(ii)短手方向に沿って配列される複数のトーションバーとを備えており、前記複数のトーションバーの夫々のバネ定数は、前記夫々のトーションバーが前記回転軸から遠くなればなるほど小さくなる。
本実施形態のアクチュエータによれば、複数のトーションバーによって懸架された可動部が遥動する。可動部は、例えば、複数のトーションバーの夫々が伸長する方向(つまり、複数のトーションバーの夫々の長手方向)に沿った軸を回転軸として回転するように遥動してもよい。
このような可動部の回転を実現するために、複数のトーションバーの夫々は、当該夫々のトーションバーの長手方向に沿って可動部と支持部とを接続する。このとき、複数のトーションバーの夫々は、可動部と支持部とを直接的に接続していてもよい。或いは、複数のトーションバーの夫々は、可動部と支持部とを間接的に(言い換えれば、間に任意の部材を介在させた上で)接続してもよい。加えて、複数のトーションバーは、当該複数のトーションバーの短手方向に沿って配列されている(言い換えれば、並列に並んでいる)。言い換えれば、複数のトーションバーは、可動部の回転軸に直交する方向に沿って配列されている。
本実施形態では、複数のトーションバーのバネ定数は、可動部の回転軸と複数のトーションバーの夫々との間の距離に応じて調整されている。より具体的には、複数のトーションバーの夫々のバネ定数は、当該夫々のトーションバーが回転軸から遠くなればなるほど(つまり、回転軸との間の距離が大きくなればなるほど)小さくなるように調整されている。言い換えれば、複数のトーションバーの夫々のバネ定数は、回転軸から遠いトーションバーのバネ定数ほど小さくなるように、調整されている。更に言い換えれば、複数のトーションバーの夫々のバネ定数は、回転軸から相対的に遠いトーションバーのバネ定数が回転軸に相対的に近いトーションバーのバネ定数よりも小さくなるように、調整されている。尚、複数のトーションバーのうちの真ん中のトーションバーが回転軸上に位置する場合には、複数のトーションバーの夫々のバネ定数は、短手方向に沿った配列の相対的に外側に位置するトーションバーのバネ定数が短手方向に沿った配列の相対的に中心側に位置するトーションバーのバネ定数よりも小さくなるように、調整されているとも表現できる。
ここで、回転軸上に位置するただ一つのトーションバーに支持されている可動部が遥動した場合に当該トーションバーに加わる応力について説明する。このような可動部が遥動した場合には、当該ただ一つのトーションバーの両側の縁部分(より具体的には、トーションバーの短手方向に沿った両側の縁部分)に加わる応力が、中心部分(より具体的には、トーションバーの短手方向に沿った中心部分)に加わる応力よりも大きくなる。つまり、当該ただ一つのトーションバーのうち回転軸から相対的に遠い縁部分に加わる応力が、当該ただ一つのトーションバーのうち回転軸に相対的に近い中心部分に加わる応力よりも大きくなる。つまり、可動部が遥動することに伴って当該ただ一つのトーションバーに加わる応力は、回転軸から遠くなるほど加わりやすくなる。
このような応力の加わり方を考慮すれば、本実施形態のように回転軸から遠くなればなるほどバネ定数が小さくなっていく複数のトーションバーを備えるアクチュエータによれば、回転軸から相対的に遠いトーションバー(つまり、バネ定数が相対的に小さいトーションバー)に応力が加わりやすくなる。しかるに、バネ定数の相対的な小ささに起因して、回転軸から相対的に遠いトーションバーに加わる応力は緩和される。このため、回転軸から相対的に遠いトーションバーの破壊が好適に防止又は抑止される。一方で、回転軸に相対的に近いトーションバー(つまり、バネ定数が相対的に大きいトーションバー)には、それほど大きな応力が加わることはない。このため、回転軸に相対的に近いトーションバーの破壊もまた好適に防止又は抑止される。従って、回転軸との間の距離に応じてバネ定数が調整されている複数のトーションバーを備える本実施形態のアクチュエータによれば、複数のトーションバーの破壊が好適に防止又は抑止される。
他方で、回転軸に相対的に近いトーションバーのバネ定数を相対的に大きくすることができるため、複数のトーションバー全体のバネ定数を相対的に大きくすることができる。その結果、複数のトーションバー全体のバネ定数に応じて定まる可動部の遥動の周波数を相対的に大きくすることができる。
つまり、本実施形態のアクチュエータによれば、複数のトーションバーの破壊を防止又は抑止しながら、可動部が遥動する周波数を大きくすることができる。
尚、回転軸との間の距離に応じて複数のトーションバーの夫々のバネ定数を調整するためには、後述するように、複数のトーションバーの幅や長さが適宜調整されてもよい。或いは、回転軸との間の距離に応じて複数のトーションバーの夫々のバネ定数を調整するためには、後述するように、複数のトーションバーの密度が調整されてもよい。具体的には、複数のトーションバーの夫々の密度が、夫々のトーションバーが回転軸から遠くなればなるほど小さくなってもよい。複数のトーションバーの夫々の密度の調整は、複数のトーションバーの夫々に形成される孔の有無によって実現されてもよい。具体的には、複数のトーションバーのうち回転軸から相対的に遠いトーションバーに一又は複数の孔を形成する一方で、複数のトーションバーのうち回転軸に相対的に近いトーションバーに一又は複数の孔を形成しないことで、複数のトーションバーの密度が調整されていてもよい。或いは、複数のトーションバーの夫々の密度の調整は、複数のトーションバーの夫々に形成される孔の数によって実現されてもよい。具体的には、複数のトーションバーのうち回転軸から相対的に遠いトーションバーに相対的に多くの孔を形成する一方で、複数のトーションバーのうち回転軸に相対的に近いトーションバーに相対的に少ない孔を形成する又は孔を形成しないことで、複数のトーションバーの密度が調整されていてもよい。或いは、複数のトーションバーの夫々の密度の調整は、複数のトーションバーの夫々に形成される孔の大きさによって実現されてもよい。具体的には、複数のトーションバーのうち回転軸から相対的に遠いトーションバーに相対的に大きい孔を形成する一方で、複数のトーションバーのうち回転軸に相対的に近いトーションバーに相対的に小さい孔を形成する又は孔を形成しないことで、複数のトーションバーの密度が調整されていてもよい。或いは、複数のトーションバーの夫々の密度の調整は、複数のトーションバーの夫々を構成する材料の違いによって実現されてもよい。具体的には、複数のトーションバーのうち回転軸から相対的に遠いトーションバーを相対的に密度が小さい材料から構成する一方で、複数のトーションバーのうち回転軸に相対的に近いトーションバー相対的に密度が大きい材料から構成することで、複数のトーションバーの密度が調整されていてもよい。
また、複数のトーションバーは、それら全てが完全に分離されていてもよい。或いは、複数のトーションバーの一部は、隣接する他のトーションバーと短手方向に沿ってブリッジ状につながっていてもよい。
尚、可動部がただ一つのトーションバーに支持されている場合であっても、トーションバーの厚み(具体的には、トーションバーの長手方向及び短手方向の夫々に直交する方向に沿った厚み)を調整することで、トーションバーの破壊を防止又は抑止しながら可動部が遥動する周波数を大きくすることができるとも考えられる。この場合、トーションバーの破壊を防止又は抑止しながら可動部が遥動する周波数を大きくするためには、トーションバーの厚みを厚くすることが好ましい。しかしながら、後述するように、可動部、支持部及びトーションバーは、共通の(言い換えれば、1つの)半導体基板から半導体製造プロセスを用いて製造されることがある。このため、トーションバーの厚みを厚くするためには、可動部及び支持部の厚みをも厚くしなければならなくなる。更には、後に詳述するように、バネ定数を大きくしたくない他のトーションバーの厚みをも厚くしなければならなくなる。しかるに、本実施形態によれば、可動部や支持部の仕様を変えることなく、トーションバーの破壊を防止又は抑止しながら可動部が遥動する周波数を大きくすることができる。このため、回転軸との間の距離に応じてバネ定数が調整されている複数のトーションバーを備える本実施形態のアクチュエータは、トーションバーの厚みが調整されているアクチュエータと比較して、実践上大変有利である。
本実施形態のアクチュエータの他の態様では、前記複数のトーションバーの夫々の幅は、前記夫々のトーションバーが前記回転軸から遠くなればなるほど細くなる。
この態様によれば、複数のトーションバーの夫々の幅を調整することで、回転軸との間の距離に応じてバネ定数が調整されている複数のトーションバーを比較的容易に実現することができる。
本実施形態のアクチュエータの他の態様では、前記複数のトーションバーの夫々の長さは、前記夫々のトーションバーが前記回転軸から遠くなればなるほど長くなる。
この態様によれば、複数のトーションバーの夫々の長さを調整することで、回転軸との間の距離に応じてバネ定数が調整されている複数のトーションバーを比較的容易に実現することができる。
上述の如くトーションバーが回転軸から遠くなればなるほど当該トーションバーの長さが長くなるアクチュエータの態様では、前記複数のトーションバーのうちの少なくとも一つは、前記支持部から前記可動部に向かうように前記少なくとも一つのトーションバーが伸長する方向と交わる方向に少なくとも1回以上折れ曲がった形状を有しているように構成してもよい。
このように構成すれば、少なくとも一つのトーションバーの形状を折れ曲がった形状にすることで、少なくとも一つのトーションバーの長さを相対的に長くすることができる。従って、複数のトーションバーの夫々の長さを比較的容易に調整することができる。
尚、トーションバーの形状が折れ曲がった形状とは、例えば、支持部から可動部に向かうようにトーションバーが伸長する方向(つまり、トーションバーの長手方向又は回転軸の方向)に対して、トーションバーが一旦異なる方向に向けて伸長した後に元の方向に戻るように伸長する形状や、トーションバーが蛇行しながら伸長する形状や、トーションバーがジグザグ状に折れ曲がりながら伸長する形状等が一例としてあげられる。
上述の如く少なくとも一つのトーションバーが折れ曲がった形状を有するアクチュエータの態様では、前記複数のトーションバーのうち前記回転軸上に位置する又は前記回転軸に最も近い一つ又は二つのトーションバー以外の他のトーションバーのうちの少なくとも一つは、前記折れ曲がった形状を有しており、前記複数のトーションバーのうち前記回転軸に最も近い一つ又は二つのトーションバーは、前記折れ曲がった形状を有していないように構成してもよい。
このように構成すれば、回転軸上に位置する又は回転軸に最も近い一つ又は二つのトーションバーが折れ曲がった形状を有していないため、当該トーションバーによって、可動部の遥動(例えば、回転する遥動)が好適に実現される。つまり、少なくとも一つのトーションバーの形状を折れ曲がった形状とすることで回転軸との間の距離に応じて長さが調整されている複数のトーションバーを実現しつつも、可動部の好適な遥動を実現することができる。
尚、回転軸上に位置する又は回転軸に最も近い一つ又は二つのトーションバーは、支持部から可動部に向けて(或いは、支持部とトーションバーとの接続点から可動部とトーションバーとの接続点に向けて)最短経路を通過する形状を有していてもよい。
上述の如くトーションバーが回転軸から遠くなればなるほど当該トーションバーの長さが長くなるアクチュエータの態様では、前記複数のトーションバーのうちの少なくとも一つは、前記支持部から前記可動部に向かうように前記少なくとも一つのトーションバーが伸長する方向とは逆の方向に向かって少なくとも1回以上折り返された形状を有しているように構成してもよい。
このように構成すれば、少なくとも一つのトーションバーの形状を折り返された形状にすることで、少なくとも一つのトーションバーの長さを相対的に長くすることができる。従って、複数のトーションバーの夫々の長さを比較的容易に調整することができる。
尚、トーションバーの形状が折り返された形状とは、例えば、支持部から可動部に向かうようにトーションバーが伸長する方向(つまり、トーションバーの長手方向又は回転軸の方向)に対して伸長しているトーションバーが、当該方向に対して90度以上の角度を有して折れ曲がる(つまり、折り返される)形状等が一例としてあげられる。
上述の如く少なくとも一つのトーションバーが折り返された形状を有するアクチュエータの態様では、前記複数のトーションバーのうち前記回転軸上に位置する又は前記回転軸に最も近い一つ又は二つのトーションバー以外の他のトーションバーのうちの少なくとも一つは、前記折り返された形状を有しており、前記複数のトーションバーのうち前記回転軸に最も近い一つ又は二つのトーションバーは、前記折り返された形状を有していないように構成してもよい。
このように構成すれば、回転軸上に位置する又は回転軸に最も近い一つ又は二つのトーションバーが折り返された形状を有していないため、当該トーションバーによって、可動部の遥動(例えば、回転する遥動)が好適に実現される。つまり、少なくとも一つのトーションバーの形状を折り返された形状とすることで回転軸との間の距離に応じて長さが調整されている複数のトーションバーを実現しつつも、可動部の好適な遥動を実現することができる。
尚、回転軸上に位置する又は回転軸に最も近い一つ又は二つのトーションバーは、支持部から可動部に向けて(或いは、支持部とトーションバーとの接続点から可動部とトーションバーとの接続点に向けて)最短経路を通過する形状を有していてもよい。
本実施形態のアクチュエータの他の態様では、前記複数のトーションバーの夫々の密度は、前記夫々のトーションバーが前記回転軸から遠くなればなるほど小さくなる。
この態様によれば、複数のトーションバーの夫々の密度を調整することで、回転軸からの距離に応じてバネ定数を調整した複数のトーションバーを比較的容易に実現することができる。
上述の如くトーションバーが回転軸から遠くなればなるほど当該トーションバーの密度が小さくなるアクチュエータの態様では、前記複数のトーションバーのうちの少なくとも一つには、一又は複数の孔が形成されているように構成してもよい。
このように構成すれば、少なくとも一つのトーションバーに孔を形成することで、少なくとも一つのトーションバーの密度を相対的に小さくすることができる。従って、複数のトーションバーの夫々の密度を比較的容易に調整することができる。
尚、本実施形態の「孔」とは、トーションバーを貫通する孔(いわゆる、開口)であってもよいし、トーションバーを貫通しない孔(いわゆる、凹部)であってもよいし、トーションバーの内部に形成された(言い換えれば、外部に現れない)孔(いわゆる、空隙)であってもよい。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以上説明したように、本実施形態のアクチュエータによれば、可動部と、支持部と、複数のトーションバーとを備え、複数のトーションバーの夫々のバネ定数は、トーションバーが回転軸から遠くなればなるほど小さくなる。従って、トーションバーの破壊を防止又は抑止しながら、可動部が遥動する周波数を大きくすることができる。
以下、実施例について図を参照しつつ説明する。
(1)第1実施例
以下、図1を参照して、第1実施例のアクチュエータ1について説明する。図1は、第1実施例のアクチュエータ1の構成の一例を示す平面図である。
図1に示すように、第1実施例のアクチュエータ1は、例えばレーザ光のスキャニングに用いられるプレーナ型電磁駆動アクチュエータ(即ち、MEMSスキャナ)である。アクチュエータ1は、外側支持体110と、一対のトーションバー130と、内側支持体210と、複数の一対のトーションバー230と、可動部120と、一対の永久磁石160と、一対の電源端子170とを備えている。
外側支持体110、一対のトーションバー130、内側支持体210、複数の一対のトーションバー230及び可動部120は、例えばシリコン基板等の非磁性基板から一体的に形成されている。即ち、外側支持体110、一対のトーションバー130、内側支持体210、複数の一対のトーションバー230及び可動部120は、例えばシリコン基板等の非磁性基板の一部が除去されることにより間隙が形成されることで形成されている。このときの形成プロセスとして、MEMSプロセスが用いられることが好ましい。尚、シリコン基板に代えて、任意の弾性材料から、外側支持体110、一対のトーションバー130、内側支持体210、複数の一対のトーションバー230及び可動部120が一体的に形成されてもよい。
外側支持体110は、内側支持体210を取り囲むような枠形状を有しており、内側支持体210の両側に位置する(言い換えれば、内側支持体210の両側から当該内側支持体210を挟み込む)一対のトーションバー130によって内側支持体210と接続されている。尚、図1は、外側支持体110の形状が枠形状となる例を示しているが、外側支持体110の形状が枠形状に限定されないことは言うまでもない。例えば、外側支持体110の形状は、その一部が開口している枠形状となってもよい。
内側支持体210は、可動部120を取り囲むような枠形状を有しており、一対のトーションバー130が伸長する方向(つまり、一対のトーションバー130の長手方向であり、図1中X軸の方向)に沿った回転軸を中心に揺動可能なように一対のトーションバー130によって外側支持体110に軸支されている。内側支持体210は、更に、可動部120の両側に位置する(言い換えれば、可動部120の両側から当該可動部120を挟み込む)複数の一対のトーションバー230によって可動部120と接続されている。内側支持体210の表面には、駆動コイル140が形成されている。但し、駆動コイル140は、内側支持体210の内部に形成されてもよい。尚、図1は、内側支持体210の形状が枠形状となる例を示しているが、内側支持体210の形状が枠形状に限定されないことは言うまでもない。例えば、内側支持体210の形状は、その一部が開口している枠形状となってもよい。
可動部120は、複数の一対のトーションバー230が伸長する方向(つまり、複数の一対のトーションバー230の長手方向であって、図1中Y軸の方向)に沿った回転軸を中心に揺動可能なように複数の一対のトーションバー230によって内側支持体210に軸支されている。可動部120の表面には、レーザ光を反射する不図示のミラーが形成される。
一対のトーションバー130は、内側支持体210が外側支持体110に対して揺動可能なように、内側支持体210と外側支持体110とを接続する。一対のトーションバー130の弾性によって、内側支持体210は、一対のトーションバー130が伸長する方向に沿った軸を回転軸として回転するように遥動する。つまり、内側支持体210は、図1におけるX軸を回転軸として、当該回転軸の周りで回転するように遥動する。このとき、可動部120は、複数の一対のトーションバー230を介して内側支持体210に接続されている。従って、内側支持体210の遥動に伴って、可動部120は、実質的には、図1におけるX軸を回転軸として、当該回転軸の周りで回転するように遥動する。
複数の一対のトーションバー230の夫々は、可動部120が内側支持体210に対して揺動可能なように、可動部120と内側支持体210とを接続する。複数の一対のトーションバー230の弾性によって、可動部120は、複数の一対のトーションバー230が伸長する方向に沿った軸を回転軸として回転するように遥動する。つまり、可動部120は、図1におけるY軸を回転軸として、当該回転軸の周りで回転するように遥動する。加えて、複数の一対のトーションバー230は、当該トーションバー230の短手方向に沿って並列するように配列されている。
駆動コイル140は、例えば、内側支持体210上に伸長するコイルである。駆動コイル140は、例えば相対的に導電率の高い材料(例えば、金や銅等)を用いて形成されてもよい。また、駆動コイル140は、めっきプロセスやスパッタリング法等の半導体製造プロセスを用いて形成されてもよい。或いは、駆動コイル140は、外側支持体110、一対のトーションバー130、内側支持体210、複数の一対のトーションバー230及び可動部120を形成するためのシリコン基板に対してインプラント法を用いて埋め込まれてもよい。尚、図1上では、図面の見やすさを重視して、駆動コイル140の外形を簡略化して記載してあるが、実際には、駆動コイル140は、内側支持体210の表面上に形成された一又は複数の巻き線によって構成されている。
駆動コイル140には、外側支持体110上に形成されている一対の電源端子170及び当該一対の電源端子170と駆動コイル140とを電気的に接続するための配線150であって且つ一対のトーションバー130上に形成された配線150を介して、電源から制御電流が供給される。制御電流は、内側支持体210及び可動部120を遥動させるための制御電流であって、典型的には、内側支持体210が遥動する周波数と同期した周波数の信号成分及び可動部120が遥動する周波数と同期した周波数の信号成分を含む交流電流である。尚、電源は、アクチュエータ1自身が備えている電源であってもよいし、アクチュエータ1の外部に用意される電源であってもよい。
一対の永久磁石160は、外側支持体110の外部に取り付けられている。但し、一対の永久磁石160は、駆動コイル140に対して所定の静磁界を印加することができる限りは、どのような箇所に取り付けられてもよい。一対の永久磁石160は、駆動コイル140に対して所定の静磁界を印加することができるように、その磁極の向きが適切に設定されていることが好ましい。尚、一対の永久磁石160には、静磁界の強度を高めるために、ヨークが付加されていてもよい。
このような第1実施例のアクチュエータ1が動作する(具体的には、可動部120が遥動する)場合には、まず、電源から、電源端子170及び配線150を介して、駆動コイル140に対して制御電流が供給される。このとき駆動コイル140に対して供給される制御電流は、内側支持体210を遥動させるための信号(具体的には、内側支持体210の遥動の周期に同期した信号)と可動部120を遥動させるための信号(具体的には、可動部120の遥動の周期に同期した信号)とが重畳された電流であることが好ましい。一方で、駆動コイル140には、一対の永久磁石160によって静磁界が印加されている。従って、駆動コイル140には、一対の永久磁石160から印加される静磁界と駆動コイル140に供給される制御電流との電磁相互作用に起因した力(つまり、ローレンツ力)が生ずる。その結果、駆動コイル140が形成されている内側支持体210は、一対の永久磁石160から印加される静磁界と駆動コイル140に供給される制御電流との電磁相互作用に起因したローレンツ力によって遥動する。つまり、内側支持体210は、図1におけるX軸を回転軸として回転するように遥動する。このとき、可動部120は、複数の一対のトーションバー230を介して内側支持体210に接続されている。従って、内側支持体210の遥動に伴って、可動部120は、実質的には、図1におけるX軸を回転軸として、当該回転軸の周りで回転するように遥動する。
加えて、一対の永久磁石160から印加される静磁界と駆動コイル140に供給される制御電流との電磁相互作用に起因したローレンツ力は、慣性力として可動部120に伝達される。その結果、可動部120は、図1におけるY軸を回転軸として回転するように遥動する。
このように、第1実施例のアクチュエータ1によれば、可動部120の2軸駆動が行われる。
尚、第1実施例では、ローレンツ力そのものを用いて内側支持体210を遥動させ且つローレンツ力を慣性力として用いて可動部120を遥動させることで、可動部120の2軸駆動が行われている。しかしながら、可動部120を遥動させるローレンツ力を発生させるための駆動コイルを、可動部120上に形成してもよい。この場合には、複数の一対のトーションバー230には(更には、内側支持体210や一対のトーションバー130や外側支持体110)には、外側支持体110上の電源端子170から可動部120上の駆動コイルにつながる配線が形成されることが好ましい。
第1実施例では特に、複数の一対のトーションバー230の夫々の幅(具体的には、複数の一対のトーションバー230の夫々の短手方向に沿った長さに相当する幅であり、図1におけるX軸に沿った方向における長さに相当する幅)が、複数の一対のトーションバー230の夫々と可動部120の回転軸(以下、特に注記しない場合は、単に“回転軸”と称する場合は、“可動部120の回転軸(つまり、Y軸に沿った回転軸)”を意味するものとする)との間の距離に応じて調整されている。以下、図2を参照して、複数の一対のトーションバー230の夫々と可動部120の回転軸との間の距離に応じて調整される、複数の一対のトーションバー230の夫々の幅について説明する。図2は、第1実施例のアクチュエータ1が備える複数の一対のトーションバー230の形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。尚、図2は、複数の一対のトーションバー230のうち可動部120の一方側(例えば、図1の上側)に配置されるトーションバー230に着目して説明を進める。しかしながら、複数の一対のトーションバー230のうち可動部120の他方側(例えば、図1の下側)に配置されるトーションバー230についても同様である。
図2に示すように、短手方向(X軸の方向)に沿って並列に配列している複数のトーションバー230の夫々の幅は、トーションバー230と回転軸との間の距離が遠くなればなるほど細くなるように調整されている。つまり、複数のトーションバー230の夫々の幅は、トーションバー230と回転軸との間の距離が近くなればなるほど太くなるように調整されている。言い換えれば、複数のトーションバー230の夫々の幅は、トーションバー230が回転軸から遠くなればなるほど細くなるように調整されている。つまり、複数のトーションバー230の夫々の幅は、トーションバー230が回転軸に近づけば近づくほど太くなるように調整されている。更に言い換えれば、複数のトーションバー230の夫々の幅は、回転軸から遠いトーションバー230ほど細くなるように調整されている。つまり、複数のトーションバー230の夫々の幅は、回転軸に近いトーションバー230ほど太くなるように調整されている。
具体的に、図2に示すように、複数のトーションバー230が、(i)回転軸からの距離がD1となる2つのトーションバー230aと、(ii)回転軸からの距離がD2(但し、D2<D1)となる2つのトーションバー230bと、(iii)回転軸上に位置する(つまり、回転軸からの距離がゼロとなる)トーションバー230cとを含む例について説明する。このとき、トーションバー230aの幅をdaとし、トーションバー230bの幅をdbとし、トーションバー230cの幅をdcとすると、da<db<dcという関係が成立するように、複数のトーションバー230の幅が調整されている。
尚、図1は、複数のトーションバー230のうちの最も中心に位置するトーションバー230cが回転軸上に位置する例を示している。この場合には、トーションバー230と回転軸との間の距離は、トーションバー230が複数のトーションバー230の配列における相対的に中心側に位置するか又は外側に位置するかに依存することになる。従って、複数のトーションバー230のうちの最も中心に位置するトーションバー230cが回転軸上に位置する場合には、複数のトーションバー230の夫々の幅は、短手方向に沿った配列の相対的に外側に位置するトーションバー230(例えば、トーションバー230a)の幅が相対的に中心側に位置するトーションバー(例えば、トーションバー230c)の幅よりも細くなるように、調整されているとも言える。つまり、複数のトーションバー230の夫々の幅は、短手方向に沿った配列の相対的に外側に位置するトーションバー230ほど細くなるように、調整されているとも言える。
尚、複数のトーションバー230は、可動部120の回転軸に対して線対称となるように配置されることが好ましい。このとき、アクチュエータ1が奇数本のトーションバー230を備えている場合には、当該奇数本のトーションバー230のうちの中心の一つのトーションバー230が回転軸上に位置することが好ましい。或いは、アクチュエータ1が偶数本のトーションバー230を備えている場合には、当該偶数本のトーションバー230のうちの中心の二つのトーションバー230が回転軸に対して線対称となる位置に配置されることが好ましい。
ここで、トーションバー230の幅が細くなればなるほど、トーションバー230のバネ定数は小さくなる。言い換えれば、トーションバー230の幅が太くなればなるほど、トーションバー230のバネ定数は大きくなる。このため、第1実施例のアクチュエータ1によれば、複数のトーションバー230の夫々の幅が調整されることで、複数のトーションバー230の夫々のバネ定数は、トーションバー230と回転軸との間の距離が遠くなればなるほど小さくなっている。言い換えれば、複数のトーションバー230の夫々のバネ定数は、トーションバー230と回転軸との間の距離が近くなればなるほど大きくなっている。言い換えれば、複数のトーションバー230の夫々のバネ定数は、トーションバー230が回転軸から遠くなればなるほど小さくなっている。つまり、複数のトーションバー230の夫々のバネ定数は、トーションバー230が回転軸に近づけば近づくほど大きくなるように調整されている。更に言い換えれば、複数のトーションバー230の夫々のバネ定数は、回転軸から遠いトーションバー230ほど小さくなるように調整されている。つまり、複数のトーションバー230の夫々のバネ定数は、回転軸に近いトーションバー230ほど大きくなるように調整されている。
ここで、回転軸からの距離に応じて幅が調整された複数のトーションバー230を備える第1実施例のアクチュエータ1の技術的効果を説明するために、図3を参照しながら、回転軸上に位置するただ一つのトーションバー1230を用いて可動部120を回転させる比較例のアクチュエータについて説明する。図3は、回転軸上に位置するただ一つのトーションバー1230を用いて可動部120を回転させる比較例のアクチュエータの構成の一例を示す拡大平面図である。
図3に示すように、比較例のアクチュエータでは、可動部120が遥動した場合には、トーションバー1230の両側の縁部分(より具体的には、トーションバー230の短手方向に沿った両側の縁部分であり、図3における左右の縁部分に相当する)に加わる応力が、中心部分(より具体的には、トーションバーの短手方向に沿った中心部分)に加わる応力よりも大きくなる。つまり、回転軸から相対的に遠いトーションバー1230の縁部分に加わる応力が、回転軸に相対的に近いトーションバー1230の中心部分に加わる応力よりも大きくなる。つまり、可動部120が遥動することに伴ってトーションバー1230に加わる応力は、回転軸から相対的に遠くなるほど加わりやすくなる。
このような応力の加わり方を考慮すれば、回転軸から遠くなるほど幅が細くなっている(つまり、バネ定数が小さくなっている)複数のトーションバー230を備える第1実施例のアクチュエータ1によれば、回転軸から相対的に遠いトーションバー230(つまり、幅が相対的に細いトーションバー230であり、バネ定数が相対的に小さいトーションバー230)に応力が加わりやすくなる。しかるに、幅が相対的に細いがゆえにバネ定数が相対的な小さくなるため、回転軸から相対的に遠いトーションバー230に加わる応力は緩和される。言い換えれば、幅が相対的に細いがゆえにバネ定数が相対的に小さくなるため、回転軸から相対的に遠いトーションバー230が相対的に柔らかくなり、結果として、回転軸から相対的に遠いトーションバー230に加わる応力は緩和される。このため、回転軸から相対的に遠いトーションバー230の破壊が好適に防止又は抑止される。
一方で、回転軸に相対的に近いトーションバー230(つまり、幅が相対的に太いトーションバー230であり、バネ定数が相対的に大きいトーションバー230)には、それほど大きな応力が加わることはない。このため、回転軸に相対的に近いトーションバー230の破壊もまた好適に防止又は抑止される。言い換えれば、幅が相対的に太いがゆえにバネ定数が相対的に大きくなるため、回転軸に相対的に近いトーションバー230が相対的に硬くなる。しかるに、回転軸に相対的に近いトーションバー230にはそれほど大きな応力が加わることがないため、回転軸に相対的に近いトーションバー230の破壊もまた好適に防止又は抑止される。
このように、第1実施例のアクチュエータ1によれば、回転軸との間の距離に応じて複数のトーションバー230の幅(或いは、バネ定数)が調整されるため、複数のトーションバー230の破壊が好適に防止又は抑止される。
加えて、第1実施例のアクチュエータ1によれば、複数のトーションバー230の破壊を防止又は抑止しつつ、回転軸に相対的に近いトーションバー230の幅を相対的に太くすることができる(つまり、バネ定数を相対的に大きくすることができる)。尚、図3に示す比較例のアクチュエータでは、トーションバー1230の幅を太くすることで当該トーションバー1230のバネ定数を大きくすることができるものの、トーションバー1230の幅が太くなった分だけトーションバー1230が破壊されやすくなってしまう。しかるに、第1実施例のアクチュエータ1によれば、トーションバー230の破壊とトーションバー230のバネ定数の増大化との間のトレードオフの関係を考慮した上で、複数のトーションバー230の破壊を防止又は抑止しつつ、回転軸から相対的に遠いトーションバー230の幅を相対的に細くしつつ回転軸に相対的に近いトーションバー230の幅を相対的に太くすることができる。このため、複数のトーションバー230全体としてのバネ定数を相対的に大きくすることができる。その結果、複数のトーションバー230全体としてのバネ定数に応じて定まる可動部120の遥動の周波数を相対的に大きくすることができる。特に、第1実施例のアクチュエータ1がヘッドアップディスプレイ等の映像表示装置に適用される場合には、一対のトーションバー130の弾性に起因した遥動(つまり、X軸を回転軸とする遥動)によって垂直走査を実現すると共に複数の一対のトーションバー230の弾性に起因した遥動(つまり、Y軸を回転軸とする遥動)によって水平走査を実現することが考えられる。この場合、映像の解像度を増加させるためには、複数の一対のトーションバー230の弾性に起因した遥動(つまり、Y軸を回転軸とする遥動)の周波数を大きくすることが好ましい。従って、第1実施例のアクチュエータ1によれば、複数の一対のトーションバー230全体としてのバネ定数を相対的に大きくすることができるため、複数の一対のトーションバー230の弾性に起因した遥動(つまり、Y軸を回転軸とする遥動)の周波数を大きくすることができる。その結果、複数の一対のトーションバー230の弾性に起因して可動部120が遥動する周波数を大きくすることができる。
このように、第1実施例のアクチュエータ1によれば、複数のトーションバー230の破壊を防止又は抑止しながら、可動部120が遥動する周波数を大きくすることができる。
尚、アクチュエータ1は、一対のトーションバー130に代えて、内側支持体210の回転軸からの距離に応じて幅が調整された複数の一対のトーションバー130(つまり、複数の一対のトーションバー230と同様のトーションバー)を備えていてもよい。つまり、アクチュエータ1は、一対のトーションバー130に代えて、内側支持体210の回転軸から遠くなればなるほど幅が細くなる複数の一対のトーションバー130を備えていてもよい。或いは、アクチュエータ1は、内側支持体210の回転軸からの距離に応じて幅が調整された複数の一対のトーションバー130を備える場合には、可動部120の回転軸からの距離に応じて幅が調整された複数の一対のトーションバー230に代えて、一対のトーションバー230(つまり、一対のトーションバー130と同様のトーションバー)を備えていてもよい。
(2)第2実施例
続いて、図4を参照して、第2実施例のアクチュエータ2について説明する。図4は、第2実施例のアクチュエータ2が備える複数の一対のトーションバー230の形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。尚、第1実施例のアクチュエータ1が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
図4に示すように、第2実施例のアクチュエータ2は、第1実施例のアクチュエータ1と比較して、回転軸との間の距離に応じて複数の一対のトーションバー230の幅が調整されることに代えて、回転軸との間の距離に応じて複数の一対のトーションバー230の長さ(具体的には、複数の一対のトーションバー230の夫々の長手方向に沿った長さ)が調整されているという点で異なっている。第2実施例のアクチュエータ2のその他の構成要素については、第1実施例のアクチュエータ1のその他の構成要素と同一であってもよい。
具体的には、図4に示すように、第2実施例では、短手方向(X軸の方向)に沿って並列に配列している複数のトーションバー230の夫々の長さは、トーションバー230と回転軸との間の距離が遠くなればなるほど長くなるように調整されている。つまり、複数のトーションバー230の夫々の長さは、トーションバー230と回転軸との間の距離が近くなればなるほど短くなるように調整されている。言い換えれば、複数のトーションバー230の夫々の長さは、トーションバー230が回転軸から遠くなればなるほど長くなるように調整されている。つまり、複数のトーションバー230の夫々の長さは、トーションバー230が回転軸に近づけば近づくほど短くなるように調整されている。更に言い換えれば、複数のトーションバー230の夫々の長さは、回転軸から遠いトーションバー230ほど長くなるように調整されている。つまり、複数のトーションバー230の夫々の長さは、回転軸に近いトーションバー230ほど短くなるように調整されている。
具体的に、図4に示すように、複数のトーションバー230が、(i)回転軸からの距離がD1となる2つのトーションバー230aと、(ii)回転軸からの距離がD2(但し、D2<D1)となる2つのトーションバー230bと、(iii)回転軸上に位置する(つまり、回転軸からの距離がゼロとなる)トーションバー230cとを含む例について説明する。このとき、トーションバー230aの長さをLaとし、トーションバー230bの長さをLbとし、トーションバー230cの長さをLcとすると、La>Lb>Lcという関係が成立するように、複数のトーションバー230の長さが調整されている。
尚、中心のトーションバー230cが回転軸上に位置する場合には、複数のトーションバー230の夫々の長さは、短手方向に沿った配列の相対的に外側に位置するトーションバー230(例えば、トーションバー230a)の長さが相対的に中心側に位置するトーションバー(例えば、トーションバー230c)の長さよりも長くなるように、調整されているとも言える。
ここで、トーションバー230の長さが長くなればなるほど、トーションバー230のバネ定数は小さくなる。言い換えれば、トーションバー230の長さが短くなればなるほど、トーションバー230のバネ定数は大きくなる。このため、第2実施例のアクチュエータ2によれば、複数のトーションバー230の夫々の長さが調整されることで、複数のトーションバー230の夫々のバネ定数は、トーションバー230と回転軸との間の距離が大きくなればなるほど小さくなっている。従って、第2実施例のアクチュエータ2であっても、第1実施例のアクチュエータ1が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。
(3)第3実施例
続いて、図5を参照して、第3実施例のアクチュエータ3について説明する。図5は、第3実施例のアクチュエータ3が備える複数の一対のトーションバー230の形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。尚、第1実施例のアクチュエータ1から第2実施例のアクチュエータ2が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
図5に示すように、第3実施例のアクチュエータ3は、第1実施例のアクチュエータ1と比較して、回転軸との間の距離に応じて複数の一対のトーションバー230の幅が調整されることに加えて、回転軸との間の距離に応じて複数の一対のトーションバー230の長さ(具体的には、複数の一対のトーションバー230の夫々の長手方向に沿った長さ)が調整されているという点で異なっている。つまり、第3実施例のアクチュエータ3は、第1実施例のアクチュエータ1の構成要素と第2実施例のアクチュエータ2の構成要素とが組み合わせられたアクチュエータに相当する。第3実施例のアクチュエータ3のその他の構成要素については、第1実施例のアクチュエータ1のその他の構成要素と同一であってもよい。
このような第3実施例のアクチュエータ3であっても、第1実施例のアクチュエータ1及び第2実施例のアクチュエータ2が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。特に、第3実施例のアクチュエータ3によれば、複数のトーションバー230の幅及び長さの双方が調整されるため、複数のトーションバー230のバネ定数をより一層高精度に調整することができる。
(4)第4実施例
続いて、図6を参照して、第4実施例のアクチュエータ4について説明する。図6は、第4実施例のアクチュエータ4が備える複数の一対のトーションバー230の形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。尚、第1実施例のアクチュエータ1から第3実施例のアクチュエータ3が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
図6に示すように、第4実施例のアクチュエータ4は、第2実施例のアクチュエータ2と比較して、複数のトーションバー230の夫々が可動部120及び内側支持体210の双方に食い込むような形状を有しているという点で異なっている。第4実施例のアクチュエータ4のその他の構成要素については、第2実施例のアクチュエータ2のその他の構成要素と同一であってもよい。
より具体的には、可動部120と複数のトーションバー230の夫々とが接続する可動部120上の領域部分には、複数のトーションバー230の夫々の長さを調整するための切り込みが形成されている。つまり、第2実施例や第3実施例では可動部120の一部を構成していた領域部分が、第4実施例では、複数のトーションバー230の一部を構成する領域部分(つまり、複数のトーションバー230の長さを長くするための領域部分)として取り扱われている。
同様に、内側支持体210と複数のトーションバー230の夫々とが接続する内側支持体210上の領域部分には、複数のトーションバー230の夫々の長さを調整するための切り込みが形成されている。つまり、第2実施例や第3実施例では内側支持体210の一部を構成していた領域部分が、第4実施例では、複数のトーションバー230の一部を構成する領域部分(つまり、複数のトーションバー230の長さを長くするための領域部分)として取り扱われている
このような第4実施例のアクチュエータ4であっても、第2実施例のアクチュエータ2が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。特に、第4実施例のアクチュエータ4は、複数のトーションバー230の長さを調整するために内側支持体210及び可動部120を複数のトーションバー230側に向かって張り出させる又は飛び出させなる形状(図4及び図5の内側支持体210及び可動部120の形状参照)を有していなくともよい。
尚、図6は、複数のトーションバー230の夫々が可動部120及び内側支持体210の双方に食い込むような形状を有しているアクチュエータ4について説明している。しかしながら、アクチュエータ4は、複数のトーションバー230のうちの少なくとも一つが可動部120及び内側支持体210の少なくともに食い込むような形状を有していてもよい。
(5)第5実施例
続いて、図7を参照して、第5実施例のアクチュエータ5について説明する。図7は、第5実施例のアクチュエータ5が備える複数の一対のトーションバー230の形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。尚、第1実施例のアクチュエータ1から第4実施例のアクチュエータ4が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
図7に示すように、第5実施例のアクチュエータ5は、第2実施例のアクチュエータ2と比較して、複数のトーションバー230のうちの少なくとも一部が、内側支持体210から可動部120に向かう方向(図7中のY軸の方向)に伸長するのみならず、当該方向から折れ曲がった方向(図7中のX軸の方向)にも伸長しているという点で異なっている。第5実施例のアクチュエータ5のその他の構成要素については、第2実施例のアクチュエータ2のその他の構成要素と同一であってもよい。
尚、図7は、アクチュエータ5が奇数本のトーションバー230を備えている例を示している。この場合、奇数本のトーションバー230のうちの中心の一つのトーションバー230cは、内側支持体210から可動部120に向かう方向のみに伸長していることが好ましい。つまり、奇数本のトーションバー230のうちの中心の一つのトーションバー230cは、内側支持体210から可動部120に向かう方向から折れ曲がった方向には伸長していないことが好ましい。尚、図7は、奇数本のトーションバー230のうちの中心の一つのトーションバー230cが回転軸上に位置する例を示している。しかしながら、複数のトーションバー230のうちの中心の一つのトーションバー230が可動部120の回転軸から外れた位置に配置されている場合には、回転軸に最も近い一つのトーションバー230が、内側支持体210から可動部120に向かう方向のみに伸長していることが好ましい。或いは、複数のトーションバー230のうちの中心の一つのトーションバー230が可動部120の回転軸から外れた位置に配置されている場合には、回転軸に最も近いと共に回転軸に対して線対称となる少なくとも二つのトーションバー230が、内側支持体210から可動部120に向かう方向のみに伸長していることが好ましい。
このような第5実施例のアクチュエータ5であっても、第2実施例のアクチュエータ2が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。特に、第5実施例のアクチュエータ5によれば、複数のトーションバー230が占有するスペースが増大することを抑制しつつ、複数のトーションバー230の長さを好適に調整することができる。
加えて、第5実施例のアクチュエータ5によれば、回転軸上に位置する又は回転軸に最も近い一つのトーションバー230が折れ曲がった形状を有していない。このため、折れ曲がった形状を有していないトーションバー230が存在することに起因して、可動部120の回転方向以外の方向における複数のトーションバー230全体としての硬さを相対的に硬くすることができる。但し、回転軸上に位置する又は回転軸に最も近い一つのトーションバー230は、折れ曲がった形状を有していてもよい。
(6)第6実施例
続いて、図8を参照して、第6実施例のアクチュエータ6について説明する。図8は、第6実施例のアクチュエータ6が備える複数の一対のトーションバー230の形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。尚、第1実施例のアクチュエータ1から第5実施例のアクチュエータ5が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
図8に示すように、第6実施例のアクチュエータ6は、第5実施例のアクチュエータ5と比較して、偶数本のトーションバー230を備えているという点で異なっている。第6実施例のアクチュエータ6のその他の構成要素については、第5実施例のアクチュエータ5のその他の構成要素と同一であってもよい。
この場合、偶数本のトーションバー230のうちの中心の二つのトーションバー230cは、内側支持体210から可動部120に向かう方向のみに伸長していることが好ましい。つまり、偶数本のトーションバー230のうちの中心の二つのトーションバー230cは、内側支持体210から可動部120に向かう方向から折れ曲がった方向には伸長していないことが好ましい。尚、図8は、偶数本のトーションバー230のうちの中心の二つのトーションバー230cが回転軸に最も近い位置に位置する例を示している。しかしながら、複数のトーションバー230のうちの中心の二つのトーションバー230以外の他のトーションバー230が回転軸に最も近い位置に位置する場合には、回転軸に最も近い一つのトーションバー230が、内側支持体210から可動部120に向かう方向のみに伸長していることが好ましい。或いは、複数のトーションバー230のうちの中心の二つのトーションバー230以外の他のトーションバー230が回転軸に最も近い位置に位置する場合には、回転軸に最も近いと共に回転軸に対して線対称となる少なくとも二つのトーションバー230が、内側支持体210から可動部120に向かう方向のみに伸長していることが好ましい。
このような第6実施例のアクチュエータ6であっても、第5実施例のアクチュエータ5が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。加えて、第6実施例のアクチュエータ6によれば、アクチュエータ6が偶数本のトーションバー230を備えている場合であっても、第5実施例のアクチュエータ5と同様に、可動部120の回転方向以外の方向における複数のトーションバー230全体としての硬さを相対的に硬くすることができる。但し、回転軸上に位置する又は回転軸に最も近い二つのトーションバー230は、折れ曲がった形状を有していてもよい。
(7)第7実施例
続いて、図9を参照して、第7実施例のアクチュエータ7について説明する。図9は、第7実施例のアクチュエータ7が備える複数の一対のトーションバー230の形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。尚、第1実施例のアクチュエータ1から第6実施例のアクチュエータ6が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
図9に示すように、第7実施例のアクチュエータ7は、第2実施例のアクチュエータ2と比較して、複数のトーションバー230のうちの少なくとも一部が、内側支持体210から可動部120に向かう方向(図7中の上から下に向かう方向)に伸長するのみならず、当該方向とは逆の方向(図7中の下から上に向かう方向)又は当該方向から見て折り返された方向(つまり、当該方向を基準として、少なくとも90°以上の角度を有しており返された方向であって、図7中の下から上に向かう方向)にも伸長しているという点で異なっている。第7実施例のアクチュエータ7のその他の構成要素については、第2実施例のアクチュエータ2のその他の構成要素と同一であってもよい。
尚、図9は、アクチュエータ7が奇数本のトーションバー230を備えている例を示している。従って、第7実施例のアクチュエータ7においても、第5実施例のアクチュエータ5と同様に、回転軸に最も近い一つのトーションバー230が、内側支持体210から可動部120に向かう方向のみに伸長していることが好ましい。但し、アクチュエータ7が偶数本のトーションバー230を備えている場合には、第6実施例のアクチュエータ6と同様に、回転軸に最も近い中心の二つのトーションバー230cは、内側支持体210から可動部120に向かう方向のみに伸長していることが好ましい。
このような第7実施例のアクチュエータ7であっても、第2実施例のアクチュエータ2が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。特に、第7実施例のアクチュエータ7によれば、複数のトーションバー230が占有するスペースが増大することを抑制しつつ、複数のトーションバー230の長さを調整することができる。
加えて、第7実施例のアクチュエータ7によれば、回転軸上に位置する又は回転軸に最も近い一つのトーションバー230が折り返された形状を有していない。このため、折り返された形状を有していないトーションバー230が存在することに起因して、可動部120の回転方向以外の方向における複数のトーションバー230全体としての硬さを相対的に硬くすることができる。但し、回転軸上に位置する又は回転軸に最も近い一つのトーションバー230は、折り返された形状を有していてもよい。
(8)第8実施例
続いて、図10を参照して、第8実施例のアクチュエータ8について説明する。図10は、第8実施例のアクチュエータ8が備える複数の一対のトーションバー230の形状の詳細の一例を示す拡大平面図である。尚、第1実施例のアクチュエータ1から第7実施例のアクチュエータ7が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
図10に示すように、第8実施例のアクチュエータ8は、第1実施例のアクチュエータ1と比較して、回転軸との間の距離に応じて複数の一対のトーションバー230の幅が調整されることに代えて、回転軸との間の距離に応じて複数の一対のトーションバー230の密度が調整されているという点で異なっている。第8実施例のアクチュエータ8のその他の構成要素については、第1実施例のアクチュエータ1のその他の構成要素と同一であってもよい。
具体的には、第8実施例では、短手方向(X軸の方向)に沿って並列に配列している複数のトーションバー230の夫々の密度は、トーションバー230と回転軸との間の距離が遠くなればなるほど小さくなるように調整されている。つまり、複数のトーションバー230の夫々の密度は、トーションバー230と回転軸との間の距離が近くなればなるほど大きくなるように調整されている。言い換えれば、複数のトーションバー230の夫々の密度は、トーションバー230が回転軸から遠くなればなるほど小さくなるように調整されている。つまり、複数のトーションバー230の夫々の密度は、トーションバー230が回転軸に近づけば近づくほど大きくなるように調整されている。更に言い換えれば、複数のトーションバー230の夫々の密度は、回転軸から遠いトーションバー230ほど小さくなるように調整されている。つまり、複数のトーションバー230の夫々の密度は、回転軸に近いトーションバー230ほど大きくなるように調整されている。
第8実施例では、複数のトーションバー230の夫々の密度を調整するために、複数のトーションバー230のうちの少なくとも一つに孔231が形成されている。尚、孔231は、トーションバー230を貫通する孔231(いわゆる、開口)であってもよいし、トーションバー230を貫通しない孔231(いわゆる、凹部)であってもよいし、トーションバー230の内部に形成された(言い換えれば、外部に現れない)孔231(いわゆる、空隙)であってもよい。特に、複数のトーションバー230の夫々に形成される孔231の数は、トーションバー230と回転軸との間の距離が大きくなればなるほど少なくなっていてもよい。これにより、複数のトーションバー230の夫々の密度が、トーションバー230と回転軸との間の距離が大きくなればなるほど小さくなる。
ここで、トーションバー230の密度が小さくなればなるほど、トーションバー230のバネ定数は小さくなる。言い換えれば、トーションバー230の密度が大きくなればなるほど、トーションバー230のバネ定数は大きくなる。このため、第8実施例のアクチュエータ8によれば、複数のトーションバー230の夫々の密度が調整されることで、複数のトーションバー230の夫々のバネ定数は、トーションバー230と回転軸との間の距離が遠くなればなるほど小さくなっている。従って、第8実施例のアクチュエータ8であっても、第1実施例のアクチュエータ1が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。
尚、図8は、複数のトーションバー230の夫々に形成される孔231の数を、トーションバー230と回転軸との間の距離が遠くなればなるほど少なくすることで、回転軸との間の距離に応じて複数の一対のトーションバー230の密度が調整される例を示している。しかしながら、複数のトーションバー230の夫々に形成される孔231の大きさ(例えば、径や深さ等)を、トーションバー230と回転軸との間の距離が遠くなればなるほど大きくすることで、回転軸との間の距離に応じて複数の一対のトーションバー230の密度が調整されてもよい。或いは、複数のトーションバー230の夫々を構成する材料を変えることで、回転軸との間の距離に応じて複数の一対のトーションバー230の密度が調整されてもよい。或いは、その他の何らかの手法を用いて、回転軸との間の距離に応じて複数の一対のトーションバー230の密度が調整されてもよい。いずれの場合であっても、第1実施例のアクチュエータ1が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。
(9)第9実施例
続いて、図11を参照して、第9実施例のアクチュエータ9について説明する。図11は、第9実施例のアクチュエータ9の構成の一例を示す平面図である。尚、第1実施例のアクチュエータ1から第8実施例のアクチュエータ8が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
図11に示すように、第9実施例のアクチュエータ9は、第2実施例のアクチュエータ2と比較して、複数のトーションバー230の夫々の伸長態様が異なるという点で異なっている。第9実施例のアクチュエータ9のその他の構成要素については、第1実施例のアクチュエータ1のその他の構成要素と同一であってもよい。
具体的には、複数のトーションバー230のうち回転軸に相対的に近いトーションバー232は、可動部120から内側支持体210に向かって直線状に伸長している。一方で、複数のトーションバー230のうち回転軸から相対的に遠いトーションバー233は、内側支持体210の内側の外縁に沿って曲線状に又は折れ線状に伸長している。
このような第9実施例のアクチュエータ9であっても、第2実施例のアクチュエータ2が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。
(10)第10実施例
続いて、図12を参照して、第10実施例のアクチュエータ10について説明する。図12は、第10実施例のアクチュエータ10の構成の一例を示す平面図である。尚、第1実施例のアクチュエータ1から第9実施例のアクチュエータ9が備える構成要素と同一の構成要素については、同一の参照符号を付してその詳細な説明については省略する。
図12に示すように、第10実施例のアクチュエータ10は、可動部120の2軸駆動を行う第1実施例のアクチュエータ1と比較して、可動部120の1軸駆動を行うという点で異なっている。具体的には、第10実施例のアクチュエータ10は、外側支持体110と、複数の一対のトーションバー230と、可動部120と、一対の永久磁石160と、一対の電源端子170とを備えている。つまり、第10実施例のアクチュエータ10は、一対のトーションバー130と、内側支持体210とを備えていないという点で、第1実施例のアクチュエータ1とは異なる。
外側支持体110、複数の一対のトーションバー230及び可動部120は、例えばシリコン基板等の非磁性基板から一体的に形成されている。即ち、外側支持体110、複数の一対のトーションバー230及び可動部120は、例えばシリコン基板等の非磁性基板の一部が除去されることにより間隙が形成されることで形成されている。このときの形成プロセスとして、MEMSプロセスが用いられることが好ましい。尚、シリコン基板に代えて、任意の弾性材料から、外側支持体110、複数の一対のトーションバー230及び可動部120が一体的に形成されてもよい。
外側支持体110は、可動部120を取り囲むような枠形状を有しており、可動部120の両側に位置する(言い換えれば、可動部120の両側から当該可動部120を挟み込む)複数の一対のトーションバー230によって可動部120と接続されている。
可動部120は、複数の一対のトーションバー230が伸長する方向(つまり、複数の一対のトーションバー230の長手方向であって、図12中X軸の方向)に沿った回転軸を中心に揺動可能なように複数の一対のトーションバー230によって外側支持体110に軸支されている。可動部120の表面には、レーザ光を反射する不図示のミラーが形成される。可動部120の表面には、駆動コイル140が形成されている。但し、駆動コイル140は、可動部120の内部に形成されてもよい。
複数の一対のトーションバー230の夫々は、可動部120が外側支持体110に対して揺動可能なように、可動部120と外側支持体110とを接続する。複数の一対のトーションバー230の弾性によって、可動部120は、複数の一対のトーションバー230が伸長する方向に沿った軸を回転軸として回転するように遥動する。つまり、可動部120は、図12におけるX軸を回転軸として、当該回転軸の周りで回転するように遥動する。
駆動コイル140には、外側支持体110上に形成されている一対の電源端子170及び当該一対の電源端子170と駆動コイル140とを電気的に接続するための配線150であって且つ複数の一対のトーションバー230上に形成された配線150を介して、電源から制御電流が供給される。制御電流は、可動部120を遥動させるための制御電流であって、典型的には、可動部120が遥動する周波数と同期した周波数の信号成分を含む交流電流である。尚、電源は、アクチュエータ1自身が備えている電源であってもよいし、アクチュエータ1の外部に用意される電源であってもよい。
このような第10実施例のアクチュエータ10が動作する(具体的には、可動部120が遥動する)場合には、まず、電源から、電源端子170及び配線150を介して、駆動コイル140に対して制御電流が供給される。このとき駆動コイル140に対して供給される制御電流は、可動部120を遥動させるための信号(具体的には、可動部120の遥動の周期に同期した信号)を含む電流であることが好ましい。一方で、駆動コイル140には、一対の永久磁石160によって静磁界が印加されている。従って、駆動コイル140には、一対の永久磁石160から印加される静磁界と駆動コイル140に供給される制御電流との電磁相互作用に起因した力(つまり、ローレンツ力)が生ずる。その結果、駆動コイル140が形成されている可動部120は、一対の永久磁石160から印加される静磁界と駆動コイル140に供給される制御電流との電磁相互作用に起因したローレンツ力によって遥動する。つまり、可動部120は、図12におけるX軸を回転軸として回転するように遥動する。
このように、第10実施例のアクチュエータ10によれば、可動部120の1軸駆動が行われる。そして、可動部120の1軸駆動を行うアクチュエータ10であっても、複数の一対のトーションバー230を備えているため、第1実施例のアクチュエータ1が享受することができる各種効果を好適に享受することができる。
尚、第1実施例から第10実施例で説明した各構成の一部を適宜組み合わせてもよい。この場合であっても、第1実施例から第10実施例で説明した各構成の一部を適宜組み合わせることで得られるアクチュエータは、上述した各種効果を好適に享受することができる。
本発明は、前述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うアクチュエータもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
110 外側支持部
210 内側支持部
120 可動部
130 トーションバー
230 トーションバー
231 孔
140 駆動コイル
150 配線
160 永久磁石

Claims (1)

  1. 可動部を支持する支持部と、
    長手方向に沿った回転軸を中心として前記可動部を揺動可能に、前記可動部と前記支持部とを接続する複数のトーションバーと
    を備え、
    前記複数のトーションバーは、当該トーションバーの短手方向に沿って前記回転軸に対して線対称に配列され、
    前記複数のトーションバーの夫々の長さは、前記夫々のトーションバーが前記回転軸から遠くなればなるほど長くなり、
    前記複数のトーションバーのうち前記回転軸上に位置する又は前記回転軸に最も近い一つ又は二つのトーションバー以外の他のトーションバーのうちの少なくとも一つは、前記支持部から前記可動部に向かうように前記少なくとも一つのトーションバーが伸長する方向と交わる方向に少なくとも1回以上折れ曲がった形状を有しており、
    前記複数のトーションバーのうち前記回転軸に最も近い一つ又は二つのトーションバーは、前記折れ曲がった形状を有していないアクチュエータ。
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