JP2020044997A - サスペンションサブフレーム構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両重量の増加を抑制しつつ、エクステンションフレームとサスペンションサブフレームがそれぞれの機能を効果的に果たすことと、両フレームの接続部分における折れおよび破断を抑制することとの両立を図る。【解決手段】サスペンションサブフレーム構造は、車体前後方向に延びるように配置されサスペンションリンクを支持するサスペンションサブフレーム110と、該サスペンションサブフレーム110の前端から車体前方に延びるように配置され車体前後方向の荷重に対する剛性が該サスペンションサブフレーム110よりも低いエクステンションフレーム130と、両フレーム110、130よりも車体幅方向内側において、車体幅方向に延びるように配置されたクロスメンバ150とを備え、該クロスメンバ150は、車体前後方向に連続する接合領域Zにおいて、両フレーム110、130に接合されている。【選択図】図4

Description

本発明はサスペンションサブフレーム構造に関し、自動車等の車両の車体構造の技術分野に属する。
車体前部構造として、車両の前後方向に延びて車体前部を構成する左右一対のフロントサイドフレームが設けられ、該フロントサイドフレームの下方に、前輪用の左右のサスペンションリンクを支持するためのサスペンションサブフレーム(以下、単に「サブフレーム」ともいう)が配設されるものが知られている。
特許文献1に開示された車体前部構造のサブフレームは、フロントサイドフレームの下方に配置される左右辺部と、該左右辺部の前端を車幅方向に連結する前辺部とで、平面視で後方に開放したU字状に形成されている。このサブフレームは、左右辺部の後端部において、フロントサイドフレームに固定されている。このサブフレームには、前述の左右辺部の前端部から立ち上がって、フロントサイドフレームの下面に接続されるタワー部材が取り付けられている。タワー部材には、該タワー部材の上下方向の中間の位置から前方に延びる一対のエクステンションフレームが取り付けられている。
特許文献1の構成において、車体前方からの衝撃荷重は、フロントサイドフレームに直接入力される主たるロードパスと、エクステンションフレームからタワー部材を経由してフロントサイドフレームに至るロードパスとに分散して伝達される。このように、エクステンションフレームを経由するロードパスを設けることで、衝撃荷重を分散させることができる。
上述のエクステンションフレームは、車体前方からの衝撃荷重を受けて変形することで、この衝撃荷重を吸収する衝撃吸収部材として機能し得る。そして、タワー部材は、このエクステンションフレームによる衝撃荷重の吸収を確実に機能させるために、エクステンションフレームを経由して入力される衝撃荷重を受け止める荷重受け部としての機能を有している。
この特許文献1の車体前部構造では、エクステンションフレームがタワー部材の中間部に接続されている。そのため、車体前方からの衝撃荷重入力時にタワー部材の屈曲変形を抑制して、エクステンションフレームの衝撃吸収機能を十分に果たすためには、タワー部材を強固に構成する必要ある。しかしながら、タワー部材を強固にすることによる車両重量の増加が生じやすくなることから、車両重量の低減を図る上で改善の余地がある。
そこで、タワー部材を廃止する代わりに、エクステンションフレームからサブフレームの左右辺部を経由し、左右辺部の後端部からフロントサイドフレームに至るようなロードパスを形成することが考えられる。この場合、エクステンションフレームの後端部を、前後方向の剛性の高いサブフレームの左右辺部の前端部に直結することが考えられる。これにより、サブフレームは、車体前方側からエクステンションフレームに入力される衝撃荷重を受け止める荷重受け部として機能し、エクステンションフレームによる衝撃吸収を促進させることができる。
特開2015−58856号公報
しかしながら、上述のように、エクステンションフレームをサスペンションサブフレームに直結したものにおいては、エクステンションフレームの座屈による曲げ方向の荷重が入力されたとき、衝突荷重吸収の機能を重視したエクステンションフレームと、前後方向剛性を重視したサスペンションサブフレームとの接続部分で、折れや破断が生じやすくなる。
そこで、本発明のサスペンションサブフレーム構造では、車両重量の増加を抑制しつつ、エクステンションフレームとサスペンションサブフレームがそれぞれの機能を効果的に果たすことと、両フレームの接続部分における折れおよび破断を抑制することとの両立を図ることを課題とする。
まず、請求項1に記載の発明は、
車体前後方向に延びるように配置され、前輪のサスペンション部材を支持するサスペンションサブフレームと、
該サスペンションサブフレームの前端から車体前方に延びるように配置され、車体前後方向の荷重に対する剛性が該サスペンションサブフレームよりも低いエクステンションフレームと、
前記サスペンションサブフレームおよび前記エクステンションフレームよりも車体幅方向内側において、車体幅方向に延びるように配置されたクロスメンバと、を備えたサスペンションサブフレーム構造であって、
前記クロスメンバは、車体前後方向に連続する接合領域において、前記エクステンションフレームと前記サスペンションサブフレームとに接合されていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記クロスメンバは、前記接合領域において前記エクステンションフレームの上面および前記サスペンションサブフレームの上面に接合された上面接合部と、前記接合領域において前記エクステンションフレームの下面および前記サスペンションサブフレームの下面に接合された下面接合部とを備えていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または前記請求項2に記載の発明において、
前記接合領域は、前記エクステンションフレームに接合された前側接合領域と、前記サスペンションサブフレームに接合された後側接合領域とで構成され、
前記前側接合領域は、前記後側接合領域よりも短いことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から前記請求項3のいずれか1項に記載の発明において、
前記サスペンションサブフレームに、サスペンション部材を支持させるためのブラケットは、車体前後方向に連続する領域で前記エクステンションフレームと前記サスペンションサブフレームとに取り付けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、サスペンションサブフレームの車体前方に、サスペンションサブフレームよりも剛性の低いエクステンションフレームが接続されているので、車体前方側から入力される衝撃荷重をサスペンションサブフレームによって受けつつ、エクステンションフレームの変形によって効果的な衝撃吸収を果たすことができる。
また、車幅方向に延びるクロスメンバが、車体前後方向に連続する接合領域において、エクステンションフレームとサスペンションサブフレームとに接合されているので、両フレームの接続部がクロスメンバによって補強されている。したがって、車体前方側からの衝撃荷重入力時のエクステンションフレームの座屈変形によって、エクステンションフレームとサスペンションサブフレームとの接続部に曲げ方向の荷重が入力された場合においても、接続部の折れおよび破断が抑制される。
また、請求項2に記載の発明によれば、クロスメンバは、クロスメンバの接合領域においてエクステンションフレームおよびサスペンションサブフレームの上面および下面に、それぞれ上面接合部と下面接合部とで、両フレームに連続して接合されている。すなわち、クロスメンバは、車体幅方向内側から、両フレームの上面および下面を銜え込むように接合されている。これにより、両フレームの接続部の特に、上下方向の剛性をより高くすることができるので、接続部の折れおよび破断をより効果的に抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、接合領域の車体前後方向の寸法は、サスペンションサブフレーム側に接合される前側接合領域に比してエクステンションフレーム側に接合される後側接合領域が短いので、車体前方側から衝撃荷重が入力されたときに、エクステンションフレームの衝撃吸収機能が前側接合領域において阻害されることが抑制されている。
一方、接合領域の車体前後方向の寸法は、エクステンションフレーム側に接合される前側接合領域に比してサスペンションサブフレーム側に接合される後側接合領域が長いので、サスペンションサブフレームの車体前後方向の荷重に対する剛性が後側接合領域においてより高められる。これにより、車体前方側から衝撃荷重が入力されたときに、エクステンションフレームの衝撃吸収機能を効果的に促進させることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、サスペンションサブフレームに前記サスペンションリンクを支持させるためのブラケットは、車体前後方向に連続する領域で前記エクステンションフレームと前記サスペンションサブフレームとに取り付けられているので、両フレームの接続部がより強固に補強されている。これにより、車体前方側から衝撃荷重が入力されたときに、エクステンションフレームとサスペンションサブフレームとの接続部に曲げ方向の荷重が入力された場合においても、接続部の折れや破断が抑制される効果が、より効果的に果たされる。
本発明の実施形態に係るサスペンションサブフレーム構造を備えた車体前部の斜視図である。 本発明の実施形態に係るサスペンションサブフレーム構造を備えた車体前部の側面図である。 本発明の実施形態に係るサスペンションサブフレーム構造の平面図である。 図3におけるサスペンションサブフレーム、エクステンションフレーム、および、第2クロスメンバの接合部の拡大図である。 図4における(a)A−A断面図、(b)B−B断面図、(c)C−C断面図、および(d)D−D断面図である。 サスペンションサブフレーム、エクステンションフレーム、第2クロスメンバ、および、前側ブラケットの接合部の要部を拡大した底面図である。
以下、本発明の実施形態に係るサスペンションサブフレーム構造の詳細を説明する。
図1〜図3を参照しながら、本実施形態のサスペンションサブフレーム構造を備えた前部車体構造1について説明する。
図1および図2に示すように、前部車体構造1は、車体前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム20、20と、ダッシュパネル(図示せず)の前面に沿って配置されて両フロントサイドフレーム20、20間を連結するダッシュクロス30と、両フロントサイドフレーム20、20の下方に配置されるサスペンションサブフレーム構造体100とを備えている。
この実施形態では、車両の駆動方式をフロントエンジンリア駆動(FR)としている。フロントサイドフレーム20、20間のエンジンルームEには、縦置きタイプのエンジン41と、その後部に連結されるトランスミッション42とを備えたパワートレイン4が配置されている(図3参照)。
各フロントサイドフレーム20、20は、ダッシュクロス30から前方に向かって略水平に延びる前側直線部21、21と、前側直線部21、21の後端部から車体後方に向かって斜め下方に延びる傾斜部22、22と、傾斜部22、22の下端部からさらに後方に略水平に延びる後側直線部23、23とを有している。
各フロントサイドフレーム20、20の前側直線部21、21は、車体幅方向内側に位置するインナパネル24、24と、車体幅方向外側に位置するアウタパネル25、25とを有し、これらが車体幅方向に接合されて構成されている。インナパネル24、24は、車体幅方向外側に開放された断面ハット形状をなし、アウタパネル25、25は、車体幅方向内側に開放された断面ハット形状をなすとともに、それぞれ車体前後方向に延びている。アウタパネル25、25と、インナパネル24、24とは、それぞれの上縁部間、および、それぞれの下縁部間で互いに接合されている。これによって、前側直線部21、21は、フレーム自体で、車体前後方向に連続する閉断面を形成している。
各フロントサイドフレーム20、20の傾斜部22、22は、上側に開放された断面ハット形状をなしている。傾斜部22、22は、ダッシュパネル(図示せず)の形状に沿って車体後方側が低くなるように配置され、傾斜部22、22の上縁部は、ダッシュパネルに接合されている。これにより、傾斜部22、22とダッシュパネルとの間には、車体前後方向に連続する閉断面が形成されている。
フロントサイドフレーム20、20の後側直線部23、23は、その後端部において、車体前後方向に延設された図示しないフロアフレームの前端部に接続されている。この後側直線部23、23およびフロアフレーム上には、図示しないフロアパネルが接合されており、このフロアパネルの前端縁はダッシュパネルに連接されている。後側直線部23、23およびフロアフレームは、上側に開放された断面ハット形状をなしており、フロアパネルとの間には、車体前後方向に連続する閉断面が形成されている。
各フロントサイドフレーム20、20の前端には、セットプレート51、51および取付けプレート52、52を介して、車体前方からの衝撃荷重を吸収する筒状体等からなるメインクラッシュカン53、53が連結されている。左右一対のメインクラッシュカン53、53の前端面には、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント54が取り付けられている。
次に、図1および図2に加えて図3を参照しながら、前述のサスペンションサブフレーム構造体100について説明する。サスペンションサブフレーム構造体100は、フロントサイドフレーム20の下方に配置されるとともに前輪用のサスペンションリンクとしてのロアアーム60、60を支持する左右一対のサスペンションサブフレーム110、110と、該サスペンションサブフレーム110、110の前端に接合されて車体前方に延びる左右一対のエクステンションフレーム130、130と、左右のフレーム110、110、130、130間を連結する第1〜第3クロスメンバ140、150、160とを備えている。
エクステンションフレーム130、130の前端部からは、それぞれサブクラッシュカン55、55が前方に延びている。サブクラッシュカン55、55よりも前方部には、車体幅方向に延びるサブバンパレインフォースメント58が設けられている。左右のサブクラッシュカン55、55は、サブバンパレインフォースメント58を介して互いに連結されている。
サスペンションサブフレーム110、110に支持される各ロアアーム60は、車体幅方向に略平行に延びる前側アーム部61と、前側アーム部61の車体幅方向中間部から車体幅方向内側かつ後方へ略水平に延びる後側アーム部62とを有する。ロアアーム60は、全体として、平面視略L字形状に形成されている。
ロアアーム60の車体幅方向の内側には、サスペンションサブフレーム110の比較的前側部分に連結する前側連結部61aと、サスペンションサブフレーム110の比較的後側部分に連結する後側連結部62aとが形成されている。前側連結部61aは、前側アーム部61の車体幅方向内側端部に設けられ、後側連結部62aは、後側アーム部62の後端部に設けられている。
前側アーム部61の前側連結部61aは、サスペンションサブフレーム110の前端部とエクステンションフレーム130の後端部に跨がって取り付けられた前側ブラケット63によって、車体前後方向に延びる軸周りに揺動自在に支持されている。一方、後側アーム部62の後側連結部62aは、サスペンションサブフレーム110に取り付けられた後側ブラケット64によって、車体前後方向に延びる軸周りに揺動自在に支持されている。
図4および図5に示すように、サスペンションサブフレーム110は、ロアアーム60を支持する本体部111を有している。サスペンションサブフレーム110の本体部111の前端部112には、エクステンションフレーム130の後端部が接続されている。なお、本体部111の後端部113は、後述する後側車体取付部X3を介してフロントサイドフレーム20に固定されている。
サスペンションサブフレーム110の本体部111は、車体前後方向に延びるように配置された長尺部である。本体部111は、下側に開放する断面コ字状を有するアッパ部材114と、上側に開放する断面コ字状を有する下側のロア部材115とを備えている。アッパ部材114の下縁部とロア部材115の上縁部とは、例えば溶接によって互いに接合されている。本体部111は、アッパ部材114とロア部材115との間において、車体前後方向に連続する閉断面を形成している。
具体的には、アッパ部材114は、上面部114aと、車体幅方向の外側面部114bおよび内側面部114cとを備え、ロア部材115は、下面部115aと、車体幅方向の外側面部115bおよび内側面部115cとを備えている。アッパ部材114とロア部材115の外側面部114b、115bと、内側面部114c、115cとがそれぞれ接合されて、車体前後方向に連続する閉断面を形成している(図5(d)参照)。
アッパ部材114と、ロア部材115とによって、サスペンションサブフレーム110の本体部111の前端部112には、開口部116(図5(a)参照)が形成されている。
図5(a)および図5(c)に示すように、エクステンションフレーム130は、サスペンションサブフレーム110の本体部111同様に、下側に開放する断面コ字状を有する上側のアッパ部材131と、上側に開放する断面コ字状を有する下側のロア部材132とにより、フレーム自体で車体前後方向に連続する閉断面を形成している。
具体的には、アッパ部材131は、上面部131aと、車体幅方向の外側面部131bおよび内側面部131cとを備え、ロア部材132は、下面部132aと、車体幅方向の外側面部132bおよび内側面部132cとを備えている。アッパ部材131とロア部材132の外側面部131b、132bと、内側面部131c、132cとがそれぞれ接合されて、車体前後方向に連続する閉断面を形成している(図5(c)参照)。
なお、エクステンションフレーム130の後端部133は、この後端部133よりも前側の部位に比べて外径が小さくなるように形成されている。
サスペンションサブフレーム110における本体部111の前端部112の開口部116(図5(a)参照)にエクステンションフレーム130の後端部133が差し込まれることで、両フレーム110、130が互いに連結されている。この両フレーム110、130間の接続部80では、例えば溶接等により両フレーム110、130が接合されている。これにより、エクステンションフレーム130と、サスペンションサブフレーム110とが車体前後方向に一体的に連なっている(図5(a)参照)。
なお、本実施形態においては、エクステンションフレーム130は、サスペンションサブフレーム110よりも車体前後方向の入力荷重に対する剛性が低く設定されている。これにより、車体前後方向に連なるエクステンションフレーム130およびサスペンションサブフレーム110に異なる機能を担わせることができる。具体的には、後側に位置する比較的高剛性のサスペンションサブフレーム110を荷重受け部として機能させ、前側に位置する比較的低剛性のエクステンションフレーム130に荷重吸収機能を発揮させることができる。
次に、図3を参照しながら、サスペンションサブフレーム構造体100の左右のサスペンションサブフレーム110、110およびエクステンションフレーム130、130間に設けられた第1〜第3クロスメンバ140、150、160について説明する。
左右一対のエクステンションフレーム130、130における前端部134、134には、このエクステンションフレーム130、130の前端部134、134同士を車体幅方向に橋渡しするように略直線状に延びるフレーム状の第1クロスメンバ140が取り付けられている。
右側のサスペンションサブフレーム110とエクステンションフレーム130との接続部80、および、左側のサスペンションサブフレーム110とエクステンションフレーム130との接続部は、第2クロスメンバ150を介して互いに連結されている。
第2クロスメンバ150は、左右のエクステンションフレーム130、130間を車体幅方向に延びて連結する前辺部151と、該前辺部151の左右両端部から車体後側に延びる左右辺部152、152と、左右辺部152、152間に配置された補強フレーム153とを有する。補強フレーム153は、左右辺部152、152の後端部間を車体幅方向に延びて連結する横フレーム部154と、該横フレーム部154と前辺部151との間を車体前後方向に延びて連結する縦フレーム部155とを有している。
図5(b)に示すように、前辺部151は、車体幅方向に延びるとともに下側に開放された断面コ字状の前辺部アッパ部材156と、前辺部アッパ部材156の開放面を塞ぐプレート状のロア部材159とで構成されている。ロア部材159は、車体前後方向において前辺部アッパ部材156よりも広い幅を有し、前辺部アッパ部材156よりも後方に突出して配置されている。また、ロア部材159は、エクステンションフレーム130とサスペンションサブフレーム110とに跨がる車体前後方向領域に配置されている。
前辺部アッパ部材156は、上面部156aと、前面部156bと、後面部156cとを有している。前辺部アッパ部材156は、ロア部材159の上面159aに配置されるとともに、前面部156bが、ロア部材159の前端部159bに沿って配置されている。前面部156bおよび後面部156cの下端部が、ロア部材159の上面に接合されることによって、前辺部アッパ部材156とロア部材159との間に、車体幅方向に連続する閉断面が形成されている。
図5(c)に示すように、前辺部アッパ部材156の上面部156aは、その車体幅方向両縁部156d、156dにおいて、エクステンションフレーム130、130の上面部131a、131aに接合されている。
図5(c)および図5(d)に示すように、ロア部材159の車体幅方向の両端部159c、159cは、エクステンションフレーム130、130の下面部132a、132aと、サスペンションサブフレーム110、110の本体部111、111の下面部115a、115aとに接合されている。
図5(d)に示すように、左右辺部152、152は、前述の前辺部アッパ部材156に一体に連なる左右辺部アッパ部材157、157と、前述のロア部材159とで構成されている。左右辺部アッパ部材157は、車体前後方向に延びるように配置され、その前端部において前辺部アッパ部材156に連なっている。これにより、前辺部アッパ部材156と左右辺部アッパ部材157、157とは、全体として、平面視において車体後方側に開口するU字状に形成されている(図3参照)。
左右辺部アッパ部材157では、車体幅方向の外縁部157aに比べて、内縁部157bが低く配置されている。左右辺部アッパ部材157は、外縁部157aから内縁部157bに向かって次第に低くなる斜面部157cを有する。
左右辺部アッパ部材157、157の内縁部157b、157bは、ロア部材159の上面159aに接合され、外縁部157a、157aは、サスペンションサブフレーム110、110の本体部111、111の上面部114a、114aに接合されている。
これにより、左右辺部アッパ部材157、157と、ロア部材159と、サスペンションサブフレーム110、110の本体部111、111の内側面部114c、115cとによって、車体前後方向に連続する閉断面が形成されている。
図3に示すように、第2クロスメンバ150の左右辺部152、152は、平面視において、車体前方側に向かって次第に拡大された幅を有する。これにより、前辺部151と、左右辺部152、152との間のコーナ部に、円弧状の輪郭を有する補強部151A、151Aがそれぞれ形成されている。これにより、サスペンション装置のロアアーム60からの横力に対する剛性が高められているので、サスペンションサブフレーム110およびエクステンションフレーム130の車体幅方向内側への変形が抑制される。
前述のように、第2クロスメンバ150は、第2クロスメンバ150の左右辺部152、152の後端部間を繋ぐ横フレーム部154と、該横フレーム部154の中間部と前辺部151の中間部とを繋ぐ縦フレーム部155によって、略T字状をなす補強フレーム153を備えている。
図5(b)に示すように、横フレーム部154は、車体幅方向に延びるとともに下側に開放された断面コ字状に形成されている。一方、縦フレーム部155は、車体前後方向に延びるとともに下側に開放された断面コ字状に形成されている。
横フレーム部154は、上面部154aと、車体前方の前面部154bと、車体後方の後面部154cとを有し、後面部154cは、ロア部材159の後端部159dに沿って配置されている。横フレーム部154の前面部154bおよび後面部154cは、ロア部材159の上面に接合されている。これにより、横フレーム部154とロア部材159との間に、車体幅方向に連続する閉断面が形成されている。なお、横フレーム部154の両側部154d、154eは、それぞれ左右辺部152、152の斜面部157c、157cに接合されている(図3、4参照)。
縦フレーム部155は、上面部155aと、車体幅方向の両側面部155b、155bとを有し、両側面部155b、155bの下端部が、ロア部材159に接合されている、これにより、縦フレーム部155とロア部材159との間に、車体前後方向に連続する閉断面が形成されている。なお、縦フレーム部155の前端部155cは、前辺部151の後面部156cに接合されている。
なお、サスペンションサブフレーム110およびエクステンションフレーム130に対する第2クロスメンバ150の接合領域Zについては、後に説明する。
図3に示すように、サスペンションサブフレーム110、110の後端部113、113には、後端部113、113同士を車体幅方向に接続する第3クロスメンバ160が連結されている。第3クロスメンバ160は、車体幅方向に延びるプレート部材であり、サスペンションサブフレーム110、110の後端部113、113に複数のボルト161…161等によって、下方から固定されている。
さらに、上述のサブフレーム構造100には、図2に示すように、フロントサイドフレーム20、20への取付部として、左右のそれぞれに、前側車体取付部X1、X1と、中間車体取付部X2、X2と、後側車体取付部X3、X3との3箇所ずつ設けられており、以下それぞれについて説明する。
前側車体取付部X1は、エクステンションフレーム130の前端部134に設けられた接続部材71によって構成されている。具体的には、接続部材71は、その下部72がエクステンションフレーム130に接続されており、該接続箇所から上方に延在したタワー形状に形成されている。
さらに接続部材71は、中空箱型形状に形成されており、その車体幅方向外側部分の上面部73が、マウントブッシュ74を介してフロントサイドフレーム20のアウタパネル25の下面25aに対して締結部材75によって取り付けられている。
なお、接続部材71の縦壁状の前面76には、取り付けプレート57を介してサブクラッシュカン55が接続されている。
中間車体取付部X2は、パワートレインマウントブラケット(以下、単に「マウントブラケット」ともいう)90によって構成されている。マウントブラケット90には、パワートレイン4(図3参照)を弾性支持するためのエンジンマウント(図示せず)が収容されている。マウントブラケット90は、サスペンションサブフレーム110の本体部111に固定されている。なお、本実施形態において、マウントブラケット90は、アルミダイキャスト等の鋳造により一体成形されている。ただし、マウントブラケット90の材質はアルミニウムに限られるものでない。
マウントブラケット90には、上方に開口した収容空間を有する中空状の収容部91が設けられている。収容部91は、例えば円筒状に形成されている。収容部91には、パワートレイン4側に備えられたパワートレイン側ブラケットに接続されるマウント支持構造体が収容されている。
マウントブラケット90には、サスペンションサブフレーム構造体100に締結されるための複数の締結部92、93、94が設けられている。複数の締結部92、93、94は、マウントブラケット90の前縁部に設けられた前側締結部92と、マウントブラケット90の後縁部に設けられた後側締結部93と、車体前後方向において前側締結部92と後側締結部93との間に設けられた中間締結部94とで構成されている。
具体的に、これらの締結部92、93、94は、マウントブラケット90における収容部91の外周部91aの下端部から外側に延びる複数のフランジ部92a、93a、94aで構成されている。これらのフランジ部92a、93a、94aには、ボルト挿通孔(図示せず)が備えられており、該ボルト挿通孔に差し込まれるボルトによってサスペンションサブフレーム構造体100に締結されている。
一方、サスペンションサブフレーム110には、マウントブラケット90の前側締結部92および後側締結部93の上記のボルト挿通孔に対応する位置に、該マウントブラケット90を取り付けるためのボルト締結孔111a、111bが設けられている(図4参照)。
第2クロスメンバ150の左右辺部152には、中間締結部94のボルト挿通孔に対応する位置に、マウントブラケット90を取り付けるためのボルト締結孔152aが設けられている。なお、中間締結部94は、車体前後方向において横フレーム部154と略同一の位置で左右辺部152の後端部近傍に締結されている。これにより、マウントブラケット90が車体内側に倒れるように変位すること(所謂「内倒れ」)が抑制されている。
マウントブラケット90のボルト挿通孔およびサスペンションサブフレーム110および左右辺部152のボルト締結孔111a、111b、152aに挿通されたボルト92c、93c、94cは、サスペンションサブフレーム110および左右辺部152の下面115a、159に設けられた図示しないウェルドナットに螺合さて締め付けられる。これにより、サスペンションサブフレーム110にマウントブラケット90が締結されている。
マウントブラケット90には、収容部91の上壁面部91bの車体幅方向外縁から車体幅方向外側かつ上方に延出する張り出し部95が形成されている。張り出し部95における車体幅方向の外端部95aには、上方に突出するように柱状部95bが設けられている。この柱状部95bは、フロントサイドフレーム20における前側直線部21の後部で、アウタパネル25の下面25aにボルト95cによって取り付けられ、中間車体取付部X2を構成している。なお、中間車体取付部X2は、フロントサイドフレーム20に、ラバーブッシュ等の減衰要素を介することなく剛結合されている。
後側車体取付部X3は、図2および図3に示すように、サスペンションサブフレーム110の本体部111の後端部113の側方に設けられている。後側車体取付部X3は、上側に配置される上側プレート部材121と、下側に配置される下側プレート部材122とを有している。
上側プレート部材121および下側プレート部材122は、図4に示すように、それぞれ、サスペンションサブフレーム110の車体幅方向の外側面114b、115bと平行に延びる側縁部121a、122aと、車体後方に向かって車体幅方向外側に傾斜した方向に延びる前縁部121b、122bと、側縁部121a、122aと前縁部121b、122bの後端部を繋ぐ後縁部121c、122cとを有し、全体として平面視で略三角形状に形成されている。
上側プレート部材121と下側プレート部材122は、それぞれの後縁部121c、122cに設けられたフランジ部(図示せず)同士が溶接されることで、互いに結合されている。
上側プレート部材121の側縁部121aは、サスペンションサブフレーム110の本体部111における後部の上面114aに例えば溶接により接合され、下側プレート部材122の側縁部122aは、サスペンションサブフレーム110の本体部111における後部の下面115aに接合されている。これにより、後側車体取付部X3が、サスペンションサブフレーム110の本体部111に接合されている。
後側車体取付部X3の上側プレート部材121および下側プレート部材122には、サスペンションサブフレーム110の本体部111から車体幅方向外側に離間した位置にサスペンションサブフレーム110をフロントサイドフレーム20に締結するためのボルト挿通孔121e、122eが設けられている。
上側プレート部材121と下側プレート部材122との間には、ボルト125によってフロントサイドフレーム20に固定されるスリーブ部材124(図1参照)が介装されている。スリーブ部材124は、上側プレート部材121および下側プレート部材122を介して本体部111に接続されている。
一方、フロントサイドフレーム20の傾斜部22の後端部には、後側車体取付部X3を固定するためのブラケット26が下側から接合されている。ブラケット26の上面には、ボルト125がねじ込まれるウェルドナット(図示せず)が接合されている。
後側車体取付部X3では、下側プレート部材122のボルト挿通孔122eと、スリーブ部材124の孔(図示せず)と、上側プレート部材121のボルト挿通孔121eとに下側から差し込まれたボルト125の先端部が、ブラケット26の上記ウェルドナットに螺合されている。これにより、サスペンションサブフレーム110は、後側車体取付部X3においてフロントサイドフレーム20の下面に締結固定されている。
次に、本実施形態に係るサスペンションサブフレーム構造体100を備えた車体前方側からの衝撃荷重入力時の挙動について説明する。
まず、車体前方側からバンパレインフォースメント54に入力された衝撃荷重は、メインクラッシュカン53、53およびフロントサイドフレーム20、20を経由して車体後方側へ伝達される。また、車体前方側からサブバンパレインフォースメント58に入力された衝撃荷重は、サブクラッシュカン55、55、エクステンションフレーム130、130、およびサスペンションサブフレーム110、110の本体部111、111および後側固定部X3、X3を経由してフロントサイドフレーム20、20に伝達される。このように、本実施形態によれば、車体後方側への荷重伝達を、2系統のロードパスに分散して行うことができる。
また、車体前方側から比較的大きな衝撃荷重がバンパレインフォースメント54およびサブバンパレインフォースメント58に入力された時は、メインクラッシュカン53、53およびサブクラッシュカン55、55が潰されることで、衝撃吸収が果たされる。このクラッシュカン53、53、55、55の潰れ変形によっても吸収されない衝撃荷重は、フロントサイドフレーム20、20およびエクステンションフレーム130、130の前端部に入力され、上記2系統のロードパスを経由して車体後方に向かって伝達される。
より大きな衝撃荷重が車体前方側から入力されたときは、フロントサイドフレーム20、20およびエクステンションフレーム130、130が変形されることで、衝撃荷重が吸収される。このとき、サスペンションサブフレーム110、110は、上述した閉断面構造により荷重受け部として効果的に機能するので、エクステンションフレーム130、130の衝撃吸収機能が高められている。
以下、主として図4を参照しながら、エクステンションフレーム130およびサスペンションサブフレーム110に対する第2クロスメンバ150の接合領域Zに関して、詳細に説明する。
図4に示すように、第2クロスメンバ150の車体幅方向外側端部は、車体前後方向に連続する接合領域Zにおいて、エクステンションフレーム130およびサスペンションサブフレーム110に跨がって接合されている。
より具体的には、前述のように、第2クロスメンバ150の前辺部アッパ部材156の外縁部156dおよび左右辺部アッパ部材157の外縁部157aが、上面接合部Z1(図5(c)および図5(d)参照)として、エクステンションフレーム130における後端部133の上面部131aおよびサスペンションサブフレーム110における前端部112の上面部114aにそれぞれ接合されている。
また、第2クロスメンバ150のロア部材159の両端部159c、159cは、下面接合部Z2(図5(c)および図5(d)参照)として、エクステンションフレーム130における後端部133の下面部132aおよびサスペンションサブフレーム110における前端部112の下面部115aに接合されている。
これにより、第2クロスメンバ150は、車体前後方向に連続する接合領域Zにおいて、エクステンションフレーム130とサスペンションサブフレーム110との接続部80を車体幅方向内側から銜え込むように両フレーム110、130に接合されている。そのため、車体前方側から衝撃荷重が入力されたとき、機能が異なる両フレーム110、130間の接続部80において、特に上下方向および車体幅方向内側への折れが抑制されている。
また、接合領域Zは、エクステンションフレーム130に接合される前側接合領域としてのエクステンションフレーム側接合領域81と、サスペンションサブフレーム110に接合される後側接合領域としてのサスペンションサブフレーム側接合領域82とを有している。車体前後方向の寸法に関して、エクステンションフレーム側接合領域81は、サスペンションサブフレーム側接合領域82よりも短くなっている。
このようにエクステンションフレーム側接合領域81が必要以上に長く形成されることが回避されていることにより、車体前方からの衝撃荷重入力時におけるエクステンションフレーム130の変形が第2クロスメンバ150によって阻害されることが抑制されている。したがって、エクステンションフレーム130の衝撃吸収機能を良好に発揮することが可能となっている。
また、サスペンションサブフレーム側接合領域82が比較的長く形成されていることにより、車体前後方向の荷重に対するサスペンションサブフレーム110の強度および剛性の向上が図られている。そのため、車体前方からの衝撃荷重入力時において、サスペンションサブフレーム110が荷重受け部としての機能を良好に発揮することができ、これにより、エクステンションフレーム130が衝撃吸収機能を良好に発揮することが可能となっている。
図6の底面図に示すように、エクステンションフレーム130とサスペンションサブフレーム110との接続部80には、ロアアーム60を支持する上述の前側ブラケット63が車体幅方向外側から取り付けられている。前側ブラケット63は、車体前後方向に連続する領域Wにおいて、エクステンションフレーム130の下面部132aとサスペンションサブフレーム110の下面部115aとに跨がって接合されている。
これにより、エクステンションフレーム130とサスペンションサブフレーム110との接続部80は、車体幅方向内側においては、第2クロスメンバ150の特に左右辺部152によって補強され、車体幅方向外側においては、前側ブラケット63によって補強されている。その結果、両フレーム130、110間の接続部80における折れ変形をより効果的に抑制することができる。
また、車体幅方向外側の補強には、サスペンション関連部材である前側ブラケット63が利用されるため、補強専用部品を追加することなく補強効果の向上が果たされている。
以上のように、本発明のサスペンションサブフレーム構造によれば、車両重量の増加を抑制しつつ、エクステンションフレームとサスペンションサブフレームがそれぞれの機能を効果的に果たすことと、両フレームの接続部分における折れおよび破断を抑制することとの両立を図ることができるので、車両の車体の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
60、60 ロアアーム(サスペンション部材)
63、63 前側ブラケット(ブラケット)
81、81 エクステンション側接合領域(前側接合領域)
82、82 サスペンションサブフレーム側接合領域(後側接合領域)
100 サスペンションサブフレーム構造体
110、110 サスペンションサブフレーム
114a、114a サスペンションサブフレームの上面
115a、115a サスペンションサブフレームの下面
130、130 エクステンションフレーム
131a、131a エクステンションフレームの上面
132a、132a エクステンションフレームの下面
150 第2クロスメンバ(クロスメンバ)
Z、Z 接合領域
Z1、Z1 上面接合部
Z2、Z2 下面接合部

Claims (4)

  1. 車体前後方向に延びるように配置され、前輪のサスペンション部材を支持するサスペンションサブフレームと、
    該サスペンションサブフレームの前端から車体前方に延びるように配置され、車体前後方向の荷重に対する剛性が該サスペンションサブフレームよりも低いエクステンションフレームと、
    前記サスペンションサブフレームおよび前記エクステンションフレームよりも車体幅方向内側において、車体幅方向に延びるように配置されたクロスメンバと、を備えたサスペンションサブフレーム構造であって、
    前記クロスメンバは、車体前後方向に連続する接合領域において、前記エクステンションフレームと前記サスペンションサブフレームとに接合されていることを特徴とするサスペンションサブフレーム構造。
  2. 前記クロスメンバは、前記接合領域において前記エクステンションフレームの上面および前記サスペンションサブフレームの上面に接合された上面接合部と、前記接合領域において前記エクステンションフレームの下面および前記サスペンションサブフレームの下面に接合された下面接合部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンションサブフレーム構造。
  3. 前記接合領域は、前記エクステンションフレームに接合された前側接合領域と、前記サスペンションサブフレームに接合された後側接合領域とで構成され、
    前記前側接合領域は、前記後側接合領域よりも短いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサスペンションサブフレーム構造。
  4. 前記サスペンションサブフレームに、前記サスペンション部材を支持させるためのブラケットは、車体前後方向に連続する領域で前記エクステンションフレームと前記サスペンションサブフレームとに取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のサスペンションサブフレーム構造。
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