(衣類分離装置およびこれを備える衣類処理装置が取り得る形態の一例)
〔1〕本発明に従う衣類分離装置の一形態は、洗濯槽内の衣類を把握し、把握した衣類に絡んでいる別の衣類が前記把握した衣類から分離するように動作する分離部を備える。
上記衣類分離装置は、例えば洗濯槽内の複数の衣類の中から1つの衣類を把握し、その把握した衣類に絡んでいる別の衣類が分離するように動作する。このため、その別の衣類が分離部に把握された衣類から分離しやすい。すなわち、洗濯槽内において複数の衣類が互いに絡み合っていたとしても、上記衣類分離装置によりその複数の衣類が個別の衣類に分離されやすい。このため、ユーザーが折り畳む前に複数の衣類を個別の衣類に分離する必要が生じにくい。このように、上記衣類分離装置は洗濯に関する作業の負担を軽減することに寄与する。
〔2〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記分離部は、前記洗濯槽内の衣類を把握可能な把握部、および、前記把握部に把握された衣類に絡んでいる別の衣類が前記把握された衣類から分離するように少なくとも前記別の衣類に力を与える力付与部を含む。
〔3〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記分離部は複数の前記把握部を含む。
上記衣類分離装置によれば、各把握部により衣類が把握され、その把握された衣類に絡んでいる別の衣類に力が与えられる。このため、把握部の数が1つである場合と比較して、洗濯槽内の複数の衣類を個別の衣類に分離する作業の効率が高められる。
〔4〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記力付与部は前記把握部を振動させるアクチュエーターを含む。
上記衣類分離装置によれば、アクチュエーターが把握部を振動させることにより別の衣類に力が与えられる。すなわち、把握部の動作に起因して直接的に別の衣類に力が与えられる。このため、別の衣類に力を与えるための別の要素を備える場合と比較して、衣類分離装置の構成が簡素化される。
〔5〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記力付与部は前記把握部に把握された衣類が上下方向に移動するように前記把握部を振動させる。
把握部に把握された衣類が上下方向に移動する場合、前後方向または左右方向に移動する場合よりもその衣類に絡んでいる別の衣類に与えられる力が大きい。これは、別の衣類の重量がその力に付加されることが関係していると考えられる。このため、別の衣類が把握部に把握された衣類から一層分離しやすい。
〔6〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記力付与部は送風機を含む。
把握部の動作に起因して直接的に別の衣類に力が与えられる場合、別の衣類に与えられる力の大きさはその衣類の重量等に依存しやすい。一方、把握部の動作とは別の要素に起因して別の衣類に力が与えられる場合、別の衣類に与えられる力の大きさはその衣類の重量等に依存しにくい。上記衣類分離装置によれば、送風機により供給される風の力が別の衣類に与えられるため、安定した大きさの力が別の衣類に与えられやすい。
〔7〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記力付与部は前記把握部に対して移動可能
な移動部材を含み、前記移動部材は前記把握部から離れた第1の位置から前記把握部に把握された衣類に接触可能な第2の位置に移動可能である。
物理的な力が別の衣類に与えられる場合、その力が別の衣類に伝達されやすい。上記衣類分離装置によれば、移動部材を把握部に対して移動させることにより把握部に把握された衣類と移動部材とが接触し、その接触による物理的な力が直接的または間接的に別の衣類に与えられる。このため、別の衣類が把握部に把握された衣類から一層分離しやすい。
〔8〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記移動部材は前記洗濯槽内に衣類を搬送可能な搬送部を含む。
上記衣類分離装置は搬送部が移動部材として機能する。このため、搬送部とは別に移動部材を備える場合と比較して、衣類分離装置の構成が簡素化される。
〔9〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記分離部は前記洗濯槽内の衣類を把握可能な把握部である第1の把握部および第2の把握部を含み、前記第1の把握部および前記第2の把握部は前記別の衣類が前記把握した衣類から分離するように相対的に動作する。
上記衣類分離装置によれば、例えば洗濯槽内の複数の衣類の中から1つの衣類が第1の把握部により把握され、その衣類に絡んでいる別の衣類が第2の把握部により把握される。そして、第1の把握部および第2の把握部が相対的に動作することにより第1の把握部に把握された衣類と第2の把握部に把握された別の衣類とが引き離され、その別の衣類が第1の把握部に把握された衣類から分離する。また、第1の把握部に把握された衣類にさらに別の衣類が絡んでいる場合であっても、各把握部の動作に起因してその別の衣類が第1の把握部に把握された衣類から分離しやすい。このため、別の衣類が把握部に把握された衣類から一層分離しやすい。
〔10〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記把握部を制御する制御装置をさらに備える。
〔11〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記把握部に作用する荷重を検出する荷重検出部をさらに備え、前記制御装置は前記荷重検出部により検出された前記荷重に基づいて前記把握部を制御する。
把握部に作用する荷重が大きい場合、例えば把握部に把握された衣類が別の要素に引っかかっていることが考えられる。その場合に把握部が制御装置により制御されると、その衣類のうちの別の要素と引っかかっている部分に強い力が作用し、その部分が劣化するおそれがある。一方、上記衣類分離装置は荷重検出部により検出された荷重に基づいて把握部を制御するため、把握部に把握された衣類が劣化するおそれが低減される。
〔12〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記制御装置は前記荷重検出部により検出された前記荷重が所定の荷重以上である場合、前記把握部を停止させる。
上記衣類分離装置によれば、上記〔12〕のとおり把握部が制御装置により制御されるため、把握部に把握された衣類が劣化しにくい。
〔13〕前記衣類分離装置の一例によれば、衣類を収容する前記洗濯槽内を撮像可能な撮像装置をさらに備え、前記制御装置は前記撮像装置により撮像された情報に基づいて前記把握部を制御する。
上記衣類分離装置によれば、例えば撮像装置により撮像された情報から洗濯槽内に収容されている衣類の位置を認識できる。このため、洗濯槽内に収容されている衣類が把握部により適切に把握されやすい。
〔14〕前記衣類分離装置の一例によれば、前記制御装置は前記撮像装置により撮像された情報に基づいて前記洗濯槽内に衣類が存在すると判定した場合、前記洗濯槽内の衣類を把握するように前記把握部を制御する。
上記衣類分離装置によれば、例えば撮像装置により撮像された情報に基づいて洗濯槽内に衣類が存在するか否かが判定される。このため、上記〔14〕のとおり把握部が制御されることにより、洗濯槽内に衣類が取り残されるおそれが低減される。
〔15〕本発明に従う衣類処理装置の一形態は、前記洗濯槽と衣類を乾燥する乾燥機とを含む洗濯機と、衣類分離装置と、前記衣類分離装置により前記洗濯槽から搬出された衣類を折り畳む折畳装置とを備える。
上記衣類処理装置によれば、上記〔1〕〜〔14〕の衣類分離装置により得られる効果と実質的に同じ効果が得られる。このため、洗濯および乾燥等された複数の衣類が折畳装置により衣類毎に折り畳まれやすい。このように、上記衣類処理装置は洗濯に関する作業の負担を軽減することに寄与する。
(実施の形態)
図1は衣類処理装置1の外観である。衣類処理装置1は複数の衣類を洗濯および乾燥等し、洗濯および乾燥等された複数の衣類を衣類毎に折り畳むための装置である。衣類処理装置1は、本体ケース10、衣類投入部11、洗剤投入部12、操作部20、および、報知部30を備える。
本体ケース10の機能は複数の機械要素を収容することである。本体ケース10は例えば床等の設置面(図示略)に設置される。本体ケース10の形状は例えば長手方向および短手方向を規定可能な直方体である。
衣類投入部11は本体ケース10の内部に衣類を投入するための開口である。衣類投入部11は例えば本体ケース10の正面に形成され、複数の衣類を投入可能な程度の大きさを有する。衣類投入部11は例えば自動または手動で開閉可能なカバー(図示略)により覆われている。
洗剤投入部12は本体ケース10に収容される洗濯機40(図2参照)に洗剤を投入するための開口である。洗剤投入部12は例えば本体ケース10の正面に形成される。洗剤投入部12は例えば自動または手動で開閉可能なカバー(図示略)により覆われている。
操作部20の機能は衣類処理装置1の動作に関する情報を入力することである。操作部20は例えば本体ケース10の正面に設けられる。報知部30の機能は情報を出力することである。報知部30は例えば本体ケース10の正面に設けられる。報知部30は操作部20の操作と関連付けられた情報および衣類処理装置1の動作の異常等を出力する。
図2は衣類処理装置1の内部構造を示す。衣類処理装置1は、衣類を収容する洗濯槽70(図3参照)を含む洗濯機40、衣類を洗濯槽70に搬送可能な衣類搬送装置100、衣類を洗濯槽70から搬出可能な衣類分離装置200、および、衣類を折り畳む折畳装置400をさらに備える。
洗濯機40の機能は衣類を洗濯および乾燥等することである。洗濯機40は例えば本体ケース10(図1参照)の内面のうちの底面に相当する面に設置される。なお、洗濯機40の具体的な構成およびその動作の説明は例えば特開2006−255195号公報に開
示されているため、その説明の一部または全部を省略する。
図3は洗濯機40の内部構造を示す。洗濯機40は例えばドラム式の洗濯機である。洗濯機40は、外観を構成する本体部50、本体部50の内部に設けられる外槽部60、および、外槽部60の内部に設けられる洗濯槽70を含む。
本体部50は、ハウジング51、本体蓋52、および、給水チューブ53(図2参照)を含む。ハウジング51の機能は外槽部60および洗濯槽70を内部に収容することである。ハウジング51の形状は概ね直方体であり、その天面が湾曲している。ハウジング51の天面には開口である第1の開口51Aが形成されている。
本体蓋52の機能は第1の開口51Aを開放または閉鎖することである。本体蓋52は例えば複数の角柱が屈曲可能に連続して並べられたシート形状を有する。本体蓋52はハウジング51に対してスライド可能にハウジング51に取り付けられる。具体的には、ハウジング51に形成された一対のレール(図示略)に本体蓋52の角柱の両端部が支持されている。本体蓋52がレールに沿ってスライドするように制御されることにより、第1の開口51Aが開放または閉鎖される。なお、図3は本体蓋52により第1の開口51Aが閉鎖されている状態を示している。
図2に示される給水チューブ53の機能は水および洗剤が混合された洗浄水を外槽部60に供給することである。給水チューブ53は、水路53A、洗剤通路53B、および、洗剤貯留部(図示略)を含む。水路53Aの機能は水を外槽部60に供給することである。水路53Aは水源と外槽部60とを接続している。洗剤通路53Bの機能は水路53Aを流れる水に洗剤を供給することである。洗剤通路53Bは例えば洗剤投入部12(図1参照)と洗剤貯留部とを接続している。
洗剤貯留部の機能は洗剤投入部12から洗剤通路53Bを介して投入された洗剤を貯留することである。洗剤貯留部は例えば水路53Aに設けられ、水路53Aを流れる水に洗剤を供給する。すなわち、水路53Aを流れる水は洗剤貯留部に貯留された洗剤が混合され、それにより生成された洗浄水が水路53Aを介して外槽部60に供給される。
図3に示されるとおり、外槽部60は外槽61および外槽蓋62を含む。外槽61の機能は洗濯槽70を収容することである。外槽61の形状は概ね円柱である。外槽61は洗濯槽70を回転可能に支持している。外槽61は例えばハウジング51の内面のうちの底面に相当する面に設けられたダンパー(図示略)により支持される。ダンパーの機能は洗濯槽70の回転による振動を吸収することである。外槽61の側面には開口である第2の開口61Aが形成されている。
外槽蓋62の機能は第2の開口61Aを開放または閉鎖することである。外槽蓋62は例えば外槽61の一方の端面から他方の端面に向けて伸びる支持軸62Aまわりに回転可能に外槽61に取り付けられる。支持軸62Aは外槽蓋62に固定され、外槽61に対して回転可能に外槽61に支持されている。外槽蓋62が外槽61に対して回転するように制御されることにより、第2の開口61Aが開放または閉鎖される。なお、図3は外槽蓋62により第2の開口61Aが閉鎖されている状態を示している。
外槽蓋62の縁にはパッキン(図示略)が設けられる。パッキンの機能は給水チューブ53(図2参照)を介して外槽61に供給される洗浄水を外部に漏れにくくすることである。給水チューブ53から供給される洗浄水は外槽61に設けられた給水口(図示略)から流入して洗濯槽70に供給され、外槽61に設けられた排水口(図示略)から外部に排水される。
洗濯槽70はドラム71および一対のドラム蓋72を含む。ドラム71の機能は衣類を収容し、洗浄水により衣類を洗濯等することである。ドラム71の形状は概ね円柱である。外槽61に供給された洗浄水はドラム71の側面および端面に形成される複数の孔73を介してドラム71内に流入し、複数の孔73を介して外槽61に排水される。ドラム71の側面には開口である第3の開口71Aが形成されている。
ドラム蓋72の機能は第3の開口71Aを開放または閉鎖することである。一方のドラム蓋72は例えばドラム71の一方の端面から他方の端面に向けて伸びる第1の支持軸72Aまわりに回転可能にドラム71に取り付けられる。第1の支持軸72Aは一方のドラム蓋72に固定され、ドラム71に対して回転可能にドラム71に支持されている。他方のドラム蓋72は例えばドラム71の一方の端面から他方の端面に向けて伸びる第2の支持軸72Bまわりに回転可能にドラム71に取り付けられる。第2の支持軸72Bは他方のドラム蓋72に固定され、ドラム71に対して回転可能にドラム71に支持されている。すなわち、一対のドラム蓋72は観音開きを形成する。なお、図3はドラム蓋72により第3の開口71Aが閉鎖されている状態を示している。
ドラム蓋72は例えば外槽蓋62の動作と連動して動作可能な構成を有する。このため、外槽蓋62が外槽61に対して回転することにより各ドラム蓋72がドラム71に対して回転し、第3の開口71Aが開放または閉鎖される。第1の開口51A、第2の開口61A、および、第3の開口71Aの全部が開放されることにより、ドラム71内と外部とを連通する開口40A(図10参照)が形成される。
図4に示されるとおり、洗濯機40は、回転軸81、ドラムモーター82、および、乾燥機90をさらに含む。回転軸81の機能はドラム71を外槽61に対して回転させることである。回転軸81は第1の回転軸81Aおよび第2の回転軸81Bを含む。第1の回転軸81Aは一方の端部がドラムモーター82の出力軸と結合され、他方の端部が外槽61に回転可能に支持されるとともにドラム71の一方の端面に固定される。第2の回転軸81Bは一方の端部が外槽61に回転可能に支持され、他方の端部がドラム71の他方の端面に固定される。
ドラムモーター82は例えばブラシレス直流モーターである。ドラムモーター82が第1の方向に回転することにより第1の回転軸81Aが第1の方向に回転し、ドラム71が外槽61に対して第1の方向に回転する。ドラムモーター82が第1の方向とは反対の第2の方向に回転することにより第1の回転軸81Aが第2の方向に回転し、ドラム71が外槽61に対して第2の方向に回転する。
乾燥機90の機能は洗濯槽70に温風を供給し、ドラム71内に収容される衣類を乾燥することである。乾燥機90は例えば外槽部60の一部である風路63に設けられる。風路63の機能はドラム71内に温風を循環させることである。乾燥機90は、送風機91、ファンモーター92、および、ヒートポンプ93を含む。
送風機91の機能は風路63内の空気が循環するように風を生成することである。送風機91は例えば4枚の羽根を有する渦流ファンである。ファンモーター92の機能は送風機91を回転させることである。ファンモーター92は例えば風路63の外部に設けられ、その出力軸92Aが風路63を貫通して送風機91の回転軸91Aと結合している。ヒートポンプ93の機能は風路63内の空気を温めることである。ヒートポンプ93は例えば風路63内に流入した湿った空気に含まれる水分を結露させ、その後にその空気を温める。
ドラム71内の湿った空気が複数の孔73(図3参照)を通過して外槽61に形成される排気口64から風路63内に流入し、送風機91の回転にともないその空気が外槽61に形成される給気口65に向けて循環する。そして、風路63内を循環する過程において風路63を流れる空気がヒートポンプ93により温められ、送風機91およびヒートポンプ93により生成された温風が給気口65から流れ出る。このため、温風が複数の孔73を介してドラム71内に供給され、ドラム71内に収容された衣類が乾燥される。
図5は衣類搬送装置100の構成の一部を示す。衣類搬送装置100は、搬送部である載置台110、および、搬送支持部である載置台支持部111を含む。載置台110の機能は衣類投入部11(図1参照)から投入された衣類をドラム71(図3参照)内に搬送することである。載置台110は例えば長手方向および短手方向を規定可能な直方体の板である。載置台110は第1の載置台110Aおよび第2の載置台110Bを含む。第1の載置台110Aおよび第2の載置台110Bは互いに結合されている。
載置台支持部111の機能は載置台110に載せられた衣類である載置衣類CSが載置台110から落下してドラム71内に投入されるように載置台110を傾斜可能に支持することである。載置台支持部111は第1の載置台支持部111Aおよび第2の載置台支持部111Bを含む。各載置台支持部111A、111Bは例えば載置台110の長手方向における載置台110の底面の両端部に設けられる。すなわち、第1の載置台支持部111Aは第1の載置台110Aのうちの第2の載置台110Bとの結合部分とは反対側の端部に設けられる。第2の載置台支持部111Bは第2の載置台110Bのうちの第1の載置台110Aとの結合部分とは反対側の端部に設けられる。
図2に示されるとおり、衣類分離装置200は分離部210を含む。分離部210の機能はドラム71(図3参照)内の衣類を把握し、把握した衣類に絡んでいる別の衣類が把握した衣類から分離するように動作することである。分離部210は、把握部である第1のアーム220および第2のアーム230、ならびに、力付与部240を含む。すなわち、分離部210は複数の把握部を含む。
第1のアーム220はドラム71内の衣類を把握可能な第1の把握部として機能する。第1のアーム220は、一対の爪221、爪回転機構222、伸縮部223、および、支持台224を含む。爪221の機能は衣類を把握することである。一対の爪221は例えば爪回転機構222に支持される。
爪回転機構222の機能は一対の爪221を回転させることである。爪回転機構222は、第1の回転軸222A、第2の回転軸222B、連結部222C、および、回転板222Dを含む。連結部222Cの機能は第1の回転軸222Aおよび第2の回転軸222Bを支持することである。第1の回転軸222Aは連結部222Cに対して回転可能に連結部222Cに支持される。第2の回転軸222Bは連結部222Cに固定され、回転板222Dに対して回転可能に回転板222Dに支持される。
第1の回転軸222Aの機能は爪221同士の先端の間隔を変更することである。一対の爪221は例えば第1の回転軸222Aの回転にともなって、第1の回転軸222Aまわりに互いに反対方向に回転するように歯車等を介して第1の回転軸222Aに結合される。第1の回転軸222Aが第1の方向に回転することにより、一対の爪221が開くように爪221同士の先端の間隔が広げられる。第1の回転軸222Aが第1の方向とは反対の第2の方向に回転することにより、一対の爪221が閉じるように爪221同士の先端の間隔が狭められる。このため、第1の回転軸222Aが回転することにより、第1のアーム220が衣類を把握する強さが変更される。
第2の回転軸222Bの機能は一対の爪221の向きを変更することである。第2の回転軸222Bの回転にともなって連結部222Cが第2の回転軸222Bまわりに回転し、一対の爪221が第2の回転軸222Bまわりに一体的に回転する。このため、第2の回転軸222Bが回転することにより、回転板222Dに対する一対の爪221の角度が変更される。
回転板222Dの機能はその中心軸まわりに一対の爪221を一体的に回転させることである。回転板222Dは例えばその中心軸まわりに回転可能に伸縮部223に支持される。回転板222Dが回転することにより、一対の爪221および連結部222C等が回転板222Dの中心軸まわりに一体的に回転する。
伸縮部223の機能は一対の爪221を衣類処理装置1の上下方向に変位させることである。伸縮部223は支持台224に対して伸縮可能に支持台224に支持される。伸縮部223は、ワイヤー(図示略)、リール(図示略)、および、カバー223Aを含む。ワイヤーの機能は回転板222Dを支持台224に対して押すまたは引くことにより回転板222Dと支持台224との間隔を変更し、一対の爪221を上下方向に変位させることである。リールの機能はワイヤーを巻き取るまたは引き出すことである。リールが第1の方向に回転することによりワイヤーがリールから引き出され、一対の爪221が下方に変位する。リールが第1の方向とは反対の第2の方向に回転することによりワイヤーがリールに巻き取られ、一対の爪221が上方に変位する。カバー223Aの機能はワイヤーおよびリール等を覆うことである。カバー223Aは例えば蛇腹状に形成され、一対の爪221の変位にともない伸縮する。支持台224の機能は伸縮部223等を支持することである。
第2のアーム230はドラム71内の衣類を把握可能な第2の把握部として機能する。第2のアーム230は第1のアーム220と実質的に同じ構成を有する。第2のアーム230は、一対の爪231、爪回転機構232、伸縮部233、および、支持台234を含む。爪回転機構232は、第1の回転軸232A、第2の回転軸232B、連結部232C、および、回転板232Dを含む。伸縮部233は、ワイヤー(図示略)、リール(図示略)、および、カバー233Aを含む。
力付与部240の機能は、ドラム71内に収容された衣類のうちのアーム220、230に把握された衣類である把握衣類CHに絡んでいる別の衣類CAが把握衣類CHから分離するように少なくとも別の衣類CAに力を与えることである。力付与部240は例えば、送風機91(図4参照)、および、アーム220、230に対して移動可能な移動部材を構成する載置台110を含む。
力付与部240として機能する送風機91は、例えば回転することにより生成した風を別の衣類CAに供給する。具体的には、把握衣類CHが給気口65(図4参照)に近づけられることにより、送風機91により供給される風の力が別の衣類CAに与えられる。力付与部240として機能する載置台110は、例えばアーム220、230から離れた第1の位置から把握衣類CHに接触可能な第2の位置に移動する。このため、把握衣類CHと載置台110との接触による力が直接的または間接的に別の衣類CAに与えられる。
衣類搬送装置100は収容部120をさらに含む。収容部120の機能は衣類を収容することである。収容部120は例えば衣類処理装置1の前後方向において載置台110の後方に設けられ、本体ケース10(図1参照)の内面のうちの側面に相当する面に取り付けられる。
衣類搬送装置100および衣類分離装置200は互いに共通する構成要素として支持パ
イプ310および撮像装置320を含む。支持パイプ310の機能は衣類搬送装置100および衣類分離装置200を構成する各種の要素を支持することである。支持パイプ310は、第1の支持パイプ311、一対の第2の支持パイプ312、第3の支持パイプ313、一対の第4の支持パイプ314、および、一対の共通パイプ315を含む。
第1の支持パイプ311の機能は載置台110を支持することである。第1の支持パイプ311は衣類処理装置1の左右方向に伸びるパイプである。図5に示される一対の載置台支持部111が第1の支持パイプ311に固定されることにより、載置台110が第1の支持パイプ311に支持される。
第2の支持パイプ312の機能は衣類処理装置1の前後方向において第1の支持パイプ311を変位可能に支持することである。一対の第2の支持パイプ312は衣類処理装置1の前後方向に伸びるパイプである。第1の支持パイプ311が第2の支持パイプ312に対して変位することにより、載置台110が衣類処理装置1の前後方向に変位する。
第3の支持パイプ313の機能は衣類処理装置1の左右方向において各アーム220、230が個別に変位するように各アーム220、230を支持することである。具体的には、第1のアーム220の支持台224が衣類処理装置1の左右方向に変位可能に第3の支持パイプ313に支持され、第2のアーム230の支持台234が衣類処理装置1の左右方向に変位可能に第3の支持パイプ313に支持される。第3の支持パイプ313は衣類処理装置1の左右方向に伸びるパイプであり、第1の支持パイプ311よりも上方に設けられる。
第4の支持パイプ314の機能は衣類処理装置1の前後方向において第3の支持パイプ313を変位可能に支持することである。一対の第4の支持パイプ314は衣類処理装置1の前後方向に伸びるパイプであり、第2の支持パイプ312よりも上方に設けられる。第3の支持パイプ313が第4の支持パイプ314に対して変位することにより、各アーム220、230が衣類処理装置1の前後方向に変位する。
共通パイプ315の機能は衣類処理装置1の上下方向において第2の支持パイプ312および第4の支持パイプ314が個別に変位するように各パイプ312、314を支持することである。一対の共通パイプ315は衣類処理装置1の上下方向に伸びるパイプであり、洗濯機40の側面に固定されている。一対の第2の支持パイプ312が共通パイプ315に対して連動して変位することにより、載置台110が衣類処理装置1の上下方向に変位する。一対の第4の支持パイプ314が共通パイプ315に対して連動して変位することにより、各アーム220、230が衣類処理装置1の上下方向に変位する。
撮像装置320の機能はドラム71内および載置台110上を撮像することである。撮像装置320は例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラである。撮像装置320
は例えば本体ケース10の内面のうちの上面に相当する面に取り付けられる。撮像装置320は撮像した情報を衣類処理装置1の制御装置330(図6参照)に出力する。制御装置330は撮像装置320から入力された情報に基づいて載置台110および各アーム220、230等を制御する。
図6は衣類処理装置1の電気的な接続関係を示す。衣類搬送装置100は載置台駆動部130をさらに含む。載置台駆動部130の機能は載置台110を変位させることである。衣類分離装置200はアーム駆動部250をさらに含む。アーム駆動部250の機能は各アーム220、230を変位させることである。衣類搬送装置100および衣類分離装置200は互いに共通する構成要素として制御装置330をさらに含む。制御装置330の機能は載置台駆動部130およびアーム駆動部250等を制御することである。なお、
制御装置330は洗濯機40を構成する各種の要素も制御可能である。
載置台駆動部130は、第1の上下駆動部131、第1の前後駆動部132、および、回転駆動部133を含む。第1の上下駆動部131の機能は一対の第2の支持パイプ312を共通パイプ315に沿って変位させることにより載置台110を上下方向に変位させることである。第1の上下駆動部131は例えば一対のボールねじ(図示略)およびアクチュエーターである一対のモーター131Aを含む。ボールねじは、ねじ軸およびナットを含み、モーター131Aの出力軸の回転運動を衣類処理装置1の上下方向における並進運動に変換する。各ボールねじのねじ軸は例えば各共通パイプ315に設けられ、各ボールねじのナットは例えば各第2の支持パイプ312に設けられる。制御装置330は各モーター131Aを同期して回転させることにより載置台110を上下方向に変位させる。
第1の前後駆動部132の機能は第1の支持パイプ311を第2の支持パイプ312に沿って変位させることにより載置台110を前後方向に変位させることである。第1の前後駆動部132は例えば一対のボールねじ(図示略)およびアクチュエーターである一対のモーター132Aを含む。ボールねじは、ねじ軸およびナットを含み、モーター132Aの出力軸の回転運動を衣類処理装置1の前後方向における並進運動に変換する。各ボールねじのねじ軸は例えば各第2の支持パイプ312に設けられ、各ボールねじのナットは例えば第1の支持パイプ311の両端部に設けられる。制御装置330は各モーター132Aを同期して回転させることにより載置台110を前後方向に変位させる。
回転駆動部133の機能は載置台110を載置台支持部111に対して傾斜させることである。回転駆動部133は回転軸(図示略)およびアクチュエーターであるモーター133Aを含む。回転軸は例えば載置台110の底面に固定され、載置台支持部111に対して回転可能に一対の載置台支持部111に支持される。モーター133Aの出力軸は例えば歯車等を介して回転軸と結合している。制御装置330はモーター133Aを回転させることにより載置台110を載置台支持部111に対して傾斜させる。
アーム駆動部250は、第2の上下駆動部251、第2の前後駆動部252、および、幅駆動部253を含む。アーム駆動部250はさらに、第1の強弱用モーター254A、第1の角度用モーター254B、第1の回転用モーター254C、第1の伸縮用モーター254D、第2の強弱用モーター255A、第2の角度用モーター255B、第2の回転用モーター255C、および、第2の伸縮用モーター255Dを含む。
第2の上下駆動部251の機能は一対の第4の支持パイプ314を共通パイプ315に沿って変位させることにより各アーム220、230を上下方向に変位させることである。第2の上下駆動部251は例えば一対のボールねじ(図示略)およびアクチュエーターである一対のモーター251Aを含む。ボールねじは、ねじ軸およびナットを含み、モーター251Aの出力軸の回転運動を衣類処理装置1の上下方向における並進運動に変換する。各ボールねじのねじ軸は例えば各共通パイプ315に設けられ、各ボールねじのナットは例えば各第4の支持パイプ314に設けられる。制御装置330は各モーター251Aを同期して回転させることにより各アーム220、230を上下方向に変位させる。
第2の前後駆動部252の機能は第3の支持パイプ313を第4の支持パイプ314に沿って変位させることにより各アーム220、230を前後方向に変位させることである。第2の前後駆動部252は例えば一対のボールねじ(図示略)およびアクチュエーターである一対のモーター252Aを含む。ボールねじは、ねじ軸およびナットを含み、モーター252Aの出力軸の回転運動を衣類処理装置1の前後方向における並進運動に変換する。各ボールねじのねじ軸は例えば各第4の支持パイプ314に設けられ、各ボールねじのナットは例えば第3の支持パイプ313の両端部に設けられる。制御装置330は各モ
ーター252Aを同期して回転させることにより各アーム220、230を前後方向に変位させる。
幅駆動部253の機能は各アーム220、230を第3の支持パイプ313に沿って個別に変位させることである。幅駆動部253は、例えば一対のボールねじ(図示略)、ならびに、アクチュエーターである第1のモーター253Aおよび第2のモーター253Bを含む。ボールねじは、ねじ軸およびナットを含み、モーター253A、253Bの出力軸の回転運動を衣類処理装置1の左右方向における並進運動に変換する。
一方のボールねじのねじ軸は例えば衣類処理装置1の左右方向における第3の支持パイプ313の左側の一部に設けられる。一方のボールねじのナットは例えば第1のアーム220の支持台224に設けられる。第1のモーター253Aの出力軸は例えば一方のボールねじのねじ軸と結合している。制御装置330は第1のモーター253Aを回転させることにより第1のアーム220を左右方向に変位させる。
他方のボールねじのねじ軸は例えば衣類処理装置1の左右方向における第3の支持パイプ313の右側の一部に設けられる。他方のボールねじのナットは例えば第2のアーム230の支持台234に設けられる。第2のモーター253Bの出力軸は例えば他方のボールねじのねじ軸と結合している。制御装置330は第2のモーター253Bを回転させることにより第2のアーム230を左右方向に変位させる。すなわち、制御装置330が第1のモーター253Aおよび第2のモーター253Bの少なくとも一方を回転させることにより、第1のアーム220と第2のアーム230との幅間隔が変更される。
第1の強弱用モーター254Aの機能は第1のアーム220の爪221同士の先端の間隔を変更することにより、第1のアーム220が衣類を把握する強さを調節することである。第1の強弱用モーター254Aの出力軸は例えば第1のアーム220の第1の回転軸222Aと結合している。このため、制御装置330が第1の強弱用モーター254Aを回転させることにより第1の回転軸222Aが回転し、爪221同士の先端の間隔が変更されるとともに第1のアーム220が衣類を把握する強さが調節される。なお、第2の強弱用モーター255Aは第1の強弱用モーター254Aと実質的に同じ構成を有し、その出力軸は例えば第2のアーム230の第1の回転軸232Aと結合している。
第1の角度用モーター254Bの機能は第1のアーム220の回転板222Dに対する一対の爪221の角度を調節することである。第1の角度用モーター254Bの出力軸は例えば第1のアーム220の第2の回転軸222Bと結合している。このため、制御装置330が第1の角度用モーター254Bを回転させることにより第2の回転軸222Bが回転し、回転板222Dに対する一対の爪221の角度が調節される。なお、第2の角度用モーター255Bは第1の角度用モーター254Bと実質的に同じ構成を有し、その出力軸は例えば第2のアーム230の第2の回転軸232Bと結合している。
第1の回転用モーター254Cの機能は第1のアーム220の一対の爪221を回転板222Dの中心軸まわりに一体的に回転させることである。第1の回転用モーター254Cの出力軸は例えば回転板222Dの中心軸に設けられた回転軸(図示略)と結合している。このため、制御装置330が第1の回転用モーター254Cを回転させることによりその回転軸および回転板222Dが回転し、一対の爪221が回転板222Dの中心軸まわりに一体的に回転する。なお、第2の回転用モーター255Cは第1の回転用モーター254Cと実質的に同じ構成を有し、その出力軸は例えば第2のアーム230の回転板232Dの中心軸に設けられた回転軸(図示略)と結合している。
第1の伸縮用モーター254Dの機能は第1のアーム220の伸縮部223を伸縮させ
ることにより、一対の爪221を衣類処理装置1の上下方向に変位させることである。第1の伸縮用モーター254Dの出力軸は例えば伸縮部223のリールの回転軸と結合している。このため、制御装置330が第1の伸縮用モーター254Dを回転させることによりリールが回転し、一対の爪221が上下方向に変位する。なお、第2の伸縮用モーター255Dは第1の伸縮用モーター254Dと実質的に同じ構成を有し、その出力軸は例えば第2のアーム230のリールの回転軸と結合している。
力付与部240は第1の伸縮用モーター254Dをさらに含む。制御装置330は例えば把握衣類CHが上下方向に移動するように第1の伸縮用モーター254Dを制御することにより、第1のアーム220を振動させる。このため、第1のアーム220の振動による力が別の衣類CAに与えられる。なお、力付与部240は第2の伸縮用モーター255Dも含む。
制御装置330は例えば次の動作を実行することにより第1のアーム220に衣類を把握させる。制御装置330はまず、衣類処理装置1の上下方向における最も下方の位置であって、把握したい衣類の真上に相当する位置に第1のアーム220が配置されるように各モーター251A、252A、253Aを制御する。制御装置330は次に、第1の伸縮用モーター254Dを制御することにより第1のアーム220の爪221を衣類に近づける。制御装置330は次に、第1の回転軸222Aが第1の方向に回転するように第1の強弱用モーター254Aを制御し、一対の爪221を開く。制御装置330は次に、一対の爪221の間に衣類が配置されるように第1の伸縮用モーター254Dをさらに制御する。そして、制御装置330は第1の回転軸222Aが第2の方向に回転するように第1の強弱用モーター254Aを制御し、一対の爪221を閉じる。この動作を経て、第1のアーム220により衣類が把握される。
また、第1のアーム220により衣類が把握された後において、第1の回転軸222Aが第1の方向に回転するように第1の強弱用モーター254Aが制御されることにより、第1のアーム220から衣類が離れる。なお、第2のアーム230に衣類を把握させるための動作は第1のアーム220と実質的に同じである。
衣類搬送装置100はさらに、2つの反力検出部140および各アーム220、230を含む。反力検出部140の機能はアーム220、230が所定の強さで衣類を把握したときに爪221、231に作用する反力を検出することである。反力検出部140は例えば歪センサーである。一方の反力検出部140は例えば第1のアーム220の爪221に設けられる。他方の反力検出部140は例えば第2のアーム230の爪231に設けられる。各反力検出部140は検出した反力に関する情報を制御装置330に出力する。
制御装置330は反力検出部140から入力された情報に基づいてアーム駆動部250を制御する。具体的には、載置台110に載せられた衣類である載置衣類CSがドラム71内に投入される前において、制御装置330はアーム220、230によりその衣類を把握させる。次に、制御装置330は反力検出部140により検出された反力が所定の反力未満である場合、アーム220、230により把握された衣類を載置台110から収容部120に移動させる。一方、制御装置330は反力検出部140により検出された反力が所定の反力以上である場合、アーム220、230により把握された衣類を載置台110に残す。すなわち、制御装置330は衣類の厚みに基づいて載置衣類CSを判別する。
制御装置330は載置衣類CSの全部を判別した後、載置台110に残された載置衣類CSをドラム71内に投入させる。そして、ドラム71内に投入された衣類の全部が洗濯および乾燥を終えてドラム71から搬出された後、制御装置330は収容部120に収容された衣類をアーム220、230により載置台110に戻し、ドラム71内に投入させ
る。このように、衣類の厚みに応じて2回に分けて洗濯等することにより、洗濯および乾燥等された衣類同士を絡まりにくくする。
衣類分離装置200はさらに、2つの荷重検出部260を含む。荷重検出部260の機能はアーム220、230がドラム71内の衣類を把握して持ち上げたときにアーム220、230に作用する荷重を検出することである。荷重検出部260は例えば伸縮部223、233のワイヤーがリールに巻き取られるときにそのワイヤーにかかる荷重を検出可能な重量センサーである。一方の荷重検出部260は例えば第1のアーム220のワイヤーに設けられる。他方の荷重検出部260は例えば第2のアーム230のワイヤーに設けられる。各荷重検出部260は検出した荷重に関する情報を制御装置330に出力する。
制御装置330は各荷重検出部260から入力された情報に基づいてアーム駆動部250を制御する。具体的には、制御装置330は荷重検出部260により検出された荷重が所定の荷重以上である場合、衣類を把握しているアーム220、230が停止するようにアーム駆動部250を制御する。そして、制御装置330は異常を促す情報を報知部30に出力させる。
制御装置330は撮像装置320から入力された情報に基づいて載置台駆動部130およびアーム駆動部250を制御する。具体的には、載置衣類CSがドラム71内に投入された後において、制御装置330は撮像装置320により載置台110上を撮像させる。そして、制御装置330はその撮像された情報に基づいて載置台110上に衣類が存在すると判定した場合、ドラム71内にその衣類が投入されるように回転駆動部133を再び制御する。また、制御装置330は撮像装置320によりドラム71内を撮像させ、その撮像された情報に基づいてドラム71内に衣類が存在すると判定した場合、アーム220、230がドラム71内の衣類を把握するようにアーム駆動部250を制御する。
折畳装置400は、折畳台410、折畳駆動部420、および、制御装置330を含む。折畳台410の機能は折畳台410に載せられた衣類を折り畳むことである。折畳台410は例えば衣類処理装置1の上下方向に変位可能である。折畳駆動部420の機能は折畳台410により衣類が折り畳まれるように折畳台410を駆動することである。このため、制御装置330が折畳駆動部420を制御することにより折畳台410に載せられた衣類が折り畳まれる。なお、折畳装置400の具体的な構成およびその動作は例えば特許第5299934号公報に開示されている。
制御装置330は操作部20の操作に基づいて複数の制御を実行する。複数の制御は例えば、投入制御、洗濯乾燥制御、搬出制御、展開制御、および、折畳制御を含む。制御装置330が上記複数の制御を実行することにより、衣類投入部11から投入された複数の衣類が洗濯および乾燥等され、その後にその複数の衣類が衣類毎に折り畳まれる。
図7は制御装置330により実行される投入制御のフローチャートの一例である。制御装置330は操作部20の操作に基づいて始めに投入制御を実行する。なお、載置台110および各アーム220、230は投入制御が実行される前において互いに初期位置を取る。載置台110の初期位置は載置台110が移動可能な範囲において、例えば衣類処理装置1の上下方向における最も下方の位置であり、衣類処理装置1の前後方向における最も後方の位置である。各アーム220、230の初期位置は各アーム220、230が移動可能な範囲において、例えば衣類処理装置1の上下方向における最も上方の位置であり、衣類処理装置1の前後方向における最も後方の位置であり、衣類処理装置1の左右方向における中間の位置である。
制御装置330はステップS1において、載置台駆動部130を制御することにより載
置台110を載置位置に移動させる。載置台110の載置位置は、例えば衣類処理装置1の上下方向において衣類投入部11よりも下方の位置であって、衣類処理装置1の前後方向における最も前方の位置である。そして、衣類投入部11のカバーが開放され、衣類投入部11から複数の衣類が載置台110に載せられる。その後、衣類投入部11のカバーが閉鎖される。
制御装置330はステップS2において、衣類が載置台110に載せられたか否かを判定する。具体的には、制御装置330は例えば操作部20の操作および衣類投入部11のカバーの開閉状態に基づいて、衣類が載置台110に載せられたか否かを判定している。すなわち、制御装置330は衣類投入部11のカバーが閉鎖されるとともに操作部20が操作されることにより、衣類が載置台110に載せられたと判定する。ステップS2において、衣類が載置台110に載せられていないと判定された場合、ステップS2の処理が再び実行される。一方、ステップS2において、衣類が載置台110に載せられたと判定された場合、ステップS3の処理が実行される。
制御装置330はステップS3において、アーム駆動部250を制御することにより載置台110に載せられた衣類である載置衣類CSを各アーム220、230により所定の強さで衣類毎に把握させる。
制御装置330はステップS4において、衣類を把握したアーム220、230の爪221、231に作用する反力が所定の反力以上であるか否かを判定する。具体的には、制御装置330は衣類を把握したアーム220、230と対応する反力検出部140により検出された反力が所定の反力以上であるか否かを判定している。ステップS4において、反力検出部140により検出された反力が所定の反力以上であると判定された場合、ステップS5の処理が実行される。制御装置330はステップS5において、アーム駆動部250を制御することによりアーム220、230により把握された衣類を載置台110に残す。
一方、ステップS4において、反力検出部140により検出された反力が所定の反力未満であると判定された場合、ステップS6の処理が実行される。制御装置330はステップS6において、アーム駆動部250を制御することによりアーム220、230により把握された衣類を載置台110から収容部120に移動させる。
制御装置330はステップS7において、載置衣類CSの全部を判別し終えたか否かを判定する。具体的には、制御装置330は反力検出部140により検出された反力が所定の反力以上を維持すること、または、撮像装置320により撮像された情報等に基づいて載置衣類CSの全部を判別し終えたか否かを判定している。ステップS7において、載置衣類CSの全部を判別し終えていないと判定された場合、ステップS3の処理に戻る。ステップS7において、載置衣類CSの全部を判別し終えたと判定された場合、ステップS8の処理が実行される。
制御装置330はステップS8において、本体蓋52、外槽蓋62、および、ドラム蓋72を制御することにより各開口51A、61A、71Aの全部を開放し、洗濯機40の開口40Aを開放する。
制御装置330はステップS9において、載置台駆動部130を制御することにより載置台110を投入位置に移動させる。載置台110の投入位置は、例えば載置台110を載置台支持部111に対して傾斜させることにより、載置衣類CSが載置台110から落下してドラム71内に投入される位置である。具体的には、制御装置330は例えば衣類処理装置1の上下方向における最も下方の位置であって、衣類処理装置1の前後方向にお
ける最も後方の位置に載置台110を移動させる。
制御装置330はステップS10において、載置台駆動部130を制御することにより載置台110を載置台支持部111に対して傾斜させる。載置衣類CSは載置台110から落下し、洗濯機40の開口40Aを通過してドラム71内に投入される。
制御装置330はステップS11において、載置台支持部111に対する載置台110の傾斜を戻した後に撮像装置320により載置台110上を撮像させ、その撮像された情報に基づいて載置台110上に衣類が存在するか否かを判定する。ステップS11において、載置台110上に衣類が存在すると判定された場合、ステップS10の処理に戻る。一方、ステップS11において、載置台110上に衣類が存在しないと判定された場合、ステップS12の処理が実行される。なお、ステップS10およびステップS11の処理が所定の回数繰り返された場合、制御装置330は異常を促す情報を報知部30に出力させる。制御装置330はその異常が解除されるまで投入制御を停止する。
制御装置330はステップS12において、本体蓋52、外槽蓋62、および、ドラム蓋72を制御することにより各開口51A、61A、71Aの全部を閉鎖し、洗濯機40の開口40Aを閉鎖する。そして、制御装置330はステップS1〜ステップS12の処理を含む投入制御を終了し、洗濯乾燥制御に移行する。
制御装置330は次に洗濯乾燥制御を実行する。制御装置330はまず、ドラム71内に収容された衣類の総重量が所定の重量以上か否かを判定する。具体的には、制御装置330はドラムモーター82を第1の方向および第2の方向に複数回にわたり回転させ、そのときのドラムモーター82の負荷に基づいてドラム71内に収容されている衣類の量が適切であるか否かを判定している。ドラム71内に収容された衣類の総重量が所定の重量以上であると判定された場合、制御装置330は異常を促す情報を報知部30に出力させる。制御装置330はその異常が解除されるまで洗濯乾燥制御を停止する。一方、ドラム71内に収容された衣類の総重量が所定の重量未満であると判定された場合、次の処理が実行される。
制御装置330は次に、予め洗剤投入部12から投入されて洗剤貯留部に貯留された洗剤のうち、ドラム71内に収容された衣類の総重量に応じた量の洗剤を洗剤貯留部から水路53Aに供給させる。そして、制御装置330はドラム71内に収容された衣類の総重量に応じた量の水を洗剤とともに水路53Aを介して外槽61に供給させる。
制御装置330は次に、予め設定された条件に基づいてドラムモーター82および乾燥機90等を制御し、ドラム71内に収容された複数の衣類を洗濯、脱水、および、乾燥させる。制御装置330は乾燥工程の後半において、複数の衣類同士の絡まりをほぐすようにドラムモーター82を第1の方向および第2の方向に繰り返し回転させる。そして、制御装置330は洗濯乾燥制御を終了し、搬出制御に移行する。なお、洗濯機40による洗濯、脱水、および、乾燥等に関する各工程の具体的な動作は例えば特開2006−255195号公報に開示されている。
図8は制御装置330により実行される搬出制御のフローチャートの一例である。制御装置330は例えば洗濯乾燥制御の終了にともない洗濯機40の開口40Aを開放させ、その後に搬出制御を実行する。
制御装置330はステップS21において、撮像装置320によりドラム71内を撮像させ、その撮像された情報に基づいてドラム71内に衣類が存在するか否かを判定する。ステップS21において、ドラム71内に衣類が存在しないと判定された場合、衣類処理
装置1に関する制御を終了する。一方、ステップS21において、ドラム71内に衣類が存在すると判定された場合、ステップS22の処理が実行される。
制御装置330はステップS22において、ステップS21の処理で撮像装置320により撮像された情報からドラム71内に収容されている衣類の位置を認識し、アーム駆動部250を制御することにより対応する一方のアーム220、230を搬出位置に移動させる。アーム220、230の搬出位置は、例えば衣類処理装置1の上下方向における最も下方の位置であって、認識した衣類の真上に相当する位置である。
制御装置330はステップS23において、アーム駆動部250を制御することにより一方のアーム220、230に衣類を把握させる。
制御装置330はステップS24において、アーム駆動部250を制御することにより一方のアーム220、230により把握された衣類である把握衣類CHを持ち上げ、そのときに一方のアーム220、230に作用する荷重が所定の荷重未満であるか否かを判定する。具体的には、制御装置330は一方のアーム220、230と対応する荷重検出部260により検出された荷重が所定の荷重未満であるか否かを判定している。ステップS24において、荷重検出部260により検出された荷重が所定の荷重以上であると判定された場合、ステップS25の処理が実行される。制御装置330はステップS25において、異常を促す情報を報知部30に出力させる。そして、制御装置330は搬出制御を終了し、異常が解除された後に再び搬出制御を実行する。
一方、ステップS24において、荷重検出部260により検出された荷重が所定の荷重未満であると判定された場合、ステップS26の処理が実行される。制御装置330はステップS26において、一方のアーム220、230と対応する伸縮用モーター254D、255Dを制御することにより、把握衣類CHが上下方向に移動するように一方のアーム220、230を振動させる。これにより、把握衣類CHに別の衣類CAが絡んでいる場合に、アーム220、230の振動による力が別の衣類CAに与えられる。
制御装置330はステップS27において、把握衣類CHが外槽61の給気口65に近づくようにアーム駆動部250を制御し、ファンモーター92を制御することにより送風機91を回転させる。送風機91が回転することにより給気口65から把握衣類CHに向けて風が供給される。これにより、把握衣類CHに別の衣類CAが絡んでいる場合に、送風機91により供給される風の力が別の衣類CAに与えられる。
制御装置330はステップS28において、衣類処理装置1の上下方向において把握衣類CHと載置台110とが実質的に同じ位置を取るようにアーム駆動部250を制御する。そして、制御装置330は載置台110がアーム220、230から離れた第1の位置から把握衣類CHに接触可能な第2の位置に移動するように載置台駆動部130を制御する。これにより、把握衣類CHに別の衣類CAが絡んでいる場合に、把握衣類CHと載置台110との接触による力が直接的または間接的に別の衣類CAに与えられる。
制御装置330はステップS29において、アーム駆動部250を制御することにより衣類を把握した一方のアーム220、230に対して衣類を把握していない他方のアーム220、230を近づける。そして、制御装置330は把握衣類CHに絡んでいる別の衣類CAを他方のアーム220、230に把握させる。
制御装置330はステップS30において、幅駆動部253を制御することにより別の衣類CAが把握衣類CHから分離するように各アーム220、230を相対的に動作させる。これにより、把握衣類CHと別の衣類CAとが引き離される。そして、制御装置330は例えばアーム駆動部250を制御することにより他方のアーム220、230に把握
された別の衣類CAをドラム71内に戻す。
なお、制御装置330はステップS30において、荷重検出部260により検出された荷重が所定の荷重以上であると判定した場合、ステップS30の処理を終了する。これは、把握衣類CHに別の衣類CAが絡んでいないとき等に他方のアーム220、230により把握衣類CHが把握された場合が考えられる。
制御装置330はステップS31において、アーム駆動部250を制御することにより把握衣類CHを載置台110に載せる。このように、ドラム71内に収容されている衣類がアーム220、230によりドラム71内から搬出され、搬出された衣類が載置台110に載せられる。そして、制御装置330はステップS21〜ステップS31の処理を含む搬出制御を終了し、展開制御に移行する。
制御装置330は次に展開制御を実行する。制御装置330は例えば撮像装置320により載置台110に載せられた衣類を撮像させ、その情報に基づいて各アーム220、230により衣類が展開されるようにアーム駆動部250を制御する。そして、制御装置330は展開制御を終了し、折畳制御に移行する。
制御装置330は次に折畳制御を実行する。制御装置330はまず、アーム駆動部250を制御することにより各アーム220、230により展開された衣類を把握させ、その衣類を折畳台410に載せる。制御装置330は次に、折畳台410に載せられた衣類が折畳台410により折り畳まれるように折畳駆動部420を制御する。制御装置330は次に、折り畳まれた衣類を例えば衣類処理装置1の外部に搬送させる。そして、制御装置330は折畳制御を終了し、再び搬出制御に移行する。搬出制御のステップS21においてドラム71内に衣類が存在しないと判定されるまで、搬出制御、展開制御、および、折畳制御が繰り返し実行される。なお、展開制御および折畳制御の具体的な動作は例えば特許第5299934号公報に開示されている。
図9〜図15を参照して、衣類処理装置1の動作の一例について説明する。
衣類処理装置1を使用するユーザーは操作部20を操作することにより衣類処理装置1の電源をオンに設定する。衣類処理装置1の電源がオンに設定されることにより、制御装置330は例えば次のように点検制御を実行する。
制御装置330はまず、衣類処理装置1に搭載される各種のセンサー等の検出値と各種のセンサー等に対応する標準値とを比較する。標準値は例えば予め制御装置330のメモリに記憶されている。制御装置330はセンサー等の検出値と標準値との誤差が大きいと判定した場合、異常を促す情報を報知部30に出力させる。制御装置330はその異常が解除されるまで点検制御を停止する。一方、制御装置330はセンサー等の検出値と標準値との誤差が小さいと判定した場合、次の処理に進む。
制御装置330は次に、載置台110および各アーム220、230と基準点とを比較する。基準点は例えば本体ケース10に固定されている洗濯機40の一点である。具体的には、制御装置330は撮像装置320により載置台110、各アーム220、230、および、基準点を撮像し、載置台110と基準点との座標に基づく距離、および、各アーム220、230と基準点との座標に基づく距離が所定の範囲内であるか否かを判定している。すなわち、載置台110および各アーム220、230が初期位置に存在するか否かが判定される。
制御装置330は載置台110および各アーム220、230と基準点との距離が所定の範囲内でないと判定した場合、異常を促す情報を報知部30に出力させる。制御装置3
30はその異常が解除されるまで点検制御を停止する。一方、制御装置330は載置台110および各アーム220、230と基準点との距離が所定の範囲内であると判定した場合、点検制御を終了する。
衣類処理装置1を使用するユーザーは操作部20を操作することにより例えば洗濯に関するコース等を選択する。洗濯に関するコース等が選択されることにより、制御装置330は図9および図10に示す投入制御を実行する。なお、図9および図10は衣類処理装置1の前後方向に沿う断面図であり、衣類処理装置1を構成する要素の一部を省略している。
図9に示されるとおり、制御装置330は始めに第1の動作を実行する。すなわち、制御装置330は載置台110を載置位置に移動させる。具体的には、制御装置330はまず、第1の上下駆動部131を制御することにより載置台110を衣類投入部11の底部に沿う位置まで移動させる。制御装置330は次に、第1の前後駆動部132を制御することにより載置台110を衣類処理装置1の前後方向における最も前方の位置まで移動させる。
制御装置330により第1の動作が実行された後、ユーザーは複数の衣類を衣類投入部11から載置台110に載せる。衣類の一例はTシャツである。制御装置330は次に、各アーム220、230により所定の強さで載置台110に載せられた衣類である載置衣類CSを把握させ、反力検出部140により検出された反力に基づいて載置衣類CSを判別する。
図10に示されるとおり、制御装置330は次に第2の動作を実行する。すなわち、制御装置330は洗濯機40の開口40Aを開放し、載置台110を投入位置に移動させるとともに載置台支持部111に対して傾斜させる。具体的には、制御装置330はまず、各蓋52、62、72を制御することにより各開口51A、61A、71Aの全部を開放する。制御装置330は次に、第1の上下駆動部131を制御することにより載置台110を衣類処理装置1の上下方向における最も下方の位置まで移動させる。制御装置330は次に、第1の前後駆動部132を制御することにより載置台110を衣類処理装置1の前後方向における最も後方の位置まで移動させる。制御装置330は次に、回転駆動部133を制御することにより載置台110を載置台支持部111に対して傾斜させる。載置台110が載置台支持部111に対して傾斜することにより、載置衣類CSが載置台110から落下してドラム71内に投入される。
制御装置330は第2の動作を実行した後、撮像装置320により載置台110上を撮像させ、その撮像された情報に基づいて載置台110上に衣類が存在するか否かを判定する。そして、制御装置330は洗濯機40の開口40Aを閉鎖し、投入制御を終了する。
制御装置330は投入制御を終了した後、洗濯乾燥制御を実行する。そして、制御装置330はドラム71内に収容された複数の衣類を洗濯、脱水、および、乾燥させ、洗濯乾燥制御を終了する。
制御装置330は洗濯乾燥制御を終了した後、図11〜図15に示す搬出制御を実行する。なお、図11および図13は衣類処理装置1の前後方向に沿う断面図であり、衣類処理装置1を構成する要素の一部を省略している。図12は衣類処理装置1の左右方向に沿う断面図であり、衣類処理装置1を構成する要素の一部を省略している。図14および図15は各アーム220、230およびその周辺の拡大図であり、衣類処理装置1を構成する要素の一部を省略している。
制御装置330は始めに、撮像装置320によりドラム71内を撮像させ、その撮像された情報に基づいてドラム71内に衣類が存在するか否かを判定する。ドラム71内に衣類が存在すると判定された場合、制御装置330はその撮像された情報に基づいてその衣類の位置を認識し、対応するアーム220、230を搬出位置に移動させる。一例では、制御装置330は第1のアーム220を搬出位置に移動させる。具体的には、制御装置330はまず、第2の上下駆動部251を制御することにより第1のアーム220を衣類処理装置1の上下方向における最も下方の位置まで移動させる。制御装置330は次に、第2の前後駆動部252および幅駆動部253の第1のモーター253Aを制御することにより、第1のアーム220を認識した衣類の真上に相当する位置まで移動させる。
制御装置330は次に、第1のアーム220に衣類を把握させる。制御装置330は次に、第1のアーム220により把握された衣類である把握衣類CHを持ち上げ、そのときに第1のアーム220に対応する荷重検出部260により検出された荷重が所定の荷重未満であるか否かを判定する。
図11に示されるとおり、制御装置330は次に第3の動作を実行する。すなわち、制御装置330は把握衣類CHが上下方向に移動するように第1のアーム220を振動させる。具体的には、制御装置330はまず、第1のアーム220のリールが第2の方向に回転するように第1の伸縮用モーター254Dを制御する。制御装置330は次に、第1のアーム220のリールが第1の方向に回転するように第1の伸縮用モーター254Dを制御する。制御装置330は例えば上記第1の伸縮用モーター254Dに関する制御が短期間で複数回繰り返されるように第1の伸縮用モーター254Dを制御し、第1のアーム220を振動させる。これにより、把握衣類CHおよび把握衣類CHに絡んでいる別の衣類CA等に第1のアーム220の振動が伝達される。
図12に示されるとおり、制御装置330は次に第4の動作を実行する。すなわち、制御装置330は送風機91により供給される風を把握衣類CHに当てる。具体的には、制御装置330はまず、把握衣類CHが給気口65に近づくように各種のアーム駆動部250を制御する。制御装置330は次に、ファンモーター92を制御することにより送風機91を回転させる。これにより、把握衣類CHおよび把握衣類CHに絡んでいる別の衣類CA等に送風機91による風が供給される。
図13に示されるとおり、制御装置330は次に第5の動作を実行する。すなわち、制御装置330は把握衣類CHと載置台110とを接触させる。具体的には、制御装置330はまず、衣類処理装置1の上下方向において把握衣類CHと載置台110とが実質的に同じ位置を取るように第1の伸縮用モーター254Dを制御する。制御装置330は次に、衣類処理装置1の前後方向において第1のアーム220から離れた第1の位置から把握衣類CHに接触可能な第2の位置に載置台110が移動するように第1の前後駆動部132を制御する。制御装置330は次に、載置台110が第2の位置から第1の位置に移動するように第1の前後駆動部132を制御する。制御装置330は上記第1の前後駆動部132に関する制御を1回または複数回繰り返す。これにより、把握衣類CHおよび把握衣類CHに絡んでいる別の衣類CA等に把握衣類CHと載置台110との接触による力が伝達される。
図14に示されるとおり、制御装置330は次に第6の動作を実行する。すなわち、制御装置330は把握衣類CHに絡んでいる別の衣類CAを第2のアーム230に把握させる。具体的には、制御装置330はまず、幅駆動部253を制御することにより第1のアーム220と第2のアーム230との距離を近づける。一例では、制御装置330は幅駆動部253の第2のモーター253Bを制御することにより第2のアーム230を第1のアーム220に近づける。制御装置330は次に、衣類処理装置1の上下方向において別
の衣類CAと第2のアーム230の爪231とが実質的に同じ位置を取るように第2の伸縮用モーター255Dを制御する。制御装置330は次に、一対の爪231が支持台234に対して例えば90°傾くように第2の角度用モーター255B等を制御する。制御装置330は次に、第2のアーム230に別の衣類CAを把握させる。
図15に示されるとおり、制御装置330は次に第7の動作を実行する。すなわち、制御装置330は各アーム220、230を相対的に動作させる。具体的には、制御装置330は衣類処理装置1の左右方向において第1のアーム220と第2のアーム230との距離が離れるように幅駆動部253を制御する。一例では、制御装置330は幅駆動部253の第2のモーター253Bを制御することにより第2のアーム230を第1のアーム220から引き離す。これにより、把握衣類CHと別の衣類CAとが引き離される。
制御装置330は次に、第2のアーム230に把握された別の衣類CAである衣類をドラム71内に戻す。そして、制御装置330はアーム駆動部250を制御することにより把握衣類CHを載置台110に載せ、搬出制御を終了する。
制御装置330は搬出制御を終了した後、展開制御を実行する。制御装置330は載置台110に載せられた衣類を各アーム220、230等により展開させ、展開制御を終了する。制御装置330は展開制御を終了した後、折畳制御を実行する。制御装置330は折畳台410に載せられた衣類を折畳台410等により折り畳ませ、折畳制御を終了する。そして、制御装置330はドラム71内に収容された複数の衣類の全部が搬出されて折り畳まれるまで、搬出制御、展開制御、および、折畳制御を繰り返し実行する。
実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)衣類分離装置200は、例えばドラム71内の複数の衣類の中から1つの衣類をアーム220、230により把握し、その把握した衣類である把握衣類CHに絡んでいる別の衣類CAが把握衣類CHから分離するように動作する。このため、別の衣類CAが把握衣類CHから分離しやすい。すなわち、ドラム71内において複数の衣類が絡み合っていたとしても、その複数の衣類が個別の衣類に分離されやすい。このため、ユーザー等が折り畳む前に複数の衣類を個別の衣類に分離する必要が生じにくい。このように、衣類分離装置200は洗濯に関する作業の負担を軽減することに寄与する。
(2)衣類分離装置200によれば、衣類を把握したアーム220、230が振動するように対応する伸縮用モーター254D、255Dが制御される。すなわち、アーム220、230の動作に起因して直接的に別の衣類CAに力が与えられる。このため、別の衣類CAに力を与えるための別の要素を備える場合と比較して、衣類分離装置200の構成が簡素化される。
(3)把握衣類CHが上下方向に移動する場合、前後方向または左右方向に移動する場合よりも別の衣類CAに与えられる力が大きい。これは、別の衣類CAの重量がその力に付加されることが関係していると考えられる。衣類分離装置200によれば、把握衣類CHが上下方向に移動するようにアーム220、230を振動させるため、別の衣類CAが把握衣類CHから一層分離しやすい。
(4)アーム220、230の動作に起因して直接的に別の衣類CAに力が与えられる場合、別の衣類CAに与えられる力の大きさはその衣類CAの重量等に依存しやすい。一方、アーム220、230の動作とは別の要素に起因して別の衣類CAに力が与えられる場合、別の衣類CAに与えられる力の大きさはその衣類CAの重量等に依存しにくい。衣類分離装置200によれば、送風機91により供給される風の力が別の衣類CAに与えられるため、安定した大きさの力が別の衣類CAに与えられやすい。
(5)物理的な力が別の衣類CAに与えられる場合、その力が別の衣類CAに伝達されやすい。衣類分離装置200によれば、載置台110をアーム220、230に対して移動させることにより、把握衣類CHと載置台110との接触による物理的な力が直接的または間接的に別の衣類CAに与えられる。このため、別の衣類CAが把握衣類CHから一層分離しやすい。
(6)衣類分離装置200によれば、載置台110が移動部材として機能する。このため、載置台110とは別に移動部材を備える場合と比較して、衣類分離装置200の構成が簡素化される。
(7)衣類分離装置200によれば、ドラム71内の複数の衣類の中から1つの衣類が一方のアーム220、230に把握され、その衣類に絡んでいる別の衣類CAが他方のアーム220、230に把握される。そして、各アーム220、230が相対的に動作することにより把握衣類CHと別の衣類CAとが引き離され、その別の衣類CAが把握衣類CHから分離する。また、把握衣類CHにさらに別の衣類CAが絡んでいる場合であっても、各アーム220、230の動作に起因してその別の衣類CAが把握衣類CHから分離しやすい。このため、別の衣類CAが把握衣類CHから一層分離しやすい。
(8)アーム220、230により把握された衣類が持ち上げられたときにそのアーム220、230に作用する荷重が大きい場合、把握衣類CHがドラム71内で引っかかっていることが考えられる。その場合にアーム220、230が制御装置330により制御されると、把握衣類CHのうちの引っかかっている部分に強い力が作用し、その部分が劣化するおそれがある。一方、衣類分離装置200によれば、荷重検出部260により検出された荷重が所定の荷重以上であると判定された場合、衣類を把握しているアーム220、230が停止するように制御される。このため、把握衣類CHが劣化するおそれが低減される。
(9)衣類分離装置200によれば、撮像装置320によりドラム71内を撮像させ、その撮像された情報からドラム71内に収容されている衣類の位置が認識される。このため、ドラム71内に収容されている衣類がアーム220、230により適切に把握されやすい。
(10)衣類分離装置200によれば、撮像装置320によりドラム71内を撮像させ、その撮像された情報に基づいてドラム71内に衣類が存在すると判定した場合、対応するアーム220、230によりその衣類を把握してドラム71内から搬出させる。このため、ドラム71内に衣類が取り残されるおそれが低減される。
(11)衣類処理装置1によれば、衣類分離装置200によりドラム71内の複数の衣類を衣類毎に搬出させ、ドラム71内から搬出された衣類が折畳装置400により折り畳まれる。このため、洗濯および乾燥等された複数の衣類が衣類毎に折り畳まれやすい。このように、衣類処理装置1は洗濯に関する作業の負担を軽減することに寄与する。
(12)衣類搬送装置100によれば、載置台110に載せられた衣類である載置衣類CSが載置台110から落下してドラム71内に投入されるように載置台110を載置台支持部111に対して傾斜させる。このように、簡易な構造でドラム71内に衣類が投入されるため、衣類搬送装置100の構造が簡素化される。
(13)衣類搬送装置100によれば、撮像装置320により載置台110上を撮像させ、その撮像された情報に基づいて載置台110上に衣類が存在すると判定した場合、載
置台110を載置台支持部111に対して再び傾斜させる。このため、載置台110上に衣類が残されるおそれが低減される。
(14)衣類搬送装置100によれば、載置衣類CSをアーム220、230により所定の強さで把握させ、そのときに反力検出部140により検出された反力に基づいて載置衣類CSを判別する。制御装置330は例えば反力検出部140により検出された反力が所定の反力未満である場合にアーム220、230に把握された衣類を収容部120に移動させ、載置台110上に残した衣類とは別に洗濯させる。すなわち、制御装置330は衣類の厚みに基づいて載置衣類CSを判別し、2回に分けて洗濯させる。このため、厚みが大きく異なる衣類が同時に洗濯されず、洗濯および乾燥等された衣類同士が絡まりにくい。
(変形例)
実施の形態に関する説明は本発明に従う衣類分離装置および衣類処理装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う衣類分離装置および衣類処理装置は実施の形態以外に例えば以下に示される実施の形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
・変形例の制御装置330によれば、図7に示される投入制御の処理からステップS11の処理が省略される。
・変形例の制御装置330によれば、図8に示される搬出制御の処理からステップS24およびステップS25の処理が省略される。この場合、衣類分離装置200は荷重検出部260を省略した形態を取り得る。
・変形例の制御装置330は、図8に示されるステップS26において、衣類を把握した一方のアーム220、230と対応する各種のアーム駆動部250を制御することにより、把握衣類CHが前後方向および左右方向の少なくとも一方に移動するように一方のアーム220、230を振動させる。
・変形例の衣類分離装置200は洗濯機40の送風機91とは別の送風機を含む。この変形例によれば、制御装置330はステップS27において、別の送風機から把握衣類CHに向けて風が供給されるようにアーム駆動部250等を制御する。
・変形例の衣類分離装置200はアーム220、230に対して移動可能な移動部材をさらに含む。この変形例によれば、制御装置330はステップS28において、例えば移動部材がアーム220、230から離れた第1の位置から把握衣類CHに接触可能な第2の位置に移動するように移動部材を制御する。
・変形例の制御装置330によれば、図8に示される搬出制御の処理からステップS26、ステップS27、および、ステップS28の処理のうちの少なくとも1つの処理が省略される。
・変形例の制御装置330によれば、図8に示される搬出制御の処理からステップS29およびステップS30の処理が省略される。
・制御装置330が実行する複数の制御は任意に変更可能である。一例によれば、複数の制御は、投入制御、洗濯乾燥制御、および、搬出制御を含む。この変形例によれば、衣類処理装置1は折畳装置400を省略した形態を取り得る。別の一例によれば、複数の制御は、洗濯乾燥制御、搬出制御、展開制御、および、折畳制御を含む。この変形例によれば、衣類処理装置1は衣類搬送装置100を省略した形態を取り得る。さらに別の一例によれば、複数の制御は洗濯乾燥制御および搬出制御を含む。
・変形例の載置台110は、図16に示されるとおり互いに分離可能な第1の搬送部である第1の載置台110A、および、第2の搬送部である第2の載置台110Bを含む。第1の載置台110Aは例えば第1の回転軸112Aを介して第1の載置台支持部111Aに傾斜可能に支持される。第2の載置台110Bは例えば第2の回転軸112Bを介して第2の載置台支持部111Bに傾斜可能に支持される。各載置台支持部111A、111Bは、各載置台110A、110Bが互いに分離して傾斜することにより第1の載置台110Aと第2の載置台110Bとの間に空間Sが形成されるように対応する載置台110A、110Bを支持している。なお、第1の支持パイプ311は各載置台110A、110Bの傾斜にともない各載置台110A、110Bと接触しないように中間部分が省略されている。
回転駆動部133(図6参照)は、第1の回転軸112A、第2の回転軸112B、第1の回転軸112Aと結合される第1のモーター(図示略)、および、第2の回転軸112Bと結合される第2のモーター(図示略)を含む。制御装置330(図6参照)は各モーターを同期して回転させることにより、各載置台110A、110Bを各載置台支持部111A、111Bに対して傾斜させる。各載置台110A、110Bに載せられた衣類である載置衣類CSは、各載置台110A、110Bが互いに分離して傾斜することにより形成された空間Sから落下してドラム71(図3参照)内に投入される。
・変形例の衣類処理装置1によれば、衣類搬送装置100から収容部120が省略される。この変形例によれば、図7に示される投入制御の処理からステップS3〜ステップS7の処理が省略される。この場合、衣類搬送装置100は反力検出部140を省略した形態を取り得る。
・変形例の衣類処理装置1は撮像装置320を省略した形態を取り得る。
・変形例の第1のアーム220によれば、爪回転機構222から第2の回転軸222Bおよび回転板222Dの少なくとも一方が省略される。この場合、アーム駆動部250は対応する各種のモーター254B、254Cを省略した形態を取り得る。なお、第2のアーム230においても同様の変形が成立する。
・変形例の折畳装置400は折畳台410および折畳駆動部420に代えて、載置台110、各アーム220、230、アーム駆動部250、および、撮像装置320を含む。この変形例によれば、制御装置330は撮像装置320により載置台110上で展開された衣類を撮像させ、その撮像された情報に基づいてアーム駆動部250を制御することにより、各アーム220、230により衣類を折り畳ませる。
・変形例の衣類処理装置1はドラム式の洗濯機40に代えて、例えば縦型洗濯機を含む。この縦型洗濯機の構成は洗濯機40と実質的に同じ構成である。
・変形例の衣類搬送装置100は載置台110に代えて、載置台110と実質的に同じ機能を有する別の搬送部を含む。
・変形例の衣類分離装置200は各アーム220、230に代えて、各アーム220、230と実質的に同じ機能を有する別の把握部を含む。
・第1のアーム220の爪221の数は任意に変更可能である。一例によれば、第1のアーム220は3つ以上の爪221を含む。なお、第2のアーム230においても同様の変形が成立する。
・分離部210に含まれるアームの数は任意に変更可能である。一例によれば、分離部210は第1のアーム220および第2のアーム230に加えて、1つの以上の別のアー
ムをさらに含む。別の一例によれば、分離部210から第1のアーム220および第2のアーム230の一方が省略される。
(課題を解決するための手段に関する付記)
〔付記1〕洗濯槽内に衣類を搬送可能な搬送部と、前記搬送部に載せられた衣類が前記搬送部から落下して前記洗濯槽内に投入されるように前記搬送部を傾斜可能に支持する搬送支持部とを備える、衣類搬送装置。
〔付記2〕前記搬送部は互いに分離可能な第1の搬送部および第2の搬送部を含み、前記搬送支持部は前記第1の搬送部および前記第2の搬送部が互いに分離して傾斜することにより、前記第1の搬送部と前記第2の搬送部との間に空間が形成されるように前記第1の搬送部および前記第2の搬送部を傾斜可能に支持する、付記1に記載の衣類搬送装置。
〔付記3〕前記搬送部を前記搬送支持部に対して傾斜させるアクチュエーターと、前記アクチュエーターを制御する制御装置とをさらに備える、付記1または2に記載の衣類搬送装置。
〔付記4〕前記搬送部を撮像可能な撮像装置をさらに備え、前記制御装置は前記撮像装置により撮像された情報に基づいて前記アクチュエーターを制御する、付記3に記載の衣類搬送装置。
〔付記5〕前記制御装置は前記撮像装置により撮像された情報に基づいて前記搬送部上に衣類が存在すると判定した場合、前記洗濯槽内にその衣類が投入されるように前記アクチュエーターを制御する、付記4に記載の衣類搬送装置。
〔付記6〕衣類を把握可能なアームと、前記アームが衣類を把握したときに前記アームに作用する反力を検出する反力検出部と、衣類を収容可能な収容部とをさらに備え、前記制御装置は前記反力検出部により検出された前記反力が所定の反力未満である場合、前記アームにより把握された衣類を前記搬送部から前記収容部に移動させる、付記4または5に記載の衣類搬送装置。