JP2020041075A - 塗料組成物及び塗膜の製造方法 - Google Patents

塗料組成物及び塗膜の製造方法 Download PDF

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Junya Tsujita
隼也 辻田
理計 山内
Michikazu Yamauchi
理計 山内
田中 陽子
Yoko Tanaka
陽子 田中
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Abstract

【課題】VOC含有量を低減させ、塗料の流れ及びダレを抑え、耐溶剤性及び光沢性に優れる塗膜を形成可能な塗料組成物及び塗膜の製造方法の提供。【解決手段】塗料組成物は、アクリルポリオールと、ポリイソシアネート成分と、顔料と、を含有する塗料組成物であって、前記ポリイソシアネート成分が、脂肪族ジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートを含み、前記ポリイソシアネート成分の粘度が200mPa・s以上1,500mPa・s以下であり、不揮発分の含有量が、前記塗料組成物の総質量に対して67.5質量%以上80.0質量%以下であり、前記顔料、前記アクリルポリオール及び前記ポリイソシアネート成分の総質量に対して45質量%以上55質量%以下である。塗膜の製造方法は、塗料組成物をエアレススプレーにより被塗物上に塗装して塗膜を形成する方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物及び塗膜の製造方法に関する。
脂肪族ジイソシアネートから誘導され、且つ、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート組成物は、耐候性、耐熱性に優れるため、従来から、各種用途に幅広く使用されている。
また、近年、地球環境保護の高まりにより、塗料分野でも、大気汚染に対する環境保全、揮発性有機化合物(以下、「VOC」と略記する場合がある)含有量の低減の観点から、有機溶剤の使用量削減が急務になっており、塗料メーカーや自動車メーカー、家電メーカー等も、これに対応した塗料の開発を進めている。塗料組成物の有機溶剤を削減する方法としては、主に水系化、粉体化、ハイソリッド化が知られている。その中で、優れた耐候性、耐久性が要求される、例えば風車や橋梁、高速道路、工場プラント等の構造物や用途では、緻密な架橋が形成でき、且つ、仕上がり外観が良好で、厚塗りが可能で塗料ロスの少ないハイソリッド型ポリウレタン塗料が広く使用される可能性が高い。塗料組成物をハイソリッド化する方法としては、例えば、主剤ポリオールの不揮発成分を高め、硬化剤として使用されるポリイソシアネートを低粘度化し、塗料組成物に使用される有機溶剤の使用量を低減する技術(例えば、特許文献1参照)や、ベース塗料組成物の不揮発分の割合を高めながら粘度を低くする技術に、顔料と硬化剤としてポリイソシアネートとを配合して塗料濃度を高める技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開2003−128989号公報 特許第5074022号公報
特許文献1に記載されている技術を用いることにより、低粘度のポリイソシアネートを使用したハイソリッド塗料を得ることは可能である。
しかしながら、この技術で得られる塗料組成物の不揮発分は65質量%であり、VOC含有量を低減するには不十分である。また、トップクリア用に処方されているため、顔料配合塗料としての効果は不十分である。
特許文献2には主剤であるアクリルポリオール及びポリエステルポリオールの粘度を低く抑えて塗料組成物の不揮発分を高めるという技術が開示されているが、顔料を含有する塗料組成物の不揮発分は65質量%であり、VOC含有量を低減するには不十分である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、VOC含有量を低減させ、塗料の流れ及びダレを抑え、耐溶剤性及び光沢性に優れる塗膜を形成可能な塗料組成物及び塗膜の製造方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、鋭意研究した結果、塗料組成物において、不揮発分、特に主剤であるアクリルポリオールの含有量を特定の範囲まで高め、且つ、硬化剤であるポリイソシアネート成分の粘度を特定の範囲まで低くし、更に、顔料の質量濃度を特定の範囲とすることで、VOC含有量を低減させ、塗料の流れ及びダレを抑え、耐溶剤性及び光沢性に優れる塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係る塗料組成物は、アクリルポリオールと、ポリイソシアネート成分と、顔料と、を含有する塗料組成物であって、前記ポリイソシアネート成分が、脂肪族ジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートを含み、前記ポリイソシアネート成分の粘度が200mPa・s以上1,500mPa・s以下であり、不揮発分の含有量が、前記塗料組成物の総質量に対して67.5質量%以上80.0質量%以下であり、前記顔料の質量濃度が、前記顔料、前記アクリルポリオール及び前記ポリイソシアネート成分の総質量に対して45質量%以上55質量%以下である。
前記ポリイソシアネート成分が、イソシアヌレート基及びアロファネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリイソシアネートを含み、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が0.08以上0.25以下であってもよい。
前記ポリイソシアネート成分が、イソシアヌレート基及びウレトジオン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリイソシアネートを含み、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比が0.010以上0.40以下であってもよい。
前記塗料組成物は溶剤を含み、前記アクリルポリオールの含有量が、前記塗料組成物の総質量に対して24.5質量%以上32.5質量%以下であり、前記アクリルポリオールの水酸基価が65mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であってもよい。
本発明の第2態様に係る塗膜の製造方法は、上記第1態様に係る塗料組成物をエアレススプレーにより被塗物上に塗装して塗膜を形成する方法である。
上記態様の塗料組成物及び塗膜の製造方法によれば、VOC含有量を低減させ、塗料の流れ及びダレを抑え、耐溶剤性及び光沢性に優れる塗膜を形成可能な塗料組成物及び塗膜の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。
本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
なお、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」はメタクリルとアクリルを包含し、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートとアクリレートを包含するものとする。
また、アクリルポリオールとポリイソシアネートと顔料とが配合された塗料組成物は、遠心分離機により、条件を調整して処理することで、上記の各構成成分を分離することができる。分離された各構成成分は、例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、赤外分光法(IR)、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)、核磁気共鳴(NMR)法等により同定することができる。ポリイソシアネート成分は、13C−NMRの測定により、当該ポリイソシアネート成分におけるアロファネート/イソシアヌレート基及びウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比を求めることができる。
≪塗料組成物≫
本実施形態の塗料組成物は、アクリルポリオールと、ポリイソシアネート成分と、顔料と、を含有する塗料組成物である。
本実施形態の塗料組成物は、主剤としてアクリルポリオールを含み、硬化剤として、脂肪族ジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートを含む。
本実施形態の塗料組成物に配合されるポリイソシアネート成分の粘度は、200mPa・s以上1,500mPa・s以下である。
本実施形態の塗料組成物において、不揮発分の含有量は、塗料組成物の総質量に対して67.5質量%以上80.0質量%以下であり、68.5質量%以上80.0質量%以下が好ましく、70.0質量%以上80.0質量%以下がより好ましい。不揮発分の含有量が上記下限値以上であることで、VOC含有量を低減し、塗料の流れ及びダレをより効果的に抑えることができる。一方、不揮発分の含有量が上記上限値以下であることで、塗料を均一に塗工できなくなることをより効果的に抑制し、平滑性が減り、光沢度が下がることをより効果的に防ぐことができる。
本実施形態の塗料組成物において、顔料の質量濃度が、前記顔料、前記アクリルポリオール及び前記ポリイソシアネート成分の総質量に対して45質量%以上55質量%以下である。顔料の質量濃度が上記下限値以上であることで、より厚い塗膜を形成することができる。一方、顔料の質量濃度が上記上限値以下であることで、主剤であるアクリルポリオールと顔料との分散性を保ち、顔料の凝集や分離により塗料を均一に塗工できなくなることをより効果的に抑制し、平滑性が減り、光沢度が下がることをより効果的に防ぐことができる。
本実施形態の塗料組成物は、上記構成を有することで、VOC含有量を低減させ、塗料の流れ及びダレを抑え、耐溶剤性及び光沢性に優れる塗膜を形成することができる。
なお、本明細書において、「顔料の質量濃度」は、顔料重量濃度(Pigment Weight Concentration;PWC)ともいい、顔料、アクリルポリオール及びポリイソシアネート成分の総質量に対する顔料の質量の割合で表される。
本実施形態の塗料組成物に含まれる各構成成分について、以下に詳細を説明する。
<アクリルポリオール>
本実施形態の塗料組成物は、主剤として、アクリルポリオールを含む。
アクリルポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、一分子中に1個以上の活性水素を有する重合性モノマーのみを重合させる、又は、一分子中に1個以上の活性水素を有する重合性モノマーと、必要に応じて、当該重合性モノマーと共重合可能な他のモノマーとを、共重合させることによって得ることができる。
前記一分子中に1個以上の活性水素を有する重合性モノマーとしては、例えば、以下の(i)〜(vi)に示すものが挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(i)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等の活性水素を有するアクリル酸エステル類;
(ii)メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素を有するメタクリル酸エステル類;
(iii)グリセリンやトリメチロールプロパン等のトリオールの(メタ)アクリル酸モノエステル等の多価活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
(iv)ポリエーテルポリオール類(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等)と上記の活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類とのモノエーテル;
(v)グリシジル(メタ)アクリレートと一塩基酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸等)との付加物;
(vi)上記の活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類の活性水素にラクトン類(例えば、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクトン等)を開環重合させることにより得られる付加物
前記重合性モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、以下の(i)〜(v)に示すものが挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(i)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
(ii)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類;
(iii)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド類;
(iv)ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するビニルモノマー類;
(v)スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリルニトリル、フマル酸ジブチル等のその他の重合性モノマー
アクリルポリオールの具体的な製造方法としては、例えば、上記のモノマーを、公知の過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合し、必要に応じて有機溶剤等で希釈することによって、アクリルポリオールを得ることができる。
本実施形態の塗料組成物に使用されるアクリルポリオールは、作業性を高めるために、溶剤による希釈物であることが好ましい。当該溶剤は、アクリルポリオールの溶液重合後に残存する溶剤全量若しくは一部に由来するものであってもよく、又は、粘度を調整するために、アクリルポリオールに添加された有機溶剤等であってもよい。
アクリルポリオールの含有量(すなわち、主剤中の不揮発分の含有量)は、アクリルポリオールと溶剤との合計質量に対して(すなわち、主剤の総質量に対して)70質量%以上80質量%以下が好ましく、75質量%以上80質量%以下がより好ましい。アクリルポリオールの含有量がアクリルポリオールと溶剤との合計質量に対して上記下限値以上であることで、より効果的にVOC含有量を削減ができる。一方、アクリルポリオールの含有量がアクリルポリオールと溶剤との合計質量に対して上記上限値以下であることで、顔料との均一分散性が悪くなることをより効果的に抑制し、塗膜の平滑さ及び優れた光沢性を保持することができる。
また、アクリルポリオールの含有量は、塗料組成物の総質量に対して24.5質量%以上32.5質量%以下が好ましく、25.0質量%以上32.0質量%以下がより好ましい。アクリルポリオールの含有量が塗料組成物の総質量に対して上記下限値以上であることで、より効果的にVOC含有量を削減ができる。一方、アクリルポリオールの含有量が塗料組成物の総質量に対して上記上限値以下であることで、顔料との均一分散性が悪くなることをより効果的に抑制し、塗膜の平滑さ及び優れた光沢性を保持することができる。
アクリルポリオールの水酸基価は、65mgKOH/g以上100mgKOH/g以下が好ましく、65mgKOH/g以上90mKOH/g以下がより好ましく、65mgKOH/g以上80mgKOH/g以下がさらに好ましい。アクリルポリオールの水酸基価が上記下限値以下であることで、ポリイソシアネート成分との架橋点がより緻密な塗膜を形成することができる。一方、アクリルポリオールの水酸基価が上記上限値以下であることで、顔料との濡れ性が悪くなることをより効果的に抑制し、塗膜の平滑性及び優れた光沢性を保持することができる。
<ポリイソシアネート成分>
本実施形態の塗料組成物は、硬化剤として、ポリイソシアネート成分を含む。
ポリイソシアネート成分に含まれるポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネートから誘導されたものである。
ポリイソシアネートの原料として用いられる脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、以下に限定されるものではないが、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と略記する場合がある)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。これら脂肪族ジイソシアネートは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、ポリイソシアネートとしては、工業的入手の容易さ及びポリイソシアネート製造時の反応性の観点から、HDIを含む脂肪族ジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートが好ましい。
ポリイソシアネート成分は、脂環族ジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートを一部に含んでもよい。
脂環族ジイソシアネートとしては、以下に限定されるものではないが、炭素数8以上30以下のものが好ましく、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と略記する場合がある)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これら脂環族ジイソシアネートは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、脂環族ジイソシアネートとしては、耐候性、工業的入手の容易さの観点から、IPDIが好ましい。
ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート3分子をイソシアヌレート化反応させてなるイソシアヌレート3量体、ジイソシアネート2分子をウレトジオン化反応させてなるウレトジオン2量体、モノアルコール1分子とジイソシアネート1分子とをウレタン化反応させてなるモノウレタン体、ジオール1分子とジイソシアネート2分子とをウレタン化反応させてなるジウレタン体、ジウレタン体1分子に、ジイソシアネート1分子をアロファネート化反応させてなる化合物、ジイソシアネート2分子とモノアルコール1分子とをアロファネート化反応させてなる化合物等が挙げられる。中でも、イソシアヌレート基及びアロファネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリイソシアネートが好ましく、イソシアヌレート3量体又はジイソシアネート2分子とモノアルコール1分子とをアロファネート化反応させてなる化合物がより好ましい。ジイソシアネート2分子とモノアルコール1分子とをアロファネート化反応させてなる化合物は、分子中に1つのアロファネート基と、2つのイソシアネート基を有する。
ポリイソシアネート成分中のイソシアヌレート3量体の含有量は、特に限定されないが、55質量%以上95質量%以下が好ましく、60質量%以上95質量%以下がより好ましい。ポリイソシアネート成分中のイソシアヌレート3量体の含有量が上記下限値以上であることで、ポリイソシアネート成分の粘度をより低減することができる。一方、ポリイソシアネート成分中のイソシアヌレート3量体の含有量が上記上限値以下であることで、ポリイソシアネート成分の収率をより高く保つことができる。
ポリイソシアネート成分中のイソシアヌレート3量体の含有量は、GPCにより測定することができる。
ポリイソシアネート成分は、塗料組成物の粘度が低くなりやすいという観点から、イソシアヌレート基及びアロファネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリイソシアネートを含むことが好ましい。イソシアヌレート基及びアロファネート基が同一のポリイソシアネート分子内に存在してもよく、イソシアヌレート基及びアロファネート基が異なるポリイソシアネート分子に存在していてもよい。
アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比は0.08以上0.25以下が好ましく、0.08以上0.24以下がより好ましく、0.08以上0.23以下が特に好ましい。アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が上記上限値以下であることで、架橋性をより向上することができる。
アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比は、13C−NMRの測定によって求めることができる。具体的には後述する実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比を、上記数値範囲に制御する方法としては、例えば、ウレタン化反応を行った後に、アロファネート化反応を行う方法等が挙げられる。ウレタン化反応は、40℃以上120℃以下の温度で、15分以上15時間以下、好ましくは20分以上10時間以下の反応時間で行われる。一般に、アロファネート化反応を行う場合、副反応としてイソシアヌレート化反応を伴うことが多い。しかし、イソシアヌレート化反応は多量体を形成しやすく、得られるポリイソシアネートが高粘度化し易くなる傾向がある。従って、本実施形態では、イソシアヌレート化反応を極力抑制した条件でアロファネート化を行う。アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が上記数値範囲となる条件でアロファネート化反応を行うには、アロファネート化触媒を用いることが好ましい。好ましい触媒としては、例えば、ジルコニウムを含む化合物、ビスマスを含む化合物等が挙げられ、ジルコニウムを含む化合物が特に好ましい。アロファネート化反応は、一般に30℃以上180℃以下、好ましくは60℃以上160℃以下の温度で行われる。アロファネート化反応は、室温に冷却するか、反応停止剤を添加することにより停止できるが、アロファネート化触媒を用いる場合、反応停止剤を添加することによって停止させることが好ましい。反応停止剤としては、アロファネート化触媒を失活させるものであれば特別な限定はないが、工業的な観点から、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸、リン酸モノアルキルエステル、リン酸ジアルキルエステル等が挙げられ、ステンレスを腐食し難いことから、リン酸ジアルキルエステルが好ましい。
また、ポリイソシアネート成分は、塗料組成物の粘度が低くなりやすいという観点から、イソシアヌレート基及びウレトジオン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリイソシアネートを含むことが好ましい。イソシアヌレート基及びウレトジオン基が同一のポリイソシアネート分子内に存在してもよく、イソシアヌレート基及びウレトジオン基が異なるポリイソシアネート分子に存在していてもよい。
ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比は0.010以上0.40以下が好ましく、0.015以上0.38以下がより好ましく、0.015以上0.36以下が特に好ましい。ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比が上記下限値以上であることで、より粘度を低下させることができ、塗料のVOC含有量をより低減することができる。一方、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比が上記上限値以下であることで、架橋点の減少をより効果的に抑制し、塗膜の耐薬品性を保持することができる。
ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比は、13C−NMRの測定によって求めることができる。具体的には後述する実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比を上記数値範囲に制御する方法としては、例えば、HDIのイソシアヌレート化反応を実施した後、触媒を失活させ、その後に140℃以上160℃以下程度の温度、好ましくは145℃以上165℃以下程度の温度で、数時間程度、好ましくは1時間以上3時間以下反応させることにより制御する方法や、HDIのイソシアヌレート化反応を実施することにより得られたポリイソシアネートに、HDIに対して第3ホスフィン等のウレトジオン化触媒を添加し、20℃以上80℃以下程度の温度で、数時間から数十時間までの反応時間で反応させたポリイソシアネートを一部混合する方法等が挙げられる。
中でも、入手の容易さの観点から、前者のHDIのイソシアヌレート化反応を実施した後、触媒を失活させ、その後に140℃以上160℃以下程度の温度、好ましくは145℃以上165℃以下程度の温度で、数時間程度、好ましくは1時間以上3時間以下反応させる方法が好ましい。
なお、一般に、「イソシアヌレート基」は、3つのイソシアネート基を反応させてなる官能基であり、下記式(I)で表される基である。
一般に、「アロファネート基」は、アルコールの水酸基とイソシアネート基とを反応させてなる官能基であり、下記式(II)で表される基である。
一般に、「ウレトジオン基」は、2つのイソシアネート基を反応させてなる官能基であり、下記式(III)で示される基である。
Figure 2020041075
本実施形態の塗料組成物に含まれるポリイソシアネート成分が上記構成を有しているため、低粘度であり、主剤及び顔料との分散性に優れ、緻密な塗膜を構成するため、耐溶剤性に優れる塗膜を形成することができる。
また、ポリイソシアネート成分に含まれるポリイソシアネートは、イソシアネート基、アロファネート基及びウレトジオン基に加えて、ウレタン基、ウレア基、ビウレット基、カルボジイミド基等の官能基を有してもよい。
ポリイソシアネート成分の25℃における粘度は、200mPa・s以上1500mPa・s以下であり、200mPa・s以上1200mPa・s以下が好ましく、250mPa・s以上1000mPa・s以下がより好ましく、250mPa・s以上800mPa・s以下が特に好ましい。粘度が上記下限値以上であることで、より十分な硬化性と塗料組成物の不揮発分を高め、VOC含有量の低減を達成することができる。一方、粘度が上記上限値以下であることで、主剤のアクリルポリ―ルとの均一分散性がより良好で、塗膜の平滑性及び光沢性により優れる。
ポリイソシアネート成分の粘度は、当該ポリイソシアネート成分の不揮発性分を98質量%以上に精製した後、E型粘度計(トキメック社製)を用いることによって測定することができ、具体的には後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリイソシアネート成分中のジイソシアネートモノマー濃度は、架橋性をより向上させる観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましく、0.2質量%以下が特に好ましい。
ポリイソシアネート成分中のジイソシアネートモノマー濃度は、後述する実施例に記載のHDIモノマー質量濃度の測定方法に準じて測定することができる。
ポリイソシアネート成分のイソシアネート基の含有率(NCO含有率)の下限値は、21質量%が好ましく、22質量%がより好ましい。一方、ポリイソシアネート成分のNCO含有率の上限値は、25質量%が好ましく、24質量%がより好ましい。
すなわち、ポリイソシアネート成分のNCO含有率は、21質量%以上25質量%以下が好ましく、22質量%以上24質量%以下がより好ましい。
ポリイソシアネート成分のNCO含有率が上記下限値以上であることで、塗膜硬度等の塗膜物性がより良好となる。一方、ポリイソシアネート成分のNCO含有率が上記上限値以下であることで、ジイソシアネートモノマー濃度をより低減することができる。
NCO含有率は、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めることができる。
なお、NCO含有率は、ポリイソシアネート成分の固形分(「不揮発分」ともいう)に対する値であり、ポリイソシアネート成分の固形分は、後述する実施例に記載の不揮発分の測定方法に準じて測定することができる。
ポリイソシアネート成分中の固形分(不揮発分)の数平均分子量の下限値は、特に限定されないが、400が好ましく、430がより好ましく、460がさらに好ましく、480が特に好ましい。一方、ポリイソシアネート成分中の固形分(不揮発分)の数平均分子量の上限値は、1,000が好ましく、800がより好ましく、700がさらに好ましく、600が特に好ましい。
すなわち、ポリイソシアネート成分中の固形分(不揮発分)の数平均分子量は、400以上1,000以下が好ましく、430以上800以下がより好ましく、460以上700以下がさらに好ましく、480以上600以下が特に好ましい。
数平均分子量が上記下限値以上であることで、ポリイソシアネート成分の収率がより一層向上する傾向にある。一方、数平均分子量が上記上限値以下であることで、塗膜の光沢性がより一層向上する傾向にある。
数平均分子量は、GPCによって求めることができる。
[ポリイソシアネート成分の製造方法]
ポリイソシアネート成分に含まれるポリイソシアネートは、例えば、以下に示す方法により製造することができる。
ポリイソシアネートの原料として、脂肪族ジイソシアネート(例えば、HDI等)を用いる。
ポリイソシアネート成分に含まれるポリイソシアネートは、イソシアネート基から誘導されるイソシアヌレート基を形成するイソシアヌレート化反応、ウレトジオン基を形成するウレトジオン化反応を過剰のジイソシアネートモノマー存在下で行い、反応終了後、未反応のジイソシアネートモノマーを除去することにより得られる。また、上記の2反応を別々に実施させたものを混合することによっても得られる。入手の容易さから、上記2反応をそれぞれ逐次行う、又は、そのいくつかを並行して実施する方法が好ましい。
さらに、副原料として、アルキルモノアルコール、アルキルジオール等のアルコール等も併用することができる、ここで、アルコールを用いる場合には、上述したように、ポリイソシアネート成分におけるアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が0.08以上0.25以下の範囲となるように用いることが好ましい。
中でも、原料のHDIや上記した副原料に重合触媒を添加し、所定の重合度に到達するまで反応を進行させた後、必要に応じて未反応のHDIを除去することで、ポリイソシアネートを得る方法が好ましい。
(イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートの製造方法)
ジイソシアネートモノマーからイソシアヌレート基を含有するポリイソシアネートを誘導するための触媒としては、一般的に使用されるイソシアヌレート化反応触媒が挙げられる。
イソシアヌレート化反応触媒としては、特に限定されないが、一般に塩基性を有するものであることが好ましい。イソシアヌレート化反応触媒として具体的には、例えば、以下に示すもの等が挙げられる。
(1)テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記テトラアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩;
(2)ベンジルトリメチルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム等のアリールトリアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記アリールトリアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩;
(3)トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイド、及び、前記ヒドロキシアルキルアンモニウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、オクチル酸塩、カプリン酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩;
(4)酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、オクチル酸、カプリン酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛等の金属塩;
(5)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート;
(6)ヘキサメチレンジシラザン等のアミノシリル基含有化合物;
(7)マンニッヒ塩基類;
(8)第3級アミン類とエポキシ化合物との混合物;
(9)トリブチルホスフィン等の燐系化合物
中でも、1)、3)又は4)が好ましく、1)の有機弱酸塩がより好ましい。
上述したイソシアヌレート化反応触媒の使用量の上限値は、仕込んだイソシアネートモノマーの質量に対して、1000質量ppmであることが好ましく、500質量ppmであることがより好ましく、100質量ppmであることがさらに好ましい。一方、上述したイソシアヌレート化反応触媒の使用量の下限値は、特別な限定はないが、例えば、10質量ppmであってもよい。
イソシアヌレート化反応温度の下限値としては、50℃が好ましく、54℃が好ましく、57℃がさらに好ましく、60℃が特に好ましい。一方、イソシアヌレート化反応温度の上限値は、120℃が好ましく、100℃がより好ましく、90℃がさらに好ましく、80℃が特に好ましい。
すなわち、イソシアヌレート化反応温度としては、50℃以上120℃以下が好ましく、54℃以上100℃以下がより好ましく、57℃以上90℃以下がさらに好ましく、60℃以上80℃以下が特に好ましい。イソシアヌレート化反応温度が上記上限値以下であることによって、ポリイソシアネートの着色等の特性変化をより効果的に抑制できる傾向にある。
(アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法)
アロファネート基含有ポリイソシアネートは、ジイソシアネートモノマーにアルコールを添加し、アロファネート化反応触媒を用いることにより得られる。
アロファネート基の形成に用いられるアルコールは、炭素、水素及び酸素のみで形成されるアルコールが好ましい。
前記アルコールとして具体的には、以下に限定されるものではないが、例えば、モノアルコール、ジアルコール等が挙げられる。これらアルコールは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール等が挙げられる。
ジアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチルヘキサンジオール等が挙げられる。
中でも、アルコールとしては、モノアルコールが好ましく、分子量200以下のモノアルコールがより好ましい。
アルコールの添加量は、以下に限定されないが、アルコールの水酸基に対するジイソシアネートモノマーのイソシアネート基のモル比(NCO/アルコールのOH比)が10/1以上1000/1以下が好ましく、100/1以上1000/1以下がより好ましい。NCO/OH比が上記下限値以上であることで、イソシアネート基平均数をより確実に確保することができる。
アロファネート化反応触媒としては、以下に限定されないが、例えば、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、ジルコニウム、ジルコニル等のアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
錫のアルキルカルボン酸塩(有機錫化合物)としては、例えば、2−エチルヘキサン酸錫、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
鉛のアルキルカルボン酸塩(有機鉛化合物)としては、例えば、2−エチルヘキサン酸鉛等が挙げられる。
亜鉛のアルキルカルボン酸塩(有機亜鉛化合物)としては、例えば、2−エチルヘキサン酸亜鉛等が挙げられる。
ビスマスのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ビスマス等が挙げられる。
ジルコニウムのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム等が挙げられる。
ジルコニルのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ジルコニル等が挙げられる。これら触媒は、1種を単独又は2種以上を併用することができる。
また、後述するイソシアヌレート化反応触媒もアロファネート化反応触媒となり得る。後述するイソシアヌレート化反応触媒を用いて、アロファネート化反応を行なう場合は、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートも当然のことながら生成する。
中でも、アロファネート化反応触媒として、後述するイソシアヌレート化反応触媒を用いて、アロファネート化反応とイソシアヌレート反応とを行うことが経済的生産上、好ましい。
上述したアロファネート化反応触媒の使用量の下限値は、仕込んだジイソシアネートモノマーの質量に対して、10質量ppmが好ましい。一方、上述したアロファネート化反応触媒の使用量の上限値は、仕込んだジイソシアネートモノマーの質量に対して、10000質量ppmが好ましく、1000質量ppmがより好ましく、500質量ppmがさらに好ましい。
すなわち、上述したアロファネート化反応触媒の使用量は、仕込んだジイソシアネートモノマーの質量に対して、10質量ppm以上10000質量ppm以下が好ましく、10質量ppm以上1000質量ppm以下がより好ましく、10質量ppm以上500質量ppm以下がさらに好ましい。
また、アロファネート化反応温度の下限値としては、60℃が好ましく、70℃がより好ましく、80℃がさら好ましく、90℃が特に好ましい。一方、アロファネート化反応温度の上限値としては、160℃が好ましく、155℃がより好ましく、150℃がさらに好ましく、145℃が特に好ましい。
すなわち、アロファネート化反応温度としては、60℃以上160℃以下が好ましく、70℃以上155℃以下がより好ましく、80℃以上150℃以下がさら好ましく、90℃以上145℃以下であることが特に好ましい。
アロファネート化反応温度が上記上限値以下であることによって、ポリイソシアネートの着色等の特性変化をより効果的に抑制できる傾向にある。
また、加熱時間の下限値は、0.2時間が好ましく、0.4時間がより好ましく、0.6時間がさらに好ましく、0.8時間が特に好ましく、1.0時間が最も好ましい。一方、加熱時間の上限値は、8時間が好ましく、6時間がより好ましく、4時間がさらに好ましく、3時間が特に好ましく、2時間が最も好ましい。
すなわち、加熱時間は0.2時間以上8時間以下が好ましく、0.4時間以上6時間以下がより好ましく、0.6時間以上4時間以下がさらに好ましく、0.8時間以上3時間以下が特に好ましく、1.0時間以上2時間以下が最も好ましい。
加熱時間が上記下限値以上であることで、低粘度化をより効果的に発現できることができる。一方、加熱時間が上記上限値以下であることで、ポリイソシアネート自体の着色をより効果的に抑制することができる。
(ウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法)
ジイソシアネートモノマーからウレトジオン基を有するポリイソシアネート含有ポリイソシアネートを誘導する場合は、例えば、イソシアネートモノマーを、ウレトジオン化反応触媒を用いて、又は、熱により、多量化することによって製造することができる。
ウレトジオン化反応触媒としては、特に限定されないが、例えば、トリアルキルホスフィン、トリス(ジアルキルアミノ)ホスフィン、シクロアルキルホスフィン等の第3ホスフィン、ルイス酸等が挙げられる。
トリアルキルホスフィンとしては、例えば、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン等が挙げられる。
トリス(ジアルキルアミノ)ホスフィンとしては、例えば、トリス−(ジメチルアミノ)ホスフィン等が挙げられる。
シクロアルキルホスフィンとしては、例えば、シクロヘキシル−ジ−n−ヘキシルホスフィン等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、三フッ化ホウ素、酸塩化亜鉛等が挙げられる。
ウレトジオン化反応触媒の多くは、同時にイソシアヌレート化反応も促進しうる。
ウレトジオン化反応触媒を用いる場合には、所望の収率となった時点で、リン酸、パラトルエンスルホン酸メチル等のウレトジオン化反応触媒の失活剤を添加してウレトジオン化反応を停止することが好ましい。
上述したウレトジオン化反応触媒の使用量の下限値は、仕込んだジイソシアネートモノマーの質量に対して、10質量ppmが好ましい。一方、上述したウレトジオン化反応触媒の使用量の上限値は、仕込んだジイソシアネートモノマーの質量に対して、10000質量ppmが好ましく、1000質量ppmがより好ましく、500質量ppmがさらに好ましい。
すなわち、上述したウレトジオン化反応触媒の使用量は、仕込んだジイソシアネートモノマーの質量に対して、10質量ppm以上10000質量ppm以下が好ましく、10質量ppm以上1000質量ppm以下がより好ましく、10質量ppm以上500質量ppm以下がさらに好ましい。
また、ウレトジオン化反応温度の下限値としては、20℃が好ましく、25℃がより好ましく、30℃がさら好ましく、35℃が特に好ましい。一方、ウレトジオン化反応温度の上限値としては、120℃が好ましく、110℃がより好ましく、100℃がさらに好ましく、90℃が特に好ましい。
すなわち、ウレトジオン化反応温度としては、20℃以上120℃以下が好ましく、25℃以上110℃以下がより好ましく、30℃以上100℃以下がさら好ましく、35℃以上90℃以下が特に好ましい。
ウレトジオン化反応温度が上記上限値以下であることによって、ポリイソシアネートの着色等の特性変化をより効果的に抑制できる傾向にある。
また、ウレトジオン化反応触媒を用いることなく、ジイソシアネートモノマーを加熱してウレトジオン基含有ポリイソシアネートを製造する場合、その加熱温度の下限値は、120℃が好ましく、130℃がより好ましく、140℃がさらに好ましく、145℃が特に好ましい。一方、加熱温度の上限値は、180℃が好ましく、175℃がより好ましく、170℃がさらに好ましく、165℃が特に好ましい。
すなわち、加熱温度は、120℃以上180℃以下が好ましく、130℃以上175℃以下がより好ましく、140℃以上170℃以下がさらに好ましく、145℃以上165℃以下が特に好ましい。
また、加熱時間の下限値は、0.2時間が好ましく、0.4時間がより好ましく、0.6時間がさらに好ましく、0.8時間が特に好ましく、1.0時間が最も好ましい。一方、加熱時間の上限値は、8時間が好ましく、6時間がより好ましく、4時間がさらに好ましく、3時間が特に好ましく、2時間が最も好ましい。
すなわち、加熱時間は0.2時間以上8時間以下が好ましく、0.4時間以上6時間以下がより好ましく、0.6時間以上4時間以下がさらに好ましく、0.8時間以上3時間以下が特に好ましく、1.0時間以上2時間以下が最も好ましい。
加熱時間が上記下限値以上であることで、低粘度化をより効果的に発現できることができる。一方、加熱時間が上記上限値以下であることで、ポリイソシアネート自体の着色をより効果的に抑制することができる。
ウレトジオン化反応触媒を使用せずに、ウレトジオン基含有ポリイソシアネートを製造する場合、未反応ジイソシアネートモノマー濃度の低減、得られたポリイソシアネートの貯蔵後の分子量変化率の低減、高温焼付時の黄変性の低減の観点から、加熱のみによるウレトジオン化反応と前述したイソシアヌレート化反応が終了した後、未反応ジイソシアネートモノマーを除去することが好ましい。
前述した、イソシアヌレート化反応、アロファネート化反応、ウレトジオン化反応はそれぞれを逐次行うこともできるし、そのいくつかを並行して行うこともできる。
また、アロファネート化反応にウレトジオン反応が伴う場合には、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応とを並行して先行させ、その後、ウレトジオン化反応を行うことが好ましい。また、製造工程を簡略化できるため、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応とは共通した触媒を用いて同時に行い、その後、熱によるウレトジオン化反応を行うことがより好ましい。
重合反応が所望の重合度に達した時点で、重合反応を停止させる。
重合反応の停止は、以下に限定されないが、例えば、リン酸、酸性リン酸エステル、硫酸、塩酸、スルホン酸化合物等の酸性化合物を反応液に添加することで、重合反応触媒を中和する、又は、熱分解、化学分解等により不活性化させることで達成できる。
反応停止後、必要があれば、濾過を行う。
反応停止直後の反応液は、通常、未反応のジイソシアネートモノマーを含むため、これを薄膜蒸発缶、抽出等で除去することが好ましい。このような後処理を行うことで、反応液中に含有されるジイソシアネートモノマー濃度を1質量%以下に制御することが好ましい。
ポリイソシアネート成分におけるジイソシアネートモノマー濃度の上限値は、1.0質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、0.3質量%がさらに好ましく、0.2質量%が特に好ましい。
ジイソシアネートモノマー濃度を上記上限値以下とすることで、ポリイソシアネート成分の毒性をより一層低減でき、安全性をより向上させることができる。また、架橋性をより向上させることができる。
<顔料>
顔料としては、有機顔料であってもよく、無機顔料であってもよく、特に限定されない。
白色顔料であれば、例えば、酸化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、リトポン(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物)、二酸化チタン、沈降性硫酸バリウム、バライト粉等の無機顔料;ポリスチレン系共重合体粒子等の有機顔料等が挙げられる。黒色顔料であれば、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。赤色顔料であれば、例えば、鉛丹、酸化鉄赤等が挙げられる。黄色顔料であれば、例えば、黄鉛、亜鉛黄等が挙げられる。青色顔料であれば、例えば、ウルトラマリンブルー、フタロシアニン青等が挙げられる。緑色顔料であれば、例えば、フタロシアニン緑等が挙げられる。
<その他構成成分>
本実施形態の塗料組成物は、上記アクリルポリオール、上記ポリイソシアネート成分及び上記顔料に加えて、その他硬化剤、溶剤、硬化促進用の触媒、その他の樹脂、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤、レオロジーコントール剤、増粘剤等、当該技術分野で使用されている各種添加剤を含んでもよい。
その他硬化剤としては、例えば、完全アルキル型、メチロール型アルキル、イミノ基型アルキル等のメラミン系硬化剤等が挙げられる。
溶剤としては、水であってもよく、有機溶剤であってもよい。有機溶剤としては、特に限定されないが、水酸基及びイソシアネート基と反応する官能基を有していないことが好ましく、アクリルポリオール、ポリイソシアネート成分及び顔料と十分に相溶することが好ましい。このような有機溶剤としては、以下に限定されないが、例えば、エステル化合物、エーテル化合物、ケトン化合物、芳香族化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル系の化合物、ポリエチレングリコールジカルボキシレート系の化合物、炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤等の一般に塗料溶剤として用いられている溶剤が挙げられる。
硬化促進用の触媒の例としては、以下に限定されないが、例えば、金属塩、3級アミン類等が挙げられる。金属塩としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸亜鉛、コバルト塩等が挙げられる。3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−エンドエチレンピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン等が挙げられる。
その他樹脂としては、特に限定はないが、例えば、アクリルポリオール以外のポリオールが挙げられる。アクリルポリオール以外のポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール(ポリカプロラクトン類を含む)、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール、ポリカーボネートポリオール、エポキシ樹脂等が挙げられる。
<塗料組成物の製造方法>
本実施形態の塗料組成物の製造方法としては、例えば、上記主剤及び上記顔料、又は、それらの溶剤希釈物に、必要に応じて、その他の添加剤を加えたものに、上記ポリイソシアネート成分を添加し、必要に応じて、更に溶剤を添加して、粘度を調整した後、手攪拌又はマゼラー等の攪拌機器を用いて攪拌する方法等が挙げられる。
[NCO/OH比]
塗料組成物中において、主剤であるアクリルポリオールの水酸基に対する、ポリイソシアネート成分のイソシアネート基のモル比(NCO/OH比)は、0.2以上5.0以下が好ましく、0.4以上3.0以下がより好ましく、0.5以上2.0以下がさらに好ましい。NCO/OH比が上記下限値以上であることで、より一層強靱な塗膜が得られる傾向にある。一方、NCO/OH比が上記上限値以下であることで、塗膜の平滑性が低下することをより効果的に防ぐことができる。
≪塗膜≫
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を硬化させてなるものである。
本実施形態の塗膜は、常に、安定した品質を発現し、且つ、耐溶剤性及び光沢性に優れる塗膜である。
<塗膜の製造方法>
塗膜の製造方法としては、以下に限定されないが、例えば、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装(エアレススプレー等)、ベル塗装、静電塗装等の公知の塗装方法を用いて、上記塗料組成物を被塗物上に塗装することで、塗膜を形成させることができる。中でも、塗装方法としては、塗料組成物の不揮発分の含有量が比較的高いため、エアレススプレーが有用である。エアレススプレーにより上記塗料組成物を被塗物上に塗装することで、厚塗りが可能であり、塗料の飛散が少なく、作業環境を改善し、VOC含有量の低減することができ、作業効率を高めることができる。
被塗物としては、例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、フィルム、無機材料等が挙げられる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例に基づいてさらに詳しく説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。ここで「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
<物性の測定方法>
[物性1]粘度
粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりとした。
(回転数)
100rpm (128mPa・s未満の場合)
50rpm (128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20rpm (256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10rpm (640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5rpm (1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
なお、後述する各実施例及び各比較例で製造したポリイソシアネート成分(硬化剤)の不揮発分を以下に記載の方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定に供した。
[物性2]不揮発分の含有量
不揮発分は、塗料組成物又はアクリルポリオールを105℃、3時間加熱した場合の残存量(W2g)と、加熱前の質量(W1g)とを用いて、下記式より求めた。
不揮発分(質量%)= (W2)/(W1)×100
[物性3]アクリルポリオールの含有量
塗料組成物の総質量に対する配合したアクリルポリオールの質量の割合を算出することで、アクリルポリオールの含有量を算出した。
[物性4]NCO含有率(質量%)は、合成例で得られたポリイソシアネート中のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。
なお、合成例で得られたポリイソシアネートの不揮発分を上述した方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定に供した。
[物性5]HDIモノマー質量濃度
まず、20mLサンプル瓶をデジタル天秤に乗せ、試料を約1g精秤した。次に、ニトロベンゼン(内部標準液):0.03g以上0.04g以下を加え精秤した。さらに、酢酸エチル:約9mLを加えた後、蓋をしっかりしてよく混合し、サンプルを調整した。この調整液を以下の条件で、ガスクロマトグラフィー分析し、合成例で得られたポリイソシアネート中の残存HDIモノマーの質量濃度を定量した。
(測定条件)
装置:SHIMADZU(株)GC−8A
カラム:信和化工(株)Silicone OV−17
カラムオーブン温度:120℃
インジェクション/ディテクター温度:160℃
[物性6]各官能基のモル比
ブルカーバイオスピン社製 Avance600(商品名)を用いた、13C−NMRの測定により、アロファネート基/イソシアヌレート基及びウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比をそれぞれ求めた。具体的な測定条件は以下のとおりとした。
(測定条件)
13C−NMR装置:AVANCE600(ブルカーバイオスピン社製)
クライオプローブ:CP DUL 600S3 C/H−D−05 Z(ブルカーバイオスピン社製)
共鳴周波数:150MHz
濃度:60wt/vol%
シフト基準:CDCl(77ppm)
積算回数:10000回
パルスプログラム:zgpg30(プロトン完全デカップリング法、待ち時間2sec)
なお、上記測定においては、以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除し、その値から各モル比を求めた。
イソシアヌレート基:148.6ppm付近:積分値÷3
アロファネート基:154ppm付近:積分値÷1
ウレトジオン基:157.5ppm付近:積分値÷2
[物性7]VOC含有量
VOC含有量は、下記式により算出した。但し、塗料組成物の容積に固体物質は含まない。
VOC含有量(g/L) = (塗料組成物中の揮発成分の質量)/(塗料組成物の容積)
[物性8]顔料重量濃度(PWC)
顔料重量濃度(PWC)は、下記式により算出した。なお、顔料の質量は、顔料の不揮発分が98%以上である場合はそのままの質量の値を用いた。一方、顔料の不揮発分が98%未満である場合には、顔料の不揮発分の質量の値を用いた。
PWC(質量%) = (W3)/(W3+W4+W5)×100
上記式中、W3は、顔料の質量である。W4は、アクリルポリオールの不揮発分の質量である。W5はポリイソシアネートの質量である。
<評価方法>
[評価1]サグレジスタンステスト(塗料の流れ及びダレ評価)
水平台上で、前処理済鋼板(Gardobond26S 60OC/BASF社製)に実施例及び比較例で製造された塗料組成物を専用のくし形アプリケーター(エリクセン社製)により塗装し、ウェット膜厚の測定を行った。塗板を垂直方向に設置して、塗料の流れやダレが生じないウェット最大の膜厚をサグレジスタンスとし、以下の評価基準に従い、ウェット最大の膜厚を評価した。
(評価基準)
〇:100μm以上
△:80μm以上100μm未満
×:80μm未満
[評価2]光沢性
前処理済鋼板(Gardobond26S 60OC/BASF社製)に、実施例及び比較例で製造された塗料組成物をエアレススプレーで(スプレー圧:180bar、スプレーノズル:20°、0.009インチ)、樹脂膜厚80μmになるように塗装した。次いで、塗膜を60℃で、30分間焼き付けた後、23℃、湿度50%RHで7日間養生して、塗膜を得た。養生後の塗膜の20度、60度の光沢度を光沢度計ヘイズ−グロス(BYK社製)で測定した。なお、光沢度の測定法は、DIN67530/ISO2813に準拠して行った。得られた20度、60度の光沢度から、以下の評価基準に従い、光沢性を評価した。
(評価基準)
・20度の光沢度
〇:30以上
△:20以上30未満
×:20未満
・60度の光沢度
〇:80以上
△:60以上80未満
×:60未満
[評価3]耐溶剤性
上記「評価2」と同様の方法を用いて、各塗料組成物を硬化させてなる塗膜を得た。養生後の塗膜を備える試験片を水平に置き、ピペットを用いて試験液(キシレン、エタノール(以下、「EtOH」と略記する場合がある)、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と略記する場合がある))を試験片に0.1mLずつ滴下した。その後、シャーレで試験液を覆い、3分間経過後、流水で試験液を垂れ切りし、直ちに膨れ及び塗膜の損傷を観察した。ISO4628−1に準拠し、変化なし=0から5まで5段階で評価した。
<ポリイソシアネート成分の合成>
[合成例1]ポリイソシアネート成分P−1の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600部及びイソブタノール:2.5部を仕込み、撹拌下、反応器内温度を80℃に設定して、2時間保持した。その後、反応器に、イソシアヌレート化触媒トリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液:0.5部を加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液のNCO含有率が45.2質量%になった時点で燐酸を添加し、反応を停止した。反応液を更に160℃で、0.5時間保持した。反応液を冷却し、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去して、ポリイソシアネート成分P−1を得た。得られたポリイソシアネート成分P−1の25℃における粘度は280mPa・sであり、不揮発分は99.8質量%であり、NCO含有率は23.2質量%であり、HDIモノマー質量濃度は0.2質量%であり、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比は0.22であり、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比は0.37であった。
[合成例2]ポリイソシアネート成分P−2の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600部を仕込み、攪拌下、反応器内温度を60℃に保持した。そこに、イソシアヌレート化反応触媒であるトリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで2.5質量%に希釈した溶液:1.0部を添加し、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応を行った。反応液のNCO含有率が44.3質量%になった時点でリン酸を加えて反応を停止した。反応液を更に120℃で、0.5時間保持した。反応液を冷却し、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去して、ポリイソシアネート成分P−2を得た。得られたポリイソシアネート成分P−2の25℃における粘度は1020mPa・sであり、不揮発分は、99.9質量%であり、NCO含有率は23.0質量%であり、HDIモノマー質量濃度は0.1質量%であり、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比は0.13であり、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比は0.02であった。
[合成例3]ポリイソシアネート成分P−3の合成
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI:600部を仕込み、攪拌下、反応器内温度を60℃に保持した。そこに、イソシアヌレート化反応触媒であるトリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで2.5質量%に希釈した溶液:1.0部を添加し、アロファネート化反応及びイソシアヌレート化反応を行った。反応液のNCO含有率が30.1質量%になった時点でリン酸を加えて反応を停止した。反応液を冷却し、ろ過後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHDIを除去して、ポリイソシアネート成分P−3を得た。得られたポリイソシアネート成分P−3の25℃における粘度は2700mPa・sであり、不揮発分は99.9質量%であり、NCO含有率は21.7質量%であり、HDIモノマー質量濃度は0.1質量%であり、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比は0.05であり、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比は0.006であった。
[合成例4]ポリイソシアネート成分P−4の合成
合成例1で製造したポリイソシアネート成分P−1:52.2部と、合成例2で製造したポリイソシアネート成分P−2:47.8部と、を十分攪拌混合して、ポリイソシアネート成分P−4を得た。得られたポリイソシアネート成分P−4の25℃における粘度は630mPa・sであり、不揮発分は99.9質量%であり、NCO含有率は23.0質量%であり、HDIモノマー質量濃度は0.1質量%であり、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比は0.18であり、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比は0.20であった。
[合成例5]ポリイソシアネート成分P−5の合成
合成例1で製造したポリイソシアネート成分P−1:23.2部と、合成例2で製造したポリイソシアネート成分P−2:76.8部と、を十分攪拌混合して、ポリイソシアネート成分P−5を得た。得られたポリイソシアネート成分P−5の25℃における粘度は850mPa・sであり、不揮発分は99.9質量%であり、NCO含有率は23.0質量%であり、HDIモノマー質量濃度は0.1質量%であり、アルファネート基/イソシアヌレート基のモル比は0.15であり、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比は0.10であった。
<塗料組成物の製造>
[実施例1]塗料組成物T−a1の製造
(1)成分A(ミルベース)の作製
SUS製カップに、主剤としてアクリルポリオール(Setlux1917BA−80、Allnex社製、不揮発分80質量%、水酸基価69mgKOH/g、希釈溶剤として酢酸ブチル使用):178.8部を採取し、グラインダーで攪拌しながら、湿潤分散剤(Disperbyk−110、BYK−Chemie社製):7.3部、レオロジー改質剤(Aerosil 300、Evonik Industries社製):7.6部、顔料(Kronos 2310、Kronos社製):351.7部、及び、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:40.4部を添加した。ディスパーで5000回転/分、10分間攪拌後、サンドミルで粒径が10μm以下になるまで攪拌し、成分A(ミルベース)を得た。
(2)成分A(レットダウン)の作製
攪拌しながら(1)で作製された成分A(ミルベース):180.9部に、消泡剤(Tego FoamexN、Evonik Industries社製):4.6部、表面調整剤(BYK−320/BYK−Chemie社製):1.4部、スズ触媒(TinStabBL277/Acros Chemicals社製):1.1部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:64.0部、及び、キシレン:61.8部を添加し、ディスパーで5000回転/分、10分間攪拌して、成分A(レットダウン)を得た。
(3)成分Bの作製
ガラス製ビーカーに、硬化剤として合成例1で合成したポリイソシアネート成分P−1:71.4部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:29.0部と、を採取し、ディスパーで950回転/分、5分間攪拌し、成分Bを得た。
(4)塗料組成物T−a1の製造
(2)で作製された成分A(レットダウン)をディスパーで攪拌しながら、(3)で作製された成分Bを全量添加し、塗料組成物T−a1を得た。この塗料組成物T−a1の不揮発性成分は72.8質量%であり、VOCは431g/Lであり、PWCは50質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−a1について、上記方法を用いて評価した結果を表1に示す。
[実施例2]塗料組成物T−a2の製造
(1)主剤の調製
アクリルポリオール(Setlux1917BA―80、Allnex社製):314.7部にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:45.0部を添加し、不揮発分70質量%、水酸基価69mgKOH/gのアクリルポリオールの溶剤希釈物1を調製した。
(2)塗料組成物T−a2の製造
主剤として(1)で得られたアクリルポリオールの溶剤希釈物1:178.8部、硬化剤としてポリイソシアネート成分P−1:62.5部を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−a2を得た。この塗料組成物T−a2の不揮発性成分は68.9質量%であり、VOCは497g/Lであり、PWCは53質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−a2のサグレジスタンステスト、及び、塗料組成物T−a2から得られる塗膜の光沢性の評価結果を表1に示す。
[実施例3]塗料組成物T−a3の製造
成分(A)(レットダウン)の作製時に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:18.2部、及び、キシレン:17.6部を使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−a3を得た。この塗料組成物T−a3の不揮発性成分は80.0質量%であり、VOCは337g/Lであり、PWCは50質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−a3のサグレジスタンステスト、及び、塗料組成物T−a3から得られる塗膜の光沢性の評価結果を表1に示す。
[実施例4]塗料組成物T−a4の製造
硬化剤として、合成例2で得られたポリイソシアネート成分P−2:71.4部を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−a4を得た。この塗料組成物T−a4の不揮発性成分は72.8質量%であり、PWCは50質量%であり、VOCは431g/Lであり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−a4から得られる塗膜の耐溶剤性の評価結果を表1に示す。
[実施例5]塗料組成物T−a5の製造
硬化剤として、合成例4で得られたポリイソシアネート成分P−4:71.4部を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−a5を得た。この塗料組成物T−a5の不揮発性成分は72.8質量%であり、PWCは50質量%であり、VOCは431g/Lであり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−a5から得られる塗膜の耐溶剤性の評価結果を表1に示す。
[実施例6]塗料組成物T−a6の製造
硬化剤として、合成例5で得られたポリイソシアネート成分P−5:71.4部を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−a6を得た。この塗料組成物T−a6の不揮発性成分は72.8質量%であり、PWCは50質量%であり、VOCは431g/Lであり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−a6から得られる塗膜の耐溶剤性の評価結果を表1に示す。
[実施例7]塗料組成物T−a7の製造
(1)主剤の調製
アクリルポリオール(Setlux1917BA−80、Allnex社製):382.2部を蒸留により、希釈溶剤の酢酸ブチル:22.5部を留去し、不揮発分85質量%、水酸基価69mgKOH/gのアクリルポリオールの蒸留物を調製した。
(2)塗料組成物T−a7の製造
主剤として(1)で得られたアクリルポリオールの蒸留物:178.8部、硬化剤としてポリイソシアネート成分P−1:75.9部を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−a7を得た。この塗料組成物T−a7の不揮発性成分は74.7質量%であり、VOCは403g/Lであり、PWCは48質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−a7のサグレジスタンステスト、及び、塗料組成物T−a7から得られる塗膜の光沢性の評価結果を表1に示す。
[比較例1]塗料組成物T−b1の製造
主剤として実施例2で調製されたアクリルポリオールの溶剤希釈物:178.8部を使用し、成分A(ミルベース)の作製時に、プロピレングリコールモノメチルエーテル:27.2部を使用し、成分A(レットダウン)の作製時に、プロピレングリコールモノメチルエーテル:0.0部及びキシレン:0.0部とし、成分Bの作製時に、合成例1で得られたポリイソシアネート成分P−1:62.5部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:0.0部を使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−b1を得た。この塗料組成物T−b1の不揮発性成分は83.0質量%であり、VOCは317g/Lであり、PWCは53質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。
また、塗料組成物T−b1の粘度が高くエアスプレー塗装ができなかったため、サグレジスタンステスト及び塗膜評価試験は実施しなかった。
[比較例2]塗料組成物T−b2の製造
主剤として実施例2で調製されたアクリルポリオールの溶剤希釈物1:178.8部を使用し、硬化剤として合成例1で得られたポリイソシアネート成分P−1:62.5部を使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−b2を得た。この塗料組成物T−b2の不揮発性成分は63.0質量%であり、VOCは643g/Lであり、PWCは53質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−b2のサグレジスタンステスト、及び、塗料組成物T−b2から得られる塗膜の光沢性の評価結果を表2に示す。
[比較例3]塗料組成物T−b3の製造
(1)主剤の調製
アクリルポリオール(Setlux1917BA−80、Allnex社製):292.3部にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:67.4部を添加し、不揮発分65質量%、水酸基価69mgKOH/gのアクリルポリオールの溶剤希釈物2を調製した。
(2)塗料組成物T−b3の製造
主剤として(1)で得られたアクリルポリオールの溶剤希釈物2を使用し、硬化剤として合成例1で得られたポリイソシアネート成分P−1:58.0部を使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−b3を得た。この塗料組成物T−b3の不揮発性成分は66.9質量%であり、VOCは527g/Lであり、PWCは55質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−b3のサグレジスタンステスト、及び、塗料組成物T−b3から得られる塗膜の光沢性の評価結果を表2に示す。
[比較例4]塗料組成物T−b4の製造
(1)主剤の調製
アクリルポリオール(Setlux1917BA−80、Allnex社製):269.8部にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:89.9部を添加し、不揮発分60質量%、水酸基価69mgKOH/gのアクリルポリオールの溶剤希釈物3を調製した。
(2)塗料組成物T−b4の製造
主剤として(1)で得られたアクリルポリオールの溶剤希釈物3を使用し、硬化剤として合成例1で得られたポリイソシアネート成分P−1:53.6部を使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−b4を得た。この塗料組成物T−b4の不揮発性成分は64.9質量%であり、VOCは559g/Lであり、PWCは57質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−b4のサグレジスタンステスト、及び、塗料組成物T−b4から得られる塗膜の光沢性の評価結果を表2に示す。
[比較例5]塗料組成物T−b5の製造
成分A(レットダウン)の作製時に、プロピレングリコールモノメチルエーテル:0.0部及びキシレン:0.0部とし、成分Bの作製時に、プロピレングリコールモノメチルエーテル:11.3部とした以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−b5を得た。この塗料組成物T−b5の不揮発性成分は85.0質量%であり、VOCは264g/Lであり、PWCは50質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。
また、塗料組成物T−b5の粘度が高くエアスプレー塗装ができなかったため、サグレジスタンステスト及び塗膜評価試験は実施しなかった。
[比較例6]塗料組成物T−b6の製造
塗料組成物の製造時に、成分A(レットダウン)をスリーワンモーターで攪拌しながら成分Bを全量添加し、その後、成分Cとしてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:120.0部を配合した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−b6を得た。この塗料組成物T−b6の不揮発性成分は65.0質量%であり、VOCは522g/Lであり、PWCは50質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。 塗料組成物T−b6のサグレジスタンステスト、及び、塗料組成物T−b6から得られる塗膜の光沢性の評価結果を表2に示す。
[比較例7]塗料組成物T−b7の製造
硬化剤として合成例3で得られたポリイソシアネート成分P−3:75.7部を使用した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、塗料組成物T−b7を得た。この塗料組成物T−b7の不揮発性成分は72.9質量%であり、VOCは430g/Lであり、PWCは49質量%であり、NCO/OH比は1.1であった。塗料組成物T−b7から得られる塗膜の耐溶剤性の評価結果を表2に示す。
Figure 2020041075
Figure 2020041075
塗料組成物T−a1〜T−a7(実施例1〜7)では、サグレジスタンスに優れ、光沢性と耐溶剤性に優れる塗膜を形成可能であることが確認された。
また、使用した主剤の種類が異なる塗料組成物T−a1、T−a2及びT−a7(実施例1、2及び7)において、主剤の不揮発分の含有量が80質量%以下である塗料組成物T−a1及びT−a2(実施例1及び2)は、主剤の不揮発分の含有量が80質量%超である塗料組成物T−a7(実施例7)よりも、光沢性が特に優れていた。
また、使用した硬化剤の種類が異なる塗料組成物T−a1及びT−a4〜T−a6(実施例1及び4〜6)において、硬化剤の粘度が280mPa・sである塗料組成物T−a1(実施例1)は、硬化剤の粘度が630mPa・s以上1020mPa・s以下である塗料組成物T−a4〜T−a6(実施例4〜6)よりも、耐溶剤性が特に優れていた。
一方、表2から、塗料組成物の不揮発分が80.0質量%よりも高い塗料組成物T−b1及びT−b5(比較例1及び5)では、エアレススプレー塗液としての物性を確保することができないものと推察された。
また、塗料組成物の不揮発分が67.5質量%よりも低い塗料組成物T−b2〜T−b4及びT−b6(比較例2〜4及び6)では、塗料の流れ及びダレを抑えることできず、サグレジスタンスが改善されなかったものと推察された。また、VOC含有量も低減されていなかった。
また、硬化剤におけるアルファネート基/イソシアヌレート基のモル比が0.08未満であり、硬化剤の粘度が1500mPa・sよりも高い塗料組成物T−b7(比較例7)では、主剤及び顔料との分散性が悪くなり、緻密な塗膜が形成されず、耐溶剤性が改善されなかったものと推察された。
本実施形態の塗料組成物及び塗膜の製造方法によれば、VOC含有量を低減させ、塗料の流れ及びダレを抑え、耐溶剤性及び光沢性に優れる塗膜を形成可能な塗料組成物及び塗膜の製造方法を提供することができる。

Claims (5)

  1. アクリルポリオールと、ポリイソシアネート成分と、顔料と、を含有する塗料組成物であって、
    前記ポリイソシアネート成分が、脂肪族ジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートを含み、
    前記ポリイソシアネート成分の粘度が200mPa・s以上1,500mPa・s以下であり、
    不揮発分の含有量が、前記塗料組成物の総質量に対して67.5質量%以上80.0質量%以下であり、
    前記顔料の質量濃度が、前記顔料、前記アクリルポリオール及び前記ポリイソシアネート成分の総質量に対して45質量%以上55質量%以下である、塗料組成物。
  2. 前記ポリイソシアネート成分が、イソシアヌレート基及びアロファネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリイソシアネートを含み、
    アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が0.08以上0.25以下である、請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 前記ポリイソシアネート成分が、イソシアヌレート基及びウレトジオン基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するポリイソシアネートを含み、
    ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比が0.010以上0.40以下である、請求項1又は2に記載の塗料組成物。
  4. 前記塗料組成物は溶剤を含み、
    前記アクリルポリオールの含有量が、前記塗料組成物の総質量に対して24.5質量%以上32.5質量%以下であり、
    前記アクリルポリオールの水酸基価が65mgKOH/g以上100mgKOH/g以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗料組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗料組成物をエアレススプレーにより被塗物上に塗装して塗膜を形成する、塗膜の製造方法。
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