JP2020040139A - 加工装置及び被加工物の加工方法 - Google Patents

加工装置及び被加工物の加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020040139A
JP2020040139A JP2018167891A JP2018167891A JP2020040139A JP 2020040139 A JP2020040139 A JP 2020040139A JP 2018167891 A JP2018167891 A JP 2018167891A JP 2018167891 A JP2018167891 A JP 2018167891A JP 2020040139 A JP2020040139 A JP 2020040139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
workpiece
holding surface
chuck table
holding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018167891A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7134565B2 (ja
Inventor
小林 真
Makoto Kobayashi
真 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Disco Corp
Original Assignee
Disco Abrasive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Disco Abrasive Systems Ltd filed Critical Disco Abrasive Systems Ltd
Priority to JP2018167891A priority Critical patent/JP7134565B2/ja
Publication of JP2020040139A publication Critical patent/JP2020040139A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7134565B2 publication Critical patent/JP7134565B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】被加工物を適切に保持しつつチャックテーブルの保持面の形状を修正可能な加工装置を提供する。【解決手段】被加工物11を保持面14aで保持するチャックテーブル14と、保持面で保持された被加工物を加工する加工ユニットと、を備え、保持面を加工ユニットで削ることにより保持面の形状を修正可能な加工装置であって、チャックテーブルは、保持面で被加工物を吸引する吸引面50aと、保持面と被加工物の外周部との隙間を埋めるシールユニット60と、を有し、シールユニットは、吸引面を囲繞し被加工物の外周部に対応してチャックテーブルの保持面側に形成された溝にはめ込まれたチューブ62と、チューブの内部の圧力を制御することによりチューブの形状を制御し、チューブの上端が溝から突出した状態と、チューブが溝に埋没した状態と、を切り替えるチューブ形状制御ユニット64と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、被加工物を保持するチャックテーブルの保持面の形状を修正可能な加工装置、及び、該加工装置を用いた被加工物の加工方法に関する。
IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等のデバイスが形成された半導体ウェーハを分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。また、基板上に実装された複数のデバイスチップを樹脂でなる封止材(モールド樹脂)で被覆することによって得られたパッケージ基板を分割することにより、パッケージデバイスが製造される。このパッケージデバイスは、携帯電話やパーソナルコンピュータに代表される様々な電子機器に内蔵される。
近年、電子機器の小型化、薄型化に伴い、デバイスチップやパッケージデバイスにも薄型化が求められている。そこで、分割前の半導体ウェーハやパッケージ基板を薄く加工する手法が用いられている。半導体ウェーハやパッケージ基板等の被加工物を薄くする加工には、被加工物をバイト工具で切削するバイト切削装置や、被加工物を研削砥石で研削する研削装置などの加工装置が用いられる。
上記の加工装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物を加工する工具(加工工具)が装着される加工ユニットとを備える。チャックテーブルの保持面上に被加工物を配置した状態で、該保持面に負圧を作用させることにより、被加工物が吸引保持される。
加工装置を用いる際には、チャックテーブルの保持面を加工工具によって加工し、保持面の形状を修正する作業が行われることがある。この保持面の修正により、チャックテーブルの保持面が平坦化され、被加工物が保持面で適切に保持される。また、チャックテーブルの保持面と加工工具の軌道とが平行になるため、保持面で保持された被加工物を加工工具によって加工する際、被加工物の厚さのばらつきが抑制される。
例えば特許文献1には、チャックテーブルの保持面をバイト工具で切削して保持面の形状を修正するバイト切削装置が開示されている。また、特許文献2には、チャックテーブルの保持面を研削ホイールで研削して保持面の形状を修正する研削装置が開示されている。
なお、加工装置によって加工される被加工物には、その製造工程において反りが発生する場合がある。例えば、パッケージ基板のモールド樹脂を硬化させるために加熱処理を行うと、モールド樹脂が収縮してパッケージ基板に反りが生じることがある。被加工物に反りが生じると、被加工物とチャックテーブルの保持面とが適切に接触せず、保持面に作用する負圧が被加工物と保持面との隙間からリークし、チャックテーブルによる被加工物の保持が不十分になることがある。
そこで、反った状態の被加工物をチャックテーブルによって適切に保持するための手法が提案されている。例えば特許文献3には、被加工物を保持する保持面から突出し被加工物の外周部と接触する弾性部材が設けられた被加工物保持プレートが開示されている。この被加工物保持プレートを介して被加工物をチャックテーブルによって保持すると、被加工物の外周部と弾性部材とが接触することによって被加工物と保持面との間の空間が密閉され、保持面に作用する負圧のリークが防止される。
特開2010−36321号公報 特開2000−354962号公報 特開2016−22538号公報
上記のように、被加工物が保持される保持面から弾性部材等が突出している場合、加工工具で保持面の形状を修正しようとすると、加工工具が弾性部材と接触してしまう。そのため、加工工具による保持面の加工が妨げられ、保持面の形状の修正が困難になる。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、被加工物を適切に保持しつつチャックテーブルの保持面の形状を修正可能な加工装置、及び、該加工装置を用いた被加工物の加工方法の提供を課題とする。
本発明の一態様によれば、被加工物を保持面で保持するチャックテーブルと、該保持面で保持された該被加工物を加工する加工ユニットと、を備え、該保持面を該加工ユニットで削ることにより該保持面の形状を修正可能な加工装置であって、該チャックテーブルは、該保持面で該被加工物を吸引する吸引面と、該保持面と該被加工物の外周部との隙間を埋めるシールユニットと、を有し、該シールユニットは、該吸引面を囲繞し該被加工物の外周部に対応して該チャックテーブルの該保持面側に形成された溝にはめ込まれたチューブと、該チューブの内部の圧力を制御することにより該チューブの形状を制御し、該チューブの上端が該溝から突出した状態と、該チューブが該溝に埋没した状態と、を切り替えるチューブ形状制御ユニットと、を備える加工装置が提供される。
また、本発明の一態様によれば、上記の加工装置を用いて反りを有する被加工物の表面を加工する被加工物の加工方法であって、該チューブの内部に負圧を作用させて該チューブを該溝に埋没させるチューブ変形ステップと、チューブ変形ステップの実施後、該保持面を該加工ユニットで削って該保持面の形状を修正する保持面修正ステップと、該保持面修正ステップの実施後、該チューブの内部を大気開放し該チューブの変形を解除するチューブ変形解除ステップと、該チューブ変形解除ステップの実施後、該保持面の形状が修正された該チャックテーブルによって、該被加工物の反りを矯正しつつ該保持面で該被加工物を吸引保持する保持ステップと、該保持ステップの実施後、該チャックテーブルによって保持された該被加工物の表面を該加工ユニットで削る加工ステップと、を備える被加工物の加工方法が提供される。
本発明の一態様に係る加工装置は、チャックテーブルの保持面と被加工物との隙間を埋めるチューブを備えたシールユニットを有する。そして、被加工物を保持面上に配置すると、被加工物の外周部とチューブとが接触して被加工物と保持面との間の空間が密閉される。これにより、保持面に作用する負圧のリークが防止され、被加工物が適切に保持される。
また、本実施形態に係る加工装置は、シールユニットが備えるチューブの形状をチューブ形状制御ユニットによって制御することにより、チューブをチャックテーブルに形成された溝に埋没させることができる。これにより、加工工具がチューブに接触することを回避しつつ、チャックテーブルの保持面の形状を修正できる。
加工装置の構成例を示す斜視図である。 被加工物がチャックテーブルによって保持される様子を示す斜視図である。 図3(A)はチャックテーブルを示す断面図であり、図3(B)はチャックテーブルの吸引領域を示す拡大断面図である。 チャックテーブルを示す断面図である。 図5(A)及び図5(B)は保持面修正ステップの様子を示す一部断面側面図である。 図6(A)及び図6(B)は加工ステップの様子を示す一部断面側面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、本実施形態に係る加工装置2の構成例を示す斜視図である。加工装置2は、加工ユニット28によって被加工物11を加工するとともに、加工ユニット28によってチャックテーブル14の保持面14aの形状を修正する機能を備える。
加工装置2は、加工装置2の各構成要素が搭載される基台4を備え、基台4の後端には直方体状の支持構造6が設けられている。また、基台4の上面側には、平面視で矩形状に形成され、その長手方向がX軸方向(前後方向)に沿うように配置された開口4aが設けられている。
開口4aの内部には、ボールネジ式のX軸移動機構8と、X軸移動機構8の一部を覆う蛇腹状の防塵防滴カバー10とが配置されている。X軸移動機構8はX軸移動テーブル8aを備えており、このX軸移動テーブル8aをX軸方向に移動させる。また、開口4aの前方には加工条件等を入力するための操作パネル12が設置されている。
X軸移動テーブル8a上には、被加工物11を保持するチャックテーブル14が設けられている。X軸移動機構8は、このチャックテーブル14をX軸移動テーブル8aとともにX軸方向に沿って移動させる。また、チャックテーブル14の上面は、被加工物11を保持する保持面14aを構成する。
図1に示す被加工物11は、表面13a及び裏面13bを有し平面視で矩形状に形成された板状の基板13と、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等のデバイスを含み基板13の表面13a側に配置された複数のデバイスチップ(不図示)と、を備えるパッケージ基板である。基板13の表面13a側には、複数のデバイスチップを覆って封止する樹脂層(モールド樹脂)15が形成されている。
なお、ここでは被加工物11がパッケージ基板である例について説明するが、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば被加工物11は、シリコン等の材料でなり、表面側にIC、LSI等のデバイスが形成された円盤状の半導体ウェーハ等であってもよい。また、被加工物11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等の材料でなる基板であってもよい。
加工装置2によって被加工物11を加工する際には、チャックテーブル14の保持面14a上に被加工物11が配置される。なお、図1では特に平面視で矩形状の被加工物11の保持を想定して保持面14aが平面視で矩形状に形成された例を示すが、保持面14aの形状は、チャックテーブル14によって保持される被加工物11の形状等に応じて適宜変更できる。
支持構造6の前面側には、Z軸移動機構16が設けられている。Z軸移動機構16は、長手方向がZ軸方向に沿うように配置された一対のZ軸ガイドレール18を備えており、この一対のZ軸ガイドレール18にはZ軸移動プレート20がZ軸方向に沿ってスライド可能な態様で取り付けられている。Z軸移動プレート20の後面側(裏面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部にはZ軸ガイドレール18と概ね平行な方向に沿って配置されたZ軸ボールネジ22が螺合されている。
Z軸ボールネジ22の一端部には、Z軸パルスモータ24が連結されている。Z軸パルスモータ24によってZ軸ボールネジ22を回転させると、Z軸移動プレート20はZ軸ガイドレール18に沿ってZ軸方向に移動する。
Z軸移動プレート20の前面側(表面側)には、前方に突出する支持具26が設けられている。支持具26は、被加工物11を加工する加工ユニット28を支持している。加工ユニット28は、支持具26に固定されるスピンドルハウジング30を備え、スピンドルハウジング30には回転軸となるスピンドル32が回転可能な状態で収容されている。
スピンドル32の先端部(下端部)はスピンドルハウジング30の外部に露出しており、このスピンドル32の先端部には円盤状のホイールマウント34が固定されている。また、ホイールマウント34の下面には、ホイールマウント34と概ね同径に構成された円盤状のバイトホイール36が装着される。このバイトホイール36は、バイト工具40(図5、図6参照)によって被加工物11を切削する加工工具である。
被加工物11を加工する際は、まず、チャックテーブル14によって被加工物11を保持する。また、バイトホイール36が備えるバイト工具40(図5、図6参照)が被加工物11に所定の深さで切り込むように、加工ユニット28のZ軸方向の位置(高さ)を調整する。
そして、スピンドル32を所定の方向に所定の回転数で回転させながら、チャックテーブル14をX軸方向に沿って移動させる。これにより、被加工物11の表面がバイトホイール36のバイト工具40によって削り取られ、被加工物11はバイトホイール36の回転軸と垂直な面に沿って薄く加工される。
図2は、被加工物11がチャックテーブル14によって保持される様子を示す斜視図である。チャックテーブル14は、被加工物11を吸引する平面視で矩形状の吸引領域50と、吸引領域50を囲繞する外周領域52とを備える。吸引領域50の上面は、チャックテーブル14の保持面14aの一部に相当し、被加工物11を保持面14aで吸引する吸引面50aを構成する。この吸引面50aは、吸引路54及びバルブ56を介して吸引源58に接続されている。
被加工物11を保持する際は、吸引面50aが基板13の裏面13b側によって覆われるように、被加工物11をチャックテーブル14の保持面14a上に配置する。この状態でバルブ56を開き、吸引源58の負圧を吸引面50aに作用させることで、被加工物11がチャックテーブル14によって吸引保持される。
図3(A)はチャックテーブル14のA−A´線(図2参照)における断面図であり、図3(B)はチャックテーブル14の吸引領域50を示す拡大断面図である。図3(B)に示すように、吸引領域50は、ニッケル等の金属によって形成された複数の支持ピン50bを備える。支持ピン50bは例えば直径1mm程度の円柱状に形成されており、高さ方向がZ軸方向に沿うように吸引領域50の全体にわたって所定の間隔で配列されている。
複数の支持ピン50bは概ね同じ高さに形成されており、この複数の支持ピン50bの上端によって吸引面50aが構成される。なお、図3(A)に示すように、吸引面50aはチャックテーブル14の外周領域52の上面よりも僅かに上方に突出している。
また、吸引領域50の底部50c(図3(B)参照)には吸引孔(不図示)が形成されており、この吸引孔は吸引路54及びバルブ56を介して吸引源58に接続されている。複数の支持ピン50bの上端によって被加工物11を支持した状態でバルブ56を開くと、被加工物11が吸引面50aで吸引保持される。
被加工物11には、その製造工程において反りが発生する場合がある(図3(A)参照)。例えば、樹脂層15を硬化させるための加熱処理を行うと、樹脂層15が収縮して被加工物11に反りが生じることがある。被加工物11に反りが生じると、被加工物11とチャックテーブル14の保持面14aとの間に隙間が生じ、吸引面50aに作用する負圧がリークすることがある。この場合、被加工物11が適切に吸引されず、被加工物11を確実に保持することが困難になる。
ここで、本実施形態に係る加工装置2のチャックテーブル14は、保持面14aと被加工物11との隙間を埋めるチューブ62を備えたシールユニット60を有する(図2参照)。そして、被加工物11を保持面14a上に配置すると、被加工物11の外周部とチューブ62とが接触して被加工物11と保持面14aとの間の空間が密閉される。これにより、保持面14aに作用する負圧のリークが防止され、被加工物11が適切に保持される。
シールユニット60は、チャックテーブル14の吸引面50aを囲繞するように配置されたチューブ62を備える。チューブ62は、その内部の圧力を制御することによって変形可能である柔軟な材質によって構成される。例えば、チューブ62としてシリコンチューブや塩化ビニルチューブなどを用いることができる。
図3(A)に示すように、チャックテーブル14の保持面14a側には、吸引面50aを囲繞し、被加工物11の外周部に対応する平面視で矩形状の溝14bが形成されている。チューブ62は、この溝14bの内部にはめ込まれている。そのため、チューブ62は被加工物11の外周部に対応して平面視で矩形状に配置される。
なお、溝14bは、上端(保持面14a)から底部に向かって幅が広くなる形状(図3(A)に示す断面図で台形状、所謂蟻溝形状)に形成されており、溝14bの上端の幅(保持面14aでの溝14bの幅)はチューブ62の直径よりも小さい。溝14bをこのような形状に形成することにより、溝14bにはめ込まれたチューブ62をチャックテーブル14から外れにくくすることができる。
また、溝14bは、その深さがチューブ62の直径よりも小さくなるように形成されている。そのため、溝14bにはめ込まれたチューブ62の上端は保持面14aから上方に突出する。また、チューブ62の直径は、チューブ62の上端が吸引面50aよりも上方に配置されるように設定される。例えば、直径(外径)が3mm程度、内径が2mm程度のチューブ62を用いることができる。
被加工物11をチャックテーブル14上に配置すると、被加工物11の外周部がチューブ62と接触し、チューブ62が被加工物11の外周部の形状に沿って変形する。これにより、被加工物11が反った状態であっても、被加工物11と保持面14aとの間の空間が密閉される。
図4は、チャックテーブル14のB−B´線(図2参照)における断面図である。溝14bにはめ込まれたチューブ62の一方の端部(開口部62a)は開口しており、他方の端部(閉塞部62b、図2参照)は閉塞している。また、チャックテーブル14の内部には、溝14bの底からチャックテーブル14の下面に向かって形成された貫通孔14cが形成されており、チューブ62の開口部62a側はこの貫通孔14cに挿入されている。
また、シールユニット60は、チューブ62の内部の圧力を制御することによりチューブ62の形状を制御するチューブ形状制御ユニット64を備える。チューブ形状制御ユニット64は、チューブ62の開口部62aに接続された流路66と、流路66を介してチューブ62の開口部62aに接続された吸引用のバルブ68及び大気解放用のバルブ70を備える。チューブ62の開口部62aは、流路66及びバルブ68を介して吸引源58に接続されており、流路66及びバルブ70を介して大気解放される。
バルブ70を閉じた状態でバルブ68を開くと、チューブ62の開口部62aに吸引源58の負圧が作用し、チューブ62が変形する。具体的には、チューブ62の内部の気体が吸引源58によって吸引され、チューブ62は溝14bの内部で潰れるように変形する。その結果、チューブ62は溝14bに埋没し、チューブ62の上端がチャックテーブル14の保持面14aから上方に突出していない状態となる。
また、バルブ68を閉じた状態でバルブ70を開くと、チューブ62の開口部62aはバルブ70を介して大気解放され、チューブ62の内部に大気が流れ込む。これにより、チューブ62の変形が解除され、チューブ62の上端がチャックテーブル14の保持面14aから上方に突出した状態となる。
その後、バルブ70を閉じると、チューブ62の内部が密閉される。これにより、チューブ62の内部に気体が閉じ込められ、この気体の圧力によってチューブ62の弾性が高められる。
このように、チューブ形状制御ユニット64によって、チューブ62の上端が溝14bから上方に突出した状態と、チューブ62が溝14bに埋没した状態と、を切り替えることができる。なお、チューブ62の形状は上記に限定されない。例えば、閉ループ状のチューブを溝14bにはめ込んでもよい。この場合、該チューブの任意の位置に、該チューブの表面から内部に至る開口部を設け、該開口部を流路66に接続する。
被加工物11を適切に加工するためには、被加工物11と接触する保持面14aの高さを可能な限り均一にすることが好ましい。そのため、被加工物11の加工に先立って、バイトホイール36が備えるバイト工具40(図5、図6参照)によって保持面14aを削り、保持面14aの形状を修正する作業が行われる。
ここで、例えばチャックテーブル14の保持面14a側に、被加工物11と保持面14aとの間の空間を密閉する弾性部材等が保持面14aから上方に突出するように設けられている場合、保持面14aを加工しようとすると、バイト工具40が弾性部材等と接触してしまう。そのため、バイト工具40による保持面14aの加工が妨げられ、保持面14aの形状の修正が困難になる。また、保持面14aから突出した弾性部材がバイト工具40によって切削され、損傷してしまう。
本実施形態に係る加工装置2では、シールユニット60が備えるチューブ62の形状をチューブ形状制御ユニット64によって変化させることにより、チューブ62をチャックテーブル14に形成された溝14bに埋没させることができる。これにより、バイト工具40がチューブ62に接触することを回避しつつ、チャックテーブル14の保持面14aの形状を修正できる。
以下、本実施形態に係る加工装置2を用いた被加工物の加工方法の具体例について説明する。ここでは、加工ユニット28によって保持面14aの形状を修正した後、反りを有する被加工物11を加工ユニット28によって加工する被加工物の加工方法について説明する。
まず、チューブ62を溝14bに埋没させるチューブ変形ステップを実施する。チューブ変形ステップでは、バルブ70を閉じた状態でバルブ68を開き、チューブ62の開口部62aに吸引源58の負圧を作用させる。これにより、チューブ62の内部の気体がバルブ68を介して吸引源58に吸引され、チューブ62が潰れるように変形する。その結果、チューブ62は溝14bに埋没し、チューブ62の上端が保持面14aから上方に突出していない状態となる。
次に、保持面14aを加工ユニット28で削って保持面14aの形状を修正する保持面修正ステップを実施する。図5(A)及び図5(B)は、保持面修正ステップの様子を示す一部断面側面図である。
加工ユニット28のバイトホイール36は、ステンレス、アルミニウム等の金属材料でなりホイールマウント34に装着される円環状のホイール基台38を備える。また、ホイール基台38の下面側には、ダイヤモンド等でなる切り刃40aを備えるバイト工具40が固定されている。スピンドル32の上端側(基端側)にはモータ等の回転駆動源(不図示)が接続されており、バイトホイール36はこの回転駆動源から発生する力によってZ軸方向(鉛直方向)に概ね平行な回転軸の周りに回転する。
保持面14aの形状を修正する際は、まず、スピンドル32を下降させ、バイト工具40の切り刃40aが吸引領域50に所定の深さで切り込むように、バイトホイール36の高さを調整する。なお、前述のチューブ変形ステップは、バイトホイール36の位置の調整が完了した後に実施してもよい。
その後、バイトホイール36を回転させながら、チャックテーブル14をX軸方向に移動させる。これにより、バイト工具40の切り刃40aが吸引領域50に所定の深さで切り込み、吸引面50aの高さが均一になるように吸引面50aの形状が修正される。
なお、保持面修正ステップでは、チューブ62がチャックテーブル14の溝14bに埋没している。そのため、バイト工具40の切り刃40aはチューブ62に接触せず、チューブ62によって吸引面50aの形状の修正が妨げられることはない。
上記のチューブ変形ステップ及び保持面修正ステップは、例えばチャックテーブル14の交換した後などに実施する。また、保持面14aの消耗や保持面14aへの異物の付着によって、被加工物11を適切に保持することが困難になった際に、上記のチューブ変形ステップ及び保持面修正ステップを実施して保持面14aを平坦化してもよい。
次に、チューブ62の開口部62aを大気解放し、チューブ62の変形を解除するチューブ変形解除ステップを実施する。チューブ変形解除ステップでは、バルブ68を閉じた状態でバルブ70を開き、チューブ62の開口部62aを大気解放する。その結果、チューブ62の内部に大気が流入し、チューブ62の変形が解除される。これにより、チューブ62の形状がチューブ変形ステップの実施前の状態に戻り、チューブ62の上端が保持面14aから上方に突出した状態となる。
その後、バルブ70を閉じると、チューブ62の内部が密閉される。これにより、チューブ62の内部に気体が閉じ込められ、この気体の圧力によってチューブ62の弾性が高められる。
次に、保持面修正ステップの実施によって保持面14aの形状が修正されたチャックテーブル14によって、被加工物11の反りを矯正しつつ保持面14aで被加工物11を吸引保持する保持ステップを実施する。ここでは、図3(A)に示すように被加工物11に反りが生じている場合について説明する。
まず、被加工物11をチャックテーブル14の吸引面50aを覆うように配置する(図2参照)。被加工物11をチャックテーブル14上に配置すると、被加工物11の外周部が保持面14aから突出したチューブ62と接触し、被加工物11と保持面14aとの間の空間が密閉される。そして、被加工物11がチャックテーブル14上に配置された状態で、バルブ56を開き、吸引面50aに吸引源58の負圧を作用させる。
このとき、チューブ62によって被加工物11と保持面14aとの間の空間は密閉されているため、吸引面50aに作用する負圧のリークが抑えられ、被加工物11は吸引面50aに沿って密着する。これにより、被加工物11の反りが矯正されるとともに、被加工物11が保持面14aで吸引保持される。なお、被加工物11の反りが大きい場合は、被加工物11を保持面14aに押し付けることによって、被加工物11の反りの矯正をアシストしてもよい。
次に、チャックテーブル14によって保持された被加工物11を加工ユニット28で削って加工する加工ステップを実施する。図6(A)及び図6(B)は、加工ステップの様子を示す一部断面側面図である。
まず、バイトホイール36が備えるバイト工具40が被加工物11の樹脂層15に所定の深さで切り込むように、加工ユニット28のZ軸方向の位置(高さ)を調整する。そして、スピンドル32を所定の方向に所定の回転数で回転させながら、チャックテーブル14をX軸方向に沿って移動させる。
その結果、バイト工具40の切り刃40aが被加工物11の表面(樹脂層15の表面)に所定の深さで切り込み、被加工物11の表面が削られる。これにより、被加工物11が薄く加工される。なお、加工ステップでは、保持面修正ステップの実施によって形状が修正された吸引面50aで被加工物11を吸引保持する。そのため、樹脂層15が均一に切削され、被加工物11の厚さのばらつきが低減される。
以上の通り、本実施形態に係る加工装置2は、チャックテーブル14の保持面14aと被加工物11との隙間を埋めるチューブ62を備えたシールユニット60を有する。そして、被加工物11を保持面14a上に配置すると、被加工物11の外周部とチューブ62とが接触して被加工物11と保持面14aとの間の空間が密閉される。これにより、保持面14aに作用する負圧のリークが防止され、被加工物11が適切に保持される。
また、本実施形態に係る加工装置2は、シールユニット60が備えるチューブ62の形状をチューブ形状制御ユニット64によって変形させることにより、チューブ62をチャックテーブル14に形成された溝14bに埋没させることができる。これにより、加工工具がチューブ62に接触することを回避しつつ、チャックテーブル14の保持面14aの形状を修正できる。
なお、本実施形態では、チューブ62の内部の気体を吸引することによってチューブ62を変形させ、チューブ62の内部を大気解放することによってチューブ62の変形を解除するシールユニット60について説明した。ただし、チューブ62の上端が溝14bから上方に突出した状態と、チューブ62が溝14bに埋没した状態とを切り替えることが可能であれば、シールユニット60の構成に制限はない。
例えば、チューブ62に代えて、内部が大気解放された状態でチャックテーブル14の溝14bに埋没する形状のチューブを用いてもよい。この場合、チューブ形状制御ユニット64は、例えばバルブを介してチューブの開口部に接続された気体供給源を備える。そして、気体供給源からチューブの内部に気体を供給してチューブを膨張させることにより、チューブをその上端がチャックテーブル14の保持面14aから上方に突出するように変形させてもよい。
また、上記では加工ユニット28に加工工具としてバイトホイール36が装着される例について説明したが、加工ユニット28には他の加工工具を装着してもよい。例えば、加工工具として被加工物11を研削する研削砥石が固定された研削ホイールを用いることもできる。この場合、研削砥石によって保持面14aの形状の修正と被加工物11の加工(樹脂層15の研削)とが行われる。なお、保持面14aを削る研削砥石と、被加工物11を削る研削砥石とは、材質や砥粒の粒径が異なっていてもよい。
また、上記では吸引領域50が複数の支持ピン50b(図3(B)参照)によって構成された例を説明したが、吸引領域50は被加工物11を吸引保持することが可能であれば、その構成に制限はない。例えば、吸引領域50はポーラスセラミックス等でなるポーラス状の部材によって構成されていてもよい。この場合、加工ユニット28によって該部材を研削することにより、吸引面50aの形状を修正する。
また、上記では被加工物11がパッケージ基板である例について説明したが、加工装置2によって加工される被加工物に制限はなく、例えば、表面側にIC、LSI等のデバイスが形成された半導体ウェーハであってもよい。この場合、該半導体ウェーハの裏面側を加工ユニットによって削ることにより、半導体ウェーハを薄く加工できる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
2 加工装置
4 基台
4a 開口
6 支持構造
8 X軸移動機構
8a X軸移動テーブル
10 防塵防滴カバー
12 操作パネル
14 チャックテーブル
14a 保持面
14b 溝
14c 貫通孔
16 Z軸移動機構
18 Z軸ガイドレール
20 Z軸移動プレート
22 Z軸ボールネジ
24 Z軸パルスモータ
26 支持具
28 加工ユニット
30 スピンドルハウジング
32 スピンドル
34 ホイールマウント
36 バイトホイール
38 ホイール基台
40 バイト工具
40a 切り刃
50 吸引領域
50a 吸引面
50b 支持ピン
50c 底部
52 外周領域
54 吸引路
56 バルブ
58 吸引源
60 シールユニット
62 チューブ
62a 開口部
62b 閉塞部
64 チューブ形状制御ユニット
66 流路
68 バルブ
70 バルブ
11 被加工物
13 基板
13a 表面
13b 裏面
15 樹脂層(モールド樹脂)

Claims (2)

  1. 被加工物を保持面で保持するチャックテーブルと、該保持面で保持された該被加工物を加工する加工ユニットと、を備え、該保持面を該加工ユニットで削ることにより該保持面の形状を修正可能な加工装置であって、
    該チャックテーブルは、
    該保持面で該被加工物を吸引する吸引面と、
    該保持面と該被加工物の外周部との隙間を埋めるシールユニットと、を有し、
    該シールユニットは、
    該吸引面を囲繞し該被加工物の外周部に対応して該チャックテーブルの該保持面側に形成された溝にはめ込まれたチューブと、
    該チューブの内部の圧力を制御することにより該チューブの形状を制御し、該チューブの上端が該溝から突出した状態と、該チューブが該溝に埋没した状態と、を切り替えるチューブ形状制御ユニットと、を備えることを特徴とする加工装置。
  2. 請求項1記載の加工装置を用いて反りを有する被加工物の表面を加工する被加工物の加工方法であって、
    該チューブの内部に負圧を作用させて該チューブを該溝に埋没させるチューブ変形ステップと、
    チューブ変形ステップの実施後、該保持面を該加工ユニットで削って該保持面の形状を修正する保持面修正ステップと、
    該保持面修正ステップの実施後、該チューブの内部を大気開放し該チューブの変形を解除するチューブ変形解除ステップと、
    該チューブ変形解除ステップの実施後、該保持面の形状が修正された該チャックテーブルによって、該被加工物の反りを矯正しつつ該保持面で該被加工物を吸引保持する保持ステップと、
    該保持ステップの実施後、該チャックテーブルによって保持された該被加工物の表面を該加工ユニットで削る加工ステップと、を備えることを特徴とする被加工物の加工方法。
JP2018167891A 2018-09-07 2018-09-07 加工装置及び被加工物の加工方法 Active JP7134565B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018167891A JP7134565B2 (ja) 2018-09-07 2018-09-07 加工装置及び被加工物の加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018167891A JP7134565B2 (ja) 2018-09-07 2018-09-07 加工装置及び被加工物の加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020040139A true JP2020040139A (ja) 2020-03-19
JP7134565B2 JP7134565B2 (ja) 2022-09-12

Family

ID=69797139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018167891A Active JP7134565B2 (ja) 2018-09-07 2018-09-07 加工装置及び被加工物の加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7134565B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0584682A (ja) * 1991-03-29 1993-04-06 Hitachi Ltd 真空チヤツク装置
US6277009B1 (en) * 1997-12-31 2001-08-21 Applied Materials, Inc. Carrier head including a flexible membrane and a compliant backing member for a chemical mechanical polishing apparatus
JP2004237405A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 薄板保持装置および薄板保持方法並びに基板の製造方法
US7238083B2 (en) * 2004-03-05 2007-07-03 Strasbaugh Wafer carrier with pressurized membrane and retaining ring actuator

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0584682A (ja) * 1991-03-29 1993-04-06 Hitachi Ltd 真空チヤツク装置
US6277009B1 (en) * 1997-12-31 2001-08-21 Applied Materials, Inc. Carrier head including a flexible membrane and a compliant backing member for a chemical mechanical polishing apparatus
JP2004237405A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd 薄板保持装置および薄板保持方法並びに基板の製造方法
US7238083B2 (en) * 2004-03-05 2007-07-03 Strasbaugh Wafer carrier with pressurized membrane and retaining ring actuator

Also Published As

Publication number Publication date
JP7134565B2 (ja) 2022-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102214368B1 (ko) 반송 장치
TW201600246A (zh) 磨削裝置及矩形基板之磨削方法
TWI790395B (zh) 載板的去除方法
JP2017152442A (ja) 加工方法
TW201544244A (zh) 磨削裝置及矩形基板之磨削方法
JP2020040139A (ja) 加工装置及び被加工物の加工方法
JP2015199153A (ja) 保持テーブル、該保持テーブルを用いた研削方法及び切削方法
KR20120046034A (ko) 웨이퍼 지지 플레이트 및 웨이퍼 지지 플레이트의 사용 방법
JP6472666B2 (ja) 板状ワークの保持方法
TW202220039A (zh) 載板之除去方法
JP7362212B2 (ja) 矩形ワークの研削方法
KR20210049665A (ko) 피가공물의 연삭 방법
JP6934395B2 (ja) 分割装置及び分割方法
JP2020080390A (ja) チャックテーブル及び加工装置
JP7305276B2 (ja) 被加工物の保持方法
TWI830932B (zh) 磨銳板及切割刀片的磨銳方法
JP7126751B2 (ja) 被加工物の研削方法
US20240009789A1 (en) Cleaning tool and workpiece processing method
JP5504022B2 (ja) 分割加工方法及び分割装置
JP7195701B2 (ja) バイト工具の修正方法
JP6943389B2 (ja) 被加工物の加工方法
JP2024035879A (ja) 被加工物の切削方法
JP2020092162A (ja) 被加工物の研削方法
JP6300683B2 (ja) 加工装置
KR20210146212A (ko) 패키지 기판의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180912

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7134565

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150