JP2020038552A - フリーアドレスオフィス管理システムおよび入退管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】フリーアドレスオフィス管理に関して、所定のルールで利用者の席を選択した結果、管理者等に応じた期待効果を実現しやすくすることができる技術を提供する。【解決手段】フリーアドレスオフィス管理システム1は、入退管理システム10によって構成され、利用者にフリーアドレスオフィスの席を割り当てる機能(フリーアドレスオフィス管理機能101)を有する。入退管理装置11は、管理者M1の操作に基づいて、席の割り当てに関する優先順位条件を設定する。入退管理装置11は、エリア100へ利用者U1が入る際には、優先順位条件に従って、複数の席102から席102を選択して利用者U1に割り当て、席割当情報を利用者U1に通知する。優先順位条件は、利用者属性情報と行動履歴情報を用いて、優先順位を持つ1つ以上の条件によって構成される。【選択図】図1
Description
本発明は、フリーアドレスオフィスを管理するための情報処理システム、および入退管理システム等の技術に関する。
近年では、働き方改革、省スペース、コスト低減等の観点から、フリーアドレスオフィス方式の導入が進んでいる。フリーアドレスオフィス方式は、勤務者である利用者の席(対応するアドレス)が固定されない方式、または自由に選択できる方式である。利用者は、フリーアドレスオフィスの空間およびエリアに用意されている席のうちの空席から選択された席を利用できる。例えば、会社等の組織は、この方式を導入して、勤務者の在席率に応じた数の席を用意することで、オフィスの省スペースやコスト低減を実現できる。また、この方式では、勤務者の気分のリフレッシュや勤務者間のコミュニケーションの活性化等の効果が期待される。
また、フリーアドレスオフィス方式に関して、情報処理を用いて、席の割り当て等を管理や制御するシステム(フリーアドレスオフィス管理システムと記載する場合がある)も開発されている。このシステムは、所定のルールに基づいて、利用者に割り当てる席または推奨する席を決定する。
フリーアドレスオフィス管理システム等に係わる先行技術例としては、特開2010−79585号公報(特許文献1)、特開2012−234420号公報(特許文献2)が挙げられる。特許文献1には、フリーアドレスオフィス支援システムとして、勤務者が利用する席の固定化を回避する旨や、空席からユーザに割り当てる席をランダムに選出する旨が記載されている。特許文献2には、位置決定装置等として、電話や電子メール等のコミュニケーションツールの利用状況に基づいて、複数の人物がグループに分けられ、グループ分けに従って、複数の人物の作業位置を決定する旨が記載されている。特許文献2には、業務上関係が深いメンバーが近くに集まることにより、Face to Faceのコミュニケーションができ、業務効率が向上する旨が記載されている。
また、会社等の組織では、勤怠管理やセキュリティ確保のために、入退管理システムを導入している場合が多い。入退管理システムは、例えば、エリア間のゲートに設置された認証装置であるIDカードリーダと、利用者毎のIDカードとを用いて、利用者の入退時の認証を行う。
従来のフリーアドレスオフィス方式は、利用する席の選択を利用者個人の意思や裁量に一任する方式の場合、利用者毎に選択される席が固定される傾向が生じる場合がある。これに対し、従来技術例のフリーアドレスオフィス管理システムは、利用者が利用する席がいつも同じ席に固定されないように、所定のルールに基づいて、自動的に席を選択して利用者に割り当てる。特許文献1の場合、ルールは、ランダム選択である。また、従来技術例のフリーアドレスオフィス管理システムは、利用者間のコミュニケーションや仕事上の関係等を考慮して席を割り当てる。特許文献2の場合、コミュニケーションツールの利用状況に応じて利用者がグループに分けられ、業務上関係が近いメンバーが近くに配置される。
しかしながら、従来技術例のフリーアドレスオフィス管理システムは、所定のルールに基づいて利用者の席を選択した結果、組織の管理者が期待する効果が必ずしも得られるとは限らない。管理者が期待する効果(期待効果と記載する場合がある)は、例えば社員同士のコミュニケーション向上や業務効率改善等が挙げられる。管理者は、フリーアドレスオフィス方式を適用する会社等の組織における、例えば経営者、人事担当者、部長等である。管理者の期待効果は、組織や管理者毎に異なり得るものであり、対象のエリアや部門、状況や時期等に応じても異なり得るものであり、複数の種類の期待効果が存在する。例えば、ある管理者の期待効果は、部門が異なる社員間でのコミュニケーション向上であるが、他の管理者の期待効果は、部門が同じ社員間での連携や社員個人の業務集中による業務効率改善である。
複数の種類の各期待効果に応じて、適したルールは異なる。従来技術例のフリーアドレスオフィス管理システムは、管理者が介在することなく、ランダム等の所定のルールで席を選択する。そのため、このシステムは、管理者に応じた期待効果を実現できるとは限らず、また、管理者の期待効果が変更される場合にも、対応ができない。
本発明の目的は、フリーアドレスオフィス管理に関して、所定のルールで利用者の席を選択した結果、管理者等に応じた期待効果を実現しやすくすることができる技術を提供することである。
本発明のうち代表的な実施の形態は、フリーアドレスオフィス管理システム等であって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
一実施の形態のフリーアドレスオフィス管理システムは、利用者にフリーアドレスオフィスの席を割り当てるフリーアドレスオフィス管理システムであって、情報処理装置を備え、前記情報処理装置は、前記フリーアドレスオフィスの管理者の操作に基づいて、前記席の割り当てに関する優先順位条件を設定し、前記フリーアドレスオフィスの複数の席が設置されているエリアへ前記利用者が入る際には、前記優先順位条件に従って、前記複数の席から席を選択して前記利用者に割り当て、前記選択した席を含む席割当情報を、前記利用者に通知し、前記エリアから前記利用者が出る際には、前記利用者に割り当てた席を解除し、前記優先順位条件は、前記利用者の属性情報の項目と、前記利用者の前記エリアの入退履歴または前記席の利用履歴の情報の項目とを用いて、優先順位を持つ1つ以上の条件によって構成される。
一実施の形態の入退管理システムは、利用者にフリーアドレスオフィスの席を割り当てるフリーアドレスオフィス管理機能を有する入退管理システムであって、前記フリーアドレスオフィスのエリアに対する前記利用者の入退を管理する入退管理装置と、前記入退管理装置に接続され前記入退の際に前記利用者の認証を行う認証装置と、を備え、前記入退管理装置は、前記フリーアドレスオフィスの管理者の操作に基づいて、前記席の割り当てに関する優先順位条件を設定し、前記フリーアドレスオフィスの複数の席が設置されているエリアへ前記利用者が入る際には、前記認証装置の認証を通じて前記利用者が入ることを把握し、前記優先順位条件に従って、前記複数の席から席を選択して前記利用者に割り当て、前記選択した席を含む席割当情報を、前記利用者に通知し、前記エリアから前記利用者が出る際には、前記認証装置の認証を通じて前記利用者が出ることを把握し、前記利用者に割り当てた席を解除し、前記優先順位条件は、前記利用者の属性情報の項目と、前記利用者の前記エリアの入退履歴または前記席の利用履歴の情報の項目とを用いて、優先順位を持つ1つ以上の条件によって構成される。
本発明のうち代表的な実施の形態によれば、フリーアドレスオフィス管理に関して、所定のルールで利用者の席を選択した結果、管理者等に応じた期待効果を実現しやすくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1〜図13を用いて、本発明の実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システムおよび入退管理システムについて説明する。
図1〜図13を用いて、本発明の実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システムおよび入退管理システムについて説明する。
実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システムは、入退管理システムによって構成される。このフリーアドレスオフィス管理システムは、フリーアドレスオフィス方式における組織の管理者の期待効果を実現しやすくするために、利用者への席の割り当ての際のルールを構成する条件を、管理者によって可変に設定および制御することができる仕組みを有する。管理者は、自身の判断および操作に基づいて、期待効果に応じた条件(優先順位条件と記載する場合がある)を、可変に設定することができる。この優先順位条件は、優先順位を持たせた複数の条件から構成することができ、細かい制御が可能である。
管理者等に応じて、複数の種類の期待効果があり得る。期待効果、言い換えると優先方針は、具体例としては、部門間でのコミュニケーション向上や、部門内での業務効率改善、等が挙げられる。管理者は、期待効果に応じて異なる優先順位条件を設定可能である。これにより、管理者の期待効果を実現しやすくでき、期待効果が変更される場合にも対応が可能である。
また、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システムは、入退管理システムで管理されている利用者属性情報や入退履歴情報を利用して、優先順位条件を設定することができる。そのため、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システムは、既存の入退管理システムの管理情報を有効活用しながら、管理者によって少ない手間で条件を設定可能であり、細かい制御のための条件も設定可能である。
[フリーアドレスオフィス管理システム(1)]
図1は、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システム1の構成を示す。このフリーアドレスオフィス管理システム1は、実施の形態1の入退管理システム10によって実現されている。入退管理システム10は、公知の入退管理機能の他に、フリーアドレスオフィス管理機能101を有する。
図1は、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システム1の構成を示す。このフリーアドレスオフィス管理システム1は、実施の形態1の入退管理システム10によって実現されている。入退管理システム10は、公知の入退管理機能の他に、フリーアドレスオフィス管理機能101を有する。
フリーアドレスオフィス管理システム1は、対象となるエリア100において実施されるフリーアドレスオフィスにおける利用者への席102の割り当て等を管理するシステムである。利用者は、会社等の組織の勤務者である。エリア100は、オフィスの建物やフロアと対応している。エリア100は、フリーアドレスオフィスエリアA1や受付エリアA2等を有する。エリア100の外側には外部エリアA3を有する。エリア100は、複数のエリアやルームで区分されていてもよい。
フリーアドレスオフィスエリアA1には、フリーアドレスオフィス方式における割り当ての対象となる複数の席102が設置されている。席102は、図示しない机や椅子を含む。席102は、番号等の席IDで識別される。図1では、各席102を、番号(#)を付けた矩形で示している。フリーアドレスオフィス管理システム1は、エリア100、特にフリーアドレスオフィスエリアA1に入退する利用者に対し、席102を割り当てる。利用者は、割り当てられた席102を利用して業務を行う。
入退管理システム10は、エリア100に対する利用者の入退を、認証によって管理する。入退管理システム10は、入退管理装置11、複数のリーダ12、およびゲート13等で構成されている。入退管理システム10は、利用者がゲート13を通じてエリア100に入退する際、リーダ12を用いて認証を行い、認証結果に応じてゲート13の開閉を制御する。認証は、IDカード14およびリーダ12を用いた認証であるが、これに限らず、他の実施の形態では、指を用いた生体認証や、カメラを用いた顔認証等の各種の方式を適用可能である。
入退管理装置11は、入退管理システム10を制御する情報処理装置、例えばサーバ装置であり、複数のリーダ12と例えばLAN等の通信手段を通じて接続されている。入退管理装置11は、プロセッサによるソフトウェアプログラム処理等によって、入退管理機能やフリーアドレスオフィス管理機能101を実現する。入退管理装置11は、階層方式やクライアントサーバ方式等による複数の装置で構成されてもよい。
入退管理装置11は、入退管理機能においては、複数の各々の利用者の属性情報や認証情報、入退履歴情報等を保持する。入退管理装置11は、各リーダ12と通信しながら、認証時の情報を蓄積し、各利用者の入退履歴を把握する。入退管理装置11は、利用者が、規定の入退経路から違反する場合には、認証結果を失敗としてゲート13を閉状態にし、入退を不許可にする。
管理者M1は、会社等の組織の管理者であり、フリーアドレスオフィス方式に関する担当者である。管理者M1は、フリーアドレスオフィス管理システム1のフリーアドレスオフィス管理機能101に対し、ルールに関する設定を行うことができる。管理者M1は、例えばPC等の端末装置15を操作し、端末装置15から入退管理装置11に対し、LAN等を通じてアクセスする。入退管理装置11のフリーアドレスオフィス管理機能101は、端末装置15に対し、フリーアドレスオフィス管理に係わる画面を提供する。管理者M1は、画面に対し、フリーアドレスオフィス管理に係わる設定として、期待効果に応じた優先順位条件の設定等を行うことができる。なお、設定作業は、管理者M1の代わりに、他のシステム管理者や事業者の人が管理者M1の指示に従って行うようにしてもよい。
リーダ12は、入退管理装置11との連携に基づいて認証を行う認証装置であり、実施の形態1ではIDカードリーダ装置である。リーダ12は、ゲート13の付近に設置され、ゲート13と通信手段を通じて接続されている。リーダ12は、利用者によってかざされたIDカード14のIDを読み取り、認証を行い、認証結果に応じてゲート13の開閉を制御する。
ゲート13は、エリア間に設置された、電子錠付きのゲートやドア等であり、リーダ12から電子錠の開閉が制御される。電子錠の開状態では、利用者がゲート13を入退可能であり、電子錠の閉状態では、利用者がゲート13を入退不可能である。
図1の例では、外部エリアA3と受付エリアA2との間に、1つのゲート13としてゲートG1が設置されている。このゲートG1に対し、外部エリアA3側にはリーダ12として入室用のリーダR1が設置され、受付エリアA2側にはリーダ12として退室用のリーダR2が設置されている。利用者が外部エリアA3から受付エリアA2へ入る際にはリーダR1が使用され、受付エリアA2から外部エリアA3へ退出する際にはリーダR2が使用される。受付エリアA2とフリーアドレスオフィスエリアA1は、ゲート13無しで通じている。
なお、図1の例では、1つのフリーアドレスオフィスエリアA1、1つのゲート13、および2つのリーダ12等を有するが、これに限らず、複数のフリーアドレスオフィスエリア、複数のゲート13、および複数のリーダ12等が存在してもよい。
利用者U1等で示す利用者は、入退管理システム10およびフリーアドレスオフィス管理システム1における組織の勤務者等である。利用者は、入退時の認証用に、IDカード14を所持している。IDカード14は、非接触ICカードで構成され、利用者IDに対応付けられるID等の情報が記録されている。利用者は、ゲート13を入退する際、リーダ12に対し、IDカード14をかざすことで、認証を受ける。IDカード14のIDは、入退管理装置11およびリーダ12において認証情報として管理されている。
実施の形態1のシステム構成では、入退管理装置11は、利用者の入退時の認証と共に自動的に席102の割り当てを行う。利用者がエリア100へ入る際、入退管理システム10の特にリーダ12による認証が行われる。その認証の結果が成功である場合、フリーアドレスオフィス管理システム1は、利用者に対し、フリーアドレスオフィス方式の席102の割り当てを行う。その際、入退管理装置11は、管理者M1によって予め設定されている優先順位条件に対応するルールに基づいて、エリア100内の空席から席102を選択して利用者に割り当てる。フリーアドレスオフィス管理システム1は、席102の割り当てを含む情報(席割当情報と記載する場合がある)を、利用者に対して出力、通知する。例えば、入退管理装置11は、席割当情報を、リーダ12の表示画面に、認証結果情報と共に表示させる。利用者は、その席割当情報を見て、自身に割り当てられた席102を認識し、利用する。利用者が席102の利用を終了してエリア100から退出する際には、入退管理システム10の特にリーダ12による認証が行われる。それと共に、フリーアドレスオフィス管理システム1は、その利用者への席102の割り当てを解除する。
[フリーアドレスオフィス管理システム(2)]
図2は、実施の形態1の変形例のフリーアドレスオフィス管理システム1の構成を示す。図1のシステム構成に限らず、図2のようなシステム構成も可能である。図2のフリーアドレスオフィス管理システム1は、図1の構成に対して異なる部分として、入退管理装置11に接続されているフリーアドレスオフィス管理端末装置16を有する。フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、例えば受付エリアA2に設置されている。フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、利用者に対し、フリーアドレスオフィス管理に係わるグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を提供する。フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、例えばPCやタブレット端末等で構成できる。
図2は、実施の形態1の変形例のフリーアドレスオフィス管理システム1の構成を示す。図1のシステム構成に限らず、図2のようなシステム構成も可能である。図2のフリーアドレスオフィス管理システム1は、図1の構成に対して異なる部分として、入退管理装置11に接続されているフリーアドレスオフィス管理端末装置16を有する。フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、例えば受付エリアA2に設置されている。フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、利用者に対し、フリーアドレスオフィス管理に係わるグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を提供する。フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、例えばPCやタブレット端末等で構成できる。
この変形例のシステム構成では、入退管理装置11は、利用者の入退時の認証と共に自動的に席102の割り当てを行うのではなく、認証成功後に利用者がフリーアドレスオフィス管理端末装置16に対して席102の利用申請の入力を行った場合に、席102の割り当てを行う。
利用者は、リーダ12での認証を成功して受付エリアA2に入った後、フリーアドレスオフィスの席102を利用するために、フリーアドレスオフィス管理端末装置16に対し、席102の利用申請を入力する。利用者は、例えば、フリーアドレスオフィス管理端末装置16が提供する画面に対し、席102に関する利用申請ボタンを押す。フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、その利用申請の入力を受けると、対応する要求を入退管理装置11へ送信する。入退管理装置11は、その要求を受けると、設定されている優先順位条件に基づいて、その利用者に対する席102を割り当てる。入退管理装置11は、席割当情報をフリーアドレスオフィス管理端末装置16に送信する。フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、その席割当情報を画面に表示する。利用者は、その画面の席割当情報を見て、自身に割り当てられた席102を認識し、利用する。
利用者は、席102の利用を終了してエリア100から退出する際には、フリーアドレスオフィス管理端末装置16に対し、席102の利用終了の入力を行う。フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、その利用終了の入力を受けると、対応する情報を入退管理装置11へ送信する。入退管理装置11は、その情報を受けると、その利用者への席102の割り当てを解除する。
なお、図1または図2のシステム構成で、リーダ12またはフリーアドレスオフィス管理端末装置16に、別の表示装置、例えば比較的大画面の表示装置が接続されてもよい。入退管理装置11は、リーダ12またはフリーアドレスオフィス管理端末装置16ではなく、その表示装置の画面に、認証結果情報や席割当情報等を表示してもよい。この場合、比較的大画面の表示装置を用いて、利用者に対しエリア100の見取り図上で席102の位置等をわかりやすく提示することができる。また、管理者M1用の端末装置15と、フリーアドレスオフィス管理端末装置16とを1台の装置として統合した形態でもよい。
[入退管理システム]
図3は、図1の入退管理システム10の詳しい構成例を示す。入退管理装置11は、入退管理部11A、フリーアドレスオフィス管理部11B、記憶部11C、通信部11D等を有する。入退管理部11Aは、CPU、ROM、RAM等によって構成され、公知の入退管理機能を実現する部分である。フリーアドレスオフィス管理部11Bは、CPU、ROM、RAM等によって構成され、フリーアドレスオフィス管理機能101を実現する部分である。記憶部11Cは、メモリ等の記憶装置で構成される。通信部11Dは、通信インタフェース装置で構成され、LAN等を通じて、リーダ12との通信処理を行う。
図3は、図1の入退管理システム10の詳しい構成例を示す。入退管理装置11は、入退管理部11A、フリーアドレスオフィス管理部11B、記憶部11C、通信部11D等を有する。入退管理部11Aは、CPU、ROM、RAM等によって構成され、公知の入退管理機能を実現する部分である。フリーアドレスオフィス管理部11Bは、CPU、ROM、RAM等によって構成され、フリーアドレスオフィス管理機能101を実現する部分である。記憶部11Cは、メモリ等の記憶装置で構成される。通信部11Dは、通信インタフェース装置で構成され、LAN等を通じて、リーダ12との通信処理を行う。
フリーアドレスオフィス管理部11Bは、ソフトウェアプログラム処理等で実現される部分として、入室受付部201、席決定部202、入室通知部203、設定部204を有する。記憶部11Cには、主に入退管理機能に係わる情報として、利用者属性情報51、入退履歴情報52、入退経路情報53、認証管理情報54等が記憶されている。また、記憶部11Cには、主にフリーアドレスオフィス管理機能101に係わる情報として、行動履歴情報61、席状況情報62、優先順位条件情報63等が記憶されている。
リーダ12は、プロセッサやメモリ等によって構成される各部として、認証部12A、読取部12B、記憶部12C、通信部12D、表示部12E等を有する。認証部12Aは、IDカード14を用いた認証を制御する部分である。読取部12Bは、利用者によってかざされたIDカード14のIDを読み取る部分である。記憶部12Cには、認証情報71等が記憶されている。認証情報71は、入退管理装置11の認証管理情報54に基づいて、入退管理装置11からリーダ12に対して設定される情報である。認証情報71は、そのリーダ12における利用者毎の認証を制御する情報であり、入退が許可される利用者のIDに対応した、認証を成功させるIDを含む。
認証部12Aは、読取部12Bで読み取られたIDと、認証情報71のIDとを比較し、一致がある場合には、その認証を成功として、ゲート13を開状態にすることで、その利用者の入退を許可する。認証部12Aは、認証結果情報を、表示部12Eの画面に表示させ、対応して音声やLED等を制御する。
通信部12Dは、通信インタフェース装置で構成され、LAN等を通じて、入退管理装置11との通信処理を行う。例えば、通信部12Dは、入退管理装置11から認証情報や席割当情報を受信し、入退管理装置11へ認証結果情報等を送信する。
表示部12Eは、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置で構成され、利用者に対し、入退時の認証の認証結果情報や、フリーアドレスオフィス管理に係わる席割当情報等を表示する。
入退管理装置11の入退管理部11Aは、利用者属性情報51、入退履歴情報52、入退経路情報53、認証管理情報54等を作成し保持する。利用者属性情報51は、予め管理者M1等による設定に基づいて、利用者毎の利用者IDを含む属性情報が登録されている。利用者IDは、IDカード14のIDと関連付けられている。入退履歴情報52は、利用者毎に、リーダ12での認証結果に応じて実際にエリア間を入退した履歴を表す情報であり、入退の日時、経由したリーダ12、エリア滞在時間等の情報を有する。入退経路情報53は、利用者毎に、入退が許可される正規の入退経路を定義する情報であり、リーダ12を経由する順序等によって規定される。認証管理情報54は、入退経路情報53に基づいて、リーダ12毎に、次に認証を成功させる利用者のIDを管理するための情報を含む。
フリーアドレスオフィス管理部11Bは、フリーアドレスオフィス管理のために、利用者属性情報51や入退履歴情報52を参照する。フリーアドレスオフィス管理部11Bは、入退履歴情報52から行動履歴情報61を作成する。入退履歴情報52と行動履歴情報61の内容は類似であるが、行動履歴情報61には、利用者毎に利用した席102に関する利用履歴の情報が追加されている。フリーアドレスオフィス管理部11Bは、利用者のエリア100の席102の割り当ておよび利用の状況を、席状況情報62や行動履歴情報61に保持する。
設定部204は、管理者M1による管理端末15からの操作を受け付けて、設定画面を提供し、管理者M1の操作に基づいて、優先順位条件等を設定する処理を行う部分である。設定部204は、記憶部11Cの利用者属性情報51や行動履歴情報62を参照して、優先順位条件の設定に用いる。詳細は後述するが、設定部204は、管理者M1によって選択可能である利用者属性情報51の項目や行動履歴情報61の項目の情報を用いて、条件を作成することができる。設定部204は、優先順位が付けられた複数の条件を組み合わせて、優先順位条件として設定する。設定部204は、管理者M1によって設定された優先順位条件を、優先順位条件情報63に保持する。この優先順位条件は、席決定部202による席102の選択の際のルールとして参照される。
入室受付部201は、入退管理部11Aとの連携に基づいて、利用者が認証を通じてエリア100に入室したことを把握し、その利用者がフリーアドレスの席102の割り当ての対象であるかどうかを判断する。実施の形態1では、ゲートG1のリーダR1での認証を成功して受付エリアA2に入室した利用者は、自動的に席102の割り当ての対象であると判断される。
席決定部202は、席状況情報62、および優先順位条件情報63に基づいて、フリーアドレスオフィスエリアA1の空席から席102を選択して利用者に割り当て、席状況情報62や行動履歴情報61を更新する。
入室通知部203は、席決定部202による席102の割り当ての決定に基づいて、利用者に対し席割当情報を通知する。実施の形態1では、入室通知部203は、席割当情報をリーダ12に送信して、リーダ12の表示部12Eの画面に表示させる。
[主要動作]
実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システム1において、利用者である勤務者がフリーアドレスオフィス方式の席102を利用する場合の主要な動作等については以下の通りである。
実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システム1において、利用者である勤務者がフリーアドレスオフィス方式の席102を利用する場合の主要な動作等については以下の通りである。
(1) 予め、フリーアドレスオフィスを利用する対象となる利用者の情報は、入退管理システム10において、利用者属性情報51等に登録されている。実施の形態1では、入退管理システム10の保持する利用者属性情報51を、そのままフリーアドレスオフィス管理用に利用することができる。また、実施の形態1では、入退管理システム10の保持する入退履歴情報52を、フリーアドレスオフィス管理用の行動履歴情報62に利用することができる。
管理者M1は、予め、期待効果、優先方針に応じて、設定画面で、優先順位条件を設定し、適用する。その際、管理者M1は、利用者属性情報51の項目や行動履歴情報62の項目を用いて条件を作成することができる。また、管理者M1は、設定されている複数の優先順位条件がある場合には、それらから選択した優先順位条件を適用できる。
(2) 利用者は、エリア100に対する入退時に、入退管理システム10による認証を受ける。この認証は、実施の形態1では、IDカード14を用いたリーダ12での認証である。
(3) フリーアドレスオフィス管理システム1は、利用者の入退時の認証と共に、その利用者がフリーアドレスオフィス方式の席102の利用を行うか否か、すなわち席102の割り当てを行う対象であるか否かについて判断する。実施の形態1における運用では、エリア100に入る利用者については、基本的にすべて、フリーアドレスオフィス方式の席102の割り当ての対象となる人として設定されている。
なお、変形例では、例えば利用者属性情報51に、設定の1つとして、利用者毎にフリーアドレスの席102を利用するか否かが設定されてもよい。例えば、組織のうちの特定の利用者については、フリーアドレスの席102を利用しない人として、予め固定席が設定されてもよい。
(4) フリーアドレスオフィス管理システム1は、管理者M1によって設定されている優先順位条件情報63に基づいて、対象利用者に席102を割り当てる。入退管理装置11は、席状況情報62の空席状態の席102から、優先順位条件に基づいて好適な席102を選択して対象利用者に割り当て、その席102を在席状態に更新する。
なお、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システム1は、席102の割り当ての際には、利用時間を決めない。利用者は、組織の規定の勤務時間内でその席102を利用する。これに限らず、変形例では、フリーアドレスオフィス管理システム1は、席102の割り当てと共に、その席102の利用時間を決めて割り当てるようにしてもよい。この場合、利用者は、その利用時間において席102を利用する。
(5) フリーアドレスオフィス管理システム1は、その利用者に対し席割当情報を通知する。例えば、入退管理装置11は、リーダ12に席割当情報を送信し、リーダ12の表示部12Eの画面に、認証結果情報と共に席割当情報を表示させる。席割当情報は、例えば、割り当てられた席102の席ID、フリーアドレスオフィスエリアA1内でのその席102の位置、等を表す情報である。なお、席割当情報の通知は、音声出力等としてもよいし、メール通知やWebページ表示等を用いてもよい。また、変形例では、フリーアドレスオフィス管理システム1は、利用者が所持する携帯情報端末装置(例えばスマートフォン、ノートPC等)と連携し、その携帯情報端末装置に席割当情報等を送信して表示させてもよい。
(6) 利用者は、フリーアドレスオフィスエリアA1において、自身に割り当てられた席102を利用して業務を行う。利用者は、席102を利用した後、エリア100から退出する。入退管理システム10は、リーダ12を用いて、利用者の退出時の認証を行う。フリーアドレスオフィス管理システム1は、利用者の退出時の認証と共に、その利用者の席102の割り当てを解除し、その席102を空席状態に更新する。実施の形態1における運用では、利用者の退出と共に自動的にフリーアドレスの席102が解除される。
[主要処理]
図4は、入退管理装置11等による、フリーアドレスオフィス管理に係わる主要な処理に関するフローを示す。この処理は、利用者に割り当てる席102を決定する処理を含む。図4のフローは、ステップS1〜S9を有する。以下、ステップの順に説明する。
図4は、入退管理装置11等による、フリーアドレスオフィス管理に係わる主要な処理に関するフローを示す。この処理は、利用者に割り当てる席102を決定する処理を含む。図4のフローは、ステップS1〜S9を有する。以下、ステップの順に説明する。
ステップS1で、入退管理装置11のフリーアドレスオフィス管理部11Bは、入室受付部201を通じて、エリア100に対するある利用者IDの利用者の入室を把握し、そのことを席102の割り当ての要求として受け取る。
この際の詳細としては、リーダ12(例えば図1のリーダR1)は、読み取ったIDカード14のIDについて、認証情報71のIDと比較して認証処理を行う。リーダ12は、一致するIDがある場合には、認証結果を成功としてゲート13(例えばゲートG1)を開状態にし、一致するIDが無い場合には認証結果を失敗としてゲート13を閉状態のままとする。リーダ12は、利用者の認証結果情報を入退管理装置11に送信する。入退管理装置11の入退管理部11Aは、利用者の認証結果情報を入退履歴情報52および認証管理情報54に反映する。
この際、入退履歴情報52では、利用者毎の現在のエリアや、エリアへの入退の日時等の情報が記録される。また、認証管理情報54では、利用者毎に次に認証を成功させるリーダ12等の情報が更新される。入退管理部11Aは、認証管理情報54の更新に応じて、各リーダ12で保持する認証情報71を更新させる。例えば、ある利用者U1のIDについて、ゲートG1のリーダR1での認証が成功した場合、正規の入退経路で次に認証が成功とされるリーダ12はリーダR2となる。よって、リーダR2の保持する認証情報71には、その利用者U1のIDが次に認証を成功させるIDとして格納される。
ステップS2で、フリーアドレスオフィス管理部11Bの席決定部202は、ステップS1で要求として取得された対象利用者の利用者IDについて、利用者属性情報51および行動履歴情報61から、それぞれ属性情報および行動履歴情報を取得する。
ステップS3で、席決定部202は、対象利用者への席の割り当ての対象エリアであるフリーアドレスオフィスエリアA1に関する優先順位条件情報63を参照する。
ステップS4で、席決定部202は、対象エリアであるフリーアドレスオフィスエリアA1に関する席状況情報62を参照する。
ステップS5で、席決定部202は、ステップS2〜S4で取得、参照した各情報に基づいて、その時点での優先順位条件を式として生成する。席決定部202は、優先順位条件情報63(後述の図10)に設定されている複数の条件情報(対応する行)を上から順に参照する。席決定部202は、条件情報毎に、「対象情報」項目の値を、利用者の属性情報や行動履歴情報の項目から取得する。席決定部202は、条件情報毎に、「対象情報」項目の値と、「条件値」項目の値と、「条件判定」項目の値と、「条件組合せ」項目の値とに応じて、条件として、優先順位条件式を生成する。この条件は、「条件組合せ」項目の値に応じて、論理式として生成される。
席決定部202は、優先順位条件情報63において、条件ID毎に、複数の条件情報が設定されている場合には、同様に、複数の条件(優先順位条件式)を生成する。これらの複数の条件は、条件IDの順で上から順に高い優先順位を持つ複数の条件である。
ステップS6で、席決定部202は、座状況情報62におけるフリーアドレスオフィスエリアA1内の“空席”状態の席102から、ステップS5で生成した1つ以上の条件(優先順位条件式)に基づいて、条件に該当する席102を選択し、対象利用者に割り当てる。すなわち、席決定部202は、対象利用者の席102を決定する。
ステップS7で、席決定部202は、ステップS6で決定した席102の割り当ての情報を、席状況情報62、および行動履歴情報61に反映する。この際、席状況情報62では、対象利用者に割り当てられた席102の席IDの「席状況」が、“空席”状態から“在席”状態に更新されるとともに、対象利用者の利用者IDが設定される。
また、この際、フリーアドレスオフィス管理部11Bは、行動履歴情報61に、ステップS6で決定した席102に応じて、対象利用者の「前回利用席」や「前回利用グループ」等の項目の情報を更新する。
ステップS8で、入室通知部203は、ステップS6の席102の割り当ての情報を、利用者に対して通知する。具体的には、入室通知部203は、席ID等を含む席割当情報を、リーダ12に送信し、リーダ12の表示部12Eの画面にその席割当情報を表示させる。なお、席割当情報は、リーダ12の認証結果情報の表示と一緒の表示としてもよいし、別の表示としてもよい。
ステップS9で、その後、入退管理装置11のフリーアドレスオフィス管理部11Bは、入退管理部11Aとの連携で、対象利用者がエリア100から退室したことを把握する。その場合、フリーアドレスオフィス管理部11Bは、フリーアドレスオフィスエリアA1における対象利用者の席102の割り当てを解除し、席状況情報62を更新する。この際、席状況情報62では、その席102が“在席”状態から“空席”状態に更新される。
以上の処理は、繰り返しのループで実行され、利用者毎に同様に席102の割り当てが実現される。
[レイアウト例]
図5は、エリア100における席102等のレイアウト構成例を示す。本例では、エリア100は、情報管理上で区画された複数のエリアとして、フリーアドレスオフィスエリアA1、受付エリアA2、一般受付エリアA3、会議・応接ルームA4、役員ルームA5、管理ルームA6を有する。
図5は、エリア100における席102等のレイアウト構成例を示す。本例では、エリア100は、情報管理上で区画された複数のエリアとして、フリーアドレスオフィスエリアA1、受付エリアA2、一般受付エリアA3、会議・応接ルームA4、役員ルームA5、管理ルームA6を有する。
フリーアドレスオフィスエリアA1は、フリーアドレスオフィス方式の対象となるエリアであり、複数の席102が所定のレイアウトで配置されている。複数の各々の席102は、基本的に固定席ではなく自由席である。例えば、社員は、割り当てられた席102を利用し、書類やノートPC等を用いながら業務を行う。フリーアドレスオフィスエリアA1には、複合機や書類棚等も配置されている。受付エリアA2は、フリーアドレスオフィスエリアA1を利用する社員等の利用者が入退する受付・出入口となるエリアであり、フリーアドレスオフィスエリアA1と通じている。受付エリアA2の入口側には前述のゲート13(ゲートG1)およびリーダ12(リーダR1,R2)が配置されている。受付エリアA2にはロッカー等も設けられている。図2の変形例の場合には例えば受付エリアA2にフリーアドレスオフィス管理端末装置16が設けられている。
一般受付エリアA3は、会社に対する顧客等が入退する一般の受付・出入口となるエリアである。例えば、一般受付エリアA3と受付エリアA2との間には、認証を要するゲートG2およびリーダ12が設けられている。会議・応接ルームA4は、社員による会議や顧客の応接等に汎用的に用いられるエリアである。例えば、会議・応接ルームA4とフリーアドレスオフィスエリアA1との間には、認証を要するゲートG3およびリーダ12が設けられている。役員ルームA5は、社長等の役員が利用するエリアである。例えば、役員ルームA5とフリーアドレスオフィスエリアA1との間には、認証を要するゲートG4およびリーダ12が設けられている。管理ルームA6は、サーバ等が設置されているエリアである。このサーバは、前述の入退管理装置11を構成するサーバを含む。例えば、管理ルームA6と受付エリアA2との間には、認証を要するゲートG5およびリーダ12が設けられている。
フリーアドレスオフィスエリアA1には、例えばグループA〜Mで示す複数のグループが構成されている。グループ毎に、複数の席102が設置されている。グループは、複数の席102の集まりであり、「島」と呼ばれる場合もある。なお、個々の席102については、机や椅子や作業スペース等を区分せずに1つにまとめた単位領域で表している。フリーアドレスオフィスエリアA1は、複数のエリアから構成されてもよいし、エリア間等には壁が設けられてもよい。それらの複数のエリアは、入退管理システム10によって入退が管理されてもよい。
席102およびグループには、複数の種類が存在してもよい。本例では、フリーアドレスオフィスエリアA1に、複数の種類のグループおよび席102が存在する。グループA,B,C,D,Eは、対向型で複数の席102が配置されているグループである。例えば、グループAは、番号1〜6で示す6個の席102を有する。例えば番号1の席と番号4の席とが対向するように配置されている。
また、例えば、グループFは、仕切り型の席102が配置されているグループである。この席102は、仕切りで囲われている。また、例えば、グループG,H,Iは、同向型の席102が配置されているグループである。例えば、番号34〜42で示す各々の席102は、同じ向きで配置されている。また、例えば、グループJ,K,L,Mは、丸テーブル型の席102が配置されているグループである。1つの丸テーブルに、複数(例えば4人分)の席102が構成されている。
なお、エリア100には、無線LAN等の通信システムが構成され、その上に組織の業務用の情報処理システム等が構成されている。各席102には、利用者が所持しているノートPC等の機器を接続するための通信設備が設けられている。各席102に、予めデスクトップPC等の機器が固定で設置されていてもよい。
席状況情報62には、エリア100における席102の位置、席102やグループの種類等の情報が設定可能である。入退管理装置11では、予め管理者M1の操作に基づいて、設定画面で、複数の席102の位置、席102やグループの種類等が設定可能である。
[隣接関係の設定例]
図6は、さらに、図5の席102の種類や詳細の例を示し、特に、複数の席102における隣接関係の設定例を示す。入退管理装置11では、予め、管理者M1の操作に基づいて、設定画面で、複数の席102における隣接関係として「隣接席」が設定可能である。図9の席状況情報62における「隣接席ID」項目では、席102の隣接関係を表す「隣接席」が設定可能となっている。
図6は、さらに、図5の席102の種類や詳細の例を示し、特に、複数の席102における隣接関係の設定例を示す。入退管理装置11では、予め、管理者M1の操作に基づいて、設定画面で、複数の席102における隣接関係として「隣接席」が設定可能である。図9の席状況情報62における「隣接席ID」項目では、席102の隣接関係を表す「隣接席」が設定可能となっている。
図6の(A)は、グループAの対向型の席102の配置例を示す。グループAの番号(#)1〜6の6個の席102を示す。各席102は机と椅子を含む。例えば、番号1〜3の3つの席102は、Y方向(南北)に沿って同じ向きで隣接して配置されている。また、番号4〜6の3つの席102は、Y方向に沿って同じ向きで隣接して配置されている。例えば番号1と番号4の席は、X方向(東西)で対向して隣接して配置されている。
隣接席として、例えば、番号1の席と番号2の席との組は、同向型の隣接席として設定されている。同様に、番号2の席と番号3の席との組、番号4の席と番号5の席との組、および番号5の席と番号6の席との組は、同向型の隣接席として設定されている。対応して、図9の席状況情報62では、例えば番号1の席に対応する席ID=1の行において、「隣接席ID」項目に、隣接席を表す席ID=2が設定されている。
また、他の隣接関係の設定例として、同じグループ内のすべての席を、グループ型の隣接席として設定することも可能である。例えば、番号1の席と番号5の席との組は、斜めに配置されている関係であるが、グループ型の隣接席ではこのような組を含む。
図6の(B)は、1つの大テーブルにおいて複数の席102が構成される場合の設定例を示す。1つの大テーブルにおいて例えば席IDとしてs21〜s28で示す8個の席102が構成されている。大テーブルの一方の長辺に、s21〜s23の3個の席102が同向で隣接して配置されている。大テーブルの他方の長辺に、s24〜s26の3個の席102が同向で隣接して配置されている。大テーブルの一方の短辺にはs27の1個の席102、他方の短辺にはs28の1個の席102が配置されている。これらの複数の席102を同じグループの隣接席として設定可能である。また特に、例えばs21の席とs22の席との組が、同向型の隣接席として設定可能である。例えばs21の席とs24の席との組が、対向型の隣接席として設定可能である。
図6の(C)は、1つの丸テーブルにおいて複数の席102が構成される場合の設定例を示す。例えば、1つの丸テーブルにおいて席IDとしてs31〜s34で示す4個の席102が構成されている。これらの複数の席102を同じグループの隣接席として設定可能である。また特に、例えばs31の席とs32の席との組やs32の席とs33の席との組等の各組を、隣接席として設定可能である。
管理者M1は、上記のような各種の隣接席の設定が可能であり、その設定に基づいて、優先順位条件情報63において、隣接席を用いた条件を設定可能である。
[利用者属性情報]
図7は、利用者属性情報51の構成例の表を示す。この利用者属性情報51の表は、項目として、利用者ID、所属部門、職位、プロジェクト、等を有する。利用者IDは、利用者を一意に識別するためのIDであり、IDカード14のカードIDと同じID、または、カードIDと対応付けられて管理されている別のIDである。所属部門は、その利用者が所属する部門、例えば営業部門、設計部門、等を表す情報である。職位は、その利用者の職位であり、例えば主任、一般、等を表す情報である。プロジェクトは、その利用者が現在係わっている業務上のプロジェクトを表す情報である。
図7は、利用者属性情報51の構成例の表を示す。この利用者属性情報51の表は、項目として、利用者ID、所属部門、職位、プロジェクト、等を有する。利用者IDは、利用者を一意に識別するためのIDであり、IDカード14のカードIDと同じID、または、カードIDと対応付けられて管理されている別のIDである。所属部門は、その利用者が所属する部門、例えば営業部門、設計部門、等を表す情報である。職位は、その利用者の職位であり、例えば主任、一般、等を表す情報である。プロジェクトは、その利用者が現在係わっている業務上のプロジェクトを表す情報である。
[利用者行動履歴情報]
図8は、行動履歴情報61の構成例の表を示す。この行動履歴情報61の表は、項目として、利用者ID、出勤日数、平均滞在時間、前回利用日、前回利用グループ、前回利用席ID、等を有する。「出勤日数」項目は、利用者の当月の出勤日数である。本例では、エリア100(特にフリーアドレスオフィスエリアA1)への入室が出勤に対応し、退室が退勤に対応する。「平均滞在時間」項目は、利用者が割り当てられた席102を利用した時間の平均値である。本例では、この利用時間は、エリア100に対する入室から退室までの時間、すなわち概略的に勤務時間に対応する。
図8は、行動履歴情報61の構成例の表を示す。この行動履歴情報61の表は、項目として、利用者ID、出勤日数、平均滞在時間、前回利用日、前回利用グループ、前回利用席ID、等を有する。「出勤日数」項目は、利用者の当月の出勤日数である。本例では、エリア100(特にフリーアドレスオフィスエリアA1)への入室が出勤に対応し、退室が退勤に対応する。「平均滞在時間」項目は、利用者が割り当てられた席102を利用した時間の平均値である。本例では、この利用時間は、エリア100に対する入室から退室までの時間、すなわち概略的に勤務時間に対応する。
「前回利用日」項目は、利用者がフリーアドレスオフィス方式で割り当てられたいずれかの席102を前回利用した年月日である。「前回利用グループ」項目は、利用者が前回利用した席102を含むグループのID(グループID)である。「前回利用席」は、利用者が前回利用した席102のID(席ID)である。
行動履歴情報61の構成は、本例に限らず可能である。例えば、フリーアドレスオフィス管理部11Bは、利用者毎に席102の利用の回数や頻度等の情報を、行動履歴情報61に記録してもよい。行動履歴情報61には、利用者毎に過去の所定の期間にわたる席102の利用履歴が保持されてもよい。
フリーアドレスオフィス管理部11Bは、入退履歴情報52から、一部加工によって行動履歴情報61を作成することができる。すなわち、入退履歴情報52に、席102の利用履歴に係わる情報を追加することで、行動履歴情報61とすることができる。具体的に、行動履歴情報61では、席102の利用履歴に係わる情報として、「前回利用グループ」や「前回利用席」項目が追加されている。
[席状況情報]
図9は、席状況情報62の構成例の表を示す。この席状況情報62の表は、項目として、席ID、位置、種類、所属グループ、隣接席ID、席状況、等を有する。「席ID」項目は、席102毎のIDである。なお、席IDは、より詳細に、机や椅子の対応関係で規定されてもよい。「位置」項目は、フリーアドレスオフィスエリアA1におけるその席102の位置を表す情報である。「種類」項目は、席102の種類を表す情報である。「所属グループ」は、その席IDの席102が所属するグループ(島)を表すグループIDである。なお、実施の形態1の例では、全ての席102は、いずれかのグループに所属する設定を有するが、他の例では、グループの設定を有さなくてもよい。
図9は、席状況情報62の構成例の表を示す。この席状況情報62の表は、項目として、席ID、位置、種類、所属グループ、隣接席ID、席状況、等を有する。「席ID」項目は、席102毎のIDである。なお、席IDは、より詳細に、机や椅子の対応関係で規定されてもよい。「位置」項目は、フリーアドレスオフィスエリアA1におけるその席102の位置を表す情報である。「種類」項目は、席102の種類を表す情報である。「所属グループ」は、その席IDの席102が所属するグループ(島)を表すグループIDである。なお、実施の形態1の例では、全ての席102は、いずれかのグループに所属する設定を有するが、他の例では、グループの設定を有さなくてもよい。
「隣接席ID」項目は、その席IDの席102に対し、図6の例のように、隣接席として設定されている席102の席IDが格納される。例えば、図6の(A)のグループAの例では、番号2の席に対し、同向型の隣接席として、番号1,3の席がある。対応して、図9の表では、席ID=2の行で、「隣接席ID」項目には、番号1,3が設定されている。なお、「隣接席ID」の設定を省略することで、同じグループの全席を隣接席として扱うことも可能である。
「席状況」項目は、その席IDの席102の状況を表す値が格納される。この「席状況」項目の値は、“空席”と“在席”とを有する。例えば“空席”は値0、“在席”は値1で規定される。“在席”の場合には、その席102に割り当てられている利用者の利用者IDも併せて設定される。
[優先順位条件情報]
図10は、優先順位条件情報63の構成例の表を示す。図10の(A)や(B)では、それぞれ、優先順位条件の設定例を示している。この優先順位条件情報63の表は、項目として、条件ID、対象情報、条件値、条件判定、条件組合せ、等を有する。
図10は、優先順位条件情報63の構成例の表を示す。図10の(A)や(B)では、それぞれ、優先順位条件の設定例を示している。この優先順位条件情報63の表は、項目として、条件ID、対象情報、条件値、条件判定、条件組合せ、等を有する。
「条件ID」項目は、優先順位条件式を構成する条件のIDである。1つの条件(優先順位条件式)は、1つ以上の行の条件情報から構成することができる。(A)の例では、第1行で、条件ID=1と設定されており、1つの行の条件情報によって、1つの条件として第1条件が構成されている。(B)の例では、第1行および第2行では、条件ID=1と設定されており、これらの2つの行の条件情報によって、1つの条件として第1条件(条件J1とする)が構成されている。第3行、第4行、および第5行では、条件ID=2と設定されており、これらの3つの行の条件情報によって、1つの条件として第2条件(条件J2とする)が構成されている。同様に、行の追加によって、第3条件以降の条件も設定可能である。これらの複数の条件は、優先順位を持つ。表の上側の条件から順に高い優先順位を持つ。例えば、条件J1が最も優先順位が高く、次に条件J2が優先順位が高い。優先順位条件情報63の表に設定されている複数の条件によって、1つの優先順位条件が構成されている。管理者M1は、適宜に、小さな条件(優先順位条件式)を作成し、組み合わせることで、優先順位条件を設定することができる。
「対象情報」項目は、条件で考慮する対象情報を設定する項目であり、図7の利用者属性情報51の項目や図8の行動履歴情報61の項目から参照する項目である対象情報を指定する情報である。管理者M1は、利用者属性情報51の項目(所属部門、職位、プロジェクト等)や行動履歴情報61の項目(出勤日数、平均滞在時間、前回利用日、前回利用グループ、前回利用席等)から選択して、「対象情報」項目に設定可能である。
「条件値」項目は、条件で考慮する席102の関係を設定する項目であり、予め用意されている複数の条件値の選択肢から選択して設定可能である。条件値の選択肢としては、“隣接席”、“グループ”、“席”等がある。条件値“席”は、個別の席102の単位を表す。条件値“グループ”は、グループ(島)の単位を表す。条件値“隣接席”は、図6の例のような設定されている隣接席の単位を表す。
「条件判定」項目は、「対象情報」および「条件値」に関する判定の際の判定の仕方を設定する項目であり、「条件判定」値の選択肢として、“非一致”または“一致”から選択して設定可能である。
「条件組合せ」項目は、条件情報の行に関する組み合わせの論理式を設定可能とする項目であり、「条件組合せ」値の選択肢として、“AND”、“OR”、“無し”から選択して設定可能である。複数の行によって1つの条件を構成する場合には、“AND”または“OR”が設定される。単一の行によって1つの条件を構成する場合には、“無し”が設定される。“AND”値は、その行の条件情報を、同じ条件IDで“AND”値を持つ他の行の条件情報と、AND条件によって組み合わせることを表す。“OR”値は、その行の条件情報を、同じ条件IDで“OR”値を持つ他の行の条件情報と、OR条件によって組み合わせることを表す。
[優先順位条件情報−設定例(1)]
図10の(A)の優先順位条件の設定例では、第1行の条件情報において、条件ID=1の第1条件が設定されている。第1条件では、「対象情報」項目には“前回利用席”値が設定され、「条件値」項目には“席”値が設定され、「条件判定」項目には“非一致”値が設定され、「条件組合せ」項目には“無し”値が設定されている。なお、管理者M1が条件を追加や修正する場合には、行を追加や修正する等して設定可能である。
図10の(A)の優先順位条件の設定例では、第1行の条件情報において、条件ID=1の第1条件が設定されている。第1条件では、「対象情報」項目には“前回利用席”値が設定され、「条件値」項目には“席”値が設定され、「条件判定」項目には“非一致”値が設定され、「条件組合せ」項目には“無し”値が設定されている。なお、管理者M1が条件を追加や修正する場合には、行を追加や修正する等して設定可能である。
この優先順位条件の設定例は、同じ利用者に対し、席102の割り当ての方針として、行動履歴情報61に基づいて前回利用席の席102に対し異なる席102を割り当てるものである。これにより、管理者M1の期待効果および優先方針として、フリーアドレスの席の固定化を防ぎ、なるべく違う席とすることにより、利用者にリフレッシュ効果を与え、新鮮な気分で業務に臨んでもらう。また、この場合、毎回割り当てる席が変化するので、その席に応じて隣接になる利用者も変化する。そのため、利用者間のコミュニケーション向上も期待できる。
[優先順位条件情報−設定例(2)]
図10の(B)の優先順位条件の設定例では、条件ID=1の第1条件と、条件ID=2の第2条件とが設定されている。第1条件(条件J1)は、2つの行の条件情報のAND(論理積)によって構成されている。第2条件(条件J2)は、3つの行の条件情報のOR(論理和)によって構成されている。
図10の(B)の優先順位条件の設定例では、条件ID=1の第1条件と、条件ID=2の第2条件とが設定されている。第1条件(条件J1)は、2つの行の条件情報のAND(論理積)によって構成されている。第2条件(条件J2)は、3つの行の条件情報のOR(論理和)によって構成されている。
第1条件の第1行では、「対象情報」項目には“所属部門”値が設定され、「条件値」項目には“隣接席”値が設定され、「条件判定」項目には“非一致”値が設定され、「条件組合せ」項目には“AND”値が設定されている。第1条件の第2行では、「対象情報」項目には“プロジェクト”値が設定され、「条件値」項目には“グループ”値が設定され、「条件判定」項目には“一致”値が設定され、「条件組合せ」項目には“AND”値が設定されている。
第1条件における第1行の条件情報は、対象利用者の所属部門と、対象利用者に対し隣接席とする利用者の所属部門とが一致しないという条件要素を表している。言い換えると、この条件情報は、対象利用者の所属部門とは異なる所属部門の利用者の隣接席を選択するという条件要素を表している。
「対象情報」項目の“所属部門”値は、席割当対象である対象利用者(例えば利用者UA1とする)、および席割当済みである“在席”状態の利用者における所属部門を判断することを表している。「条件値」項目の“隣接席”値は、対象利用者と在席の利用者との関係として「隣接席」を判断することを表している。「条件値」項目の“非一致”値は、隣接席とする利用者間で所属部門が一致しないことを表している。「条件組合せ」項目の“AND”値は、第1行の条件要素と第2行の条件要素とをAND条件で組み合わせることを表している。
また、第1条件における第2行の条件情報は、対象利用者のプロジェクトと、対象利用者に対し同じグループの席とする他の“在席”状態の利用者のプロジェクトとを一致させるという条件要素を表している。言い換えると、この条件情報は、対象利用者のプロジェクトと同じプロジェクトの利用者が在席しているグループの席を選択するという条件要素を表している。具体例については、後述の図12の(B)に示している。
第1条件(条件J1)は、第1行の条件要素と第2行の条件要素とのAND条件での優先順位条件式であり、条件J1=[第1行の条件要素]AND[第2行の条件要素]として表せる。すなわち、第1条件では、第1行の条件要素と第2行の条件要素との両方を満たす空席がある場合に、その空席が、割り当てる席として選択されることになる。第1条件を満たす席102が無い場合には、次の第2条件が参照される。
第2条件の第3行では、「対象情報」項目には“前回利用席”値が設定され、「条件値」項目には“席”値が設定され、「条件判定」項目には“一致”値が設定され、「条件組合せ」項目には“OR”値が設定されている。第2条件の第4行では、「対象情報」項目には“前回利用席”値が設定され、「条件値」項目には“隣接席”値が設定され、「条件判定」項目には“一致”値が設定され、「条件組合せ」項目には“OR”値が設定されている。第2条件の第5行では、「対象情報」項目には“前回利用グループ”値が設定され、「条件値」項目には“グループ”値が設定され、「条件判定」項目には“一致”値が設定され、「条件組合せ」項目には“OR”値が設定されている。
第2条件における第3行の条件情報は、対象利用者の前回利用席と一致する席を選択するという条件要素を表している。第2条件の第4行の条件情報は、対象利用者の前回利用席に対する隣接席を選択するという条件要素を表している。第2条件の第5行の条件情報は、対象利用者の前回利用グループと同じグループの席を選択するという条件要素を表している。
第2条件(条件J2)は、第3行の条件要素と第4行の条件要素と第5行の条件要素とのOR条件での優先順位条件式であり、条件J2=[第3行の条件要素]OR[第4行の条件要素]OR[第5行の条件要素]として表せる。すなわち、第2条件では、第3行、第4行、または第5行の条件要素のいずれかを満たす空席がある場合に、その空席が、割り当てる席として選択されることになる。
図3の席決定部202は、優先順位条件情報63の表において、複数の条件が設定されている場合、上側から下側へ順に条件を参照して、割り当てる席の判定を行う。本例では、まず第1条件(条件JI)が参照される。第1条件を満たす席102がある場合には、その席102に決定される。第1条件を満たす席102が無い場合には、次の第2条件(条件J2)が参照される。第2条件を満たす席102がある場合には、その席102に決定される。席決定部202は、複数の条件のうちで上側から順にみていずれかの条件を満たす席があった場合には、その席に決定する。
席決定部202は、複数の条件のいずれも満たさない場合には、予め用意されている所定の条件に従って、いずれかの席102を選択、決定する。その所定の条件は、公知技術例と同様の条件として、ランダム条件、席番号順条件、利用者自由選択条件、等が挙げられる。ランダム条件は、空席からランダムに席を選択する条件である。席番号順条件は、フリーアドレスオフィスエリアA1内の空席のうち席番号(席ID)の順(昇順、降順等)で席を選択する条件である。利用者自由選択条件は、利用者の意思で自由に選択してもらう条件である。なお、席決定部202は、判断の結果、エリア100内のいずれの席102も割り当て済みであり空いていない場合には、その旨の出力を利用者に行う。
図10の(B)の優先順位条件の設定例は、第1優先順位として、まず、同じプロジェクトに属する利用者を同じグループの席として、所属部門が異なる利用者同士を隣接席に配置させるものである。また、第2優先順位として、利用者の前回利用席と同じ席、または前回利用席に隣接する席、または、前回利用席と同じグループ内の席を選択させるものである。これにより、管理者M1の期待効果および優先方針として、異なる部門の社員間でのコミュニケーション等を向上させる。
図10の優先順位条件情報63の構成に限らず可能である。例えば、「条件値」項目の値として、より詳しく、グループまたは席の種類や、隣接席の種類(例えば対向型、同向型)を選択可能としてもよい。
上記のように、管理者M1が優先順位条件内で設定可能である条件は、少なくとも、利用者の前回利用した席またはグループと今回割り当てる席またはグループとを一致にする条件と、利用者の前回利用した席またはグループと今回割り当てる席またはグループとを非一致にする条件とを有する。また、この条件は、少なくとも、利用者の属性と利用者に今回割り当てる席に対し隣接席の利用者の属性とを一致にする条件と、利用者の属性と利用者に今回割り当てる席に対し隣接席の利用者の属性とを非一致にする条件と、を有する。
[優先順位条件情報−設定画面例]
図11は、入退管理装置11によって提供される、管理者M1による優先順位条件情報63の設定の際の設定画面例を示す。管理者M1は、この画面で、フリーアドレスオフィス管理の席の割り当てに係わる優先順位条件を1つ以上設定することができる。管理者M1は、例えば、フリーアドレスオフィスエリアA1に関する1つ以上の優先順位条件を設定可能である。あるいは、複数の対象エリアがある場合には、それぞれの対象エリアに対して優先順位条件を設定可能である。本例では、図5のような1つのフリーアドレスオフィスエリアA1に関する一人の管理者M1による1つの優先順位情報63の設定例を示しているが、これに限らず可能である。複数のフリーアドレスオフィスエリアがある場合や複数の管理者がいる場合にも対応可能となっている。
図11は、入退管理装置11によって提供される、管理者M1による優先順位条件情報63の設定の際の設定画面例を示す。管理者M1は、この画面で、フリーアドレスオフィス管理の席の割り当てに係わる優先順位条件を1つ以上設定することができる。管理者M1は、例えば、フリーアドレスオフィスエリアA1に関する1つ以上の優先順位条件を設定可能である。あるいは、複数の対象エリアがある場合には、それぞれの対象エリアに対して優先順位条件を設定可能である。本例では、図5のような1つのフリーアドレスオフィスエリアA1に関する一人の管理者M1による1つの優先順位情報63の設定例を示しているが、これに限らず可能である。複数のフリーアドレスオフィスエリアがある場合や複数の管理者がいる場合にも対応可能となっている。
本例では、設定画面は、条件欄1001、優先順位条件表1002、コメント欄1003、登録ボタン等を有する。条件欄1001では、管理者M1が、優先順位条件毎に名前を付けて保存することや、設定済みの優先順位条件から選択して設定更新すること等が可能である。コメント欄1003では、管理者M1が、優先順位条件毎に、期待効果や優先方針等のコメントを記入可能である。管理者M1は、優先順位条件表1002の情報を設定、確認し、登録ボタンを押すことで、記憶部11Cの優先順位条件情報63を保存、更新することができる。
優先順位条件表1002は、図10の優先順位条件情報63の表に対応する内容が表示される。管理者M1は、この優先順位条件表1002において、所定の操作によって、行を選択し、行を追加や削除、挿入することで、前述の条件(優先順位条件式)を作成可能である。また、管理者M1は、行毎に、「対象情報」等の項目毎に、プルダウンリスト1004等の選択肢から値を選択して設定することができる。図11の例では、「対象情報」項目の値を選択して設定する場合を示している。
また、あるエリア100に対して適用可能である複数の優先順位条件情報の設定が保存されている場合に、管理者M1が、いずれの条件を実際に適用するかについても選択可能である。設定画面には、図示しないが、その適用する優先順位条件を選択する欄も用意されている。なお、前述のランダム条件等についても、管理者M1によって設定画面で選択して設定できるようにしてもよい。
[優先順位条件情報−期待効果]
図12は、優先順位条件情報63に関する、管理者M1の期待効果が異なる2つの優先順位条件の例等を示す説明図である。図12の(A)は、ある組織における利用者の属性の構成例を示す。ある会社において、業務上のあるプロジェクトXがあるとする。そのプロジェクトXに係わる各部門の社員がいる。例えば、部門A(例えば営業部門)における社員UA1,UA2,……,UAm、部門B(例えば設計部門)における社員UB1,UB2,……,UBn等の社員がいる。
図12は、優先順位条件情報63に関する、管理者M1の期待効果が異なる2つの優先順位条件の例等を示す説明図である。図12の(A)は、ある組織における利用者の属性の構成例を示す。ある会社において、業務上のあるプロジェクトXがあるとする。そのプロジェクトXに係わる各部門の社員がいる。例えば、部門A(例えば営業部門)における社員UA1,UA2,……,UAm、部門B(例えば設計部門)における社員UB1,UB2,……,UBn等の社員がいる。
図12の(B)は、優先順位条件の設定例として優先順位条件Aの場合の席102の割り当ての例を示す。優先順位条件Aは、管理者M1の期待効果、優先方針として、異なる部門の社員間でのコミュニケーションの向上やコラボレーションの活性化である。
優先順位条件Aの設定は、前述の図10の(B)と類似であり、優先順位が高い条件として、異なる部門の社員同士を隣接席に配置する条件(例えば条件J1)が含まれている。(B)では、前述のグループA,Bの席102を示す。フリーアドレスの席102の割り当ての対象利用者が例えば社員UA1であるとする。席状況として、グループAの番号2の席には社員UA2が在席状態であり、グループBの番号8の席には社員UB1が在席状態であり、他の席が空席であるとする。席決定部202は、優先順位条件Aに基づいて、社員UA1に割り当てる席を選択する。この際、条件J1に関しては、同じプロジェクトに属する社員UB1の席(番号8)と同じグループ(グループB)で、隣接席(例えば同向型の隣接席)としては、番号7,9等の席102があり、それらの空席が候補となる。席決定部202は、例えば、候補から番号7の席102を選択して社員UA1に割り当てる。
図12の(C)は、他の優先順位条件の設定例として優先順位条件Bの場合の席102の割り当ての例を示す。優先順位条件Bは、管理者M1の期待効果、優先方針として、同じ部門内の社員間での業務効率改善である。優先順位条件Bは、優先順位が高い条件として、同じ部門の社員同士をなるべく近くに配置する条件を含んでいる。この条件の設定例としては、優先順位条件情報63の表で、条件ID=1の行において、「対象情報」項目に“所属部門”値が設定され、「条件値」項目に“隣接席”値または“グループ”値が設定され、「条件判定」項目に“一致”値が設定される。これにより、対象利用者は、部門が同じである在席状態の利用者の席102に対する隣接席または同じグループの席が、優先して割り当てられる。
(C)では、フリーアドレスの席102の割り当ての対象利用者が例えば社員UA1であるとする。席状況として、グループAの番号2の席には社員UA2が在席状態であり、グループBの番号8の席には社員UB1が在席状態であり、他の席が空席であるとする。席決定部202は、優先順位条件Bに基づいて、社員UA1に割り当てる席を選択する。この際、条件に関して、同じ部門に属する社員UA2の席(番号2)と同じグループ(グループA)で、隣接席(例えば同向型)としては、番号1,3等の席102があり、それらの空席が候補となる。席決定部202は、例えば、候補から番号1の席102を選択して社員UA1に割り当てる。
上記優先順位条件の設定例は、在席利用者の隣接席を選択する例であるが、これに限らず、条件に応じて、例えば同じグループ内の任意の席を選択すること等も同様に可能である。また、上記例は、プロジェクトと部門の両方の属性を考慮して席を選択する例であるが、これに限らず、条件に応じて、部門、プロジェクト、または職位等の属性を考慮して席を選択することが同様に可能である。
上記例のように、フリーアドレスオフィス方式に関する管理者M1の期待効果は、組織や管理者M1毎に異なり得るものであり、対象のエリアや部門、状況や時期等に応じても異なり得るものである。実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システムは、管理者M1の操作に基づいて、管理者M1の期待効果に応じた優先順位条件を柔軟、詳細に設定可能である。また、管理者M1は、期待効果の変更の場合には、優先順位条件の変更によって対応が可能である。管理者M1は、組織の方針や、ある期間でのフリーアドレスオフィス方式の運用結果に応じて、期待効果および優先順位条件を変更してもよいし、利用者からの要望等に応じて、期待効果および優先順位条件を変更するようにしてもよい。
また、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システム1では、管理者M1の操作に応じて、優先順位条件情報63の設定が更新され、適用が実行された場合には、即時にその優先順位条件情報63の適用が開始される。そのため、管理者M1の期待効果が現れる時期を早くすることができる。
[席割当情報の表示画面例]
図13は、席割当情報の表示画面例を示す。図13の(A)は、図1のシステム構成でリーダ12の画面に表示する例を示す。図13の(B)は、図2の変形例のシステム構成で、フリーアドレスオフィス管理端末装置16の画面に表示する例を示す。
図13は、席割当情報の表示画面例を示す。図13の(A)は、図1のシステム構成でリーダ12の画面に表示する例を示す。図13の(B)は、図2の変形例のシステム構成で、フリーアドレスオフィス管理端末装置16の画面に表示する例を示す。
(A)で、リーダ12の画面には、認証結果情報1301と、席割当情報1302とが表示されている。認証結果情報1301では、利用者のIDまたは名前や、成功または失敗等の情報が表示されている。席割当情報1302では、利用者に割り当てられた席102に関する、利用日時、エリア、席の番号(席ID)等の情報が表示されている。
(B)で、フリーアドレスオフィス管理端末装置16の画面には、席割当情報1303、マップ1304等が表示されている。マップ1304は、割り当てられた席102の位置を表している。マップ1304は、例えばオフィスの見取り図上において、フリーアドレスオフィスエリアA1および複数の席102が表示され、利用者に割り当てられた席102の位置や、その席へのルート等が表示されている。また、画面内には、席毎に、空席や在席の状態を表示してもよいし、利用者ID等を表示してもよい。
なお、フリーアドレスオフィス管理システム1は、他の種類の画面として、利用者属性情報51、行動履歴情報61、席状況情報62等の内容を表示する画面を管理者M1に対して提供してもよい。これにより、管理者M1は、席102の利用履歴等を確認でき、エリア100のレイアウト構成や、優先順位条件の設定に活用することができる。
[効果等]
上記のように、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システム1および入退管理システム10によれば、管理者M1の操作によって管理者M1の期待効果に応じた優先順位条件を設定できる。これにより、所定のルールで利用者の席を選択した結果、管理者等に応じた期待効果を実現しやすくすることができる。特に、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システム1は、入退管理システム10による既存の入退管理の情報を用いて、優先順位条件を設定することができ、その際の管理者M1の手間も少なく、詳細な設定も可能である。入退管理システムを導入済みの組織である場合、少ないコストでフリーアドレスオフィス管理システムを導入することができる。
上記のように、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システム1および入退管理システム10によれば、管理者M1の操作によって管理者M1の期待効果に応じた優先順位条件を設定できる。これにより、所定のルールで利用者の席を選択した結果、管理者等に応じた期待効果を実現しやすくすることができる。特に、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理システム1は、入退管理システム10による既存の入退管理の情報を用いて、優先順位条件を設定することができ、その際の管理者M1の手間も少なく、詳細な設定も可能である。入退管理システムを導入済みの組織である場合、少ないコストでフリーアドレスオフィス管理システムを導入することができる。
従来技術例では、1つの固定のルール(例えばランダム条件)でしか席を決定できないので、フリーアドレスオフィス方式の効果を制御できない。一方、実施の形態1のシステムによれば、管理者M1の期待効果に応じた優先順位条件をルールとして設定することができるので、フリーアドレスオフィス方式の効果を制御でき、期待効果を実現しやすい。
他の実施の形態のフリーアドレスオフィス管理システム等として、以下も可能である。実施の形態1では、前述のように、利用者が認証を経てエリア100に入室したことを、割り当てられた席102を利用していることと同じとみなし、退室したことを、席102を利用していないことと同じとみなす。これにより、席利用状況や行動履歴が管理されている。管理の仕方はこれに限らず可能である。
変形例のフリーアドレスオフィス管理システムでは、より詳細に、エリア100内の席102毎に、利用者による実際の着席等の状態を検出し、実際の席利用状況、在席時間等を把握する。その席利用状態の検出のための手段としては、例えば、席102に設置されたセンサ(例えば振動センサ)を用いてもよいし、エリア100内に設置されたカメラや屋内測位システムを用いてもよい。変形例のシステムは、そのような手段を用いて、利用者の席102の利用履歴を把握し、行動履歴情報61に反映する。
また、他の手段としては、PC管理システム等を用いてもよい。席102毎にPC等の機器が設置されている場合や、利用者がノートPC等の機器を所持している場合に、PC管理システム等は、その機器の利用状況(例えばPCの起動や起動終了)を検出する。変形例のシステムは、PC管理システム等で検出した情報を用いて、利用者の席102の利用履歴を把握する。
(実施の形態2)
図14,図15を用いて、実施の形態2のフリーアドレスオフィス管理システム等について説明する。実施の形態2における基本的な構成は実施の形態1と同様であり、以下では、実施の形態2における実施の形態1とは異なる構成部分について説明する。実施の形態2のフリーアドレスオフィス管理システム1は、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理機能101に加え、さらに、会議スペースを柔軟に設定することができる機能(会議スペース設定機能と記載する場合がある)を提供する。この会議スペース設定機能は、管理者M1の操作に基づいて、フリーアドレスオフィスエリア内に、フリー会議スペースの席を設定することができる機能である。このフリー会議スペースの席は、特定の利用者や時間帯に割り当てられる会議用の席ではなく、フリーアドレスの席が割り当てられている任意の利用者が適宜に会議等に利用可能な席である。
図14,図15を用いて、実施の形態2のフリーアドレスオフィス管理システム等について説明する。実施の形態2における基本的な構成は実施の形態1と同様であり、以下では、実施の形態2における実施の形態1とは異なる構成部分について説明する。実施の形態2のフリーアドレスオフィス管理システム1は、実施の形態1のフリーアドレスオフィス管理機能101に加え、さらに、会議スペースを柔軟に設定することができる機能(会議スペース設定機能と記載する場合がある)を提供する。この会議スペース設定機能は、管理者M1の操作に基づいて、フリーアドレスオフィスエリア内に、フリー会議スペースの席を設定することができる機能である。このフリー会議スペースの席は、特定の利用者や時間帯に割り当てられる会議用の席ではなく、フリーアドレスの席が割り当てられている任意の利用者が適宜に会議等に利用可能な席である。
この会議スペース設定機能は、フリーアドレスオフィス管理機能101によるフリーアドレスの席を割り当てる機能と共存する機能である。すなわち、例えば図1のフリーアドレスオフィスエリアA1内において、フリーアドレスの席(通常席と記載する場合がある)と、フリー会議スペースの席(会議席と記載する場合がある)との両方が共存する。管理者M1は、フリー会議スペースを柔軟に設定することができる。利用者は、フリーアドレスオフィスエリアA1において、自身に割り当てられた席を利用し、必要に応じて適宜にフリー会議スペースの空いている席を利用して、他の利用者との会議等を行うことができる。
[フリーアドレスオフィス管理システム]
実施の形態2のシステム構成は、例えば実施の形態1の図1のシステム構成と同様である。利用者は、エリア100への入室および認証に伴い、入退管理装置11によって優先順位条件に基づいてフリーアドレスの席102が割り当てられる。また、予め、管理者M1が、端末装置15から入退管理装置11に対し、設定画面で、フリー会議スペースとして利用する席を設定することができる。
実施の形態2のシステム構成は、例えば実施の形態1の図1のシステム構成と同様である。利用者は、エリア100への入室および認証に伴い、入退管理装置11によって優先順位条件に基づいてフリーアドレスの席102が割り当てられる。また、予め、管理者M1が、端末装置15から入退管理装置11に対し、設定画面で、フリー会議スペースとして利用する席を設定することができる。
[会議スペース設定機能(1)]
図14は、実施の形態2のフリーアドレスオフィス管理システム1の会議スペース設定機能における、管理者M1による会議スペース設定に係わる画面表示例として、会議スペース設定画面を示す。管理者M1は、例えば図1の管理端末15から入退管理装置11にアクセスし、この設定画面で会議スペースの設定を行うことができる。図14の会議スペース設定画面で、管理者M1は、フリーアドレスオフィスエリアA1の複数の席102のうち、フリーアドレスの席として利用する通常席や、会議スペースとして利用可能にする会議席を設定することができる。実施の形態2では、席102の状態の種類として、「通常席」と「会議席」とがあり、管理者M1が選択して設定可能である。「通常席」は、フリーアドレスの席として選択の候補となる通常席スペースを構成する席102である。「会議席」は、フリー会議スペースを構成する席102である。
図14は、実施の形態2のフリーアドレスオフィス管理システム1の会議スペース設定機能における、管理者M1による会議スペース設定に係わる画面表示例として、会議スペース設定画面を示す。管理者M1は、例えば図1の管理端末15から入退管理装置11にアクセスし、この設定画面で会議スペースの設定を行うことができる。図14の会議スペース設定画面で、管理者M1は、フリーアドレスオフィスエリアA1の複数の席102のうち、フリーアドレスの席として利用する通常席や、会議スペースとして利用可能にする会議席を設定することができる。実施の形態2では、席102の状態の種類として、「通常席」と「会議席」とがあり、管理者M1が選択して設定可能である。「通常席」は、フリーアドレスの席として選択の候補となる通常席スペースを構成する席102である。「会議席」は、フリー会議スペースを構成する席102である。
図14の画面は、エリア欄1401、マップ欄1402等を有する。エリア欄1401は、管理者M1が対象のエリアを選択できる。マップ欄1402は、対象エリアの見取り図上に、複数の席102のIDや位置やグループ等が表示される。また、マップ欄1402では、席102の状態として「通常席」と「会議席」とが区別して表示される。図14では、「通常席」を実線の矩形で示し、会議席を点線枠付きの矩形で示し、グループを破線枠で示す。
例えば、管理者M1は、この設定画面のマップ欄1402で、席102を選択操作し、「通常席」とするか「会議席」とするかを設定できる。例えば、マウスのクリック操作によって、通常席と会議席とを切り替えることができる。なお、席の102の選択は、個別の席単位に限らず、グループ単位でも可能である。グループ単位でまとめて会議席として設定することも可能である。管理者M1は、所望の席102を会議席として設定し、登録ボタンを押して登録する。本例では、グループDの6個の席102(番号19〜24)が、会議席として設定されている。
入退管理装置11の会議スペース設定機能は、上記設定画面で設定、登録された会議スペースに係わる情報を、席状況情報62に反映する。例えば、図9の席状況情報62で、「席状況」項目に、「会議席」を表す値が設定される。
図15は、会議スペース設定に係わる席状況情報62の設定例を示す。グループDの6個の席102(番号19〜24)が、会議席として設定される場合を示す。図15の表で、会議席として設定される、席ID=19〜24の席の行では、「席状況」項目に、“席不可(会議)”値が登録されている。“席不可(会議)”値は、フリーアドレスの通常席としては利用不可である会議席であることを表す。この値が設定された席102は、通常席の在席および空席ではなく、会議スペース用の会議席の扱いとなる。
入退管理装置11の席決定部202は、対象利用者に通常席を割り当てる判断の際には、席状況情報62の“席不可(会議)”値の席以外の空席から選択する。
上記のように、実施の形態2における会議スペース設定機能によれば、フリーアドレスオフィスエリア内で、フリーアドレスの席と共に会議スペースの席を用意し、それらの効率的な共存が実現できる。この会議スペース設定機能によれば、オフィスの席の基本的なレイアウトの変更を要せずに、フリー会議スペースを柔軟に作成できる。利用者は、フリーアドレスの通常席とフリー会議スペースの会議席とを適宜に利用して業務を行うことができる。実施の形態2における管理者M1の期待効果の1つとしては、フリーアドレスの席を利用する社員による会議等を支援や促進することが挙げられる。これにより、コミュニケーション向上や業務効率改善、イノベーション促進等につながる。管理者M1は、会議スペースの運用を考慮した期待効果に応じた優先順位条件の設定が可能である。また、実施の形態2は、オフィス内に専用の会議ルームを設けることが必須ではないので、コスト低減にも寄与できる。
[会議スペース設定機能(2)]
実施の形態2のフリーアドレスオフィス管理システムに関する変形例として以下も可能である。この変形例では、上記とは異なる会議スペース設定機能を有する。変形例における会議スペース設定機能では、会議スペースは、フリー会議スペースではなく、特定の利用者に会議席として割り当てられる。利用者は、会議スペースを利用して会議等を行いたい場合、会議席を確保するための会議利用申請を行う。この会議席は、フリーアドレスの通常席とは別に確保することができる。また、利用者は、フリーアドレスの通常席が不要な場合には、会議席のみを確保することもできる。利用者は、会議席の利用終了後、会議席の確保を解除する。この変形例では、図2のようなシステム構成を適用し、フリーアドレスオフィス管理端末装置16を用いて、利用者による会議利用申請等を受け付ける。この変形例のシステムは、言い換えれば、フリーアドレスオフィス管理システム内に会議予約システムが組み込まれているシステムである。
実施の形態2のフリーアドレスオフィス管理システムに関する変形例として以下も可能である。この変形例では、上記とは異なる会議スペース設定機能を有する。変形例における会議スペース設定機能では、会議スペースは、フリー会議スペースではなく、特定の利用者に会議席として割り当てられる。利用者は、会議スペースを利用して会議等を行いたい場合、会議席を確保するための会議利用申請を行う。この会議席は、フリーアドレスの通常席とは別に確保することができる。また、利用者は、フリーアドレスの通常席が不要な場合には、会議席のみを確保することもできる。利用者は、会議席の利用終了後、会議席の確保を解除する。この変形例では、図2のようなシステム構成を適用し、フリーアドレスオフィス管理端末装置16を用いて、利用者による会議利用申請等を受け付ける。この変形例のシステムは、言い換えれば、フリーアドレスオフィス管理システム内に会議予約システムが組み込まれているシステムである。
フリーアドレスオフィス管理システム1は、会議等を行う利用者からの会議利用申請の入力を受け付ける。例えば、図2で、利用者は、リーダ12で入室時の認証を受けた後、受付エリアA2のフリーアドレスオフィス管理端末装置16の画面に対し、会議利用申請の入力作業を行う。その際、フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、画面において、例えばマップ欄にフリーアドレスオフィスエリアA1等の見取り図を表示し、予め管理者M1によって設定されている会議スペースがわかるように表示する。利用者は、その画面で、会議スペースから、確保する会議席を選択し、会議利用申請を行う。また、この際、実施の形態1の変形例と同様に、利用者は、フリーアドレスの席の利用申請を行うこともできる。また、他の変形例としては、利用者が会議席を選択せずに会議利用申請を行ってもよい。
フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、会議利用申請の入力を受けた場合、その会議利用申請の情報を、入退管理装置11へ送信する。入退管理装置11のフリーアドレスオフィス管理部11B(特に会議スペース設定機能)は、その情報に基づいて、会議席を割り当てる。フリーアドレスオフィス管理部11Bは、フリーアドレスオフィスエリアA1内で予め管理者M1によって設定されている会議スペースの複数の席のうち、既に他の利用者に会議席として確保されている席を除いた、空いている候補の席から、対象利用者が選択した席を、会議席として割り当てる。他の変形例では、フリーアドレスオフィス管理部11Bは、会議スペースの複数の席のうち空いている席から、席を選択して、対象利用者の会議席として割り当てる。
フリーアドレスオフィス管理部11Bは、利用者に会議席を割り当てる際には、席状況情報62における席の状態を更新する。例えば、その席の行における「席状況」項目は、“席不可(会議)”値から、確保される会議席を表す所定の値(例えば“会議席”値)に更新されるとともに対象利用者の利用者IDが格納される。
入退管理装置11は、会議席の割り当ての情報を、フリーアドレスオフィス管理端末装置16に送信し、画面に表示させる。利用者は、その画面を見て、自身に割り当てられた会議席を確認し、その会議席を利用することができる。利用者は、会議席の利用終了後、フリーアドレスオフィス管理端末装置16の画面で、会議席の解除のための入力を行う。フリーアドレスオフィス管理端末装置16は、その入力の情報を入退管理装置11に送信し、入退管理装置11は、その情報に基づいて、対象利用者の会議席を解除する。あるいは、入退管理装置11は、利用者からの会議席の解除のための入力が無い場合でも、所定の時間の経過後に自動的に会議席を解除してもよい。
また、関係する複数の利用者によって同じ会議等を行いたい場合に、複数の利用者の分の複数の会議席をまとめて確保したい場合があり得る。変形例における会議スペース設定機能は、この場合に対応する会議利用申請を受け付ける機能を有する。例えば、複数の利用者のうちの代表利用者は、フリーアドレスオフィス管理端末装置16の画面に対し、複数の利用者の分の複数の会議席の確保に関する会議利用申請を入力する。その会議利用申請の情報には、人数または席数が含まれる。入退管理装置11は、その会議利用申請の情報に基づいて、会議スペースから、要求されている人数分の会議席を割り当てる。
上記のように、実施の形態2の変形例における会議スペース設定機能によれば、実施の形態2と同様に、フリーアドレスオフィスエリア内で、フリーアドレスの席と共に会議スペースの席を用意し、それらの効率的な共存が実現できる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。本発明は、会社等の組織に限らず、一般の顧客にフリーアドレスオフィスの席を提供するビジネス等にも適用可能である。
1…フリーアドレスオフィス管理システム、10…入退管理システム、11…入退管理装置、12…リーダ、13…ゲート、14…IDカード、100…エリア、101…フリーアドレスオフィス管理機能、102…席、U1…利用者、M1…管理者、A1…フリーアドレスオフィスエリア。
Claims (15)
- 利用者にフリーアドレスオフィスの席を割り当てるフリーアドレスオフィス管理システムであって、
情報処理装置を備え、
前記情報処理装置は、
前記フリーアドレスオフィスの管理者の操作に基づいて、前記席の割り当てに関する優先順位条件を設定し、
前記フリーアドレスオフィスの複数の席が設置されているエリアへ前記利用者が入る際には、前記優先順位条件に従って、前記複数の席から席を選択して前記利用者に割り当て、前記選択した席を含む席割当情報を、前記利用者に通知し、
前記エリアから前記利用者が出る際には、前記利用者に割り当てた席を解除し、
前記優先順位条件は、前記利用者の属性情報の項目と、前記利用者の前記エリアの入退履歴または前記席の利用履歴の情報の項目とを用いて、優先順位を持つ1つ以上の条件によって構成される、
フリーアドレスオフィス管理システム。 - 請求項1記載のフリーアドレスオフィス管理システムにおいて、
前記条件は、前記管理者によって選択可能である条件として、少なくとも、
前記利用者の前回利用した席またはグループと、前記利用者に今回割り当てる席またはグループとを一致にする条件と、
前記利用者の前回利用した席またはグループと、前記利用者に今回割り当てる席またはグループとを非一致にする条件と、
を有する、
フリーアドレスオフィス管理システム。 - 請求項1記載のフリーアドレスオフィス管理システムにおいて、
前記条件は、前記管理者によって選択可能である条件として、少なくとも、
前記利用者の属性と、前記利用者に今回割り当てる席に対する隣接席の利用者の属性とを一致にする条件と、
前記利用者の属性と、前記利用者に今回割り当てる席に対する隣接席の利用者の属性とを非一致にする条件と、
を有する、
フリーアドレスオフィス管理システム。 - 請求項3記載のフリーアドレスオフィス管理システムにおいて、
前記情報処理装置は、前記管理者の操作に基づいて、前記エリアの前記複数の席における、前記隣接席の関係を設定可能である、
フリーアドレスオフィス管理システム。 - 請求項1記載のフリーアドレスオフィス管理システムにおいて、
前記情報処理装置は、前記管理者の操作に基づいて、前記エリアの前記複数の席における、前記利用者に割り当てる候補となる通常席と、フリー会議スペースの会議席とを設定可能である、
フリーアドレスオフィス管理システム。 - 請求項1記載のフリーアドレスオフィス管理システムにおいて、
前記情報処理装置は、
前記管理者の操作に基づいて、前記エリアの前記複数の席における、前記利用者に割り当てる候補となる通常席と、会議スペースの会議席とを設定可能であり、
前記利用者からの会議利用申請を受けた場合、前記会議スペースの会議席から選択した会議席を前記利用者に割り当てる、
フリーアドレスオフィス管理システム。 - 利用者にフリーアドレスオフィスの席を割り当てるフリーアドレスオフィス管理機能を有する入退管理システムであって、
前記フリーアドレスオフィスのエリアに対する前記利用者の入退を管理する入退管理装置と、
前記入退管理装置に接続され前記入退の際に前記利用者の認証を行う認証装置と、
を備え、
前記入退管理装置は、
前記フリーアドレスオフィスの管理者の操作に基づいて、前記席の割り当てに関する優先順位条件を設定し、
前記フリーアドレスオフィスの複数の席が設置されているエリアへ前記利用者が入る際には、前記認証装置の認証を通じて前記利用者が入ることを把握し、前記優先順位条件に従って、前記複数の席から席を選択して前記利用者に割り当て、前記選択した席を含む席割当情報を、前記利用者に通知し、
前記エリアから前記利用者が出る際には、前記認証装置の認証を通じて前記利用者が出ることを把握し、前記利用者に割り当てた席を解除し、
前記優先順位条件は、前記利用者の属性情報の項目と、前記利用者の前記エリアの入退履歴または前記席の利用履歴の情報の項目とを用いて、優先順位を持つ1つ以上の条件によって構成される、
入退管理システム。 - 請求項7記載の入退管理システムにおいて、
前記条件は、前記管理者によって選択可能である条件として、少なくとも、
前記利用者の前回利用した席またはグループと、前記利用者に今回割り当てる席またはグループとを一致にする条件と、
前記利用者の前回利用した席またはグループと、前記利用者に今回割り当てる席またはグループとを非一致にする条件と、
を有する、
入退管理システム。 - 請求項7記載の入退管理システムにおいて、
前記条件は、前記管理者によって選択可能である条件として、少なくとも、
前記利用者の属性と、前記利用者に今回割り当てる席に対する隣接席の利用者の属性とを一致にする条件と、
前記利用者の属性と、前記利用者に今回割り当てる席に対する隣接席の利用者の属性とを非一致にする条件と、
を有する、
入退管理システム。 - 請求項9記載の入退管理システムにおいて、
前記入退管理装置は、前記管理者の操作に基づいて、前記エリアの前記複数の席における、前記隣接席の関係を設定可能である、
入退管理システム。 - 請求項7記載の入退管理システムにおいて、
前記入退管理装置は、前記管理者の操作に基づいて、前記エリアの前記複数の席における、前記利用者に割り当てる候補となる通常席と、フリー会議スペースの会議席とを設定可能である、
入退管理システム。 - 請求項7記載の入退管理システムにおいて、
前記入退管理装置に接続されている管理端末装置を備え、
前記入退管理装置は、
前記管理者の操作に基づいて、前記エリアの前記複数の席における、前記利用者に割り当てる候補となる通常席と、会議スペースの会議席とを設定可能であり、
前記管理端末装置は、
前記利用者の操作に基づいて会議利用申請を受け付け、前記会議席の割り当ての情報を画面に表示し、
前記入退管理装置は、前記会議利用申請に基づいて前記会議スペースの会議席の割り当てを行う、
入退管理システム。 - 請求項7記載の入退管理システムにおいて、
前記入退管理装置は、
前記利用者の属性情報を含む利用者属性情報と、前記利用者の前記エリアの入退履歴を含む入退履歴情報とを保持し、
前記入退履歴情報と、前記席の利用履歴の情報とを用いて、前記利用者の行動履歴情報を作成して保持し、
前記行動履歴情報の項目を用いて前記優先順位条件を構成する、
入退管理システム。 - 請求項7記載の入退管理システムにおいて、
前記席割当情報を、前記認証装置の画面に表示する、
入退管理システム。 - 請求項7記載の入退管理システムにおいて、
前記入退管理装置に接続されている管理端末装置を備え、
前記管理端末装置は、前記利用者の操作に基づいて前記席の利用申請を受け付け、前記席割当情報を画面に表示し、
前記入退管理装置は、前記利用申請に基づいて前記席の割り当てを行う、
入退管理システム。
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JP2018166113A JP2020038552A (ja) | 2018-09-05 | 2018-09-05 | フリーアドレスオフィス管理システムおよび入退管理システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018166113A JP2020038552A (ja) | 2018-09-05 | 2018-09-05 | フリーアドレスオフィス管理システムおよび入退管理システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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JP2018166113A Pending JP2020038552A (ja) | 2018-09-05 | 2018-09-05 | フリーアドレスオフィス管理システムおよび入退管理システム |
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---|---|---|---|---|
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2018
- 2018-09-05 JP JP2018166113A patent/JP2020038552A/ja active Pending
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