JP7446885B2 - 座席エリア選定システム、座席エリア選定方法及びプログラム - Google Patents

座席エリア選定システム、座席エリア選定方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、座席エリア選定システム、座席エリア選定方法及びプログラムに関する。
近年、ワーカー(従業員)が最も効率的に仕事を行う場所を選択できるワークスタイル(ABW:Activity Based Working)が注目されている。
オフィスにおけるワーカーの行動を複数の「シーン(ワークシーン)」、例えば、「スィンク(Think)」、「ステーション(Station)」、「コミュニティー(Community)」、「レビュー(Review)」、「レセプション(Reception)」、「アカデミー(Academy)」、「ブレイク(Break)」に区分する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。各シーンの建物内の配置、建物を利用するグループが業務を行う位置を、フロアプランの設計段階で最適化することで、建物の利便性を高めることができる。特許文献1によれば、一般的なオフィス業務は「ステーション」に分類され、ワーカー同士が打ち合わせをする交流は「コミュニティー」などに分類される。このようなシーン分けによって、効率的に仕事を行えるように構成された建物が既に提供されている。
さらに、オフィス業務のための領域(「ステーション」)をフリーアドレス型で構成すれば、ワーカーの好みで、その領域内に設けられたテーブルと席の中から自身が利用するテーブルと席との選択が可能になる。このようなフリーアドレス型のオフィスにおいて、グループ内のコミュニケーションを活性化させること、適した環境で仕事ができることなどが望まれる場合があった。
フリーアドレス型のオフィスにおいて、例えばグループ単位でグループが活動する領域の位置を割り付けるグループアドレスが適用される場合があった。
特開2016-115006号公報
グループアドレスを適用すると、グループに割り付けた領域のほかに所望の席数をまとめて確保したり、当該グループ内の周囲環境とは異なる周囲環境で仕事したりすることが困難になることがあり、グループ内のコミュニケーションを活性化できても、そのオフィスの利便性が低下することがあった。
本発明の目的は、フリーアドレス型のオフィス内で、所望の席数のテーブルを共用可能にする座席エリア選定システム、座席エリア選定方法及びプログラムを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の態様である座席エリア選定システムは、フリーアドレス型オフィスとして利用される対象領域と前記対象領域の外部に位置する特定用途の領域との位置関係情報を含むフロアプラン情報と、前記対象領域内に配置される複数のテーブルの配置情報と、前記複数のテーブルの利用日前に申告された前記利用日の業務に関わる予定情報と、を取得する情報取得部と、前記複数のテーブルの中から前記利用日の利用形態を制限する前記利用日当日の必要テーブル数を前記予定情報に基づいて算出する算出部と、前記予定情報に基づいて、前記対象領域内に第1グループと第2グループとがそれぞれ利用するテーブルを決定するためのグループ配置の優先度を決定し、前記対象領域内で、前記特定用途の領域に比較的近い領域に第1エリアが配置されていて、前記グループ配置の優先度がより高い前記第1グループの一部または全部が前記第1エリアを利用できるように、前記第1グループの領域を、前記第1グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1エリアを含めて配置して、前記第1グループの前記グループ配置の優先度よりも、優先度が低い前記第2グループの領域を、前記第2グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1グループを配置した領域以外の領域に配置して、前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが適宜利用することが許可されたフリーテーブルを前記フリーテーブルの前記必要テーブル数を満たすように選定するレコメンド処理部と、を備える。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記利用日当日の必要テーブル数には、各グループが専ら利用するように割り当てるテーブルのテーブル数と、前記各グループが共用するように割り当てるフリーテーブルのテーブル数とが含まれる。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記レコメンド処理部は、前記フリーテーブルを、前記対象領域の中央にまとめて配置する配置方法と、前記対象領域内に分散して配置する配置方法と、前記対象領域の端にまとめて配置する配置方法との何れかの配置方法を選択して、前記選択された配置方法に従い所定の位置に配置する。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記レコメンド処理部は、前記選択された配置方法に従い前記フリーテーブルを前記所定の位置に仮に配置して、前記各グループが専ら利用するように割り当てるテーブルの配置の結果に応じて、前記仮に配置された前記フリーテーブルの位置を補正する。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記レコメンド処理部は、前記グループ配置の優先度を、前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが申告した、打ち合わせ予定または外出予定に関わる前記予定情報に基づいて決定する。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記第1エリアが満たされた後のグループの領域の配置の規則は、グループ間の組織間近接度による。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記レコメンド処理部は、前記グループ配置の優先度に従い前記第1グループと前記第2グループの領域を配置したのち、前記第1グループと第3グループとの組織間近接度と、前記第2グループと前記第3グループとの組織間近接度とに基づいて、前記第3グループを配置する位置を決定する。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記レコメンド処理部は、前記グループ配置の優先度に従い前記第1グループと前記第2グループの領域を配置する前に、前記フリーテーブルとして利用する領域を選定する。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記予定情報は、前記利用日の打ち合わせ予定に関わる予定情報、または外出に関わる予定情報の何れかを含む。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記レコメンド処理部は、前記対象領域内で前記特定用途の領域に比較的近い領域に前記第1エリアを配置する。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記レコメンド処理部は、前記グループ配置の優先度を、前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが申告した前記利用日の打ち合わせ予定に関わる前記予定情報に基づいて決定する。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記レコメンド処理部は、前記予定情報に基づいて、午後に外出するグループに関する前記グループ配置を、前記第1エリア外に配置する。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記レコメンド処理部は、前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが申告した外出予定に関わる前記予定情報に基づいて決定する。
さらに座席エリア選定システムにおいて、前記外出予定に関わる前記予定情報に基づいて配置された後のグループの領域の配置の規則は、グループ間の組織間近接度による。
さらに座席エリア選定システムは、外部の端末装置からの要求を受け付けて、前記要求に応じて前記レコメンド処理部の処理の結果を前記端末装置に出力する出力部を備える。
さらに本発明の一態様は、座席エリア選定システムのコンピュータが、フリーアドレス型オフィスとして利用される対象領域と前記対象領域の外部に位置する特定用途の領域との位置関係情報を含むフロアプラン情報と、前記対象領域内に配置される複数のテーブルの配置情報と、前記複数のテーブルの利用日前に申告された前記利用日の業務に関わる予定情報と、を取得するステップと、前記複数のテーブルの中から前記利用日の利用形態を制限する前記利用日当日の必要テーブル数を前記予定情報に基づいて算出するステップと、前記予定情報に基づいて、前記対象領域内に第1グループと第2グループとがそれぞれ利用するテーブルを決定するためのグループ配置の優先度を決定し、前記対象領域内で、前記特定用途の領域に比較的近い領域に第1エリアが配置されていて、前記グループ配置の優先度がより高い前記第1グループの領域を、前記第1グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1エリアを含めて配置して、前記第1グループの前記グループ配置の優先度よりも、優先度が低い前記第2グループの領域を、前記第2グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1グループを配置した領域以外の領域に配置して、前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが適宜利用することが許可されたフリーテーブルを前記フリーテーブルの前記必要テーブル数を満たすように選定するステップと、を含む座席エリア選定方法を提供する。
さらに本発明の一態様は、座席エリア選定システムのコンピュータに、フリーアドレス型オフィスとして利用される対象領域と前記対象領域の外部に位置する特定用途の領域との位置関係情報を含むフロアプラン情報と、前記対象領域内に配置される複数のテーブルの配置情報と、前記複数のテーブルの利用日前に申告された前記利用日の業務に関わる予定情報と、を取得するステップと、前記複数のテーブルの中から前記利用日の利用形態を制限する前記利用日当日の必要テーブル数を前記予定情報に基づいて算出するステップと、前記予定情報に基づいて、前記対象領域内に第1グループと第2グループとがそれぞれ利用するテーブルを決定するためのグループ配置の優先度を決定し、前記対象領域内で、前記特定用途の領域に比較的近い領域に第1エリアが配置されていて、前記グループ配置の優先度がより高い前記第1グループの領域を、前記第1グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1エリアを含めて配置して、前記第1グループの前記グループ配置の優先度よりも、優先度が低い前記第2グループの領域を、前記第2グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1グループを配置した領域以外の領域に配置して、前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが適宜利用することが許可されたフリーテーブルを前記フリーテーブルの前記必要テーブル数を満たすように選定するステップと、を実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、フリーアドレス型のオフィス内で、所望の席数のテーブルを共用可能にすることができる。
実施形態が適用される建物の例を説明するための図である。 図1の対象領域TZ内に4つのグループの領域の配置例を説明するための図である。 第1の実施形態の座席エリア選定システムの概略構成図である。 第1の実施形態の座席エリア選定システムの構成図である。 実施形態のレコメンド処理のフローチャートである。 実施形態のグループの人数と空き席数との関係を説明するための図である。 実施形態の打ち合わせ予定比率について説明するための図である。 実施形態のフリースペースの配置例を説明するための図である。 実施形態のグループの領域の配置に関する処理を説明するための図である。 実施形態のアンケートに基づいた、当日の予定を示す集計結果を説明するための図である。 実施形態の行動履歴情報に基づいた他部門とのコミュニケーション量を説明するための図である。 実施形態のグループの領域の配置結果を説明するための図である。 第2の実施形態のレコメンド処理のフローチャートである。 実施形態のアンケートに基づいた、当日の予定を示す集計結果を説明するための図である。 実施形態のグループの領域の配置結果を説明するための図である。 第3の実施形態のレコメンド処理のフローチャートである。 実施形態のアンケートに基づいた、当日の予定を示す集計結果を説明するための図である。 実施形態のグループの領域の配置結果を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
(各実施形態に共通する事項)
以下に示す座席エリア選定システムは、例えば、フリーアドレス型オフィスの座席エリア選定処理に適用される。
例えば、そのオフィスが設けられる建物内には、ワークスタイルに合うように前述の7つのシーンが適宜配置されている。ワークスタイルは、仕事内容や就業場所、雇用形態、勤務時間などのさまざまな要件を含み、グループまたはワーカー単位で予め定められている。各シーンの配置は、フロアプランとゾーニングとによって設計段階で予め定められていて、変更される頻度は比較的低い。毎日の業務の内容によって上記の各シーンの利用率が異なる場合があるが、本実施形態では、共通のフロアプランが適用され、各シーンの位置は不変とする。
以下に示す実施形態は、「ステーション」に割り当てられた領域の利用に関するものである。実施形態の座席エリア選定システムは、フリーアドレス型の「ステーション」において、ワーカーが利用するテーブルと席をグループ単位にまとめた「ホームエリア」を設けて、「グループアドレス方式」を適用する。この「ホームエリア」の中に、日ごとの業務で利用する席(ホーム)を定める。座席エリア選定システムは、ワーカーからの要求に応じて、「ホームエリア」に割り当てられたテーブルの位置を提案(レコメンド)する。これによって、グループ内外のコミュニケーションの活性化を図り、ワーカーの帰属意識が高まることに作用することを見込む。さらに、各グループの作業領域(ホームエリア)の配置が最適化されることによってフリースペースが生まれる。座席エリア選定システムは、そのフリースペースを所望の位置に設けて、その活用の機会を提供する。以下、これに関する詳細を説明する。
(実施形態の適用例)
次の適用例を示して、実施形態について説明する。
図1は、実施形態が適用される建物の例を説明するための図である。
図1に示す対象領域TZには、「ステーション」が割り当てられている。この対象領域TZを利用するワーカーの人数は、合計で概ね30人から50人を見込む。ワーカーがそれぞれ所属するグループ数は、3から5グループを見込む。「ステーション」に配置されるテーブルには、1テーブルあたり4席から6席が設けられているとよい。各テーブルは、例えば、2次元の格子の交点の位置に配置されている。各テーブルのサイズ、形、席数などは、一様であってよく、一部のものが互いに異なっていてもよい。各テーブルの個数、配置の位置は、図に示すものに制限されることなく適宜変更してもよい。
図1に示す適用例の図には、上述の対象領域TZのほかに、隣接領域NZ1と、隣接領域NZ2とが含まれる。隣接領域NZ1は、対象領域TZに隣接する。隣接領域NZ1は、上述したシーンの1つである「コミュニティー」が割り当てられている。「コミュニティー」では、例えば、ワーカー同士がコミュニケーションを行える場が提供される。対象領域TZと隣接領域NZ1とには、隣接領域NZ2が隣接する、隣接領域NZ2には、対象領域TZと隣接領域NZ1が並べて配置される方向に沿った「通路」が設けられている。対象領域TZの外周の内の隣接領域NZ1または隣接領域NZ1に接する辺に近くに位置する、対象領域TZ内の範囲を、「隣接するシーンに近接する範囲」と呼び、これとは反対に上記の辺から離れると「隣接するシーンから遠い」という。図1に示すAAエリアは、「隣接するシーンに近接する範囲」の一例である。
図1中の「a1」から「a4」、「b1」から「b4」、及び「c1」から「c4」のそれぞれは、例えば4つの席が設けられたテーブルを示している。AAエリアは、その中に「a1」、「b1」、及び「c1」の3つのテーブルが含まれる位置に設けられている。AAエリアの中には3つのテーブルと、これらに対応する計12席とが設けられている。AAエリアの詳細については後述する。
図示していないが、対象領域TZを利用する各グループの就業時間は、共通する時間帯に設定されていて、就業時間が互いに異なるシフト制によるものではない。さらに、フレックスタイム制や、残業時間が適用されていてもよい。例えば、座席エリア選定システムが提案対象にする時間帯は、正規の就業時間内と残業時間との一方または両方であってよい。両方の場合、座席エリア選定システムは、正規の就業時間内と残業時間の提案内容を変えてもよい。
各グループのメンバーのワークスタイルに社内の業務が比較的多い傾向がある場合には、社内の移動量が比較的多いグループの領域を通路側に寄せて配置することなどを優先させる優先度付けをしてもよい。
例示する打ち合わせ相手は、例えば社内全般と社外の場合がある。前者について、第1と第2の実施形態で説明する。座席エリア選定システムは、この場合、打ち合わせが比較的多いグループの領域をフリーテーブルまたはコミュニティーの近くに配置するとよい。なお、後者については、第3の実施形態で説明する。
図2は、図1の対象領域TZ内に4つのグループの領域の配置例を説明するための図である。この図2に示す配置例では、グループAからグループDの4つのグループの領域が、対象領域TZに割り当てられ、割り当てられたエリアを業務で利用するときのものである。各グループにそれぞれ割り当てられた各エリア(範囲)をホームエリアと呼び、その中に位置するテーブルをホームテーブルと呼ぶ。例えば、テーブル「a1」と「b1」は、グループBのホームエリアGBHAに含まれていて、グループBのホームテーブルである。グループA,C,Dについても同様で、符号GAHA、GCHA、GDHAは、各グループのホームエリアを示す。なお、符号FSは、対象領域TZ内に設けられたフリースペースを示し、ここには、各グループに割り当てられないフリーテーブルFTとしてテーブル「c3」と「c4」が含まれる。フリースペースFSは、配置されるテーブルをフリーテーブルFTとみなすフリーテーブル配置エリア(BBエリア)の一例である。フリーテーブルFTは、空席化によって利用可能になったテーブルであるが、その空席を配置する位置を調整することで、各グループがそれぞれの目的でコミュニケーションなどの場として利用したり、ワーカー個人が集中の場として活用したりすることが許可される。
上記について換言すれば、各グループのホームエリア内のホームテーブルは、各グループが専ら利用するように割り当てられていて、フリースペースFS内のフリーテーブルFTは、各グループが共用するように割り当てられている。
(第1の実施形態)
図3Aは、第1の実施形態の座席エリア選定システム1の概略構成図である。
本実施形態における座席エリア選定システム1は、解析処理装置100と、端末装置200と、端末装置200Mと、ワーカー位置情報計測装置300とを含む。ワーカーを符号Wで示す。管理者を符号Mで示す。以下の説明で、符号Wと符号Mの記載を省略する。
端末装置200は、ワーカーが情報を投稿したり、閲覧したりする際に使用する装置である。例えば各ワーカーは、同種の端末装置200を携帯する。図3に示す符号GA、GB、GC、GDは、ワーカーが所属するグループを示す。各ワーカーは、自身が携帯する端末装置200を操作することで、解析処理装置100に情報(例えば、アンケートの回答。)を送り、解析処理装置100からの情報を取得して、その表示部に表示させることで、オフィス内でワーカーが利用可能なテーブルの位置を得ることができる。
ワーカー位置情報計測装置300は、オフィス内のワーカーの位置を取得する。その詳細については後述する。
端末装置200Mは、座席エリア選定システム1の管理者Mが操作して、解析処理装置100の設定を変更する装置である。
解析処理装置100の一例を、図3Bを参照して説明する。図3Bは、第1の実施形態の解析処理装置100の構成図である。解析処理装置100は、コンピュータシステムの一例である。
解析処理装置100は、例えば、情報取得部10と、位置関係/距離情報設定部20と、算出部30と、レコメンド処理部40と、記憶部60(不図示)とを備える。
記憶部60は、座席エリア選定システム1の後述する各部が実行する各種処理のための各種データとプログラムを格納する。なお、座席エリア選定システム1は、記憶部60のほかに外部の記憶部を利用するように構成してもよく、これについては、通信を利用する一般的な方法を適用してよい。
情報取得部10は、図3Bに示されない操作部から、または通信回線NW(図3A)を介して、座席エリア選定システム1の処理に係る各種データを取得する。各種データには、例えば、基本情報と、前日のアンケートに係る情報(予定情報)と、前日までの組織間コミュニケーション量のデータが含まれる。
例えば、基本情報には、建物のフロアプラン、対象の各グループのワークスタイル、各グループのワーカーの人員構成、複数のテーブルの配置などの各種情報が含まれる。フロアプラン情報には、フリーアドレス型オフィスとして利用される対象領域TZと対象領域TZの外部に位置する特定用途の領域との位置関係と距離に関する情報が含まれる。前日のアンケートに関する情報には、各グループのワーカーが申告した当日の在室予定、当日の打ち合わせ予定の有無などが含まれている。上記の前日のアンケートに関する情報は、複数のテーブルの利用日前(前日)に申告された利用日の業務に関わる予定情報の一例である。上記の予定情報は、利用日の打ち合わせ予定に関わる予定情報を含むものの一例である。グループ間のコミュニケーション量には、前日までの数日間の行動履歴情報(位置情報を含む。)が含まれている。
情報取得部10は、上記の各種データを取得すると、記憶部60に取得した情報を書き込み、追加する。以下に示す各機能部は、情報取得部10が取得した各種データ、または記憶部60に格納された各種データを利用して、処理の結果を記憶部60に追加する。
位置関係/距離情報設定部20は、基本情報などを用いて、対象領域TZ内で、特定用途の領域に比較的近い領域にAAエリアを配置する。特定用途の領域とは、例えば、隣接領域NZ1に割り当てられている「コミュニティー」、または隣接領域NZ2に割り当てられている「通路」である。例えば、位置関係/距離情報設定部20は、フロアプランに基づいて、隣接領域NZ1の「コミュニティー」または隣接領域NZ2の「通路」の位置を特定して、この結果に基づいて、対象領域TZ内のAAエリアを配置するとよい。なお、AAエリアは、第1エリアの一例である。
算出部30は、上記の予定情報に基づいて、対象領域TZ内の複数のテーブルの中から、利用日の利用形態を制限するテーブルとして利用する利用日当日の必要テーブルの個数(必要テーブル数)を算出する。必要テーブル数には、各グループのテーブル数、及びフリーテーブルの個数が含まれる。より具体的には、この利用日当日の必要テーブル数には、各グループが専ら利用するように割り当てるテーブルのテーブル数と、各グループが共用するように割り当てるフリーテーブルFTのテーブル数とが含まれる。本実施形態では、テーブル数を基準にした処理について説明するが、これに代えて、席の数を基準にした処理を用いてもよい。
算出部30は、上記の予定情報に基づいて、グループごとの打ち合わせありと回答した人数を算出し、これに基づいて打ち合わせ比率、在席率などを算出する。算出部30は、行動履歴情報に基づいて、グループ間のコミュニケーション量を算出する。
レコメンド処理部40は、上記の予定情報に基づいて、対象領域TZ内に第1グループと第2グループとを含む複数のグループがそれぞれ利用するテーブルを決定するためのグループ配置の優先度を決定する。例えば、グループ配置の優先度がより高いグループを第1グループと呼ぶ。この場合、第2グループは、第1グループよりも優先度が低い。以下同様である。
上記の通り、対象領域TZ内には、AAエリアが配置されている。レコメンド処理部40は、グループ配置の優先度がより高い第1グループの領域を、その必要テーブル数を満たすようにAAエリアを含めて配置する。この「必要テーブル数を満たすように」とは、例えば、割り当てられた範囲内に、必要テーブル数以上のテーブル数が含まれることをいう。「AAエリアを含めて配置する」とは、例えば、第1グループの領域の一部または全部をAAエリアに配置することである。第1グループの領域の一部をAAエリアに配置する場合には、第1グループの領域の他部が、AAエリア外になり、AAエリアに隣接して配置されることになる。なお、「AAエリアを含めて配置する」場合に、レコメンド処理部40は、第1グループの領域の一部と他部を比べると、上記の他部に比べて一部の方が、より広くなるように、テーブル数がより多くなるように、テーブルの席数がより多くなるように、または、第1グループの領域の面積に基づく重心(中心)がAAエリア内になるように、その一部と他部のそれぞれの数量を決定して、これに従ってAAエリアを主として第1グループの領域を配置するとよい。その際に、レコメンド処理部40は、AAエリアの広さの制限、第1グループの領域の形状の条件などが満たされるように、上記の数量を決定する。以下、同様である。これによって、第1グループの領域の配置が決定する。
さらに、レコメンド処理部40は、第1グループのグループ配置の優先度よりも、優先度が低い第2グループの領域を、その必要テーブル数を満たすように第1グループの領域を配置した領域以外の領域に配置する。これによって、第2グループが決定する。なお、この第2グループの領域の配置は、後述する第2グループの領域の配置の規則に従うものとする。
レコメンド処理部40は、第1グループのメンバーと第2グループのメンバーとが適宜利用することが許可されたフリーテーブルFTを、その必要テーブル数を満たすように選定してもよい。本実施形態では、必須ではなく、これについては、第2の実施形態で説明する。
出力部50は、外部の端末装置からの要求を受け付けて、その要求に応じてレコメンド処理部40の処理の結果を、上記の端末装置に対して出力する。
図4は、実施形態のレコメンド処理のフローチャートである。
本実施形態のレコメンド処理は、例えば、打ち合わせが比較的多いグループの領域を、対象領域TZの「ステーション」の外部に配置された「コミュニティー」に近接配置することに適用される。座席エリア選定システム1(レコメンド処理部40)は、対象領域TZの「ステーション」の中で「コミュニティー」に比較的近い領域に、打ち合わせが比較的多いグループのホームエリアを割り当てるためのAAエリアを配置する。
まず、情報取得部10は、例えば、施設の管理者が指定する基本情報、予定情報、及び行動履歴情報を取得する(ステップS12)。例えば、上記の予定情報は、情報取得部10がグループのメンバーに対してアンケートを提示して、そのアンケートの回答に基づくものであってもよく、図示されない予定管理装置が収集した予定情報に基づくものであってもよい。
算出部30は、上記の予定情報に基づいて必要テーブル数を算出する(ステップS14)。位置関係/距離情報設定部20は、基本情報に基づいてコミュニティーに近接するAAエリアと通路を設定する(ステップS16)。情報取得部10は、フリーテーブル配置エリア(BBエリア)の配置方法に関する操作を受け付けて、フリーテーブル配置エリア(BBエリア)の配置方法を選定する(ステップS18)。このとき、管理者は、例えば、フリースペースの配置種別の1つである中央配置を選択して、これをレコメンド処理部40に指示する。
次に、レコメンド処理部40は、中央配置の指示を受け付けて、予定情報に基づいて他部門との打ち合わせ予定がより多いグループを抽出して、AAエリアに配置する(ステップS22)。上記のように、レコメンド処理部40は、グループ配置の優先度を、第1グループのメンバーと第2グループのメンバーとが申告した、打ち合わせ予定に関わる予定情報に基づいて決定する。
レコメンド処理部40は、AAエリアに空きがあるか否かを判定して(ステップS28)、AAエリアに空きがあれば、処理をステップS22に進め、AAエリアに空きがなければ、処理をステップS30に進める。
次に、レコメンド処理部40は、他部門とのコミュニケーション時間が比較的多いグループ同士を抽出して(ステップS30)、抽出したグループの領域を配置する(ステップS32)。このように、AAエリアが満たされた後のグループの領域の配置の規則は、グループ間の組織間近接度によって規定するとよい。これにより、レコメンド処理部40は、グループ配置の優先度に従い第1グループと第2グループの領域を配置したのち、第1グループと第3グループとの組織間近接度と、第2グループと第3グループとの組織間近接度とに基づいて、第3グループの領域を配置する位置を決定することができる。例えば、レコメンド処理部40は、組織間近接度の値の大小関係に基づいて、より近接度が高い方(大きい方)を、近くに配置する。
レコメンド処理部40は、残りのグループがあるか否かを判定して(ステップS36)、残りのグループがある場合には、ステップS30に処理を進めて、残りのグループがない場合には、一連の処理を終える。
上記のように、レコメンド処理部40は、AAエリアが満たされるまでのグループ配置の優先度を、第1グループのメンバーと第2グループのメンバーとが申告した、打ち合わせ予定に関わる予定情報に基づいて決定する。その後、レコメンド処理部40は、例えば、AAエリアが満たされた後のグループの領域の配置の規則として、グループ間の組織間近接度に基づいた優先度を用いるとよい。
図5は、実施形態のグループの人数と空き席数との関係を説明するための図である。
この図5に示す表は、グループAからDに関する、グループ人数と、基本テーブル数(NA)と、在席予定数(NB)と、必要テーブル数(NC)と、フリーテーブル数(ND)と、空き席数(NE)との関係を示す。
この中で、グループ人数と、基本テーブル数(NA)は、グループのメンバー構成によって定まり、日ごとに数値が変動しない基本情報に含まれる。在席予定数(NB)は、アンケートの結果に基づいて定まり、当日に出社を予定するメンバーの数である。
ここで、1テーブル当たり4席の事例を示して、各グループと、そのアンケートの回答とについて説明する。
グループAについて説明する。12人のメンバーが所属するグループAのグループ人数は12人である。これを1テーブル当たりの隻数の4(席)で除算することで、メンバー全員が着席するのに必要な基本テーブル数(NA)が得られる。この場合、その個数(NA)は3個である。アンケートの結果に基づいた、当日に在席を予定する在席予定数(NB)が11人であったと仮定する。この場合に、11人が着席するのに必要とされる必要テーブル数(NC)が、3個になる。この場合、基本テーブル数(NA)と必要テーブル数(NC)が同数であるため、その差があることによって発生するフリーテーブル数(ND)が0になり、割り当てられた3個のテーブルに空き席が1つ生じることになる。
グループBについて説明する。グループBのグループ人数は、グループAと同数である。グループBの基本テーブル数(NA)は、3個である。グループBの場合、アンケートの結果に基づいた、当日に在席を予定する在席予定数(NB)が8人であったと仮定すると、必要テーブル数(NC)は、2個で足りる。この場合、基本テーブル数(NA)と必要テーブル数(NC)との差があることによって発生するフリーテーブル数(ND)が1になる。割り当てられた2個のテーブルに空き席は生じない。
算出部30は、上記のグループAとBのほか、グループCとDについても同様に計算する。算出部30は、各グループの数値を集計して、図5の表に示す結果を得る。
この結果、所属するメンバーの人数に対して、在席予定数(NB)が4人以上少ないグループB,C,Dについては、それぞれフリーテーブルが1個ずつ生じて、その合計数が3個になる。
図6は、実施形態の打ち合わせ予定比率について説明するための図である。
この図6に示す表は、グループAからDに関する、打ち合わせ予定有と回答した人数(NF)と、打ち合わせ予定比率(NG)との関係を示す。
打ち合わせ予定有と回答した人数(NF)は、各グループのメンバーが打ち合わせ予定有と回答した人数である。打ち合わせ予定比率(NG)は、各グループのメンバーが打ち合わせ予定有と回答した人数(NF)を、グループ人数で除算した結果である。
図7は、実施形態のフリースペースの配置例を説明するための図である。
図7(a)から(c)に、フリースペースの配置例を示す。
図7(a)に示す第1の配置例は、ステーション内の中央にフリースペースFSCを配置した一例である。この場合、中央にフリースペースFSC内にフリーテーブルFTがまとめて配置される。この配置例は、グループ間のコミュニケーション量が比較的多い場合に適している。
図7(b)に示す第2の配置例は、ステーションの端に寄せてフリースペースFSS1とFSS2を配置した一例である。このような端に寄せた配置であれば、各グループとの距離が比較的近くなる中央に配置の例(図7(a))に比べても、比較的静かな周囲環境を期待できる。この配置例は、通路から遠くに配置することが可能であり、通路を通る人の話し声などが届きにくく、数人で落ち着いて打ち合わせることも可能であり、集中して作業することに適している。また、コミュニティーからも遠くに配置することができ、集中ブースの代替としての使用が可能であり、上記と同様の効果が期待できる。
図7(c)に示す第3の配置例は、ステーションの中にフリースペースFSD1からFSD3を配置した一例である。この配置例は、ステーションの中に分散して配置することが可能であり、最寄りのグループが、グループ内の打ち合わせに使用したり、比較的近くのグループ同士の打ち合わせに使用したりすることに適している。グループエリアの近くに配置されているため、少ない移動距離で利用することができ、使用中か否かの確認も容易である。
例えば、レコメンド処理部40は、例えば、管理者の選択操作に従い、フリーテーブルFTを、対象領域TZの中央にまとめて配置する配置方法と、対象領域TZ内に分散して配置する配置方法と、対象領域TZの端にまとめて配置する配置方法との何れかの配置方法を選択して、選択された配置方法に従い所定の位置に配置する。レコメンド処理部40は、選択された配置方法に従いフリーテーブルFTを所定の位置に仮に配置する。
このように、ステーションの利用状況や目的に合わせてフリースペースの配置方法を管理者が選択することを可能にしたことにより、各グループのワーカーがフリースペースをより利用しやすいものとすることができる。
フリースペースの配置方法の選択は、ワーカーの働き方に関係して、利用する頻度が高いシーンとの位置関係と、対象領域TZの面積と、コミュニケーション量との関係性に基づいて、より有効に活用できる場となるよう決定するとよい。
なお、レコメンド処理部40は、各グループが専ら利用するように割り当てるテーブルの配置の結果に応じて、仮に配置されたフリーテーブルFTの位置を補正してもよい。これについては、後述する。
図8は、実施形態のグループの領域の配置に関する処理を説明するための図である。
図8(a)と(b)を参照して、複数のテーブルを選択してグループの領域を配置する場合のテーブルの選び方を説明する。グループ内でコミュニケーションをとる際に移動量が少なくなるように、複数のテーブルを選択するとよい。
例えば、図8(a)のように一列に連なる位置のテーブルを選択するよりも、図8(b)のように、選択された結果がひと塊になるように選択することにより、グループ内の最も離れた席同士の距離が短くなる。レコメンド処理部40は、図8(a)と図8(b)の何れかを選択可能である場合には、図8(b)の配置を優先して、グループ内の距離が近くなるグループエリアの形を選択する。
次に、グループの領域を配置するときの要件について説明する。
例えば、レコメンド処理部40は、打ち合わせが比較的多いグループの領域を、コミュニティーに近接配置することを目的とするときには、各グループのホームエリアを下記の要件が満たされるように決定するとよい。
・グループのホームテーブルが連なるように、グループのホームエリアを配置する(隣接配置)ことを原則とする。例えば、上記の図8(a)と(b)に示す配置はその一例である。なお、グループのホームテーブルを連ねて配置することができない場合については、後述する。
・グループの一人あたりのコミュニケーション量に基づいて、ホームエリアを配置するためにグループを選択する順番を決定する。
・グループ内の配置距離を勘案してグループエリアの形を決定する。
・1つめのグループの領域を、コミュニティーの近くに配置することができたら、次にコミュニケーション量が比較的多いグループを選択して、そのグループの領域を配置する位置を決定する。
・なお、フリーテーブルの配置と干渉しないように、グループの領域の配置を決定する。
・AAエリアが埋まったら、組織間コミュニケーション時間が比較的多いグループの領域を近接配置する。
・仮に配置したフリースペースFSPV内のフリーテーブルと干渉するなどにより、グループの領域の配置に行き詰った場合(図8(c)参照)には、例えば図8(d)に示すように、仮に配置したフリースペースFSPVの位置を一列ずらした後、上記の手順に従い再配置を試みる。上記のグループの領域の配置に行き詰った場合には、特定のグループのグループエリアが分断される場合などが含まれる。
なお、レコメンド処理部40は、グループの形状を選択する際の条件を互いに異なるものにして配置処理を繰り返すことで複数の配置案を得ることができる。このように、複数の配置案があるときは、レコメンド処理部40は、過去のグループ配置と比較して、より異なる方を優先して最終案として選択するとよい。
図9から図11を参照して、実施形態のアンケートに基づいたグループ配置の一例について説明する。
図9は、実施形態のアンケートに基づいた、当日の予定を示す集計結果を説明するための図である。図9(a)に示す表は、前日のアンケートの回答に基づいた、当日の在席人数を、グループごとに集計した結果を示す。図9(b)に示す表は、前日のアンケートに対して、他部門との打ち合わせ予定があると回答した人の人数と、当日に在席予定と回答した人の人数(在席人数)との比率を、グループごとに算出した結果を示す。図9(b)に示す表の値は、0から1までの値になる。
図10は、実施形態の行動履歴情報に基づいた他部門とのコミュニケーション量を説明するための図である。図10に示す表は、他部門とのコミュニケーション量を、各グループの人数で規格化した結果の一例である。例えば、他部門とのコミュニケーション量は、グループのメンバーが他部門のメンバーとコミュニケーションをとっていた所定の期間内の延べ時間の検出値を、各グループの人数で除算して得られた値である。所定の期間は、例えば、前日までの数日、前日までの1から2週間、前日までの1月などのように、当日を基準に定めた比較的当日に近い期間にするとよい。なお、他部門とコミュニケーションをとっていた状態の検出については、例えば、検出のタイミングに、上記の「コミュニティー(Community)」、「レビュー(Review)」、及び「ブレイク(Break)」に、同席していたメンバーがいるグループ同士がコミュニケーションをとっていたものとみなすことで、メンバー同士がコミュニケーションをとっていた状態を間接的に検出するとよい。
より具体的な方法として、ワーカー位置情報計測装置300を用いる方法がある。ワーカー位置情報計測装置300は、ワーカーが携行する端末装置200の位置情報を、ワーカー位置情報として取得する。例えば、配置規則に従って配置された複数の無線ビーコン送信機が発するビーコン(無線信号)を、端末装置200がそれぞれ受信して、受信した結果(ビーコン情報)をワーカー位置情報計測装置300にそれぞれアップロードする。ワーカー位置情報計測装置300は、各端末装置200からビーコン情報を受信して、これを解析することで、ワーカー同士またはワーカーが属するグループ同士のコミュニケーション量(組織間近接度)を生成し、これを解析処理装置100に供給する。
なお、コミュニケーションをとっていた状態の検出方法は、これに制限されることなく、既知のほかの方法を利用してもよい。
ここで、図9と図10に示した結果を整理する。
前日アンケートの結果(図9)に基づけば、グループAからDのうち、アンケートの結果(図9)に基づいて、他部門との打ち合わせ予定が最も多いグループがグループAと判定され、その次がグループBと判定される。
また、行動履歴情報(図10)に基づけば、他部門とのコミュニケーション時間が比較的多いグループの組み合わせは、一番がグループBとグループDの組であり、次いでグループAとグループCの組である。
図11は、実施形態のグループの領域の配置結果を説明するための図である。
例えば設定により、図11に示すように、対象領域TZ内の近接領域NZ1側にAAエリアが配置され、中央にフリースペースFSが配置されている。フリースペースFS内の「b2」と「b3」のテーブルは、フリーテーブルFTの一例である。
レコメンド処理部40は、前述の図9と図10に示した結果に基づいて、各グループのホームエリアを下記のように配置する。
例えば、レコメンド処理部40は、前日アンケートの結果(図9)に基づいて、AAエリアに、グループAのホームエリアGAHAの一部と、グループBのホームエリアGBHAの一部とを割り当てる。この2つのグループが配置された状態で、AAエリア内のテーブルに空きがなくなっている。
グループAのホームエリアGAHA内の「a1」と「b1」のテーブルは、AAエリア内にある。「a2」のテーブルは、AAエリア外であるが、グループAのホームエリアGAHAに割り当てられている。
グループAのホームエリアGAHAは、レコメンド処理部40によって、グループ内の移動が容易になるように最も離れた席同士の距離がより短くなるような配置のテーブルが選択され、各テーブルが連続するように配置され、かつフリースペースFSを避けるようにフリーテーブルFTを取り巻くように配置されている。
グループBのホームエリアGBHA内の「c1」のテーブルは、AAエリア内にある。「c2」のテーブルは、AAエリア外であるが、レコメンド処理部40によって、グループBのホームエリアGBHAに割り当てられている。グループBのホームエリアGBHAは、2つのテーブルが連続するように配置されていて、フリースペースFSとは干渉しない。
上記のように、既にAAエリア内のテーブルに空きがなく、前日アンケートの結果に基づいて新たに配置するグループはない。次に、レコメンド処理部40によって、行動履歴情報に基づいて、残りのグループCとDの配置を決定する。他部門とのコミュニケーション時間が比較的多いグループの組み合わせは、一番がグループBとグループDの組であるので、レコメンド処理部40は、まだ配置が確定していないグループDのホームエリアGDHAを、グループBのホームエリアGBHAの隣に配置する。
最後に、レコメンド処理部40は、行動履歴に基づいて、グループCのホームエリアGCHAを、グループAのホームエリアGAHAの隣に配置する。これで、各グループのホームエリアの配置を終えるが、「b4」のテーブルが、予備のテーブル(予備テーブルRST)になる。
上記のように、本実施形態のフリースペースFSは、各グループのホームエリアを単に先に割り付けて余ったテーブルの位置づけではない。本実施形態のフリースペースFSは、グループアドレスを適用するために、各グループのホームエリアの割り付けよりも前に割り付けられる。
上記の実施形態によれば、レコメンド処理部40は、例えば第1グループのメンバーと第2グループのメンバーとが適宜利用することが許可されたフリーテーブルを、その必要テーブル数を満たすように選定することにより、フリーアドレス型のオフィス内で、所望の席数のテーブルを共用可能にすることが可能になる。
例えば、フリーアドレス型のワークスタイルを利用しても、グループアドレスを適用することで、グループ内のメンバーの席が、対象領域内に分散することがなく、グループ内のコミュニケーションを円滑化できる。上記の実施形態の場合には、単にグループアドレスを適用するだけではなく、フリースペースFSを対象領域FZに設けることにした。これによって、空席が対象領域内に分散することがなく、フリースペースFSとして利用することができる。
(第1の実施形態の第1変形例)
上記のグループCとDの配置を決定するときに、グループCとDが同じ条件の場合には、レコメンド処理部40は、当日の打ち合わせ量が多い方をコミュニティー側に寄せて配置してよい。
(第1の実施形態の第2変形例)
上記のグループCとDの配置を決定するときに、配置予定の各グループのホームエリアからコミュニティーまでの距離と、各グループの打ち合わせの予定数とがそれぞれ同じである場合には、レコメンド処理部40は、配置履歴情報に基づいて、当該グループエリアが配置された回数の少ないテーブルが含まれている方のグループの領域の配置を優先するとよい。
例えば、配置履歴情報には、対象領域TZ内の各テーブルに割り付けられたグループエリアごとの回数が記録されている。レコメンド処理部40は、配置履歴情報に基づいて、グループCのグループエリア内の各テーブルについて過去にグループCのグループエリアが配置された回数と、グループDのグループエリア内の各テーブルについて過去にグループDのグループエリアが配置された回数と、を比較して、上記の配置を決定するとよい。
なお、レコメンド処理部40は、第1変形例の配置の決定を優先させて試みても決定できなかった場合に、本変形例を適用して決定してもよい。
(第1の実施形態の第3変形例)
上記の実施形態と、第1と第2変形例とによってもグループCとDの配置が決定しきれなかったときに、例えば、当該グループ内で最初に出社したワーカーが、その出社の時点で、入口に配置された端末装置またはワーカーが所持するスマートホンなどを用いてレコメンドの要求を申請する。レコメンド処理部40は、この要求を受け付けて、受け付けた要求に対して、上記のワーカーが選択した位置に、当該ワーカーが所属するグループの領域の配置を決定する。
(第1の実施形態の第4変形例)
上記の実施形態と、第1と第2変形例とによってもグループCとDの配置が決定しきれなかったときに、例えば、出社前にワーカーが、ワーカーが所持するスマートホンなどを用いてレコメンドの要求を申請することを可能にしてもよい。この場合、レコメンド処理部40は、特定のグループメンバーが選択した位置に、当該ワーカーが所属するグループの領域の配置を決定する。その後、レコメンド処理部40は、このレコメンドの要求を受け付けて、受け付けた要求に対して、予め決定された位置をレコメンドする。上記の特定のグループメンバーは、予め定められていてもよく、ランダムにまたは所定の順序に従い決定されてもよい。
なお、レコメンド処理部40は、第1変形例または第2変形例の配置の決定を優先させて試みても決定できなかった場合には、上記の第3変形例と第4変形例の何れかを実施するとよく、これに制限されず、独立に実施してもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、フリースペースFSが仮配置されていて、その後、各グループのホームエリアを配置する事例について説明した。これに代えて、本実施形態では、フリースペースFSの仮配置を行わずに、各グループのホームエリアの配置を行う事例について説明する。
レコメンド処理部40Aは、フリーテーブルFTとして利用する領域を割り付ける前に、各グループ配置の優先度に従い、少なくとも第1グループと第2グループとの何れかを配置する。
図12は、実施形態のレコメンド処理のフローチャートである。図4に示したフローチャートとの相違点を中心に説明する。
本実施形態のレコメンド処理は、例えば、打ち合わせが比較的多いグループの領域を、対象領域TZの「ステーション」の外部に配置された「コミュニティー」の近接に配置することに適用される。座席エリア選定システム1(レコメンド処理部40A)は、対象領域TZの「ステーション」の中で「コミュニティー」に比較的近い領域に、打ち合わせが比較的多いグループのホームエリアを割り当てるAAエリアを配置する。
レコメンド処理部40Aは、図4と同様にステップS12からS18の処理を実施する。このとき、管理者は、例えば、フリースペースの配置種別の1つである分散配置を選択して、これをレコメンド処理部40Aに指示する。
レコメンド処理部40Aは、分散配置の指示を受け付けて、予定情報に基づいて他部門との打ち合わせ予定がより多いグループを抽出して、AAエリアに配置する(ステップS22)。
次に、レコメンド処理部40Aは、上記グループとの打ち合わせ予定時間が比較的長いグループの領域を、上記グループの隣に配置する(ステップS24)。
次に、レコメンド処理部40Aは、上記の2つのグループの間にフリーテーブルを配置する(ステップS26)。この時のフリーテーブルTF(フリースペースFS)は、分散して配置される。
レコメンド処理部40Aは、AAエリアに空きがあるか否かを判定して(ステップS28)、AAエリアに空きがあれば、処理をステップS22に進め、AAエリアに空きがなければ、処理をステップS30Aに進める。
次に、レコメンド処理部40Aは、他部門とのコミュニケーション時間が比較的多いグループ同士を抽出して(ステップS30A)、抽出したグループの領域を隣接させて配置する(ステップS32A)。
次に、レコメンド処理部40Aは、上記の2つのグループの間にフリーテーブルFTを配置する(ステップS34)。
レコメンド処理部40は、残りのグループがあるか否かを判定して(ステップS36)、残りのグループがある場合には、ステップS30Aに処理を進めて、残りのグループがない場合には、一連の処理を終える。
例えば、上記のAAエリアが満たされた後のグループの領域の配置の規則は、グループ間の組織間近接度を用いて規定される。これにより、レコメンド処理部40は、グループ配置の優先度に従い第1グループと第2グループの領域を配置したのち、第1グループと第3グループとの組織間近接度と、第2グループと第3グループとの組織間近接度とに基づいて、第3グループの領域を配置する位置を決定することができる。
図13は、実施形態のアンケートに基づいた、当日の予定を示す集計結果を説明するための図である。図13に示す表は、前日のアンケートの回答に基づいた、他部門との打ち合わせに関する当日のスケジュールを、グループごとに集計した結果を示す。この表の数値は、前日のアンケートの回答に基づいた他部門との打ち合わせ時間をグループごとに集計して、集計結果をグループの人数で除算した結果であり、単位は(分/人)である。
レコメンド処理部40は、上記の結果を上記のステップS22とS24との処理に利用するとよい。レコメンド処理部40は、前述の図10に示す表の値に基づいて、上記のステップS30AとS32Aの処理を実施するとよい。
図14は、実施形態のグループの領域の配置結果を説明するための図である。
前述の図13と図10に示した結果に基づいて、各グループのホームエリアが配置されている。
例えば、前日アンケートの結果(図13)に基づいて、AAエリアには、グループAのホームエリアGAHAの一部と、グループCのホームエリアGCHAの一部とが割り当てられている。この2つのグループが配置された状態で、AAエリア内のテーブルに空きがなくなっている。
グループAのホームエリアGAHA内の「a1」と「b1」のテーブルは、AAエリア内にある。「b2」のテーブルは、AAエリア外であるが、グループAのホームエリアGAHAに割り当てられている。
グループAのホームエリアGAHAは、グループ内の移動が容易になるように最も離れた席同士の距離がより短くなるような配置のテーブルが選択され、各テーブルが連続するように配置されている。
グループBのホームエリアGBHAは、AAエリア外に位置して、「a3」と「b3」のテーブルを含む。図13の表の当日のスケジュールの合計値によれば、グループA、グループB、グループCの順に時間が短くなっている。この結果に基づいて、グループBのホームエリアGBHAは、グループAのホームエリアGAHAの隣に割り当てられている。なお、グループAのホームエリアGAHAとグループBのホームエリアGBHAが配置された段階で、その間に位置する「a2」のテーブルが、フリーテーブルFTに割り付けられている。
図10の表の行動履歴情報に基づいて、残りのグループの中から他部門間のコミュニケーション量が比較的多いグループとしてグループCが選択される。グループCのホームエリアGCHAは、AAエリア内の「c1」のテーブルを含み、それに連なる「c2」のテーブルを含むように配置される。次のグループとして、残りのグループDが選択されて、グループDのホームエリアGDHAがグループCのホームエリアGCHAに寄せて割り当てられている。グループCのホームエリアGCHAとグループDのホームエリアGDHAの間に位置する「b4」のテーブルが、フリーテーブルFTに割り付けられている。
これで、各グループのホームエリアの配置を終えるが、「a4」のテーブルが、予備のテーブル(予備テーブルRST)になる。
本実施形態によれば、フリースペースFSの仮配置を最初に行わずに、各グループのホームエリアの配置を行う手順の中で行うことになり、フリーテーブルFTが分散して配置することができる。このように分散して配置されるフリーテーブルFTは、部門間のコミュニケーション量が比較的多いグループ同士の間に設けられるため、最寄りのグループ同士が、そのフリーテーブルFTを利用することが容易になる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態について説明する。第1と第2の実施形態では、打ち合わせ予定に関わる予定情報に基づいて、対象領域TZ内の配置を決定する事例について説明した。本実施形態ではこれに変えて、外出予定に関わる予定情報に基づいて対象領域TZ内の配置を決定する事例について説明する。上記のように、本実施形態の予定情報は、利用日の外出に関わる予定情報を含む。
座席エリア選定システム1は、レコメンド処理部40に代わるレコメンド処理部40Bを備える。
レコメンド処理部40Bは、例えば、グループ配置の優先度を、各グループのメンバーがそれぞれ申告した外出予定に関わる予定情報に基づいて決定するとよい。
レコメンド処理部40Bは、グループの領域を配置する際の優先度を、第1グループのメンバーと第2グループのメンバーとが申告した外出予定に関わる予定情報に基づいて決定する。例えば、レコメンド処理部40Bは、予定情報に基づいて、午後に外出するグループに関するグループの領域の配置を、AAエリア外に配置するとよい。この外出予定に関わる予定情報に基づいて配置された後のグループの領域の配置の規則は、グループ間の組織間近接度によるものとするとよい。
図15は、第3の実施形態のレコメンド処理のフローチャートである。図4に示したフローチャートとの相違点を中心に説明する。
本実施形態のレコメンド処理は、例えば、午後に外出してテーブル数が午前よりも減るグループの領域を、対象領域TZの「ステーション」の外部に配置された「通路」から離れるように配置することに適用される。座席エリア選定システム1(レコメンド処理部40B)は、対象領域TZの「ステーション」の中で「通路」に比較的近い領域に、外出が比較的多いグループのホームエリアを割り当てるAAエリアを配置する。
レコメンド処理部40Bは、図4と同様にステップS12からS18の処理を実施する。このとき、管理者は、例えば、フリースペースの配置種別の1つである端に配置を選択して、これをレコメンド処理部40Bに指示する。
レコメンド処理部40Bは、分散配置の指示を受け付けて、予定情報に基づいて午後に外出してテーブル数が午前よりも減るグループを抽出して、AAエリアよりも奥に配置する(ステップS20)。
次に、レコメンド処理部40Bは、予定情報に基づいて外出の予定がより多いグループを抽出して、AAエリアに配置する(ステップS22A)。
次に、レコメンド処理部40Bは、入り口から遠くなる位置にフリーテーブルを配置する(ステップS26A)。
レコメンド処理部40Bは、AAエリアに空きがあるか否かを判定して(ステップS28)、AAエリアに空きがあれば、処理をステップS22Aに進め、AAエリアに空きがなければ、処理をステップS30Bに進める。
次に、レコメンド処理部40Bは、他部門とのコミュニケーション時間が比較的多いグループ同士を抽出して(ステップS30B)、抽出したグループ同士が隣接するように配置する(ステップS32A)。
次に、レコメンド処理部40Bは、残りのグループがあるか否かを判定して(ステップS36)、残りのグループがある場合には、ステップS30Bに処理を進めて、残りのグループがない場合には、一連の処理を終える。
図17は、実施形態のアンケートに基づいた、当日の予定を示す集計結果を説明するための図である。図17(a)に示す第1表は、前日のアンケートの回答に基づいた、当日の在席予定に関する当日のスケジュールを、グループごとに集計した結果を示す。この表の数値は、前日のアンケートの回答に基づいたものであり、グループの人数と、当日の在席人数と、午後の在席人数と、午前と午後の必要テーブル数とを示す。
また、図17(b)に示す第2表は、外出予定がある人のグループ内の比率を、外出予定として示す。外出予定は、外出予定がある人の人数をグループごとに集計して、集計結果をグループの人数で除算した結果である。
レコメンド処理部40Bは、上記の第1表の結果を上記のステップS20の処理に利用する。レコメンド処理部40Bは、上記の第2表の結果を上記のステップS22Aの処理に利用する。レコメンド処理部40Bは、前述の図10に示す表の値に基づいて、上記のステップS30BとS32の処理を実施するとよい。
図18は、実施形態のグループの領域の配置結果を説明するための図である。
この図18に示されたテーブルには、それぞれ6個の席が設けられている。
前述の図17と図10に示した結果に基づいて、各グループのホームエリアが配置されている。
例えば、前日アンケートの結果(図17)に基づいて、AAエリアの奥には、グループCのホームエリアGCHAと、グループDのホームエリアGDHAとが割り当てられている。なお、この2つのグループのホームエリアは、AAエリアの割り当てが行われていない段階で決定されているが、AAエリアのテーブルを含まないように決定されている。
その後、AAエリアには、グループAのホームエリアGAHAと、グループBのホームエリアGBHAの一部とが割り当てられる。この2つのグループが配置された状態で、AAエリア内のテーブルに空きがなくなっている。
グループAのホームエリアGAHA内の「a1」と「a2」のテーブルは、AAエリア内にある。グループAのホームエリアGAHAは、外出が容易になるように通路の比較的近くに配置されたテーブルが選択されている。
グループBのホームエリアGBHAは、AAエリア内に位置する「a3」と、AAエリア外に位置する「b3」のテーブルを含む。例えば、AAエリアがいっぱいになった段階で、AAエリア外に位置するテーブルに配置される。
図17(b)の第2表の外出予定によれば、グループA、グループB、グループD、グループCの順に外出予定の値が小さくなっている。これにより、グループAのホームエリアGAHAとグループBのホームエリアGBHAは、AAエリアに割り当てられている。
図17(a)の第1表の午後の外出予定によって在席人数が減って必要テーブル数が減少するグループは、グループCとグループDであり、それぞれ2個から1個に必要テーブル数が減少する。グループAとグループBは、このような必要テーブル数の減少は見られない。これにより、グループCのホームエリアGCHAとグループDのホームエリアGDHAが、AAエリアの奥に割り当てられている。各グループのホームエリアが配置された段階で、通路から比較的遠くなる位置の「c3」のテーブルが、フリーテーブルFTに割り付けられている。
なお、本実施形態では、上記の配置規則に従って4つのグループすべてを配置できたが、仮に、配置しきれない場合には、下記の配置規則に従うとよい。
例えば、図10の表の行動履歴情報に基づいて、残りのグループの中から他部門間のコミュニケーション量が比較的多いグループを選択するとよい。
比較例の場合、フリーアドレス型のオフィスを利用すると、利用できるテーブルがステーションの出入口から遠くなって、円滑に外出及び帰社することが困難なことがあった。
本実施形態によれば、外出予定に関わる予定情報に基づいて対象領域TZ内の配置を決定する場合に適用できる。本実施形態であれば、上記のようなフリーアドレス型のオフィスに起因する事象を緩和することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態について説明する。第1から第3の実施形態では、フリーテーブルFTの配置種別の選択は、管理者の指示によって決定される事例について説明した。これに代えて、本実施形態では、レコメンド処理部40Cが実際のフリーテーブルFTの利用状況(利用率)に基づいて、フリーテーブルFTの配置種別を最適化する事例について説明する。
例えば、レコメンド処理部40Cは、実際の利用状況のデータを蓄積することによって、この蓄積データに基づいてフリースペースFSの配置パターンを選択、変更するように構成されているとよい。蓄積データには、例えば以下のものが含まれる。
・ワーカー種別
・フリーテーブル利用率
・対象領域TZの面積(広さ)
上記の「ワーカー種別」は、レコメンド対象(特定のフロアのステーション)の利用者であるワーカーの種別を示す。ワーカー種別は、基本情報に含まれていてもよい。「フリーテーブル利用率」は、センサで取得した行動履歴情報の解析の結果である。例えば、実際にフリーテーブルFTが利用されていた時間の、就業時間に対する比率であってよい。
レコメンド処理部40Cは、上記のワーカー種別と対象領域TZの面積とを入力変数として用いて、フリーテーブルFTの利用率が高くなるフリースペースFSの利用形態を選択するとよい。
例えば、最初に第1から第3の実施形態のように、管理者は、フリーテーブルFTの配置の種別を決定する。ここでは、フリーテーブルFTの配置の種別として、例えば中央配置の場合を例示する。管理者が、基本情報とフリーテーブルの配置の種別とを入力した後、レコメンド処理部40Cは、管理者によって指定されたフリーテーブルFTの配置の種別を決定して、例えば中央配置を選択する。
座席エリア選定システム1は、フリーテーブルFTの配置の種別(中央配置)を所定の期間(例えば、1ヶ月。)に亘って、その種別が選択された状態を維持する。情報取得部10は、上記の所定の期間、センサでフリーテーブルFTの利用時間と人数を計測し、この計測データを取得する。情報取得部10は、上記の所定の期間内の計測データを行動履歴として収集する。
次に、レコメンド処理部40Cは、中央配置のフリーテーブルFTの利用率(例えば、定時時間内の使用時間の比率)を算出して、その結果が予め定められた閾値RT(例:定時時間内で使用時間 30%(利用率))を超えるか否かを判定する。中央配置のフリーテーブルFTの利用率が予め定められた閾値RTを超える場合には、レコメンド処理部40Cは、維持されている状態が最適な状態にあると判定して、この状態を継続させるために、上記の種別を変更せずに処理を終了する。
一方で、中央配置のフリーテーブルFTの利用率が予め定められた閾値RTに満たない場合には、レコメンド処理部40Cは、次回以降の種別として、「分散配置」または「端に配置」の何れかを選択して、フリーテーブルFTの選択に係る設定(フラグの状態)を変更する。
例えば、「分散、端」の何れを選択するかは、「分散、端」のうちから過去に選択された結果に基づいて、レコメンド処理部40Cは、選択された頻度が多い方を選択するような選択規則を利用してもよい。これに制限されることなく、頻度が少ない方でもよく、他の判定条件に基づいてもよい。
本実施形態によれば、実際のフリーテーブルFTの利用状況(利用率)に基づいて、フリーテーブルFTの配置種別を選択することができ、配置種別の情報と利用状況の傾向の統計的処理に基づいて、配置種別を最適化させることが可能になる。上記の統計的処理の手法に制限はなく、主成分分析などの一般的手法を適用してもよい。
上記の何れかの実施形態により、情報取得部10は、フリーアドレス型オフィスとして利用される対象領域TZと対象領域TZの外部に位置する特定用途の領域との位置関係情報を含むフロアプラン情報と、対象領域TZ内に配置される複数のテーブルの配置情報と、複数のテーブルの利用日前に申告された利用日の業務に関わる予定情報と、を取得する。算出部30は、複数のテーブルの中から利用日の利用形態を制限する利用日当日の必要テーブル数を予定情報に基づいて算出する。レコメンド処理部40は、予定情報に基づいて、対象領域TZ内に第1グループと第2グループとがそれぞれ利用するテーブルを決定するためのグループ配置の優先度を決定する。レコメンド処理部40は、対象領域TZ内で、特定用途の領域に比較的近い領域にAAエリアが配置されていて、グループ配置の優先度がより高い第1グループの領域を、第1グループの必要テーブル数を満たすようにAAエリアを含めて配置する。レコメンド処理部40は、第1グループのグループ配置の優先度よりも、優先度が低い第2グループの領域を、第2グループの必要テーブル数を満たすように第1グループを配置した領域以外の領域に配置する。レコメンド処理部40は、第1グループのメンバーと第2グループのメンバーとが適宜利用することが許可されたフリーテーブルを、フリーテーブルの必要テーブル数を満たすように選定する。これにより、座席エリア選定システム1は、フリーアドレス型のオフィス内で、所望の席数のテーブルを共用可能にすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、座席エリア選定システム1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した処理に関する一連の処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。また、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSなども含むものとする。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記のものに限定されない。本発明の実施形態は、例えば、上記の実施形態を次のように変形したものとすることができる。
例えば、上記の実施形態では、本発明に関連する構成を便宜上、座席エリア選定システム1の各機能が1つの装置に一体化されたものとして説明したが、各機能を複数の装置に適宜分散して構成してもよい。
1 座席エリア選定システム、10 情報取得部、20 位置関係/距離情報設定部、30 算出部、40 レコメンド処理部、50 出力部、60 記憶部、100 解析処理装置、200、200M 端末装置、300 ワーカー位置情報計測装置

Claims (17)

  1. フリーアドレス型オフィスとして利用される対象領域と前記対象領域の外部に位置する特定用途の領域との位置関係情報を含むフロアプラン情報と、前記対象領域内に配置される複数のテーブルの配置情報と、前記複数のテーブルの利用日前に申告された前記利用日の業務に関わる予定情報と、を取得する情報取得部と、
    前記複数のテーブルの中から前記利用日の利用形態を制限する前記利用日当日の必要テーブル数を前記予定情報に基づいて算出する算出部と、
    前記予定情報に基づいて、前記対象領域内に第1グループと第2グループとがそれぞれ利用するテーブルを決定するためのグループ配置の優先度を決定し、
    前記対象領域内で、前記特定用途の領域に比較的近い領域に第1エリアが配置されていて、前記グループ配置の優先度がより高い前記第1グループの領域を、前記第1グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1エリアを含めて配置して、
    前記第1グループの前記グループ配置の優先度よりも、優先度が低い前記第2グループの領域を、前記第2グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1グループを配置した領域以外の領域に配置して、
    前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが適宜利用することが許可されたフリーテーブルを前記フリーテーブルの前記必要テーブル数を満たすように選定するレコメンド処理部と、
    を備える座席エリア選定システム。
  2. 前記利用日当日の必要テーブル数には、各グループが専ら利用するように割り当てるテーブルのテーブル数と、前記各グループが共用するように割り当てるフリーテーブルのテーブル数とが含まれる
    請求項1に記載の座席エリア選定システム。
  3. 前記レコメンド処理部は、
    前記フリーテーブルを、前記対象領域の中央にまとめて配置する配置方法と、前記対象領域内に分散して配置する配置方法と、前記対象領域の端にまとめて配置する配置方法との何れかの配置方法を選択して、前記選択された配置方法に従い所定の位置に配置する、
    請求項1に記載の座席エリア選定システム。
  4. 前記レコメンド処理部は、
    前記選択された配置方法に従い前記フリーテーブルを前記所定の位置に仮に配置して、前記各グループが専ら利用するように割り当てるテーブルの配置の結果に応じて、前記仮に配置された前記フリーテーブルの位置を補正する、
    請求項3に記載の座席エリア選定システム。
  5. 前記レコメンド処理部は、
    前記グループ配置の優先度を、前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが申告した、打ち合わせ予定または外出予定に関わる前記予定情報に基づいて決定する、
    請求項1に記載の座席エリア選定システム。
  6. 前記第1エリアが満たされた後のグループの領域の配置の規則は、グループ間の組織間近接度による、
    請求項1に記載の座席エリア選定システム。
  7. 前記レコメンド処理部は、
    前記グループ配置の優先度に従い前記第1グループと前記第2グループの領域を配置したのち、前記第1グループと第3グループとの組織間近接度と、前記第2グループと前記第3グループとの組織間近接度とに基づいて、前記第3グループを配置する位置を決定する、
    請求項1に記載の座席エリア選定システム。
  8. 前記レコメンド処理部は、
    前記グループ配置の優先度に従い前記第1グループと前記第2グループの領域を配置する前に、前記フリーテーブルとして利用する領域を選定する、
    請求項1に記載の座席エリア選定システム。
  9. 前記予定情報は、前記利用日の打ち合わせ予定に関わる予定情報、または外出に関わる予定情報の何れかを含む、
    請求項1に記載の座席エリア選定システム。
  10. 前記レコメンド処理部は、
    前記対象領域内で前記特定用途の領域に比較的近い領域に前記第1エリアを配置する、
    請求項1に記載の座席エリア選定システム。
  11. 前記レコメンド処理部は、
    前記グループ配置の優先度を、前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが申告した前記利用日の打ち合わせ予定に関わる前記予定情報に基づいて決定する、
    請求項1に記載の座席エリア選定システム。
  12. 前記レコメンド処理部は、
    前記予定情報に基づいて、午後に外出するグループに関する前記グループ配置を、前記第1エリア外に配置する、
    請求項1に記載の座席エリア選定システム。
  13. 前記レコメンド処理部は、
    前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが申告した外出予定に関わる前記予定情報に基づいて決定する、
    請求項12に記載の座席エリア選定システム。
  14. 前記外出予定に関わる前記予定情報に基づいて配置された後のグループの領域の配置の規則は、グループ間の組織間近接度による、
    請求項12に記載の座席エリア選定システム。
  15. 外部の端末装置からの要求を受け付けて、前記要求に応じて前記レコメンド処理部の処理の結果を前記端末装置に出力する出力部
    を備える請求項1から請求項14の何れか1項に記載の座席エリア選定システム。
  16. 座席エリア選定システムのコンピュータが、
    フリーアドレス型オフィスとして利用される対象領域と前記対象領域の外部に位置する特定用途の領域との位置関係情報を含むフロアプラン情報と、前記対象領域内に配置される複数のテーブルの配置情報と、前記複数のテーブルの利用日前に申告された前記利用日の業務に関わる予定情報と、を取得するステップと、
    前記複数のテーブルの中から前記利用日の利用形態を制限する前記利用日当日の必要テーブル数を前記予定情報に基づいて算出するステップと、
    前記予定情報に基づいて、前記対象領域内に第1グループと第2グループとがそれぞれ利用するテーブルを決定するためのグループ配置の優先度を決定し、
    前記対象領域内で、前記特定用途の領域に比較的近い領域に第1エリアが配置されていて、前記グループ配置の優先度がより高い前記第1グループの領域を、前記第1グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1エリアを含めて配置して、
    前記第1グループの前記グループ配置の優先度よりも、優先度が低い前記第2グループの領域を、前記第2グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1グループを配置した領域以外の領域に配置して、
    前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが適宜利用することが許可されたフリーテーブルを前記フリーテーブルの前記必要テーブル数を満たすように選定するステップと、
    を含む座席エリア選定方法。
  17. 座席エリア選定システムのコンピュータに、
    フリーアドレス型オフィスとして利用される対象領域と前記対象領域の外部に位置する特定用途の領域との位置関係情報を含むフロアプラン情報と、前記対象領域内に配置される複数のテーブルの配置情報と、前記複数のテーブルの利用日前に申告された前記利用日の業務に関わる予定情報と、を取得するステップと、
    前記複数のテーブルの中から前記利用日の利用形態を制限する前記利用日当日の必要テーブル数を前記予定情報に基づいて算出するステップと、
    前記予定情報に基づいて、前記対象領域内に第1グループと第2グループとがそれぞれ利用するテーブルを決定するためのグループ配置の優先度を決定し、
    前記対象領域内で、前記特定用途の領域に比較的近い領域に第1エリアが配置されていて、前記グループ配置の優先度がより高い前記第1グループの領域を、前記第1グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1エリアを含めて配置して、
    前記第1グループの前記グループ配置の優先度よりも、優先度が低い前記第2グループの領域を、前記第2グループの前記必要テーブル数を満たすように前記第1グループを配置した領域以外の領域に配置して、
    前記第1グループのメンバーと前記第2グループのメンバーとが適宜利用することが許可されたフリーテーブルを前記フリーテーブルの前記必要テーブル数を満たすように選定するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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