JP2020038256A - 光導波路の加工方法及びバイト切削装置 - Google Patents

光導波路の加工方法及びバイト切削装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コアの露出を目的とした光導波路上面の切削加工において、コアが露出したかどうかを容易に確認できるようにする。【解決手段】バイト切削手段64を所定の高さ位置に位置付け、光導波路Oの上面を切削してコア上面を露出させる切削ステップと、光導波路Oの側面に露出している該コアの一端または他端からコア内部に光を入射させ切削面から出射される光に基づいて該コアが該切削面に露出したかどうかを確認する確認ステップと、該確認の結果該コアが露出していない場合に、該所定の高さ位置よりも低い位置に該バイト研削手段64を位置付けて光導波路Oを切削する追加切削ステップとを備えた加工方法、及び該加工を実現するための加工装置の提供により解決する。【選択図】図3

Description

本発明は、光導波路の加工方法、及び光導波路を加工するバイト切削装置に関する。
光導波路は、光路となるコアとコアを取り囲むクラッドとを備えた光の伝送路であり、例えば、下層クラッド上にコアを配置し、クラッドでコアを封止することで製造する。光導波路を用いたデバイスとして、例えば、光学的現象であるSPR(表面プラズモン共鳴)を利用した、特許文献1に記載のセンサセルが挙げられる。センサセルに用いられる光導波路は、光導波路上面のコアが露出していることを特徴とする。また、複数の露出面を巻状に延設することで検出感度を高めた、特許文献2に記載のセンサも開発されている。該特徴を備えた光導波路を厚み方向に複数層積層することで、光回路の集積密度の向上に貢献した、特許文献3に記載の積層光回路も存在する。
このようなセンサセル等を製造するためには、前工程として、光導波路のコアがクラッド中に埋設された状態から、光導波路上面のクラッドを研削や研磨等の機械加工により除去し、コア上面を露出する加工が必要となる。
特開2015−081775号公報 特開2011−232574号公報 特開2011−070107号広報
上記の加工について、一般に、機械による加工では被加工物の上面や下面(保持面)を基準に除去量が設定されるため、コアの下方のクラッドやコアの上方のクラッドの厚みにばらつきがあると、設計値をもとに加工してもコアが露出しない場合がある。そこで、加工した後、確実にコアが露出したことを別途確認する必要があり、この確認に手間がかかる。一般にコアとクラッドは両方とも透明な樹脂から形成されるため、コアが露出したことを外観から確認するのは難しいという問題を抱えている。
本発明は、一端と他端とを有した棒状のコアがクラッドに埋設された状態で支持部材上に配設された光導波路の加工方法であって、該コアは少なくとも該一端または該他端の一方が露出しており、該支持部材を保持テーブルで保持し、所定の高さ位置に位置付けたバイト切削刃で該光導波路の上面を切削して切削面を形成する切削ステップと、該切削ステップを実施した後、該コアの露出した該一端または該他端から光を入射させ、該切削面から出射される光に基づいて該コアが該切削面に露出したか否かを確認する確認ステップと、該確認ステップで該切削面に該コアが露出していない場合に、該所定の高さ位置よりも低い位置に該バイト切削刃を位置づけて該光導波路の上面を切削する追加切削ステップと、を備えている。また、本発明は、上記の光導波路の加工方法であって、該コアが該クラッドに完全に埋設されているような光導波路に対し、該切削ステップを実施する前に、該一端または該他端の一方を露出させる露出ステップを更に備えた、光導波路の加工方法である。さらに、前述の二つの光導波路の加工方法のうちのいずれかの加工方法であって、該支持部材上には複数のコアがそれぞれクラッドに埋設された状態で配設され、該確認ステップでは、該切削面に全ての該コアが露出したか否かを確認し、全ての該コアが露出していない場合に、該追加切削ステップを実施する、光導波路の加工方法である。
そして、本発明は、一端と他端とを有した棒状のコアがクラッドに埋設された状態で支持部材上に配設された光導波路の該支持部材を保持する保持テーブルと、該保持テーブルで保持された光導波路を切削するバイト切削刃を有したバイト切削手段と、を備えたバイト切削装置であって、該保持テーブルで保持された該コアの露出した該一端または該他端に向かって光を投光する光投光手段と、該保持テーブルで保持された光導波路基板の上面を撮像する撮像手段と、を備えたバイト切削装置である。
本発明の加工方法では、露出したコアの一端または他端に光を投光することで、光導波路の上面を切削して形成した切削面から出射される光に基づいて、コアが切削面に露出したか否かを容易に確認できる。これにより、コアの上面を露出させた光導波路を効率よく形成できるようになる。
側面からコアが露出した光導波路を表す斜視図である。 コアがクラッドによって完全に埋設された光導波路を表す斜視図である。 バイト切削装置を表す斜視図である。 厚み測定の様子を表す説明図である。 コアの露出を確認する様子を表す説明図である。 保持テーブルに支持部材が吸引保持されている様子を表す説明図である。 切削の様子を表す説明図である。 切削の様子を表す説明図である。 撮像手段によって撮像された光導波路上面の様子を表す平面図である。 追加切削の様子を表す説明図である。 光導波路上面の全てのコアが露出している様子を表す平面図である。 切削予定位置を表す説明図である。 ブレードによる切削を表す説明図である。 切削溝に投光してコアの露出を確認する様子を表す説明図である。
1.光導波路の構造
図1、図2に示すように、本発明の実施により切削加工される光導波路Oは、一端と他端とを有する棒状のコアC2がクラッドC1に埋設された状態で支持部材Sの上に配設されている。支持部材Sは、例えば、ガラス、シリコン、樹脂等の硬質基板の他、テープでもよく、光導波路OのクラッドC1の下面に貼着され、光導波路Oを支持している。光導波路OのクラッドC1の上面が切削加工される面となる。図1では、光導波路Oの側面にコアC2の一端または他端が露出した状態を示しているが、図2に示すように、光導波路Oの側面にコアC2の一端または他端が露出していないこともある。本発明の切削加工の実施形態は、光導波路Oの側面にコアC2の一端または他端が露出しているか否かに応じて異なり、それぞれについて場合分けをして説明する。なお以下、光導波路Oと支持部材Sとを一体のものとして動きを示す場合は、ユニットUと呼ぶ。
2.バイト切削装置の構成
図3に示すバイト切削装置1は、コアC2がクラッドC1に埋設された状態で支持部材Sの上に配設された光導波路Oの上面を、バイト切削手段6によって切削加工する装置である。バイト切削装置1のベース10上の前方(−Y方向側)は、保持テーブル30に対して支持部材Sを着脱する領域となっており、ベース10上の後方(+Y方向側)は、バイト切削手段6によって、支持部材Sを介して保持テーブル30上に保持された光導波路Oの上面の切削加工を行う領域となっている。
加工装置1のベース10の前方側には、オペレータによる加工条件等の入力を行うための入力手段20が配設されている。また、ベース10上の前方側には、切削加工前のユニットUを収容する第一のカセット331と切削加工済みのユニットUを収容する第二のカセット332とが配設されている。第一のカセット331と第二のカセット332との間には、第一のカセット331から切削加工前のユニットUを搬出すると共に、切削加工済みのユニットUをカセット332に搬入するロボット330が配設されている。
ロボット330の可動域には、加工前のユニットUを仮置きする仮置きテーブル333aが設けられており、仮置きテーブル333aには位置合わせ手段333bが配設されている。位置合わせ手段333bは、第一のカセット331から搬出され仮置きテーブル333aに載置されたユニットUを、縮径する方向に全体が動く複数の位置合わせピンで所定の位置に位置合わせする。加えて、ロボット330の可動域には、加工済みのユニットUを洗浄する洗浄手段334が配設されている。洗浄手段334は、例えば、枚葉式のスピンナー洗浄装置である。
位置合わせ手段333bの近くには第一の搬送手段335が配設され、洗浄手段334の近くには第二の搬送手段336が配設されている。第一の搬送手段335は、仮置きテーブル333aに載置され位置合わせされた切削加工前のユニットUを保持テーブル30に搬送し、第二の搬送手段336は、保持テーブル30に保持された切削加工済みのユニットUを洗浄手段334に搬送する。
保持テーブル30は、保持テーブル30の下方に位置するカバー39で覆われた図示しない吸引手段により下側から支持部材Sを吸引保持する。保持テーブル30の下面と、カバー39と、カバー39に連結された蛇腹カバー39aとによって覆われた領域には、カバー39と保持テーブル30とを共にY軸方向に移動させる図示しないY軸移動手段が配設されている。蛇腹カバー39aは保持テーブル30の移動に伴ってY軸方向に伸縮する。
ベース10上の後部側(+Y方向側)にはコラム11が立設されており、コラム11の前面にはバイト切削手段6をZ軸方向(鉛直方向)に昇降させて、保持テーブル30に対して離間または接近させる加工送り手段5が配設されている。加工送り手段5は、Z軸方向の軸心を有するボールネジ50と、ボールネジ50と平行に配設された一対のガイドレール51と、ボールネジ50の上端に連結しボールネジ50を回動させるモータ52と、内部のナットがボールネジ50に螺合し側部がガイドレール51に摺接する昇降板53と、昇降板53により固定されバイト旋削手段6を保持するホルダー54とを備えており、モータ52がボールネジ50を回動させることに伴い昇降板53がガイドレール51にガイドされてZ軸方向に往復移動し、ホルダー54に保持されたバイト旋削手段6がZ軸方向に加工送りされる。
バイト切削手段6は、軸方向が鉛直方向(Z軸方向)であるスピンドル60と、スピンドル60を回転可能に支持するハウジング61と、スピンドル60を回転駆動するモータ62と、スピンドル60の下端に接続された円形状のバイトホイール63と、バイトホイール63に着脱可能に装着されているバイト工具64とを備えている。
バイトホイール63には、バイト工具64が挿嵌されており、バイト工具64は切り刃64aを備えている。切り刃64aは、例えば、単結晶ダイヤモンドやCBN等である。
ベース10上には、立設する壁部100とコラム11とで囲まれた凹状部分が形成されており、この凹状部分は、切削加工時に光導波路Oとバイト工具64との加工点に供給される洗浄水が、保持テーブル30から流下するのを受け止める洗浄水収容部101となる。洗浄水収容部101には、排水口102が形成されており、切削屑等を含んだ洗浄水は排水口102から図示しない排水タンク等へ排水される。
保持テーブル30の移動経路の上方には、切削された光導波路Oの厚みを測定する接触式厚さ測定器17と非接触式厚さ測定器18とが配設されている。両者は、保持テーブル30を跨ぐようにベース10上に架設された支持ブリッジ19により支持され、例えば、X軸方向に往復移動可能となっている。接触式厚さ測定器17はZ軸方向に移動可能なリニアゲージであり、一方、非接触式厚さ測定器18は投光部と受光部とを備えレーザーを用いて光導波路Oの厚みを測定する非接触式の厚さ測定器である。図4に示すように、接触式厚さ測定器17は、厚み計170aの接触子先端と厚み計170bの接触子先端とを支持部材S上面と光導波路O上面とにそれぞれ接触させることで厚みを測定する。厚みの測定では、光導波路Oの上面を複数点測定し、例えば最大値を光導波路Oの上面位置とする。あるいは、複数点の測定により算出した平均値を光導波路Oの上面位置としてもよい。
図3に示すように、同じく、保持テーブル30の移動経路の上方には、支持ブリッジ19に支持される光投光手段15と撮像手段16とが配設されている。図5に示すように、光投光手段15は光投光ユニット150とシリンダ151と発光部152とを備える。光投光ユニット150を制御することで、光投光ユニット150に接続したシリンダ151を昇降させ、シリンダ151に接続した発光部152を±Z方向に昇降させることができる。さらには、光投光ユニット150の制御により、発光部152の向きを変え、投光方向を調節できる。撮像手段16は光導波路Oの上面に対して向けられ、光投光手段15による投光の最中に光導波路Oの上面を撮像する。光導波路Oの上面に図1及び図2に示したコアC2が露出しているか否かによって、撮像された光導波路Oの上面の様子が異なり、これに基づいてコアC2が露出しているかどうかを確認する。
3.加工方法
以下に、図1〜図10を用いて、バイト切削装置1を用いた光導波路Oの加工方法について説明する。その際、光導波路Oの側面にコアC2の一端または他端がすでに露出しているか否かに応じて場合分けをして説明する。図1のように、光導波路Oの側面にコアC2の一端または他端が露出している場合の実施形態を「第一実施形態」、図2のように、光導波路OのコアC2がクラッドC1の内側に完全に埋設されている場合の実施形態を「第二実施形態」とする。
[第一実施形態]
図1のように、光導波路の側面にコアC2の一端または他端が露出している場合、本発明の実施形態は切削ステップと、確認ステップと、追加切削ステップとを備えたものとなる。
(切削ステップ)
(1)保持
図3に示すように、切削加工前のユニットUは、ロボット330によって第一のカセット331から仮置きテーブル333aへ送られる。さらに、ユニットUは、位置合わせ手段333bによって位置合わせされ、第一の搬送手段335により、保持テーブル30に搬送される。図6に示すように、搬送されたユニットUは、支持部材Sの下面が保持テーブル30の下方に位置する図示しない吸引手段によって下側から吸引されることで固定される。
(2)厚み測定
図3に示すように、例えば、保持テーブル30を跨ぐようにベース10上に架設された支持ブリッジ19により支持される接触式厚さ測定器17を用いて、光導波路Oの厚みを測定する。図4に示すように、厚み計170aの接触子の先端と厚み計170bの接触子の先端とを、それぞれ支持部材Sの上面とクラッドC1の上面とに接触させ、2本の接触子の高さの差を光導波路Oの厚さとして測定する。
(3)切削
例えば、図3に示す保持テーブル30の下方にある図示しないY軸移動手段が、ユニットUを吸引保持した保持テーブル30をバイト切削手段6よりも少し+Y方向の位置まで移動させることで、保持テーブル30が切削送りの開始位置に位置付けられる。そして、バイト切削手段6を加工送り手段5によって所定の長さの分だけ−Z方向へと送ることで、所定の切り込み量の切込みを行う位置にバイト切削刃64aが位置付けられる。さらに、モータ62がZ軸方向の軸を持つスピンドル60を所定の回転速度で回転させ、これに伴い、バイト工具64がスピンドル60を軸に所定の回転速度で周回する。次いで、支持部材Sを吸引保持した保持テーブル30が、所定の送り速度で−Y方向に移動していき、バイト切削刃64aが光導波路Oの上面を切削してコアC2を露出させる。図7と図8とは、それぞれ切削の様子を示している。例えば、コアC2の上下のクラッド層C1がそれぞれ10μmであるとすれば、まず、図7に示すように、光導波路Oの上面から−Z方向に例えば5μmとなる位置にバイト切削刃64aの先端位置を位置付けてバイト切削した後、さらに、図8に示すように、更にバイト切削刃64aの先端を5μm下げた位置に位置付け、再度切削することでコアC2の上面を露出させることができる。
(確認ステップ)
切削ステップ実施後、光導波路Oの上面のコアC2が露出しているかどうかを確認する。図5に示すように、光投光ユニット150を制御し、光導波路Oの側面に露出したコアC2の一端または他端に発光部152から光が入射するよう発光部152の高さと発光部152の投光方向を調節し、発光部152から光を投光する。投光された光は、光導波路Oの側面に露出したコアC2の一端または他端からコアC2内に入射され、コアC2の内部を通る。このとき、上記切削ステップでの切削によりコアC2の上面が露出したならば、入射された光は切削面Oaから光導波路Oの外側へ出射されるが、切削によってもコアC2の上面が露出しなかったならば、その光は切削面Oaから光導波路Oの外側へ出射されない。この様子を、投光手段15による投光の最中に、撮像手段16によって切削面Oaの上方から撮像する。コアC2の上面が露出しているならば、撮像手段16によって映された切削面OaはコアC2から出射された光により明るく見えるが、コアC2の上面が露出していないならば、コアC2から光が出射されないため、コアC2の上面が露出しているときよりも相対的に暗く見える。撮像された切削面Oaを、例えば、画像解析ソフト等を用いて解析しオペレータが判断することで、コアC2の上面が露出したかどうかを確認することができる。
(再切削ステップ)
上記の確認ステップによる確認の結果、切削面OaにコアC2が露出していない場合、所定の高さ位置よりも低い位置にバイト切削刃64aを位置づけて光導波路Oの上面を再び切削する。クラッドC1の内部に複数のコアC2が埋設されている場合に図9に示すように切削面Oaに露出していないコアC2が存在するときは、全てのコアC2が露出するまで、前述したバイト切削手段6による切削と撮像手段16による確認とを繰り返し実施する。尚、図10に示すように、追加切削ステップでは最初の切込み量よりも小さな切込み量で切削するのが好ましい。そして、再度確認ステップを実施し、図11に示すように、すべてのコアC2が露出していることが確認されると、再切削ステップ及び確認ステップを終了する。
全てのコアC2の上面を露出させた後、図1に示した第二の搬送手段336を用いて保持テーブル30に保持されたユニットUを洗浄手段334に搬送する。洗浄手段334による洗浄後、第二搬出手段336により、例えば、図示しない切削装置に搬送し、光導波路Oを所定のサイズに切り出し、支持部材S上から取り外す。
[第二実施形態]
図2に示したように光導波路のコアC2が完全に埋設されている場合、切削ステップの前に、光導波路Oの側面のコアC2の一端または他端を露出させる露出ステップを実施する。
(露出ステップ)
(1)所定サイズに切削
光導波路OのコアC2がクラッドC1に完全に覆われている場合、そのままでは光をコアC2に入射させることができないため、前述の第一実施形態における確認ステップで用いた方法によるコアC2の露出確認ができない。この場合には、例えば、切削ステップで光導波路Oの上面を切削する前に、光導波路Oを予め定めた切削予定位置にそって所定サイズに切削する。例えば、図12のように、交差する切削予定ラインLによって切削予定位置が定められているとき、切削ステップを実施するよりも前に、例えば、図13のようにバイト切削装置1とは別の切削装置を用いて、切削予定ラインLに沿って切削ブレード65等で切削する。この場合、切削装置のチャックテーブル66において支持部材S側を保持し、チャックテーブル66を例えば−X方向に送りながら、回転する切削ブレード65を、切削予定ラインLに沿って切削ブレード65の下端が支持部材Sに到達するように切り込ませることにより、光導波路Oを切削する。
(2)端材除去について
その後、図14に示す端材Oeを除去することで光導波路Oの一端または他端を露出させる。このとき、所定サイズへの分割切削により、光導波路Oに図14で示すような切削溝Ogを形成さえすれば、後述する確認ステップにおいて、切削溝OgからコアC2内部に入射させることができるため、端材Oeを取り除かなくてもよい。従って、該露出ステップでの切削を実施した後、(A)端材Oeを取り除き支持部材Sから光導波路Oを取り外し所定のサイズ毎に個々の光導波路Oを分けたのち、個々の光導波路のうちの一つを再び支持部材Sの上に配設する、(B)端材Oeを取り除くが支持部材Sの上に光導波路Oをそのまま配設し該露出ステップ実施前の光導波路Oの形状を保つ、(C)端材Oeを取り除かず支持部材Sに光導波路Oを配設させたまま該露出ステップ実施前の光導波路Oの形状を保つ、という(A)〜(C)の少なくとも三つのとり得る実施パターンが考えられる。
(切削ステップ)
上記の露出ステップ実施後、光導波路Oは、例えば、該露出ステップによって形成された切削溝Ogを備え端材Oeが取り除かれ光導波路Oの側面からコアC2の一端または他端が露出しているものと、該露出ステップによって切削溝Ogを備えるに至ったが端材Oeが取り除かれておらず光導波路Oの側面からコアC2が露出していないものと、が想定される。いずれの場合にしても、第一実施形態の切削ステップで記したように、加工送り手段5を制御して、バイト切削手段6を所定の長さの分だけ−Z方向へと送ることで、所定の切り込み量の切込みを行う位置にバイト切削刃64aを位置付ける。そして、モータ62がZ軸方向の軸を持つスピンドル60を所定の回転速度で回転させ、これに伴い、バイト工具64がスピンドル60を軸に所定の回転速度で周回する。一方で、図示しないY軸移動手段によって保持テーブル30を−Y方向に移動させる。これにより旋回するバイト工具64に光導波路Oの上面を所定の切込み量だけ切削し、コアC2の上面を露出させる。
(確認ステップ)
第二実施形態における確認ステップでは、第一実施形態における確認ステップで用いた投光方法、すなわち、光導波路Oの側面に露出したコアC2の一端または他端に向かって光投光手段15によって光を投光してコアC2の内部に光を入射させる投光方法だけでなく、該露出ステップにより生じた切削溝Ogに向かって投光し、切削溝OgからコアC2の内部に光を入射させるという投光方法をとることもできる。この場合、図14に示すように、光投光ユニット150を制御することで発光部152の高さと投光方向を調節し、発光部152から投光される光が、切削面Oaに対して垂直になるように投光する。投光により切削溝OgからコアC2の内部に進入した光は、コアC2を通る。このとき、上記切削ステップでの切削によりコアC2の上面が露出したならば、入射された光は切削面から出射される。一方、切削ステップによる切削をしてもコアC2の上面が露出しなかったならば、その光は切削面Oaから出射されない。この様子を、投光手段15による投光の最中に、撮像手段16によって切削面Oaの上方から撮像する。コアC2の上面が露出しているならば、撮像手段16によって映された切削面OaはコアC2から出射された光を捉え明るく見えるが、コアC2の上面が露出していないならば、コアC2から光が出射されないため、コアC2の上面が露出しているときよりも相対的に暗く見える。撮像された切削面Oaを、例えば、画像解析ソフト等を用いて解析しオペレータが判断することで、コアC2の上面が露出したかどうかを確認することができる。
(追加切削ステップ)
確認ステップによる確認の結果、切削面OaにコアC2が露出していない場合、第一実施形態に記した追加切削ステップにおける追加切削と同様の切削を実施する。所定の高さよりも低い位置にバイト切削刃64aを位置づけて光導波路Oの上面を再び切削する。クラッドC1の内部に複数のコアC2が埋設されている場合に、図9に示したように切削面Oaに露出していないコアC2が存在するときは、全てのコアC2が露出するまで、前述したバイト切削手段6による切削と撮像手段16による確認とを繰り返し実施する。図10に示すように、追加切削ステップでは最初の切込み量よりも小さな切込み量で切削するのが好ましい。そして、再度確認ステップを実施し、図11に示したように、すべてのコアC2が露出していることが確認されると、再切削ステップ及び確認ステップを終了する。
上記追加切削ステップによる切削を繰り返し実施し、全てのコアC2が露出した後、第二の搬送手段336を用いて保持テーブル30に保持されたユニットUを洗浄手段334に搬送する。洗浄手段334による洗浄後、第二搬出手段336により、例えば、図示しない切削装置に搬送し、光導波路Oを所定のサイズに切り出し、支持部材S上から取り外す。
以上のように、露出したコアC2の一端または他端に光を投光することで、光導波路Oの上面を切削して形成した切削面から出射される光に基づいて、コアC2が切削面に露出したか否かを容易に確認できるため、コアC2の上面を露出させた光導波路Oを効率よく形成できるようになる。
O:光導波路 Oa:切削面 Og:切削溝 Oe:端材
C1:クラッド C2:コア
S:支持部材
U:ユニット(光導波路O+支持部材S)
1:バイト切削装置 10:ベース 100:壁部 101:洗浄水収容部
102:排水口 11:コラム
15:光投光手段 150:光投光ユニット 151:シリンダ 152:発光部
16:撮像手段
17:接触式厚さ測定器 170a:厚み計 170b:厚み計
18:非接触式厚さ測定器 19:支持ブリッジ 20:
30:保持テーブル 39:カバー 39a:蛇腹カバー
330:ロボット 331:第一のカセット
332:第二のカセット 333a:仮置きテーブル 333b:位置合わせ手段
334:洗浄手段 335:第一の搬送手段 336:第二の搬送手段
5:加工送り手段 50:ボールネジ 51:ガイドレール 52:モータ
53:昇降版 54:ホルダー
6:バイト切削手段 60:スピンドル 61:ハウジング
62:モータ(スピンドルの回転駆動) 63:バイトホイール 64:バイト工具
65:切削ブレード 66:チャックテーブル
L:切削予定ライン

Claims (4)

  1. 一端と他端とを有した棒状のコアがクラッドに埋設された状態で支持部材上に配設された光導波路の加工方法であって、
    該コアは、少なくとも該一端または該他端の一方が露出しており、
    該支持部材を保持テーブルで保持し、所定の高さ位置に位置付けたバイト切削刃で該光導波路の上面を切削して切削面を形成する切削ステップと、
    該切削ステップを実施した後、該コアの露出した該一端または該他端から光を入射させ、該切削面から出射される光に基づいて該コアが該切削面に露出したか否かを確認する確認ステップと、
    該確認ステップで該切削面に該コアが露出していない場合に、該所定の高さ位置よりも低い位置に該バイト切削刃を位置付けて該光導波路の上面を切削する追加切削ステップと、を備えた光導波路の加工方法。
  2. 請求項1に記載の光導波路の加工方法であって、
    該コアは、該クラッドに完全に埋設されており、
    該切削ステップを実施する前に、該一端または該他端の一方を露出させる露出ステップを更に備えた光導波路の加工方法。
  3. 請求項1または2に記載の光導波路の加工方法であって、
    該支持部材上には複数のコアがそれぞれクラッドに埋設された状態で配設され、
    該確認ステップでは、該切削面に全ての該コアが露出したか否かを確認し、
    全ての該コアが露出していない場合に、該追加切削ステップを実施する、光導波路の加工方法。
  4. 一端と他端とを有した棒状のコアがクラッドに埋設された状態で支持部材上に配設された光導波路を保持する保持テーブルと、該保持テーブルで保持された光導波路を切削するバイト切削刃を有したバイト切削手段と、を備えたバイト切削装置であって、
    該保持テーブルで保持された該コアの露出した該一端または該他端に向かって光を投光する光投光手段と、
    該保持テーブルで保持された光導波路基板の上面を撮像する撮像手段と、を備えたバイト切削装置。
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