JP2020038140A - 測定点決定方法、プログラム、および測定点決定装置 - Google Patents

測定点決定方法、プログラム、および測定点決定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の測定点で測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する。【解決手段】複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定方法であって、測定点の数の最小値および最大値を取得するステップと、測定装置の測定項目の不確かさの目標値を取得するステップと、測定点の最小値から最大値までの間の2以上の測定点数を用いて、測定装置で測定項目をそれぞれ測定した場合の不確かさを推定するステップと、目標値および推定したそれぞれの不確かさに基づき、測定装置の測定点の数を決定するステップとを備える測定点決定方法を提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、測定点決定方法、プログラム、および測定点決定装置に関する。
立体の形状を三次元的に計測する三次元測定機(CMM:Coordinate Measuring Machine)が知られている。このような測定装置の仕様および測定前の評価実験等の限られた情報を用いたシミュレーションに基づき、当該測定装置による座標測定の不確かさを推定する方法(拘束付きモンテカルロシミュレーション法:CMS法)が知られていた(例えば、特許文献1、非特許文献1および2を参照)。
特許第4694881号公報
M.Nara, et.al., Uncertainty Estimation Using Monte-Carlo Method Constrained by Correlations of the Data, ISMTII 2007, Sep. 24-27. pp.815-818 日本工業規格 JIS B0641−1:2001 製品の幾何特性仕様(GPS) −製品及び測定装置の測定による検査− 第1部:仕様に対する合否判定基準
このような測定装置の測定点は、測定対象物に座標系を設定するための点、または測定対象物の表面上に配置される点等である。測定装置の測定点の数が多ければ多いほど、測定結果の不確かさが低減する。しかしながら、測定点の数が多ければ多いほど測定時間が長くなるので、不確かさを許容範囲に抑えつつ測定点の数を少なくすることが求められていた。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、不確かさを許容範囲に抑えつつ測定点の数を少なくすることを目的とする。
本発明の第1の態様においては、複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定方法であって、測定点の数の最小値および最大値を取得するステップと、前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値を取得するステップと、測定点の前記最小値から前記最大値までの間の2以上の測定点数を用いて、前記測定装置で前記測定項目をそれぞれ測定した場合の不確かさを推定するステップと、前記目標値および推定したそれぞれの不確かさに基づき、前記測定装置の測定点の数を決定するステップとを備える測定点決定方法。
前記不確かさを推定するステップにおいては、測定点の前記最小値から前記最大値までの間の全ての測定点の数について、それぞれ不確かさを推定し、前記測定点の数を決定するステップにおいては、前記全ての測定点の数に対応する不確かさが前記目標値以上である最小の測定点の数に、前記測定装置の測定点の数を決定してもよい。
前記測定点の数を決定するステップにおいては、前記不確かさを推定するステップにおいて複数の測定点の数のうち一の測定点の数に対する不確かさを推定する毎に、前記測定装置の測定点の数を決定するかまたは更に異なる測定点の数に対する不確かさの推定を継続するかを判定してもよい。
前記不確かさを推定するステップにおいては、測定点の前記最小値から前記最大値までを、第1点数間隔で増加または減少させて不確かさを推定してもよい。
前記測定点の数を決定するステップにおいては、複数の測定点の数のうち一の測定点の数に対する不確かさを推定する毎に、前記第1点数間隔を用いて更に異なる測定点の数に対する不確かさの推定を継続するか、または、前記第1点数間隔とは間隔が小さい第2点数間隔を用いて更に異なる測定点の数に対する不確かさの推定を継続するかを判定し、前記不確かさを推定するステップにおいては、前記測定点の数を決定するステップにおいて前記判定された点数間隔を、前回の測定点の数に増加または減少させて不確かさを推定してもよい。
前記不確かさを推定するステップにおいては、異なる2以上の測定点の数に対する2以上の不確かさを推定し、前記測定点の数を決定するステップは、前記2以上の測定点の数に対する前記2以上の不確かさに基づいて、測定点の数と不確かさとの関係を特定するステップと、特定した前記関係を用いて、前記目標値を満たす前記測定装置の測定点の数を決定するステップと、を有してよい。
前記測定点の数を決定するステップは、決定した前記測定装置の測定点の数に対する不確かさを推定するステップと、推定した不確かさが前記目標値を満たすことを確認するステップと、を更に有してよい。
前記測定装置の測定点の数を決定した後、各測定点の配置の初期値を取得するステップと、各測定点の配置の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定するステップと、各測定点のうち一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出するステップと、算出した前記比に基づき、前記一の測定点を採用するか否かを決定するステップとを備えてよい。
前記測定装置の測定点の数を決定した後、各測定点の配置の初期値を取得するステップと、各測定点の配置の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定するステップと、各測定点のうち一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出するステップと、算出した前記比に基づき、前記一の測定点の配置を変化させるか否かを決定するステップとを備えてよい。
本発明の第2の態様においては、複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定方法であって、測定点の数および配置の初期値を取得するステップと、前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値を取得するステップと、測定点の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定するステップと、一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出するステップと、前記目標値および算出した前記比に基づき、前記一の測定点を採用するか否かを決定するステップとを備える測定点決定方法を提供する。
本発明の第3の態様においては、複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定方法であって、測定点の数および配置の初期値を取得するステップと、前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値を取得するステップと、測定点の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定するステップと、一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出するステップと、前記目標値および算出した前記比に基づき、前記一の測定点の配置を変化させるか否かを決定するステップとを備える測定点決定方法を提供する。
本発明の第1から第3の態様のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
本発明の第4の態様においては、複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定装置であって、測定点の数の最小値および最大値と、前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値とを取得する取得部と、測定点の前記最小値から前記最大値までの間の2以上の測定点数を用いて、前記測定装置で前記測定項目をそれぞれ測定した場合の不確かさを推定する推定部と、前記目標値および推定したそれぞれの不確かさに基づき、前記測定装置の測定点の数を決定する決定部とを備える測定点決定装置を提供する。
本発明の第5の態様においては、複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定装置であって、測定点の数および配置の初期値と、前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値とを取得する取得部と、測定点の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定し、一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出する推定部と、前記目標値および算出した前記比に基づき、前記一の測定点を採用するか否かを決定する決定部とを備える測定点決定装置を提供する。
本発明の第6の態様においては、複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定方法であって、測定点の数および配置の初期値と、前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値とを取得する取得部と、測定点の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定し、一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出する推定部と、前記目標値および算出した前記比に基づき、前記一の測定点の配置を変化させるか否かを決定する決定部とを備える測定点決定装置を提供する。
本発明によれば、不確かさを許容範囲に抑えつつ測定点の数を少なくすることができるという効果を奏する。
本実施形態に係る測定システムSの概要を示す図である。 本実施形態に係る円測定の測定点の配置の一例を示す。 図2に示す測定点の配置に対する円測定の不確かさの推定結果の一例を示す。 本実施形態に係る測定点決定装置100の構成例を示す。 本実施形態に係る測定点決定装置100の動作フローの第1例を示す。 本実施形態に係る測定点決定装置100の動作フローの第2例を示す。 本実施形態に係る測定点決定装置100の動作フローの第3例を示す。 本実施形態に係る円の中心間距離の測定における測定点の配置の一例を示す。 図8に示す測定点の配置に対する中心間距離の測定の感度の一例を示す。 本実施形態に係る測定点決定装置100の動作フローの第4例を示す。 本実施形態に係る測定点決定装置100により測定点を減少させた結果の一例を示す。 本実施形態に係る測定点決定装置100の動作フローの第5例を示す。 本実施形態に係る測定点決定装置100により測定点の配置を移動させた結果の一例を示す。
[測定システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る測定システムSの概要を示す図である。測定システムSは、測定装置1と、測定点決定装置100とを備える。測定装置1は、例えば物体の三次元形状といった測定項目を測定するための三次元測定機である。測定装置1は、複数の位置で測定を実施する装置であれば、三次元測定機以外の装置であってもよい。
測定点決定装置100は、測定装置1における測定点を決定するための装置であり、例えばコンピュータである。測定点決定装置100は、測定項目の測定点の数又は配置ごとに測定結果の不確かさを推定し、不確かさが目標値の範囲内に収まる測定点の数又は配置を決定する。測定点決定装置100は、例えば、決定した測定点の数又は配置を測定装置1に通知し、測定装置1は、通知された測定点の数又は配置に基づいて測定項目の測定処理を実行する。以下、測定装置1において円形の物体の形状を測定する円測定を例にして測定点決定装置100の動作を説明するが、本実施形態の測定点決定装置100は、測定装置1が円形以外の形状を測定する場合にも適用できる。
[最適な測定点の数の決定]
図2は、本実施形態に係る円測定の測定点の配置の一例を示す。図2は、円の直径および/または中心座標等を、複数の測定点を用いて測定する例を示す。図2は、左から右に向かって測定点の点数Nを3からnまで増加させ、また、測定点の配置を円周に沿って略均等に配置させた例を示す。三次元測定機のような測定装置1は、このような測定点で測定項目の測定処理を実行して、円の直径および中心座標を測定結果として出力する。このような測定装置1が出力する測定結果の不確かさの推定結果について、次に説明する。
図3は、図2に示す測定点の配置に対する円測定の不確かさの推定結果の一例を示す。図3の横軸は測定点の数Nを示し、縦軸は円測定の不確かさを示す。なお、測定点決定装置100は、測定装置1の仕様に基づいて、測定点間の距離ごとに算出できる測定誤差の相関モデルを用いてシミュレーションを実行することにより不確かさを推定する。測定点決定装置100は、例えば既知のCMS法(拘束付モンテカルロシミュレーション法)により不確かさを推定するが、他の方法を用いてもよいシミュレーションの詳細についは記載を省略する。図3において、測定点の数3に対する不確かさをUとし、測定点の数nに対する不確かさをUとした。図3より、測定点の数Nの増加に応じて、円測定の不確かさが小さくなることがわかる。また、測定点の数Nが増加すればするほど、円測定の不確かさの変化の割合が小さくなる傾向がわかる。
このような測定点の数Nに対する不確かさに基づき、円測定の最適な測定点の数および配置を決定するために、測定点の決定者は、円測定の不確かさの目標値を測定点決定装置100に設定する。この場合、不確かさの大きさが当該目標値を下回り、かつ、測定点の数が最小となる値は、最小の測定点の数で目標値を満足するので、円測定に最適な測定点の数である。図3において、不確かさの目標値をUとし、目標値Uを下回り、かつ、測定点の数が最小となる測定点の数をnとして示す。このような測定装置1の測定点の数または配置を決定する測定点決定装置100の構成及び動作について次に説明する。
[測定点決定装置100の構成]
図4は、本実施形態に係る測定点決定装置100の構成例を示す。測定点決定装置100は、測定装置1の測定点の数または配置を決定する。測定装置1は、三次元測定機等のように、シミュレーションによって測定結果の不確かさを推定可能な測定を実行する装置である。測定点決定装置100は、取得部110と、推定部120と、決定部130と、出力部140と、記憶部150とを備える。
取得部110は、測定点の数の最小値nminおよび最大値nmaxを取得する。取得部110は、例えば、ユーザからの最小値nminおよび最大値nmaxの入力を取得する。また、取得部110は、過去の同様の測定装置1の測定点の決定に用いたデータ等を読み出して、同様の最小値nminおよび最大値nmaxを取得してもよい。
また、取得部110は、測定装置1の測定項目の不確かさの目標値Uを取得する。測定項目は、例えば、ユーザが測定装置1を用いて測定したい項目、および測定が予測される項目等であり、本実施例において円測定の例を説明する。取得部110は、例えば、ユーザからの不確かさの目標値Uの入力を取得する。ここで、不確かさの目標値Uは、例えば、ユーザ等が用途に応じて予め定める値である。また、例えば、非特許文献2に示すように、製品の検査等において、製品に要求される仕様と、測定の不確かさとの関係が定義されている。このような定義を用いて、例えば、不確かさの目標値Uは、使用範囲の1/10以下程度に定められることが望ましい。
また、取得部110は、測定点の数に対する測定点の配置をユーザ等から取得する。この場合、取得部110は、例えば、図2に示すような測定点の配置を取得する。
取得部110は、例えば、入力装置等を介して、ユーザ等からの入力を受けとる。入力装置は、入力インターフェースの機能を有する装置であればよい。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、およびマイク等の入力デバイスである。また、取得部110は、データベース等から指定されたデータを受け取ってもよい。例えば、取得部110は、ネットワーク等を介して外部のデータベース等に接続される。
推定部120は、測定点の最小値nminから最大値nmaxまでの間の2以上の測定点数を用いて、測定装置1で測定項目をそれぞれ測定した場合の不確かさを推定する。推定部120は、既知のCMS法等を用いて、不確かさを算出する。推定部120は、例えば、1つの測定点の数に対する不確かさをそれぞれ算出する。
決定部130は、不確かさの目標値Uおよび推定したそれぞれの不確かさに基づき、測定装置1の測定点の数を決定する。決定部130は、例えば、目標値Uを下回り、かつ、測定点の数が最小となる測定点の数nを、最適な測定点の数として決定する。
出力部140は、決定部130が決定した測定点の数nを出力する。出力部140は、例えば、ディスプレイ等に接続され、測定点の数nを当該ディスプレイ等に表示させる。また、出力部140は、測定点の数nを測定装置1に出力する。また、出力部140は、測定点の数nを記憶部150に出力してもよい。
記憶部150は、出力部140から受け取った測定点の数nを記憶する。また、記憶部150は、取得部110が取得したデータ等を記憶してよい。また、記憶部150は、測定点決定装置100が実行するプログラム、プログラム実行中の中間データ等を記憶してもよい。
以上の測定点決定装置100の少なくとも一部は、一例として、コンピュータ等で構成できる。この場合、コンピュータ等は、例えば、プログラム等を実行することにより、本実施形態に係る取得部110、推定部120、決定部130、出力部140、および記憶部150として機能する。記憶部150は、一例として、コンピュータ等のBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)、および作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含む。また、記憶部150は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、および/または当該アプリケーションプログラムの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してよい。即ち、記憶部150は、HDD(Hard Disk Drive)および/またはSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置を含んでよい。
また、コンピュータは、CPU等のプロセッサを備え、記憶部150に記憶されたプログラムを実行することによって、取得部110、推定部120、決定部130、および出力部140の少なくとも一部として機能する。コンピュータは、GPU(Graphics Processing Unit)等を更に備えてもよい。以上のような測定点決定装置100の動作フローについて次に説明する。
[測定点決定装置の動作の第1例]
図5は、本実施形態に係る測定点決定装置100の動作フローの第1例を示す。測定点決定装置100は、図5のS1010からS1060の動作を実行することにより、測定装置1の測定に最適な測定点の数nを決定する。ここでは、測定点決定装置100が図3の例で説明した円測定の測定点を決定する動作フローを説明する。
まず、S1010において、取得部110は、測定装置1が用いる測定点の数の範囲を取得する。取得部110は、一例として、取得した測定点の数の最小値nminおよび最大値nmaxを記憶部150に記憶する。
次に、S1020において、取得部110は、測定装置1の測定項目の不確かさの目標値Uを取得する。取得部110は、一例として、取得した目標値Uを記憶部150に記憶する。
次に、S1030において、取得部110は、測定点の数毎に測定点の配置を取得する。取得部110は、最小値nminから最大値nmaxまでの測定点のそれぞれに対する測定点の配置を取得する。取得部110は、最小値nminから最大値nmaxまでの測定点に対し、測定点の配置を円周に沿って略均等に配置させた図2のような配置を取得する。
取得部110は、例えば、円周上における測定点の位置、および、等間隔に配置する等のユーザからの指定を取得する。この場合、取得部110は、円周上の測定点の配置を座標等のデータとして取得してよく、これに代えて、ユーザが指定した測定点の位置を座標等のデータに変換してよい。取得部110は、一例として、取得した測定点の配置の情報を記憶部150に記憶する。
次に、S1040において、推定部120は、測定点の数の最小値nminから最大値nmaxまでの間の全ての測定点数を用いて、測定装置1で測定項目をそれぞれ測定した場合の不確かさを推定する。推定部120は、図3に示すような、測定点の数nに対する不確かさUを算出する。推定部120は、最小値nminから最大値nmaxまでの測定点の数に対する不確かさUnminからUnmaxをそれぞれ算出する。推定部120は、一例として、推定した不確かさを記憶部150に記憶する。
次に、S1050において、決定部130は、目標値Uおよび推定したそれぞれの不確かさUnminからUnmaxに基づき、測定装置1の測定点の数nを決定する。決定部130は、全ての測定点の数に対応する不確かさが目標値U以上である最小の測定点の数を、測定装置1の測定点の数nと決定する。
次に、S1060において、出力部140は、決定部130が決定した測定点の数nを出力する。出力部140は、測定点の数nをディスプレイ等に表示させる。また、出力部140は、測定点の数nを測定装置1に出力してもよい。また、出力部140は、例えば、測定点の数nが妥当な値であることをユーザ等が確認した結果を取得してから、測定点の数nを測定装置1に出力してもよい。この場合、出力部140は、ユーザ等の確認結果を取得部110から受けとる。なお、測定点の数nが妥当ではないことをユーザ等が判断した場合、測定点決定装置100は、S1010に戻り、異なる条件における測定点の数nを決定することが望ましい。
以上のように、測定点決定装置100は、測定装置1の測定に最適な測定点の数nを決定することができる。測定点決定装置100は、ユーザの経験等とは無関係に、最適な測定点の数および配置を決定することができる。また、測定点決定装置100は、測定装置1とは別個独立に、最適な測定点の数および配置を決定することができる。
以上のように、本実施形態に係る測定点決定装置100は、全ての測定点の数に対する測定の不確かさを算出してから、不確かさの目標値Uに応じた測定点の数nを決定することを説明したが、これに限定されることはない。測定点決定装置100は、測定点の数に対する測定の不確かさを算出する毎に、算出した不確かさと目標値とを比較してもよい。このような測定点決定装置100の動作フローについて、次に説明する。
[測定点決定装置の動作の第2例]
図6は、本実施形態に係る測定点決定装置100の動作フローの第2例を示す。第2例の測定点決定装置100は、複数の測定点の数のうち一の測定点の数に対する不確かさを推定する毎に、測定装置1の測定点の数を決定するかまたは更に異なる測定点の数に対する不確かさの推定を継続するかを判定する。図6は、図5に示した動作フローと同様に、測定点決定装置100が円測定の測定点を決定する例の動作フローを説明する。
まず、S2010において、取得部110は、測定装置1が用いる測定点の数の範囲を取得する。次に、S2020において、取得部110は、測定装置1の測定項目の不確かさの目標値Uを取得する。次に、S2030において、取得部110は、測定点の数毎に測定点の配置を取得する。S2010からS2030の動作については、図5のS1010からS1030の動作で説明したので、ここでは説明を省略する。なお、S2010において、取得部110は、測定点の数の初期値を測定点の数の最小値nminとする。
次に、S2040において、推定部120は、1つの測定点の数に対する不確かさを算出する。なお、測定点決定装置100が動作フローを開始して初めてS2040の動作を実行する場合、推定部120は、測定点の数の初期値に対する不確かさを算出することになる。
次に、S2050において、決定部130は、算出した不確かさと目標値Uとを比較する。算出した不確かさが目標値U以上の場合(S2050:Yes)、S2060において、決定部130は、測定点の数を1つ増加して更新する。そして、S2040に戻り、推定部120は、更新した測定点の数に対する不確かさを算出する。即ち、推定部120および決定部130は、算出した不確かさが目標値Uよりも小さくなるまで、S2040からS2060の動作を繰り返す。
そして、算出した不確かさが目標値Uよりも小さい場合(S2050:No)、S2070において、決定部130は、算出した不確かさを、測定装置1の測定点の数nとする。次に、S2080において、出力部140は、決定部130が決定した測定点の数nを出力する。S2080の動作については、図5のS1060で説明したので、ここでは説明を省略する。
以上のように、測定点決定装置100は、第2例の動作フローを実行しても、測定装置1の測定に最適な測定点の数nを決定することができる。また、第2例の動作フローは、一の測定点の数に対する不確かさを推定する毎に、測定装置1の測定点の数を決定するか否かを判別するので、不確かさが目標値を下回ったことに応じて、最適な測定点を決定できる。したがって、測定点決定装置100は、不確かさが目標値未満となる他の測定点の数に対する演算を省略することができ、効率的に測定点の数nを決定できる。
なお、第2例の動作フローにおいて、測定点決定装置100は、測定点の数の初期値を測定点の数の最小値nminとし、当該初期値を1つずつ増加させて更新する例を説明したが、これに限定されることはない。これに代えて、測定点決定装置100は、測定点の数の初期値を測定点の数の最大値nmaxとし、当該初期値を1つずつ減少させて更新してもよい。
以上のように、本実施形態に係る測定点決定装置100は、測定点の数を1つずつインクリメントまたはデクリメントする例を説明したが、これに限定されることはない。測定点決定装置100は、測定点の最小値から最大値までを、予め定められた第1点数間隔で増加または減少させて不確かさを推定してもよい。
例えば、測定点決定装置100は、測定点の数を初期値nminから5つずつ増加させる。この場合、測定点決定装置100は、図6のS2060において、決定部130が測定点の数を5つ増加して更新すればよい。測定点決定装置100は、測定点の数を予め定められた数だけインクリメントまたはデクリメントすることにより、より効率よく測定点の数nを決定することができる。
なお、測定点決定装置100は、第1点数間隔を用いて測定点の数を更新させて算出した不確かさが目標値未満となった後に、第1点数間隔よりも小さい第2点数間隔を用いて更に測定点の数を更新させてもよい。例えば、測定点決定装置100は、図6のS2060で説明したように、第1点数間隔だけ増加させて測定点の数を更新する。そして、測定点決定装置100は、更新した測定点の数を用いて算出した不確かさが目標値Uよりも小さくなった場合、第2点数間隔だけ減少させて測定点の数を更に更新する。そして、測定点決定装置100は、更新した測定点の数を用いて算出した不確かさが目標値U以上となった場合に、更新前の測定点の数を測定装置1の測定点の数nとする。
このように、測定点決定装置100は、複数の測定点の数のうち一の測定点の数に対する不確かさを推定する毎に、第1点数間隔を用いて更に異なる測定点の数に対する不確かさの推定を継続するか、または、第1点数間隔とは間隔が小さい第2点数間隔を用いて更に異なる測定点の数に対する不確かさの推定を継続するかを判定する。ここで決定部130は、不確かさが目標値Uよりも小さくなるまで第1点数間隔を用いて測定点を更新し、不確かさが目標値Uよりも小さくなった後は、第2点数間隔を用いて測定点を更新する。
そして、測定点決定装置100は、判定された点数間隔を、前回の測定点の数に増加または減少させて不確かさを推定する。例えば、決定部130は、5つ(第1点数間隔)だけインクリメントして測定点を更新した場合、不確かさが目標値Uよりも小さくなった後は、1つ(第2点数間隔)だけデクリメントして測定点を更新する。これに代えて、決定部130は、5つ(第1点数間隔)だけデクリメントして測定点を更新した場合、不確かさが目標値Uよりも小さくなった後は、1つ(第2点数間隔)だけインクリメントして測定点を更新してもよい。
以上のように、本実施形態に係る測定点決定装置100は、測定点の数を2種類の点数間隔でインクリメントおよびデクリメントする例を説明したが、これに限定されることはない。測定点決定装置100は、測定点の最小値から最大値までを、3以上の点数間隔で増加または減少させて不確かさを推定してもよい。これにより、測定点決定装置100は、より効率よく測定点の数nを決定することができる。
また、以上のように、本実施形態に係る測定点決定装置100は、測定点の数をインクリメントおよびデクリメントする例を説明したが、これに限定されることはない。測定点決定装置100は、測定点の数に対する不確かさの関係を特定することにより、測定点の数nを決定してもよい。図3に示すように、測定点の数に対する不確かさの関係は、単調減少または単調増加の傾向となることが多い。したがって、2以上の測定点の数に対する不確かさをそれぞれ算出することにより、測定点の数に対する不確かさの関係を特定できることがある。このような測定点決定装置100の動作フローについて、次に説明する。
[測定点決定装置の動作の第3例]
図7は、本実施形態に係る測定点決定装置100の動作フローの第3例を示す。図7は、図5および図6に示した動作フローと同様に、測定点決定装置100が円測定の測定点を決定する例の動作フローを説明する。
まず、S3010において、取得部110は、測定装置1が用いる測定点の数の範囲を取得する。次に、S3020において、取得部110は、測定装置1の測定項目の不確かさの目標値Uを取得する。次に、S3030において、取得部110は、測定点の数毎に測定点の配置を取得する。S3010からS3030の動作については、図5のS1010からS1030の動作で説明したので、ここでは説明を省略する。
次に、S3040において、推定部120は、測定点の数の最小値nminから最大値nmaxまでの間の測定点の数のうち、異なる2以上の測定点の数に対する2以上の不確かさを推定する。推定部120は、例えば、予め定められたm個の測定点の数nに対する不確かさUnmを算出する。また、推定部120は、最小値nminから最大値nmaxまでの測定点の数を、予め定められた分割数(m−1)で分割して、m個の測定点の数nに対する不確かさUnmを算出してもよい。ここで、mは、3以上であることが好ましく、また、5以上であることがより好ましい。推定部120は、一例として、推定した不確かさを記憶部150に記憶する。
次に、S3050において、決定部130は、2以上の測定点の数に対する2以上の不確かさに基づいて、測定点の数と不確かさとの関係を特定する。決定部130は、例えば、最小二乗法等を用いて測定点の数nに対する不確かさUの関係式U(n)を算出する。
次に、S3060において、決定部130は、特定した関係を用いて、目標値Uを満たす測定装置1の測定点の数nを決定する。決定部130は、例えば、関係式U(n)が単調減少の関数の場合、U=U(r)となる実数rを算出し、r以上の最小の自然数を測定装置1の測定点の数nと決定する。なお、関係式U(n)において、実数rは内挿演算によって算出されてよく、これに代えて、外挿演算によって算出されてもよい。
次に、S3070において、出力部140は、決定部130が決定した測定点の数nを出力する。S3070の動作については、図5のS1060で説明したので、ここでは説明を省略する。
以上のように、測定点決定装置100は、第3例の動作フローを実行しても、測定装置1の測定に最適な測定点の数nを決定することができる。また、第3例の動作フローは、2以上の測定点の数に対する不確かさの関係から測定装置1の測定点の数を決定するので、より効率よく最適な測定点を決定できる。
なお、第3例の動作フローにおいて、測定点決定装置100は、測定点の数および不確かさの関係式U(n)から測定点の数nを算出する例を説明した。これに加えて、測定点決定装置100は、関係式から算出した測定点の数nが目標値Uを満たすか否かを更に確認してもよい。
例えば、第3例の動作フローのS3060の後に、推定部120は、決定部130が決定した測定装置1の測定点の数nに対する不確かさを推定する。そして、決定部130は、推定部120が算出した不確かさと目標値Uとを比較して、推定した不確かさが目標値Uを満たすことを確認する。なお、決定部130は、算出した不確かさよりも目標値Uの方が小さい場合、不確かさが目標値U未満となるまで、測定点の数の更新と不確かさおよび目標値Uの比較とを繰り返してよい。
以上のように、本実施形態に係る測定点決定装置100は、予め測定点の配置を定め、測定点の数に対する不確かさを算出して、測定装置1の測定点の数を決定する例を説明したが、これに限定されることはない。これに代えて、または、これに加えて、測定点決定装置100は、測定点の配置を変化させた場合の不確かさを算出して、測定装置1の測定点の数または配置を決定してもよい。
[測定点決定装置の動作の第4例]
測定装置1の測定点は、配置された位置に応じて、不確かさの予測結果に与える影響が異なる場合がある。したがって、不確かさの予測結果に与える影響が少ない測定点は、削除できる可能性が高い。また、不確かさの予測結果に与える影響が少ない測定点は、不確かさの予測結果に与える影響が大きい測定点となるように、配置を変更してもよい。このように、測定点の配置毎に、不確かさに与える影響を考慮して、測定点決定装置100が測定点の数または配置を決定する例を次に説明する。
図8は、本実施形態に係る円の中心間距離の測定における測定点の配置の一例を示す。図8は、測定装置1が図8に示す2つの円の中心間距離Lを測定する測定項目の例である。この場合、測定装置1は、一方の円の円周を等間隔に分割した8個の測定点P1からP8の位置を検出する。測定装置1は、一例として、8個の測定点P1からP8の検出位置から最小二乗法等を用いて一方の円の位置座標の方程式を算出する。これにより、測定装置1は、円の中心座標を算出できるので、他方の円から同様に算出した中心座標との差分から、中心間距離Lを算出できる。
測定点決定装置100は、このような測定装置1の測定項目に対する不確かさを算出可能とする。測定点決定装置100は、例えば、測定装置1が8個の測定点P1からP8を用いた中心間距離Lの測定の不確かさを算出して、算出結果をMとする。
ここで、例えば、測定点P1の位置をΔpだけ移動させた位置を測定点P1’とする。Δpは、例えば、測定面の法線ベクトルに沿って予め定められた距離だけ変更するベクトル値である。また、Δpは、X、Y、Z座標のうち少なくとも1つの座標を予め定められた距離だけ変更するベクトル値でもよい。Δpは、単位ベクトルであることが望ましい。
このような測定点P1’と測定点P2からP8との8個を用いた中心間距離Lの測定の不確かさの算出結果をMとする。そして、ΔM/Δp=(M−M)/Δpの絶対値を、測定点P1の感度とする。即ち、感度ΔM/Δpは、測定点P1に単位量の誤差が発生した場合の、測定の不確かさに与える影響の度合いを示す。このような感度を、他の測定点についても算出して、互いに比較することにより、測定点を削除または移動すべきか否かを判断できる。
図9は、図8に示す測定点の配置に対する中心間距離の測定の感度の一例を示す。図9の横軸は、測定点P1からP8の位置を模式的に直線上に示した例である。図9の縦軸は、規格化した測定点の感度ΔM/Δpを示す。なお、各測定点に加える単位量Δpは、図8に示す左側の円の円周上に配置された各測定点の接線に略垂直な方向の単位ベクトルとする。
測定点P1およびP5の接線に略垂直な方向は、測定装置1が測定する円の中心間距離Lの方向と略一致する。したがって、測定点P1およびP5に発生する誤差が測定結果に与える影響は比較的大きくなり、感度ΔM/ΔpおよびΔM/Δpは他の測定点の感度よりも大きな値となる。一方、測定点P3およびP7の接線に略垂直な方向は、測定装置1が測定する円の中心間距離Lの方向とは略垂直になる。したがって、測定点P3およびP7に発生する誤差が測定結果に与える影響は比較的小さくなり、感度ΔM/ΔpおよびΔM/Δpは他の測定点の感度よりも小さい値となる。
以上より、例えば、不確かさの悪化を最小限にして測定点の数を減少させたい場合、測定点P3およびP7の感度が最小となるので、当該測定点P3およびP7が減少させる測定点として最も適した候補であることがわかる。また、例えば、測定点の配置を変更する場合、測定点P1およびP5の感度が大きいので、他の測定点の位置をより測定点P1およびP5に近づけることが好ましいことがわかる。そこで、本実施形態に係る測定点決定装置100は、測定点毎に、不確かさに与える影響の指標である感度を更に算出して、測定点の数または配置を決定する。このような測定点決定装置100の動作フローについて、次に説明する。
図10は、本実施形態に係る測定点決定装置100の動作フローの第4例を示す。図10は、図8に示すように、測定点決定装置100が円の中心間距離Lを測定する例において、測定点の数および配置を決定する動作フローを説明する。
まず、S4010において、取得部110は、測定点の数および配置の初期値を取得する。取得部110は、一例として、図8に示すような、円の円周を等間隔に分割した8個の測定点P1からP8の情報を取得する。取得部110は、例えば、測定点の数および配置をユーザ等から受けとる。また、取得部110は、測定点を円周上に配置するか否か、および分割数はいくつか等の指定をユーザ等から受けとってもよい。
次に、S4020において、取得部110は、測定装置1の測定項目の不確かさの目標値Uを取得する。S4020の動作については、図5のS1020の動作で説明したので、ここでは説明を省略する。
次に、S4030において、推定部120は、測定点の初期値に対する測定装置1の不確かさを推定する。推定部120は、測定点P1からP8を用いて円の中心間距離Lを測定する場合の不確かさMを算出する。推定部120は、一例として、推定した不確かさを記憶部150に記憶する。
次に、S4040において、推定部120は、一の測定点の配置を変化させた場合の、一の測定点の変動量に対する測定装置1の不確かさの推定結果の変動量の比を算出する。推定部120は、例えば、図9で説明したように、測定点P1に対する感度ΔM/Δpを算出する。
次に、S4050において、決定部130は、目標値および算出した比に基づき、一の測定点を採用するか否かを決定する。決定部130は、例えば、感度ΔM/Δpが予め定められた閾値未満となった場合、測定点P1を除く測定点P2からP8を用いた測定の不確かさを推定部120に推定させる。そして、推定部120の推定結果が、目標値未満となったことに応じて、決定部130は、測定点P1を測定に用いないことを決定する。また、決定部130は、例えば、感度ΔM/Δpが予め定められた閾値以上となった場合、または、測定点P2からP8を用いた測定結果が、目標値以上となったことに応じて、測定点P1を測定に用いることを決定する。
そして、S4032からS4034のループにおいて、S4040およびS4050の動作を他の測定点に対して繰り返す。これにより、決定部130は、測定点P1からP8のそれぞれを測定に用いるか否かを決定できる。
次に、S4060において、出力部140は、決定部130が決定した測定点の数および配置を出力する。出力部140は、測定点の数および配置を当該ディスプレイ等に表示する。出力部140の動作は、図5のS1060で説明した動作と同様なので、ここでは説明を省略する。
以上のように、測定点決定装置100は、測定点の感度に基づいて測定に用いるか否かを決定するので、より精密に測定点の数および配置を決定することができる。なお、第4例の動作フローは、測定点毎に、感度を算出して測定に用いるか否かを判断する例を説明したが、これに限定されることはない。測定点決定装置100は、測定点の感度を全て算出してから、測定点のそれぞれを測定に用いるか否かを決定してもよい。この場合、決定部130は、測定点の感度が小さい順に採用するか否かを決定し、一の測定点を採用することを決定した後は、残りの全ての測定点を測定に用いると決定してもよい。
図11は、本実施形態に係る測定点決定装置100により測定点を減少させた結果の一例を示す。図11は、図8に示す測定点の配置から、測定点P3およびP7を測定には用いないことを決定して取り除いた例を示す。このように、測定点決定装置100は、感度を用いることによって、目標値を満たす範囲でより測定点の数を低減させることができる。
以上の本実施形態に係る測定点決定装置100は、感度に基づいて測定点の数を低減させる例を説明したが、これに限定されることはない。測定点決定装置100は、測定点の配置を変更してもよい。このような測定点決定装置100の動作フローについて、次に説明する。
[測定点決定装置の動作の第5例]
図12は、本実施形態に係る測定点決定装置100の動作フローの第5例を示す。図12は、図8に示すように、測定点決定装置100が円の中心間距離Lを測定する例において、測定点の配置を決定する動作フローを説明する。
まず、S5010において、取得部110は、測定点の数および配置の初期値を取得する。次に、S5020において、取得部110は、測定装置1の測定項目の不確かさの目標値Uを取得する。次に、S5030において、推定部120は、測定点の初期値に対する測定装置1の不確かさを推定する。次に、S5040において、推定部120は、一の測定点の配置を変化させた場合の、一の測定点の変動量に対する測定装置1の不確かさの推定結果の変動量の比を算出する。
S5010からS5040の動作については、図10のS4010からS4040の動作で説明したので、ここでは説明を省略する。なお、S5040の動作において、推定部120は、測定点P1からP8に対する感度ΔM/Δpを算出する例を説明する(i=1,2,3,・・・,8)。
次に、決定部130は、目標値および算出した比に基づき、一の測定点の配置を変化させるか否かを決定する。第5例の動作フローは、決定部130が、測定点のうち感度が最大となる測定点から順に、配置を変化するか否かを決定する例を示す。S5050において、決定部130は、測定点P1およびP5の感度が最も大きいので、測定点P1およびP5の配置は変えずに、測定点P1およびP5の位置を目標位置として設定する。
次に、S5060において、決定部130は、測定点の配置を更新する。決定部130は、次に感度が大きい測定点の位置を目標位置に近づけるように変化させる。例えば、決定部130は、測定点P2、P4、P6、およびP8の位置を変化させる。この場合、決定部130は、円の輪郭に沿って、円周方向に測定点をそれぞれ移動させる。決定部130は、一例として、予め定められた距離だけ、測定点をそれぞれ移動させる。
次に、S5070において、推定部120は、更新した測定点に対する測定の不確かさを推定する。次に、S5080において、決定部130は、推定部120の推定結果が目標値以上となったことに応じて(S5080:Yes)、S5060に戻り、次に感度の大きい測定点の移動を実行する。
推定部120および決定部130は、測定の不確かさが目標値未満となるまで、S5060およびS5070を繰り返す。なお、目標位置として設定した測定点以外の全ての測定点を移動しても不確かさが目標値以上の場合は、再び、感度の大きい順に、測定点の位置を移動させてよい。即ち、測定点決定装置100は、予め定められた距離ずつ、測定点を順次移動させる。また、測定点決定装置100は、予め定められた回数以上の繰り返しを実行しても、不確かさが目標値未満にならない場合は、動作を中断してユーザ等に通知してよい。決定部130は、推定部120の推定結果が目標値未満となったことに応じて(S5080:No)、全ての測定点の配置を決定する。
次に、S5090において、出力部140は、決定部130が決定した測定点の数および配置を出力する。出力部140は、測定点の数および配置を当該ディスプレイ等に表示する。出力部140の動作は、図5のS1060で説明した動作と同様なので、ここでは説明を省略する。
以上のように、測定点決定装置100は、測定装置1の測定に最適な測定点の配置を決定することができる。このように、測定点決定装置100は、測定点の数とは独立して、測定点の配置を決定することができるので、より精密に測定点の配置を決定することができる。
図13は、本実施形態に係る測定点決定装置100により測定点の配置を移動させた結果の一例を示す。図13は、図8に示す測定点の配置から、測定点P2、P4、P6、およびP8を、測定点P3またはP7の方向へと移動させた例を示す。このように、測定点決定装置100は、感度を用いることによって、目標値を満たすように測定点の配置を変更することができる。
以上の本実施形態に係る測定点決定装置100の動作の例として、第1例から第5例を説明したが、測定点決定装置100の動作はこれらに限定されることはない。測定点決定装置100は、第1例から第5例を適宜組み合わせてもよい。例えば、測定点決定装置100は、第1例から第3例のいずれかの動作により、測定装置1の測定点の数を決定した後、第4例または第5例の動作を実行してよい。
この場合、測定点決定装置100は、一例として、第1例から第3例のいずれかの動作を実行する場合の目標値よりも、第4例または第5例の動作を実行する場合の目標値を、より高い目標値とする。なお、より高い目標値とは、例えば、測定点の数に対する不確かさの関係が単調減少の場合、目標値をより小さい値とすることである。測定点決定装置100は、このような組み合わせの動作により、より精度の高い測定点の数および配置を、より効率よく決定することができる。
以上のように、本実施形態に係る測定点決定装置100は、円測定の測定点の数および配置を決定する例を説明したが、これに限定されることはない。測定点決定装置100は、円以外の形体であっても同様に測定点の数および配置を決定することができる。例えば、ユーザが測定すべき形体が、測定点を設定できる程度の単純な形体であれば、同様の動作を実行することができる。
例えば、第1例の動作であれば、ユーザが測定すべき形体を測定可能な最小の測定点の数または予め定めた初期点数を、測定点の数の最小値nminとする。また、当該形体を測定する最大または最大値として予め定めた点数を、測定点の数の最大値nmaxとする。そして、測定点の数の最小値nminから最大値nmaxに対する当該形体の測定の不確かさを算出すれば、不確かさの目標値Uに応じた測定点の数nを容易に決定することができる。
以上のように、円および線といった比較的単純な形体の場合、測定点を均等に配置することができる。また、面、円筒、および球等の形体の場合は、測定点の配置の密度、測定ライン数、断面数等の基準において、測定点を均等に配置する等に置き換えることで、同様に適用できる。また、より複雑な形体については、測定対象物を形体要素に分割することで、1つのまたは複数の形体要素毎に適用できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
1 測定装置
100 測定点決定装置
110 取得部
120 推定部
130 決定部
140 出力部
150 記憶部

Claims (15)

  1. 複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定方法であって、
    測定点の数の最小値および最大値を取得するステップと、
    前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値を取得するステップと、
    測定点の前記最小値から前記最大値までの間の2以上の測定点数を用いて、前記測定装置で前記測定項目をそれぞれ測定した場合の不確かさを推定するステップと、
    前記目標値および推定したそれぞれの不確かさに基づき、前記測定装置の測定点の数を決定するステップと
    を備える測定点決定方法。
  2. 前記不確かさを推定するステップにおいては、測定点の前記最小値から前記最大値までの間の全ての測定点の数について、それぞれ不確かさを推定し、
    前記測定点の数を決定するステップにおいては、前記全ての測定点の数に対応する不確かさが前記目標値以上である最小の測定点の数に、前記測定装置の測定点の数を決定する、請求項1に記載の測定点決定方法。
  3. 前記測定点の数を決定するステップにおいては、前記不確かさを推定するステップにおいて複数の測定点の数のうち一の測定点の数に対する不確かさを推定する毎に、前記測定装置の測定点の数を決定するかまたは更に異なる測定点の数に対する不確かさの推定を継続するかを判定する、請求項1に記載の測定点決定方法。
  4. 前記不確かさを推定するステップにおいては、測定点の前記最小値から前記最大値までを、第1点数間隔で増加または減少させて不確かさを推定する、請求項2に記載の測定点決定方法。
  5. 前記測定点の数を決定するステップにおいては、複数の測定点の数のうち一の測定点の数に対する不確かさを推定する毎に、前記第1点数間隔を用いて更に異なる測定点の数に対する不確かさの推定を継続するか、または、前記第1点数間隔とは間隔が小さい第2点数間隔を用いて更に異なる測定点の数に対する不確かさの推定を継続するかを判定し、
    前記不確かさを推定するステップにおいては、前記測定点の数を決定するステップにおいて前記判定された点数間隔を、前回の測定点の数に増加または減少させて不確かさを推定する、
    請求項4に記載の測定点決定方法。
  6. 前記不確かさを推定するステップにおいては、異なる2以上の測定点の数に対する2以上の不確かさを推定し、
    前記測定点の数を決定するステップは、
    前記2以上の測定点の数に対する前記2以上の不確かさに基づいて、測定点の数と不確かさとの関係を特定するステップと、
    特定した前記関係を用いて、前記目標値を満たす前記測定装置の測定点の数を決定するステップと、
    を有する、請求項1に記載の測定点決定方法。
  7. 前記測定点の数を決定するステップは、
    決定した前記測定装置の測定点の数に対する不確かさを推定するステップと、
    推定した不確かさが前記目標値を満たすことを確認するステップと、
    を更に有する、請求項6に記載の測定点決定方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の測定点決定方法により前記測定装置の測定点の数を決定した後、
    各測定点の配置の初期値を取得するステップと、
    各測定点の配置の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定するステップと、
    各測定点のうち一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出するステップと、
    算出した前記比に基づき、前記一の測定点を採用するか否かを決定するステップと
    を備える測定点決定方法。
  9. 請求項1から7のいずれか一項に記載の測定点決定方法により前記測定装置の測定点の数を決定した後、
    各測定点の配置の初期値を取得するステップと、
    各測定点の配置の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定するステップと、
    各測定点のうち一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出するステップと、
    算出した前記比に基づき、前記一の測定点の配置を変化させるか否かを決定するステップと
    を備える測定点決定方法。
  10. 複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定方法であって、
    測定点の数および配置の初期値を取得するステップと、
    前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値を取得するステップと、
    測定点の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定するステップと、
    一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出するステップと、
    前記目標値および算出した前記比に基づき、前記一の測定点を採用するか否かを決定するステップと
    を備える測定点決定方法。
  11. 複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定方法であって、
    測定点の数および配置の初期値を取得するステップと、
    前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値を取得するステップと、
    測定点の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定するステップと、
    一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出するステップと、
    前記目標値および算出した前記比に基づき、前記一の測定点の配置を変化させるか否かを決定するステップと
    を備える測定点決定方法。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
  13. 複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定装置であって、
    測定点の数の最小値および最大値と、前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値とを取得する取得部と、
    測定点の前記最小値から前記最大値までの間の2以上の測定点数を用いて、前記測定装置で前記測定項目をそれぞれ測定した場合の不確かさを推定する推定部と、
    前記目標値および推定したそれぞれの不確かさに基づき、前記測定装置の測定点の数を決定する決定部と
    を備える測定点決定装置。
  14. 複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定装置であって、
    測定点の数および配置の初期値と、前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値とを取得する取得部と、
    測定点の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定し、一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出する推定部と、
    前記目標値および算出した前記比に基づき、前記一の測定点を採用するか否かを決定する決定部と
    を備える測定点決定装置。
  15. 複数の測定点で測定項目の測定処理を実行する測定装置の測定点の数または配置を決定する測定点決定方法であって、
    測定点の数および配置の初期値と、前記測定装置の前記測定項目の不確かさの目標値とを取得する取得部と、
    測定点の前記初期値に対する前記測定装置の前記測定項目の不確かさを推定し、一の測定点の配置を変化させた場合の、前記一の測定点の変動量に対する前記測定装置の不確かさの推定結果の変動量の比を算出する推定部と、
    前記目標値および算出した前記比に基づき、前記一の測定点の配置を変化させるか否かを決定する決定部と
    を備える測定点決定装置。
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