JP2005066646A - 溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置 - Google Patents

溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】母材から計測部分を切断しなくとも、溶接構造物の母材の変形、残留応力を簡易にしてより一層高い精度で算出できる溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置を提供する。
【解決手段】溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位、温度のうち、少なくとも一つ以上を計測し、計測したデータに基づいて固有ひずみ分布を演算算出し、演算算出した固有ひずみ分布の中から選択した適正値を演算して溶接構造物の母材の変形、残留応力を求めた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、構造物を溶接接続する際に生成される熱ひずみの影響を受けて発生する変形や残留応力を固有ひずみ法を用いて推定する溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置に関する。
近時、溶接構造物を扱う溶接技術分野では、溶接熱に基づく母材の変形や残留応力を知ることが、製造面における母材の強度の確認、寿命予測の点からきわめて重要な技術事項になっており、従来のひずみゲージを貼付した母材の切断開放法やX線回析法に代って、例えば溶接学会全国大会講演概要第70集(2002年4月)「固有ひずみ法を用いた複雑形状の溶接変形最適化」(非特許文献1)や溶接構造シンポジウム2002講演論文集(2002年11月)「溶接シミュレーションによる製造最適化」(非特許文献2)等数多くの文献に見られるように、固有ひずみ法が脚光をあびており、その解析データが報告されている。
ここに、固有ひずみ法とは、溶接構造物の母材の溶接変形や残留応力を推定するにあたり、先ず、実際の溶接構造物の母材に発生する変形や残留応力を計測し、あるいは熱弾塑性FEM(有限要素法)解析から求めた値をデータベース化しておき、次に、データベース化した固有ひずみの中から適正値を選択し、モデル化した溶接構造物に与え、FEM解析法を用いて母材の溶接変形や残留応力を推定する手法である。
この固有ひずみ法を用いて溶接構造物の母材の溶接変形や残留応力を推定する手法は、図10に示すように、溶接構造物の計測位置に複数のひずみゲージを貼付し、ひずみゲージを貼付した部分を母材から切断して拘束を解き(ステップ1)、母材から切断した計測部分のひずみ分布をひずみゲージから計測し(ステップ2)、計測したひずみ分布とともに溶接構造物の計測部分の形状、寸法、あるいはヤング率、ポアソン比等機械的物性値、溶接部分周辺の位置、寸法等のデータ情報を固有ひずみ計算装置に与え(ステップ3)、ここで固有ひずみ値をデータベース化する(ステップ4)。
データベース化した固有ひずみ値の中から選択されたデータ情報は、固有ひずみ分布入力装置に与えられる(ステップ5)。
このとき、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材のクランプ等による拘束状況、母材の材質等のデータ情報が加えられ、選択された固有ひずみ分布に補正が行われる。
固有ひずみ分布入力装置で補正が行われた固有ひずみ分布は、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材のクランプ等による拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力等のデータ情報とともに、応力(FEM)解析装置に与えられ(ステップ6)、ここで演算され、溶接構造物の溶接変形や残留応力が算出推定される(ステップ7)。
また、溶接構造物の母材の溶接変形や残留応力を推定する他の手法には、熱弾塑性FEM(有限要素法)解析法がある。
この熱弾塑性FEM解析法は、図11に示すように、予め知られている溶接構造物の計測部分の形状、寸法、あるいはヤング率、ポアソン比等機械的特性値、溶接部分周辺の位置、寸法、さらに溶接条件、例えばTIG,MIG等の種類、入熱量(電圧、電流、溶接速度)、溶加材の材質等の情報を固有ひずみ計算装置に与え(ステップ1)、ここで固有ひずみ値をデータベース化する(ステップ2)。
データベース化した固有ひずみ値の中から選択されたデータは、固有ひずみ分布入力装置に与えられる(ステップ3)。
このとき、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材のクランプ等による拘束状況、母材の材質等の情報が加えられ、選択されたデータに補正が行われる。
固有ひずみ分布入力装置で補正が行われたデータは、以後、図10に示した実施形態と同様に、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材のクランプ等による拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力等の情報とともに、応力(FEM)解析装置に与えられ(ステップ4)、ここで演算され、溶接構造物の溶接変形や残留応力が算出推定される(ステップ5)。
なお、この熱弾塑性FEM解析法でき、対象とする母材の機械的特性値をその弾性領域に止まらず塑性領域まで考慮した値を入力して求めるため、一般的にはさらに精度の良い解析が行なえると言われている。
このように、溶接構造物の母材の溶接変形や残留応力を推定するにあたり、従来では、固有ひずみ法、または熱弾塑性FEM解析法のいずれかの手法を用いて複雑な形状でも比較的短時間で推定していた。
溶接学会全国大会講演概要第70集(2002年4月)「固有ひずみ法を用いた複雑形状の溶接変形最適化」 溶接構造シンポジウム2002講演論文集(2002年11月)「溶接シミュレーションによる製造最適化」
図10や図11で示した溶接構造物の溶接変形や残留応力を推定する際に用いられる固有ひずみ法や熱弾塑性FEM解析法は、実際の溶接構造物をモデル化し、モデル化した溶接構造物を、例えば三角形、四辺形等の予め定められた形状の要素毎に細かに分割する、いわゆるメッシュ分割を行い、分割した個々の要素の変位(ひずみ)および力(応力)と溶接構造物全体の変位および力との連続性から溶接構造物の変形、残留応力を算出推定する計算法であり、モデルを構成する要素に溶接施工により生じる熱ひずみに相当する固有ひずみ分布を求め、求めた固有ひずみ分布を用いて計算するので、構造形状が複雑であっても溶接構造物の変位、残留応力を比較的容易に推定できる。
このように利便性の高い従来の推定手法であっても、いくつかの問題点を抱えており、その一つにデータベース化した固有ひずみ分布にバラツキが多い点である。
固有ひずみ分布は、もともと溶接構造物の予熱状況、母材のクランプによる拘束や点付け溶接等による拘束状況、溶接時の入熱変動(被溶接物との距離、形状に伴う電流、電圧変動、溶接手作業に伴う溶接速度変動)等の因子から直接影響を受ける。
しかし、このような因子は、溶接施工中に、自在に調整することができない。このため、固有ひずみ分布は、設計時の予測との間に著しく相違する不都合、不具合が生じていた。
通常、行われる溶接製造工程は、ビードによる肉盛形成に際し、パスを複数回繰り返して行うとともに、溶接手順も溶接構造物の表面、裏面を交互に行っている。
このような溶接製造工程中に生成される固有ひずみ分布は、ビードによる肉盛形成工程毎に計測しておけば、次の工程に移るときに適切な修正ができるものの、現実ではその作業が煩雑であり、個々の溶接製造工程毎に計測することが難しい。このため、設計時の予測と大幅にずれることがあった。
また、図10で示した固有ひずみ法は、計測部分を母材から切り取らなければならないが、廃部材からデータを採取するならともかく、実機からではとても無理があり、現実的ではない。
また、図11で示した熱弾塑性FEM解析法は、溶接構造物の固有ひずみ分布を目安的に使用するならば計測を伴なわない簡易的なものであるから利便性が高いものの、精度の高い固有ひずみ分布を求める場合、使用することに不安があった。
本発明は、このような事情にもとづいてなされたものであり、母材から計測部分を切断しなくとも、溶接構造物の母材の変形、残留応力を簡単にしてより一層高い精度で算出できる溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者は試行錯誤を繰り返した。
溶接構造物に溶接施工を行うと、溶接部分の近傍に固有ひずみ分布が生じる。この固有ひずみ分布により、溶接構造物の表面にひずみ、変位分布が生じる。
固有ひずみは、通常、計測部分を母材から切断開放した後、計測が行われる。このため、溶接施工の途中の段階での計測が難しい。
しかし、母材との拘束状態での溶接構造物に固有ひずみを与えた場合、計測点に生じるひずみ、変位を予め予測し、データベース化するか、あるいはその都度逆解析を行うと、その溶接製造工程毎に生じる固有ひずみ分布を解析により求めることができることを見出した。
本発明は、上述の着目点に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法は、請求項1に記載したように、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出するに際し、溶接構造物の溶接施工前後のひずみを計測し、計測したひずみから偏差を求め、求めた偏差を固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しておき、データベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布を応力解析装置に与えて演算し、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出することを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定方法である。
また、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法は、請求項2に記載したように、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出するに際し、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位を計測し、計測したひずみおよび変位のそれぞれからそれぞれの偏差を求め、求めたそれぞれの偏差を固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しておき、データベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布を応力解析装置に与えて演算し、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出することを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定方法である。
また、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法は、請求項3に記載したように、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出するに際し、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位を計測し、計測したひずみおよび変位のそれぞれからそれぞれの偏差を求め、求めたそれぞれの偏差と、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、機械的物性値、母材の溶接拘束条件、溶接継手・開先の形状、位置、寸法のデータ情報とを固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しておき、データベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布に補正を行い、補正を行った固有ひずみ分布を、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材の拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力のデータ情報とともに応力解析装置に与えて演算し、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出することを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定方法である。
また、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法は、請求項4に記載したように、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出するに際し、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位、温度を計測し、計測したひずみ、変位、温度のそれぞれからそれぞれの偏差を求め、求めたそれぞれの偏差と、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、機械的物性値、母材の溶接拘束条件、溶接継手・開先の形状、位置、寸法のデータ情報とを固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しておき、データベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布に補正を行い、補正を行った固有ひずみ分布を、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材の拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力のデータ情報とともに応力解析装置に与えて演算し、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出することを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定方法である。
また、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法は、請求項5に記載したように、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出するに際し、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位、温度を計測し、計測したひずみ、変位、温度のそれぞれからそれぞれの偏差を求め、求めたそれぞれの偏差と、拘束治具から開放した母材の、その母材から計測したひずみと、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、機械的物性値、母材の溶接拘束条件、溶接継手・開先の形状、位置、寸法のデータ情報とを固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しておき、データベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布に補正を行い、補正を行った固有ひずみ分布を、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材の拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力のデータ情報とともに応力解析装置に与えて演算し、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出することを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定方法である。
また、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定装置は、請求項6に記載したように、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位、温度のうち、少なくとも一つ以上を計測する計測装置と、計測装置で計測した溶接施工前後の計測値から偏差を求め、求めた偏差に基づいて固有ひずみ分布を演算算出してデータベース化する固有ひずみ計算装置と、この固有ひずみ計算装置のデータベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布に基づいて溶接構造物の母材の変形、残留応力を演算算出する応力解析装置とを備えたことを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定装置である。
また、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定装置は、請求項7に記載したように、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位、温度のうち、少なくとも一つ以上を計測する計測装置と、計測装置で計測した溶接施工前後の計測から偏差を求め、求めた偏差と、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、機械的物性値、母材の溶接拘束条件、溶接継手・開先の形状、位置、寸法のデータ情報とに基づいて固有ひずみ分布を演算算出してデータベース化する固有ひずみ計算装置と、この固有ひずみ計算装置のデータベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布に補正を加え、補正を加えた固有ひずみ分布と、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材の拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力のデータ情報とに基づいて溶接構造物の母材の変形、残留応力を演算算出する応力解析装置とを備えたことを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定装置である。
また、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定装置は、請求項8に記載したように、計測装置は、ひずみゲージ、CCD画像計測装置、レーザ変位計、赤外線温度計、熱電対温度計のうち、少なくとも一つ以上を選択したことを特徴とする請求項6または7記載の溶接構造物の変形、残留応力推定装置である。
また、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定装置は、請求項9に記載したように、計測装置は、溶接構造物の母材の溶接金属部分から離れた位置に設置したことを特徴とする請求項6または7記載の溶接構造物の変形、残留応力推定装置である。
また、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定装置は、請求項10に記載したように、固有ひずみ計算装置は、有限要素法、境界要素法、差分法のうち、いずれか一つの手法に基づくプログラムを組み込む構成にしたことを特徴とする請求項6または7記載の溶接構造物の変形、残留応力推定装置である。
また、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定装置は、請求項11に記載したように、応力解析装置は、有限要素法、境界要素法、差分法のうち、いずれか一つの手法に基づくプログラムを組み込む構成にしたことを特徴とする請求項6または7記載の溶接構造物の変形、残留応力推定装置である。
本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置は、溶接構造物の溶接製造工程において、溶接施工中、調整の難しい溶接部分の仮付け、母材のクランプ等による拘束、被溶接物への溶接入熱等をモデルに予め仮定値として与えなくとも、溶接施工前後の計測による偏差データを用いて固有ひずみ分布を演算算出するので、測定部分を実機から切断、きり離すこともなく、より一層高い精度の溶接構造物母材の変形、残留応力を求めることができる。
以下、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
図1は、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第1実施形態を示すブロック図である。
先ず、本実施形態は、溶接構造物の溶接施工前のひずみと溶接施工後のひずみとをひずみゲージを用いて計測する(ステップ1)。
なお、本実施形態は、溶接施工前後のひずみの計測にひずみゲージを用いたが、この例に限らず、例えば図2に示すように、レーザ変位計、CCD画像計測装置のうち、少なくとも一つ以上を用いて計測してもよい。
レーザ変位計、CCD画像計測装置のうち、少なくとも一つ以上を用いるのは、溶接構造物にひずみまたは変形だけしか発生していない場合を考慮し、いずれか一方でも発生していれば計測できるようにするとともに、計測値をより多く収集し、計測精度をより一層高めるためである。
ひずみまたは変形を計測する場合、その計測位置は、図4に示すように、計測点A〜Fのうち、溶接金属部分から離れた計測点D〜Fが好適である。
溶接金属部分から離れた位置に計測点を設定したのは、次の理由に基づく。
すなわち、計測点A、B近傍は溶接部であるため溶接によるひずみ量は大きくなる。このため、ひずみ量の計測自体はどのような計測器を用いても問題無く計測が可能である。しかしながら、この部分でのひずみ量は、溶接部分そのものにおける計測であるため、必ずしも正確なひずみ量を示しているとは限らない。一方、計測点E、F近傍は溶接部からある程度距離を隔てているため、溶接によるひずみ量としては必ずしも大きな値を示すことは無いため、その値を正確に計測するには計測器を選ぶ必要が生じるが、溶接自体の影響を大きくは受けていないため、溶接により母材に生じるひずみ量を正確に示していると言える。
そして、これをグラフで定量的に示したのが図5(図中A〜Fは図4のA〜Fに対応)である。
ひずみ量の計測の容易性、もしくは計測器で容易に感知できるひずみ量を示したのが計測感度線Pであり、溶接部である計測点A、Bから離れるに従って低下する。一方、そのひずみ量が溶接により母材に生じたひずみ量を正確に示しているか否かの確かさを示したのが計測精度線Qであり、溶接部A、Bから離れるに従って上昇するがある距離を隔てると変化がなくなる。そして、このひずみ量により計算された固有ひずみ計算の精度は、ある程度のひずみ量の値とその確かさとから計算される計測点D近傍が最大値を示すことになる。
これから、ひずみもしくは変形の計測については、計測点D〜Fが最適であると言える。
次に、本実施形態は、溶接構造物の溶接施工前に計測したひずみと溶接施工後に計測したひずみとを突き合わせ(ステップ2)、偏差が出ると、その偏差を固有ひずみ計算装置に与え(ステップ3)、ここで固有ひずみ分布を演算算出し、その演算算出値をデータベース化する(ステップ4)。
固有ひずみ分布を演算算出する場合、ステップ2で使用する固有ひずみ計算装置には、有限要素法(FEM)、境界要素法(BEM)、差分法のうち、いずれかの手法に基づくプログラムが組み込まれ、組み込まれたプログラムに基づいて固有ひずみ分布が演算される。
また、固有ひずみ分布を演算算出する場合、固有ひずみ計算装置には、溶接構造物の溶接施工後に測定した母材の変形データが入力され、この母材変形のデータとひずみとを組み合せて固有ひずみ分布が演算される。
固有ひずみ計算装置に母材の変形データを入力するのは、溶接構造物の溶接施工後のひずみを計測する場合、3次元のせん断ひずみまでも計測するのが難しいことを考慮したものであり、せん断ひずみが生成されていると変形が生ずる点に着目し、せん断ひずみを母材の変形に置き換えて固有ひずみ分布を求めたものである。
ステップ4で固有ひずみ分布が演算算出され、データベース化されると、本実施形態は、データベース化された固有ひずみ分布のうち、適正値を選択して応力(FEM)解析装置に与える(ステップ5)。
ステップ5で使用する応力(FEM)解析装置には、ステップ3で使用する固有ひずみ計算装置に組み込まれているプログラムと同様に、有限要素法(FEM)、境界要素法(BEM)、差分法のうち、いずれかの手法に基づくプログラムが組み込まれ、組み込まれたプログラムに基づいて溶接構造物の母材の変形、残留応力が演算算出される(ステップ6)。
このように、本実施形態は、溶接構造物の溶接施工前のひずみと溶接施工後のひずみとを計測装置で計測し(ステップ1)、計測した溶接施工前のひずみと溶接施工後のひずみとを突き合わせ(ステップ2)、偏差が出ると、その偏差を固有ひずみ計算装置に与え(ステップ3)、ここで固有ひずみ分布を演算算出し、その演算算出値をデータベース化し(ステップ4)、データベース化した固有ひずみ分布から適正値を選択して応力(FEM)解析装置に与え(ステップ5)、応力(FEM)解析装置に組み込んだプログラムを用いて母材の変形、残留応力を演算算出する(ステップ6)構成にするので、計測部分を母材から切断、切り離さなくとも容易に母材の変形、残留応力を推定することができる。
その際、溶接構造物の溶接施工前後のひずみを計測装置で計測し(ステップ1)、計測した溶接施工前後のひずみから偏差を求め(ステップ2)、求めた偏差を用い固有ひずみ計算装置で固有ひずみ分布を演算算出し(ステップ3)、演算算出した固有ひずみ分布をデータベース化し(ステップ4)、データベース化した固有ひずみ分布から適正値を選択し、応力(FEM)解析装置で母材の変形、残留応力を演算算出して推定する(ステップ5,ステップ6)構成にするので、計測値にバラツキの少ない、より一層高い精度の母材の変形、残留応力を求めることができる。
図3は、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第3実施形態を示すブロック図である。
図1および図2のそれぞれで示した第1実施形態および第2実施形態におけるステップ3では、固有ひずみ計算装置で固有ひずみ分布を演算する際、溶接構造物の母材の変位も因子として用いることを説明したが、本実施形態は、溶接構造物の溶接施工前後の母材の変位を計測装置で計測し、計測した母材の変位の偏差を、計測した溶接施工前後に基づくひずみの偏差ともに固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し(ステップ3)、演算算出した固有ひずみ分布から母材の変形、残留応力を求めたものである(ステップ4〜6)。
すなわち、本実施形態は、溶接構造物の溶接施工前後のひずみを、ひずみゲージ、レーザ変位計およびCCD画像計測装置のうち、少なくとも一つ以上の計測装置で計測する(ステップ1a)とともに、溶接構造物の溶接施工前後の母材の変位を、上述の計測装置で計測する(ステップ1b)。
溶接構造物の溶接施工前後で計測したひずみから偏差を求め(ステップ2a)、求めた偏差を固有ひずみ計算装置に与えるとともに、溶接構造物の溶接施工前後で計測した母材の変位から偏差を求め(ステップ2b)、求めた偏差を固有ひずみ計算装置に与える(ステップ3)。
なお、以後のステップ4〜6は、第1実施形態で示したステップと同一なので、ここでは、重複説明を省略する。
このように、本実施形態は、溶接構造物の溶接施工前後のひずみのほかに母材の変位を因子として固有ひずみ計算装置に与え、計測値のバラツキを少なくさせる構成にするので、より一層高い精度の母材の変形、残留応力を求めることができる。
図6は、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第4実施形態を示すブロック図である。
本実施形態は、溶接構造物の溶接施工前後のひずみおよび母材の変位をひずみ計測装置で計測し(ステップ1)、計測した溶接施工前後のひずみおよび母材の変位のそれぞれからそれぞれの偏差を求め、求めたそれぞれの偏差に、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、あるいはヤング率、ポアソン比等の機械的物性値、母材のクランプによる拘束、溶接部分の点付け溶接等の溶接拘束条件、溶接部分周辺の位置、寸法等のデータ情報を因子として加えて(ステップ2)固有ひずみ計算装置に与え(ステップ3)、ここで演算算出した固有ひずみをデータベース化したものである(ステップ4)。
なお、本実施形態は、溶接施工前後のひずみおよび母材の変位をひずみ計測装置で計測したが、この例に限らず、例えば図7に示すように、溶接施工前後のひずみを、CCD画像計測装置、レーザ変位計、ひずみゲージのうち、少なくとも一つ以上のひずみ計測装置を用いるとともに、溶接施工前後の母材の変位を、CCD画像計測装置、レーザ変位計のうち、少なくとも一つ以上の変位計測装置を用いて個々にひずみと母材の変位を計測してもよい。
また、本実施形態は、データベース化した固有ひずみの中から適正な固有ひずみ分布を選択し、選択した固有ひずみ分布に、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材のクランプ等による拘束状況、母材の材質等のデータ情報を加えて補正を行い、補正された固有ひずみ分布を、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材のクランプ等による拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力等のデータ情報(ステップ5)とともに応力(FEM)解析装置に与え(ステップ6)、ここで演算して母材の変形、残留応力を算出したものである(ステップ7)。
このように、本実施形態は、溶接構造物の溶接施工前後のひずみおよび母材の変位のそれぞれを計測し、計測したひずみおよび母材の変位のそれぞれの偏差に溶接構造物の計測部分の形状、寸法、演算拘束条件等のデータ情報を加えて固有ひずみ分布を演算算出してデータベース化し、データベース化した固有ひずみ分布から適正値を選択し、選択した固有ひずみ分布に補正を行って母材の変位、残留応力を演算算出する構成にするので、より一層高い精度の母材の変形、残留応力を求めることができる。
図8は、本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第6実施形態を示すブロック図。
図6および図7のそれぞれで示した第4実施形態および第5実施形態では、溶接構造物の溶接施工前後のひずみをひずみ計測装置で計測するとともに、母材の変位を変位計測装置で計測し、計測したひずみおよび変位のそれぞれの偏差を求め(ステップ1)、求めたひずみの偏差および変位の偏差に、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、あるいはヤング率、ポアソン比等の機械的物性値、母材のクランプによる拘束、溶接部分の点付け溶接等の溶接拘束条件、溶接部分周辺の位置、寸法等のデータ情報を加えて(ステップ2)固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を算出し(ステップ3)、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しているが、本実施形態は、上述のステップ1〜3に熱による母材の伸びを因子として加えたものである。
すなわち、本実施形態は、溶接構造物が溶接施工前において予熱されており、また、溶接施工後も次のビードによる肉盛施工の準備の関係から温度100℃〜200℃に維持されているため、熱膨張がひずみ、変位計測結果に及ぼす影響を無視できなくなることを考慮したもので、溶接構造物の溶接施工前後の温度分布を、赤外線温度計、熱電対温度計等の温度計測装置を用いて計測し(ステップ1a)、計測した溶接施工前後の温度分布の偏差を上述の溶接施工前後のひずみおよび母材の変位のそれぞれの偏差とともに固有ひずみ計算装置に与え(ステップ3)、ここで演算算出した固有ひずみ分布をデータベース化したものである。
なお、以後のステップ4〜6は、第4実施形態で示したステップと同一なので、ここでは、重複説明を省略する。
このように、本実施形態は、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、母材の変位、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、あるいはヤング率、ポアソン比等の機械的物性値、母材のクランプによる拘束、溶接部分の点付け溶接等の溶接拘束条件、溶接部分周辺の位置、寸法等のデータ情報に、温度計測装置で計測した溶接施工前後の温度分布を因子として加え固有ひずみ計算装置に与え、計測値のバラツキを少なくさせる構成するので、より一層高い精度の母材の変形、残留応力を求めることができる。
なお、本実施形態は、固有ひずみ分布を演算算出する固有ひずみ計算装置に、溶接構造物の溶接施工前後の計測ひずみ、計測母材変位、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、あるいはヤング率、ポアソン比等の機械的物性値、母材のクランプによる拘束、溶接部分の点付け溶接等の溶接拘束条件、溶接部分周辺の位置、寸法等のデータ情報、溶接構造物の溶接施工前後の計測温度分布を因子として与えているが、この例に限らず、例えば、図9に示すように、溶接施工後、母材からクランプをのはずしたときの母材のひずみをひずみ計測装置で計測し、計測した母材ひずみのデータ情報IDも固有ひずみ計算装置に与えてもよい。
本実施形態は、溶接構造物の溶接施工中、または溶接施工最終段階で母材を拘束していたクランプ等の変形防止拘束治具をはずす場合があり、この場合、変形防止拘束治具を母材からはずすと、母材の表面のひずみは固有ひずみに応じて変化することを考慮したものである。
このように、本実施形態は、母材の変形、残留応力を演算算出するにあたり、変形防止拘束治具をはずしたときの母材の表面のひずみもデータ情報IDとして固有ひずみ計算装置に付加して与えているので、より一層高い精度の母材の変形、残留応力を求めることができる。
本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第1実施形態を示すブロック図。 本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第2実施形態を示すブロック図。 本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第3実施形態を示すブロック図。 本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置に適用する溶接構造物の変位、ひずみを計測する、その計測装置を示す図。 図4に示す計測位置に対応させるとともに、計測感度線と計測精度線とから計測点の位置を求めた固有ひずみ計算精度線図。 本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第4実施形態を示すブロック図。 本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第5実施形態を示すブロック図。 本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第6実施形態を示すブロック図。 本発明に係る溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の第7実施形態を示すブロック図。 従来の溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置を示すブロック図。 従来の溶接構造物の変形、残留応力推定方法およびその推定装置の別の例を示すブロック図。

Claims (11)

  1. 溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出するに際し、溶接構造物の溶接施工前後のひずみを計測し、計測したひずみから偏差を求め、求めた偏差を固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しておき、データベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布を応力解析装置に与えて演算し、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出することを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定方法。
  2. 溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出するに際し、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位を計測し、計測したひずみおよび変位のそれぞれからそれぞれの偏差を求め、求めたそれぞれの偏差を固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しておき、データベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布を応力解析装置に与えて演算し、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出することを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定方法。
  3. 溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出するに際し、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位を計測し、計測したひずみおよび変位のそれぞれからそれぞれの偏差を求め、求めたそれぞれの偏差と、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、機械的物性値、母材の溶接拘束条件、溶接継手・開先の形状、位置、寸法のデータ情報とを固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しておき、データベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布に補正を行い、補正を行った固有ひずみ分布を、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材の拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力のデータ情報とともに応力解析装置に与えて演算し、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出することを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定方法。
  4. 溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出するに際し、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位、温度を計測し、計測したひずみ、変位、温度のそれぞれからそれぞれの偏差を求め、求めたそれぞれの偏差と、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、機械的物性値、母材の溶接拘束条件、溶接継手・開先の形状、位置、寸法のデータ情報とを固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しておき、データベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布に補正を行い、補正を行った固有ひずみ分布を、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材の拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力のデータ情報とともに応力解析装置に与えて演算し、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出することを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定方法。
  5. 溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出するに際し、溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位、温度を計測し、計測したひずみ、変位、温度のそれぞれからそれぞれの偏差を求め、求めたそれぞれの偏差と、拘束治具から開放した母材の、その母材から計測したひずみと、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、機械的物性値、母材の溶接拘束条件、溶接継手・開先の形状、位置、寸法のデータ情報とを固有ひずみ計算装置に与えて固有ひずみ分布を演算算出し、算出した固有ひずみ分布をデータベース化しておき、データベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布に補正を行い、補正を行った固有ひずみ分布を、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材の拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力のデータ情報とともに応力解析装置に与えて演算し、溶接構造物の母材の変形、残留応力を算出することを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定方法。
  6. 溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位、温度のうち、少なくとも一つ以上を計測する計測装置と、計測装置で計測した溶接施工前後の計測値から偏差を求め、求めた偏差に基づいて固有ひずみ分布を演算算出してデータベース化する固有ひずみ計算装置と、この固有ひずみ計算装置のデータベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布に基づいて溶接構造物の母材の変形、残留応力を演算算出する応力解析装置とを備えたことを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定装置。
  7. 溶接構造物の溶接施工前後のひずみ、変位、温度のうち、少なくとも一つ以上を計測する計測装置と、計測装置で計測した溶接施工前後の計測から偏差を求め、求めた偏差と、溶接構造物の計測部分の形状、寸法、機械的物性値、母材の溶接拘束条件、溶接継手・開先の形状、位置、寸法のデータ情報とに基づいて固有ひずみ分布を演算算出してデータベース化する固有ひずみ計算装置と、この固有ひずみ計算装置のデータベース化した固有ひずみ分布の中から選択した固有ひずみ分布に補正を加え、補正を加えた固有ひずみ分布と、パラメータ入力装置からの溶接構造物の計測部分の形状、寸法、剛性、母材の拘束状況、母材の材質、溶接温度、外力のデータ情報とに基づいて溶接構造物の母材の変形、残留応力を演算算出する応力解析装置とを備えたことを特徴とする溶接構造物の変形、残留応力推定装置。
  8. 計測装置は、ひずみゲージ、CCD画像計測装置、レーザ変位計、赤外線温度計、熱電対温度計のうち、少なくとも一つ以上を選択したことを特徴とする請求項6または7記載の溶接構造物の変形、残留応力推定装置。
  9. 計測装置は、溶接構造物の母材の溶接金属部分から離れた位置に設置したことを特徴とする請求項6または7記載の溶接構造物の変形、残留応力推定装置。
  10. 固有ひずみ計算装置は、有限要素法、境界要素法、差分法のうち、いずれか一つの手法に基づくプログラムを組み込む構成にしたことを特徴とする請求項6または7記載の溶接構造物の変形、残留応力推定装置。
  11. 応力解析装置は、有限要素法、境界要素法、差分法のうち、いずれか一つの手法に基づくプログラムを組み込む構成にしたことを特徴とする請求項6または7記載の溶接構造物の変形、残留応力推定装置。
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