JP2006247746A - 溶接解析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の部材を溶接した際に、各部材における各部の温度をコンピュータによるシミュレーションによって解析する溶接解析方法1である。面方向に並んだ複数のシェル要素の集合体よりなり、厚み方向の位置をシェル要素の積分点として把握できるようにモデル化した上記各部材のモデルを作成するモデル作成工程S3と、溶接によって生じると想定される仮想溶接ビード部の断面形状の輪郭をモデルに対応させた場合の、上記輪郭に重なる部分の少なくとも一部よりなる基準位置の最高温度が、当該基準位置を含む部材である基準部材の融点と同一になる初期条件又は/及び境界条件を用いて、モデル全体の溶接所望部が溶接される際の温度計算を行う温度計算工程S4とを有している。
【選択図】図3
Description
従来の溶接解析は、いわゆるソリッド要素を用いたものが主流であり、溶接される各部材を板厚方向にも細かく要素分割して上記ソリッド要素を多数設け、各ソリッド要素における節点の温度変化を求めると共に温度変化に基づいて熱変形量を解析していた。この場合、多数のソリッド要素に分割することにより、節点数が膨大になることから、計算時間も膨大になるという問題点がある。
そのため、条件設定の時間を短縮でき、かつ、計算時間も短縮可能なシェル要素を用いた解析方法の開発が望まれていた。
面方向に並んだ複数のシェル要素の集合体よりなり、厚み方向の位置を上記シェル要素の積分点として把握できるようにモデル化した上記各部材のモデルを作成するモデル作成工程と、
溶接によって生じると想定される仮想溶接ビード部の断面形状の輪郭を上記モデルに対応させた場合の、上記輪郭に重なる部分の少なくとも一部よりなる基準位置の最高温度が、当該基準位置を含む上記部材である基準部材の融点と同一になる初期条件又は/及び境界条件を用いて、上記モデル全体の溶接所望部が溶接される際の温度計算を行う温度計算工程とを有していることを特徴とする溶接解析方法にある(請求項1)。
例えば、各シェル要素の初期条件としての温度そのものを、上記基準位置の最高温度が融点と同一になるように与え、いわゆる境界条件は付与しない方法がある。なお、この場合には、条件設定の時間が長くなりやすいという特徴も有する。
この理由は、上記の基準位置の温度が融点となるような初期条件又は/及び境界条件を用いることにより、溶接ビード部が形成されるまでの計算誤差を予めキャンセルすることができるためであると考えられる。
また、上記境界条件決定工程は、上記モデル全体を用いてもよいが、その一部の溶接部近傍のみを用いることが好ましい。これにより、処理時間の短縮を図ることができる。
また、この場合の上記境界条件付与領域は、その長手方向の寸法としては特に制限されないが、例えば上記幅と同じかあるいは少し増減させた寸法程度が好ましい。
上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することが好ましい(請求項7)。
上記の予め定めた条件としては、たとえば、融点に達して溶接部となる部分が形成されたタイミングにおいて、その溶接部内において隣接するシェル要素同士を関連させる等の条件を採用できる。
上記基準部材においては、上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を仮境界条件に決定し、
上記基準部材以外の上記部材においては、上記仮想溶接ビード部の領域内の特定の位置である準基準位置の最高温度が当該部材の融点以上になる上記暫定境界条件を仮境界条件に決定し、
さらに、上記境界条件付与領域に位置する上記各部材の上記シェル要素に上記各仮境界条件をそれぞれ最初の暫定境界条件として付与し、かつ、予め定めた条件に従って上記接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になると共に、上記準基準位置の最高温度が当該部材の融点以上になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することが好ましい(請求項8)。
この場合には、最初から接合処理を行う場合よりも計算時間を短くすることができる。
上記境界条件決定工程は、まず、上記境界条件付与領域に位置する上記第1部材の上記シェル要素に暫定境界条件を付与すると共に、上記境界条件付与領域に位置する上記第2部材の上記シェル要素に暫定境界条件を付与し、かつ、上記接合処理を行うことなく繰り返し計算を行い、
上記第1部材における上記基準位置の最高温度が上記第1部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を上記第1部材の上記シェル要素に付与する仮境界条件に決定し、
上記第2部材における上記第1部材と接する位置であって上記仮想溶接ビード部の領域内に位置する特定の位置である準基準位置の最高温度が上記第2部材の融点以上になる上記暫定境界条件を上記第2部材の上記シェル要素に付与する仮境界条件に決定し、
さらに、上記境界条件付与領域に位置する上記第1部材の上記シェル要素に上記仮境界条件を最初の暫定境界条件として付与すると共に、上記境界条件付与領域に位置する上記第2部材の上記シェル要素に上記仮境界条件を最初の暫定境界条件として付与し、かつ、予め定めた条件に従って上記接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
上記第1部材における上記基準位置の最高温度が上記第1部材の融点と同一になると共に、上記第2部材における上記準基準位置の最高温度が上記第2部材の融点以上になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することが好ましい(請求項9)。
この場合の接合処理、つまり、節点自由度の拘束処理は、例えば、次のように示すことができる。
(拘束される節点の自由度)=[拘束係数(0〜1の値)]×(拘束する節点の自由度)
ここで、拘束係数が1の場合は、拘束する節点と拘束される節点の状態量(例えば温度)は全く同じとなり、拘束係数が0の場合には、拘束する節点の状態量は、拘束される節点の状態量と関係しない。
そして、上述した記境界条件決定工程及び温度計算工程における拘束係数としては、上記のごとく1と0のいずれかを選択するだけとすることが好ましく、一旦溶融して溶接部となった場合に拘束係数1を、溶接部となる前をは拘束係数0とすることで、接合処理を容易にすることができる。
第2の領域は、第1基準温度TS1未満であり、かつ第2基準温度TS2(<TS1)以上の領域である半溶融部領域と定義した領域である。
第3の領域は、第2基準温度TS2未満の凝固部領域と定義した領域である。
ただし、これら3つの領域は、温度のみから定義するものであり、実際の凝固・溶融状態と必ずしも一致するものではない。
なお、上記第1基準温度TS1及び第2基準温度TS2は、上記部材の融点以下の温度とすることは言うまでもない。
本発明の実施例に係る溶接解析方法につき、図1〜図9を用いて説明する。
本例は、図1に示すごとく、断面コ字状の第1部材81と、同じく断面コ字状であって第1部材81よりも幅寸法が広い第2部材82とを組合せ、両側面の重ね合わせ部における第2部材82の端部近傍の溶接位置85を外側から溶接する場合の、各部材における各部の温度をコンピュータによるシミュレーションによって解析する溶接解析方法である。上記第1部材81と第2部材82とは同材質であり、その融点はいずれもTyとする。
また、本例では、溶接解析方法1を実行する前の予備工程として、溶接部の断面写真を撮影する工程S1と、断面写真から溶接ビード部の幅W及び深さDを測定する工程S2とを行う。
モデル作成工程S3では、図5〜図7に示すごとく、面方向に並んだ複数のシェル要素2の集合体よりなり、厚み方向の位置を上記シェル要素2の積分点の層としてのレイヤー1〜レイヤー5(layer1〜layer5)(図6、図7)として把握できるようにモデル化した上記各部材81、82のモデルを作成する。
本例では、まず、上記モデルの一部を用い、各部材81、82に付与する仮境界条件を求める。なお、本例では、境界条件として熱流束を採用し、板表面から付与した。
各シェル要素に与える初期条件は、通常の条件、特に温度は常温とした。そして、上記の実際の溶接ビード部80の寸法を基にして、仮想溶接ビード部を想定し、各部材それぞれに対し、幅寸法W1またはW2を有する所定の長さの四角形の領域(以下、境界条件付与領域という)を設定し、この境界条件付与領域において各部材に暫定境界条件Q1、Q2をそれぞれ与える。具体的には、図6に示すごとく、第1部材81における上記境界条件付与領域に含まれるシェル要素のレイヤー1(L1)の位置に暫定境界条件Q1を付与し、第2部材82における上記境界条件付与領域に含まれるシェル要素のレイヤー1(L1)の位置に暫定境界条件Q2を付与する。このときの暫定境界条件Q1、Q2は、特に制限する必要はないが、経験によって最終的に境界条件となりうる値に近い値を採用することが好ましい。また、上記境界条件付与領域の長さ寸法は、あまり大きな影響を与えないので、適当な長さ、例えば上記Wに近い長さ等を設定する。
本例では、図8に示すごとく、第1部材81のレイヤー3(layer3)における2つの節点21a、21bの間にある点を基準位置K1とした。この位置は、仮想溶接ビード部の輪郭801と重なる点であって、仮想溶接ビード部の最も深い位置に当たる点である。
また、第2部材82においては、その上端部の節点21cにおけるレイヤー5(layer5)における点を準基準位置K2とした。
次に、基準位置K1における最高温度T1が融点Tyと一致しているか、及び準基準位置K2における最高温度T2が融点Ty以上になっているかを判断する(サブステップS403)。なお、Tyとしては、ある程度幅のある値を採用することができる。
そして、サブステップS403での判断がT1=Tyかつ少なくともT2≧Tyとなるまで上記の計算を繰り返す。
次に、基準位置K1における最高温度T1が融点Tyと一致しているか、及び準基準位置K2における最高温度T2が融点Ty以上であるかを判断する(サブステップS407)。
そして、サブステップS407での判断がT1=TyかつT2≧Tyとなるまで上記の計算を繰り返す。
このときのQ1、Q2を決定した際の温度分布状態の一例を図9に示す。
同図は、横軸に、第1部材及び第2部材の厚み方向の概念を示すレイヤーの位置をとり、縦軸に温度をとったものである。そして、第2部材82の特定の節点21cにおける各積分点の温度を符号A(○印)で、第1部材81の特定の節点21a及び21bの各積分点の温度を符号B(◆印)及び符号C(△印)で示した。また、基準点K1の積分点に相当する点の温度を符号D(黒四角印)で示した。基準点K1そのものは、layer3の符号D(黒四角印)の点である。また、準基準点K2の温度は、layer5の符号A(○印)の点である。
同図から知られるように、上記境界条件決定工程S4において得られた境界条件Q1、Q2は、基準点K1の温度(最高温度)が融点Tyと同一であり、かつ、準基準点K2の温度(最高温度)が融点Ty以上の温度となる熱流束である。
温度計算工程S5は、初期条件として、通常の条件を用い、境界条件としては上記境界条件決定工程S4において決定された熱流束Q1、Q2を用いる。そして、上記モデル全体溶接所望部85が溶接される際の温度計算を行う。このとき、上記境界条件決定工程S4の場合と同様に、境界条件付与領域を実際の溶接速度に合わせて移動させながら計算を行う。また、この温度計算工程S5においては、予め定めた条件に従って、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う。本例では、接合処理として、上記境界条件決定工程の場合と同じ条件によるタイイング処理を採用した。
本例では、上記のごとく、基準位置K1の最高温度が、第1部材81の融点Tyと同一となるような境界条件Q1、Q2を用いて計算を行う。そのため、従来よりも格段に精度よく温度解析を行うことができる。
なお、この温度計算工程S5に加えて、得られた温度を基にして上記各部材81、82の熱変形量を算出する熱変形算出工程をさらに追加することができる。そして、この場合には、精度よい温度を基にするので、熱変形量の解析精度も高めることができる。
本例では、実施例1の溶接解析方法を用いて実際に温度解析を行った結果を比較例と共に示す。
図10に示すごとく、本例では、12箇所の測定ポイントP1〜P11の温度を上記溶接解析方法を用いて解析した。その結果を図11に示す。同図は、横軸に時間を、縦軸に温度をとったものである。また、同図には、実際の溶接を行って上記測定ポイントP1〜P11の温度を実測した結果も併せてプロットした。なお、測定ポイントP9は、実測時にトラブルが生じてデータが得られなかったので、その実測値及び計算値の両方の記載を省略した。
両図の比較から明らかなように、本発明の溶接解析方法(図11)は、比較例(図12)に比べて、実測値と計算値との間の開きが格段に少なくなっており、格段に解析精度が向上していることがわかる。
本例は、実施例1、2における溶接解析方法における、上記温度計算工程に続けて、各部材の熱変形量を算出する熱変形算出工程をさらに追加した例である。
即ち、図13に示すごとく、断面コ字状の第1部材81と第2部材82の両側面の重ね合わせ部における第2部材82の端部近傍の溶接位置85を外側から溶接する場合の、第1部材81の底面中央位置860におけるZ方向変位を求める解析を行った。
熱変形計算工程S6では、図15に示すごとく、温度が一旦融点に達した領域である溶接部内において、現在の温度が、第1基準温度TS1以上の場合には溶融部領域R1、該第1基準温度TS1未満第2基準温度TS2(<TS1)以上の場合には半溶融部領域R2、該第2基準温度TS2未満の場合には凝固部領域R3と定義する領域分割を行うと共に、上記溶接部内において上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う。この接合処理を行う際には、上記各領域内での接合条件として、溶融部領域R1、半溶融部領域R2、凝固部領域R3の順に関連度合いが強くなるような異なる接合条件を用いる。
次に、サブステップS606においては、すべての計算が完了したか否かを判断し、完了していない場合には、温度計算工程S5へと戻る。
その後、再度熱変形計算工程S6に移り、サブステップS603において現在の温度に基づいて領域定義をあらためて行い、サブステップS604〜S606を繰り返す。
そしてすべての計算が完了した場合には、サブステップS606からサブステップS607に進んで解析を終了する。
2 シェル要素
21 節点
81 第1部材
82 第2部材
Claims (21)
- 複数の部材を溶接した際の上記各部材における各部の温度を、コンピュータによるシミュレーションによって解析する溶接解析方法であって、
面方向に並んだ複数のシェル要素の集合体よりなり、厚み方向の位置を上記シェル要素の積分点として把握できるようにモデル化した上記各部材のモデルを作成するモデル作成工程と、
溶接によって生じると想定される仮想溶接ビード部の断面形状の輪郭を上記モデルに対応させた場合の、上記輪郭に重なる部分の少なくとも一部よりなる基準位置の最高温度が、当該基準位置を含む上記部材である基準部材の融点と同一になる初期条件又は/及び境界条件を用いて、上記モデル全体の溶接所望部が溶接される際の温度計算を行う温度計算工程とを有していることを特徴とする溶接解析方法。 - 請求項1において、上記基準位置は、上記仮想溶接ビード部の最も深い位置であることを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項1又は2において、上記温度計算工程の前には、上記モデル又はその一部を用い、上記境界条件を求める境界条件決定工程を行うことを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項3において、上記境界条件決定工程は、所定の境界条件付与領域に位置する上記シェル要素に暫定境界条件を付与した計算を、該暫定境界条件を変更しながら繰り返す繰り返し計算を行い、上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を上記境界条件に決定することを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項4において、上記境界条件付与領域は、上記仮想溶接ビード部の幅に相当する幅を有する領域であることを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項4又は5において、上記暫定境界条件は上記各部材に対してそれぞれ独自の条件として付与し、上記境界条件は上記各部材に対してそれぞれ決定することを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項6において、上記境界条件決定工程は、上記境界条件付与領域に位置する上記各部材の上記シェル要素にそれぞれ上記暫定境界条件を付与し、かつ、予め定めた条件に従って、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することを特徴とする溶接解析方法。 - 請求項7において、上記境界条件決定工程は、まず、上記境界条件付与領域に位置する上記各部材の上記シェル要素にそれぞれ暫定境界条件を付与し、かつ、上記接合処理を行うことなく繰り返し計算を行い、
上記基準部材においては、上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を仮境界条件に決定し、
上記基準部材以外の上記部材においては、上記仮想溶接ビード部の領域内の特定の位置である準基準位置の最高温度が当該部材の融点以上になる上記暫定境界条件を仮境界条件に決定し、
さらに、上記境界条件付与領域に位置する上記各部材の上記シェル要素に上記各仮境界条件をそれぞれ最初の暫定境界条件として付与し、かつ、予め定めた条件に従って上記接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になると共に、上記準基準位置の最高温度が当該部材の融点以上になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することを特徴とする溶接解析方法。 - 請求項8において、上記部材が第1部材と第2部材の2種類であって、上記第1部材の外側面に上記第2部材を重ね合わせた状態で溶接する際の解析を行う場合には、
上記境界条件決定工程は、まず、上記境界条件付与領域に位置する上記第1部材の上記シェル要素に暫定境界条件を付与すると共に、上記境界条件付与領域に位置する上記第2部材の上記シェル要素に暫定境界条件を付与し、かつ、上記接合処理を行うことなく繰り返し計算を行い、
上記第1部材における上記基準位置の最高温度が上記第1部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を上記第1部材の上記シェル要素に付与する仮境界条件に決定し、
上記第2部材における上記第1部材と接する位置であって上記仮想溶接ビード部の領域内に位置する特定の位置である準基準位置の最高温度が上記第2部材の融点以上になる上記暫定境界条件を上記第2部材の上記シェル要素に付与する仮境界条件に決定し、
さらに、上記境界条件付与領域に位置する上記第1部材の上記シェル要素に上記仮境界条件を最初の暫定境界条件として付与すると共に、上記境界条件付与領域に位置する上記第2部材の上記シェル要素に上記仮境界条件を最初の暫定境界条件として付与し、かつ、予め定めた条件に従って上記接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
上記第1部材における上記基準位置の最高温度が上記第1部材の融点と同一になると共に、上記第2部材における上記準基準位置の最高温度が上記第2部材の融点以上になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することを特徴とする溶接解析方法。 - 請求項3〜9のいずれか1項において、上記温度計算工程は、上記境界条件決定工程において決定された上記境界条件を用いると共に、予め定めた条件に従って、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う条件で、温度計算を行うことを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項7〜10のいずれか1項において、上記境界条件決定工程及び上記温度計算工程において、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う場合には、関連づける上記シェル要素同士の節点自由度を拘束する度合いである拘束係数を0〜1の値とし、計算に用いる状態量を完全に一致させる場合を拘束係数1、全く関連させずに自由にさせる場合を拘束係数0とした場合に、温度が一旦融点に達した領域である溶接部分では拘束係数1、それ以外の部分では拘束係数0の条件とすることを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項において、上記境界条件は、熱流束であることを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項1〜12のいずれか1項において、上記温度計算工程によって得られた温度を基にして上記各部材の熱変形量を算出する熱変形算出工程をさらに有することを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項13において、上記熱変形算出工程は、温度が一旦融点に達した領域である溶接部内において、現在の温度が、第1基準温度TS1以上の場合には溶融部領域、該第1基準温度TS1未満第2基準温度TS2(<TS1)以上の場合には半溶融部領域、該第2基準温度TS2未満の場合には凝固部領域と定義する領域分割を行うと共に、上記溶接部内において上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行い、該接合処理を行う際には、上記各領域内での接合条件として、上記溶融部領域、上記半溶融部領域、上記凝固部領域の順に関連度合いが強くなるような異なる接合条件を用いることを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項14において、上記接合処理における接合条件は、関連づける上記シェル要素同士の節点自由度を拘束する度合いである拘束係数を0〜1の値とし、計算に用いる状態量を完全に一致させる場合を拘束係数1、全く関連させずに自由にさせる場合を拘束係数0とした場合に、上記溶融部領域内では拘束係数0に、上記半溶融部領域内では拘束係数を0超え1未満に、上記凝固部領域内では拘束係数1に設定することを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項14又は15において、上記第1基準温度TS1は、上記部材の降伏強度が、室温における降伏強度の10%以下になる最低温度とすることを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項14〜16のいずれか1項において、上記第2基準温度TS2は、少なくとも上記各部材の厚みを変数として含む関数を用いて算出することを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項17において、上記半溶融部領域内での拘束係数は、少なくとも上記各部材の厚みを変数として含む関数を用いて算出することを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項14〜18のいずれか1項において、上記部材のすべてが鋼部材の場合には、上記第1基準温度TS1は上記部材の降伏強度が室温における降伏強度の10%以下となる温度以上、上記第2基準温度TS2は上記部材の降伏強度が室温における降伏強度の80%となる温度以上、10%となる温度未満の範囲とすることを特徴とする溶接解析方法。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の溶接解析方法を実施するためにコンピュータにより実行されるプログラム。
- 請求項20に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
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