JP2006247746A - 溶接解析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも高速で、かつ精度よく温度解析をすることができる溶接解析方法を提供すること。
【解決手段】複数の部材を溶接した際に、各部材における各部の温度をコンピュータによるシミュレーションによって解析する溶接解析方法1である。面方向に並んだ複数のシェル要素の集合体よりなり、厚み方向の位置をシェル要素の積分点として把握できるようにモデル化した上記各部材のモデルを作成するモデル作成工程S3と、溶接によって生じると想定される仮想溶接ビード部の断面形状の輪郭をモデルに対応させた場合の、上記輪郭に重なる部分の少なくとも一部よりなる基準位置の最高温度が、当該基準位置を含む部材である基準部材の融点と同一になる初期条件又は/及び境界条件を用いて、モデル全体の溶接所望部が溶接される際の温度計算を行う温度計算工程S4とを有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の部材を溶接した際に、上記各部材における各部の温度を解析する溶接解析方法に関する。
複数の部材を溶接してなる部品を作製するに当たっては、溶接時に生じる熱変形等を考慮した設計を行うことが重要である。このような溶接時の熱変形を把握するために、従来より、コンピュータを用いた溶接解析が試みられてきた。
従来の溶接解析は、いわゆるソリッド要素を用いたものが主流であり、溶接される各部材を板厚方向にも細かく要素分割して上記ソリッド要素を多数設け、各ソリッド要素における節点の温度変化を求めると共に温度変化に基づいて熱変形量を解析していた。この場合、多数のソリッド要素に分割することにより、節点数が膨大になることから、計算時間も膨大になるという問題点がある。
また、上記ソリッド要素を用いる溶接解析方法は、その要素分割を板厚方向にも行うので、条件設定にも多くの時間を要する。
そのため、条件設定の時間を短縮でき、かつ、計算時間も短縮可能なシェル要素を用いた解析方法の開発が望まれていた。
しかしながら、単にシェル要素を採用しただけでは十分に精度の高い溶接解析を行うことができない。特に、境界条件として、溶接部の板表面の温度が所定の温度となるような単純な条件設定をしただけでは、各部の温度変化を精度よく求めることができず、それ故に熱変形量についても精度を高めることができない。
なお、溶接による変形予測方法として、実験や、コンピューターによるシミュレーションにより溶接部周辺のみをソリッド要素を用いて解析することにより求めた固有歪みを用いて解析する方法もあるが、溶接部材の板厚・形状の細かい変化に対応させることが困難である(非特許文献1)。
「固有ひずみを用いた薄肉閉断面部材の溶接変形予測」溶接構造シンポジウム講演論文集(vol.1997,p.290-296)
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、従来よりも高速で、かつ精度よく温度解析をすることができる溶接解析方法を提供しようとするものである。
本発明は、複数の部材を溶接した際の上記各部材における各部の温度を、コンピュータによるシミュレーションによって解析する溶接解析方法であって、
面方向に並んだ複数のシェル要素の集合体よりなり、厚み方向の位置を上記シェル要素の積分点として把握できるようにモデル化した上記各部材のモデルを作成するモデル作成工程と、
溶接によって生じると想定される仮想溶接ビード部の断面形状の輪郭を上記モデルに対応させた場合の、上記輪郭に重なる部分の少なくとも一部よりなる基準位置の最高温度が、当該基準位置を含む上記部材である基準部材の融点と同一になる初期条件又は/及び境界条件を用いて、上記モデル全体の溶接所望部が溶接される際の温度計算を行う温度計算工程とを有していることを特徴とする溶接解析方法にある(請求項1)。
本発明の溶接解析方法において最も注目すべき点は、上記温度計算工程において、上記仮想溶接ビード部の断面形状の輪郭を上記モデルに対応させた場合の、上記輪郭に重なる上記基準位置の最高温度が融点と同一になる初期条件又は/及び境界条件を用いることである。
これまでのシェル要素を用いた解析方法においては、境界条件として、溶接すべき部分の外表面が所定の温度となるような境界条件を付与して温度計算を行う方法しか存在していなかった。そして、この方法では、あまり高精度の解析ができなかった。
これに対し、本発明は、上記のごとく、実際に溶接した際に生じると想定される溶接ビード部(仮想溶接ビード部)を上記モデル上に対応させ、この仮想溶接ビード部の輪郭、つまり、溶接時の溶融池の底部となる位置に存在する上記基準位置に着目する。なお、この基準位置を設定するに当たっては、上記モデル上に上記仮想溶接ビード部の形状データ全体を反映させてもよいが、上記基準位置を予め求めておき、その基準位置のデータのみを上記モデルに反映させてもよい。この基準位置としては、上記シェル要素の厚み方向の積分点、または積分点間の任意の位置とすることができる。そして、上記基準位置の最高温度が、部材の融点と同一となるような初期条件又は/及び境界条件を用いて計算を行う。
上記の初期条件又は/及び境界条件の与え方として様々な態様が考えられる。
例えば、各シェル要素の初期条件としての温度そのものを、上記基準位置の最高温度が融点と同一になるように与え、いわゆる境界条件は付与しない方法がある。なお、この場合には、条件設定の時間が長くなりやすいという特徴も有する。
また、各シェル要素の初期条件としては、通常の初期条件、例えば常温の温度条件等を付与しておき、境界条件として、上記基準位置の最高温度が融点となるような特定の境界条件を、各シェル要素の最も外方の積分点に付与する方法がある。この場合には、上記特定の境界条件を求める工程を上記温度計算工程の前に実行することが好ましい。
いずれにしても、上記初期条件と境界条件とを、上記基準位置の温度が融点と同一になるように付与する。このような初期条件又は/及び境界条件を用いることによって、後述する実施例にも示されているように、従来よりも格段に精度よく温度解析を行うことができるのである。
この理由は、上記の基準位置の温度が融点となるような初期条件又は/及び境界条件を用いることにより、溶接ビード部が形成されるまでの計算誤差を予めキャンセルすることができるためであると考えられる。
なお、上記の融点と同一とは、融点にある程度の範囲を持たす場合も含み、融点をTyとした場合、Ty±αの範囲を融点と同一の範囲として扱うことも含んでいる。もちろん、±αを認めずに融点と完全に一致するように演算してもよい。この点は、以下同様である。
本発明の溶接解析方法においては、上記のごとく、溶接によって生じると想定される仮想溶接ビード部の断面形状の輪郭の少なくとも一部を特定することが、解析をはじめる前に必要である。最も正確で容易な特定方法としては、実際に溶接しようとする部材を溶接し、その断面を観察し、その形状データの全部または一部を利用する方法をとることができる。
また、上記基準位置は、上記仮想溶接ビード部の最も深い位置であることが好ましい(請求項2)。これにより、より精度の高い計算を行うことができる。
また、上記温度計算工程の前には、上記モデル又はその一部を用い、上記境界条件を求める境界条件決定工程を行うことが好ましい(請求項3)。即ち、上記温度計算工程において、初期条件として通常の条件を用いると共に特定の境界条件を付与して計算を行う場合には、この工程の前に特定の境界条件を求める必要がある。これを、本発明の解析方法の一工程である境界条件決定工程として行うことが好ましい。これにより、解析をはじめる前の条件設定の時間を短縮することができる。
また、上記境界条件決定工程は、上記モデル全体を用いてもよいが、その一部の溶接部近傍のみを用いることが好ましい。これにより、処理時間の短縮を図ることができる。
また、上記境界条件決定工程は、所定の境界条件付与領域に位置する上記シェル要素に暫定境界条件を付与した計算を、該暫定境界条件を変更しながら繰り返す繰り返し計算を行い、上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を上記境界条件に決定することが好ましい(請求項4)。即ち、上記境界条件決定工程を行うに当たっては、上記境界条件付与領域に上記暫定境界条件を付与して、その領域を溶接速度に合わせて移動させながら計算を行い、上記基準位置が部材の融点と同一か否かを判断し、同一でない場合には、上記暫定境界条件を増大又は減少させて再度同様の計算を行うという繰り返し計算を行うことが好ましい。
これにより、上記境界条件をより適したものとすることができる。なお、上記基準位置が融点と同一か否かという判断については、様々な具体的な方法を用いることができる。例えば、上記基準位置の温度と融点とを比較する方法、あるいは融点と同一の点が上記基準位置よりも外方(浅いか)であるか内方(深いか)を判断する方法などがある。
また、上記境界条件付与領域は、上記仮想溶接ビード部の幅に相当する幅を有する領域であることが好ましい(請求項5)。これにより、さらに適した境界条件を得ることができる。
また、この場合の上記境界条件付与領域は、その長手方向の寸法としては特に制限されないが、例えば上記幅と同じかあるいは少し増減させた寸法程度が好ましい。
また、上記暫定境界条件は上記各部材に対してそれぞれ独自の条件として付与し、上記境界条件は上記各部材に対してそれぞれ決定することが好ましい(請求項6)。即ち、溶接する複数の部材に対して、それぞれ暫定境界条件を付与する必要があるが、これをすべて一定にするのではなく、各部材ごとに独自の条件として付与した方が、境界条件としてより適したものとすることができる。なお、結果的に同一の境界条件となることは当然許容される。
また、上記境界条件決定工程は、上記境界条件付与領域に位置する上記各部材の上記シェル要素にそれぞれ上記暫定境界条件を付与し、かつ、予め定めた条件に従って、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することが好ましい(請求項7)。
即ち、上記境界条件を決定するに当たっては、予め定めた条件に従って、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理(節点自由度の拘束処理ともいう)を行うことが好ましい。これにより、溶接時の溶融状態を反映した計算を行うことができ、より適切な境界条件を決定することができる。上記接合処理としては、関連づけるべきシェル要素を所定のタイミングで節点自由度を拘束するタイイング(TYING)処理、あるいは、関連づけるべきシェル要素間に所定のタイミングで梁要素を設ける処理など、様々な方法を適用することができる。
上記の予め定めた条件としては、たとえば、融点に達して溶接部となる部分が形成されたタイミングにおいて、その溶接部内において隣接するシェル要素同士を関連させる等の条件を採用できる。
なお、上記境界条件決定工程は、まず、上記境界条件付与領域に位置する上記各部材の上記シェル要素にそれぞれ暫定境界条件を付与し、かつ、上記接合処理を行うことなく繰り返し計算を行い、
上記基準部材においては、上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を仮境界条件に決定し、
上記基準部材以外の上記部材においては、上記仮想溶接ビード部の領域内の特定の位置である準基準位置の最高温度が当該部材の融点以上になる上記暫定境界条件を仮境界条件に決定し、
さらに、上記境界条件付与領域に位置する上記各部材の上記シェル要素に上記各仮境界条件をそれぞれ最初の暫定境界条件として付与し、かつ、予め定めた条件に従って上記接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になると共に、上記準基準位置の最高温度が当該部材の融点以上になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することが好ましい(請求項8)。
この場合には、最初から接合処理を行う場合よりも計算時間を短くすることができる。
また、上記部材が第1部材と第2部材の2種類であって、上記第1部材の外側面に上記第2部材を重ね合わせた状態で溶接する際の解析を行う場合には、
上記境界条件決定工程は、まず、上記境界条件付与領域に位置する上記第1部材の上記シェル要素に暫定境界条件を付与すると共に、上記境界条件付与領域に位置する上記第2部材の上記シェル要素に暫定境界条件を付与し、かつ、上記接合処理を行うことなく繰り返し計算を行い、
上記第1部材における上記基準位置の最高温度が上記第1部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を上記第1部材の上記シェル要素に付与する仮境界条件に決定し、
上記第2部材における上記第1部材と接する位置であって上記仮想溶接ビード部の領域内に位置する特定の位置である準基準位置の最高温度が上記第2部材の融点以上になる上記暫定境界条件を上記第2部材の上記シェル要素に付与する仮境界条件に決定し、
さらに、上記境界条件付与領域に位置する上記第1部材の上記シェル要素に上記仮境界条件を最初の暫定境界条件として付与すると共に、上記境界条件付与領域に位置する上記第2部材の上記シェル要素に上記仮境界条件を最初の暫定境界条件として付与し、かつ、予め定めた条件に従って上記接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
上記第1部材における上記基準位置の最高温度が上記第1部材の融点と同一になると共に、上記第2部材における上記準基準位置の最高温度が上記第2部材の融点以上になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することが好ましい(請求項9)。
また、上記温度計算工程は、上記境界条件決定工程において決定された上記境界条件を用いると共に、予め定めた条件に従って、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う条件で、温度計算を行うことが好ましい(請求項10)。即ち、上記温度計算工程においても、上記境界条件決定工程の場合と同様に、予め定めた条件に従って、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行うことが好ましい。これにより、溶接時の溶融状態を反映した計算を行うことができ、より適切な境界条件を決定することができる。上記接合処理としては、上記と同様に様々な方法を適用することができる。
上記境界条件決定工程及び上記温度計算工程において、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う場合には、関連づける上記シェル要素同士の節点自由度を拘束する度合いである拘束係数を0〜1の値とし、計算に用いる状態量を完全に一致させる場合を拘束係数1、全く関連させずに自由にさせる場合を拘束係数0とした場合に、温度が一旦融点に達した領域である溶接部分では拘束係数1、それ以外の部分では拘束係数0の条件とすることが好ましい(請求項11)。
即ち、上記境界条件決定工程及び温度計算工程においては、単純に、溶接部とそれ以外の部分とに分けて、溶接部のみを拘束する条件で上記接合処理を行うだけでも精度向上を図ることができる。
この場合の接合処理、つまり、節点自由度の拘束処理は、例えば、次のように示すことができる。
(拘束される節点の自由度)=[拘束係数(0〜1の値)]×(拘束する節点の自由度)
ここで、拘束係数が1の場合は、拘束する節点と拘束される節点の状態量(例えば温度)は全く同じとなり、拘束係数が0の場合には、拘束する節点の状態量は、拘束される節点の状態量と関係しない。
そして、上述した記境界条件決定工程及び温度計算工程における拘束係数としては、上記のごとく1と0のいずれかを選択するだけとすることが好ましく、一旦溶融して溶接部となった場合に拘束係数1を、溶接部となる前をは拘束係数0とすることで、接合処理を容易にすることができる。
また、上記境界条件は、熱流束であることが好ましい(請求項12)。熱流束は、境界条件として扱いやすく、上記各工程の計算を容易にすることができる。
また、本発明の溶接解析方法は、上記温度計算工程によって得られた温度を基にして上記各部材の熱変形量を算出する熱変形算出工程をさらに有することが好ましい(請求項13)。これにより、上記のごとく精度よく求めた温度を基にして、精度よく熱変形量を求めることができる。なお、熱変形算出方法としては、公知の様々な方法を採用することができる。
上記熱変形算出工程は、温度が一旦融点に達した領域である溶接部内において、現在の温度が、第1基準温度TS1以上の場合には溶融部領域、該第1基準温度TS1未満第2基準温度TS2(<TS1)以上の場合には半溶融部領域、該第2基準温度TS2未満の場合には凝固部領域と定義する領域分割を行うと共に、上記溶接部内において上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行い、該接合処理を行う際には、上記各領域内での接合条件として、上記溶融部領域、上記半溶融部領域、上記凝固部領域の順に関連度合いが強くなるような異なる接合条件を用いることが好ましい(請求項14)。
即ち、上記熱変形算出工程における、熱変形の計算方法としては公知の方法を用いることができるが、その計算の際に、上記溶接部内を上記特定の条件で接合処理を行うことが好ましい。上記接合処理としては、まず、一旦溶融し、その後温度が低下するに従って凝固する溶接部を、上記温度計算工程によって得られた各部の温度に基づいて、3つの領域に区分する。
第1の領域は、上記第1基準温度TS1以上の温度にある溶融部領域と定義した領域である。
第2の領域は、第1基準温度TS1未満であり、かつ第2基準温度TS2(<TS1)以上の領域である半溶融部領域と定義した領域である。
第3の領域は、第2基準温度TS2未満の凝固部領域と定義した領域である。
このような領域を定義するために用いる上記第1基準温度TS1は、溶融部として扱うことが好ましい最低の温度の状態を示す指標であり、上記第2基準温度TS2は、凝固部として扱うことが好ましい最高の温度の状態を示す指標である。これらの選定は、経験的に行ってもよいし、後述するごとく、他の条件との関連性を実験等によって求めてその関係式から算出するようにしてもよい。
ただし、これら3つの領域は、温度のみから定義するものであり、実際の凝固・溶融状態と必ずしも一致するものではない。
そして、接合処理を行う際には、上記各領域内での接合条件として、上記溶融部領域、上記半溶融部領域、上記凝固部領域の順に関連度合いが強くなるような異なる接合条件を用いる。このような領域分割と、区分ごとの上記のような接合条件の変化を採用することによって、これを行わずに溶接部内全体を一律の接合条件とする場合よりも解析精度を大幅に高めることができる。
また、上記接合処理における接合条件は、関連づける上記シェル要素同士の節点自由度を拘束する度合いである拘束係数を0〜1の値とし、計算に用いる状態量を完全に一致させる場合を拘束係数1、全く関連させずに自由にさせる場合を拘束係数0とした場合に、上記溶融部領域内では拘束係数0に、上記半溶融部領域内では拘束係数を0超え1未満に、上記凝固部領域内では拘束係数1に設定することが好ましい(請求項15)。
この場合には、上記3つの領域の内、上記凝固部領域内と上記溶融部領域内とにおいては拘束するかしないかという単純な選択とし、上記半溶融部領域内をその間の値で選択すればよい。上記半溶融部領域内の値としては、後述するごとく、経験に従って定めた計算式に基づいて計算するようにしてもよいし、0超え1未満の間の値で経験的に定めてもよい。たとえば、0.25、0.5、0.75という3段階の値から適宜選択してもよい。
より具体的には、例えば、上記熱変形計算において各シェル要素の変形計算を想定した場合の変形量は、以下の式(数1)によって示すことができる。
Figure 2006247746
ここで、添え字dx、dy、dzのついているものは、それぞれ互いに直交する3つのX軸、Y軸、Z軸方向における変位量、添え字rx、ry、rzのついているものは、それぞれ互いに直交する3つのX軸、Y軸、Z軸周りの回転方向における角度を示す。また、Tは拘束される節点の自由度、Rは拘束する節点の自由度を示す。また、X11〜X66は、拘束係数(0〜1)を示す。そして、このX11〜X66の値を1にした場合には、接合する互いの節点の自由度が同じとなり、すべての状態量が一致する。一方、X11〜X66の値を0にした場合には、互いの状態量は関連性を持たなくなる。また、X11〜X66の値を0超え1未満とすることによって、完全に拘束する場合と完全に拘束しない場合の中間の状態を得ることができる。
また、上記第1基準温度TS1は、上記部材の降伏強度が室温の降伏強度の10%以下になる最低温度とすることが好ましい(請求項16)。即ち、上記第1基準温度TS1としては、溶融部に相当する状態が得られる最低温度であれば好ましいので、たとえ凝固していたとしても、その降伏強度が0に近い場合には、溶融部として扱うことが可能である。例えば、上記のごとく、融点よりも低い温度であっても、上記部材の降伏強度が室温の降伏強度の10%以下になる最低温度を選択することによって、その温度以上の部分は確実に溶融部として扱うことができる。この温度は、実験あるいはシミュレーション等によって求めることができる。
なお、上記第1基準温度TS1及び第2基準温度TS2は、上記部材の融点以下の温度とすることは言うまでもない。
また、上記第2基準温度TS2は、少なくとも上記各部材の厚みを変数として含む関数を用いて算出することが好ましい(請求項17)。即ち、上記第2基準温度TS2は、第1基準温度TS1よりも低い温度であるが、凝固部として扱うことが好ましい最高の温度の状態を示す指標である。この指標としては、本発明の解析を繰り返し行って経験的に精度向上となる範囲を定めて、適宜その中から選択することが可能であるが、その経験的に精度向上となる第2基準温度TS2を、各部材の厚み等を変数として用いた関数として整理し、基本条件が変わるごとに関数から計算して求めるようにすることが好ましい。これによって、溶接すべき部材のサイズ等が変化した場合においても、より精度の高い解析を行うことができる。
上記関数としては、たとえば、2つの部材を溶接する場合に、それぞれの部材の板厚、材質、両者の接合面がなす角度(継ぎ手角度)、溶接速度、溶接条件等の前提条件に基づく関数とすることができる。上記溶接条件としては、たとえば、アーク溶接を採用する場合には、溶接電流、溶接電圧、溶接効率などがある。
また、上記半溶融部領域内での拘束係数は、少なくとも上記各部材の厚みを変数として含む関数を用いて算出することが好ましい(請求項18)。即ち、上記半溶融部領域内での拘束係数は、0超え1未満の範囲で選択することが好ましいが、最適な値は、本発明の解析を繰り返し行って経験的に精度向上となる範囲を定めて、適宜その中から選択することが可能である。特に、経験的に精度向上となる拘束係数を、上記第2基準温度TS2及び各部材の厚み等を変数として用いた関数として整理し、基本条件が変わるごとに関数から計算して求めるようにすることが好ましい。これによって、溶接すべき部材のサイズ等が変化した場合においても、より精度の高い解析を行うことができる。
上記関数としては、たとえば、2つの部材を溶接する場合に、それぞれの部材の板厚、材質、両者の接合面がなす角度(継ぎ手角度)、溶接速度、溶接条件等の前提条件、及び上記第2基準温度TS2に基づく関数とすることができる。上記溶接条件としては、たとえば、アーク溶接を採用する場合には、溶接電流、溶接電圧、溶接効率などがある。
また、上記部材のすべてが鋼部材の場合には、上記第1基準温度TS1は上記部材の降伏強度が室温における降伏強度の10%以下となる温度以上、上記第2基準温度TS2は上記部材の降伏強度が室温における降伏強度の80%となる温度以上、10%となる温度未満の範囲とすることが好ましい(請求項19)。上述したように、関数を求めて第2基準温度TS2等を求めることがより好ましいものの、単純に上記範囲から適当に値を選択して解析を行っても、従来よりは精度の高い解析を行うことが可能であり、かつ、条件設定をより簡易にすることができる。
次に、上記溶接解析方法を実施するためにコンピュータにより実行されるプログラムの発明がある(請求項20)。このプログラムを用いれば、上記優れた溶接解析方法をコンピュータによって実行することができる。
また、上記プログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体の発明がある(請求項21)。この記録媒体に記録されている上記プログラムを用いれば、上記優れた溶接解析方法をコンピュータによって実行することができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係る溶接解析方法につき、図1〜図9を用いて説明する。
本例は、図1に示すごとく、断面コ字状の第1部材81と、同じく断面コ字状であって第1部材81よりも幅寸法が広い第2部材82とを組合せ、両側面の重ね合わせ部における第2部材82の端部近傍の溶接位置85を外側から溶接する場合の、各部材における各部の温度をコンピュータによるシミュレーションによって解析する溶接解析方法である。上記第1部材81と第2部材82とは同材質であり、その融点はいずれもTyとする。
本例の溶接解析方法1は、図3に示すごとく、モデル作成工程S3と、境界条件決定工程S4と、温度計算工程S5とを有している。
また、本例では、溶接解析方法1を実行する前の予備工程として、溶接部の断面写真を撮影する工程S1と、断面写真から溶接ビード部の幅W及び深さDを測定する工程S2とを行う。
まず、上記予備工程を行うために、本例では、第1部材81と第2部材82とを実際に溶接し、その溶接の定常部における断面写真を撮影した(S1)。本例では、図2(a)に示すごとく、第1部材81と第2部材82との重なり部分のうち、第2部材82の端部821を含んで溶接ビード部80(図2(b))が形成されるように溶接した。なお、溶接の具体的方法としては、アーク溶接を採用した。
そして、図2(b)に示すごとく、上記断面写真から、溶接ビード80の深さDと幅Wを測定した(S2)。深さDとしては、本例では、溶接前の第2部材82の表面から溶接ビード部80の最も深い位置までの距離とした。また、溶接ビード部80の幅Wとしては、溶接前の第1部材81の表面位置における幅とした。なお、この深さD及び幅Wの取り方としては、若干変更しても大きな影響はない。また、幅に関しては、各部材に対応させたそれぞれの幅W1及びW2も求めた。
次に、モデル作成工程S3を行う。
モデル作成工程S3では、図5〜図7に示すごとく、面方向に並んだ複数のシェル要素2の集合体よりなり、厚み方向の位置を上記シェル要素2の積分点の層としてのレイヤー1〜レイヤー5(layer1〜layer5)(図6、図7)として把握できるようにモデル化した上記各部材81、82のモデルを作成する。
次に、境界条件決定工程S4を行う。
本例では、まず、上記モデルの一部を用い、各部材81、82に付与する仮境界条件を求める。なお、本例では、境界条件として熱流束を採用し、板表面から付与した。
各シェル要素に与える初期条件は、通常の条件、特に温度は常温とした。そして、上記の実際の溶接ビード部80の寸法を基にして、仮想溶接ビード部を想定し、各部材それぞれに対し、幅寸法W1またはW2を有する所定の長さの四角形の領域(以下、境界条件付与領域という)を設定し、この境界条件付与領域において各部材に暫定境界条件Q1、Q2をそれぞれ与える。具体的には、図6に示すごとく、第1部材81における上記境界条件付与領域に含まれるシェル要素のレイヤー1(L1)の位置に暫定境界条件Q1を付与し、第2部材82における上記境界条件付与領域に含まれるシェル要素のレイヤー1(L1)の位置に暫定境界条件Q2を付与する。このときの暫定境界条件Q1、Q2は、特に制限する必要はないが、経験によって最終的に境界条件となりうる値に近い値を採用することが好ましい。また、上記境界条件付与領域の長さ寸法は、あまり大きな影響を与えないので、適当な長さ、例えば上記Wに近い長さ等を設定する。
また、計算に先立って、仮想溶接ビード部の断面形状の輪郭を上記モデルに対応させた場合の、上記輪郭に重なる部分の少なくとも一部よりなる基準位置を定めておく。
本例では、図8に示すごとく、第1部材81のレイヤー3(layer3)における2つの節点21a、21bの間にある点を基準位置K1とした。この位置は、仮想溶接ビード部の輪郭801と重なる点であって、仮想溶接ビード部の最も深い位置に当たる点である。
また、第2部材82においては、その上端部の節点21cにおけるレイヤー5(layer5)における点を準基準位置K2とした。
そして、図4に示すごとく、上記暫定境界条件Q1、Q2を付与すると共に、上記境界条件付与領域を実際の溶接速度に合わせて移動させる条件で温度計算を行う(サブステップS401)。この段階では、第1部材81と第2部材82のシェル要素を関連づける接合処理は行わない。
次に、上記の温度計算の結果から、基準位置K1における最高温度T1と、準基準位置K2における最高温度T2を求める(サブステップS402)。
次に、基準位置K1における最高温度T1が融点Tyと一致しているか、及び準基準位置K2における最高温度T2が融点Ty以上になっているかを判断する(サブステップS403)。なお、Tyとしては、ある程度幅のある値を採用することができる。
T1とTyが一致しない、またはT2がTy以上でない場合には、サブステップS404に進み、上記暫定境界条件Q1またはQ2を変更する。具体的には、T1<Tyの場合には、暫定境界条件Q1の値を大きくし、T1>Tyの場合には、暫定境界条件Q1の値を小さくする。同様に、T2<Tyの場合には、暫定境界条件Q2の値を大きくする。なお、このT2についての上限を設けておき、その上限を超える場合に暫定境界条件Q2の値を小さくするようにしてもよい。そして、この新たな暫定境界条件Q1、Q2を用いてサブステップS401〜S403を行う。
そして、サブステップS403での判断がT1=Tyかつ少なくともT2≧Tyとなるまで上記の計算を繰り返す。
T1=TyかつT2≧Tyとなった後は、サブステップS405に進む。ここでは、上記の最終の暫定境界条件Q1、Q2(仮境界条件)を最初の暫定境界条件として、新たに温度計算を行う。ここでの計算は、基本的には上記サブステップS401と同様であるが、予め定めた条件に従って、第1部材81と第2部材82のシェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う条件で計算を行う。本例では、接合処理としてタイイング処理を採用した。具体的には、図7に示すごとく、第1部材81における例えば特定の節点21xと第2部材82の特定の節点21yとを予め定めた条件でタイイングさせる。具体的には、この節点21xの例においては、節点21yの存在する部位に暫定境界条件Q1、Q2(仮境界条件)を付与するまでは、(節点21yの自由度)=[拘束係数0]×(節点21xの自由度)として、両者を関連させない。暫定境界条件Q1、Q2(仮境界条件)を付与した後は、(節点21yの自由度)=[拘束係数1]×(節点21xの自由度)として、両者の状態量を完全に一致させる。
次に、上記の温度計算の結果から、基準位置K1における最高温度T1と、準基準位置K2における最高温度T2を求める(サブステップS406)。
次に、基準位置K1における最高温度T1が融点Tyと一致しているか、及び準基準位置K2における最高温度T2が融点Ty以上であるかを判断する(サブステップS407)。
T1とTyが一致しない、またはT2とTy以上でない場合には、サブステップS408に進み、上記暫定境界条件Q1またはQ2を変更する。具体的には、T1<Tyの場合には、暫定境界条件Q1又は/及びQ2の値を大きくし、T1>Tyの場合には、暫定境界条件Q1又は/及びQ2の値を小さくする。同様に、T2<Tyの場合には、暫定境界条件Q1又は/及びQ2の値を大きくする。なお、Q1、Q2をどのように変化させるかは予め定めておく。そして、この新たな暫定境界条件Q1、Q2を用いてサブステップS405〜S407を行う。
そして、サブステップS407での判断がT1=TyかつT2≧Tyとなるまで上記の計算を繰り返す。
サブステップS407での判断がT1=TyかつT2≧Tyとなった時点で、そのときの暫定境界条件Q1、Q2をそれぞれ境界条件に決定する。
このときのQ1、Q2を決定した際の温度分布状態の一例を図9に示す。
同図は、横軸に、第1部材及び第2部材の厚み方向の概念を示すレイヤーの位置をとり、縦軸に温度をとったものである。そして、第2部材82の特定の節点21cにおける各積分点の温度を符号A(○印)で、第1部材81の特定の節点21a及び21bの各積分点の温度を符号B(◆印)及び符号C(△印)で示した。また、基準点K1の積分点に相当する点の温度を符号D(黒四角印)で示した。基準点K1そのものは、layer3の符号D(黒四角印)の点である。また、準基準点K2の温度は、layer5の符号A(○印)の点である。
同図から知られるように、上記境界条件決定工程S4において得られた境界条件Q1、Q2は、基準点K1の温度(最高温度)が融点Tyと同一であり、かつ、準基準点K2の温度(最高温度)が融点Ty以上の温度となる熱流束である。
次に、温度計算工程S5を行う。
温度計算工程S5は、初期条件として、通常の条件を用い、境界条件としては上記境界条件決定工程S4において決定された熱流束Q1、Q2を用いる。そして、上記モデル全体溶接所望部85が溶接される際の温度計算を行う。このとき、上記境界条件決定工程S4の場合と同様に、境界条件付与領域を実際の溶接速度に合わせて移動させながら計算を行う。また、この温度計算工程S5においては、予め定めた条件に従って、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う。本例では、接合処理として、上記境界条件決定工程の場合と同じ条件によるタイイング処理を採用した。
この温度計算工程S5を行うことにより、各部の温度がどのように変化するかを解析することができる。
本例では、上記のごとく、基準位置K1の最高温度が、第1部材81の融点Tyと同一となるような境界条件Q1、Q2を用いて計算を行う。そのため、従来よりも格段に精度よく温度解析を行うことができる。
なお、この温度計算工程S5に加えて、得られた温度を基にして上記各部材81、82の熱変形量を算出する熱変形算出工程をさらに追加することができる。そして、この場合には、精度よい温度を基にするので、熱変形量の解析精度も高めることができる。
(実施例2)
本例では、実施例1の溶接解析方法を用いて実際に温度解析を行った結果を比較例と共に示す。
図10に示すごとく、本例では、12箇所の測定ポイントP1〜P11の温度を上記溶接解析方法を用いて解析した。その結果を図11に示す。同図は、横軸に時間を、縦軸に温度をとったものである。また、同図には、実際の溶接を行って上記測定ポイントP1〜P11の温度を実測した結果も併せてプロットした。なお、測定ポイントP9は、実測時にトラブルが生じてデータが得られなかったので、その実測値及び計算値の両方の記載を省略した。
また、比較のために、実施例1と同じシェル要素は用いるものの、境界条件として、表面温度が2000℃となる熱流束を用い、これを上記と同様の境界条件付与領域に付与して温度計算を行った。その結果を図12に示す。同図も、横軸に時間を、縦軸に温度をとったものである。また、同図には、上記と同様に、測定ポイントP1〜P11の温度を実測した結果も併せてプロットした。なお、この比較の場合にも、測定ポイントP9は、実測時にトラブルが生じてデータが得られなかったので、その実測値及び計算値の両方の記載を省略した。
図11と図12は、いずれも、横軸に溶接開始からの時間をとり、縦軸に温度をとったものである。そして、実測値を所定のマークのプロットで示し、計算値は実線で示した。
両図の比較から明らかなように、本発明の溶接解析方法(図11)は、比較例(図12)に比べて、実測値と計算値との間の開きが格段に少なくなっており、格段に解析精度が向上していることがわかる。
(実施例3)
本例は、実施例1、2における溶接解析方法における、上記温度計算工程に続けて、各部材の熱変形量を算出する熱変形算出工程をさらに追加した例である。
即ち、図13に示すごとく、断面コ字状の第1部材81と第2部材82の両側面の重ね合わせ部における第2部材82の端部近傍の溶接位置85を外側から溶接する場合の、第1部材81の底面中央位置860におけるZ方向変位を求める解析を行った。
図14に示すごとく、本例の熱変形計算工程S6は、上述した実施例1、2における温度計算工程S5に引き続いて、得られた温度を基にして各部材の熱変形量を算出する工程である。
熱変形計算工程S6では、図15に示すごとく、温度が一旦融点に達した領域である溶接部内において、現在の温度が、第1基準温度TS1以上の場合には溶融部領域R1、該第1基準温度TS1未満第2基準温度TS2(<TS1)以上の場合には半溶融部領域R2、該第2基準温度TS2未満の場合には凝固部領域R3と定義する領域分割を行うと共に、上記溶接部内において上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う。この接合処理を行う際には、上記各領域内での接合条件として、溶融部領域R1、半溶融部領域R2、凝固部領域R3の順に関連度合いが強くなるような異なる接合条件を用いる。
より具体的には、まず、第1基準温度TS1および第2基準温度TS2を決定するサブステップS601を行う。このサブステップは、熱変形計算工程S6に入る前に予め行っておいてもよい。本例では、第1基準温度TS1=800℃、第2基準温度TS2=550℃とする。なお、第1部材81、第2部材82の板厚等を変数とした関数によって第1基準温度TS1又は第2基準温度TS2の少なくとも一方を求めるようにしてもよい。
次に、半溶融部における拘束係数Xを求める。本例では、X=0.25とした。なお、第1部材81、第2部材82の板厚、第2基準温度TS2等を変数とした関数によって拘束係数Xを求めるようにしてもよい。また、このサブステップは、熱変形計算工程S6にはいる前に予め行っておいてもよい。
次に、サブステップS603において、溶接部内において上述した領域分割を行う。即ち、第1基準温度TS1以上の温度にある領域を溶融部領域R1と定義し、第1基準温度TS1未満であり、かつ第2基準温度TS2以上の領域を半溶融部領域R2と定義し、第2基準温度TS2未満の領域を凝固部領域R3と定義する。
次に、上記の3つの領域内での接合処理の条件として、溶融部領域R1での拘束係数を0、半溶融部領域R2での拘束係数をX=0.25、凝固部領域R3での拘束係数を1として与える。この拘束係数は、上述したように、関連づける上記シェル要素同士の節点自由度を拘束する度合いであり、計算に用いる状態量を完全に一致させる場合を拘束係数1、全く関連させずに自由にさせる場合を拘束係数0とするものである。
次に、サブステップS605において上記の接合条件で熱変形計算を行う。熱変形計算は、上述した式(数1)におけるX11〜X66の値として、上記の拘束係数を用いる。つまり、溶融部領域R1の場合には、X11〜X66=0、半溶融部領域R2の場合には、X11〜X66=0.25、凝固部領域R3の場合には、X11〜X66=1として計算を行う。
次に、サブステップS606においては、すべての計算が完了したか否かを判断し、完了していない場合には、温度計算工程S5へと戻る。
その後、再度熱変形計算工程S6に移り、サブステップS603において現在の温度に基づいて領域定義をあらためて行い、サブステップS604〜S606を繰り返す。
そしてすべての計算が完了した場合には、サブステップS606からサブステップS607に進んで解析を終了する。
以上のような熱計算工程S6を実際に追加して行った結果を、図16に符号Eとして示す。同図は、横軸に、基点86(図13)からの距離(mm)を、縦軸にZ方向変位(mm)を取ったものである。
比較のために、第1部材81の底面中央位置860上の複数の点において実際にZ方向変位を測定した実験結果も図16に示す。実験は3回実施した。第1回目の実験結果は、符号C31(記号◆)として示し、第2回目の実験結果は、符号C32(記号:黒い四角形)として示し、第3回目の実験結果は、符号C33(記号:黒い三角形)として示した。
さらに、比較のために、従来の方法、つまり、溶接部内を領域分割することなく、すべて一律の接合条件とした場合の計算結果を符号C34として示す。この方法は、一旦融点に達した溶接部内における接合条件を、一律に拘束係数1とし、溶融する前は拘束係数0とする条件としたものである。
同図から明らかなように、本発明の溶接解析方法では、上述したごとく温度計算精度の向上と、本例の熱変形計算精度の向上によって、従来(C34)に比べて、実測値(C31〜C33)と計算値(E)との間の開きが格段に少なくなることがわかる。
実施例1における、溶接部材を示す斜視図。 実施例1における、溶接部の(a)溶接前の状態、(b)溶接後の状態を示す断面図。 実施例1における、溶接解析方法の主要ステップを示すフロー図。 実施例1における、境界条件決定工程のステップを示すフロー図。 実施例1における、モデルの一部を示す説明図。 実施例1における、モデルのレイヤーの概念を示す説明図。 実施例1における、タイイング処理をした状態を示す説明図。 実施例1における、第1部材における基準点と第2部材における準基準点を示す説明図。 実施例1における、暫定境界条件を決定した際の温度分布状態の一例を示す説明図。 実施例2における、温度の測定ポイントを示す説明図。 実施例2における、本発明の解析結果を実測値を示す説明図。 実施例2における、比較例の解析結果を実測値を示す説明図。 実施例3における、熱変形計算の評価した部分を示す説明図。 実施例3における、熱変形計算工程のステップを示すフロー図。 実施例3における、接合部を溶融部領域、半溶融部領域、凝固部領域に分けた状態を示す説明図。 実施例3における、熱変形量の計算結果を示す説明図。
符号の説明
1 溶接解析方法
2 シェル要素
21 節点
81 第1部材
82 第2部材

Claims (21)

  1. 複数の部材を溶接した際の上記各部材における各部の温度を、コンピュータによるシミュレーションによって解析する溶接解析方法であって、
    面方向に並んだ複数のシェル要素の集合体よりなり、厚み方向の位置を上記シェル要素の積分点として把握できるようにモデル化した上記各部材のモデルを作成するモデル作成工程と、
    溶接によって生じると想定される仮想溶接ビード部の断面形状の輪郭を上記モデルに対応させた場合の、上記輪郭に重なる部分の少なくとも一部よりなる基準位置の最高温度が、当該基準位置を含む上記部材である基準部材の融点と同一になる初期条件又は/及び境界条件を用いて、上記モデル全体の溶接所望部が溶接される際の温度計算を行う温度計算工程とを有していることを特徴とする溶接解析方法。
  2. 請求項1において、上記基準位置は、上記仮想溶接ビード部の最も深い位置であることを特徴とする溶接解析方法。
  3. 請求項1又は2において、上記温度計算工程の前には、上記モデル又はその一部を用い、上記境界条件を求める境界条件決定工程を行うことを特徴とする溶接解析方法。
  4. 請求項3において、上記境界条件決定工程は、所定の境界条件付与領域に位置する上記シェル要素に暫定境界条件を付与した計算を、該暫定境界条件を変更しながら繰り返す繰り返し計算を行い、上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を上記境界条件に決定することを特徴とする溶接解析方法。
  5. 請求項4において、上記境界条件付与領域は、上記仮想溶接ビード部の幅に相当する幅を有する領域であることを特徴とする溶接解析方法。
  6. 請求項4又は5において、上記暫定境界条件は上記各部材に対してそれぞれ独自の条件として付与し、上記境界条件は上記各部材に対してそれぞれ決定することを特徴とする溶接解析方法。
  7. 請求項6において、上記境界条件決定工程は、上記境界条件付与領域に位置する上記各部材の上記シェル要素にそれぞれ上記暫定境界条件を付与し、かつ、予め定めた条件に従って、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
    上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することを特徴とする溶接解析方法。
  8. 請求項7において、上記境界条件決定工程は、まず、上記境界条件付与領域に位置する上記各部材の上記シェル要素にそれぞれ暫定境界条件を付与し、かつ、上記接合処理を行うことなく繰り返し計算を行い、
    上記基準部材においては、上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を仮境界条件に決定し、
    上記基準部材以外の上記部材においては、上記仮想溶接ビード部の領域内の特定の位置である準基準位置の最高温度が当該部材の融点以上になる上記暫定境界条件を仮境界条件に決定し、
    さらに、上記境界条件付与領域に位置する上記各部材の上記シェル要素に上記各仮境界条件をそれぞれ最初の暫定境界条件として付与し、かつ、予め定めた条件に従って上記接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
    上記基準位置の最高温度が上記基準部材の融点と同一になると共に、上記準基準位置の最高温度が当該部材の融点以上になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することを特徴とする溶接解析方法。
  9. 請求項8において、上記部材が第1部材と第2部材の2種類であって、上記第1部材の外側面に上記第2部材を重ね合わせた状態で溶接する際の解析を行う場合には、
    上記境界条件決定工程は、まず、上記境界条件付与領域に位置する上記第1部材の上記シェル要素に暫定境界条件を付与すると共に、上記境界条件付与領域に位置する上記第2部材の上記シェル要素に暫定境界条件を付与し、かつ、上記接合処理を行うことなく繰り返し計算を行い、
    上記第1部材における上記基準位置の最高温度が上記第1部材の融点と同一になる上記暫定境界条件を上記第1部材の上記シェル要素に付与する仮境界条件に決定し、
    上記第2部材における上記第1部材と接する位置であって上記仮想溶接ビード部の領域内に位置する特定の位置である準基準位置の最高温度が上記第2部材の融点以上になる上記暫定境界条件を上記第2部材の上記シェル要素に付与する仮境界条件に決定し、
    さらに、上記境界条件付与領域に位置する上記第1部材の上記シェル要素に上記仮境界条件を最初の暫定境界条件として付与すると共に、上記境界条件付与領域に位置する上記第2部材の上記シェル要素に上記仮境界条件を最初の暫定境界条件として付与し、かつ、予め定めた条件に従って上記接合処理を行う条件で繰り返し計算を行い、
    上記第1部材における上記基準位置の最高温度が上記第1部材の融点と同一になると共に、上記第2部材における上記準基準位置の最高温度が上記第2部材の融点以上になる上記各暫定境界条件を上記各境界条件に決定することを特徴とする溶接解析方法。
  10. 請求項3〜9のいずれか1項において、上記温度計算工程は、上記境界条件決定工程において決定された上記境界条件を用いると共に、予め定めた条件に従って、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う条件で、温度計算を行うことを特徴とする溶接解析方法。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項において、上記境界条件決定工程及び上記温度計算工程において、隣り合う上記各部材の上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行う場合には、関連づける上記シェル要素同士の節点自由度を拘束する度合いである拘束係数を0〜1の値とし、計算に用いる状態量を完全に一致させる場合を拘束係数1、全く関連させずに自由にさせる場合を拘束係数0とした場合に、温度が一旦融点に達した領域である溶接部分では拘束係数1、それ以外の部分では拘束係数0の条件とすることを特徴とする溶接解析方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項において、上記境界条件は、熱流束であることを特徴とする溶接解析方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項において、上記温度計算工程によって得られた温度を基にして上記各部材の熱変形量を算出する熱変形算出工程をさらに有することを特徴とする溶接解析方法。
  14. 請求項13において、上記熱変形算出工程は、温度が一旦融点に達した領域である溶接部内において、現在の温度が、第1基準温度TS1以上の場合には溶融部領域、該第1基準温度TS1未満第2基準温度TS2(<TS1)以上の場合には半溶融部領域、該第2基準温度TS2未満の場合には凝固部領域と定義する領域分割を行うと共に、上記溶接部内において上記シェル要素の一部同士を関連づける接合処理を行い、該接合処理を行う際には、上記各領域内での接合条件として、上記溶融部領域、上記半溶融部領域、上記凝固部領域の順に関連度合いが強くなるような異なる接合条件を用いることを特徴とする溶接解析方法。
  15. 請求項14において、上記接合処理における接合条件は、関連づける上記シェル要素同士の節点自由度を拘束する度合いである拘束係数を0〜1の値とし、計算に用いる状態量を完全に一致させる場合を拘束係数1、全く関連させずに自由にさせる場合を拘束係数0とした場合に、上記溶融部領域内では拘束係数0に、上記半溶融部領域内では拘束係数を0超え1未満に、上記凝固部領域内では拘束係数1に設定することを特徴とする溶接解析方法。
  16. 請求項14又は15において、上記第1基準温度TS1は、上記部材の降伏強度が、室温における降伏強度の10%以下になる最低温度とすることを特徴とする溶接解析方法。
  17. 請求項14〜16のいずれか1項において、上記第2基準温度TS2は、少なくとも上記各部材の厚みを変数として含む関数を用いて算出することを特徴とする溶接解析方法。
  18. 請求項17において、上記半溶融部領域内での拘束係数は、少なくとも上記各部材の厚みを変数として含む関数を用いて算出することを特徴とする溶接解析方法。
  19. 請求項14〜18のいずれか1項において、上記部材のすべてが鋼部材の場合には、上記第1基準温度TS1は上記部材の降伏強度が室温における降伏強度の10%以下となる温度以上、上記第2基準温度TS2は上記部材の降伏強度が室温における降伏強度の80%となる温度以上、10%となる温度未満の範囲とすることを特徴とする溶接解析方法。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の溶接解析方法を実施するためにコンピュータにより実行されるプログラム。
  21. 請求項20に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
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