JP2009128085A - 有限要素法による残留応力解析方法 - Google Patents

有限要素法による残留応力解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】3次元有限要素法モデルを用いて残留応力を高い解析精度で解析できると共に、解析時間を短縮できること。
【解決手段】円筒管10の有限要素法による残留応力解析方法において、解析対象範囲である解析モデル化範囲を、解析対象となる円筒管10における溶接進行方向(周方向θ)の一部分に限定し、当該円筒管10をモデル化した3次元有限要素法モデル15を用いて伝熱解析及び熱弾塑性解析を実行することで、溶接による残留応力を解析するものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、溶接構造物に発生する残留応力を有限要素法によって解析する有限要素法による残留応力解析方法に関する。
一般に、配管などの溶接構造物には、溶接時の熱源によって引き起こされる急激且つ局所的な温度変化に伴う熱膨張及び熱収縮により残留応力が発生する。原子力発電所の炉内機器などでは、この発生する残留応力の値によっては、応力腐食割れなどの問題を起こすことがあるために、溶接時の残留応力を予測することは溶接構造物の健全性を評価する上で重要である。
このような溶接時の残留応力を、大型計算機などを用いて数値解析により予測する従来の残留応力解析方法について説明する。残留応力解析の手順としては、主に伝熱現象を解く伝熱解析を行う工程と、伝熱解析で得られた温度時刻歴(温度履歴)を用いた熱弾塑性解析を行う工程からなる。ここで伝熱解析と熱弾塑性解析は同時に解析される場合と、それぞれ個別に解析される場合とがある。
前記伝熱解析では、溶接条件(電流値、電圧値、溶接速度、溶接効率など)から溶接部への入熱量を決定し、一つの溶接ビード、あるいは複数の溶接ビードをグループ化した溶接ビード群に入熱を与え、溶接構造物全体の温度分布と温度履歴を計算して複数のビードやビード群に対して伝熱解析を実施する。
熱弾塑性解析では、伝熱解析で得られた溶接構造体全体の温度分布および温度履歴を温度情報として、一つの溶接ビードあるいは溶接ビード群の熱弾塑性応力を計算し、最終的に得られた応力が残留応力となる。これらの伝熱解析及び熱弾塑性解析が特許文献1に記載されている。
ところで、有限要素法を用いて熱弾塑性解析を行う場合、解析精度の向上を図るためには、解析モデルの次元数(2次元、3次元など)や要素数を増やすことが一般的である。しかしながら、解析モデルの次元数や要素数の増加に比例して解析時間が増大してしまう。このため、解析に要する時間を短縮する方法として、例えば特許文献2には、3次元有限要素法モデルを用いる場合に、解析モデル化範囲を溶接部近傍に限定して残留応力を予測することが提案されている。
更に、残留応力を予測する別の方法として、溶接構造物の残留変形やひずみ量を任意点について測定し、残留変形量を強制変位データあるいは固有ひずみデータとして解析モデルに与え、溶接構造物の応力・ひずみ関係を弾性解析から求めることで、残留応力を予測する方法が、例えば特許文献3に提案されている。上述の各特許文献に記載のように、残留応力解析方法としては、解析精度の向上、計算時間の短縮及び計算費用の削減などを目的に種々の解析方法が提案されている。
特開2006−337233号公報 特開2003−194637号公報 特開2005−66646号公報
残留応力を高精度に解析するための最も信頼性の高い解析手法は、3次元有限要素法モデルを用いて溶接パスごとに、実際の入熱状況を模擬した解析を行うことが挙げられる。しかしながら、実際の原子力発電所における溶接構造物などの溶接パス数は、多いもので250パス程度あり、大規模な3次元解析を行う場合には、現在の大型計算機の性能をもってしても多大な計算時間と計算費用が必要で、未だ実用の域ではない。そのために、工学的に有効な解析解を得るための代替案として、2次元有限要素法モデルを用いて残留応力を解析する手法が一般的に認知されている。
ところで、前記溶接構造物の残留応力解析を2次元有限要素法モデルで行う場合には、溶接構造物の幾何学形状たとえば配管径や板厚などにより、溶接構造物内部で3次元的な拘束が強く発生する条件が存在していたり、溶接構造的が2次元有限要素法モデルではモデル化しにくい複雑な形状であることがあり、これらの場合には解析精度が低くなるという課題がある。
また、特許文献2の場合には、3次元有限要素法モデルを用いるものの、解析モデル化範囲が溶接部付近に限定され、しかも表層付近の溶接過程に限定して伝熱解析がなされているため、残留応力の解析が高精度に実施されているとはいえない場合がある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、3次元有限要素法モデルを用いて残留応力を高い解析精度で解析できると共に、解析時間を短縮できる有限要素法による残留応力解析方法を提供することにある。
本発明は、溶接構造物の有限要素法による残留応力解析方法において、解析対象範囲である解析モデル化範囲を、解析対象となる前記溶接構造物における溶接進行方向の一部分に限定し、当該溶接構造物をモデル化した3次元有限要素法モデルを用いて伝熱解析及び熱弾塑性解析を実施することで、溶接による残留応力を解析することを特徴とするものである。
本発明によれば、3次元有限要素法モデルを用いることで、溶接中の3次元的な変形挙動の影響が大きな溶接構造物や、2次元有限要素法モデルではモデル化しにくい複雑な形状の溶接構造物に対しても、当該溶接構造物を正確にモデル化できるので、残留応力を高い解析精度で解析できる。また、解析モデル化範囲を溶接構造物における溶接進行方向の一部分に限定することで、解析時間を短縮できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1の実施の形態(図1〜図15)
図1は、本発明に係る有限要素法による残留応力解析方法における第1の実施の形態が適用される溶接構造物としての円筒管の溶接前の状態を示す軸方向断面図である。図2は、図1の円筒管を突き合わせ溶接したときの溶接部を示す断面図である。図3は、図1における溶接後の円筒管の一部をモデル化した3次元有限要素法モデルを示す斜視図である。
有限要素法による残留応力解析方法の解析対象となる溶接構造物は、本実施の形態では図1に示すような円筒管10であり、図2に示す周方向溶接部11を有する。この円筒管10は、円筒管部品12A、12Bのそれぞれに形成された開先端13A、13Bを突き合わせ、この突き合わせ部分を溶接棒(不図示)を用いて周方向に溶接して周方向溶接部11を形成することで構成される。周方向溶接部11は、例えば図2に例示するように、5層5パスの溶接を実施して形成されたものであり、第1溶接パス14A、第2溶接パス14B、第3溶接パス14C、第4溶接パス14D、第5溶接パス14Eが下側から順次積層されてなる。この円筒管10には、周方向溶接部11付近に残留応力が発生し、この残留応力を本実施形態により解析する。
ここで、残留応力の解析過程で実施される温度校正(後述)を実施するために、モックアップ試験を実施する。このモックアップ試験では、例えば外径が89.1mmで、肉厚が7.6mmの円筒管10を用い、この円筒管10の周方向溶接部11が5層5パスの溶接にて形成されたものを用いる。このモックアップ試験において、図8(A)に示すように、周方向溶接部11近傍に温度測定装置(例えば熱電対)を設置して、円筒管10の溶接中の温度を測定する。更に、溶接完了後において切断解放法を実施して、円筒管10の軸方向に沿い、所定角度離間した例えば3本の測定ライン(図15の測定Aライン、測定Bライン、測定Cライン)上で、円筒管10の内外表面の残留応力を測定する。
本実施の形態の有限要素法では、解析対象範囲である解析モデル化範囲を溶接構造物における溶接進行方向の一部分、即ち円筒管10における周方向θの一部分に限定して、周方向溶接部11を含む円筒管10をモデル化した、図3に示す3次元有限要素法モデル15を用いる。そして、この3次元有限要素法モデル15を用いて伝熱解析及び熱弾塑性解析を実行することで、溶接による残留応力を解析する。これらの伝熱解析及び熱弾塑性解析は、円筒管10の3次元有限要素法モデル15を用いて、周方向溶接部19(3次元有限要素法モデル15において円筒管10の周方向溶接部11をモデル化したもの)の各溶接パス(第1溶接パス14A〜第5溶接パス14Eをモデル化したもの)について実行する。
一般に、3次元有限要素法モデルは、2次元有限要素法モデルを回転または押し出すことで作成される。図3に示す3次元有限要素法モデル15は、半径方向rと軸方向Zのr‐Z断面を有する図5に示す2次元有限要素法モデル16を周方向θに回転させることによって作成される。従って、この2次元有限要素をモデル16は2次元軸対称モデルとなっている。これらの3次元有限要素法モデル15と2次元有限要素法モデル16のそれぞれは、図3〜図5に示すように、三角形または4角形などの予め定められた形状の要素17に細かく分割されている。
また、3次元有限要素法モデル15では、周方向θの境界面18A、18B(図4(B))に対して、溶接構造物が円筒管10であることを考慮して境界条件(即ち、境界面18A、18Bが周方向θに対して機械的に拘束されていること)が設定されている。
また、3次元有限要素法モデル15における境界面18A及び18B近傍の要素17では、これらの境界面18A、18Bの反対側を、境界面18A及び18B近傍の要素17と同一の温度条件として、この境界面18A及び18B近傍の要素17について伝熱解析及び熱弾塑性解析を実行する。しかし、境界面18A及び18Bの影響を無視できるように、これらの境界面18A及び18B近傍の要素17を残留応力の評価対象外とするので、有限要素法モデル15は、周方向θに対し要素数を少なくとも3個(本実施の形態では4個)有するように設定する。同様の理由で、残留応力の評価位置は、3次元有限要素法モデル15における周方向θの中央位置M(図4(B))が好ましい。
ところで、計算を簡略化するために、伝熱解析及び熱弾塑性解析において図5に示す2次元有限要素法モデル16(2次元軸対称モデル)のみを用いて、円筒管10の残留応力を解析する従来の解析手法では、溶接に伴う入熱形態が実際と異なってしまう。つまり、溶接に伴う入熱形態は実際には熱源が移動することから、3次元的な挙動となる。2次元有限要素法モデル16では、溶接を模擬した入熱を与えたとき、当該2次元有限要素法モデル16の特性上、その周方向溶接部20における周方向の溶接パスが環状に全体的に加熱されることになり、実際に熱源が移動する入熱形態とは異なってしまう。実際の溶接は局所的な加熱現象であり、熱源から離れた場所は低温であって変形せず、溶接トーチ近傍の熱膨張や熱収縮の変形を拘束している。
2次元有限要素法モデル16により円筒管10の内外表面の軸方向残留応力を求めた解析結果は、図15の破線に示すものであり、実際の周方向溶接部11近傍の残留応力測定データ(測定Aラインの内面と外面、測定Bラインの内面と外面、測定Cラインの内面と外面)と比較したとき、解析精度が低いものとなっている。
そこで、以下に、本実施の形態における有限要素法モデル15を用いた、伝熱解析及び熱弾塑性解析からなる第1の残留応力解析手法を説明する。
3次元有限要素法モデル15を用いた溶接による残留応力の解析は、まず、3次元有限要素法モデル15を作成する段階で作成される2次元有限要素法モデル16(図5)を用いて伝熱解析を実行する。
つまり、この2次元有限要素法モデル16を用いた伝熱解析では、最初に、第1溶接パス14A〜第5溶接パス14E毎に用いる電流値、電圧値、溶接速度及び溶接効率などの溶接条件から、これらの各溶接パス14A〜14Eをモデル化した要素17への入熱量及び入熱量時間変化を求める。この入熱量時間変化は、溶接トーチが移動することを考慮して、2次元有限要素法モデル16の場合には図7に示すように台形状に仮定する。この図7の入熱量時間変化は、円筒管10の実際の溶接時における周方向溶接部11の第5溶接パス14Eの場合を示している。
そして、各溶接パス14A〜14Eが周方向及び積層方向に順次形成される毎に、これらの溶接パス14A〜14Eをモデル化した要素17へ、上述のようにして求めた入熱量及び入熱量時間変化を与える。更に、円筒管10及び溶接パス14A〜14Eとして使用する各金属の熱伝導率及び表面熱伝達率などの解析条件に基づき、2次元有限要素法モデル16における温度分布、及び2次元有限要素法モデル16の全ての要素17についての温度履歴などの温度情報を解析して求める。
その後、この伝熱解析結果と実際の溶接時に測定された温度測定データとを比較して当該伝熱解析結果の温度校正を行って、入熱量及び入熱量時間変化を決定する。
上記温度校正とは、伝熱解析の解析結果と実際の温度測定データとを一致または近づける作業であり、2次元有限要素法モデル16において各溶接パス形成時の溶接効率を調整して、単位体積当りの入熱量と入熱量時間変化を決定する。この2次元有限要素法モデル16を用いた伝熱解析結果と、実際の温度測定データとを図8(B)に対比して示す。
次に、この2次元有限要素法モデル16で決定した入熱量及び入熱量時間変化を、3次元有限要素法モデル(伝熱解析用)15に適用して伝熱解析を行って温度情報を求める。
つまり、2次元有限要素法モデル16で決定した入熱量及び入熱量時間変化を、3次元有限要素法モデル15の全ての要素17に溶接の進行に合わせて順次入力して伝熱解析を実行し、この3次元有限要素法モデル15における温度分布、及びこの3次元有限要素法モデル15の全ての要素17についての温度履歴などの温度情報を求める。
この場合、3次元有限要素法モデル15における周方向θに沿う複数の要素17、例えば図4に示す周方向溶接部19の第5溶接パスをモデル化した複数の要素17(図9)では、発熱させる各要素17の周方向長さ(溶接進行方向長さ)L0は、溶接速度Vとの関係から求めたL0/Vの値(時間)が、図7に示す入熱量時間変化が終了する時間(トータル時間)Tと等しいか、又はそれ以上となるように設定することが好ましい。これは、上記時間L0/Vが上記トータル時間T未満である場合には、2次元有限要素法モデル16での入熱状態と同等であるとみなせなくなるからである。
その後、3次元有限要素法モデル15を用いた伝熱解析によって求めた温度情報を、3次元有限要素法モデル15(応力解析用)に用いて熱弾塑性解析を実行する。
つまり、3次元有限要素法モデル15(伝熱解析用)を用いた伝熱解析によって得られた温度情報に基づき、3次元有限要素法モデル15(応力解析用)を用いて、周方向溶接部19における溶接パスが形成される順に熱弾塑性解析を実行し、この3次元有限要素法モデル15において応力分布を算出する。そして、各溶接パスが形成された順に求めた応力分布を順次計算し、最後の第5溶接パスが形成された際の熱弾塑性解析結果を加算したときの応力分布を、円筒管10に生じた残留応力であるとして求める。
尚、図9に示す3次元有限要素法モデル15(伝熱解析用)の周方向θに沿う複数の要素17のそれぞれの周方向長さL0が、そのL0/Vの値が入熱量時間変化の終了する時間T未満となって不充分となった場合には、以下のように要素17をグルーピング化して(図10)、伝熱解析を実行する。
つまり、2次元有限要素法モデル16を用いた伝熱解析により決定した入熱量時間変化と溶接速度とから求めた、入熱量時間変化が終了する時間T(図7)に進む溶接進行距離L1と、3次元有限要素法モデル15における溶接進行方向の複数の要素17に対してグルーピング化を行ったときのグルーピング化された要素群の溶接進行長さL2(例えば図10に示すように、3次元有限要素法モデル15における周方向溶接部19の第5溶接パスをモデル化した周方向θの複数の要素17に対してグルーピング化を行ったときの、グルーピング化された要素群23の周方向長さL2)とが、L1≦L2の関係を有するように当該グルーピング化を行う。
そして、このグルーピング化した要素群23毎に、2次元有限要素法モデル16により決定された入熱量及び入熱量時間変化を順次与えて伝熱解析を実行する。この伝熱解析結果の温度情報を、3次元有限要素法モデル(応力解析用)15による熱弾塑性解析に用いることで残留応力を解析する。
上述の第1の残留応力解析手順を図6のフローチャートを用いて更に説明する。
まず、伝熱解析用と応力解析用の2種類の3次元有限要素法モデル15を作成し(S1)、このうち伝熱解析用の3次元有限要素法モデル15を選択する(S2)。そして、この3次元有限要素法モデル15を作成する段階で作成された2次元有限要素法モデル16に溶接速度、溶接効率などの溶接条件を入力する(S3)。
2次元有限要素法モデル16を用いた伝熱解析では、溶接条件から入熱量及び入熱量時間変化(図7参照)を求め、これらの入熱量等と、円筒管10及び周方向溶接部11を構成する金属の熱伝導率及び表面熱伝達率とから、2次元有限要素法モデル16について温度履歴などの温度情報を解析する(S4)。
次に、円筒管10のモックアップ試験から得られた温度測定データを用い(S5)、ステップS4で求めた解析結果と上記温度測定データとを比較する(S6)。
両者が不一致の場合には、溶接条件の溶接効率を変更して入熱量及び入熱量時間変化を変え、これらの入熱量等を用いてステップS4の解析を再度実行し、この解析結果と温度測定データとを一致させる温度校正を実行する。
この温度校正により温度測定データと一致した解析結果を解析したときの入熱量及び入熱量時間変化を、3次元有限要素法モデル15(伝熱解析用)に適用して伝熱解析を実行し(S7)、温度履歴等の温度情報を求め、温度情報ファイルを作成する(S8)。
その後、次の溶接パスについての伝熱解析を実行するために、3次元有限要素法モデル15に当該溶接パスをモデル化した要素17を追加して(S9、S2)、ステップS3〜S8の手順を実行し、すべての溶接パスについて上述の伝熱解析を実行する。
次に、ステップS1にて作成された3次元有限要素法モデル15から、応力解析用の3次元有限要素法モデル15を選択し(S10)、この3次元有限要素法モデル15に、第1溶接パスを溶接したときにステップS8にて作成された温度情報を入力して(S11)、応力分布を算出する(S12)。
その後、次の溶接パスについて、熱弾塑性解析を実行するために、有限要素法モデル15に当該溶接パスをモデル化した要素17を追加し(S13、S10)、ステップS11及びS12の手順を実行して応力分布を算出し、当該応力分布を前回算出した応力分布に加算する。全ての溶接パスについて上述の熱弾塑性解析を実行して、最後に得られた応力を残留応力とする(S14)。
次に、3次元有限要素法モデル15を用いた、伝熱解析及び熱弾塑性解析からなる第2の残留応力解析手法を説明する。
3次元有限要素法モデル15を用いた溶接による残留応力の解析は、まず、3次元有限要素法モデル(伝熱解析用)15に、溶接条件より求めた入熱量及び入熱分布を与え、溶接速度と解析時に設定した解析時間刻みに基づき、図12に示すように、熱源位置21を溶接進行方向(周方向θ)に順次移動させて、3次元有限要素法モデル15の全ての要素17に対して伝熱解析を行い、3次元有限要素法モデル15における温度分布、及び3次元有限要素法モデル15の全ての要素17についての温度履歴等の温度情報を求める。
この場合、熱源位置21が離散的に移動することになるが、この離散的移動距離Pが無視できる範囲内で上記解析時間刻みを設定する。
つまり、例えば、図13に示すように、溶接時の発熱モデルとして二楕円体発熱密度分布モデル22を用いて熱源位置21を離散的に移動させる場合には、この熱源位置21の離散的な移動距離Pが、発熱モデルのパラメータである溶接進行方向の後方距離a2以下となるような解析時間刻みを設定し、この解析時間刻みと溶接速度に基づき、熱源位置21を溶接進行方向に離散的に移動させて順次伝熱解析を行う。熱源位置21の離散的移動距離Pを上述のように設定することで、発熱領域が連続的に繋がることになる。
上記二楕円体発熱密度分布モデル22を、周方向溶接部19の第5溶接パスを一例として説明すると、パラメータa1、a2、b、cは、a1=3.79mm、a2=7.21mm、b=5.03mm、c=5.03mmである。このとき、解析時間刻みを5.75秒に設定すると、溶接速度が1.22mmの場合には、熱源位置21の離散的移動距離Pは約7mmとなり、パラメータa2(熱源位置21の溶接進行方向後方距離)以下になる。この結果、発熱領域が連続的に繋がることになる。
次に、上述のようにして伝熱解析したときの伝熱解析結果と実際の溶接時に測定された温度測定データとを比較して当該伝熱解析結果の温度校正を行って温度情報を決定する。
図14(B)に3次元有限要素法モデル15による上述の伝熱解析結果と、モックアップ試験による温度測定データとを比較して示す。この温度測定データは、図8(B)に示したものと同一であり、図8(A)及び図14(A)に示す円筒管10の周方向溶接部11における第5溶接パス14Eを形成したときの温度履歴である。また、この温度校正は、溶接条件の溶接効率と解析時間刻みを変更することで、伝熱解析による温度情報を温度測定データに一致させる。
その後、温度校正により決定された温度情報を、3次元有限要素法モデル15(応力解析用)の全ての要素17に対して用いることで熱弾塑性解析を実行する。
この熱弾塑性解析は、前述の第1の残留応力解析手法と同様であり、3次元有限要素法モデル15(伝熱解析用)を用いた伝熱解析によって得られた温度情報に基づき、3次元有限要素法モデル15(応力解析用)を用いて、周方向溶接部19における溶接パスが形成される順に熱弾塑性解析を実行し、この3次元有限要素法モデル15において応力分布を算出する。そして、各溶接パスが形成された順に求めた応力分布を順次計算し、最後の第5溶接パスが形成された際の熱弾塑性解析結果を加算したときの応力分布を、円筒管10に生じた残留応力であるとして求める。
上述の第2の残留応力解析手法を、図11に示すフローチャートを用いて更に説明する。
まず、伝熱解析用と応力解析用の2種類の3次元有限要素法モデル15を作成し(S21)、このうち伝熱解析用の3次元有限要素法モデル15を選択して(S22)、この3次元有限要素法モデル15に溶接速度、溶接効率などの溶接条件を入力する(S23)。
この3次元有限要素法モデル15を用いた伝熱解析では、溶接条件から求めた入熱量及び入熱分布を3次元有限要素法モデル15に与え、発熱モデルとして二楕円体発熱密度分布モデル22(図13)を用い、溶接速度と解析時間刻みに基づいて熱源位置21を順次移動させ、3次元有限要素法モデル15の全ての要素17について伝熱解析を実行し、温度情報を求める(S24)。
次に、円筒管10のモックアップ試験で得られた温度測定データを用い(S25)、ステップS24で求めた解析結果と上記温度測定データとを比較する(S26)。
両者が不一致の場合には、溶接条件の溶接効率を変更して入熱量及び入熱分布を変えると共に、解析時間刻みを変更し、これらの入熱量及び解析時間刻みなどを用いてステップS24の解析を再度実行し、この解析結果と温度測定データとを一致させる温度校正を実行する。
この温度校正により温度測定データと一致したときの解析結果(温度情報)に基づき温度情報ファイルを作成する(S27)。
その後、次の溶接パスについての伝熱解析を実行するために、3次元有限要素法モデル15に当該溶接パスをモデル化した要素17を追加して(S28、S21)、ステップS23〜S27の手順を実行し、すべての溶接パスについて上述の伝熱解析を実行する。
次に、ステップS21にて作成された3次元有限要素法モデル15から、応力解析用の3次元有限要素法モデル15を選択し(S29)、この3次元有限要素法モデル15に、第1溶接パスを溶接したときにステップS27にて作成された温度情報を入力して(S30)、応力分布を算出する(S31)。
その後、次の溶接パスについて、熱弾塑性解析を実行するために、有限要素法モデル15に当該溶接パスをモデル化した要素17を追加し(S32、S29)、ステップS30及びS31の手順を実行して応力分布を算出し、当該応力分布を前回算出した応力分布に加算する。全ての溶接パスについて上述の熱弾塑性解析を実行して、最後に得られた応力を残留応力とする(S33)。
以上のように構成されたことから、円筒管10の内外表面における軸方向及び周方向の残留応力について、本実施の形態により解析して求めた解析結果とモックアップ試験による測定データとを比較すると、軸方向残留応力については、図15に示すように、従来の2次元有限要素法モデル16のみを用いた解析結果(破線)が測定データと一致していないのに対し、本実施の形態の3次元有限要素法モデル15を用いた解析結果(実線)は、第1及び第2の残留応力解析手法のいずれの場合にも、測定データと一致する結果が得られる。
このように、3次元有限要素法モデル(伝熱解析用、応力解析用)15を用いることで、溶接中の3次元的な変形挙動の影響が大きな円筒管10に対して、当該円筒管10を正確にモデル化できるので、軸方向及び周方向の残留応力を高い解析精度で解析できる。また、解析モデル化範囲を円筒管10における溶接進行方向(周方向θ)の全てとせず、その一部分に限定することで、解析時間を短縮することができる。
[B]第2の実施の形態(図16)
図16は、本発明に係る有限要素法による残留応力解析方法における第2の実施の形態が適用される溶接構造物としての円筒管及び平板の溶接後の状態を示す断面図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態では、溶接構造物が円筒管30と平板31であり、この円筒管30の周方向の一部を平板31に溶接する周方向溶接部32を有し、この周方向溶接部32を含む円筒管30及び平板31を3次元有限要素法モデルにより解析する際に、解析モデル化範囲34を、円筒管30における周方向溶接部32と非溶接部33を含む周方向の一部としている。例えば、円筒管30は、原子炉圧力容器35内のジェットポンプのライザー管であり、平板31は、ライザー管を固定するためのライザーブレースである。
上述の解析モデル化範囲34が円筒管30(ライザー管)の周方向溶接部32と非溶接部33とを含むことから、溶接によって拘束される部分と自由に変形できる部分の双方を解析対象とすることができる。この結果、解析モデル化範囲34を用いて第1の実施の形態と同様に伝熱解析及び熱弾塑性解析を実行することにより、溶接中の円筒管30及び平板31の3次元的変形挙動を正確に模擬できるので、前記第1の実施の形態と同様な効果を奏することができる。
[C]第3の実施の形態(図17)
図17は、(A)が、本発明に係る有限要素法による残留応力解析方法における第3の実施の形態が適用される溶接構造物としての板材及びブロックの溶接後の状態を示す斜視図であり、(B)が、図17(A)のブロック等の側面図である。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態では、溶接構造物が平板あるいは湾曲した板等の板材40とブロック41であり、この板材40にブロック41を、全周溶接または周方向に部分的に溶接する周方向溶接部42を有し、この周方向溶接部42を含む板材40及びブロック41を3次元有限要素法モデルにより解析する際に、解析モデル化範囲43を、ブロック41において、最初に溶接される辺44Aに垂直な方向の解析境界面45から当該解析境界面45に対向する端面46までの範囲としている。例えば、板材40は、原子炉圧力容器内のシュラウドであり、ブロック41はトップガイド・レストレイントブロックである。
平板あるいは湾曲した板材40にブロック41を全周溶接または部分的に周方向溶接する場合の、溶接によるブロック41の3次元的変位挙動を考察する。ブロック41の溶接される辺を44A、44B、44C、44Dとし、溶接順序を44A→44B→44C→44Dとする。まず辺44Aを溶接すると、ブロック41は、辺44Aの熱ひずみにより辺44Aを中心に矢印α方向に傾く(図17(B))。次に、辺44Aの対辺にあたる辺44Bを溶接すると、ブロック41は同様に、辺44Bの熱ひずみにより、辺44Bを中心に矢印β方向に傾こうとするが、辺44Aの拘束が強いために、辺44Bの溶接後に微小ながら矢印α方向に傾いた状態が残る。このような変形状態で残りの辺44C、辺44Dの順に溶接すると、辺44Aと辺44Bの溶接による拘束条件が強いことから、ブロック41の全ての辺44A〜44Dを溶接した後でも、ブロック41は結果的に矢印α方向に傾いた状態が残ることになる。
解析モデル化範囲43を上述のように、最初に溶接される辺44Aに垂直な方向の解析境界面45から、この解析境界面45に対向するブロック41の端面46までの範囲に設定することで、板材40及びブロック41の溶接中の3次元的挙動を正確に模擬できるので、前記第1の実施の形態と同様な効果を奏することができる。
[D]第4の実施の形態(図18)
図18は、本発明に係る有限要素法による残留応力解析方法における第4の実施の形態が適用される溶接構造物としての板材及び支柱の溶接後の状態を示す斜視図である。この第4の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態では、溶接構造物が平板あるいは湾曲した板等の板材50と四角柱形状の支柱51であり、これらの板材50と支柱51を一方向に溶接する一方向溶接部52を有し、この一方向溶接部52を含む板材50及び支柱51を3次元有限要素法モデルにより解析する際に、解析モデル化範囲53を、支柱51における溶接線端部54から溶接線進行方向中央位置55付近までとしている。例えば、板材50は原子炉圧力容器であり、支柱51は、原子炉圧力容器に立設されるシュラウドサポート56のサポートレグである。尚、図中符号57は、ジェットポンプ用のサポートプレートを示す。
従来の2次元有限要素法モデルでは、2次元軸対称モデルまたは平面モデルを用いていたが、どちらのモデルを選択した場合にも実機の溶接構造物の形状をモデル化できない欠点があった。このような2次元モデル化し難い複雑な形状に対しても、本実施形態では3次元有限要素法モデルを用いることから、実機の溶接構造物を忠実にモデル化できる。
また、支柱51(サポートレグ)の溶接進行方向中央位置55付近と溶接線端部54とでは、端部効果により残留応力が異なることが推測される。従って、解析モデル化範囲53を、支柱51(サポートレグ)の溶接線端部54から溶接進行方向中央位置55付近までとすることで、シュラウドサポート56のサポートレグ(支柱51)における溶接部の全体的な残留応力分布を正確に推定でき、前記第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本実施の形態では、原子力発電所の炉内機器における溶接継手部の残留応力の解析について説明したが、これに限定するものではなく、一般的な溶接継手についても本発明を用いて残留応力を解析することができる。
本発明に係る有限要素法による残留応力解析方法における第1の実施の形態が適用される溶接構造物としての円筒管の溶接前の状態を示す軸方向断面図。 図1の円筒管を突き合わせ溶接したときの溶接部を示す断面図。 図1における溶接後の円筒管の一部をモデル化した3次元有限要素法モデルを示す斜視図。 (A)は図3のIVA部を拡大した斜視図、(B)は図3のIVB矢視図。 (A)は図3の3次元有限要素法モデルの作成段階で作成される2次元有限要素法モデルを示す図3のV矢視図、(B)は図5(A)のVB部を拡大した拡大図。 本発明に係る有限要素法による残留応力解析方法における第1の実施の形態の第1の残留応力解析手法を示すフローチャート。 図6の伝熱解析において、溶接時の入熱を模擬した入熱量時間変化を示すグラフ。 (A)は温度測定点位置を示す溶接後の円筒管の軸方向断面図、(B)は図6の伝熱解析における伝熱解析結果と温度測定データとを比較して示すグラフ。 図3及び図4における3次元有限要素法モデルのうち、第5溶接パスをモデル化した要素を示す斜視図。 図3及び図4における3次元有限要素法モデルのうち、第5溶接パスをモデル化した要素をグルーピング化した状態を示す斜視図。 本発明に係る有限要素法による残留応力解析方法における第1の実施の形態の第2の残留応力解析手法を示すフローチャート。 図11の伝熱解析において、熱源位置の移動状態を示す3次元有限要素法モデルの斜視図。 図11の伝熱解析において用いられる、発熱モデルとしての二楕円体発熱密度分布モデルを示す斜視図。 (A)は温度測定点位置を示す溶接後の円筒管の軸方向断面図、(B)は図11の伝熱解析における伝熱解析結果と温度測定データとを比較して示すグラフ。 (A)及び(B)は図6または図11の残留応力解析手法により解析した残留応力と残留応力測定データとを比較して示すグラフ、(C)は円筒管を示す断面図。 本発明に係る有限要素法による残留応力解析方法における第2の実施の形態が適用される溶接構造物としての円筒管及び平板の溶接後の状態を示す断面図。 (A)は本発明に係る有限要素法による残留応力解析方法における第3の実施の形態が適用される溶接構造物としての板材及びブロックの溶接後の状態を示す斜視図、(B)は図17(A)のブロック等の側面図。 本発明に係る有限要素法による残留応力解析方法における第4の実施の形態が適用される溶接構造物としての板材及び支柱の溶接後の状態を示す斜視図。
符号の説明
10 円筒管
11 周方向溶接部
14A 第1溶接パス
14B 第2溶接パス
14C 第3溶接パス
14D 第4溶接パス
14E 第5溶接パス
15 3次元有限要素法モデル
16 2次元有限要素法モデル
17 要素
18A、18B 境界面
19 周方向溶接部
21 熱源位置
22 二楕円体発熱密度分布モデル
30 円筒管
31 平板
32 周方向溶接部
33 非溶接部
34 解析モデル化範囲
40 板材
41 ブロック
42 周方向溶接部
43 解析モデル化範囲
44A〜44D 辺
45 解析境界面
46 端面
50 板材
51 支柱
52 一方向溶接部
53 解析モデル化範囲
54 溶接線端部
55 溶接線進行方向中央位置
L0 周方向長さ
P 離散的移動距離

Claims (11)

  1. 溶接構造物の有限要素法による残留応力解析方法において、
    解析対象範囲である解析モデル化範囲を、解析対象となる前記溶接構造物における溶接進行方向の一部分に限定し、
    当該溶接構造物をモデル化した3次元有限要素法モデルを用いて伝熱解析及び熱弾塑性解析を実施することで、溶接による残留応力を解析することを特徴とする有限要素法による残留応力解析方法。
  2. 前記伝熱解析及び前記熱弾塑性解析は、3次元有限要素法モデルを用いて、溶接構造物における溶接部の各溶接パスについて実行することを特徴とする請求項1に記載の有限要素法による残留応力解析方法。
  3. 前記3次元有限要素法モデルは、溶接進行方向に対し要素数を少なくとも3個有することを特徴とする請求項1記載の有限要素法による残留応力解析方法。
  4. 前記溶接構造物が円筒管であって周方向溶接部を有し、この周方向溶接部を含む前記円筒管を3次元有限要素法モデルにより解析する際に、解析モデル化範囲を、前記円筒管における周方向の一部としたことを特徴とする請求項1記載の有限要素法による残留応力解析方法。
  5. 前記溶接構造物が円筒管と平板であり、この円筒管の周方向の一部を前記平板に溶接する周方向溶接部を有し、この周方向溶接部を含む前記円筒管及び前記平板を3次元有限要素法モデルにより解析する際に、解析モデル化範囲を、前記円筒管における周方向溶接部と非溶接部を含む周方向の一部としたことを特徴とする請求項1記載の有限要素法による残留応力解析方法。
  6. 前記溶接構造物が平板あるいは湾曲した板等の板材とブロックであり、この板材に前記ブロックを周方向に溶接する周方向溶接部を有し、この周方向溶接部を含む前記板材及び前記ブロックを3次元有限要素法モデルにより解析する際に、解析モデル化範囲を、前記ブロックにおいて、最初に溶接される辺に垂直な方向の解析境界面から当該解析境界面に対向する端面までの範囲としたことを特徴とする請求項1記載の有限要素法による残留応力解析方法。
  7. 前記溶接構造物が平板あるいは湾曲した板等の板材と四角柱形状の支柱であり、これらの板材と支柱を一方向に溶接する一方向溶接部を有し、この一方向溶接部を含む前記板材及び前記支柱を3次元有限要素法モデルにより解析する際に、解析モデル化範囲を、前記支柱における溶接線端部から溶接線進行方向中央位置付近までとしたことを特徴とする請求項1記載の有限要素法による残留応力解析方法。
  8. 前記3次元有限要素法モデルを用いた溶接による残留応力の解析は、まず、前記3次元有限要素法モデルを作成する段階で作成される2次元有限要素法モデルを用いて伝熱解析を実行し、この伝熱解析結果と実際の溶接時に測定された温度測定データとを比較して当該伝熱解析結果の温度校正を行って、入熱量及び入熱量時間変化を決定し、
    次に、この2次元有限要素法モデルで決定した入熱量及び入熱量時間変化を、前記3次元有限要素法モデルに適用して伝熱解析を行って温度情報を求め、
    次に、この温度情報を、前記3次元有限要素法モデルによる熱弾塑性解析に用いることを特徴する請求項1記載の有限要素法による残留応力解析方法。
  9. 前記溶接構造物の溶接進行方向に対して複数の要素を備えた3次元有限要素法モデルにおいて、各要素の溶接進行方向長さが不十分な場合には、2次元有限要素法モデルを用いた伝熱解析により決定した入熱量時間変化と溶接速度とから求めた入熱量時間変化が終了する時間に進む溶接進行距離L1と、前記3次元有限要素法モデルにおける溶接進行方向の複数の要素に対してグルーピング化を行ったときのグルーピング化された要素群の溶接進行長さL2とが、L1≦L2の関係を有するように当該グルーピング化を行い、
    このグルーピング化した要素群毎に、前記2次元有限要素法モデルにより決定された入熱量及び入熱量時間変化を順次与えて伝熱解析を実行し、この伝熱解析結果の温度情報を熱弾塑性解析に用いることを特徴する請求項8に記載の有限要素法による残留応力解析方法。
  10. 前記3次元有限要素法モデルを用いた溶接による残留応力の解析は、まず、前記3次元有限要素法モデルに、溶接条件より求めた入熱量及び入熱分布を与え、溶接速度と解析時に設定した解析時間刻みに基づき熱源位置を溶接進行方向に順次移動させて伝熱解析を行って温度情報を求め、
    この伝熱解析結果と実際の溶接時に測定された温度測定データとを比較して当該伝熱解析結果の温度校正を行って温度情報を決定し、
    次に、この温度情報を、前記3次元有限要素法モデルによる熱弾塑性解析に用いることを特徴する請求項1記載の有限要素法による残留応力解析方法。
  11. 前記熱源位置を、溶接時の発熱モデルとして二楕円体発熱密度分布モデルを用いて離散的に移動させる場合には、この離散的な熱源位置の移動距離が、前記発熱モデルのパラメータである溶接進行方向の後方距離以下となるような解析時間刻みを設定し、この解析時間刻みと溶接速度に基づき、前記熱源位置を溶接進行方向に離散的に移動させて順次伝熱解析を行い、
    この伝熱解析結果の温度情報を、温度校正を実行した後に熱弾塑性解析に用いることを特徴する請求項10に記載の有限要素法による残留応力解析方法。
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