JP2020037065A - リグニンの分解方法及び芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン液体を用いてリグニンから分解生成物を高い収率で得ることができると共に、使用したイオン液体を容易に分離・回収可能なリグニンの分解方法を提供すること。また、芳香族化合物を高い収率で得ることが可能な、芳香族化合物の製造方法を提供すること。【解決手段】ピリジン環を有するイオン液体と、水と、リグニンと、を含む処理液を、固体酸触媒に接触させて、リグニンを解重合させる工程を備える、リグニンの分解方法。【選択図】図1

Description

本発明は、リグニンの分解方法、及び当該方法による芳香族化合物の製造方法に関する。
リグニンは、セルロースやヘミセルロースとともにバイオマスの主成分の一つであり、高分子の芳香族化合物である。リグニンは、様々な植物に含まれているが、その化学構造は植物によって異なると共に、複雑な構造を有しているため、そのままでは工業用の原料として活用しにくい。そのため、リグニンからより低分子の芳香族化合物を得るために、リグニンを分解する方法が種々検討されている。例えば、リグニンから得られる芳香族化合物の一種であるフェノール性化合物は、合成樹脂、医薬・農薬、界面活性剤等の原料として利用され、重要な化合物として知られている。リグニンを分解して芳香族化合物を得る方法として、例えば特許文献1には、リグニンを酸化反応により分解し、エステル化反応やカップリング反応を経由してデヒドロジバニリン酸ジアルキルエステルを製造する方法が開示されている。
特開2017−171591公報
ところで、リグニンがイオン液体に溶解することを利用して、イオン液体に溶解したリグニンを触媒を用いて分解し、分解生成物として芳香族化合物を製造する方法がある。これまでにも、イオン液体や触媒の種類、反応条件等を変えることで、芳香族化合物を含む分解生成物をリグニンから効率的に得る方法が検討されてきた。しかし、反応後のイオン液体には、未反応のリグニン、分解生成物、触媒等が含まれており、これらの分離は容易ではないことから、イオン液体を分離・回収して再利用することが難しいという問題があった。イオン液体の再利用に加えて、リグニンの分解により分解生成物を得るプロセスの効率化やコスト低減、分解生成物を回収し易くする等の観点からも、イオン液体をそれ以外の成分から容易に分離・回収できる方法が望まれている。また、イオン液体の分離・回収が容易であると共に、リグニンから分解生成物を高い収率で得られる方法が望まれている。
そこで、本発明は、イオン液体を用いてリグニンから分解生成物を高い収率で得ることができると共に、使用したイオン液体を容易に分離・回収可能なリグニンの分解方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記方法を用いて、芳香族化合物を高い収率で得ることが可能な、芳香族化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、ピリジン環を有するイオン液体と、水と、リグニンと、を含む処理液を、固体酸触媒に接触させて、上記リグニンを解重合させる工程を備える、リグニンの分解方法に関する。
上記方法によれば、触媒として固体酸触媒を用いることにより、塩酸等の均一系触媒を用いた場合と比較して、イオン液体や分解生成物と触媒とを分離しやすく、イオン液体の分離・回収を容易に行えるようにすることできる。これにより、イオン液体を再利用しやすく、また、固体酸触媒も再利用しやすくなる。一方で、固体酸触媒を用いた場合、均一系触媒を用いた場合よりも分解生成物の収率が低下しやすいが、上記方法によれば、ピリジン環を有するイオン液体と水と固体酸触媒とを組み合わせて用いることにより、リグニンから分解生成物を高い収率で得ることができる。
上記方法を用いると、リグニンから分解生成物を高い収率で得ることができるため、分解生成物に含まれる芳香族化合物を高い収率で得ることが可能となる。
一態様において、上記イオン液体が下記式(1)で表されるものであってもよい。

[式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル基又は置換もしくは非置換のアルケニル基を示し、Xは一価の陰イオンを示す。]
一態様において、上記固体酸触媒がゼオライト、シリカアルミナ及び硫酸ジルコニアからなる群より選択される少なくとも一種を含んでもよい。
本発明の他の一側面は、上述の方法により上記リグニンを分解して芳香族化合物を得る工程を備え、上記芳香族化合物が単環芳香族化合物及び二環芳香族化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含む、芳香族化合物の製造方法に関する。
一態様において、上記芳香族化合物が単環芳香族化合物を含んでもよい。
本発明によれば、イオン液体を用いてリグニンから分解生成物を高い収率で得ることができると共に、使用したイオン液体を容易に分離・回収可能なリグニンの分解方法が提供される。また、本発明によれば、上記方法を用いて、芳香族化合物を高い収率で得ることが可能な、芳香族化合物の製造方法が提供される。
実施例1−1において得られたリグニンの分解生成物のガスクロマトグラムである。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に何ら限定されるものではない。
本実施形態に係るリグニンの分解方法は、ピリジン環を有するイオン液体と、水と、リグニンと、を含む処理液を、固体酸触媒に接触させて、リグニンを解重合させる工程を備えている。
本実施形態に係る方法によれば、触媒として固体酸触媒を用いることにより、イオン液体の分離・回収を容易に行えるようにすることができる。また、ピリジン環を有するイオン液体と水と固体酸触媒とを組み合わせて用いることにより、リグニンから分解生成物を高い収率で得ることができる。
本実施形態に係る方法を用いると、リグニンから分解生成物を高い収率で得ることができるため、分解生成物に含まれる芳香族化合物を高い収率で得ることが可能となる。
(ピリジン環を有するイオン液体)
本実施形態で用いるイオン液体は、ピリジン環を有する。イオン液体はカチオン成分とアニオン成分とを含有してよく、イオン液体のカチオン成分はピリジン環を有していてよい。
ピリジン環を有するカチオン成分は、ピリジン環の窒素原子が4級化されたピリジニウムカチオンであってよい。ピリジニウムカチオンの窒素原子に結合した水素原子は、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子等の置換基で置換されていてもよいが、リグニンとの親和性の観点から、好ましくはアルキル基又はアルケニル基で置換されており、より好ましくはアルケニル基で置換されている。
水素原子がアルキル基で置換されているピリジニウムカチオンとしては、例えば、1−メチルピリジニウムカチオン、1−エチルピリジニウムカチオン、1−プロピルピリジニウムカチオン、1−イソプロピルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−へキシルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−へキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,4−ジメチルピリジニウムカチオン等が挙げられる。
水素原子がアルケニル基で置換されているピリジニウムカチオンとしては、例えば、1−アリルピリジニウムカチオン(1−(2−プロペニル)ピリジニウムカチオン)、1−ブテニルピリジニウムカチオン等が挙げられる。
本実施形態において、カチオン成分としてピリジニウムカチオンを含有するイオン液体は、好ましくは下記式(1)で表されるイオン液体である。

[式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル基又は置換もしくは非置換のアルケニル基を示し、Xは一価の陰イオンを示す。]
Rで示されるアルキル基は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基及び環状アルキル基のいずれであってもよいが、リグニンとの親和性の観点から、好ましくは置換基を有していない直鎖状アルキル基である。アルキル基の炭素数は、例えば1〜30であってよく、分子の大きさの観点から、好ましくは1〜15、より好ましくは2〜8、更に好ましくは3又は4である。このようなアルキル基を有するピリジニウムカチオンとしては、1−ブチルピリジニウムカチオンであってよい。
Rで示されるアルケニル基は、置換基を有していてもよく、直鎖状アルケニル基、分岐状アルケニル基及び環状アルケニル基のいずれであってもよいが、リグニンとの親和性の観点から、好ましくは置換基を有していない直鎖状アルケニル基である。アルケニル基の炭素数は、例えば1〜30であってよく、分子の大きさの観点から、好ましくは1〜15、より好ましくは2〜8、更に好ましくは3又は4である。このようなアルケニル基を有するピリジニウムカチオンとしては、1−アリルピリジニウムカチオン(1−(2−プロペニル)ピリジニウムカチオン)であってよい。
で示される一価の陰イオンは、例えば、Cl、Br、I、BF 、N(SOF) 、AlCl 、PF 、ClO 、NO 等の無機アニオン、CHCHOSO 、B(C 、CHSO、CFSO、N(SO 、N(SOCF 、N(SO 等の有機アニオン等が挙げられるが、安定性の観点から、好ましくは無機アニオン、より好ましくはCl及びBrである。
イオン液体は、アニオン交換法、酸エステル法、中和法等の公知の方法を用いて調製してもよく、市販品であってもよい。イオン液体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(リグニン)
本実施形態で用いるリグニンは特に限定されないが、例えば、アルカリリグニン、オルガノソルブリグニン、ソルボリシスリグニン、糸状菌処理リグニン、ジオキサンリグニン、ミルドウッドリグニン、爆砕リグニン、酢酸リグニン、硫酸リグニン、加水分解リグニン等であってよく、これらの混合物であってもよい。
リグニンは、公知の方法を用いてバイオマス等の原料から抽出したものであってもよく、市販品であってもよい。
リグニンは、リグニンをアセチル化、メチル化、ベンゾイル化、リン酸エステル化、ニトロ化、スルホン化等することによって作製されたリグニン誘導体であってもよい。
リグニンの重量平均分子量は、その原料や抽出方法に依存し、特に限定されないが、例えば100以上であってよく、500以上であってよく、1,000以上であってもよい。また、リグニンの重量平均分子量は、例えば500,000以下であってよく、100,000以下であってよく、20,000以下であってもよい。なお、本明細書中、リグニンの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算で表される重量平均分子量の値を示す。
(固体酸触媒)
本実施形態で用いる固体酸触媒は特に限定されず、例えば、ゼオライト、シリカアルミナ、硫酸ジルコニア、シリカ、タングステン酸ジルコニア、リン酸ジルコニア、シリカジルコニア、シリカマグネシア、メソポーラスシリカ、マクロメソポーラスシリカ、アルミナボリア、アルミナ、イオン交換樹脂等が挙げられるが、酸量及び酸強度の観点から、好ましくはゼオライト、シリカアルミナ及び硫酸ジルコニアである。本実施形態において、固体酸触媒は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ゼオライトと総称される結晶性多孔質アルミノケイ酸塩は、一つの結晶内に分子サイズの微空間(ナノスペース)を有している。また、その結晶構造により分類され、LTA(A型)、MFI(ZSM−5型)、MOR、BEA、FER、FAU(X型、Y型)、SAPO、ALPO、ゼオライトベータといった数多くの種類のゼオライトが存在する。固体酸触媒はこれらのうちいずれか1種のゼオライトを含むものであってよく、2種以上のゼオライトを含むものであってよい。
シリカアルミナは、構成元素としてSi及びAlを含むものであれば特に限定されない。シリカアルミナは、例えば、Si及び/又はAlを無機酸化物として含むものであってもよく、複合酸化物(例えば、シリカ−アルミナ)を含むものであってもよい。
硫酸ジルコニアは、例えば、ジルコニアに硫酸を担持して焼成する方法によって調製されたものであってよく、市販の硫酸ジルコニアであってもよい。また、多孔質シリカにジルコニアを担持又はコーティングしたのち、硫酸化したものであってもよい。
固体酸触媒がシリカ及びアルミナを含む場合、固体酸触媒のケイバン比(シリカ/アルミナのモル比)は、例えば2以上であってよく、酸量の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上である。また、固体酸触媒のケイバン比は、例えば1,000以下であってよく、酸量の観点から、好ましくは500以下、より好ましくは200以下である。
固体酸触媒の比表面積は、例えば5m/g以上であってよく、反応性の観点から、好ましくは10m/g以上、より好ましくは40m/g以上である。また、固体酸触媒の比表面積は、例えば900m/g以下であってよく、反応性の観点から、好ましくは800m/g以下、より好ましくは700m/g以下である。比表面積は通常知られているBET法によって測定できる。
本実施形態において、固体酸触媒には、金属元素が担持されていてもよい。金属元素としては、例えば、Pt、La、Pd、Cu、Ag、Au、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、V、Ti等が挙げられ、反応性の観点から、好ましくはPt、La等である。金属元素は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
固体酸触媒に担持される金属元素の供給源としては、例えば、金属元素を含む塩又は触媒が用いられる。金属元素を含む塩は、例えば、無機塩、有機酸塩、又はこれらの水和物であってよい。無機塩は、例えば、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、リン酸塩、炭酸塩等であってよい。有機塩は、例えば、酢酸塩、しゅう酸塩等であってよい。金属元素を含む錯体は、例えば、アルコキシド錯体、アンミン錯体等であってよい。
本実施形態において、固体酸触媒が上述の金属元素を担持したものである場合、固体酸触媒に担持される上記金属元素の量は、例えば、固体酸触媒100質量部に対して0.05質量部以上であってよく、0.5質量部以上であってよく、0.75質量部以上であってよい。また、固体酸触媒に担持される上記金属元素の量は、例えば、固体酸触媒100質量部に対して10質量部以下であってよく、5質量部以下であってよく、2質量部以下であってもよい。
固体酸触媒の形状は特に限定されるものではなく、粉末状、ペレット状、タブレット状、ビーズ状等であってよい。
固体酸触媒は、担体に担持又はコーティングして用いてもよい。担体としては、シリカ、アルミナ、ゼオライト、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア等が挙げられる。担体は、より高い活性を得る観点から、多孔質担体であってよく、メソ孔を有するメソポーラス担体又はマクロ孔を有するマクロポーラス担体であってよく、より好ましくはマクロ孔を有するマクロポーラス担体又はメソ孔及びマクロ孔を併せ持つマクロ・メソポーラス担体である。また、担体に担持又はコーティングされた固体酸触媒には、上述した金属元素が担持されていてもよい。
本実施形態において、処理液は、粘度の観点から、水を含有している。水は、特に限定されないが、例えば、蒸留水、純水、超純水等であってよい。
本実施形態において、処理液は、ピリジン環を有するイオン液体、水及びリグニン以外の成分を含有していてよく、そのような成分としては、セルロース、ヘミセルロース、灰分等が挙げられる。
処理液におけるリグニンの濃度は、例えば1重量%以上であってよく、経済性の観点から、好ましくは2重量%以上、より好ましくは3重量%以上である。また、処理液におけるリグニンの濃度は、例えば20重量%以下であってよく、反応性の観点から、好ましくは12重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
本実施形態において、処理液を固体酸触媒に接触させる方法は特に限定されないが、例えば、固体酸触媒を充填した反応器を用い、当該反応器に処理液を接触させることにより実施してよい。反応器は、流通式反応器であってよく、バッチ式反応器であってもよい。
本実施形態において、反応形式は、例えば、固定床式、移動床式又は流動床式であってよい。
本実施形態において、処理液を固体酸触媒に接触させる際の温度は、反応器内の温度ということもできる。上記温度は、例えば100℃以上であってよく、反応性の観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上である。また、上記温度は、例えば500℃以下であってよく、イオン液体の分解の観点から、好ましくは300℃以下、より好ましくは220℃以下である。
本実施形態において、処理液を固体酸触媒に接触させる時間は、例えば1時間以上であってよく、反応率向上の観点から、好ましくは2時間以上である。また、上記時間は、例えば12時間以下であってよく、経済性の観点から、好ましくは6時間以下、より好ましくは4時間以下である。
本実施形態において、処理液を連続的に供給する流通式の反応器を用いて行う場合、重量空間速度(以下、「WHSV」という。)は、例えば0.1h−1以上であってよく、経済性の観点から、好ましくは0.5h−1以上、より好ましくは1.0h−1以上である。また、WHSVは、例えば6.0h−1以下であってよく、反応率向上の観点から、好ましくは5.0h−1以下、より好ましくは4.0h−1以下である。ここで、WHSVとは、連続式の反応装置における、固体酸触媒の質量Wに対する処理液の供給速度(供給量/時間)Fの比(F/W)である。
本実施形態に係る方法は、リグニンを、ピリジン環を有するイオン液体と水との混合物に溶解させて、処理液を得る工程を更に備えていてもよい。溶解させる方法は特に限定されず、混合攪拌させる方法等であってよい。
本実施形態に係る方法を用いると、リグニンから分解生成物を得ることができる。分解生成物は、例えば、後述する芳香族化合物、芳香族化合物以外の化合物等を含んでいてよい。芳香族化合物以外の化合物としては、例えば、2−メチル−2−ペンチノール、2−メチル−2−ペンテナール等が挙げられる。
(芳香族化合物の製造方法)
本実施形態に係る芳香族化合物の製造方法は、上述の方法によりリグニンを分解して芳香族化合物を得る工程を備えている。本実施形態において、芳香族化合物は、単環芳香族化合物及び二環芳香族化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含んでいる。芳香族化合物は、好ましくは単環芳香族化合物を含んでいる。
なお、本発明における芳香族化合物は、ベンゼン環を含む化合物だけではなく、Huckel則に従うπ電子を(4n+2)個有する環状共役構造を含む化合物を意味する。
単環芳香族化合物は、五員環又は六員環を1つ有する芳香族化合物であってよい。五員環を1つ含む芳香族化合物としては、例えば、フラン、テトラヒドロフラン、シクロペンタノン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾリン等が挙げられる。六員環を1つ含む芳香族化合物としては、例えば、ベンゼン、ベンズアルデヒド、ピリジン、メキノール、メトキシフェニル、スチレン、キシレン、フェノール、クレゾール、キシレノール、トルエン、サリチル酸、フェニル酢酸等が挙げられる。このような単環芳香族化合物は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等のアルキル基、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等のアルキレン基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基等のアルコキシ基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基等のアルキリデン基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、アルデヒド基、アミノ基、ビニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。なお、これらの置換基によって複数の箇所が置換されていてもよく、置換基がこれらの置換基で更に置換されていてもよい。
二環芳香族化合物は、五員環及び六員環からなる群から選択される2つの環を有する芳香族化合物であってよい。そのような芳香族化合物としては、例えば、ペンタレン、インデン、ナフタレン、テトラリン(1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン)、ビフェノール、アズレン、ヘプタレン、オクタレン、インドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、フタラジン、プテリジン、クマリン、ベンゾフラン等が挙げられる。このような二環芳香族化合物は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等のアルキル基、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等のアルキレン基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基等のアルコキシ基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基等のアルキリデン基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、アルデヒド基、アミノ基、ビニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙げられる。なお、これらの置換基によって複数の箇所が置換されていてもよく、置換基がこれらの置換基で更に置換されていてもよい。
本実施形態に係る製造方法は、上述の工程で得られた芳香族化合物を含む分解生成物、固体酸触媒、ピリジン環を有するイオン液体、及び未反応のリグニンをそれぞれ分離し、回収する工程を更に備えてもよい。イオン液体を回収して再利用することで、芳香族化合物の収量を一層増加させることができる。
本実施形態において、芳香族化合物を含む分解生成物、固体酸触媒、ピリジン環を有するイオン液体と水との混合物(以下、イオン液体溶液ともいう)、及び未反応のリグニンをそれぞれ分離し、回収する方法は、特に限定されない。例えば、反応後の溶液をろ過することによって、固形分(固体酸触媒及び未反応のリグニン)を分離・回収することができる。また、ろ過によって得られたろ液にエーテルを加えて、エーテル層とイオン液体溶液を含むイオン液体層とに分離し、エーテル層にある芳香族化合物を含む分解生成物とイオン液体層にあるイオン液体溶液とを分離・回収することができる。その後、イオン液体溶液から水を除去してイオン液体のみを分離・回収し、当該イオン液体を再利用してもよいが、水を除去することなくイオン液体溶液をそのまま再利用してもよい。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1−1)
<イオン液体の調製>
アセトニトリル10mlにピリジン8ml(0.10mol)及び臭化アリル8.6ml(0.10mol)を添加した後、マイクロ波(150W)を9分間照射して加熱することにより反応させ、反応液を得た。その後、当該反応液をエーテルで洗浄することにより、イオン液体相を抽出した。次いで、減圧蒸留及び真空蒸留によってイオン液体相からアセトニトリルを除去し、収率99質量%以上で1−アリルピリジニウムブロミド(以下、[APy]Brともいう)を得た。
<リグニンの分解試験>
密閉型反応管にアルカリリグニン0.50g、イオン液体として1−アリルピリジニウムブロミド([APy]Br)5.0gを入れ、混合撹拌し、アルカリリグニンを[APy]Brに溶解させた。得られた溶液に、固体酸触媒として、硫酸化ジルコニア触媒(SO 2−/ZrO、ジルコニア触媒(ZrO、第一希元素化学工業社製)を硫酸化した触媒)0.50g及び水0.50gを更に加え、マグネチックスターラーにて撹拌しながら、200℃のオイルバス中で3時間反応させた。反応後、アセトニトリル10gを加え、固形分(固体酸触媒及び未反応リグニン)をろ過した。ろ液にエーテル20mLを加え、エーテル層とイオン液体層に分離した。エーテル層に溶解した分解生成物をロータリーエバポレーターを用いてエーテルを除去した後、ガスクロマトグラフ(GC−FID、島津製作所社製、GC−2025;GC−MS、島津製作所社製、GCMS−QP5050)を用いて分析した。上記ガスクロマトグラフに基づき、採取された分解生成物の各成分(単位:Cmol)を定量した。この方法により、分解生成物と、固体酸触媒と、イオン液体とを容易に且つ確実に分離することができる。
炭素原子のモル数から、反応開始時から3時間が経過した時点における、保持時間(Retention time)が9.89〜36.03分の範囲内にある分解生成物(以下、分解生成物RT1ともいう)の収率を算出した。
なお、分解生成物RT1の収率は式(2)で定義される。
分解生成物RT1の収率=(分解生成物中の分解生成物RT1を構成する炭素原子の総モル数/反応前のリグニンを構成する炭素原子のモル数)×100 (2)
図1は、実施例1−1において得られたリグニンの分解生成物のガスクロマトグラムである。図1中、分解生成物1〜6は分解生成物RT1に含まれる分解生成物の例であり、分解生成物1は2−メチル−2−ペンチノール、分解生成物2は4−メチルペンズアルデヒド、分解生成物3はメキノール、分解生成物4は2−(2−メチルプロピリデン)シクロペンタノン、分解生成物5は2−エチル−4,6,−ジメチルピリジン、分解生成物6は1−メチレネペント−2−エチルベンゼンを示す。
(実施例1−2)
<イオン液体の調製>
アセトニトリル10mlにピリジン8ml(0.10mol)及び臭化ブチル8.7ml(0.10mol)を添加した後、マイクロ波(150W)を9分間照射して加熱することにより反応させ、反応液を得た。その後、当該反応液をエーテルで洗浄することにより、イオン液体相を抽出した。次いで、減圧蒸留及び真空蒸留によってイオン液体相からアセトニトリルを除去し、収率99質量%以上で1−ブチルピリジニウムブロミド(以下、[BPy]Brともいう)を得た。
<リグニンの分解試験>
1−アリルピリジニウムブロミド([APy]Br)に代えて1−ブチルピリジニウムブロミド([BPy]Br)を用いたこと以外は、実施例1−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って分解生成物RT1の収率を算出した。
(実施例1−3)
硫酸ジルコニア触媒(SO 2−/ZrO、比表面積:45[m/g])0.50gに代えて合成したHZSM−22(ゼオライト系固体酸触媒、比表面積:345[m/g]、ケイバン比:60[mol/mol])0.50gを用いたこと以外は、実施例1−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って分解生成物RT1の収率を算出した。
(比較例1−1)
1−アリルピリジニウムブロミド([APy]Br)に代えて1−ブチルメチルイミダゾールブロミドを用いたこと以外は、実施例1−3と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って分解生成物RT1の収率を算出した。
上記の実施例1−1〜1−3及び比較例1−1の各結果を表1に示す。
(実施例2−1)
硫酸ジルコニア触媒(SO 2−/ZrO、比表面積:45[m/g])0.50gに代えてベータゼオライト(ゼオライト系固体酸触媒、東ソー社製、組成:NaO 0.15[%]、SO 0.03、Al 5.2[%]、SiO 94.6[%]、比表面積:614[m/g]、ケイバン比:30.9[mol/mol])0.50gを用いたこと以外は、実施例1−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行った。
炭素原子のモル数から、反応開始時から3時間が経過した時点における、保持時間(Retention time)が9.89〜36.03分の範囲内にある分解生成物(以下、分解生成物RT2ともいう)の収率を算出した。分解生成物RT2は2−メチル−2−ペンチノール、2−メチル−2−ペンテナール等を含むものである。
なお、分解生成物RT2の収率は式(3)で定義される。
分解生成物RT2の収率=(分解生成物中の分解生成物RT2を構成する炭素原子の総モル数/反応前のリグニンを構成する炭素原子のモル数)×100 (3)
(実施例2−2)
ベータゼオライト0.50gに代えてZSM−5(ゼオライト系固体酸触媒、東ソー社製、組成:NaO 0.06[%]、Al 5.6[%]、SiO 94.3[%]、比表面積:345[m/g]、ケイバン比:28.6[mol/mol])0.50gを用いたこと以外は、実施例2−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って分解生成物RT2の収率を算出した。
(実施例2−3)
ベータゼオライト0.50gに代えてZSM−5(ゼオライト系固体酸触媒、東ソー社製、組成:NaO 0.02[%]、Al 5.5[%]、SiO 94.5[%]、比表面積:351[m/g]、ケイバン比:29.5[mol/mol])0.50gを用いたこと以外は、実施例2−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って分解生成物RT2の収率を算出した。
(実施例2−4)
ベータゼオライト0.50gに代えてZSM−5(ゼオライト系固体酸触媒、東ソー社製、組成:NaO 0.01[%]、Al 4.4[%]、SiO 95.6[%]、比表面積:364[m/g]、ケイバン比:37.3[mol/mol])0.50gを用いたこと以外は、実施例2−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って分解生成物RT2の収率を算出した。
(実施例2−5)
ベータゼオライト0.50gに代えてZSM−5(ゼオライト系固体酸触媒、東ソー社製、組成:Al 1.7[%]、SiO 98.4[%]、比表面積:364[m/g]、ケイバン比:101.3[mol/mol])0.50gを用いたこと以外は、実施例2−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って分解生成物RT2の収率を算出した。
(実施例2−6)
シリカ(触媒化成社製)にジルコニアをコーティングさせたのち、硫酸化することで、硫酸化ジルコニアシリカ触媒(SZr/SiO、ジルコニア含有量:10質量%、比表面積:250[m/g])を得た。ベータゼオライトに代えて当該硫酸化ジルコニアシリカ触媒0.50gを用いたこと以外は、実施例2−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って分解生成物RT2の収率を算出した。
(実施例2−7)
合成したメソポーラスシリカ(SBA−15)にジルコニアをコーティングさせたのち、硫酸化することで、硫酸化ジルコニアメソポーラスシリカ触媒(SZr/SiO、ジルコニア含有量:10質量%、比表面積:420[m/g])を得た。ベータゼオライト0.50gに代えて当該硫酸化ジルコニアメソポーラスシリカ触媒0.50gを用いたこと以外は、実施例2−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って分解生成物RT2の収率を算出した。
(実施例2−8)
合成したマクロメソポーラスシリカ(MMS)にジルコニアをコーティングさせたのち、硫酸化することで、硫酸化ジルコニアマクロメソポーラスシリカ触媒(SZr/MMS、ジルコニア含有量:10質量%、比表面積:520[m/g])を得た。ベータゼオライト0.50gに代えて硫酸化ジルコニアマクロメソポーラスシリカ触媒0.50gを用いたこと以外は、実施例2−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って分解生成物RT2の収率を算出した。
上記の実施例2−1〜2−8の各結果を表2に示す。
(実施例3−1)
<イオン液体の調製>
アセトニトリル10mlにピリジン8ml(0.10mol)及び塩化アリル5.4ml(0.10mol)を添加した後、マイクロ波(150W)を9分間照射して加熱することにより反応させ、反応液を得た。その後、当該反応液をエーテルで洗浄することにより、イオン液体相を抽出した。次いで、減圧蒸留及び真空蒸留によってイオン液体相からアセトニトリルを除去し、収率99質量%以上で1−アリルピリジニウムクロリド([APy]Cl)を得た。
<リグニンの分解試験>
硫酸ジルコニア触媒(SO 2−/ZrO、ジルコニア(ZrO、第一希元素化学工業社製)を硫酸化した触媒、比表面積:45[m/g])0.454gを管型反応器に充填し、反応管を固定床流通式反応装置に接続した。アルカリリグニン0.282gを1−プロピルピリジニウムクロリド([APy]Cl)及び水に溶解した80℃の混合液を下記条件で管型反応器に供給した。
・反応時間 3時間
・反応器内温度 150℃
・WHSV 3.8h−1
・供給量比 アルカリリグニン:[APy]Cl:水=1.19:81.43:17.38(モル比)
反応後、アセトニトリルを加え、固形分(固体酸触媒及び未反応リグニン)をろ過した。ろ液にエーテルを加え、エーテル層とイオン液体層に分離した。エーテル層に溶解した分解生成物をロータリーエバポレーターを用いてエーテルを除去した後、ガスクロマトグラフ(GC−FID、島津製作所社製、GC−2025;GC−MS、島津製作所社製、GCMS−QP5050)を用いて分析した。上記ガスクロマトグラフに基づき、採取された分解生成物の各成分(単位:Cmol)を定量した。
炭素原子のモル数から、所定の反応温度での反応生成物に関する、保持時間(Retention time)が9.89〜36.03分の範囲内にある分解生成物の成分(フルフリルアルコール、ベンズアルデヒド、2,6−ジメチルスチレン、2,6−キシレノール、4−ビニルフェノール、イソ−クレオソール(2−メトキシ−5−メチルフェノール)、6−メチルサリチル酸エチル、4−ヒドロキシフェニル酢酸、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2,2'−ビフェノール、ブチルヒドロキシトルエン及び1−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)プロパン−1−オン、これら以外の化合物)の各収率を算出した。なお、各成分の収率は式(4)で定義される。
各成分の収率=(分解生成物中の各成分を構成する炭素原子のモル数/反応前のリグニンを構成する炭素原子のモル数)×100 (4)
(実施例3−2)
反応器内温度を170℃としたこと以外は、実施例3−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って各成分の収率を算出した。
(実施例3−3)
反応器内温度を190℃としたこと以外は、実施例3−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って各成分の収率を算出した。
(実施例3−4)
反応器内温度を210℃としたこと以外は、実施例3−1と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って各成分の収率を算出した。
(実施例3−5)
硫酸ジルコニア触媒(SO 2−/ZrO)に代えてPtを担持させた硫酸ジルコニア触媒(Pt−SO 2−/ZrO、Pt含有量:1.0質量%、)を用いたこと以外は、実施例3−4と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って各成分の収率を算出した。
(実施例3−6)
硫酸ジルコニア触媒(SO 2−/ZrO)に代えてLaを担持させた硫酸ジルコニア触媒(La−SO 2−/ZrO、La含有量:1.0質量%)を用いたこと以外は、実施例3−4と同様にリグニンを分解し、分解生成物の定量を行って各成分の収率を算出した。
上記の実施例3−1〜3−6の各結果を表3に示す。

Claims (5)

  1. ピリジン環を有するイオン液体と、水と、リグニンと、を含む処理液を、固体酸触媒に接触させて、前記リグニンを解重合させる工程を備える、リグニンの分解方法。
  2. 前記イオン液体が下記式(1)で表される、請求項1に記載の方法。

    [式中、Rは置換もしくは非置換のアルキル基又は置換もしくは非置換のアルケニル基を示し、Xは一価の陰イオンを示す。]
  3. 前記固体酸触媒がゼオライト、シリカアルミナ及び硫酸ジルコニアからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法により前記リグニンを分解して芳香族化合物を得る工程を備え、
    前記芳香族化合物が単環芳香族化合物及び二環芳香族化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含む、芳香族化合物の製造方法。
  5. 前記芳香族化合物が単環芳香族化合物を含む、請求項4に記載の製造方法。
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