上記特許文献1に記載の技術は、運転者が適切な運転ができない状況において、車両の進行方向の道路を縦横に分割したマップ上に、進路変更リスク、減速停止リスク等のリスク事項を地図情報及び画像センサーからの情報を基に数値化してマッピングし、そのマップに従って車両を自動運転により退避させるものである。しかし、この技術は、他の自動車等と接触又は衝突した場合、当該他の自動車に追従して退避させる技術とは異なる。
本発明の目的は、自らが乗車する自動運転車が他の車両との接触後に、接触した他の車両に自動的に追従しながら自動走行し、安全な位置に迅速に退避させることにある。
本発明においては、カーナビゲーション機能により設定された目的地へのルートに沿って自動走行する自動運転車において、当該自動運転車の走行中に直前の自動車との距離を検出する距離検出手段と、当該自動運転車の前方を撮像する撮像手段と、当該自動運転車が外部と接触したことを検出する接触検出手段と、上記接触検出手段が上記自動運転車が上記設定された目的地へ向かっての走行中に直前の自動車との接触を検出した場合、上記設定されたルートに拘わらず、上記撮像手段により撮像した上記接触した前方の自動車の映像に基づき、かつ、上記距離検出手段により上記接触した自動車と所定の範囲内の距離だけ離隔した状態にて、上記接触した自動車に追従する自動運転を優先するように制御する制御手段と、を有する。
この構成により、本発明の自動運転車は、上記撮像手段及び上記距離検出手段によって、走行中に接触した直前の車両と所定の範囲内の距離をおいた状態にて、上記ルートに拘わらず、接触した直前の車両に追従して自動運転するために、確実かつ安全な退避が可能となる。
また、本発明の自動運転車においては、更に、上記自動運転車の運転を自動運転から手動運転に切り替える運転モード切替手段と、上記撮像手段が撮像した画像上のナンバープレートの番号を認識する番号認識手段と、上記ナンバープレートの番号を比較する番号比較手段と、運転者に運転の注意を促す報知手段と、を有し、上記制御手段は、上記接触検出手段が走行中に直前の自動車との接触を検出した場合、上記番号認識手段に上記撮像手段が撮像した画像上の自動車のナンバープレートの番号を一定時間経過毎に認識させ、上記番号比較手段に上記自動運転車との接触直後に認識した番号とその後の一定時間経過毎に認識した番号とを比較させ、相違があった場合に上記報知手段を作動させる。
この構成により、本発明の自動運転車は、接触した前方の車両に追従しながらの自動運転中に、当該2つの車両(自車と直前の車両)の間に他の車両が割り込んだ場合、それを当該両方の車両のナンバープレートの番号(接触した直後と追従しての自動走行開始後)の相違により検出し、運転者に注意を促すことができるため、運転者はその時の接触による自車及直前の車両の損傷状況、周囲の交通状況等を判断し、その割り込み後の運転おいて自動運転を維持するか又は運転モード切替手段により手動運転に切り替えるかを選択できることにより、上記接触した車両を確実にかつ安全に追従することができる。
また、本発明の自動運転車においては、更に、上記自動運転車の運転を自動運転から手動運転に切り替える運転モード切替手段と、上記撮像手段が撮像した画像上のナンバープレートのイメージを取得するイメージ取得手段と、上記取得したイメージを比較するイメージ比較手段と、運転者に運転の注意を促す報知手段と、を有し、上記制御手段は、上記接触検出手段が走行中に直前の自動車との接触を検出した場合、上記イメージ取得手段に上記撮像手段が撮像した画像上の自動車のナンバープレートのイメージを一定時間経過毎に取得させ、上記イメージ比較手段に上記自動運転車の接触直後に取得したイメージとその後の一定時間経過毎に取得したイメージとを比較させ、相違を検出した場合に上記報知手段を作動させる。
この構成により、本発明の自動運転車は、接触した前方の車両に当該イメージに基づいての追従をしながらの自動運転中に、当該2つの車両(自車と接触した直前の車両)の間に他の車両が入り込んだ場合、それを当該車両のナンバープレートのイメージ(接触直後とイメージに基づく追従走行開始後)により検出し、運転者に注意を促すことができるため、運転者はその時の接触による両車両の損傷状況、周囲の交通状況等を判断し、その後の運転操作おいて自動運転を維持するか又は運転モード切替手段によって手動運転に切り替えるかを選択できることにより、当該自動運転車は、接触後にその接触した車両を確実にかつ安全に追従して退避することができる。尚、本発明においては、イメージ同士の比較のために、認識した番号同士の比較よりも、その認識に必要な時間を要せず、運転者又は操作者(以下、「ユーザー」)に対してより迅速な報知が可能である。
また、本発明の自動運転車において、更に、上記自動運転車の運転を自動運転から手動運転に切り替える運転モード切替手段と、上記撮像手段が撮像した画像上のナンバープレートのイメージを取得するイメージ取得手段と、上記ナンバープレートのイメージを比較するイメージ比較手段と、上記イメージ取得手段が取得したイメージ上のナンバープレートの番号を認識する番号認識手段と、運転者に運転の注意を促す報知手段と、
を有し、上記制御手段は、上記接触検出手段が走行中に直前の自動車との接触を検出した場合、上記イメージ取得手段に上記撮像手段が撮像した画像上のナンバープレートのイメージを所定時間経過後毎に取得させ、上記番号認識手段に上記撮像手段が撮像した画像上の自動車のナンバープレートの番号を認識させ、当該接触直後に取得されたイメージの自動車のナンバープレートの番号についての上記番号認識手段による認識が不可の場合、上記イメージ比較手段に上記自動運転車の接触直後に取得したイメージとその後の一定時間ごとに取得されたイメージとを比較させ、その相違があった場合に上記報知手段を作動させる。
この構成により、本発明の自動運転車は、接触した前方の車両に取得したイメージに基づいた追従をしながらの自動運転中に、当該2つの車両(自車と接触した直前の車両)の間に他の車両(第3の車両)が割り込んだ場合、その車両のナンバープレートの番号によってその車両が上記接触した直前の車両であるか否かを認識しようとしたところ、その認識が不可の場合には、当該両方の車両のナンバープレートのイメージ(接触直後と追従自動運転開始後)の比較において、その比較結果が相違することによって、第3の車両が割り込んだことを検出できることにより、運転者に運転に注意を促すことができるため、運転者はその時の両方の車両の接触の損傷状況、周囲の交通状況等を判断し、その後の運転操作おいて自動運転を維持するか又は運転モード切替手段により手動運転に切り替えるかを選択できる。よって、本自動運転車は、確実にかつ安全に上記接触した直前の自動車に追従することができる。
また、本発明の自動運転車において、更に、上記撮像手段が撮像した画像上のナンバープレートの番号を認識する番号認識手段と、上記ナンバープレートの番号を比較する番号比較手段と、を有し、上記制御手段は、上記接触検出手段が走行中に直前の自動車との接触を検出した場合、上記番号認識手段に上記撮像手段が撮像した画像上の自動車のナンバープレートの番号を一定時間毎に認識させ、上記番号比較手段に上記自動運転車の接触直後に認識した番号と上記一定時間毎に認識した番号とを比較させ、相違があった場合であって、上記番号認識手段が上記撮像手段が取得した画像に新たなナンバープレートの番号を認識した場合、上記番号認識手段に上記接触直後に認識した番号と当該新たに認識された番号とを比較させ、同一であれば、上記番号比較手段による番号比較に基づいて当該同一の番号のナンバープレートの自動車に追従するように制御する。
この構成により、本発明の自動運転車は、走行中に接触した前方の車両に当該認識した番号に基づく追従をしながらの自動運転中に、当該2つの車両(自車と接触した直前の車両)の間に他の車両が割り込んだ後、上記接触した車両が右折又は左折した場合にて、その際に新たに認識した車両のナンバープレートの番号が上記接触直後に認識した番号と一致することにより、上記接触した自動車を検出して、その番号が一致した車両を追従することができるため、当該自動運転車は上記接触された自動車と共に、安全かつ確実に自動運転により退避することができる。
また、本発明の自動運転車は、更に、上記撮像手段が撮像した画像上のナンバープレートのイメージを取得するイメージ取得手段と、上記ナンバープレートのイメージを比較するイメージ比較手段と、を有し、上記制御手段は、上記接触検出手段が走行中に直前の自動車との接触を検出した場合、上記イメージ取得手段に上記撮像手段が撮像した画像上の自動車のナンバープレートのイメージを一定時間経過毎に取得させ、上記イメージ比較手段に上記自動運転車の接触直後に取得したイメージとその後の一定時間毎に取得したイメージとを比較させ、相違があった場合であって、上記イメージ取得手段が上記撮像手段が上記接触検出以降に撮像した画像上から新たなナンバープレートのイメージを取得した場合、上記イメージ比較手段に上記接触直後に取得したイメージと当該新たに取得されたイメージとを比較させ、同一であれば、上記イメージ比較手段によるイメージ比較によって当該同一のイメージのナンバープレートの自動車に追従するように制御する。
この構成により、本発明の自動運転車は、走行中に接触した前方の車両に取得したイメージに基づいて追従しながらの自動運転中に、当該2つの車両(自車と接触した直前の車両)の間に他の車両が割り込み、その後、上記接触した車両が右折又は左折した場合にて、その際に新たに取得した当該車両のナンバープレートのイメージが上記接触直後に取得したイメージと一致することにより、上記接触した自動車を検出し、その車両を追従するため、本自動運転車は、接触後に上記接触した自動車と共に、安全かつ確実に退避することができる。
また、本発明の自動運転車は、更に、上記撮像手段が撮像した画像上のナンバープレートのイメージを認識するイメージ取得手段と、上記ナンバープレートのイメージを比較するイメージ比較手段と、上記イメージ取得手段が取得したナンバープレートのイメージの番号を認識する番号認識手段と、上記ナンバープレートの番号を比較する番号比較手段と、
を有し、上記制御手段は、上記接触検出手段が走行中に直前の自動車との接触を検出した場合、上記イメージ取得手段に上記撮像手段が撮像した画像上の自動車のナンバープレートのイメージを一定時間経過毎に取得させ、上記番号認識手段に上記イメージ取得手段が取得したイメージのナンバープレートの番号を認識させ、上記番号比較手段に上記自動運転車の接触直後に認識した番号とその後の上記一定時間毎に認識した番号とを比較させ、相違する場合であって、上記イメージ取得手段が上記撮像手段が取得した画像から新たなナンバープレートのイメージを取得した場合、上記イメージ比較手段に上記接触直後に取得したイメージと上記新たなナンバープレートのイメージとを比較させ、同一であれば、上記イメージ比較手段の比較によって当該同一のイメージのナンバープレートの自動車に追従するように制御する。
この構成により、本発明の自動運転車は、走行中に接触した前方の車両に上記認識した番号に基づいて追従しながらの自動運転中に、当該2つの車両(自車と接触した直前の車両)の間に他の車両が割り込み、その後、上記接触した車両が右折又は左折した場合にて、その際に新たに認識した当該車両のナンバープレートの番号が上記接触直後に認識した番号と一致することにより、上記接触した自動車を検出し、その車両を追従するため、当該自動運転車は、接触後に上記接触された自動車と共に、安全かつ確実に退避することができる。
また、本発明の自動運転車は、更に、上記撮像手段が撮像した画像上のナンバープレートのイメージを取得するイメージ取得手段と、上記ナンバープレートのイメージを比較するイメージ比較手段と、上記イメージ取得手段が取得したナンバープレートのイメージの番号を認識する番号認識手段と、上記ナンバープレートの番号を比較する番号比較手段と、
を有し、上記制御手段は、上記接触検出手段が走行中に直前の自動車との接触を検出した後、上記イメージ取得手段に上記撮像手段が撮像した画像上の自動車のナンバープレートのイメージを一定時間経過毎に取得させ、上記番号認識手段に上記イメージ取得手段が取得したイメージのナンバープレートの番号を認識させ、上記イメージ比較手段に上記自動運転車の接触直後に取得したイメージとその後の一定時間毎に取得したイメージとを比較させ、相違があった場合であって、上記イメージ取得手段が上記撮像手段が上記接触検出以降に撮像した画像上から新たなナンバープレートのイメージを取得した場合、上記番号認識手段は当該新たなイメージから番号を認識し、上記番号比較手段に上記接触直後に認識した番号と上記新たに認識された番号とを比較させ、同一であれば、上記番号比較手段による番号比較によって当該同一の番号のナンバープレートの自動車に追従するように制御する。
この構成により、本発明の自動運転車は、走行中に接触した前方の車両に上記取得したイメージに基づいて追従しながらの自動運転中に、当該2つの車両(自車と接触した直前の車両)の間に他の車両が割り込み、その後、上記接触した車両が右折又は左折した場合にて、その際に新たに認識した当該車両のナンバープレートの番号が上記接触直後に認識した番号と一致することにより、上記接触した自動車を検出し、その車両を追従するため、当該自動運転車は、接触後に上記接触された自動車と共に、安全かつ確実に退避することができる。
また、本発明の自動運転車は、カーナビゲーション機能により設定された目的地に向かって自動走行する自動運転車であって、当該自動運転車の走行中に直前の自動車との距離を検出する距離検出手段と、当該自動運転車の前方を撮像する撮像手段と、当該撮像手段が撮像したナンバープレートを含む上記直前の自動車後部のイメージを抽出するイメージ抽出手段と、当該イメージ抽出手段が抽出したイメージを比較するイメージ比較手段と、上記自動運転車の運転を自動運転から手動運転に切り替える運転モード切替手段と、当該自動運転車の前方部分が外部と接触したことを検出する接触検出手段と、上記距離検出手段により上記直前の自動車と所定の距離だけ離隔して自動走行し、かつ、上記撮像手段により上記自動運転車が現在走行中の車線内にて自動走行するように制御する制御手段と、運転者に運転への注意を促す報知手段と、を有し、当該制御手段は、上記自動運転車が上記撮像手段及び距離検出手段による自動運転中に、上記接触検出手段が直前の自動車との接触を検出した場合、上記撮像手段に所定の時間経過毎に上記接触した自動車のナンバープレートを含む当該接触した自動車後部のイメージを撮像させ、上記イメージ比較手段に上記接触直後に取得されたイメージと上記接触以降に取得されたイメージとを比較させ、その比較が一致しなければ、上記報知手段を作動させる。
この構成により、本発明の自動運転車は、走行中に接触した前方の車両に上記取得したイメージに基づいて追従しながらの自動運転中に、当該2つの車両(自車と接触した直前の車両)の間に他の車両が割り込んだ場合、その後の運転操作おいて自動運転を維持するか又は手動運転に切り替えるかを選択できることにより、当該自動運転車は、接触後にその接触した車両を確実にかつ安全に追従して退避することができる。
また、本発明の自動運転車は、カーナビゲーション機能により設定された目的地に向かって自動走行する自動運転車であって、当該自動運転車の走行中に直前の自動車との距離を検出する距離検出手段と、当該自動運転車の前方を撮像する撮像手段と、上記自動運転車の運転を自動運転から手動運転に切り替える運転モード切替手段と、当該自動運転車の前方部分が外部と接触したことを検出する接触検出手段と、上記距離検出手段により上記直前の自動車と所定の距離だけ離隔して自動走行し、かつ、上記撮像手段により上記自動運転車が現在走行中の車線内にて自動走行するように制御する制御手段と、運転者に運転への注意を促す報知手段と、を有し、当該制御手段は、上記自動運転車が上記設定された目的地に向かって上記撮像手段及び距離検出手段による自動運転中に上記接触検出手段が直前の自動車との接触を検出した場合、上記距離検出手段により上記接触した直前の自動車と所定の範囲内の距離を維持しながらの走行中に、上記距離検出手段が上記自動運転車と上記接触した直前の自動車との間に割り込んだ他の自動車を検出することにより上記報知手段を作動させる。
この構成により、自動運転車が上記設定された目的地に向かって上記撮像手段及び距離検出手段による自動運転中に、上記接触検出手段が直前の自動車との接触を検出した後、上記接触した直前の他の自動車と所定の範囲内の距離を維持しながらの走行中に、距離検出手段が上記自動運転車と上記接触した直前の自動車との間に割り込んだ他の自動車を検出することにより上記報知手段を作動させるため、ユーザーは、自動運転を維持するか又は手動運転に切り替えるかの判断を行うことができるために、本自動運転車の走行状態や周囲の状況に基づいて、より安全な自動車走行を選択することができる。
以下に、図面に沿って本発明の自動運転車の実施の形態について説明する。尚、本発明
は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1を参照して、本発明の自動運転車の実施の形態における回路構成等について詳細に説明する。本実施の形態の自動運転車は、手動運転機能、自動運転機能、カーナビゲーション機能等を備える。よって、本自動運転車の自動運転機能については、CPU等からなる制御部123がアクセル、ブレーキ、ハンドル等の運転操作を自動的に制御する。また、本自動運転車は、カーナビ機能部106により走行ルートが設定され、そのルートに沿って後述するカメラ部112及び/又はレーダー部114によって自動走行することができる。尚、カメラ部112は、本自動運転車の周囲を撮像するが、主に直前の車両(自動車)の後部の映像を鮮明に撮像し、また、レーダー部114は、車外の物体との距離を計測するが、特に直前の車両との距離を計測する。
また、本自動運転車には、自動走行のための人工知能も採用されている。よって、制御部は、カメラ部112により取得された自動車のナンバープレートのイメージ又はそのイメージから認識された番号がカメラ部の撮像画面における所定の位置を維持するように自動運転車(エンジン駆動制御部)を制御することにより、直前に走行中の自動車に一定の距離をおいて追従して自動走行することもできる。
エンジン駆動制御部101は、エンジン部102を制御し、エンジンの回転数を上下させ、また、ブレーキ制御部105はブレーキ機能を有する。ステアリング駆動制御部103は、運転者又は自動運転機能による本自動運転車の操舵を担うステアリング部104を制御する。カーナビ機能部106は、自車位置をGPS機能により検出し、内蔵する地図情報、取得した道路情報、交通規制情報、施設情報等を基にユーザーにより設定された経由地から目的地までの道筋(ルート)を表示し、表示や音声により案内する。
尚、ユーザーが目的地を設定する際には、表示部107に表示された事項をタッチパネル機能部108により選択又は入力して設定する。また、車内マイク部110を利用すれば、音声認識部121が作動して、ユーザーが発した言葉を音声認識することにより、自動運転走行について音声によって指示や設定をすることができる。更に、社内スピーカ部111は、上記指示や設定事項の確認のためのアナウンス等を行う。
また、モード指示検出部109は、自動運転車の走行モード(手動運転又は自動運転)の指示を検出して制御手段に指示するものであり、表示部107に表示された指示画面に対してタッチパネル機能部108を作動させ、ユーザーにより指示された走行モードを検出し、制御部にその運転モードの切り替えを指示する。尚、車内スピーカ部111を利用すれば、音声認識部121が作動して音声により上記指示をすることもできる。更に、自動運転中に運転者がハンドル(図示せず)を所定以上の速さ又は角度で回した際には、自動運転から手動運転に移行する。
カメラ部112は、上述のように、車外の映像を入手し、特に前方の詳細な映像を撮像して画像格納部113に格納する。レーダー部114は、本車両の前方及び後方に設けられ、移動体との距離を計測する。センサー部115は、車外の物体、例えば、他の車両との接触や衝突を検出する。このセンサー部115は、車体の前部、後部及び側部に設けられた油圧センサ(図示せず)を有し、特に、車体前部及び後部においては、油圧センサーに連結されたバンパー(図示せず)が押されることにより接触を検出するものである。
イメージ抽出部116は、画像格納部113に格納された画像から自動車のナンバープレートのイメージ(通常、長方形のプレート及び/又はその上に記載の番号のイメージ)を抽出する。尚、このイメージは、ナンバープレートのイメージを含む車両後部の画像(イメージ)であってもよい。また、イメージメモリー部117は、その抽出されたイメージを格納する。また、イメージ比較部118は、イメージメモリー部117に格納されたイメージ同士を比較し、相互に相違があるか否かの判断を行う。更に、番号認識部119は、イメージメモリー部117に格納されたナンバープレートのイメージからその番号を認識する。番号比較部120は、その認識された番号同士を比較し、相互に相違があるか否かの判断を行う。
車内マイク部110は、ユーザーの声を入力すると、音声認識部121が作動して自動運転に各種の指示を与える。車内スピーカ部111は、音声情報メモリー部122に格納された所定の音声を発声出力する。更に、制御部125は、上述の各部をそれぞれ制御する。
図2を参照して、以下に、本発明の自動運転車の実施の形態における機能構成等について詳細に説明する。上述のように、本実施の形態では自動運転車は、手動運転機能、カーナビゲーション機能、自動運転機能等を備えた自家用車であるため、この自動運転車は、アクセル、ブレーキ、ハンドル等の運転操作を制御する運転操作手段1を備える。また、カーナビゲーション機能については、道路、施設等の地図情報や交通標識等の情報を格納する地図情報格納手段2、交通情報を入手する無線受信機能を有する交通情報取得手段3、これら地図情報及び交通情報を基にナビゲーション機能を実行するカーナビ機能実行手段4、上記カーナビ機能においてユーザーが任意の目的地及び経由地を設定する位置設定手段5、設定された走行ルートや現在走行中の車両の位置及び道路等を表示する表示手段8を備える。
よって、運転操作手段1は、エンジン駆動制御部101、エンジン駆動部102、ステアリング駆動制御部103、ステアリング駆動部104、ブレーキ制御部105に相当する。地図情報格納手段2、交通情報取得手段3、カーナビ機能実行手段4、位置設定手段5は、カーナビ機能部106に相当する。運転モード切替手段6は、運転モードを自動運転又は手動運転に切り替える手段であり、後述する表示手段8又は音声入力手段7A、音声認識手段7B、音声指示手段17を利用し、表示手段8の画面上に表示された事項をタッチして制御部19に指示すること又は音声入力した指示を音声認識させて制御手段19に指示することもできる。
よって、運転モード切替手段6は、表示部107、車内マイク部110、音声認識部121、モード指示検出部109に相当する。尚、音声指示手段17は、音声入力手段7Aから入力された音声を音声認識手段7Bによって認識し、制御手段19に指示する。更に、各種の情報を表示する表示手段8は、表示部107に相当する。ここで、表示手段8及び音声を発する音声出力手段18は、報知手段20とする。
更に、本自動運転車は、撮像手段9を有し、この撮像手段9は、主に自車前方の映像を撮像する。この撮像手段9により撮像された映像は、撮像情報格納手段10に格納される。よって、撮像手段9はカメラ部112に、また、撮像情報格納手段10は画像格納部113に相当する。距離検出手段11はレーダー部114に、接触検出手段12はセンサー部115に相当する。イメージ取得手段13は、撮像情報格納手段10に格納された映像からナンバープレートの映像を抽出する。その抽出された2つのイメージは、イメージ比較手段14によって一致するか否かを判断するために比較される。
よって、イメージ取得手段13はイメージ抽出部116及びイメージメモリー部117に、また、イメージ比較手段14はイメージ比較部118に相当する。また、番号認識手段15は番号認識部119に、番号比較手段16は番号比較部120に相当する。音声指示手段17は、車内マイク部110及び音声認識部121に相当する。更に、音声出力手段18は、車内スピーカ部111及び音声情報メモリー部122に相当する。
上述の通り、本自動運転車では、自車と外部の物体との距離を計測可能な距離検出手段11を有する。よって、距離検出手段11は、レーダー部114に相当する。そして、この自動運転では、距離検出手段11により前方の車両と一定の距離をとりながら前方の車両と接触しないように自動運転することができる。また、撮像手段9によっても画面内の所定の画像の大小変化に基づいて前方の車両と一定の距離をとりながら自動運転することができる。よって、制御手段19は、距離検出手段11により直前の自動車と所定の距離だけ離隔して自動走行し、かつ、撮像手段9により本自動運転車が現在走行中の車線内にて自動走行するように制御する。加えて、距離検出手段11及び撮像手段9によって、道路上の障害物や通行中の人を判断して、自動車事故を未然に防止することができる。また、上述の通り、運転モード切替手段6による運転モードの切り替えは、表示手段8に表示された自動運転表示及び手動運転表示の一方をタッチすることにより切り替え指示することが可能であり、また、音声指示手段17により切り替え指示することも可能である。
以下に、本発明の複数の実施例について詳細に説明する。各実施例の自動運転車の構成は、上記の通りである。しかし、実施例の動作は、制御手段に格納された各プログラムによって制御されるものである。よって、以下の通り、各実施例においてその動作は異なる。
(実施例1)本実施例の自動運転車の構成は上述の通りである。以下に、図3及び図4を参照しながら、本発明の自動運転車の実施例1の動作について詳細に説明する。先ず、自動運転車のユーザーは、カーナビ機能を利用して、位置設定手段4により経由地及び目的地を設定する(ステップ201)。その後、ユーザーは、音声入力手段7A又は表示手段8を作動させて「自動運転」を選択することにより、運転モード切替手段6は「自動運転」を制御手段19に指示する。これにより、本自動運転車の自動運転が開始される(ステップ202)。
本自動運転車の自動運転走行中には、距離検出手段11が直前の自動車等との距離を計測しながら接触や衝突を防止している。即ち、本自動運転車は、距離検出手段11によって、自動運転中には、自車の直前を走行する車両と一定の距離を取りながら走行する。例えば、時速40キロメートルの走行では、直前の車両との距離は、40メートルから45メートルの範囲である。また、撮像手段9が動画又は所定の時間間隔をおいて静止画を撮像しており、自動車の速度変化による画像内の物体の大小変化の情報も自動運転及び追従自動運転(後述)に寄与している。その画像情報は、撮像情報格納手段10に格納される。また、本自動運転車の走行中は、接触検出手段12も常時作動しており、他の自動車との接触や衝突を検知する(ステップ203)。
図16を参照して、ここで、本自動運転車(以下、「自車」)アは、直前を走行中の自動車イが急ブレーキを作動させたために、その自動車イの後部に衝突したとする。図17を参照して、この時、接触検出手段12は、直前を走行する自動車との接触を検知する。この検出によって、接触直後より、制御手段は、設定された目的地への走行ルートに拘わらず、上記接触した自動車への追従走行(追従自動運転)を優先する。尚、この優先とは、ナビゲーション機能によって既に設定された目的地及び経由地を解除するものでも、そうでなくてもよい。そこで、距離検出手段11によって、直前の自動車イに追従走行を開始する(ステップ204)。この追従走行とは、制御手段19が接触した前方の自動車イの走行に合わせて所定の範囲の距離を保ちながら走行するように運転操作手段1を制御するものである。この追従走行の場合、毎時40キロメートル走行では、直前の車両との距離は、30メートルから40メートルになり、通常の自動走行よりその範囲は短くなる。また、撮像手段9によって取得した画像のみによって追従走行することも可能である。この撮像手段による追従走行は、例えば、撮像画面上の前方の車両のナンバープレートがその画面の中心部分から外れて移動した場合には、上記プレートがその画面の中心部分に戻るように、かつ、上記プレートの撮像された大きさが一定になるように運転速度等を制御することにより達成される。また、より正確に接触した自動車に追従するために、番号比較手段16による接触直後とその後に認識した番号の比較によって目標となる車両を確認しながら追従自動運転できる。同様に、イメージ比較手段13による接触直後とその後に取得したイメージ(前方車両の後部映像、ナンバープレートの枠形状、ナンバー自体)の比較によっても同様な追従自動運転ができる(詳細は後述)。次に、イメージ取得手段13は、その接触直後に撮像手段9により撮像された画像から、所定時間経過毎に当該直前の自動車のナンバープレート(長方形の枠)とその上に記載の番号(1桁から4桁)とのイメージを抽出する(ステップ205)。次に、番号認識手段15は、上記ナンバープレートのイメージから番号を認識する(ステップ206)。その抽出されたイメージ及び認識された番号は、撮像情報格納手段10に格納される。その後の追従自動運転は、上述の撮像手段9及び/又は距離検出手段11によるものでも、イメージ取得手段により取得された上記イメージ又は番号認識手段15により認識した番号を追従するものでもよい。
上記接触検知後、制御手段19は、所定の時間間隔にて、上記イメージの取得及び番号の認識を繰り返すようにイメージ取得手段13及び番号認識手段15に指示する。次に、制御部19は、上記ナンバープレート(長方形の枠)のイメージ及び/又は番号のイメージが撮像手段9の撮像する画像のほぼ中心に位置するように、接触した直前の車両と一定の距離をおきながらの上記直前の自動車の追従を運転操作手段1に指示する。または、制御手段19は、番号認識手段15により認識された番号が撮像手段9の撮像する画像のほぼ中心に位置するように、上記直前の自動車との距離を保ちながらの追従を指示する。この際に、距離検出手段11は、ナンバープレート等の正確な撮像及び正確な番号の認識が可能なように、上記直前の自動車と最適な距離を保つための上記直前の自動車との所定の距離を検出しながら走行する。この所定の距離は、上述の通り、通常の自動運転の場合より短く、自車と直前の自動車との間に、他の自動車が割り込めない程度の距離の範囲である。即ち、時速40キロメートル走行では、30メートルから40メートルである。この追従機能により、本自動運転車は、接触又は衝突した直前の自動車を安全かつ確実に自動的に追従することができる(ステップ206)。
本自動運転車では、上述の通り、危険回避のために接触直後に追従機能が作動する。その後、制御手段19は、表示手段8の画面に「手動運転に切り替えるには、画面をタッチして下さい」という主旨の表示を行わせる(ステップ207)。ユーザが所定時間内に画面をタッチすると、運転モード切替手段6が作動して、自動的に手動運転に切り替わる。また、上記表示と同時に、音声出力手段18からは、「手動運転に切り替えますか?」との音声が発せられる(ステップ207)。これに対して、ユーザーが所定時間内に音声入力手段7Aに「はい」又は「イエス」と発することにより、運転モード切替手段6が作動して自動的に手動運転に切り替わる。
上記ステップ207にて、ユーザーが手動運転を選択せず、自動運転のままで走行することを選択し、表示手段8にも音声出力手段18にも所定の時間内に応答しなかった場合、本自動運転車は、自動運転を継続する。もし、自車と接触した自動車との間に割り込みがあった場合、その割り込み後は、上記割り込んできた自動車と一定の距離を保ちながらの自動走行となる。この場合、一定の距離とは、例えば、時速40キロメートル走行では、40メートルから45メートルの距離範囲となる。次に、制御手段19は、新たにナンバープレートの番号を認識したか否かを判断する(ステップ208)。
図18を参照して、同図は、自車が接触した自動車イを追従中に、他の車両ウが割り込んできた状況を示す。尚、この際には、距離検出手段11が作動して、割り込んできた車両と一定の距離を置くように制御手段は運転操作手段に一時ブレーキを作動させるように指示する。次に、もし、番号認識手段15が新たな番号を認識したならば、番号比較手段16を作動させる。即ち、上記接触直後に撮像手段により撮像された自車前方の静止画のナンバープレートの認識された番号と、追従する自動運転の開始後に所定の時間間隔で撮像される映像の静止画のナンバープレートの認識された番号とを比較する(ステップ209)。
上記比較結果が一致せずに相違する場合(ステップ210にて「YES」)、自車アと上記直前の接触した自動車イとの間に、他の自動車ウが割り込んできたと判断される。そこで、制御手段19は、運転操作手段により、割り込んできた他の自動車ウとの距離を通常の自動運転の距離範囲に変更すると共に、報知手段20(表示手段8及び音声出力手段18)に対してその旨を報知するように指示し、表示手段8及び音声出力手段18は、「割り込みの車両が有りました。」と表示及び音声により報知する(ステップ211)。この報知は、距離検出手段による割り込み検出により、制御手段が運転操作手段にブレーキを掛けるように指示した直後でもよい。尚、上記割り込み検出によるこの動作は、他の実施例においても、特定されない場合には、同様である。次に、ステップ212では、ステップ207と同様に、ユーザーは、手動運転に切り替えるか否かの指示を求められ(ステップ212)、表示手段8又は音声出力手段18に応えることになる。ユーザーが「手動運転」を選択すれば(ステップ212にて「YES」)、本自動運転車は、自動運転から手動運転に切り替わり(ステップ213)、また、「自動運転」を選択すれば(ステップ212にて「NO」)、本自動運転車は、そのまま自動運転を続ける(ステップ214)。
以上の通り、本実施例1では、自動運転車は、直前に走行中の車両と接触した後、その車両に追従するように自動運転し、ユーザーに手動運転への切り替えを提示することにより、本自動車の走行状態や周囲の環境に基づいて自動運転又は手動運転を選択でき、本自動運転車の走行をより安全かつ確実にする。また、追従走行中に接触した自動車とは異なる他の自動車の割り込みを検知することにより変更された本自動車の周囲の環境に対して、ユーザーに手動運転への切り替えを提示し、本自動運転車の走行を更に安全かつ確実にする。これにより、本自動運転車は、他の車両との接触後に安全かつ確実な退避が可能となる。
(実施例2)本実施例の自動運転車の構成は上述の通りである。以下に、図5及び図6を参照しながら、本発明の自動運転車の実施例2の動作について詳細に説明する。尚、本動作について、ステップ301から307は、実施例1のステップ201から207とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。次に、直前の自動車イの追従走行中に、ステップ308にて、イメージ取得手段12が新たに自動車のナンバープレートのイメージ(プレートの形状イメージ及び/又は番号のイメージ)を取得したか否かが判断される。ステップ309にて、上記取得されたイメージは、イメージ比較手段14により上記接触直後に取得されたイメージと比較される。ステップ310にて、両方のイメージが相違すれば、ステップ311に移行する。ステップ311から314は、実施例1のステップ211から214とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。
本実施例2の自動運転車は、実施例1と同様の効果を有するが、追従自動走行中に他の車両が割り込んだ際には、その番号ではなくイメージによって割り込まれたか否かの判断をするために、割り込まれた後には、より迅速にユーザーにその旨を伝え、かつ、より迅速にユーザーに対して手動運転に切り替えるか否かの判断を求めることができる。これにより、本自動運転車は、他の車両との接触後に安全かつ確実な退避が可能となる。
(実施例3)本実施例の自動運転車の構成は上述の通りである。以下に、図7及び図8を参照しながら、本発明の自動運転車の実施例3の動作について詳細に説明する。尚、本動作について、ステップ401から406は、実施例1のステップ201から206とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。次に、ステップ407では、制御手段19が番号認識手段15が上記イメージから番号を認識できたか否かを判断する。
ここで、本自動運転車が接触した自動車を追従して自動運転している際に、上記接触した自動車イと自車アとの間に、他の自動車ウが割り込んできた場合を想定する。ステップ408では、撮像手段9がその撮像画面を拡げて、即ち、撮像角度を大きくして、前方に並ぶ2台の車両を画面に映せるようにしている。この状態において、制御手段19が番号認識手段15が新たに番号を認識したか否かを所定時間経過毎に判断する。制御手段19が新たな番号が認識されたと判断した場合、ステップ409では、その新たな番号と接触直後に認識された番号とを比較する(ステップ410)。番号が一致すれば、その同一の番号の自動車を追従して自動運転を開始する(ステップ411)。この自動運転は、上述の撮像手段9及び/又は距離検出手段11からの指示又は情報を基本とするが、番号認識手段15により認識した番号比較によりその精度を更に向上させる。尚、上述のように、この番号比較のみによる追従走行も可能である。また、番号が一致しなければ、再度、ステップ408に戻り、番号が一致する自動車を探索することになる。
更に詳細に説明すると、図16及び図17を参照して、接触した自動車イを追従して自動運転している際に、図18を参照して、他の自動車ウが割り込んできたとき、上記接触直後の番号とは異なる番号を認識することになる。よって、この場合、ステップ410からステップ408に移行する。その後、図19を参照して、接触した自動車イが例えばウインカーを点けて左に寄った場合には、新たな番号を認識し、その番号は上記接触直後に認識した自動車イの番号と同一となる。そこで、本自動運転車は、撮像手段及び距離検出手段からの指示又は情報を基に、また、番号比較手段による番号比較により、その車両を追従する自動運転となる。従って、本自動運転車は、割り込みの自動車が入り込んでも、上記接触した自動車を安全かつ確実に追従して自動運転することができる。
また、ステップ407にて、自車アが接触した自動車イの番号を認識できなかった場合、ステップ412にて、イメージ取得手段13は、再度、ナンバープレートのイメージ取得動作を行う。このステップ412にて、そのイメージが取得できれば、ステップ413に移行して、イメージ比較手段14は、接触直後に取得したナンバープレートのイメージと比較する。ステップ414にて、上記接触直後と新たに取得したイメージが一致していれば、本自動運転車は、同じイメージの自動車に追従して自動運転する(ステップ415)。この自動運転の追従は、上述の撮像手段9及び距離検出手段11からの指示又は情報を基本とするが、イメージ比較手段14によるイメージ比較によりその精度を向上させる。尚、上述の通り、このイメージ比較のみによる追従自動運転も可能である。また、ステップ414にて、上記両イメージが一致しない場合、ステップ416に移行して、報知手段20(表示手段8及び音声出力手段18)が作動し、ユーザーに手動運転に切り替えるか否かの指示を求める。ユーザーが手動運転に切り替える指示を所定時間内に表示手段又は音声指示手段に与えれば、運転モード切替手段6により、制御手段19は、手動運転に切り替える(ステップ417)。また、ユーザーが自動運転を継続するとの指示を所定時間内に表示手段又は音声指示手段に与えれば、ステップ412に戻り、自動運転が維持継続される。
本実施例3の自動運転車では、当該自動運転車が走行中に直前の車両と接触した後にその車両を追従している際に、その車両のナンバープレートの番号が認識できない状態において、他の車両が割り込んできた場合、その割り込んできた車両のナンバープレートのイメージを取得して、接触直後に取得したイメージと比較することにより、同じイメージの車両に追従するために、正確かつ安全な追従自動運転ができ、よって、安全かつ確実に接触後の退避が可能である。
(実施例4)本実施例の自動運転車の構成は上述の通りである。以下に、図9を参照しながら、本発明の自動運転車の実施例4の動作について詳細に説明する。尚、本動作について、ステップ501から504は、実施例1のステップ201から204とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。次に、ステップ505では、イメージ取得手段13が上記接触した自動車のナンバープレートのイメージを取得する。次に、ステップ506では、イメージ取得手段が取得したナンバープレートのイメージから番号認識手段が番号を認識する。尚、その後も、本自動運転車は追従自動運転を継続する。
ここで、本自動運転車が接触した自動車を追従して自動運転している際に、上記接触した自動車と自車との間に、他の自動車が割り込んできた場合を想定する。ステップ507では、制御手段19が番号認識手段15が新たにナンバープレートの番号を認識したか否かを判断する。上記新たに番号が認識された場合、ステップ508にて、番号比較手段16が接触直後に認識した番号と上記認識された新たな番号とを比較する。ステップ509にて、上記両方の番号が一致していれば、同一の番号のナンバープレートの自動車に追従して自動運転する。また、ステップ509にて、上記両方の番号が一致しない場合、ステップ507に戻り、再度、番号の比較が実行される。
この動作について、図16から図19を参照して詳細に説明する。先ず、図16にて、自車アが自動車イの後部に接触したとする。その後、ステップ504から506が実行される。次に、図17を参照して、その後も、自車アは、接触した自動車イを追従して自動運転する。その後の自動運転は、上述の撮像手段9及び距離検出手段11からの指示又は情報を基本とするが、番号認識手段15により認識した番号比較によりその追従の精度が向上する。尚、この番号比較のみによっても追従自動走行は可能である。図18を参照して、自車アが追従して自動運転されている際に、他の自動車ウが自車アと上記接触した自動車イとの間に割り込んできた場合、番号認識手段15は、接触直後に認識した番号とは異なる番号を取得する。よって、ステップ508では、両方の番号は一致しないと判断される。この場合、車間距離は、上述の実施例と同様に変更される。よって、本実施例の動作は、一旦、ステップ507に戻る。しかし、その後、図19を参照して、例えば、接触した自動車イがウインカーを点けながら左折を開始した場合、再度、新たにナンバープレートの番号が認識され、接触直後の番号と比較され(ステップ508)、一致することにより(ステップ509の「YES」)、ステップ510に移行する。その後の本自動運転車の追従による自動運転は、上述の撮像手段9及び距離検出手段11からの指示又は情報を基本とするが、番号比較手段15による番号比較によりその精度が向上する。尚、この番号比較のみによっても追従自動走行は可能である。これにより、自車アは、再度取得した上記接触した自動車のナンバープレートの番号を有する自動車、即ち、接触した自動車イに追従して自動運転することになる(ステップ510)。
本実施例4の自動運転車は、走行中に直前の車両と接触した後、その接触した車両を追従して自動走行している際に、他の車両が割り込みをした場合においても、本自動運転車が撮像したイメージから認識されたナンバープレートの番号を基に、上記接触した車両に確実かつ安全に追従して自動走行することができ、よって、安全かつ迅速な自動運転による退避が可能である。
(実施例5)本実施例の自動運転車の構成は上述の通りである。以下に、図10を参照しながら、本発明の自動運転車の実施例5の動作について詳細に説明する。尚、本動作について、ステップ601から605は、実施例1のステップ201から205とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。次に、ステップ606では、制御手段19が前方に走行中の自動車のナンバープレートのイメージを新たに取得できたか否かを判断する。
ここで、本自動運転車が走行中に接触した自動車を追従して自動運転している際に(図16、図17参照)、上記接触した自動車と自車との間に、他の自動車が割り込んできた場合を想定する(図18参照)。ステップ607では、イメージ比較手段14が自車が接触した直後に取得したイメージと上記新たに取得したイメージとを比較する。ステップ608にて、制御手段が上記両方のメージが一致していると判断すれば、ステップ609にて、制御手段は、上記同一のイメージを有する自動車を追従させる。尚、この自動運転の追従は、上述の撮像手段9及び距離検出手段11からの指示又は情報を基本とするが、イメージ比較手段14によるイメージ比較に基づくものである。
従って、本実施例5の自動運転車は、接触後、ナンバープレートのイメージに基づいて接触した自動車を追従して自動運転するが、自車と接触した自動車との間に割り込みされた場合も同様に、ナンバープレートのイメージに基づいて追従運転する。この場合、一定の精度のイメージ取得と認識された番号の取得とを比較すると、上記イメージ取得の方が速く取得できる。よって、割り込み後に、再度、接触した自動車を追従して自動運転することが極めて迅速に行うことが可能となる。これにより、本自動運転車は、他の車両との接触後に安全かつ確実な退避が可能となる。
(実施例6)本実施例の自動運転車の構成は上述の通りである。以下に、図11及び図12を参照しながら、本発明の自動運転車の実施例6の動作について詳細に説明する。尚、本動作について、ステップ701から706は、実施例1のステップ201から206とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。次に、ステップ707にて、制御手段19は、イメージ取得手段13が新たにイメージを取得したか否かを判断する。制御手段19が取得したと判断すれば、番号認識手段15により番号を認識させ(ステップ708)、番号比較手段16によって上記接触直後に認識した番号とその後認識した番号とを比較させる(ステップ709)。
制御手段19が上記比較にて番号が一致したと判断すれば(ステップ710にて「YES」)、同一の番号のナンバープレートを有する自動車に追従して自動運転することになる(ステップ711)。即ち、制御手段19は、自動走行において撮像手段及び距離検出手段からの指示又は情報を基本とするが、番号比較手段16による上記番号(番号比較)に基づいて追従させる。また、ステップ710にて番号が一致しなければ(ステップ710にて「NO」)、ステップ712に移行する。ステップ712から717は、実施例3のステップ412から417とそれぞれ同様のために、その説明は省略する。
この構成により、本実施例6の自動運転車は、接触後、接触した自動車のナンバープレートの番号を基に当該接触した自動車を追従して自動運転するが、自車と接触した自動車との間に割り込みされた場合も、ナンバープレートの番号に基づいて追従運転する。よって、極めて精度の高い追従が可能となる。また、上記割り込み後に、番号の認識が不可能な場合には、番号に代わって取得したイメージに基づいて追従運転する。更に、上記イメージの一致がない場合には、報知手段によって手動運転に切り替えることを提示する。よって、番号の認識が困難な夜間や雨の状況においても、割り込み後に、接触した自動車を追従することが可能である。これにより、本自動運転車は、他の車両との接触後に安全かつ確実な退避が可能となる。
(実施例7)本実施例の自動運転車の構成は上述の通りである。以下に、図13を参照しながら、本発明の自動運転車の実施例7の動作について詳細に説明する。尚、本動作について、ステップ801から807は、実施例2のステップ301から307とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。次に、ステップ807にて、手動運転に切り替えない場合(ステップ807にて「NO」)、自動運転を維持しながら、ステップ808にて、制御手段19は、イメージ取得手段13が新たなイメージを取得したか否かを判断し、取得したと判断した場合、ステップ809に移行する。ステップ809からステップ811までは、実施例4のステップ508から510とそれぞれ同様のため、その説明を省略する。また、ステップ807にて、ユーザーから手動運転に切り替える指示があれば、運転モード切替手段6により手動運転に切り替えられる。
以上の構成により、本実施例7の自動運転車は、接触後、特に、接触した自動車のナンバープレートのイメージを基に当該接触した自動車を追従して自動運転する場合、自車と接触した自動車との間に割り込みされた際には、ナンバープレートの番号に基づいて追従運転する。よって、割り込み後に、接触した自動車を安全かつ確実に追従するように自動運転することができる。これにより、本自動運転車は、他の車両との接触後に安全かつ確実な退避が可能となる。
(実施例8)本実施例の自動運転車の構成は上述の通りである。以下に、図14及び図15を参照しながら、本発明の自動運転車の実施例8の動作について詳細に説明する。尚、本動作について、ステップ901から907は、実施例1のステップ201から207とそれぞれ同様であるため、その説明を省略する。次に、ステップ907にて、ユーザーが手動運転に切り替えない場合には、ステップ908にて割り込み検出を開始する。即ち、距離検出手段11は、自車アと接触した直前の自動車との間に更に他の自動車ウが割り込んできたのを検出する。
この検出については、距離検出手段11は、通常の自動運転では、直前に走行中の車両との距離を検出しており、接触後、他の実施例と同様に、直前に走行中の車両と所定の範囲の距離だけ離隔して走行することになる。即ち、距離検手段11は、割り込んできた車両との距離を検出するが、この割り込みがあった場合、自車と割り込んできた車両との距離が近く、その距離が所定の範囲にないことになる。よって、制御部19は、運転操作手段1に対して、割り込んできた車両とより長い所定の距離を取るように指示する。この動作は、他の実施例においても割り込みがあった場合にも同様である。
次に、ステップ909では、報知手段20が作動して、表示手段8は、その画面上に「割り込みがありました。」と記載し、同時に、音声出力手段18は、「割り込みがありました。」と音声にて出力する。次に、ステップ910では、今まで接触した直前の自動車イを追従していたがそれを一旦解除する。同時に、報知手段20が作動して、表示手段8には、「手動運転に切り替えますか?」及び音声出力手段18からは、「手動運転に切り替えますか?」と音声にて出力される(ステップ911)。ユーザーが所定の時間内に切替の指示を出さない場合、直前の自動車に追従する自動運転が再開される。この場合、両車両の車間距離は、他の実施例における割り込み後と同様になる。尚、ステップ907にて、ユーザーが手動運転への切替指示を出した場合、ステップ912にて手動運転に切り替わる。
ステップ913から918は、実施例3のステップ412から417とそれぞれ同様なために、その説明を省略する。また、ステップ919では、割り込みを検出しないために、継続して接触した自動車イを追従することになる。
以上の構成により、本実施例8では、上記接触検出手段が直前の自動車との接触を検出した後、上記接触した直前の自動車と所定の範囲内の距離を維持しながらの走行中に、距離検出手段が上記自動運転車と上記接触した直前の他の自動車との間に割り込んだ他の自動車を検出した場合、上記報知手段を作動させ、一旦接触した自動車の追従を解除する。このため、ユーザーは、このタイミングにて、自動運転を維持するか又は手動運転に切り替えるかの判断を促され、その決定を行うことができる。よって、ユーザーは、この際に、本自動運転車の走行状態や周囲の状況に基づいて、より安全な自動車走行を選択することができる。これにより、本自動運転車は、他の車両との接触後に安全かつ確実な退避が可能となる。