JP2020034198A - ヒートポンプ、暖房システム及び冷房システム - Google Patents

ヒートポンプ、暖房システム及び冷房システム Download PDF

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由紀夫 宮入
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Abstract

【課題】冷暖房システムの小型化に資するヒートポンプを提供する。【解決手段】(1)ペルチェ効果を奏する熱電モジュール、第一柱状ハニカム熱交換器及び第二柱状ハニカム熱交換器を備えたヒートポンプ。(2)放熱側の第一柱状ハニカム熱交換器、吸熱側の第二柱状ハニカム熱交換器、及びペルチェ効果を奏する熱電変換部を備えたヒートポンプ。【選択図】図1

Description

本発明はヒートポンプに関し、とりわけ車両の暖房用又は冷房用のヒートポンプに関する。また、本発明は暖房システム及び冷房システムに関し、とりわけ車両の暖房システム及び冷房システムに関する。
地球環境保護の観点から、自動車からのCO2排出量の低減要求が高まっている。また、都市部での環境基準達成の観点から、自動車からの窒素酸化物等のゼロエミッション化要求が高まっている。これらに対応可能な対策として、電気自動車が注目されている。しかしながら、電気自動車は従来暖房の熱源としていた内燃機関を持たないので、暖房の熱源が不足するという問題がある。
そこで、バッテリーの電力を有効に用いて暖房を行うために蒸気圧縮ヒートポンプが用いられてきた(特許文献1)。蒸気圧縮ヒートポンプでは、媒体を電動コンプレッサーにより圧縮し、気相−液相間の相変化での吸熱及び放熱を利用して、冷たい外気から車室内へ熱をポンピングするものであり、投入電力に対し、ポンピングできる熱量が大きいので電気エネルギーをより有効に利用できるという利点がある。
ペルチェ素子を利用した車両用の暖房システムも知られている。ペルチェ素子に電圧を加えることによっても、ヒートポンプ効果が得られるので、投入電力に対し、より多くの熱を取り出すことが可能である。特許文献3には、自動車運転室の暖房用に、ペルチェ型電池を利用することが開示されている。特許文献4には、ペルチェ素子と熱交換器を組み合わせた車両用空気調和装置が開示されている。
特開2017−30724号公報 特表2015−519260号公報 特開2006−327573号公報 特開2014−189142号公報
相変化利用ヒートポンプは熱効率が高いが、外気が極低温の時に作動が困難であること、及び車両始動時に急速に車室を温めることが困難であること、といった問題がある。このため、相変化を利用したヒートポンプを主たる暖房に使用しつつ、車両始動時の急速加熱が必要なときや外気温が非常に低い時に、ジュール熱を利用したヒーターを補助的な暖房に活用することが従来検討されてきた。
しかしながら、主たる暖房として相変化利用ヒートポンプを持ち、補助的な暖房としてジュール熱利用ヒーターを組み合わせた従来技術においては、相変化利用ヒートポンプのシステム体積が大きいのに加え、ジュール加熱ヒーターのシステム体積も大きいため、車内スペースを圧迫してしまう問題があった。
この点、ペルチェ素子はヒートポンプの一種であるが、熱電変換を利用することから外気が極低温の時にでも作動可能であり、相変化利用ヒートポンプに比べて応答速度も速いという利点が得られる。しかしながら、ペルチェ素子に電力を入力して発熱させる方法を車室空気加熱に用いる場合も、伝熱面積が不足し加熱効率が不足することや、十分に加熱しようとすると、サイズが大きくなりすぎて車内スペースを圧迫する問題があった。この問題はペルチェ素子を利用して車室空気を冷房する場合にも同様に発生する。このため、よりコンパクトな暖房及び冷房が提供されることが望ましい。
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、一実施形態において、冷暖房システムの小型化に資するヒートポンプを提供することを課題とする。本発明は別の一実施形態において、そのようなヒートポンプを備えた車両用暖房システムを提供することを課題とする。本発明は更に別の一実施形態において、そのようなヒートポンプを備えた車両用冷房システムを提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、柱状ハニカム構造部を有する熱交換器とペルチェ効果を奏する熱電変換部とを組み合わせた以下に例示される本発明を完成した。
[1]
熱電モジュール、第一柱状ハニカム熱交換器及び第二柱状ハニカム熱交換器を備えたヒートポンプであって、
前記熱電モジュールが、
放熱側絶縁性基板と、
放熱側絶縁性基板に対向する吸熱側絶縁性基板と、
放熱側絶縁性基板及び吸熱側絶縁性基板の間に配置された熱電変換部とを有し、
前記熱電変換部が、
放熱側絶縁性基板側に形成された第一電極、p型半導体、吸熱側絶縁性基板側に形成された第二電極、及びn型半導体がこの順に繰り返し直列に接続されている繰り返し部と、
繰り返し部に電圧を印加するための一対の端子部とを有し、
前記第一柱状ハニカム熱交換器が、
熱電モジュールの放熱側絶縁性基板の外側に熱伝導可能な状態で配置されている外周側壁と、
外周側壁の内側に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有し、
前記第二柱状ハニカム熱交換器が、
熱電モジュールの吸熱側絶縁性基板の外側に熱伝導可能な状態で配置されている外周側壁と、
外周側壁の内側に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有する、
ヒートポンプ。
[2]
前記第一柱状ハニカム熱交換器、及び前記第二柱状ハニカム熱交換器は、導電性セラミックスで形成されている[1]に記載のヒートポンプ。
[3]
前記吸熱側絶縁性基板及び前記放熱側絶縁性基板が、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、及びジルコニア強化アルミナよりなる群から選択される少なくとも一種を含有するセラミックスで形成されている[1]又は[2]に記載のヒートポンプ。
[4]
下記の(1)及び(2)の何れか又は両方の条件を満たす[1]〜[3]の何れか一項に記載のヒートポンプ。
(1)熱電モジュールの放熱側絶縁性基板は、前記第一電極に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
(2)熱電モジュールの吸熱側絶縁性基板は、前記第二電極に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
[5]
下記の(3)及び(4)の何れか又は両方の条件を満たす[1]〜[3]の何れか一項に記載のヒートポンプ。
(3)熱電モジュールの放熱側絶縁性基板は、前記第一電極と直接接合されている。
(4)熱電モジュールの吸熱側絶縁性基板は、前記第二電極と直接接合されている。
[6]
放熱側の第一柱状ハニカム熱交換器、吸熱側の第二柱状ハニカム熱交換器、及び熱電変換部を備えたヒートポンプであって、
前記第一柱状ハニカム熱交換器が、
外周側壁と、外周側壁の内側に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有し、
前記第二柱状ハニカム熱交換器が、
外周側壁と、外周側壁の内側に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有し、
前記第一柱状ハニカム熱交換器、及び前記第二柱状ハニカム熱交換器が絶縁性材料で形成されており、
前記熱電変換部が、前記第一柱状ハニカム熱交換器の外側に形成された第一電極、p型半導体、前記第二柱状ハニカム熱交換器の外側に形成された第二電極、及びn型半導体がこの順に繰り返し直列に接続されている繰り返し部と、繰り返し部に電圧を印加するための一対の端子部とを有する、
ヒートポンプ。
[7]
前記第一柱状ハニカム熱交換器、及び前記第二柱状ハニカム熱交換器が、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、及びジルコニア強化アルミナよりなる群から選択される少なくとも一種を含有するセラミックスで形成されている[6]に記載のヒートポンプ。
[8]
下記の(1)及び(2)の何れか又は両方の条件を満たす[6]又は[7]に記載のヒートポンプ。
(1)前記第一柱状ハニカム熱交換器の外周側壁は、前記第一電極に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
(2)前記第二柱状ハニカム熱交換器の外周側壁は、前記第二電極に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
[9]
下記の(3)及び(4)の何れか又は両方の条件を満たす[6]又は[7]の何れか一項に記載のヒートポンプ。
(3)前記第一柱状ハニカム熱交換器の外周側壁は、前記第一電極と直接接合されている。
(4)前記第二柱状ハニカム熱交換器の外周側壁は、前記第二電極と直接接合されている。
[10]
第一柱状ハニカム熱交換器及び第二柱状ハニカム熱交換器の一方又は両方は、セル密度が31〜140セル/cm2であり、隔壁厚が0.05〜0.2mmである[1]〜[9]の何れか一項に記載のヒートポンプ。
[11]
熱電モジュールの繰り返し部は、絶縁性基板を介して二層以上に積層されている[1]〜[10]の何れか一項に記載のヒートポンプ。
[12]
[1]〜[11]の何れか一項に記載のヒートポンプ;
車室内の空気を、当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第一配管;
当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、車室内に戻すための第二配管;
車外の空気を、当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第三配管;
当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、車外へ戻すための第四配管;
を備えた車室暖房システム。
[13]
第三配管は、バッテリー及び/又はモーターからの熱によって第三配管を流れる外気を加熱するための熱交換器を通過するように構成されている[12]に記載の車室暖房システム。
[14]
[1]〜[11]の何れか一項に記載のヒートポンプ;
車室内の空気を、当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の一方底面に送るための第一配管;
当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、車室内に戻すための第二配管;
車外の空気を、当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第三配管;
当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、車外へ戻すための第四配管;
を備えた車室冷房システム。
[15]
[1]〜[11]の何れか一項に記載のヒートポンプ;
座席内の空気を、当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第一配管;
当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、座席内に戻すための第二配管;
座席外の空気を、当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第三配管;
当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、座席外へ戻すための第四配管;
を備えた座席暖房システム。
[16]
[1]〜[11]の何れか一項に記載のヒートポンプ;
座席内の空気を、当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の一方底面に送るための第一配管;
当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、座席内に戻すための第二配管;
座席外の空気を、当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第三配管;
当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、座席外へ戻すための第四配管;
を備えた座席冷房システム。
本発明の一実施形態によれば、単位体積当たりの伝熱面積を向上させた、冷暖房システムの小型化に資するヒートポンプが提供される。当該ヒートポンプは、相変化を利用したヒートポンプを主たる暖房に使用したときの補助的な暖房に使用してもよいし、当該ヒートポンプは、主たる暖房に使用することができる。また、当該ヒートポンプは、相変化を利用したヒートポンプを主たる冷房に使用したときの補助的な冷房に使用してもよいし、当該ヒートポンプは、主たる冷房に使用することができる。
本発明に係るヒートポンプの第一実施形態についての模式的な断面構造図である。 本発明に係るヒートポンプの第二実施形態についての模式的な断面構造図である。 二層以上に積層された繰り返し部をもつ熱電変換部の模式的な構造図である。 本発明に係る車室(又は座席)暖房システムの構成例を示す模式図である。 本発明に係る車室(又は座席)冷房システムの構成例を示す模式図である。
次に本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1.ヒートポンプの第一実施形態)
図1には、本発明に係るヒートポンプの第一実施形態についての模式的な斜視図が示されている。図1に示すヒートポンプ100は、熱電モジュール120、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160を備える。
(1.1 熱電モジュール)
熱電モジュール120は、放熱側絶縁性基板121と、放熱側絶縁性基板121に対向する吸熱側絶縁性基板122と、放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122の間に配置された熱電変換部130とを有する。放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122は共に平板状とすることができる。
放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122の厚みは、熱伝導の理由により、3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましく、1mm以下であることが更により好ましい。また、放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122の厚みは、強度の理由により、0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましく、0.3mm以上であることが更により好ましい。
放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122が絶縁性であるのは、熱電変換部130が直列回路の一部を形成し、電圧を印加したときに適切なペルチェ効果を得られるようにするためである。放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122は、20℃における体積抵抗率が、1010Ω・cm以上であることが好ましく、1012Ω・cm以上であることがより好ましく、1014Ω・cm以上であることが更により好ましく、例えば1010〜1016Ω・cmとすることができる。本発明において、体積抵抗率は、JIS C2141:1992に準拠して測定される。
放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122は、熱伝導率が高いことが望ましい。放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122の熱伝導率が高いことで、熱電モジュール120と第一柱状ハニカム熱交換器140の間、及び熱電モジュール120と第二柱状ハニカム熱交換器160の間の熱移動を効率的に行うことができる。具体的には、放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122は、20℃における熱伝導率が、10W/(m・K)以上であることが好ましく、20W/(m・K)以上であることがより好ましく、40W/(m・K)以上であることが更により好ましく、例えば10〜200W/(m・K)とすることができる。本発明において、熱伝導率は、JIS R1611:2010に準拠して測定される。
車両の冷暖房として実用的な放熱性能及び吸熱性能を得るという観点から、放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122はそれぞれ、外側表面(柱状ハニカム熱交換器が設置される側の表面)及び内側表面(基板同士が対向する表面)の面積の下限が30cm2以上であることが好ましく、50cm2以上であることがより好ましく、100cm2以上であることが更により好ましい。また、ヒートポンプを小型化するという観点から、放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122はそれぞれ、外側表面及び内側表面の面積の上限が1500cm2以下であることが好ましく、1000cm2以下であることがより好ましく、500cm2以下であることが更により好ましい。
上述した体積抵抗率及び熱伝導率を満たすことのできる放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122の材料としては、限定的ではないが、セラミックスが挙げられる。具体的には、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、ジルコニア強化アルミナよりなる群から選択される少なくとも一種を含有するセラミックスで形成されていることが好ましく、これらの何れか一種を主成分とするセラミックスで形成されていることがより好ましい。
放熱側絶縁性基板121と第一柱状ハニカム熱交換器140の間の熱伝導を効率的に行うため、放熱側絶縁性基板121の外側表面全体が、直接又は間接的に第一柱状ハニカム熱交換器140の側面(外周側壁142の外側表面)に接合していることが好ましい。同様に、吸熱側絶縁性基板122と第二柱状ハニカム熱交換器160の間の熱伝導を効率的に行うため、吸熱側絶縁性基板122の外側表面全体が、直接又は間接的に第二柱状ハニカム熱交換器160の側面(外周側壁162の外側表面)に接合していることが好ましい。
熱電変換部130は、
放熱側絶縁性基板121側に形成された第一電極131、p型半導体132、吸熱側絶縁性基板122側に形成された第二電極134、及びn型半導体133がこの順に繰り返し直列に接続されている繰り返し部と、
繰り返し部に電圧を印加するための一対の端子部136a、136bとを有する。
熱電変換部130の一対の端子部136a、136bに電圧を印加することで、繰り返し部には直流電流が流れる。すると、一端側のn型半導体133から他端側のp型半導体132(または一端側のp型半導体132から他端側のn型半導体133)に向けて電流を流した際に、ペルチェ効果により熱移動が生じ、吸熱側絶縁性基板122が吸熱作用を示すと共に放熱側絶縁性基板121が放熱作用を示す。
熱電変換部130は、一つの熱電モジュール120内に一つ存在してもよいし、一つの熱電モジュール120内に複数存在してもよい。熱電変換部130が一つの熱電モジュール120内に複数存在する場合、一つの熱電モジュール120内に複数対の端子部136a、136bが存在することになる。
熱電変換部130の繰り返し部における繰り返し数には特に制限はない。放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122の主表面の面積等に応じて適宜設定すればよい。繰り返し部は一次元方向に延設してもよいし、二次元方向に延設してもよい。更に、繰り返し部は、絶縁性基板を介して二層以上に積層することができる。これにより、放熱側絶縁性基板121と吸熱側絶縁性基板122の間の温度差を大きくすることができる。積層数の下限は、加熱温度を高くできる加熱性能の観点から、2層以上であることが好ましく、3層以上であることがより好ましく、4層以上であることが更により好ましい。積層数の上限は、コンパクト性の観点から、7層以下であることが好ましく、6層以下であることがより好ましく、5層以下であることが更により好ましい。
二層以上に積層された繰り返し部をもつ熱電変換部130においては、各層に一対の端子部136a、136bを設けてもよいし、複数層を直列に接続して複数層に対して一対の端子部136a、136bを設けてもよいし、すべての層を直列に接続して全体で一対の端子部136a、136bを設けてもよい。図3には、二層以上に積層された繰り返し部をもつ熱電変換部130の模式的な構造図が示されている。
図3に示す熱電変換部130においては、繰り返し部は、絶縁性基板150を挟んで直列に接続された二層構造の繰り返し部を有する。上層の繰り返し部の一端には端子部136aが接続されており、下層の繰り返し部の一端にも端子部136bが接続されている。また、上層の繰り返し部の他端と下層の繰り返し部の他端は電気的に直列接続されている。これにより、例えば、端子部136aと端子部136bの間に図3に示すような電圧を印加すると、電流は上層の端子部136aから流入し、上層の繰り返し部及び下層の繰り返し部を順に通った後に、下層の端子部136bから流出する。
図3に示す実施形態においては、導電性材料で形成された導電ブロック135が下層の繰り返し部の末端第一電極131と下層の末端第二電極134の間の隙間を埋めながら両者に電気的に接触するようにして設置されている。また、上層の繰り返し部の末端第二電極134は絶縁性基板150の側面を通って下層まで延設されており、導電ブロック135、下層の末端第一電極131及び下層の末端第二電極134のうち少なくとも一つと接触している。このようにして、上層の繰り返し部の他端と下層の繰り返し部の他端は直列接続されている。
導電ブロック135の材質としては、限定的ではないが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ステンレス、ニッケル、及びニッケル合金といった金属が挙げられる。導電ブロックは電気抵抗及び熱伝導率は共に低いほうが好ましいので、例えば、電流の流れ方向に直交する電流通路断面積が、ペルチェ素子を構成するn型半導体及びp型半導体に比べて小さくなるように、導電ブロックを多孔体で構成したり、導電ブロックに対して電流の流れ方向に延びる一本又は二本以上のスリットを付与したりすることもできる。導電ブロックの20℃における体積抵抗率は、1Ω・cm以下、好ましくは0.1Ω・cm以下、より好ましくは0.01Ω・cm以下、例えば0.1から0.001Ω・cmとすることができる。また、導電ブロックの20℃における熱伝導率は、100W/(m・K)以下であることが好ましく、50W/(m・K)以下であることがより好ましく、10W/(m・K)以下であることが更により好ましく、例えば50〜5W/(m・K)とすることができる。上記金属の細孔制御により気孔率を大きくし、電気抵抗を小さいままで、熱伝導率を小さくしたブロックを用いることができる。多孔体導電ブロックは、多層ペルチェ素子の衝撃吸収の役割も期待できる。導電ブロック135は第一電極及び第二電極と同一材質としてもよい。導電ブロック135は、熱膨張差を吸収できるよう弾性変形可能なバネ形状を有しても良い。絶縁性基板150の材質に関しては、放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122について述べたのと同様であるので説明を省略する。絶縁性基板150は放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122と同一材質としてもよい。
導電ブロック135は存在しなくてもよい。例えば、下層の繰り返し部の末端第二電極134及び上層の繰り返し部の末端第二電極134の一方を反対側の層まで延設することで直接的に接続してもよい。また、下層の繰り返し部の末端第二電極134及び上層の繰り返し部の末端第二電極134を電線を介して間接的に接続してもよい。しかしながら、導電ブロック135が存在するほうが熱電変換部130の構造強度を高めることができるという利点が得られる。
なお、ヒートポンプ機能を担保するため、上層と下層の間で、p型半導体132及びn型半導体133を流れる電流の向きはそれぞれ変化しないように留意する必要がある。
第一電極131は放熱側絶縁性基板121の内側表面(基板同士が対向する表面)に接合することができ、第二電極134は吸熱側絶縁性基板122の内側表面(基板同士が対向する表面)に接合することができる。放熱側絶縁性基板121と第一電極131との接合、及び、吸熱側絶縁性基板122と第二電極134との接合はそれぞれ、接合材を介さない直接接合でもよいし、接合材を介した間接接合でもよい。直接接合の方法としては、DCB(Direct Copper Bonding)法が挙げられる。DCB法はセラミックスと金属(典型的には銅又は銅合金)を、共晶反応を用いて接合する方法である。間接接合の方法としては、AMB(Active Metal Bonding)法が挙げられる。AMB法は、活性金属を含むロウ材を接合材として利用し、セラミックスと金属(典型的には銅又は銅合金)を接合する方法である。使用するロウ材は電極の材質によって異なる。例えば、電極の材質がアルミニウム及びアルミニウム合金の場合は、Al−Si系合金、又はAl−Si系合金に防錆効果のあるGe、低融点化剤のMgを微量添加したAl−Si−Ge系若しくはAl−Si−Mg系のロウ材を用いることができる。また、電極の材質が銅及び銅合金の場合は、Ti、Zr、Hf等の活性金属に低融点合金を作るAg、Cu等の金属を混合したもの、又はこれらの合金のロウ材を用いることができる。
従って、本発明に係るヒートポンプの一実施形態においては、下記の(1)及び(2)の何れか又は両方の条件を満たす。
(1)熱電モジュール120の放熱側絶縁性基板121は、前記第一電極131に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
(2)熱電モジュール120の吸熱側絶縁性基板122は、前記第二電極134に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
本発明に係るヒートポンプの別の一実施形態においては、下記の(3)及び(4)の何れか又は両方の条件を満たす。
(3)熱電モジュール120の放熱側絶縁性基板121は、前記第一電極131と直接接合されている。
(4)熱電モジュール120の吸熱側絶縁性基板122は、前記第二電極134と直接接合されている。
(1.2 柱状ハニカム熱交換器)
図1を参照すると、熱電モジュール120の放熱側絶縁性基板121の外側には第一柱状ハニカム熱交換器140が設置されている。また、熱電モジュール120の吸熱側絶縁性基板122の外側には第二柱状ハニカム熱交換器160が設置されている。
第一柱状ハニカム熱交換器140は、
熱電モジュール120の放熱側絶縁性基板121の外側に熱伝導可能な状態で配置されている外周側壁142と、
外周側壁142の内側に配設され、一方の底面147から他方の底面148まで流体の流路を形成する複数のセル144を区画形成する隔壁146と、
を有する。
第二柱状ハニカム熱交換器160は、
熱電モジュール120の吸熱側絶縁性基板122の外側に熱伝導可能な状態で配置されている外周側壁162と、
外周側壁142の内側に配設され、一方の底面167から他方の底面168まで流体の流路を形成する複数のセル164を区画形成する隔壁166と、
を有する。
第一柱状ハニカム熱交換器140(又は第二柱状ハニカム熱交換器160)の外周側壁142(162)が、熱電モジュール120の放熱側絶縁性基板121(又は吸熱側絶縁性基板122)の外側に熱伝導可能な状態で配置されている具体的な態様としては、以下が例示される。
(1)第一柱状ハニカム熱交換器140(又は第二柱状ハニカム熱交換器160)の外周側壁142(162)の外側表面が、熱電モジュール120の放熱側絶縁性基板121(又は吸熱側絶縁性基板122)の外側表面と直接接触している態様。
(2)第一柱状ハニカム熱交換器140(又は第二柱状ハニカム熱交換器160)の外周側壁142(162)の外側表面が、熱電モジュール120の放熱側絶縁性基板121(又は吸熱側絶縁性基板122)の外側表面と接合材を介して間接接触している態様。
直接接触の方法としては、限定的ではないが、外周側壁と絶縁性基板の材質に応じて、焼結、拡散接合、機械的な加圧機構、溶接等の方法が挙げられる。直接接触の場合、外周側壁142(162)の外側表面と絶縁性基板121(122)の外側表面が密接していることが効率的な熱伝導を行う上で好ましい。
間接接触する際の接合材としては、限定的ではないが、セラミックス材料に、水等の溶媒を加えてペースト状にしたものを用いることができる。接合材は、外周側壁及び絶縁性基板と同一のセラミックスを含有してもよい。間接接触の場合、外周側壁142(162)の外側表面と接合材が密接し、そして、絶縁性基板121(122)の外側表面と接合材が密接していることが効率的な熱伝導を行う上で好ましい。
本実施形態において、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160の電気的特性に制約はない。このため、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160は、セラミックス及び金属の何れでもよいし、他の材料で形成してもよい。金属としては、Fe、Co、Ni及びCu及びこれらの少なくとも一種を含有する合金が挙げられる。セラミックスとしては、導電性セラミックス(一般には、20℃における体積抵抗率が103Ω・cm以下、好ましくは102Ω・cm以下、より好ましくは10Ω・cm以下、更により好ましくは1Ω・cm以下、最も好ましくは0.1Ω・cm以下)及び絶縁性セラミックス(一般には、20℃における体積抵抗率が1010Ω・cm以上)が挙げられる。
耐食性及び熱伝導率が高いという理由により、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160は、導電性セラミックスで形成されていることが好ましい。導電性セラミックスとしては、炭化ケイ素(SiC)を含有するセラミックスが好ましく、炭化ケイ素(SiC)を主成分とするセラミックスがより好ましい。更に、SiやAlを含浸させて緻密体構造にするほうが高い熱伝導率が得られることから、シリコン又はアルミニウムを含浸した炭化ケイ素(例:Si含浸SiC、(Si+Al)含浸SiC)を主成分とすることが更により好ましい。絶縁性セラミックスとしては、限定的ではないが、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、及びジルコニア強化アルミナよりなる群から選択される少なくとも一種を含有するセラミックスが挙げられ、典型的にはこれらの何れか一種を主成分とするセラミックスが挙げられる。
第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160はそれぞれ、外周側壁142(162)の内側に配設され、一方の底面147(167)から他方の底面148(168)まで流体の流路を形成する複数のセル144(164)を区画形成する隔壁146(166)を有する。第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160がこのようなハニカム構造を有することは、単位体積当たりの伝熱面積を大きくすることが可能となり、放熱側絶縁性基板121から熱をセル144を流れる流体に伝えやすくなる(又はセル164を流れる流体から熱を吸熱側絶縁性基板122に伝えやすくなる)。このため、小型ながらも冷暖房効率の高いヒートポンプを得るのに役立つ。
第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160はそれぞれ、例えば、底面が多角形(四角形(長方形、正方形)、五角形、六角形、七角形、八角形等)の柱状、底面が円形の柱状(円柱形状)、底面がオーバル形状の柱状等の任意の形状とすることができる。組み立て易さ及び冷暖房効率の観点からは、これらの中でも底面が多角形の柱状(多角柱状)が好ましく、底面が四角形の柱状がより好ましい。
冷暖房効率を高めるという観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器140のセルの流路に直交する方向の断面において、放熱側絶縁性基板121の外側表面の法線方向の長さをL1、放熱側絶縁性基板121の外側表面と直接又は間接的に接触している部分の長さをL2とすると、L1/L2≦0.5であることが好ましく、L1/L2≦0.3であることがより好ましく、L1/L2≦0.2であることが更により好ましい。但し、第一柱状ハニカム熱交換器140のガス流量を確保することを考慮すると、0.05≦L1/L2であることが好ましく、0.1≦L1/L2であることがより好ましく、0.15≦L1/L2であることが更により好ましい。
同様に、冷暖房効率を高めるという観点からは、第二柱状ハニカム熱交換器160のセルの流路に直交する方向の断面において、吸熱側絶縁性基板122の外側表面の法線方向の長さをL3、吸熱側絶縁性基板122の外側表面と直接又は間接的に接触している部分の長さをL4とすると、L3/L4≦0.5であることが好ましく、L3/L4≦0.3であることがより好ましく、L3/L4≦0.2であることが更により好ましい。但し、第二柱状ハニカム熱交換器160のガス流量を確保することを考慮すると、0.05≦L3/L4であることが好ましく、0.1≦L3/L4であることがより好ましく、0.15≦L3/L4であることが更により好ましい。
冷暖房効率を高めるという観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器140について、放熱側絶縁性基板121の外側表面の法線方向の長さL1の上限は、5cm以下とすることが好ましく、3cm以下とすることがより好ましく、2cm以下とすることが更により好ましい。但し、第一柱状ハニカム熱交換器140のガス流量を確保することを考慮すると、第一柱状ハニカム熱交換器140について、放熱側絶縁性基板121の外側表面の法線方向の長さL1の下限は、0.5cm以上とすることが好ましく、1cm以上とすることがより好ましく、1.5cm以上とすることが更により好ましい。
同様に、冷暖房効率を高めるという観点からは、第二柱状ハニカム熱交換器160について、吸熱側絶縁性基板122の外側表面の法線方向の長さL3の上限は、5cm以下とすることが好ましく、3cm以下とすることがより好ましく、2cm以下とすることが更により好ましい。但し、第二柱状ハニカム熱交換器160のガス流量を確保することを考慮すると、第二柱状ハニカム熱交換器160について、吸熱側絶縁性基板122の外側表面の法線方向の長さL3の下限は、0.5cm以上とすることが好ましく、1cm以上とすることがより好ましく、1.5cm以上とすることが更により好ましい。
ガス流量を確保するという観点から、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160の各底面積の大きさの下限は、50cm2以上とすることが好ましく、70cm2以上とすることがより好ましく、100cm2以上とすることが更により好ましい。ヒートポンプをコンパクトにするという観点から、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160の各底面積の大きさの上限は、300cm2以下とすることが好ましく、200cm2以下することがより好ましく、更には150cm2以下とすることが好ましい。第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160の各底面積の大きさは、例えば50〜300cm2とすることができる。
セルの流路に直交する断面におけるセルの形状に制限はないが、四角形(長方形、正方形)、六角形、八角形、又はこれらの二種以上の組み合わせであることが好ましい。これらのなかでも、正方形及び六角形が好ましい。セル形状をこのようにすることにより、柱状ハニカム熱交換器140、160にガスを流したときの圧力損失を小さくすることができる。
ヒートポンプをコンパクトにするという観点から、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160の高さ(各セルの流路長さ)の上限は、例えば50mm以下とすることが好ましく、40mm以下とすることがより好ましく、30mm以下とすることが更により好ましい。加熱性能及び強度を確保するという観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160の高さ(各セルの流路長さ)の下限は5mm以上とすることが好ましく、10mm以上とすることがより好ましく、20mm以上とすることが更により好ましい。柱状ハニカム構造部の高さ(各セルの流路長さ)は、例えば5〜50mmとすることができる。
熱伝導性確保の観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160における隔壁146、166の平均厚みの下限は、0.05mm以上であることが好ましく、0.08mm以上であることがより好ましく、0.10mm以上であることが更により好ましい。また、圧力損失低減の観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160における隔壁146、166の平均厚みの上限は、0.2mm以下であることが好ましく、0.18mm以下であることがより好ましく、0.15mm以下であることが更により好ましい。
本発明において、隔壁の厚みは、セルの流路に直交する断面において、隣接するセルの重心同士を線分で結んだときに当該線分が隔壁を横切る長さを指す。隔壁の平均厚みは、すべての隔壁の厚みの平均値を指す。
第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160は、セル密度が31セル/cm2以上であることが好ましく、40セル/cm2以上であることがより好ましい。先述した隔壁の平均厚みの好適な範囲と組み合わせてセル密度を上記範囲に規制することで、熱効率に優れたヒートポンプとすることができる。通風抵抗を抑えて送風機の出力を抑制するという観点から、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160は、セル密度が140セル/cm2以下であることが好ましく、100セル/cm2以下であることがより好ましい。本発明において、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160のセル密度は、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160の各底面の面積でセル数を除して得られる値である。
通風抵抗を抑えるという観点から、開口率(OFA)は大きいほうが有利である。従って、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160の各底面における開口率の下限は、0.7以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましく、0.8以上であることが更により好ましい。また、熱伝導性確保という観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160の各底面における開口率の上限は0.9以下であることが好ましく、0.88以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更により好ましい。
本発明において、第一柱状ハニカム熱交換器140及び第二柱状ハニカム熱交換器160の各底面における開口率は、セルの開口部を含む各底面の面積に対する当該底面におけるセルの開口部の面積の比率を指す。
(2.ヒートポンプの第二実施形態)
図2には、本発明に係るヒートポンプの第二実施形態についての模式的な斜視図が示されている。図2に示すヒートポンプ200は、放熱側の第一柱状ハニカム熱交換器240、吸熱側の第二柱状ハニカム熱交換器260、及び熱電変換部230を備える。
(2.1 柱状ハニカム熱交換器)
第一柱状ハニカム熱交換器240は、外周側壁242と、外周側壁242の内側に配設され、一方の底面247から他方の底面248まで流体の流路を形成する複数のセル244を区画形成する隔壁246とを有する。また、本実施形態において、第二柱状ハニカム熱交換器260は、外周側壁262と、外周側壁262の内側に配設され、一方の底面267から他方の底面268まで流体の流路を形成する複数のセル264を区画形成する隔壁266とを有する。
第二実施形態が第一実施形態と異なる点は、第二実施形態では放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122が存在せず、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260が実質的に第一実施形態における放熱側絶縁性基板121及び吸熱側絶縁性基板122の機能を兼ね備えている点である。当該構成により部品点数を削減可能となるので、製造工程の短縮及び生産コストの低減の点で有利である。また、熱電変換部230とハニカム熱交換器240、260の間で直接熱の移動が行われる、絶縁性基板121、122を介する場合に比べて熱伝導の効率を高めることができる。
このため、第二実施形態においては、第一柱状ハニカム熱交換器240、及び第二柱状ハニカム熱交換器260が絶縁性材料で形成される。これらの熱交換器を形成する絶縁性材料としては、20℃における体積抵抗率が、1010Ω・cm以上であることが好ましく、1012Ω・cm以上であることがより好ましく、1014Ω・cm以上であることが更により好ましく、例えば1010〜1016Ω・cmとすることができる。本発明において、体積抵抗率は、JIS C2141:1992に準拠して測定される。
第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260は、熱伝導率が高いことが望ましい。これらの熱交換器の熱伝導率が高いことで、熱電変換部230と第一柱状ハニカム熱交換器240の間、及び熱電変換部230と第二柱状ハニカム熱交換器260の間の熱移動を効率的に行うことが可能となる。具体的には、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260は、20℃における熱伝導率が、10W/(m・K)以上であることが好ましく、20W/(m・K)以上であることがより好ましく、40W/(m・K)以上であることが更により好ましく、例えば10〜200W/(m・K)とすることができる。本発明において、熱伝導率は、JIS R1611:2010に準拠して測定される。
上述した体積抵抗率及び熱伝導率を満たすことのできる第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の材料としては、限定的ではないが、セラミックスが挙げられる。具体的には、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、ジルコニア強化アルミナよりなる群から選択される少なくとも一種を含有するセラミックスで形成されていることが好ましい。
車両の冷暖房として実用的な放熱性能及び吸熱性能を得るという観点から、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の側面(外周側壁242、261の外側表面)はそれぞれ、熱電変換部230を設置するのに十分な面積を有していることが好ましい。具体的には、これらの熱交換器240、260は、熱電変換部230の電極231、234が接合される側面(外周側壁242、261の外側表面)の面積の下限が30cm2以上であることが好ましく、50cm2以上であることがより好ましく、100cm2以上であることが更により好ましい。また、ヒートポンプを小型化するという観点から、これらの熱交換器240、260は、熱電変換部230の電極231、234が接合される側面(外周側壁242、261の外側表面)の面積の上限が1500cm2以下であることが好ましく、1000cm2以下であることがより好ましく、600cm2以下であることが更により好ましい。
第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260はそれぞれ、外周側壁242(262)の内側に配設され、一方の底面247(267)から他方の底面248(268)まで流体の流路を形成する複数のセル244(264)を区画形成する隔壁246(266)を有する。第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260がこのようなハニカム構造を有することは、単位体積当たりの伝熱面積を大きくすることが可能となり、熱電変換部230から熱をセル244を流れる流体に伝えやすくなる、又はセル264を流れる流体から熱を熱電変換部230に伝えやすくなる。このため、小型ながらも冷暖房効率の高いヒートポンプを得るのに役立つ。
第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260はそれぞれ、例えば、底面が多角形(四角形(長方形、正方形)、五角形、六角形、七角形、八角形等)の柱状(多角柱状)、底面が円形の柱状(円柱形状)、底面がオーバル形状の柱状等の任意の形状とすることができる。組み立て易さ及び冷暖房効率の観点からは、これらの中でも底面が多角形の柱状(多角柱状)が好ましく、底面が四角形の柱状がより好ましい。
冷暖房効率を高めるという観点から、第一柱状ハニカム熱交換器240は、セルの流路に直交する方向の断面において、熱電変換部230の第一電極231が接合される側面の法線方向の長さをL1、熱電変換部230の第一電極231が接合される側面の長さをL2とすると、L1/L2≦0.5であることが好ましく、L1/L2≦0.3であることがより好ましく、L1/L2≦0.2であることが更により好ましい。但し、第一柱状ハニカム熱交換器240のガス流量を確保することを考慮すると、0.05≦L1/L2であることが好ましく、0.1≦L1/L2であることがより好ましく、0.15≦L1/L2であることが更により好ましい。
同様に、冷暖房効率を高めるという観点からは、第二柱状ハニカム熱交換器260は、セルの流路に直交する方向の断面において、熱電変換部230の第二電極234が接合される側面の法線方向の長さをL3、熱電変換部230の第二電極234が接合される側面の長さをL4とすると、L3/L4≦0.5であることが好ましく、L3/L4≦0.3であることがより好ましく、L3/L4≦0.2であることが更により好ましい。但し、第二柱状ハニカム熱交換器260のガス流量を確保することを考慮すると、0.05≦L3/L4であることが好ましく、0.1≦L3/L4であることがより好ましく、0.15≦L3/L4であることが更により好ましい。
冷暖房効率を高めるという観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器240について、熱電変換部230の電極231が接合される側面の法線方向の長さL1の上限は、5cm以下とすることが好ましく、3cm以下とすることがより好ましく、2cm以下とすることが更により好ましい。但し、第一柱状ハニカム熱交換器240のガス流量を確保することを考慮すると、第一柱状ハニカム熱交換器240について、熱電変換部230の電極231が接合される側面の法線方向の長さL1の下限は、0.5cm以上とすることが好ましく、1cm以上とすることがより好ましく、1.5cm以上とすることが更により好ましい。
同様に、冷暖房効率を高めるという観点からは、第二柱状ハニカム熱交換器260について、熱電変換部230の第二電極234が接合される側面の法線方向の長さL3の上限は、5cm以下とすることが好ましく、3cm以下とすることがより好ましく、2cm以下とすることが更により好ましい。但し、第二柱状ハニカム熱交換器260のガス流量を確保することを考慮すると、第二柱状ハニカム熱交換器260について、熱電変換部230の第二電極234が接合される側面の法線方向の長さL3の下限は、0.5cm以上とすることが好ましく、1cm以上とすることがより好ましく、1.5cm以上とすることが更により好ましい。
ガス流量を確保するという観点から、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の各底面積の大きさの下限は、50cm2以上とすることが好ましく、70cm2以上とすることがより好ましく、100cm2以上とすることが更により好ましい。ヒートポンプをコンパクトにするという観点から、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の各底面積の大きさの上限は、300cm2以下とすることが好ましく、200cm2以下することがより好ましく、更には150cm2以下とすることが好ましい。第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の各底面積の大きさは、例えば50〜300cm2とすることができる。
セルの流路に直交する断面におけるセルの形状に制限はないが、四角形(長方形、正方形)、六角形、八角形、又はこれらの二種以上の組み合わせであることが好ましい。これらのなかでも、正方形及び六角形が好ましい。セル形状をこのようにすることにより、柱状ハニカム熱交換器240、260にガスを流したときの圧力損失を小さくすることができる。
ヒートポンプをコンパクトにするという観点から、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の高さ(各セルの流路長さ)の上限は、例えば50mm以下とすることが好ましく、40mm以下とすることがより好ましく、30mm以下とすることが更により好ましい。加熱性能及び強度を確保するという観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の高さ(各セルの流路長さ)の下限は5mm以上とすることが好ましく、10mm以上とすることがより好ましく、20mm以上とすることが更により好ましい。柱状ハニカム構造部の高さ(各セルの流路長さ)は、例えば5〜50mmとすることができる。
熱伝導性の観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260における隔壁246、266の平均厚みの下限は、0.05mm以上であることが好ましく、0.08mm以上であることがより好ましく、0.1mm以上であることが更により好ましい。また、圧力損失低減の観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260における隔壁246、266の平均厚みの上限は、0.2mm以下であることが好ましく、0.18mm以下であることがより好ましく、0.15mm以下であることが更により好ましい。
本発明において、隔壁の厚みは、セルの流路に直交する断面において、隣接するセルの重心同士を線分で結んだときに当該線分が隔壁を横切る長さを指す。隔壁の平均厚みは、すべての隔壁の厚みの平均値を指す。
第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260は、セル密度が31セル/cm2以上であることが好ましく、40セル/cm2以上であることがより好ましい。先述した隔壁の平均厚みの好適な範囲と組み合わせてセル密度を上記範囲に規制することで、熱効率に優れたヒートポンプとすることができる。通風抵抗を抑えて送風機の出力を抑制するという観点から、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260は、セル密度が140セル/cm2以下であることが好ましく、100セル/cm2以下であることがより好ましい。本発明において、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260のセル密度は、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の各底面の面積でセル数を除して得られる値である。
通風抵抗を抑えるという観点から、開口率(OFA)は大きいほうが有利である。従って、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の各底面における開口率の下限は、0.7以上であることが好ましく、0.75以上であることがより好ましく、0.8以上であることが更により好ましい。また、熱伝導性確保という観点からは、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の各底面における開口率の上限は0.9以下であることが好ましく、0.88以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更により好ましい。
本発明において、第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の各底面における開口率は、セルの開口部を含む各底面の面積に対する当該底面におけるセルの開口部の面積の比率を指す。
(2.2 熱電変換部)
熱電変換部230は、放熱側の第一柱状ハニカム熱交換器240の外側に形成された第一電極231、p型半導体232、吸熱側の第二柱状ハニカム熱交換器260の外側に形成された第二電極234、及びn型半導体233がこの順に繰り返し直列に接続されている繰り返し部と、繰り返し部に電圧を印加するための一対の端子部236a、236bとを有する。
熱電変換部230の一対の端子部236a、236bに電圧を印加することで、繰り返し部には直流電流が流れる。すると、一端側のn型半導体233から他端側のp型半導体232(または一端側のp型半導体232から他端側のn型半導体233)に向けて電流を流した際に、ペルチェ効果により熱移動が生じ、第一柱状ハニカム熱交換器240から放熱すると共に第二柱状ハニカム熱交換器260から吸熱する。
熱電変換部230は、一つのヒートポンプ内に一つ存在してもよいし、一つのヒートポンプ内に複数存在してもよい。熱電変換部230が一つのヒートポンプ内に複数存在する場合、一つのヒートポンプ内に複数対の端子部236a、236bが存在することになる。
熱電変換部230の繰り返し部における繰り返し数には特に制限はない。第一柱状ハニカム熱交換器240及び第二柱状ハニカム熱交換器260の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。繰り返し部は一次元方向に延設してもよいし、二次元方向に延設してもよい。更に、繰り返し部は、上述の第一実施形態で述べたことと同様に、絶縁性基板を介して二層以上に積層することができる。積層した場合の積層数、各層間の接続方法及び端子部の設置個所等については、第一実施形態で述べた説明と同様であるので詳細な説明を省略する。
第一電極231は、第一柱状ハニカム熱交換器240の側面(外周側壁242の外側表面)であって第二柱状ハニカム熱交換器260に対向する側面に接合することができる。第二電極234は第二柱状ハニカム熱交換器260の側面(外周側壁262の外側表面)であって第一柱状ハニカム熱交換器240に対向する側面に接合することができる。第一柱状ハニカム熱交換器240と第一電極231との接合、及び、第二柱状ハニカム熱交換器260と第二電極234との接合はそれぞれ、接合材を介さない直接接合でもよいし、接合材を介した間接接合でもよい。直接接合の方法としては、DCB(Direct cupper bonding)法が挙げられる。DCB法は、上述の第一実施形態で述べた説明と同様であるので説明を省略する。AMB法は、上述の第一実施形態で述べた説明と同様であるので説明を省略する。
従って、本発明に係るヒートポンプの一実施形態においては、下記の(1)及び(2)の何れか又は両方の条件を満たす。
(1)前記第一柱状ハニカム熱交換器240の外周側壁242は、前記第一電極231に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
(2)前記第二柱状ハニカム熱交換器260の外周側壁262は、前記第二電極234に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
また、本発明に係るヒートポンプの別の一実施形態においては、下記の(3)及び(4)の何れか又は両方の条件を満たす。
(3)前記第一柱状ハニカム熱交換器240の外周側壁242は、前記第一電極231と直接接合されている。
(4)前記第二柱状ハニカム熱交換器260の外周側壁262は、前記第二電極234と直接接合されている。
(3.ヒートポンプのその他の実施形態)
上述した第一実施形態では放熱側絶縁性基板及び吸熱側絶縁性基板が存在していた。第二実施形態では放熱側絶縁性基板及び吸熱側絶縁性基板が存在せず、その代わりに、第一柱状ハニカム熱交換器及び第二柱状ハニカム熱交換器が実質的に放熱側絶縁性基板及び吸熱側絶縁性基板の機能を兼ね備えていた。ヒートポンプのその他の実施形態としては、例えば、放熱側絶縁性基板が存在する一方で、吸熱側絶縁性基板が存在せず、その代わりに、第二柱状ハニカム熱交換器260が実質的に吸熱側絶縁性基板の機能を兼ね備えた実施形態があり得る。また、吸熱側絶縁性基板が存在する一方で、放熱側絶縁性基板が存在せず、その代わりに、第一柱状ハニカム熱交換器が実質的に放熱側絶縁性基板の機能を兼ね備えた実施形態があり得る。
(4.ヒートポンプの製造方法)
次に、本発明に係るヒートポンプを製造する方法について例示的に説明する。
(4.1 柱状ハニカム熱交換器の製造)
まず、セラミックス原料に、分散媒及びバインダを含有する原料組成物を混ぜ合わせ、混練して坏土を調製した後、坏土を押出成形してハニカム成形体を作製する。原料組成物中には分散剤、導電体粉末等の添加剤を必要に応じて配合することができる。押出成形に際しては、所望の全体形状、セル形状、隔壁厚み、セル密度等を有する口金を用いることができる。
セラミックス原料は、焼成後に残存し、セラミックスとしてハニカム構造体の骨格を構成する部分の原料である。セラミックス原料は例えば粉末の形態で提供することができる。セラミックス原料としては、例えば炭化珪素、珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、ジルコニア強化アルミナ等が使用可能である。導電率を制御するため、カーボンブラック及びニッケルのような導電体粉末を添加してもよい。
分散媒としては、水、又は水とアルコール等の有機溶媒との混合溶媒等を挙げることができるが、特に水を好適に用いることができる。
バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の有機バインダを例示することができる。特に、メチルセルロース及びヒドロキシプロポキシルセルロースを併用することが好適である。また、バインダの含有量は、ハニカム成形体の強度を高めるという観点から、セラミックス原料100質量部に対して4質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であるのがより好ましく、6質量部以上であるのが更により好ましい。バインダの含有量は、焼成工程での異常発熱によるキレ発生を抑制する観点から、セラミックス原料100質量部に対して9質量部以下であることが好ましく、8質量部以下であるのがより好ましく、7質量部以下であるのが更により好ましい。バインダは、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。
分散剤には、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等の界面活性剤を用いることができる。分散剤は、1種類を単独で使用するものであっても、2種類以上を組み合わせて使用するものであってもよい。分散剤の含有量は、セラミックス原料100質量部に対して0〜2質量部であることが好ましい。
次いで、得られたハニカム成形体を乾燥する。乾燥工程においては、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知の乾燥方法を用いることができる。なかでも、成形体全体を迅速かつ均一に乾燥することができる点で、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好ましい。
次いで、乾燥後のハニカム成形体に対して焼成を行うことで柱状ハニカム熱交換器を製造可能である。焼成の前にバインダを除去するための脱脂工程を行うこともできる。焼成条件は、ハニカム成形体の材質によって適宜決定することができる。例えば、柱状ハニカム熱交換器の材質がSi含浸SiCを主成分とする場合、ハニカム成形体を不活性ガス雰囲気中において焼成し、その後、得られた焼成体に、Ar等の不活性ガス雰囲気中においてSiを含浸することにより、柱状ハニカム熱交換器を作製することができる。柱状ハニカム熱交換器の材質が窒化珪素を主成分とする場合、焼成温度を1600〜1800℃として窒素雰囲気中で焼成することができる。また、ハニカム成形体の材質がアルミナ又はジルコニア強化アルミナを主成分とする場合、焼成温度を1400〜1600℃として大気雰囲気中で焼成することができる。
脱脂工程を実施する際の雰囲気としては、例えば大気雰囲気、不活性雰囲気、減圧雰囲気とすることができる。これらの中でも、原料の酸化による焼結不足を防ぎ、また原料内に含まれる酸化物を還元し易い、不活性雰囲気かつ減圧雰囲気とすることが好ましい。
焼成炉としては、特に限定されないが、電気炉、ガス炉等を用いることができる。
(4.2 ヒートポンプの組み立て)
上述した第一実施形態に係るヒートポンプを製造する場合、熱電モジュールを用意する。熱電モジュールは市販のペルチェ素子を使用してもよい。熱電モジュールは例えば以下の手順で作製する。放熱側絶縁性基板の内側表面に所望の数の第一電極を所定の配列で接合し、また、吸熱側絶縁性基板の内側表面に第二電極を所定の配列で接合する。次いで、p型半導体及びn型半導体を繰り返し第一電極及び第二電極に順にπ型に接続することで先述した繰り返し部を形成し、繰り返し部を含む直列回路の両端にそれぞれ端子部を電気的に接続することで熱電モジュールが作製可能である。用意した熱電モジュールの放熱側絶縁性基板に第一柱状ハニカム熱交換器を接合し、吸熱側絶縁性基板に第二柱状ハニカム熱交換器を接合することで、ヒートポンプが完成する。
上述した第二実施形態に係るヒートポンプを製造する場合、第一柱状ハニカム熱交換器の側面に所望の数の第一電極を所定の配列で接合し、また、第二柱状ハニカム熱交換器の側面に第二電極を所定の配列で接合する。次いで、p型半導体及びn型半導体を繰り返し第一電極及び第二電極に順にπ型に接続することで先述した繰り返し部を形成し、繰り返し部を含む直列回路の両端にそれぞれ端子部を電気的に接続することで、ヒートポンプが完成する。
(5.暖房システム及び冷房システム)
本発明に係るヒートポンプは、車両の車室暖房用又は車室冷房用のヒートポンプとして好適に利用可能である。また、本発明に係るヒートポンプは、座席暖房用又は座席冷房用のヒートポンプとして、とりわけ車両の座席暖房用又は座席冷房用のヒートポンプとして好適に利用可能である。
車両には、限定的ではないが、自動車及び電車が挙げられる。自動車としては、限定的ではないが、ガソリン車、ディーゼル車、燃料電池自動車、電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車が挙げられる。本発明に係るヒートポンプは、とりわけ電気自動車及び電車のような内燃機関を持たない車両に好適に利用可能である。
本発明に係るヒートポンプは、例えば、一対の電極間に電圧を印加することで作動させることができる。印加電圧としては、急速加熱又は急速冷却の観点から、200V以上の電圧を印加することが好ましく、250V以上の電圧を印加することがより好ましい。
ヒートポンプに電圧を印加中、第一柱状ハニカム熱交換器のセルにガスを流すことで、ガスを加熱することができる。第一柱状ハニカム熱交換器のセルに流入するガスの温度としては、例えば−60℃〜20℃とすることができ、典型的には−10℃〜20℃とすることができる。また、ヒートポンプに電圧を印加中、第二柱状ハニカム熱交換器のセルにガスを流すことで、ガスを冷却することができる。第二柱状ハニカム熱交換器のセルに流入するガスの温度としては、例えば20℃〜60℃とすることができ、典型的には20℃〜40℃とすることができる。
(5.1 暖房システム)
図4には、本発明の一実施形態に係る車室(又は座席)暖房システム400の構成が模式的に示されている。
車室(又は座席)暖房システム400は、
本発明に係るヒートポンプ100(200);
車室(又は座席)410内の空気を、当該ヒートポンプ100(200)の第一柱状ハニカム熱交換器140(240)の一方の底面147(247)に送るための第一配管411;
当該ヒートポンプ100(200)の第一柱状ハニカム熱交換器140(240)の他方の底面148(248)から流出する空気を、車室(又は座席)410内に戻すための第二配管412;
車(又は座席)外の空気を、当該ヒートポンプ100(200)の第二柱状ハニカム熱交換器160(260)の一方の底面167(267)に送るための第三配管413;
当該ヒートポンプ100(200)の第二柱状ハニカム熱交換器160(260)の他方の底面168(268)から流出する空気を、車(又は座席)外へ戻すための第四配管414;
を備える。
上記実施形態において、第三配管413は、バッテリー及び/又はモーターからの熱によって第三配管を流れる外気を加熱するための熱交換器416を通過するように構成してもよい。
ヒートポンプ100(200)の端子部136a(236a)、136b(236b)を、例えば、バッテリー418と電線419を経由して接続し、その途中の電源スイッチ417をONにすることでヒートポンプ100(200)を作動するように構成することが可能である。
ヒートポンプ100(200)の第一柱状ハニカム熱交換器140(240)の上流側又は下流側には送風機420aを設置することができる。高電圧の部品をできるだけ車室から離して配置して安全を確保する観点から、送風機420aはヒートポンプ100(200)の第一柱状ハニカム熱交換器140(240)の下流側に設置することが好ましい。また、ヒートポンプ100(200)の第二柱状ハニカム熱交換器160(260)の上流側又は下流側には送風機420bを設置することができる。高電圧の部品をできるだけ車室から離して配置して安全を確保する観点から、送風機420bはヒートポンプ100(200)の第二柱状ハニカム熱交換器160(260)の下流側に設置することが好ましい。
送風機420aを駆動すると、車室(又は座席)410内から空気が第一配管411を通ってヒートポンプ100(200)の第一柱状ハニカム熱交換器140(240)に流入する。第一柱状ハニカム熱交換器140(240)を通過する間に空気は加熱される。加熱された空気は、第一柱状ハニカム熱交換器140(240)から流出し、第二配管412を通って車室(又は座席)410内に送られる。第二配管412の出口は車室内でも特に暖房効果の高くなるよう乗員の足元近傍に配置しても良いし、座席内へ配管出口を配置して座席を内側から温めるようにしても良いし、ウィンドウ近傍に配置してウィンドウの曇りを抑制する効果を合わせ持たせても良い。
また、送風機420bを駆動すると、車(又は座席)外から空気が第三配管413を通ってヒートポンプ100(200)の第二柱状ハニカム熱交換器160(260)に流入する。第二柱状ハニカム熱交換器160(260)を通過する間に空気は冷却される。冷却された空気は、第二柱状ハニカム熱交換器160(260)から流出し、第四配管414を通って車(又は座席)外に送られる。
(5.2 冷房システム)
図5には、本発明の一実施形態に係る車室(又は座席)冷房システム500の構成が模式的に示されている。
車室(又は座席)冷房システム500は、
本発明に係るヒートポンプ100(200);
車室(又は座席)510内の空気を、当該ヒートポンプ100(200)の第二柱状ハニカム熱交換器160(260)の一方の底面167(267)に送るための第一配管511;
当該ヒートポンプ100(200)の第二柱状ハニカム熱交換器160(260)の他方の底面168(268)から流出する空気を、車室(又は座席)内に戻すための第二配管512;
車(又は座席)外の空気を、当該ヒートポンプ100(200)の第一柱状ハニカム熱交換器140(240)の一方の底面147(247)に送るための第三配管513;
当該ヒートポンプ100(200)の第一柱状ハニカム熱交換器140(240)の他方の底面148(248)から流出する空気を、車(又は座席)外へ戻すための第四配管514;
を備える。
ヒートポンプ100(200)を、例えば、バッテリー518と電線519を経由して接続し、その途中の電源スイッチ517をONにすることでヒートポンプ100(200)を作動するように構成することが可能である。
ヒートポンプ100(200)の第二柱状ハニカム熱交換器160(260)の上流側又は下流側には送風機520aを設置することができる。高電圧の部品をできるだけ車室から離して配置して安全を確保する観点から、送風機520aはヒートポンプ100(200)の第二柱状ハニカム熱交換器160(260)の下流側に設置することが好ましい。また、ヒートポンプ100(200)の第一柱状ハニカム熱交換器140(240)の上流側又は下流側には送風機520bを設置することができる。高電圧の部品をできるだけ車室から離して配置して安全を確保する観点から、送風機520bはヒートポンプ100(200)の第一柱状ハニカム熱交換器140(240)の下流側に設置することが好ましい。
送風機520aを駆動すると、車室(又は座席)510内から空気が第一配管511を通ってヒートポンプ100(200)の第二柱状ハニカム熱交換器160(260)に流入する。第二柱状ハニカム熱交換器160(260)を通過する間に空気は冷却される。冷却された空気は、第二柱状ハニカム熱交換器160(260)から流出し、第二配管512を通って車室(又は座席)内に送られる。第二配管512の出口は車室内でも特に冷房効果の高くなるよう乗員の上半身に向けて配置しても良いし、座席内へ配管出口を配置して座席を内側から冷やすようにしても良い。
また、送風機520bを駆動すると、車(又は座席)外から空気が第三配管513を通ってヒートポンプ100(200)の第一柱状ハニカム熱交換器140(240)に流入する。第一柱状ハニカム熱交換器140(240)を通過する間に空気は加熱される。加熱された空気は、第一柱状ハニカム熱交換器140(240)から流出し、第四配管514を通って車(又は座席)外に送られる。
本発明に係る暖房システムは蒸気圧縮ヒートポンプを主暖房手段として採用している車両の補助ヒーターとして使用することができる。また、本発明に係る冷房システムは蒸気圧縮ヒートポンプを主冷房手段として採用している車両の補助クーラーとして使用することができる。
また、本発明に係るヒートポンプに流す電流の方向を切り替え可能に構成することで、一つのヒートポンプが冷房システムと暖房システムの両方の役割を果たすことも可能である。従って、本発明の一実施形態によれば、ヒートポンプを備えた冷暖房システムが提供される。本発明に係る冷暖房システムは蒸気圧縮ヒートポンプを主冷暖房手段として採用している車両の補助エアコンディショナーとして使用することができる。
補助ヒーター、補助クーラー又は補助エアコンディショナー用に本発明に係るヒートポンプを使用する場合には上記のように直接車室へ送風しない場合も想定される。その場合には上記説明の“車室”を“主暖房手段の送風配管の一部”、“主冷房手段の送風配管の一部”、又は“主冷暖房手段の送風配管の一部”と置き換える形での設置がされることでも良い。また、車室からの第一配管411(511)にはさらに分岐してバルブを介して車外へ排気する経路を設けても良いが、車外への排気は、蒸気圧縮ヒートポンプを用いた主暖房手段、主冷房手段又は主冷暖房手段の方で行っても良いし、別の排気システムで連動して行っても良い。
100 ヒートポンプ
120 熱電モジュール
121 放熱側絶縁性基板
122 吸熱側絶縁性基板
130 熱電変換部
131 第一電極
132 p型半導体
133 n型半導体
134 第二電極
135 導電ブロック
136a、136b 端子部
140 第一柱状ハニカム熱交換器
142、162 外周側壁
144、164 セル
146、166 隔壁
147、167 一方の底面
148、168 他方の底面
150 絶縁性基板
160 第二柱状ハニカム熱交換器
200 ヒートポンプ
220 熱電モジュール
230 熱電変換部
231 第一電極
232 p型半導体
233 n型半導体
234 第二電極
236a、236b 端子部
240 第一柱状ハニカム熱交換器
242、262 外周側壁
244、264 セル
246、266 隔壁
247、267 一方の底面
248、268 他方の底面
260 第二柱状ハニカム熱交換器
400 暖房システム
410 車室(又は座席)
411 第一配管
412 第二配管
413 第三配管
414 第四配管
416 熱交換器
417 電源スイッチ
418 バッテリー
419 電線
500 冷房システム
510 車室(又は座席)
511 第一配管
512 第二配管
513 第三配管
514 第四配管
517 電源スイッチ
518 バッテリー
519 電線

Claims (16)

  1. 熱電モジュール、第一柱状ハニカム熱交換器及び第二柱状ハニカム熱交換器を備えたヒートポンプであって、
    前記熱電モジュールが、
    放熱側絶縁性基板と、
    放熱側絶縁性基板に対向する吸熱側絶縁性基板と、
    放熱側絶縁性基板及び吸熱側絶縁性基板の間に配置された熱電変換部とを有し、
    前記熱電変換部が、
    放熱側絶縁性基板側に形成された第一電極、p型半導体、吸熱側絶縁性基板側に形成された第二電極、及びn型半導体がこの順に繰り返し直列に接続されている繰り返し部と、
    繰り返し部に電圧を印加するための一対の端子部とを有し、
    前記第一柱状ハニカム熱交換器が、
    熱電モジュールの放熱側絶縁性基板の外側に熱伝導可能な状態で配置されている外周側壁と、
    外周側壁の内側に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有し、
    前記第二柱状ハニカム熱交換器が、
    熱電モジュールの吸熱側絶縁性基板の外側に熱伝導可能な状態で配置されている外周側壁と、
    外周側壁の内側に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有する、
    ヒートポンプ。
  2. 前記第一柱状ハニカム熱交換器、及び前記第二柱状ハニカム熱交換器は、導電性セラミックスで形成されている請求項1に記載のヒートポンプ。
  3. 前記吸熱側絶縁性基板及び前記放熱側絶縁性基板が、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、及びジルコニア強化アルミナよりなる群から選択される少なくとも一種を含有するセラミックスで形成されている請求項1又は2に記載のヒートポンプ。
  4. 下記の(1)及び(2)の何れか又は両方の条件を満たす請求項1〜3の何れか一項に記載のヒートポンプ。
    (1)熱電モジュールの放熱側絶縁性基板は、前記第一電極に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
    (2)熱電モジュールの吸熱側絶縁性基板は、前記第二電極に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
  5. 下記の(3)及び(4)の何れか又は両方の条件を満たす請求項1〜3の何れか一項に記載のヒートポンプ。
    (3)熱電モジュールの放熱側絶縁性基板は、前記第一電極と直接接合されている。
    (4)熱電モジュールの吸熱側絶縁性基板は、前記第二電極と直接接合されている。
  6. 放熱側の第一柱状ハニカム熱交換器、吸熱側の第二柱状ハニカム熱交換器、及び熱電変換部を備えたヒートポンプであって、
    前記第一柱状ハニカム熱交換器が、
    外周側壁と、外周側壁の内側に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有し、
    前記第二柱状ハニカム熱交換器が、
    外周側壁と、外周側壁の内側に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有し、
    前記第一柱状ハニカム熱交換器、及び前記第二柱状ハニカム熱交換器が絶縁性材料で形成されており、
    前記熱電変換部が、前記第一柱状ハニカム熱交換器の外側に形成された第一電極、p型半導体、前記第二柱状ハニカム熱交換器の外側に形成された第二電極、及びn型半導体がこの順に繰り返し直列に接続されている繰り返し部と、繰り返し部に電圧を印加するための一対の端子部とを有する、
    ヒートポンプ。
  7. 前記第一柱状ハニカム熱交換器、及び前記第二柱状ハニカム熱交換器が、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、及びジルコニア強化アルミナよりなる群から選択される少なくとも一種を含有するセラミックスで形成されている請求項6に記載のヒートポンプ。
  8. 下記の(1)及び(2)の何れか又は両方の条件を満たす請求項6又は7に記載のヒートポンプ。
    (1)前記第一柱状ハニカム熱交換器の外周側壁は、前記第一電極に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
    (2)前記第二柱状ハニカム熱交換器の外周側壁は、前記第二電極に接合材を介して接合しており、当該接合材は、活性金属を含むロウ材である。
  9. 下記の(3)及び(4)の何れか又は両方の条件を満たす請求項6又は7の何れか一項に記載のヒートポンプ。
    (3)前記第一柱状ハニカム熱交換器の外周側壁は、前記第一電極と直接接合されている。
    (4)前記第二柱状ハニカム熱交換器の外周側壁は、前記第二電極と直接接合されている。
  10. 第一柱状ハニカム熱交換器及び第二柱状ハニカム熱交換器の一方又は両方は、セル密度が31〜140セル/cm2であり、隔壁厚が0.05〜0.2mmである請求項1〜9の何れか一項に記載のヒートポンプ。
  11. 熱電モジュールの繰り返し部は、絶縁性基板を介して二層以上に積層されている請求項1〜10の何れか一項に記載のヒートポンプ。
  12. 請求項1〜11の何れか一項に記載のヒートポンプ;
    車室内の空気を、当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第一配管;
    当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、車室内に戻すための第二配管;
    車外の空気を、当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第三配管;
    当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、車外へ戻すための第四配管;
    を備えた車室暖房システム。
  13. 第三配管は、バッテリー及び/又はモーターからの熱によって第三配管を流れる外気を加熱するための熱交換器を通過するように構成されている請求項12に記載の車室暖房システム。
  14. 請求項1〜11の何れか一項に記載のヒートポンプ;
    車室内の空気を、当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の一方底面に送るための第一配管;
    当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、車室内に戻すための第二配管;
    車外の空気を、当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第三配管;
    当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、車外へ戻すための第四配管;
    を備えた車室冷房システム。
  15. 請求項1〜11の何れか一項に記載のヒートポンプ;
    座席内の空気を、当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第一配管;
    当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、座席内に戻すための第二配管;
    座席外の空気を、当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第三配管;
    当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、座席外へ戻すための第四配管;
    を備えた座席暖房システム。
  16. 請求項1〜11の何れか一項に記載のヒートポンプ;
    座席内の空気を、当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の一方底面に送るための第一配管;
    当該ヒートポンプの第二柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、座席内に戻すための第二配管;
    座席外の空気を、当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の一方の底面に送るための第三配管;
    当該ヒートポンプの第一柱状ハニカム熱交換器の他方の底面から流出する空気を、座席外へ戻すための第四配管;
    を備えた座席冷房システム。
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