JP2005228915A - セパレート型ペルチェシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、吸熱側と排熱側を一定距離をおいて分けることができ、大型化、ラジエターコア化、ラメラ構造化、立体化、超薄型化、熱損失軽減が可能なセパレート型ペルチェシステムを提供することを課題とする。
【解決手段】 P型熱電半導体11、12とN型熱電半導体21、22が金属板13、23を介して接合された熱電接合対14、24が複数配設された吸熱側モジュール1と排熱側モジュール2を備える。吸熱側モジュール1のP型熱電半導体11と排熱側モジュール2のP型熱電半導体21とがそれぞれ対応するように導体3により通電可能な状態で接続されるとともに、吸熱側モジュール1のN型熱電半導体12と排熱側モジュール2のN型熱電半導体22がそれぞれ対応するように導体3により通電可能な状態で接続されることにより、吸熱側モジュール1の熱電接合対14と排熱側モジュール2の熱電接合対24が交互に電気的に直列に接続されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 P型熱電半導体11、12とN型熱電半導体21、22が金属板13、23を介して接合された熱電接合対14、24が複数配設された吸熱側モジュール1と排熱側モジュール2を備える。吸熱側モジュール1のP型熱電半導体11と排熱側モジュール2のP型熱電半導体21とがそれぞれ対応するように導体3により通電可能な状態で接続されるとともに、吸熱側モジュール1のN型熱電半導体12と排熱側モジュール2のN型熱電半導体22がそれぞれ対応するように導体3により通電可能な状態で接続されることにより、吸熱側モジュール1の熱電接合対14と排熱側モジュール2の熱電接合対24が交互に電気的に直列に接続されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、P型熱電半導体とN型熱電半導体からなり、電流を流すことにより吸熱と排熱を起こすペルチェシステムに関する。
従来、一般に用いられる冷却装置は、フロンガスなどが使用されていたが、オゾン層破壊等の環境悪化を引き起こすために使用が一部禁止になっている。そこで、近年、冷却装置にフロンガスを使用されることが少なくなり、そのフロンガスに代わるものとしてペルチェ素子が使用されることが多くなってきている。このペルチェ素子は、図12に示すように、P型熱電半導体(101)とN型熱電半導体(102)を電極(103)(104)で接合されたものであり、P型熱電半導体(101)の方から電流を流すと、上側の電極(103)において排熱するとともに、下側の電極(104)において吸熱する一方、逆にN型熱電半導体(102)の方から電流を流すと、上側の電極(103)(103)において吸熱するとともに、下側の電極(104)において排熱するという吸排熱現象(ペルチェ効果)が起こるものである。この吸排熱現象(ペルチェ効果)は、ペルチェ素子において電流を流すことにより吸熱側から排熱側に熱が移動するものと考えられていた。
このようなペルチェ素子を冷却装置に使用すれば、冷却装置はフロンガスを使用することなく冷却することができ、しかも駆動部がないことから静かであり、長寿命で軽くメンテナンスの必要がほとんどないというメリットがある(特許文献1参照)。
特開2003−130489号
しかしながら、上述のペルチェ素子では以下のような問題があった。
(1)吸熱側の電極と排熱側の電極とがP型熱電半導体およびN型熱電半導体により一体化されていることから、吸熱側と排熱側を一定距離をおいて分けることができないため、冷蔵庫や窓用エアコン等の一部の装置にしか使用できず汎用性が低い。
(2)吸熱と排熱が一体して行われるので熱応力が生じやすく、モジュール(ペルチェ素子が複数配列されたもの)の大型化、ラジエターコア化、ラメラ構造化、および立体化が困難である。
(3)熱伝導を防止するためにP型熱電半導体およびN型熱電半導体の厚みを2〜3mm程度にする必要であり超薄型化が困難である。
(4)P型熱電半導体およびN型熱電半導体の中を通る熱伝導による温冷却の熱損失が大きく、また電源をオフにした時の熱戻りが大きい。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、吸熱側と排熱側を一定距離をおいて分けることができ、大型化、ラジエターコア化、ラメラ構造化、立体化、超薄型化、熱損失軽減が可能なセパレート型ペルチェシステムを提供することを課題とする。
(1)吸熱側の電極と排熱側の電極とがP型熱電半導体およびN型熱電半導体により一体化されていることから、吸熱側と排熱側を一定距離をおいて分けることができないため、冷蔵庫や窓用エアコン等の一部の装置にしか使用できず汎用性が低い。
(2)吸熱と排熱が一体して行われるので熱応力が生じやすく、モジュール(ペルチェ素子が複数配列されたもの)の大型化、ラジエターコア化、ラメラ構造化、および立体化が困難である。
(3)熱伝導を防止するためにP型熱電半導体およびN型熱電半導体の厚みを2〜3mm程度にする必要であり超薄型化が困難である。
(4)P型熱電半導体およびN型熱電半導体の中を通る熱伝導による温冷却の熱損失が大きく、また電源をオフにした時の熱戻りが大きい。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、吸熱側と排熱側を一定距離をおいて分けることができ、大型化、ラジエターコア化、ラメラ構造化、立体化、超薄型化、熱損失軽減が可能なセパレート型ペルチェシステムを提供することを課題とする。
従来、ペルチェ素子では電流を流すと吸熱側から排熱側へと熱が移動していると考えられていたところ、本出願人は、吸熱側の熱の吸収と排熱側の熱の排出とが熱の移動によるものではなくそれぞれ独立して行われていることを発見し、その発見に基づいて本発明を行った。
即ち、本発明は、上記課題を解決するために、P型熱電半導体とN型熱電半導体が電極を介して接合された熱電接合対が複数配設された吸熱側モジュールと排熱側モジュールを備え、
前記吸熱側モジュールのP型熱電半導体と前記排熱側モジュールのP型熱電半導体とがそれぞれ対応するように導体により通電可能な状態で接続されるとともに、前記吸熱側モジュールのN型熱電半導体と排熱側モジュールのN型熱電半導体とがそれぞれ対応するように導体により通電可能な状態で接続されることにより、前記吸熱側モジュールの熱電接合対と前記排熱側モジュールの熱電接合対が交互に電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
前記吸熱側モジュールのP型熱電半導体と前記排熱側モジュールのP型熱電半導体とがそれぞれ対応するように導体により通電可能な状態で接続されるとともに、前記吸熱側モジュールのN型熱電半導体と排熱側モジュールのN型熱電半導体とがそれぞれ対応するように導体により通電可能な状態で接続されることにより、前記吸熱側モジュールの熱電接合対と前記排熱側モジュールの熱電接合対が交互に電気的に直列に接続されていることを特徴とする。
これによれば、吸熱側モジュールと排熱側モジュールが導体を介して分かれているので、吸熱側と排熱側を一定距離をおいて分けることができる。また、吸熱と排熱が一定距離をおいて別々に行われるので熱応力による問題がほとんどなく、モジュールの大型化、ラジエターコア化、ラメラ構造化、および立体化が可能となる。さらに、吸熱側から排熱側への熱伝導がほとんどないので、吸熱側と排熱側のP型熱電半導体およびN型熱電半導体の超薄型化が可能となる。さらにまた、導体の中を通る熱伝導による温冷却の熱損失がほとんどなく、電源をオフにした時の熱戻りを少なくすることが可能となる。
また、前記P型熱電半導体およびN型熱電半導体と導体とがカプラーにより脱着可能に接続されているのが好ましい。
これによれば、カプラー配線を変えたり、あるいは電流の方向をスイッチ等により変えることにより、様々な吸排熱のパターンを実現することができる。また、モジュールの一部の熱電半導体が故障した場合であっても、その故障した熱伝導体を避けて配線することを簡単に行うことができる。
また、前記吸熱側モジュールと排熱側モジュールの熱電接合対の設置密度がそれぞれ異なるものであるのが好ましい。
これによれば、より低温を必要とする装置では、吸熱側モジュールの熱電接合対の設置密度を密にして、排熱側モジュールの熱電接合対の設置密度を疎にして排熱側の面積を相対的に大きくして吸熱効率を上げることができる。また、より高温を必要とする装置では、吸熱側モジュールの熱電接合対の設置密度を疎にして、排熱側モジュールの熱電接合対の設置密度を密にして吸熱側の面積を相対的に大きくして排熱効率を上げることができる。
また、前記吸熱側モジュールおよび/または前記排熱側モジュールの熱電接合対は、薄型のN型熱電半導体を挟み込む態様で設けられた複数のP型熱電半導体と、薄型のP型熱電半導体を挟み込む態様で設けられた複数のN型熱電半導体とが電極を介して接合された積層構造となされているのが好ましい。
これによれば、P型熱電半導体とN型熱電半導体の間で排熱された熱が薄型のP型熱電半導体またはN型熱電半導体の中で伝導して、その熱がさらに隣側にあるP型熱電半導体とN型熱電半導体の間で吸熱されることにより増幅モジュールと同じ効果が得られる。即ち、この積層構造タイプのモジュールを使用することで増幅モジュールを使用しなくても大きな温度差を得ることができる。また、同じ導線配線の数および電流量でも熱電半導体の段数の倍数に比例した高い印可電圧をかけることができ、結果として同じ効率で導体配線の数を減らすことができる。
また、前記吸熱側モジュールのP型熱電半導体と排熱側モジュールのP型熱電半導体との間に、薄型のN型熱電半導体を挟み込んだ一対の薄型のP型熱電半導体が導体を介して設けられるとともに、前記吸熱側モジュールのN型熱電半導体と排熱側モジュールのN型熱電半導体との間に、薄型のP型熱電半導体を挟み込んだ一対の薄型のN型熱電半導体が導体を介して設けられているのが好ましい。
これによれば、薄型のP型熱電半導体およびN型熱電半導体を用いるので、製造コストを低減させつつ、増幅モジュールのように大きな温度差を得ることができる。
また、前記吸熱側モジュールまたは排熱側モジュールは、並列して配置された第1導体および第2導体と、前記第1導体および第2導体を取り囲むように配置された第3導体とを備え、第1導体と第3導体の間にはP型熱電半導体が設けられ、且つ第2導体と第3導体の間にはN型熱電半導体が設けられており、それがケーシング内に複数配置されているのが好ましい。
これによれば、吸熱側モジュールまたは排熱側モジュールをラジエター化して、より一層効率的に吸熱または排熱することができる。
また、前記吸熱側モジュールまたは排熱側モジュールは、並列して配置された第1導体および第2導体と、前記第1導体および第2導体の間に配置された第3導体とを備え、第1導体と第3導体の間にはP型熱電半導体が設けられ、且つ第2導体と第3導体の間にはN型熱電半導体が設けられ、それがケーシング内に複数配置されているのが好ましい。
これによれば、吸熱側モジュールまたは排熱側モジュールをラジエター化して、より一層効率的に吸熱または排熱することができる。
また、前記吸熱側モジュールと排熱側モジュールとの間に、排熱側モジュールと吸熱側モジュールとからなる増幅モジュールが設けられているのが好ましい。
これによれば、増幅モジュールに接続されている排熱側モジュールと吸熱側モジュールとの間で更なる温度差を得ることができる。
また、前記増幅モジュール内の吸熱側モジュールが排熱側モジュールに比べて熱電接合対の設置密度が密であるのが好ましい。
これによれば、増幅モジュール内で発生したジュール熱も吸収するのでより効率的な吸排熱を行うことができる。
また、前記増幅モジュール内の吸熱側モジュールと排熱側モジュールが電気的に直列に接続されているのが好ましい。
これによれば、吸熱側モジュールと排熱側モジュールのいずれか一方が故障した場合、電流が流れないことにより他方のモジュールも作動しなくなるので、並列の場合に比べて異常加熱を防止することできる。
また、前記増幅モジュールは、並列して配置された第1導体および第2導体と、前記第1導体および第2導体を取り囲むように配置された第3導体とを備え、第1導体と第3導体の間にはP型熱電半導体が設けられ、且つ第2導体と第3導体の間にはN型熱電半導体が設けられた吸熱側モジュール及び排熱側モジュールとを備え、それら吸熱側モジュールと排熱側モジュールがケーシング内で交互に配列されているのが好ましい。
これによれば、増幅モジュールをラメラ構造として、より一層効率的に吸排熱を行うことができる。
また、前記増幅モジュールは、並列して配置された第1導体および第2導体と、前記第1導体および第2導体の間に配置された第3導体とを備え、第1導体と第3導体の間にはP型熱電半導体が設けられ、且つ第2導体と第3導体の間にはN型熱電半導体が設けられた吸熱側モジュール及び排熱側モジュールとを備え、それら吸熱側モジュールと排熱側モジュールがケーシング内で交互に配列されているのが好ましい。
これによれば、増幅モジュールをラメラ構造として、より一層効率的に吸排熱を行うことができる。
本発明によれば、従来冷蔵庫や窓用エアコンにしか使用できなかったペルチェ素子をセパレート型のエアコンや電気温水器等に利用することができる。また、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド車、電車などの電気駆動車の冷暖房に簡単に利用することができる。また、コンピュータのCPU(中央演算処理装置)に吸熱側モジュールを配置して、排熱側モジュールをボディやボディの外に配置することができる。また、本セパレート型ペルチェシステムの吸熱低温を使用しての除湿と、排熱高温を使用しての暖房を個別又は併用して、除湿器、風呂場用冷暖房乾燥機、布団乾燥機、ドライヤー等に利用することができる。また、レーザー装置、バイオ・医療機器の冷却にも利用することができる。
また、吸熱側モジュールと排熱側モジュールとの間に温度差を設けると、ペルチェシステムに電流が流れることにより温度差発電が可能となる。自動車、船舶、航空機、その他のエンジンを熱源とすることで温度差を設けると発電が可能となる。特に熱源となるエンジンを持ち電気駆動であるハイブリッド車では燃費向上が期待できる。
[実施形態1]
次に本発明の第1の実施形態について説明する。
次に本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、この実施形態に係るセパレート型ペルチェシステムの構成概略図である。
このペルチェシステムは、吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)とを備えている。
前記吸熱側モジュール(1)は、P型熱電半導体(11)とN型熱電半導体(12)が電極(13)を介して接続された熱電接合対(14)が吸熱板(15)上に1個配置されている。前記排熱側モジュール(2)は、同じくP型熱電半導体(21)とN型熱電半導体(22)が電極(23)を介して接続された熱電接合対(24)が吸熱板(25)上に2個配置されている。なお、吸熱側モジュール(1)については、その両端部に調整のためのP型熱電半導体(11)とN型熱電半導体(12)が配置されている。
前記吸熱側モジュール(1)のP型熱電半導体(11)と排熱側モジュール(2)のP型熱電半導体(21)とがそれぞれ対応するように細長状の導体(3)により通電可能な状態で接続されている。また、同じく前記吸熱側モジュール(1)のN型熱電半導体(12)と排熱側モジュール(2)のN型熱電半導体(22)とがそれぞれ対応するように細長状の導体(3)により通電可能な状態で接続されている。これにより、吸熱側モジュール(1)の熱電接合対(14)と排熱側モジュール(2)の熱電接合対(24)とは、それぞれ交互に電気的に直列に接続されることになる。
しかして、前記吸熱側モジュール(1)の左端部のP型熱電半導体(11)を+側の電極、右端部のN型熱電半導体(12)を−側の電極として電流(直流、以下同様)を流すと、吸熱側モジュール(1)の吸熱板(15)では吸熱することができるとともに、排熱側モジュール(2)の吸熱板(25)では排熱することができる。また、逆に前記吸熱側モジュール(1)の左端部のP型熱電半導体(11)を−側の電極、右端部のN型熱電半導体(12)を+側の電極として電流に流すと、排熱側と吸熱側が逆転して吸排熱を行うことができる。
すなわち、吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)とが一定距離をおいて離れていても、それら吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)のP型熱電半導体(11)(21)およびN型熱電半導体(12)(22)が互いに対応しながら導体(3)により通電可能な状態に接続されていれば、電極(13)が吸熱することにより吸熱板(15)では吸熱することができるとともに、電極(23)が排熱することにより排熱板(25)では排熱することができ、吸熱と排熱をそれぞれ独立に行うことができる。
このため、吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)が導体(3)を介して分かれているので、吸熱側と排熱側を一定距離をおいて分けることができる。また、吸熱と排熱が一定距離をおいて別々に行われるので熱応力による問題がほとんどなく、モジュールの大型化、ラジエターコア化、ラメラ構造化、および立体化が可能となる。さらに、吸熱側から排熱側への熱伝導がほとんどないので、吸熱側と排熱側のP型熱電半導体(11)(21)およびN型熱電半導体(12)(22)の超薄型化が可能となる。さらにまた、導体(3)の中を通る熱伝導による温冷却の熱損失がほとんどなく、電源をオフにした時の熱戻りを少なくすることが可能となる。
なお、この実施形態では、吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)の熱電接合対(14)(24)の設置密度をほぼ同一のものとしたが、異なるものとしてもよい。例えば、より低温を必要とする装置では、吸熱側モジュール(1)の熱電接合対(14)の設置密度を密にして、排熱側モジュール(2)の熱電接合対(24)の設置密度を疎にして排熱側の面積を相対的に大きくして吸熱効率を上げることができる。また、より高温を必要とする装置では、吸熱側モジュール(1)の熱電接合対(14)の設置密度を疎にして、排熱側モジュール(2)の熱電接合対(24)の設置密度を密にして吸熱側の面積を相対的に大きくして排熱効率を上げることができる。
これは、CPU、CCDフォトダイオードの性能向上のための冷却に最適である。例えばパソコンのCPUに高密度の吸熱側モジュール(1)を配置し、疎密度の排熱側モジュール(2)をパソコンのボディーに配置すると、かなりの冷却効果が得られCPUの性能が向上する。また、ビデオカメラのCCDに高密度の吸熱側モジュール(1)を配置し、疎密度の排熱側モジュール(2)をビデオカメラのCCDから離れた場所に配置すると、CCDの冷却効果が得られるとともに、CCDにファンの振動やノイズが侵入することを防止することができる。
また、温度調節は、センサー等により温度を測定し、その測定した温度に基づいてサイリスタなどの細かいON−OFF制御方式か電圧の制御方式で行うのが好ましい。
また、従来のペルチェ素子では、熱伝導率を小さくすることと電気抵抗を小さくすることで向上していたが、熱伝導率を小さくすることと電気抵抗を小さくすることとは材料の特性上相反するものであり、熱伝導と電気抵抗を同時に小さくすることは非常に困難であった。しかし、本発明によれば、熱伝導率を小さくする必要がないので、電気抵抗を小さくすることを優先的に開発することが可能となる。
また、ペルチェ素子材料は、結晶の向きによって性能に差があることから、単結晶化することで最も性能が良くなる。しかし、結晶粒が大きくなると脆くなるので、素子の性能と機械的強度との両立のために予め粉砕した微粉末を高温で押し出し固化成形した材料が使用されている。また、急冷することでさらに結晶の並びを良くした箔状素材を積み重ねて焼結した材料もある。本発明ではこの箔を従来より薄く1枚〜複数枚を接合させた素子を導体で挟み使用することで、ラジエター型モジュールなどでは格段に薄いコアを作成することが可能となる。また、粉砕した微粉末素子を導体で挟み込むと可塑性のあるモジュールを作成することが可能となる。
また、本システムをクーラー等に用いた場合、室内機側に吸熱モジュールを設け、室外機側に排熱モジュールを設けるが、それらのモジュールを接続する導体に発生するジュール熱を吸熱するためにさらに小型のペルチェシステムを用いてもよい。
[実施形態2]
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
図2は、この実施形態に係るセパレート型ペルチェシステムの構成概略図である。
このペルチェシステムは、実施形態1と同様に吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)とを備え、それら排熱側モジュール(1)および吸熱側モジュール(2)と導体(3)とがカプラー(4)(4)により脱着可能に接続されている。
前記吸熱側モジュール(1)と前記排熱側モジュール(2)は、いずれも同一の構造に形成されたものであり、P型熱電半導体(11)(21)とN型熱電半導体(12)(22)が電極(13)(23)を介して接続された熱電接合対(14)(24)が排熱板(15)上または吸熱板(25)上に複数配置され、その一方端部にはU字状の導体(5)が設けられている。
前記カプラー(4)は、接続端子(a)〜(j)を有している。このうち接続端子(a)〜(h)は各P型熱電半導体(11)(21)および各N型熱電半導体(12)(22)に接続されるとともに、接続端子(i)(j)は導体(5)に接続されている。
例えば、吸熱側モジュール(1)の各熱電半導体(接続端子b〜i)と排熱側モジュール(2)の各熱電半導体(接続端子h〜a)とが対応するように導体(3)(A〜H)をカプラー接続する。そして、吸熱側モジュール(1)の一方端部のP型熱電半導体(接続端子a)を−側の電極とし、他方端部の導体(5)(接続端子j)を+側の電極として電流を流すと、吸熱側モジュール(1)の吸熱板(15)では全面に亘って吸熱することができるとともに、排熱側モジュール(2)の排熱板(25)では全面に亘って排熱することができる。また、吸熱側モジュール(1)の一方端部のP型熱電半導体(接続端子a)を+側の電極とし、他方端部の導体(5)(接続端子j)を−側の電極として電流を流すと、吸熱側と排熱側が逆転して全面に亘って吸排熱することができる。
また、例えば、吸熱側モジュール(1)の各熱電半導体(接続端子b〜e)と排熱側モジュール(2)の各熱電半導体(接続端子a〜d)とが対応するように導体(3)(A〜D)をカプラー接続する。そして、吸熱側モジュール(1)の一方端部のP型熱電半導体(接続端子a)を−側の電極とし、他方端部のN型熱電半導体(接続端子f)を+側の電極として電流を流すと、吸熱側モジュール(1)の吸熱板(15)では半面に亘って吸熱することができるとともに、排熱側モジュール(2)の排熱板(25)では半面に亘って排熱することができる。また、吸熱側モジュール(1)の一方端部のP型熱電半導体(接続端子a)に+側の電極とし、他方端部のN型熱電半導体(接続端子f)を−側の電極として電流を流すと、吸熱側と排熱側が逆転して半面に亘って吸熱排熱することができる。
このように本ペルチェシステムは、吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)はいずれも同じ構造であり、それら両モジュール(1)(2)を導体(3)によりカプラー接続するものであるので、カプラー配線を変えたり、あるいは電流の方向をスイッチ等により変えることにより、様々な吸排熱のパターンを実現することができる。また、モジュールの一部の熱電半導体が故障した場合であっても、その故障した熱伝導体を避けて配線することを簡単に行うことができる。
なお、この実施形態では、+側の電極と−側の電極を排熱側または吸熱側のいずれか一方に集中させるものとしたが、図3に示すように、吸熱側と排熱側に別々に分けるものとしてもよい。
また、各導体(3)は別々の構成するものとしたが、それらを一束にまとめるものとしてもよい。
[実施形態3]
次に本発明の第3の実施形態について説明する。
次に本発明の第3の実施形態について説明する。
図4は、この実施形態に係るセパレート型ペルチェの構成概略図である。
このペルチェシステムでは、吸熱側モジュール(1)は、薄型のN型熱電半導体(17)を挟み込む態様で設けられた2個のP型熱電半導体(11)(11)と、薄型のP型熱電半導体(16)を挟み込む態様で設けられた2個のN型熱電半導体(12)(12)とが電極(13)を介して接合された3段積層構造の熱電接合対(18)が配設されている。
また、排熱側モジュール(2)は、薄型のN型熱電半導体(27)を挟み込む態様で設けられた3個のP型熱電半導体(21)(21)(21)と、薄型のP型熱電半導体(26)を挟み込む態様で設けられた3個のN型熱電半導体(22)(22)(22)とが電極(23)を介して接合された5段積層構造の熱電接合対(28)が配設されている。
前記吸熱側モジュール(1)のP型熱電半導体(11)と排熱側モジュール(2)のP型熱電半導体(21)とがそれぞれ対応するように細長状の導体(3)により通電可能な状態で接続されている。また、同じく前記吸熱側モジュール(1)のN型熱電半導体(12)と排熱側モジュール(2)のN型熱電半導体(22)とがそれぞれ対応するように細長状の導体(3)により通電可能な状態で接続されている。これにより、吸熱側モジュール(1)の熱電接合対(18)と排熱側モジュール(2)の熱電接合対(28)とは、それぞれ交互に電気的に直列に接続されることになる。
しかして、前記吸熱側モジュール(1)の左端部のP型熱電半導体(11)を+側の電極、右端部のN型熱電半導体(12)を−側の電極として電流を流すと、吸熱側モジュール(1)の電極(13)では吸熱が行われる。そして、吸熱側モジュール(1)の下側のP型熱電半導体(11)と薄型のN型熱電半導体(17)との間で排熱が行われ、その熱が薄型のN型熱電半導体(17)の中を伝導して、上側のP型熱電半導体(11)と薄型のN型熱電半導体(17)との間で吸熱が行われ、増幅モジュールと同じ効果が得られる。また、吸熱側モジュール(1)の下側のN型熱電半導体(12)と薄型のP型熱電半導体(16)との間で排熱が行われ、その熱が薄型のP型熱電半導体(16)の中を伝導して、上側のN型熱電半導体(12)と薄型のP型熱電半導体(16)との間で吸熱が行われ、増幅モジュールと同じ効果が得られる。
一方、排熱側モジュール(2)の電極(23)では排熱が行われる。そして、排熱側モジュール(2)の下側のP型熱電半導体(21)と薄型のN型熱電半導体(27)との間で排熱が行われ、その熱が薄型のN型熱電半導体(27)の中を伝導して、上側の各P型熱電半導体(21)と薄型のN型熱電半導体(27)との間で吸熱が行われ、増幅モジュールと同じ効果が得られる。また、排熱側モジュール(2)の下側のN型熱電半導体(22)と薄型のP型熱電半導体(26)との間で排熱が行われ、その熱が薄型のP型熱電半導体(26)の中を伝導して、上側のN型熱電半導体(22)と薄型のP型熱電半導体(26)との間で吸熱が行われ、増幅モジュールと同じ効果が得られる。
このようにP型熱電半導体とN型熱電半導体の間で排熱された熱が薄型のP型熱電半導体またはN型熱電半導体の中で伝導して、その熱がさらに上側にあるP型熱電半導体とN型熱電半導体の間で吸熱されることにより増幅モジュールと同じ効果が得られる。即ち、この積層タイプのモジュールを使用することで増幅モジュールを使用しなくても大きな温度差を得ることができる。また、同じ導線配線の数および電流量でも熱電半導体の段数の倍数に比例した高い印可電圧をかけることができ、結果として同じ効率で導体配線の数を減らすことができる。
なお、この実施形態では、吸熱側モジュール(1)では、P型熱電半導体とN型熱電半導体の3段積層構造としたが、それ以上の多段積層構造であってもよい。また、排熱側モジュール(2)では、P型熱電半導体とN型熱電半導体の5段積層構造としたが、その他の多段積層構造であってもよい。ただ、吸熱側と排熱側の多段積層構造の段数はなるべく導体配線側の温度が周囲の温度に近くなるように設定されるのが好ましい。
また、吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)の両方の熱電半導体を積層構造としたが、いずれか一方のモジュールの熱電半導体のみを積層構造としてもよい。
[実施形態4]
次に本発明の第4の実施形態について説明する。
次に本発明の第4の実施形態について説明する。
図5は、この実施形態に係るセパレート型ペルチェの構成概略図である。
このペルチェシステムでは、前記吸熱側モジュール(1)の薄型のP型熱電半導体(11)と、排熱側モジュール(2)の薄型のP型熱電半導体(21)との間に、薄型のN型熱電半導体(92)を挟み込んだ一対の薄型のP型熱電半導体(91)(91)が薄型の導体(93)を介して2組設けられている。
また、前記吸熱側モジュール(1)の薄型のN型熱電半導体(12)と、排熱側モジュール(2)の薄型のN型熱電半導体(22)との間に、薄型のP型熱電半導体(91)を挟み込んだ一対の薄型のN型熱電半導体(92)(92)が薄型の導体(93)を介して2組設けられている。
しかして、前記吸熱側モジュール(1)の左端部のP型熱電半導体(11)を+側の電極、右端部のN型熱電半導体(12)を−側の電極として電流を流すと、吸熱側モジュール(1)の電極(13)では吸熱が行われるとともに、排熱側モジュール(2)の電極(23)では排熱が行われる。
そして、吸熱側モジュール(1)のP型熱電半導体(11)と排熱側モジュール(2)のP型熱電半導体(21)との間においては、下側のP型熱電半導体(91)とN型熱電半導体(92)との間で排熱が行われ、その熱がN型熱電半導体(92)の中を伝導して、上側のP型熱電半導体(91)とN型熱電半導体(92)との間で吸熱が行われ、増幅モジュールと同じ効果が得られる。
また、吸熱側モジュール(1)のN型熱電半導体(12)と排熱側モジュール(2)のN型熱電半導体(22)との間においては、下側のN型熱電半導体(92)とP型熱電半導体(92)との間で排熱が行われ、その熱がP型熱電半導体(91)の中を伝導して、上側のN型熱電半導体(92)とP型熱電半導体(91)との間で吸熱が行われ、増幅モジュールと同じ効果が得られる。
このように本システムは薄型のP型熱電半導体およびN型熱電半導体を用いるので、製造コストを低減させつつ、増幅モジュールのように大きな温度差を得ることができる。
なお、薄型のN型熱電半導体(92)を挟み込んだ2組の薄型のP型熱電半導体(91)(91)、または薄型のP型熱電半導体(91)を挟み込んだ2組の薄型のN型熱電半導体(92)(92)は、それぞれ2組づつ設けるものとしたが、1組あるいは3組以上設けるものとしてもよい。
また、図6に示すように、吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)の間の途中に長い導体(3)を設けるものとしてもよい。
[実施形態5]
次に本発明の第5の実施形態について説明する。
次に本発明の第5の実施形態について説明する。
図7は、前記セパレート型ペルチェシステムの吸熱側モジュール(1)または排熱側モジュール(2)をラジエターとして構成した第1の例である。
図7において、(7)は複数の吸熱側モジュール(1)を収容するケーシングである。この吸熱側モジュール(1)は、並列して配置された第1導体(31)および第2導体(32)と、前記第1導体(31)および第2導体(32)を取り囲むように配置された第3導体(33)とを備え、第1導体(31)と第3導体(33)の間にはP型熱電半導体(11)が複数設けられ、且つ第2導体(32)と第3導体(33)の間にはN型熱電半導体(12)が複数設けられている。そして、これら吸熱側モジュール(1)が横方向に3列配置され、それと同じものがが奥行き方向に6列に配置されている。
しかして、第1導体(31)を−側の電極、第2導体(32)を+側の電極として電流を流すと、第3導体(33)が吸熱することにより吸熱側モジュールとして機能する。また、逆に第1導体(31)を+側の電極、第2導体(32)を−側の電極として電流を流すと、第3導体(33)が排熱することにより排熱側モジュールとして機能する。
図8は、前記セパレート型ペルチェシステムの吸熱側モジュール(1)または排熱側モジュール(2)をラジエターとして構成した第2の例である。
図8において、(7)は複数の吸熱側モジュール(1)を収容するケーシングである。これら吸熱側モジュール(1)は、並列して配置された第1導体(41)および第2導体(42)と、前記第1導体(41)および第2導体(42)の間に配置された第3導体(43)とを備え、第1導体(41)と第3導体(43)の間にはP型熱電半導体(11)が複数設けられ、且つ第2導体(42)と第3導体(43)の間にはN型熱電半導体(12)が複数設けられている。そして、これら吸熱側モジュール(1)が横方向に3列配置され、それと同じものがが奥行き方向に5列に配置されている。なお、第3導体(43)は1本の繋がったものではなく、上下に隣り合う熱電半導体間で途切れていてもよい。
しかして、第1導体(41)を−側の電極、第2導体(42)を+側の電極として電流を流すと、第3導体(43)が吸熱することにより吸熱側モジュールとして機能する。また、逆に第1導体(41)を+側の電極、第2導体(42)を−側の電極として電流を流すと、第3導体(43)が排熱することにより排熱側モジュールとして機能する。このため、吸熱側モジュールまたは排熱側モジュールをラジエター化して、より一層効率的に吸熱または排熱することができる。
なお、いずれの例においても、各吸熱側モジュール(1)(または排熱側モジュール(2))の間には、気体(空気など)や液体(水など)が流れるようになっている。
[実施形態6]
次に本発明の第6の実施形態について説明する。
次に本発明の第6の実施形態について説明する。
図9は、この実施形態に係るセパレート型ペルチェシステムの構成概略図である。
このペルチェシステムは、2つのペルチェシステム(100)(200)が排熱側と吸熱側を対抗させて配置されることによって、第1ペルチェシステム(100)の吸熱側モジュール(1)と、第2ペルチェシステム(200)の排熱側モジュール(2)との間に増幅モジュール(8)が設けられた構造となされている。
この増幅モジュール(8)は、第1ペルチェシステム(100)の排熱側モジュール(2)と、第2ペルチェシステム(200)の吸熱側モジュール(1)とからなり、それら排熱側モジュール(2)と吸熱側モジュール(1)が電極(81)を介して対抗している。
なお、吸熱側モジュール(1)、排熱側モジュール(2)、および導体(3)などの構造や接続方法は実施形態1または実施形態2と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。
しかして、第1ペルチェシステム(100)の吸熱側モジュール(1)のP型熱電半導体(接続端子a)を−側の電極、増幅モジュール(8)内の排熱側モジュール(2)のP型熱電半導体(接続端子a)を+側の電極とし、同じく増幅モジュール(8)内の吸熱側モジュール(1)のP型熱電半導体(接続端子a)を−側の電極、第2ペルチェシステム(200)の排熱側モジュール(2)のP型熱電半導体(接続端子a)を+側の電極として電流を流す。すると、第1ペルチェシステム(100)の吸熱側モジュール(1)が吸熱し、増幅モジュール(8)内の排熱側モジュール(2)が排熱し、その熱を増幅モジュール(8)内の吸熱側モジュール(1)が電極(81)を介して吸熱し、第2ペルチェシステム(200)の排熱側モジュール(2)がさらに排熱するので、ペルチェシステムが1つの場合に比べて更なる温度差を得ることができる。
なお、増幅モジュール(8)を構成する吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)の熱電接合対の設置密度は同じでもよいが、増幅モジュール(8)を構成する吸熱側モジュール(1)が排熱側モジュール(2)に比べて密とするのが好ましい。これによれば、増幅モジュール(8)内で発生したジュール熱も吸収するのでより効率的な吸排熱を行うことができる。
また、増幅モジュール(8)内の吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)の間の配線は電気的に直列とするのが好ましい。これによれば、吸熱側モジュール(1)または排熱側モジュール(2)のいずれか一方が故障した場合、電流が流れないことにより他方のモジュールも作動しなくなるので、並列の場合に比べて異常加熱を防止することできる。
また、2つのペルチェシステムを配置するものとしたが、更なる温度差を得るために3つ以上のペルチェシステムを配置するものとしてもよい。
[実施形態7]
次に本発明の第7の実施形態について説明する。
次に本発明の第7の実施形態について説明する。
図10は、前記セパレート型ペルチェシステムの増幅モジュール(8)をラメラ構造とした第1の例である。
この増幅モジュールは、吸熱側モジュール(1)(1)と、吸熱側モジュール(1)(1)の間に配置された排熱側モジュール(2)と、それら吸熱側モジュール(1)(1)および排熱側モジュール(2)を取り囲む態様で配置された排熱側モジュール(2’)とを備えてなる。
前記吸熱側モジュール(1)(1)は、例えば図7または図8に示すようなラジエター型の吸熱側モジュールに導体により接続される。また、排熱側モジュール(2)も、例えば図7または図8に示すようなラジエター型の吸熱側モジュールに導体により接続される。
前記吸熱側モジュール(1)は、並列して配置された第1導体(51)および第2導体(52)と、前記第1導体(51)および第2導体(52)を取り囲むように配置された第3導体(53)とを備え、第1導体(51)と第3導体(53)の間にはP型熱電半導体(11)が複数設けられ、且つ第2導体(52)と第3導体(53)の間にはN型熱電半導体(12)が複数設けられている。前記排熱側モジュール(2)も吸熱側モジュール(1)と同様の構造である。
前記排熱側モジュール(2’)は、ケーシング(7)の両側部において並列して配置された第1導体(61)および第2導体(62)と、前記第1導体(61)および第2(62)に対抗するように配置されたコ字状の導体(63)とを備え、導体(61)と導体(63)の間にはN型熱電半導体(22)が設けられ、且つ第2導体(62)と第3導体(63)の間にはP型熱電半導体(21)が設けられている。そして、これら吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)(2’)が、奥行き方向に6列に配置されている。
しかして、吸熱側モジュール(1)の第1導体(51)を−側の電極、第2導体(52)を+側の電極とし、排熱側モジュール(2)の第1導体(51)を+側の電極、第2導体(52)を−側の電極とし、排熱側モジュール(2’)の第1導体(61)を−側の電極、第2導体(62)を+側の電極として電流を流すと、排熱側モジュール(2)(2’)が排熱して、その熱を吸熱側モジュール(1)(1)が吸熱することができる。また、電流を逆に流すと、吸熱側モジュール(1)および排熱側モジュール(2)(2’)は上述とは逆の吸排熱を行うことができる。このため、増幅モジュールをラメラ構造として、より一層効率的に吸排熱を行うことが可能となる。
図11は、前記セパレート型ペルチェシステムの増幅モジュール(8)をラメラ構造とした第2の例である。
この増幅モジュール(8)は、吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)が交互の配列されたものである。
前記吸熱側モジュール(1)および排熱側モジュール(2)は、並列して配置された第1導体(71)および第2導体(72)と、前記第1導体(71)および第2導体(72)の間に配置された第3導体(73)とを備え、第1導体(71)と第3導体(73)の間にはP型熱電半導体(11)が複数設けられ、且つ第2導体(72)と第3導体(73)の間にはN型熱電半導体(12)が複数設けられている。そして、これら吸熱側モジュール(1)と排熱側モジュール(2)が交互に横方向に6列に配置され、これらが奥行き方向に6列配置されている。
しかして、吸熱側モジュール(1)の第1導体(71)を−側の電極、第2導体(72)を+側の電極とし、排熱側モジュール(2)の第1導体(71)を+側の電極、第2導体(72)を−側の電極として電流を流すと、排熱側モジュール(2)…(2)が排熱して、その熱を吸熱側モジュール(1)…(1)が吸熱することができる。
なお、以上の第1および第2の例において、吸熱側モジュール(1)が、排熱側モジュール(2)に比べてP型熱電半導体(11)およびN型熱電半導体(12)の設置密度が高くなるように構成されるのが好ましい。これによれば、増幅モジュール内で発生したジュール熱も吸収するのでより効率的な吸排熱を行うことができる。
なお、上述の実施形態1〜7に示すような本発明は、地下の送電線の冷却にも適用してもよい。地下の送電線に本発明のセパレート型ペルチェシステムとダイオードを併用して使用すると、温度差発電の原理と誘導電流を利用して送電線の冷却が可能となる。即ち、吸熱側モジュールを送電線に沿って設けて、排熱側モジュールを地上等に設けると、送電線の発熱による温度差発電の原理でペルチェシステムに電流が流れ、吸熱側モジュールが吸熱することができる。また、ペルチェシステムには、この温度差発電による電流以外に送電線を流れる電流により誘導電流が流れるので、この誘導電流をダイオードで整流すると、吸排熱を行うことができる。発電が目的ではないのでペルチェシステムの配線を減らすために作動電圧は低く設定するのが好ましい。排熱側モジュールは並列配線のラジエータ型が好ましく、吸熱側モジュールは面型または棒型のものを送電線の周囲に使用するのが好ましい。非常時には外部より電圧をかけて強制的に電流を流すものとするのが好ましい。
自動車、船舶、あるいは家電機器などの温冷却装置等に適用できる。
1・・・吸熱側モジュール
2・・・排熱側モジュール
11、21・・・P型熱電半導体
12、22・・・N型熱電半導体
13、23・・・電極
14、24・・・熱電接合対
15・・・吸熱板
25・・・排熱板
2・・・排熱側モジュール
11、21・・・P型熱電半導体
12、22・・・N型熱電半導体
13、23・・・電極
14、24・・・熱電接合対
15・・・吸熱板
25・・・排熱板
Claims (12)
- P型熱電半導体とN型熱電半導体が電極を介して接合された熱電接合対が複数配設された吸熱側モジュールと排熱側モジュールを備え、
前記吸熱側モジュールのP型熱電半導体と前記排熱側モジュールのP型熱電半導体とがそれぞれ対応するように導体により通電可能な状態で接続されるとともに、前記吸熱側モジュールのN型熱電半導体と排熱側モジュールのN型熱電半導体とがそれぞれ対応するように導体により通電可能な状態で接続されることにより、前記吸熱側モジュールの熱電接合対と前記排熱側モジュールの熱電接合対が交互に電気的に直列に接続されていることを特徴とするセパレート型ペルチェシステム。 - 前記P型熱電半導体およびN型熱電半導体と導体とがカプラーにより脱着可能に接続されている請求項1に記載のセパレート型ペルチェシステム。
- 前記吸熱側モジュールと排熱側モジュールの熱電接合対の設置密度がそれぞれ異なるものである請求項1または請求項2に記載のセパレート型ペルチェシステム。
- 前記吸熱側モジュールおよび/または前記排熱側モジュールの熱電接合対は、薄型のN型熱電半導体を挟み込む態様で設けられた複数のP型熱電半導体と、薄型のP型熱電半導体を挟み込む態様で設けられた複数のN型熱電半導体とが電極を介して接合された積層構造となされている請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセパレート型ペルチェシステム。
- 前記吸熱側モジュールのP型熱電半導体と排熱側モジュールのP型熱電半導体との間に、薄型のN型熱電半導体を挟み込んだ一対の薄型のP型熱電半導体が導体を介して設けられるとともに、
前記吸熱側モジュールのN型熱電半導体と排熱側モジュールのN型熱電半導体との間に、薄型のP型熱電半導体を挟み込んだ一対の薄型のN型熱電半導体が導体を介して設けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載のセパレート型ペルチェシステム。 - 前記吸熱側モジュールまたは排熱側モジュールは、並列して配置された第1導体および第2導体と、前記第1導体および第2導体を取り囲むように配置された第3導体とを備え、第1導体と第3導体の間にはP型熱電半導体が設けられ、且つ第2導体と第3導体の間にはN型熱電半導体が設けられており、それがケーシング内に複数配置されている請求項1から請求項3のいずれかに記載のセパレート型ペルチェシステム。
- 前記吸熱側モジュールまたは排熱側モジュールは、並列して配置された第1導体および第2導体と、前記第1導体および第2導体の間に配置された第3導体とを備え、第1導体と第3導体の間にはP型熱電半導体が設けられ、且つ第2導体と第3導体の間にはN型熱電半導体が設けられ、それがケーシング内に複数配置されている請求項1から請求項3のいずれかに記載のセパレート型ペルチェシステム。
- 前記吸熱側モジュールと排熱側モジュールとの間に、排熱側モジュールと吸熱側モジュールとからなる増幅モジュールが設けられている請求項1から請求項7のいずれかに記載のセパレート型ペルチェシステム。
- 前記増幅モジュール内の吸熱側モジュールが排熱側モジュールに比べて熱電接合対の設置密度が密である請求項8に記載のセパレート型ペルチェシステム。
- 前記増幅モジュール内の吸熱側モジュールと排熱側モジュールが電気的に直列に接続されている請求項8または請求項9に記載のセパレート型ペルチェシステム。
- 前記増幅モジュールは、並列して配置された第1導体および第2導体と、前記第1導体および第2導体を取り囲むように配置された第3導体とを備え、第1導体と第3導体の間にはP型熱電半導体が設けられ、且つ第2導体と第3導体の間にはN型熱電半導体が設けられた吸熱側モジュール及び排熱側モジュールとを備え、それら吸熱側モジュールと排熱側モジュールがケーシング内で交互に配列されている請求項8から請求項10のいずれかに記載のセパレート型ペルチェシステム。
- 前記増幅モジュールは、並列して配置された第1導体および第2導体と、前記第1導体および第2導体の間に配置された第3導体とを備え、第1導体と第3導体の間にはP型熱電半導体が設けられ、且つ第2導体と第3導体の間にはN型熱電半導体が設けられた吸熱側モジュール及び排熱側モジュールとを備え、それら吸熱側モジュールと排熱側モジュールがケーシング内で交互に配列されている請求項8から請求項10のいずれかに記載のセパレート型ペルチェシステム。
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