JP2020033601A - 継目無鋼管 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐硫酸腐食性に優れた継目無鋼管を提供する。【解決手段】本開示による継目無鋼管は、化学組成が、質量%で、C:0.06%以下、Si:0.55%以下、Mn:0.70〜1.40%、P:0.020%以下、S:0.020%以下、Cu:0.25〜0.45%、Ni:0.50%以下、Mo:0.20%以下、Sb:0.05〜0.15%、及び、残部がFe及び不純物、からなり、フェライトの面積率が90.0%以上であり、肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が8.0以下であり、引張強度が380MPa以上であり、降伏強度が230MPa以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、継目無鋼管に関し、さらに詳しくは、耐硫酸腐食性に優れた継目無鋼管に関する。
ボイラーやガス化溶融炉等に設置されている排煙設備に利用される部材は、燃焼排気ガス雰囲気に曝される。燃焼排気ガス雰囲気で利用される部材には、硫酸露点腐食が生じることがある。また、燃焼排気ガス雰囲気で利用される部材は、硫酸溶液に曝される。このような環境を、本明細書では、「硫酸腐食環境」という。使用時において硫酸腐食環境となる排煙設備には、煙道ダクト、ケーシング、熱交換器、煙突等が含まれ、これらの用途に、鋼管が利用される。したがって、これらの硫酸腐食環境に利用される鋼管には、優れた耐硫酸腐食性が求められる。
上述のような硫酸腐食環境において、優れた耐硫酸腐食性を有する低合金鋼が特開2003−213367号公報(特許文献1)に提案されている。特許文献1に提案されている低合金鋼は、質量%で、C:0.001〜0.2%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜2%、Cu:0.1〜1%、Mo:0.001〜1%、Sb:0.01〜0.2%、P:0.05%以下、S:0.05%以下を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、かつ、耐酸腐食性指数AIが0以上である。耐酸腐食性指数AIは次の式で定義される。AI/10000=0.0005+0.045×Sb%−C%×Mo%。
特許文献1では、従来、耐硫酸腐食性を阻害する元素として理解されていたMoをCu−Sb系鋼に0.1質量%以下で微量添加することにより、耐硫酸腐食性を高めることができることを見出している。そして、上述の耐酸腐食性指数AIを0以上とする程度のMoを含有することにより、優れた耐硫酸腐食性が得られると記載されている。
特開2003−213367号公報 特開2007−277615号公報
最近では、特許文献1に記載の方法と異なる方法によっても、硫酸腐食環境において十分な耐硫酸腐食性が得られる鋼材が望まれている。特に、鋼管のうち、継目無鋼管は、溶接部に相当するシーム部が無い。シーム部は硫酸腐食しやすいため、継目無鋼管は、硫酸腐食環境用途に適する。そこで、硫酸腐食環境に使用可能であり、優れた耐硫酸腐食性を有する継目無鋼管が望まれている。
本開示の目的は、耐硫酸腐食性に優れた継目無鋼管を提供することである。
本開示による継目無鋼管は、化学組成が、質量%で、C:0.06%以下、Si:0.55%以下、Mn:0.70〜1.40%、P:0.020%以下、S:0.020%以下、Cu:0.25〜0.45%、Ni:0.50%以下、Mo:0.20%以下、Sb:0.05〜0.15%、及び、残部がFe及び不純物、からなり、フェライトの面積率が90.0%以上であり、肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が8.0以下であり、引張強度が380MPa以上であり、降伏強度が230MPa以上である。
本開示による継目無鋼管は、耐硫酸腐食性に優れる。
図1は、50質量%の硫酸溶液に鋼材を6時間浸漬した場合の、鋼材のフェライト結晶粒度番号と、腐食速度(mg/(cm/h))との関係を示す図である。 図2は、50質量%の硫酸溶液に鋼材を24時間浸漬した場合の、鋼材のフェライト結晶粒度番号と、腐食速度(mg/(cm/h))との関係を示す図である。 図3は、50質量%の硫酸溶液に鋼材を48時間浸漬した場合の、鋼材のフェライト結晶粒度番号と、腐食速度(mg/(cm/h))との関係を示す図である。
本発明者らは、上述のボイラーやガス化溶融炉等の排煙設備に代表される、硫酸腐食環境で使用される継目無鋼管の耐硫酸腐食性の向上を目的として、調査及び検討を行った。
本発明者らはまず、耐硫酸腐食性を高めるためには、継目無鋼管の化学組成及びミクロ組織が重要と考えた。そこで、種々の調査及び検討を行った結果、化学組成が、質量%で、C:0.06%以下、Si:0.55%以下、Mn:0.70〜1.40%、P:0.020%以下、S:0.020%以下、Cu:0.25〜0.45%、Ni:0.50%以下、Mo:0.20%以下、Sb:0.05〜0.15%、及び、残部がFe及び不純物、からなり、ミクロ組織において、フェライトの面積率が90.0%以上である継目無鋼管が、上述の排煙設備等の硫酸腐食環境での使用において、優れた耐硫酸腐食性を示す可能性があると考えた。上記化学組成は、耐食性を高めるCu及びSbを含有する。そのため、硫酸腐食環境でこの継目無鋼管を使用した場合、表面にCu及びSbを含有する皮膜が生成する。この皮膜が、継目無鋼管の耐硫酸腐食性を高めると考えられる。
さらに、上述の化学組成及びミクロ組織の継目無鋼管の場合、排煙設備での使用において要求される、引張強度が380MPa以上、降伏強度が230MPa以上という機械特性も満たすことが可能である。
そこで、本発明者らは、上記化学組成及びミクロ組織の継目無鋼管に対して、さらに耐硫酸腐食性を高める検討を行った。ここで、本発明者らは、フェライト結晶粒に注目した。特開2007−277615号公報(特許文献2)は、優れた耐食性を示す船舶用鋼材について開示する。この文献では、フェライト結晶粒を微細化し、具体的には、フェライト結晶粒を15μm以下とすることにより、耐食性を高めることができる、と記載されている(特許文献2の段落[0037]参照)。ここで、フェライト結晶粒が15μm以下とは、JIS G0551(2013)に準拠した結晶粒度番号で9.0以上に相当する。特許文献2では、フェライト結晶粒を微細化することにより、粒界面積を増大させ、PやSといった不純物の粒界濃度を低減することにより、耐食性を高めることができる、と記載している。
しかしながら、本発明者らが検討した結果、Cu及びSbを含有し、硫酸腐食環境での使用を前提とした上記化学組成の継目無鋼管では、フェライト結晶粒をむしろ粗粒にした方が、耐硫酸腐食性が高まることを初めて見い出した。
図1は、50質量%の硫酸溶液に鋼材を6時間浸漬した場合の、鋼材のフェライト結晶粒度番号と、腐食速度(mg/(cm/h))との関係を示す図である。図2は、50質量%の硫酸溶液に鋼材を24時間浸漬した場合の、鋼材のフェライト結晶粒度番号と、腐食速度(mg/(cm/h))との関係を示す図である。図3は、50質量%の硫酸溶液に鋼材を48時間浸漬した場合の、鋼材のフェライト結晶粒度番号と、腐食速度(mg/(cm/h))との関係を示す図である。
図1〜図3を参照して、上述の化学組成を有し、ミクロ組織におけるフェライト面積率が90.0%以上であり、引張強度が380MPa以上、降伏強度が230MPa以上の継目無鋼管において、フェライト結晶粒度番号が8.0以下であれば(図1〜図3中の試験番号4及び5)、フェライト結晶粒度番号が8.0を超える場合(図1〜図3中の試験番号1〜3)と比較して、腐食速度が抑えられ、優れた耐硫酸腐食性が得られる。そして、フェライト結晶粒度番号が6.0以下であれば(試験番号4)、フェライト結晶粒度番号が6.0超〜8.0の場合(試験番号5)と比較して、さらに腐食速度が抑えられ、さらに優れた耐硫酸腐食性が得られる。
このように、上述の化学組成を有し、ミクロ組織中のフェライト面積率が90.0%以上であり、引張強度が380MPa以上、降伏強度が230MPa以上の継目無鋼管では、硫酸腐食環境においては、フェライト結晶粒度番号を粗粒にした方が、耐硫酸腐食性を高めることができる。この理由については定かではないが、次の理由が推定される。フェライト結晶粒が微細化された場合、結晶粒界が増大する。この場合、偏析元素であるSbが粒界に偏析し、粒界に分散される。その結果、耐硫酸腐食性に影響するCuが存在するサイトが主として結晶粒内であるのに対して、同じく耐硫酸腐食性に影響するSbが存在するサイトが主として結晶粒界となってしまう。そのため、Cu及びSbの複合効果が得られにくくなる。
一方、フェライト結晶粒が粗粒である場合、結晶粒界は少なくなる。この場合、Sbの存在するサイトは結晶粒界だけでなく、結晶粒内もSbの存在するサイトになりやすい。その結果、Cu及びSbの複合効果が発揮しやすく、耐硫酸腐食性が高まると考えられる。
この推定は必ずしも正しいとは限らない。しかしながら、仮に、上述の推定と異なるメカニズムが作用しているとしても、上述の化学組成を有し、ミクロ組織におけるフェライト面積率が90.0%以上であり、引張強度が380MPa以上、降伏強度が230MPa以上の継目無鋼管において、フェライト結晶粒度番号が8.0以下であれば、フェライト結晶粒度番号が8.0を超える場合と比較して、腐食速度が抑えられ、優れた耐硫酸腐食性が得られることは、後述の実施例でも証明されている。
以上のとおり、本発明者らは従来の技術思想とは異なる技術思想により、本実施形態の継目無鋼管を完成させた。以上の知見に基づいて完成した本実施形態の継目無鋼管は、化学組成が、質量%で、C:0.06%以下、Si:0.55%以下、Mn:0.70〜1.40%、P:0.020%以下、S:0.020%以下、Cu:0.25〜0.45%、Ni:0.50%以下、Mo:0.20%以下、Sb:0.05〜0.15%、及び、残部がFe及び不純物、からなり、フェライトの面積率が90.0%以上であり、肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が8.0以下であり、引張強度が380MPa以上であり、降伏強度が230MPa以上である。
本実施形態の継目無鋼管の化学組成はさらに、Nb:0.100%以下、Ta:0.100%以下、V:0.100%以下、Ti:0.100%以下、及び、W:1.00%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有してもよい。
本実施形態の継目無鋼管の化学組成はさらに、Ca:0.0100%以下、Mg:0.0100%以下、希土類元素:0.0100%以下、及び、B:0.0050%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有してもよい。
本実施形態の継目無鋼管の化学組成はさらに、Sn:0.30%以下、及び、Pb:0.30%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素を含有してもよい。
本実施形態の継目無鋼管の化学組成はさらに、Se:0.100%以下、Te:0.100%以下、Bi:0.100%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有してもよい。
本実施形態の継目無鋼管の化学組成はさらに、Ag:0.500%以下、及び、Pd:0.100%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素を含有してもよい。
本実施形態の継目無鋼管は、肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が6.0以下であってもよい。
この場合、耐硫酸腐食性がさらに高まる。
以下、本実施形態の継目無鋼管について詳述する。元素に関する「%」は、特に断りがない限り、質量%を意味する。
[化学組成]
本実施形態の継目無鋼管の化学組成は、次の元素を含有する。
C:0.06%以下
炭素(C)は、不可避に含有される。つまり、C含有量は0%超である。Cは、鋼材の強度を高める。Cが少しでも含有されれば、この効果がある程度得られる。しかしながら、C含有量が0.06%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の耐硫酸腐食性が低下する。したがって、C含有量は0.06%以下である。C含有量の過剰な低減は製造コストを引き上げる。したがって、工業生産を考慮した場合、C含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。鋼材の強度をより有効に高める場合、C含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.01%である。C含有量の好ましい上限は0.055%であり、さらに好ましくは0.05%である。
Si:0.55%以下
シリコン(Si)は不可避に含有される。つまり、Si含有量は0%超である。Siは鋼を脱酸する。Siはさらに、フェライトに固溶して鋼材の強度を高める。Siが少しでも含有されれば、この効果がある程度得られる。しかしながら、Si含有量が0.55%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の溶接性及び靭性が低下する。したがって、Si含有量は0.55%以下である。Si含有量の過剰な低減は製造コストを引き上げる。したがって、工業生産を考慮した場合、Si含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。鋼材の強度をより有効に高める場合、Si含有量の好ましい下限は0.05%であり、さらに好ましくは0.10%である。Si含有量の好ましい上限は0.50%であり、さらに好ましくは0.45%である。
Mn:0.70〜1.40%
マンガン(Mn)は、鋼材の強度を高める。Mn含有量が0.70%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、十分な強度が得られない。一方、Mn含有量が1.40%を超えれば、鋼材の靭性が低下する。したがって、Mn含有量は0.70〜1.40%である。Mn含有量の好ましい下限は0.80%であり、さらに好ましくは0.90%である。Mn含有量の好ましい上限は1.35%であり、さらに好ましくは、1.30%であり、さらに好ましくは、1.25%である。
P:0.020%以下
燐(P)は不可避に含有される不純物である。つまり、P含有量は0%超である。Pは、粒界に偏析して、鋼材の耐硫酸腐食性を低下する。P含有量が0.020%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、十分な耐硫酸腐食性が得られない。したがって、P含有量は、0.020%以下である。P含有量はなるべく低い方が好ましい。しかしながら、P含有量の過剰な低減は、製造コストを引き上げる。したがって、工業生産を考慮した場合、P含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%であり、さらに好ましくは0.001%である。
S:0.020%以下
硫黄(S)は不可避に含有される不純物である。つまり、S含有量は0%超である。Sは、鋼材の熱間加工性を低下する。S含有量が0.020%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、十分な熱間加工性が得られない。したがって、S含有量は0.020%以下である。S含有量の過剰な低減は、製造コストを引き上げる。したがって、工業生産を考慮した場合、S含有量の好ましい下限は0.0001%であり、さらに好ましくは0.0005%である。S以外の他の元素が本実施形態の範囲内である場合、Sは耐硫酸腐食性を高めることができる。したがって、S含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.005%である。S含有量の好ましい上限は0.018%であり、さらに好ましくは0.016%である。
Cu:0.25〜0.45%
銅(Cu)は、鋼材の耐硫酸腐食性を高める。Cu含有量が0.25%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、十分な耐硫酸腐食性が得られない。一方、Cu含有量が0.45%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の溶接性及び熱間加工性が低下する。したがって、Cu含有量は0.25〜0.45%である。Cu含有量の好ましい下限は0.26%であり、さらに好ましくは0.27%である。Cu含有量の好ましい上限は0.40%であり、さらに好ましくは0.38%であり、さらに好ましくは0.36%である。
Ni:0.50%以下
ニッケル(Ni)は、不可避に含有される。つまり、Ni含有量は0%超である。Niは、鋼材の耐塩酸腐食性を高める。Niが少しでも含有されていれば、この効果がある程度得られる。しかしながら、Ni含有量が0.50%を超えれば、鋼材の溶接性及び熱間加工性が低下する。したがって、Ni含有量は0.50%以下である。Ni含有量の過剰な低減は、製造コストを引き上げる。したがって、工業生産を考慮した場合、Ni含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%である。耐塩酸腐食性をさらに有効に高めることを考慮すれば、Ni含有量の好ましい下限は0.05%であり、さらに好ましくは0.10%である。Ni含有量の好ましい上限は0.44%であり、さらに好ましくは0.40%であり、さらに好ましくは0.35%である。
Mo:0.20%以下
モリブデン(Mo)は不可避に含有される。つまり、Mo含有量は0%超である。Moは鋼材の耐硫酸腐食性を高める。Moが少しでも含有されれば、この効果がある程度得られる。一方、Mo含有量が0.20%を超えれば、鋼材の耐食性が低下する。したがって、Mo含有量は0.20%以下である。Mo含有量の過剰な低減は、製造コストを引き上げる。したがって、Mo含有量の好ましい下限は0.001%であり、さらに好ましくは0.005%である。耐硫酸腐食性をさらに高める場合、Mo含有量の好ましい下限は0.01%であり、さらに好ましくは0.02%であり、さらに好ましくは0.03%である。Mo含有量の好ましい上限は0.19%であり、さらに好ましくは0.18%であり、さらに好ましくは0.17%である。
Sb:0.05〜0.15%
アンチモン(Sb)は、鋼材の耐硫酸腐食性を高める。Sb含有量が0.05%未満であれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、十分な耐硫酸腐食性が得られない。一方、Sb含有量が0.15%を超えれば、他の元素含有量が本実施形態の範囲内であっても、鋼材の熱間加工性及び溶接性が低下する。したがって、Sb含有量は0.05〜0.15%である。Sb含有量の好ましい下限は0.06%であり、さらに好ましくは0.07%であり、さらに好ましくは0.08%である。Sb含有量の好ましい上限は0.14%であり、さらに好ましくは0.13%である。
本実施形態による継目無鋼管の化学組成の残部は、Fe及び不純物からなる。ここで、不純物とは、本実施形態の継目無鋼管を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、又は、製造環境などから混入されるものであって、本実施形態の継目無鋼管に悪影響を与えない範囲で許容されるものを意味する。
[任意元素について]
本実施形態の継目無鋼管の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Nb:0.100%以下、Ta:0.100%以下、V:0.100%以下、Ti:0.100%以下、及び、W:1.00%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも、鋼材の高温強度を高める。
Nb:0.100%以下
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Nb含有量は0%であってもよい。Nbが含有される場合、Nbは鋼中において炭化物又は炭窒化物を生成し、継目無鋼管の高温強度を高める。Nbが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Nb含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、Nb含有量は0.100%以下である。Nb含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。Nb含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%である。
Ta:0.100%以下
タンタル(Ta)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ta含有量は0%であってもよい。Taが含有される場合、Taは鋼中において炭化物又は炭窒化物を生成し、継目無鋼管の高温強度を高める。Taが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Ta含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、Ta含有量は0.100%以下である。Ta含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。Ta含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%である。
V:0.100%以下
バナジウム(V)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、V含有量は0%であってもよい。Vが含有される場合、Vは鋼中において炭化物又は炭窒化物を生成し、継目無鋼管の高温強度を高める。Vが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、V含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、V含有量は0.100%以下である。V含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。V含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%である。
Ti:0.100%以下
チタン(Ti)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ti含有量は0%であってもよい。Tiが含有される場合、Tiは鋼中において炭化物又は炭窒化物を生成し、継目無鋼管の高温強度を高める。Tiが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Ti含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、Ti含有量は0.100%以下である。Ti含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.005%であり、さらに好ましくは0.010%である。Ti含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%である。
W:1.00%以下
タングステン(W)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、W含有量は0%であってもよい。Wが含有される場合、Wは継目無鋼管の高温強度を高める。Wが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、W含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、W含有量は1.00%以下である。W含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.05%であり、さらに好ましくは0.10%である。W含有量の好ましい上限は0.90%であり、さらに好ましくは0.80%である。
本実施形態の継目無鋼管の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Ca:0.0100%以下、Mg:0.0100%以下、希土類元素:0.0100%以下、及び、B:0.0050%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも、鋼材の清浄性を高める。
Ca:0.0100%以下
カルシウム(Ca)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ca含有量は0%であってもよい。Caが含有される場合、耐硫酸腐食性の低下を抑制しつつ、鋼材の清浄性を高める。Caが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Ca含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、Ca含有量は0.0100%以下である。Ca含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.0002%であり、さらに好ましくは0.0010%である。Ca含有量の好ましい上限は0.0090%であり、さらに好ましくは0.0080%である。
Mg:0.0100%以下
マグネシウム(Mg)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Mg含有量は0%であってもよい。Mgが含有される場合、耐硫酸腐食性の低下を抑制しつつ、鋼材の清浄性を高める。Mgが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Mg含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、Mg含有量は0.0100%以下である。Mg含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.0002%であり、さらに好ましくは0.0010%である。Mg含有量の好ましい上限は0.0090%であり、さらに好ましくは0.0080%である。
希土類元素(REM):0.0100%以下
希土類元素(REM)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、REM含有量は0%であってもよい。REMが含有される場合、耐硫酸腐食性の低下を抑制しつつ、鋼材の清浄性を高める。REMが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、REM含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、REM含有量は0.0100%以下である。REM含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.0002%であり、さらに好ましくは0.0010%である。REM含有量の好ましい上限は0.0090%であり、さらに好ましくは0.0080%である。
本明細書におけるREMとは、原子番号39番のイットリウム(Y)、ランタノイドである原子番号57番のランタン(La)〜原子番号71番のルテチウム(Lu)及び、アクチノイドである原子番号89番のアクチニウム(Ac)〜103番のローレンシウム(Lr)からなる群から選択される1種以上の元素である。また、本明細書におけるREM含有量とは、これら元素の合計含有量である。
B:0.0050%以下
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、B含有量は0%であってもよい。Bが含有される場合、耐硫酸腐食性の低下を抑制しつつ、鋼材の清浄性を高める。Bが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、B含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、B含有量は0.0050%以下である。B含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.0002%であり、さらに好ましくは0.0010%である。REM含有量の好ましい上限は0.0040%であり、さらに好ましくは0.0030%である。
本実施形態の継目無鋼管の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Sn:0.30%以下、及び、Pb:0.30%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素を含有してもよい。これらの元素はいずれも、鋼材の被削性を高める。
Sn:0.30%以下
錫(Sn)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Sn含有量は0%であってもよい。Snが含有される場合、鋼材の被削性が高まる。Snが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Sn含有量が高すぎれば、鋼材の熱間加工性が低下する。したがって、Sn含有量は0.30%以下である。Sn含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.01%であり、さらに好ましくは0.10%である。Sn含有量の好ましい上限は0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。
Pb:0.30%以下
鉛(Pb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Pb含有量は0%であってもよい。Pbが含有される場合、鋼材の被削性が高まる。Pbが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Pb含有量が高すぎれば、鋼材の熱間加工性が低下する。したがって、Pb含有量は0.30%以下である。Pb含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.01%であり、さらに好ましくは0.10%である。Pb含有量の好ましい上限は0.25%であり、さらに好ましくは0.20%である。
本実施形態の継目無鋼管の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Se:0.100%以下、Te:0.100%以下、Bi:0.100%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有してもよい。これらの元素はいずれも、鋼材の耐酸性を高める。
Se:0.100%以下
セレン(Se)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Se含有量は0%であってもよい。Seが含有される場合、鋼材の耐酸性が高まる。Seが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Se含有量が高すぎれば、鋼材の製造性が低下して、製造コストが高くなる。したがって、Se含有量は0.100%以下である。Se含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.001%であり、さらに好ましくは0.010%である。Se含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%であり、さらに好ましくは0.070%である。
Te:0.100%以下
テルル(Te)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Te含有量は0%であってもよい。Teが含有される場合、鋼材の耐酸性が高まる。Teが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Te含有量が高すぎれば、鋼材の製造性が低下して、製造コストが高くなる。したがって、Te含有量は0.100%以下である。Te含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.001%であり、さらに好ましくは0.010%である。Te含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%であり、さらに好ましくは0.070%である。
Bi:0.100%以下
ビスマス(Bi)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Bi含有量は0%であってもよい。Biが含有される場合、鋼材の耐酸性が高まる。Biが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Bi含有量が高すぎれば、鋼材の製造性が低下して、製造コストが高くなる。したがって、Bi含有量は0.100%以下である。Bi含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.001%であり、さらに好ましくは0.010%である。Bi含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%であり、さらに好ましくは0.070%である。
本実施形態の継目無鋼管の化学組成はさらに、Feの一部に代えて、Ag:0.500%以下、及び、Pd:0.100%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素を含有してもよい。これらの元素はいずれも、高温下での耐硫酸腐食性を高める。
Ag:0.500%以下
銀(Ag)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Ag含有量は0%であってもよい。Agが含有される場合、高温下での鋼材の耐硫酸腐食性が高まる。Agが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Ag含有量が高すぎれば、鋼材の熱間加工性が低下する。したがって、Ag含有量は0.500%以下である。Ag含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.001%であり、さらに好ましくは0.010%である。Ag含有量の好ましい上限は0.400%であり、さらに好ましくは0.250%であり、さらに好ましくは0.100%である。
Pd:0.100%以下
パラジウム(Pd)は任意元素であり、含有されなくてもよい。つまり、Pd含有量は0%であってもよい。Pdが含有される場合、高温下での鋼材の耐硫酸腐食性が高まる。Pdが少しでも含有されれば、上記効果がある程度得られる。しかしながら、Pd含有量が高すぎれば、鋼材の熱間加工性が低下する。したがって、Pd含有量は0.100%以下である。Pd含有量の好ましい下限は0%超であり、さらに好ましくは0.001%であり、さらに好ましくは0.010%である。Pd含有量の好ましい上限は0.090%であり、さらに好ましくは0.080%であり、さらに好ましくは0.070%である。
[ミクロ組織]
本実施形態の継目無鋼管のミクロ組織では、フェライトの面積率が90.0%以上である。ミクロ組織において、フェライト以外の残部は、パーライトである。つまり、本実施形態の継目無鋼管のミクロ組織(マトリックス(母相))は、フェライト及びパーライトからなる組織である。本実施形態の継目無鋼管のミクロ組織において、フェライトの面積率が90.0%未満であれば、応力腐食割れが発生しやすくなる。フェライト面積率が90.0%以上であれば、応力腐食割れが発生しにくくなる。したがって、フェライトの面積率は90.0%以上である。フェライト面積率の好ましい下限は92.0%であり、さらに好ましくは95.0%である。
フェライトの面積率は次の方法で測定する。継目無鋼管の肉厚中央部からサンプルを採取する。サンプルの大きさは特に限定されず、後述のミクロ組織用の観察視野が確保できればよい。サンプルの表面のうち、継目無鋼管の長手方向に垂直な断面を観察面とする。観察面に対して鏡面研磨を実施する。鏡面研磨後のサンプルを、ナイタール腐食液に浸漬して、エッチングによる組織現出を行う。エッチングした観察面を、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて、二次電子像にて観察する。1視野あたり400μm程度(倍率5000倍)とし、5視野観察する。各視野において、コントラストから相(フェライト、パーライト等)を特定する。各視野で特定されたフェライトの面積率(合計5視野)の算術平均値を、フェライトの面積率(%)と定義する。
[フェライトの結晶粒度番号]
本実施形態の継目無鋼管ではさらに、肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が8.0以下である。ここで、本明細書における結晶粒度番号は、JIS G0551(2013)に準拠した結晶粒度番号を意味する。
肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が8.0を超える場合、フェライト結晶粒が細粒すぎる。この場合、上述の化学組成を有し、ミクロ組織中のフェライト面積率が90.0%以上であり、引張強度が380MPa以上であり、降伏強度が230MPa以上であっても、十分な耐硫酸腐食性が得られない。この理由として、次の理由が推定される。フェライト結晶粒が微細化された場合、結晶粒界が増大する。この場合、偏析元素であるSbが粒界に偏析し、粒界に分散される。その結果、耐硫酸腐食性に影響するCuが存在するサイトが主として結晶粒内であるのに対して、同じく耐硫酸腐食性に影響するSbが存在するサイトが主として結晶粒界となってしまう。そのため、Cu及びSbの複合効果が得られにくくなり、Cu及びSbを含有する皮膜が十分に生成しない。その結果、十分な耐硫酸腐食性が得られないと考えられる。
一方、肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が8.0以下であれば、フェライト結晶粒が十分に粗粒となっている。そのため、十分な耐硫酸腐食性が得られる。フェライト結晶粒が粗粒である場合、結晶粒界は少なくなる。この場合、Sbの存在するサイトは結晶粒界だけでなく、結晶粒内もSbの存在するサイトになりやすい。その結果、Cu及びSbの複合効果が発揮しやすく、Cu及びSbを含有する皮膜が生成しやすい。そのため、耐硫酸腐食性が高まると考えられる。フェライトの結晶粒度番号の好ましい上限は7.5であり、さらに好ましくは7.0であり、さらに好ましくは6.5であり、さらに好ましくは6.0であり、さらに好ましくは5.5である。フェライト結晶粒度番号の好ましい下限は2.5であり、さらに好ましくは3.0であり、さらに好ましくは4.0である。
継目無鋼管の肉厚中央部のフェライト結晶粒度番号は、次の方法で測定する。継目無鋼管の肉厚中央部から、サンプルを採取する。採取されたサンプルを樹脂埋めして、サンプルの表面を研磨する。研磨されるサンプルの表面(観察面)は、継目無鋼管の長手方向に垂直な断面とする。樹脂埋めされたサンプルの観察面を研磨した後、サンプルをナイタール腐食液に浸漬して、表面のフェライトの結晶粒界を現出させる。腐食された観察面の任意の5視野において、各視野のフェライトの結晶粒度番号を求める。各視野の面積は、たとえば、0.066mmである。JIS G0551(2013)の7.2に規定された結晶粒度標準図との比較により、各視野における結晶粒度番号を評価する。5視野で評価した粒度番号の算術平均値を、フェライト結晶粒の結晶粒度番号と定義する。
[引張強度及び降伏強度]
本実施形態の継目無鋼管の引張強度は、380MPa以上であり、降伏強度は230MPa以上である。引張強度が380MPa未満、又は、降伏強度が230MPa未満であれば、火力ボイラー用途及びガス化溶融炉等の排煙設備に代表される、硫酸腐食環境用途の継目無鋼管として適さない。引張強度が380MPa以上であり、かつ、降伏強度が230MPa以上であれば、上述の排煙設備に代表される硫酸腐食環境用途の継目無鋼管として十分な強度を有する。引張強度の好ましい下限は390MPaであり、さらに好ましくは400MPaである。引張強度の好ましい上限は特に限定されないが、たとえば、600MPaであり、580MPaであってもよい。降伏強度の好ましい下限は240MPaであり、さらに好ましくは250MPaである。降伏強度の上限は特に限定されないが、たとえば、450MPaであり、440MPaであってもよい。
引張強度及び降伏強度は、次の方法で測定できる。継目無鋼管の肉厚中央部から、JIS Z 2241(2011)に準拠した円弧状試験片を採取する。試験片の平行部は、継目無鋼管の長手方向に平行とする。採取した試験片を用いて、常温(25℃)、大気中にて、JIS Z 2241(2011)に準拠した引張試験を実施する。引張試験により得られた応力−ひずみ曲線から、引張強度(MPa)及び降伏強度(MPa)を求める。本明細書において、降伏強度は、0.2%オフセット耐力とする。
[製造方法]
本実施形態の継目無鋼管の製造方法の一例を説明する。本実施形態の継目無鋼管の製造方法は、素材準備工程と、熱間加工工程と、熱処理工程とを備える。
[素材準備工程]
素材準備工程では、上述の化学組成を有する溶鋼を用いて、鋳造法により素材を製造する。素材は、溶鋼を用いて連続鋳造法により製造されるスラブやブルームであってもよいし、連続鋳造法により製造される丸ビレットであってもよい。丸ビレットは、長手方向に垂直な断面が円形状のビレットである。また、素材は、溶鋼を用いて造塊法により製造されるインゴットであってもよい。
[熱間加工工程]
熱間加工工程では、鋳造法により製造された素材に対して熱間加工を実施して、継目無鋼管を製造する。
たとえば、素材がブルーム、スラブ、又は、インゴットである場合、次の熱間加工を実施して継目無鋼管を製造する。はじめに、素材を加熱炉で加熱する。加熱温度は特に限定されないが、たとえば、1000〜1300℃である。加熱後の素材に対して、分塊圧延機を用いた分塊圧延を実施して、丸ビレットを製造する。続いて、丸ビレットに対してマンネスマン法を実施して、素管(Hollow Shell)を製造する。具体的には、丸ビレットを加熱炉で加熱する。加熱温度は特に限定されないが、たとえば、1000〜1300℃である。丸ビレットを加熱炉から抽出する。抽出された丸ビレットに対して、穿孔機を用いた穿孔圧延を実施し、素管を製造する。穿孔圧延後の素管に対してさらに、マンドレルミルを用いた延伸圧延を実施してもよい。また、マンドレルミルを用いた延伸圧延後の素管に対して、サイザー又はストレッチレデューサーを用いた定径圧延(Sizing)を実施してもよい。
製造された素管を冷却する。冷却方法はたとえは、放冷(空冷)である。以上の熱間加工により、継目無鋼管を製造する。
素材準備工程で準備された素材が丸ビレットである場合、上述の分塊圧延工程を省略する。つまり、準備された素材(丸ビレット)に対してマンネスマン法を実施して素管を製造する。製造された素管を冷却して、継目無鋼管とする。
本実施形態の継目無鋼管が圧延まま材(As−Rolled材)である場合、熱間加工後のフェライトの結晶粒度番号が8.0以下となり、かつ、引張強度が380MPa以上となり、降伏強度が230MPa以上となるように、熱間加工工程での減面率、及び、素材のサイズを調整する。ここで、準備された素材の長手方向に垂直な断面積をA0(mm)とし、熱間加工工程後の継目無鋼管の長手方向に垂直な断面積をA1(mm)と定義したとき、熱間加工工程での減面率(%)は次式で定義される。
減面率={1−(A1/A0)}×100
[熱処理工程]
本実施形態の継目無鋼管の製造方法では、製管後の焼準処理は省略されてもよい。粒度番号を小さくする(つまり、粗粒にする)観点では、焼準処理を省略した方が有利である。しかしながら、機械的性質等の品質の安定性等の理由で、必要に応じて、焼準処理を実施してもよい。
焼準処理では、熱処理温度をAC3変態点以上とする。焼準処理での熱処理温度はたとえば900℃以上であり、さらに好ましくは900℃〜920℃である。上記熱処理温度での保持時間は特に限定されないが、たとえば5〜10分である。焼準処理での熱処理温度及び保持時間により、フェライト結晶粒度番号を調整する。上記熱処理温度での保持時間が経過した後、継目無鋼管を空冷する。
以上の熱処理工程は必須の工程ではなく、継目無鋼管のフェライト結晶粒の結晶粒度番号、引張強度、又は、降伏強度の調整が必要な場合に適宜実施すればよい。
上述の製造方法により、上述の化学組成を有し、フェライト面積率が90.0%以上となるミクロ組織を有し、肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が8.0以下であり、引張強度が380MPa以上であり、降伏強度が230MPa以上である、本実施形態の継目無鋼管を製造できる。
なお、本実施形態の継目無鋼管は、上述の化学組成を有し、フェライト面積率が90.0%以上となるミクロ組織を有し、肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が8.0以下であり、引張強度が380MPa以上であり、降伏強度が230MPa以上であれば、他の製造方法により製造されてもよい。上述の製造方法は、本実施形態の継目無鋼管を製造する好ましい一例である。
[本実施形態の継目無鋼管の用途]
本実施形態の継目無鋼管は、硫酸露点腐食が生じる燃焼排気ガス雰囲気、つまり、硫酸腐食環境での使用に適する。より具体的には、本実施形態の継目無鋼管は、ボイラーやガス化溶融炉の排煙設備に好適である。ここでいうボイラーは、たとえば、重油、石炭等の化石燃料、液化天然ガス等のガス燃料、都市ごみ等の一般廃棄物、木工屑、繊維屑、廃油、プラスチック、排タイヤ、医療廃棄物等の産業廃棄物、及び、下水汚泥などを燃焼させる設備である。また、排煙設備はたとえば、煙道ダクト、ケーシング、熱交換器、煙突等である。
以下、実施例により本実施形態の継目無鋼管の一態様の効果をさらに具体的に説明する。実施例での条件は、本実施形態の継目無鋼管の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例である。したがって、本実施形態の継目無鋼管は、この一条件例に限定されない。
表1の化学組成を有する溶鋼を製造した。
Figure 2020033601
製造された溶鋼を用いて、連続鋳造法により丸ビレットを製造した。丸ビレットを加熱炉にて1200〜1250℃に加熱した。加熱された丸ビレットに対して、穿孔機を用いた穿孔圧延を実施して素管を製造した。さらに、素管に対して、マンドレルミルを用いた延伸圧延、及び、ストレッチレデューサー又はサイザーを用いた定径圧延を実施して、表2に示す外径及肉厚の継目無鋼管を製造した。
Figure 2020033601
試験番号1〜5の継目無鋼管のうち、試験番号2、3及び5については、表2に示す熱処理温度(℃)、及び保持時間(分)で、焼準処理を実施した。焼準処理において、表2に示す熱処理温度で保持時間経過後、継目無鋼管を空冷した。なお、試験番号1及び4は、熱間圧延後に空冷して得られる、いわゆる圧延まま材(As−Rolled材)とした。
[評価試験]
[ミクロ組織観察試験]
各試験番号の継目無鋼管の肉厚中央部からサンプルを採取した。サンプルの表面のうち、継目無鋼管の長手方向に垂直な断面を観察面とした。観察面に対して鏡面研磨を実施した。鏡面研磨後のサンプルを、ナイタール腐食液に浸漬して、エッチングによる組織現出を行った。エッチングした観察面を、SEMを用いて、二次電子像にて観察した。1視野あたり400μm程度(倍率5000倍)とし、5視野観察した。各視野において、コントラストから相(フェライト、パーライト)を特定した。各視野で特定されたフェライトの面積率(合計5視野)の算術平均値を、フェライトの面積率(%)と定義した。
得られた結果を表2に示す。表2の「ミクロ組織」欄での「F」は、フェライト面積率が90.0%以上であり、残部がパーライトであることを意味する。表2に示すとおり、いずれの試験番号1〜5においても、ミクロ組織はフェライト及びパーライトからなり、フェライト面積率は90.0%以上であった。
[フェライト結晶粒度番号測定試験]
各試験番号の継目無鋼管の肉厚中央部から、サンプルを採取した。採取されたサンプルを樹脂埋めして、サンプルの表面を研磨した。研磨するサンプルの表面(観察面)は、継目無鋼管の長手方向に垂直な断面とした。樹脂埋めしたサンプルの観察面を研磨した後、サンプルをナイタール腐食液に浸漬して、表面のフェライトの結晶粒界を現出させた。腐食した観察面の任意の5視野において、各視野のフェライトの結晶粒度番号を求めた。各視野の面積は、0.066mmとした。JIS G0551(2013)の7.2に規定された結晶粒度標準図との比較により、各視野における結晶粒度番号を評価した。5視野で評価した粒度番号の算術平均値を、フェライト結晶粒の結晶粒度番号と定義した。得られたフェライト結晶粒度番号を、表2中の「結晶粒度番号」欄に示す。
[引張試験]
試験番号1〜5の継目無鋼管の肉厚中央部から、JIS Z 2241(2011)に準拠した円弧状試験片を採取した。試験片の平行部の長さは50mmであり、平行部は、継目無鋼管の長手方向に平行であった。採取した試験片を用いて、常温(25℃)、大気中にて、JIS Z 2241(2011)に準拠した引張試験を実施した。引張試験により得られた応力−ひずみ曲線から、引張強度(MPa)及び降伏強度(MPa)を求めた。降伏強度は、0.2%オフセット耐力とした。得られた引張強度及び降伏強度を表2に示す。なお、試験番号5の引張強度及び降伏強度は得ていないものの、試験番号4と同じ化学組成であり、さらに、結晶粒度番号が試験番号4よりも高いことから、試験番号5の降伏強度及び引張強度は試験番号4よりも高いことは当業者に自明である。
[硫酸腐食試験]
各試験番号の継目無鋼管から、以下に示す各試験ごと(6時間硫酸腐食試験、24時間硫酸腐食試験、48時間硫酸腐食試験)に、肉厚のほぼ中央部から2つのクーポン試験片(各試験番号ごとに合計で6個のクーポン試験片)を採取した。クーポン試験片の幅は10mmであり、厚さは3mmであり、長さは40mmであった。
作製した2つのクーポン試験片を用いて、次に示す「6時間硫酸腐食試験」を実施した。6時間硫酸腐食試験では、JIS K 8951(2006)に規定する硫酸特級品(密度約1.84)と蒸留水とによって50質量%の硫酸溶液を調製した。大気圧下にて、70℃の硫酸溶液中にクーポン試験片を6時間浸漬した。比液量は22.7cm/cmとした。6時間経過後、クーポン試験片を硫酸溶液から取り出して、水洗して乾燥した。つまり、乾燥後のクーポン試験片は腐食生成物も含んでいた。乾燥後のクーポン試験片の質量を測定して、減量を求めた。得られた減量に基づいて、腐食速度(mg/(cm/h))を求めた。2つのクーポン試験片の平均値を、その試験番号の6時間硫酸腐食試験での腐食速度(mg/(cm/h))と定義した。
同様に、作製した2つのクーポン試験片を用いて、次に示す「24時間硫酸腐食試験」を実施した。24時間硫酸腐食試験では、6時間硫酸腐食試験と同じ方法で硫酸溶液を調整した。大気圧下にて、70℃の硫酸溶液中にクーポン試験片を24時間浸漬した。比液量は22.7cm/cmとした。24時間経過後、6時間硫酸腐食試験と同じ方法で、クーポン試験片の減量を求めた。得られた減量に基づいて、腐食速度(mg/(cm/h))を求めた。2つのクーポン試験片の平均値を、その試験番号の24時間硫酸腐食試験での腐食速度(mg/(cm/h))と定義した。
同様に、作製した2つのクーポン試験片を用いて、次に示す「48時間硫酸腐食試験」を実施した。48時間硫酸腐食試験では、6時間硫酸腐食試験と同じ方法で硫酸溶液を調整した。大気圧下にて、70℃の硫酸溶液中にクーポン試験片を48時間浸漬した。比液量は22.7cm/cmとした。48時間経過後、6時間硫酸腐食試験と同じ方法で、クーポン試験片の減量を求めた。得られた減量に基づいて、腐食速度(mg/(cm/h))を求めた。2つのクーポン試験片の平均値を、その試験番号の48時間硫酸腐食試験での腐食速度(mg/(cm/h))と定義した。
[試験結果]
試験結果を表2及び図1〜図3に示す。表2を参照して、試験番号1〜5のミクロ組織はいずれも、フェライト面積率が90.0%以上であった。また、いずれの試験番号においても、引張強度は380MPa以上であり、降伏強度は230MPa以上であった。
一方、耐硫酸腐食性に関しては、結晶粒度番号により、効果に差が出た。具体的には、試験番号4及び5では、フェライト結晶粒度番号が8.0以下であった。そのため、表2及び図1を参照して、6時間硫酸腐食試験において、腐食速度が15.50(mg/(cm/h))以下であった。特に、試験番号4では、結晶粒度番号が6.0以下であったため、試験番号5と比較して、腐食速度が遅く、優れた耐硫酸腐食性が得られた。
一方、試験番号1〜3では、フェライト結晶粒度番号が8.0を超えた。そのため、6時間硫酸腐食試験において、腐食速度が15.50(mg/(cm/h))を超えた。
同様に、表2及び図2を参照して、結晶粒度番号が8.0以下の試験番号4及び5では、24時間硫酸腐食試験において、腐食速度が6.40(mg/(cm/h))以下であり、優れた耐硫酸腐食性を示した。特に、試験番号4では、結晶粒度番号が6.0以下であったため、試験番号5と比較して、24時間硫酸腐食試験においても腐食速度が遅く、試験番号5と比較して、優れた耐硫酸腐食性が得られた。
一方、結晶粒度番号が8.0を超えた試験番号1〜3では、24時間硫酸腐食試験においても、腐食速度が6.40(mg/(cm/h))を超え、結晶粒度番号が8.0以下の試験番号4及び5と比較して、耐硫酸腐食性が低かった。
同様に、表2及び図3を参照して、結晶粒度番号が8.0以下の試験番号4及び5では、48時間硫酸腐食試験において、腐食速度が4.40(mg/(cm/h))以下であり、優れた耐硫酸腐食性を示した。特に、試験番号4では、結晶粒度番号が6.0以下であったため、試験番号5と比較して、24時間硫酸腐食試験においても腐食速度が遅く、試験番号5と比較して、優れた耐硫酸腐食性が得られた。
一方、結晶粒度番号が8.0を超えた試験番号1〜3では、48時間硫酸腐食試験においても、腐食速度が4.40(mg/(cm/h))を超え、結晶粒度番号が8.0以下の試験番号4及び5と比較して、耐硫酸腐食性が低かった。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。

Claims (7)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.06%以下、
    Si:0.55%以下、
    Mn:0.70〜1.40%、
    P:0.020%以下、
    S:0.020%以下、
    Cu:0.25〜0.45%、
    Ni:0.50%以下、
    Mo:0.20%以下、
    Sb:0.05〜0.15%、及び、
    残部がFe及び不純物、からなり、
    フェライトの面積率が90.0%以上であり、
    肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が8.0以下であり、
    引張強度が380MPa以上であり、
    降伏強度が230MPa以上である、
    継目無鋼管。
  2. 請求項1に記載の継目無鋼管であって、
    前記化学組成はさらに、
    Nb:0.100%以下、
    Ta:0.100%以下、
    V:0.100%以下、
    Ti:0.100%以下、及び、
    W:1.00%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有する、
    継目無鋼管。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の継目無鋼管であって、
    前記化学組成はさらに、
    Ca:0.0100%以下、
    Mg:0.0100%以下、
    希土類元素:0.0100%以下、及び、
    B:0.0050%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有する、
    継目無鋼管。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の継目無鋼管であって、
    前記化学組成はさらに、
    Sn:0.30%以下、及び、
    Pb:0.30%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素を含有する、
    継目無鋼管。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の継目無鋼管であって、
    前記化学組成はさらに、
    Se:0.100%以下、
    Te:0.100%以下、及び、
    Bi:0.100%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素以上を含有する、
    継目無鋼管。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の継目無鋼管であって、
    前記化学組成はさらに、
    Ag:0.500%以下、及び、
    Pd:0.100%以下、からなる群から選択される1元素又は2元素を含有する、
    継目無鋼管。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の継目無鋼管であって、
    前記肉厚中央部でのフェライトの結晶粒度番号が6.0以下である、
    継目無鋼管。
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