JP2020032807A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ヒールアンドトウ摩耗性能とWET性能とを両立する。【解決手段】周方向主溝10,10の間に区画された陸部11に、貫通溝12と、貫通サイプ13と、貫通サイプ底上部13bと、貫通サイプ深溝部13cと、閉鎖溝14と、閉鎖サイプ15と、閉鎖サイプ底上部15bと、閉鎖サイプ深溝部15cと、を備え、陸部11のタイヤ幅方向寸法Wcに対して閉鎖溝14のタイヤ幅方向寸法W1が0.70≦W1/Wc≦0.90の関係を満たし、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいてタイヤ周方向から視て貫通サイプ底上部13bが閉鎖サイプ深溝部15cに重なり、閉鎖サイプ底上部15bが貫通サイプ深溝部13cに重なって配置されている。【選択図】図4

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
例えば、特許文献1に記載の重荷重用ラジアルタイヤは、タイヤチェーンの装着時における排水性能の低下を抑制すると共にタイヤ寿命の低下を抑制することを目的としている。この重荷重用ラジアルタイヤは、タイヤ幅方向で隣り合う1対の周方向溝により区画されたリブ列に、タイヤ幅方向の両端部が各周方向溝に開口する開サイプがタイヤ周方向に間隔をあけて設けられてリブブロックが形成され、リブブロックには、延在方向の両端部がリブブロック内で終端する閉サイプが設けられている。
また、例えば、特許文献2に記載の空気入りタイヤは、氷上性能を維持しつつ耐摩耗性能を向上することを目的としている。この空気入りタイヤは、トレッド部に形成されたブロックに、タイヤ幅方向に延び両端部がタイヤ幅方向両側のブロック縁で開口するサイプが複数本設けられている。サイプは、一定の深さを有する基部と、基部よりも小さい深さを有する浅底部とを含む深さ変化サイプを含んでいる。深さ変化サイプは、第1深さ変化サイプと第2深さ変化サイプとを含み、第1深さ変化サイプの浅底部が第2深さ変化サイプの基部にタイヤ周方向で向き合っている。
特許2017−165140号公報 特開2017−019502号公報
例えば、路線バスの使用される空気入りタイヤでは、ストップアンドゴーオペレーションが多く、排水性能を考慮したブロックパターンでは、ヒールアンドトウ摩耗が発生しやすくなる。一方で、ヒールアンドトウ摩耗を抑制するためにタイヤ周方向の剛性が確保できるリブパターンを採用すると排水性能が不十分となり湿潤路面での制動性能(WET性能ともいう)が劣ってしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐ヒールアンドトウ摩耗性能とWET性能とを両立することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る空気入りタイヤは、トレッド部のトレッド面にタイヤ周方向に沿って連続して延在しタイヤ幅方向に複数設けられた周方向主溝と、タイヤ幅方向で隣接する2つの前記周方向主溝の間に区画された陸部と、前記陸部において両端部が2つの前記周方向主溝に連通しタイヤ周方向に複数設けられた貫通溝と、前記貫通溝の溝底において両端部が2つの前記周方向主溝に連通して設けられた貫通サイプと、前記貫通サイプの溝底において部分的に浅く形成された貫通サイプ底上部と、前記貫通サイプの溝底において前記貫通サイプ底上部よりも深く形成された貫通サイプ深溝部と、前記陸部において両端部が2つの前記周方向主溝の間に区画された前記陸部内で終端しタイヤ周方向に複数設けられて前記貫通溝のタイヤ周方向で隣接する配置を含む閉鎖溝と、前記閉鎖溝の溝底において両端部が前記陸部内で終端して設けられた閉鎖サイプと、前記閉鎖サイプの溝底において部分的に浅く形成された閉鎖サイプ底上部と、前記閉鎖サイプの溝底において前記閉鎖サイプ底上部よりも深く形成された閉鎖サイプ深溝部と、を備え、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wcに対して前記閉鎖溝のタイヤ幅方向寸法W1が0.70≦W1/Wc≦0.90の関係を満たし、タイヤ周方向で隣接する前記貫通サイプと前記閉鎖サイプとにおいてタイヤ周方向から視て前記貫通サイプ底上部が前記閉鎖サイプ深溝部に重なり、前記閉鎖サイプ底上部が前記貫通サイプ深溝部に重なって配置されている。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記貫通溝および前記閉鎖溝は、タイヤ幅方向に対して傾斜して延在する傾斜部をそれぞれ有し、各前記傾斜部は、タイヤ幅方向に対して30°以上60°以下の傾きを有することが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記貫通溝および前記閉鎖溝の各前記傾斜部は、相互に0°以上10°以下の角度差を有することが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記陸部を区画する2つの前記周方向主溝における最大深さGDに対し、前記貫通サイプ底上部の深さSD1と、前記閉鎖サイプ底上部の深さSD2と、前記貫通サイプ深溝部の深さSD3と、前記閉鎖サイプ深溝部の深さSD4とが、0.20≦SD1/GD≦0.60、0.20≦SD2/GD≦0.60、0.70≦SD3/GD≦1.00、0.70≦SD4/GD≦1.00の関係を満たすことが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、各前記貫通溝のタイヤ周方向の間隔Pが、タイヤ赤道面の前記トレッド面を基準とするタイヤ周方向長さCに対し、0.015≦P/C≦0.030の関係を満たすことが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記陸部は、タイヤ幅方向寸法がタイヤ周方向で変化して形成され、前記陸部のタイヤ幅方向寸法の広い部分に前記閉鎖溝の少なくとも一方の端部が位置することが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記陸部を区画する2つの前記周方向主溝における最大深さGDに対し、前記貫通溝の深さGD1と、前記閉鎖溝の深さGD2とが、0.05≦GD1/GD≦0.30、0.05≦GD2/GD≦0.30の関係を満たすことが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記貫通溝は、タイヤ幅方向に沿って延在する平坦部を有し、前記平坦部は、タイヤ幅方向に対して0°以上10°以下で形成されることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記貫通溝における前記平坦部のタイヤ幅方向寸法W3が、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wcに対し、0.02≦W3/Wc≦0.20の関係を満たすことが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記貫通サイプ底上部は、1つの前記貫通サイプにおいて複数配置され、前記閉鎖サイプ底上部は、1つの前記閉鎖サイプにおいて複数配置されていることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記貫通溝および前記閉鎖溝の溝幅が、1.0mm以上4.0mm以下であることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記陸部を区画する2つの前記周方向主溝の少なくとも1つは、前記トレッド面から深さ方向に30%以上70%以下の位置で溝壁に段部が設けられ、前記段部を境に開口側よりも溝底側の溝幅が狭く形成されていることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記段部を有する前記周方向主溝は、タイヤ赤道面の最も近くに配置されていることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記陸部を区画する2つの前記周方向主溝の少なくとも1つは、前記トレッド面から深さ方向に30%以上70%以下の位置で溝壁に屈曲部が設けられ、前記屈曲部を境に開口側よりも溝底側の溝幅が狭く形成されていることが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、3本の前記周方向主溝により4本の前記陸部が区画されており、前記トレッド部の展開幅TDWに対し、タイヤ幅方向で隣接する2つの前記周方向主溝の間で区画されて前記貫通溝および前記閉鎖溝を有する2つの内側陸部のタイヤ幅方向寸法Wcと、タイヤ幅方向最外側の各前記周方向主溝のタイヤ幅方向外側に区画された2つの外側陸部のタイヤ幅方向寸法Wshとが、0.15≦Wc/TDW≦0.30、0.15≦Wsh/TDW≦0.30の関係を満たすことが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、前記外側陸部は、一端が前記展開幅TDWのタイヤ幅方向端部に開口されて他端が前記外側陸部内で終端し、タイヤ周方向に複数設けられたラグ溝を有することが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、タイヤ周方向で隣接する前記貫通サイプと前記閉鎖サイプとにおいて、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記貫通サイプ底上部の総断面積SA1と前記閉鎖サイプ深溝部の総断面積SB2とが、0.25≦SA1/SB2≦1.75の関係を満たし、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記閉鎖サイプ底上部の総断面積SB1と前記貫通サイプ深溝部の総断面積SA2とが、0.25≦SB1/SA2≦1.75の関係を満たすことが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、タイヤ周方向で隣接する前記貫通サイプと前記閉鎖サイプとにおいて、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記貫通サイプ底上部のタイヤ幅方向総寸法SAW1と前記閉鎖サイプ深溝部のタイヤ幅方向総寸法SBW2とが、0.25≦SAW1/SBW2≦1.75の関係を満たし、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記閉鎖サイプ底上部のタイヤ幅方向総寸法SBW1と前記貫通サイプ深溝部のタイヤ幅方向総寸法SAW2とが、0.25≦SBW1/SAW2≦1.75の関係を満たすことが好ましい。
また、本発明の一態様に係る空気入りタイヤでは、タイヤ周方向で隣接する前記貫通サイプと前記閉鎖サイプとにおいて、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記貫通サイプ底上部のタイヤ径方向総寸法SAH1と前記閉鎖サイプ深溝部のタイヤ径方向総寸法SBH2とが、0.5≦SAH1/SBH2≦1.5の関係を満たし、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記閉鎖サイプ底上部のタイヤ径方向総寸法SBH1と前記貫通サイプ深溝部のタイヤ径方向総寸法SAH2とが、0.5≦SBH1/SAH2≦1.5の関係を満たすことが好ましい。
本発明は、貫通溝および貫通サイプと、閉鎖溝および閉鎖サイプを設けることで、排水性能を得ることができ湿潤路面での制動性能(WET性能)を確保できる。また、本発明は、全てを貫通溝のみとせずに閉鎖溝を含むこと、全てを貫通溝および閉鎖溝のみとせず、貫通溝に貫通サイプを設けたり、閉鎖溝に閉鎖サイプを設けたりすること、タイヤ周方向から視て貫通サイプ底上部が閉鎖サイプ深溝部に重なること、タイヤ周方向から視て閉鎖サイプ底上部が貫通サイプ深溝部に重なることにより、陸部の剛性を調整することができヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。また、本発明は、閉鎖溝のタイヤ幅方向寸法W1と、陸部のタイヤ幅方向寸法Wcとの関係において、0.70≦W1/WcとすることでWET性能を十分に確保することができ、W1/Wc≦0.90とすることで陸部の剛性を確保してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。この結果、本発明によれば、耐ヒールアンドトウ摩耗性能とWET性能とを両立することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの平面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの部分拡大平面図である。 図4は、図3に示すA−A断面図およびB−B断面図である。 図5は、図3に示すA−A断面図およびB−B断面図である。 図6は、図3に示すA−A断面図およびB−B断面図である。 図7は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図8は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図9は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 図10は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。また、以下の実施形態で説明する構成要素は組み合わせることができるし、一部の構成要素を用いないこともできる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤのタイヤ回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向をいい、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面から離れる方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう方向をいい、タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる方向をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。
タイヤ赤道面とは、タイヤ回転軸と直交しタイヤ幅方向の中心を通る平面をいい、タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面と空気入りタイヤのトレッド部の表面とが交差するセンターラインをいう。本実施形態では、タイヤ赤道面およびタイヤ赤道線に同じ符号「CL」を付す。
本実施形態における空気入りタイヤ1は、チューブレスタイヤである。また、本実施形態における空気入りタイヤ1は、トラックおよびバスに装着される重荷重用空気入りタイヤである。トラックおよびバス用タイヤ(重荷重用空気入りタイヤ)とは、日本自動車タイヤ協会(Japan Automobile Tire Manufacturers Association:JATMA)から発行されている「日本自動車タイヤ協会規格(JATMA YEAR BOOK)」のC章に定められるタイヤをいう。なお、空気入りタイヤ1は、乗用車に装着されてもよいし、小型トラックに装着されてもよい。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。子午断面とは、タイヤ回転軸を通る断面をいう。
図1に示す空気入りタイヤ1は、子午断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にゴム材からなるトレッド部2が配設されている。トレッド部2の表面、即ち、空気入りタイヤ1が装着される車両の走行時に路面と接触する部分は、トレッド面3として形成されている。トレッド面3には、タイヤ周方向に沿って連続して延びる周方向主溝10がタイヤ幅方向に複数形成されている。周方向主溝10は、トレッド面3に少なくとも1つあればよい。トレッド面3には、これらの複数の周方向主溝10によって複数の陸部11が区画形成されている。なお、周方向主溝10の本数や間隔、溝幅や溝深さ等は、適宜設定されるのが好ましい。
タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両端は、ショルダー部4として形成されており、ショルダー部4から、タイヤ径方向内側の所定の位置までは、サイドウォール部5が配設されている。つまり、サイドウォール部5は、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の両側2ヶ所に配設されている。
さらに、それぞれのサイドウォール部5のタイヤ径方向内側には、ビード部20が位置している。ビード部20は、サイドウォール部5と同様に、タイヤ赤道面CLの両側2ヶ所に配設されている。即ち、一対のビード部20が、タイヤ赤道面CLのタイヤ幅方向両側に配設されている。一対のビード部20のそれぞれには、ビードコア21が設けられている。ビードコア21は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。
ビード部20は、15°テーパの規定リムに装着することができるように構成されている。ここでいう規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、或いはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。即ち、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、ビード部20と嵌合する部分が回転軸に対して15[°]の傾斜角で傾斜する規定リムに装着することが可能になっている。
トレッド部2のタイヤ径方向内側には、ベルト層7が設けられている。ベルト層7は、例えば、4層のベルト71,72,73,74を積層した多層構造をなしている。ベルト71,72,73,74は、スチールから成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成される。また、ベルト71,72,73,74のタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば15°以上70°以下の範囲に設定されている。複数層のベルト層7のうち一部は層間でベルトコードが交差するように配置されている。強度層として機能するタイヤ内周側から2層目と3層目のベルト72,73間でベルトコードが互いに交差し、タイヤ内周側から1層目と2層目のベルト71,72間ではベルトコードが同方向に傾斜し、タイヤ内周側から3層目と4層目のベルト73,74間でもベルトコードが同方向に傾斜している。
このベルト層7のタイヤ径方向内側、およびサイドウォール部5の内部にラジアルプライのコードを内包するカーカス層6が連続して設けられている。このカーカス層6は、一対のビードコア21に支持される。カーカス層6は、1枚のカーカスプライから成る単層構造を有し、タイヤ幅方向の両側に配設されるビードコア21間でタイヤ周方向にトロイダル状に架け渡されて空気入りタイヤ1の骨格を構成する。詳しくは、カーカス層6は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部20のうち、一方のビード部20から他方のビード部20にかけて配設されており、ビードコア21を包み込むようにビード部20でビードコア21に沿ってタイヤ幅方向外側に巻き返されている。即ち、カーカス層6は、ビードコア21のタイヤ幅方向内側からビードコア21のタイヤ径方向内側を通り、ビードコア21のタイヤ幅方向外側にかけて配設されるように、ビード部20でビードコア21周りに折り返されている。このように配設されるカーカス層6のカーカスプライは、スチールから成るカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成されている。
また、カーカス層6の内側、或いは、カーカス層6の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ8がカーカス層6に沿って形成されている。インナーライナ8は、タイヤ内面、即ち、カーカス層6の内周面であって、各タイヤ幅方向両端部が一対のビード部20のビードコア21の下部やビードトウに至り、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されて貼り付けられている。インナーライナ8は、空気分子の透過を抑制するためのものでコードを有さない。
図2は、本実施形態に係る空気入りタイヤの平面図である。図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤの部分拡大平面図である。図4〜図6は、図3に示すA−A断面図およびB−B断面図である。図4〜図6において(a)は、図3に示すA−A断面図であり、(b)は、図3に示すB−B断面図である。
図2に示す本実施形態の空気入りタイヤ1は、3本の周方向主溝10により4本の陸部11が区画されている。また、本実施形態において、好ましくは、周方向主溝10は、溝幅が5mm以上、溝深さが10mm以上である。3本の周方向主溝10のうち、タイヤ幅方向中央の周方向主溝10(内側周方向主溝10Aという)は、タイヤ赤道面CLの最も近くに配置されており、本実施形態ではタイヤ赤道面CL上に配置されている。この内側周方向主溝10Aは、タイヤ周方向に沿って直線状に延びて形成されている。また、タイヤ幅方向外側の各周方向主溝10(外側周方向主溝10Bという)は、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ幅方向に蛇行してジグザグ形状に形成されている。従って、本実施形態の空気入りタイヤ1は、3本の周方向主溝10のうち2つの周方向主溝10の間で区画された各2つの陸部11(内側陸部11Aという)は、タイヤ幅方向寸法がタイヤ周方向で変化して形成されている。また、外側周方向主溝10Bのタイヤ幅方向外側で区画された各2つの陸部11(外側陸部11Bという)も、タイヤ幅方向寸法がタイヤ周方向で変化して形成されている。
2つの周方向主溝10の間に区画された内側陸部11Aにおいて、そのトレッド面3に貫通溝12および閉鎖溝14が形成されている。
貫通溝12は、図3および図4に示すように、長さ方向の両端部12aが2つの周方向主溝10(10A,10B)に連通し、タイヤ周方向に複数設けられている。各貫通溝12は、溝底12bに貫通溝12の長さ方向に沿って形成された貫通サイプ13が設けられている。貫通サイプ13は、貫通溝12と同様に、両端部13aが2つの周方向主溝10(10A,10B)に連通して設けられている。貫通サイプ13は、図4に示すように、その溝底において部分的に浅く形成された貫通サイプ底上部13bと、貫通サイプ底上部13b以外の部分であって貫通サイプ底上部13bよりも深く形成された貫通サイプ深溝部13cとを有している。本実施形態において、貫通サイプ底上部13bは、貫通サイプ13の両端部13aの2箇所および長さ方向の中央の3箇所の計5箇所に形成されている。貫通サイプ深溝部13cは、貫通サイプ底上部13bの間の4箇所に形成されている。貫通溝12は、その溝幅W2が1.0mm以上4.0mm以下である。また、貫通サイプ13は、その溝幅が0.3mm以上1.5mm以下であり、0.7mmが好ましい。
閉鎖溝14は、図3および図4に示すように、長さ方向の両端部14aが2つの周方向主溝10(10A,10B)の間に区画された内側陸部11A内で終端し、タイヤ周方向に複数設けられている。閉鎖溝14は、貫通溝12のタイヤ周方向で隣接して設けられている。本実施形態では、閉鎖溝14は、貫通溝12のタイヤ周方向の両側で隣接して設けられている。閉鎖溝14は、図2および図3に示すように、貫通溝12の間に1つ設けられているが、複数設けられていてもよい。各閉鎖溝14は、溝底14bに閉鎖溝14の長さ方向に沿って形成された閉鎖サイプ15が設けられている。閉鎖サイプ15は、閉鎖溝14と同様に、両端部15aが内側陸部11A内で終端して設けられている。閉鎖サイプ15は、図4に示すように、その溝底において部分的に浅く形成された閉鎖サイプ底上部15bと、閉鎖サイプ底上部15b以外の部分であって閉鎖サイプ底上部15bよりも深く形成された閉鎖サイプ深溝部15cとを有している。本実施形態において、閉鎖サイプ底上部15bは、閉鎖サイプ15の長さ方向の中央の2箇所に形成されている。閉鎖サイプ深溝部15cは、閉鎖サイプ15の両端部15aの2箇所および閉鎖サイプ底上部15bの間の1箇所の計3箇所に形成されている。閉鎖溝14は、その溝幅W2が1.0mm以上4.0mm以下である。また、閉鎖サイプ15は、その溝幅が0.3mm以上1.5mm以下であり、0.7mmが好ましい。
そして、閉鎖溝14は、そのタイヤ幅方向寸法W1が、内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法(タイヤ幅方向最大寸法)Wcに対し、0.70≦W1/Wc≦0.90の関係を満たす。また、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、図4に示すように、タイヤ周方向から視て貫通サイプ底上部13bが閉鎖サイプ深溝部15cに重なり、閉鎖サイプ底上部15bが貫通サイプ深溝部13cに重なって配置される。
このように構成された空気入りタイヤ1は、貫通溝12および貫通サイプ13と、閉鎖溝14および閉鎖サイプ15を設けることで、排水性能を得ることができ湿潤路面での制動性能(WET性能)を確保できる。また、この空気入りタイヤ1は、全てを貫通溝12のみとせずに閉鎖溝14を含むこと、全てを貫通溝12および閉鎖溝14のみとせず、貫通溝12に貫通サイプ13を設けたり、閉鎖溝14に閉鎖サイプ15を設けたりすること、タイヤ周方向から視て貫通サイプ底上部13bが閉鎖サイプ深溝部15cに重なること、タイヤ周方向から視て閉鎖サイプ底上部15bが貫通サイプ深溝部13cに重なることにより、陸部11(内側陸部11A)の剛性を調整することができヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。また、閉鎖溝14のタイヤ幅方向寸法W1と、内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法Wcとの関係において、0.70≦W1/WcとすることでWET性能を十分に確保でき、W1/Wc≦0.90とすることで内側陸部11Aの剛性を確保してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。この結果、本実施形態の空気入りタイヤ1によれば、耐ヒールアンドトウ摩耗性能とWET性能とを両立することができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図3に示すように、貫通溝12および閉鎖溝14は、タイヤ幅方向に対して傾斜して延在する傾斜部12c,14cをそれぞれ有している。そして、各傾斜部12c,14cは、タイヤ幅方向に対する角度α1,α2が30°以上60°以下の傾きを有することがこのましい。
傾斜部12c,14cのタイヤ幅方向に対する角度α1,α2を30°以上とすることで、貫通溝12および閉鎖溝14の長さを内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法Wcの範囲で極力長くすることができ、WET性能を十分に確保でき、60°以下とすることで、内側陸部11Aのタイヤ周方向の剛性を維持することができ、ヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図3に示すように、貫通溝12および閉鎖溝14の各傾斜部12c、14cは、相互に0°以上10°以下の角度差を有することが好ましい。
貫通溝12および閉鎖溝14の各傾斜部12c、14cの角度差を10°以内とすることで、貫通溝12および閉鎖溝14の各傾斜部12c、14cは、ほぼ平行の関係となる。このため、内側陸部11Aのタイヤ周方向の剛性差を均一に保つことができ、ヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図4に示すように、内側陸部11Aを区画する2つの周方向主溝10A,10Bにおける最大深さGDに対し、貫通サイプ底上部13bのトレッド面3からの深さSD1と、閉鎖サイプ底上部15bのトレッド面3からの深さSD2と、貫通サイプ深溝部13cのトレッド面3からの深さSD3と、閉鎖サイプ深溝部15cのトレッド面3からの深さSD4とが、0.20≦SD1/GD≦0.60、0.20≦SD2/GD≦0.60、0.70≦SD3/GD≦1.00、0.70≦SD4/GD≦1.00の関係を満たすことが好ましい。
周方向主溝10A,10Bにおける最大深さGDに対し、貫通サイプ底上部13bのトレッド面3からの深さSD1と、閉鎖サイプ底上部15bのトレッド面3からの深さSD2と、貫通サイプ深溝部13cのトレッド面3からの深さSD3と、閉鎖サイプ深溝部15cのトレッド面3からの深さSD4との関係を、0.20≦SD1/GD、0.20≦SD2/GD、0.70≦SD3/GD、0.70≦SD4/GDとすることで、排水性能を得てWET性能を確保でき、SD1/GD≦0.60、SD2/GD≦0.60、SD3/GD≦1.00、SD4/GD≦1.00とすることで、内側陸部11Aの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。なお、貫通サイプ底上部13bのトレッド面3からの深さSD1と、閉鎖サイプ底上部15bのトレッド面3からの深さSD2とを、5.5mm以上10.0mm以下とし、貫通サイプ深溝部13cのトレッド面3からの深さSD3と、閉鎖サイプ深溝部15cのトレッド面3からの深さSD4とを、13.0mm以上18.0mm以下とすることが、耐ヒールアンドトウ摩耗性能とWET性能を両立するうえで好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図3に示すように、各貫通溝12のタイヤ周方向の間隔Pが、タイヤ赤道面CLのトレッド面3を基準とするタイヤ周方向長さCに対し、0.015≦P/C≦0.030の関係を満たすことが好ましい。ここで、タイヤ赤道面CLのトレッド面3を基準とするタイヤ周方向長さCとは、トレッド面3のタイヤ赤道面CLにおけるタイヤ周方向の延在長さを示している。本実施形態のように、タイヤ赤道面CL上に周方向主溝10が設けられている場合は、タイヤ赤道面CL上にトレッド面3が存在しないためトレッド面3を基準とした仮想トレッド面をタイヤ赤道面CL上に設定し、この仮想トレッド面のタイヤ周方向の延在長さをタイヤ周方向長さCとする。仮想トレッド面は、空気入りタイヤ1を規定リムに組み付け、規定内圧を充填し、荷重を加えない無負荷状態でトレッド面3をなす子午線上のプロファイルの延長線から得る。ここで、規定内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
各貫通溝12のタイヤ周方向の間隔Pと、タイヤ赤道面CLのトレッド面3を基準とするタイヤ周方向長さCとの関係を0.015≦P/Cとすることで、タイヤ周方向における貫通溝12の数を確保しWET性能を確保でき、P/C≦0.030とすることで、タイヤ周方向における貫通溝12の数を調整し内側陸部11Aの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。なお、貫通溝12のタイヤ周方向の間隔Pの数は、タイヤ周方向で34個以上66個以下の範囲とすることが耐ヒールアンドトウ摩耗性能とWET性能とを両立するうえで好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図3に示すように、内側陸部11Aは、タイヤ幅方向寸法がタイヤ周方向で変化して形成され、内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法の最も広い部分(タイヤ幅方向寸法Wc)に閉鎖溝14の少なくとも一方の端部14aが位置することが好ましい。
閉鎖溝14の少なくとも一方の端部14aが内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法の広い部分に位置することで、閉鎖溝14のタイヤ幅方向寸法W1を長くすることができ、WET性能を十分に確保できる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図4に示すように、内側陸部11Aを区画する2つの周方向主溝10A,10Bにおける最大深さGDに対し、貫通溝12のトレッド面3からの深さGD1と、閉鎖溝14のトレッド面3からの深さGD2とが、0.05≦GD1/GD≦0.30、0.05≦GD2/GD≦0.30の関係を満たすことが好ましい。
周方向主溝10A,10Bにおける最大深さGDに対し、貫通溝12のトレッド面3からの深さGD1との関係を0.05≦GD1/GDとし、閉鎖溝14のトレッド面3からの深さGD2との関係を0.05≦GD2とすることで、排水性能を得てWET性能を確保できる。一方、周方向主溝10A,10Bにおける最大深さGDに対し、貫通溝12のトレッド面3からの深さGD1との関係をGD1/GD≦0.30とし、閉鎖溝14のトレッド面3からの深さGD2との関係をGD2/GD≦0.30とすることで、内側陸部11Aの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。なお、貫通溝12のトレッド面3からの深さGD1、および閉鎖溝14のトレッド面3からの深さGD2は、相互に等しいことが、排水性能を得ると共に剛性を均一化させて耐ヒールアンドトウ摩耗性能とWET性能とを両立するうえで好ましい。また、貫通溝12のトレッド面3からの深さGD1、および閉鎖溝14のトレッド面3からの深さGD2は、1.0mm以上4.0mm以下とすることで耐ヒールアンドトウ摩耗性能とWET性能とを両立するうえで好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図3に示すように、貫通溝12は、タイヤ幅方向に沿って延在する平坦部12dを有し、平坦部12dは、タイヤ幅方向に対して0°以上10°以下で形成されることが好ましい。
平坦部12dは、タイヤ幅方向に対して0°以上10°以下の範囲でタイヤ幅方向と平行に設けられており、この平坦部12dを有することで、貫通溝12のエッジ成分が増えることで、路面に対する抵抗が増え、WET性能を確保できる。なお、平坦部12dは、周方向主溝10に連通する貫通溝12の端部12aに連続するように設けられていることが好ましく、これにより空気入りタイヤ1が路面に接地したときに、平坦部12dが最初に路面に接触することになるため、ゴムを効果的に倒すことが可能になり、WET性能を確保できる。また、端部12aの接地圧を偏り無く低減することができ、レール摩耗などの抑制やトレッド欠けの対策に繋がる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図3に示すように、貫通溝12における平坦部12dのタイヤ幅方向寸法W3が、内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法Wcに対し、0.02≦W3/Wc≦0.20の関係を満たすことが好ましい。
内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法Wcと、平坦部12dのタイヤ幅方向寸法W3との関係を0.02≦W3/Wcとすることで、平坦部12dが路面に接地したとき、平坦部12dがないものよりも倒れやすくなることから、WET性能を確保できる。一方、内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法Wcと、平坦部12dのタイヤ幅方向寸法W3との関係をW3/Wc≦0.20とし、それ以上となると、内側陸部11Aの剛性を維持できず、ヒールアンドトウ摩耗を発生させてしまう。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図4に示すように、貫通サイプ底上部13bは、1つの貫通サイプ13において複数配置され、閉鎖サイプ底上部15bは、1つの閉鎖サイプ15において複数配置されていることが好ましい。
1つの貫通サイプ13および閉鎖サイプ15において、貫通サイプ底上部13bおよび閉鎖サイプ底上部15bを複数配置することで、貫通サイプ13および閉鎖サイプ15においてタイヤ周方向から視て重なる位置が多くなる。このため、排水性能を得てWET性能を確保しつつ、内側陸部11Aの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図3に示すように、貫通溝12および閉鎖溝14のそれぞれの溝幅W4が、1.0mm以上4.0mm以下であることが好ましい。
貫通溝12および閉鎖溝14のそれぞれの溝幅W4を1.0mm以上とすることで、排水性能を得てWET性能を確保することができる。一方、貫通溝12および閉鎖溝14のそれぞれの溝幅W4を4.0mm以下とすることで、内側陸部11Aの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図4に示すように、内側陸部11Aを区画する2つの周方向主溝10A,10Bの少なくとも1つは、トレッド面3から深さ方向に30%以上70%以下の位置で溝壁10Acに段部10Adが設けられ、段部10Adを境に開口10Aa側よりも溝底10Ab側の溝幅が狭く形成されていることが好ましい。
トレッド面3から深さ方向に30%以上70%以下の位置で溝壁10Acに段部10Adが設けられ、段部10Adを境に開口10Aa側よりも溝底10Ab側の溝幅が狭く形成されていることで、摩耗初期からトレッド面3から深さ方向に30%以上70%以下の摩耗中期までの排水性能を得て、WET性能を確保することができる。一方、段部10Adを境に開口10Aa側よりも溝底10Ab側の溝幅が狭く形成されていることで、内側陸部11Aの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。
なお、段部10Adは、剛性を維持したい内側陸部11A側の溝壁10Acに設けることが好ましく、一方の溝壁10Acにのみ設けてもよい。本実施形態では、周方向主溝10Aがタイヤ赤道面CL上に配置されており、そのタイヤ幅方向両側の内側陸部11Aの剛性を維持するため、両溝壁10Acに段部10Adが形成されている。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図4に示すように、段部10Adを有する周方向主溝10Aは、タイヤ赤道面CLの最も近くに配置されていることが好ましい。
本実施形態では、周方向主溝10Aがタイヤ赤道面CL上に配置されているが、周方向主溝10Aがタイヤ赤道面CL上に配置されていない場合は、タイヤ赤道面CLの最も近くに配置される。また、周方向主溝10Aがタイヤ赤道面CL上に配置されていない場合であって、タイヤ赤道面CLの最も近くでタイヤ赤道面CLに等間隔で2本配置されている場合は、2本とも段部10Adを有する。
タイヤ赤道面CLの最も近くに配置されている周方向主溝10Aでは、石噛みが発生しやすくストーンドリリングの問題がある。タイヤ赤道面CLの最も近くに配置されている周方向主溝10Aに段部10Adを設けることで、石噛みを抑制することができるため好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図4に示すように、内側陸部11Aを区画する2つの周方向主溝10A,10Bの少なくとも1つは、トレッド面3から深さ方向に30%以上70%以下の位置で溝壁10Bcに屈曲部10Bdが設けられ、屈曲部10Bdを境に開口10Ba側よりも溝底10Bb側の溝幅が狭く形成されていることが好ましい。
トレッド面3から深さ方向に30%以上70%以下の位置で溝壁10Bcに屈曲部10Bdが設けられ、屈曲部10Bdを境に開口10Ba側よりも溝底10Bb側の溝幅が狭く形成されていることで、摩耗初期からトレッド面3から深さ方向に30%以上70%以下の摩耗中期までの排水性能を得て、WET性能を確保できる。一方、屈曲部10Bdを境に開口10Ba側よりも溝底10Bb側の溝幅が狭く形成されていることで、内側陸部11Aの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。
なお、屈曲部10Bdよりも溝底10Bb側の溝壁10Bcは、テーパ状の平滑な傾斜面として形成されている。また、屈曲部10Bdは、剛性を維持したい内側陸部11A側の溝壁10Bcに設けることが好ましく、一方の溝壁10Bcにのみ設けてもよい。本実施形態では、両溝壁10Bcに屈曲部10Bdが形成されている。また、屈曲部10Bdを設けた周方向主溝10Bは、テーパ状の平滑な傾斜面を形成することから、段部10Adを設けた周方向主溝10Aと比較して排水性能が高く、WET性能をより確保できる。また、WET性能をより確保できることから、屈曲部10Bdを設けた周方向主溝10Bは、段部10Adを設けた周方向主溝10Aよりもタイヤ赤道面CLから遠いタイヤ幅方向外側に配置されることが好ましい。即ち、段部10Adを設けた周方向主溝10Aをタイヤ赤道面CLに近いタイヤ幅方向内側に配置し、屈曲部10Bdを設けた周方向主溝10Bをタイヤ赤道面CLから遠いタイヤ幅方向外側に配置することが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2に示すように、3本の周方向主溝10により4本の陸部11が区画されており、トレッド部2の展開幅TDWに対し、タイヤ幅方向で隣接する2つの周方向主溝10A,10Bの間で区画されて貫通溝12および閉鎖溝14を有する2つの内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法Wcと、タイヤ幅方向最外側の各外側周方向主溝10Bのタイヤ幅方向外側に区画された2つの外側陸部11Bのタイヤ幅方向寸法(タイヤ幅方向最大寸法)Wshとが、0.15≦Wc/TDW≦0.30、0.15≦Wsh/TDW≦0.30の関係を満たすことが好ましい。
ここで、タイヤ幅方向寸法Wcおよびタイヤ幅方向寸法Wshは、タイヤ幅方向で最も大きい寸法である。また、トレッド部2の展開幅TDWは、空気入りタイヤ1を規定リムにリム組みして規定内圧を充填した状態で、荷重を加えないときの、空気入りタイヤ1のトレッド部2の展開図における両端(接地端)の直線距離をいう。接地端は、空気入りタイヤ1を規定リムに装着して規定内圧を充填した状態で、規定荷重の100%をかけたとき、トレッド面3が平面と接地する領域のタイヤ幅方向の両最外端である。規定荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
0.15≦Wc/TDWおよび0.15≦Wsh/TDWとすることで、展開幅TDWに対して内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法Wcおよび外側陸部11Bのタイヤ幅方向寸法Wshを確保することができ、内側陸部11Aおよび外側陸部11Bの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制でき、かつ偏摩耗を抑制することができる。一方、Wc/TDW≦0.30およびWsh/TDW≦0.30とすることで、展開幅TDWに対して内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法Wcおよび外側陸部11Bのタイヤ幅方向寸法Wshの拡大を抑制して内側陸部11Aおよび外側陸部11Bの剛性過多を抑制し、かつ周方向主溝10の溝幅を確保することで、排水性能を得て、WET性能を確保できる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2に示すように、外側陸部11Bは、一端が展開幅TDWのタイヤ幅方向端部に開口されて他端が外側陸部11B内で終端し、タイヤ周方向に複数設けられたラグ溝16を有することが好ましい。
外側陸部11Bにラグ溝16を設けることで、特に荷重が大きくなった場合に、外側陸部11Bのタイヤ幅方向外側への排水性能を得て、WET性能を確保できる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図5および図6に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て相互に重なる貫通サイプ底上部13bの総断面積SA1と閉鎖サイプ深溝部15cの総断面積SB2とが、0.25≦SA1/SB2≦1.75の関係を満たし、タイヤ周方向から視て相互に重なる閉鎖サイプ底上部15bの総断面積SB1と貫通サイプ深溝部13cの総断面積SA2とが、0.25≦SB1/SA2≦1.75の関係を満たすことが好ましい。
ここで、貫通サイプ底上部13bの総断面積SA1は、図5に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て閉鎖サイプ深溝部15cに重なる貫通サイプ底上部13bの断面積SAaの総和である。貫通サイプ底上部13bの断面積SAaは、貫通サイプ底上部13bの上端から貫通サイプ深溝部13cの最深部までのタイヤ径方向寸法SAHaと、貫通サイプ底上部13bのタイヤ幅方向寸法SAWaとの積である。また、閉鎖サイプ深溝部15cの総断面積SB2は、図5に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て貫通サイプ底上部13bに重なる閉鎖サイプ深溝部15cの断面積SBaの総和である。閉鎖サイプ深溝部15cの断面積SBaは、閉鎖サイプ底上部15bの上端から閉鎖サイプ深溝部15cの最深部までのタイヤ径方向寸法SBHaと、閉鎖サイプ深溝部15cのタイヤ幅方向寸法SBWaとの積である。また、閉鎖サイプ底上部15bの総断面積SB1は、図6に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て貫通サイプ深溝部13cに重なる閉鎖サイプ底上部15bの断面積SBbの総和である。閉鎖サイプ底上部15bの断面積SBbは、閉鎖サイプ底上部15bの上端から閉鎖サイプ深溝部15cの最深部までのタイヤ径方向寸法SBHbと、閉鎖サイプ底上部15bのタイヤ幅方向寸法SBWbとの積である。また、貫通サイプ深溝部13cの総断面積SA2は、図6に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て閉鎖サイプ底上部15bに重なる貫通サイプ深溝部13cの断面積SAbの総和である。貫通サイプ深溝部13cの断面積SAbは、貫通サイプ底上部13bの上端から貫通サイプ深溝部13cの最深部までのタイヤ径方向寸法SAHbと、貫通サイプ深溝部13cのタイヤ幅方向寸法SAWbとの積である。
0.25≦SA1/SB2とすることで、貫通サイプ底上部13bと閉鎖サイプ深溝部15cとのタイヤ周方向の相互の重なりを確保し、0.25≦SB1/SA2とすることで貫通サイプ深溝部13cと閉鎖サイプ底上部15bとのタイヤ周方向の相互の重なりを確保して、タイヤ周方向での内側陸部11Aの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。一方、SA1/SB2≦1.75とすることで、貫通サイプ底上部13bと閉鎖サイプ深溝部15cとのタイヤ周方向の相互の重なりの過多を抑え、SB1/SA2≦1.75とすることで、貫通サイプ深溝部13cと閉鎖サイプ底上部15bとのタイヤ周方向の相互の重なりの過多を抑えて、タイヤ周方向での内側陸部11Aの剛性過多を抑制することで、排水性能を得て、WET性能を確保できる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図5および図6に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て相互に重なる貫通サイプ底上部13bのタイヤ幅方向総寸法SAW1と閉鎖サイプ深溝部15cのタイヤ幅方向総寸法SBW2とが、0.25≦SAW1/SBW2≦1.75の関係を満たし、タイヤ周方向から視て相互に重なる閉鎖サイプ底上部15bのタイヤ幅方向総寸法SBW1と貫通サイプ深溝部13cのタイヤ幅方向総寸法SAW2とが、0.25≦SBW1/SAW2≦1.75の関係を満たすことが好ましい。
ここで、貫通サイプ底上部13bのタイヤ幅方向総寸法SAW1は、図5に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て閉鎖サイプ深溝部15cに重なる貫通サイプ底上部13bのタイヤ幅方向寸法SAWaの総和である。また、閉鎖サイプ深溝部15cのタイヤ幅方向総寸法SBW2は、図5に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て貫通サイプ底上部13bに重なる閉鎖サイプ深溝部15cのタイヤ幅方向寸法SBWaの総和である。また、閉鎖サイプ底上部15bのタイヤ幅方向総寸法SBW1は、図6に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て貫通サイプ深溝部13cに重なる閉鎖サイプ底上部15bのタイヤ幅方向寸法SBWbの総和である。また、貫通サイプ深溝部13cのタイヤ幅方向総寸法SAW2は、図6に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て閉鎖サイプ底上部15bに重なる貫通サイプ深溝部13cのタイヤ幅方向寸法SAWbの総和である。
0.25≦SAW1/SBW2とすることで、貫通サイプ底上部13bと閉鎖サイプ深溝部15cとのタイヤ周方向の相互の重なりを確保し、0.25≦SBW1/SAW2とすることで貫通サイプ深溝部13cと閉鎖サイプ底上部15bとのタイヤ周方向の相互の重なりを確保して、タイヤ周方向での内側陸部11Aの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。一方、SAW1/SBW2≦1.75とすることで、貫通サイプ底上部13bと閉鎖サイプ深溝部15cとのタイヤ周方向の相互の重なりの過多を抑え、SBW1/SAW2≦1.75とすることで、貫通サイプ深溝部13cと閉鎖サイプ底上部15bとのタイヤ周方向の相互の重なりの過多を抑えて、タイヤ周方向での内側陸部11Aの剛性過多を抑制することで、排水性能を得て、WET性能を確保できる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図5および図6に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て相互に重なる貫通サイプ底上部13bのタイヤ径方向総寸法SAH1と閉鎖サイプ深溝部15cのタイヤ径方向総寸法SBH2とが、0.5≦SAH1/SBH2≦1.5の関係を満たし、タイヤ周方向から視て相互に重なる閉鎖サイプ底上部15bのタイヤ径方向総寸法SBH1と貫通サイプ深溝部13cのタイヤ径方向総寸法SAH2とが、0.5≦SBH1/SAH2≦1.5の関係を満たすことが好ましい。
ここで、貫通サイプ底上部13bのタイヤ径方向総寸法SAH1は、図5に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て閉鎖サイプ深溝部15cに重なる貫通サイプ底上部13bのタイヤ径方向寸法SAHaの総和である。また、閉鎖サイプ深溝部15cのタイヤ径方向総寸法SBH2は、図5に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て貫通サイプ底上部13bに重なる閉鎖サイプ深溝部15cのタイヤ径方向寸法SBHaの総和である。また、閉鎖サイプ底上部15bのタイヤ径方向総寸法SBH1は、図6に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て貫通サイプ深溝部13cに重なる閉鎖サイプ底上部15bのタイヤ径方向寸法SBHbの総和である。また、貫通サイプ深溝部13cのタイヤ径方向総寸法SAH2は、図6に示すように、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプ13と閉鎖サイプ15とにおいて、タイヤ周方向から視て閉鎖サイプ底上部15bに重なる貫通サイプ深溝部13cのタイヤ径方向寸法SAHbの総和である。
0.5≦SAH1/SBH2とすることで、貫通サイプ底上部13bと閉鎖サイプ深溝部15cとのタイヤ周方向の相互の重なりを確保し、0.5≦SBH1/SAH2とすることで貫通サイプ深溝部13cと閉鎖サイプ底上部15bとのタイヤ周方向の相互の重なりを確保して、タイヤ周方向での内側陸部11Aの剛性を維持してヒールアンドトウ摩耗を抑制できる。一方、SAH1/SBH2≦1.5とすることで、貫通サイプ底上部13bと閉鎖サイプ深溝部15cとのタイヤ周方向の相互の重なりの過多を抑え、SBH1/SAH2≦1.5とすることで、貫通サイプ深溝部13cと閉鎖サイプ底上部15bとのタイヤ周方向の相互の重なりの過多を抑えて、タイヤ周方向での内側陸部11Aの剛性過多を抑制することで、排水性能を得て、WET性能を確保できる。
ところで、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図2に示すように、タイヤ赤道面CL上に配置された内側周方向主溝10Aと、そのタイヤ幅方向両側に配置された各外側周方向主溝10Bとで、タイヤ赤道面CL(内側周方向主溝10A)を境にしてタイヤ幅方向両側に内側陸部11Aが設けられており、各外側周方向主溝10Bの各タイヤ幅方向外側に外側陸部11Bが設けられている。各内側陸部11Aは、上述した貫通溝12および閉鎖溝14がタイヤ周方向に交互に設けられている。貫通溝12は、上述した貫通サイプ13が形成され、閉鎖溝14は、上述した閉鎖サイプ15が形成されている。
そして、図3に示すように、各内側陸部11Aにおいて、貫通溝12および閉鎖溝14の傾斜部12c,14cは、タイヤ幅方向に対して同方向に傾斜し、ほぼ平行に配置されている。また、タイヤ赤道面CL(内側周方向主溝10A)を境にした各内側陸部11Aにおいて、貫通溝12および閉鎖溝14の傾斜部12c,14cは、タイヤ幅方向に対して同方向に傾斜し、ほぼ平行に配置されている。また、タイヤ赤道面CL(内側周方向主溝10A)を境にした各内側陸部11Aにおいて、一方の内側陸部11Aの貫通溝12の端部12aの平坦部12dが、他方の内側陸部11Aの閉鎖溝14の端部14aにタイヤ幅方向で対向して設けられ、他方の内側陸部11Aの貫通溝12の端部12aの平坦部12dが、一方の内側陸部11Aの閉鎖溝14の端部14aにタイヤ幅方向で対向して設けられている。このような貫通溝12および閉鎖溝14の配置とすることで、局所的な接地圧低減を防ぎ、結果偏摩耗の発生を抑制できる。また、内側陸部11Aは、タイヤ幅方向寸法がタイヤ周方向で変化して形成され、内側陸部11Aのタイヤ幅方向寸法の狭い部分に貫通溝12の少なくとも一方の端部12aが位置している。このような貫通溝12の配置とすることで、閉鎖溝の溝エッジ成分をより長くすることが出来、WET性能を確保することができる。
本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、耐ヒールアンドトウ摩耗性能およびWET性能(湿潤路面での制動性能)に関する性能試験が行われた(図7〜図10参照)。
この性能試験では、タイヤサイズ275/70R22.5の空気入りタイヤ(重荷重用空気入りタイヤ)を、規定リムに組み付け、規定内圧を充填し、試験車両(前2輪−後2輪駆動2−2D車)に装着した。
耐ヒールアンドトウ摩耗性能の評価は、試験車両で乾燥したアスファルト路面を4万km走行した後の陸部のヒールアンドトウ摩耗量が測定される。そして、測定結果に基づいて、従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この指数評価は、数値が大きいほどヒールアンドトウ摩耗量が少なく耐ヒールアンドトウ摩耗性能が優れていることを示す。
WET性能の評価は、試験車両で水深1mmに散水したアスファルトの湿潤路面を走行し、速度40km/h時で制動した制動距離が測定される。そして、測定結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この指数評価は、数値が大きいほど制動距離が短くWET性能が優れていることを示す。
図7および図8に示すように、従来例は、閉鎖溝および閉鎖サイプを有していない。また、比較例は、閉鎖サイプ底上部を有していない。一方、図7〜図10に示すように、実施例1〜実施例34は、陸部に、貫通溝、貫通サイプ、貫通サイプ底上部、貫通サイプ深溝部、閉鎖溝、閉鎖サイプ、および閉鎖サイプ底上部、および閉鎖サイプ深溝部を備え、陸部のタイヤ幅方向寸法Wcに対して閉鎖溝のタイヤ幅方向寸法W1が0.70≦W1/Wc≦0.90の関係を満たし、タイヤ周方向で隣接する貫通サイプと閉鎖サイプとにおいてタイヤ周方向から視て貫通サイプ底上部が閉鎖サイプ深溝部に重なり、閉鎖サイプ底上部が貫通サイプ深溝部に重なって配置されている。
図7〜図10の試験結果に示すように、実施例1〜実施例34の空気入りタイヤは、耐ヒールアンドトウ摩耗性能とWET性能とが改善されていることが分かる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 トレッド面
4 ショルダー部
5 サイドウォール部
6 カーカス層
7 ベルト層
71,72,73,74 ベルト
8 インナーライナ
10 周方向主溝
10A 内側周方向主溝
10Aa 開口
10Ab 溝底
10Ac 溝壁
10Ad 段部
10B 外側周方向主溝
10Ba 開口
10Bb 溝底
10Bc 溝壁
10Bd 屈曲部
11 陸部
11A 内側陸部
11B 外側陸部
12 貫通溝
12a 端部
12b 溝底
12c 傾斜部
12d 平坦部
13 貫通サイプ
13a 端部
13b 貫通サイプ底上部
13c 貫通サイプ深溝部
14 閉鎖溝
14a 端部
14b 溝底
14c 傾斜部
15 閉鎖サイプ
15a 端部
15b 閉鎖サイプ底上部
15c 閉鎖サイプ深溝部
16 ラグ溝
20 ビード部
21 ビードコア
CL タイヤ赤道面
P 貫通溝の間隔
SAa 貫通サイプ底上部の断面積
SAb 貫通サイプ深溝部の断面積
SBa 閉鎖サイプ底上部の断面積
SBb 閉鎖サイプ深溝部の断面積
SAWa 貫通サイプ底上部のタイヤ幅方向寸法
SAWb 貫通サイプ深溝部のタイヤ幅方向寸法
SBWa 閉鎖サイプ底上部のタイヤ幅方向寸法
SBWb 閉鎖サイプ深溝部のタイヤ幅方向寸法
SAHa 貫通サイプ底上部のタイヤ径方向寸法
SAHb 貫通サイプ深溝部のタイヤ径方向寸法
SBHa 閉鎖サイプ底上部のタイヤ径方向寸法
SBHb 閉鎖サイプ深溝部のタイヤ径方向寸法
TDW 展開幅
W1 閉鎖溝のタイヤ幅方向寸法
W2 貫通溝および閉鎖溝の溝幅
W3 平坦部のタイヤ幅方向寸法
W4 貫通サイプおよび閉鎖サイプの溝幅
Wc 内側陸部のタイヤ幅方向寸法
Wsh 外側陸部のタイヤ幅方向寸法
α1,α2 傾斜部の角度

Claims (19)

  1. トレッド部のトレッド面にタイヤ周方向に沿って連続して延在しタイヤ幅方向に複数設けられた周方向主溝と、
    タイヤ幅方向で隣接する2つの前記周方向主溝の間に区画された陸部と、
    前記陸部において両端部が2つの前記周方向主溝に連通しタイヤ周方向に複数設けられた貫通溝と、
    前記貫通溝の溝底において両端部が2つの前記周方向主溝に連通して設けられた貫通サイプと、
    前記貫通サイプの溝底において部分的に浅く形成された貫通サイプ底上部と、
    前記貫通サイプの溝底において前記貫通サイプ底上部よりも深く形成された貫通サイプ深溝部と、
    前記陸部において両端部が2つの前記周方向主溝の間に区画された前記陸部内で終端しタイヤ周方向に複数設けられて前記貫通溝のタイヤ周方向で隣接する配置を含む閉鎖溝と、
    前記閉鎖溝の溝底において両端部が前記陸部内で終端して設けられた閉鎖サイプと、
    前記閉鎖サイプの溝底において部分的に浅く形成された閉鎖サイプ底上部と、
    前記閉鎖サイプの溝底において前記閉鎖サイプ底上部よりも深く形成された閉鎖サイプ深溝部と、
    を備え、
    前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wcに対して前記閉鎖溝のタイヤ幅方向寸法W1が0.70≦W1/Wc≦0.90の関係を満たし、タイヤ周方向で隣接する前記貫通サイプと前記閉鎖サイプとにおいてタイヤ周方向から視て前記貫通サイプ底上部が前記閉鎖サイプ深溝部に重なり、前記閉鎖サイプ底上部が前記貫通サイプ深溝部に重なって配置されている、空気入りタイヤ。
  2. 前記貫通溝および前記閉鎖溝は、タイヤ幅方向に対して傾斜して延在する傾斜部をそれぞれ有し、各前記傾斜部は、タイヤ幅方向に対して30°以上60°以下の傾きを有する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記貫通溝および前記閉鎖溝の各前記傾斜部は、相互に0°以上10°以下の角度差を有する、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記陸部を区画する2つの前記周方向主溝における最大深さGDに対し、前記貫通サイプ底上部の深さSD1と、前記閉鎖サイプ底上部の深さSD2と、前記貫通サイプ深溝部の深さSD3と、前記閉鎖サイプ深溝部の深さSD4とが、0.20≦SD1/GD≦0.60、0.20≦SD2/GD≦0.60、0.70≦SD3/GD≦1.00、0.70≦SD4/GD≦1.00の関係を満たす、請求項1〜3のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 各前記貫通溝のタイヤ周方向の間隔Pが、タイヤ赤道面の前記トレッド面を基準とするタイヤ周方向長さCに対し、0.015≦P/C≦0.030の関係を満たす、請求項1〜4のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記陸部は、タイヤ幅方向寸法がタイヤ周方向で変化して形成され、前記陸部のタイヤ幅方向寸法の広い部分に前記閉鎖溝の少なくとも一方の端部が位置する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記陸部を区画する2つの前記周方向主溝における最大深さGDに対し、前記貫通溝の深さGD1と、前記閉鎖溝の深さGD2とが、0.05≦GD1/GD≦0.30、0.05≦GD2/GD≦0.30の関係を満たす、請求項1〜6のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記貫通溝は、タイヤ幅方向に沿って延在する平坦部を有し、前記平坦部は、タイヤ幅方向に対して0°以上10°以下で形成される、請求項1〜7のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記貫通溝における前記平坦部のタイヤ幅方向寸法W3が、前記陸部のタイヤ幅方向寸法Wcに対し、0.02≦W3/Wc≦0.20の関係を満たす、請求項8に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記貫通サイプ底上部は、1つの前記貫通サイプにおいて複数配置され、前記閉鎖サイプ底上部は、1つの前記閉鎖サイプにおいて複数配置されている、請求項1〜9のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記貫通溝および前記閉鎖溝の溝幅が、1.0mm以上4.0mm以下である、請求項1〜10のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記陸部を区画する2つの前記周方向主溝の少なくとも1つは、前記トレッド面から深さ方向に30%以上70%以下の位置で溝壁に段部が設けられ、前記段部を境に開口側よりも溝底側の溝幅が狭く形成されている、請求項1〜11のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記段部を有する前記周方向主溝は、タイヤ赤道面の最も近くに配置されている、請求項12に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記陸部を区画する2つの前記周方向主溝の少なくとも1つは、前記トレッド面から深さ方向に30%以上70%以下の位置で溝壁に屈曲部が設けられ、前記屈曲部を境に開口側よりも溝底側の溝幅が狭く形成されている、請求項1〜11のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  15. 3本の前記周方向主溝により4本の前記陸部が区画されており、前記トレッド部の展開幅TDWに対し、タイヤ幅方向で隣接する2つの前記周方向主溝の間で区画されて前記貫通溝および前記閉鎖溝を有する2つの内側陸部のタイヤ幅方向寸法Wcと、タイヤ幅方向最外側の各前記周方向主溝のタイヤ幅方向外側に区画された2つの外側陸部のタイヤ幅方向寸法Wshとが、0.15≦Wc/TDW≦0.30、0.15≦Wsh/TDW≦0.30の関係を満たす、請求項1〜14のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  16. 前記外側陸部は、一端が前記展開幅TDWのタイヤ幅方向端部に開口されて他端が前記外側陸部内で終端し、タイヤ周方向に複数設けられたラグ溝を有する、請求項15に記載の空気入りタイヤ。
  17. タイヤ周方向で隣接する前記貫通サイプと前記閉鎖サイプとにおいて、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記貫通サイプ底上部の総断面積SA1と前記閉鎖サイプ深溝部の総断面積SB2とが、0.25≦SA1/SB2≦1.75の関係を満たし、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記閉鎖サイプ底上部の総断面積SB1と前記貫通サイプ深溝部の総断面積SA2とが、0.25≦SB1/SA2≦1.75の関係を満たす、請求項1〜16のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  18. タイヤ周方向で隣接する前記貫通サイプと前記閉鎖サイプとにおいて、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記貫通サイプ底上部のタイヤ幅方向総寸法SAW1と前記閉鎖サイプ深溝部のタイヤ幅方向総寸法SBW2とが、0.25≦SAW1/SBW2≦1.75の関係を満たし、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記閉鎖サイプ底上部のタイヤ幅方向総寸法SBW1と前記貫通サイプ深溝部のタイヤ幅方向総寸法SAW2とが、0.25≦SBW1/SAW2≦1.75の関係を満たす、請求項1〜17のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
  19. タイヤ周方向で隣接する前記貫通サイプと前記閉鎖サイプとにおいて、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記貫通サイプ底上部のタイヤ径方向総寸法SAH1と前記閉鎖サイプ深溝部のタイヤ径方向総寸法SBH2とが、0.5≦SAH1/SBH2≦1.5の関係を満たし、タイヤ周方向から視て相互に重なる前記閉鎖サイプ底上部のタイヤ径方向総寸法SBH1と前記貫通サイプ深溝部のタイヤ径方向総寸法SAH2とが、0.5≦SBH1/SAH2≦1.5の関係を満たす、請求項1〜18のいずれか1つに記載の空気入りタイヤ。
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