特許文献1では、スロットルバルブおよび燃焼室の間で吸気通路の容積が縮小されるとエンジンの高出力化および低負荷運転時の燃焼安定性の向上が実現される旨が示唆されるものの、スロットルバルブおよび燃焼室の間で吸気通路の容積の縮小が難しい場合でも吸気通路の圧力に応じてスロットルバルブの開き度を調整することでエンジンの高出力化および低負荷運転時の燃焼安定性の両立が達成される。具体的に、スロットルバルブおよび燃焼室の間で吸気通路の容積を縮小する術は開示されない。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、スロットルバルブおよび燃焼室の間で吸気通路の容積を縮小することができるエンジンを提供することを目的とする。
本発明の第1側面によれば、燃焼室に繋がる吸気ポートを形成するシリンダーヘッドと、前記吸気ポートに結合されて、弁軸に固定されるスロットルバルブを前記弁軸の回転軸線回りで回転させて吸気路の開き度を調整するスロットルボディと、前記弁軸に固定される駆動部材を収容し、前記駆動部材に伝達される駆動力を生成する駆動モーターを支持するケースとを備えるエンジンにおいて、前記ケースは側面視で前記吸気ポートに重なるエンジンが提供される。
第2側面によれば、第1側面の構成に加えて、エンジンは、第1軸に取り付けられ前記駆動部材に噛み合い、前記第1軸の軸心回りで回転して前記弁軸を駆動する第1歯車と、第2軸に取り付けられ前記第1歯車および前記駆動モーターに噛み合い、前記第2軸の軸心回りで回転して前記駆動モーターから前記第1歯車に駆動力を伝達する第2歯車とを備える。
第3側面によれば、第2側面の構成に加えて、前記駆動モーターの駆動軸は、前記吸気ポートの外端を含む仮想平面よりも前記シリンダーヘッド側に位置する。
第4側面によれば、第3側面の構成に加えて、前記第2歯車は、少なくとも部分的に、前記外端を含む前記仮想平面よりも前記シリンダーヘッド側に位置する。
第5側面によれば、第4側面の構成に加えて、前記第1歯車は、少なくとも部分的に、前記外端を含む前記仮想平面よりも前記シリンダーヘッド側に位置する。
第6側面によれば、第2〜第5側面のいずれか1の構成に加えて、前記ケースは、前記第1歯車および前記第2歯車を収容し、前記ケースの少なくとも一部は、前記シリンダーヘッドおよびシリンダーブロックの合わせ面を含む仮想平面よりも前記シリンダーブロック側に位置する。
第1側面によれば、スロットルバルブの動作にあたって駆動部材は弁軸の回転軸線回りで変位する。ケースは駆動部材の変位にあたって駆動部材に干渉しない広がりを有する。その一方で、ケースは側面視で吸気ポートに重なることから、スロットルバルブは可能な限り吸気ポートに接近することができる。こうしてスロットルバルブの下流から燃焼室まで吸気通路の容積は縮小されることができる。その結果、吸気効率は向上する。
第2側面によれば、第1軸の第1歯車と第2軸の第2歯車とは駆動部材および駆動モーターの間で減速機構を構成する。駆動部材および駆動モーターの間に減速機構が配置されることで、駆動モーターは吸気ポートから遠ざかることができ、その結果、駆動モーターと吸気ポートとの干渉は回避されることができる。
第3側面によれば、駆動モーターはシリンダーヘッドに近い位置に配置されるので、エンジンはコンパクトに形成されることができる。しかも、駆動モーターはシリンダーヘッド周辺のデッドスペースに配置されることから、シリンダーヘッド周辺のスペースは効率的に利用されることができる。
第4側面によれば、減速機構の第2歯車はシリンダーヘッドに近い位置に配置されるので、さらに駆動モーターはシリンダーヘッドに接近することができ、エンジンはさらにコンパクトに形成されることができる。
第5側面によれば、減速機構の第1歯車はシリンダーヘッドに近い位置に配置されるので、さらに駆動モーターはシリンダーヘッドに接近することができ、エンジンはさらにコンパクトに形成されることができる。
第6側面によれば、弁軸の駆動部材、第1歯車および第2歯車を収容するケースはシリンダーヘッド周辺のデッドスペースに配置されることから、シリンダーヘッド周辺のスペースは効率的に利用されることができる。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。ここで、車体の上下前後左右は自動二輪車に乗車した乗員の目線に基づき規定されるものとする。
図1は本発明の一実施形態に係る鞍乗り型車両である自動二輪車の全体像を概略的に示す。自動二輪車11は、車体フレーム12と、車体フレーム12に装着された車体カバー13とを備える。車体カバー13は、前方から車体フレーム12を覆うフロントカウル14と、燃料タンク15の外面から前方に連続し、燃料タンク15の後方の乗員シート16に接続されるタンクカバー17とを有する。燃料タンク15に燃料は貯留される。自動二輪車11の運転にあたって乗員は乗員シート16を跨ぐ。
車体フレーム12は、ヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18から後ろ下がりに延びて、後下端にピボットフレーム19を有する左右1対のメインフレーム21と、メインフレーム21の下方の位置でヘッドパイプ18から下方に延び、メインフレーム21に一体化されるダウンフレーム22と、メインフレーム21の湾曲域21aから後上がりに延びトラス構造を構成する左右のシートフレーム23とを有する。シートフレーム23に乗員シート16は支持される。
ヘッドパイプ18には操向自在にフロントフォーク24が支持される。フロントフォーク24には車軸25回りで回転自在に前輪WFが支持される。フロントフォーク24の上端には操向ハンドル26が結合される。運転者は自動二輪車11の運転にあたって操向ハンドル26の左右端のグリップを握る。
車両の後方で車体フレーム12にはピボット27回りで上下に揺動自在にスイングアーム28が連結される。スイングアーム28の後端に車軸29回りで回転自在に後輪WRが支持される。前輪WFと後輪WRとの間で車体フレーム12には後輪WRに伝達される動力を生成するエンジン31が搭載される。エンジン31はダウンフレーム22およびメインフレーム21に連結されて支持される。エンジン31の動力は伝動装置を経て後輪WRに伝達される。
図2に示されるように、エンジン31の機関本体は、後壁の上端および下端にメインフレーム21に連結されるエンジンハンガー32a、32bを有し、回転軸線Rx回りで動力を出力するクランクケース33と、クランクケース33の前部に上方から結合されて、回転軸線Rxに直交する鉛直面内に位置して水平面に対して起立するシリンダー軸線Cを有するシリンダーブロック34と、シリンダーブロック34の上端に結合されて、前壁にダウンフレーム22に連結されるエンジンハンガー32cを有し、動弁機構を支持するシリンダーヘッド35と、シリンダーヘッド35の上端に結合されて、シリンダーヘッド35上の動弁機構を覆うヘッドカバー36とを備える。ここでは、シリンダーブロック34には、車軸29に平行な回転軸線Rxで特定される車幅方向に4つのシリンダーが直列に配置される。
シリンダーヘッド35には、エアクリーナー37で浄化される空気に燃料を噴霧して混合気を生成し、シリンダーヘッド35で覆われる燃焼室に混合気を供給する吸気装置38と、燃焼室から排出される燃焼後の排ガスを触媒39で浄化し、排ガスの温度を降下させながら車体後方に排出する排気装置41とが接続される。排気装置41は、クランクケース33の下方をくぐって後輪WRの側方に沿って延び、クランクケース33の下方で触媒39を支持する排気管42を備える。
エアクリーナー37は、スロットルボディ45に結合され、ヘッドパイプ18の前方で開口するエアダクト46から走行風を取り込むエアクリーナーボックス47を備える。エアクリーナー37は、エアクリーナーボックス47内に走行風を取り込んで浄化し、浄化した空気をエンジン31に送り込む。エアクリーナーボックス47は後方から燃料タンク15で覆われる。
図3に示されるように、シリンダーブロック34にはシリンダー軸線Cに沿ってピストン51の線形往復運動を案内するシリンダー52が区画される。ピストン51とシリンダーヘッド35との間には燃焼室53が形成される。燃焼室53には、燃焼室53の天井で開口する1対の吸気ポート54a(一方のみ図示される)および1対の排気ポート54b(一方のみ図示される)が接続される。シリンダーヘッド35には、個々の吸気ポート54aの開口を開閉する吸気バルブ55aが軸方向変位自在に支持され、個々の排気ポート54bの開口を開閉する排気バルブ55bが軸方向変位自在に支持される。
スロットルボディ45はシリンダーヘッド35に結合される。スロットルボディ45には回転軸線Vx回りで回転自在に弁軸56が支持される。弁軸56にスロットルバルブ57は固定される。スロットルバルブ57は回転軸線Vx回りの回転に応じてスロットルボディ45内の吸気路45aの開き度を調整する。個々の吸気路45aは個々のシリンダー52ごとに2つの吸気ポート54aに接続される。
スロットルボディ45には個々のシリンダー52ごとにファンネル58が結合される。ファンネル58は、スロットルボディ45に重ねられるエアクリーナーボックス47の底壁を貫通してエアクリーナーボックス47内のクリーン室61に突出する。エアクリーナーボックス47内の空間は、エアダクト46に接続されてエアダクト46から走行風を導入する前側のダーティ室62と、後側のクリーン室61とにエアクリーナーエレメント63で分割される。ダーティ室62内の空気はエアクリーナーエレメント63で濾過されてクリーン室61に流入する。浄化された空気はファンネル58からスロットルボディ45内の吸気路45aを経てシリンダーヘッド35の吸気ポート54aに流入する。
吸気装置38は、エアクリーナー37で浄化された空気に燃料を噴霧する燃料供給装置64を備える。燃料供給装置64は、個々のシリンダー52ごとにエアクリーナーボックス47の上壁に組み込まれるアッパーインジェクター65と、エアクリーナーボックス47の上方で車幅方向に線形に延びて個々のアッパーインジェクター65に対応する分岐管から個々のアッパーインジェクター65に燃料を供給する第1燃料供給パイプ66と、個々のシリンダー52ごとにスロットルボディ45に組み込まれるメインインジェクター67と、スロットルボディ45の後方で車幅方向に線形に延びて個々のメインインジェクター67に対応する分岐管から個々のメインインジェクター67に燃料を供給する第2燃料供給パイプ68とを備える。
個々のアッパーインジェクター65はファンネル58に向かって下向きに燃料を噴射する。エンジン31の低回転域ではスロットルボディ45内の吸気路45aでメインインジェクター67から燃料は噴射される。エンジン31の高回転域では、クリーン室61内でアッパーインジェクター65から燃料が噴射され、メインインジェクター67から噴射される燃料で混合比は調整される。
図4に示されるように、中央2つの吸気路45aの間の空間には、第2燃料供給パイプ68の下方で弁軸56に伝達される駆動力を生成する駆動モーター69を支持するケース71が配置される。ケース71は、スロットルボディ45に一体に形成されて、駆動モーター69のケーシングに結合される第1体71aと、弁軸56の回転軸線Vxに直交する合わせ面で第1体71aに締結部材で締結される第2体71bとを備える。締結部材は、例えば第1体71aのボスに穿たれる雌ねじ穴にねじ込まれるボルトであればよい。第1体71aおよび第2体71bは両者の内側に収容空間を区画する。
図5に示されるように、ケース71には、弁軸56に固定されるセクターギア(駆動部材)72と、弁軸56の回転軸線Vxに平行な軸心Gxを有する第1軸73に取り付けられ、セクターギア72に噛み合う第1歯車74と、弁軸56の回転軸線Vxに平行な軸心Jxを有する第2軸75に取り付けられ、第1歯車74に噛み合う第2歯車76と、第2歯車76に同軸に第2歯車76に一体化されて、第2歯車76よりも大径の第3歯車77と、駆動モーター69の駆動軸69aに固定されて、第3歯車77に噛み合う駆動歯車78とが収容される。駆動モーター69の駆動軸69aが回転すると、駆動軸69aの回転力は駆動歯車78から第3歯車77に伝達される。第3歯車77は第2歯車76に一体化されることから、第3歯車77の回転力は第2軸75の軸心Jx回りで第2歯車76の回転を引き起こす。第2歯車76は第2軸75の軸心Jx回りに回転して第1歯車74に駆動力を伝達する。こうして駆動モーター69から第1歯車74に駆動力は伝達される。第1歯車74は第1軸73の軸心Gx回りで回転してセクターギア72を回転させ弁軸56を駆動する。ケース71は、セクターギア72の回転軸線に同軸にセクターギア72の外側まで広がる円板形状の空間を区画する。
ケース71は、回転軸線Vx回りで回転するセクターギア72の移動経路を囲む円筒形状の第1外壁79aと、第1外壁79aから連続して、第3歯車77を囲む方形状の第2外壁79bとを有する。第2外壁79bはシリンダーブロック34およびシリンダーヘッド35に並んで配置される。第1歯車73は、第2外壁79bで囲まれる空間から第1外壁79aに囲まれる空間に向かって突出し、セクターギア72に噛み合う。第1外壁79aは、第1歯車73および第3歯車77の占有空間を残存させつつ第2外壁79bに向かって狭まる。第1外壁79aの円筒形状は第1歯車73の占有空間で途切れる。
ここでは、第1外壁79aは車体の側面視で少なくとも部分的に吸気ポート54aに重なる。言い換えると、第1外壁79aは吸気ポート54aの外端を含む仮想平面PLよりもシリンダーヘッド35側に位置する。望ましくは、駆動モーター69の駆動軸69aは、吸気ポート54aの外端を含む仮想平面PLよりもシリンダーヘッド35側に位置する。加えて、第2歯車76は、少なくとも部分的に、吸気ポート54aの外端を含む仮想平面PLよりもシリンダーヘッド35側に位置する。可能な限り、第1歯車74は、少なくとも部分的に、吸気ポート54aの外端を含む仮想平面PLよりもシリンダーヘッド35側に位置する。第2外壁79bは、シリンダーヘッド35およびシリンダーブロック34の合わせ面を含む仮想平面PQよりもシリンダーブロック34側に位置する。
次に本実施形態に係る内燃機関の動作を説明する。アクセルが操作されると、操作量に応じてスロットルバルブ57は回転する。スロットルバルブ57の回転に応じて吸気路45a(吸気通路)の開き度は設定される。クリーン室61内の空気はファンネル58から吸気路45aおよび吸気ポート54aに流入する。吸気弁55aの開閉動作に応じて混合気は燃焼室53に流入する。燃焼室53内の空気の燃焼に応じてピストン51の線形往復運動は実現される。
スロットルバルブ57の回転にあたってアクセルの操作量は検出される。操作量を特定する検出信号はECU(電子制御ユニット)に供給される。ECUは予め決められた対応関係に応じてスロットルバルブ57の回転量を特定する。回転量を特定する制御信号は駆動モーター69に供給される。駆動モーター69は制御信号で指定された回転量で駆動軸69aを回転させる。駆動軸69aの回転は駆動歯車78から第3歯車77に伝達される。第3歯車77の回転は第2軸75の軸心Jx回りで第2歯車76の回転を引き起こす。第2歯車76は第2軸75の軸心Jx回りに回転して第1歯車74に駆動力を伝達する。こうして駆動モーター69から第1歯車74に駆動力は伝達される。第1歯車74は第1軸73の軸心Gx回りで回転してセクターギア72を回転させ弁軸56を駆動する。
本実施形態に係るエンジン31では、スロットルバルブ57の動作にあたってセクターギア72は弁軸56の回転軸線Vx回りで変位する。ケース71はセクターギア72の変位にあたってセクターギア72に干渉しない広がりを有する。その一方で、ケース71は側面視で吸気ポート54aに重なる。言い換えると、セクターギア72の移動経路を囲むケース71の外壁は吸気ポート54aの外端を含む仮想平面PLよりもシリンダーヘッド35側に位置する。したがって、スロットルバルブ57は可能な限り吸気ポート54aに接近することができる。こうしてスロットルバルブ57の下流から燃焼室53まで吸気通路の容積は縮小される。その結果、吸気効率は向上する。
本実施形態では、エンジン31は、第1軸73に取り付けられセクターギア72に噛み合い、第1軸73の軸心Gx回りで回転して弁軸56を駆動する第1歯車74と、第2軸75に取り付けられ第1歯車74および(一体の第3歯車77経由で)駆動歯車78に噛み合い、第2軸75の軸心Jx回りで回転して駆動モーター69から第1歯車73に駆動力を伝達する第2歯車76とを備える。第1軸73の第1歯車74と第2軸75の第2歯車76(および第3歯車)とはセクターギア72および駆動モーター69の間で減速機構を構成する。セクターギア72および駆動モーター69の間に減速機構が配置されることで、駆動モーター69は吸気ポート54aから遠ざかり、その結果、駆動モーター69と吸気ポート54aとの干渉は回避される。
このとき、駆動モーター69の駆動軸69aは、吸気ポート54aの外端を含む仮想平面PLよりもシリンダーヘッド35側に位置する。したがって、駆動モーター69はシリンダーヘッド35に近い位置に配置されるので、エンジン31はコンパクトに形成されることができる。しかも、駆動モーター69はシリンダーヘッド35周辺のデッドスペースに配置されることから、シリンダーヘッド35周辺のスペースは効率的に利用されることができる。
加えて、第2歯車76は、少なくとも部分的に、吸気ポート54aの外端を含む仮想平面PLよりもシリンダーヘッド35側に位置する。減速機構の第2歯車76はシリンダーヘッド35に近い位置に配置されるので、さらに駆動モーター69はシリンダーヘッド35に接近することができ、エンジン31はさらにコンパクトに形成されることができる。
さらに、第1歯車74は、少なくとも部分的に、吸気ポート54aの外端を含む仮想平面PLよりもシリンダーヘッド35側に位置する。減速機構の第1歯車74はシリンダーヘッド35に近い位置に配置されるので、さらに駆動モーター69はシリンダーヘッド35に接近することができ、エンジン31はさらにコンパクトに形成されることができる。
本実施形態に係るエンジン31では、ケース71の少なくとも一部は、シリンダーヘッド35およびシリンダーブロック34の合わせ面を含む仮想平面PQよりもシリンダーブロック34側に位置する。セクターギア72、第1歯車74および第2歯車76を収容するケース71はシリンダーヘッド35周辺のデッドスペースに配置されることから、シリンダーヘッド35周辺のスペースは効率的に利用されることができる。
第2側面によれば、第1側面の構成に加えて、エンジンは、第1軸に取り付けられ前記駆動部材に噛み合い、前記第1軸の軸心回りで回転して前記弁軸を駆動する第1歯車と、第2軸に取り付けられ前記第1歯車に噛み合い、前記第2軸の軸心回りで回転して前記駆動モーターから前記第1歯車に駆動力を伝達する第2歯車とを備える。
ケース71は、回転軸線Vx回りで回転するセクターギア72の移動経路を囲む円筒形状の第1外壁79aと、第1外壁79aから連続して、第3歯車77を囲む方形状の第2外壁79bとを有する。第2外壁79bはシリンダーブロック34およびシリンダーヘッド35に並んで配置される。第1歯車74は、第2外壁79bで囲まれる空間から第1外壁79aに囲まれる空間に向かって突出し、セクターギア72に噛み合う。第1外壁79aは、第1歯車74および第3歯車77の占有空間を残存させつつ第2外壁79bに向かって狭まる。第1外壁79aの円筒形状は第1歯車74の占有空間で途切れる。
次に本実施形態に係る内燃機関の動作を説明する。アクセルが操作されると、操作量に応じてスロットルバルブ57は回転する。スロットルバルブ57の回転に応じて吸気路45a(吸気通路)の開き度は設定される。クリーン室61内の空気はファンネル58から吸気路45aおよび吸気ポート54aに流入する。吸気バルブ55aの開閉動作に応じて混合気は燃焼室53に流入する。燃焼室53内の混合気の燃焼に応じてピストン51の線形往復運動は実現される。
本実施形態では、エンジン31は、第1軸73に取り付けられセクターギア72に噛み合い、第1軸73の軸心Gx回りで回転して弁軸56を駆動する第1歯車74と、第2軸75に取り付けられ第1歯車74および(一体の第3歯車77経由で)駆動歯車78に噛み合い、第2軸75の軸心Jx回りで回転して駆動モーター69から第1歯車74に駆動力を伝達する第2歯車76とを備える。第1軸73の第1歯車74と第2軸75の第2歯車76(および第3歯車)とはセクターギア72および駆動モーター69の間で減速機構を構成する。セクターギア72および駆動モーター69の間に減速機構が配置されることで、駆動モーター69は吸気ポート54aから遠ざかり、その結果、駆動モーター69と吸気ポート54aとの干渉は回避される。