JP2020028829A - 造粒方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容器内で回転する攪拌羽根を用いず、球形度が高く少量の造粒にも好適な造粒方法を提供すること。【解決手段】 原料粉末と結合剤溶液とを含む原料Mを容器5に収納する収納工程と、容器を造粒装置1で回転させて原料を造粒して顆粒化させる造粒工程とを有し、造粒装置が、公転軸線L1を中心に回転可能な公転体2と、公転体に保持されて自転軸線L2を中心に回転可能であると共に容器を取り付け可能な自転体3と、公転体と自転体とを回転駆動する駆動機構4とを備え、造粒工程で、容器の上部を公転軸線側に向けて傾けて公転軸線に対して自転軸線を45°未満の傾斜角度θで傾斜させる。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば錠剤粉砕物の顆粒化などに好適な造粒方法に関する。
現在、錠剤やカプセル剤は成人容量が基本であるため、嚥下困難者に対しては病院調剤室や薬局等で粉砕や脱カプセルが行われている。しかしながら、粉砕や脱カプセルを行うと、コーティング機能の破綻、主薬の苦み、主薬への曝露・流動性低下による分包困難などの不都合があった。そのため、粉砕や脱カプセルで作製された粉体を造粒して顆粒化することが検討されている。
従来、造粒方法として、例えば特許文献1には、混合槽と、混合槽内に回転可能に設けられた攪拌羽根とを備えた粉粒体の混合造粒装置及び造粒方法が記載されている。また、特許文献2には、造粒槽内に設けられ回転駆動されるアジテーター及びチョッパーにより混合物を裁断することによって造粒する造粒方法が記載されている。さらに、特許文献3には、中心軸線を回転中心として回転する密閉式縦型回転容器と、該回転容器内で羽根部材を高速回転させる攪拌装置とにより、回転容器内の原料粉体を混合し造粒する造粒方法が記載されている。
特開2003−340260号公報 特開2001−30239号公報 特開平6−39265号公報
上記従来の技術において、以下の課題が残されている。
すなわち、従来の造粒方法では、容器内で攪拌羽根を回転させて原料粉体を混合させるため、クロスコンタミネーションが生じるおそれがあると共に、ディスポーザブル容器(使い捨て容器)の使用が困難であった。
また、容器内で攪拌羽根を回転させる必要があるため、容器自体が大きくなり、装置全体も大型化してしまう不都合があった。特に、大容量の容器や大型の装置では、少量の原料粉体を混合し造粒したい場合には不向きであった。
さらに、回転する攪拌羽根で原料粉末の凝集体を破壊しながら造粒するため、造粒物の球形度が高くないという不都合があった。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、容器内で回転する攪拌羽根を用いず、球形度が高く少量の造粒にも好適な造粒方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る造粒方法は、原料粉末と結合剤溶液とを含む原料を容器に収納する収納工程と、前記容器を造粒装置で回転させて前記原料を造粒して顆粒化させる造粒工程とを有し、前記造粒装置が、公転軸線を中心に回転可能な公転体と、前記公転体に保持されて自転軸線を中心に回転可能であると共に前記容器を取り付け可能な自転体と、前記公転体と前記自転体とを回転駆動する駆動機構とを備え、前記造粒工程で、前記容器の上部を前記公転軸線側に向けて傾けて前記公転軸線に対して前記自転軸線を45°未満の傾斜角度で傾斜させることを特徴とする。
この造粒方法では、造粒工程で、容器の上部を公転軸線側に向けて傾けて公転軸線に対して自転軸線を45°未満の傾斜角度で傾斜させるので、容器の底面に加わる公転の遠心力が低減されると共に自転する容器の内周面に遠心力が強く加わることで、容器の底面への原料の押し付けが抑制されると共に回転する容器の内周面により原料の良好な攪拌及び転動造粒が可能になる。また、自転公転の高速回転によって短時間で造粒が可能であると共に、転動造粒によって球形度の高い造粒物を得ることができる。
したがって、本発明では、攪拌羽根を用いずに自転及び公転する容器内で原料を良好に混合及び造粒することができ、クロスコンタミネーションのおそれがないと共に、ディスポーザブル容器を使用することができる。また、容器及び造粒装置の小型化が可能であり、少量の造粒が容易である。
なお、自転軸線の傾斜角度が45°以上であると、容器の底面に加わる公転の遠心力が増大してしまい、原料が容器の底面に押し付けられてしまうことで容器の内周面による転動造粒が進まず、良好な攪拌及び造粒が困難である。
第2の発明に係る造粒方法は、第1の発明において、前記傾斜角度を、5〜15°に設定することを特徴とする。
すなわち、この造粒方法では、前記傾斜角度を、5〜15°に設定するので、より良好な攪拌及び造粒を行うことができる。
なお、前記傾斜角度を5°未満の浅い角度にすると、上部が開口した容器を使用した場合、遠心力により上部開口部から原料が飛び出すおそれがあると共に、自転体に取り付けた容器が遠心力により外れるおそれがある。また、前記傾斜角度を15°を超えて大きくすると、容器の底面への押し付け力が次第に強くなり、転動造粒による顆粒化が不十分になるおそれがある。
第3の発明に係る造粒方法は、第1又は第2の発明において、前記造粒工程後に、コーティング剤を前記容器内に投入して前記容器を前記造粒装置で回転させるコーティング工程を有していることを特徴とする。
すなわち、この造粒方法では、造粒工程後に、コーティング剤を容器内に投入して容器を造粒装置で回転させるコーティング工程を有しているので、容器内の造粒物をコーティング剤で容易に遮光コーティング等の機能性コーティングすることが可能になる。
第4の発明に係る造粒方法は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記造粒工程後に、前記容器内の造粒物を乾燥させる乾燥工程と、前記乾燥工程後に、前記駆動機構により前記公転体及び前記自転体の回転数を前記造粒工程よりも低い回転数に設定して前記容器を回転させて前記造粒物を球状化する球状化工程とを有していることを特徴とする。
すなわち、この造粒方法では、乾燥工程後に、駆動機構により公転体及び自転体の回転数を造粒工程よりも低い回転数に設定して容器を回転させて造粒物を球状化する球状化工程を有しているので、造粒物(顆粒)同士の付着を剥がすことができると共に、容易に球形度の高い造粒物を得ることができる。また、原料を気流により流動化させ、液体を噴霧して造粒した、いわゆる流動層造粒物よりも、比較的重質な球形造粒晶を得ることができる。なお、公転体及び自転体の回転数を造粒工程よりも低い回転数に設定していることで、造粒物の破砕を抑制することができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明の造粒方法によれば、造粒工程で、容器の上部を公転軸線側に向けて傾けて公転軸線に対して自転軸線を45°未満の傾斜角度で傾斜させるので、容器の底面への原料の押し付けが抑制されると共に回転する容器の内周面により原料の良好な攪拌及び転動造粒が可能になる。
したがって、本発明の造粒方法では、攪拌羽根を用いないため、クロスコンタミネーションのおそれがないと共に、ディスポーザブル容器を使用することができる。また、容器及び造粒装置の小型化が可能であり、少量の造粒が容易である。
このように本発明の造粒方法では、良好な造粒物を少量でも短時間及び低コストで作製することができ、得られた造粒物は顆粒剤の他、錠剤用の打錠用顆粒やカプセル内容物として好適である。
本発明に係る造粒方法において、造粒装置の一実施形態を示す断面図である。 本実施形態において、造粒方法を示すフローチャートである。
以下、本発明における造粒方法の一実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために必要に応じて縮尺を適宜変更している部分がある。
本実施形態における造粒方法は、図1に示す造粒装置1を使用して、図2に示すように、原料粉末と結合剤溶液とを含む原料Mを容器5に収納する収納工程S1と、容器5を造粒装置1で回転させて原料Mを造粒して顆粒化させる造粒工程S2とを有している。
上記造粒装置1は、図1に示すように、公転軸線L1を中心に回転可能な公転体2と、公転体2に保持されて自転軸線L2を中心に回転可能であると共に容器5を取り付け可能な自転体3と、公転体2と自転体3とを回転駆動する駆動機構4とを備えている。
上記造粒工程S2では、容器5の上部を公転軸線L1側に向けて傾けて公転軸線L1に対して自転軸線L2を45°未満の傾斜角度θで傾斜させる。
特に、傾斜角度θを、5〜15°に設定することが好ましい。本実施形態では、例えば自転軸線L2を公転軸線L1に対して内側に10°又は15°に傾斜させている。
また、収納工程S1又は造粒工程S2では、容器5内の原料Mに水をスプレー又はマイクロピペットで添加する。
なお、収納工程S1では、まず原料粉末と結合剤とを容器5に収納した状態でこれら材料の混合を行う混合工程を、駆動機構4により容器5を公転及び自転させて行い、その後、水を容器5内の混合材料に添加して原料Mとし、造粒工程S1を行う。なお、水の添加は造粒中に行っても構わない。
また、上記結合剤の添加は、例えば原料粉末に粉末状結合剤を添加、混合し、次いで水又はエタノール水溶液を添加する方法と、原料粉末に結合剤溶液を添加する方法とがある。
自転及び公転の回転数は、「自転の回転数:公転の回転数(以下、自転:公転と表記する)=1:1」となるように、各歯車が設定され、例えば自転の回転数が1200rpmとされると共に共に公転の回転数が1200rpmとされる。
上記混合工程では、回転数の設定を、例えば自転:公転=1:1とし、1200rpm、60secに設定する。
また、造粒工程の造粒時では、回転数の設定を、例えば自転:公転=1:1とし、1200rpmに設定する。
さらに、必要に応じて造粒工程S2後に、コーティング剤を容器5内に投入して容器5を造粒装置1で回転させるコーティング工程S3とを有している。
このコーティング工程S3では、回転数の設定を、例えば自転:公転=1:1とし、1000rpm、5secに設定する。
また、必要に応じて造粒工程S2後に、容器5内の造粒物を乾燥させる乾燥工程S4と、乾燥工程S4後に、駆動機構4により公転体2及び自転体3の回転数を造粒工程S2よりも低い回転数に設定して容器5を回転させて造粒物を球状化する球状化工程S5とを有している。
上記乾燥工程S4は、例えば熱に安定な薬物などの場合、恒温槽(40〜90℃)を用いて1〜4時間乾燥させる。また、熱に不安定な薬物などの場合、シリカゲルを入れたデシケーターを用いて6〜24時間減圧乾燥する。なお、添加する水の量を減らすと、乾燥時間を短縮することができ、場合によっては乾燥工程を省くことも可能である。
上記原料粉末としては、例えば錠剤粉砕物の他、種々の粉末が採用可能であるが、本実施形態では錠剤粉砕物の代替として賦形剤である乳糖、デンプン、D−マンニトール、結晶セルロースなどを採用している。
上記結合剤溶液は、結合剤と結合液との混合液であって、例えば結合剤としてNaCMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)、PVP−K30(ポリビニルピロリドン)、HPCgradeL(ヒドロキシプロピルセルロース)などが採用可能であり、例えば結合液として水、エタノール、又はこれらの混液などが採用可能である。
上記コーティング剤としては、例えばタルク、酸化チタン、オイドラギッド、ヒブロメロース、カウナルバロウなどが採用可能である。
上記容器5は、底部より上部開口部の内径が若干大きく設定された断面テーパ形状を有した有底筒状容器であり、プラスチック等で形成されている。
なお、容器5として、図1に示すように、上部が開口したものでも構わないが、蓋を有した密封容器を採用しても構わない。
上記自転軸線L2は、上述したように、容器5の上部を内側に向けて傾けて公転軸線L1に対して傾斜している。すなわち、自転軸線L2は、垂直軸である内側の公転軸線L1に向けて角度θで傾いている。
駆動機構4は、回転軸10aを有する一つの駆動源10と、駆動源10の回転軸10aに接続され駆動源10の回転力を公転体2と自転体3とに同時に伝達する動力伝達機構9とを備えている。
上記駆動源10はモータ等であり、回転軸10aには第1プーリー10bが固定されている。
駆動源10は、本体ベース11の下面に固定され、回転軸10aが本体ベース11に形成された回転軸用孔11aに挿通されて本体ベース11の上面側に突出している。
回転ユニットである公転体2は、本体ベース11に立設された公転軸部11a回りに回転可能に支持されている。なお、公転軸部11aは、公転軸線L1と同軸に固定されている。
上記公転体2は、半径方向外方に延在した一対の回転アーム12と、一対の回転アーム12の下部に固定された公転用の第2プーリー12aとを備えている。
また、第1プーリー10bと第2プーリー12aとには、公転用ベルト13が巻回され、駆動源10の駆動力が第1プーリー10bから公転用ベルト13を介して第2プーリー12aに伝達され、公転体2が回転駆動される。すなわち、第1プーリー10b、公転用ベルト13、第2プーリー12aは、動力伝達機構9の一部を構成している。
回転アーム12の先端部には、自転軸線L2と同軸の自転軸部14とが立設され、自転軸部14に自転体3が回転可能に設けられている。
上記自転体3は、自転軸部14を中心に自転用ベアリング15を介して回転可能な容器ホルダHと、容器ホルダHの下部外周部に自転軸線L2を中心にして設けられた自転用歯車16とを備えている。
なお、自転用ベアリング15は、自転用歯車16の内部に自転軸部14との間に設けられている。すなわち、自転用ベアリング15を介して自転用歯車16及び容器ホルダHが自転軸部14に対して回転可能に支持されている。
上記容器ホルダHは、硬質材料で有底筒状に形成され、内部に容器5が設置可能になっている。
上記公転軸部11aは、第2プーリー12aの中央に形成された第1公転軸用ベアリング12bと、回転アーム12の中央に形成された第2公転軸用ベアリング12cとに支持されて、上部が回転アーム12の上方に突出している。
また、公転軸部11aの先端部には、自転用マイタギア17が固定され、外周部に形成された歯部が一対の自転用歯車16にそれぞれ噛み合っている。すなわち、回転アーム12が回転すると、自転用マイタギア17に噛み合った自転用歯車16が回転し、自転体2が自転する。したがって、自転用ベアリング15及び自転用マイタギア17は、動力伝達機構9の一部を構成している。
本実施形態の造粒装置1で混合・造粒等を行う場合、原料M等を収納した容器5を容器ホルダH内にセットする。この状態で駆動源10を駆動して回転軸10aを回転させると、第1プーリー10b、公転用ベルト13、第2プーリー12aを介して公転軸部11a回りに公転体2が公転する。このとき、回転しない公転軸部11aに自転用歯車16が噛み合っているため、自転用ベアリング15を介して自転用歯車16、容器ホルダH及び容器5が自転する。なお、本実施形態では、例えば公転が右回りのとき、自転は左回りとなる。
このように本実施形態の造粒方法では、造粒工程S2で、容器5の上部を公転軸線L1側に向けて傾けて公転軸線L1に対して自転軸線L2を45°未満の傾斜角度θで傾斜させるので、容器5の底面に加わる公転の遠心力が低減されると共に自転する容器5の内周面に遠心力が強く加わることで、容器5の底面への原料Mの押し付けが抑制されると共に回転する容器5の内周面により原料Mの良好な攪拌及び転動造粒が可能になる。特に、傾斜角度θを、5〜15°に設定することで、より良好な攪拌及び造粒を行うことができる。
したがって、本実施形態では、攪拌羽根を用いずに自転及び公転する容器5内で原料Mを良好に混合及び造粒することができ、クロスコンタミネーションのおそれがないと共に、ディスポーザブル容器を使用することができる。また、容器5及び造粒装置1の小型化が可能であり、少量の造粒が容易である。
また、造粒工程S2後に、必要に応じてコーティング剤を容器5内に投入して容器5を造粒装置1で回転させるコーティング工程S3を有することで、容器5内の造粒物をコーティング剤で容易に遮光コーティング等の機能性コーティングすることが可能になる。
また、収納工程S1又は造粒工程S2で、容器5内の原料に水を添加することで、造粒中に容易に水分調整を行うことができる。
また、自転公転の高速回転によって短時間で造粒が可能であると共に、転動造粒によって球形度の高い造粒物を得ることができる。特に、乾燥工程S4後に、駆動機構4により公転体2及び自転体3の回転数を造粒工程S2よりも低い回転数に設定して容器5を回転させて造粒物を球状化する球状化工程S5を有することで、造粒物(顆粒)同士の付着を剥がすことができると共に、容易に球形度の高い造粒物を得ることができる。また、原料粉末を気流により流動化させ、液体を噴霧して造粒した、いわゆる流動層造粒物よりも、比較的重質な球形造粒晶を得ることができる。なお、公転体2及び自転体3の回転数を造粒工程S2よりも低い回転数に設定していることで、造粒物の破砕を抑制することができる。
まず、本発明の実施例1として、58ml容積の容器を使用し、その中に、原料として、錠剤粉砕物の代替として賦形剤の乳糖とトウモロコシデンプンとを7:3の割合で10gと、結合剤として0.3gのNaCMCとを収納して、上記造粒方法により造粒を行った。
なお、造粒工程において、2.0mlの水をマイクロピペットで添加した。
また、造粒工程において、自転:公転=1:1とし、回転数を1000rpm、120secとすると共に、傾斜角度θを10°とした。また、比較例として、傾斜角度θを45°としたものでも、同様に行った。
この結果、傾斜角度θを45°に設定した比較例では、造粒が不十分で原料粉体が残ってしまっていたが、傾斜角度θを10°とした本発明の実施例1では、原料粉体がほとんど残らず顆粒化され、全体的に十分に造粒することができた。
次に、本発明の実施例2として、造粒工程において回転数を1200rpmとし、他の造粒条件を実施例1と同様にして造粒を行った。
この結果、本発明の実施例2においても、良好な造粒が得られ、得られた造粒物の円形度及び粒径均一性がいずれも良好であった。さらに、実施例2では、容器に対する造粒物の付着性も少なかった。
次に、本発明の実施例3として、PVP−K30を結合剤としたものも同様に造粒を行った。なお、他の造粒条件は、実施例2と同様である。
この結果、本発明の実施例3は、結合剤としてNaCMCを採用した実施例2に比べて円形度や粒径均一性が低いが、十分な造粒が得られた。なお、容器付着性、円形度、粒径均一性は、賦形剤や結合剤の種類や添加量である程度調整可能である。
さらに、本発明の実施例4として、賦形剤に10gのD−マンニトールを使用したものも同様に造粒を行った。
また、本発明の実施例5として、賦形剤に結晶セルロースと乳糖とを7:3の割合で10g入れたものも同様に造粒を行った。なお、他の造粒条件は、実施例2と同様である。
これらの結果、本発明の実施例4及び5も、上記実施例3と同様に十分な造粒が得られた。
このように本発明の実施例では、結合剤や賦形剤を変えても十分な造粒が得られている。
次に、本発明の実施例6として、実施例3と同様の条件で造粒工程を行った後、コーティング工程を行った。
コーティング剤としては、タルクを顆粒重量の20%添加した。
なお、造粒工程において、水をスプレーで2.0ml添加した。
また、結合剤としてPVP−K30ではなくNaCMCを0.5g添加した。
この結果、本発明の実施例6では、造粒で得られた顆粒をSEMで観察すると、表面にタルクが付着していることが確認された。
なお、本発明は上記実施形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、造粒工程の次に、コーティング工程を行っているが、造粒工程後であれば、乾燥工程後や球状化工程後でも構わない。
1…造粒装置、2…公転体、3…自転体、4…駆動機構、5…容器、L1…公転軸線、L2…自転軸線、M…原料、S1…収納工程、S2…造粒工程、S3…コーティング工程、S4…乾燥工程、S5…球状化工程、θ…傾斜角度

Claims (4)

  1. 原料粉末と結合剤溶液とを含む原料を容器に収納する収納工程と、
    前記容器を造粒装置で回転させて前記原料を造粒して顆粒化させる造粒工程とを有し、
    前記造粒装置が、公転軸線を中心に回転可能な公転体と、前記公転体に保持されて自転軸線を中心に回転可能であると共に前記容器を取り付け可能な自転体と、前記公転体と前記自転体とを回転駆動する駆動機構とを備え、
    前記造粒工程で、前記容器の上部を前記公転軸線側に向けて傾けて前記公転軸線に対して前記自転軸線を45°未満の傾斜角度で傾斜させることを特徴とする造粒方法。
  2. 請求項1に記載の造粒方法において、
    前記傾斜角度を、5〜15°に設定することを特徴とする造粒方法。
  3. 請求項1又は2に記載の造粒方法において、
    前記造粒工程後に、コーティング剤を前記容器内に投入して前記容器を前記造粒装置で回転させるコーティング工程を有していることを特徴とする造粒方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の造粒方法において、
    前記造粒工程後に、前記容器内の造粒物を乾燥させる乾燥工程と、
    前記乾燥工程後に、前記駆動機構により前記公転体及び前記自転体の回転数を前記造粒工程よりも低い回転数に設定して前記容器を回転させて前記造粒物を球状化する球状化工程とを有していることを特徴とする造粒方法。
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