JP2020028250A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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【課題】本発明は、ボディを軽量化しつつ、後支持部の支持精度及び支持強度の向上を図れる魚釣用スピニングリールを提供する。【解決手段】本発明の魚釣用スピニングリール100は、側部開口部13が形成されたボディ10を有するリール本体1と、ボディ10内に収容されるスプール往復動装置50とを備え、ボディ10は、ハンドル軸5を中心に筒状を呈しボディ10内の収容空間を囲む周壁部22bと、ハンドル軸5を支持する軸受部を有する蓋部材30が取り付けられる側部開口部13の縁部13aを備え、周壁部22bの後部には、内周面22aを縁部13aよりも径方向外側に窪ませて成りガイド軸51の後部が配置される凹状部27と、凹状部27に対して後方に位置する壁部27cに係合部28aを形成して成りガイド軸51の後部を支持する後支持部28が形成され、摺動子52は後方移動時に少なくとも一部が凹状部27内に収容される。【選択図】図5

Description

本発明は、魚釣用スピニングリールに関する。
魚釣用スピニングリールにおいてリール本体のボディ内には、ハンドル軸の回転運動をスプールの往復運動に変換するためのスプール往復動装置が収容されている。
このスプール往復動装置は、ハンドル軸の回転に連動して回転する連動歯車と、スプール軸の後部に取り付けられて連動歯車の偏芯突部に係合する摺動子と、摺動子を前後に移動自在に支持するガイド軸とにより構成される。なお、スプール往復動装置の構成部品において、上記連動歯車に代えて螺軸が用いられる場合がある。
また、上記したガイド軸の後部を支持するための様々な支持構造が従来から開発されている。
下記特許文献1では、ボディの周壁部(ハンドル軸を中心に筒状を呈する壁部)の内側に、ボディの右壁部からボディ内に立ち上がる支持部を形成し、この支持部でガイド軸の後部を支持している。
下記特許文献2では、ボディの後部開口部を閉塞するカバー部材でガイド軸の後部を支持している。
下記特許文献3では、カバー部材とは別体である金属製の支持部をボディの後部に設け、この支持部でガイド軸の後部を支持している。
特開平10−113100号公報 特開2017−108714号公報 特開2018−014975号公報
しかしながら、特許文献1の支持構造によれば、ボディ内に支持部を形成するためのスペースを確保する必要性からボディが大型化し、ボディの重量化を招いた。
また、特許文献2,3の支持構造によれば、カバー部材又は支持部が別体であり、支持精度及び支持強度の改善が望まれている。
本発明は、このような課題を解決するために創作されたものであり、ボディの軽量化を図りつつ、ガイド軸の後部を支持する後支持部の支持精度及び支持強度の向上を図ることができる魚釣用スピニングリールを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の魚釣用スピニングリールは、側部開口部が形成されたボディを有するリール本体と、摺動子及びガイド軸を有し、前記ボディ内に収容されるスプール往復動装置と、を備えた魚釣用スピニングリールであって、前記ボディは、前記ボディ内の収容空間を囲む周壁部と、ハンドル軸を支持する軸受部を有する蓋部材が取り付けられる前記側部開口部と、を備え、前記周壁部の後部には、前記周壁部の内周面よりも径方向外側に窪み、前記ガイド軸の後部が配置される凹状部と、前記凹状部に対して後方に位置する壁部に係合部を形成して成り、前記ガイド軸の後部を支持する後支持部と、が形成され、前記摺動子は、後方移動時に、少なくても一部が前記凹状部内に収容されることを特徴とする。
前記発明によれば、ボディの周壁部の一部が後支持部を構成しているため、別途支持部を形成する必要がなく、ボディの大型化を回避できる。また、凹状部により周壁部が肉抜きされている。以上から、本発明のボディは、従来のボディよりも軽量化している。
また、ボディの周壁部(後支持部)でガイド軸の後部を支持するため、従来の支持部よりも支持精度及び支持強度が向上し、摺動子の往復運動が円滑となる。
さらに、凹状部内に摺動子が収容され、摺動子のストロークが確保される。よって、所定の糸巻容量が確保できなくなってしまうなど、スプール往復動装置の機能低下を回避できる。
また、前記発明において、前記ボディには、後部開口部が形成され、前記後部開口部を閉塞するカバー部材を備え、前記スプール往復動装置の一部は、前記後部開口部を介して前記カバー部材内に収容されていることが好ましい。
前記構成によれば、スプール往復動装置を収容するためのスペースがボディ内に制限されず、所望の大きさの構成部材を用いることができる。
また、前記発明において、前記ボディの後面と前記カバー部材との間には、シール部材が介在し、前記ボディには、前記後部開口部の縁部に沿って径方向外側に突出し、前記シール部材を位置決めする係止リブが形成され、前記係止リブの一部は、前記後支持部に隣接していることが好ましい。
前記構成によれば、後支持部の支持強度が向上し、摺動子の往復運動が更に円滑となる。
また、前記発明において、前記凹状部は、前記後部開口部と連続して開放していることが好ましい。
前記構成によれば、凹状部を金型で成形する際、後部開口部を通過さながら離型することができるようになり、製造が容易となる。
また、前記発明において、前記側部開口部は、円形を呈し、前記蓋部材は、前記側部開口部の縁部に螺合により固定していることが好ましい。
前記構成によれば、蓋部材をボディに固定するための複数のねじ等を不要とすることができ、部品点数の削減を図れる。また、蓋部材に作用した荷重は、側部開口部の縁部の全周に均等に分散するため、ボディの耐久性が向上する。
以上から、本発明によれば、ボディの軽量化を図りつつ、後支持部の支持精度及び支持強度が向上した魚釣用スピニングリールを提供することができる。
本発明の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの全体構成を示す側面図である。 蓋部材を取り外した状態のリール本体の側面図である。 図1のIII−III線で切った断面を矢印方向から視た端面図である。 (a)はボディの側面図であり、(b)はボディの後面図である。 リール本体の左右方向の中間部を前後方向及び上下方向を含む平面で切った場合の断面図である。
実施形態に係る魚釣用スピニングリール100について図面を参照しながら説明する。以下の説明において、「前後」「上下」を言うときは、図1に示した方向を基準とし、「左右」を言うときは、図3に示す方向を基準とする。
最初に魚釣用スピニングリール100の基本的構造について説明する。
図1に示すように、魚釣用スピニングリール100は、ハンドル5aを備えるリール本体1と、ハンドル5aの巻き取り操作により回転するロータ2と、ハンドル5aの巻き取り操作により前後方向に往復運動するスプール3と、を備えている。
リール本体1は、左側に向って開口する側部開口部13が形成されたボディ10と、ボディ10から上方に延びて上端に竿取付部11aが形成された脚部11と、ボディ10の前側に設けられたボディ前部12(図2参照)と、側部開口部13を閉塞しつつハンドル軸5(図2参照)を軸支する軸受6cを有する蓋部材30と、ボディ10の後部に取り付けられた保護カバー40と、を備えている。
本実施形態において、ボディ10と脚部11とボディ前部12は、樹脂材料により一体的に形成されている。また、蓋部材30と保護カバー40のそれぞれも樹脂材料により形成されている。なお、本発明においては、ボディ10と脚部11とボディ前部12が金属材料で一体に形成されたり、又は、蓋部材30と保護カバー40が金属材料で形成されたりしてもよい。
図2に示すように、ボディ前部12は、前後方向に開口する筒状を呈し、内部に駆動軸筒7とスプール軸8が組み付けられている。駆動軸筒7の前端7a及びスプール軸8の前端8aは、ボディ前部12よりも前方に突出している。そして、駆動軸筒7の前端7aにロータ2(図1参照)が取り付けられ、スプール軸8の前端8aにスプール3(図1参照)が取り付けられている。一方で、駆動軸筒7の後端7b及びスプール軸8の後端8bは、ボディ10内に配置されている。また、駆動軸筒7の後部には、ピニオンギャ7cが一体に形成されている。
ボディ10内には、ハンドル5aの巻き取り操作により駆動軸筒7とスプール軸8を駆動させるための構成として、左右方向に延在するハンドル軸5と、ハンドル軸5に連結するドライブギャ6及び歯車6aと、スプール往復動装置50と、が収容されている。
図3に示すように、ハンドル軸5は、ボディ10の後述する右壁部21(底部)と、蓋部材30とを貫通している。ハンドル軸5の左端部は、ハンドル5aに設けられた連結軸5bと螺合しており、ハンドル5aを巻き取り操作すると、ハンドル軸5が回転軸O1回りに回転する。
ドライブギャ6は、前方に配置されたピニオンギャ7cに噛合する歯車であり(図2参照)、中央部がハンドル軸5に貫通され、ハンドル軸5と一体に回転軸O1回りに回転する。以上から、ハンドル5aを巻き取り操作すると、ハンドル軸5及びドライブギャ6が回転して、その回転駆動力がピニオンギャ7cに伝達し、駆動軸筒7及びロータ2が回転する。
図3に示すように、歯車6aは、ハンドル軸5と一体に形成された歯車であり、スプール往復動装置50の後述する連動歯車54に噛合し、ハンドル5aの巻き取り操作による回転駆動力を連動歯車54に伝達する。
図2に示すように、スプール往復動装置50は、前後方向に延びるガイド軸51と、右側面に案内溝53が形成されガイド軸51に沿って移動する摺動子52と、案内溝53に係合する偏芯突部55が形成された連動歯車54とを備えている。また、摺動子52にスプール軸8の後端8bが固定され、摺動子52とスプール軸8とが一体になっている。
以上から、ハンドル5aの巻き取り操作によりハンドル軸5及び歯車6aが回転すると、連動歯車54が回転する。そして、連動歯車54の偏芯突部55が摺動子52の案内溝53の内面を押圧し、回転運動が前後動に変換されて摺動子52とスプール軸8(スプール3)が前後方向に往復運動する。
次に魚釣用スピニングリール100の詳細について説明する。
図4(a)に示すように、ボディ10は、左側に向って開口する有底箱状(筒状)を呈し、板状の右壁部21と、右壁部21の周端縁から左側に突出する筒状の筒部22と、を備える。
右壁部21は、回転軸O1を中心に略円形状に形成されている。右壁部21の内面(左側面)には、右側中央孔23とリブ24と挿入孔25とが形成されている。
右側中央孔23は、円形状を呈し、右壁部21の中央に位置している。また、挿入孔25は、右側中央孔23の後下側に形成されている。
図3に示すように、右側中央孔23内をハンドル軸5が貫通している。右側中央孔23内には軸受6bが嵌め込まれ、この軸受6bによりハンドル軸5の右部が軸支されている。一方で、挿入孔25には、円柱状の軸部材26が嵌め込まれ、この軸部材26により連動歯車54が軸支されている。
図4(a)に示すように、リブ24は、右壁部21の内面(左面)から左方へ突出し、ボディ10の強度を向上させるための突起である。リブ24は、右側中央孔23よりも前側に位置して上下方向及び前方に延在し、上端、下端及び前端のそれぞれが筒部22の内周面22aに接続している。
また、リブ24の上部には、後方に突出する前支持部24aが形成されている。一方で、リブ24の下部には、前後方向に肉厚に形成され前後方向に開口する筒状の軸支持部24cが形成されている。
図5に示すように、前支持部24aには、前後方向に貫通する前貫通孔24bが形成されている。前貫通孔24b内には、スプール往復動装置50のガイド軸51の前端51aが挿入され、前貫通孔24b内にガイド軸51の前端51aが嵌合している。なお、前支持部24aは、右側中央孔23よりも上方に位置し、ガイド軸51がハンドル軸5よりも上方に配置されている。
また、軸支持部24c内には、駆動軸筒7の後端7bを支持する軸受7dと、スプール軸8を摺動自在に支持するカラー8cとが嵌合している。
なお、上記したリブ24に関し、図面を見易くる為、図3において図示していない。
図4(a)に示すように、筒部22は、回転軸O1を中心とする略円筒形状を呈し、ドライブギャ6の外形に倣った形状をしている。このため、筒部22の内周面22aとドライブギャ6との間に無駄なスペースがなく、ボディ10が小型化している。
図3に示すように、筒部22の左端部は、側部開口部13の縁部13aを構成している。また、側部開口部13の縁部13aの内周面には、雌ねじ部13bが形成されている。
以下、筒部22のうち側部開口部13の縁部13aを除いた部分、言い換えると、筒部22のうちボディ10内の収容空間を囲む部分を周壁部22bと称する。
図5に示すように、周壁部22bの後部には、内周面の一部を径方向外側に窪ませて成る凹状部27と、ガイド軸51の後端51bを支持する後支持部28と、周壁部22bを前後方向に貫通する後部開口部15と、が形成されている。
凹状部27は、回転軸O1を基準に後方かつ上方に形成された空間であり、側部開口部13の縁部13aの内周面よりも径方向外側に窪んでいる(図5に示す縁部13aの仮想線を参照)。
凹状部27は比較的上下方向に長く形成され、凹状部27の下端が後部開口部15と連続している(図5に示す凹状部27と後部開口部15との境界H1を参照)。
凹状部27の上部27aは、上方に向うにつれて前後方向の幅が次第に狭くなり、側面視で略三角形状を呈している。凹状部27の下部27bは、リブ24の前支持部24aと同じ高さに形成され、下部27b内にガイド軸51が配置されている。そして、ガイド軸51に沿って摺動子52が最後方へ移動した際、摺動子52の上部が凹状部27の下部27b内に収容されるようになっている。
なお、凹状部27の下部27bにおける径方向の長さは、周壁部22bにおける径方向の肉厚Lの大凡3分の2程度であり、下部27bの後方には、残り3分の1分だけの壁部が残っている。以下、この壁部を薄壁部27cと称する。
また、上記したように凹状部27の下端は後部開口部15と連続して開口しているため、凹状部27の下端が開放している。このため、射出成形によりボディ10を形成する場合、凹状部27を形成する金型を下方に移動しても(図5に示す金型の移動軌跡H2を参照)、周壁部22bに接触することなく後部開口部15内を通過させながら離型することができる。よって、凹状部27を射出成型により一体に形成でき、容易に形成することができる。
後支持部28は、薄壁部27cに前後方向に貫通する後貫通孔28aを形成して成る。
後貫通孔28aはガイド軸51と同径に形成されている。そして、後貫通孔28a内にはガイド軸51の後端51bが挿入され、ガイド軸51の後端51bが後支持部28に支持されている。よって、後貫通孔28aはガイド軸51の後部と係合する係合部に相当する。
なお、ガイド軸51の組み付け方法は、ボディ10の後方から後貫通孔28a内にガイド軸51の前端51aを差し込み、ガイド軸51を貫通させる。そして、ガイド軸51をさらに前方に押し込んで、ガイド軸51の前端51aを前支持部24aの前貫通孔24b内に挿入する。ここで、ガイド軸51の挿入量は、ガイド軸51の前部に形成された段差面51cが前支持部24aに係止し、ガイド軸51が前方への移動が規制される程度、挿入する。これによれば、ガイド軸51の前端51aが前支持部24aに支持され、後端51bが後支持部28に支持される。また、ガイド軸51の後端51bは、後貫通孔28aから僅かに後方へ突出する程度となる。
後部開口部15は、ボディ10内に組み付けられた部品の一部を受け入れてボディ10外に配置するための開口(空間)である。本実施形態においては、ガイド軸51に沿って摺動子52が最後方へ移動した際、摺動子52の後部が収容空間S内に収容される。
後部開口部15は、凹状部27及び後支持部28よりも下方に形成されている。
図4(b)に示すように、後部開口部15は、筒部22における左右幅の中央部を貫通させることで、言い換えると、周壁部22bを貫通することで形成されている。このため、側部開口部13と後部開口部15との間には、側部開口部13と後部開口部15とのそれぞれの開口の縁部を構成する円弧状の架橋部14(側部開口部13の縁部13aの一部)が延在している。
後部開口部15の縁部には、径方向外側に突出する環状の係止リブ15aが形成されている。係止リブ15aは、後述するシール部材41の位置ずれを防止するためのものであ。また、係止リブ15aの上辺には、後方視で矩形状の拡張係止リブ15bが形成されている。このため、シール部材41との当接面積が拡大し、シール部材41がさらに位置ずれし難くなっている。
図5に示すように、拡張係止リブ15bは、薄壁部27c(後支持部28)の径方向外側に位置している。なお、薄壁部27cと拡張係止リブ15bとの境界を明確化するため、補助線H3を引いた。
また、後支持部28の後貫通孔28aは、拡張係止リブ15bに延長して形成されている。このため、ガイド軸51の後端51bは、後支持部28のみならず、拡張係止リブ15bにも支持されている。
拡張係止リブ15bの上方には、上下方向に延在する凸条15cが形成されている。そして、凸条15cは、シール部材41に形成された上下方向に延在する図示しない溝内に入り込み、シール部材41の位置ずれを防止している。
図3に示すように、蓋部材30は、円盤状を呈し側部開口部13を閉塞する蓋部31と、蓋部31の右面から突出して側部開口部13内に挿入される円筒状の挿入部32と、を備えている。
蓋部31の中央部には、ハンドル軸5が貫通する左側中央孔31aが形成されている。また、左側中央孔31a内には軸受6cが嵌め込まれ、この軸受6cによりハンドル軸5の左部が軸支されている。
挿入部32の外周面には、雄ねじ32aが形成されている。そして、雄ねじ部32aは、側部開口部13の雌ねじ13bと螺合し、蓋部材30がボディ10と強固に固定されている。
図5に示すように、ボディ10の上部には、前後方向に貫通しボルトB1を挿入するための上側ボルト穴22cが形成されている。また、ボディ10の下部には、上下方向に貫通しボルトB2が螺合するための下側ボルト穴22dが形成されている。
保護カバー40は、ボルトB1と螺合する一方で、ボルトB2に締め付けられ、ボディ10の後部開口部15を覆うように固定されている。
保護カバー40の前面は、後方に窪んでおり、保護カバー40の前側に収容空間Sが形成されている。よって、後部開口部15を介してボディ10内から後方に突出する部品の一部が収容空間S内に収容可能になっている。
保護カバー40の前面には、前方に突出して拡張係止リブ15bと対向しつつ、ガイド軸51の後端面に当接する当接部42が形成されている。このため、ガイド軸51が前支持部24a及び後支持部28から抜けないように規制されている。
また、ボディ10の後面と保護カバー40との間には、シール部材41が介在している。これによれば、ボディ10と保護カバー40の間がシール部材41により封止され、ボディ10内に水が浸入し難い。
次に実施形態の魚釣用スピニングリール100の効果について説明する。
ガイド軸51の後端51bを支持する後支持部28は、ボディ10の周壁部22bの一部により構成されている。言い換えると、従来技術のように別途支持部を形成していないため、ボディ10の大型化が回避されている。また、凹状部27により周壁部22bが肉抜きされている。以上から、実施形態のボディ10は従来のボディよりも軽量化しており、魚釣操作性に優れた魚釣用スピニングリール100を提供できる。
また、従来技術によれば、ボディ10とは別体の保護カバー40によりガイド軸51の後端51bを支持していた。ここで、保護カバー40はボディ10に対しガタついたり、ボディ10に対する保護カバー40の取り付け精度が悪かったりする場合がある。このため、従来の支持構造は、支持強度及び支持精度が低下する原因を有している。
一方で、本実施形態の後支持部28は、ボディ10の周壁部22bにより構成されてボディ10と一体になっており、支持強度及び支持精度が低下する原因が発生しない。よって、支持強度及び支持精度に優れ、摺動子52の往復運動の円滑化を図ることができる。
さらに、ガイド軸51の後端51bは、後支持部28の他に拡張係止リブ15bにも支持され、支持強度が向上している。よって、摺動子52の往復運動をさらに円滑化することができる。
また、摺動子52が最後方に移動した際、摺動子52の上部が凹状部27内に収容され、摺動子52の所定のストロークが確保されている。このため、所定の糸巻容量が確保できなくなってしまうなど、スプール往復動装置50の機能が低下することが回避される。
また、後部開口部15を介して保護カバー40の収容空間S内にスプール往復動装置50の一部を収容することができる。このため、スプール往復動装置50を収容するためのスペースはボディ10内に限定されないため、所望の大きさの構成部品を用いることができる。
また、従来の魚釣用スピニングリール100は、複数のねじで締め付けることで蓋部材30をボディ10に固定していた。このため、ハンドル5aの巻き取り操作時に蓋部材30に作用する荷重は、複数のねじを介してボディ10に伝達した。
一方で、本実施形態によれば、挿入部32が側部開口部13の縁部13aに螺合し、挿入部32の全周が側部開口部13の縁部13aに支持されている。よって、ハンドル5aの巻き取り操作時に蓋部材30に作用した荷重は、側部開口部13の縁部13aの全周に均等に分散する。
よって、従来技術のように複数のねじに荷重が集中することがないため、ボディ10の耐久性が向上する。また、本実施形態によれば、複数のねじを使用しないため、部品点数の削減を図ることができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に説明した例に限定されない。例えば、後支持部28は、ガイド軸51の後端51bを支持しているが、後端51bに限定されない。例えば後端51bよりも少し前側に位置する部位など、ガイド軸51の後部を支持するように構成してもよい。
また、実施形態の後支持部28は、薄壁部27cに対し、ガイド51の後部(後端51b)と係合可能な構成として後貫通孔28aを形成して成るが、本発明における係合可能な構成は貫通孔(後貫通孔28a)に限定されない。例えば、薄壁部27cの前面に後方に向って窪む凹部を形成して成る後支持部であってもよい。若しくは、ガイド軸をパイプ状とし、ガイド軸の後部内に挿入されてガイド軸の後部と係合する突起を薄壁部27cの前面に形成して成る後支持部であってもよい。
なお、薄壁部27cの前面に形成された係合部が凹部又は突起の場合、後支持部にガイド軸51を組み付けるため、ボディ10の前部において前支持部24aの前貫通部24bの延長線上に位置する箇所に、前後方向に貫通する貫通孔を形成する必要がある。これよれば、ボディ10の前部に形成された貫通孔と前支持部24aの前貫通部24bとにガイド軸51を挿入させ、ガイド軸51の後端51bを後支持部の凹部又は凸部に嵌め込んで支持(係合)させることができる。
また、実施形態の凹状部27は、側部開口部13の縁部13aの内周面よりも径方向外側に窪んでいるが、本発明の凹状部は、周壁部22bの内周面よりも径方向外側に窪んでいればよく、実施形態の例に限定されない。
また、ボディ10は、後部開口部15が形成されているが、後部開口部15が形成されていないボディ10であってもよい。
また、拡張係止リブ15bによりガイド軸51の後端51bを支持する範囲を拡張しているが、拡張係止リブ15b以外の構成によりガイド軸51の後端51bを支持する範囲を拡張してもよい。
また、蓋部材30は、側部開口部13の縁部13aと螺合することで固定されているが、複数のねじで固定されるようにしてもよい。
1 リール本体
2 ロータ
3 スプール
10 ボディ
12 ボディ前部
13 側部開口部
13a 縁部
15 後部開口部
15a 係止リブ
15b 拡張係止リブ(係止リブ)
22 筒部
22a 内周面
22b 周壁部
24a 前支持部
24b 前貫通孔
27 凹状部
27c 薄壁部
28 後支持部
28a 後貫通孔(係合部)
30 蓋部材
40 保護カバー
41 シール部材
42 当接部
50 スプール往復動装置
51 ガイド軸
52 摺動子
54 連動歯車
100 魚釣用スピニングリール

Claims (5)

  1. 側部開口部が形成されたボディを有するリール本体と、
    摺動子及びガイド軸を有し、前記ボディ内に収容されるスプール往復動装置と、を備えた魚釣用スピニングリールであって、
    前記ボディは、
    前記ボディ内の収容空間を囲む周壁部と、
    ハンドル軸を支持する軸受部を有する蓋部材が取り付けられる前記側部開口部と、を備え、
    前記周壁部の後部には、
    前記周壁部の内周面よりも径方向外側に窪み、前記ガイド軸の後部が配置される凹状部と、
    前記凹状部に対して後方に位置する壁部に係合部を形成して成り、前記ガイド軸の後部を支持する後支持部と、が形成され、
    前記摺動子は、後方移動時に、少なくても一部が前記凹状部内に収容されることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記ボディには、後部開口部が形成され、
    前記後部開口部を閉塞するカバー部材を備え、
    前記スプール往復動装置の一部は、前記後部開口部を介して前記カバー部材内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  3. 前記ボディの後面と前記カバー部材との間には、シール部材が介在し、
    前記ボディには、前記後部開口部の縁部に沿って径方向外側に突出し、前記シール部材を位置決めする係止リブが形成され、
    前記係止リブの一部は、前記後支持部に隣接していることを特徴とする請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。
  4. 前記凹状部は、前記後部開口部と連続して開放していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の魚釣用スピニングリール。
  5. 前記側部開口部は、円形を呈し、
    前記蓋部材は、前記側部開口部の縁部に螺合により固定していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
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