JP2020028250A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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Description
このスプール往復動装置は、ハンドル軸の回転に連動して回転する連動歯車と、スプール軸の後部に取り付けられて連動歯車の偏芯突部に係合する摺動子と、摺動子を前後に移動自在に支持するガイド軸とにより構成される。なお、スプール往復動装置の構成部品において、上記連動歯車に代えて螺軸が用いられる場合がある。
下記特許文献1では、ボディの周壁部(ハンドル軸を中心に筒状を呈する壁部)の内側に、ボディの右壁部からボディ内に立ち上がる支持部を形成し、この支持部でガイド軸の後部を支持している。
下記特許文献2では、ボディの後部開口部を閉塞するカバー部材でガイド軸の後部を支持している。
下記特許文献3では、カバー部材とは別体である金属製の支持部をボディの後部に設け、この支持部でガイド軸の後部を支持している。
また、特許文献2,3の支持構造によれば、カバー部材又は支持部が別体であり、支持精度及び支持強度の改善が望まれている。
また、ボディの周壁部(後支持部)でガイド軸の後部を支持するため、従来の支持部よりも支持精度及び支持強度が向上し、摺動子の往復運動が円滑となる。
さらに、凹状部内に摺動子が収容され、摺動子のストロークが確保される。よって、所定の糸巻容量が確保できなくなってしまうなど、スプール往復動装置の機能低下を回避できる。
図1に示すように、魚釣用スピニングリール100は、ハンドル5aを備えるリール本体1と、ハンドル5aの巻き取り操作により回転するロータ2と、ハンドル5aの巻き取り操作により前後方向に往復運動するスプール3と、を備えている。
本実施形態において、ボディ10と脚部11とボディ前部12は、樹脂材料により一体的に形成されている。また、蓋部材30と保護カバー40のそれぞれも樹脂材料により形成されている。なお、本発明においては、ボディ10と脚部11とボディ前部12が金属材料で一体に形成されたり、又は、蓋部材30と保護カバー40が金属材料で形成されたりしてもよい。
以上から、ハンドル5aの巻き取り操作によりハンドル軸5及び歯車6aが回転すると、連動歯車54が回転する。そして、連動歯車54の偏芯突部55が摺動子52の案内溝53の内面を押圧し、回転運動が前後動に変換されて摺動子52とスプール軸8(スプール3)が前後方向に往復運動する。
図4(a)に示すように、ボディ10は、左側に向って開口する有底箱状(筒状)を呈し、板状の右壁部21と、右壁部21の周端縁から左側に突出する筒状の筒部22と、を備える。
図3に示すように、右側中央孔23内をハンドル軸5が貫通している。右側中央孔23内には軸受6bが嵌め込まれ、この軸受6bによりハンドル軸5の右部が軸支されている。一方で、挿入孔25には、円柱状の軸部材26が嵌め込まれ、この軸部材26により連動歯車54が軸支されている。
また、リブ24の上部には、後方に突出する前支持部24aが形成されている。一方で、リブ24の下部には、前後方向に肉厚に形成され前後方向に開口する筒状の軸支持部24cが形成されている。
また、軸支持部24c内には、駆動軸筒7の後端7bを支持する軸受7dと、スプール軸8を摺動自在に支持するカラー8cとが嵌合している。
なお、上記したリブ24に関し、図面を見易くる為、図3において図示していない。
以下、筒部22のうち側部開口部13の縁部13aを除いた部分、言い換えると、筒部22のうちボディ10内の収容空間を囲む部分を周壁部22bと称する。
凹状部27は比較的上下方向に長く形成され、凹状部27の下端が後部開口部15と連続している(図5に示す凹状部27と後部開口部15との境界H1を参照)。
なお、凹状部27の下部27bにおける径方向の長さは、周壁部22bにおける径方向の肉厚Lの大凡3分の2程度であり、下部27bの後方には、残り3分の1分だけの壁部が残っている。以下、この壁部を薄壁部27cと称する。
後貫通孔28aはガイド軸51と同径に形成されている。そして、後貫通孔28a内にはガイド軸51の後端51bが挿入され、ガイド軸51の後端51bが後支持部28に支持されている。よって、後貫通孔28aはガイド軸51の後部と係合する係合部に相当する。
図4(b)に示すように、後部開口部15は、筒部22における左右幅の中央部を貫通させることで、言い換えると、周壁部22bを貫通することで形成されている。このため、側部開口部13と後部開口部15との間には、側部開口部13と後部開口部15とのそれぞれの開口の縁部を構成する円弧状の架橋部14(側部開口部13の縁部13aの一部)が延在している。
また、後支持部28の後貫通孔28aは、拡張係止リブ15bに延長して形成されている。このため、ガイド軸51の後端51bは、後支持部28のみならず、拡張係止リブ15bにも支持されている。
蓋部31の中央部には、ハンドル軸5が貫通する左側中央孔31aが形成されている。また、左側中央孔31a内には軸受6cが嵌め込まれ、この軸受6cによりハンドル軸5の左部が軸支されている。
挿入部32の外周面には、雄ねじ32aが形成されている。そして、雄ねじ部32aは、側部開口部13の雌ねじ13bと螺合し、蓋部材30がボディ10と強固に固定されている。
保護カバー40は、ボルトB1と螺合する一方で、ボルトB2に締め付けられ、ボディ10の後部開口部15を覆うように固定されている。
保護カバー40の前面は、後方に窪んでおり、保護カバー40の前側に収容空間Sが形成されている。よって、後部開口部15を介してボディ10内から後方に突出する部品の一部が収容空間S内に収容可能になっている。
また、ボディ10の後面と保護カバー40との間には、シール部材41が介在している。これによれば、ボディ10と保護カバー40の間がシール部材41により封止され、ボディ10内に水が浸入し難い。
ガイド軸51の後端51bを支持する後支持部28は、ボディ10の周壁部22bの一部により構成されている。言い換えると、従来技術のように別途支持部を形成していないため、ボディ10の大型化が回避されている。また、凹状部27により周壁部22bが肉抜きされている。以上から、実施形態のボディ10は従来のボディよりも軽量化しており、魚釣操作性に優れた魚釣用スピニングリール100を提供できる。
一方で、本実施形態の後支持部28は、ボディ10の周壁部22bにより構成されてボディ10と一体になっており、支持強度及び支持精度が低下する原因が発生しない。よって、支持強度及び支持精度に優れ、摺動子52の往復運動の円滑化を図ることができる。
さらに、ガイド軸51の後端51bは、後支持部28の他に拡張係止リブ15bにも支持され、支持強度が向上している。よって、摺動子52の往復運動をさらに円滑化することができる。
一方で、本実施形態によれば、挿入部32が側部開口部13の縁部13aに螺合し、挿入部32の全周が側部開口部13の縁部13aに支持されている。よって、ハンドル5aの巻き取り操作時に蓋部材30に作用した荷重は、側部開口部13の縁部13aの全周に均等に分散する。
よって、従来技術のように複数のねじに荷重が集中することがないため、ボディ10の耐久性が向上する。また、本実施形態によれば、複数のねじを使用しないため、部品点数の削減を図ることができる。
なお、薄壁部27cの前面に形成された係合部が凹部又は突起の場合、後支持部にガイド軸51を組み付けるため、ボディ10の前部において前支持部24aの前貫通部24bの延長線上に位置する箇所に、前後方向に貫通する貫通孔を形成する必要がある。これよれば、ボディ10の前部に形成された貫通孔と前支持部24aの前貫通部24bとにガイド軸51を挿入させ、ガイド軸51の後端51bを後支持部の凹部又は凸部に嵌め込んで支持(係合)させることができる。
また、拡張係止リブ15bによりガイド軸51の後端51bを支持する範囲を拡張しているが、拡張係止リブ15b以外の構成によりガイド軸51の後端51bを支持する範囲を拡張してもよい。
また、蓋部材30は、側部開口部13の縁部13aと螺合することで固定されているが、複数のねじで固定されるようにしてもよい。
2 ロータ
3 スプール
10 ボディ
12 ボディ前部
13 側部開口部
13a 縁部
15 後部開口部
15a 係止リブ
15b 拡張係止リブ(係止リブ)
22 筒部
22a 内周面
22b 周壁部
24a 前支持部
24b 前貫通孔
27 凹状部
27c 薄壁部
28 後支持部
28a 後貫通孔(係合部)
30 蓋部材
40 保護カバー
41 シール部材
42 当接部
50 スプール往復動装置
51 ガイド軸
52 摺動子
54 連動歯車
100 魚釣用スピニングリール
Claims (5)
- 側部開口部が形成されたボディを有するリール本体と、
摺動子及びガイド軸を有し、前記ボディ内に収容されるスプール往復動装置と、を備えた魚釣用スピニングリールであって、
前記ボディは、
前記ボディ内の収容空間を囲む周壁部と、
ハンドル軸を支持する軸受部を有する蓋部材が取り付けられる前記側部開口部と、を備え、
前記周壁部の後部には、
前記周壁部の内周面よりも径方向外側に窪み、前記ガイド軸の後部が配置される凹状部と、
前記凹状部に対して後方に位置する壁部に係合部を形成して成り、前記ガイド軸の後部を支持する後支持部と、が形成され、
前記摺動子は、後方移動時に、少なくても一部が前記凹状部内に収容されることを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - 前記ボディには、後部開口部が形成され、
前記後部開口部を閉塞するカバー部材を備え、
前記スプール往復動装置の一部は、前記後部開口部を介して前記カバー部材内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。 - 前記ボディの後面と前記カバー部材との間には、シール部材が介在し、
前記ボディには、前記後部開口部の縁部に沿って径方向外側に突出し、前記シール部材を位置決めする係止リブが形成され、
前記係止リブの一部は、前記後支持部に隣接していることを特徴とする請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。 - 前記凹状部は、前記後部開口部と連続して開放していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記側部開口部は、円形を呈し、
前記蓋部材は、前記側部開口部の縁部に螺合により固定していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
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