JP2020028251A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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このようなスプール往復動装置は、ハンドル軸の回転に連動して回転する連動歯車と、スプール軸の後部に取り付けられて連動歯車の偏芯突部に係合する摺動子と、摺動子を前後に移動自在に支持するガイド軸とにより構成される。
また、このような不利益を解消すべく、上記特許文献で示すように、ボディの側壁部に位置決め孔を形成し、支持部材に形成した突起を位置決め孔に挿入し係止させる方法が考えられるが、支持部材の形状が複雑となり、コストの上昇を招く。
軸支部は、貫通孔内に固定される固定部と同軸上に一体になっていることから貫通孔に対する同心度が高い。また、フランジ部が側壁部の内面に当接するため、支持部材が側壁に対して傾倒し難い。以上から、支持部材は、所望の位置で姿勢良く設置され、支持強度及び精度が高い。よって、回転駆動力の伝達効率が向上する。
また、フランジ部を挟持するための部品として、既存の部品である脱落防止部材を利用しているので、固定部の別途処理(カシメ、螺合、接着、圧入等)が不要となり、製造コストが削減できる。
図1に示すように、魚釣用スピニングリール100は、ハンドル5aを備えるリール本体1と、ハンドル5aの巻き取り操作により回転するロータ2と、ハンドル5aの巻き取り操作により前後方向に往復運動するスプール3と、を備えている。
なお、本実施形態において、ボディ10と脚部11とボディ前部12は、樹脂材料により一体的に形成されている。また、蓋部材30と保護カバー40のそれぞれも樹脂材料により形成されている。
以上から、ハンドル5aの巻き取り操作によりハンドル軸5及び歯車6aが回転すると、連動歯車54が回転する。そして、連動歯車54の偏芯突部55が摺動子52の案内溝53の内面を押圧し、回転運動が前後動に変換されて摺動子52とスプール軸8(スプール3)が前後方向に往復運動する。
図4(a)に示すように、ボディ10は、左側に向って開口する有底箱状(筒状)を呈し、板状の右壁部21と、右壁部21の周端縁から左側に突出する筒状の筒部22と、を備える。
図3に示すように、右側中央孔23内をハンドル軸5が貫通している。右側中央孔23内には軸受6bが嵌め込まれ、この軸受6bによりハンドル軸5の右部が軸支されている。一方、貫通孔25には、円柱状の支持部材60が挿入され、この支持部材60により連動歯車54が軸支されている。なお、支持部材60の詳細については後述する。
リブ24の上部には、後方に突出する前支持部24aが形成されている。一方で、リブ24の下部には、前後方向に肉厚に形成され前後方向に開口する筒状の軸支持部24cが形成されている。
軸支持部24c内には、駆動軸筒7の後端7bを支持する軸受7dと、スプール軸8を摺動自在に支持するカラー8cとが嵌合している。
なお、上記したリブ24に関し、図面を見易くる為、図3において図示していない。
内周突起部26aは、右側中央孔23の縁部に沿って外側(右側)に突出する環状の突起であり、外周面に雄ねじ部26cが形成されている。
外周突起部26bは、右壁部21の外周縁に沿って外側(右側)に突出する環状の突起である。外周突起部26bの右端面の内周側には、左方に窪んで後述するカバー部材35の外周部と当接する合わせ面26dが形成されている。
円筒部35aの内周面には、内周突起部26aの雄ねじ部26cに螺合する雌ねじ部35bが形成され、カバー部材35がボディ10と一体になっている。
また、カバー部材35は、右壁部21と離間しており、カバー部材35と右壁部21との間には隙間Pが形成されている。
後貫通孔28aはガイド軸51と同径に形成されている。そして、後貫通孔28a内にはガイド軸51の後端51bが挿入され、ガイド軸51の後端51bが後支持部28に支持されている。なお、ガイド軸51は、前部に形成された段差面51cが前支持部24aに係止して前方への移動が規制され、後端51bが後貫通孔28aから僅かに後方へ突出している。
図4(b)に示すように、後部開口部15は、筒部22における左右幅の中央部を貫通させることで、言い換えると、周壁部22bを貫通することで形成されている。このため、側部開口部13と後部開口部15との間には、側部開口部13と後部開口部15とのそれぞれの開口の縁部を構成する円弧状の架橋部14(側部開口部13の縁部13aの一部)が延在している。
蓋部31の中央部には、ハンドル軸5が貫通する左側中央孔31aが形成されている。また、左側中央孔31a内には軸受6cが嵌め込まれ、この軸受6cによりハンドル軸5の左部が軸支されている。
挿入部32の外周面には、雄ねじ32aが形成されている。そして、雄ねじ部32aは、側部開口部13の雌ねじ13bと螺合し、蓋部材30がボディ10と強固に固定されている。
保護カバー40は、ボルトB1と螺合する一方で、ボルトB2に締め付けられ、ボディ10の後部開口部15を覆うように固定されている。
保護カバー40の前面は、後方に窪んでおり、保護カバー40の前側に収容空間Sが形成されている。よって、後部開口部15を介してボディ10内から後方に突出する部品の一部が収容空間S内に収容可能になっている。
また、ボディ10の後面と保護カバー40との間には、シール部材41が介在している。これにより、ボディ10と保護カバー40の間がシール部材41により封止され、ボディ10内に水が浸入し難い。
支持部材60は、貫通孔25に挿入されて貫通孔25内に固定される固定部62と、固定部62からボディ10内に突出する軸支部63と、固定部62と軸支部63との境界で径方向外側に突出するフランジ部64と、を備え、固定部62と軸支部63とフランジ部64のそれぞれを同軸上に形成している。
連動歯車54を支持する支持部材60は、棒状(円柱状)を呈し、簡易な形状となしている。このため、従来の支持部材よりも容易に製造でき、コストが低減する。
軸支部63は、貫通孔25内に固定される固定部62と一体になっており、貫通孔25に対する同心度が高い。また、フランジ部64が右壁部21の内面に当接し、支持部材60が右壁部21に対して垂直となっている。以上から、支持部材60は所望の位置に精度よく設置され支持精度が高い。このため、連動歯車54の回転が円滑となり、回転駆動力の伝達効率が向上する。
一方で、本実施形態によれば、挿入部32が側部開口部13の縁部13aに螺合し、挿入部32の全周が側部開口部13の縁部13aに支持されている。よって、ハンドル5aの巻き取り操作時に蓋部材30に作用した荷重は、側部開口部13の縁部13aの全周に均等に分散する。
よって、従来技術のように複数のねじに荷重が集中することがないため、ボディ10の耐久性が向上する。また、本実施形態によれば、複数のねじを使用しないため、部品点数の削減を図ることができる。
なお、実施形態では、支持部材60の取り付けの際、貫通孔25に対し支持部材60をボディ10内から挿入しているが本発明はこれに限定されない。つぎに貫通孔25に対しボディ10の外側から挿入する支持部材360について説明する。
なお、右壁部321の貫通孔325の右縁には、凹部325aが形成されており、フランジ部364の一部がその凹部325a内に収容されている。そして、フランジ部364の右面(外側面)はカバー部材35の左面(内側面)に当接し、支持部材360が貫通孔325から脱落しないようにカバー部材35により支持されている。
上記した変形例によれば、支持部材360が棒状(円柱状)を呈し簡易な形状と成っているため、従来の支持部材よりも容易に製造でき、コストの低減を図ることができる。また、軸支部363は、貫通孔325内に固定される固定部362と一体であり、貫通孔325に対する同心度が高い。また、フランジ部364が凹部325aの底面(右面)に当接し、支持部材360が右壁部321に対して傾倒し難い。以上から、支持部材360は所望の位置に精度よく設置され支持精度が高い。このため、連動歯車54の回転が円滑となり、回転駆動力の伝達効率が向上する。また、フランジ部364が右壁部321とカバー部材35で挟持され支持部材360の支持強度が高いことから、伝達効率が向上した状態を長期継続することができる。また、フランジ部364に当接するカバー部材35は、軸受6bが外側に脱落することを防止する脱落防止部材であり(図3参照)、既存の部品を利用している。よって、固定部の別途処理(カシメ、螺合、接着、圧入等)が不要となり、製造コストが削減できる。
5 ハンドル軸
7 駆動軸筒
8 スプール軸
10 ボディ
11 脚部
13 側部開口部
15 後部開口部
21,121,321 右壁部
25,125,225,325 貫通孔
35 カバー部材(脱落防止部材)
50 スプール往復動装置
51 ガイド軸
52 摺動子
54 連動歯車
60,260,360 支持部材
61 雌ねじ部
62,162,262,362 固定部
63,363 軸支部
64,364 フランジ部
100 魚釣用スピニングリール
Claims (6)
- ボディを有するリール本体と、連動歯車を有し前記ボディ内に収容されるスプール往復動装置と、前記ボディに固定されて前記連動歯車を支持する略円柱状の支持部材と、を備えた魚釣用スピニングリールであって、
前記ボディの側壁部には、貫通孔が形成され、
前記支持部材は、前記貫通孔内に固定される固定部と、前記固定部からボディ内に突出して前記連動歯車を軸支する軸支部と、前記固定部と前記軸支部との境界に形成されて前記側壁部の内面に当接するフランジ部と、を備え、前記固定部と前記軸支部と前記フランジ部のそれぞれを同軸上に形成したことを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - 前記固定部の端部には、前記側壁部の外面に当接するカシメ部が形成され、
前記固定部は、前記カシメ部と前記フランジ部との挟持により前記貫通孔内に固定されることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。 - ボディを有するリール本体と、連動歯車を有し前記ボディ内に収容されるスプール往復動装置と、前記ボディに固定されて前記連動歯車を支持する略円柱状の支持部材と、を備えた魚釣用スピニングリールであって、
前記ボディの側壁部には、ハンドル軸が挿通する中央孔と、前記中央孔に嵌合して前記ハンドル軸を支持する軸受と、前記軸受が外側に脱落することを防止するための脱落防止部材と、貫通孔と、が設けられ、
前記支持部材は、前記貫通孔内に固定される固定部と、前記固定部からボディ内に突出して前記連動歯車を軸支する軸支部と、前記固定部からボディの外側に延出して前記側壁部の外面と前記脱落防止部材とに挟持されるフランジ部と、を備え、前記固定部と前記軸支部と前記フランジ部のそれぞれを同軸上に形成したことを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - 前記貫通孔の縁部には、前記フランジ部が入り込む凹部が形成されていることを特徴とする請求項請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
- 前記ボディには、後部開口部が形成され、
前記後部開口部を閉塞するカバー部材を備え、
前記スプール往復動装置の一部は、前記後部開口部を介して前記カバー部材内に収容されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。 - 前記ボディには、円形状の側部開口部が形成され、
前記側部開口部には、蓋部材が取り付けられ、
前記蓋部材は、前記側部開口部に螺合により固定していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
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