JP2020027914A - 保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保持装置の周囲に存在するプラズマから接合部を効果的に保護する。【解決手段】保持装置は、板状部材と、板状部材の熱膨張係数とは異なる熱膨張係数を有するベース部材と、板状部材とベース部材とを接合する接合部とを備え、板状部材の表面上に対象物を保持する装置である。保持装置は、接合部の側面を覆う第1の保護部材を備える。第1の保護部材は、無機物の繊維から構成された第1の不織布であって、接合部の側面に接合された第1の不織布を備える。【選択図】図4

Description

本明細書に開示される技術は、対象物を保持する保持装置に関する。
例えば半導体製造装置の真空チャンバー内で半導体ウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、例えばセラミックス製の板状部材と、例えば金属製のベース部材と、板状部材とベース部材とを接合する接合部と、板状部材の内部に設けられたチャック電極とを備えており、チャック電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、板状部材の表面(吸着面)にウェハを吸着して保持する。
従来、板状部材とベース部材とを接合する接合部の側面(外周面)に、接合部をプラズマから保護するための保護部材として、エラストマー製のOリングが配置された構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−208562号公報
上記従来の構成では、保護部材を構成するOリングがエラストマー製であるため、プラズマに対する耐久性が十分に高くない。また、上記従来の構成では、保護部材を構成するOリングが、接合部の側面に接合されておらず、Oリングの張力によって接合部の側面に押し付けられているだけであるため、Oリングと接合部の側面との間に隙間ができて該隙間にプラズマが入り込むおそれがある。また、上記従来の構成では、保護部材を構成するOリングの断面が略円形であるため、Oリングと接合部の側面との接触面積が小さくなり、Oリングによって接合部の側面を効果的に覆うことができず、接合部がプラズマに晒されるおそれがある。以上のことから、上記従来の構成では、保護部材によって、保持装置の周囲に存在するプラズマから接合部を効果的に保護することができない、という課題がある。
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、板状部材と、ベース部材と、接合部とを備え、板状部材の表面上に対象物を保持する保持装置一般に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示される保持装置は、第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状部材と、第3の表面を有し、前記第3の表面が前記板状部材の前記第2の表面側に位置するように配置され、前記板状部材の熱膨張係数とは異なる熱膨張係数を有するベース部材と、前記板状部材の前記第2の表面と前記ベース部材の前記第3の表面との間に配置されて前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、前記接合部の側面を覆う第1の保護部材と、を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、前記第1の保護部材は、無機物の繊維から構成された第1の不織布であって、前記接合部の前記側面に接合された第1の不織布を備える。本保持装置では、接合部の側面を覆う第1の保護部材が、無機物の繊維から構成された第1の不織布を備える。無機物の繊維から構成された第1の不織布は、エラストマー製のOリングと比較して、プラズマに対する高い耐久性を有する。また、無機物の繊維から構成された第1の不織布は、高い柔軟性を有するため、接合部の側面を覆うような形状に曲げることができると共に、板状部材とベース部材との間の熱膨張差に起因する応力が大きくなりやすい接合部の側面付近に配置することができる。この点に関し、例えばセラミックス焼結体の板は、第1の不織布と同様にプラズマに対する高い耐久性を有するが、柔軟性が低いために、接合部の側面を覆うような形状に曲げることができず、また、板状部材とベース部材との間の熱膨張差に起因する応力が大きくなりやすい接合部の側面付近に配置することもできない。また、第1の不織布は、布状部材であるため、略円形断面のOリングを用いる場合と比較して、接合部の側面を効果的に覆うことができる。また、本保持装置では、第1の保護部材を構成する第1の不織布が、接合部の側面に接合されているため、第1の不織布と接合部の側面との間に、プラズマが入り込む隙間が形成されることを抑制することができる。以上のことから、本保持装置によれば、第1の不織布を備える第1の保護部材によって、保持装置の周囲に存在するプラズマから接合部を効果的に保護することができる。
(2)上記保持装置において、さらに、前記接合部を前記第1の方向に貫通する第1の孔であって、前記板状部材における前記第1の表面と前記第2の表面とに開口する第2の孔と連通している第1の孔の内周面を覆う第2の保護部材を備え、前記第2の保護部材は、無機物の繊維から構成された第2の不織布であって、前記接合部の前記第1の孔の前記内周面に接合された第2の不織布を備える構成としてもよい。無機物の繊維から構成された第2の不織布は、プラズマに対する高い耐久性を有する。また、無機物の繊維から構成された第2の不織布は、高い柔軟性を有するため、接合部の孔の内周面を覆うような形状に曲げることができる。また、第2の不織布は、布状部材であるため、接合部の孔の内周面を効果的に覆うことができる。また、第2の不織布は、接合部の孔の内周面に接合されているため、第2の不織布と接合部の孔の内周面との間に、プラズマが入り込む隙間が形成されることを抑制することができる。以上のことから、本保持装置によれば、第2の不織布を備える第2の保護部材によって、接合部の孔に入り込んだプラズマから接合部を効果的に保護することができる。
(3)上記保持装置において、前記第1の不織布は、前記第1の方向において、前記板状部材と前記ベース部材との間に配置されている構成としてもよい。本保持装置によれば、第1の不織布を備える第1の保護部材によって、接合部がプラズマに晒されることを効果的に抑制することができ、保持装置の周囲に存在するプラズマから接合部を効果的に保護することができる。また、第1の不織布は十分な柔軟性を有するため、第1の不織布を板状部材とベース部材との間に配置しても、第1の不織布の反力によって板状部材とベース部材との接合が阻害されることを抑制することができる。
(4)上記保持装置において、前記接合部は、第1の樹脂材料を含み、前記第1の不織布における前記接合部の前記側面側の少なくとも一部分に、前記第1の樹脂材料が含浸している構成としてもよい。本保持装置によれば、第1の不織布の少なくとも一部分に含浸した樹脂材料の存在により、第1の不織布を備える第1の保護部材を接合部の側面に良好に密着させることができ、保持装置の周囲に存在するプラズマから接合部をさらに効果的に保護することができる。
(5)上記保持装置において、前記接合部は、プラズマにより変色する材料を含む構成としてもよい。本保持装置によれば、プラズマの影響による接合部の劣化度合いを容易に検知することができる。
(6)上記保持装置において、前記第1の不織布は、前記板状部材の側面より外側に配置されており、前記第1の保護部材は、さらに、前記接合部の前記側面と前記第1の不織布との間に位置して、前記第1の不織布を前記接合部の前記側面に接合する保護用接合部を備える構成としてもよい。本保持装置によれば、第1の不織布が板状部材の側面より外側に配置されているため、板状部材とベース部材との間の接合性に影響を及ぼすことなく、第1の不織布を備える第1の保護部材によって、保持装置の周囲に存在するプラズマから接合部を保護することができる。
(7)上記保持装置において、前記保護用接合部は、第2の樹脂材料を含み、前記第1の不織布における前記接合部の前記側面側の少なくとも一部分に、前記第2の樹脂材料が含浸している構成としてもよい。本保持装置によれば、第1の不織布の少なくとも一部分に含浸した樹脂材料の存在により、第1の不織布を備える第1の保護部材を接合部の側面に良好に密着させることができ、保持装置の周囲に存在するプラズマから接合部をさらに効果的に保護することができる。
(8)上記保持装置において、前記保護用接合部は、熱収縮性の樹脂材料を含む構成としてもよい。本保持装置によれば、熱によって保護用接合部が収縮することにより、第1の不織布を備える第1の保護部材を接合部の側面にさらに良好に密着させることができ、保持装置の周囲に存在するプラズマから接合部を極めて効果的に保護することができる。
(9)上記保持装置において、前記保護用接合部は、プラズマにより変色する材料を含む構成としてもよい。本保持装置によれば、プラズマの影響による保護用接合部の劣化度合いを容易に検知することができる。
(10)上記保持装置において、前記第1の不織布の伸びは、8%以上である構成としてもよい。本保持装置によれば、第1の不織布がある程度以上の伸びやすさを有するため、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力によって、第1の不織布を備える第1の保護部材が接合部の側面から剥離することを抑制することができ、長期間にわたって、保持装置の周囲に存在するプラズマから接合部を効果的に保護することができる。
(11)上記保持装置において、前記第1の不織布のヤング率は、10MPa以下である構成としてもよい。本保持装置によれば、第1の不織布がある程度以上の柔軟性を有するため、板状部材とベース部材との間の熱膨張差による応力によって、第1の不織布を備える第1の保護部材が接合部の側面から剥離することを抑制することができ、長期間にわたって、保持装置の周囲に存在するプラズマから接合部を効果的に保護することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、静電チャック、真空チャック、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
第1実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 第1実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 第1実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。 接合部30の側面31の周辺の詳細構成を示す説明図である。 接合部30に形成された孔36の内周面32の周辺の詳細構成を示す説明図である。 接合部30および側面保護部材110にひずみが発生した状態を示す説明図である。 第2実施形態の静電チャック100aのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、第1実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、第1実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、第1実施形態における静電チャック100のXY断面構成を概略的に示す説明図である。図3には、図2のIII−IIIの位置における静電チャック100のXY断面構成が示されている。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
静電チャック100は、対象物(例えば半導体ウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置された板状部材10およびベース部材20を備える。板状部材10とベース部材20とは、板状部材10の下面S2(図2参照)とベース部材20の上面S3とが、後述する接合部30を挟んで上記配列方向に対向するように配置される。すなわち、ベース部材20は、ベース部材20の上面S3が板状部材10の下面S2側に位置するように配置される。
板状部材10は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略円形平面状の上面(以下、「吸着面」という)S1を有する部材であり、例えばセラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。板状部材10の直径は例えば50mm〜500mm程度(通常は200mm〜350mm程度)であり、板状部材10の厚さは例えば1mm〜10mm程度である。板状部材10の吸着面S1は、特許請求の範囲における第1の表面に相当し、板状部材10の下面S2は、特許請求の範囲における第2の表面に相当し、Z軸方向は、特許請求の範囲における第1の方向に相当する。また、本明細書では、Z軸方向に直交する方向を「面方向」という。
図2に示すように、板状部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極40が配置されている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示せず)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWが板状部材10の吸着面S1に吸着固定される。
板状部材10の内部には、また、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)を含む抵抗発熱体により構成されたヒータ電極50が配置されている。ヒータ電極50に電源(図示せず)から電圧が印加されると、ヒータ電極50が発熱することによって板状部材10が温められ、板状部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが温められる。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
ベース部材20は、例えば板状部材10と同径の、または、板状部材10より径が大きい円形平面の板状部材であり、例えば金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材20の熱膨張係数(熱膨張率)は、板状部材10の熱膨張係数とは異なる。例えば、ベース部材20は、金属により形成され、板状部材10は、セラミックスにより形成されている。この場合には、ベース部材20の熱膨張係数は、板状部材10の熱膨張係数より大きい。本実施形態では、ベース部材20の上面S3に段差が形成されており、ベース部材20における外周側の部分(以下、「外側部OP」という)の上面S3の位置が、ベース部材20における外側部OPの内側に隣接する部分(以下、「内側部IP」という)の上面S3の位置より、下側となっている。なお、本実施形態では、Z軸方向視で、ベース部材20の外側部OPと内側部IPとの境界の位置は、板状部材10の側面11の位置と略一致している。ベース部材20の直径は例えば220mm〜550mm程度(通常は220mm〜350mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm〜40mm程度である。ベース部材20の上面S3は、特許請求の範囲における第3の表面に相当する。
ベース部材20は、板状部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置された接合部30によって、板状部材10に接合されている。接合部30の厚さは、例えば0.1mm〜1mm程度である。接合部30は、樹脂材料(接着材料)を含んでいる。本実施形態では、接合部30は、樹脂材料を主成分として含んでいる。なお、本明細書において、主成分とは、体積含有率が50vol%より大きい成分を意味する。接合部30に含まれる樹脂材料としては、シリコーン樹脂やフッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の種々の樹脂材料を用いることができるが、耐熱性が高く、かつ、柔軟な樹脂材料であるシリコーン樹脂やフッ素樹脂を用いることが好ましい。接合部30は、これらの樹脂材料を、弾性変形でき、かつ、永久ひずみが残らない範囲で含むことが好ましい。そのようにすれば、温度の変化によって各部材が伸縮しても、接合部30に永久ひずみによる皺や弛み等が生じることを抑制することができる。また、接合部30は、樹脂材料に加えて、例えばセラミックスの充填材(フィラー)を含んでいてもよい。接合部30の周辺の構成については、後に詳述する。
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、接合部30を介したベース部材20と板状部材10との間の伝熱(熱引き)により板状部材10が冷却され、板状部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
また、図2に示すように、静電チャック100には、ベース部材20の下面S4から板状部材10の吸着面S1にわたって上下方向に延びるピン挿通孔140が形成されている。すなわち、ピン挿通孔140は、ベース部材20をZ軸方向に貫通する孔26と、接合部30をZ軸方向に貫通する孔36と、板状部材10をZ軸方向に貫通する孔16とが互いに連通した一体の孔である。ピン挿通孔140は、板状部材10の吸着面S1上に保持されたウェハWを押し上げて吸着面S1から離間させるためのリフトピン(図示せず)を挿通するための孔である。接合部30に形成された孔36は、特許請求の範囲における第1の孔に相当し、板状部材10に形成された孔16は、特許請求の範囲における第2の孔に相当する。
また、図2に示すように、静電チャック100は、板状部材10とウェハWとの間の伝熱性を高めてウェハWの温度分布の制御性をさらに高めるため、板状部材10の吸着面S1とウェハWの表面との間に存在する空間に不活性ガス(例えば、ヘリウムガス)を供給する構成を備えている。すなわち、静電チャック100には、ベース部材20の下面S4から接合部30の上面にわたって上下方向に延びる第1のガス流路孔131と、第1のガス流路孔131に連通すると共に板状部材10の吸着面S1に開口する第2のガス流路孔132とが形成されている。第1のガス流路孔131は、ベース部材20をZ軸方向に貫通する孔25と、接合部30をZ軸方向に貫通する孔35とが互いに連通した一体の孔である。また、第2のガス流路孔132の下端部は、径が拡大された拡径部134となっており、拡径部134内には、通気性を有する充填部材(通気性プラグ)160が充填されている。また、板状部材10の内部には、第2のガス流路孔132と連通すると共に面方向に環状に延びる横流路133が形成されている。ヘリウムガス源(図示しない)から供給されたヘリウムガスが、第1のガス流路孔131内に流入すると、流入したヘリウムガスは、第1のガス流路孔131から拡径部134内に充填された通気性を有する充填部材160の内部を通過して板状部材10の内部の第2のガス流路孔132内に流入し、横流路133を介して面方向に流れつつ、吸着面S1に形成されたガス噴出孔から噴出する。このようにして、吸着面S1とウェハWの表面との間に存在する空間に、ヘリウムガスが供給される。接合部30に形成された孔35は、特許請求の範囲における第1の孔に相当し、板状部材10に形成された第2のガス流路孔132は、特許請求の範囲における第2の孔に相当する。
A−2.接合部30の周辺の詳細構成:
A−2−1.接合部30の側面31の周辺の詳細構成:
次に、接合部30の側面(外周面)31の周辺の詳細構成について説明する。図4は、接合部30の側面31の周辺の詳細構成を示す説明図である。図4には、図2のX1部のXZ断面構成が拡大して示されている。図4に示すように、本実施形態では、Z軸方向視で、接合部30の側面31の位置は、板状部材10の側面11の位置、および、ベース部材20の内側部IPの側面22の位置と略一致している。
図1から図4に示すように、本実施形態の静電チャック100は、接合部30の側面31を覆う側面保護部材110を備える。側面保護部材110は、接合部30の全周にわたって側面31を覆うために、Z軸方向視で環状となっている。側面保護部材110は、特許請求の範囲における第1の保護部材に相当する。
図4に示すように、側面保護部材110は、側面保護用不織布111と、側面保護用接合部118とから構成されている。側面保護用不織布111は、特許請求の範囲における第1の不織布に相当し、側面保護用接合部118は、特許請求の範囲における保護用接合部に相当する。
側面保護用不織布111は、無機物の繊維から構成された不織布である。ここで、不織布とは、繊維を機械的・化学的・熱的に処理することによって接合して作られた布である。また、繊維とは、細い糸状の物体であり、より詳細には、平均径(略円形断面の場合は直径)に対する平均長さの比(アスペクト比)が10以上の物体である。側面保護用不織布111を構成する繊維の径は、例えば、2μm以上、0.2mm以下であることが好ましく、該繊維の長さは、例えば、20μm以上、10mm以下であることが好ましい。
また、側面保護用不織布111を構成する無機物の繊維としては、アルミナ、ジルコニア、イットリア、窒化アルミ等のセラミックス繊維、ガラス繊維、金属繊維、カーボン類(カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラファイト等)の繊維、ロックウール(二酸化ケイ素と酸化カルシウムからなる人造鉱物繊維)等を用いることができる。この中で、耐プラズマ性に優れ、かつ、揮散・脱離した際にウェハWや半導体製造装置、プラズマ等への影響が小さいセラミックス繊維を用いることが好ましい。
また、側面保護用不織布111の厚さ(図4における左右方向の大きさ)と繊維密度とは、側面保護用不織布111を厚さ方向に直線的に貫通する貫通孔が無い状態(すなわち開口率が0%である状態)になるように設定されることが好ましい。すなわち、側面保護用不織布111の厚さが薄ければ側面保護用不織布111の繊維密度が高いことが好ましく、側面保護用不織布111の繊維密度が低ければ側面保護用不織布111の厚さが厚いことが好ましい。これは、プラズマ中で分子(イオン)等が散乱で妨害されることなく進むことのできる平均距離(平均自由行程)は、エッチング加工を行う圧力3Pa〜30Paの下では0.1mm〜10mmと比較的長いため、側面保護用不織布111に上記のような貫通孔が存在すると、接合部30に直接分子が届き、接合部30を劣化させてしまうためである。側面保護用不織布111の厚さは、例えば、0.1mm以上、1mm以下であることが好ましく、側面保護用不織布111の繊維密度は、不織布のかさ密度と緻密体すなわち気孔率0%の場合の密度との比較で、例えば、2%以上、30%以下であることが好ましい。
本実施形態では、側面保護用不織布111は、板状部材10の側面(外周面)11より外側に配置されている。上述したように、本実施形態では、Z軸方向視で、板状部材10の側面11の位置は、接合部30の側面31の位置、および、ベース部材20の内側部IPの側面22の位置と略一致しているため、側面保護用不織布111は、接合部30の側面31、および、ベース部材20の内側部IPの側面22より外側に配置されている。また、本実施形態では、側面保護用不織布111の長さ(図4における上下方向の大きさ)は、接合部30の厚さより大きい。すなわち、面方向視で、側面保護用不織布111は、接合部30の側面31に加えて、板状部材10の側面11における接合部30に隣接する一部分と、ベース部材20の内側部IPの側面22における接合部30に隣接する一部分とに重なっている。
側面保護用接合部118は、接合部30の側面31と側面保護用不織布111との間に位置して、側面保護用不織布111を接合部30の側面31に接合している。側面保護用接合部118の厚さ(図4における左右方向の大きさ)は、例えば、0.1mm以上、1mm以下であることが好ましい。
側面保護用接合部118は、樹脂材料(接着材料)を含んでいる。本実施形態では、側面保護用接合部118は、樹脂材料を主成分として含んでいる。側面保護用接合部118に含まれる樹脂材料としては、接合部30に含まれる樹脂材料と同様に、シリコーン樹脂やフッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の種々の樹脂材料を用いることができるが、耐熱性が高く、かつ、柔軟な樹脂材料であるシリコーン樹脂やフッ素樹脂を用いることが好ましい。また、側面保護用接合部118に含まれる樹脂材料は、熱収縮性の樹脂材料であってもよい。熱収縮性の樹脂材料としては、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂))、FEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合樹脂))、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン樹脂))等が挙げられる。熱収縮性の樹脂は、架橋樹脂の形状記憶特性により、加熱することで径方向に収縮する材料であり、押出成形、電子線照射、加熱・膨張、冷却の4工程により製造される。押出成形工程で樹脂をチューブ状に成形し、電子線照射工程でチューブを架橋し、加熱・膨張工程で架橋したチューブを加熱して軟化させ、内圧を加える等の方法で径方向に拡大し、冷却工程で、冷却し形状を固定することで製造する。電子線照射工程で架橋された形状が記憶されるため、使用時に再び加熱し軟らかくすることで、電子線照射工程後の直径まで収縮する。熱収縮性の樹脂として使用できる材料は、上記フッ素樹脂の他に、シリコーン樹脂、ポリオレフィン樹脂等もある。側面保護用接合部118に含まれる樹脂材料は、特許請求の範囲における第2の樹脂材料に相当する。
また、側面保護用接合部118は、樹脂材料に加えて、熱伝導率やヤング率の制御のために例えばセラミックスの充填材(フィラー)を含んでいてもよい。セラミックスの充填材としては、例えば、アルミナ、シリカ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、側面保護用接合部118は、樹脂材料に加えて、プラズマにより変色する材料を含んでいてもよい。プラズマにより変色する無機材料としては、例えば、Mo、W、Sn、V、Ce、TeおよびBiからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む平均粒子径が50μm以下の金属酸化物微粒子が挙げられ、より具体的には、酸化モリブデン微粒子(IV)、酸化モリブデン微粒子(VI)、酸化タングステン微粒子(VI)、酸化スズ微粒子(IV)、酸化バナジウム微粒子(II)、酸化バナジウム微粒子(III)、酸化バナジウム微粒子(IV)、酸化バナジウム微粒子(V)、酸化セリウム微粒子(IV)、酸化テルル微粒子(IV)、酸化ビスマス微粒子(III)、炭酸酸化ビスマス微粒子(III)及び酸化硫酸バナジウム微粒子(IV)等が挙げられる。プラズマにより変色する有機材料としては、例えば、アントラキノン系色素、メチン系色素、アゾ系色素、フタロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素およびキサンテン系色素等が挙げられる。含有量は、着色剤の種類や色相等に応じて適宜決定できるが、一般的には、組成物中の0.05〜5重量%程度、特に0.1〜1重量%とすることが好ましい。
本実施形態では、側面保護用接合部118は、側面保護用不織布111における接合部30の側面31に対向する側の表面の全体に配置されている。また、側面保護用接合部118は、接合部30の側面31に加えて、板状部材10の側面11における接合部30に隣接する一部分と、ベース部材20の内側部IPの側面22における接合部30に隣接する一部分とを覆うように形成されている。また、本実施形態では、側面保護用不織布111における接合部30の側面31側の一部分P1に、側面保護用接合部118に含まれる樹脂材料と同種の樹脂材料が含浸している。
A−2−2.接合部30に形成された孔35,36の内周面の周辺の詳細構成:
次に、接合部30に形成された孔35,36の内周面の周辺の詳細構成について説明する。以下、代表として、接合部30に形成された孔35,36のうち、孔36の内周面の周辺の詳細構成を説明する。接合部30に形成された他の孔35の内周面の周辺の構成も同様である。図5は、接合部30に形成された孔36の内周面32の周辺の詳細構成を示す説明図である。図5には、図2のX2部のXZ断面構成が拡大して示されている。
図2および図5に示すように、本実施形態の静電チャック100は、接合部30に形成された孔36の内周面32を覆う内周面保護部材120を備える。内周面保護部材120は、孔36の全周にわたって内周面32を覆うために、Z軸方向視で環状となっている。内周面保護部材120は、特許請求の範囲における第2の保護部材に相当する。なお、図3では、接合部30に形成された孔35,36や、該孔35,36の内周面を覆う内周面保護部材120の図示を省略している。
図5に示すように、内周面保護部材120は、内周面保護用不織布122と、内周面保護用接合部128とから構成されている。内周面保護用不織布122は、特許請求の範囲における第2の不織布に相当する。
内周面保護用不織布122は、上述した側面保護用不織布111と同様に、無機物の繊維から構成された不織布である。内周面保護用不織布122を構成する無機物の繊維としては、側面保護用不織布111を構成する無機物の繊維と同様の繊維を用いることができる。側面保護用不織布111を構成する繊維と同様に、内周面保護用不織布122を構成する繊維の径は、例えば、2μm以上、0.2mm以下であることが好ましく、該繊維の長さは、例えば、20μm以上、10mm以下であることが好ましい。
また、側面保護用不織布111と同様に、内周面保護用不織布122の厚さと繊維密度とは、内周面保護用不織布122を厚さ方向に直線的に貫通する貫通孔が無い状態(すなわち開口率が0%である状態)になるように設定されることが好ましい。側面保護用不織布111と同様に、内周面保護用不織布122の厚さは、例えば、0.1mm以上、1mm以下であることが好ましく、内周面保護用不織布122の繊維密度は、不織布のかさ密度と緻密体すなわち気孔率0%の場合の密度との比較で、例えば、2%以上、30%以下であることが好ましい。
本実施形態では、内周面保護用不織布122の長さ(図5における上下方向の大きさ)は、接合部30の厚さより大きい。すなわち、面方向視で、内周面保護用不織布122は、接合部30の孔36の内周面32に加えて、板状部材10の孔(ピン挿通孔140を構成する孔)の内周面における接合部30に隣接する一部分と、ベース部材20の孔(ピン挿通孔140を構成する孔)の内周面における接合部30に隣接する一部分とに重なっている。
内周面保護用接合部128は、接合部30の孔36の内周面32と内周面保護用不織布122との間に位置して、内周面保護用不織布122を接合部30の孔36の内周面32に接合している。側面保護用接合部118と同様に、内周面保護用接合部128の厚さ(図5における左右方向の大きさ)は、例えば、0.1mm以上、1mm以下であることが好ましい。
内周面保護用接合部128は、樹脂材料(接着材料)を含んでいる。本実施形態では、内周面保護用接合部128は、樹脂材料を主成分として含んでいる。内周面保護用接合部128に含まれる樹脂材料としては、側面保護用接合部118に含まれる樹脂材料と同様に、シリコーン樹脂やフッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の種々の樹脂材料を用いることができるが、耐熱性が高く、かつ、柔軟な樹脂材料であるシリコーン樹脂やフッ素樹脂を用いることが好ましい。また、内周面保護用接合部128は、側面保護用接合部118と同様に、樹脂材料に加えて、例えばセラミックスの充填材(フィラー)や、プラズマにより変色する材料を含んでいてもよい。
本実施形態では、内周面保護用接合部128は、内周面保護用不織布122における接合部30の孔36の内周面32に対向する側の表面の全体に配置されている。また、内周面保護用接合部128は、接合部30の孔36の内周面32に加えて、板状部材10の孔(ピン挿通孔140を構成する孔)の内周面における接合部30に隣接する一部分と、ベース部材20の孔(ピン挿通孔140を構成する孔)の内周面における接合部30に隣接する一部分とを覆うように形成されている。また、本実施形態では、内周面保護用不織布122における接合部30の孔36の内周面32側の一部分P2に、内周面保護用接合部128に含まれる樹脂材料と同種の樹脂材料が含浸している。
A−2−3.側面保護用不織布111および内周面保護用不織布122の物性:
本実施形態の静電チャック100に用いられる側面保護用不織布111および内周面保護用不織布122の伸びは、8%以上である。すなわち、側面保護用不織布111および内周面保護用不織布122は、ある程度以上の伸びやすさを有する。
これらの不織布の伸びは、公知の特定方法(例えば、下記のように、公知の引張試験機(例えば、島津製作所製のオートグラフAG−IS)による引張試験を行う方法)を用いて特定することができる。試験片は、シート状に成形し、材料に応じて加熱・硬化した後、所定の大きさに切り出すことにより作製することができる。試験片の大きさは、例えば、幅10mm×長さ70mmである。試験片の両端の長さ20mmの部分を治具で保持し、中間の長さ30mmの部分を初期のサンプル長L0とする。試験片が破断するまで、例えば50mm/分の速度で引っ張りながら、移動距離とその時の荷重とを測定する。荷重を、試験前の試験片の断面積(幅×厚さ)で除すことにより、引張応力を算出する。引張応力が最大となったときのサンプル長L1と初期のサンプル長L0とから、以下の式によって伸びを算出することができる。なお、試験片の形状は、JIS K 6251:2010で定められたダンベル形状としてもよい。
伸び(%)={(L1−L0)/L0}×100
また、被着体に接合済みの接合材料の伸びを測定する場合には、ナイフ等を用いて被着体から接合材料をそぎ落とし、例えば上記と同じ幅10mm×長さ70mmに切り出して試験片を作製し、上記と同様の方法で伸びを算出することができる。
また、本実施形態の静電チャック100に用いられる側面保護用不織布111および内周面保護用不織布122のヤング率は、10MPa以下である。すなわち、側面保護用不織布111および内周面保護用不織布122は、ある程度以上の柔軟性を有する。
これらの不織布のヤング率は、公知の特定方法(例えば、下記のように、公知の引張試験機(例えば、島津製作所製のオートグラフAG−IS)による引張試験を行う方法)を用いて特定することができる。試験片は、シート状に成形し、材料に応じて加熱・硬化した後、所定の大きさに切り出すことにより作製することができる。試験片の大きさは、例えば、幅10mm×長さ70mmである。試験片の両端の長さ20mmの部分を治具で保持し、中間の長さ30mmの部分をサンプル長とする。試験片が破断するまで、例えば50mm/分の速度で引っ張りながら、移動距離とその時の荷重とを測定する。荷重を、試験前の試験片の断面積(幅×厚さ)で除すことにより、引張応力を算出し、試験中のサンプル長さをL2として、ひずみを次の式で算出する。
ひずみ(%)={(L2−L1)/L0}×100
引張応力−ひずみ線図の原点付近の傾きからヤング率(弾性率)を算出する。なお、試験片の形状は、JIS K 6251:2010で定められたダンベル形状としてもよい。
また、被着体に接合済みの接合材料のヤング率を測定する場合には、ナイフ等を用いて被着体から接合材料をそぎ落とし、例えば上記と同じ幅10mm×長さ70mmに切り出して試験片を作製し、上記と同様の方法でヤング率を算出することができる。
A−3.静電チャック100の製造方法:
本実施形態の静電チャック100の製造方法は、例えば以下の通りである。まず、公知の方法により、板状部材10を作製する。例えば、セラミックスグリーンシートを複数枚作製し、所定のセラミックスグリーンシートに所定の加工を行う。所定の加工としては、例えば、チャック電極40やヒータ電極50等の形成のためのメタライズペーストの印刷、各種ビアの形成のための孔空けおよびメタライズペーストの充填等が挙げられる。これらのセラミックスグリーンシートを積層して熱圧着し、切断等の加工を行うことにより、セラミックスグリーンシートの積層体を作製する。作製されたセラミックスグリーンシートの積層体を焼成することにより、セラミックス焼成体である板状部材10を作製する。また、公知の方法により、ベース部材20を作製する。
また、接合部30を形成するためのシート状接着剤を作製する。具体的には、液状の樹脂材料に充填材を加えて作製したペーストを、例えば離型シート上に膜状に塗布した後、所定の硬化処理によって半硬化させることにより、シート状接着剤を作製する。作製されたシート状接着剤に対して、例えば打ち抜き加工を行うことにより、シート状接着剤の形状を所望の形状(例えば、略円形)にする。
その後、シート状接着剤を用いて、板状部材10とベース部材20とを接合する。具体的には、板状部材10とベース部材20との一方の表面(接合面)にシート状接着剤を配置し、板状部材10とベース部材20とをシート状接着剤を介して貼り合わせ、シート状接着剤を硬化させる硬化処理を行うことにより、接合部30を形成する。
次に、側面保護部材110を形成する。具体的には、側面保護用接合部118を形成するためのシート状接着剤を、上述した接合部30を形成するためのシート状接着剤と同様に作製する。また、側面保護用不織布111の一方の表面側に、シート状接着剤をプレスするなどの方法により、側面保護用接合部118用の樹脂材料を含浸させ、シート状接着剤と側面保護用不織布111とを複合化した複合シート状接着剤を作製する。元のシート状接着剤の厚さとプレス圧力などの条件を調整することにより、側面保護部材110となる複合シート状接着剤において、側面保護用接合部118の厚さと含浸した厚さP2とを制御することができる。側面保護用不織布111の該表面に、樹脂材料の含浸を促進させるための処理(例えば、シランカップリング処理)を予め施しておいてもよい。その後、複合シート状接着剤から、所定の長さと幅で切り出す。長さは巻き回す円周の長さで、例えば図4では板状部材10の外周の長さで、幅はZ軸方向の高さである。切り出した複合シート状接着剤を側面保護部材110の取り付け箇所(接合部30の側面31)に貼り付ける。その後、該複合シート状接着剤を硬化させる硬化処理を行うことにより、側面保護用接合部118を形成する。これにより、側面保護用不織布111が側面保護用接合部118によって接合部30の側面31に接合された構成の側面保護部材110が形成される。同様にして、内周面保護部材120を形成する。接合部30を形成するための硬化処理と、側面保護部材110や内周面保護部材120を形成するための硬化処理とは、同時に行ってもよい。主として以上の工程により、本実施形態の静電チャック100が製造される。
A−4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の静電チャック100は、板状部材10と、ベース部材20と、接合部30とを備える。板状部材10は、Z軸方向に略直交する吸着面S1と、吸着面S1とは反対側の下面S2とを有する。ベース部材20は、上面S3を有し、上面S3が板状部材10の下面S2側に位置するように配置されている。ベース部材20の熱膨張係数は、板状部材10の熱膨張係数と異なる。接合部30は、板状部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置されて板状部材10とベース部材20とを接合する。また、本実施形態の静電チャック100は、さらに、接合部30の側面31を覆う側面保護部材110を備える。側面保護部材110は、無機物の繊維から構成された側面保護用不織布111を備える。側面保護用不織布111は、接合部30の側面31に接合されている。
このように、本実施形態の静電チャック100では、接合部30の側面31を覆う側面保護部材110が、無機物の繊維から構成された側面保護用不織布111を備える。無機物の繊維から構成された側面保護用不織布111は、エラストマー製のOリングと比較して、プラズマに対する高い耐久性を有する。また、無機物の繊維から構成された側面保護用不織布111は、高い柔軟性を有するため、接合部30の側面31を覆うような形状に曲げることができると共に、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差に起因する応力が大きくなりやすい接合部30の側面31付近に配置することができる。この点に関し、例えばセラミックス焼結体の板は、側面保護用不織布111と同様にプラズマに対する高い耐久性を有するが、柔軟性が低いために、接合部30の側面31を覆うような形状に曲げることができず、また、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差に起因する応力が大きくなりやすい接合部30の側面31付近に配置することもできない。また、側面保護用不織布111は、布状部材であるため、略円形断面のOリングを用いる場合と比較して、接合部30の側面31を効果的に覆うことができる。また、本実施形態の静電チャック100では、側面保護部材110を構成する側面保護用不織布111が、接合部30の側面31に接合されているため、側面保護用不織布111と接合部30の側面31との間に、プラズマが入り込む隙間が形成されることを抑制することができる。以上のことから、本実施形態の静電チャック100によれば、側面保護用不織布111を備える側面保護部材110によって、静電チャック100の周囲に存在するプラズマから接合部30を効果的に保護することができる。
また、本実施形態の静電チャック100は、さらに、内周面保護部材120を備える。内周面保護部材120は、接合部30をZ軸方向に貫通する孔35,36であって、板状部材10における吸着面S1と下面S2とに開口する孔16,132と連通している孔35,36の内周面を覆っている。内周面保護部材120は、無機物の繊維から構成された内周面保護用不織布122を備える。内周面保護用不織布122は、接合部30の孔35,36の内周面32に接合されている。無機物の繊維から構成された内周面保護用不織布122は、プラズマに対する高い耐久性を有する。また、無機物の繊維から構成された内周面保護用不織布122は、高い柔軟性を有するため、接合部30の孔35,36の内周面32を覆うような形状に曲げることができる。また、内周面保護用不織布122は、布状部材であるため、接合部30の孔35,36の内周面32を効果的に覆うことができる。また、内周面保護用不織布122は、接合部30の孔35,36の内周面32に接合されているため、内周面保護用不織布122と接合部30の孔35,36の内周面32との間に、プラズマが入り込む隙間が形成されることを抑制することができる。以上のことから、本実施形態の静電チャック100によれば、内周面保護用不織布122を備える内周面保護部材120によって、接合部30の孔35,36に入り込んだプラズマから接合部30を効果的に保護することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、側面保護部材110を構成する側面保護用不織布111は、板状部材10の側面11より外側に配置されている。また、側面保護部材110は、さらに、接合部30の側面31と側面保護用不織布111との間に位置して、側面保護用不織布111を接合部30の側面31に接合する側面保護用接合部118を備える。このように、本実施形態の静電チャック100によれば、側面保護用不織布111が板状部材10の側面11より外側に配置されているため、板状部材10とベース部材20との間の接合性に影響を及ぼすことなく、側面保護用不織布111を備える側面保護部材110によって、静電チャック100の周囲に存在するプラズマから接合部30を保護することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、側面保護部材110を構成する側面保護用接合部118は、樹脂材料を含んでいる。また、側面保護用不織布111における接合部30の側面31側の一部分P1に、側面保護用接合部118に含まれる樹脂材料と同種の樹脂材料が含浸している。そのため、本実施形態の静電チャック100によれば、側面保護用不織布111の一部分P1に含浸した樹脂材料の存在により、側面保護用不織布111を備える側面保護部材110を接合部30の側面31に良好に密着させることができ、静電チャック100の周囲に存在するプラズマから接合部30をさらに効果的に保護することができる。
また、本実施形態の静電チャック100では、側面保護部材110を構成する側面保護用不織布111の伸びは、8%以上である。すなわち、側面保護用不織布111は、ある程度以上の伸びやすさを有する。図6に示すように、図4に示された状態(初期状態)から温度が変化すると、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差に起因して、接合部30および側面保護部材110にひずみが発生する。この状態では、初期状態における側面保護用不織布111(より詳細には、側面保護用不織布111のうちの接合部30に対向する部分)の長さL0と比較して、側面保護用不織布111(同じく、側面保護用不織布111のうちの接合部30に対向する部分)の長さL1が長くなる。すなわち、側面保護用不織布111に、伸び(={(L1−L0)/L0}×100)が生ずる。本実施形態の静電チャック100では、側面保護用不織布111がある程度以上の伸びやすさを有するため、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力によって、側面保護用不織布111を備える側面保護部材110が接合部30の側面31から剥離することを抑制することができ、長期間にわたって、静電チャック100の周囲に存在するプラズマから接合部30を効果的に保護することができる。例えば、板状部材10の直径が360mmであり、接合部30の厚さが1mmであり、板状部材10がアルミナ(熱膨張係数:8.2ppm/K)により形成され、ベース部材20がアルミニウム(熱膨張係数:23ppm/K)により形成され、応力ゼロとなる温度を100℃(硬化温度)とし、使用時温度を板状部材10では150℃、ベース部材20では20℃としたとき、側面保護用不織布111の伸びが8%以上であれば、側面保護用不織布111が剥離することはない。
また、本実施形態の静電チャック100では、側面保護部材110を構成する側面保護用不織布111のヤング率は、10MPa以下である。すなわち、側面保護用不織布111は、ある程度以上の柔軟性を有する。そのため、本実施形態の静電チャック100によれば、板状部材10とベース部材20との間の熱膨張差による応力によって、側面保護用不織布111を備える側面保護部材110が接合部30の側面31から剥離することを抑制することができ、長期間にわたって、静電チャック100の周囲に存在するプラズマから接合部30を効果的に保護することができる。
なお、本実施形態の静電チャック100において、側面保護用接合部118は、熱収縮性の樹脂材料を含むとしてもよい。そのような構成によれば、熱によって側面保護用接合部118が収縮することにより、側面保護用不織布111を備える側面保護部材110を接合部30の側面31にさらに良好に密着させることができ、静電チャック100の周囲に存在するプラズマから接合部30を極めて効果的に保護することができる。
また、本実施形態の静電チャック100において、側面保護用接合部118は、プラズマにより変色する材料を含むとしてもよい。そのような構成によれば、プラズマの影響による側面保護用接合部118の劣化度合いを容易に検知することができる。
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態の静電チャック100aのXZ断面構成を概略的に示す説明図である。以下では、第2実施形態の静電チャック100aの構成の内、上述した第1実施形態の静電チャック100の構成と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
図7に示すように、第2実施形態の静電チャック100aは、第1実施形態の静電チャック100と比較して、板状部材10a、接合部30aおよび側面保護部材110aの構成が異なっている。具体的には、本実施形態では、Z軸方向視で、板状部材10aの側面11の位置が、ベース部材20の外側部OPと内側部IPとの境界の位置より外側に位置している。
また、本実施形態では、Z軸方向視で、接合部30aの側面31の位置は、板状部材10aの側面11の位置より内側に位置している。すなわち、Z軸方向において、板状部材10aの外周部とベース部材20の外側部OPとの間には、接合部30aが存在しない空間(後述するように、側面保護用不織布111が配置される空間)が確保されている。なお、本実施形態では、Z軸方向視で、接合部30aの側面31の位置は、ベース部材20の内側部IPの側面22の位置より外側に位置している。そのため、接合部30aの厚さは、外周側の部分(板状部材10aとベース部材20の外側部OPとに挟まれた部分であり、以下「外側接合部302」という)において、他の部分(以下、「内側接合部301」という)より厚くなっている。なお、第1実施形態と同様に、接合部30aは、樹脂材料を主成分として含んでおり、また、接合部30aは、プラズマにより変色する材料を含んでいてもよい。
また、本実施形態では、接合部30aの側面31を覆う側面保護部材110aは、側面保護用不織布111から構成されている。側面保護用不織布111は、Z軸方向において、板状部材10aとベース部材20の外側部OPとの間に配置されており、接合部30aの側面31に直接的に接合されている。なお、本実施形態では、Z軸方向視で、側面保護用不織布111の側面(外周面)112の位置は、板状部材10aの側面11の位置と略一致している。側面保護部材110aは、特許請求の範囲における第1の保護部材に相当する。
また、本実施形態では、側面保護部材110aを構成する側面保護用不織布111の長さ(図7における上下方向の大きさ)は、接合部30aにおける内側接合部301の厚さより大きく、かつ、接合部30aにおける外側接合部302の厚さと略同一である。また、本実施形態では、側面保護用不織布111における接合部30aの側面31側の一部分P1に、接合部30aに含まれる樹脂材料と同種の樹脂材料が含浸している。接合部30aに含まれる樹脂材料は、特許請求の範囲における第1の樹脂材料に相当する。
このような構成の第2実施形態の静電チャック100aは、例えば、上述した第1実施形態の静電チャック100の製造方法と同様の方法により製造することができる。ただし、上述した第1実施形態の静電チャック100の製造方法において、「接合部30」を「接合部30aの内側接合部301」と読み替え、「側面保護用接合部118」を「接合部30aの外側接合部302」と読み替える。すなわち、板状部材10aとベース部材20とを作製し、接合部30aの内側接合部301を形成するためのシート状接着剤を介して板状部材10aとベース部材20とを貼り合わせ、該シート状接着剤を硬化させる硬化処理を行うことにより、接合部30aの内側接合部301を形成する。また、樹脂材料を含浸させた側面保護用不織布111の表面に接合部30aの外側接合部302を形成するためのシート状接着剤を配置し、該シート状接着剤を接合部30aの内側接合部301の側面に貼り付け、該シート状接着剤を硬化させる硬化処理を行うことにより、接合部30aの外側接合部302を形成する。これにより、側面保護用不織布111が接合部30a(内側接合部301および外側接合部302)の側面31に接合された構成の側面保護部材110aが形成される。主として以上の工程により、本実施形態の静電チャック100aが製造される。
以上説明したように、第2実施形態の静電チャック100aでは、側面保護部材110aを構成する側面保護用不織布111が、Z軸方向において、板状部材10aとベース部材20との間に配置されている。そのため、第2実施形態の静電チャック100aによれば、側面保護用不織布111を備える側面保護部材110aによって、接合部30aがプラズマに晒されることを効果的に抑制することができ、静電チャック100aの周囲に存在するプラズマから接合部30aを効果的に保護することができる。また、側面保護用不織布111は十分な柔軟性を有するため、側面保護用不織布111を板状部材10aとベース部材20との間に配置しても、側面保護用不織布111の反力によって板状部材10aとベース部材20との接合が阻害されることを抑制することができる。
また、第2実施形態の静電チャック100aでは、側面保護用不織布111における接合部30aの側面31側の一部分P1に、接合部30aに含まれる樹脂材料と同種の樹脂材料が含浸している。そのため、第2実施形態の静電チャック100aによれば、側面保護用不織布111の一部分P1に含浸した樹脂材料の存在により、側面保護用不織布111を備える側面保護部材110aを接合部30aの側面31に良好に密着させることができ、静電チャック100aの周囲に存在するプラズマから接合部30aをさらに効果的に保護することができる。
また、第2実施形態の静電チャック100aにおいて、接合部30aは、プラズマにより変色する材料を含むとしてもよい。そのような構成によれば、プラズマの影響による接合部30aの劣化度合いを容易に検知することができる。
C.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、側面保護用不織布111の長さが接合部30の厚さより大きいが、側面保護用不織布111の長さが接合部30の厚さと略同一であってもよい。
上記第1実施形態では、側面保護用不織布111が側面保護用接合部118によって接合部30の側面31に接合されているが、側面保護用不織布111が直接的に接合部30の側面31に接合されていてもよい。
上記第2実施形態では、Z軸方向視で、接合部30aの側面31の位置が、ベース部材20の内側部IPの側面22の位置より外側であるが、接合部30aの側面31の位置が、ベース部材20の内側部IPの側面22の位置と略同一であってもよいし、ベース部材20の内側部IPの側面22の位置より内側であってもよい。この場合において、接合部30aの厚さは略均一であるとしてもよい。また、上記第2実施形態では、Z軸方向視で、側面保護用不織布111の側面112の位置が、板状部材10aの側面11の位置と略同一であるが、側面保護用不織布111の側面112の位置が、板状部材10aの側面11の位置より内側であってもよいし、ベース部材20の内側部IPの側面22の位置より内側であってもよい。
上記実施形態では、ベース部材20の上面S3に段差(内側部IPと外側部OPとの境界位置の段差)が存在しているが、該段差はなくてもよい。
上記実施形態において、接合部30に形成された複数の孔のうちの一部または全部について、孔の内周面に内周面保護部材120が配置されていないとしてもよい。
上記実施形態では、側面保護用不織布111の一部分P1や内周面保護用不織布122の一部分P2に樹脂材料が含浸しているが、側面保護用不織布111や内周面保護用不織布122の全体に樹脂材料が含浸しているとしてもよいし、側面保護用不織布111や内周面保護用不織布122には樹脂材料が含浸していないとしてもよい。
上記実施形態では、側面保護用不織布111および内周面保護用不織布122の伸びは8%以上であり、側面保護用不織布111および内周面保護用不織布122のヤング率は10MPa以下であるとしているが、これらの物性値の数値範囲は好ましい範囲であり、これらの物性値の数値範囲を満たすことは必ずしも必須ではない。
上記実施形態では、板状部材10の内部にヒータ電極50が配置されているが、必ずしも板状部材10の内部にヒータ電極50が配置されている必要はない。また、上記実施形態では、ベース部材20に冷媒流路21が形成されているが、必ずしもベース部材20に冷媒流路21が形成されている必要はない。
上記実施形態では、板状部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、板状部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。
上記実施形態の静電チャック100における各部材の形成材料は、あくまで一例であり、任意に変更可能である。例えば、上記実施形態では、板状部材10が、セラミックスにより形成されているが、板状部材10が、セラミックス以外の材料(例えば、樹脂材料)により形成されるとしてもよい。また、上記第1実施形態において、接合部30に含まれる樹脂材料と側面保護用接合部118および内周面保護用接合部128に含まれる樹脂材料とは、同種でも異種でもよい。また、上記第2実施形態において、接合部30aの内側接合部301に含まれる樹脂材料と接合部30aの外側接合部302に含まれる樹脂材料とは、同種でも異種でもよい。ただし、それらの樹脂材料が同種であれば、熱膨張係数が互いに近くなり、相互の接着性が良好となるため、好ましい。また、上記実施形態では、接合部30や側面保護用接合部118、内周面保護用接合部128が樹脂材料を主成分として含んでいるが、それらの少なくとも1つが樹脂材料を副成分として含むとしてもよいし、樹脂材料を含まないとしてもよい。
上記実施形態の静電チャック100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記第2実施形態では、接合部30aの内側接合部301によって板状部材10aとベース部材20とを接合した後に、接合部30aの外側接合部302によって側面保護用不織布111を接合しているが、板状部材10aとベース部材20との接合時に、接合部30aの内側接合部301と外側接合部302と側面保護用不織布111とを形成するとしてもよい。また、側面保護用不織布111や内周面保護用不織布122に樹脂材料を予め含浸させておく必要はなく、接合部30aや側面保護用接合部118、内周面保護用接合部128から染み出した樹脂材料が側面保護用不織布111や内周面保護用不織布122に含浸するものとしてもよい。
本発明は、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、板状部材と、ベース部材と、接合部とを備え、板状部材の表面上に対象物を保持する他の保持装置(例えば、真空チャック等)にも同様に適用可能である。
10:板状部材 11:側面 16:孔 20:ベース部材 21:冷媒流路 22:側面 25:孔 26:孔 30:接合部 31:側面 32:内周面 35:孔 36:孔 40:チャック電極 50:ヒータ電極 100:静電チャック 110:側面保護部材 111:側面保護用不織布 112:側面 118:側面保護用接合部 120:内周面保護部材 122:内周面保護用不織布 128:内周面保護用接合部 131:第1のガス流路孔 132:第2のガス流路孔 133:横流路 134:拡径部 140:ピン挿通孔 160:充填部材 301:内側接合部 302:外側接合部 IP:内側部 OP:外側部 S1:吸着面 S2:下面 S3:上面 S4:下面 W:ウェハ

Claims (11)

  1. 第1の方向に略直交する第1の表面と、前記第1の表面とは反対側の第2の表面と、を有する板状部材と、
    第3の表面を有し、前記第3の表面が前記板状部材の前記第2の表面側に位置するように配置され、前記板状部材の熱膨張係数とは異なる熱膨張係数を有するベース部材と、
    前記板状部材の前記第2の表面と前記ベース部材の前記第3の表面との間に配置されて前記板状部材と前記ベース部材とを接合する接合部と、
    前記接合部の側面を覆う第1の保護部材と、
    を備え、前記板状部材の前記第1の表面上に対象物を保持する保持装置において、
    前記第1の保護部材は、無機物の繊維から構成された第1の不織布であって、前記接合部の前記側面に接合された第1の不織布を備える、
    ことを特徴とする保持装置。
  2. 請求項1に記載の保持装置において、さらに、
    前記接合部を前記第1の方向に貫通する第1の孔であって、前記板状部材における前記第1の表面と前記第2の表面とに開口する第2の孔と連通している第1の孔の内周面を覆う第2の保護部材を備え、
    前記第2の保護部材は、無機物の繊維から構成された第2の不織布であって、前記接合部の前記第1の孔の前記内周面に接合された第2の不織布を備える、
    ことを特徴とする保持装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保持装置において、
    前記第1の不織布は、前記第1の方向において、前記板状部材と前記ベース部材との間に配置されている、
    ことを特徴とする保持装置。
  4. 請求項3に記載の保持装置において、
    前記接合部は、第1の樹脂材料を含み、
    前記第1の不織布における前記接合部の前記側面側の少なくとも一部分に、前記第1の樹脂材料が含浸している、
    ことを特徴とする保持装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記接合部は、プラズマにより変色する材料を含む、
    ことを特徴とする保持装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の保持装置において、
    前記第1の不織布は、前記板状部材の側面より外側に配置されており、
    前記第1の保護部材は、さらに、前記接合部の前記側面と前記第1の不織布との間に位置して、前記第1の不織布を前記接合部の前記側面に接合する保護用接合部を備える、
    ことを特徴とする保持装置。
  7. 請求項6に記載の保持装置において、
    前記保護用接合部は、第2の樹脂材料を含み、
    前記第1の不織布における前記接合部の前記側面側の少なくとも一部分に、前記第2の樹脂材料が含浸している、
    ことを特徴とする保持装置。
  8. 請求項6または請求項7に記載の保持装置において、
    前記保護用接合部は、熱収縮性の樹脂材料を含む、
    ことを特徴とする保持装置。
  9. 請求項6から請求項8までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記保護用接合部は、プラズマにより変色する材料を含む、
    ことを特徴とする保持装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記第1の不織布の伸びは、8%以上である、
    ことを特徴とする保持装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載の保持装置において、
    前記第1の不織布のヤング率は、10MPa以下である、
    ことを特徴とする保持装置。
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