JP2020027135A - 露光装置、および物品の製造方法 - Google Patents

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Takeshi Ito
伊藤  剛
喜行 日向野
Yoshiyuki Hyugano
喜行 日向野
宏 猪飼
Hiroshi Igai
宏 猪飼
中島 大輔
Daisuke Nakajima
大輔 中島
研二 池田
Kenji Ikeda
研二 池田
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Katsutoshi Usui
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博一 草柳
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Abstract

【課題】異常スコープが生じた場合の対処において有利な技術を提供する。【解決手段】投影光学系を介して原版のパターンを基板上に転写する露光装置は、前記投影光学系を介さずに前記基板に設けられたマークをそれぞれ検出する複数のスコープを有する検出部と、前記基板と前記検出部とを相対的に移動させながら、前記基板に設けられた複数のマークを前記検出部に順次検出させ、前記検出部での検出結果に基づいて前記基板の位置を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記複数のスコープにおいて異常スコープが生じた場合に、前記複数のスコープのうち前記異常スコープ以外のスコープに前記複数のマークを検出させる。【選択図】図1

Description

本発明は、露光装置、および物品の製造方法に関する。
液晶パネルや有機ELパネル等のフラットパネルや、半導体デバイスの製造には、マスクなどの原版のパターンを、レジストが塗布されたガラスプレートやウェハなどの基板に転写する露光装置が用いられる。このような露光装置では、スループットを向上させるため、原版と基板とのアライメントを高精度かつ高速に行うことが求められており、それには、基板に設けられた複数のマークの検出時間を短縮することが望まれている。
特許文献1には、基板上のマークを投影光学系を介して原版上のマークとともに検出するアライメント検出部と、基板上のマークを投影光学系を介さずに検出するオフアクシス検出部とを有する露光装置が提案されている。特許文献1に記載された露光装置では、オフアクシス検出部において同時に検出ことができるマークの数(即ち、基板上のマークを検出するスコープの数)がアライメント検出部より多くなるようにオフアクシス検出部が構成される。そして、基板上の複数のマークをオフアクシス検出部に検出させることによって検出時間の短縮を実現している。
特開2015−198202号公報
オフアクシス検出部では、それに含まれる複数のスコープにおいて、基板上のマークを計測できなくなった等の異常を有するスコープ(異常スコープ)が生じる場合がある。この場合、従来の露光装置では、基板上における複数のマークの全てをアライメント検出部に検出させることによって対処していたが、そのような対処では検出時間の点で不利になることがある。
そこで、本発明は、異常スコープが生じた場合の対処において有利な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての露光装置は、投影光学系を介して原版のパターンを基板上に転写する露光装置であって、前記投影光学系を介さずに前記基板に設けられたマークをそれぞれ検出する複数のスコープを有する検出部と、前記基板と前記検出部とを相対的に移動させながら、前記基板に設けられた複数のマークを前記検出部に順次検出させ、前記検出部での検出結果に基づいて前記基板の位置を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記複数のスコープにおいて異常スコープが生じた場合に、前記複数のスコープのうち前記異常スコープ以外のスコープに前記複数のマークを検出させる、ことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、異常スコープが生じた場合の対処において有利な技術を提供することができる。
露光装置の構成を示す概略図である。 (a)アライメント検出部の構成例、(b)オフアクシス検出部の構成例、(c)基板における複数のショット領域および複数の基板側マークの配置例をそれぞれ示す図である。 露光処理を示すフローチャートである。 複数の基板側マークの検出方法を示すフローチャートである。 通常検出モードにおける基板側マークの検出を示す図である。 オフアクシス検出部の位置と該位置で用いられるスコープとの対応関係を示す図である。 基板に対するオフアクシス検出部の位置を示す図である。 検出順序に関する各候補と、オフアクシス検出部の移動距離との関係を示す図である。 候補1についての検出時間の算出例を示す図である。 各候補についての検出時間の算出結果を示す図である。 複数の異常スコープが生じた例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。以下の実施形態では、鉛直方向であるZ方向に垂直な面内において互いに直行する2つの方向をX方向およびY方向とする。
本発明に係る実施形態の露光装置100について説明する。露光装置100は、例えば液晶表示デバイスや有機ELディスプレイなどのフラットパネルや半導体デバイスを製造する際のリソグラフィ工程に使用されるものである。具体的には、露光装置100は、原版Mおよび投影光学系を通過した光で基板W(基板W上に塗布されたレジスト)を露光することにより、基板Wにおける複数のショット領域Sの各々に原版Mのパターンを転写する処理(露光処理)を行うものである。本実施形態では、露光装置100を、原版Mと基板Wとを相対的に走査しながら原版Mのパターンを基板Wに転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(スキャナ)とするが、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(ステッパ)としてもよい。ここで、原版Mとしては、例えばマスクやレチクルなどが用いられ、基板Wとしては、例えばガラスプレートや半導体ウェハなどが用いられうる。
[露光装置の構成について]
図1は、本実施形態の露光装置100の構成を示す概略図である。露光装置100は、例えば、照明光学系1と、アライメント検出部2(第2検出部)と、原版ステージ3と、投影光学系4と、基板ステージ5と、オフアクシス検出部6(第1検出部)と、制御部7とを含みうる。制御部7は、例えばCPUやメモリを有するコンピュータによって構成されるとともに、装置内の各部に電気的に接続され、装置全体の動作を統括して制御する(即ち、基板Wの露光処理を制御する)。
照明光学系1は、光源(不図示)を有し、スリット状(例えば円弧状)に整形された照明光で原版Mの一部を照明する。原版ステージ3は、原版Mを保持し、少なくともX方向およびY方向に移動可能に構成されうる。投影光学系4は、原版Mに形成されたパターンのうち、照明光学系1によって照明された一部の像を、基板ステージ5により保持された基板Wに投影する。基板ステージ5は、基板Wを保持し、定盤8の上を、例えばX,Y、Z、ωX、ωY、ωZの6軸方向に移動可能に構成されうる。原版ステージ3により保持された原版M、および基板ステージ5により保持された基板Wは、投影光学系4を介して光学的にほぼ共役な位置(投影光学系4の物体面および像面)にそれぞれ配置される。制御部7は、原版ステージ3と基板ステージ5とを投影光学系4の投影倍率に応じた速度比で相対的に同期走査(例えばY方向)することにより、原版Mのパターンを基板上に転写することができる。
次に、アライメント検出部2およびオフアクシス検出部6の構成について、図2を参照しながら説明する。図2(a)は、アライメント検出部2の構成例を示し、図2(b)は、オフアクシス検出部6の構成例を示している。また、図2(c)は、基板Wにおける複数のショット領域Sおよび複数の基板側マーク9の配置例を示している。
アライメント検出部2(第2検出部)は、例えば、照明光学系1と原版ステージ3(原版M)との間に配置され、基板Wに設けられたマーク9(以下、基板側マーク9)を原版Mおよび投影光学系4を介して検出する。これにより、原版Mに設けられたマーク(以下、原版側マーク)と基板側マーク9とを同時に検出し、原版側マークと基板側マーク9との相対位置を検出することができる。アライメント検出部2の具体的な構成としては、投影光学系4を介して1つの基板側マーク9を検出(観察)するための視野をそれぞれ有する複数のスコープ(アライメントスコープ)が設けられる。アライメント検出部2の各スコープは、撮像素子および光学素子を含みうる。
本実施形態のアライメント検出部2では、図2(a)に示すように、X方向に沿って配列した2個のスコープ2a、2bが設けられている。スコープ2aは、基板Wのショット領域Sの第1側(−X方向側)に設けられた基板側マーク9を検出するように配置される。また、スコープ2bは、基板Wのショット領域Sの第2側(第1側の反対側(+X方向側))に設けられた基板側マーク9を検出するように配置されうる。
オフアクシス検出部6(第1検出部)は、投影光学系4と基板ステージ5(基板W)との間に配置され、投影光学系4を介さずに基板側マーク9を検出する。オフアクシス検出部6の具体的な構成としては、投影光学系4を介さずに1つの基板側マーク9を検出(観察)するための視野をそれぞれ有する複数のスコープ(オフアクシススコープ)が設けられる。オフアクシス検出部6の各スコープは、アライメント検出部2の各スコープと同様に、撮像素子および光学素子を含みうる。また、オフアクシス検出部6における複数のスコープは、その数がアライメント検出部2のスコープの数より多く設けられ、より好ましくは、図2に示すように、X方向に沿って基板上に配列された基板側マークの数と同じになるように設けられるとよい。
本実施形態のオフアクシス検出部6では、図2(b)に示すように、X方向に沿って配列した8個のスコープ6a〜6hが設けられている。スコープ6a、6c、6eおよび6gは、基板Wにおける複数のショット領域Sの第1側(−X方向側)に設けられた基板側マーク9をそれぞれ検出するように配置された第1スコープ群である。また、スコープ6b、6d、6fおよび6hは、基板Wにおける複数のショット領域Sの第2側(+X方向側)に設けられた基板側マーク9をそれぞれ検出するように配置された第2スコープ群である。
[露光処理について]
次に、本実施形態の露光装置100で行われる露光処理について説明する。図3は、露光装置100で行われる露光処理を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートの各工程は、制御部7によって行われうる。
S1では、制御部7は、アライメント検出部2に原版側マークと基板側マーク9とを検出させる。例えば、制御部7は、アライメント検出部2の各スコープ2a、2bの視野に、原版側マークと基板側マーク9とが1つずつ収まるように原版ステージ3および基板ステージ5を駆動し、原版側マークと基板側マークとを各スコープ2a、2bに検出させる。S1の工程では、スループットの観点から、アライメント検出部2(各スコープ2a、2b)による検出が1回だけ行われればよく、複数の基板側マーク9の全てに対するアライメント検出部2による検出は行われない。
S2では、制御部7は、S1で得られたアライメント検出部2での検出結果に基づいて、原版Mと基板Wとの相対位置情報を生成する。例えば、制御部7は、各スコープ2a、2bで検出された原版側マークと基板側マーク9との位置関係を求めることにより、XY方向およびωZ方向(回転方向)における原版Mと基板Wとの位置ずれを相対位置情報として生成することができる。
S3では、制御部7は、基板ステージ5(基板W)とオフアクシス検出部6とを相対的にステップ移動させながら、基板Wに設けられた複数の基板側マーク9を順次検出させる。S3の工程では、制御部7は、通常、オフアクシス検出部6(スコープ6a〜6h)を用いて、複数の基板側マーク9の検出を行いうる。S3の具体的な制御内容については後述する。
S4では、制御部7は、S3で得られた複数の基板側マーク9の検出結果に基づいて各基板側マーク9の位置を求めることにより、各ショット領域Sの配列情報(即ち、各ショット領域Sの配置および形状に関する情報)を生成する。このとき、制御部7は、ベースライン量に基づいて補正された各基板側マーク9の位置を用いることにより、アライメント検出部2を基準とした各ショット領域の配列情報を生成することができる。
ここで、ベースライン量とは、アライメント検出部2のスコープによる基板上の検出位置とオフアクシス検出部6のスコープによる基板上の検出位置との差(距離)を示す指標であり、事前に取得(計測)されて設定されうる。例えば、制御部7は、アライメント検出部2のスコープとオフアクシス検出部6のスコープとに基板上の同一マークを検出させ、そのときの基板ステージ5の移動量と、各スコープの視野内での該マークの位置とに基づいてベースライン量を求めることができる。本実施形態では、オフアクシス検出部6のスコープごとにベースライン量が事前に設定されている。例えば、オフアクシス検出部6の第1スコープ群(各スコープ6a、6c、6e、6g)については、アライメント検出部2のスコープ2aに対するベースライン量が設定されている。また、オフアクシス検出部6の第2スコープ群(各スコープ6b、6d、6f、6h)については、アライメント検出部2のスコープ2bに対するベースライン量が設定されている。
S5では、制御部7は、原版ステージ3および基板ステージ5によって原版Mと基板Wとを相対的に走査しながら、対象ショット領域Sの露光処理を行う。当該露光処理では、制御部7は、S1で生成された原版Mと基板Wとの相対位置情報と、S4で生成された各ショット領域の配列情報とに基づいて、原版Mと基板Wとの相対位置や投影光学系4の投影倍率などの制御(補正)を行いうる。S6では、制御部7は、基板Wにおける複数のショット領域Sの全てに対して露光処理を行ったか否かを判定する。露光処理を行っていないショット領域Sがある場合にはS5に戻り、露光処理を行っていないショット領域Sを対象ショット領域Sに設定して露光処理を行う。一方、全てのショット領域Sに対して露光処理を行った場合には終了する。
[基板側マークの検出(S3)について]
上述したように構成された露光装置100では、制御部7は、S3の工程において、通常、基板上における複数の基板側マーク9の全てをオフアクシス検出部6に検出させる。このようにオフアクシス検出部6を用いると、オフアクシス検出部6はアライメント検出部2よりスコープの数が多く構成されているため、複数の基板側マークの全てをアライメント検出部2に検出させることと比較して検出時間の短縮を図ることができる。
しかしながら、オフアクシス検出部6では、それに含まれる複数のスコープにおいて、基板側マーク9を計測できなくなったり、信号を出力しなくなったりなど、異常を有するスコープ(以下、「異常スコープ」と称する)が生じる場合がある。この場合、従来の露光装置では、複数の基板側マーク9の全てをアライメント検出部2に検出させることによって対処していたが、そのような対処では検出時間の点で不利になることがある。そこで、本実施形態の露光装置100は、オフアクシス検出部6における複数のスコープの中に異常スコープが生じた場合に、該複数のスコープのうち異常スコープ以外のスコープに複数の基板側マーク9を検出させる第1検出モードを含む。以下に、本実施形態における複数の基板側マークの検出方法(S3の工程)について説明する。
図4は、本実施形態における複数の基板側マークの検出方法(S3の工程)を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートの各工程は、制御部7によって行われうる。
S3−1では、制御部7は、オフアクシス検出部6における複数のスコープ6a〜6hの中に、異常スコープがあるか否かを判断する。例えば、制御部7は、複数のスコープ6a〜6hの中に、出力値が異常値を示したまま変わらないスコープや、出力値が得られないスコープがある場合には、そのようなスコープを異常スコープとして特定(判断)することができる。異常スコープがないと判断された場合にはS3−2に進み、通常検出モードによって複数の基板側マーク9の検出を行う。一方、異常スコープがあると判断された場合にはS3−3に進み、第1検出モードによって複数の基板側マーク9の検出を行う。
S3−2は、通常検出モードによって複数の基板側マーク9の検出を行う工程である。通常検出モードでは、制御部7は、基板ステージ5(基板W)とオフアクシス検出部6(スコープ6a〜6h)とをY方向に相対的にステップ移動させながら、オフアクシス検出部6(スコープ6a〜6h)に複数の基板側マークを順次検出させる。具体的には、位置1(Pos.1)の基板側マーク9の上方にオフアクシス検出部6が配置されるように基板ステージ5をY方向に移動させ(図5(a))、オフアクシス検出部6に基板側マーク9を検出させる。それから、位置2(Pos.2)の基板側マークの上方にオフアクシス検出部6が配置されるように基板ステージをY方向に移動させ(図5(b))、オフアクシス検出部6に基板側マーク9を検出させる。位置3〜位置6(Pos.3〜6)についても同様の制御を行うことにより、オフアクシス検出部6に複数の基板側マーク9を検出させることができる。
S3−3〜S3−7は、異常スコープが生じた場合において、第1検出モードによって複数の基板側マーク9の検出を行う工程である。第1検出モードでは、制御部7は、オフアクシス検出部6における複数のスコープ6a〜6hのうち異常スコープ以外のスコープに複数の基板側マーク9をそれぞれ検出させる。
S3−3では、制御部7は、オフアクシス検出部6における複数のスコープ6a〜6hの中から、異常スコープに検出させるべき基板側マーク群を該異常スコープの代わりに検出させるスコープ(以下、代替スコープと称する)を選択する。例えば、制御部7は、複数のスコープ6a〜6hのうち、異常スコープに最も近いスコープを代替スコープとして選択してもよいし、異常スコープを有するスコープ群(第1スコープ群、または第2スコープ群)の中から代替スコープを選択してもよい。本実施形態では、スコープ6bが異常スコープとして特定(判断)され、異常スコープ6bに最も近いスコープ6cが代替スコープとして選択される場合について説明する。
S3−4では、制御部7は、異常スコープ以外のスコープに複数の基板側マーク9を検出させるための検出順序を決定する。本実施形態では、スコープ6bが異常スコープであるため、制御部7は、スコープ6a、6c〜6hに複数の基板側マーク9を検出させるための検出順序を決定する。以下に、検出順序の決定方法の一例について説明する。
まず、制御部7は、異常スコープ6b以外のスコープに複数の基板側マーク9を検出させる際に基板上でステップ移動させるべきオフアクシス検出部6の位置(基板ステージ5とオフアクシス検出部6との相対位置)を、図6に示すように決定する。図6は、異常スコープ6b以外のスコープに複数の基板側マーク9を検出させる際のオフアクシス検出部6の位置と、該位置で用いられるスコープとの対応関係を示す図である。図6では、上述した通常検出モードにおける位置1〜位置6(Pos.1〜6)に加え、位置a〜位置f(Pos.a〜f)が追加されている。位置a(Pos.a)は、図7(a)に示すように、異常スコープ6bで検出すべきであった基板側マーク9aを代替スコープ6cに検出させる際のオフアクシス検出部6の位置である。また、位置b(Pos.b)は、図7(b)に示すように、異常スコープ6bで検出すべきであった基板側マーク9bを代替スコープ6cに検出させる際のオフアクシス検出部6の位置である。同様に、位置c〜f(Pos.c〜f)は、異常スコープ6bで検出すべき基板側マーク9c〜9fを代替スコープ6cにそれぞれ検出させる際のオフアクシス検出部6の位置である。
次に、制御部7は、異常スコープ以外のスコープに複数の基板側マークを検出させるための検出順序に関する複数の候補を挙げ、各候補について、オフアクシス検出部6の移動距離(基板ステージ5とオフアクシス検出部6との相対移動距離)を求める。図8は、検出順序に関する各候補と、オフアクシス検出部6の移動距離との関係を示す図である。図8では、検出順序に関する複数の候補のうち、オフアクシス検出部6の移動距離が短い方の8個の候補を図示しているが、全ての候補を挙げておき、その各候補についてオフアクシス検出部6の移動距離を求めてもよい。
また、制御部7は、検出順序に関する各候補について、オフアクシス検出部6をステップ移動しながら複数の基板側マーク9を検出する際の検出時間を求める。例えば、制御部7は、X方向へのステップ移動に要する時間、およびY方向へのステップ移動に要する時間に関する情報に基づいて、各候補についての検出時間を求めることができる。各方向へのステップ移動に要する時間は、例えば、基板ステージ5の加減速、最高速度、移動距離、検出開始前のオフアクシス検出部6の位置、露光開始前のオフアクシス検出部6の位置に関する情報に基づいて求めることができる。図9は、候補1についての検出時間の算出例を示す図である。このような検出時間の算出は各候補について行われ、図10に示すように、各候補についての検出時間が求められうる。これにより、制御部7は、検出時間が最短となる候補(図10では候補3)を、異常スコープ6b以外のスコープに複数の基板側マーク9を検出させるための検出順序として決定することができる。なお、検出時間に関する閾値を事前に設定しておき、該閾値より検出時間が短い候補のうち、所定の条件(例えば、基板ステージ5の負荷や移動ストロークなど)を満たす候補を検出順序として決定してもよい。
ここで、本実施形態では、異常スコープが生じた場合の検出順序をS3−4の工程で算出したが、S3−4の工程の前(例えばS3の工程の前)に事前に求めておいてもよい。この場合、S3−4の工程において、制御部7は、スコープ6a〜6hのそれぞれを異常スコープとした場合について事前に求めた検出順序に関する情報に基づいて、異常スコープの位置に応じた検出順序を決定することができる。
また、異常スコープは1つに限られず、例えば図11(a)および(b)に示すように、複数の異常スコープが生じる場合がある。この場合においても、上記の方法により検出順序に関する複数の候補を挙げて、各候補について検出時間を算出することにより、検出時間が最短となるように検出順序を決定することができる。図11(a)では、スコープ6a、6hが異常スコープである場合に、スコープ6b、6gを代替スコープとしてそれぞれ用いる例を示している。図11(b)では、スコープ6b、6cが異常スコープである場合に、スコープ6d、6eを代替スコープとしてそれぞれ用いる例を示している。複数の異常スコープが生じた場合の検出順序は、S3−4の工程で算出してもよいし、S3−4の工程の前に事前に求めておいてもよい。
図4のフローチャートに戻り、S3−5では、制御部7は、S3−4で決定した検出順序での検出時間が、複数の基板側マーク9の全てをアライメント検出部2(スコープ2a、2b)に検出させた場合の検出時間より短いか否かを判断する。複数の基板側マーク9の全てをアライメント検出部2に検出させた場合の検出時間(以下、アライメント検出部2での検出時間と称することがある)は、実験やシミュレーションなどによって事前に算出されうる。S3−4で決定した検出順序での検出時間が、アライメント検出部2での検出時間より短い場合にはS3−6に進む。一方、アライメント検出部2での検出時間より長い場合にはS3−8に進み、第2検出モードによって複数の基板側マーク9の検出を行う。
ここで、本実施形態におけるS3−5工程では、S3−6に進むかS3−8に進むかを、S3−4で決定した検出順序での検出時間とアライメント検出部2での検出時間との比較結果に応じて判断したが、異常スコープの個数に応じて判断してもよい。異常スコープの個数によっては、検出時間の計算をしなくても、異常スコープ以外のオフアクシス検出部6のスコープでの検出時間が、アライメント検出部2での検出時間より明らかに大きくなると判断することができるからである。この場合、S3−5の工程を、S3−3の工程の前に行ってもよい。
S3−6では、制御部7は、S3−3で選択された代替スコープについてのベースライン量を求める。例えば、本実施形態の場合、上記のS4の工程で説明したように、代替スコープ6cについては、アライメント検出部のスコープ2aに対するベースライン量が設定されているだけであり、スコープ2bに対してはベースライン量が設定されていない。即ち、代替スコープ6cについては、異常スコープ6bとの間でベースライン量が設定されたスコープ2bに対し、ベースライン量が設定されていない。そのため、制御部7は、代替スコープ6cについて、アライメント検出部2のスコープ2bに対するベースライン量を設定しうる。ここで、S3−3において、異常スコープ6bを有するスコープ群の中から代替スコープを選択した場合には、S3−6の工程を行わなくてもよい。
S3−7では、制御部7は、S3−4で決定した検出順序に従って、基板ステージ5とオフアクシス検出部6とを相対的にステップ移動させながら、複数の基板側マークをオフアクシス検出部6に順次検出させる。一方、S3−8は、異常スコープが生じた場合において、第2検出モードによって複数の基板側マークの検出を行う工程である。第2検出モードでは、制御部7は、基板ステージ5とアライメント検出部2とを相対的にステップ移動させながら、アライメント検出部2における複数のスコープ2a〜2bに複数の基板側マークを順次検出させる。
上述したように、本実施形態の露光装置100は、オフアクシス検出部6に異常スコープが生じた場合に、異常スコープ以外のスコープに複数の基板側マークを検出させる第1検出モードを含む。これにより、異常スコープが生じた場合において複数の基板側マークを検出するための自由度を向上させ、検出時間の点で有利となる制御を行うことができる。
<物品の製造方法の実施形態>
本発明の実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品の製造方法は、基板に塗布された感光剤に上記の露光装置を用いて潜像パターンを形成する工程(基板を露光する工程)と、かかる工程で潜像パターンが形成された基板を現像(加工)する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1:照明光学系、2:アライメント検出部、3:原版ステージ、4:投影光学系、5:基板ステージ、6:オフアクシス検出部、7:制御部、9:基板側マーク

Claims (12)

  1. 投影光学系を介して原版のパターンを基板上に転写する露光装置であって、
    前記投影光学系を介さずに前記基板に設けられたマークをそれぞれ検出する複数のスコープを有する検出部と、
    前記基板と前記検出部とを相対的に移動させながら、前記基板に設けられた複数のマークを前記検出部に順次検出させ、前記検出部での検出結果に基づいて前記基板の位置を制御する制御部と、
    を含み、
    前記制御部は、前記複数のスコープにおいて異常スコープが生じた場合に、前記複数のスコープのうち前記異常スコープ以外のスコープに前記複数のマークを検出させる、ことを特徴とする露光装置。
  2. 前記制御部は、前記複数のスコープの中から、前記異常スコープに検出させるべきマーク群を前記異常スコープの代わりに検出させる代替スコープを選択し、前記代替スコープに前記マーク群を検出させる、ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記制御部は、前記複数のスコープのうち、前記異常スコープに最も近いスコープを前記代替スコープとして選択する、ことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記基板は、複数のショット領域を含み、
    前記複数のスコープは、前記複数のショット領域における第1側に設けられたマーク群を検出する第1スコープ群と、前記複数のショット領域における前記第1側とは反対側の第2側に設けられたマーク群を検出する第2スコープ群とを含み、
    前記制御部は、前記第1スコープ群および前記第2スコープ群のうち、前記異常スコープを有するスコープ群の中から前記代替スコープを選択する、ことを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  5. 前記制御部は、前記異常スコープ以外のスコープに前記複数のマークを検出させるための検出順序を決定し、決定した前記検出順序に従って前記基板と前記検出部とを相対的に移動させながら前記複数のマークを前記検出部に順次検出させる、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の露光装置。
  6. 前記制御部は、前記異常スコープ以外のスコープに前記複数のマークを検出させるときの検出時間が最短になるように前記検出順序を決定する、ことを特徴とすることを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記投影光学系を介して前記基板のマークを検出する第2検出部を更に含み、
    前記制御部は、前記複数のスコープにおいて異常スコープが生じた場合、前記第2検出部に前記複数のマークを検出させる、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の露光装置。
  8. 前記制御部は、前記投影光学系を介さずに前記基板に設けられたマークを検出する複数のスコープにおいて異常スコープが生じた場合に、前記複数のスコープのうち前記異常スコープ以外のスコープに前記複数のマークを検出させる第1検出モードと、前記第2検出部に前記複数のマークを検出させる第2検出モードとにより、前記複数のマークを検出させることが可能である、ことを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  9. 前記制御部は、前記検出部に前記異常スコープが生じた場合、前記異常スコープの数に応じて前記第1検出モードおよび前記第2検出モードのいずれかを選択する、ことを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
  10. 前記制御部は、前記検出部に前記異常スコープが生じた場合、前記第1検出モードでの検出時間と前記第2検出モードでの検出時間との比較結果に基づいて、第1検出モードおよび前記第2検出モードのいずれかを選択する、ことを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
  11. 前記異常スコープは、前記基板のマークを検出することができなくなったスコープである、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の露光装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
    前記工程で露光を行われた前記基板を現像する工程と、を含み、
    現像された前記基板から物品を製造することを特徴とする物品の製造方法。
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