JP2020026243A - 鉄道車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】鉄道車両において、内装材の振動を抑制し、内装材から放射される車内騒音を低減させる。【解決手段】減衰構造体11は、密閉空間を有する伸縮可能な弾性体15及び該密閉空間に気体を送り込んで形成される高圧空気層16からなる高圧弾性体12と、減衰材13,14と、を備えて構成される。鉄道車両1では、このように構成された減衰構造体11が、構体(例えば側構体3)と内装材(例えば側パネル8)との間の空間に配置される。【選択図】図5
Description
本発明は、鉄道車両に関し、構体または構体の内側に配置された内装材によって囲まれた車内空間を有する鉄道車両に適用して好適なものである。
従来、高速鉄道車両では、高速化に伴う客室内の騒音上昇を低減することが必要不可欠であった。鉄道車両の走行によって発生する車外音には、集電装置からの空力音、車輪とレールとの間で生じる転動音、及び電気機器の駆動音等がある。これらの音源により構体が音響加振され、その振動が構体と内装材との間の空間を空気伝搬、あるいは根太や内装材の取付金具等を固体伝搬し、最終的には客室の内装材を振動させて車内に音が再放射され、透過音となる。また、鉄道車両の走行においては、振動によって発生する音の伝搬経路として、車輪の転動や主電動機の回転等により台車が振動し、その振動が中心ピンやヨーダンパ受けを伝搬して構体へと伝搬する経路や、主変圧器等の電気機器が発する振動が横梁等を伝搬して、構体へと伝搬する経路がある。これらの振動源による構体の振動は、根太や内装材取付金具等に伝搬し、最終的には客室の内装材を振動させて車内の音が放射され、固体伝搬音となる。
上記のように車内騒音は透過音と固体伝搬音とに分類できるが、最終的には何れも車内の内装材の振動により放射される音である。そのため、従来、高速鉄道車両の車内騒音対策は、透過音及び固体伝搬音の伝搬経路に遮音板、吸音材、あるいは制振材を設置することにより行われている。しかし、軽量化の観点から遮音板の面密度(単位面積当たりの質量)の上限には限界があり、また、吸音材や制振材の使用量にも限界があった。
ここで、軽量化と低騒音化とを両立させる従来技術として、例えば特許文献1には、可撓性を有する薄いフィルム状素材により矩形の平板状の密閉袋体に形成された遮音部材と、この遮音部材の周縁部を両側から挟み込んで遮音部材を内包する保形枠体と、この保形枠体を両側から挟み込んで支持する支持体と、遮音部材の内部に封入されている気体を任意の圧力に可変調整する圧力制御ユニットとからなる遮音構造体が開示されている。特許文献1に開示された遮音構造体によれば、遮音部材の密閉袋内部に封入された気体の圧力を遮音部材が保形枠体の各開口内に膨出する圧力まで高めることによって、優れた遮音効果を得ることができる。また、保形枠体は軽量な素材であり、薄い厚みに形成して開口面積の大きな格子形状とすることにより、軽量化にも期待できる。
上述したように、特許文献1に開示された遮音構造体によれば、密閉袋内部の気体を高圧とすることにより、質量則によらない透過音の損失向上が期待できる。しかしながら、鉄道車両の車内騒音のように、音源の振動が締結体を介して内装材へ伝搬し車内へ放射される固体伝搬音に対しては、主に透過音に有効な遮音構造体では効果が期待できず、特許文献1に開示された遮音構造体を用いたとしても、十分な低騒音化を実現することが難しいという課題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、内装材の振動を抑制し、内装材から放射される車内騒音を低減させることが可能な鉄道車両を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、構体または前記構体の内側に配置された内装材によって囲まれた車内空間を有する鉄道車両であって、密閉空間を有する伸縮可能な弾性体及び該密閉空間に気体を送り込んで形成される高圧空気層からなる高圧弾性体と、減衰材と、を備えて構成される減衰構造体が、前記構体と前記内装材との間の空間に配置されることを特徴とする鉄道車両が提供される。
本発明によれば、鉄道車両において、内装材の振動を抑制し、内装材から放射される車内騒音を低減させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述する。まず、各実施の形態に共通する構成等について説明した後、それぞれの実施の形態における特徴的な構成等について説明する。
図1は本発明の各実施の形態に係る鉄道車両における車両構体の概略図である。図1に示したように、鉄道車両1の車両構体は、屋根構体2、側構体3、床構体4、及び妻構体5を備えて構成されている。
図2は、図1に示した車両構体のA−A断面における断面図である。鉄道車両1において、車内空間6は、車両構体または車両構体の内側に配置された内装材によって囲まれた空間である。より具体的には、図2に示したように、車内空間6は、内装材である天井パネル7、側パネル8、上床9、及び窓10に囲まれている。この車内空間6における車内騒音は、内装材(天井パネル7、側パネル8、上床9、及び窓10)の振動により放射される音と、空調ダクトの吹出し口から放射される音などの合算である。
図3は、本発明の各実施の形態で用いられる減衰構造体の構造を説明するための図である。図3に示した減衰構造体11は、高圧弾性体12と、高圧弾性体12の両側に挟むように配置された減衰材13,14とから構成される。高圧弾性体12は、密閉空間を有する伸縮可能な弾性体15と、この弾性体15に不燃性の気体が封入される高圧空気層16とから構成される。
なお、高圧空気層16に封入される気体は、例えば、安価な空気や窒素ガスを用いることができる。但し、これらに限定されるものではなく、他にも、不燃性の大きな分子量を備える気体であれば、弾性体15からの漏洩を抑制することができるため、同様の効果を維持することができる。また、気体に代えて、発泡性の樹脂などを弾性体15に封入するようにしてもよい。
以下の各実施の形態でも詳述されるが、本発明の鉄道車両1(または1A,1B)においては、高圧弾性体12及び減衰材13,14からなる構造体(減衰構造体11)が、車両構体と内装材との間に配置される。そして、本発明の鉄道車両1(1A,1B)では、この減衰構造体11が減衰材13を介して内装材に当接する態様で配置されることにより、内装材が常時、高圧弾性体12から圧力を受けるため、内装材に生じる振動変位が抑制される。また、内装材の車内側表面が引張状態となることから振動変位が抑えられ、さらに、減衰構造体11と内装材との間の抗力が大きくなるために摩擦熱による振動エネルギの損失が増加することで、内装材から放射される騒音を低減させる効果が得られる。
なお、本発明の第1〜第3の実施の形態では鉄道車両1を用いて説明するのに対し、第4の実施の形態では鉄道車両1Aを用いて説明し、第5の実施の形態では鉄道車両1Bを用いて説明するが、鉄道車両1A,1Bにおける車両構体の概略構造は、鉄道車両1とほぼ共通すると考えてよい。したがって、鉄道車両1A,1Bにおいて鉄道車両1とは異なる特徴的な構造については、別途図示して説明し(図8,図9)、共通する構造については、図1及び図2に示した各構成を流用する。
(1)第1の実施の形態
図4は、第1の実施の形態に係る鉄道車両における減衰構造体の配置例を示す図である。図4は、鉄道車両1において車両構体の側部の断面を拡大した図である。図4に示したように、第1の実施の形態に係る鉄道車両1では、車両構体を構成する側構体3と内装材を構成する側パネル8との間の空間17に減衰構造体11を配置し、締結体18によって側構体3と側パネル8とを結合する。なお、減衰構造体11の減衰材13は側パネル8に当接し、減衰材14は側構体3に当接する。
図4は、第1の実施の形態に係る鉄道車両における減衰構造体の配置例を示す図である。図4は、鉄道車両1において車両構体の側部の断面を拡大した図である。図4に示したように、第1の実施の形態に係る鉄道車両1では、車両構体を構成する側構体3と内装材を構成する側パネル8との間の空間17に減衰構造体11を配置し、締結体18によって側構体3と側パネル8とを結合する。なお、減衰構造体11の減衰材13は側パネル8に当接し、減衰材14は側構体3に当接する。
図5は、図4に示した減衰構造体による側パネルから放射される騒音に対する低減効果を説明するための図である。図5では、特徴を分かりやすく説明するために、側パネル8、減衰材13、及び弾性体15の変形を実際よりも誇張して示している。
図5に示すように、高圧空気層16により膨張した弾性体15は、締結体18の結合力と釣合う圧力を、側構体3及び側パネル8に作用させる。この圧力により、側パネル8は、上下の締結体18の間を中心に外側(図5の右側)に変位するが、高圧弾性体12が減衰材13,14を介して側パネル8を面で拘束するため、側パネル8の面振動の変位が抑制される。
また、内装材の1つである側パネル8の車内側表面19は、引張状態となって剛性が増すため、振動変位が抑制される。さらに減衰材13と内装材(側パネル8)との間の抗力が大きくなるため、摩擦熱による振動エネルギの損失が増える。
以上のことから、第1の実施の形態に係る鉄道車両1では、車両構体(側構体3)と内装材(側パネル8)との間の空間17に配置された減衰構造体11が、内装材と減衰材13,14に面による圧力を加えることにより、内装材の振動を抑制し、内装材から放射される騒音を低減させることができる。
(2)第2の実施の形態
図6は、第2の実施の形態に係る鉄道車両における減衰構造体の配置例を示す図である。図6は、鉄道車両1において車両構体の屋根付近の曲面部の断面を拡大した図である。図6に示したように、第2の実施の形態に係る鉄道車両1では、車両構体を構成する屋根構体2と内装材を構成する天井パネル7との間の空間20に減衰構造体11を配置し、締結体18によって屋根構体2と天井パネル7とを結合する。なお、減衰構造体11の減衰材13は天井パネル7に当接し、減衰材14は屋根構体2に当接する。
図6は、第2の実施の形態に係る鉄道車両における減衰構造体の配置例を示す図である。図6は、鉄道車両1において車両構体の屋根付近の曲面部の断面を拡大した図である。図6に示したように、第2の実施の形態に係る鉄道車両1では、車両構体を構成する屋根構体2と内装材を構成する天井パネル7との間の空間20に減衰構造体11を配置し、締結体18によって屋根構体2と天井パネル7とを結合する。なお、減衰構造体11の減衰材13は天井パネル7に当接し、減衰材14は屋根構体2に当接する。
ここで、図3を参照して説明したように、減衰構造体11は、高圧弾性体12及び減衰材13,14から構成されるため、自由に変形させることができる。すなわち、第2の実施の形態では、空間20に配置された減衰構造体11は、図6に示したように、屋根構体2の曲面や天井パネル7の曲面に沿った形状となるため、内装材と減衰材13,14に対して曲面による圧力を加えることができる。
かくして、第2の実施の形態に係る鉄道車両1は、減衰構造体11が曲面部に配置された場合でも、第1の実施の形態と同様に、内装材の振動を抑制し、内装材から放射される騒音を低減させる効果を得ることができる。
(3)第3の実施の形態
図7は、第3の実施の形態に係る鉄道車両における減衰構造体の配置例を示す図である。図7は、前述した図3等と同様に、鉄道車両1において車両構体の側部の断面を拡大した図である。本例では、第1の実施の形態と同様に側構体3と側パネル8との間の空間17に減衰構造体11が配置される場合について説明するが、第3の実施の形態における減衰構造体11の配置場所はこれに限定されるものではなく、次段落に説明する本実施の形態の特徴を備えていれば、車両構体と内装材との間の任意の空間に配置することができる。
図7は、第3の実施の形態に係る鉄道車両における減衰構造体の配置例を示す図である。図7は、前述した図3等と同様に、鉄道車両1において車両構体の側部の断面を拡大した図である。本例では、第1の実施の形態と同様に側構体3と側パネル8との間の空間17に減衰構造体11が配置される場合について説明するが、第3の実施の形態における減衰構造体11の配置場所はこれに限定されるものではなく、次段落に説明する本実施の形態の特徴を備えていれば、車両構体と内装材との間の任意の空間に配置することができる。
図7に示したように、第3の実施の形態では、減衰構造体11が、内装材(本例では、側パネル8)の低次の振動モードにおける変位の腹に配置されることを特徴とする。変位の腹は、変位振幅が最大となる位置であるため、この位置で減衰材13が内装材(側パネル8)に当接するように減衰構造体11を配置することによって、内装材(側パネル8)における低次の振動モードによる振動を抑制する効果が最も高くなる。
さらに、第3の実施の形態では、減衰構造体11は、内装材(本例では、側パネル8)の低次の振動モードにおける変位の腹に配置されればよいため、第1の実施の形態で例示した図3と比較すると明白なように、減衰構造体11の寸法を小型化することができる。その結果、減衰構造体11の軽量化を実現できるとともに、コストの抑制にも期待できる。
以上のように、第3の実施の形態に係る鉄道車両1は、軽量化及び低コスト化に期待できるとともに、減衰構造体11によって、内装材の振動を抑制し、内装材から放射される騒音を低減させる効果を得ることができる。
(4)第4の実施の形態
図8は、第4の実施の形態に係る鉄道車両における減衰構造体の配置例を示す図である。図8は、第4の実施の形態に係る鉄道車両1Aについて、車両構体の側部の断面を拡大した図である。本例では、車両構体の側部に減衰構造体11が配置される場合について説明するが、第4の実施の形態における減衰構造体11の配置場所はこれに限定されるものではなく、以下に説明する本実施の形態の特徴を備えていれば、例えば、図6に示した屋根付近等のように、鉄道車両1Aにおける他の空間22にも配置することができる。
図8は、第4の実施の形態に係る鉄道車両における減衰構造体の配置例を示す図である。図8は、第4の実施の形態に係る鉄道車両1Aについて、車両構体の側部の断面を拡大した図である。本例では、車両構体の側部に減衰構造体11が配置される場合について説明するが、第4の実施の形態における減衰構造体11の配置場所はこれに限定されるものではなく、以下に説明する本実施の形態の特徴を備えていれば、例えば、図6に示した屋根付近等のように、鉄道車両1Aにおける他の空間22にも配置することができる。
図8に示すように、第4の実施の形態に係る鉄道車両1Aは、内装材が二重に設けられた二重内装構造を有し、この二重内装構造の間に減衰構造体11が配置されることを特徴とする。図8の場合、側パネル8と、側パネル8と側構体3との間に新たに設けられた内装材21とによって、二重内装構造が形成されている。そして、第4の実施の形態では、このような二重内装構造の間の空間22に減衰構造体11が配置され、さらに、締結体18によって側パネル8、内装材21、及び側構体3が結合されている。なお、減衰構造体11の減衰材13は側パネル8に当接し、減衰材14は内装材21に当接する。
図8に例示した鉄道車両1Aにおいて側構体3が加振された場合、その振動は、側構体3と内装材21との間の空間23を空気伝搬し、さらに内装材21と側パネル8との間の空間22を空気伝搬して側パネル8へと伝搬するもの(空気伝搬成分)と、締結体18を固体伝搬して側パネル8へと伝搬するもの(固体伝搬成分)とがある。このうち、空間23を伝搬する空気伝搬成分は内装材21を振動させ、空間22を伝搬する空気伝搬成分と締結体18を伝搬する固体伝搬成分は側パネル8を振動させる。
しかし、第4の実施の形態では、高圧空気層16により膨張した弾性体15が、締結体18の結合力と釣合う圧力を、内装材21及び側パネル8に作用させるため、第1の実施の形態と同様な効果が、内装材21及び側パネル8に作用する。すなわち、高圧弾性体12が減衰材13,14を介して内装材21及び側パネル8を面で拘束することにより、内装材21及び側パネル8の面振動の変位が抑制されるとともに、内装材21及び側パネル8の外側表面は、引っ張り状態となって剛性が増すことにより、振動変位が抑制され、さらに、減衰材13と内装材21及び側パネル8との間の効力が大きくなるため、摩擦熱による振動エネルギの損失が増える。
上記のような第4の実施の形態を第1の実施の形態と比較すると、内装材21の側に作用する減衰効果の分だけ、第1の実施の形態よりも振動エネルギを低減させる効果が見込まれる。すなわち、第4の実施の形態に係る鉄道車両1Aは、第1の実施の形態に係る鉄道車両1に比べて、車内騒音をより低減させることができる。
(5)第5の実施の形態
図9は、第5の実施の形態に係る鉄道車両における減衰構造体の配置例を示す図である。図9は、第5の実施の形態に係る鉄道車両1Bについて、車両構体の側部の断面を拡大した図である。本例では、車両構体の側部に減衰構造体11が配置される場合について説明するが、第5の実施の形態における減衰構造体11の配置場所はこれに限定されるものではなく、以下に説明する本実施の形態の特徴を備えていれば、例えば、図6に示した屋根付近等のように、鉄道車両1Bにおける他の空間22にも配置することができる。
図9は、第5の実施の形態に係る鉄道車両における減衰構造体の配置例を示す図である。図9は、第5の実施の形態に係る鉄道車両1Bについて、車両構体の側部の断面を拡大した図である。本例では、車両構体の側部に減衰構造体11が配置される場合について説明するが、第5の実施の形態における減衰構造体11の配置場所はこれに限定されるものではなく、以下に説明する本実施の形態の特徴を備えていれば、例えば、図6に示した屋根付近等のように、鉄道車両1Bにおける他の空間22にも配置することができる。
図9に示すように、第5の実施の形態に係る鉄道車両1Bは、減衰構造体11、吸音材24及び制振材26が、車両構体(本例では側構体3)と内装材(本例では側パネル8や内装材21)との間に配置されることを特徴とする。
より詳しく説明すると、鉄道車両1Bは、第4の実施の形態に係る鉄道車両1Aと同様に、側パネル8及び内装材21による二重内装構造を有する。また、鉄道車両1Bでは、締結体18によって側構体3と内装材21とが結合され、締結体25によって内装材21と側パネル8とが結合される。さらに、側構体3と内装材21との間の空間23に吸音材24が配置され、内装材21と側パネル8との間の空間22に減衰構造体11が配置され、締結体18と締結体25との間には制振材26が配置されている。例えば図9では、減衰構造体11の減衰材13は側パネル8に当接し、減衰材14は内装材21に当接する。また、制振材26は、締結体18と締結体25との間に位置する内装材21に貼付されているが、側パネル8に貼付されてもよいし、双方に貼付されてもよい。
図9に例示した第5の実施の形態に係る鉄道車両1Bは、上述したように第4の実施の形態に係る鉄道車両1Aと同様に、二重内装構造の間の空間22に減衰構造体11が配置されることから、鉄道車両1Bにおいて側構体3が加振された場合には、第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第5の実施の形態に係る鉄道車両1Bでは、側構体3が加振された場合に、その振動の空気伝搬成分については、吸音材24による吸音効果が追加される。一方、固体伝搬成分については、締結体18を伝搬する振動が制振材26により低減され、締結体25を介して側パネル8へと伝搬することから、大きく減衰させることができる。
したがって、第5の実施の形態に係る鉄道車両1Bによれば、最終的に放射音を放つ側パネル8の振動を、第4の実施の形態よりもさらに低減させることができ、車内騒音を大きく低減する効果が得られる。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、各実施の形態を組み合わせてもよい。
1,1A,1B 鉄道車両
2 屋根構体
3 側構体
4 床構体
5 妻構体
6 車内空間
7 天井パネル
8 側パネル
9 上床
10 窓
11 減衰構造体
12 高圧弾性体
13,14 減衰材
15 弾性体
16 高圧空気層
17,20,22,23 空間
18,25 締結体
19 車内側表面
21 内装材
24 吸音材
26 制振材
2 屋根構体
3 側構体
4 床構体
5 妻構体
6 車内空間
7 天井パネル
8 側パネル
9 上床
10 窓
11 減衰構造体
12 高圧弾性体
13,14 減衰材
15 弾性体
16 高圧空気層
17,20,22,23 空間
18,25 締結体
19 車内側表面
21 内装材
24 吸音材
26 制振材
Claims (7)
- 構体または前記構体の内側に配置される内装材によって囲まれた車内空間を有する鉄道車両であって、
密閉空間を有する伸縮可能な弾性体及び該密閉空間に気体を送り込んで形成される高圧空気層からなる高圧弾性体と、減衰材と、を備えて構成される減衰構造体が、前記構体と前記内装材との間の空間に配置される
ことを特徴とする鉄道車両。 - 前記構体と前記内装材とが締結体によって結合され、
前記高圧空気層により膨張した前記弾性体が、前記締結体の結合力と釣合う圧力を前記構体及び前記内装材に作用させ、
前記弾性体の前記圧力により前記内装材の振動変位が前記弾性体に拘束される
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。 - 前記構体と前記内装材とが締結体によって結合され、
前記高圧空気層により膨張した前記弾性体が、前記締結体の結合力と釣合う圧力を前記構体及び前記内装材に作用させ、
前記弾性体の前記圧力により前記内装材の表面が引張状態とされて剛性が増すことによって当該内装材の振動変位を抑制するとともに、
前記弾性体の前記圧力により、前記弾性体と前記減衰材、前記減衰材と前記構体、及び前記減衰材と前記内装材のそれぞれの接触面で生じる摩擦力を強める
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。 - 前記減衰構造体は、曲面形状を有する前記構体と前記内装材との間の空間に配置される
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の鉄道車両。 - 前記減衰構造体は、前記内装材の低次の振動モードにおける変位の腹に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。 - 前記内装材は、前記車内空間の側に設けられた第1の内装材と、前記第1の内装材と前記構体との間に設けられた第2の内装材と、によって二重内装構造を形成し、
前記減衰構造体は、前記第1の内装材と前記第2の内装材との間に配置される
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の鉄道車両。 - 前記構体と前記第2の内装材との間に吸音材が配置され、
前記第1の内装材または前記第2の内装材に制振材が貼付される
ことを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両。
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