JP2020015440A - 鉄道車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】構体の車内側に締結される板状の内装材が車内騒音(固体伝搬音)に与え得る影響を考慮した車内騒音低減構造を備える鉄道車両を提供することである。【解決手段】鉄道車両の構体と、構体の内側で当該構体に対向した第一の板とを備えた鉄道車両が、構体と第一の板との間に介在しており構体及び第一の板に対向した第二の板と、構体に第一の板を締結せず第二の板を締結する締結部材と、第一の板と第二の板との間に介在し第二の板に第一の板を固定する固定部材と、締結部材に固定されており構体の内側からの平面視において締結部材を遮蔽するカバーとを備える。【選択図】 図8
Description
本発明は鉄道車両の車内騒音低減のための構造に関する。
近年、鉄道車両は、高速化への要求が高まっている。鉄道車両の高速化に伴い、車内騒音が増大する傾向にある。一方で、客室の快適性向上も求められており、車内騒音の低減が必要となっている。車内騒音の低減のためには、構体と内装パネル間への吸音材の設置や、内装パネルの重量化が簡易で効果的な方法である。しかし、これらの方法は、鉄道車両の軽量化やコストの削減、客室スペースの確保等、鉄道車両への他の要求と背反関係にある。
車内騒音は、車外の騒音が構体や内装材を透過して車内に侵入する透過音と、台車や構体の床下に備えられる機器、車外の圧力変動等に加振された構体などが車内に騒音を生じさせる固体伝搬音に大別できる。例えば、特許文献1に開示される技術は遮音性を高めるものであり、「外板、内板、トラス部とそれに囲まれる空洞部で構成されるダブルスキン構体を有する鉄道車両において、ダブルスキン構体の内板およびトラス部のいずれか、ないしは両方に対して空孔部を形成し、鉄道車両の車内側の内板と内装パネル間に吸音材を配置した。」構成によって、主に透過音を低減することを目的とする。
特許文献1に開示される構成によって透過音を低減する場合、車内騒音をなす固体伝搬音が相対的に顕在化するため、透過音の抑制だけでなく固体伝搬音も抑制できる鉄道車両を提供することが望ましい。本発明の課題は、構体の車内側に締結される板状の内装材が車内騒音(固体伝搬音)に与え得る影響を考慮した車内騒音低減構造を備える鉄道車両を提供することである。
かかる課題を解決するために本発明においては、鉄道車両の構体と、構体の内側で当該構体に対向した第一の板とを備えた鉄道車両が、構体と第一の板との間に介在しており構体及び第一の板に対向した第二の板と、構体に第一の板を締結せず第二の板を締結する締結部材と、第一の板と第二の板との間に介在し第二の板第一の板を固定する固定部材と、締結部材に固定されており構体の内側からの平面視において締結部材を遮蔽するカバーとを備える。
本発明によれば、構体が加振されて生じる振動が、第一の板に伝播する際、構体と第一の板間に設けた第二の板を介して第一の板に伝播するようになる。そのため、構体に第一の板が締結された構造に比べ、振動エネルギーを構体と第一の板だけでなく、第二の板でも分担することができ、第一の板が分担する振動エネルギーが減少する。また、第二の板で減衰した振動が第一の板に伝播するようになることから、第一の板に伝播する振動が減少する。これらにより、第一の板からの放射音が小さくなるため、車内騒音を減少することが可能となる。さらに、締結部材に固定されており構体の内側からの平面視において締結部材を遮蔽するカバーがあるため、第二の板と構体との距離を作ることで第一の板への振動伝播を減らすことを維持しつつ、客室から締結部分が隠れているため意匠性を保つことが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る鉄道車両の断面図である。図1に示す鉄道車両は、客室10を有し、構体1と第一の板(内装パネル)5で構成されている。構体1は屋根構体2、側構体3、床構体4から構成され、第一の板5は天井パネル6、側天井パネル7、側パネル8、床パネル9から構成されている。
図1の説明では、屋根構体2、側構体3及び床構体4で構成された全体を構体1と呼び、天井パネル6、側天井パネル7、側パネル8及び床パネル9で構成された全体を第一の板(内装パネル)5と呼んでいるが、以下の説明では、説明を簡単にするために、屋根構体2、側構体3及び床構体4のいずれかを「構体1」と呼び、当該構体1に対向したパネルを「第一の板5」と呼ぶこととする。従って、図1の構体1は、例えば構体群のような別名称で呼ばれてよく、図1の第一の板5は、例えば第一の板群のような別名称で呼ばれてもよい。なお、構体1は、例えば、ダブルスキン構体、具体的には、外板と、内板と、外板と内板を連結するトラスとで構成された構体でよい。この場合、構体1には、外板とトラスで囲まれた車外側空洞と、内板とトラスで囲まれた車内側空洞がある。
図2に鉄道車両の部分断面図(図1のA部)を示す。図2を用いて、鉄道車両の構造を説明する。鉄道車両は、構体1、第一の板5、構体1と一体成形された締結部材12とから構成され、締結部材12に第一の板5が締結されている。構体1と第一の板5の間の空間13には、必要に応じて吸音材が設けられる構造となっている。
図2を用いて、鉄道車両構体に伝わった振動による車内騒音(固体伝搬音)の発生メカニズムの概要を説明する。鉄道車両構体から車内への伝播経路は大きく二つある。一つ目は、加振力が鉄道車両構体に負荷されると、構体1が振動し、これによって発生する内部放射音20が第一の板5を透過して客室10への放射音21となる経路である。二つ目は、構体1の振動が第一の板5との締結部材12を介して第一の板5に伝わり、第一の板5を振動させ、これによって発生する放射音21が客室10へ伝わる経路30である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る鉄道車両の構造の概略図である。構体1と第一の板5の間に第二の板11が設けられ、構体1と第一の板5の締結部材12に締結されている。構体1と第二の板11の間および第二の板11と第一の板5の間の空間14、15には、必要に応じて吸音材(図示なし)が設けられている。構体1の振動は、締結部材12を介して第一の板5に伝播し、第一の板5の放射音21が車内騒音となる。構体1と第一の板5の間に第二の板11を設け、締結部材12に締結することで、構体1の振動は、第二の板11にも伝わり、第一の板5に伝わる振動が、経路30と経路31に分散されることで減少し、車内騒音を低減することが可能となる。第二の板11と第一の板5の間の空間15に吸音材を設けることで、第二の板11の振動により発生する放射音22を、吸音材によって吸音し、車内騒音へ影響することを防ぐことが可能となる。
図4は、本発明の実施の形態1に係る、図3の構体1と第一の板5の間に設ける第二の板11の概略図である。第二の板11には、空孔16が設けられている。第二の板11に空孔16を設ける効果について説明する。図3の構体1と第二の板11の間および第二の板11と第一の板5の間の空間14、15に吸音材が備えられる場合、第二の板11に空孔16がないと吸音材が第二の板11によって分割されてしまう。吸音材は厚みが厚い方が遮音に有利であるため、第二の板11がない場合に比べ、吸音効果が小さいため各部の音圧が高くなり、遮音性能が悪化する周波数帯が生じる。また、構体1と第二の板11の間および第二の板11と第一の板5の間の空間14、15は、配線の関係上、空間14、15の一部が空気層となる部分がある。この場合、上述の理由に加え、第二の板11に空孔16がないと空気層をバネとした第二の板11の共振により、第二の板11がない場合に比べて遮音性能が悪化する周波数帯が生じる。第二の板11に空孔16を設けることで、構体1と第二の板11の間および第二の板11と第一の板5の間の空間14、15もしくは、空間14、15に設けられた吸音材が空間的に連続となり、音圧が高くならないため、空孔16がない場合に生じる遮音性能の悪化を防ぐことが可能となる。また、空孔内を空気が出入りすることで、摩擦が生じ、熱エネルギーとして消費されることで遮音性能の悪化を防ぐことが可能となる。
また、車内の配線を支える部材を別途構体に取り付け、その部材に車内の配線を固定することが考えられるが、第二の板11に空孔16を設けることで、そこに配線の固定具を通すことが可能となり、配線の支えの部材としての機能も持たせることが可能となる。
ここで、図4では、空孔16の一端から他端にかけた形状は、円柱状であるが、角柱状でもよく、空孔16全体の形状及び断面形状は問わない。また、空孔16はスリットでもよい。
本発明の実施の形態2を説明する。その際、本発明の実施の形態1との相違点を主に説明し、本発明の実施の形態1との共通点については説明を省略又は簡略する。
図5は、本発明の実施の形態2に係る鉄道車両の構造を説明する概略図である。構体1と第一の板5の間には第二の板11が設けられ、構体1と第二の板11の間および第二の板11と第一の板5の間の空間14、15には必要に応じて吸音材(図示なし)が設けられている。第二の板11は、締結部材12に締結されており、第一の板5が第二の板11に締結部材50を介して締結されている。第一の板5を第二の板11に締結することで、第一の板5を構体1に直接締結する必要がなくなる。これにより、構体1からの第一の板5への直接の振動伝播経路がなくなり、構体1から第二の板11を介して第一の板5へと伝播する経路33となる。また、空間14、15に吸音材を設けると、第二の板11が吸音材に挟まれているという減衰も加わり、構体から発生した振動は、第二の板11を伝播する間に減衰し、第一の板5へと伝播するため、第一の板5に伝播する振動が減少し、車内騒音を低減することが可能となる。
図6は、本発明の実施の形態2に係るモジュールの構造を説明する概略図である。まず、吸音材40を第一の板5に接着し、次に第二の板11を第一の板5と締結する。最後に、第二の板11に吸音材41を接着する。ここで、第二の板11に吸音材41を接着する際、第二の板11に設けられた空孔を埋めないような接着方法とする。ここまでをアウトワークで作成しておくことで、車内での作業はモジュールを構体1に締結するだけとなり、作業性を向上することが可能となる。
図7は鉄道車両の構造の一例を示す概略図であり、図2における締結部材12を中心とした図である。また、図8は本発明の実施の形態2に係る第一の板5と第二の板11の締結方法の一例を示す概略図であり、図5における締結部材12を中心とした図である。図7と図8を用いて、第一の板5と第二の板11の固定部分の一例について説明する。鉄道車両は、例えば図7に示すように、第一の板5と構体1を締結するボルト(締結部材12の一例)を客室から見えなくするため、カバー60が設けられている。これを利用することを考えると、第一の板5と第二の板11の固定部材は、例えば図8のようなZ型部材51(断面がZ字状となる部材)を用いると良い。Z型部材51を用いることで、第一の板5側の締結部分は客室から見えないカバー60の内側でボルト等を用いて締結することができ、意匠性を保つことが可能となる。また、第二の板11側の締結部分は構体1との締結部分から距離をとることができ、第一の板5への振動伝播を減らすことが可能となる。第一の板5と第二の板11を互いに固定(例えば締結)する固定部材は、別の形状の部材(例えば、第一の板5を折り曲げて構成された階段状の部材)でも構わない。
また、第一の板5と第二の板11の固定部分は、第二の板11から第一の板5への振動伝播を考えると小さい方が望ましい。しかし、第一の板5と第二の板11の固定部分が小さいと、第一の板5の支持剛性が不十分で、第一の板5がたわむ可能性がある。その場合は、例えば、図8のようにカバー60にゴム61等の弾性部材を貼り、柔軟に支持することで、車内騒音に大きな影響を与えることなく、第一の板5を支持することが可能である。
図8の説明を、例えば以下のように総括することができる。
鉄道車両の構体1と構体1の内側で構体1に対向した第一の板5とを有する鉄道車両が、構体1と第一の板5との間に介在し構体1及び第一の板に対向した第二の板11と、構体1に第一の板5を締結せず第二の板11を締結する締結部材12と、第一の板5と第二の板11との間に介在し第二の板11に第一の板5を固定する固定部材(例えばZ型部材51)と、締結部材12に固定されており構体1の内側からの平面視において締結部材12を遮蔽するカバー60とを備える。客室から見て、締結部材12はカバー60の背後にあり、固定部材は第一の板5の背後にある。このため、客室からは、締結部材12も固定部材も見えない。故に、意匠性を保つことが可能となる。また、第二の板11と構体1との間には距離を取ることができ、且つ、第二の板11と第一の板5との間も距離を取ることができるため、第一の板5への振動伝播を減らすことが可能となり、結果として、車内騒音の低減が可能となる。
固定部材は、第二の板11の内側面に接触する第一の接触面と、第一の板5の外側面に接触する第二の接触面と、第一の接触面と第二の接触面とを接続する接続部とで構成されていてよい。接続部により第二の板11と第一の板5との間に距離を取ることができる。
第一の板5とカバー60の少なくとも一部(例えば、カバー60のうち第一の板5の内側面との間の距離が最も近い部分)との間に介在し第一の板5とカバー60の当該少なくとも一部と接触する弾性部材(例えばゴム61)が更に備えられてよい。これにより、締結部材12に固定されているカバー60が弾性部材を介して第一の板5を支持することができる。故に、第一の板5と第二の板11の固定部分が小さくても(例えば、第1の接触面及び第2の接触面の少なくとも1つが小さくても)、第一の板5を柔軟に支持することができ、以って、車内騒音に大きな影響を与えることなく、第一の板5を支持することが可能である。
1…鉄道車両構体、5…第一の板、6…天井パネル、7…側天井パネル、8…側パネル、9…床パネル、11…第二の板、12…締結部材、51…Z型部材、60…カバー
Claims (3)
- 鉄道車両の構体と、前記構体の内側で前記構体に対向した第一の板とを備えた鉄道車両において、
前記構体と前記第一の板との間に介在しており前記構体及び前記第一の板に対向した第二の板と、
前記構体に前記第一の板を締結せず前記第二の板を締結する締結部材と、
前記第一の板と前記第二の板との間に介在し前記第二の板に前記第一の板を固定する固定部材と、
前記締結部材に固定されており前記構体の内側からの平面視において前記締結部材を遮蔽するカバーと
を備えることを特徴とする鉄道車両。 - 前記固定部材は、前記第二の板の内側面に接触する第一の接触面と、前記第一の板の外側面に接触する第二の接触面と、前記第一の接触面と前記第二の接触面とを接続する接続部とで構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両。 - 前記第一の板と前記カバーの少なくとも一部との間に介在し前記第一の板と前記カバーの前記少なくとも一部と接触する弾性部材、
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両。
Priority Applications (1)
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JP2018140296A JP2020015440A (ja) | 2018-07-26 | 2018-07-26 | 鉄道車両 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018140296A JP2020015440A (ja) | 2018-07-26 | 2018-07-26 | 鉄道車両 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2018140296A Pending JP2020015440A (ja) | 2018-07-26 | 2018-07-26 | 鉄道車両 |
Country Status (1)
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-
2018
- 2018-07-26 JP JP2018140296A patent/JP2020015440A/ja active Pending
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