本発明は原子炉の蒸気発生器に関する。
原子炉において、核物質の炉心が、反応を生じさせるべく炉内部の小体積に閉じ込められる。多くの例では、制御された核反応が、炉心の燃料交換が必要となる前に、数年のような長期間にわたり持続し得る。したがって、適切に設計された原子炉は、水を蒸気に変換するための熱源として使用される場合、無炭素の安定かつ高信頼性のエネルギー源を与えることができる。
原子炉は、水のような作動流体を利用する。この作動流体は、大気圧よりも著しく上の圧力で蒸気に変換される。加圧された蒸気はその後、機械エネルギーを電流に変換するタービンを駆動するべく使用される。蒸気はその後、凝縮して再び水となって炉へと戻される。多くの原子炉では、作動流体の蒸発、凝縮及び蒸発のサイクルが日ごとに及び年ごとに連続する。
このように、原子炉の重要な特徴は、入力側で液体冷却材を受け入れ、その冷却材を原子炉の熱源にさらすことにより蒸発させ、及びその蒸発した冷却材をタービンに入力する蒸気発生器ということになる。したがって、蒸気発生器の効率、製造容易性、性能及び安全機能は、継続した調査、分析及び評価の領域を代表している。
国際公開第2012/047438(A1)号
米国特許出願公開第2010/0316181(A1)号明細書
米国特許出願公開第2004/0114705(A1)号明細書
特開2001−188093号公報
国際公開第2011/097597(A1)号明細書
いくつかの実施形態において、原子炉用の蒸気発生器は、炉容器の塔の底部と交差する第1平面に近接する3つ以上のプレナムを含む。蒸気発生器はさらに、第1平面と近似的に平行であって当該塔の頂部と交差する第2平面に近接する3つ以上のプレナムを含む。蒸気発生器はさらに、第1平面に近接して配置された3つ以上のプレナムの一つから第2平面に近接する3つ以上のプレナムの少なくとも一つへ冷却材を送達する流路からの複数の蒸気発生管を含む。
他の実施形態において、蒸気発生器の頂部は、ライザー塔のまわりに近似的に90度おきに一平面内に設けられた3つ以上のプレナムを含む。3つ以上のプレナムの少なくとも一つのプレナムは、蒸気発生器の底部に面する近似的に平坦な管板を含む。少なくとも一つのプレナムの近似的に平坦な管板は複数の穿孔を含む。複数の穿孔は、少なくとも一つのプレナムの内側縁近くの領域と少なくとも一つのプレナムの外側縁近くの領域との間で密度が変化する。
他の実施形態において、原子炉を操作する方法は、3つ以上のプレナムの第1群から複数の流路へ作動流体を送達することと、当該複数の流路の少なくともいくつかにおいて当該作動流体を蒸発させることとを含む。その蒸発は少なくとも部分的に、炉冷却材から当該複数の流路の当該少なくともいくつかへの熱エネルギーの結合によってもたらされる。方法はさらに、蒸発した冷却材を3つ以上のプレナムの第2群へ移送することを含む。
以下の図面を参照して非限定的かつ非網羅的な態様が説明される。
一例の実施形態に係る蒸気発生器を用いた原子炉モジュールの図である。
一例の実施形態に係る蒸気発生器を、近似的に円筒状のライザー塔まわりの二等角斜視図で示す。
一例の実施形態に係る蒸気発生器を、近似的に円筒状のライザー塔まわりの底面図で示す。
一例の実施形態に係る原子炉用蒸気発生器に使用されるプレナムの詳細を示す。
一例の実施形態に係る原子炉用蒸気発生器に使用されるプレナムの上面図を示す。
一例の実施形態に係る原子炉の蒸気発生器に使用されるプレナムの管板穿孔に使用されるオリフィスを示す。
原子炉に使用される蒸気発生器の様々なシステム及び配列が記載される。複数の実装において、4つのプレナムを含む一群のプレナムが、原子炉の近似的に円筒状のライザー塔の底部まわりに90度の増分で第1平面内に配列される。4つのプレナムを含む第2群のプレナムが、原子炉の円筒状の塔の頂部まわりに90度の増分で第2平面内に配列される。円筒状のライザー塔の頂部及び底部双方に配置されたプレナムは、当該複数の蒸気発生器管の一つに結合することが許容された穿孔を有する実質的に又は近似的に平坦な管板を含む。いくつかの実施形態において、円筒状のライザー塔の底部に近接するプレナムの穿孔の少なくともいくつかの中にオリフィスが設けられる。オリフィスの存在により少なくとも部分的に、ライザーの底部において流体がプレナムから上方に流れるにつれて圧力低下が生じる。
一定の他の実施形態において、3つのプレナムが、原子炉の近似的に円筒状のライザー塔の底部まわりに120度で第1平面内に配列される。3つのプレナムを含む第2群のプレナムが、原子炉の円筒状のライザー塔の頂部まわりに120度で第2平面内に配列される。円筒状のライザー塔の頂部及び底部双方に配置されたプレナムは、複数の蒸気発生器管の一以上に結合することが許容された穿孔を有する実質的に又は近似的に平坦な管板を含む。複数の蒸気発生器管は、円筒状のライザー塔の底部に配置されたプレナムと頂部に配置されたプレナムとの間に流路を形成する。いくつかの実施形態において、円筒状のライザー塔の底部に近接して配置されたプレナムの少なくともいくつかの穿孔の中にオリフィスが設けられる。オリフィスの存在により少なくとも部分的に、ライザーの底部において流体がプレナムから上方に流れるにつれて圧力低下が生じる。
一定の実施形態において、プレナムの近似的に平坦な管板の一以上における穿孔は、円筒状のライザー塔に近いプレナムの縁近傍では密度が低く(例えば管板の単位面積当たりの数が少なく)、かつ、蒸気発生器を封入する炉容器の外壁の近くでは密度が高い(例えば単位面積当たりの数が多い)。近似的に平坦な管板における穿孔の当該密度変化により、炉容器内の一次流体から蒸気発生器管内の二次作動流体への近似的に均一の熱結合がもたらされる。
ここに使用されるように、かつ、以下のセクションにおいて詳細に記載されるように、本発明のいくつかの実施形態は様々な原子炉技術を含む。すなわち、複数の実装が、酸化ウラン、水素化ウラン、窒化ウラン、炭化ウラン、混合酸化物及び/又は他のタイプの放射性燃料を用いる原子炉を含む。留意すべきことだが、実施形態は、任意の特定タイプの炉冷却メカニズムにも、核反応の中で熱を生成するべく用いられ又は核反応に関連する任意の特定タイプの燃料にも限られない。
図1は、一例の実施形態に係る蒸気発生器を用いた原子炉モジュールの図である。図1において、炉心5は、円筒形状又はカプセル形状の炉容器20の底部に位置決めされる。炉心5は、例えば数年のような期間にわたって生じる制御された反応を起こす一定量の核分裂性物質を含む。図1には明示的に示されていないが、制御棒は、炉心5内の核分裂速度を制御するべく用いられる。制御棒は、銀、インジウム、カドミウム、ホウ素、コバルト、ハフニウム、ジスプロシウム、ガドリニウム、サマリウム、エルビウム及びユーロピウム又はこれらの合金及び化合物を含む。しかしながら、これらは単に、多くの可能な制御棒材料のいくつかにすぎない。
複数の実装において、円筒形状又はカプセル形状の格納容器10が炉容器20を取り囲む。格納容器は、水又は他の流体冷却材のプール内に部分的に又は完全に浸されている。炉容器20と格納容器10との間の体積は、炉容器20から外部環境への熱伝達を低減するべく部分的に又は完全に排気される。しかしながら、他の実施形態において、炉容器20と格納容器10との間の体積は、炉容器と格納容器との間の熱伝達を増加させる気体及び/又は流体によって少なくとも部分的に充填されてもよい。
特定の実装において、炉心5は、例えばホウ素又は他の添加物を含む水のような流体の中に部分的に又は完全に浸される。流体は炉心表面との接触後に上昇する。図1において、加熱された冷却材の上方の動きが、炉心5の上の矢印15によって表されている。冷却材は、少なくとも部分的に又は近似的に円筒形状のライザー塔30を通って上方に進行して蒸気発生器40及び42の頂上を超え、そして、対流により炉容器20の内側壁に沿って下方に引き戻される。こうして、冷却材は蒸気発生器40及び42に熱を付与することができる。炉容器の底部に到達した後、炉心5との接触により、矢印15によって象徴されるように冷却材の加熱がもたらされる。
図1では蒸気発生器40及び42が別個の要素として示されているが、蒸気発生器40及び42は、円筒状の形状を含むライザー塔30まわりに巻きつけられた一定数のらせんコイルを表してもよい。もう一つの実装において、他の一定数のらせんコイルが、ライザー塔30の上側部分に反対方向に巻きつけられる。例えば、第1らせんコイルが反時計回り方向に巻きつけられる一方、第2らせんコイルが時計回り方向に巻きつけられる。しかしながら、異なった構成の及び/又は異なった配向の熱交換器の使用が妨げられるわけではないので、実施形態がこの点に限られるわけではない。さらに、流体線70が蒸気発生器40及び42の上側部分の直上に位置決めされるように示されているが、他の実装では、炉容器20はこれよりも少ない又は多い量の冷却材を含む。
図1において、原子炉の通常運転が、加熱された冷却材がライザー塔30によって画定されるチャネルを通って上昇しかつ蒸気発生器40及び42と接触する態様で進められる。冷却材は、蒸気発生器40及び42との接触後、矢印25によって示される熱サイフォン過程を引き起こす態様で炉容器20の底に向かって沈む。図1の例において、炉容器20内の冷却材は圧力が大気圧よりも高いままであり、それゆえ冷却材は蒸発(すなわち沸騰)なしで高温に維持される。蒸気発生器40及び42内の冷却材の温度が増加すると、冷却材は沸騰を開始する。沸騰が開始すると、蒸発した冷却材は、熱交換器40及び42の頂部から引き回されてタービン80及び82の一以上を駆動する。タービン80及び82は、蒸気の熱ポテンシャルエネルギーを電気エネルギーに変換する。冷却材は凝縮後、熱交換器40及び42の底部まで戻る。
プレナム85が、図1の蒸気発生器40及び42の入力ポートに配置される。いくつかの実施形態において、プレナム85は、タービン80/82からの冷却材を蒸気発生器40/42に結合させる近似的に平坦な管板を含む。ライザー塔30の下側部と交差する第1水平面に近接して配置されたプレナム85の少なくとも一つは、ライザー塔30の上側部と交差する平面に向かって上方に面する近似的に平坦な管板を含む。ライザー塔30の上側部と交差する第2水平面に近接して配置されたプレナム87の少なくとも一つは、ライザー塔30と交差する平面の下側部に向かって面する近似的に平坦な管板を含む。
図2は、一例の実施形態に係る蒸気発生器を、近似的に円筒状のライザー塔まわりの二等角斜視図で示す。図2において、密接な間隔に置かれた管のいくつかの層を含む流路が、プレナム100とプレナム120との間にらせん状に延びていることわかる。いくつかの実施形態において、プレナム100は、平面105のような第1平面内で、ライザー塔を取り囲む近似的に円筒状の形状まわりに90度おきに離間される。プレナム100及びプレナム120は双方とも、蒸気発生器110の中央セクションと交差する平面115に向かって面する近似的に平坦な管板を含む。図2において、プレナム100及び120間に延びる管は、近似的に24.0から30.0メートルの長さを含む。一定の実装において、平面105に近接する3つ以上のプレナム及び平面125に近接する3つ以上のプレナムにより少なくとも部分的に、例えばプレナム120の一つとプレナム100の一以上との間に流路を形成する蒸気発生器管それぞれの長さのばらつきを所定しきい値まで低減することができる。
しかしながら、他の実装では、プレナム100と120との間にもう一つの流路を形成する蒸気発生器管が、22.0メートル、20.0メートル、18.0メートル及び他の例示的長さのような24.0メートル未満の長さを含み得ることに留意すべきである。さらに他の実装では、プレナム100と120との間に延びる管は、32.0メートル、35.0メートル、40.0メートル及び他の例示的長さのような30.0メートルを超える長さを含む。さらに、本発明の実装及び実施形態がこの点に限られないことを理解すべきである。
ライザー塔の底部近くの平面125内に近似的に配置されたプレナム120もまた、90度おきに離間される。図2において、プレナム100及び120は双方とも、近似的に平坦な管板を含む。各管板は、プレナムから蒸気発生器110の管へと冷却材を結合する穿孔を含む。図2の実施形態では、平面105に近接する各プレナム100は、平面125に近接する複数のプレナム120のうち対応するプレナムの近似的に上又は直上に示される。しかしながら、複数のプレナム100の一以上が平面105内をプレナム120に対して回転することが妨げられるわけではない。
いくつかの実施形態において、管板は、蒸気発生器110の管に結合される15.0から20.0mmの直径を有する穿孔を含む。しかしながら、他の実施形態は、直径が12.0mm、10.0mm又はこれらより小さいような、15.0mm未満の穿孔を有する管板を使用する。加えて、一定の他の実施形態は、25.0mm、30.0mm、35.0mm等の例示的直径のような、20.0mmより大きな直径の穿孔を有する管板を使用する。
図3は、一例の実施形態に係る蒸気発生器を、近似的に円筒状のライザー塔まわりの底面図で示す。図3において、プレナム220は、例えば図1のライザー塔30を表す近似的に円形状のまわりに、例えば近似的に90度おきに離間される。図3はまた、ライザー塔を取り囲む蒸気発生器管の様々な同心層も示す。
図4は、一例の実施形態に係る原子炉用蒸気発生器に使用されるプレナムの上面図を示す。図4において示されるのは、蒸気発生器の個々の管に結合されるのに適した穿孔を有する近似的に平坦な管板である。図4の穿孔は同心の円弧に配列される。外側縁260のような外側縁に向かって、内側縁250(例えば低密度)よりも単位面積当たり多数(例えば高密度)の穿孔が存在する。図5において、縁250は、円筒状のライザー塔に近い方のプレナムの一部分に対応する。外側縁260は、図1の炉容器20のような炉容器壁に近い方のプレナムの一部分に対応する。
図5は、一例の実施形態に係る原子炉用蒸気発生器に使用されるプレナムの詳細を示す。図5において、管板330は、近似的に平坦に示され、かつ、ライザー塔の縁335からの距離が増加するにつれて密度が増加する穿孔を含む。炉容器壁の縁340に近い方のプレナム320の一部分では、ライザー塔の縁335に近い方の管板の一部分よりもかなり高密度の穿孔が存在する。
図6は、一例の実施形態に係る原子炉の蒸気発生器に使用されるプレナムの管板穿孔に使用されるオリフィスを示す。いくつかの実施形態において、オリフィスは、冷却材350の圧力を低減するべく使用される。恐らく、蒸気発生器管の長さによってもたらされる圧力降下全体の、例えば少なくとも15.0%の量だけ低減される。いくつかの実施形態において、冷却材350の圧力を低減することにより、例えば起動状態中に特に懸念される圧力安定性を高めることができる。図5の管板330の穿孔の少なくともいくつかの中に配置された図6のオリフィスを使用して圧力を安定させることにより、例えば、図1の原子炉モジュールの低出力運転中に特によく見られる湿り蒸気と乾き蒸気との間の瞬間的な振動を低減又はなくすことができる。そして、これにより、例えばタービン80及び82の一以上の性能を劣化させ得るような、湿り蒸気が図1のタービン80及び82に結合される可能性が低減される。
いくつかの実施形態において、原子炉の運転方法は、恐らくは例えば炉容器の第1平面内に配置された3つ以上のプレナムの第1群から複数の流路へ作動流体を送達することを含む。この送達は、流動不安定性を防止するのに十分な量だけ作動流体の圧力を低減することを含む。一実施形態において、圧力降下のパーセンテージは、第1平面に配置された第1プレナムと第2平面に配置された第2プレナムとの間に延びる蒸気発生器配管の長さによってもたらされる圧力降下全体の少なくとも15.0%を含む。送達は、3つ以上のプレナムの第1群の少なくとも一つのプレナムの近似的に平坦な管板を通る流路に作動流体を結合することを含む。方法はさらに、当該複数の流路の少なくともいくつかにおいて作動流体を蒸発させることを含む。この蒸発は少なくとも部分的に、炉冷却材から当該流路の少なくともいくつかへ熱エネルギーを結合することによってもたらされる。方法はさらに、蒸発する冷却材を3つ以上のプレナムの第2群へ移送して、恐らくはこれらのプレナムの少なくとも一つの近似的に平坦な管板を通るようにすることを含む。
いくつかの例を例示かつ記載してきたが、当業者には、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく様々な他の修正がなされ及び均等物に置換され得ることが理解される。
図1において、原子炉の通常運転が、加熱された冷却材がライザー塔30によって画定されるチャネルを通って上昇しかつ蒸気発生器40及び42と接触する態様で進められる。冷却材は、蒸気発生器40及び42との接触後、矢印25によって示される熱サイフォン過程を引き起こす態様で炉容器20の底に向かって沈む。図1の例において、炉容器20内の冷却材は圧力が大気圧よりも高いままであり、それゆえ冷却材は蒸発(すなわち沸騰)なしで高温に維持される。蒸気発生器40及び42内の作動流体の温度が増加すると、作動流体は沸騰を開始する。沸騰が開始すると、蒸発した作動流体は、熱交換器40及び42の頂部から引き回されてタービン80及び82の一以上を駆動する。タービン80及び82は、蒸気の熱ポテンシャルエネルギーを電気エネルギーに変換する。作動流体は凝縮後、熱交換器40及び42の底部まで戻る。
プレナム85が、図1の蒸気発生器40及び42の入力ポートに配置される。いくつかの実施形態において、プレナム85は、タービン80/82からの作動流体を蒸気発生器40/42に結合させる近似的に平坦な管板を含む。ライザー塔30の下側部と交差する第1水平面に近接して配置されたプレナム85の少なくとも一つは、ライザー塔30の上側部と交差する平面に向かって上方に面する近似的に平坦な管板を含む。ライザー塔30の上側部と交差する第2水平面に近接して配置されたプレナム87の少なくとも一つは、ライザー塔30と交差する平面の下側部に向かって面する近似的に平坦な管板を含む。
ライザー塔の底部近くの平面125内に近似的に配置されたプレナム120もまた、90度おきに離間される。図2において、プレナム100及び120は双方とも、近似的に平坦な管板を含む。各管板は、プレナムから蒸気発生器110の管へと作動流体を結合する穿孔を含む。図2の実施形態では、平面105に近接する各プレナム100は、平面125に近接する複数のプレナム120のうち対応するプレナムの近似的に上又は直上に示される。しかしながら、複数のプレナム100の一以上が平面105内をプレナム120に対して回転することが妨げられるわけではない。
図4は、一例の実施形態に係る原子炉用蒸気発生器に使用されるプレナムの上面図を示す。図4において示されるのは、蒸気発生器の個々の管に結合されるのに適した穿孔を有する近似的に平坦な管板である。図4の穿孔は同心の円弧に配列される。外側縁260のような外側縁に向かって、内側縁250(例えば低密度)よりも単位面積当たり多数(例えば高密度)の穿孔が存在する。図4において、縁250は、円筒状のライザー塔に近い方のプレナムの一部分に対応する。外側縁260は、図1の炉容器20のような炉容器壁に近い方のプレナムの一部分に対応する。
図6は、一例の実施形態に係る原子炉の蒸気発生器に使用されるプレナムの管板穿孔に使用されるオリフィスを示す。いくつかの実施形態において、オリフィスは、作動流体350の圧力を低減するべく使用される。恐らく、蒸気発生器管の長さによってもたらされる圧力降下全体の、例えば少なくとも15.0%の量だけ低減される。いくつかの実施形態において、作動流体350の圧力を低減することにより、例えば起動状態中に特に懸念される圧力安定性を高めることができる。図5の管板330の穿孔の少なくともいくつかの中に配置された図6のオリフィスを使用して圧力を安定させることにより、例えば、図1の原子炉モジュールの低出力運転中に特によく見られる湿り蒸気と乾き蒸気との間の瞬間的な振動を低減又はなくすことができる。そして、これにより、例えばタービン80及び82の一以上の性能を劣化させ得るような、湿り蒸気が図1のタービン80及び82に結合される可能性が低減される。
いくつかの実施形態において、原子炉の運転方法は、恐らくは例えば炉容器の第1平面内に配置された3つ以上のプレナムの第1群から複数の流路へ作動流体を送達することを含む。この送達は、流動不安定性を防止するのに十分な量だけ作動流体の圧力を低減することを含む。一実施形態において、圧力降下のパーセンテージは、第1平面に配置された第1プレナムと第2平面に配置された第2プレナムとの間に延びる蒸気発生器配管の長さによってもたらされる圧力降下全体の少なくとも15.0%を含む。送達は、3つ以上のプレナムの第1群の少なくとも一つのプレナムの近似的に平坦な管板を通る流路に作動流体を結合することを含む。方法はさらに、当該複数の流路の少なくともいくつかにおいて作動流体を蒸発させることを含む。この蒸発は少なくとも部分的に、炉冷却材から当該流路の少なくともいくつかへ熱エネルギーを結合することによってもたらされる。方法はさらに、蒸発する作動流体を3つ以上のプレナムの第2群へ移送して、恐らくはこれらのプレナムの少なくとも一つの近似的に平坦な管板を通るようにすることを含む。