JP2009052999A - 原子炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】原子炉において、上部プレナムから複数の出口ノズルに流れる冷却材の温度分布のばらつきを抑制することで適正な運転制御を可能とする。
【解決手段】中空密閉形状をなす原子炉容器41に炉心槽46を配置し、この炉心槽46内に炉心53を配置する一方、炉心槽46の上部に上部プレナム57を区画し、上部プレナム57に連通する複数の出口ノズル45(45a,45b,45c,45d)を原子炉容器41の径方向における対称位置に形成し、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水を対称位置にある冷却材出口ノズル45a,45b,45c,45dのいずれか一方に誘導するガイド部材61,62を設ける。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内部に炉心を有する原子炉に関し、特に、炉心の冷却構造に関するものである。
加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)では、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電するものである。
このような加圧水型原子炉では、外部から冷却材を原子炉内に導入し、内部を循環することで炉心を冷却している。即ち、冷却材は、原子炉容器に形成された複数の冷却材入口ノズルから流入し、この原子炉容器と炉心槽との間に形成されたダウンカマー部を下向きに流れ落ちて下部プレナムに至る。そして、この冷却材は、下部プレナムの球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心板などを通過した後、炉心に流入する。この炉心に流入した冷却材は、炉心を構成する燃料集合体から発生する熱エネルギを吸収することで、この燃料集合体を冷却する一方、高温となり、上部プレナムまで上昇し、原子炉容器に形成された冷却材出口ノズルを通って排出される。
このような加圧水型原子炉では、ダウンカマー部を下向きに流れ落ちて下部プレナムに至った冷却材は、この下部プレナムの球面状の内面により上向きに案内されることから、炉心に流入する冷却材は、その中心部での流量が多く、外周部で流量が少なくなる。また、炉心の中心部では、冷却材が燃料集合体(燃料棒)に効率的に接触して熱交換が行われることから、炉心から上部プレナムに上昇した冷却材は、その中心部での温度が高く、外周部で温度が低くなる。
そのため、冷却材の温度差を小さくすることで、原子炉の運転制御をより容易に行うことが望ましい。
そこで、上部プレナムから出口ノズルに流入する冷却材の温度の平均化を促進するものとして、下記特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された竪型熱交換器の被加熱流体混合促進構造は、低温域出口から高温域を出る被加熱流体の出口経路に至る流れ案内部材出口ノズルの流入側近傍に設けたものである。
特開平09−072985号公報
ところで、一般的な加圧水型原子炉にて、入口ノズルは、原子炉容器の上部に複数設けられており、径方向に対して対称位置に配置されている。一方、出口ノズルも、原子炉容器の上部に複数設けられており、各入口ノズルに対してほぼ90度ずれ、径方向に対して対称位置に配置されている。そのため、例えば、炉心の中心部から上部プレナムに上昇した高温の冷却材は、その中心部から外周部側に移動し、近傍の出口ノズルから外部に排出される。
本発明は上述した課題を解決するものであり、上部プレナムから複数の出口ノズルに流れる冷却材の温度分布のばらつきを抑制することで適正な運転制御を可能とする原子炉を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明の原子炉は、中空密閉形状をなす圧力容器と、該圧力容器内に配置される炉心槽と、該炉心槽内に配置される炉心と、前記炉心槽の上部に区画される上部プレナムと、前記圧力容器の径方向における対称位置に形成されると共に前記上部プレナムに連通する複数の冷却材出口ノズルとを備える原子炉において、前記炉心から前記上部プレナムに上昇する冷却材を対称位置にある前記冷却材出口ノズルのいずれか一方に誘導するガイド部材が設けられることを特徴とするものである。
請求項2の発明の原子炉では、前記圧力容器に径方向における対称位置に形成される複数の冷却材入口ノズルと、前記炉心槽の下部に区画される下部プレナムと、前記圧力容器と前記炉心槽とにより区画されて前記冷却材入口ノズルに連通すると共に前記下部プレナムに連通するダウンカマー部とを有することを特徴としている。
請求項3の発明の原子炉では、前記炉心から前記上部プレナムに上昇する冷却材は、前記炉心の中心部を上昇する高温域と前記炉心の外周部を上昇する低温域とに分かれ、前記高温域の冷却材が前記ガイド部材により前記冷却材出口ノズルのいずれか一方に誘導されることを特徴としている。
請求項4の発明の原子炉では、前記ガイド部材は、対称位置にある前記複数の冷却材出口ノズルの間であって、前記上部プレナムにおける前記圧力容器の内壁面に配置されることを特徴としている。
請求項5の発明の原子炉では、前記ガイド部材は、対称位置にある前記複数の冷却材出口ノズルの一方に設けられる流動抵抗部材を有することを特徴としている。
請求項6の発明の原子炉では、前記ガイド部材は、制御棒案内管または炉内計装案内管であることを特徴としている。
請求項7の発明の原子炉では、前記炉心から前記上部プレナムに上昇する冷却材は、前記炉心の中心部を上昇する高温域と前記炉心の外周部を上昇する低温域とに分かれ、少なくとも前記上部プレナムに上昇した高温域の冷却材を分散して整流させる整流部材が設けられることを特徴としている。
請求項8の発明の原子炉では、前記炉心から前記上部プレナムに上昇する冷却材は、前記炉心の中心部を上昇する高温域と前記炉心の外周部を上昇する低温域とに分かれ、前記上部プレナムに上昇した高温域の冷却材または低温域の冷却材のいずれか一方を他方側へ誘導して混合させる混合促進部材が設けられることを特徴としている。
請求項1の発明の原子炉によれば、中空密閉形状をなす圧力容器内に炉心槽を配置し、この炉心槽内に炉心を配置する一方、炉心槽の上部に上部プレナムを区画し、上部プレナムに連通する複数の冷却材出口ノズルを圧力容器の径方向における対称位置に形成し、炉心から上部プレナムに上昇する冷却材を対称位置にある冷却材出口ノズルのいずれか一方に誘導するガイド部材を設けるので、炉心にて熱交換して加熱された冷却材は、上部プレナムに上昇した後、ガイド部材により対称位置にあるいずれか一方の冷却材出口ノズルに誘導され、外部に排出されることとなり、上部プレナムから各冷却材出口ノズルに流れる冷却材の温度分布のばらつきが抑制され、適正な運転制御を可能とすることができる。
請求項2の発明の原子炉によれば、複数の冷却材入口ノズルを圧力容器の径方向における対称位置に形成し、炉心槽の下部に下部プレナムを区画し、圧力容器と炉心槽とにより区画されるダウンカマー部を冷却材入口ノズルに連通すると共に下部プレナムに連通するので、複数の冷却材入口ノズルから圧力容器内に流入した冷却材は、ダウンカマー部を下降して下部プレナムに至り、ここから上昇して炉心に流入することとなり、炉心にて効率良く熱交換を行うことができる。
請求項3の発明の原子炉によれば、炉心から上部プレナムに上昇する冷却材は、炉心の中心部を上昇する高温域と炉心の外周部を上昇する低温域とに分かれ、高温域の冷却材をガイド部材により冷却材出口ノズルのいずれか一方に誘導するので、高温域の冷却材がガイド部材により所定の冷却材出口ノズルに誘導されることで、冷却材出口ノズルを流れる冷却材の温度分布のばらつきを適正に抑制することができる。
請求項4の発明の原子炉によれば、対称位置にある複数の冷却材出口ノズルの間であって、上部プレナムにおける圧力容器の内壁面にガイド部材を配置するので、上部プレナムに配置される各種配管を邪魔することなくガイド部材を配置することができ、装置の大型化や高コスト化を抑制することができる。
請求項5の発明の原子炉によれば、ガイド部材として、対称位置にある複数の冷却材出口ノズルの一方に流動抵抗部材を設けるので、上部プレナムに上昇した冷却材は、流動抵抗部材により一方の冷却材出口ノズルに流れにくくなる一方、他方の冷却材出口ノズルには流れやすくなり、上部プレナムから各冷却材出口ノズルに流れる冷却材の温度分布のばらつきを適正に抑制することができる。
請求項6の発明の原子炉によれば、ガイド部材を制御棒案内管または炉内計装案内管とするので、既存の制御棒案内管または炉内計装案内管の位置や大きさ、形状などを変更するだけで、冷却材を所定の冷却材出口ノズルに誘導することができ、装置の大型化や高コスト化を抑制することができる。
請求項7の発明の原子炉によれば、炉心から上部プレナムに上昇する冷却材は、炉心の中心部を上昇する高温域と炉心の外周部を上昇する低温域とに分かれ、少なくとも上部プレナムに上昇した高温域の冷却材を分散して整流させる整流部材を設けるので、炉心にて熱交換して加熱された高温の冷却材は、上部プレナムに上昇した後、分散部材により分散されることとなり、上部プレナムから各冷却材出口ノズルに流れる冷却材の温度分布のばらつきを抑制することができる。
請求項8の発明の原子炉によれば、炉心から上部プレナムに上昇する冷却材は、炉心の中心部を上昇する高温域と炉心の外周部を上昇する低温域とに分かれ、上部プレナムに上昇した高温域の冷却材または低温域の冷却材のいずれか一方を他方側へ誘導して混合させる混合促進部材を設けるので、炉心にて熱交換して加熱された高温の冷却材と低温の冷却材は、上部プレナムに上昇した後、混合促進部材分散部材により両者の混合が促進されることとなり、上部プレナムから各冷却材出口ノズルに流れる冷却材の温度分布のばらつきを抑制することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る原子炉の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る加圧水型原子炉における上部プレナムを表す概略図、図2は、実施例1の加圧水型原子炉の内部構造を表す概略構成図、図3は、図2のIII−III断面図、図4は、実施例1の加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントの概略構成図である。
実施例1の原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。
本実施例の加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて、図4に示すように、原子炉格納容器11内には、加圧水型原子炉12及び蒸気発生器13が格納されており、この加圧水型原子炉12と蒸気発生器13とは冷却水配管14,15を介して連結されており、冷却水配管14に加圧器16が設けられ、冷却水配管15に冷却水ポンプ15aが設けられている。この場合、減速材及び一次冷却水として軽水を用い、炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するために、一次冷却系統は加圧器16により150〜160気圧程度の高圧状態を維持するように制御している。従って、加圧水型原子炉12にて、燃料として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水として軽水が加熱され、高温の一次冷却水が加圧器16により所定の高圧に維持した状態で冷却水配管14を通して蒸気発生器13に送られる。この蒸気発生器13では、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は冷却水配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。
蒸気発生器13は、蒸気タービン17と冷却水配管18を介して連結されており、この蒸気タービン17は高圧タービン19及び低圧タービン20を有すると共に、発電機21が接続されている。また、高圧タービン19と低圧タービン20との間には、湿分分離加熱器22が設けられており、冷却水配管18から分岐した冷却水分岐配管23が湿分分離加熱器22に連結される一方、高圧タービン19と湿分分離加熱器22は低温再熱管24により連結され、湿分分離加熱器22と低圧タービン20は高温再熱管25により連結されている。更に、蒸気タービン17の低圧タービン20は、復水器26を有しており、この復水器26には冷却水(例えば、海水)を給排する取水管27及び排水管28が連結されている。そして、この復水器26は、冷却水配管29を介して脱気器30に連結されており、この冷却水配管29に復水ポンプ31及び低圧給水加熱器32が設けられている。また、脱気器30は、冷却水配管33を介して蒸気発生器13に連結されており、この冷却水配管33には給水ポンプ34及び高圧給水加熱器35が設けられている。
従って、蒸気発生器13にて、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行って生成された蒸気は、冷却水配管18を通して蒸気タービン17(高圧タービン19から低圧タービン20)に送られ、この蒸気により蒸気タービン17を駆動して発電機21により発電を行う。このとき、蒸気発生器13からの蒸気は、高圧タービン19を駆動した後、湿分分離加熱器22で蒸気に含まれる湿分が除去されると共に加熱されてから低圧タービン20を駆動する。そして、蒸気タービン17を駆動した蒸気は、復水器26で冷却されて復水となり、低圧給水加熱器32で、例えば、低圧タービン20から抽気した低圧蒸気により加熱され、脱気器30で溶存酸素や不凝結ガス(アンモニアガス)などの不純物が除去された後、高圧給水加熱器35で、例えば、高圧タービン19から抽気した高圧蒸気により加熱された後、蒸気発生器13に戻される。
また、加圧水型原子炉12において、図2及び図3に示すように、原子炉容器(圧力容器)41は、その内部に炉内構造物が挿入できるように、原子炉容器本体42とその上部に装着される原子炉容器蓋43により構成されており、この原子炉容器本体42に対して原子炉容器蓋43が開閉可能となっている。原子炉容器本体42は、上部が開口して下部が球面状に閉塞された円筒形状をなし、上部に一次冷却水としての軽水(冷却材)を給排する入口ノズル44及び出口ノズル45が形成されている。
この入口ノズル44は、図3に詳細に示すように、4個形成されており、90°−270°中心線に対して所定の角度Aをもって配置され、且つ、0°−180°中心線に対して対称な位置に配置されている。一方、出口ノズル45は、4個形成されており、0°−180°中心線に対して所定の角度Bをもって配置され、且つ、90°−270°中心線に対して対称な位置に配置されている。
原子炉容器本体42内にて、入口ノズル44及び出口ノズル45より下方には、円筒形状をなす炉心槽46が原子炉容器本体42の内面と所定の隙間をもって配置されており、この炉心槽46の上部には、円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成された上部炉心板47が連結され、下部には、同じく円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成された下部炉心板48が連結されている。そして、原子炉容器本体42内には、炉心槽46の上方に位置して円板形状をなす上部炉心支持板49が固定されており、この上部炉心支持板49から複数の炉心支持ロッド50を介して上部炉心板47、つまり、炉心槽46が吊下げ支持されている。また、炉心槽46の下部には、円板形状をなす下部炉心支持板51が固定されており、この下部炉心支持板51、つまり、炉心槽46は、原子炉容器本体42の内面に対して複数のラジアルキー52により位置決め保持されている。なお、この下部炉心支持板51にも、後述する多数の連通孔が形成されている。
炉心槽46と上部炉心板47と下部炉心板48により炉心53が形成されており、この炉心53には、多数の燃料集合体54が配置されている。この燃料集合体54は、図示しないが、多数の燃料棒が支持格子により格子状に束ねられて構成され、上端部に上部ノズルが固定される一方、下端部に下部ノズルが固定されている。そして、この燃料集合体54は、多数の燃料棒に加えて、制御棒が挿入される制御棒案内管と、炉内計装用検出器が挿入される炉内計装案内管を有している。
そして、上部炉心支持板49を貫通して多数の制御棒案内管55が支持されており、原子炉容器蓋43に設けられた図示しない制御棒駆動装置から延出されて制御棒駆動軸が、この制御棒案内管55内を通って燃料集合体54まで延出され、下端部に制御棒が取付けられている。また、上部炉心支持板49を貫通して多数の炉内計装案内管56が支持されており、下端部が燃料集合体54まで延出されている。
従って、制御棒駆動装置により制御棒駆動軸を移動して燃料集合体54に制御棒を挿入することで、炉心53内での核分裂を制御し、発生した熱エネルギにより原子炉容器41内に充填された軽水が加熱され、高温の軽水が出口ノズル45から排出され、上述したように、蒸気発生器13に送られる。即ち、燃料集合体54を構成する燃料としてのウランまたはプルトニウムが核分裂することで中性子を放出し、減速材及び一次冷却水としての軽水が、放出された高速中性子の運動エネルギを低下させて熱中性子とし、新たな核分裂を起こしやすくすると共に、発生した熱を奪って冷却する。また、制御棒を燃料集合体54に挿入することで、炉心53内で生成される中性子数を調整し、また、原子炉を緊急に停止するときには炉心53に急速に挿入される。
また、原子炉容器41内には、炉心に53に対して、その上方に出口ノズル45に連通する上部プレナム57が形成されると共に、下方に下部プレナム58が形成されている。そして、原子炉容器41と炉心槽46との間に入口ノズル44及び下部プレナム57に連通するダウンカマー部59が形成されている。即ち、上部プレナム57は、炉心槽46と上部炉心支持板49と上部炉心板47に区画されることで形成され、出口ノズル45に連通すると共に、上部炉心板47に形成された多数の連通孔(図示略)を介して炉心53に連通している。下部プレナム58は、炉心槽46の底部となる下部炉心支持板51と原子炉容器本体42に区画されることで形成され、下部炉心支持板51及び下部炉心板48に形成された多数の連通孔(図示略)を介して炉心53に連通している。ダウンカマー部59は、原子炉容器本体42と炉心槽46の側壁に区画されることで形成され、上部が入口ノズル44に連通する一方、下部が下部プレナム57に連通している。
従って、軽水は、4つの入口ノズル44から原子炉容器本体42内に流入し、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至り、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心支持板51及び下部炉心板48を通過した後、炉心53に流入する。この炉心53に流入した軽水は、炉心53を構成する燃料集合体54から発生する熱エネルギを吸収することで、この燃料集合体54を冷却する一方、高温となって上部炉心板47を通過して上部プレナム57まで上昇し、出口ノズル45を通って排出される。
そして、本実施例では、図1及び図2に示すように、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水を対称位置にある出口ノズル45(45aと45b、45cと45d)のいずれか一方に誘導するガイド部材61,62が設けられている。
即ち、原子炉容器41内の上部プレナム57にて、上述したように、4つの出口ノズル45a,45b,45c,45dは、各入口ノズル44に対してほぼ90度ずれ、径方向に対して対称位置に配置されている。そして、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水は、炉心53の中心部で高温域となり、炉心53の外周部で低温域となる。本実施例のガイド部材61,62は、炉心53の中央部から上部プレナム57に上昇する高温域の軽水を、所定の出口ノズル45a,45b,45c,45dに誘導する。
具体的には、上部プレナム57にて、出口ノズル45aと45bが所定の距離をもって対称位置に配置されると共に、出口ノズル45cと45dが所定の距離をもって対称位置に配置されている。そして、ガイド部材61は、この対称位置にある出口ノズル45aと45bの間であって、上部プレナム57における原子炉容器本体42の内壁面に配置されており、0°−180°中心線に対して時計回り方向に所定角度傾斜した平板形状をなしている。一方、ガイド部材62は、対称位置にある出口ノズル45cと45dの間であって、上部プレナム57における原子炉容器本体42の内壁面に配置されており、0°−180°中心線に対して時計回り方向に所定角度傾斜した平板形状をなしている。この場合、ガイド部材61は、高温域の軽水を出口ノズル45aに誘導可能であり、ガイド部材62は、高温域の軽水を出口ノズル45dに誘導可能である。
従って、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至った軽水は、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心支持板51及び下部炉心板48を通過して炉心53に流入する。そして、この炉心53に流入した軽水は、ここで熱交換が行われて高温となり、上部炉心板47を通過して上部プレナム57まで上昇し、各出口ノズル45(45a,45b,45c,45d)を通って排出される。
このとき、炉心53から上部プレナム57に上昇した軽水は、その中心部でその流量が多く、且つ、高温であるため、この高温の軽水HWは、径方向外周側に流れる。そして、ガイド部材61,62側に流れた一部の軽水HWは、ガイド部材61により出口ノズル45aに誘導される一方、ガイド部材62により出口ノズル45dに誘導される。そのため、このガイド部材61,62側に流れた軽水HWが、出口ノズル45b,45c側に流れるのが抑制されることで、径方向外周側に流れた一部の軽水HWは、直接出口ノズル45b,45cに流れる。一方、炉心53の外周部から上部プレナム57に上昇した軽水は、その流量が少なく、且つ、低温であるため、この低温の軽水CWは、近傍にある出口ノズル45a,45b,45c,45dに直接流れる。その結果、炉心53から上部プレナム57に上昇した軽水は、高温の軽水HWと低温の軽水CWとが適切に混合してから各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流入されることとなり、上部プレナム57から各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる冷却材の温度分布のばらつきが抑制される。
このように実施例1の原子炉によれば、中空密閉形状をなす原子炉容器内41に炉心槽46を配置し、この炉心槽46内に炉心53を配置する一方、炉心槽46の上部に上部プレナム57を区画し、上部プレナム57に連通する複数の出口ノズル45(45a,45b,45c,45d)を原子炉容器41の径方向における対称位置に形成し、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水を対称位置にある冷却材出口ノズル45a,45b,45c,45dのいずれか一方に誘導するガイド部材61,62を設けている。
従って、炉心53にて熱交換して加熱された軽水は、上部プレナム57に上昇した後、ガイド部材61,62により対称位置にあるいずれか一方の冷却材出口ノズル45a,45dに誘導され、外部に排出されることとなり、上部プレナム57から各冷却材出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる軽水の温度分布のばらつきが抑制され、適正な運転制御を可能とすることができる。
また、実施例1の原子炉では、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水は、炉心53の中心部を上昇する高温の軽水HWと炉心53の外周部を上昇する低温の軽水CWとに分かれ、高温の軽水HWをガイド部材61,62により一方の冷却材出口ノズル45a,45dに誘導している。従って、高温の軽水HWがガイド部材61,62により所定の出口ノズル45a,45dに誘導されることで、各冷却材出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる軽水の温度分布のばらつきを適正に抑制することができる。
また、実施例1の原子炉では、対称位置にある冷却材出口ノズル45a,45b,45c,45dの間であって、上部プレナム57における原子炉容器41の内壁面にガイド部材61,62を配置している。従って、上部プレナム57に配置される制御棒案内管55などの各種配管を邪魔することなく、ガイド部材61,62を容易に配置することができ、装置の大型化や高コスト化を抑制することができる。
図5は、本発明の実施例2に係る加圧水型原子炉における上部プレナムを表す概略図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図2を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の原子炉において、図2及び図5に示すように、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水を対称位置にある出口ノズル45(45aと45b、45cと45d)のいずれか一方に誘導するガイド部材65,66が設けられている。本実施例のガイド部材65,66は、炉心53の中央部から上部プレナム57に上昇する高温域の軽水を、所定の出口ノズル45a,45dに誘導する。
具体的には、上部プレナム57にて、出口ノズル45aと45bが所定の距離をもって対称位置に配置されると共に、出口ノズル45cと45dが所定の距離をもって対称位置に配置されている。そして、ガイド部材65は、この対称位置にある出口ノズル45aと45bの間であって、上部プレナム57における原子炉容器本体42の内壁面に配置されており、90°−270°中心線に対して出口ノズル45b側に所定距離近接した三角柱形状をなしている。一方、ガイド部材66は、対称位置にある出口ノズル45cと45dの間であって、上部プレナム57における原子炉容器本体42の内壁面に配置されており、90°−270°中心線に対して出口ノズル45c側に所定距離近接した三角柱形状をなしている。この場合、ガイド部材65は、高温域の軽水を出口ノズル45aに誘導可能であり、ガイド部材66は、高温域の軽水を出口ノズル45dに誘導可能である。
従って、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至った軽水は、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心支持板51及び下部炉心板48を通過して炉心53に流入する。そして、この炉心53に流入した軽水は、ここで熱交換が行われて高温となり、上部炉心板47を通過して上部プレナム57まで上昇し、各出口ノズル45(45a,45b,45c,45d)を通って排出される。
このとき、炉心53から上部プレナム57に上昇した軽水は、その中心部でその流量が多く、且つ、高温であるため、この高温の軽水HWは、径方向外周側に流れる。そして、ガイド部材65,66側に流れた一部の軽水HWは、ガイド部材65により出口ノズル45aに誘導される一方、ガイド部材66により出口ノズル45dに誘導される。そのため、このガイド部材65,66側に流れた軽水HWが、出口ノズル45b,45c側に流れるのが抑制されることで、径方向外周側に流れた一部の軽水HWは、直接出口ノズル45b,45cに流れる。一方、炉心53の外周部から上部プレナム57に上昇した軽水は、その流量が少なく、且つ、低温であるため、この低温の軽水CWは、近傍にある出口ノズル45a,45b,45c,45dに直接流れる。その結果、炉心53から上部プレナム57に上昇した軽水は、高温の軽水HWと低温の軽水CWとが適切に混合してから各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流入されることとなり、上部プレナム57から各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる冷却材の温度分布のばらつきが抑制される。
このように実施例2の原子炉によれば、中空密閉形状をなす原子炉容器41に炉心槽46を配置し、この炉心槽46内に炉心53を配置する一方、炉心槽46の上部に上部プレナム57を区画し、上部プレナム57に連通する複数の出口ノズル45(45a,45b,45c,45d)を原子炉容器41の径方向における対称位置に形成し、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水を対称位置にある出口ノズル45a,45b,45c,45dのいずれか一方に誘導するガイド部材65,66を設けている。
従って、炉心53にて熱交換して加熱された軽水は、上部プレナム57に上昇した後、ガイド部材65,66により対称位置にあるいずれか一方の冷却材出口ノズル45a,45dに誘導され、外部に排出されることとなり、上部プレナム57から各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる軽水の温度分布のばらつきが抑制され、適正な運転制御を可能とすることができる。
なお、上述した実施例1、2では、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水を対称位置にある出口ノズル45a,45b,45c,45dの一方に誘導するガイド部材61,62,65,66として、平板部材や三角柱部材を別途は位置したが、既存の部材である制御棒案内管55または炉内計装案内管56を兼用し、この制御棒案内管55や炉内計装案内管56の位置を変更することで、軽水を対称位置にある出口ノズル45a,45b,45c,45dの一方に誘導するガイド部材として機能させてもよい。この場合、既存の制御棒案内管55または炉内計装案内管56の位置や大きさ、形状などを変更するだけで、軽水を所定の冷却材出口ノズル45a,45b,45c,45dに誘導することができ、装置の大型化や高コスト化を抑制することができる。
図6は、本発明の実施例3に係る加圧水型原子炉における上部プレナムを表す概略図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図2を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の原子炉において、図2及び図6に示すように、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水を対称位置にある出口ノズル45(45aと45b、45cと45d)のいずれか一方に誘導するガイド部材として、この対称位置にある出口ノズル45aと45b、45cと45dの一方に流動抵抗部材を設けている。本実施例では、この流動抵抗部材として、出口ノズル45bと45cの通路径を出口ノズル45aと45dの通路径より太く設定している。
具体的には、上部プレナム57にて、出口ノズル45aと45bが所定の距離をもって対称位置に配置されると共に、出口ノズル45cと45dが所定の距離をもって対称位置に配置されている。そして、出口ノズル45bの通路径を出口ノズル45aの通路径より太く設定すると共に、出口ノズル45cの通路径を出口ノズル45dの通路径より太く設定している。
従って、下部プレナム58の軽水は、下部炉心支持板51及び下部炉心板48を通過して炉心53に流入し、ここで熱交換が行われて高温となり、上部炉心板47を通過して上部プレナム57まで上昇し、各出口ノズル45(45a,45b,45c,45d)を通って排出される。このとき、炉心53の中心部から上部プレナム57に上昇した高温の軽水HWは、径方向外周側に流れる。そして、対称位置にある出口ノズル45aと45bの間に流れた一部の軽水HWは、通路径が太く設定された出口ノズル45b側に誘導される一方、対称位置にある出口ノズル45cと45dの間に流れた一部の軽水HWは、通路径が太く設定された出口ノズル45c側に誘導される。そのため、この軽水HWが、出口ノズル45a,45d側に流れるのが抑制されることで、径方向外周側に流れた一部の軽水HWは、直接出口ノズル45a,45dに流れる。その結果、炉心53から上部プレナム57に上昇した軽水は、高温の軽水HWと低温の軽水CWとが適切に混合してから各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流入されることとなり、上部プレナム57から各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる冷却材の温度分布のばらつきが抑制される。
このように実施例3の原子炉によれば、中空密閉形状をなす原子炉容器41に炉心槽46を配置し、この炉心槽46内に炉心53を配置する一方、炉心槽46の上部に上部プレナム57を区画し、上部プレナム57に連通する複数の出口ノズル45(45a,45b,45c,45d)を原子炉容器41の径方向における対称位置に形成し、出口ノズル45bの通路径を出口ノズル45aの通路径より太く設定すると共に、出口ノズル45cの通路径を出口ノズル45dの通路径より太く設定している。
従って、炉心53にて熱交換して加熱された軽水は、上部プレナム57に上昇した後、通路径が太く流れやすい出口ノズル45b,45cに誘導され、外部に排出されることとなり、上部プレナム57から各冷却材出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる軽水の温度分布のばらつきが抑制され、適正な運転制御を可能とすることができる。
なお、上述した実施例3では、対称位置にある出口ノズル45aと45b、45cと45dにて、流動抵抗部材として、出口ノズル45bと45cの通路径を出口ノズル45aと45dの通路径より太く設定し、出口ノズル45b,45cの流動抵抗を低く設定したが、対称位置にある45aと45b、45cと45dのいずれか一方に流動抵抗を高くする抵抗部材を設けてもよい。この場合、既存の部材である制御棒案内管55または炉内計装案内管56を兼用し、この制御棒案内管55や炉内計装案内管56の位置を変更することで、軽水を対称位置にある出口ノズル45a,45b,45c,45dの一方の流動抵抗としてもよい。
図7は、本発明の実施例4に係る加圧水型原子炉における上部プレナムを表す概略図、図8は、図7のVIII−VIII断面図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図2を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の原子炉において、図2、図7及び図8に示すように、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水に対して、対称位置にある出口ノズル45(45aと45b、45cと45d)に向かうように、高温域の軽水を分散して整流させる整流部材71,72と、低温域の軽水を分散して整流させる整流部材73,74が設けられている。
具体的には、上部プレナム57にて、出口ノズル45aと45bが所定の距離をもって対称位置に配置されると共に、出口ノズル45cと45dが所定の距離をもって対称位置に配置されている。そして、整流部材71は、出口ノズル45bの近傍で、高温の軽水HWの通路上に配置されている。一方、整流部材73は、出口ノズル45bの近傍で、低温の軽水CWの通路上に配置されている。この場合、整流部材71は、高温の軽水HWを分散して出口ノズル45bに誘導可能であり、整流部材73は、低温の軽水CWを分散して出口ノズル45bに誘導可能である。
また、整流部材72は、出口ノズル45cの近傍で、高温の軽水HWの通路上に配置されている。一方、整流部材74は、出口ノズル45cの近傍で、低温の軽水CWの通路上に配置されている。この場合、整流部材72は、高温の軽水HWを分散して出口ノズル45cに誘導可能であり、整流部材74は、低温の軽水CWを分散して出口ノズル45cに誘導可能である。
従って、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至った軽水は、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心支持板51及び下部炉心板48を通過して炉心53に流入する。そして、この炉心53に流入した軽水は、ここで熱交換が行われて高温となり、上部炉心板47を通過して上部プレナム57まで上昇し、各出口ノズル45(45a,45b,45c,45d)を通って排出される。
このとき、炉心53から上部プレナム57に上昇した軽水は、その中心部でその流量が多く、且つ、高温であるため、この高温の軽水HWは、上部プレナム57の上端部まで上昇してから下降し、その一部が出口ノズル45b,45cに流れる。そして、この軽水HWは、整流部材71,72により分散されて整流された後、出口ノズル45b,45cに誘導される。一方、炉心53の外周部から上部プレナム57に上昇した軽水は、その流量が少なく、且つ、低温であるため、この低温の軽水CWは、上部プレナム57の上端部まで上昇せずに、そのまま出口ノズル45b,45cに流れる。そして、この低温の軽水CWは、整流部材73,74により分散されて整流された後、出口ノズル45b,45cに誘導される。そのため、この整流部材71,72,73,74により事前に分散された高温の軽水HW及び低温の軽水CWが出口ノズル45b,45cに流入することとなり、上部プレナム57から各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる冷却材の温度分布のばらつきが抑制される。
このように実施例4の原子炉によれば、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水に対して、対称位置にある出口ノズル45(45aと45b、45cと45d)に向かうように、高温域の軽水を分散して整流させる整流部材71,72と、低温域の軽水を分散して整流させる整流部材73,74が設けられている。
従って、炉心53にて熱交換して加熱された軽水は、上部プレナム57に上昇した後、整流部材71,72,73,74により分散され、整流されてから出口ノズル45b,45cに誘導され、外部に排出されることとなり、上部プレナム57から各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる軽水の温度分布のばらつきが抑制され、適正な運転制御を可能とすることができる。
なお、上述した実施例4では、高温域の軽水を分散して整流させる整流部材71,72と、低温域の軽水を分散して整流させる整流部材73,74を設けたが、既存の部材である制御棒案内管55または炉内計装案内管56を兼用し、この制御棒案内管55や炉内計装案内管56の位置を変更することで、整流部材として機能させてもよい。
図9は、本発明の実施例5に係る加圧水型原子炉における上部プレナムを表す概略図、図10は、実施例5の加圧水型原子炉における上部プレナムを表す縦断面図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図2を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5の原子炉において、図2、図9及び図10に示すように、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水が、対称位置にある出口ノズル45(45aと45b、45cと45d)に流入する前に、高温域の軽水または低温域の軽水の一方を他方側へ誘導して混合させる混合促進部材して、整流部材81,82,83,84が設けられている。
具体的には、上部プレナム57にて、出口ノズル45aと45bが所定の距離をもって対称位置に配置されると共に、出口ノズル45cと45dが所定の距離をもって対称位置に配置されている。そして、整流部材81は、出口ノズル45bの近傍に設けられた制御棒案内管55の上部外周に、リング形状をなして固定されており、高温の軽水HWの通路上に配置されている。一方、整流部材83は、出口ノズル45bの近傍に設けられた制御棒案内管55の下部外周に、リング形状をなして固定されており、低温の軽水CWの通路上に配置されている。この場合、整流部材81は、高温の軽水HWを低温の軽水CW側に誘導可能であり、整流部材83は、低温の軽水CWを高温の軽水HW側に誘導可能である。
また、整流部材82は、出口ノズル45cの近傍に設けられた制御棒案内管55の上部外周に、リング形状をなして固定されており、高温の軽水HWの通路上に配置されている。一方、整流部材84は、出口ノズル45cの近傍に設けられた制御棒案内管55の下部外周に、リング形状をなして固定されており、低温の軽水CWの通路上に配置されている。この場合、整流部材82は、高温の軽水HWを低温の軽水CW側に誘導可能であり、整流部材84は、低温の軽水CWを高温の軽水HW側に誘導可能である。
従って、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至った軽水は、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心支持板51及び下部炉心板48を通過して炉心53に流入する。そして、この炉心53に流入した軽水は、ここで熱交換が行われて高温となり、上部炉心板47を通過して上部プレナム57まで上昇し、各出口ノズル45(45a,45b,45c,45d)を通って排出される。
このとき、炉心53から上部プレナム57に上昇した軽水は、その中心部でその流量が多く、且つ、高温であるため、この高温の軽水HWは、上部プレナム57の上端部まで上昇してから下降する。一方、炉心53の外周部から上部プレナム57に上昇した軽水は、その流量が少なく、且つ、低温であるため、この低温の軽水CWは、上部プレナム57の上端部まで上昇しない。そして、高温の軽水HWは、整流部材81,82により低温の軽水CW側に誘導され、低温の軽水CWは、整流部材83,84により高温の軽水HW側に誘導され、上部プレナム57内で事前に混合してから出口ノズル45b,45cに誘導される。そのため、この整流部材81,82,83,84により事前に混合された高温の軽水HW及び低温の軽水CWが出口ノズル45b,45cに流入することとなり、上部プレナム57から各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる冷却材の温度分布のばらつきが抑制される。
このように実施例5の原子炉によれば、炉心53から上部プレナム57に上昇する軽水が、対称位置にある出口ノズル45(45aと45b、45cと45d)に流入する前に、高温域の軽水または低温域の軽水の一方を他方側へ誘導して混合させる混合促進部材して、整流部材81,82,83,84が設けられている。
従って、炉心53にて熱交換して加熱された軽水は、上部プレナム57に上昇した後、整流部材81,82,83,84により事前に混合され、整流されてから出口ノズル45b,45cに誘導され、外部に排出されることとなり、上部プレナム57から各出口ノズル45a,45b,45c,45dに流れる軽水の温度分布のばらつきが抑制され、適正な運転制御を可能とすることができる。
本発明に係る原子炉は、炉心から上部プレナムに上昇する冷却材を対称位置にある冷却材出口ノズルのいずれか一方に誘導するガイド部材を設けることで、上部プレナムから複数の出口ノズルに流れる冷却材の温度分布のばらつきを抑制して適正な運転制御を可能とするものであり、いずれの種類の原子炉にも適用することができる。
本発明の実施例1に係る加圧水型原子炉における上部プレナムを表す概略図である。 実施例1の加圧水型原子炉の内部構造を表す概略構成図である。 図2のIII−III断面図である。 実施例1の加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントの概略構成図である。 本発明の実施例2に係る加圧水型原子炉における上部プレナムを表す概略図である。 本発明の実施例3に係る加圧水型原子炉における上部プレナムを表す概略図である。 本発明の実施例4に係る加圧水型原子炉における上部プレナムを表す概略図である。 図7のVIII−VIII断面図である。 本発明の実施例5に係る加圧水型原子炉における上部プレナムを表す概略図である。 実施例5の加圧水型原子炉における上部プレナムを表す縦断面図である。
符号の説明
12 加圧水型原子炉
41 原子炉容器(圧力容器)
44 入口ノズル(冷却材入口ノズル)
45 出口ノズル(冷却材出口ノズル)
46 炉心槽
48 下部炉心板
53 炉心
55 制御棒案内管
56 炉内計装案内管
57 上部プレナム
58 下部プレナム
59 ダウンカマー部
61,62,65,66 ガイド部材
71,72,73,74 整流部材
81,82,83,84 整流部材(混合促進部材)

Claims (8)

  1. 中空密閉形状をなす圧力容器と、該圧力容器内に配置される炉心槽と、該炉心槽内に配置される炉心と、前記炉心槽の上部に区画される上部プレナムと、前記圧力容器の径方向における対称位置に形成されると共に前記上部プレナムに連通する複数の冷却材出口ノズルとを備える原子炉において、前記炉心から前記上部プレナムに上昇する冷却材を対称位置にある前記冷却材出口ノズルのいずれか一方に誘導するガイド部材が設けられることを特徴とする原子炉。
  2. 前記圧力容器に径方向における対称位置に形成される複数の冷却材入口ノズルと、前記炉心槽の下部に区画される下部プレナムと、前記圧力容器と前記炉心槽とにより区画されて前記冷却材入口ノズルに連通すると共に前記下部プレナムに連通するダウンカマー部とを有することを特徴とする請求項1に記載の原子炉。
  3. 前記炉心から前記上部プレナムに上昇する冷却材は、前記炉心の中心部を上昇する高温域と前記炉心の外周部を上昇する低温域とに分かれ、前記高温域の冷却材が前記ガイド部材により前記冷却材出口ノズルのいずれか一方に誘導されることを特徴とする請求項1または2に記載の原子炉。
  4. 前記ガイド部材は、対称位置にある前記複数の冷却材出口ノズルの間であって、前記上部プレナムにおける前記圧力容器の内壁面に配置されることを特徴とする請求項3に記載の原子炉。
  5. 前記ガイド部材は、対称位置にある前記複数の冷却材出口ノズルの一方に設けられる流動抵抗部材を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の原子炉。
  6. 前記ガイド部材は、制御棒案内管または炉内計装案内管であることを特徴とする請求項5に記載の原子炉。
  7. 前記炉心から前記上部プレナムに上昇する冷却材は、前記炉心の中心部を上昇する高温域と前記炉心の外周部を上昇する低温域とに分かれ、少なくとも前記上部プレナムに上昇した高温域の冷却材を分散して整流させる整流部材が設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の原子炉。
  8. 前記炉心から前記上部プレナムに上昇する冷却材は、前記炉心の中心部を上昇する高温域と前記炉心の外周部を上昇する低温域とに分かれ、前記上部プレナムに上昇した高温域の冷却材または低温域の冷却材のいずれか一方を他方側へ誘導して混合させる混合促進部材が設けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の原子炉。
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