JP4786616B2 - 原子炉 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に炉心を有する原子炉に関し、特に、炉心の冷却構造に関するものである。
加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)では、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電するものである。
このような加圧水型原子炉では、外部から冷却材を原子炉内に導入し、内部を循環することで炉心を冷却している。即ち、冷却材は、原子炉容器に形成された複数の冷却材入口ノズルから流入し、この原子炉容器と炉心槽との間に形成されたダウンカマー部を下向きに流れ落ちて下部プレナムに至る。そして、この冷却材は、下部プレナムの球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心板などを通過した後、炉心に流入する。この炉心に流入した冷却材は、炉心を構成する燃料集合体から発生する熱エネルギを吸収することで、この燃料集合体を冷却する一方、高温となり、上部プレナムまで上昇し、原子炉容器に形成された冷却材出口ノズルを通って排出される。
このような加圧水型原子炉では、下部プレナムに炉心槽を支持するラジアルキーや燃料集合体に検査機器を挿入する炉内計装案内管などの構造物が設けられているため、ダウンカマー部を通して下部プレナムに供給された冷却材が、この構造物に衝突して分散し、炉心に対して径方向及び周方向に対して流量分布ができてしまう。
そのため、この下部プレナムに冷却材の流れを整流する連接板を設けることが、例えば、下記特許文献1に提案されている。この特許文献1に記載された原子炉の炉内構造は、下部プレナムに、外周形状が冷却材の主流の流れ方向に非対称形状をなす連接板を設けることで、剥離渦の発生と助長を抑制し、炉心に冷却材が均一に流れ込むと共に、冷却材の流れの圧力損失を低減し、冷却材の流れを安定させるものである。
特開2005−009999号公報
ところが、複数の冷却材入口ノズルから流入した冷却材は、ダウンカマー部で合流しながら下降し、下部プレナムにて、その内面形状により上向きの上昇流に変換されるとき、連接板により大きな渦の発生が抑制されるものの、この連接板を通過した渦や連接板を基点とした渦が発生しやすくなり、炉心に対して径方向及び周方向に均一な冷却材の流れを形成することが困難となる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、圧力容器内に導入された冷却材を下部プレナムから炉心に対して径方向及び周方向に均一に供給することで熱交換効率の向上を図る原子炉を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための請求項1の発明の原子炉は、上部に冷却材入口ノズル及び冷却材出口ノズルを有する圧力容器と、該圧力容器内に配置される炉心槽と、該炉心槽内に配置される炉心と、前記圧力容器と前記炉心槽の底部により区画される下部プレナムと、前記圧力容器と前記炉心槽の側壁により区画されて前記冷却材入口ノズルに連通すると共に前記下部プレナムに連通するダウンカマー部とを備える原子炉において、前記下部プレナムにリング形状をなす整流リングと該整流リングの内側に放射状をなす複数の整流スポークからなる整流部材が設けられ、前記整流リングは、上部リング及び下部リングを有し、下部炉心板から垂下された複数の支柱により支持されることを特徴とするものである。
請求項2の発明の原子炉では、前記整流リングは、外側リング及び内側リングを有し、下部炉心板から垂下された複数の支柱により支持されると共に、前記外側リングと前記内側リングとの間に前記複数の整流スポークが設けられることを特徴としている。
請求項3の発明の原子炉では、前記外側リングと前記内側リングとの間に中間リングが配置され、該中間リングは前記複数の整流スポークと交差することを特徴としている。
請求項4の発明の原子炉では、前記上部リングの外径が前記下部リングの外径より大きく設定されることを特徴としている。
請求項5の発明の原子炉では、前記上部リングに設けられた複数の整流スポークと前記下部リングに設けられた複数の整流スポークが周方向にずれて配置されることを特徴としている。
請求項6の発明の原子炉では、前記整流リングの外周部から前記原子炉容器の内面側に向けて整流補助部材が設けられることを特徴としている。
請求項7の発明の原子炉では、前記整流補助部材は、リング形状をなし、前記整流リングの外周部に複数の連結部材を介して支持されることを特徴としている。
請求項8の発明の原子炉では、前記整流リングの上面が前記整流補助部材の上面より高い位置に設けられることを特徴としている。
請求項9の発明の原子炉では、前記整流リングの外周部上面に壁部材が設けられることを特徴としている。
請求項10の発明の原子炉では、前記整流リングまたは前記整流スポークに、前記整流リングまたは前記整流スポークの幅よりも外径の大きい渦消部材が上下方向に沿って設けられることを特徴としている。
請求項11の発明の原子炉では、前記整流リングまたは前記整流スポークは、下部炉心板から垂下された複数の支柱により支持され、該支柱の外周部にリング形状をなす渦消部材が設けられることを特徴としている。
請求項12の発明の原子炉では、前記整流スポークの側部に該整流スポークの長手方向に沿って渦消部材が設けられることを特徴としている。
請求項13の発明の原子炉では、前記圧力容器内における前記炉心槽の上部に上部炉心板が設けられ、前記圧力容器の上部から前記上部炉心板を貫通して計装案内管が設けられることを特徴としている。
請求項1の発明の原子炉によれば、冷却材入口ノズル及び冷却材出口ノズルを有する圧力容器内に炉心槽を配置し、この炉心槽内に炉心を配置する一方、圧力容器と炉心槽の底部により下部プレナムを区画すると共に、圧力容器と炉心槽の側壁によりダウンカマー部を区画し、下部プレナムにリング形状をなす整流リングとこの整流リングの内側に放射状をなす複数の整流スポークからなる整流部材を設けるので、圧力容器内に導入された冷却材が、ダウンカマー部を下降して下部プレナムに至り、この下部プレナムで反転して上昇するとき、整流リング及び整流スポークにより冷却材の流れを分散し、大きな渦の発生を抑制することで、その炉心に供給される冷却材の流量が炉心に対して径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
また、請求項1の発明の原子炉によれば、整流リングとして上部リング及び下部リングを設け、下部炉心板から垂下された複数の支柱により支持するので、ダウンカマー部を下降して下部プレナムで反転して上昇する冷却材は、上部リング及び下部リングと複数の整流スポークに加えて、複数の支柱により分散されて大きな渦の発生が抑制されることとなり、炉心に供給される冷却材の流量を炉心の径方向及び周方向に対して均一に整流することができる。
請求項2の発明の原子炉によれば、整流リングとして外側リング及び内側リングを設け、下部炉心板から垂下された複数の支柱により支持すると共に、外側リングと内側リングとの間に複数の整流スポークを設けるので、ダウンカマー部を下降して下部プレナムで反転して上昇する冷却材は、外側リングと内側リングと複数の整流スポークに加えて、複数の支柱により分散されて大きな渦の発生が抑制されることとなり、炉心に供給される冷却材の流量を炉心の径方向及び周方向に対して均一に整流することができる。
請求項3の発明の原子炉によれば、外側リングと内側リングとの間に中間リングを配置し、この中間リングを複数の整流スポークと交差するので、ダウンカマー部を下降して下部プレナムで反転して上昇する冷却材は、外側リングと内側リングと複数の整流スポークに加えて、中間リングにより分散されて大きな渦の発生が抑制されることとなり、炉心に供給される冷却材の流量を炉心の径方向及び周方向に対して均一に整流することができる。
請求項4の発明の原子炉によれば、上部リングの外径を下部リングの外径より大きく設定するので、炉心に流れる冷却材の流路面積が小さくなることで、ダウンカマー部を下降して下部プレナムで反転して上昇する冷却材が確実に分散されて大きな渦の発生が抑制されることとなり、炉心に供給される冷却材の流量を炉心の径方向及び周方向に対して均一に整流することができる。
請求項5の発明の原子炉によれば、上部リングに設けられた複数の整流スポークと下部リングに設けられた複数の整流スポークを周方向にずれて配置するので、ダウンカマー部を下降して下部プレナムで反転して上昇する冷却材が確実に分散されて大きな渦の発生が抑制されることとなり、炉心に供給される冷却材の流量を炉心の径方向及び周方向に対して均一に整流することができる。
請求項6の発明の原子炉によれば、整流リングの外周部から原子炉容器の内面側に向けて整流補助部材を設けるので、ダウンカマー部を下降して下部プレナムに流れ込む冷却材は、整流補助部材により分散されることで、下部プレナムでの大きな渦の発生を抑制することができる。
請求項7の発明の原子炉によれば、整流補助部材をリング形状とし、整流リングの外周部に複数の連結部材を介して支持するので、整流リングの外周部から原子炉容器の内面との間に適正に整流補助部材を配置することで、簡単な構成で、ダウンカマー部を下降して下部プレナムに流れ込む冷却材を整流補助部材により分散し、下部プレナムでの大きな渦の発生を抑制することができる。
請求項8の発明の原子炉によれば、整流リングの上面を整流補助部材の上面より高い位置に設けるので、ダウンカマー部を下降して下部プレナムに流れ込む冷却材は、整流補助部材により分散し、整流補助部材の外周面により案内されて周方向の流れとして整流されることとなり、下部プレナムでの大きな渦の発生を抑制することができる。
請求項9の発明の原子炉によれば、整流リングの外周部上面に壁部材を設けるので、ダウンカマー部を下降して下部プレナムに流れ込む冷却材は、整流補助部材により分散し、壁部材により案内されて周方向の流れとして整流されることとなり、下部プレナムでの大きな渦の発生を抑制することができる。
請求項10の発明の原子炉によれば、整流リングまたは整流スポークにこの整流リングまたは整流スポークの幅よりも外径の大きい渦消部材を上下方向に沿って設けるので、整流リング及び整流スポークにより整流できなかった渦がこの渦消部材により整流されることとなり、炉心に供給される冷却材の流量を炉心の径方向及び周方向に対して均一に整流することができる。
請求項11の発明の原子炉によれば、整流リングまたは整流スポークを下部炉心板から垂下された複数の支柱により支持し、この支柱の外周部にリング形状をなす渦消部材を設けるので、整流リング及び整流スポークにより整流できなかった渦がこの渦消部材により整流されることとなり、炉心に供給される冷却材の流量を炉心の径方向及び周方向に対して均一に整流することができる。
請求項12の発明の原子炉によれば、整流スポークの側部にこの整流スポークの長手方向に沿って渦消部材を設けるので、整流リング及び整流スポークにより整流できなかった渦がこの渦消部材により整流されることとなり、炉心に供給される冷却材の流量を炉心の径方向及び周方向に対して均一に整流することができる。
請求項13の発明の原子炉によれば、圧力容器内における炉心槽の上部に上部炉心板を設け、圧力容器の上部から上部炉心板を貫通して計装案内管を設けるので、下部プレナムに計装案内管を支持する支柱などが不要となり、整流リングや整流スポークの形状を適正化することで、大きな渦の発生を適正に抑制し、炉心に供給される冷却材の流量を炉心に対して径方向及び周方向に均一に整流することができる。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る原子炉の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る加圧水型原子炉の内部構造を表す概略構成図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、図1のIII−III断面図、図4は、図1のIV−IV断面図、図5は、実施例1の加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントの概略構成図である。
実施例1の原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。
本実施例の加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて、図5に示すように、原子炉格納容器11内には、加圧水型原子炉12及び蒸気発生器13が格納されており、この加圧水型原子炉12と蒸気発生器13とは冷却水配管14,15を介して連結されており、冷却水配管14に加圧器16が設けられ、冷却水配管15に冷却水ポンプ15aが設けられている。この場合、減速材及び一次冷却水として軽水を用い、炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するために、一次冷却系統は加圧器16により150〜160気圧程度の高圧状態を維持するように制御している。従って、加圧水型原子炉12にて、燃料として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水として軽水が加熱され、高温の一次冷却水が加圧器16により所定の高圧に維持した状態で冷却水配管14を通して蒸気発生器13に送られる。この蒸気発生器13では、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は冷却水配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。
蒸気発生器13は、蒸気タービン17と冷却水配管18を介して連結されており、この蒸気タービン17は高圧タービン19及び低圧タービン20を有すると共に、発電機21が接続されている。また、高圧タービン19と低圧タービン20との間には、湿分分離加熱器22が設けられており、冷却水配管18から分岐した冷却水分岐配管23が湿分分離加熱器22に連結される一方、高圧タービン19と湿分分離加熱器22は低温再熱管24により連結され、湿分分離加熱器22と低圧タービン20は高温再熱管25により連結されている。更に、蒸気タービン17の低圧タービン20は、復水器26を有しており、この復水器26には冷却水(例えば、海水)を給排する取水管27及び排水管28が連結されている。そして、この復水器26は、冷却水配管29を介して脱気器30に連結されており、この冷却水配管29に復水ポンプ31及び低圧給水加熱器32が設けられている。また、脱気器30は、冷却水配管33を介して蒸気発生器13に連結されており、この冷却水配管33には給水ポンプ34及び高圧給水加熱器35が設けられている。
従って、蒸気発生器13にて、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行って生成された蒸気は、冷却水配管18を通して蒸気タービン17(高圧タービン19から低圧タービン20)に送られ、この蒸気により蒸気タービン17を駆動して発電機21により発電を行う。このとき、蒸気発生器13からの蒸気は、高圧タービン19を駆動した後、湿分分離加熱器22で蒸気に含まれる湿分が除去されると共に加熱されてから低圧タービン20を駆動する。そして、蒸気タービン17を駆動した蒸気は、復水器26で冷却されて復水となり、低圧給水加熱器32で、例えば、低圧タービン20から抽気した低圧蒸気により加熱され、脱気器30で溶存酸素や不凝結ガス(アンモニアガス)などの不純物が除去された後、高圧給水加熱器35で、例えば、高圧タービン19から抽気した高圧蒸気により加熱された後、蒸気発生器13に戻される。
また、加圧水型原子炉12において、図1乃至図4に示すように、原子炉容器(圧力容器)41は、その内部に炉内構造物が挿入できるように、原子炉容器本体42とその上部に装着される原子炉容器蓋43により構成されており、この原子炉容器本体42に対して原子炉容器蓋43が開閉可能となっている。原子炉容器本体42は、上部が開口して下部が球面状に閉塞された円筒形状をなし、上部に一次冷却水としての軽水(冷却材)を給排する入口ノズル44及び出口ノズル45が形成されている。
この入口ノズル44は、図2に詳細に示すように、4個形成されており、90°−270°中心線に対して所定の角度Aをもって配置され、且つ、0°−180°中心線に対して対称な位置に配置されている。一方、出口ノズル45は、4個形成されており、0°−180°中心線に対して所定の角度Bをもって配置され、且つ、90°−270°中心線に対して対称な位置に配置されている。
原子炉容器本体42内にて、入口ノズル44及び出口ノズル45より下方には、円筒形状をなす炉心槽46が原子炉容器本体42の内面と所定の隙間をもって配置されており、この炉心槽46の上部には、円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成された上部炉心板47が連結され、下部には、同じく円板形状をなして図示しない多数の連通孔が形成された下部炉心板48が連結されている。そして、原子炉容器本体42内には、炉心槽46の上方に位置して円板形状をなす上部炉心支持板49が固定されており、この上部炉心支持板49から複数の炉心支持ロッド50を介して上部炉心板47、つまり、炉心槽46が吊下げ支持されている。また、炉心槽46の下部には、円板形状をなす下部炉心支持板51が固定されており、この下部炉心支持板51、つまり、炉心槽46は、原子炉容器本体42の内面に対して複数のラジアルキー52により位置決め保持されている。なお、この下部炉心支持板51にも、図示しない多数の連通孔が形成されている。
このラジアルキー52は、図3に詳細に示すように、6個形成されており、0°中心線を基準として60°ごとに配置されている。
炉心槽46と上部炉心板47と下部炉心板48により炉心53が形成されており、この炉心53には、多数の燃料集合体54が配置されている。この燃料集合体54は、図示しないが、多数の燃料棒が支持格子により格子状に束ねられて構成され、上端部に上部ノズルが固定される一方、下端部に下部ノズルが固定されている。そして、この燃料集合体54は、多数の燃料棒に加えて、制御棒が挿入される制御棒案内管と、炉内計装用検出器が挿入される炉内計装案内管を有している。
そして、上部炉心支持板49を貫通して多数の制御棒クラスタ案内管55が支持されており、原子炉容器蓋43に設けられた図示しない制御棒駆動装置から延出されて制御棒クラスタ駆動軸が、この制御棒クラスタ案内管55内を通って燃料集合体54まで延出され、下端部に制御棒が取付けられている。また、上部炉心支持板49を貫通して多数の炉内計装案内管56が支持されており、下端部が燃料集合体54まで延出されている。
従って、制御棒駆動装置により制御棒クラスタ駆動軸を移動して燃料集合体54に制御棒を挿入することで、炉心53内での核分裂を制御し、発生した熱エネルギにより原子炉容器41内に充填された軽水が加熱され、高温の軽水が出口ノズル45から排出され、上述したように、蒸気発生器13に送られる。即ち、燃料集合体54を構成する燃料としてのウランまたはプルトニウムが核分裂することで中性子を放出し、減速材及び一次冷却水としての軽水が、放出された高速中性子の運動エネルギを低下させて熱中性子とし、新たな核分裂を起こしやすくすると共に、発生した熱を奪って冷却する。また、制御棒を燃料集合体54に挿入することで、炉心53内で生成される中性子数を調整し、また、原子炉を緊急に停止するときには炉心53に急速に挿入される。
また、原子炉容器41内には、炉心に53に対して、その上方に出口ノズル45に連通する上部プレナム57が形成されると共に、下方に下部プレナム58が形成されている。そして、原子炉容器41と炉心槽46との間に入口ノズル44及び下部プレナム58に連通するダウンカマー部59が形成されている。即ち、上部プレナム57は、炉心槽46と上部炉心支持板49と上部炉心板47に区画されることで形成され、出口ノズル45に連通すると共に、上部炉心板47に形成された多数の連通孔を介して炉心53に連通している。下部プレナム58は、炉心槽46の底部となる下部炉心支持板51と原子炉容器本体42に区画されることで形成され、下部炉心支持板51及び下部炉心板48に形成された多数の連通孔を介して炉心53に連通している。ダウンカマー部59は、原子炉容器本体42と炉心槽46の側壁に区画されることで形成され、上部が入口ノズル44に連通する一方、下部が下部プレナム57に連通している。
従って、軽水は、4つの入口ノズル44から原子炉容器本体42内に流入し、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至り、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、下部炉心支持板51及び下部炉心板48を通過した後、炉心53に流入する。この炉心53に流入した軽水は、炉心53を構成する燃料集合体54から発生する熱エネルギを吸収することで、この燃料集合体54を冷却する一方、高温となって上部炉心板47を通過して上部プレナム57まで上昇し、出口ノズル45を通って排出される。
そして、本実施例では、図1及び図4に詳細に示すように、下部プレナム58に、ダウンカマー部59から下部プレナム58に供給されてから炉心53に向かって上昇する軽水を、この炉心53の周方向及び径方向に対して均一に分散して整流する整流部材61が設けられている。
この整流部材61は、リング形状をなす上部外側リング62と上部内側リング63が両者の間に放射状に架設された複数(本実施例では、6個)の上部スポーク(整流スポーク)64により連結されてなる上部リング(整流リング)65と、リング形状をなす下部外側リング66と下部内側リング67が両者の間に放射状に架設された複数(本実施例では、6個)の下部スポーク(整流スポーク)68により連結されてなる下部リング(整流リング)69とを有している。そして、下部炉心支持板51から垂下された複数(本実施例では、6個)の支柱70の下部が上部外側リング62及び下部外側リング66に連結されることで、上部リング65と下部リング69が下部プレナム58内の所定の位置に配置されることとなる。
この場合、各スポーク64,68は、各リング65,69の周方向に均等間隔で配置されており、近接する2つの入口ノズル44の間にそれぞれ1個、離れた2つの入口ノズル44の間にそれぞれ2個配置している。また、各支柱70は、各外側リング62,66の周方向において、各スポーク64,68と同位置に配置されている。
従って、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至った軽水は、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、整流部材61に整流されてから炉心53に流入する。このとき、入口ノズル44から原子炉容器本体42内に流入した軽水は、炉心槽46に衝突して周方向に分散すると共に、隣接する入口ノズル44から流入した軽水と合流し、ダウンカマー部59を流れ落ちて下部プレナム58に至る。即ち、ダウンカマー部59を通って下部プレナム58に流れ落ちる軽水の多くは、0°−90°−180°−270度の中心線に沿って流れ落ちることとなる。そのため、この軽水の流れが、下部プレナム58の球面状の内面により上昇するとき、整流部材61、つまり、各リング62,63,66,67と各スポーク64,68と各支柱70に衝突して分散され、大きな渦の発生が抑制されることで、下部プレナム58から炉心53に供給される軽水の流量が、炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流される。
特に、ダウンカマー部59における90°−270度の中心線に沿って流れ落ちる軽水の流れは、整流部材61の各スポーク64,68及び支柱70に衝突して周方向に分散され、また、ダウンカマー部59における0°−180度の中心線に沿って流れ落ちる軽水の流れは、周方向に幅広くなり、整流部材61の各スポーク64,68及び各支柱70に衝突しやすく周方向に分散されるため、大きな渦の発生が適正に抑制される。
このように実施例1の原子炉によれば、入口ノズル44及び出口ノズル45を有する原子炉容器41内に炉心槽46を配置し、この炉心槽46内に炉心53を配置する一方、原子炉容器41と炉心槽46の底部により下部プレナム58を区画すると共に、原子炉容器41と炉心槽46の側壁によりダウンカマー部59を区画し、下部プレナム58にリング形状をなす上部リング65及び下部リング69とこの各リング65,69の内側に放射状をなす複数のスポーク64,68からなる整流部材61を設けている。
従って、入口ノズル44から原子炉容器41内に導入された軽水が、ダウンカマー部59を下降して下部プレナム58に至り、この下部プレナム58で反転して上昇するとき、各リング62,63,66,67と各スポーク64,68と各支柱70に衝突して流れを分散し、大きな渦の発生を抑制することで、炉心53に供給される軽水の流量が炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
また、実施例1の原子炉では、整流部材61として、上部リング65及び下部リング69を設け、且つ、各リング65,69として外側リング62,66及び内側リング63,67を設け、外側リング62,66と内側リング63,67との間に各スポーク64,68を設け、下部炉心支持板51から垂下された複数の支柱70により支持している。従って、ダウンカマー部59を下降して下部プレナム58で反転して上昇する軽水は、複数のリング62,63,66,67と複数のスポーク64,68と複数の支柱70により分散されることとなり、大きな渦の発生を確実に抑制することができる。
図6は、本発明の実施例2に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例2の原子炉において、図1及び図6に示すように、下部プレナム58に、ダウンカマー部59から下部プレナム58に供給されてから炉心53に向かって上昇する軽水を、この炉心53の周方向及び径方向に対して均一に分散して整流する整流部材71が設けられている。
この整流部材71は、上部外側リング62と上部内側リング63が6個の上部スポーク64により連結されてなる上部リング65と、下部外側リング66と下部内側リング67が6個の下部スポーク68により連結されてなる下部リング69とを有している。そして、下部炉心支持板51から垂下された複数(本実施例では、12個)の支柱72の下部が上部外側リング62及び下部外側リング66に連結されると共に、下部炉心支持板51から垂下された複数(本実施例では、6個)の支柱73の下部が複数の上部スポーク64及び下部スポーク68に連結されることで、上部リング65と下部リング69が下部プレナム58内の所定の位置に配置されることとなる。
この場合、各スポーク64,68は、各リング65,69の周方向に均等間隔で配置されており、近接する2つの入口ノズル44の間にそれぞれ1個、離れた2つの入口ノズル44の間にそれぞれ2個配置されている。また、各支柱72は、各外側リング62,66の周方向において、各スポーク64,68の両側に配置されている。
従って、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至った軽水は、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、整流部材71に整流されてから炉心53に流入する。このとき、入口ノズル44から原子炉容器本体42内に流入した軽水は、炉心槽46に衝突して周方向に分散すると共に、隣接する入口ノズル44から流入した軽水と合流し、ダウンカマー部59を流れ落ちて下部プレナム58に至る。即ち、ダウンカマー部59を通って下部プレナム58に流れ落ちる軽水の多くは、0°−90°−180°−270度の中心線に沿って流れ落ちることとなる。そのため、この軽水の流れが、下部プレナム58の球面状の内面により上昇するとき、整流部材71、つまり、各リング62,63,66,67と各スポーク64,68と各支柱72,73に衝突して分散され、大きな渦の発生が抑制されることで、下部プレナム58から炉心53に供給される軽水の流量が、炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流される。
特に、ダウンカマー部59における90°−270度の中心線に沿って流れ落ちる軽水の流れは、整流部材71の各スポーク64,68及び支柱72,73に衝突して周方向に分散され、また、ダウンカマー部59における0°−180度の中心線に沿って流れ落ちる軽水の流れは、周方向に幅広くなり、整流部材71の各スポーク64,68及び各支柱72,73に衝突しやすく周方向に分散されるため、大きな渦の発生が適正に抑制される。
このように実施例2の原子炉によれば、原子炉容器41内の下部プレナム58に、リング形状をなす上部リング65及び下部リング69とこの各リング65,69の内側に放射状をなす複数のスポーク64,68とからなる整流部材71を設け、下部炉心支持板51から垂下された複数の支柱72,73の下部を各外側リング62,66及び各スポーク64,68に連結している。
従って、入口ノズル44から原子炉容器41内に導入された軽水が、ダウンカマー部59を下降して下部プレナム58に至り、この下部プレナム58で反転して上昇するとき、各リング62,63,66,67と各スポーク64,68と各支柱72,73に衝突して流れを分散し、大きな渦の発生を抑制することで、炉心53に供給される軽水の流量が炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
図7は、本発明の実施例3に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例3の原子炉において、図1及び図7に示すように、下部プレナム58に、ダウンカマー部59から下部プレナム58に供給されてから炉心53に向かって上昇する軽水を、この炉心53の周方向及び径方向に対して均一に分散して整流する整流部材81が設けられている。
この整流部材81は、上部外側リング62と上部内側リング63が6個の上部スポーク64により連結されてなる上部リング65と、下部外側リング66と下部内側リング67が6個の下部スポーク68により連結されてなる下部リング69とを有している。また、上部外側リング62と上部内側リング63との間には、上部中間リング82が設けられると共に、下部外側リング66と下部内側リング67との間には、下部中間リング83が設けられている。この各中間リング82,83は、六角形をなし、各スポーク64,68に交差して連結されている。そして、下部炉心支持板51から垂下された12個の支柱72の下部が上部外側リング62及び下部外側リング66に連結され、下部炉心支持板51から垂下された6個の支柱73の下部が複数の上部スポーク64及び下部スポーク68に連結され、下部炉心支持板51から垂下された6個の支柱84の下部が上部中間リング82及び下部中間リング83に連結されることで、上部リング65と下部リング69が下部プレナム58内の所定の位置に配置されることとなる。
この場合、各スポーク64,68は、各リング65,69の周方向に均等間隔で配置されており、近接する2つの入口ノズル44の間にそれぞれ1個、離れた2つの入口ノズル44の間にそれぞれ2個配置されている。また、各支柱72は、各外側リング62,66の周方向において、各スポーク64,68の両側に配置されている。更に、各支柱84は、各中間リング82,83の周方向において、各支柱73の間に配置されている。
従って、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至った軽水は、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、整流部材81に整流されてから炉心53に流入する。このとき、入口ノズル44から原子炉容器本体42内に流入した軽水は、炉心槽46に衝突して周方向に分散すると共に、隣接する入口ノズル44から流入した軽水と合流し、ダウンカマー部59を流れ落ちて下部プレナム58に至る。即ち、ダウンカマー部59を通って下部プレナム58に流れ落ちる軽水の多くは、0°−90°−180°−270度の中心線に沿って流れ落ちることとなる。そのため、この軽水の流れが、下部プレナム58の球面状の内面により上昇するとき、整流部材81、つまり、各リング62,63,66,67,82,83と各スポーク64,68と各支柱72,73,84に衝突して分散され、大きな渦の発生が抑制されることで、下部プレナム58から炉心53に供給される軽水の流量が、炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流される。
このように実施例3の原子炉によれば、原子炉容器41内の下部プレナム58に、リング形状をなす上部リング65及び下部リング69及び中間リング82,83とこの各リング65,69,82,83に放射状をなす複数のスポーク64,68とからなる整流部材81を設け、下部炉心支持板51から垂下された複数の支柱72,73,84の下部を各リング62,66,82,83及び各スポーク64,68に連結している。
従って、入口ノズル44から原子炉容器41内に導入された軽水が、ダウンカマー部59を下降して下部プレナム58に至り、この下部プレナム58で反転して上昇するとき、各リング62,63,66,67,82,83と各スポーク64,68と各支柱72,73,84に衝突して流れを分散し、大きな渦の発生を抑制することで、炉心53に供給される軽水の流量が炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
図8は、本発明の実施例4に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例4の原子炉において、図1及び図8に示すように、下部プレナム58に、ダウンカマー部59から下部プレナム58に供給されてから炉心53に向かって上昇する軽水を、この炉心53の周方向及び径方向に対して均一に分散して整流する整流部材91が設けられている。
この整流部材91は、上部外側リング92と上部内側リング93が6個の上部スポーク94により連結されてなる上部リング95と、下部外側リング96と下部内側リング97が6個の下部スポーク98により連結されてなる下部リング99とを有している。また、下部外側リング96と下部内側リング97との間には、下部中間リング100が設けられている。この各下部中間リング100は六角形をなし、下部スポーク98に交差して連結されている。そして、下部炉心支持板51から垂下された12個の支柱101の下部が上部外側リング92に連結され、12個の支柱102の下部が下部外側リング96に連結され、6個の支柱103の下部が上部スポーク94に連結され、6個の支柱104の下部が下部スポーク98に連結されている。
この場合、上部外側リング92の外径が下部外側リング96の外径より大きく設定されることで、上部外側リング92は下部外側リング96より径方向外側に配置されている。また、各スポーク94,98は、各リング95,99の周方向に均等間隔で配置されているが、周方向にずれて配置されている。
従って、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至った軽水は、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、整流部材91に整流されてから炉心53に流入する。このとき、下部プレナム58の球面状の内面により上昇する軽水は、整流部材81、つまり、各リング92,93,96,97,99,100と各スポーク94,98と各支柱101,102,103,104に衝突して分散され、大きな渦の発生が抑制されることで、下部プレナム58から炉心53に供給される軽水の流量が、炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流される。
このように実施例4の原子炉によれば、原子炉容器41内の下部プレナム58に、リング形状をなす上部リング95及び下部リング99及び中間リング100とこの各リング95,99,100に放射状をなす複数のスポーク94,98とからなり、上部外側リング92と下部外側リング96が径方向にずれると共に、上部スポーク94と下部スポーク98が周方向にずれる整流部材91を設けている。
従って、入口ノズル44から原子炉容器41内に導入された軽水が、ダウンカマー部59を下降して下部プレナム58に至り、この下部プレナム58で反転して上昇するとき、各リング92,93,96,97,99,100と各スポーク94,98と各支柱101,102,103,104に衝突して流れを分散し、大きな渦の発生を抑制することで、炉心53に供給される軽水の流量が炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
図9は、本発明の実施例5に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例5の原子炉において、図1及び図9に示すように、下部プレナム58に、ダウンカマー部59から下部プレナム58に供給されてから炉心53に向かって上昇する軽水を、この炉心53の周方向及び径方向に対して均一に分散して整流する整流部材111が設けられている。
この整流部材111は、上部外側リング62と上部内側リング63が6個の上部スポーク64により連結されてなる上部リング65と、実施例1と同様の図示しない下部リングとを有している。そして、下部炉心支持板51から垂下された12個の支柱72の下部が上部外側リング62及び下部外側リングに連結されると共に、6個の支柱73の下部が複数の上部スポーク64及び下部スポークに連結されている。
また、上部外側リング62の外周部から原子炉容器本体42の内面側に向けて補助リング(整流補助部材)112が設けられている。この補助リング112は、上部外側リング62より大径のリング形状をなすと共に断面が円筒状または円形状をなし、上部外側リング62の外周面に複数(本実施例では、8個)の連結バー(連結部材)113を介して支持されている。この場合、補助リング112は、上部外側リング62の外周面との間に所定の隙間が設けられると共に、原子炉容器本体42の内面との間に所定の隙間が設けられる。
従って、入口ノズル44から原子炉容器本体42内に流入した軽水は、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至り、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、整流部材111に整流されてから炉心53に流入する。このとき、ダウンカマー部59を流れ落ちる軽水は、補助リング112に衝突して分散されて下部プレナム58に至る。そして、下部プレナム58の球面状の内面により上昇する軽水は、更に整流部材111に衝突して分散される。そのため、大きな渦の発生が抑制されることで、下部プレナム58から炉心53に供給される軽水の流量が、炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流される。
このように実施例5の原子炉によれば、原子炉容器41内の下部プレナム58に、リング形状をなす上部リング65と下部リングを有すると共に、上部リング65の外周部から原子炉容器本体42の内面側に向けて突出する補助リング112を固定した整流部材111を設けている。
従って、入口ノズル44から原子炉容器41内に導入された軽水が、ダウンカマー部59を通って下部プレナム58に流れ落ちるとき、この軽水は、補助リング112に衝突して分散されてから下部プレナム58に至り、この下部プレナム58で反転して上昇するとき、上部リング65及び下部リングに衝突して更に流れを分散し、大きな渦の発生を抑制することで、炉心53に供給される軽水の流量が炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
また、補助リング112は、リング形状をなすと共に断面が円筒状または円形状をなしていることから、軽水がダウンカマー部59から補助リング112に衝突して分散されるとき、この補助リング112による圧力損失が低減され、水平方向に発生する渦を抑制することができる。
図10は、本発明の実施例6に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す縦断面図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例5とほぼ同様であり、図1及び図9を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例6の原子炉において、図1、図9及び図10に示すように、整流部材111を構成する上部リング65にて、上部外側リング62の外周面には、複数の連結バー113を介して補助リング112が固定されている。この場合、上部外側リング62の上面が補助リング112の上面より高い位置に設けられている。即ち、上部外側リング62の上面と補助リング112の上面との間に、段差Hが設定されている。
従って、入口ノズル44から原子炉容器本体42内に流入した軽水は、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至り、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、整流部材71に整流されてから炉心53に流入する。このとき、ダウンカマー部59を流れ落ちる軽水は、補助リング112に衝突して分散され、上部外側リング62と補助リング112との隙間や補助リング112と原子炉容器本体42との隙間を通って下部プレナム58に至る。また、補助リング112に衝突して分散された軽水の一部は、原子炉容器本体42の中心側に流れるものの、上部外側リング62の上面と補助リング112の上面との間に段差Hが設定されているため、軽水の一部が上部外側リング62の外周面に衝突し、周方向に流れながら下降して下部プレナム58に至る。そして、下部プレナム58に流れた軽水は、球面状の内面により上昇し、更に整流部材111に衝突して分散される。そのため、大きな渦の発生が抑制されることで、下部プレナム58から炉心53に供給される軽水の流量が、炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流される。
このように実施例6の原子炉によれば、原子炉容器41内の下部プレナム58に、リング形状をなす上部リング65と下部リングを有すると共に、上部リング65の外周部から原子炉容器本体42の内面側に向けて突出する補助リング112を固定した整流部材111を設け、上部外側リング62の上面を補助リング112の上面より高い位置に設定している。
従って、入口ノズル44から原子炉容器41内に導入された軽水が、ダウンカマー部59を通って下部プレナム58に流れ落ちるとき、この軽水は、補助リング112に衝突して分散されてから下部プレナム58に至ると共に、上部外側リング62の外周面に衝突して周方向に流れながら下降して下部プレナム58に至り、この下部プレナム58で反転して上昇するとき、上部リング65及び下部リングに衝突して更に流れを分散し、大きな渦の発生を抑制することで、炉心53に供給される軽水の流量が炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
図11は、本発明の実施例7に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す縦断面図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例5とほぼ同様であり、図1及び図9を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例7の原子炉において、図1、図9及び図11に示すように、整流部材111を構成する上部リング65にて、上部外側リング62の外周面には、複数の連結バー113を介して補助リング112が固定されている。そして、この上部外側リング62の外周部の上面に壁部材115が設けられている。この壁部材115は、上部外側リング62の外周縁に沿ったリング形状をなすと共に、断面が矩形状をなし、上部外側リング62の上面に固定されている。この場合、壁部材115の上面が補助リング112の上面より高い位置に設けられている。即ち、壁部材115の上面と補助リング112の上面との間に、段差Hが設定されている。
従って、入口ノズル44から原子炉容器本体42内に流入した軽水は、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至り、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、整流部材111に整流されてから炉心53に流入する。このとき、ダウンカマー部59を流れ落ちる軽水は、補助リング112に衝突して分散され、上部外側リング62と補助リング112との隙間や補助リング112と原子炉容器本体42との隙間を通って下部プレナム58に至る。また、補助リング112に衝突して分散された軽水の一部は、原子炉容器本体42の中心側に流れるものの、壁部材115の外周面に衝突し、周方向に流れながら下降して下部プレナム58に至る。そして、下部プレナム58に流れた軽水は、球面状の内面により上昇し、更に整流部材111に衝突して分散される。そのため、大きな渦の発生が抑制されることで、下部プレナム58から炉心53に供給される軽水の流量が、炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流される。
このように実施例7の原子炉によれば、原子炉容器41内の下部プレナム58に、リング形状をなす上部リング65と下部リングを有すると共に、上部リング65の外周部から原子炉容器本体42の内面側に向けて突出する補助リング112を固定した整流部材111を設け、上部外側リング62の上面にリング形状をなす壁部材115を設けている。
従って、入口ノズル44から原子炉容器41内に導入された軽水が、ダウンカマー部59を通って下部プレナム58に流れ落ちるとき、この軽水は、補助リング112に衝突して分散されてから下部プレナム58に至ると共に、壁部材115の外周面に衝突して周方向に流れながら下降して下部プレナム58に至り、この下部プレナム58で反転して上昇するとき、上部リング65及び下部リングに衝突して更に流れを分散し、大きな渦の発生を抑制することで、炉心53に供給される軽水の流量が炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
なお、上述した実施例5、6、7にて、補助リング112をリング形状として上部外側リング62の外側に全周にわたって設けたが、湾曲形状または直線形状として部分的に設けてもよい。補助リング112の断面形状を円筒形または円形としたが、楕円形、三角形など流れ落ちる軽水の抵抗が小さい形状であればよい。また、上述した実施例7にて、壁部材115をリング形状として上部外側リング62の上面に全周にわたって設けたが、湾曲形状として部分的に設けてもよい。
図12は、本発明の実施例8に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例8の原子炉において、図1及び図12に示すように、下部プレナム58に、ダウンカマー部59から下部プレナム58に供給されてから炉心53に向かって上昇する軽水を、この炉心53の周方向及び径方向に対して均一に分散して整流する整流部材121が設けられている。
この整流部材121は、上部外側リング62と上部内側リング63が6個の上部スポーク64により連結されてなる上部リング65と、実施例1と同様の図示しない下部リングとを有している。そして、下部炉心支持板51から垂下された12個の支柱72の下部が上部外側リング62及び下部外側リングに連結されると共に、6個の支柱122の下部が複数の上部スポーク64及び下部スポークに連結されている。この場合、上部スポーク64及び下部スポークに連結される6個の支柱122は、この上部スポーク64及び下部スポークの幅よりも外径の大きい渦消部材として機能するように形成されている。即ち、支柱122は、上端部が下部炉心支持板51に固定され、下端部が上部スポーク64及び下部スポークを貫通して原子炉容器本体42の底面の近傍まで延出されている。
従って、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至った軽水は、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、整流部材121に整流されてから炉心53に流入する。このとき、下部プレナム58の球面状の内面により上昇する軽水は、整流部材121に衝突して分散され、大きな渦の発生が抑制されるものの、発生した渦は、渦消部材として機能する径の大きい支柱122の周囲を上昇することで解消され、下部プレナム58から炉心53に供給される軽水の流量が、炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流される。
このように実施例8の原子炉によれば、原子炉容器41内の下部プレナム58に、リング形状をなす上部リング65及び下部リングと、渦消部材として機能する支柱122を有する整流部材121を設けている。
従って、入口ノズル44から原子炉容器41内に導入された軽水が、ダウンカマー部59を下降して下部プレナム58に至り、この下部プレナム58で反転して上昇するとき、上部リング65及び下部リングに衝突して流れを分散し、大きな渦の発生を抑制すると共に、発生した渦が支柱122の周囲を上昇しながら解消されることで、炉心53に供給される軽水の流量が炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
図13は、本発明の実施例9に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図、図14は、実施例9の整流部材に設けられた渦消リングを表す斜視図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例9の原子炉において、図1、図13及び図14に示すように、下部プレナム58に、ダウンカマー部59から下部プレナム58に供給されてから炉心53に向かって上昇する軽水を、この炉心53の周方向及び径方向に対して均一に分散して整流する整流部材131が設けられている。
この整流部材131は、上部外側リング62と上部内側リング63が6個の上部スポーク64により連結されてなる上部リング65と、実施例1と同様の図示しない下部リングとを有している。そして、下部炉心支持板51から垂下された12個の支柱72の下部が上部外側リング62及び下部外側リングに連結されると共に、6個の支柱73の下部が複数の上部スポーク64及び下部スポークに連結されている。この場合、上部スポーク64及び下部スポークに連結される6個の支柱73は、上端部が下部炉心支持板51に固定され、下端部が上部外側リング62及び下部外側リングを貫通して原子炉容器本体42の底面の近傍まで延出されている。そして、この各支柱73には、外周部にリング形状をなす渦消リング(渦消部材)132が設けられ、複数の支持バー133により固定されている。この渦消リング132は、支柱73の軸方向に所定間隔で複数設けられている。
従って、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至った軽水は、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、整流部材131に整流されてから炉心53に流入する。このとき、下部プレナム58の球面状の内面により上昇する軽水は、整流部材131に衝突して分散され、大きな渦の発生が抑制されるものの、発生した渦は、支柱73の周囲を上昇し、渦消リング132に衝突することで解消され、下部プレナム58から炉心53に供給される軽水の流量が、炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流される。
このように実施例9の原子炉によれば、原子炉容器41内の下部プレナム58に、リング形状をなす上部リング65及び下部リングを有する整流部材131を設け、下部炉心支持板51から垂下された支柱72,73により支持し、各支柱73の外周部にリング形状をなす渦消リング132が設けている。
従って、入口ノズル44から原子炉容器41内に導入された軽水が、ダウンカマー部59を下降して下部プレナム58に至り、この下部プレナム58で反転して上昇するとき、上部リング65及び下部リングに衝突して流れを分散し、大きな渦の発生を抑制すると共に、発生した渦が支柱73の周囲を上昇するとき、渦消リング132に衝突することで解消されるため、炉心53に供給される軽水の流量が炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
なお、上述した実施例8、9では、上部スポーク64に対して渦消部材として機能する支柱122を設けたり、支柱73の外周部に渦消リング132を設けたが、上部外側リング62に対して渦消部材として機能する太い支柱を設けたり、支柱72の外周部に渦消リングを設けてもよい。
図15は、本発明の実施例10に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図、図16は、図15のXVI−XVI断面図である。なお、本実施例の原子炉における全体構成は、上述した実施例1とほぼ同様であり、図1を用いて説明すると共に、この実施例で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
実施例10の原子炉において、図1、図15及び図16に示すように、下部プレナム58に、ダウンカマー部59から下部プレナム58に供給されてから炉心53に向かって上昇する軽水を、この炉心53の周方向及び径方向に対して均一に分散して整流する整流部材141が設けられている。
この整流部材141は、上部外側リング142と支持軸143が6個の上部スポーク144により連結されてなる上部リング145と、図示しないが、同様に、下部外側リングと支持軸143が6個の下部スポークにより連結されてなる下部リングとを有している。また、各上部スポーク144の両側部にこの上部スポーク144の長手方向に沿って渦消パイプ(渦消部材)146が設け、複数の連結バー147により固定されている。そして、下部炉心支持板51から垂下された12個の支柱148の下部が上部外側リング142及び下部外側リングに連結されると共に、6個の支柱149の下部が複数の上部スポーク144及び下部スポークに連結されている。
また、上部外側リング142の外周部から原子炉容器本体42の内面側に向けて補助リング112が設けられている。この補助リング112は、上部外側リング142より大径のリング形状をなすと共に断面が円筒状または円形状をなし、上部外側リング142の外周面に複数8個の連結バー113を介して支持されている。
従って、入口ノズル44から原子炉容器本体42内に流入した軽水は、ダウンカマー部59を下向きに流れ落ちて下部プレナム58に至り、この下部プレナム58の球面状の内面により上向きに案内されて上昇し、整流部材141に整流されてから炉心53に流入する。このとき、ダウンカマー部59を流れ落ちる軽水は、補助リング112に衝突して分散されて下部プレナム58に至る。そして、下部プレナム58の球面状の内面により上昇する軽水は、更に整流部材141に衝突して分散され、大きな渦の発生が抑制されるものの、発生した渦は、複数の渦消パイプ146に衝突することで解消され、下部プレナム58から炉心53に供給される軽水の流量が、炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流される。
このように実施例10の原子炉によれば、原子炉容器41内の下部プレナム58に、リング形状をなす上部リング145及び下部リングを有すると共に、上部スポーク144の両側部に渦消パイプ146が固定した整流部材141を設けている。
従って、入口ノズル44から原子炉容器41内に導入された軽水が、ダウンカマー部59を下降して下部プレナム58に至り、この下部プレナム58で反転して上昇するとき、上部リング65及び下部リングに衝突して流れを分散し、大きな渦の発生を抑制すると共に、発生した渦が渦消パイプ146に衝突することで解消されるため、炉心53に供給される軽水の流量が炉心53に対してその径方向及び周方向に均一に整流されることとなり、熱交換効率の向上を図ることができる。
なお、上述した各実施例では、整流部材を上下方向に配置した2つのリングにより構成したが、1つでもよく、また、3つ以上配置してもよい。また、各実施例では、整流部材を径方向に配置した1つまたは2つのリングにより構成したが、3つ以上配置してもよい。また、各リングの断面形状を矩形状としたが、円形、楕円形などとしてもよい。また、整流スポークを周方向に6個設けたが、5個以下でも、7個以上であってもよい。更に、複数の整流スポークを周方向に均等間隔に設けたが、原子炉容器本体42の内面形状に応じて、不等間隔としてもよい。
即ち、整流リング、整流スポーク、支柱の数は、下部プレナム58で発生する渦の状況に応じて適宜設定すればよいものであり、それに応じて、整流リングと整流スポークと支柱の高さや幅を変更し、結果として軽水が炉心53へ流れる流路面積、開口率を設定すればよいものである。
また、上述した各実施例では、整流リングを下部炉心支持板から垂下された複数の支柱により支持したが、下部炉心支持板と下部炉心板を兼用した場合には、整流リングを下部炉心板から垂下された複数の支柱により支持すればよい。即ち、本発明の下部炉心板は、下部炉心支持板と下部炉心板を含むものである。
本発明に係る原子炉は、下部プレナムに整流部材を設けることで、冷却材を下部プレナムから炉心に対して径方向及び周方向に均一に供給するものであり、いずれの種類の原子炉にも適用することができる。
本発明の実施例1に係る加圧水型原子炉の内部構造を表す概略構成図である。 図1のII−II断面図である。 図1のIII−III断面図である。 図1のIV−IV断面図である。 実施例1の加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントの概略構成図である。 本発明の実施例2に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。 本発明の実施例3に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。 本発明の実施例4に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。 本発明の実施例5に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。 本発明の実施例6に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す縦断面図である。 本発明の実施例7に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す縦断面図である。 本発明の実施例8に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。 本発明の実施例9に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。 実施例9の整流部材に設けられた渦消リングを表す斜視図である。 本発明の実施例10に係る加圧水型原子炉に設けられた整流部材を表す水平断面図である。 図15のXVI−XVI断面図である。
符号の説明
12 加圧水型原子炉
41 原子炉容器(圧力容器)
44 入口ノズル(冷却材入口ノズル)
45 出口ノズル(冷却材出口ノズル)
46 炉心槽
53 炉心
56 炉内計装案内管
57 上部プレナム
58 下部プレナム
59 ダウンカマー部
61,71,81,91,111,121,131,141 整流部材
62,92,142 上部外側リング
63,93 上部内側リング
64,94,144 上部スポーク(整流スポーク)
65,95,145 上部リング(整流リング)
66,96 下部外側リング
67,97 下部内側リング
68,98 下部スポーク(整流スポーク)
69,99 下部リング(整流リング)
70,72,73,84,101,102,103,104,148,148 支柱
82,83,100 中間リング
112 補助リング(整流補助部材)
115 壁部材
122 支柱(渦消部材)
132 渦消リング(渦消部材)
146 渦消パイプ(渦消部材)

Claims (13)

  1. 上部に冷却材入口ノズル及び冷却材出口ノズルを有する圧力容器と、該圧力容器内に配置される炉心槽と、該炉心槽内に配置される炉心と、前記圧力容器と前記炉心槽の底部により区画される下部プレナムと、前記圧力容器と前記炉心槽の側壁により区画されて前記冷却材入口ノズルに連通すると共に前記下部プレナムに連通するダウンカマー部とを備える原子炉において、前記下部プレナムにリング形状をなす整流リングと該整流リングの内側に放射状をなす複数の整流スポークからなる整流部材が設けられ、前記整流リングは、上部リング及び下部リングを有し、下部炉心板から垂下された複数の支柱により支持されることを特徴とする原子炉。
  2. 前記整流リングは、外側リング及び内側リングを有し、下部炉心板から垂下された複数の支柱により支持されると共に、前記外側リングと前記内側リングとの間に前記複数の整流スポークが設けられることを特徴とする請求項1に記載の原子炉。
  3. 前記外側リングと前記内側リングとの間に中間リングが配置され、該中間リングは前記複数の整流スポークと交差することを特徴とする請求項2に記載の原子炉。
  4. 前記上部リングの外径が前記下部リングの外径より大きく設定されることを特徴とする請求項1に記載の原子炉。
  5. 前記上部リングに設けられた複数の整流スポークと前記下部リングに設けられた複数の整流スポークが周方向にずれて配置されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の原子炉。
  6. 前記整流リングの外周部から前記原子炉容器の内面側に向けて整流補助部材が設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の原子炉。
  7. 前記整流補助部材は、リング形状をなし、前記整流リングの外周部に複数の連結部材を介して支持されることを特徴とする請求項6に記載の原子炉。
  8. 前記整流リングの上面が前記整流補助部材の上面より高い位置に設けられることを特徴とする請求項6または7に記載の原子炉。
  9. 前記整流リングの外周部上面に壁部材が設けられることを特徴とする請求項6から8のいずれか一つに記載の原子炉。
  10. 前記整流リングまたは前記整流スポークに、前記整流リングまたは前記整流スポークの幅よりも外径の大きい渦消部材が上下方向に沿って設けられることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の原子炉。
  11. 前記整流リングまたは前記整流スポークは、下部炉心板から垂下された複数の支柱により支持され、該支柱の外周部にリング形状をなす渦消部材が設けられることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の原子炉。
  12. 前記整流スポークの側部に該整流スポークの長手方向に沿って渦消部材が設けられることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の原子炉。
  13. 前記圧力容器内における前記炉心槽の上部に上部炉心板が設けられ、前記圧力容器の上部から前記上部炉心板を貫通して計装案内管が設けられることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の原子炉。
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